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JP2004322772A - 車載用電子装置 - Google Patents

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JP2004322772A JP2003118120A JP2003118120A JP2004322772A JP 2004322772 A JP2004322772 A JP 2004322772A JP 2003118120 A JP2003118120 A JP 2003118120A JP 2003118120 A JP2003118120 A JP 2003118120A JP 2004322772 A JP2004322772 A JP 2004322772A
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Abstract

【課題】走行中であっても、安全走行のレベルを示す安全度に応じて操作スイッチの操作を可能とする車載用電子装置を提供する。
【解決手段】安全度判定器60のCPU61は、車両の周辺状況を監視する車載周辺監視システム30から前方車両との車間距離を求めるとともに、車速センサから自車速度を求める。そして、予め自車速度、車間距離に応じて安全度が定義された安全度判定テーブルを参照し、自車速度、車間距離および安全度判定テーブルに記憶されたデータに基づき、安全走行のレベルを示す安全度を算出する。電子機器70は、安全度判定器60からの安全度に応じて走行中の操作スイッチの操作制限を緩和する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、走行中の操作が制限される電子機器を制御する車載用電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置のような電子機器は、車両走行中の安全性を確保するために、乗員が操作スイッチを操作しようとしても、ほとんどのボタン操作が行えないようになっている。
【0003】
この種の電子機器としては、走行中であっても、運転手以外の人、例えば、助手席に座っている人の操作スイッチの操作制限が解除される車載用表示制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−164565号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した車載用表示制御装置は、走行中の運転手以外の人による操作スイッチの操作制限は解除されるが、走行中の運転者による操作スイッチの操作制限は解除されない。
【0006】
そして、上記した車載用表示制御装置は、車両が走行中であるか否かに基づいて電子機器の操作スイッチを制限しているため、例えば、車間距離が十分に確保されていても操作スイッチの操作が制限されてしまい、運転者は不満を抱いてしまう。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みたもので、走行中であっても、安全走行のレベルを示す安全度に応じて操作スイッチの操作を可能とする車載用電子装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、操作スイッチを有し、走行中の操作スイッチの操作が制限される電子機器(70)と、車両の周辺状況についての情報が入力され、この情報から安全走行のレベルを示す安全度を算出する安全度判定手段(60)と、を有し、電子機器(70)は、安全度判定手段(60)からの安全度に応じて走行中の操作スイッチの操作制限を緩和することを特徴としている。このように、電子機器(70)は、安全度判定手段(60)からの安全度に応じて走行中の操作スイッチの操作制限を緩和するので、走行中であっても、安全走行のレベルを示す安全度に応じて操作スイッチの操作が可能となる。
【0009】
また、上記した安全度判定手段(60)は、自車速度および車間距離に応じて安全度が定義された安全度判定テーブルを有し、安全度判定手段(60)には、自車速度および車間距離についての情報が入力されるようになっており、安全度判定手段(60)は、自車速度、車間距離および安全度判定テーブルに記憶されたデータ、に基づいて安全度を算出するように構成することができる。
【0010】
また、請求項1または2に記載の発明において、走行中の操作スイッチの操作制限を緩和する電子機器(70)としては、請求項3に記載の発明のように、安全度に応じて、操作スイッチの操作制限を一定時間解除するもの、あるいは、請求項4に記載の発明のように、安全度に応じて操作可能な操作スイッチの数を変更するものとすることができる。
