JP2004322573A - Metallic member with antirust coating layer - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性、耐薬品性、耐候性及び潤滑性に優れた防錆コーティング層を備えた金属部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車部品、家電製品、橋梁、鉄塔、建材等の分野で最も広く使用されている亜鉛系メッキ鋼材は、その金属部材特有の問題である白錆に対する防錆処理として、クロメート処理(6価のクロムイオンを含有する溶液と接触させその表面を不動態化する。)がなされており、これによりきわめて耐食性に優れた保護被膜(クロム化成処理被膜)が形成されるため、古くから好適に使用されている。しかしながら、周知のように、6価クロムは人体にきわめて有害であることから、これに代わる、いわゆる代替クロメート処理被膜若しくはノンクロメート処理被膜が希求され、近年、多数の鋼材メーカー、塗料メーカー、化学メーカーその他により精力的に研究・開発が行われ、膨大な数の提案がなされている。
【0003】
そのうち、現在最もクロム化成処理被膜につぐ防錆効果を有し、実用レベルにあるとされるものは、水性の樹脂と金属表面に有効に作用する防錆剤とを含有する水性防錆コーティング組成物(水性塗料)を金属部材表面に塗布、乾燥させて、有機保護被膜を形成させ、酸素、水蒸気などのガスや酸性イオンを含んだ水等の発錆原因物質に対する高い遮蔽性及び透過防止機能を付与するものである。
【0004】
このような保護被膜中には、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等のシリカ微粒子が防錆剤として、或いは、被膜の緻密性の向上、金属表面や上塗り塗膜との密着性を高めるため、ほぼ例外なく配合されている(例えば、特許文献1〜特許文献9等を参照。)。
【0005】
しかしながら、これら提案されている有機防錆コーティング層は、いずれも完全にクロメート処理による化成処理被膜を代替しうるものではない。すなわち、当該被膜は、やはりクロメート処理に匹敵するような十分な耐久力を有しているとは言い難く、さらに複数の上掛け塗料を施す必要があったり、あるいは、頻繁に再塗装の必要があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−310749号公報
【特許文献2】
特開2001−240977号公報
【特許文献3】
特開2002−322569号公報
【特許文献4】
特開2000−519号公報
【特許文献5】
特開2001−191448号公報
【特許文献6】
特開平5−208166号公報
【特許文献7】
特開2001−214283号公報
【特許文献8】
特開2001−277422号公報
【特許文献9】
特開2002−326310号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにせよ、クロメート処理工程は、(i)基本的に有害金属であるクロム等を取り扱わなければならないこと、(ii)その工程での廃液処理や作業者への安全性に問題があること、(iii)さらには、クロメート処理鋼鈑を用いた製品は、使用中及び廃棄時に6価クロムの溶出等による環境汚染等の深刻な問題を伴うものであること等の理由で、脱クロム処理への移行は、重金属類に対する厳しい環境規制及びその環境への重大な影響を考慮した場合、環境保護の立場から、後戻りできない技術の大きな流れである。すなわち、クロムフリーで、かつ、クロム化成処理被膜に匹敵する防錆コーティングを創出することは、喫緊の課題である。
【0008】
かくして、本発明の目的は、酸素、水蒸気などのガスや酸性イオンを含んだ水を効果的に遮蔽する高いバリヤ性を発現して、発錆原因物質を実質的に透過防止し、また、被膜自体の強度が高い防錆コーティング層をその表面に備えた金属部材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に従えば、以下の発明が提供される。
【0010】
(1)金属部材表面に、防錆コーティング層として、アスペクト比が10〜500、平均粒径が5μm以下の自己造膜性を有する無機板状シリカ粒子を配合した結着剤脂成分からなる表面層を備えた金属部材。
【0011】
(2)上記防錆コーティング層が、板状シリカ粒子と水性の結着剤樹脂成分を含有する水性樹脂組成物を金属部材表面に塗布、乾燥して形成されたものである上記の防錆コーティング層を備えた金属部材。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
(自己造膜性を有する板状シリカ)
本発明の最大の特徴は、防錆コーティング層に配合するシリカ粒子として、従来のごときコロイダルシリカやヒュームドシリカに代わり、自己造膜性を有し、かつ、アスペクト比が10〜500、平均粒径が5μm以下という特定の板状シリカを使用する点にある。
【0014】
このように、自己造膜性を有し、特定の板状シリカであれば、特に限定するものではないが、なかでも、本出願人により創出された、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重なって形成される自己造膜性を有する板状の葉状シリカ2次粒子が最も好ましい。以下、当該板状シリカとして葉状シリカ2次粒子を代表例として説明する。
【0015】
板状シリカのアスペクト比(板状粒子の厚みに対する長径の比)は、10〜500、好ましくは20〜300であり、また、平均粒径は0.001〜20μm、好ましくは0.001〜10μm、さらに好ましくは0.01〜10μm、最も好ましくは0.1〜5μmである。アスペクト比が10未満の場合は、充分なバリヤ性が得られ難く好ましくない。また粒径がこの上限をあまり超える場合は、緻密な積層構造を得るのが困難になる。なお、板状粒子の厚さ及び長さは、特に断らないかぎり、その平均値を意味する。
【0016】
また、板状シリカ粒子の比表面積は、少なくとも30〜300m2/g、好ましくは30〜100m2/g、さらに好ましくは50〜80m2/gのものである。比表面積がこれよりあまり大きいと、結着樹脂との充分な混合や結着樹脂中への良好な分散が困難になり好ましくない。
【0017】
本発明における、板状粒子は、粒子が実質的に薄い板状の形態を有しているものであればよく、これがさらに、部分的又は全体的に曲がったり、ねじれたりしてもよい。
【0018】
このような、葉状シリカ2次粒子からなる板状シリカ粒子は、後記する方法により得られるが、その形態に起因して大きな自己造膜性を有し、常温においても容易に強固なシリカ被膜を形成しうるものである。すなわち当該板状粒子の15%程度の水分散液を金属表面やガラス等の基体上に塗布し、常温で乾燥すると、なんら被膜形成剤や造膜助剤等を使用することなしに硬化し、それ自体で強靱な被膜が形成される(塗膜形成機能)。
【0019】
これは、その有する特異な鱗片状の形状のため、基材表面に塗布された塗膜が乾燥する過程で、鱗片状の粒子同士が基材に平行に重なって互いに係合することによるものと推察される。この被膜は、葉状シリカ粒子同士が基板に平行的に配向、積層して互いに係止された、極めて強固なものであり、容易には剥離しない。なお、これが充分な硬さの塗膜であるためには当該被膜の鉛筆硬度は、2H以上、好ましくは3H以上のものである。本発明において「自己硬化性」とは、このような塗膜を形成することができる意味である。
【0020】
これに対し、従来の防錆コーティング層に配合されているシリカ微粒子であるコロイダルシリカやヒュームドシリカの水スラリーは、基本的にこのような自己造膜性はないか、又はある程度あったとしても、膜厚を厚くすると容易にひび割れが生じて、強度の高い膜は形成されない。すなわち、これらシリカ微粒子の水スラリーを基体上に塗布・乾燥すると、一応被膜は形成されるものの、この被膜は、硬度を有するどころか、脆弱な塗膜であって、手で軽く触れただけで崩れてしまう程度のものである。
【0021】
(葉状シリカ2次粒子の調製)
本発明で使用する板状シリカ粒子としては、上記した葉状シリカ2次粒子を用いることが好ましいが、これは、物質自体としては、所謂シリカ−X、シリカ−Yとして知られているものである。
【0022】
葉状シリカ2次粒子は、本出願人が提案しているように、活性ケイ酸、シリカゾル、エアロジル、シリカヒドロゲル、シリカゲル(シリカキセロゲル)等を出発物質として、これらをアルカリ金属の存在下で水熱処理する方法により、まず、葉状シリカ2次粒子がさらに3次元的に不規則に重なり合って形成されたシリカ3次凝集体粒子(3次粒子)を生成させ、次いで各種の解砕処理や乾燥等の後処理を行うことによって、当該3次粒子を解砕し、葉状シリカ2次粒子を得るという方法により容易に調製することができる。
【0023】
上記シリカヒドロゲル等の出発物質の水熱処理は、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱することにより行われ、シリカ3次凝集体粒子が得られるが、当該シリカ−Xやシリカ−Y等の単一相を短時間で得るため、温度範囲としては、好ましくは150〜220℃、さらに好ましくは160〜200℃が用いられる。また、必要な水熱処理の時間は、通常、3〜50時間、好ましくは、5〜40時間程度である。
【0024】
水スラリー状で得られたシリカ3次凝集体粒子は、固液分離・水洗装置を用いて水洗・固液分離して、さらに水でリパルプし、SiO2 濃度1〜30質量%の水スラリーとし、これを湿式ビーズミルや湿式ボールミル等の湿式粉砕装置(解砕装置)に供給して、解砕処理して葉状シリカ2次粒子の水スラリーを得ることができる。なお、湿式ビーズミルとしては、直径0.2〜1.0mmのアルミナ又はジルコニア等の媒体ビーズを用いることが望ましい。
【0025】
かくして得られる葉状シリカ2次粒子の水スラリーは、後記するような防錆コーティング層を形成するための水性の結着剤樹脂成分を含有する水性樹脂組成物にそのまま配合することができる。その場合の葉状シリカ2次粒子濃度は、通常、1−30質量%、好ましくは1〜20質量%の濃度で分散した水スラリーである。
【0026】
本発明で使用する、自己造膜性を有し、かつ、アスペクト比が10〜500、平均粒径が5μm以下という特定の板状シリカは、上記のようにして調製することができるが、また、市販品として入手可能である(例えば、「サンラブリーLFS」(商品名、洞海化学工業社製)として、板状シリカを水スラリーや有機溶媒スラリーさらにはこれを乾燥粉体としたものが入手できる。)
【0027】
なお、本発明における最も代表的な板状シリカ粒子である、葉状シリカ2次粒子とは、その自己造膜性が損なわれない限り、一部もしくは大部分が薄片状1次粒子であってもよく、または一部に3次凝集体粒子が混合しているものであってもかまわない。本発明における葉状シリカ2次粒子とは、このようなものを意味する。
【0028】
当該粒子の平均粒子径は、特に限定するものではないが、すでに述べたように、本発明で使用する場合は、通常0.001〜20μm、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.01〜10μm、最も好ましくは0.1〜5μm程度である。ここで、平均粒子径の測定方法として、レーザー回折/散乱式粒度測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−920型)、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LB−500型)、或いはコールターカウンター(例えば、コールターエレクトロニクス社製、MA−II型)等で粒子径の範囲に応じて適宜適用することにより測定される。
【0029】
(結着剤樹脂成分)
本発明において、防錆コーティング層は、結着剤樹脂成分から基本的に形成される被膜である。結着剤樹脂としては、好ましくは水性の樹脂が使用される。ここで「水性」とは、当該樹脂が水系溶媒に溶解して溶液を形成しうるものであるか、水系溶媒に微細に分散し水性分散液(エマルション)を形成しうるものであることをいう。このような樹脂の水溶液等を対象金属部材の表面に塗布、乾燥することにより、その表面に結着剤樹脂成分からなる防錆コーティング層が形成される。
【0030】
防錆コーティング層を形成する結着剤樹脂成分としては、従来から、金属部材の防錆コーティング層を形成するため使用されている公知の樹脂、特に水性の樹脂がいずれも好適に使用可能である。なお、ここにいう「結着剤樹脂」とは、従来より「塗料用樹脂」と称されているものである。
【0031】
結着剤樹脂として好ましいものとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂等が挙げられる。以下、それぞれについて、簡単に述べる。
【0032】
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸〔アクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。以下、同様。〕及び(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体、又は、これら(メタ)アクリル酸等と共重合可能な単量体との共重合体である。
【0033】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシブチルが挙げられる。
【0034】
これら(メタ)アクリル酸等と共重合可能な単量体としては、エチレン性不飽和基を有する単量体が好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルフェノール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルアルコール、アリルアルコール、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。また、酸の場合は、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等であってもよい。
【0035】
また、さらに、上記(メタ)アクリル酸等の重合体及び共重合体を、ウレタン樹脂で変性したウレタン変性(メタ)アクリル酸等の重合体等やエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等で変性したエポキシ変性、フェノール変性、メラミン変性(メタ)アクリル酸等の重合体等であってもよい。
【0036】
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンの単独重合体又はこれらと共重合可能な単量体との共重合体であり、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、2―ペンテン、2−ヘキセン、2−へプテン、2−オクテン、2−デセン等が挙げられ、また、これらと共重合可能な単量体としては、上記した、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルフェノール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アリルアルコール、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリが挙げられる。また、上記と同様に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等により変性したものであってもよい。
