【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機等のように、低価格が要求される事務機器等に使用される非分離型の内輪付きシェル型ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複写機やレーザプリンタ等の事務機器の回転駆動部には、取付用のフランジを有する玉軸受が用いられている。このフランジ付玉軸受は、切削・研磨加工によって生産されるために高価である。これに対して、内輪付シェル型軸受は、鋼板をプレス加工して生産されるために、安価である。図2(a)(b)は、このような内輪付きシェル型ころ軸受の一例を示す。
【0003】
同図のころ軸受Bは、一端に内向きのフランジ21aを有するシェル型の外輪21と、他端に外向きのフランジ22aを有するシェル型の内輪22と、上記内輪22と外輪21との間に介在した複数のころ23とより構成されている。外輪21の他端部には、取付用の外向きフランジ21bが形成されている。内輪22には、フランジ22aとは反対側に、外輪21および内輪22の相互の分離止めの為のステーキング22bが形成されている。内輪22の外向きフランジ22aと、ころ23の端面との間には滑りリング25が介在されている。内輪22の内径面22cには軸26が圧入され、内輪22が軸26の外径面に倣うことで、内輪転走面の精度を得る。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−22617号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の内輪付シェル型軸受Bは、鋼板をプレス加工するために安価であるが、精度が良くない。そのため、複写機等の事務機への使用に、フランジ付き玉軸受に変えて使用するには、精度が不足する。特に内輪22と軸26との隙間を抑えることが困難であり、クリープ発生の原因となる。また、内外輪22,21の分離止めのために内輪22にステーキング22bを設けるが、このステーキング22bは運搬や取扱時に機能させるものであり、軸受設置状態では却って障害となる。例えば、図2(b)に示すように、内輪22が軸方向に移動した時に、外輪21の内向きフランジ21aとステーキング22bとが接触すると不具合が発生する。そのため、軸受Bの取付時に、軸方向の隙間調整が必要となり、取付作業が煩雑になる。
【0006】
なお、外輪に別部材を取付けることで、ステーキングを設けることなく、内輪と外輪とを非分離としたものも提案されているが(例えば、特許文献1)、部品点数および組立工数が増加すると言う別の課題が生じる。
【0007】
この発明の目的は、内輪内径精度の向上、および内外輪の非分離化が図れ、かつ安価に生産できる内輪付きシェル型ころ軸受を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の内輪付きシェル型ころ軸受は、一端に内向きフランジを有するシェル型の外輪と、他端に外向きフランジを有するシェル型の内輪と、上記内輪と外輪との間に介在した複数のころと、焼結合金製の内輪嵌合筒とを備える。内輪嵌合筒は、上記内輪の内径面に圧入された筒部、およびこの筒部の一端から外径側に突出して上記外輪の内向きフランジの軸方向外側に位置する係止フランジを有する。
この構成によると、内輪の内径面に焼結合金製の内輪嵌合筒が嵌合しており、焼結合金製品は高精度のものが容易に製作できるため、軸受内径面の精度を向上させることができる。上記内輪嵌合筒は、一端に係止フランジを有し、外輪の内向きフランジの外側面に係合するため、内輪と外輪とが非分離となる。このため内輪に分離止め用のステーキングを設ける必要がない。またこのため、軸受取付時に行われていたステーキング干渉防止のための軸方向調整が不要となり、軸受の取付作業性が向上する。焼結合金製の内輪嵌合筒に設けられた係止フランジは、堅固でかつ円滑な表面に形成が可能であり、外輪の内向きフランジとの接触部でスラスト荷重を負荷することもできる。焼結合金製の内輪嵌合筒は、種々の内径のものに製作でき、この内輪嵌合筒の内径を変えるだけで、軸受の他の部分の構成は変えずに、いろいろな軸径に対応できる。
【0009】
上記内輪嵌合筒の内径面の断面形状は、非円形であっても良い。非円形とすることで、軸に対する回転止めの機能が得られる。内輪嵌合筒は焼結合金製であるため、例えばD形断面形状や、角穴状など、異形状への対応が容易である。
【0010】
この発明において、上記外輪が他端に外向きフランジを有するものとしても良い。外輪に外向きフランジを設けることにより、外輪を軸受使用機器に取付けるときに、軸方向の位置決めや固定に使用できる。外輪の内向きフランジは一端側に設けるだけで良く、他端側には設けないため、外向きフランジを他端側に設けても、外輪の全体を金属板や金属筒からプレス加工等で一体に成形できる。
【0011】
この発明において、上記内輪と上記複数のころの端面との間に、滑りリングを介在させても良い。滑りリングを介在させると、滑り接触となるころ端面と内輪の外向きフランジとの摩擦が緩和される。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。この内輪付きシェル型ころ軸受Aは、一端に内向きフランジ1aを有するシェル型の外輪1と、他端に外向きフランジ2aを有するシェル型の内輪2と、内輪2と外輪1の間に介在した複数のころ3と、内輪嵌合筒4とを有する。内輪嵌合筒4は、内輪2の内径面2bに圧入された筒部4a、およびこの筒部4aの一端から外径側に突出して外輪1の内向きフランジ1aの軸方向外側に位置する係止フランジ4bを有し、焼結合金製とされている。外輪1の他端には、外向きフランジ1bが形成されている。
【0013】
シェル型の外輪1および内輪2は、ステンレス鋼、低炭素鋼等の鋼板をプレス加工して得たものである。ころ3は、ニードルころまたは円筒ころであり、外輪1の内径面1cおよび内輪2の外径面2cからなる転走面間に、円周方向に沿って略密に配列され、いわゆる総ころ形式とされる。ころ3の端面と内輪2の外向きフランジ2aとの間には、樹脂製の滑りリング5が介在され、滑り接触となるころ3の端面と内輪2の外向きフランジ2aとの摩擦が緩和される。なお滑りリング5を設ける代わりに、複数のころ3を保持する保持器(図示せず)を設けても良い。
【0014】