【0011】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一実施形態に係る車載用電子装置の全体構成を概略的に示す。車載用電子装置は、安全度判定器60および電子機器70から構成されている。そして、安全度判定器60には、視覚支援システム3から各種情報が入力されるとともに、ゲートウェイ50を介して路上監視システム受信機10および車車間通信システム20からの各種情報が入力される。また、安全度判定器60は、電子機器70、視覚支援システム3、ゲートウェイ50、路上監視システム受信機10および車車間通信システム20とそれぞれ車内LANによって接続されている。
【0013】
路上監視システム受信機10は、路上監視システムによって提供される渋滞情報、落下物情報、工事情報、気象情報などの情報を路側等に設置された通信器を介して受信するものである。
【0014】
車車間通信システム20は、周辺車両と直接通信を行うものであり、車車間通信システム20によって周辺車両から入力されるデータには、時刻、周辺車両の絶対位置、位置の測定精度(以下、位置誤差という)、周辺車両の車速、ブレーキ操作を示す情報などが含まれる。
【0015】
ゲートウェー50は、路上監視システム受信機10と車車間通信システム20の各システムから不定期に入力される各情報のプロトコル変換を行うとともに信頼性のチェックを行い、信頼性の高い情報のみを安全度判定器60に出力する。
【0016】
視覚支援システム3は、車両の周辺状況を監視する車載周辺監視システム30および前方車両との車間距離を一定に保ち前方車両を追従するACC(Adaptive Cruise Control)システム31を有している。また、車載周辺監視システム30は、カメラシステム30aおよびレーダシステム30bから構成されている。
【0017】
カメラシステム30aは、その詳細については図示しないが、車両の前方を撮影する複数のカメラ、車両側方を撮影する複数のカメラ、CPU、ROM、RAMおよびフレームメモリを有している。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって作動し、必要に応じてRAMに対して情報の書き込み、読み出しを行う。なお、このカメラシステム30aは、いわゆるステレオカメラとして構成され、撮影した画像から物体との相対距離、相対速度を測定し、車両周辺の状況を監視することができる。
【0018】
カメラシステム30aのCPUは、上記複数のカメラに対して定期的に車両周辺を撮影するように指示し、これらのカメラによって定期的に撮影された画像データをフレームメモリに蓄積する。そして、このフレームメモリに蓄積された過去の画像データと最新の画像データとを比較して車両前方の物体を判定し、その物体にID番号を付与して、物体の移動(位置、大きさ)を追跡する。また、カメラシステム30aのCPUは、画像データの認識状況に応じて信頼度を算出する。カメラシステム30aのCPUが、「物体イメージあり」と判断した場合、信頼度は90〜100となり、物体イメージの有無が明確でないと判断した場合、すなわち、「物体イメージがありそう」と判断した場合、信頼度は80〜90となり、「物体イメージなし」と判断した場合、信頼度は0〜80となる。また、カメラシステム30aのCPUは、物体との相対距離、物体との相対速度および位置誤差を算出する。そして、物体のID番号とともに算出した各情報を出力する。なお、位置誤差は、物体との相対距離が長いほど大きく、物体との相対距離が短いほど位置誤差は小さくなるように算出される。
【0019】
レーダシステム30bは、その詳細については図示しないが、車両の前方、コーナーなどに設けられた複数のレーダ、CPU、ROMおよびRAMを有している。このCPUは、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって作動し、必要に応じてRAMに対して情報の書き込み、読み出しを行う。
【0020】
レーダシステム30bのCPUは、車両の前方、コーナーなどに設けられた複数のレーダから定期的に電磁波等を送信させ、物体によって反射した反射波を解析することによって、物体の有無および相対距離、物体との相対速度、大きさ、位置誤差を算出し、物体のID番号とともに算出した各情報を含む信号を出力する。また、レーダシステム30bのCPUは、物体の検出状況に応じて信頼度を算出する。レーダシステム30bのCPUが、「物体あり」と判断した場合、信頼度は90〜100となり、反射波を解析した結果、物体の有無が明確でないと判断した場合、すなわち、「物体がありそう」と判断した場合、信頼度は80〜90となり、「物体なし」と判断した場合、信頼度は0〜80となる。また、レーダシステム30bの障害物判定は、同様に障害物との距離を測定する超音波センサと比較して遠距離まで車両周辺の状況を監視することができる。
