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JP2004312072A - 画像処理装置及びカメラ、並びに画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及びカメラ、並びに画像処理方法 Download PDF

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義久 嶋津
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敬一 津村
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高広 岩澤
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Abstract

【課題】メモリの容量を抑えた画像処理装置を提供する。
【解決手段】イメージセンサが出力する画像信号に対して画像処理を行って出力する画像処理装置であって、画像を行単位で格納するラインメモリを有する共有メモリと、前記共有メモリを用いて前記画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部を制御するCPUとを備える。前記画像処理部は、それぞれが前記画像処理として所定の処理を行う、複数の処理回路を有する。前記複数の処理回路のうちの少なくとも2つは、前記共有メモリとして同一のものを用いて処理を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージセンサから出力された信号を処理する画像処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージセンサとしてCCD(charge−coupled device)、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)撮像デバイス等を用いたデジタルスチルカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話、デジタルビデオカメラ等のデジタル式のカメラにおいては、イメージセンサから読み出された画像信号に対して画像処理装置が画像処理を行い、その結果を表示装置に出力する。この際、イメージセンサからの画像の読み出し、及び表示装置への画像信号の出力は、1画面中のライン毎に行われる。このため、画像処理装置内の各機能ブロックにおいては、ライン単位でデータを格納することができるラインメモリを用いた処理を行うことが望ましい。ラインメモリを用いた従来技術としては、ズーム処理をラインメモリで行うもの(例えば、特許文献1参照)や、画像処理をブロック単位で行うとともに画像圧縮をラインメモリで行うもの(例えば、特許文献2参照)がある。
【0003】
このように、画像処理は、ラインメモリを用いて行うようにするのが望ましい。そこで、前記特許文献1及び特許文献2に開示された技術を組み合わせて、全ての処理をラインメモリを用いて行うようにすると、次のような構成を有する画像処理装置を得ることができる。
【0004】
図9は、従来の技術による画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。図9の画像処理装置は、処理回路として、前処理回路922、YC信号処理回路924、縮小ズーム回路926、ポストフィルタ928、JPEG処理回路934、及び垂直拡大回路936を備えており、更に、これらの処理回路のそれぞれに対応して、ライン単位のメモリ961〜966を備えている。各処理回路は、それぞれに対応するメモリを用いてライン単位の処理を行う。
【0005】
この場合、各メモリは、対応する処理回路がこの画像処理装置において扱う最大の画像を処理することができるような容量を、予め備えておく必要がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−197348号公報
【特許文献2】
特開平5−252522号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像処理装置においては、様々な処理が組み合わされて行われており、前述の処理回路を全て用いた処理を行う必要がない場合もある。このような場合、各処理回路に対応したメモリを必ず備えることとすると、処理に用いられないメモリが存在することになる。
【0008】
近年、イメージセンサの画素数の増大に伴い、1ラインの画素数が増え、必要なラインメモリの容量が増大してきている。また、近年の画像処理装置の多機能化に伴い、ラインメモリを必要とする処理回路の数が増えている。このため、ラインメモリ容量の増大が画像処理装置のコストを上昇させる要因となっているが、その一方で、画像処理装置を低コスト化することも望まれている。
【0009】
本発明は、メモリの容量を抑えた画像処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1の発明が講じた手段は、イメージセンサが出力する画像信号に対して画像処理を行って出力する画像処理装置であって、画像を行単位で格納するラインメモリを有する共有メモリと、前記共有メモリを用いて前記画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部を制御するCPUとを備え、前記画像処理部は、それぞれが前記画像処理として所定の処理を行う、複数の処理回路を有するものであり、前記複数の処理回路のうちの少なくとも2つは、前記共有メモリとして同一のものを用いて処理を行うものである。
