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JP2004327402A - 防湿エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

防湿エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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JP2004327402A
JP2004327402A JP2003124502A JP2003124502A JP2004327402A JP 2004327402 A JP2004327402 A JP 2004327402A JP 2003124502 A JP2003124502 A JP 2003124502A JP 2003124502 A JP2003124502 A JP 2003124502A JP 2004327402 A JP2004327402 A JP 2004327402A
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正道 赤津
Tomoyuki Hidaka
知之 日高
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Abstract

【課題】工業的な方法により製造される、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】有機材料の基板6上に形成された無機材料の第1の膜1と、第1の膜1上に形成されたフッ化炭素系化学物質又は撥水性を有する有機材料の第2の膜2と、第2の膜2上に形成された無機材料の第3の膜3とを備える交互積層防湿膜100にて、エレクトロルミネッセンス素子本体10を封止することにより、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子81を提供することができる。あるいは、前記第1の膜、第2の膜及び第3の膜をエレクトロルミネッセンス素子本体の上に形成して、封止しても、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子に関し、特に、高度の防湿性を有する防湿膜を備えた防湿エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気を印加することによる蛍光体の発光は、エレクトロルミネッセンスと呼ばれている。エレクトロルミネッセンスの原理を用いたエレクトロルミネッセンス素子は、発光層を直接又は絶縁層を介して一対の電極により挟んだ素子本体を備えており、一対の電極の少なくとも一方には、透明性を有する電極が用いられている。
【0003】
エレクトロルミネッセンス素子は、液晶表示素子と異なり自発光し、また、その薄膜、軽量の特徴を活かして、液晶表示素子用バックライト、コンピュータの端末ディスプレイ、テレビの画像ディスプレイなどとして、用途が広がりつつある。しかし、発光層を構成する蛍光体が吸湿すると、その発光輝度が著しく損なわれるという短所、即ちダークスポット又はパネル全面の輝度が小さくなる現象を生ずること、がある。
【0004】
そのため、エレクトロルミネッセンス素子は、一般的に、一対の電極間に発光層が配置されたエレクトロルミネッセンス素子本体を透明な防湿体で封止した構造を有している。その防湿体としては、ガラス基板やポリ塩化三フッ化エチレン(PCTFE)フィルムを主体とする防湿フィルムが用いられている。これらの内、ガラス基板は、薄膜化や軽量化に限度があり、可撓性に欠けるという問題を有する。一方、PCTFEフィルムは、雰囲気温度が50℃を超えると、その防湿性が著しく低下するため、高温下でのエレクトロルミネッセンス素子の寿命が極端に短くなるという問題を有する。
【0005】
そこで、珪素酸化物薄膜に代表される金属又は非金属の酸化物からなる蒸着膜をポリビニルアルコール(PVA)フィルム上に形成し、更に乾燥させた防湿フィルムで、エレクトロルミネッセンス素子本体を封止することにより製造された、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子が提案されている。(特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
再表98/046424号公報(8、23−24頁、表2、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、蒸着膜を形成したPVAフィルムを乾燥させるのに時間が掛かるという問題があり、上記の防湿エレクトロルミネッセンス素子は、製造効率が低い。そこで、本発明は、工業的な方法により製造される、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子は、例えば図1に示すように、有機材料の基板6上に形成された無機材料の第1の膜1と、第1の膜1上に形成されたフッ化炭素系化学物質の第2の膜2と、第2の膜2上に形成された無機材料の第3の膜3とを有する交互積層防湿膜100と;電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10とを備え;エレクトロルミネッセンス素子本体10が交互積層防湿膜100により封止されている。
【0009】
このように構成すると、エレクトロルミネッセンス素子本体が高度な防湿性を有する交互積層防湿膜で封止されるので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子が提供される。特に、フッ化炭素系化学物質の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0010】
また、請求項2に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子は、例えば図1に示すように、有機材料の基板6上に形成された無機材料の第1の膜1と、第1の膜1上に形成された撥水性を有する有機材料の第2の膜2と、第2の膜2上に形成された無機材料の第3の膜3とを有する交互積層防湿膜100と;電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10とを備え;エレクトロルミネッセンス素子本体10が交互積層防湿膜100により封止されている。
【0011】
このように構成すると、エレクトロルミネッセンス素子本体が高度な防湿性を有する交互積層防湿膜で封止されるので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子が提供される。特に、撥水性を有する有機材料の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0012】
更に、請求項3に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子では、有機材料の基板6が透明な樹脂フィルムであり;交互積層防湿膜100の水蒸気透過度が0.05g/m/日以下である。
【0013】
このように構成すると、有機材料の基板が透明な樹脂フィルムであるので、透明な交互積層防湿膜の製造に適している。また、交互積層防湿膜の水蒸気透過度が0.05g/m/日以下であるので、エレクトロルミネッセンス素子の吸湿による劣化が抑えられる。
【0014】
ここで、透明な膜もしくはフィルムとは、単に透明であるだけでなく、透過する光が歪んでぼやけることの少ないことも求められる。この性状を、以下、透明性ともいう。
【0015】
