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JP2004327005A - 光ヘッド装置、回折素子、および回折素子の製造方法 - Google Patents

光ヘッド装置、回折素子、および回折素子の製造方法 Download PDF

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JP2004327005A JP2003394179A JP2003394179A JP2004327005A JP 2004327005 A JP2004327005 A JP 2004327005A JP 2003394179 A JP2003394179 A JP 2003394179A JP 2003394179 A JP2003394179 A JP 2003394179A JP 2004327005 A JP2004327005 A JP 2004327005A
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Abstract

【課題】 波長の異なる第1および第2のレーザ光のそれぞれを回折する第1の回折格子および第2の回折格子を量産においても精度良く形成できる回折素子を備えた光ヘッド装置、回折素子、および回折素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 光ヘッド装置において、異なる波長のレーザ光L1、L2が通過する共通光路上に回折素子6が配置され、この回折素子6は、透光性基板61の出射面63が、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とに分割されている。第1の回折格子形成領域64には、第1のレーザ光L1を回折し、第2のレーザ光L2をそのまま透過させる第1の回折格子66が形成され、第2の回折格子形成領域65には、第1のレーザ光L1をそのまま透過し、第2のレーザ光L2を回折する第2の回折格子67が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、DVDやCDなどの光記録媒体の再生、記録に用いられる光ヘッド装置、回折素子、および回折素子の製造方法に関するものである。
光ヘッド装置としては、DVD−R再生記録用の650nm帯域のレーザダイオードとCD−R再生記録用の780nm帯域のレーザダイオードを備えた2波長光ヘッド装置と呼ばれるものが知られている。
例えば、図9に示すように、2波長光ヘッド装置100は、DVD−R再生記録用の650nm帯域の第1のレーザ光L1を出射する第1のレーザ光源101と、CD−R再生記録用の780nm帯域の第2のレーザ光L2を出射する第2のレーザ光源102と、第1のレーザ光L1および第2のレーザ光L2を光記録媒体103に導く共通光学系104とを有している。共通光学系104は、第1のレーザ光を光記録媒体103に向けて反射する第1のビームスプリッタ141と、第1のビームスプリッタ141で反射した第1のレーザ光L1を透過させるとともに、第2のレーザ光L2を光記録媒体103に向けて反射する第2のビームスプリッタ142と、第2のビームスプリッタ142からの第1のレーザ光L1および第2のレーザ光L2を平行光にするコリメートレンズ143と、コリメートレンズ143からの平行光を光記録媒体103に集光する対物レンズ144とを備えている。また、共通光学系104は、光記録媒体103で反射し、第2のビームスプリッタ142、および第1のビームスプリッタ141を透過した第1および第2のレーザ光の戻り光を集光するセンサレンズ145と、このセンサレンズ145を通ってきた第1および第2のレーザ光L1、L2の戻り光を受光する共通の受光素子146とを備えている。
また、第1のレーザ光源101と共通の光学系104との間には、第1の回折素子105が配置され、第2のレーザ光源102と共通の光学系104との間には、第2の回折素子106が配置されており、第1の回折素子105で得られた第1のレーザ光L1の回折光、および第2の回折素子106で得られた第2のレーザ光L2の回折光により、光ヘッド装置100では、差動プッシュプル法(DPP法)等によりトラッキングエラー検出が行われる。
ここで、第1および第2の回折素子105、106は、それぞれ第1および第2のレーザ光L1、L2の波長に合わせて回折格子の段差高さが設定されている。例えば、光ヘッド装置100が再生専用であれば、第1および第2の回折素子105、106の段差の高さは0.1μmから0.5μm程度とされる。また、光ヘッド装置100が再生、記録とも可能であれば、エネルギー効率面から1次/0次分波比を小さくして0次光の割合を多く設定するため、段差の高さは0.1〜0.2μm程度とされる。
しかしながら、このような第1および第2の回折素子105、106を用いた光ヘッド装置100では、次のような問題点がある。
まず、第1および第2の回折素子105、106の2つの回折素子を用いるので、部品点数が多く、かつ、第1および第2の回折素子105、106をそれぞれ、位置調整する必要があるため、光ヘッド装置の組立てに多大な手間がかかる。
また、第1および第2の回折素子105、106は、第1および第2のレーザ光源101、102の近傍に配置されるため、格子のピッチが細かい。このため、格子を成膜技術やフォトリソグラフィ技術などといった半導体プロセスで形成する場合には、ステッパーなどの高価な露光装置が必要となる一方、格子を切削加工で形成する場合には、幅の狭いバイトを使用する必要があるなど、いずれの方法で製造するとしても量産しにくい。
さらに、第1および第2のレーザ光源101、102を1つのパッケージに内蔵したツインレーザタイプのレーザ光源を光ヘッド装置に用いた場合、ツインレーザタイプのレーザ光源に対して、各レーザ光に対応した第1および第2の回折素子105、106を装置光軸に沿って並べて配置することになる。このため、いずれのレーザ光も、他方のレーザ光に対応した側の回折素子を通過する際に、不要光が多く発生し、効率低下、ノイズの原因となる。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、波長の異なる第1および第2のレーザ光のそれぞれを回折する第1の回折格子および第2の回折格子を量産においても精度良く形成できる回折素子を備えた光ヘッド装置、回折素子、および回折素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明では、第1のレーザ光を出射する第1の光源と、前記第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光を出射する第2の光源と、これらの光源から出射された第1のレーザ光および第2のレーザ光を光記録媒体に導く共通光学経路とを有する光ヘッド装置において、前記共通光学経路上に回折素子が配置され、前記回折素子は、入射面または出射面に部分的に形成された第1の回折格子および第2の回折格子を備え、前記第1の回折格子は、前記第1のレーザ光を回折する一方、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過するように構成され、前記第2の回折格子は、前記第2のレーザ光を回折する一方、前記第1のレーザ光をそのまま透過するように構成されていることを特徴とする。
本発明において、前記回折素子は、同一平面が少なくとも、前記第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域とに分割された透光性基板を有している。このように構成すると、透光性基板の同一平面に第1の回折格子および第2の回折格子が部分的に形成されるので、第1の回折格子および第2の回折格子を回折素子の出射面あるいは入射面に部分的に形成することができる。また、第1の回折格子および第2の回折格子を同一平面に形成することにより、格子方向を高い精度で合わすことができる。
