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JP2004313525A - 歯科用材料 - Google Patents

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JP2004313525A
JP2004313525A JP2003112934A JP2003112934A JP2004313525A JP 2004313525 A JP2004313525 A JP 2004313525A JP 2003112934 A JP2003112934 A JP 2003112934A JP 2003112934 A JP2003112934 A JP 2003112934A JP 2004313525 A JP2004313525 A JP 2004313525A
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Japan
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dental
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Toshiyuki Akaza
敏之 赤座
Kanji Nitta
完治 新田
Hiroyuki Akaza
宏之 赤座
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Abstract

【課題】本発明の目的は、チタン材(チタン合金を含む)からなる母材のプラスチックやセラミックスに対する密着性が改良された、耐食性、耐摩耗性に優れ、軽量で、金属アレルギーの心配がなく審美性に優れた安価な歯科用材料を提供することにある。
【解決手段】チタン材を母材として使用し、該母材に純金皮膜を形成した純金色を有する歯科用材料、およびチタン材からなる母材に純金皮膜を形成した後、プラスチックやセラミックスを被覆した、自然歯に近似の象牙色を有する歯科用材料に係る。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯を人工的に補修、補綴するために使用される歯科用材料に関し、特にチタン材に純金皮膜を成形させた、金属アレルギーの問題がなく、腐食や変色の発生がなく、軽量で審美性の優れた歯科用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科用材料にはサンプラチナと呼ばれるNi/Cr系合金やパラジウム合金、金合金、銀合金等が使用されているが、Ni/Cr系合金は金属アレルギーの問題があり、貴金属を主体とする合金の場合は価格が高く、まら合金材料によっては金属アレルギーの発生があるなど潜在的な問題点があり、安価で軽量で、金属アレルギーの起こらない歯科用材料の開発が望まれていた。
【0003】
歯科用ブラケット、歯科用鋼線に使用されるステンレス鋼や形状記憶合金を自然歯と類似の色調を得るために、ステンレス鋼の表面に、銀めっき、白金めっき、金めっきの順序で単一金属を3層めっきした後、熱拡散焼鈍を施し合金化したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に示されるような合金化したものは軽量性、金属アレルギーの点で不充分であり、また全体として高価なものとなる。
【0004】
【特許文献1】特開平6−125922号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
歯科用材料として、金属アレルギーの問題がなく、審美性のある材料にはプラスチックやセラミックスがあるがこれらの材料のみでは強度的に弱く、治療後使用中に破損したり、脱落したりする虞があるなどの欠陥があった。
軽量で、金属アレルギーの起こらない金属としてチタンが歯科用材料として検討、試行されてきた。チタン材は強度の面、金属アレルギーの問題は解決できるが、チタン材は色調が暗黒色のため審美性に劣る欠陥があった。
これらの点を解決するために、チタン材を母材としてプラスチックやセラミックスをチタン材に被覆する方法が考えられ、検討、試行されてきたが、セラミックスの場合は800℃以上の高温で陶材を熔着させなければならないために母材のチタン材が酸化してしまい、陶材が密着せず、チタン材とプラスチックやセラミックスなどの被覆材料との密着強度が弱く、未だ実用化に至っていないのが実情である。
【0006】
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、チタン材(チタン合金を含む)からなる母材のプラスチックやセラミックスに対する密着性が改良された、耐食性、耐摩耗性に優れ、軽量で、金属アレルギーの心配がなく審美性に優れた安価な歯科用材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)チタン材からなる歯科用母材に純金皮膜を形成してなることを特徴とする歯科用材料。
(2)チタン材からなる歯科用母材に純金皮膜を形成するに先立ち、金以外の貴金属皮膜を施すことを特徴とする上記(1)に記載の歯科用材料。
(3)チタン材からなる歯科用母材に純金皮膜を形成し、該皮膜上にプラスチックまたはセラミックスを被覆してなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の歯科用材料。
(4)純金皮膜の膜厚が0.5〜20μmであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の歯科用材料。
を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、耐食性、耐摩耗性に優れ、軽量で、金属アレルギーの問題の起こらないチタン材を母材として使用し、該母材に純金皮膜を形成した純金色を有する歯科用材料、およびチタン材からなる母材に純金皮膜を形成した後、プラスチックやセラミックスを被覆した、自然歯に近似の象牙色を有する歯科用材料に係る。
【0009】
本発明は、歯科材料として高強度で耐食性に優れた、軽量で、金属アレルギーを引き起こす問題がなく、人体に害のないチタン材料(チタン合金を含む)を母材として使用し、該母材上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレイテング法、電気めっき法等により、密着性のよい純金の皮膜を形成することにより、チタン材の暗黒色で審美性に劣る歯科用材料を、外観が優美な純金色を有する歯科用材料とすることができる。また、純金皮膜を施すに先立ち、化学的にも安定な白金などの白金族貴金属、例えば、白金、パラジウム、ロジウムなどの皮膜を施した後、純金皮膜を形成することができる。