【0011】
請求項1の発明によると、2つの処理回路の一方が用いられない場合や、必要なメモリの容量が小さい場合には、共有メモリの容量を抑えることができる。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1に記載の画像処理装置において、前記画像処理部は、前記イメージセンサから得られた画像信号に対して前処理を行う前処理回路と、前記前処理後の信号を輝度信号及び色差信号に変換して出力する輝度色差信号処理回路と、前記輝度信号及び色差信号が表す画像を縮小させ、得られた画像を出力する縮小ズーム回路と、前記縮小ズーム回路の出力に応じた画像に対して圧縮符号化を行い、得られた結果を前記画像処理部の出力とする圧縮処理回路とを、前記複数の処理回路として備えるものである。
【0013】
請求項2の発明によると、縮小処理が不要である場合には、縮小ズーム回路は共有メモリを用いる必要がなく、縮小処理が行われる場合には、画像が小さくなるので、圧縮処理回路で必要になる共有メモリの容量を少なくすることができる。したがって、同一の共有メモリを用いることによって、メモリの容量を抑えることができる。
【0014】
請求項3の発明では、請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像処理部は、垂直拡大回路と、前記縮小ズーム回路の出力にポストフィルタ処理を行い、前記圧縮処理回路又は前記垂直拡大回路に出力するポストフィルタとを、前記複数の処理回路として更に備えるものであり、前記垂直拡大回路は、ポストフィルタ処理後の画像を垂直方向に拡大する垂直拡大処理を行い、得られた結果を前記画像処理部の出力とするものである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記画像処理部の出力を表示又は記録媒体への書き込みに適した信号に変換して出力する出力部を更に備え、前記出力部は、前記画像処理部で用いられる前記共有メモリを用いて処理を行うように構成されているものである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記複数の処理回路のそれぞれには、それぞれにおける処理の必要に応じて、前記共有メモリの領域が割り当てられていることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、カメラとして、請求項2に記載の画像処理装置と、前記画像処理装置に画像信号を出力するイメージセンサと、前記画像処理装置の出力を記録媒体に書き込む記録装置とを備えるものである。
【0018】
請求項7の発明は、イメージセンサが出力する画像信号に対して画像処理を行って出力する画像処理方法であって、画像を行又は列毎に共有メモリに格納するステップと、前記共有メモリを用いて前記画像処理を行うステップとを備え、前記画像処理を行うステップは、それぞれが前記画像処理として所定の処理を行う、複数の処理ステップ有するものであり、前記複数の処理ステップのうちの少なくとも2つは、前記共有メモリとして同一のものを用いて処理を行うものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置を備えるカメラの構成の例を示すブロック図である。図1のカメラは、例えばデジタルスチルカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話、デジタルビデオカメラである。図1のカメラは、画像処理装置100と、イメージセンサ12と、AD変換器(ADC)13と、記録装置14と、表示装置15とを備えている。また、画像処理装置100は、画像処理部20と、CPU50と、共有メモリ60と、出力部70とを備えている。画像の画素の水平方向の並びを行、垂直方向の並びを列と称することとする。
【0021】
イメージセンサ12は、例えばCCDやCMOS撮像デバイスである。イメージセンサ12は、画像信号をAD変換器13に出力する。AD変換器13は、入力された信号をデジタルデータに変換して、画像処理部20に出力する。
【0022】
画像処理部20は、CPU50の指示に従って、イメージセンサ12の出力に画像処理を行って、出力部70に出力する。画像処理を行う際に、画像処理部20は、共有メモリ60を用いる。
【0023】
共有メモリ60は、画像を行単位で格納するラインメモリを複数有している。
各ラインメモリは、m画素(mは自然数)のデータを格納することができる容量(これを1Hと称する)を有する。画像の1行分の画素を複数のラインメモリにまたがって格納することはしないので、共有メモリ60に1行分の画素として格納可能な画素数はmである。したがって、通常は、画像処理装置100において処理可能な画像の1行の最大画素数はmである。以下では例として、m=1280であるとし、共有メモリ60は、ラインメモリを18個有しているものとする。
【0024】
出力部70は、バッファを有し、画像処理部20の出力を、記録装置14における記録媒体への書き込み、及び表示装置15における表示に適した形式の信号に変換して出力するインタフェースとして動作する。記録装置14は、出力部70の出力をメモリカード等の記録媒体に書き込む。表示装置15は、例えば液晶表示器であって、イメージセンサ12が出力する画像のモニタ表示を行う。