また、本発明において、前記回折素子は、前記第1の回折格子を備える第1の平面と、前記第2の回折格子を備える第2の平面とが対向する透光性基板を有し、前記第1の平面は、前記第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割され、前記第2の平面は、前記第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、少なくとも前記第2のレーザ光を回折しない領域とに分割されている構成とすることができる。このように構成すると、回折素子の出射面よび入射面に、第1の回折格子および第2の回折格子を部分的に形成することができる。また、入射面および出射面の全面に回折格子を形成するのに比べると、回折素子の表裏における回折格子の形状精度を向上させることができる。
本発明において、前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、いずれも所定の高さの複数の段差から形成されていることが好ましい。段差の高さを第1の回折格子と第2の回折格子で別々に設定することにより、第1の回折格子および第2の回折格子の回折効率をそれぞれ設定可能となる。
本発明において、前記第1のレーザ光の波長をλ1、前記第2のレーザ光の波長をλ2、前記透光性基板の屈折率をn、1以上の整数をa、bとしたときに、前記第1の回折格子の段差の高さはaλ2/(n−1)を満たすように設定され、前記第2の回折格子の段差はbλ1/(n−1)を満たすように設定されることが好ましい。このように段差の高さを設定すると、a、bの値によって所望の回折効率を設定することができる。
本発明において、前記第1の回折格子で回折される第1のレーザ光の光成分の位相と、前記第2の回折格子を透過する第1のレーザ光の光成分の位相とを一致させていることが好ましい。このようにすると、第1のレーザ光の透過率が高くなり、スポット径を小さくすることができる。
本発明において、回折素子を構成する透光性基板の同一平面が第1の回折格子形成領域と第2の回折格子形性領域で分割されている場合、前記透光性基板の前記同一平面は、例えば、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とにストライプ状に分割されていることが好ましい。このように第1の回折格子形成領域と第2の回折格子形成領域とを単純に並べて形成すれば、製造しやすく、かつ、領域分割による回折光が発生しないという利点がある。ここで、第1の回折格子形成領域および第2の回折格子形成領域をストライプ状に分割する場合、各領域の幅を波長の100倍程度とすれば、領域分割による回折光の発生を抑制し、良好な記録再生が可能となる。
本発明において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とに同心円状に分割されていることが好ましい。このように構成すると、良好なトラッキングエラー検出用信号と共に、再生用信号、記録用信号も得られる。
本発明において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域が各々、複数の環状領域として同心円状に交互に分割されていることが好ましい。このように構成すると、0次光および回折光のいずれについてもビーム形状を入射光とほぼ同等にでき、良好な記録再生が可能となる。
本発明において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とにマトリクス状に分割されていることが好ましい。このように構成すると、0次光および回折光のいずれについてもビーム形状を入射光とほぼ同等にでき、良好な記録再生が可能となる。
本発明において、回折素子を構成する透光性基板の第1の平面に第1の回折格子形成領域を有し、第2の平面に第2の回折格子形成領域を有する場合、前記透光性基板の前記第1の平面および前記第2の平面には、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とが同心円状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、第1のレーザ光および第2のレーザ光のビーム形状を入射光とほぼ同等にでき、良好な記録再生が可能となる。
この場合、前記回折素子は、前記第1の回折格子形成領域および前記第2の回折格子形成領域が当該領域を通過するレーザ光の有効径より広いことが好ましい。このように構成すると、光ヘッド装置に回折素子を搭載する際の調整では、光軸方向および光軸に直交する方向の位置調整、回折素子を光軸周りに回転させて格子方向を調整する回転調整のうち、位置調整の範囲に余裕があるので、回折素子の回転調整が容易となる。
本発明において、前記第1のレーザ光の波長は、前記第2のレーザ光の波長より短く、前記回折素子は、光軸を含む中央領域に、少なくとも前記第1のレーザ光を回折しない領域を備えていることが好ましい。このように構成すると、第1のレーザ光を用いて光記録媒体に情報を記録する際に、中央部の効率が高い状態のビームスポットを用いることができる。
本発明において、前記回折素子は、前記共通光学経路のうち、光記録媒体に向かう前記第1および前記第2のレーザ光のみが通過し、光記録媒体で反射した前記第1および第2のレーザ光の戻り光が通過しない部分に配置されていることが好ましい。このように構成すると、回折素子は、光記録媒体で反射した戻り光を回折することがないので、戻り光が回折されることによるノイズの発生を防止できる。
本発明では、第1のレーザ光、および該第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光が入射する回折素子において、透光性基板の同一平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光を回折するとともに、前記第1のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域とに分割されていることを特徴とする。
本発明に係る回折素子の製造方法では、前記回折素子を成形するための金型に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成する第1の溝、および前記第2の回折格子を構成する第2の溝を形成し、しかる後に、前記金型を用いて前記回折素子を成形する。
前記のとおり、本発明に係る回折素子は、共通の光路に配置できるため、回折素子を第1および第2のレーザ光源から遠ざけて配置することができる。従って、第1および第2の回折格子における格子のピッチを広くすることができるので、比較的に刃幅の広いバイトによる切削加工により、金型に溝を形成することができる。また、同一の平面に第1および第2の回折格子を形成するので、金型を組むときにも、従来の回折素子を製作する場合のように表裏を高い精度で合わせる必要がない。さらに、第1の回折格子と第2の回折格子の段差高さが異なるため、切削加工で溝を形成する方が、半導体プロセスで格子を形成する場合と比較して容易であり、かつ、設備費も安価で済む。
本発明において、前記金型を構成する稼動側の型部材、および固定側の型部材のうち、当該固定側の型部材に対して、前記第1の溝、および前記第2の溝を形成することが好ましい。このような構成の金型で回折素子を成形すると、稼動側の型部材に対して第1の溝、および第2の溝を形成した場合と比較して、溝の寸法精度の高い回折素子を成形することができる。
本発明に係る回折素子の別の製造方法では、前記基板に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成するための第1の溝、および前記第2の回折格子を構成するための第2の溝を形成する。
前記のとおり、本発明に係る回折素子は、共通の光路に配置できるため、回折素子を第1および第2のレーザ光源から遠ざけて配置することができる。従って、第1および第2の回折格子における格子のピッチを広くすることができるので、刃先幅の広いバイトによる切削加工により、基板に溝を形成することができる。また、第1の回折格子と第2の回折格子の段差高さが異なるため、切削加工で溝を形成する方が、半導体プロセスで格子を形成する場合と比較して容易であり、かつ、設備費も安価で済む。