前記の目的を達成するため、請求項4に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子は、例えば図6に示すように、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10と;エレクトロルミネッセンス素子本体10上に形成された無機材料の第1の膜1と;第1の膜1上に形成されたフッ化炭素系化学物質の第2の膜2と;第2の膜2上に形成された無機材料の第3の膜3とを備え;エレクトロルミネッセンス素子本体10が第1から第3の膜1、2、3により封止されている。
【0016】
このように構成すると、エレクトロルミネッセンス素子本体が第1から第3の膜により防湿されるので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子が提供される。特に、フッ化炭素系化学物質の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0017】
また、請求項5に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子は、例えば図6に示すように、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10と;エレクトロルミネッセンス素子本体10上に形成された無機材料の第1の膜1と;第1の膜1上に形成された撥水性を有する有機材料の第2の膜2と;第2の膜2上に形成された無機材料の第3の膜3とを備え;エレクトロルミネッセンス素子本体10が第1から第3の膜1、2、3により封止されている。
【0018】
このように構成すると、エレクトロルミネッセンス素子本体が第1から第3の膜により防湿されるので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子が提供される。特に、撥水性を有する有機材料の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0019】
前記の目的を達成するため、請求項6に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子では、第1の膜1又は第3の膜3の無機材料が、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムからなる群から選択された1種以上の材料のいずれか1種以上の材料である。典型的には、第1の膜1の材料と第3の膜3は製造工程の簡略化のため同じものとするが、異なっていてもよい。
【0020】
このように構成すると、第1の無機材料の膜および第3の無機材料の膜が、透明性と特に低い水蒸気透過度を有する窒化珪素、高度の透明性と低い水蒸気透過度を有する酸化珪素、窒化珪素と酸化珪素の特徴を併せ持つ窒化酸化珪素、又は低い水蒸気透過度と透明性を有する酸化アルミニウムで形成されていることにより、エレクトロルミネッセンス素子本体の発光の効果が損なわれずに、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0021】
前記の目的を達成するために、請求項7に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、例えば図1に示すように、有機材料の基板6上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜1を形成する工程と;第1の膜1上にフッ化炭素系化学物質を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜2を形成する工程と;第2の膜2上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜3を形成し、交互積層防湿膜100を製造する工程と;交互積層防湿膜100により、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10を封止する工程とを備える。
【0022】
このように構成すると、高度な防湿性を有する交互積層防湿膜が、蒸着又はスパッタリングにより製造され、また、その交互積層防湿膜でエレクトロルミネッセンス素子本体を封止するので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。特に、フッ化炭素系化学物質の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0023】
また、請求項8に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、例えば図1に示すように、有機材料の基板6上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜1を形成する工程と;第1の膜1上に撥水性を有する有機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜2を形成する工程と;第2の膜2上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜3を形成し、交互積層防湿膜100を製造する工程と;交互積層防湿膜100により、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10を封止する工程とを備える。
【0024】
このように構成すると、高度な防湿性を有する交互積層防湿膜が、蒸着又はスパッタリングにより製造され、また、その交互積層防湿膜でエレクトロルミネッセンス素子本体を封止するので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。特に、撥水性を有する有機材料の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0025】
前記の目的を達成するために、請求項9に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、例えば図5に示すように、有機材料の基板6上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜1を形成する工程と;第1の膜1上にフッ化炭素系化学物質を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜2を形成する工程と;第2の膜2上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜3を形成し、交互積層防湿膜100を製造する工程と;電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10を、第3の膜3上に形成する工程と;エレクトロルミネッセンス素子本体10を封止する工程とを備える。
【0026】
このように構成すると、高度な防湿性を有する交互積層防湿膜が、蒸着又はスパッタリングにより製造され、また、その交互積層防湿膜上にエレクトロルミネッセンス素子本体を形成して、封止するので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。特に、フッ化炭素系化学物質の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0027】
また、請求項10に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、例えば図5に示すように、有機材料の基板6上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜1を形成する工程と;第1の膜1上に撥水性を有する有機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜2を形成する工程と;第2の膜2上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜3を形成し、交互積層防湿膜100を製造する工程と;電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10を、第3の膜3上に形成する工程と;エレクトロルミネッセンス素子本体10を封止する工程とを備える。