【0021】
ACCシステム31は、レーダシステム30bから入力される車間距離情報に基づき、前方車両との車間距離を一定に保ち前方車両を追従するシステムであり、運転者の運転操作を軽減するシステムである。
【0022】
安全度判定器60は、CPU61、ROM、RAM、データメモリ62a、メモリ62bおよび通信回路63を有している。CPU61は、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより動作し、通信回路63を介して車内LANによって接続された路上監視システム受信機10、車車間通信システム20、車載周辺監視システム30としてのカメラシステム30a、レーダシステム30bおよび電子機器70と各種情報の授受を行う。また、安全度判定器60には、GPSからの位置情報および車速センサからの車速情報が入力される。
【0023】
データメモリ62aには、通信回路63を介して入力される各種情報が入力データとして記憶されるとともに、通信回路63を介して出力される各種情報が出力データとして記憶される。なお、通信回路63を介して入力される各種情報には、情報の内容を示すデータIDが含まれている。
【0024】
図2に、データメモリ62aの入力データの例を示す。図に示すように、データメモリ62aには、入力データとして、路上監視システム受信機10、車車間通信システム20、カメラシステム30a、レーダシステム30b、GPSおよび車速センサから入力される各種情報が記憶される。
【0025】
なお、データメモリ62aの入力データは、いわゆるTLV(tag、length、value)形式で記憶されている。例えば、車速36km/hを1バイトで表現する場合、車速を表すtagをvelocityとし、lengthを1とする。また、36km/hは10msであり、この10を16進数で表現するとAとなり、このAはASCIIコードでは41に相当するため、lengthは41とする。そして、<velocity、1、41>としてデータメモリ62aに記憶される。
【0026】
図3に、データメモリ62aの出力データの例を示す。図に示すように、データメモリ62aには、出力データとして、安全度、障害物情報および車線走行位置等の各種情報が記憶される。
【0027】
なお、データメモリ62aの入出力データに記憶される相対位置および位置誤差は、座標形式のデータとして記憶される。
【0028】
メモリ62bには、データ辞書としてのデータおよび判定条件としてのデータが記憶されている。そして、判定条件としてのデータの1つとして安全度判定テーブルのデータがメモリ62bに記憶されている。
【0029】
データ辞書は、通信回路63を介して入力される各種情報が、どのような内容の情報であるかが定義されたものである。安全度判定器60のCPU61は、データメモリ62aに入力データとしてTLV形式で記憶された各種情報がどのような内容の情報であるかを、このデータ辞書を参照して認識する。
【0030】
安全度判定テーブルは、安全度を算出するためのデータが記憶されたものである。安全度判定テーブルには、例えば、図4に示すように、自車速度(走行速度)に応じて、安全走行に最低限必要な車間距離である最低車間距離が定義されており、この最低車間距離よりも車間距離が短い領域では、安全度が0に定義されている。また、走行中の安全性を考慮して安全度の上限は10に設定され、図に示すように、自車速度(走行速度)に応じて、安全度が10となる車間距離が定義されている。なお、図において安全度が10となる条件よりも車間距離が長い領域では、安全度は10となる。
【0031】
ここで、安全度判定器60のCPU61による安全度の算出について説明する。安全度は、安全走行のレベルを示すものであり、本実施形態では、自車速度、車間距離および安全度判定テーブルに記憶されたデータに基づいて算出される値である。車間距離が長いほど安全度は大きく、車間距離が短いほど安全度は小さくなる。安全度は、安全度判定器60によって算出され、電子機器70は、安全度判定器60によって算出された安全度に応じて操作制限を緩和する。
【0032】