次に、本発明は、第1のレーザ光、および該第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光が入射する回折素子であって、透光性基板の対向する平面のうち、一方の平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割され、他方の平面が少なくとも、前記第2のレーザ光を回折するとともに、前記第1のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光を回折しない領域とに分割されていることを特徴とする。
本発明に係る回折素子の製造方法では、前記回折素子を成形するための金型に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成する第1の溝、および前記第2の回折格子を構成する第2の溝を形成し、しかる後に、前記金型を用いて前記回折素子を成形する。
前記のとおり、本発明に係る回折素子は、共通の光路に配置できるため、回折素子を第1および第2のレーザ光源から遠ざけて配置することができる。従って、第1および第2の回折格子における格子のピッチを広くすることができるので、比較的に刃幅の広いバイトによる切削加工により、金型に溝を形成することができる。また、第1および第2の回折格子は、回折素子の表裏に部分的に形成されるので、表裏の全面に回折格子が形成される場合に比べると、精度良く形成できる。金型を組むときにも、表裏の全面に回折格子が形成される場合に比べると、格子方向を高い精度で合わせることが可能となる。さらに、第1の回折格子と第2の回折格子の段差高さが異なるため、切削加工で溝を形成する方が、半導体プロセスで格子を形成する場合と比較して容易であり、かつ、設備費も安価で済む。
本発明に係る回折素子の別の製造方法では、前記透光性基板に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成するための第1の溝、および前記第2の回折格子を構成するための第2の溝を形成する。
前記のとおり、本発明に係る回折素子は、共通の光路に配置できるため、回折素子を第1および第2のレーザ光源から遠ざけて配置することができる。従って、第1および第2の回折格子における格子のピッチを広くすることができるので、刃先幅の広いバイトによる切削加工により、基板に溝を形成することができる。また、第1の回折格子と第2の回折格子の段差高さが異なるため、切削加工で溝を形成する方が、半導体プロセスで格子を形成する場合と比較して容易であり、かつ、設備費も安価で済む。
また、本発明は、それぞれ波長が異なる第1のレーザ光、第2のレーザ光、および第3のレーザ光が入射する回折素子であって、透光性基板の対向する平面のうち、一方の平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を所定の回折効率で回折する第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光をおよび第3のレーザ光を回折しない領域とに分割され、他方の平面が少なくとも、前記第2のレーザ光を所定の回折効率で回折するとともに、前記第3のレーザ光を回折せずにそのまま通過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、前記第3のレーザ光を所定の回折効率で回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま通過させる第3の回折格子が形成された第3の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割されていること特徴とする。
本発明の光ヘッド装置に用いた回折素子では、第1のレーザ光を回折するとともに、第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子と、第2のレーザ光を回折するとともに、第1のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子とが入射面または出射面に部分的に形成されている。この回折素子1つで、第1のレーザ光および第2のレーザ光の0次光、および回折光を得ることができ、2種類の光記録媒体に対する再生用信号、記録用信号、およびトラッキングエラー検出用信号を生成することができる。また、通常の回折格子では、段差高さ、デューティから0次光と1次回折光の分波比を調整するが、本素子の場合は、第1の回折格子形成領域と第2の回折格子形成領域の面積を調整することによっても、0次光と1次回折光の分波比を容易に調整できるため、設計の自由度が非常に広くなり、第1および第2のレーザ光の両方に対して最適で高効率な構成を得ることができる。さらに、第1および第2のレーザ光源が同じパッケージに搭載されたツインレーザにも対応することができる。
しかも、本発明によれば、回折素子を共通の光路に配置して第1および第2のレーザ光源から遠ざけて配置することができるため、第1および第2の回折格子における格子のピッチを広くすることができる。従って、量産においても、第1および第2の回折格子を容易に形成できる。また、回折素子の同じ面に第1および第2の回折格子を形成することにより、回折素子を製作する場合に、第1および第2の回折格子が表裏に形成された従来の回折素子を製作する場合に比べ、金型成形、および半導体プロセスのいずれにおいても本発明の方が量産に適したものとすることができる。すなわち、金型成形する場合には、転写性の良い固定側の金型で第1および第2の回折格子を形成できるので、精度良く形成できる。また、金型を組むときにも、従来の回折素子を製作する場合のように表裏のストライプの方向を高精度に合わせる必要がない。一方、半導体プロセスで製作する場合には、基板の同一面に第1および第2の回折格子を形成すればよいので、表裏に格子を形成する場合に比べ、生産性がよい。
また、本発明では、回折素子の表裏の面に第1および第2の回折格子を形成する場合は、第1および第2の回折格子を部分的に形成するので、表裏の全面に第1および第2の回折格子が形成された従来の回折素子を製作する場合に比べ、金型成形する場合にも本発明の方が量産に適している。すなわち、金型成形する場合には、金型で表裏の面に部分的に第1および第2の回折格子を形成すればよいので、転写性の悪い稼動側の金型に形成される側の回折格子も、全面に形成するよりも、精度良く形成できる。また、金型を組むときにも、表裏の全面に回折格子が形成される場合に比べると、表裏のストライプの方向を高精度に合わせることが可能となる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した光ヘッド装置の一例を説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は本例の光ヘッド装置の光学系を示す概略構成図である。本例の光ヘッド装置1は、DVD−R、CD−Rなど、基板厚さや記録密度が異なる複数種類の光記録媒体5に対して情報の再生、記録等を行うものであり、波長が650nm帯域の第1のレーザ光L1を出射する第1のレーザダイオード2と、波長が780nm帯域の第2のレーザ光L2を出射する第2のレーザダイオード3と、共通光学系4を備えている。
共通光学系4は、第1のレーザ光L1を光記録媒体5に向けて反射する第1のビームスプリッタ41と、第1のビームスプリッタ41で反射した第1のレーザ光L1を透過させるとともに、第2のレーザ光L2を光記録媒体5に向けて反射する第2のビームスプリッタ42と、第2のビームスプリッタ42からの第1のレーザ光L1および第2のレーザ光L2を平行光にするコリメートレンズ43と、コリメートレンズ43からの平行光を光記録媒体5に集光する対物レンズ44を備えている。
また、共通光学系4は、光記録媒体5で反射し、第2および第1のビームスプリッタ42、41を透過した第1および第2のレーザ光L1、L2の戻り光を集光するセンサレンズ45と、センサレンズ45からの第1および第2のレーザ光L1、L2の戻り光を受光する受光素子46を備えている。
