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JP2004323462A - 化粧料 - Google Patents

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JP2004323462A
JP2004323462A JP2003123268A JP2003123268A JP2004323462A JP 2004323462 A JP2004323462 A JP 2004323462A JP 2003123268 A JP2003123268 A JP 2003123268A JP 2003123268 A JP2003123268 A JP 2003123268A JP 2004323462 A JP2004323462 A JP 2004323462A
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章裕 黒田
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Abstract

【課題】小皺やキメをより効果的に隠蔽し、感触に優れ、皮膚への安全性が高い化粧料を得る。
【解決手段】下記化学式(1)で示される揮発性シリコーンを含む溶媒中でオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混練又は粉砕して得られる組成物を配合した化粧料。
[(CHSiO]Si (1)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下記化学式(1)で示される揮発性シリコーンを含む溶媒中で、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混練又は粉砕して得られるペースト状組成物を配合した化粧料に関する。さらに詳しくは、高濃度のオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を含有したペースト状組成物を配合することで、小皺やキメをより効果的に隠蔽し、感触に優れ、皮膚への安全性が高い化粧料に関する。
[(CHSiO]Si (1)
【0002】
【従来の技術】
従来、環状シリコーンやエステル油中でオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混練又は分散させた組成物が化粧料に使用されている(特許文献1〜3)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−323917号公報
【特許文献2】
特開平11−246355号公報
【特許文献3】
特開2003−2814号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体と揮発性環状シリコーンの混練組成物を工業的に安定生産しようとした場合、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の配合濃度は35質量%が限度であり、それ以上では、混錬の過程で品質が劣化して、においや色がついたりする問題があった。そのため、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を高濃度で配合するために、エステル油など、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体による吸油が少ない油剤を使用して、高濃度化を行っていた。しかしながら、この場合、エステル油が不揮発性の油剤であるため、得られる製剤の油性感が強くなる問題があり、より高濃度での製造が可能な揮発性シリコーンが求められていた。また、揮発性環状シリコーンで混練した場合では、製剤中の環状シリコーン配合率が高くなってしまうため、揮発性環状シリコーンに特有の乾燥感(ドライフィール)のため、製品の感触が悪くなる問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明人らは、これらの問題について鋭意研究を行った結果、揮発性環状シリコーンに代えて、下記化学式(1)で示される揮発性シリコーンを用いて混錬を行った場合、混錬組成物中のオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の濃度が上げられること、そして工業的に生産しても組成物に品質の劣化が生じにくいことを見出した。
[(CHSiO]Si (1)
さらに、この揮発性シリコーンは安定で、安全性にも優れており、さらに乾燥感を感じず、やわらかい感触が得られることを見出した。そして組成物を化粧料に配合した場合にも望ましい効果が得られることを見出した。また、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の濃度が上げられることで、製品中にキャリーオーバーしてくる溶媒量が減らせることから、処方の自由度が上げられるメリットも見出された。
【0006】
すなわち、本願発明は、下記化学式(1)で示される揮発性シリコーンを含む溶媒中で、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混練又は粉砕して得られるペースト状組成物を配合した化粧料にある。
[(CHSiO]Si (1)
【0007】
本願第2の発明は、ペースト状組成物中のオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の濃度が、ペースト状組成物の総量に対して30〜45質量%の範囲にあることを特徴とする、上記の化粧料にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧料では下記化学式(1)で示される揮発性シリコーン(化学名tetrakis(trimethylsiloxy)silane、以後M4Qと略称する。)を混練又は粉砕の溶媒として使用する。
[(CHSiO]Si (1)
M4Qは不活性で安定な揮発性溶媒であり、安全性に優れている他、機械的な分散(メカノケミカル)に対する安定性に優れている。また、環状シリコーンとの構造状の違いにより、肌に対してドライフィール(乾燥感)を感じさせない特徴も持つ。M4Qは、常圧での沸点が222℃であり、常温での粘度が3.1mm/sのスペックを持つ。この揮発性シリコーンの製造方法としては公知の方法が挙げられる。例えば、テトラクロロシランとトリメチルクロロシランを共加水分解することによって得ることができる。その場合のモル比はテトラクロロシラン1モルに対して少なくとも4モルのトリメチルクロロシランが必要である。