まず、安全度判定器60のCPU61は、安全度判定器60のデータメモリ62aに入力データとして記憶された各種情報から、前方車両との車間距離と自車速度(走行速度)を求める。そして、図4に示した安全度判定テーブルを参照して、車間距離と走行速度に応じた安全度を求める。なお、安全度判定テーブルにおいて、車間距離が安全度0と安全の10の各ライン間に相当する場合には、走行速度を一定にして安全度0と安全度10との間を比例配分することで安全度を求める。例えば、自車速度が100km/m、車間距離が100m以下の場合、安全度は0となる。また、自車速度が100km/m、車間距離が200m以上の場合、安全度は10となる。また、自車速度が100km/m、車間距離が150mの場合(図4のA点)、安全度0と安全度10との中間であるため、安全度は5となる。
【0033】
このように、安全度判定器60のCPU61は、自車速度(走行速度)、前方車両との車間距離および安全度判定テーブルに記憶されたデータに基づき、安全度を求める。
【0034】
電子機器70は、具体的にはナビゲーション装置であり、CPU、RAM、ROM、ディスク読み取り装置等の他に、地図などを表示させるディスプレイ、タッチスイッチあるいはメカニカルなスイッチ等の操作スイッチを有している。また、電子機器70には、車速センサからの自車速度および安全度判定器60からの安全度が入力されるようになっている。電子機器70は、自車速度により車両が走行中であると判断すると操作スイッチの操作を制限し、安全度判定器60から入力される安全度応じて走行中の操作スイッチの操作制限を緩和する。具体的には、走行中であっても、安全度判定器60からの安全度が大きくなるに従い操作スイッチの操作制限解除時間を長くし、安全度が小さくなるに従い操作スイッチの操作制限解除時間を短くする。また、電子機器70は、操作制限解除時間をディスプレイに表示させる。例えば、安全度判定器60から入力される安全度が「5」の場合、運転者による最初のスイッチ操作から5秒間はスイッチ操作が可能となり、この間、ディスプレイには操作制限解除時間が5秒であることを示す内容が表示される。
【0035】
ところで、車載周辺監視システム30のカメラシステム30aおよびレーダシステム30bから出力される各情報には、物体の検出状況に応じて算出された信頼度が含まれている。安全度判定器60のCPU61は、この信頼度に応じて、安全度の算出に用いるシステムを選択する。
【0036】
図5は、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各制御ステータスの組合せを示したものである。本実施形態では、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各システムから入力される信頼度に応じて、制御ステータスを「OK」、「疑問」、「不明」の3段階に分類される。信頼度が90〜100のとき、制御ステータスは「OK」、信頼度が80〜90のとき、制御ステータスは「疑問」、信頼度が0〜80のとき、制御ステータスは「OK」に分類される。
【0037】
安全度判定器60のCPU61は、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各制御ステータスがそれぞれ「OK」の場合、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各情報のうち、信頼度の高い方のシステムからの情報を用いて安全度の算出を行う。
【0038】
また、カメラシステム30aの制御ステータスが「疑問」で、レーダシステム30bの制御ステータスが「OK」の場合、カメラシステム30aからの情報は用いないで、信頼度の高いレーダシステム30bのみの情報を用いて安全度の算出を行う。
【0039】
また、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各制御ステータスがそれぞれ「疑問」の場合、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各システムからの情報の信頼度の高い方の情報を用いて安全度の算出を行う。
【0040】
その他の組合せについては説明を省略するが、図6は、上記車載周辺監視システム30の各制御ステータスの組合せによるシステム選択をまとめたものであり、安全度判定器60のCPU61は、この図に示すように、カメラシステム30aとレーダシステム30bの各制御ステータスの組合せにより、安全度の算出に用いるシステムを選択する。
【0041】
次に、安全度判定器60のCPU61の処理について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0042】