さらに、本形態において、共通光学系4は、第2のビームスプリッタ42とコリメートレンズ43の間に、第1および第2のレーザ光L1、L2の0次光および±1次回折光を出射する回折素子6を備えている。
この回折素子6の詳細な構成については詳しくは後述するが、光ヘッド装置1において、光記録媒体5としてDVD−Rの情報再生、情報記録をするときは、第1のレーザ光源2から、波長が650nmの第1のレーザ光L1を出射する。この第1のレーザ光L1は共通光学系4に導かれ、対物レンズ44によって、DVD−Rの記録面に光スポットとして収束し、DVD−Rの記録面で反射した第1のレーザ光L1の戻り光は、受光素子46に集光する。受光素子46で検出された信号によりDVD−Rの情報再生、情報記録が行われる。
このようなDVD−Rの情報再生、情報記録は、回折素子6から出射された0次光で行われ、回折素子6から出射された±1次回折光によって、差動プッシュプル法(DPP法)によるトラッキングエラー検出が行われる。
これに対して、光記録媒体5としてCD−Rの情報再生、情報記録をするときは、第2のレーザ光源3から、波長が780nmの第2のレーザ光L2を出射する。この第2のレーザ光L2は、共通光学系4に導かれ、対物レンズ44によって、CD−Rの記録面に光スポットとして収束し、CD−Rの記録面で反射した第2のレーザ光L2の戻り光が受光素子46に集光する。受光素子46で検出された信号によりCD−Rの情報再生、情報記録が行われる。
このようなCD−Rの情報再生、情報記録も、回折素子6から出射された0次光で行われ、回折素子6から出射された±1次回折光によって、差動プッシュプル法(DPP法)によるトラッキングエラー検出が行われる。
(回折素子の構成)
図2(A)ないし(E)は、本発明の実施の形態1に係る回折素子6の平面図、右側面図、格子形成を模式的に示す横断面図、回折素子6による第1のレーザ光L1の回折状態を示す説明図、および回折素子6による第2のレーザ光L2の回折状態を示す説明図である。
これらの図に示すように、回折素子6は、透光性材料から形成された矩形の透光性基板61を備えており、この透光性基板61は、一方の平面が第1および第2のレーザ光L1、L2の入射面62となっており、他方の平面が出射面63となっている。
本形態の回折格子6において、透光性基板61の出射面63は、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とにストライプ状に2分割され、それぞれの領域は、回折格子が異なる形態で形成されている。
まず、第1の回折格子形成領域64には、波長650nmの第1のレーザ光L1を所定の1次回折効率で回折し、波長780nmの第2のレーザ光L2を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子66が形成されている。第1の回折格子66は、ストライプ状に形成された複数の段差66aから構成されている。
段差66aの高さd1は、波長780nmの第2のレーザ光L2が透過したときに2πの整数倍、すなわち1波長の整数倍分の光路差を発生させる寸法に設定されている。この高さd1は、第2のレーザ光L2の波長をλ2とし、透光性基板61の屈折率をnとし、1以上の整数をaとしたときに、下式
1=aλ2/(n−1)
により求められる。段差66aによる第1のレーザ光L1の回折効率は、aの値によって規定され、aの値が小さいほど回折効率が高いので、aの値は、例えば1に設定される。
各段差66aのピッチは、第1のレーザ光L1を所定の1次回折角度とするように設定されている。
これに対して、第2の回折格子形成領域65には、波長650nmの第1のレーザ光L1を回折せずにそのまま透過させ、波長780nmの第2のレーザ光L2を所定の1次回折効率で回折する第2の回折格子67が形成されている。第2の回折格子67は、ストライプ状に形成された複数の段差67aから構成されている。また、第2の回折格子の段差67aのストライプ方向と、第1の回折格子66の段差66aのストライプ方向は、一致せず、それぞれに所定の角度方向となっている。
段差67aの高さd2は、波長650nmの第1のレーザ光L1が透過したときに2πの整数倍、すなわち1波長の整数倍の光路差を発生させる寸法に設定されている。この高さd2は、第1のレーザ光L1の波長をλ1とし、透光性基板61の屈折率nとし、1以上の整数をbとしたときに、下式
2=bλ1/(n−1)
により求められる。段差67aによる第2のレーザ光L2の回折効率は、bの値によって規定され、bの値が小さいほど回折効率が高いので、bの値は、例えば1に設定される。
各段差67aのピッチは、第2のレーザ光L2を所定の1次回折角度とするように設定されている。
このような構成の回折素子6を備えた光ヘッド装置1において、光記録媒体5としてDVD−Rの再生、記録を行う際には、図2(D)に示すように、回折素子6に第1のレーザ光L1が入射面62から入射する。回折素子6は、第1のレーザ光L1のうち、第1の回折格子66を通る光束部分を0次光L1A、±1次回折光L1B、L1Cに回折して出射する。そして、±1次回折光L1B、L1Cにより、DVD−Rの再生、記録時におけるトラッキングエラー検出が行われる。また、第1のレーザ光L1のうち、第2の回折格子67を通る光束部分は、回折されずに0次光L1Aの状態で出射されるので、第2の回折格子67から出射される0次光L1A、および第1の回折格子66から出射される0次光L1Aによって、DVD−Rの再生、記録等に用いられる。
これに対して、光記録媒体5としてCD−Rの再生、記録を行う際には、図2(E)に示すように、回折素子6に第2のレーザ光L2が入射面62から入射する。回折素子6は、第2のレーザ光L2のうち、第2の回折格子67を通る光束部分を0次光L2A、±1次回折光L2B、L2Cに回折して出射する。そして、±1次回折光L2B、L2Cにより、CD−Rの再生、記録時におけるトラッキングエラー検出が行われる。また、第2のレーザ光L2のうち、第1の回折格子66を通る光束部分は、回折されずに0次光L2Aの状態で出射されるので、第1の回折格子66から出射される0次光L2A、および第2の回折格子67から出射される0次光L2Aによって、CD−Rの再生、記録等に用いられる。
(本形態の効果)
このように本例の光ヘッド装置1における回折素子6は、第1のレーザ光L1を回折し、第2のレーザ光L2を透過させる第1の回折格子66と、第1のレーザ光L1を透過し、第2のレーザ光L2を回折する第2の回折格子67が透光性基板61の同じ平面63に形成され、第1のレーザ光L1および第2のレーザ光L2が通過する共通光路に配置される。従って、1つの回折素子6だけで、DVD−R、CD−Rの双方に対して、再生用信号、記録用信号、およびトラッキングエラー検出用信号を生成することができる。
また、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65の面積を調整することによって、0次光と1次回折光の分波比を容易に調整できるため、記録に必要な0次光を高いパワーで得ることができる。さらに、第1および第2のレーザ光源2、3が同じパッケージに搭載されたツインレーザにも対応することができる。
しかも、回折素子6を共通光路上に配置して回折素子6を第1および第2のレーザ光源2、3から遠ざけて配置することができるため、第1および第2の回折格子66、67における格子のピッチを広くすることができる。従って、量産においても、第1および第2の回折格子66、67を容易に形成できる。
また、回折素子6の同じ面に第1および第2の回折格子66、67を形成するので、回折素子6を製作する場合に、第1および第2の回折格子66、67が表裏の面に形成された従来の回折素子を製作する場合に比べ、金型成形、および半導体プロセスのいずれにおいても量産に適している。
すなわち、金型成形する場合には、転写性の良い固定側の金型で第1および第2の回折格子66、67を形成できるので、精度良く形成できる。また、金型を組むときにも、従来の回折素子を製作する場合のように表裏のストライプの方向を高精度に合わせる必要がない。