内輪嵌合筒4は、焼結合金製であれば良いが、この実施形態では、金属射出成形製、すなわち溶融した合金素材を射出成形した後に焼結させたものとしてある。金属射出成形はMIM(Metal Injection Molding )等と呼ばれている。詳しくは、金属粉とプラスチックおよびワックスからなるバインダとを混練機で混練し、その混練物をペレット状に造粒し、このペレットを射出成形機等に加熱溶融状態で押し込むことにより成形する。その成形体を焼結して内輪嵌合筒4を得る。焼結合金の金属粉としては、例えば鉄(Fe)に炭素(C),ニッケル(Ni)等を混合させたものが使用される。
【0015】
このシェル型ころ軸受Aは、ハウジング7の内径面に外輪1の外径面を嵌合させ、外輪1の外向きフランジ1bをハウジング7の軸方向面7aに当接させて設置される。外向きフランジ1bは、ボルト等でハウジング7に結合しても良い。ハウジング7は、軸受使用機器のケーシングであっても、またギヤやプーリ等の部品であっても良い。内輪2は、その内輪嵌合筒4を軸6の外径面6aに圧入状態等として嵌合させる。
【0016】
上記構成のシェル型ころ軸受Aによると、内輪2の内径面に焼結合金製の内輪嵌合筒4が嵌合しており、焼結合金の製品は高精度のものが容易に製作できるため、軸受内径面の精度を向上させることができる。特に、金属射出成形製とした場合は、高精度のものが簡単に製作できる。上記射出成形と粉末冶金の焼結技術との組み合わせ技術は、寸法精度の良いものが開発されており、その採用により内輪嵌合筒4を精度良く生産できる。例えば、プレス加工による内輪2の内径精度はH9程度であるが、上記金属射出成形による焼結合金製とすれば、内輪嵌合筒4の内径精度はH7にまで向上し、形状精度も向上する。また、金属射出成形によると、旋削や研削等の機械加工が不要であり、優れた生産性が得られる。
【0017】
上記内輪嵌合筒4は、一端に係止フランジ4bを有し、外輪1の内向きフランジ1aの外側面に係合するため、内輪1と外輪2とが非分離となる。このため内輪2に従来の分離止め用のステーキングを設ける必要がない。またこのため、軸受Aの取付時のステーキング干渉防止の軸方向の調整が不要となり、軸受Aの取付作業性が向上する。焼結合金製であるため、内輪嵌合筒4に設けられた係止フランジ4bは、堅固でかつ円滑な表面に形成が可能であり、外輪1の内向きフランジ1aとの接触部でスラスト荷重を負荷することもできる。
焼結合金製の内輪嵌合筒4は、種々の内径のものに製作でき、この内輪嵌合筒4の内径を変えるだけで、軸受Aの他の部分の構成は変えずに、いろいろな軸径に対応できる。また、焼結合金製の内輪嵌合筒4は、非円形の様々な断面形状に形成することが可能であり、例えばD形断面形状や角穴状などに形成でき、非円形とすることで、軸6に対する回り止め状態に嵌合させることができる。
【0018】
外輪1は他端に外向きフランジ1bを有するため、外輪1を軸受使用機器のハウジング7に取付けるときに、軸方向の位置決めや固定に使用できる。外輪1の内向きフランジ1aは一端側に設けるだけで良く、他端側には設けないため、一端に内向きフランジ1aを、他端に外向きフランジ1bを有する外輪1の全体を金属板や金属筒からプレス加工等で一体に成形できる。
内輪2の外向きフランジ2aところ3の間には滑りリング5を介在させているが、そのため、滑り接触となるころ端面と内輪2の外向きフランジ2aとの摩擦が緩和され、低トルクの軸受Aとできる。
【0019】
このように、安価なシェル型の軸受と焼結合金製の内輪嵌合筒4との組み合わせにより、安価で精度が良く、かつ非分離型の内輪付きシェル型ころ軸受Aが製造できる。そのため、複写機やレーザプリンタ等の事務機器等への適用性が向上する。
【0020】
【発明の効果】
この発明の内輪付きシェル型ころ軸受は、一端に内向きフランジを有するシェル型の外輪と、他端に外向きフランジを有するシェル型の内輪と、上記内輪と外輪との間に介在した複数のころと、上記内輪の内径面に圧入された筒部、およびこの筒部の一端から外径側に突出して上記外輪の内向きフランジの軸方向外側に位置する係止フランジを有する焼結合金製の内輪嵌合筒とを備えたものであるため、内輪内径精度の向上、および内外輪の非分離化が図れ、しかも安価に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる内輪付きシェル型ころ軸受の設置状態を示す断面図である。
【図2】(a)は従来例の断面図であり、(b)は内輪が軸方向に移動した場合の同様の図である。
【符号の説明】
1…シェル型外輪
1a…内向きフランジ
1b…外向きフランジ
2…シェル型内輪
2a…外向きフランジ
2b…内径面
3…ころ
4…内輪嵌合筒
4a…筒部
4b…係止フランジ
5…滑りリング[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a non-separable type shell-type roller bearing with an inner ring used for office equipment requiring a low price, such as a copying machine.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a ball bearing having a mounting flange has been used for a rotation drive unit of office equipment such as a copying machine and a laser printer. This flanged ball bearing is expensive because it is produced by cutting and polishing. On the other hand, the shell bearing with an inner ring is inexpensive because it is produced by pressing a steel plate. FIGS. 2A and 2B show an example of such a shell-type roller bearing with an inner ring.
[0003]