【0028】
このように構成すると、高度な防湿性を有する交互積層防湿膜が、蒸着又はスパッタリングにより製造され、また、その交互積層防湿膜上にエレクトロルミネッセンス素子本体を形成して、封止するので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。特に、撥水性を有する有機材料の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0029】
前記の目的を達成するために、請求項11に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、例えば図6に示すように、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜1を形成する工程と;第1の膜1上にフッ化炭素系化学物質を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜2を形成する工程と;第2の膜2上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜3を形成することにより、エレクトロルミネッセンス素子本体10を封止する工程とを備える。
【0030】
このように構成すると、エレクトロルミネッセンス素子本体上に、高度な防湿性を有する第1、第2及び第3の膜が、蒸着又はスパッタリングにより製造され、また、その第1、第2及び第3の膜がエレクトロルミネッセンス素子本体を封止するので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。特に、フッ化炭素系化学物質の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0031】
また、請求項12に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、例えば図6に示すように、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体10上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜1を形成する工程と;第1の膜1上に撥水性を有する有機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜2を形成する工程と;第2の膜2上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜3を形成することにより、前記エレクトロルミネッセンス素子本体を封止する工程とを備える。
【0032】
このように構成すると、エレクトロルミネッセンス素子本体上に、高度な防湿性を有する第1、第2及び第3の膜が、蒸着又はスパッタリングにより製造され、また、その第1、第2及び第3の膜がエレクトロルミネッセンス素子本体を封止するので、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。特に、撥水性を有する有機材料の第2の膜を備えているので、水蒸気が透過しにくい。
【0033】
また、請求項13に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法では、第1の膜1又は第3の膜3の無機材料が窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムからなる群から選択された1種以上の材料である。
【0034】
このように構成すると、第1の無機材料の膜および第3の無機材料の膜が、透明性と特に低い水蒸気透過度を有する窒化珪素、高度の透明性と低い水蒸気透過度を有する酸化珪素、窒化珪素と酸化珪素の特徴を併せ持つ窒化酸化珪素、又は低い水蒸気透過度と透明性を有する酸化アルミニウムで形成されていることにより、高度の防湿性と透明性を有するので、エレクトロルミネッセンス素子本体の発光の効果が損なわれずに、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。
【0035】
更に、請求項14に記載の発明に係る防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法では、第2の膜2を形成する工程において、ポリテトラフルオロエチレンを膜の原料とする。なお、膜の原料とは、スパッタリングのターゲットあるいは蒸着の膜の原料のことである。
【0036】
このように構成すると、ポリテトラフルオロエチレンを膜の原料とするので、撥水性の高いフッ化炭素系化学物質の膜が形成され、吸湿による劣化が抑えられたエレクトロルミネッセンス素子の工業的な製造方法が提供される。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一符号又は類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0038】
先ず、図1(a)の断面図を参照して、本発明の第1の実施の形態であるエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と略記する。)本体10が交互積層防湿膜100により封止された防湿EL素子81について説明する。なお、封止されたとは、外気と直接触れることがないように密封されることを言う。
【0039】
そこで先ず、図2の断面図を参照して、EL素子本体について説明する。EL素子本体は、発光層12を透明電極板13と背面電極板14で挟んだ構造を有している。EL素子本体は、その発光層の材料により、有機EL素子本体と無機EL素子本体に大別される。有機EL素子本体では、発光層12の蛍光体材料にアルミニウム錯体若しくはアントラセンなどの低分子材料又はポリパラフェニレンビニレンの誘導体若しくはポリアセチレンの誘導体などの高分子材料が用いられる。一方、無機EL素子本体では、硫化亜鉛に銅を活性剤として加えたものなどが用いられる。
【0040】
透明電極板13及び背面電極板14には、直流又は交流の電源に接続されるリード線16が取り付けられ、発光層12に電圧が印加できる仕組みとされている。なお、透明電極板13と背面電極板14の材料と形成方法については後述する。また、詳細には、透明電極板13あるいは背面電極板14と発光層との間に、有機EL素子では正孔輸送層(ホール輸送層)等が、無機EL素子では絶縁体層等が形成されるが、ここでは、省略して説明する。図1、図5及び図6においても、正孔輸送層や絶縁体層等を省略して説明する。
【0041】
EL素子本体は、透明電極板を含めての配線腐食を防止するため、防湿材で被覆(封止)される。特に、有機EL素子本体の発光層を構成する蛍光体は、吸湿するとその発光輝度が著しく小さくなるので、高度の防湿性が要求される。また、透明電極板側の防湿材には、防湿性に加えて、透明性も要求される。
【0042】
続いて、図3の断面図を参照して、交互積層防湿膜100について説明する。交互積層防湿膜100は、一般的に防湿性が高いとは言えない有機材料の基板6上に形成する。
【0043】
交互積層防湿膜100が形成される有機材料の基板6は、透明な樹脂フィルムが用いられるが、この透明性のほか、蒸着あるいはスパッタリングに耐える耐熱性が要求される。このような特性を有する限り、基板材料樹脂としては、任意のものが用いられる。例えば、ポリアリーレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミド、セルローストリアセテート、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、更にこれらの樹脂の組み合わせなどのほか、表面平坦性のよい環状オレフィン系(共)重合体も好適に用いられる。