【0009】
また、M4Qはヘキサメチルジシロキサンとテトラアルコキシシランを酸性触媒下に加水分解することによっても得ることができる。テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられるが、反応性の観点からテトラメトキシシランがより好ましい。また、酸性触媒としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、イオン交換樹脂が挙げられ、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール化合物を溶媒として反応を行うことが好ましい。モル比はテトラアルコキシシラン1モルに対して少なくとも2モルのヘキサメチルジシロキサンが必要である。
【0010】
M4Qの具体的合成例を以下に示す。
▲1▼テトラメトキシシラン152g、ヘキサメチルジシロキサン432g及びメタノール88gを反応器に仕込む。
▲2▼反応器を氷冷して、濃硫酸12gを添加して攪拌を行う。
▲3▼水43.2gとメタノール43.2gの混合物を滴下して加水分解を行う。
▲4▼滴下終了後、30分熟成を行った後、水洗を行い触媒及びメタノールを除去する。
▲5▼無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥後、蒸留を行うことによって下記化1の構造を有する揮発性シリコーンM4Qを得る。
【0011】
【化1】
Figure 2004323462
【0012】
収量、収率、物性は以下の通りである。
[収量]265g
[収率]69%
[物性]
外観;無色透明な液体
沸点;74.0〜74.5℃/0.5kPa、222℃/常圧
粘度(25℃);3.1mm/s
比重(25℃);0.864
屈折率(25℃);1.387
凝固点;−70℃以下
【0013】
本発明で用いるM4Qは精製により高純度化したものを用いることが好ましい。高純度化することにより、スティンギングなどの皮膚刺激が抑制された安全性の高い素材とすることができる。
【0014】
本発明で用いるオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体としては、平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入るものが挙げられ、一般的には幅広い粒度分布を持っている。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体は、一次粒子の形状が球状であるが、凝集してぶどうの房状の形態を持っていることが多い。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の製造方法は、従来公知の方法が挙げられるが、たとえばメチルハイドロジェンポリシロキサンの水素原子にに両末端反応性のシリコーン鎖もしくは炭化水素鎖を付加反応させ、メチルハイドロジェンポリシロキサン分子間で架橋を形成させることで得られる。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の例としては、例えば東レ・ダウコーニング・シリコーン社のトレフィルEシリーズが挙げられ、特にトレフィルE−508が好ましく用いられる。
【0015】
本発明のペースト状組成物は、混練又は粉砕により得ることができるが、工業的には混練で得ることが好ましい。粉砕の場合、高粘度に対応できる粉砕機が対応でき、例えばマイクロス(奈良機械製作所製)やロールミルが挙げられる。混練の場合、2軸又は3軸の混練機であるエクストルーダーを用いることが好ましく、特に高速タイプの機種が高濃度で混練を行うのに適している。
【0016】
本発明では、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体をM4Qを含む溶媒中で混錬又は粉砕してペースト状組成物を得るが、組成物中のオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の比率は組成物の総量に対する質量比で、25〜50質量%の範囲が挙げられ、より好ましくは30〜45質量%の範囲が挙げられる。この範囲では、工業的に安定的な組成物が得られる。この範囲より少ないと、化粧料への溶媒のキャリーオーバー量が多くなり処方の自由度が制限される。また、この範囲を超えると組成物の状態はペースト状ではなく、ぼそぼそとした固体状を呈し、混錬又は粉砕が困難となる。
【0017】
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混錬又は粉砕する溶媒におけるM4Qの配合量は、溶媒の総量に対して50〜100質量%が好ましく、特に80〜100質量%が好ましい。この範囲において、M4Qは本発明の効果を顕著に発揮することができる。M4Q以外の溶媒成分としては、M4Qと相溶性を有する溶媒、油剤であれば特に制限されない。
【0018】
油剤としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、エノ油、オリーブ油、カポックロウ、カヤ油、肝油、キョウニン油、鯨ロウ、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、パーシック油、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、落花生油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート;炭化水素油として、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン等;高級脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。また、シリコーン油の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルトリメチコン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシクロシロキサン、アモジメチコーン、フッ素変性ジメチコノール、シリコーンガム等が挙げられる。本発明では、メチルトリメチコンが好ましい。また油剤を用いる場合は、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体による吸油が少ない油剤を選ぶことが、本願発明の効果を損わないためにも好ましい。