運転者の操作により、イグニッションスイッチがオンすると、安全度判定器60には、路上監視システム受信機10、車車間通信システム20、車載周辺監視システム30としてのカメラシステム30a、レーダシステム30bからの各種情報が、通信回路63を介して入力される。そして、これらの各種情報はデータメモリ62aに入力データとして順次記憶される。CPU61は、メモリ62aのデータ辞書を参照して、データメモリ62aに入力データとして記憶された情報の内容を認識する。そして、車載周辺監視システム30の各システム、すなわち、カメラシステム30aおよびレーダシステム30bに対して、動作状態の問い合わせを行い、車載周辺監視システム30に正常動作しているシステムがあるか否かを判定する(S100)。ここで、車載周辺監視システム30に正常動作しているシステムがあると判定した場合(S100でYESと判定)、車載周辺監視システム30の中に、正常動作していないシステムがあるか否かを判定する(S102)。車載周辺監視システム30の全てのシステムが動作している場合(S102でNOと判定)、路上監視システム受信機10、車車間通信システム20および車載周辺監視システム30のどのシステムのどの情報を用いて安全度を算出するかを設定する(S108)。ここでは、カメラシステム30aおよびレーダシステム30bから入力される各相対位置および各信頼度が安全度の算出に使用される情報として設定されるものとして説明する。CPU61は、車内LAN(車内のネットワーク)を介してデータメモリ62aに入力データとして記憶された各種情報の中から、カメラシステム30aおよびレーダシステム30bから入力される各相対位置および各信頼度をそれぞれRAMに順次記憶する(S110)。
【0043】
CPU61は、このRAMに記憶されたデータを読み出し(S112)、読み出したデータの信頼度から、更に、安全度の算出に優先して使用するシステムを選択し(S114)、選択したシステムからの情報を安全度の算出に用いる。
【0044】
ここでは、前方に車両が存在し、ACCシステム31によりこの前方車両と一定の車間距離で追従しており、車載周辺監視システム30としてのカメラシステム30aによって求められた相対位置とレーダシステム30bによって求められた相対位置の各信頼度がそれぞれ90〜100の間で、各制御ステータスが「OK」であるとする。CPU61は、図6に示したシステム選択図に従って、カメラシステム30aとレーダシステム30bの両方からの情報を安全度の算出に用いる。具体的には、CPU61は、カメラシステム30aによって求められた相対位置とレーダシステム30bによって求められた相対位置をそれぞれメモリ62bから読み出して(S116)、相対距離(車間距離)を求める(S118)。ここでは、レーダシステム30bによって求められた相対距離の方がカメラシステム30aによって求められた相対位置よりも短いものとし、CPU61は、レーダシステム30bによって求められた相対距離を安全度の算出に用いることとする。
【0045】
次に、CPU61は、データメモリ62aに記憶された車速センサからの自車速度を読み込み(S120)、自車速度、車間距離および安全度判定テーブルに記憶されたデータに基づき安全度を算出し(S122)、算出した安全度をデータメモリ62aに出力データとして記憶する(S124)。このように、ステップ110〜ステップ124の処理を繰り返す。
【0046】
なお、データメモリ62aに出力データとして記憶された安全度は、通信回路63を介して車内LANに接続された電子機器70に入力される。そして、この電子機器70は、走行中であっても、安全度判定器60からの安全度に応じて、操作スイッチの操作制限を一定時間解除するとともに、操作制限解除時間をディスプレイに表示させる。
【0047】
なお、ステップ100において、車載周辺監視システム30の各システムに、正常動作しているものがない場合(S100でNO判定)、ステップ100に戻る。
【0048】
また、ステップ102において、車載周辺監視システム30の中に正常動作していないシステムがある場合(S102でYESと判定)、動作していないシステムがあることをRAMに記憶し(S104)、車載周辺監視システム30として他に正常動作しているシステムだけを使用した別の安全判定ソフトがあるか否かを判定する(S106)。ここで、別の安全判定ソフトがある場合、別の安全判定ソフトに切り替えてステップ108の処理を行う。例えば、車載周辺監視システム3として超音波システムが車両に搭載され、この超音波システムの動作状態が異常であるような場合には、超音波システムを使用した低速度の後退運動時の障害物検知を行わない別の安全判定ソフトがあるか否かを判定し(S106)、安全判定ソフトがある場合、別の安全判定ソフトに切り替え、ステップ108の処理を行う。また、ステップ106において、別の安全判定ソフトがない場合には処理を終了する。