【0044】
このような有機材料を基に作られた基板6上に、無機材料の第1の膜1を形成する。無機材料を励起して断片(fragments)に分解し、励起された断片を有機材料の基板6上に凝縮せしめることにより、無機材料の第1の膜1を形成する。プラズマ化をしたアルゴンや窒素などの供給ガスを膜の原料に衝突せしめて、膜の原料から微小の断片(スパッタ粒子ということもある)が分解されて飛び出る。このスパッタ粒子は主に中性の粒子であり、その一部はプラズマ化される。
【0045】
具体的には、酸化珪素(SiO)若しくは窒化珪素(Si)を主として含む物質を膜の原料として、不活性ガス雰囲気中でスパッタリングすることにより、酸化珪素若しくは窒化珪素の第1の膜1を形成してもよい。又は、アルゴンガス中に酸素ガスを微量に含む雰囲気中で若しくはアルゴンガス中に窒素ガスを微量に含む雰囲気中で反応性スパッタリングすることにより酸化珪素、窒化珪素若しくは酸化窒化珪素の第1の膜1を形成してもよい。
【0046】
あるいは、珪素(Si)単体を膜の原料として、アルゴンガス中に酸素ガスを微量に含む雰囲気中で若しくはアルゴンガス中に窒素ガスを微量に含む雰囲気中で反応性スパッタリングすることにより、酸化珪素若しくは窒化珪素の第1の膜1を形成してもよい。あるいは、酸化アルミニウムを膜の原料として、アルゴンガス雰囲気中でのスパッタリングにより酸化アルミニウムの第1の膜1を形成してもよい。あるいは、アルミニウム単体の膜の原料を、アルゴンガス中に酸素ガスを微量に含む雰囲気中での反応性スパッタリングにより、酸化アルミニウムの第1の膜1を形成してもよい。更には、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムを蒸着することにより、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの第1の膜1を形成してもよい。生成する膜の種類に不足する原子があるときは、反応性スパッタリング(後述)のために、酸素ガスや窒素ガスなどを積極的に供給する。
【0047】
ここで、図4の模式的断面図を参照して、本発明の実施の形態で使用するスパッタリング装置の一例を説明する。スパッタリングは、図示のように、真空ポンプ42で真空とした真空槽41中に、供給ガス36として不活性ガス(主にアルゴンガス)を導入しながら、該真空槽41中に置かれた電極間に直流高圧電源もしくは高周波高圧電源43により電圧を印加することによって得られるグロー放電を利用するものである。
【0048】
電極44上に膜の原料であるターゲット31を置き、電極44と対向して設けられた電極45上に有機材料の基板33を置く。そこで、直流高電圧もしくは高周波高圧電源を印加することによりプラズマ化された不活性ガス34をターゲット31に衝突させると、ターゲット31は分子あるいは原子レベルの断片35に分解され、弾き飛ばされて有機材料の基板33上で凝縮され、膜32を形成する。
【0049】
膜32の材質は、ターゲット31に対応するものとなるが、後述のポリテトラフルオロエチレンを使った例で分かるように、ターゲット31と全く同一になるとは限らない。更に、供給ガス36として反応性ガス(例えば、アルゴンと窒素の混合ガスあるいはアルゴンと酸素の混合ガス)を流しながら、スパッタリングを行うと(反応性スパッタリング)、該断片と反応性ガス(上記の例では、窒素ガスあるいは酸素ガス)が反応し、合成された成分の膜32が形成される。
【0050】
ここで、形成された膜の窒化珪素は、非化学量論的な組成成分を有し、Siで表す。同様に、形成された膜の酸化珪素は、SiOで、形成された膜の窒化酸化珪素は、Siで表す。なお、酸化珪素の中でも、一酸化珪素(SiO)であると褐色がかるが、二酸化珪素(SiO)であれば透明性が高く、実際には、SiOで、zは1.7程度である。
【0051】
図3に戻って交互積層防湿膜につき、更に説明する。上記のようにして第1の膜1が形成された基板上に、フッ化炭素系化学物質の第2の膜2を形成する。例えば、不活性ガス雰囲気中で、フッ化炭素系化学物質であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を励起して断片(fragments)に分解し、励起された断片を有機材料の基板上に凝縮させる。その結果、前記第1の膜1が形成された基板上にフッ化炭素系化学物質、例えば、フッ化炭素(CF)の第2の膜2が形成される。この場合には、窒素ガスあるいは酸素ガスが不純物として含まれていてもよい。生成する膜の種類に不足する原子があるときは、反応性スパッタリングのために、酸素ガスや窒素ガスなどを積極的に供給する。
【0052】
上記のように形成されたフッ化炭素系化学物質の第2の膜2は、JIS R 3257に準拠した接触角が80°以上、好ましくは90°以上であるために充分な撥水性を有するので、前記第2の膜として好適である。なお、本発明の実施例では、接触角は、協和界面科学製自動接触角計「CA−V型」を用いて測定した。
【0053】
なお、撥水性を有する有機材料の第2の膜2は、JIS R 3257に準拠した接触角が80°以上、好ましくは90°以上、更に好ましくは100°以上の撥水性を有する有機材料の膜であればよい。
【0054】
このような有機材料の基板上に形成された第1、第2の膜1、2上に、無機材料の第3の膜3を形成する。無機材料の第3の膜3は、上記無機材料の第1の膜1の形成方法と同様に形成する。
【0055】
以上、スパッタリングにて膜を形成する場合について記載したが、蒸着により膜を形成してもよい。蒸着では、膜の原料を真空中で加熱することにより発生した蒸気としての断片が、有機材料の基板上で凝縮して、膜を形成する。
【0056】
無機材料の第1及び第3の膜とフッ化炭素系化学物質の第2の膜をスパッタリングにより形成すると、前記励起された断片が微小であるために形成される膜が緻密となり、一般的に水蒸気透過度が低くなる。
【0057】
一方、無機材料の第1及び第3の膜とフッ化炭素系化学物質の第2の膜を蒸着により形成すると、前記励起された断片の基板への凝縮速度が、スパッタリングにより形成する場合の100倍以上となり、生産性が高い。交互積層防湿膜は、いずれかの工業的な方法で製造される。すなわち、スパッタリング又は蒸着により第1から第3の膜が形成されるので、本発明による交互積層防湿膜は、製造時間も、製造に要する工程も、更に、製造に要する材料の費用も、経済的に許容されるべき程度であり、且つ、量産にも適している。
【0058】
また、無機材料の第1の膜1及び第3の膜3は、防湿性の観点から、10nm以上の厚さとすることが好ましいが、厚くし過ぎると膜中に亀裂を生じやすく、且つ、透明性が低下するので、10〜300nmの範囲の厚さとするのが好ましい。更に好ましくは、10〜240nmの範囲の厚さとする。フッ化炭素系化学物質の第2の膜2は、撥水性と膜強度の観点から、10〜300nmの厚さとすることが好ましい。更に好ましくは、10〜240nmの範囲の厚さとする。
【0059】
一般的に無機材料の膜は、膜の形成過程において生じた欠陥を水蒸気が通過するために、高度の防湿性が得られにくいという欠点があった。そこで、交互積層防湿膜100では、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの膜を2層有している。2層の無機材料の膜1,3中の欠陥が、互いに近い位置に生ずることは確率的に極めて低い。更に、交互積層防湿膜100では、2層の無機材料の膜1,3の間にフッ化炭素系化学物質の膜2を挟んでいる。すると、フッ化炭素系化学物質の膜2の撥水性のため、第1層目の窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの膜1の欠陥を通過した水蒸気が、第2層目の窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの膜3の欠陥に到達し、両層の欠陥を通過することは極めて少なくなる。上記の理由により、交互積層防湿膜100が高度の防湿性を有しているものと解される。なおここで、撥水性とは、接触角が80°以上、好ましくは90°以上、更に好ましくは100°以上の撥水性をいう。