【0037】
(ウレタン系樹脂)
ウレタン系樹脂は、少なくとも2以上の−NCOを有する、ポリイソシアネート化合物と、2以上の−OHを有するポリオール化合物を反応せしめて得られるウレタン結合(−NHCOO−)を主鎖とする樹脂である。
少なくとも2以上の−NCOを有する化合物としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート;
【0038】
4,4’−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、メチル−2,4−シクロへキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロへキサン;
【0039】
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート;
【0040】
テトラメチルメタキシリレンジイソシアネート、ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ジイソシアネート1,4−ジメチルベンゼン、ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、テトラメチルパラキシリレンジイソシアネート;
【0041】
トリフェニルメタン−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4’−ジフェニルジメチルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート、又は、末端にNCO基を有するこれらのプレポリマーのブロック化物があげられる。
【0042】
また少なくとも2以上の−OHを有するポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水添ビスフェノールA、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール;これらポリオールのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物などのポリエーテルポリオール;ジカルボン酸と反応させて得られるポリエステルポリオール;さらにこれを脂肪酸変性した高分子量ポリオールがあげられる。
【0043】
(エポキシ系樹脂)
エポキシ系樹脂は、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物と、ビスフェノール等の多価アルコールとの反応により得られる分子内に2個以上のエポキシ基を有するプレポリマーをアミンや酸無水物等の硬化剤で硬化させた樹脂である。
【0044】
ビスフェノールとしては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン〔ビスフェノールB〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン〔ビスフェノールF〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどが挙げられる。
【0045】
また、これらを脂肪酸で変性した変性エポキシ樹脂、アルキド樹脂で変性したアルキド変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂で変性したアクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂で変性したウレタン変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂で変性したフェノール変性エポキシ樹脂等も使用可能である。
【0046】
(アルキド系樹脂)
アルキド系樹脂は、多価アルコールと多塩基酸(又はそのエステルや酸無水物)とをエステル化反応により重縮合せしめて得られる樹脂である。
【0047】
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−l,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−へキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、2−n−ブチル−2−エチル−l,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、シクロへキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0048】
また、多塩基酸としては、例えばコハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、フタール酸、無水フタール酸、イソフタール酸、イソフタール酸ジメチル、テレフタール酸、テレフタール酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、へキサヒドロ無水フタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル,メチルへキサヒドロ無水フタール酸等が挙げられる。
【0049】
アルキド系樹脂は、油脂で変性した油変性アルキド系樹脂、ロジンで変性したロジン変性アルキド系樹脂、シリコンで変性したシリコン変性アルキド樹脂、アクリルで変性したアクリル変性アルキド系樹脂等であってもよい。
【0050】
なお、水性樹脂としては、その他シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂等も使用可能である。
【0051】
(シランカップリング剤)
本発明における防錆コーティング層(または板状シリカ粒子と結着剤樹脂成分を含有する水性樹脂組成物)中には、当該樹脂の金属部材表面への密着性を向上させたり、板状シリカ粒子と結着剤樹脂との密着性や濡れ性を高めるため、シランカップリング剤を配合することができる。
【0052】
シランカップリング剤としては、通常使用されているものでよく、特に制限はないが、例えばビニルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N’−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0053】
これらシランカップリング剤は1種類を単独で使用してもよいし、または2種類以上を併用してもよい。
【0054】
(板状シリカ以外のシリカ)
本発明においては、葉状シリカ2次粒子等の板状シリカ粒子とは異なる非晶質の二酸化ケイ素を併用して配合することができる。これらは、コロイド粒子サイズ、すなわち、1〜200nm、好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは1〜20nm程度の極めて微小なシリカ微粒子であることが好ましく、水分散体としてのコロイダルシリカ、粉状のヒュームドシリカが特に好ましい。
【0055】
なお、水性樹脂組成物を金属部材表面に塗布、乾燥して形成される防錆コーティング層中では、コロイダルシリカはコロイド粒子サイズと同径の超微粒子として存在することになるので、「防錆コーティング層中のコロイダルシリカ」とはこのような意味を有するものである。
【0056】
これら微粒子シリカとしては、市販のものが入手可能であり、コロイダルシリカとしては、例えばスノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックスC、スノーテックスS、スノーテックス20、スノーテックス30(以上、日産化学工業社、商品名)、また、ヒュームドシリカとしては、AEROSIL R971、AEROSIL R812、AEROSIL R974、AEROSIL R202、AEROSIL 300(以上、日本アエロジル社、商品名)等が好ましいものとして挙げられる。
【0057】
従来より防錆コーティング層中に配合されるコロイダルシリカ等の微粒子シリカは、緻密な金属酸化生成物の形成を促進して、防錆効果を奏するものとされているが、本発明における葉状シリカ2次粒子等の板状シリカ2次粒子が共存する場合、当該コロイダルシリカ等のより微粒なシリカは、板状シリカ表面にそって配位することになる。すなわち、板状シリカ粒子が、金属部材表面に対してほぼ平行に配向して積層され、この板状シリカ粒子間またはその板状粒子表面に微粒なコロイダルシリカ等が配向して存在するので、後記する迷路効果や閉路効果にも寄与することになり、その防錆効果がより促進されると考えられる。
【0058】
このように、防錆コーティング層に配合されたコロイダルシリカ等のシリカ成分には、金属部材の表面成分との酸―塩基反応による金属面との結合による強力な密着性やこれによる腐食因子成分の塗膜―金属界面での拡散阻止作用があるとされているが、本発明の板状シリカ粒子と併用することにより、これらがコーティング層内でより効果的に配向するので、防錆効果をより充分に奏することができると考えられる。
【0059】
コロイダルシリカ等の配合量は、板状シリカ粒子に対し質量割合で、1/100〜500/100、好ましくは10/100〜400/100、さらに好ましくは30/100〜300/100程度である。
【0060】
(防錆剤)
本発明における防錆コーティング層中には、さらに防錆剤を配合することができる。防錆剤としては、従来公知のものでよく、例えばリン酸亜鉛等のリン酸塩、ポリリン酸アルミニウム等のポリリン酸塩、亜リン酸亜鉛等亜リン酸塩、モリブデン酸アルミニウム等のモリブデン酸塩、リンモリブデン酸アルミニウム等のリンモリブデン酸塩;フイチン酸、フイチン酸塩、ホスホン酸;又はマグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム及び鉄のリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、またはこれらの金属の酸化物や水酸化物等が挙げられる。これらの配合量は、特に限定するものではなく、防錆コーティング層中に0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%程度である。
【0061】
(その他の添加剤の配合)
なお、本発明の目的を阻害しない範囲で、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、着色顔料、乳化剤等を適宜配合することができる。
【0062】
(対象金属部材)
本発明の防錆コーティング層を形成すべき金属部材は、特に限定するものではないが、例えば、亜鉛溶融めっき鋼材、亜鉛と鉄、亜鉛とアルミニウム、亜鉛とニッケル等の亜鉛合金めっき鋼材、アルミニウムめっき鋼材、銅めっき鋼材、錫めっき鋼板等が好ましいものとして挙げられる。めっき方法は特に制限されるものではなく、電気めっき、溶融めっき、溶融塩めっき、真空めっき等が挙げられ、鋼材としては、冷延鋼板、熱延鋼板、厚板、鋼管、棒鋼、線材等が挙げられる。また、ボルト、ナットやネジ等の部材であってもよい。
【0063】
(防錆コーティング層形成用水性樹脂組成物)
本発明の防錆コーティング層を備えた金属部材は、防錆コーティング層形成用の水性樹脂組成物を、対象金属部材に塗布、乾燥することにより形成される。
【0064】
塗布用の水性樹脂組成物(以下「塗布用組成物」と称することがある。)は、水性の結着剤樹脂に、少なくとも板状シリカ粒子を配合し、所望により、コロイダルシリカやヒュームドシリカ、防錆剤、シランカップリング剤と、及びさらに他の添加剤を加えて希釈用の水性媒体を加え、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ジェットミル、ニーダー、三本ロール等の通常の塗料に用いられる混合機を使用して充分混合することにより調整される。なお、結着剤樹脂が熱硬化性樹脂の場合はさらに硬化剤(又は架橋剤)が配合される。水性媒体としては、水を単独で使用してもよいが、所望により水溶性で結着剤樹脂と親和性のあるメタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の有機溶媒を一部含んでいてもよい。
【0065】
また、前記板状シリカ粒子の結着剤樹脂に対する質量割合は、1/100〜300/100、好ましくは10/100〜200/100、さらに好ましくは20/100〜100/100程度である。板状シリカ粒子の配合量がこれ未満であると、後記する板状シリカによるコーティング層の機械的強度向上や防錆効果増大の効果は奏されない。また、板状シリカ粒子の配合量があまり多すぎると、結着樹脂の量が少なくなりすぎて、板状シリカ粒子の間隙を樹脂が充分に充填することができず、コーティング層の膜強度が低下するとともにバリヤ性も低下するので好ましくない。
【0066】
当該塗布用組成物の塗布は、塗布法、浸漬法、スプレー法、静電塗装法等任意の方法を、金属部材の形状等に応じて、適宜適用できるが、特に塗布法が好ましい。塗布工程は、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクイズコーター等による塗装で行われる。
【0067】
塗布厚みは、乾燥後の厚みが0.01〜10μm程度になるようにすることが好ましい。
【0068】
塗布用組成物を塗布後に、加熱して乾燥する。加熱乾燥工程は、電気加熱炉、熱風乾燥炉、赤外線加熱炉、高周波誘導加熱炉等任意の装置により行うことができる。加熱温度は40〜350℃、好ましくは50〜300℃程度で行われる。
【0069】
【作用】
本発明の自己造膜性を有する無機板状シリカ粒子を配合した結着剤樹脂成分からなる防錆コーティング層を備えた金属部材は、従来のコロイダルシリカ等を配合した防錆コーティング層部材に比較して、はるかに高い防錆効果が奏されるものである。これはつぎのような機構によるものと推定される。
【0070】
この板状シリカはコロイダルシリカやフュームドシリカなどの球状あるいは不定形の粒子と異なり、アスペクト比の高い偏平で薄片状のものであるため、塗布、造膜中に粒子がマトリックスである結着剤樹脂被膜中で、基材表面に略平行に配向し、被膜の乾燥が進行するにつれて粒子同士が近接して緻密に積層し、極く微細な複合構造をとることが可能となる。
【0071】
本発明の板状シリカ粒子は、被膜中でこのような積層状に配向しているので、酸素などの腐食性ガスや腐食性電解質イオンを含む薬液等の腐食性物質の浸透を、粒子レベルで効果的に遮断する防壁として働き、これらを実質的に完全に遮蔽することができる。これは、被膜中を金属表面に向かって垂直に拡散・移動してきた腐食性物質が、薄片状の粒子表面に到達した点で垂直方向への移動が遮断され、板状シリカ粒子で形成されたこのような積層構造の中を迂回して通過せざるを得なくなるため、その通過距離は著しく長くなり(迷路効果)、また、上記したように板状粒子との接触点(衝突点)において移動・浸透が遮断される(閉路効果)によるものであると考えられる。