一方、フォトリソグラフィ技術などといった半導体プロセスで製作する場合には、基板の同一面に第1および第2の回折格子を形成すればよいので、表裏に格子を形成する場合に比べ、生産性がよい。
また、本形態の回折素子6では、第1の回折格子形成領域64および第2の回折格子形成領域65をストライプ状に配置されているので、製造しやすく、かつ、出射面63を領域分割したことによる回折光が発生しないという利点がある。
[実施の形態2]
上記の回折素子6は、出射面63を第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とにストライプ状に2つに分割しているが、出射面63において第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65を交互に並べてストライプ状に複数に分割しても良い。この場合は、ストライプの幅を、例えば波長の約100倍とすることにより、領域分割による回折光の発生を抑制することができ、良好な記録再生が可能である。
[実施の形態3]
図3(A)、(B)は、本発明の実施の形態3に係る回折素子を示す平面図および側面図である。
図3(A)、(B)に示すように、本形態の回折素子6Aは、円形の透光性基板61を備えている。透光性基板61は、一方の面が第1および第2のレーザ光L1、L2の入射面62であり、他方の面が出射面63となっている。
本形態において、出射面63は、外周側の第1の回折格子形成領域64と、内周側の第2の回折格子形成領域65で同心円状に2分割されている。
ここで、第1の回折格子形成領域64には、第1のレーザ光L1を所定の1次回折効率で回折し、第2のレーザ光L2を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子66が形成されている。また、第2の回折格子形成領域65には、第1のレーザ光L1を回折せずにそのまま透過させ、第2のレーザ光L2を所定の1次回折効率で回折する第2の回折格子67が形成されている。
このような回折素子6Aにおいても、第1の回折格子66および第2の回折格子67によって第1および第2のレーザ光L1、L2からトラッキング検出用信号と共に、再生信号、記録用信号が得ることができる。
[実施の形態4]
図4(A)、(B)は、本発明の実施の形態4に係る回折素子を示す平面図および側面図である。
図4(A)、(B)に示すように、本形態の回折素子6Bは、円形の透光性基板61を備えている。透光性基板61は、一方の面が第1および第2のレーザ光L1、L2の入射面62であり、他方の面が出射面63となっている。
本形態において、出射面63は、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とを同心円状に交互に並べて複数に分割されている。例えば、図4に示す例において、出射面63は、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とを同心円状に外周側から交互に並べて4つに分割されている。
第1の回折格子形成領域64には、第1のレーザ光L1を所定の1次回折効率で回折し、第2のレーザ光L2を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子66が形成されている。また、第2の回折格子形成領域65には、第1のレーザ光L1を回折せずにそのまま透過させ、第2のレーザ光L2を所定の1次回折効率で回折する第2の回折格子67が形成されている。
この回折素子6Bにおいても、第1の回折格子66および第2の回折格子67によって第1および第2のレーザ光L1、L2からトラッキング検出用信号と共に、再生信号、記録用信号が得られる。また、透光性基板61の表面を第1の回折格子形成領域および第2の回折格子形成領域を交互に並べて複数に分割しているので、回折光のビーム形状を入射光とほぼ同等にでき、良好な記録再生が可能となる。
[実施の形態5]
図5(A)、(B)は、本発明の実施の形態5に係る回折素子を示す平面図および側面図である。
図5(A)、(B)に示すように、本形態の回折素子6Cは、矩形の透光性基板61を備え、透光性基板61の一方の面が第1および第2のレーザ光L1、L2の入射面62であり、他方の面が出射面63となっている。
本形態において、出射面63は、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とでマトリクス状に分割されている。例えば、図5に示す例では、出射面63は、第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とを碁盤の目状に縦4列、横4列に交互に並べて分割されている。
第1の回折格子形成領域64には、第1のレーザ光L1を所定の1次回折効率で回折し、第2のレーザ光L2を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子66が形成されている。また、第2の回折格子形成領域65には、第1のレーザ光L1を回折せずにそのまま透過させ、第2のレーザ光L2を所定の1次回折効率で回折する第2の回折格子67が形成されている。
この回折素子6Cにおいても、第1の回折格子66および第2の回折格子67によって第1および第2のレーザ光L1、L2からトラッキング検出用信号と共に、再生信号、記録用信号が得られる。また、透光性基板61の出射面63を第1の回折格子形成領域64および第2の回折格子形成領域65を交互に並べて複数に分割しているので、回折光のビーム形状を入射光とほぼ同等にでき、良好な記録再生が可能となる。
[製造方法1]
本発明に係る実施の形態1〜5に係る回折素子は、成膜技術やフォトリソグラフィ技術などといった半導体プロセスで製作できる他、切削加工を施した金型を用いた成形によっても製作でき、成形で製造する場合には、第1の回折格子と第2の回折格子の段差高さを容易に変えられるので生産性も高いという利点がある。また、切削加工を施した金型を用いた成形では設備費も安いという利点がある。
このような成形法で回折素子を製造するには、バイトによる切削加工により、金型に対して第1の回折格子を構成する第1の溝(段差)、および第2の回折格子を構成する第2の溝(段差)を形成し、しかる後に、この金型を用いて、樹脂材料やガラス材料をプレス成形して回折素子を成形する。
この際、金型を構成する稼動側の型部材、および固定側の型部材のうち、固定側の型部材に対して、第1の溝、および第2の溝を形成する。このような構成の金型で回折素子を成形すると、稼動側の型部材に対して第1の溝、および第2の溝を形成した場合と比較して、溝の寸法精度の高い回折素子を成形することができる。
[製造方法2]
本発明に係る上記の回折素子は、切削加工を施した金型を用いた成形によって製作できる他、透光性材料に対して、直接、バイトによる切削加工により、第1の回折格子を構成するための第1の溝(段差)、および第2の回折格子を構成する第2の溝(段差)を形成してもよい。このような方法でも、半導体プロセスで格子を形成する場合と比較して、第1の回折格子と第2の回折格子の段差高さを容易に変えられるので生産性も高い。また、設備費も安いという利点がある。
[実施の形態7]
上記の回折素子6、6A、6B、6Cでは、出射面63を第1の回折格子形成領域64と第2の回折格子形成領域65とに分割することによって、出射面63に対して部分的に第1の回折格子66と第2の回折格子67を形成しているが、入射面62および出射面63のうち、一方に第1の回折格子66を部分的に形成し、他方に第2の回折格子67を部分的に形成することにより、入射面62および出射面63に対して部分的に第1の回折格子66および第2の回折格子67を形成してもよい。
図6(A)ないし(E)は、本発明の実施の形態7に係る回折素子を示す平面図、側面図、裏面図、回折素子による第1のレーザ光L1の回折状態を示す説明図、および回折素子による第2のレーザ光L2の回折状態を示す説明図である。
これらの図に示すように、本形態の回折素子6Dは、円形の透光性基板61を備えている。透光性基板61は、一方の面が第1および第2のレーザ光L1、L2の入射面62であり、他方の面が出射面63となっている。