【0060】
図1(a)に戻って本発明の第1の実施の形態の説明を続ける。EL素子本体10を交互積層防湿膜100で透明電極板13側と背面電極板14側から、それぞれ第3の膜3がEL素子本体10と向き合うように挟み込む。その際、交互積層防湿膜100をEL素子本体10より十分に大きくしておき、2枚の交互積層防湿膜100が、EL素子本体10の周囲で互いに密着するようにする。
【0061】
そして、透明電極板13側の交互積層防湿膜100の前記無機材料の第3の膜と、背面電極板14側の交互積層防湿膜100の前記無機材料の第3の膜との全面あるいは端部に接着剤22を塗布する。該接着剤22により、EL素子本体10と交互積層防湿膜100及び両層が接着され、また、透明電極板13と背面電極板14との絶縁が行われる。更に、接着剤22の外気に接する端面から交互積層防湿膜100で封止された内部の端面までの長さを接着剤22の厚さに比べて充分長くとるので、水蒸気が透過することはなく、交互積層防湿膜100を接着しても、防湿性は損なわれない。上記の接着剤22としては、紫外線硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤または合成樹脂型接着剤が用いられ、特に好ましくはエポキシ系若しくはアクリル系紫外線硬化型接着剤が用いられる。
【0062】
高度の防湿性と透明性を有する交互積層防湿膜100は、透明電極板側の防湿に用いるのに好適である。なお、防湿性が要求され、透明性が要求されない背面電極板側に用いてもよい。
【0063】
また、図1(b)に示すように、防湿EL素子82においては、交互積層防湿膜100によりEL素子本体10の透明電極板13側を覆い、他の防湿膜21でEL素子の背面電極板14側を覆って、交互積層防湿膜100と他の防湿膜21を接着材で接着することにより封止してもよい。非発光面側に用いる他の防湿膜21は、石英ガラス基板でもよく、アルミニウムの膜のように透明性を有さない膜でもよい。
【0064】
次に、図5の断面図を参照して、本発明の第2の実施の形態である交互積層防湿膜100上にEL素子本体10を形成し、更に、防湿膜21によりEL素子本体10を封止した防湿EL素子83について説明する。
【0065】
先ず、交互積層防湿膜100の無機材料の第3の膜3の上に、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウムなどを、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなどによって固着することにより、透明電極板13を形成する。
【0066】
次に、透明電極板13上に、オリゴマー材料などを蒸着により付着し、不図示の正孔注入層を形成し、続いて、正孔輸送性材料であるアミン系化合物、ジフェニルナフチルジアミンあるいはトリフェニルメタンなどを蒸着により付着し、不図示の正孔輸送層を形成する。これらの注入層、輸送層は、低電圧で有機化合物を効率よく発光させる。なお、これらの注入層、輸送層はなくてもよい。
【0067】
該正孔輸送層上に、有機発光層12を形成する。有機発光層12には、アルミニウム錯体若しくはアントラセンなどの低分子系材料又はポリパラフェニレンビニレンの誘導体若しくはポリアセチレン誘導体などの高分子系材料が用いられる。これらの材料の1種を蒸着により正孔輸送層上に付着して、有機発光層12を形成する。高分子系材料の場合には、材料をインキ化できるため、湿式成膜法である、インクジェット方式、スピンコーティング法、グラビア印刷やスクリーン印刷による印刷方式などにより形成してもよい。
【0068】
有機発光層12の上に、金属カルシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−リチウム合金などを蒸着して、背面電極板14を形成する。有機発光層に低分子系材料を用いた場合には、アルミニウムを蒸着して背面電極板14を形成してもよい。
【0069】
上述の通りに製造された交互積層防湿膜100をその透明電極板13側に有する有機EL素子本体12、13、14において、背面電極板14側を金属又は非金属の酸化物の防湿膜21で封止することにより防湿EL素子が製造される。あるいは、これに加えて、エポキシ樹脂又はアクリル系紫外線硬化樹脂の硬化物の層を形成して、上記の防湿EL素子を製造してもよい。
【0070】
これまでは、有機EL素子の製造方法について説明したが、無機EL素子の場合には次のように製造する。
【0071】
前記と同様に交互積層防湿膜100の上に透明電極板13を形成する。透明電極板13の上に、硫化亜鉛に活性剤として銅を加えた蛍光体粉末を、シアノエチルポリビニルアルコールに入れ、N、N’−ジメチルホルムアミドを加え、均一に混合し、スクリーン印刷などにより付着し、無機発光層を形成する。
【0072】
更に、チタン酸バリウム粉末をシアノエチルポリビニルアルコールに入れ、N、N’−ジメチルホルムアミドを加えて均一に混合したものをスクリーン印刷などにより付着し、不図示の絶縁体層を形成する。その上に、前述と同様に、背面電極板を形成し、防湿膜で封止することにより防湿EL素子が製造される。なお、無機EL素子本体を封止するときには、有機EL素子本体を封止するのと同様に接着剤を用いてもよいし、必要に応じてホットメルト材、接着性樹脂の層や前記無機材料と親和性のあるセラミック若しくは合金の層を、防湿膜の内面に設けて、前期発光層への熱の影響を抑えながら熱融着や熱溶解をさせてもよい。
【0073】
なお、有機EL素子本体を封止するときにも前記熱融着や熱溶解を適用することができる。但し、有機EL素子本体の発光層は、特に熱の影響を受け易いので、前記熱融着や熱溶解の熱の影響を発光層13に与えないようにして行う。
【0074】
次に、図6(a)の断面図を参照して、本発明の第3の実施の形態であるEL素子本体10の上に、第1から第3の膜1、2、3を形成して、EL素子本体10を封止した防湿EL素子84について説明する。
【0075】
前記と同様に交互積層防湿膜100上にEL素子本体10を形成する。その交互積層防湿膜付きEL素子本体を、前記のスパッタリング装置の説明のように(図4参照)電極45上に置き、電極44上に膜の原料であるターゲット31を置き、高周波高電圧を印加することによりEL素子本体10の背面電極板14側に第1の膜1を形成する。同様にして、第2の膜2、第3の膜3をスパッタリングにより順次形成する。なお、膜の形成は、スパッタリングでなく、蒸着であってもよい。第1から第3の膜は、EL素子本体10の背面電極板14上だけではなく、その側面から背面電極板13側の交互積層防湿膜100上にわたって面状に形成されるので、EL素子本体10は封止される。
【0076】
このように、EL素子本体の上に、有機材料の基板を備えずに、第1の膜1、第2の膜2及び第3の膜3を形成しても、3層の膜による防湿効果を有するので、防湿EL素子が得られる。
【0077】
また、図6(b)に示すように、交互積層防湿膜100上に背面電極板14を形成し、その上に発光層12、透明電極板13を形成してEL素子本体10を形成し、その上に第1から第3の膜1、2、3を形成することにより封止して、防湿EL素子85を製造してもよい。第1から第3の膜は、EL素子本体10の透明電極板13上だけではなく、その側面から背面電極板14側の交互積層防湿膜100上にわたって面状に形成されるので、EL素子本体10は封止される。