【0072】
また、本発明における板状粒子は、基本的に自己造膜性を有するため、これがコーティング層中に配合されることにより、結着剤樹脂の造膜能はさらに強化され、得られる被膜の機械的物性は大幅に向上する。したがって、本発明の防錆コーティング層は、可撓性、クラック防止、ピンホールの防止など腐食に関与する性能が著しく改善されたものとなる。この点、従来のようなコロイダルシリカ等では、基本的に自己造膜性は低いので、これをフィラーとして配合した場合であっても、かかる劇的な防錆コーティング層の機械的強度の向上は到底望めないのである。
【0073】
なお、すでに述べたように、コロイダルシリカ等のシリカ成分には、これと被塗装金属部材表面成分との酸―塩基反応による金属面との結合による強力な密着性、及び腐食因子成分の塗膜―金属界面での拡散阻止作用があるとされているが、本発明における板状シリカ粒子もシリカであるから、かかる作用をも当然奏するものと考えられる。また、念のため、コロイダルシリカ等を本発明における板状シリカ粒子と併用してもよい。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、特に断り無き限り、%は質量%を示す。
【0075】
(試験片の作成)
(a)まず、本実施例、比較例において共通して適用する金属の試験片の作成法について説明する。
【0076】
市販の電気亜鉛めっき鋼鈑(70mm×150mm×0.5mm厚み)を用意し、それに防錆コーティング層を形成するための塗布用組成物(防錆コーティング組成物)を、バーコーター塗り法(JIS K5600)で、#40バーコーター(江藤機械社製)を用いて塗布し、室温で24時間乾燥して端面処理を行い試験片とした。塗布量は、コーティング組成物の固形分濃度を合わせるように調製し、乾燥後の付着量は、約5g/m2とした。
【0077】
(b)また、機械加工部の耐食性を評価するため、JIS K5600に記載された、耐屈曲性試験法に準拠し、上記で作成した試験片を、塗装面が外側に来るように長手方向にR3mmで180度折り曲げる操作を行い模擬的な機械加工された試験片とした。
【0078】
このようにして2種類の試験片をそれぞれ2枚作成し、当該試験片の端面はパラフィンロウで耐浸透処理を施して以下の耐食試験に付した。
【0079】
(耐食試験法及び結果の評価)
本実施例で用いた耐食性の試験法と、当該試験結果の評価方法は、以下のとおりである。
【0080】
(1) 耐食試験法:JIS Z2371に記載された、塩水噴霧耐食試験法を採用し、120時間、試験を行った。
【0081】
(2) 耐食性:試験後の平板試験片を目視評価し、白錆の発生面積率を5点評価し、白錆の発生がない場合を5点、白錆発生面積が20%以下の場合を4点、40%以下の場合を3点、60%以下の場合を2点、61%以上の場合を1点とした。
【0082】
(3)機械加工部の耐食性:屈曲した試験片の曲がった部分の塗膜の変化を目視で評価する。その結果、平板部分に対し変化が認められない場合は、○、塗膜表面にクラックや白錆が認められるものの剥離が無いものを△、剥離が認められるものを×とする。
【0083】
(4) 塗膜物性:JIS K5600に準拠して、鉛筆硬度、碁盤目剥離試験を行った。また、塗膜の透明性は、ヘイズメーター(日本電色社製、NDH−2000型)で測定した。
【0084】
〔実施例1〕(葉状シリカ2次粒子を配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0085】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−150、平均粒径1.3μm、比表面積50m2/g、固形分濃度15質量%、pH8.5)100gに、ウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%)150gを加えて、防錆コーティング組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状コーティング組成物235gを得た。
【0086】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定したところ、固形分濃度は、30.2質量%であった。
【0087】
また、当該スラリーの粘度を、B型粘度計で測定したところ、350mPa・sであった
【0088】
(2)このスラリー状の防錆コーティング組成物を、バーコーター塗り法により、用意した金属試験片に塗布、乾燥し、防錆コーティング層の被膜が形成された試験片とした。
【0089】
当該試験片に形成した塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し、被膜中に積層している様子が観察された。
【0090】
この試験片について、塗膜物性(鉛筆硬度、碁盤目剥離試験、ヘイズ)を測定し、また、上記の耐蝕試験を行い、耐蝕性、機械加工部の耐蝕性(機械加工性)を評価した。結果を表1に示した。
【0091】
〔実施例2〕(葉状シリカ2次粒子を配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0092】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−050、平均粒径0.5μm、比表面積50m2/g、固形分濃度15質量%、pH8.5)100gに、防錆コーティング組成物中の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、ウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%) 150gを加えて、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状防錆コーティング組成物250gを得た。
【0093】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、29.8質量%であり、また、その粘度をB型粘度計で測定したところ、280mPa・sであった。
【0094】
(2)当該スラリー状コーティング組成物を、試験片に塗布、乾燥し、防錆コーティング層を形成した。当該試験片の塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、実施例1と同様に葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し被膜中に積層している様子が観察された。
この試験片を、実施例1と同様に耐食試験に付した結果を表1に示した。
【0095】
〔実施例3〕(葉状シリカ2次粒子を配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0096】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−020、平均粒径0.2μm、比表面積50m2/g、固形分濃度14質量%、pH8.5)100gに、ウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%) 150gを加えて、防錆コーティング組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、撹拌機を用いてよく混合し白色乳化状のスラリー状の防錆コーティング組成物250gを得た。
【0097】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度29.7質量%であった。
また、当該スラリーの粘度を、B型粘度計で測定したところ、310Pa・sであった。
【0098】
(2)当該スラリー状コーティング組成物を、試験片に塗布、乾燥した。塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、実施例1と同様に葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し被膜中に積層してのが確認された。
この試験片を上記の耐食試験に付した結果を表1に示した。
【0099】
〔実施例4〕(葉状シリカ2次粒子及びコロイダルシリカを配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0100】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−020、平均粒径0.2μm、比表面積50m2/g、固形分濃度14質量%、pH8.5)50gに、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスC(粒径15nm)、固形分濃度20質量%、pH8.5)17.5gを、全シリカ中の葉状シリカとコロイダルシリカの質量比が2:1になるように混合し、これにウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%) 105g、蒸留水2.5gを加えて、防錆コーティング組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状防錆コーティング組成物250gを得た。
【0101】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度 30.1質量%であり、また、その粘度を、B型粘度計で測定したところ、270Pa・sであった。
【0102】
(2)当該スラリー状防錆コーティング組成物を、試験片に塗布、乾燥し防錆コーティング層の形成された金属片とした。塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、実施例1と同様に葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し被膜中に積層している様子が観察された。
この試験片を上記の耐食試験に付した結果を表1に示した。
【0103】
〔実施例5〕(葉状シリカ2次粒子及びコロイダルシリカを配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0104】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−020、平均粒径0.2μm、固形分濃度14質量%、pH8.5)50gに、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスC、固形分濃度20質量%、pH8.5)37.5gをシリカ中の葉状シリカとコロイダルシリカの質量比が1:1になるように混合し、これにウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%) 150g、蒸留水12.5gを加えて、防錆コーティング組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状防錆ングコーティング組成物250gを得た。
【0105】
このスラリー状組成物の固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度 29.9質量%であった。また、その粘度を、B型粘度計で測定したところ、160Pa・sであった。
【0106】
(2)このスラリー状防錆コーティング組成物を、用意した金属試験片に塗布、乾燥し、防錆コーティング層の形成された試験片を作成した。
【0107】
当該試験片に形成した塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、上記した実施例と同様に葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し、被膜中に積層している状態が認められた。
この試験片について、上記の耐蝕試験を行い、評価した結果を表1に示した。
【0108】
〔実施例6〕(葉状シリカ2次粒子及びコロイダルシリカを配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0109】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−020、平均粒径0.2μm、固形分濃度14質量%、pH8.5)50gに、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスC、固形分濃度20質量%、pH8.5)70.0gを、シリカ中の葉状シリカとコロイダルシリカの質量比が1:2になるように混合し、これにウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%) 210g、蒸留水20.0gを加えて、防錆コーティング組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状組成物250gを得た。
【0110】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度30.1質量%であった。また、その粘度を、B型粘度計で測定したところ、110Pa・sであった。
【0111】
(2)このスラリー状コーティング組成物を、用意した金属試験片に塗布、乾燥し、防錆コーティング層の形成された試験片とした。
【0112】
当該試験片に形成した塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、上記と同様に、葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し、被膜中に積層している様子が観察された。
【0113】
この防錆コーティング層が形成された試験片について、上記の耐蝕試験を行った結果を表1に示した。
【0114】
〔実施例7〕(葉状シリカ2次粒子及びシランカップリング剤を配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0115】
(1)葉状シリカ2次粒子の水スラリー(洞海化学工業社製、サンラブリーLFS HB−020、平均粒径0.2μm、固形分濃度14質量%、pH8.5)100gに、ウレタンエマルション(旭電化工業社製、 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%) 150gを加えて、防錆コーティング組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように配合し、更に、水溶性シランカップリング剤である3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM903、有効成分98.7%)0.75gを、固形分比率で約1%となるように加え、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状の防錆コーティング組成物251gを得た。
【0116】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度 30.5質量%であった。また、その粘度を、B型粘度計で測定したところ、550Pa・sであった。
【0117】