【0019】
本願発明の化粧料には、上記ペースト状組成物が配合される。本発明の化粧料に配合される上記ペースト状組成物以外の成分としては、通常化粧料に配合される各種の油剤、顔料、紫外線吸収剤、粘剤、樹脂、界面活性剤、保湿剤、生理活性成分、防菌防腐剤、香料、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分が挙げられる。
【0020】
顔料の例としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられる。
【0021】
本発明で用いる顔料の例としては、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、ポリアルキルシルセスキオキサン粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
【0022】
これらの顔料は例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理、寒天処理、デオキシリボ核酸処理などで表面処理されていることが好ましく、さらに好ましくは、これらの処理を複数組み合わせて用いることが好ましい。
【0023】
本発明で用いる紫外線吸収剤の例としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。また、有機系紫外線防御剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線防御剤を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。上記の紫外線防御成分のうち、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いので、組み合わせて使用することが好ましく、特に無機系と有機系を併用することが好ましい。また、UV−Aに対応したものとUV−Bに対応したものを組み合わせて用いることも好適である。例えば有機系の吸収剤を化粧料の総量に対して1〜10質量%配合し、ここに微粒子酸化亜鉛と微粒子酸化チタンの分散液を微粒子金属酸化物純分換算で1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%の範囲で配合することが好ましい。
【0024】
本発明の化粧料では、粘剤として油性ゲル化剤、樹脂を配合することが好ましい。これらの成分は化粧料の持続性を向上させる他、感触の改善などの効果を持つ。油性ゲル化剤の例としては、シリコーン化プルラン、ポリアミド変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーン、アクリル化シリコーン、アルキル・アクリル共変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン系化合物、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムモンモリナイト等の有機変性粘土鉱物、シリコーンゲル、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型ポリグリセリル変性シリコーンなどのシリコーン系増粘剤、シリカ、シラン処理シリカ、シリコーン処理シリカ等が挙げられる。樹脂の例としては、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂がM4Qに溶解することから好ましく用いられる。
【0025】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができるが、安全性面などの問題でノニオン系の界面活性剤が好ましい。以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0026】
保湿剤の例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マンニトール、ヒアルロン酸又はその塩、トレハロース誘導体、ラフィノース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等のグリコール類、多糖類等が挙げられる。
【0027】
本発明で用いる生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、ひきしめ剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種又は2種以上配合することが好ましい。例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0028】
また、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸、エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,K,ビタミンC配糖体、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノールなどの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ハッカ油等が挙げられる。
【0029】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0030】
本発明の化粧料の具体的な用途としては特に限定は無いが、サンスクリーン剤、ファンデーション、化粧下地料、コンシーラー、皺隠し、乳液、ミルク、クリーム、チーク、口紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラなどが挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
実施例及び比較例の各組成物の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0033】