【0078】
また、図6(c)に示すように、EL素子本体10の背面電極板14側に、予め防湿膜21を形成してから、第1の膜1、第2の膜2及び第3の膜3を形成して防湿EL素子86を製造してもよい。背面電極板14側の防湿膜21には透明性が要求されないので、金属又は非金属の酸化物の膜を、接着剤などにより背面電極板14に固着する。
【0079】
次に、該防湿膜21付きのEL素子本体10をスパッタリング装置の電極45上に置き、透明電極板13側からスパッタリングにより、順次膜を形成する。第1の膜1を形成後に第2の膜2を形成し、更に第3の膜3を形成する。第1から第3の膜は、EL素子本体10の透明電極板13上だけではなく、その側面から背面電極板14側の防湿膜21上にわたって面状に形成されるので、EL素子本体10は封止される。
【0080】
なお、例えば無機EL素子においては、図6(d)の防湿EL素子87のように、EL素子本体10を、第1から第3の膜1,2,3で包んでもよい。前記のスパッタリング装置の説明のように(図4参照)、EL素子本体を、電極45上に置き、電極44上に膜の原料であるターゲット31を置き、高周波高電圧を印加することによりEL素子本体上に膜を形成する。ところが、1回のスパッタリングでは、EL素子本体10の全周に膜を形成することはできない。そこで、先ず1回目のスパッタリングで第1の膜1を片面に形成したならば、電極45上でEL素子本体10を裏返し、更に、スパッタリングを行う。するとEL素子本体10の全表面上に、第1の膜1が形成される。図6(d)では、EL素子本体10の厚さを長さに比べて厚く描いているが、実際には薄いので、側面にも、十分な厚さの膜が形成される。同様にして、第2の膜2、第3の膜3をスパッタリングにより順次形成する。
【0081】
なお、膜の形成は、スパッタリングでなく、蒸着であってもよい。蒸着においても、EL素子本体10を裏返しながら、両面に膜を形成するのは、スパッタリングと同様である。
【0082】
また、上記のEL素子本体の上に第1から第3の膜1,2,3を直接形成して封止するときには、第3の膜3の上に保護膜を形成すると、第1から第3の膜1,2,3が衝撃や接触などにより傷つきにくくなるので、好ましい。この保護膜は、有機材料をスパッタリングや蒸着することにより形成してもよく、UV硬化型樹脂をコーティングすることにより形成してもよい。あるいは、接着剤を用いて、プラスティックフィルムを積層してもよい。
【0083】
これまでは、EL素子本体10上に、第1の膜1、第2の膜2及び第3の膜3を形成した時にEL素子本体10が封止される場合について記載したが、第1の膜1、第2の膜2及び第3の膜3を形成した後に、例えば、背面電極板14側に防湿膜21を形成して封止する場合も、第1の膜1、第2の膜2及び第3の膜3を形成してEL素子本体10を封止するので、「第1の膜1、第2の膜2及び第3の膜3を形成することにより、EL素子本体を封止する工程」に含まれる。交互積層防湿膜100あるいは第1から第3の膜1、2、3によるEL素子本体10の封止の方法は、上記に限られず、他の組み合わせであってもよい。
【0084】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明の防湿EL素子を更に具体的に説明する。初めに、交互積層防湿膜について、説明する。
【0085】
まず物性の測定法を説明する。水蒸気透過度は、JIS K 7129Bに準拠して、米国モダンコントロール社製「PERMATRAN3/31」を用いて、40℃、100%RHの条件下で測定した。また、本発明で用いる膜の透明性の評価は、前記のように光を透過するだけではなく、透過する光が歪んでぼやけることが少ないことが求められるので、平行光線透過率を用いる。なお、評価には、全光線透過率を併せて用いてもよい。ここで、平行光線透過率は、全光線透過率(JIS K 7361−1)とヘーズ(JIS K 7136)から、平行光線透過率=全光線透過率×(1−(ヘーズ/100))として求められる値であって、日本電色工業社製「NDH2000」により測定した。
【0086】
実施例1は、マグネトロンスパッタリング装置(トッキ株式会社製「SPR−403」)を用いて、環状オレフィン樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノアフィルムZF16」:厚さ188μm、表面算術平均粗さRa=0.82nm。以下「COC」と略記)を基板とし、直径100mmのSiをターゲットとし、アルゴン(Ar)7cm/分と窒素(N)5cm/分の混合ガスを流しながら、前記装置内のガス圧0.8Pa、基板温度100℃に設定して、30分間の反応性スパッタリングを行った。続いて、直径100mmのPTFEをターゲットとして、ガスを供給せずに、他の条件は前記と同じとして、30分間スパッタリングを行った。続いて、先に行った反応性スパッタリングと同じ条件で、30分間反応性スパッタリングを行った。
【0087】
上記により形成された交互積層防湿膜について、前記方法により測定したところ、水蒸気透過度は0.02g/m/日以下で、平行光線透過率は88%を示した。なお、水蒸気透過度の0.02g/m/日とは、前記「PERMATRAN3/31」の測定精度上の下限値である。
【0088】
図7に、各膜の形成(成膜)条件を変化させて種々の交互積層防湿膜を形成した実施例につき、前記方法により測定した結果をまとめて記す。
【0089】
図8に、種々の無機材料の膜1層を有機基板上に形成した比較例についての、前記方法により測定した結果を記す。
【0090】
なお、図7あるいは図8中の実施例あるいは比較例において、基板の種類に記されたPETは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学(株)製、商品名「ダイアホイルT600E50」、厚さ50μm、Ra=12.8nm)を表す。また、「膜の種類」および「膜の原料」は、組成成分で表しており、非化学量論的な場合には、原子数をx、y、zで示した。
【0091】
図7及び図8の実施例あるいは比較例について、以下に補足説明する。
【0092】
本発明の実施例である交互積層防湿膜では、いずれも水蒸気透過度が0.02g/m/日以下であり、高度な防湿性を示す。また、平行光線透過率も82%以上であり、良好な透明性を示す。
【0093】
これに対し、比較例で示す無機材料の膜1層を有機基板上に形成した場合には、比較例1の水蒸気透過度0.06g/m/日が最高の値である。
【0094】
また、比較例4は、基板としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いたもので、基板の表面平滑度が低い。一方、比較例1は、基板として表面平滑度の高いCOCを基板として、同じ膜を基板上に形成している。水蒸気透過度は、比較例1では水蒸気透過度0.06g/m/日に対して、比較例4では0.51g/m/日である。
【0095】
これに対し、実施例5と実施例1は、同様に、基板をPETフィルムとCOCとを用いて、同じ交互積層防湿膜を基板上に形成したものであるが、その水蒸気透過度は共に0.02g/m/日以下となっている。
【0096】
これらの結果から分かるように、本発明に係る交互積層防湿膜は、基板の表面粗さに関わらず、良好な防湿性を有する。
【0097】
また、実施例6は、無機材料の第3の膜の上に、更に、フッ化炭素系化学物質の第4の膜と無機材料の第5の膜を形成したものであるが、防湿性は高度であり、透明性も平行光線透過率が83%と良好な結果を示している。
【0098】