(2)このスラリー状防錆コーティング組成物を、用意した金属試験片に塗布、乾燥し、防錆コーティング層の形成された試験片を作成した。
【0118】
当該試験片に形成した塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、上記と同様に葉状シリカ2次粒子が基材に平行に配向し、被膜中に積層して存在していた。
この試験片について、上記の耐蝕試験を行い、評価した結果を表1に示した
【0119】
〔比較例1〕(コロイダルシリカを配合した防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
【0120】
(1)コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスC、固形分濃度20質量%、pH8.5)100gに、ウレタンエマルション(旭電化工業社製 スペンゾールL−512、固形分濃度:40質量%)200gを加えて、更に蒸留水33gを加えて希釈し、組成物の固形分中のシリカの比率が20質量%になるように、撹拌機を用いてよく混合し、白色乳化状のスラリー状防錆コーティング組成物333gを得た。
【0121】
このスラリーの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度は、30.1%であった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定したところ、220mPa・sであった。
【0122】
(2)このスラリー状防錆コーティング組成物を、用意した金属試験片に塗布、乾燥して防錆コーティング層の形成された試験片を作成した。
【0123】
当該試験片に形成した塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、コロイダルシリカの粒状シリカが被膜中にランダムに分散している様子が観察された。
この試験片について、上記の耐蝕試験を行い、評価した結果を表1に示した
【0124】
〔比較例2〕(フィラー無添加の防錆コーティング組成物で塗布された金属板)
(1)上記実施例1で添加しているフィラーを添加せず、蒸留水80gで希釈した以外は同一の処方で防錆コーティング組成物を調製した。
【0125】
このエマルションの固形分濃度を赤外線照射式水分計(ケット社製、FD−600)で測定すると、固形分濃度30.1質量%であった。
【0126】
塗膜断面の超薄切片をTEMで観察すると、均一な樹脂の状態が観察された。また、この組成物の粘度を、B型粘度計で測定したところ、150Pa・sであった。
【0127】
この防錆コーティング組成物を塗布、乾燥し、防錆コーティング層が形成された試験片とした。上記の評価試験に付し、測定結果を表1に示した。
【0128】
【表1】
【0129】
上記表1に示されたように、従来の典型的な公知技術である、コロイダルシリカのみをフィラーとして含有する、防錆コーティング層を形成した比較例1において、被膜強度(鉛筆硬度)、耐蝕性、機械加工部の耐蝕性に問題が見られるのに対し、本発明で規定する板状シリカ粒子を配合した防錆コーティグ層を形成した実施例の金属部材では、その防食性、硬度(被膜強度)、加工性に優れ、きわめてバランスの良いコーティング層が形成されていることがわかる。
【0130】
【発明の効果】
本発明の金属部材においては、金属表面上に形成されたノンクロメート防錆コーティング層中に自己造膜性のある特定の形状の板状シリカ粒子を配合することにより、従来のコロイダルシリカ等の他の形状のシリカをフィラーとして配合した場合に比べて、バリヤ性が顕著に向上し、耐食性能に優れ、かつ、傷や割れに強い加工性の良い金属部材が提供される。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a metal member provided with a rust-proof coating layer having excellent corrosion resistance, chemical resistance, weather resistance, and lubricity.
[0002]
[Prior art]
Currently, galvanized steel, which is most widely used in the fields of automobile parts, home appliances, bridges, steel towers, building materials, etc., has a chromate treatment (hexavalent) as a rust prevention treatment against white rust which is a problem peculiar to metal members. And passivates the surface by contacting with a solution containing chromium ions, which forms a protective coating (chromium chemical conversion coating) with extremely excellent corrosion resistance. Have been. However, as is well known, hexavalent chromium is extremely harmful to the human body, and so alternative chromate-treated coatings or non-chromate-treated coatings have been demanded. Other than that, research and development have been made vigorously, and a huge number of proposals have been made.
[0003]
Among them, those having the most rust-preventive effect next to the chromium chemical conversion coating film and being considered to be at a practical level are aqueous rust-preventive coating compositions containing an aqueous resin and a rust-preventive agent that effectively acts on the metal surface. An object (water-based paint) is applied to the surface of a metal member and dried to form an organic protective film, and it has a high shielding property and a transmission prevention function against rust-causing substances such as gas containing oxygen and water vapor and water containing acidic ions. Is given.
[0004]
In such a protective coating, colloidal silica, silica fine particles such as fumed silica are almost exceptionally used as a rust preventive, or to improve the denseness of the coating, and to enhance the adhesion to the metal surface and the top coat. (See, for example, Patent Documents 1 to 9).
[0005]
However, none of these proposed organic rust-preventive coating layers can completely replace a chemical conversion coating by chromate treatment. In other words, it is difficult to say that the coating has sufficient durability to be comparable to the chromate treatment, and it is necessary to apply a plurality of overcoats, or it is necessary to frequently repaint. there were.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-11-310749
[Patent Document 2]
JP 2001-240977 A
[Patent Document 3]
JP-A-2002-322569
[Patent Document 4]
JP-A-2000-519
[Patent Document 5]
JP 2001-191448 A
[Patent Document 6]
JP-A-5-208166
[Patent Document 7]
JP 2001-214283 A
[Patent Document 8]
JP 2001-277422 A
[Patent Document 9]
JP 2002-326310A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In any case, the chromate treatment process must (i) basically handle harmful metals such as chromium, and (ii) have a problem in wastewater treatment and safety for workers in the process. (Iii) Further, products using chromate-treated steel plates are subject to dechromization treatment because of serious problems such as environmental pollution due to elution of hexavalent chromium during use and disposal. Is a major trend in technology that cannot be reversed from the standpoint of environmental protection, given the strict environmental regulations on heavy metals and their significant environmental impact. That is, it is an urgent task to create a rust-free coating that is chromium-free and comparable to a chromium conversion coating.
[0008]
Thus, an object of the present invention is to develop a high barrier property that effectively shields water containing gases such as oxygen and water vapor and acidic ions, substantially prevents rust-causing substances from permeating, An object of the present invention is to provide a metal member provided with a rust-proof coating layer having high strength on its surface.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
That is, according to the present invention, the following inventions are provided.
[0010]
(1) A surface composed of a binder fat component in which inorganic plate-like silica particles having an aspect ratio of 10 to 500 and an average particle size of 5 μm or less and having a self-forming property are blended on the surface of a metal member as a rust-proof coating layer. Metal members with layers.
[0011]
(2) The rust-preventive coating as described above, wherein the rust-preventive coating layer is formed by applying an aqueous resin composition containing platy silica particles and an aqueous binder resin component to the surface of a metal member and drying. Metal members with layers.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0013]
(Sheet-form silica with self-forming properties)
The greatest feature of the present invention is that, as silica particles to be incorporated into the rust-preventive coating layer, it has a self-forming property instead of conventional colloidal silica or fumed silica, and has an aspect ratio of 10 to 500 and an average particle size of 10 to 500. The point is that a specific tabular silica having a diameter of 5 μm or less is used.