The roller bearing B shown in the figure has a shell-type outer ring 21 having an inward flange 21a at one end, a shell-type inner ring 22 having an outward flange 22a at the other end, and a space between the inner ring 22 and the outer ring 21. And a plurality of rollers 23 interposed therebetween. At the other end of the outer ring 21, an outward flange 21b for attachment is formed. A staking 22b for preventing the outer ring 21 and the inner ring 22 from separating from each other is formed on the inner ring 22 on the side opposite to the flange 22a. A sliding ring 25 is interposed between the outward flange 22 a of the inner ring 22 and the end face of the roller 23. The shaft 26 is press-fitted into the inner diameter surface 22c of the inner ring 22, and the inner ring 22 follows the outer diameter surface of the shaft 26, thereby obtaining the accuracy of the inner ring rolling surface.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Laid-Open No. 6-22617 [0005]
[Problems to be solved by the invention]
The shell bearing B with an inner ring is inexpensive because a steel plate is pressed, but is not accurate. For this reason, the accuracy is insufficient for use in office machines such as copying machines, in place of the use of flanged ball bearings. In particular, it is difficult to suppress the gap between the inner ring 22 and the shaft 26, which causes creep. Further, a staking 22b is provided on the inner ring 22 to prevent the inner and outer rings 22, 21 from separating, but this staking 22b functions during transportation and handling, and becomes a hindrance when the bearing is installed. For example, as shown in FIG. 2B, when the inner flange 22 moves in the axial direction and the inward flange 21a of the outer race 21 comes into contact with the staking 22b, a problem occurs. Therefore, when mounting the bearing B, it is necessary to adjust the gap in the axial direction, and the mounting operation becomes complicated.
[0006]
It has been proposed that the inner ring and the outer ring are not separated by attaching a separate member to the outer ring without providing staking (for example, Patent Document 1). Another challenge arises.
[0007]
An object of the present invention is to provide a shell-type roller bearing with an inner ring which can improve the inner ring inner diameter accuracy and can make the inner and outer rings non-separable and can be produced at low cost.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
A shell-type roller bearing with an inner ring according to the present invention includes a shell-type outer ring having an inward flange at one end, a shell-type inner ring having an outward flange at the other end, and a plurality of shell-type inner rings interposed between the inner ring and the outer ring. Rollers and an inner ring fitting cylinder made of a sintered alloy. The inner ring fitting cylinder has a cylindrical portion press-fitted to the inner diameter surface of the inner ring, and a locking flange protruding outward from one end of the cylindrical portion and positioned axially outside the inward flange of the outer ring.