[吸油量評価]
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体として東レ・ダウコーニング・シリコーン社のトレフィルE−508を用い、低シェア下での揮発性溶媒の吸油量を調べた。測定方法としては、ステンレス製容器にエラストマーを入れ、そこに揮発性溶媒を少量ずつ滴下しては攪拌棒にて混合する操作を繰り返した。そして、滴下した揮発性溶媒が分離し始めた時点での揮発性溶媒添加量を求め、これを吸油量とした。
【0034】
[皮膚有用性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに20名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、各評価項目において優れていると判断したパネラーの数から、下記の分類によって評価を行った。
【0035】
Figure 2004323462
【0036】
[吸油量測定]
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体として東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルE−508を用い、揮発性溶媒として、揮発性環状5量体シリコーン(デカメチルシクロペンタシロキサン、D5)とM4Qを用いて吸油量を測定した結果、以下の通りとなった。
【0037】
Figure 2004323462
【0038】
この結果より、M4QはD5よりも吸油量が少なく、より高濃度のエラストマー混練物が得られることが判る。
【0039】
実施例1(皺隠し化粧料)
(ペースト状組成物の調製)
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体としてトレフィルE−508を用い、M4Q60質量部とオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体40質量部を粗混合した後、高速回転型の2軸押出し混練機であるエクストルーダーを用いて混練し、ペースト状の形態を持つ組成物を得た。
【0040】
下記の処方と製造方法により実施例1の皺隠し化粧料を得た。尚、処方中の単位は質量%である。
【0041】
処方
(1)上記のペースト状組成物 75
(2)メチルトリメチコン 20
(3)エタノール 5
【0042】
製造方法
各成分を混合した後、チューブ容器に充填して製品を得た。
【0043】
比較例1
実施例1のペースト状組成物の調製において、M4Qの代わりに揮発性環状シリコーン(D5)を用いた他は、全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0044】
実施例2(サンスクリーン剤)
(処理微粒子酸化チタン分散液の調製)
シリカ・アルミナ8質量%処理微粒子酸化チタンをトルエン中で湿式法にて10質量%オクチルトリエトキシシラン処理し、オクチルシリル化シリカ・アルミナ処理微粒子酸化チタンを得た(平均一次粒子系17nm)。この処理微粒子酸化チタン 50質量部と、M4Q 50質量部を混合し、ビーズミルの1種であるサンドグラインダーミルを用いて粉砕操作を行い(2パス)、処理微粒子酸化チタン分散液を得た。
(処理微粒子酸化亜鉛分散液の調製)
シリカ処理微粒子酸化亜鉛をトルエン中で湿式法にて12質量%オクチメトリエトキシシラン処理し、オクチルシリル化シリカ処理微粒子酸化亜鉛を得た(平均一次粒子径10nm)。この処理微粒子酸化亜鉛 45質量部とM4Q 55質量%を混合し、サンドグラインダーミルを用いて粉砕操作を行い(2パス)、処理微粒子酸化亜鉛分散液を得た。
以上の素材と実施例1で作製したペースト状組成物を用いて、下記の処方と製造方法により実施例2のサンスクリーン剤を得た。尚、処方中の単位は質量%である。
【0045】
Figure 2004323462
【0046】
製造方法
各成分をよく混合し(粉砕行為は伴わない)、攪拌球と共にボトルに充填して製品を得た。
【0047】
比較例2
ペースト状組成物の代わりに比較例1で使用したペースト状組成物を、M4Qの代わりにD5を用いた他は、全て実施例2と同様にして製品を得た。
【0048】
以下に実施例及び比較例の評価結果を示す。
【0049】
Figure 2004323462
【0050】
上記の結果より、本発明の実施例は、塗布が容易で、皺隠し効果に優れ、乾燥感を感じず、やわらかな感触に優れていることが判る。また実施例の製品は皮膚刺激がなく、安全性に優れていた。さらに実施例は製剤の安定性にも大変優れていた。比較例1は、ペースト状組成物の調製において、混練の溶媒を従来使用されてきた環状シリコーン(D5)に変更したものであるが、製剤は均一な状態になく、ぼそぼその状態であり、そのために塗布感、皺隠し効果共に悪い評価となった。また、環状シリコーンに起因する乾燥感(ドライフィール)も感じられた。比較例2は、ペースト状組成物の調製においてD5を使用し、M4Qの代わりにD5を配合した場合の例であるが、対応する実施例と比べて評価が悪くなっていることが判る。
【0051】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、下記化学式(1)で示される揮発性シリコーンを含む溶媒中でオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混練又は粉砕して得られる組成物を配合することで小皺やキメをより効果的に隠蔽し、感触に優れ、皮膚への安全性が高い化粧料が得られることは明らかである。
[(CHSiO]Si (1)

Claims (2)

  1. 下記化学式(1)で示される揮発性シリコーンを含む溶媒中で、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体を混練又は粉砕して得られるペースト状組成物を配合した化粧料。
    [(CHSiO]Si (1)
  2. ペースト状組成物中のオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の濃度が、ペースト状組成物の総量に対して30〜45質量%の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
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