【0025】
図2は、図1の画像処理部20の構成の例を示すブロック図である。画像処理部20は、処理回路として、前処理回路22と、輝度色差信号処理回路(以下では、YC信号処理回路と称する)24と、縮小ズーム回路26と、ポストフィルタ28と、JPEG(joint photographic image coding experts group)処理回路34と、垂直拡大回路36とを備えている。更に、画像処理部20は、共有メモリ制御回路42を備えている。これらの画像処理部20内の回路はいずれも、CPU50の指示に従って動作する。
【0026】
前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、JPEG処理回路34、及び垂直拡大回路36は、入力されたデータに対する処理を行うことなくそのまま出力することもできるように構成されているものとする。また、これらの回路は、共有メモリ制御回路42を介して共有メモリ60にアクセスする。
【0027】
また、前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、JPEG処理回路34、及び垂直拡大回路36の各処理回路は、共有メモリとして同一のものを用いて処理を行う。言い換えると、これらの処理回路は、共有メモリ60を共有するように構成されている。CPU50は、これらの処理回路のそれぞれに、それぞれにおける処理の必要に応じて、共有メモリ60の領域を割り当てる。
【0028】
更に、出力部70は、共有メモリ60を用いて処理を行い、共有メモリ60を画像処理部20の各処理回路と共有するように構成されている。CPU50は、出力部70における処理の必要に応じて、共有メモリ60の領域を割り当てる。
以下では、出力部70に対する共有メモリ60の領域の割り当てについては、説明を省略する。
【0029】
前処理回路22は、イメージセンサ12から得られた画像信号に対して、黒レベルの抽出、ホワイトバランスの検出、及びガンマ補正のうちの少なくとも1つを前処理として行い、得られた結果をYC信号処理回路24に出力する。
【0030】
YC信号処理回路24は、前処理回路22の出力を受け取り、これにYC信号処理を行って、縮小ズーム回路26に出力する。YC信号処理は、黒レベル補正、ホワイトバランス補正、並びに輝度信号及び色差信号への変換をいうものとする。
【0031】
縮小ズーム回路26は、一次補間を行って、輝度信号及び色差信号が表す画像を縮小させるズーム処理を行い、得られた結果をポストフィルタ28に出力する。
【0032】
ポストフィルタ28は、係数が可変のローパスフィルタを有しており、ポストフィルタ処理、すなわち、縮小ズーム回路26から入力された画像の低域成分を通過させ、アパーチャ補正を行う処理を行って、JPEG処理回路34に出力する。
【0033】
圧縮処理回路としてのJPEG処理回路34は、ポストフィルタ28から出力された画像に対してJPEGに基づく圧縮符号化(JPEG圧縮処理)を行い、得られた結果を、垂直拡大回路36を経由して出力部70に出力する。更にJPEG圧縮処理結果は記録装置14に出力され、メモリカード等の記録媒体に書き込まれる。
【0034】
垂直拡大回路36は、ポストフィルタ28が出力する画像をJPEG処理回路34を経由して受け取り、これを垂直方向の画素数が表示装置15に適合するように垂直方向に拡大する垂直拡大処理を行い、出力部70に出力する。更に垂直拡大処理結果は表示装置15に出力され、表示される。
【0035】
図3は、図1の画像処理装置100における処理の流れの例を示すフローチャートである。図4は、図1の画像処理装置100におけるデータの流れの第1の例を示す説明図である。以下のデータの流れを示す図では、共有メモリ制御回路42を省略する。図4の場合、イメージセンサ12が出力する画像のサイズが横1280(=m)×縦960画素であるとし、画像処理として、前処理、YC信号処理、ズーム処理(本例においては、倍率1/2)、ポストフィルタ処理、及び垂直拡大処理が行われるものとする。この場合、画像処理装置100に入力される画像の水平方向の1行分のデータ量は、1/2Hに相当する。図2〜図4を参照して、画像処理装置100の動作を説明する。
【0036】
図3のステップS11では、CPU50は、イメージセンサ12が出力する信号が表す画像の水平画素数を、画像処理装置100に入力される画像の水平画素数として設定する。この値は、接続されるイメージセンサ12に応じて、画像処理装置100の外部から設定することができるようになっている。より具体的には、画像処理装置100で扱う画像の水平画素数が、共有メモリ60の各ラインメモリに格納できる画素数(=m)の1/2以下であるか否かを設定する。
【0037】
水平画素数がm/2以下である場合には、1つのラインメモリに2行分の画素データを格納することができる。一方、水平画素数がm/2よりも多い場合には、1つのラインメモリに1行分の画素データしか格納することができない。このため、水平画素数がm/2以下であるか否かによって、各処理回路に割り当てる共有メモリ60の容量を変更する必要がある。ここでは、m=1280であるので、水平画素数がm/2よりも多いということが設定される。
【0038】