【0049】
次に、電子機器70のCPUの作動について図8を参照して説明する。なお、電子機器70のCPUの作動を電子機器70として説明する。
【0050】
運転者の操作により、イグニッションスイッチがオンし、電子機器70の動作スイッチがオンすると、電子機器70は動作を開始する。電子機器70は、自車速度を読み込み(S200)、自車速度が一定速度以上であるか否かを判定する(S202)。ここで、停車中であって自車速度が一定速度以上でない場合、操作スイッチの操作は制限されない(S212)。また、ステップ202において、自車速度が一定速度以上の場合、安全度を読み込み(S204)、安全度が0であるか否かを判定する(S206)。ここで、例えば、車間距離が最低車間距離よりも短く安全度が0の場合、操作スイッチの操作は制限される(S208)。また、ステップ206において、安全度が0でない場合、安全度に応じて操作スイッチの操作制限を緩和する。具体的には、走行中であっても、安全度判定器60からの安全度が大きくなるに従い操作スイッチの操作制限解除時間を長くし、安全度が小さくなるに従い操作スイッチの操作制限解除時間を短くする。
【0051】
上記したように、電子機器70は、安全度判定器60からの安全度に応じて走行中の操作スイッチの操作制限を緩和するので、走行中であっても、安全走行のレベルを示す安全度に応じて操作スイッチの操作が可能となり、運転者の不満を解消することができる。
【0052】
また、安全度判定器60のCPU61は、データメモリ62aに入力データとして記憶された各種情報がどのような内容の情報であるかを、データ辞書を参照して認識するので、視覚支援システム3として新たな機器が追加されたり、通信回路63を介して入力される情報が新たに追加されても、データ辞書のデータを追加するだけで、安全度判定器60のCU61は、視覚支援システム3として新たな機器や通信回路63を介して入力される新たな情報の内容を識別できるので拡張性が高い。
【0053】
なお、上記実施形態において、安全度判定器60は、前方車両との車間距離と自車速度(走行速度)を求め、安全度判定テーブルを参照して、車間距離と走行速度に応じた安全度を求める例について示したが、これは一例であって、例えば、前方車両との相対速度を求め、この相対速度と、安全度判定テーブルに記憶された最低車間距離から、最低車間距離に到達する時間を推定して、この推定した時間を安全度に反映させてもよい。
【0054】
また、安全度判定器60は、車車間通信システム20を介して入力される周辺車両の車速やブレーキ操作を示す情報により、周辺車両の車速やブレーキ操作を認識し、これらの周辺車両の車速やブレーキ操作を判定条件として設定し、安全度に反映させてもよい。このような場合、自車速度および前方車両との車間距離が同一の条件であっても、例えば、車車間通信システム20が搭載されない車両の方が、車車間通信システム20が搭載された車両よりも、安全度が小さく算出されるようにしてもよい。また、例えば、ブレーキ性能の低いブレーキシステムを有する車両では、ブレーキ性能の高いブレーキシステムを有する車両よりも安全度が小さくなるようにしてもよい。
【0055】
なお、上記実施形態では、車載周辺監視システム30として、カメラシステム30aおよびレーダシステム30bが設けられた例について示したが、カメラシステム30aおよびレーダシステム30bに限ることなく、例えば、超音波センサを用いて物体との相対位置を測定するような構成としてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、カメラシステム30a、レーダシステム30bによって、それぞれ車両前方の物体の相対位置を求める例について示したが、車両前方に限ることなく、例えば、車両側方、車両後方の物体との相対位置を求めるようにしてもよい。
【0057】
また、安全度判定器60は、車載周辺監視システム30を介して入力される情報から、例えば、対向車が中央線をはみ出して接近してくると推定した場合や、障害物が走行経路に移動していると推定した場合には、安全度を0にするとともに、すぐに警報を発出して運転者に報知するようにしてもよい。また、この場合、自動的にハンドル操作を行い、中央線から離れる走行を行うようにしてもよい。
【0058】
また、安全度判定器60は、車車間通信システム20から入力される他車の位置情報を用いて安全度の計算を行うようにしてもよい。この場合、自車の位置情報と他車の位置座標の時間変化から、現在の車間距離または位置関係を推定し、この推定値から安全度を求めることができる。
【0059】