本形態では、入射面62に第1の回折格子66が部分的に形成され、出射面63に第2の回折格子67が部分的に形成されている。
入射面62は、外周側の第1の回折格子形成領域64と、第1の回折格子形成領域64で囲まれた内周側領域640で同心円状に2分割されている。
第1の回折格子形成領域64には、第1のレーザ光L1を所定の1次回折効率で回折し、第2のレーザ光L2を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子66が形成されている。また、内周側領域640は、第1の回折格子66が形成されていない平坦な面であり、第1のレーザ光L1および第2のレーザ光L2をそのまま透過させる。
また、出射面63は、内周側の第2の回折格子形成領域65と、第2の回折格子形成領域65を囲む外周側領域650で同心円状に2分割されている。
第2の回折格子形成領域65には、第2のレーザ光L2を所定の1次回折効率で回折し、第1のレーザ光L1を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子65が形成されている。また、外周側領域650は、第2の回折格子65が形成されていない平坦な面であり、第2のレーザ光L1および第2のレーザ光L2をそのまま透過させる。
このような構成の回折素子6Dを備える図1に示す光ヘッド装置1では、光記録媒体5としてDVD−Rの再生、記録を行う際には、図6(D)に示すように、回折素子6Dに第1のレーザ光L1が入射面62から入射する。回折素子6は、第1のレーザ光L1のうち、入射面62における第1の回折格子66を通る光束部分を0次光L1A、±1次回折光L1B、L1Cに回折し、出射面63の外周側領域領域650から出射する。そして、±1次回折光L1B、L1Cにより、DVD−Rの再生、記録時におけるトラッキングエラー検出が行われる。また、第1のレーザ光L1のうち、入射面62における内周側領域640を通る光束部分は、出射面63の第2の回折格子67で回折されずに0次光L1Aの状態で出射されるので、第2の回折格子67から出射される0次光L1A、および第1の回折格子66を介して出射される0次光L1Aによって、DVD−Rの再生、記録等が行われる。
これに対して、光記録媒体5としてCD−Rの再生、記録を行う際には、図6(E)に示すように、回折素子6に第2のレーザ光L2が入射面62から入射する。回折素子6は、第2のレーザ光L2のうち、入射面62における内周側領域64を通る光束部分を出射面63の第2の回折格子67で0次光L2A、±1次回折光L2B、L2Cに回折して出射する。そして、±1次回折光L2B、L2Cにより、CD−Rの再生、記録時におけるトラッキングエラー検出が行われる。また、第2のレーザ光L2のうち、入射面62における第1の回折格子66を通る光束部分は、第1の回折格子66で回折されずに0次光L2Aの状態で出射面63の外周部分650から出射されるので、第1の回折格子66を介して出射される0次光L2A、および第2の回折格子67から出射される0次光L2Aによって、CD−Rの再生、記録等が行われる。
このように回折素子6Dにおいては、入射面62または出射面63に部分的に形成された第1の回折格子66および第2の回折格子67によって第1および第2のレーザ光L1、L2からトラッキング検出用信号と共に、再生信号、記録用信号が得ることができる。
また、第1の回折格子形成領域64および第2の回折格子形成領域65の面積を調整することによって、0次光と1次回折光の分波比を容易に調整できるため、記録に必要な0次光を高いパワーで得ることができる。さらに、第1および第2のレーザ光源2、3が同じパッケージに搭載されたツインレーザにも対応することができる。
しかも、回折素子6を共通光路上に配置して回折素子6を第1および第2のレーザ光源2、3から遠ざけて配置することができるため、第1および第2の回折格子66、67における格子のピッチを広くすることができる。従って、量産においても、第1および第2の回折格子66、67を容易に形成できる。
また、回折素子6の表裏に第1および第2の回折格子66、67を形成するため、半導体プロセスで格子を形成するのは困難であるが、金型成形、あるいは、透光性材料に対して、直接、バイトによる切削加工による製作する場合に、回折素子6の表裏に第1および第2の回折格子66、67を部分的に形成するので、第1および第2の回折格子66、67を表裏の全面に形成する回折素子を製作する場合に比べると、量産に適している。
すなわち、金型成形する場合には、第1および第2の回折格子66、67を部分的に形成することにより、転写性の悪い稼動側の金型についても、回折格子を全面に形成する場合に比べると精度良く形成できる。また、金型を組むときにも、表裏全面に回折格子が形成される場合に比べると、ストライプの方向を高精度に合わせることができる。
一方、透光性材料に対して、直接、バイトによる切削加工による製作する場合には、第1の回折格子66と第2の回折格子67の段差高さを容易に変えられるので生産性が高い。
また、本形態の回折素子6Dでは、第1の回折格子形成領域64および第2の回折格子形成領域65を同心円状に配置されているので、第1のレーザ光および第2のレーザ光のビーム形状を入射光とほぼ同等にでき、良好な記録再生が可能となる利点がある。
さらに、第1の回折格子66のように、透光性基板61の平坦面で形成された内周側部分640を取り囲む状態で第1の回折格子形成領域64が配置されると、0次光のビーム形状をシャープにすることができる。
さらにまた、外周側に配置される第1の回折格子66の形成領域(第1の回折格子形成領域65)を第1および第2のレーザ光の有効径より広く形成すると、光ヘッド装置1に回折素子6Dを搭載する際の調整では、光軸方向および光軸に直交する方向の位置調整、回折素子6Dを光軸周りに回転させて格子方向を調整する回転調整のうち、位置調整の範囲に余裕があるので、回折素子6Dの回転調整が容易となる。
[光ヘッド装置における回折素子の配置例]
次に、図7は、本発明の光ヘッド装置における回折素子の別の配置位置を示す説明図である。図8は、第1のレーザ光および第2のレーザ光を出射するツインレーザを備えた光ヘッド装置における回折素子の配置位置を示す説明図である。
上記の光ヘッド装置1では、回折素子6を共通光学系4における第2のビームスプリッタ42とコリメートレンズ43の間に配置する。この位置は、光記録媒体5に向かう第1および第2のレーザ光L1、L2と、光記録媒体5で反射した第1および第2のレーザ光L1,L2の戻り光とがともに通る位置となっている。このため、戻り光が回折素子6で回折されることによるノイズが発生し、光記録媒体5の記録再生に悪影響を与える恐れがある。このようなノイズを防止するためには、光記録媒体5に向かう第1および第2のレーザ光L1、L2のみが通り、光記録媒体5で反射した戻り光が通らない位置に回折素子6を配置すればよい。
図7に示すように、光ヘッド装置1Aは、DVD−R再生記録用の第1のレーザ光L1を出射する第1のレーザダイオード2と、CD−R再生記録用の第2のレーザ光を出射する第2のレーザダイオード3と、共通光学系4Aを備えている。
共通光学系4Aは、第1のレーザ光L1を光記録媒体5に向けて透過し、第2のレーザ光L2を光記録媒体5に向けて反射する第1のビームスプリッタ41と、第1のビームスプリッタ41からの第1および第2のレーザ光を透過する第2のビームスプリッタ42と、第2のビームスプリッタ42からの第1のレーザ光L1および第2のレーザ光L2を平行光にするコリメートレンズ43と、コリメートレンズ43からの平行光を光記録媒体5に集光する対物レンズ44を備えている。
また、共通光学系4Aは、光記録媒体5で反射し、対物レンズ44、コリメートレンズ43を介して第2のビームスプリッタ42で反射した第1および第2のレーザ光L1、L2の戻り光を集光するセンサレンズ45と、センサレンズ45からの第1および第2のレーザ光L1、L2の戻り光を受光する受光素子46を備えている。
さらに、本形態において、共通光学系4Aは、第1のビームスプリッタ41と第2のビームスプリッタ42の間に、第1および第2のレーザ光L1、L2の0次光および±1次回折光を出射する回折素子6を備えている。