ステップS12では、CPU50は、処理内容を設定する。具体的には、ズーム処理、ポストフィルタ処理、JPEG圧縮処理、及び垂直拡大処理等を行うか否か、ズーム処理を行う場合の倍率等を設定する。図4の場合は、ズーム処理、ポストフィルタ処理、及び垂直拡大処理を行うこと、並びに、ズーム処理の倍率が1/2であることが設定される。
【0039】
ステップS13では、CPU50は、画像処理部20の各処理回路、すなわち、前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、JPEG処理回路34、及び垂直拡大回路36に、共有メモリ60の領域の割り当てを行う。
【0040】
この際、実際に行われる処理に対してのみ、共有メモリ60が割り当てられる。倍率が1/2以下のズーム処理を行う場合等には、それ以降の処理において1つのラインメモリに複数の行の画素データを格納することができる点も考慮して、割り当てが行われる。
【0041】
図4の場合は、ズーム処理の倍率が1/2であるので、1つのラインメモリには縮小後の画像の2行分のデータを格納することができる。すると、ポストフィルタ処理及び垂直拡大処理を行うには、いずれもラインメモリが2H分必要となる。そこで、前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、及び垂直拡大回路36には、それぞれ共有メモリ60の2H、4H、4H、2H、及び2Hに相当するラインメモリを割り当てることとする。
【0042】
ステップS22では、前処理回路22は、イメージセンサ12が出力する画像信号が表す画像の水平方向の1行を単位として扱い、前処理回路22に割り当てられた、共有メモリ60の領域との間で読み書きを行って前処理を行い、得られた結果をYC信号処理回路24に出力する。その後、ステップS24に進む。
【0043】
ステップS24では、YC信号処理回路24は、この回路に割り当てられた、共有メモリ60の領域との間で読み書きを行ってYC信号処理を行い、得られた結果を縮小ズーム回路26に出力する。その後、ステップS32に進む。
【0044】
ステップS32では、CPU50は、ズーム処理を行うか否かを判断する。ズーム処理を行う場合はステップS34に、行わない場合はステップS36に進む。図4の場合、ズーム処理を行うので、ステップS34に進む。
【0045】
ステップS34では、縮小ズーム回路26は、この回路に割り当てられた、共有メモリ60の領域との間で読み書きを行って、画像の画素数を減少させるズーム処理を行い、得られた結果をポストフィルタ28に出力する。その後、ステップS36に進む。図4の場合、縮小ズーム回路26は、水平方向の画素数が1/2になるように画像を縮小する処理を行う。
【0046】
ステップS36では、CPU50は、ポストフィルタ処理を行うか否かを判断する。ポストフィルタ処理を行う場合はステップS38に、行わない場合はステップS42に進む。図4の場合は、ポストフィルタ処理を行うので、ステップS38に進む。
【0047】
ステップS38では、ポストフィルタ28は、これに割り当てられた、共有メモリ60の領域との間で読み書きを行って、ポストフィルタ処理を行い、得られた結果を垂直拡大回路36に出力する。その後、ステップS42に進む。
【0048】
ステップS42では、CPU50は、JPEG圧縮処理を行うか否かを判断する。JPEG圧縮処理を行う場合はステップS44に、行わない場合はステップS46に進む。図4の場合は、JPEG圧縮処理を行わないので、ステップS46に進む。
【0049】
ステップS46では、CPU50は、垂直拡大処理を行うか否かを判断する。垂直拡大処理を行う場合はステップS48に進み、行わない場合は処理を終了する。
【0050】
ステップS48では、垂直拡大処理回路36は、この回路に割り当てられた、共有メモリ60の領域との間で読み書きを行って、垂直拡大処理を行い、得られた結果を出力部70に出力する。その後、処理を終了する。
【0051】
また、ステップS44では、JPEG処理回路34は、この回路に割り当てられた、共有メモリ60の領域との間で読み書きを行って、JPEG圧縮処理を行い、得られた結果を垂直拡大処理回路36を経由して出力部70に出力する。その後、処理を終了する。
【0052】
このように、画像処理装置100においては、JPEG圧縮処理と垂直拡大処理とのうち、いずれか一方のみが行われるようになっている。共有メモリ60は、これらの処理の両方のためにラインメモリを有しておく必要がないので、処理回路のそれぞれに対応した独立したメモリを備える場合に比べて、メモリ容量を削減することができる。
【0053】
図5は、図1の画像処理装置100におけるデータの流れの第2の例を示す説明図である。図5の場合も、図4の場合と同様に、イメージセンサ12が出力する画像のサイズが横1280(=m)×縦960画素であるとする。ここでは、画像処理として、前処理、YC信号処理、ポストフィルタ処理、及びJPEG圧縮処理が行われるものとする。図2、図3及び図5を参照して、画像処理装置100の動作を説明する。
【0054】
ステップS11における処理は、図4の場合と同様である。ステップS12では、CPU50は、ポストフィルタ処理、及びJPEG圧縮処理を行うことを設定する。
【0055】
図5の場合は、画像処理装置100に入力される画像の水平画素数がmであり、ズーム処理が行われないので、1つのラインメモリには画像の1行分のデータを格納することしかできない。そこで、ステップS13では、CPU50は、前処理回路22、YC信号処理回路24、ポストフィルタ28、及びJPEG処理回路34に、それぞれ共有メモリ60の2H、4H、4H、及び8Hに相当するラインメモリを割り当てる。