続いて、防湿EL素子の実施例について説明する。防湿EL素子の防湿性能は、次のとおりに観測した。防湿EL素子を、温度60℃、相対湿度90%の加湿した雰囲気中に1,000時間放置した。その後、室内にて防湿EL素子を100V、400Hzの交流電源に接続して連続発光させた。発光して15分後の発光輝度である初期発光輝度L0と、500時間発光した後の発光輝度L1を測定した。この発光輝度の測定結果から、(L1/L0)×100(%)で算定される発光輝度保持率を求め、発光輝度保持率により防湿性能を定量的に評価した。また、500時間発光させた後の防湿EL素子の外観を観察した。なお、本実施例では、無機EL素子を用いて、測定を行った。
【0099】
上記の測定法について、補足説明する。湿度によりEL素子の発光輝度が損なわれるのは、水分と電気が存在するときである。上記の加湿雰囲気に放置されたEL素子が吸湿したとしても、発光していなければ発光輝度が損なわれることはない。よって、加湿雰囲気に放置された後、発光し始めて直後の発光輝度は、湿度による影響を受けることがないので、初期発光輝度とする。それに対し、500時間連続発光した後では、湿度が存在すれば劣化することになるので、その発光輝度を測定し、湿度による損傷の判断に用いることとした。
【0100】
実施例11では、次のように製造した防湿EL素子を用いて、上記の実測を行った。上記実施例1と同じ方法で交互積層防湿膜(COC/Si/CF/Si)を製造する。別にPETフィルムに押し出しコーティングしたポリオレフィン系ホットメルトシーラントを製造する。これらの交互積層防湿膜の第3の膜(Si)とポリオレフィン系ホットメルトシーラントのPET面とをポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法により積層させる。当該積層させたフィルム2枚を用いて、ホットメルトシーラント面を向き合わせて、予め作成しておいたEL素子本体を挟み込み、EL素子本体の周りのホットメルトシーラントを熱融着させて、封止した。(図1(a)参照)
【0101】
実施例12では、次のように製造した防湿EL素子を用いた。上記実施例1と同じ方法で交互積層防湿膜(COC/Si/CF/Si)を製造する。交互積層防湿膜の第3の膜(Si)の上に真空蒸着法によりアルミニウム(Al)電極を形成し、その後窒素置換したドライボックス中で、誘電体層及び発光層をコーティング法により形成し、発光層上に錫ドープ酸化インジウムの透明電極板をスパッタリング法により形成し、EL素子本体を製造した。更に、透明電極板の上に、Siの膜、CFの膜、Siの膜をスパッタリング法により形成し、EL素子本体を封止した。(図6(b)参照)
【0102】
上記の本発明にかかる防湿EL素子の防湿性能の比較検討のため、積層させていない膜により封止した防湿EL素子を製造し、実施例と同じ条件で実測を行った。比較例11では、次のように製造した防湿EL素子を用いた。COC基板の上に、スパッタリングによりSiの240μm厚の膜1層を形成し、上記実施例11と同じ方法でPETフィルムに押し出しコーティングしたポリオレフィン系ホットメルトシーラントを用いて、EL素子本体を挟み込み、EL素子本体の周りのホットメルトシーラントを熱融着させて、封止した。
【0103】
また、比較例12では、次のように製造した防湿EL素子を用いた。前記比較例11で用いたのと同じ防湿膜(COC/Si)上に、上記実施例12と同様にEL素子本体を形成し、更に、Siの膜をスパッタリング法により形成し、EL素子本体を封止した。
【0104】
実施例11、12及び比較例11、12の実測結果を図9に示す。図9に示すとおり、本発明に係る防湿EL素子では、実施例11で87%、実施例12で86%の発光輝度保持率を示した。この発光輝度保持率は、上記の加湿した雰囲気下に放置することなく500時間発光させた場合の発光輝度保持率と同程度であり、発光輝度の低下は加湿雰囲気下での水蒸気の透過の結果生じた吸湿による劣化ではなく、素子自体の発光に伴う劣化によるものと考えられる。また、500時間の発光を行った後の外観の観察においても、顕著な劣化あるいは損傷は認められなかった。
【0105】
一方、本発明に係る交互積層防湿膜ではなく、基板上に1層のSiの膜を形成した比較例では、比較例11で輝度保持率が24%と著しく低下し、比較例12では、消灯してしまった。
【0106】
以上の結果から分かるように、本発明に係る防湿EL素子は、高度な防湿性を有し、長い寿命を有する。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、有機材料の基板上に形成された無機材料の第1の膜と、前記第1の膜上に形成されたフッ化炭素系化学物質又は撥水性を有する有機材料の第2の膜と、前記第2の膜上に形成された無機材料の第3の膜とを備える交互積層防湿膜にて、EL素子本体を封止することにより、あるいは、EL素子本体上に、無機材料の第1の膜を形成し、前記第1の膜上にフッ化炭素系化学物質又は撥水性を有する有機材料の第2の膜を形成し、前記第2の膜上に無機材料の第3の膜を形成してEL素子本体を封止することにより、吸湿による劣化が抑えられたEL素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する断面図である。
【図2】EL素子を説明する断面図である。
【図3】交互積層防湿膜を説明する断面図である。
【図4】スパッタリングの方法を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明する断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を説明する断面図である。
【図7】交互積層防湿膜の実施例を説明する表である。
【図8】交互積層防湿膜の比較例を説明する表である。
【図9】防湿EL素子の実施例と比較例を説明する表である。
【符号の説明】
1 窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの第1の膜
2 フッ化炭素系化学物質の第2の膜
3 窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの第3の膜
6 有機材料の基板
10 EL素子本体
12 発光層
13 透明電極板
14 背面電極板
16 リード線
21 他の防湿膜
22 接着剤
81、82、83、84、85、86、87 防湿EL素子
100 有機材料の基板上に、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの第1の膜とフッ化炭素系化学物質の第2の膜と窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムの第3の膜とを備える交互積層防湿膜

Claims (14)

  1. 有機材料の基板上に形成された無機材料の第1の膜と、
    前記第1の膜上に形成されたフッ化炭素系化学物質の第2の膜と、
    前記第2の膜上に形成された無機材料の第3の膜とを有する交互積層防湿膜と;
    電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体とを備え;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体が前記交互積層防湿膜により封止された;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 有機材料の基板上に形成された無機材料の第1の膜と、
    前記第1の膜上に形成された撥水性を有する有機材料の第2の膜と、
    前記第2の膜上に形成された無機材料の第3の膜とを有する交互積層防湿膜と;
    電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体とを備え;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体が前記交互積層防湿膜により封止された;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記有機材料の基板が透明な樹脂フィルムであり;