According to this configuration, the inner ring fitting cylinder made of a sintered alloy is fitted on the inner diameter surface of the inner ring, and a high-precision sintered alloy product can be easily manufactured, thereby improving the accuracy of the bearing inner diameter surface. be able to. The inner race fitting cylinder has a locking flange at one end and engages with the outer surface of the inward flange of the outer race, so that the inner race and the outer race are not separated. For this reason, it is not necessary to provide staking for stopping the separation on the inner race. For this reason, the axial adjustment for preventing staking interference, which has been performed at the time of mounting the bearing, becomes unnecessary, and the workability of mounting the bearing is improved. The locking flange provided on the inner ring fitting cylinder made of a sintered alloy can be formed on a firm and smooth surface, and a thrust load can be applied at a contact portion with the inward flange of the outer ring. The inner ring fitting cylinder made of sintered alloy can be manufactured with various inner diameters, and it is compatible with various shaft diameters by changing the inner diameter of this inner ring fitting cylinder without changing the configuration of other parts of the bearing it can.
[0009]
The sectional shape of the inner diameter surface of the inner ring fitting cylinder may be non-circular. The non-circular shape provides a function of stopping rotation with respect to the shaft. Since the inner ring fitting cylinder is made of a sintered alloy, it is easy to cope with different shapes such as a D-shaped cross section and a square hole.
[0010]
In the present invention, the outer race may have an outward flange at the other end. By providing the outer ring with the outward flange, the outer ring can be used for positioning and fixing in the axial direction when the outer ring is attached to a bearing device. The inward flange of the outer ring only needs to be provided at one end side and not at the other end side, so even if an outward flange is provided at the other end side, the entire outer ring is integrally formed from a metal plate or metal cylinder by pressing or the like. Can be molded.
[0011]
In the present invention, a sliding ring may be interposed between the inner ring and the end faces of the plurality of rollers. When the sliding ring is interposed, the friction between the roller end face that comes into sliding contact and the outward flange of the inner ring is reduced.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. The shell-type roller bearing A with an inner ring includes a shell-type outer ring 1 having an inward flange 1a at one end, a shell-type inner ring 2 having an outward flange 2a at the other end, and an interposition between the inner ring 2 and the outer ring 1. A plurality of rollers 3 and an inner ring fitting cylinder 4. The inner ring fitting cylinder 4 is engaged with a cylindrical portion 4a press-fitted on the inner diameter surface 2b of the inner ring 2 and protrudes from one end of the cylindrical portion 4a to the outer diameter side and is positioned outside the inward flange 1a of the outer ring 1 in the axial direction. It has a stop flange 4b and is made of a sintered alloy. On the other end of the outer race 1, an outward flange 1b is formed.
[0013]
The shell type outer ring 1 and inner ring 2 are obtained by pressing a steel plate such as stainless steel or low carbon steel. The rollers 3 are needle rollers or cylindrical rollers, and are arranged substantially densely along the circumferential direction between the rolling surfaces formed by the inner diameter surface 1c of the outer ring 1 and the outer diameter surface 2c of the inner ring 2, so-called full-roller type. It is said. A sliding ring 5 made of resin is interposed between the end face of the roller 3 and the outward flange 2a of the inner ring 2, so that friction between the end face of the roller 3 and the outward flange 2a of the inner ring 2 which is in sliding contact is reduced. You. Instead of providing the slide ring 5, a retainer (not shown) for holding the plurality of rollers 3 may be provided.
[0014]
The inner ring fitting cylinder 4 may be made of a sintered alloy, but in this embodiment, the inner ring fitting cylinder 4 is made of metal injection molding, that is, sintered after injection molding of a molten alloy material. Metal injection molding is called MIM (Metal Injection Molding) or the like. Specifically, the metal powder and a binder made of plastic and wax are kneaded with a kneading machine, the kneaded material is granulated into pellets, and the pellets are pressed into an injection molding machine or the like in a heated and molten state to be molded. The molded body is sintered to obtain the inner ring fitting cylinder 4. As the metal powder of the sintered alloy, for example, a mixture of iron (Fe) with carbon (C), nickel (Ni), or the like is used.