このように構成された光ヘッド装置1Aでは、回折素子6を光記録媒体5に向かう第1および第2のレーザ光L1、L2のみが通り、光記録媒体5で反射した戻り光は回折素子6を通らない。従って、戻り光が回折されることによるノイズの発生を防止して、光記録媒体5の再生記録等を良好に行うことができる。
また、図8に示す光ヘッド装置1Bは、第1および第2のレーザダイオード2,3の代わりに、1つ半導体素子で第1および第2のレーザ光L1、2を出射するツインレーザ20と、共通光学系4Bを備えている。共通光学系4Bは、第1のレーザ光および第2のレーザ光を光記録媒体に向けて透過するとともに、光記録媒体5からの戻り光を受光素子46に向けて反射させるビームスプリッタ42と、コリメートレンズ43と、センサレンズ45と、受光素子46と、回折素子6とから構成される。
この共通光学系4Bにおいては、回折素子6は、ツインレーザ20とビームスプリッタ42との間に配置され、光記録媒体5に向かう第1および第2のレーザ光L1、L2のみが通り、光記録媒体5で反射した戻り光は回折素子6を通らないようになっている。
このように構成された光ヘッド装置1Bにおいても、第1および第2のレーザ光L1、L2が光記録媒体5で反射した戻り光が回折素子6で回折されないので、戻り光が回折されることによるノイズの発生を防止して、光記録媒体5の再生記録等を良好に行うことができる。
[その他の実施の形態]
また、上記の光ヘッド装置1、1A、1Bは、基板厚さや記録密度が異なる複数種類の光記録媒体5としてDVD−RとCD−Rとの組合せの他にも、DVD−Rよりも記録密度が高く、記録面を保護する基板厚さが薄いBRD(Blu−ray Disc)とDVD−Rの組合せ、あるいはBRDとCD−Rの組合せで記録再生を行うものであってもよい。
さらに、それぞれ波長が異なる3つのレーザ光を用いて、基板厚さや記録密度が異なる3種類の光記録媒体の記録再生を行う光ヘッド装置に用いる場合には、図6に示す回折素子Dにおける第1の回折格子66および第2の回折格子67のうち、一方の回折格子をさらに2つに分割して3種類の回折格子を備えた回折素子を構成すればよい。
この場合、透光性基板の対向する平面のうち、一方の平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を所定の回折効率で回折する第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光をおよび第3のレーザ光を回折しない領域とに分割され、他方の平面が少なくとも、前記第2のレーザ光を所定の回折効率で回折するとともに、前記第3のレーザ光を回折せずにそのまま通過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、前記第3のレーザ光を所定の回折効率で回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま通過させる第3の回折格子が形成された第3の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割される。
また、他方の平面における第2の回折格子形成領域および第3の回折格子形成領域の分割形態としては、図2ないし図4に示すように、ストライプ状の分割、同心円状に2つに分割、同心円状に複数に分割、マトリクス状に分割などの形態を適用することができる。
このように構成された回折素子では、入射面および出射面のうち、一方の面に形成された第1の回折格子により第1のレーザ光の0次光と一次光が得られる。また、他方の面には第2の回折格子および第3の回折格子が形成されているので、第2の回折格子によって第2のレーザ光の0次光と一次光が得られ、第3の回折格子によって第3のレーザ光の0次光と一次光が得られる。各回折格子による回折効率は、回折格子形成領域の面積によって0次光と1次回折光の分波比を容易に調整できる。
以上説明したように、本発明を適用した回折素子、およびこの回折素子を用いた光ヘッド装置では、第1のレーザ光を回折するとともに、第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子と、第2のレーザ光を回折するとともに、第1のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子とが回折素子の入射面また出射面に部分的に形成されている。この回折素子1つで、第1のレーザ光および第2のレーザ光の0次光、および回折光を得ることができ、2種類の光記録媒体に対する再生用信号、記録用信号、およびトラッキングエラー検出用信号を生成することができる。また、通常の回折格子では、段差高さ、デューティから0次光と1次回折光の分波比を調整するが、本素子の場合は、第1の回折格子形成領域と第2の回折格子形成領域の面積を調整することによっても、0次光と1次回折光の分波比を容易に調整できるため、設計の自由度が非常に広くなり、第1および第2のレーザ光の両方に対して最適で高効率な構成を得ることができる。さらに、第1および第2のレーザ光源が同じパッケージに搭載されたツインレーザにも対応することができる。
本発明の実施の形態1に係る光ヘッド装置の光学系を示す概略構成図である。 (A)ないし(E)は、本発明の実施の形態1に係る回折素子の平面図、右側面図、格子形成を模式的に示す横断面図、回折素子による第1のレーザ光の回折状態を示す説明図および回折素子による第2のレーザ光の回折状態を示す説明図である。 (A)、(B)は、本発明の実施の形態3に係る回折素子の平面図および側面図である。 (A)、(B)は、本発明の実施の形態4に係る回折素子の平面図および側面図である。 (A)、(B)は、本発明の実施の形態5に係る回折素子の平面図および側面図である。 (A)ないし(E)は、本発明の実施の形態7に係る回折素子を示す平面図、側面図、裏面図、回折素子による第1のレーザ光の回折状態を示す説明図、および回折素子による第2のレーザ光の回折状態を示す説明図である。 本発明の光ヘッド装置における回折素子の別の配置位置を示す説明図である。 第1のレーザ光および第2のレーザ光を出射するツインレーザを備えた光ヘッド装置における回折素子の配置位置を示す説明図である。 従来の光ヘッド装置の光学系を示す概略構成図である。
符号の説明
1 光ヘッド装置
2 第1のレーザダイオード
3 第2のレーザダイオード
4 共通の光学系
5 光記録媒体
6 回折素子
41 第1のビームスプリッタ
42 第2のビームスプリッタ
43 コリメートレンズ
44 対物レンズ
45 センサレンズ
46 受光素子
61 透光性基板
62 入射面
63 出射面
64 第1の回折格子形成領域
65 第2の回折格子形成領域
66 第1の回折格子
66a 段差
67 第2の回折格子
67a 段差
L1 第1のレーザ光
L1A 第1のレーザ光の0次光
L1B、L1C 第1のレーザ光の±1次回折光
L1 第2のレーザ光
L2A 第2のレーザ光の0次光
L2B、L2C 第2のレーザ光の±1次回折光

Claims (22)

  1. 第1のレーザ光を出射する第1の光源と、前記第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光を出射する第2の光源と、これらの光源から出射された第1のレーザ光および第2のレーザ光を光記録媒体に導く共通光学経路とを有する光ヘッド装置において、
    前記共通光学経路上に回折素子が配置され、
    前記回折素子は、入射面または出射面に部分的に形成された第1の回折格子および第2の回折格子を備え、
    前記第1の回折格子は、前記第1のレーザ光を回折する一方、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過するように構成され、
    前記第2の回折格子は、前記第2のレーザ光を回折する一方、前記第1のレーザ光をそのまま透過するように構成されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 請求項1において、前記回折素子は、同一平面が少なくとも、前記第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域とに分割された透光性基板を有していることを特徴とする光ヘッド装置。