[0014]
As described above, it is not particularly limited as long as it has a self-film-forming property and is a specific plate-like silica. Among them, the flaky silica flake primary particles created by the present applicant are mutually Plate-like leaf-like silica secondary particles having a self-film-forming property formed by overlapping a plurality of sheets with the planes oriented in parallel are most preferred. Hereinafter, leaf-like silica secondary particles will be described as typical examples of the plate-like silica.
[0015]
The aspect ratio of the plate-like silica (the ratio of the long diameter to the thickness of the plate-like particles) is 10 to 500, preferably 20 to 300, and the average particle diameter is 0.001 to 20 μm, preferably 0.001 to 10 μm. , More preferably 0.01 to 10 μm, and most preferably 0.1 to 5 μm. When the aspect ratio is less than 10, it is difficult to obtain a sufficient barrier property, which is not preferable. When the particle size exceeds the upper limit, it becomes difficult to obtain a dense laminated structure. The thickness and length of the plate-like particles mean their average values unless otherwise specified.
[0016]
The specific surface area of the plate-like silica particles is at least 30 to 300 m. 2 / G, preferably 30-100 m 2 / G, more preferably 50-80 m 2 / G. If the specific surface area is too large, sufficient mixing with the binder resin and good dispersion in the binder resin become difficult, which is not preferable.
[0017]
In the present invention, the plate-like particles may be any as long as the particles have a substantially thin plate-like shape, and may be partially or wholly bent or twisted.
[0018]
Such plate-like silica particles composed of leaf-like silica secondary particles can be obtained by a method described below, but have a large self-film-forming property due to the form thereof, and easily form a strong silica coating even at room temperature. It can be formed. That is, an aqueous dispersion of about 15% of the plate-like particles is applied to a substrate such as a metal surface or glass and dried at normal temperature, and then cured without using any film-forming agent or film-forming auxiliary, A tough film is formed by itself (coating function).
[0019]
This is due to the unique scaly shape that has, in the process of drying the coating applied to the substrate surface, due to the scaly particles overlapping each other parallel to the substrate and engaging with each other Inferred. This coating is extremely strong, in which the leaf-like silica particles are aligned and laminated in parallel to the substrate and locked together, and do not easily peel off. In order to obtain a sufficiently hard coating film, the coating film has a pencil hardness of 2H or more, preferably 3H or more. In the present invention, “self-curing” means that such a coating film can be formed.
[0020]
On the other hand, water slurries of colloidal silica and fumed silica, which are silica fine particles blended in the conventional rust-preventive coating layer, basically do not have such a self-forming property, or even if there is a certain degree. When the film thickness is increased, cracks easily occur, and a film having high strength is not formed. In other words, when a water slurry of these silica fine particles is applied and dried on a substrate, a film is formed temporarily, but this film is not brittle, but is a brittle film, and collapses with a light touch with the hand. It's just about
[0021]
(Preparation of foliar silica secondary particles)
As the plate-like silica particles used in the present invention, it is preferable to use the above-mentioned leaf-like silica secondary particles, which are known as the so-called silica-X and silica-Y as the substance itself. .
[0022]
As proposed by the present applicant, the foliar silica secondary particles are prepared by starting from active silicic acid, silica sol, aerosil, silica hydrogel, silica gel (silica xerogel), etc., and subjecting them to hydrothermal treatment in the presence of an alkali metal. First, tertiary silica aggregate particles (tertiary particles) formed by the secondary addition of the foliar silica secondary particles irregularly three-dimensionally are formed, and then various crushing treatments and drying are performed. By performing the post-treatment, the tertiary particles can be easily prepared by a method in which the tertiary particles are crushed to obtain leaf-like silica secondary particles.
[0023]
Hydrothermal treatment of the starting material such as the silica hydrogel is performed by heating in a heating pressure vessel such as an autoclave to obtain tertiary aggregated silica particles. In order to obtain a phase in a short time, the temperature range is preferably 150 to 220 ° C, more preferably 160 to 200 ° C. The required time for the hydrothermal treatment is usually about 3 to 50 hours, preferably about 5 to 40 hours.
[0024]
The silica tertiary aggregate particles obtained in the form of a water slurry are washed and solid-liquid separated using a solid-liquid separation / water washing device, and further repulped with water to form a SiO 2 2 A water slurry having a concentration of 1 to 30% by mass is supplied to a wet grinding device (crushing device) such as a wet bead mill or a wet ball mill, and is crushed to obtain a water slurry of leaf-like silica secondary particles. it can. In addition, as the wet bead mill, it is desirable to use medium beads such as alumina or zirconia having a diameter of 0.2 to 1.0 mm.
[0025]
The aqueous slurry of the leaf-like silica secondary particles thus obtained can be directly blended with an aqueous resin composition containing an aqueous binder resin component for forming a rust preventive coating layer as described later. In such a case, the concentration of the foliar silica secondary particles is usually 1 to 30% by mass, preferably 1 to 20% by mass in a water slurry.
[0026]
The specific plate-like silica having a self-film-forming property and having an aspect ratio of 10 to 500 and an average particle diameter of 5 μm or less used in the present invention can be prepared as described above. As a commercially available product (for example, “Sun Lovely LFS” (trade name, manufactured by Dokai Chemical Industry Co., Ltd.), a plate slurry of water or an organic solvent slurry, or a dried powder thereof is used. Available.)
[0027]
In addition, leaf-like silica secondary particles, which are the most typical plate-like silica particles in the present invention, may be partially or mostly flaky primary particles as long as their self-film-forming properties are not impaired. The tertiary aggregate particles may be mixed well or partially. The foliar silica secondary particles in the present invention mean such particles.
[0028]
Although the average particle size of the particles is not particularly limited, as described above, when used in the present invention, it is usually 0.001 to 20 μm, preferably 0.01 to 10 μm, and more preferably 0.1 to 10 μm. It is about 0.01 to 10 μm, most preferably about 0.1 to 5 μm. Here, as a method for measuring the average particle diameter, a laser diffraction / scattering type particle size measuring device (for example, model LA-920, manufactured by Horiba, Ltd.) and a dynamic light scattering type particle size distribution measuring device (for example, LB-, manufactured by Horiba, Ltd.) 500 type) or a Coulter counter (for example, MA-II type manufactured by Coulter Electronics Co., Ltd.) by appropriately applying the particle size according to the range of the particle size.
[0029]
(Binder resin component)
In the present invention, the rust preventive coating layer is a film basically formed from a binder resin component. As the binder resin, an aqueous resin is preferably used. Here, “aqueous” means that the resin can be dissolved in an aqueous solvent to form a solution or that the resin can be finely dispersed in an aqueous solvent to form an aqueous dispersion (emulsion). . By applying and drying such an aqueous solution of a resin on the surface of the target metal member, a rust-preventive coating layer composed of a binder resin component is formed on the surface.
[0030]
As the binder resin component for forming the rust-preventive coating layer, any of the conventionally known resins used for forming the rust-preventive coating layer of the metal member, particularly any water-based resin can be suitably used. . Here, the “binder resin” used heretofore has been referred to as “paint resin”.
[0031]
Preferred examples of the binder resin include an acrylic resin, a polyolefin resin, a urethane resin, an epoxy resin, and an alkyd resin. Hereinafter, each is briefly described.
[0032]
(Acrylic resin)
The acrylic resin is (meth) acrylic acid [means acrylic acid or methacrylic acid. The same applies hereinafter. And a (meth) acrylic acid ester homopolymer or copolymer, or a copolymer of (meth) acrylic acid and the like with a monomer copolymerizable therewith.
[0033]
Examples of the (meth) acrylate include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, and (meth) acrylate. ) Isobutyl acrylate, pentyl (meth) acrylate, hexyl (meth) acrylate, ethylhexyl (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, hydroxypropyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid -3-hydroxybutyl, 2,2-bis (hydroxymethyl) ethyl (meth) acrylate, 3-chloro-2-hydroxypropyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid Aminoethyl, aminopropyl (meth) acrylate, dimethyl (meth) acrylate Minoechiru, (meth) diethylaminoethyl acrylate, methoxyethyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid methoxy propyl, (meth) methoxybutyl acrylate.
[0034]
As the monomer copolymerizable with the (meth) acrylic acid and the like, a monomer having an ethylenically unsaturated group is preferable. For example, ethylene, propylene, butylene, butadiene, styrene, α-methylstyrene, vinylphenol , Vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl acetate, vinyl pivalate, vinyl benzoate, vinyl alcohol, allyl alcohol, crotonic acid, itaconic acid, maleic acid, fumaric acid, (meth) acrylamide, N-methylolacrylamide, N-butoxymethylol (Meth) acrylamide, (meth) acrylonitrile and the like. In the case of an acid, an alkali metal salt or an alkaline earth metal salt thereof may be used.
[0035]
Further, the polymer and copolymer such as the above (meth) acrylic acid were modified with a polymer such as urethane-modified (meth) acrylic acid modified with a urethane resin, an epoxy resin, a phenol resin, a melamine resin, and the like. Polymers such as epoxy-modified, phenol-modified, and melamine-modified (meth) acrylic acid may be used.
[0036]
(Polyolefin resin)
The polyolefin resin is a homopolymer of olefin or a copolymer with a monomer copolymerizable therewith. Examples of the olefin include ethylene, propylene, butylene, 2-pentene, 2-hexene and 2-heptene. , 2-octene, 2-decene, and the like. Examples of the monomer copolymerizable therewith include (meth) acrylic acid, (meth) acrylic acid ester, styrene, α-methylstyrene, Vinylphenol, vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl acetate, vinyl alcohol, allyl alcohol, crotonic acid, itaconic acid, maleic acid, fumaric acid, (meth) acrylamide, N-methylolacrylamide, N-butoxymethylol (meth) acrylamide, ( (Meth) acrylonitrile. Further, similarly to the above, it may be modified with an epoxy resin, a phenol resin or the like.
[0037]
(Urethane resin)
The urethane-based resin is a resin having a main chain of a urethane bond (—NHCOO—) obtained by reacting a polyisocyanate compound having at least two or more —NCO with a polyol compound having two or more —OH.