    交互積層防湿膜の水蒸気透過度が0.05g/m/日以下である;
    請求項1又は請求項2に記載の防湿エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体と;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体上に形成された無機材料の第1の膜と;
    前記第1の膜上に形成されたフッ化炭素系化学物質の第2の膜と;
    前記第2の膜上に形成された無機材料の第3の膜とを備え;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体が前記第1から第3の膜により封止された;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体と;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体上に形成された無機材料の第1の膜と;
    前記第1の膜上に形成された撥水性を有する有機材料の第2の膜と;
    前記第2の膜上に形成された無機材料の第3の膜とを備え;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体が前記第1から第3の膜により封止された;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1の膜又は第3の膜の無機材料が、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムからなる群から選択された1種以上の材料である;
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の防湿エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 有機材料の基板上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜を形成する工程と;
    前記第1の膜上にフッ化炭素系化学物質を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜を形成する工程と;
    前記第2の膜上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜を形成し、交互積層防湿膜を製造する工程と;
    前記交互積層防湿膜により、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体を封止する工程とを備える;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 有機材料の基板上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜を形成する工程と;
    前記第1の膜上に撥水性を有する有機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜を形成する工程と;
    前記第2の膜上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜を形成し、交互積層防湿膜を製造する工程と;
    前記交互積層防湿膜により、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体を封止する工程とを備える;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 有機材料の基板上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜を形成する工程と;
    前記第1の膜上にフッ化炭素系化学物質を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜を形成する工程と;
    前記第2の膜上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜を形成し、交互積層防湿膜を製造する工程と;
    電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体を、前記第3の膜上に形成する工程と;
    前記エレクトロルミネッセンス素子本体を封止する工程とを備える;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 有機材料の基板上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜を形成する工程と;
    前記第1の膜上に撥水性を有する有機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜を形成する工程と;
    前記第2の膜上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜を形成し、交互積層防湿膜を製造する工程と;
    前記第3の膜上に、電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体を形成する工程と;
    前記エレクトロルミネッセンス本体を封止する工程とを備える;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜を形成する工程と;
    前記第1の膜上にフッ化炭素系化学物質を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜を形成する工程と;
    前記第2の膜上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜を形成することにより、前記エレクトロルミネッセンス素子本体を封止する工程とを備える;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 電気を印加することにより発光するエレクトロルミネッセンス素子本体上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第1の膜を形成する工程と;
    前記第1の膜上に撥水性を有する有機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第2の膜を形成する工程と;
    前記第2の膜上に無機材料を蒸着又はスパッタリングにより付着させて第3の膜を形成することにより、前記エレクトロルミネッセンス素子本体を封止する工程とを備える;
    防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  13. 前記第1の膜又は第3の膜の無機材料が窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素又は酸化アルミニウムからなる群から選択された1種以上の材料である;
    請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載の防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  14. 前記第2の膜を形成する工程において、ポリテトラフルオロエチレンを膜の原料とする;
    請求項7乃至請求項13のいずれか1項に記載の防湿エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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