  3. 請求項1において、前記回折素子は、前記第1の回折格子を備える第1の平面と、前記第2の回折格子を備える第2の平面とが対向する透光性基板を有し、
    前記第1の平面は、前記第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割され、
    前記第2の平面は、前記第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、少なくとも前記第2のレーザ光を回折しない領域とに分割されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、いずれも所定の高さの複数の段差から形成されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  5. 請求項4において、前記第1のレーザ光の波長をλ1、前記第2のレーザ光の波長をλ2、前記透光性基板の屈折率をn、1以上の整数をa、bとしたときに、前記第1の回折格子の段差の高さはaλ2/(n−1)を満たすように設定され、前記第2の回折格子の段差はbλ1/(n−1)を満たすように設定されることを特徴とする光ヘッド装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記第1の回折格子で回折される第1のレーザ光の光成分の位相と、前記第2の回折格子を透過する第1のレーザ光の光成分の位相とを一致させていることを特徴とする光ヘッド装置。
  7. 請求項2において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とにストライプ状に分割されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  8. 請求項2において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とに同心円状に分割されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  9. 請求項2において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域が各々、複数の環状領域として同心円状に交互に分割されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  10. 請求項2において、前記透光性基板の前記同一平面は、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とにマトリクス状に分割されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  11. 請求項3において、前記透光性基板における前記第1の平面および前記第2の平面には、前記第1の回折格子形成領域と前記第2の回折格子形成領域とが同心円状に形成されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  12. 請求項11において、前記回折素子は、前記第1の回折格子形成領域および前記第2の回折格子形成領域が当該領域を通過するレーザ光の有効径より広いことを特徴とする光ヘッド装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかにおいて、前記第1のレーザ光の波長は、前記第2のレーザ光の波長より短く、
    前記回折素子は、光軸を含む中央領域に、少なくとも前記第1のレーザ光を回折しない領域を備えていることを特徴とする光ヘッド装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかにおいて、
    前記回折素子は、前記共通光学経路のうち、光記録媒体に向かう前記第1および前記第2のレーザ光のみが通過し、光記録媒体で反射した前記第1および第2のレーザ光の戻り光が通過しない部分に配置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  15. 第1のレーザ光、および該第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光が入射する回折素子であって、
    透光性基板の同一平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光を回折するとともに、前記第1のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域とに分割されていることを特徴とする回折素子。
  16. 請求項15に規定する回折素子の製造方法であって、前記回折素子を成形するための金型に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成する第1の溝、および前記第2の回折格子を構成する第2の溝を形成し、しかる後に、前記金型を用いて前記回折素子を成形することを特徴とする回折素子の製造方法。
  17. 請求項16において、前記金型を構成する稼動側の型部材、および固定側の型部材のうち、当該固定側の型部材に対して、前記第1の溝、および前記第2の溝を形成することを特徴とする回折素子の製造方法。
  18. 請求項16において、前記透光性基板に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成するための第1の溝、および前記第2の回折格子を構成するための第2の溝を形成することを特徴とする回折素子の製造方法。
  19. 第1のレーザ光、および該第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光が入射する回折素子であって、
    透光性基板の対向する平面のうち、一方の平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割され、他方の平面が少なくとも、前記第2のレーザ光を回折するとともに、前記第1のレーザ光を回折せずにそのまま透過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光を回折しない領域とに分割されていること特徴とする回折素子。
  20. 請求項19に規定する回折素子の製造方法であって、前記回折素子を成形するための金型に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成する第1の溝、および前記第2の回折格子を構成する第2の溝を形成し、しかる後に、前記金型を用いて前記回折素子を成形することを特徴とする回折素子の製造方法。
  21. 請求項19において、前記透光性基板に対して、切削加工により、前記第1の回折格子を構成するための第1の溝、および前記第2の回折格子を構成するための第2の溝を形成することを特徴とする回折素子の製造方法。
  22. それぞれ波長が異なる第1のレーザ光、第2のレーザ光、および第3のレーザ光が入射する回折素子であって、
    透光性基板の対向する平面のうち、一方の平面が少なくとも、前記第1のレーザ光を所定の回折効率で回折する第1の回折格子が形成された第1の回折格子形成領域と、前記第2のレーザ光をおよび第3のレーザ光を回折しない領域とに分割され、
    他方の平面が少なくとも、前記第2のレーザ光を所定の回折効率で回折するとともに、前記第3のレーザ光を回折せずにそのまま通過させる第2の回折格子が形成された第2の回折格子形成領域と、前記第3のレーザ光を所定の回折効率で回折するとともに、前記第2のレーザ光を回折せずにそのまま通過させる第3の回折格子が形成された第3の回折格子形成領域と、前記第1のレーザ光を回折しない領域とに分割されていること特徴とする回折素子。
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