Examples of the compound having at least two or more -NCO include phenylene diisocyanate, tolylene diisocyanate, 4,4'-diphenyl diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, 4,4'-toluidine diisocyanate, 4,4'-diphenyl ether diisocyanate;
[0038]
4,4'-methylenebis (cyclohexyl isocyanate), 1,3-cyclopentane diisocyanate, 1,4-cyclohexane diisocyanate, 1,3-cyclohexane diisocyanate, 3-isocyanatomethyl-3,5,5-trimethyl Cyclohexyl isocyanate, methyl-2,4-cyclohexanediisocyanate, methyl-2,6-cyclohexanediisocyanate, 1,4-bis (isocyanatomethyl) cyclohexane;
[0039]
Hexamethylene diisocyanate, trimethylene diisocyanate, tetramethylene diisocyanate, pentamethylene diisocyanate, 1,2-propylene diisocyanate, 1,3-butylene diisocyanate, 2,3-butylene diisocyanate, dodecamethylene diisocyanate;
[0040]
Tetramethyl metaxylylene diisocyanate, diisocyanate-1,3-dimethylbenzene, diisocyanate 1,4-dimethylbenzene, diisocyanate-1,4-diethylbenzene, tetramethyl paraxylylene diisocyanate;
[0041]
Triphenylmethane-triisocyanate, 1,3,5-triisocyanatebenzene, 2,4,6-triisocyanatetoluene, 4,4′-diphenyldimethylmethane-2,2 ′, 5,5′-tetraisocyanate, or And blocked products of these prepolymers having a terminal NCO group.
[0042]
Examples of the polyol compound having at least two or more -OH include ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, neopentyl glycol, triethylene glycol, hydrogenated bisphenol A, xylylene glycol, glycerin, trimethylolethane, trimethylolpropane, Low molecular weight polyols such as pentaerythritol; polyether polyols such as ethylene oxide and propylene oxide adducts of these polyols; polyester polyols obtained by reacting with dicarboxylic acids; and high molecular weight polyols obtained by modifying these with fatty acids.
[0043]
(Epoxy resin)
Epoxy resins are obtained by reacting an epoxy compound such as epichlorohydrin with a polyhydric alcohol such as bisphenol to cure a prepolymer having two or more epoxy groups in a molecule with a curing agent such as an amine or an acid anhydride. Resin.
[0044]
Examples of the bisphenol include 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane [bisphenol A], 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane [bisphenol B], bis (4-hydroxyphenyl) methane [bisphenol F] 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, bis (4-hydroxyphenyl) -1,1-isobutane, bis (4-hydroxy-tert-butyl-phenyl) -2,2-propane, p- (4-hydroxyphenyl) phenol, oxybis (4-hydroxyphenyl), sulfonylbis (4-hydroxyphenyl), 4,4′-dihydroxybenzophenone, bis (2-hydroxynaphthyl) methane and the like.
[0045]
In addition, modified epoxy resin modified with fatty acid, alkyd modified epoxy resin modified with alkyd resin, acrylic modified epoxy resin modified with acrylic resin, urethane modified epoxy resin modified with urethane resin, phenol modified epoxy modified with phenol resin Resins and the like can also be used.
[0046]
(Alkyd resin)
The alkyd-based resin is a resin obtained by polycondensing a polyhydric alcohol and a polybasic acid (or an ester or acid anhydride thereof) by an esterification reaction.
[0047]
Examples of the polyhydric alcohol include ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol, 1,3-butylene glycol, 1,4-butylene glycol, dipropylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, and neopentyl glycol. , Triethylene glycol, 1,9-nonanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, , 4-Diethyl-1,5-pentanediol, polycaprolactonediol, polypropylene glycol, polytetramethylene ether glycol, 2-n-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,2-diethyl-1,2 3-propanediol, cyclohexyl Nji, cyclohexanediol, 2-methyl-1,1-cyclohexanedimethanol, xylylene glycol, glycerin, trimethylolpropane, trimethylolethane, 1,2,6-hexanetriol, pentaerythritol and the like.
[0048]
Examples of polybasic acids include succinic acid, succinic anhydride, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecanoic acid, maleic acid, maleic anhydride, fumaric acid, itaconic acid, phthalic acid, phthalic anhydride, and isophthalic acid. Dimethyl isophthalate, terephthalic acid, dimethyl terephthalate, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, hexahydrophthalic anhydride, cyclohexanedicarboxylic acid, tetrahydrophthalic anhydride, dimethyl cyclohexanedicarboxylate, methylhexahydrophthalic anhydride, and the like. .
[0049]
The alkyd-based resin may be an oil-modified alkyd-based resin modified with an oil or fat, a rosin-modified alkyd-based resin modified with rosin, a silicon-modified alkyd-based resin modified with silicon, an acryl-modified alkyd-based resin modified with acryl, or the like.
[0050]
In addition, as the water-based resin, other silicon-based resins, fluorine-based resins, melamine-based resins, and the like can also be used.
[0051]
(Silane coupling agent)
In the rust prevention coating layer (or the aqueous resin composition containing the plate-like silica particles and the binder resin component) in the present invention, the adhesion of the resin to the surface of the metal member is improved, or the plate-like silica particles are used. A silane coupling agent can be blended in order to enhance the adhesion and wettability between the resin and the binder resin.
[0052]
The silane coupling agent may be a commonly used one and is not particularly limited. Examples thereof include vinylmethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinylethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltris (2-methoxyethoxy) silane, 3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane, 3-chloropropyltrimethoxysilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 3-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane , N- (1,3-dimethylbutylidene) -3- (triethoxysilyl) -1-propanamine, N, N'-bis [3- (trimethoxysilyl) propyl] ethylenediamine, N-2- (amino Ethyl) -3-aminopropylmeth Tyldimethoxysilane, N-2- (aminoethyl) -3-aminopropyltrimethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, N- [2- (vinylbenzylamino) ethyl] -3 -Aminopropyltrimethoxysilane, N-phenyl-3-aminopropyltrimethoxysilane and the like.
[0053]
One of these silane coupling agents may be used alone, or two or more thereof may be used in combination.
[0054]
(Silica other than platy silica)
In the present invention, amorphous silicon dioxide different from plate-like silica particles such as leaf-like silica secondary particles can be used in combination. These are preferably very fine silica fine particles having a colloid particle size of 1 to 200 nm, preferably 1 to 50 nm, and more preferably about 1 to 20 nm. Colloidal silica as an aqueous dispersion, powdery fume Dosilica is particularly preferred.
[0055]
In the rust-preventive coating layer formed by applying and drying the aqueous resin composition on the surface of the metal member, colloidal silica is present as ultrafine particles having the same diameter as the colloid particle size. "Colloidal silica in the layer" has such a meaning.
[0056]
As these fine particle silicas, commercially available ones are available. As the colloidal silicas, for example, Snowtex O, Snowtex N, Snowtex C, Snowtex S, Snowtex 20, Snowtex 30 (Nissan Chemical Industries, Ltd.) Preferred examples of the fumed silica include AEROSIL R971, AEROSIL R812, AEROSIL R974, AEROSIL R202, and AEROSIL 300 (Nippon Aerosil, trade name).
[0057]
Conventionally, particulate silica such as colloidal silica blended in a rust-preventive coating layer is said to promote the formation of a dense metal oxidation product and exhibit a rust-preventive effect. In the case where secondary silica particles such as secondary particles coexist, finer silica such as colloidal silica is coordinated along the surface of the silica plate. That is, the plate-like silica particles are laminated so as to be oriented substantially parallel to the surface of the metal member, and fine colloidal silica or the like is present between the plate-like silica particles or on the surface of the plate-like particles. It also contributes to the maze effect and the closing effect that cause the rust prevention effect.
[0058]
As described above, the silica component such as colloidal silica compounded in the rust-preventive coating layer has strong adhesion due to bonding with the metal surface by an acid-base reaction with the surface component of the metal member, and a corrosion factor component due to this. Although it is said that there is a diffusion inhibiting action at the coating film-metal interface, by using together with the plate-like silica particles of the present invention, these are more effectively oriented in the coating layer, so that the rust-preventing effect is more improved. It is thought that it can be played enough.
[0059]
The amount of colloidal silica or the like is about 1/100 to 500/100, preferably about 10/100 to 400/100, and more preferably about 30/100 to 300/100, based on the mass of the plate-like silica particles.
[0060]
(anti-rust)
A rust preventive can be further added to the rust preventive coating layer in the present invention. As the rust inhibitor, conventionally known ones may be used, for example, phosphates such as zinc phosphate, polyphosphates such as aluminum polyphosphate, phosphites such as zinc phosphite, molybdates such as aluminum molybdate. Phosphomolybdates, such as aluminum phosphomolybdate; phytic acid, phytate, phosphonic acid; or magnesium, calcium, manganese, aluminum and iron phosphates, nitrates, carbonates, acetates, or these metals Oxides and hydroxides are exemplified. The amount of these components is not particularly limited, and is about 0.01 to 20% by mass, preferably about 0.1 to 10% by mass in the rust preventive coating layer.
[0061]
(Blending of other additives)
In addition, a leveling agent, a thickener, an antifoaming agent, a coloring pigment, an emulsifier, and the like can be appropriately compounded as long as the object of the present invention is not impaired.
[0062]
(Target metal members)
The metal member on which the rust-proof coating layer of the present invention is to be formed is not particularly limited. For example, galvanized steel, zinc and iron, zinc and aluminum, zinc alloy plated steel such as zinc and nickel, and aluminum plating Steel, copper-plated steel, tin-plated steel plate and the like are preferred. The plating method is not particularly limited, and examples thereof include electroplating, hot-dip plating, hot-dip salt plating, and vacuum plating.Steel materials include cold-rolled steel sheets, hot-rolled steel sheets, thick plates, steel pipes, steel bars, wire rods, and the like. No. Further, members such as bolts, nuts and screws may be used.