[0015]
The shell-type roller bearing A is installed by fitting the outer diameter surface of the outer ring 1 to the inner diameter surface of the housing 7 and bringing the outward flange 1b of the outer ring 1 into contact with the axial surface 7a of the housing 7. The outward flange 1b may be connected to the housing 7 with bolts or the like. The housing 7 may be a casing of a device using a bearing, or a component such as a gear or a pulley. The inner race 2 fits the inner race fitting cylinder 4 to the outer diameter surface 6 a of the shaft 6 in a press-fit state or the like.
[0016]
According to the shell-type roller bearing A having the above configuration, the inner ring fitting cylinder 4 made of a sintered alloy is fitted on the inner diameter surface of the inner ring 2, and a high precision sintered alloy product can be easily manufactured. In addition, the accuracy of the bearing inner diameter surface can be improved. In particular, when metal injection molding is used, a high-precision product can be easily manufactured. As the combination technology of the injection molding and the sintering technology of the powder metallurgy, a technology with high dimensional accuracy has been developed, and by adopting the technology, the inner ring fitting cylinder 4 can be produced with high accuracy. For example, the inner diameter accuracy of the inner ring 2 by press working is about H9, but if the inner ring 2 is made of a sintered alloy by metal injection molding, the inner diameter accuracy of the inner ring fitting cylinder 4 is improved to H7, and the shape accuracy is also improved. . In addition, according to metal injection molding, machining such as turning and grinding is not required, and excellent productivity can be obtained.
[0017]
The inner ring fitting cylinder 4 has a locking flange 4b at one end and engages with the outer surface of the inward flange 1a of the outer ring 1, so that the inner ring 1 and the outer ring 2 are not separated. For this reason, it is not necessary to provide a conventional staking for separation prevention on the inner race 2. For this reason, it is not necessary to adjust the axial direction for preventing staking interference when mounting the bearing A, and the workability of mounting the bearing A is improved. Since it is made of a sintered alloy, the locking flange 4b provided on the inner ring fitting cylinder 4 can be formed on a firm and smooth surface, and the thrust load at the contact portion of the outer ring 1 with the inward flange 1a. Can also be loaded.
The inner ring fitting cylinder 4 made of a sintered alloy can be manufactured to have various inner diameters, and by changing the inner diameter of the inner ring fitting cylinder 4 without changing the configuration of other parts of the bearing A, various shafts can be manufactured. It can correspond to the diameter. Further, the inner alloy fitting cylinder 4 made of a sintered alloy can be formed in various non-circular cross-sectional shapes, for example, it can be formed in a D-shaped cross-sectional shape or a square hole shape. And the shaft 6 can be fitted in a detented state.
[0018]
Since the outer ring 1 has the outward flange 1b at the other end, the outer ring 1 can be used for positioning and fixing in the axial direction when the outer ring 1 is mounted on the housing 7 of the equipment using the bearing. Since the inward flange 1a of the outer ring 1 only needs to be provided at one end side and is not provided at the other end side, the entire outer ring 1 having the inward flange 1a at one end and the outward flange 1b at the other end is formed of a metal plate or the like. It can be formed integrally from a metal cylinder by pressing or the like.
The sliding ring 5 is interposed between the outward flanges 2a and 3 of the inner ring 2, so that the friction between the roller end face, which is in sliding contact, and the outward flange 2a of the inner ring 2 is reduced, and a low torque bearing is provided. Can be A.
[0019]
As described above, by combining the inexpensive shell-type bearing and the inner ring fitting cylinder 4 made of a sintered alloy, the inexpensive, non-separable, shell-type roller bearing A with an inner ring can be manufactured. Therefore, applicability to office equipment such as copying machines and laser printers is improved.
[0020]
【The invention's effect】
A shell-type roller bearing with an inner ring according to the present invention includes a shell-type outer ring having an inward flange at one end, a shell-type inner ring having an outward flange at the other end, and a plurality of shell-type inner rings interposed between the inner ring and the outer ring. Rollers, a cylindrical part press-fitted into the inner surface of the inner ring, and a locking alloy protruding from one end of the cylindrical part toward the outer diameter side and having a locking flange positioned axially outside the inward flange of the outer ring. Since the inner ring fitting cylinder is provided, the inner ring inner diameter accuracy can be improved, the inner and outer rings can be made non-separable, and the production can be performed at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing an installed state of a shell type roller bearing with an inner ring according to an embodiment of the present invention.
2A is a cross-sectional view of a conventional example, and FIG. 2B is a similar view when an inner ring moves in an axial direction.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Shell type outer ring 1a ... Inward flange 1b ... Outward flange 2 ... Shell type inner ring 2a ... Outward flange 2b ... Inner diameter surface 3 ... Roller 4 ... Inner ring fitting cylinder 4a ... Cylindrical part 4b ... Locking flange 5 ... Sliding ring