上記のように、チタン材に直接または間接的に純金皮膜を形成した後、純金皮膜上にプラスチックやセラミックスを、例えば溶着するなど、それ自体公知の方法で被覆することにより、母材であるチタン材とプラスチックやセラミックスの密着性に優れた、外観優美で審美性に優れた自然歯に近似した色調の象牙色を有する歯科用材料が得られる。
【0010】
本発明において、母材のチタン材表面に形成される純金皮膜の膜厚は少なくとも0.5μm以上であればよい。この膜厚はチタン材に直接純金皮膜が形成される場合、白金族等の貴金属を施した後、純金皮膜が形成される場合のいずれの場合も同様である。純金皮膜の膜厚が0.5μm未満の場合は、プラスチックやセラミックスとの密着性に乏しく、一方20μmを超えるような膜厚では純金の使用量が多くなり製造コスト高となり、全体として高価なものとなる。したがって、安価であって、プラスチックやセラミックスとの密着性を考慮して純金皮膜の膜厚は通常、0.5〜20μmであり、3〜20μmが好ましい。
【0011】
母材のチタン材表面に純金皮膜を形成させる方法は、先に記述したように、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレイティング、電気めっき等いずれの方法でも相応の密着強度が得られれば特に制限されない。電気めっき法が高価な装置を必要とせず比較的安価である。電気めっき法により、チタン材に純金めっき皮膜を施す場合、例えば、チタンのめっき前洗浄後、シアン化第一金カリウム(Auとして15g/L)、クエン酸アンモニウム(200g/L)の金めっき浴により、温度70℃、電流密度20A/dm、で2分間めっきすることでできる。また、純金めっきに先立ち白金などの貴金属めっきを施す場合には、ジニトロ硫酸白金アンモニウム(Ptとして10g/L)、硫酸アンモニウム(60g/L)の白金めっき浴により、温度65℃、電流密度2A/dmで、2分間めっきする。
なお、膜厚は電流密度、時間等により調整することができる。
【0012】
【実施例】
以下に本発明の具体例を実施例により示す。
【0013】
実施例1
歯科用材料の母材として、純チタン材をキャスト法により作製し、ブラストおよび研磨を行って表面を鏡面仕上げした。これは歯科用材料としてそのまま使用し得るものであるが、外観が暗黒色で審美性に欠けるので、このチタン材に電気めっき法により、膜厚10μmの純金めっき皮膜を施し純金色で審美性に優れた歯科用材料を作製した。
上記の金めっきは、チタンめっき前洗浄を行った後、シアン化第一金カリウム(Auとして15g/L)、クエン酸アンモニウム(200g/L)の金めっき浴により、温度70℃、電流密度20A/dmで3分間の条件でめっきした。このチタン材に純金皮膜を形成した歯科用材料を患者に提示したところ純金色で審美性に優れており良い評価を得た。
該歯科用材料は、従来の合金の歯科用材料と比較すると、非常に軽量で装着感がよいものであることが確認された。
【0014】
また、上記のチタン材に純金皮膜を施すに先立ち、チタンのめっき前洗浄を行った後、ジニトロ硫酸白金アンモニウム(Ptとして10g/L)、硫酸アンモニウム(60g/L)の白金めっき浴により、温度65℃、電流密度2A/dmで2分間めっきし、0.5μmの白金皮膜を形成した後、ついで、上記と同様にして、10μmの純金皮膜を形成した歯科用材料を得た。この材料も純金色で審美性を有しており、前記の材料と同様に患者から良好な評価を得た。
【0015】
実施例2
実施例1と同様に、歯科材料として純チタン材をキャスト法により作製し、ブラストおよび研磨を行って表面を鏡面仕上げした。
この材料を、実施例1と同様に電気めっきにより膜厚20μmの純金皮膜を形成した。ついで、純金皮膜上に、セラミックスを溶着被覆した。この材料はチタン母材とセラミックスとの密着性に優れており、象牙色で審美性に優れた歯科用材料を得た。
【0016】
ところで、歯科用材料は、患者が使用した場合の耐食性、耐摩耗性、装着感などが重要なファクターである。人の口の中には食べかすなど残存している以外に、唾液が弱酸性であることから、食べかすや唾液あるいは歯磨き剤により歯科用材料が黒く変色することがある。また歯磨きにより最上皮膜が摩滅し母材のチタンが露出することがあり得る。
【0017】
上記の観点から、本発明に係る歯科用材料の耐食性および耐摩耗性を調べるために実施例1および2で作製した歯科用材料を患者に試用した結果、装着開始後6ヶ月経過後も歯科用材料の変色は認められなかった。また、純金皮膜やセラミックスが歯磨きなどにより摩滅することもなく良好なものであることが認められた。さらに、従来の合金材の歯科用材料に比べ、軽量で違和感もなく優れた装着感のあることも確認された。
【0018】
歯科医師の経験によると、歯科用材料は3ヶ月の着用で変色や摩耗が認められなければ実用に供することができるとされており、本発明に係る歯科用材料は上記の結果から十分に安定した品質を維持し得るものであることが実証された。
【0019】
【発明の効果】
本発明に係る歯科用材料は、母材が人体に優しいチタン材であり、表面も人体に優しい純金やセラミックスで被覆されており、金属アレルギーの心配もなく金属アレルギーに敏感な患者に着用しても何ら問題がなく、耐食性、耐摩耗性にすぐれており、従来の合金材からなる歯科用材料に比べ、安価で軽量であり、実用価値の極めて高い、従来にない非常に優れた歯科用材料を提供することができる。

Claims (4)

  1. チタン材からなる歯科用母材に純金皮膜を形成してなることを特徴とする歯科用材料。
  2. チタン材からなる歯科用母材に純金皮膜を形成するに先立ち、金以外の貴金属皮膜を施すことを特徴とする請求項1に記載の歯科用材料。
  3. チタン材からなる歯科用母材に純金皮膜を形成し、該皮膜上にプラスチックまたはセラミックスを被覆してなることを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用材料。
  4. 純金皮膜の膜厚が0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用材料。
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