[0063]
(Aqueous resin composition for forming antirust coating layer)
The metal member provided with the rust-proof coating layer of the present invention is formed by applying an aqueous resin composition for forming a rust-proof coating layer to a target metal member and drying.
[0064]
An aqueous resin composition for coating (hereinafter, sometimes referred to as a “composition for coating”) is obtained by mixing at least plate-like silica particles with an aqueous binder resin, and optionally colloidal silica or fumed silica. , Rust inhibitor, silane coupling agent, and other additives are added and an aqueous medium for dilution is added, and used for ordinary paints such as ball mills, sand mills, paint shakers, jet mills, kneaders, and three rolls. It is adjusted by mixing well using a mixer. When the binder resin is a thermosetting resin, a curing agent (or a crosslinking agent) is further added. As the aqueous medium, water may be used alone, but may optionally include an organic solvent such as methanol, isopropanol, methyl cellosolve, or butyl cellosolve, which is water-soluble and has an affinity for the binder resin. .
[0065]
The mass ratio of the platy silica particles to the binder resin is about 1/100 to 300/100, preferably about 10/100 to 200/100, and more preferably about 20/100 to 100/100. If the compounding amount of the plate-like silica particles is less than this, the effect of improving the mechanical strength of the coating layer and the effect of increasing the rust-preventive effect by the plate-like silica described below are not exhibited. Further, if the blending amount of the plate-like silica particles is too large, the amount of the binder resin is too small, the resin cannot sufficiently fill the gaps between the plate-like silica particles, and the film strength of the coating layer is reduced. It is not preferable because the barrier property is also reduced as well.
[0066]
For the application of the coating composition, any method such as a coating method, a dipping method, a spray method, and an electrostatic coating method can be appropriately applied according to the shape of the metal member, and the coating method is particularly preferable. The coating step is performed by coating with a bar coater, a roll coater, a die coater, a squeeze coater, or the like.
[0067]
The coating thickness is preferably such that the thickness after drying is about 0.01 to 10 μm.
[0068]
After applying the coating composition, the composition is heated and dried. The heating and drying step can be performed by any device such as an electric heating furnace, a hot air drying furnace, an infrared heating furnace, and a high-frequency induction heating furnace. The heating is performed at a temperature of 40 to 350 ° C, preferably about 50 to 300 ° C.
[0069]
[Action]
The metal member provided with a rust-preventive coating layer composed of a binder resin component blended with inorganic plate-like silica particles having self-film-forming properties according to the present invention is compared with a rust-preventive coating layer member blended with conventional colloidal silica or the like. As a result, a much higher rust prevention effect is achieved. This is presumed to be due to the following mechanism.
[0070]
Unlike plate-like or colloidal silica or fumed silica, this plate-like silica is flat and flake-like with a high aspect ratio, so the binder is a matrix in which particles are formed during coating and film formation. In the resin film, the particles are oriented substantially parallel to the surface of the base material, and as the film is dried, the particles come close to each other and are densely laminated, so that an extremely fine composite structure can be obtained.
[0071]
Since the plate-like silica particles of the present invention are oriented in such a laminated state in the coating film, the permeation of corrosive substances such as corrosive gases such as oxygen and chemical solutions containing corrosive electrolyte ions can be prevented at the particle level. It acts as a barrier to block effectively and can be substantially completely shielded. This is because corrosive substances that have diffused and migrated vertically toward the metal surface in the coating are blocked from moving in the vertical direction at the point where they reached the flaky particle surface, and were formed of plate-like silica particles. Since it is inevitable to pass through such a laminated structure, the passing distance becomes extremely long (maze effect), and as described above, it moves at the contact point (collision point) with the plate-like particles. -It is considered that the penetration is blocked (closed circuit effect).
[0072]
Further, since the plate-like particles in the present invention basically have a self-film-forming property, when they are blended in a coating layer, the film-forming ability of the binder resin is further enhanced, and the mechanical properties of the obtained film are increased. Physical properties are greatly improved. Therefore, the rust-preventive coating layer of the present invention has significantly improved performance relating to corrosion, such as flexibility, crack prevention and pinhole prevention. In this regard, self-forming properties are basically low in conventional colloidal silica and the like, so even when this is blended as a filler, such a dramatic improvement in the mechanical strength of the rust-preventive coating layer cannot be achieved. I can't hope for it at all.
[0073]
As described above, the silica component such as colloidal silica has strong adhesion due to the bonding of the silica component to the metal surface by an acid-base reaction with the surface component of the metal member to be coated, and a coating film of the corrosion factor component. -It is said that there is a diffusion inhibiting function at the metal interface, but since the plate-like silica particles in the present invention are also silica, it is considered that such an effect is naturally exerted. Also, just in case, colloidal silica or the like may be used in combination with the plate-like silica particles in the present invention.
[0074]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples. In addition,% shows mass% unless there is particular notice.
[0075]
(Preparation of test pieces)
(A) First, a method of preparing a metal test piece that is commonly used in the present example and comparative example will be described.
[0076]
A commercially available electrogalvanized steel sheet (70 mm x 150 mm x 0.5 mm thickness) is prepared, and a coating composition for forming a rust-preventive coating layer (rust-preventive coating composition) is coated with a bar coater coating method (JIS). K5600) using a # 40 bar coater (manufactured by Eto Kikai Co., Ltd.), dried at room temperature for 24 hours, and subjected to an end face treatment to obtain a test piece. The coating amount was adjusted so as to match the solid content concentration of the coating composition, and the adhesion amount after drying was about 5 g / m 2 And
[0077]
(B) In addition, in order to evaluate the corrosion resistance of the machined part, the test piece prepared above was stretched in the longitudinal direction so that the painted surface was on the outside in accordance with the bending resistance test method described in JIS K5600. An operation of bending 180 degrees at R3 mm was performed to obtain a simulated machined test piece.
[0078]
In this way, two types of two test pieces were prepared, and the end faces of the test pieces were subjected to a penetration resistance treatment with paraffin wax and subjected to the following corrosion resistance test.
[0079]
(Evaluation of corrosion resistance test method and results)
The test method of corrosion resistance used in the present example and the method of evaluating the test result are as follows.
[0080]
(1) Corrosion resistance test method: The salt spray corrosion resistance test method described in JIS Z2371 was adopted, and the test was conducted for 120 hours.
[0081]
(2) Corrosion resistance: The plate test piece after the test was visually evaluated, the area ratio of white rust was evaluated at 5 points, and 5 points when white rust did not occur and 5 points when white rust occurred area was 20% or less. 4 points, 40% or less, 3 points, 60% or less, 2 points, 61% or more, 1 point.
[0082]
(3) Corrosion resistance of machined part: The change of the coating film in the bent part of the bent test piece is visually evaluated. As a result, when no change was observed in the flat plate portion, ○, when cracks and white rust were observed on the coating film surface but no peeling was observed, and when peeling was observed, × was observed.
[0083]
(4) Physical properties of coating film: Pencil hardness and cross-cut peeling test were performed according to JIS K5600. The transparency of the coating film was measured with a haze meter (NDH-2000, manufactured by Nippon Denshoku Co., Ltd.).
[0084]
[Example 1] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing secondary particles of foliar silica)
[0085]
(1) Water slurry of foliar silica secondary particles (manufactured by Dokai Chemical Industry Co., Ltd., Sun Lovely LFS HB-150, average particle size 1.3 μm, specific surface area 50 m) 2 / G, solid content concentration 15% by mass, pH 8.5) and 100 g of urethane emulsion (Spensol L-512, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., solid content concentration: 40% by mass) are added to the rust-proof coating composition. The mixture was thoroughly mixed with a stirrer so that the ratio of silica in the mixture became 20% by mass, to obtain 235 g of a white emulsified slurry coating composition.
[0086]
When the solid content of this slurry was measured by an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett), the solid content was 30.2% by mass.
[0087]
The viscosity of the slurry was measured with a B-type viscometer, and was found to be 350 mPa · s.
[0088]
(2) The slurry-like rust-proof coating composition was applied to a prepared metal test piece by a bar coater coating method and dried to obtain a test piece having a rust-proof coating layer formed thereon.
[0089]
When the ultrathin section of the cross section of the coating film formed on the test piece was observed with a TEM, it was observed that the leaf-like silica secondary particles were oriented parallel to the base material and were laminated in the coating.
[0090]
The test piece was measured for coating film properties (pencil hardness, cross-cut peeling test, haze), and was subjected to the above-described corrosion resistance test to evaluate the corrosion resistance and the corrosion resistance of the machined part (machine workability). The results are shown in Table 1.
[0091]
[Example 2] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing secondary particles of foliar silica)
[0092]
(1) Water slurry of foliar silica secondary particles (manufactured by Dokai Chemical Industry Co., Ltd., Sun Lovely LFS HB-050, average particle size 0.5 μm, specific surface area 50 m) 2 / G, solid content concentration 15 mass%, pH 8.5) 100 g of urethane emulsion (Spensol L manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) such that the ratio of silica in the solid content in the rust-preventive coating composition is 20 mass%. (−512, solid content concentration: 40% by mass), 150 g was added and mixed well using a stirrer to obtain 250 g of a white emulsified slurry-like rust-preventive coating composition.
[0093]
When the solid content concentration of this slurry was measured with an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett Co.), it was 29.8% by mass. When the viscosity was measured with a B-type viscometer, it was 280 mPa · s. Met.
[0094]
(2) The slurry-like coating composition was applied to a test piece and dried to form a rust-proof coating layer. When the ultra-thin section of the cross section of the coating film of the test piece was observed with a TEM, it was observed that the secondary particles of the leaf-like silica were oriented parallel to the base material and laminated in the coating, as in Example 1.
The test piece was subjected to a corrosion resistance test in the same manner as in Example 1, and the results are shown in Table 1.
[0095]
[Example 3] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing secondary particles of foliar silica)
[0096]
(1) Water slurry of foliar silica secondary particles (manufactured by Dokai Chemical Co., Ltd., Sun Lovely LFS HB-020, average particle diameter 0.2 μm, specific surface area 50 m) 2 / G, solid content concentration of 14% by mass, pH 8.5) and 100 g of urethane emulsion (Spensol L-512, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., solid content concentration: 40% by mass) are added to the solid of the rust-proof coating composition. The mixture was mixed well using a stirrer such that the ratio of silica in the mixture was 20% by mass, to obtain 250 g of a white emulsified slurry-like rust-preventive coating composition.