また、上記実施形態では、車載用電子機器が運転支援システムとしてACCシステム31が搭載された車両に適用された例について示したが、ACCシステム31の機能にブレーキ制御機能が追加された、いわゆるストップ・アンド・ゴー・システムが搭載された車両に適用されてもよい。このストップ・アンド・ゴー・システムでは完全自動運転が可能であるため、ストップ・アンド・ゴー・システムに適した判定条件を安全度判定テーブルのデータとして設定し、操作スイッチの操作制限時間を例えば1分単位で解除してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、安全度判定器60は、車載周辺監視システム30から入力される各種情報の信頼度によって、安全度の算出に用いるシステムを選択する例について示したが、相対位置の位置誤差によって安全度の算出に用いるシステムを選択するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、カメラシステム30aまたはレーダシステム30bにおいて、物体を追跡したり物体の有無および物体までの距離を判定する処理を行う例について示したが、カメラシステム30aまたはレーダシステム30bから画像データを出力し、安全度判定器60において物体を追跡したり物体の有無および物体までの距離を判定する処理を行うようにしてもよい。
【0062】
また、電子機器70は、走行中であっても、安全度判定器60からの安全度に応じて、操作スイッチの操作制限を一定時間解除するとともに操作制限解除時間をディスプレイに表示させる例について示したが、音声で操作制限解除時間を運転者に報知するようにしてもよい。また、安全度が大きくなるに従い操作可能な操作スイッチの数を増加し、安全度が小さくなるに従い操作可能な操作スイッチの数を減少させてもよい。
【0063】
ゲートウェイ50は、路上監視システム受信機10および車車間通信システム20において信頼性の高い情報のみを出力する処理が行われている場合には、省略することができる。
【0064】
また、車車間通信により他車の移動走行ルートを受信するようにして、この他車の移動走行ルートから他車の位置情報を把握して安全度を求めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用電子機器の全体構成を概略的に示した図である。
【図2】データメモリの入力データの例を示す図である。
【図3】データメモリの出力データの例を示す図である。
【図4】安全度判定テーブルのデータ例を示す図である。
【図5】カメラシステムとレーダシステムの各制御ステータスの組合せを示した図である。
【図6】車載周辺監視システムの各制御ステータスの組合せによるシステム選択の説明図である。
【図7】安全度判定器のCPUの処理を示す図である。
【図8】電子機器のCPUの処理を示す図である。
【符号の説明】
10…路上監視システム受信機、20…車車間通信システム20、
3…視覚支援システム、30a…カメラシステム、30b…レーダシステム、
31…ACCシステム、50…ゲートウェイ、60…安全度判定器、
61…CPU、62a…データメモリ、62b…メモリ、63…通信回路、
70…電子機器。

Claims (4)

  1. 操作スイッチを有し、走行中の前記操作スイッチの操作が制限される電子機器(70)と、
    車両の周辺状況についての情報が入力され、この情報から安全走行のレベルを示す安全度を算出する安全度判定手段(60)と、を有し、
    前記電子機器(70)は、前記安全度判定手段(60)からの安全度に応じて走行中の前記操作スイッチの操作制限を緩和することを特徴とする車載用電子装置。
  2. 前記安全度判定手段(60)は、自車速度および車間距離に応じて安全度が定義された安全度判定テーブルを有し、前記安全度判定手段(60)には、自車速度および車間距離についての情報が入力されるようになっており、
    前記安全度判定手段(60)は、前記自車速度、前記車間距離および前記安全度判定テーブルに記憶されたデータ、に基づいて前記安全度を算出することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子装置。
  3. 前記電子機器(70)は、前記安全度に応じて、前記操作スイッチの操作制限を一定時間解除することを特徴とする請求項1または2に記載の車載用電子装置。
  4. 前記電子機器(70)は、前記安全度に応じて操作可能な前記操作スイッチの数を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の車載用電子装置。
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