[0097]
The solid content concentration of this slurry was measured by an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett Co.), and the solid content concentration was 29.7% by mass.
The viscosity of the slurry was 310 Pa · s when measured with a B-type viscometer.
[0098]
(2) The slurry coating composition was applied to a test piece and dried. Observation with a TEM of an ultrathin section of the cross section of the coating film confirmed that the secondary particles of the leaf-like silica were oriented parallel to the base material and laminated in the coating film as in Example 1.
Table 1 shows the results of subjecting the test pieces to the above-described corrosion resistance test.
[0099]
[Example 4] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing foliated silica secondary particles and colloidal silica)
[0100]
(1) Water slurry of foliar silica secondary particles (manufactured by Dokai Chemical Co., Ltd., Sun Lovely LFS HB-020, average particle diameter 0.2 μm, specific surface area 50 m) 2 / G, solid content concentration 14% by mass, pH 8.5) 17.5 g of colloidal silica (Snowtex C (particle size 15 nm, Nissan Chemical Industries, Ltd., particle size 15 nm), solid content concentration 20% by mass, pH 8.5) to 50 g. Was mixed so that the mass ratio of foliar silica to colloidal silica in the total silica was 2: 1, and 105 g of urethane emulsion (Spensol L-512, manufactured by Asahi Denka Kogyo KK, solid content concentration: 40% by mass) was distilled. 2.5 g of water was added, and the mixture was mixed well using a stirrer so that the ratio of silica in the solid content of the rust-preventive coating composition was 20% by mass. 250 g were obtained.
[0101]
When the solid content concentration of this slurry was measured with an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett Co.), the solid content concentration was 30.1% by mass, and the viscosity was measured with a B-type viscometer. 270 Pa · s.
[0102]
(2) The slurry-like rust-proof coating composition was applied to a test piece and dried to obtain a metal piece having a rust-proof coating layer formed thereon. When the ultrathin section of the coating film cross section was observed with a TEM, it was observed that the secondary particles of the leaf-like silica were oriented parallel to the base material and laminated in the coating film, as in Example 1.
Table 1 shows the results of subjecting the test pieces to the above-described corrosion resistance test.
[0103]
[Example 5] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing foliar silica secondary particles and colloidal silica)
[0104]
(1) Colloidal silica (50 g) of an aqueous slurry of foliar silica secondary particles (Sun Lovely LFS HB-020, manufactured by Dokai Chemical Co., Ltd., average particle size 0.2 μm, solid content concentration 14 mass%, pH 8.5) 37.5 g of Snowtex C (manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd., solid content concentration 20% by mass, pH 8.5) was mixed so that the mass ratio of foliar silica to colloidal silica in silica was 1: 1. 150 g of an emulsion (Spensol L-512, manufactured by Asahi Denka Kogyo KK, solid content concentration: 40% by mass) and 150 g of distilled water are added, and the ratio of silica in the solid content of the rust preventive coating composition becomes 20% by mass. Thus, the mixture was mixed well using a stirrer to obtain 250 g of a white emulsified slurry-like rust-preventive coating composition.
[0105]
The solid content of the slurry composition was measured by an infrared irradiation type moisture meter (FD-600, manufactured by Kett Co.), and the solid content was 29.9% by mass. The viscosity was measured with a B-type viscometer to be 160 Pa · s.
[0106]
(2) This slurry-like rust-proof coating composition was applied to a prepared metal test piece and dried to prepare a test piece having a rust-proof coating layer formed thereon.
[0107]
Observation by TEM of an ultra-thin section of the cross section of the coating film formed on the test piece shows that the secondary particles of the leaf-like silica are oriented parallel to the base material and are laminated in the coating film as in the above-described example. Was done.
The test piece was subjected to the above-described corrosion resistance test, and the evaluation results are shown in Table 1.
[0108]
[Example 6] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing secondary foliar silica particles and colloidal silica)
[0109]
(1) Colloidal silica (50 g) of an aqueous slurry of foliar silica secondary particles (Sun Lovely LFS HB-020, manufactured by Dokai Chemical Co., Ltd., average particle size 0.2 μm, solid content concentration 14 mass%, pH 8.5) 70.0 g of Snowtex C, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd., solid content concentration 20% by mass, pH 8.5) was mixed so that the mass ratio of foliar silica to colloidal silica in the silica was 1: 2, and the mixture was added thereto. 210 g of urethane emulsion (Spensol L-512, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., solid content concentration: 40% by mass) and 20.0 g of distilled water were added, and the ratio of silica in the solid content of the rust preventive coating composition was reduced to 20% by mass. The mixture was thoroughly mixed using a stirrer to obtain 250 g of a white emulsified slurry composition.
[0110]
The solid content concentration of this slurry was 30.1% by mass when measured with an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett Co.). The viscosity was measured with a B-type viscometer and found to be 110 Pa · s.
[0111]
(2) The slurry-like coating composition was applied to a prepared metal test piece and dried to obtain a test piece having a rust-proof coating layer formed thereon.
[0112]
When the ultra-thin section of the cross section of the coating film formed on the test piece was observed with a TEM, it was observed that the secondary particles of the leaf-like silica were oriented parallel to the base material and laminated in the coating film, as described above. .
[0113]
Table 1 shows the results of the above-described corrosion resistance test performed on the test piece on which the rustproof coating layer was formed.
[0114]
[Example 7] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition containing foliar silica secondary particles and silane coupling agent)
[0115]
(1) A urethane emulsion (100 g) was prepared by adding 100 g of a water slurry (Sun Lovely LFS HB-020, manufactured by Dokai Chemical Industry Co., Ltd., average particle size 0.2 μm, solid content concentration 14 mass%, pH 8.5) of foliar silica secondary particles. (Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., Spensol L-512, solid content concentration: 40% by mass) 150 g was added, and the mixture was blended so that the ratio of silica in the solid content of the rust preventive coating composition was 20% by mass. 0.75 g of a water-soluble silane coupling agent, 3-aminopropyltrimethoxysilane (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., KBM903, active ingredient 98.7%) is added to a solid content ratio of about 1%, and stirred. The mixture was thoroughly mixed using a mixer to obtain 251 g of a white emulsified slurry-like rust-preventive coating composition.
[0116]
When the solid content of this slurry was measured by an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett), the solid content was 30.5% by mass. The viscosity was measured by a B-type viscometer to be 550 Pa · s.
[0117]
(2) This slurry-like rust-proof coating composition was applied to a prepared metal test piece and dried to prepare a test piece having a rust-proof coating layer formed thereon.
[0118]
When the ultrathin section of the cross section of the coating film formed on the test piece was observed with a TEM, the secondary particles of the leaf-like silica were oriented parallel to the base material in the same manner as described above, and existed in the coating film.
The test piece was subjected to the above-described corrosion resistance test, and the evaluation results are shown in Table 1.
[0119]
[Comparative Example 1] (Metal plate coated with anticorrosive coating composition containing colloidal silica)
[0120]
(1) 100 g of colloidal silica (manufactured by Nissan Chemical Industries, Snowtex C, solid content concentration: 20% by mass, pH 8.5) is mixed with urethane emulsion (Spensol L-512, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., solid content concentration: 40% by mass) ) Add 200 g, further add 33 g of distilled water to dilute, mix well using a stirrer so that the ratio of silica in the solid content of the composition is 20% by mass, and form a white emulsified slurry. 333 g of a rust preventive coating composition was obtained.
[0121]
When the solid content of this slurry was measured with an infrared irradiation type moisture meter (FD-600, manufactured by Kett), the solid content was 30.1%. The viscosity of this slurry was 220 mPa · s when measured with a B-type viscometer.
[0122]
(2) The slurry-like rust-proof coating composition was applied to a prepared metal test piece and dried to prepare a test piece having a rust-proof coating layer formed thereon.
[0123]
When an ultra-thin section of the cross section of the coating film formed on the test piece was observed with a TEM, it was observed that granular silica of colloidal silica was randomly dispersed in the coating.
The test piece was subjected to the above-described corrosion resistance test, and the evaluation results are shown in Table 1.
[0124]
[Comparative Example 2] (Metal plate coated with rust-preventive coating composition without filler)
(1) A rust-preventive coating composition was prepared in the same manner except that the filler added in Example 1 was not added and diluted with 80 g of distilled water.
[0125]
The solid content concentration of this emulsion was 30.1% by mass when measured with an infrared irradiation moisture meter (FD-600, manufactured by Kett).
[0126]
When an ultrathin section of the coating film cross section was observed with a TEM, a uniform resin state was observed. The viscosity of this composition was measured with a B-type viscometer, and found to be 150 Pa · s.
[0127]
The rust preventive coating composition was applied and dried to obtain a test piece having a rust preventive coating layer formed thereon. Table 1 shows the results of the evaluation test.
[0128]
[Table 1]
[0129]
As shown in Table 1 above, in Comparative Example 1 in which a rust-preventive coating layer containing only colloidal silica as a filler was formed, which is a conventional typical known technique, the film strength (pencil hardness) and corrosion resistance On the other hand, while there is a problem in the corrosion resistance of the machined part, in the metal member of the embodiment in which the rust-preventive coating layer containing the plate-like silica particles specified in the present invention is formed, the corrosion resistance, hardness (coating strength) ), It can be seen that a coating layer with excellent workability and a very good balance was formed.
[0130]
【The invention's effect】
In the metal member of the present invention, a non-chromate rust-preventive coating layer formed on the metal surface is blended with plate-like silica particles having a specific shape having a self-film-forming property, so that other conventional colloidal silica or the like can be obtained. As compared with the case where silica having the above-mentioned shape is blended as a filler, a metal member having remarkably improved barrier properties, excellent corrosion resistance, and high resistance to scratches and cracks and good workability is provided.
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