【0056】
図5の場合、共有メモリ60には合計18Hの容量が必要となる。これは共有メモリ60に最も多くの容量を必要とする場合にあたる。これに対し、図9のように、共有メモリを用いず、各処理回路に対応したメモリを備える場合には、縮小ズーム回路及び垂直拡大処理回路に対応するメモリのいずれにも、常に容量4Hが必要である。したがって、画像処理装置におけるメモリ容量を8H削減することができたことになる。
【0057】
図3のステップS22以降における処理は、ステップS34のズーム処理を行わない点と、ステップS48の垂直拡大処理に代えてステップS44のJPEG圧縮処理を行う点との他は、図4の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0058】
このように、画像処理装置100によると、ズーム処理を行わないので、縮小ズーム回路26にはラインメモリが割り当てられない。このため、外部メモリを用いることなく、限られた共有メモリ60を有効に用いて、サイズの大きな画像にJPEG圧縮処理を行うことができる。
【0059】
図6は、図1の画像処理装置100におけるデータの流れの第3の例を示す説明図である。図6の場合も、図4の場合と同様に、イメージセンサ12が出力する画像のサイズが横1280(=m)×縦960画素であるとする。ここでは、画像処理として、前処理、YC信号処理、ズーム処理(本例においては、倍率1/4)、ポストフィルタ処理、及びJPEG圧縮処理が行われるものとする。図2、図3及び図6を参照して、画像処理装置100の動作を説明する。
【0060】
ステップS11における処理は、図4の場合と同様である。ステップS12では、CPU50は、ズーム処理、ポストフィルタ処理、及びJPEG圧縮処理を行うこと、並びに、ズーム処理の倍率が1/4であることを設定する。
【0061】
図6の場合は、画像処理装置100に入力される画像の水平画素数がmであり、ズーム処理の倍率が1/4であるので、1つのラインメモリには縮小後の画像の4行分のデータを格納することができる。
そこで、ステップS13では、CPU50は、前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、及びJPEG処理回路34に、それぞれ共有メモリ60の2H、4H、4H、1H及び2Hに相当するラインメモリを割り当てる。
【0062】
図3のステップS22以降における処理は、ステップS48の垂直拡大処理に代えてステップS44のJPEG圧縮処理を行う点の他は、図4の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
図7は、図1の画像処理装置100におけるデータの流れの第4の例を示す説明図である。図7の場合、イメージセンサ12が出力する画像のサイズが横640(=m/2)×縦480画素であるとし、画像処理として、前処理、YC信号処理、ズーム処理(本例においては、倍率1/2)、ポストフィルタ処理、及び垂直拡大処理が行われるものとする。この場合、画像処理装置100に入力される画像の水平方向の1行分のデータ量は、1/2Hに相当する。図2、図3及び図7を参照して、画像処理装置100の動作を説明する。
【0064】
ステップS11では、CPU50は、画像処理装置100に入力される画像の水平画素数がm/2以下であることを設定する。ステップS12では、CPU50は、ズーム処理、ポストフィルタ処理、及び垂直拡大処理を行うこと、並びに、ズーム処理の倍率が1/2であることを設定する。
【0065】
図7の場合は、画像処理装置100に入力される画像の水平画素数がm/2であり、ズーム処理の倍率が1/2であるので、1つのラインメモリには縮小後の画像の4行分のデータを格納することができる。そこで、ステップS13では、CPU50は、前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、及び垂直拡大処理回路36に、それぞれ共有メモリ60の1H、2H、2H、1H、及び1Hに相当するラインメモリを割り当てる。
【0066】
図3のステップS22以降における処理は、図4の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0067】
図8は、図1の画像処理装置100におけるデータの流れの第5の例を示す説明図である。図8の場合、イメージセンサ12が出力する画像のサイズが横640(=m/2)×縦480画素であるとし、画像処理として、前処理、YC信号処理、ズーム処理(本例においては、倍率1/2)、ポストフィルタ処理、及びJPEG圧縮処理が行われるものとする。この場合、画像処理装置100に入力される画像の水平方向の1行分のデータ量は、1/2Hに相当する。図2、図3及び図8を参照して、画像処理装置100の動作を説明する。
【0068】
ステップS11における処理は、図7の場合と同様である。ステップS12では、CPU50は、ズーム処理、ポストフィルタ処理、及びJPEG圧縮処理を行うこと、並びに、ズーム処理の倍率が1/2であることを設定する。
【0069】
図8の場合は、画像処理装置100に入力される画像の水平画素数がm/2であり、ズーム処理の倍率が1/2であるので、1つのラインメモリには縮小後の画像の4行分のデータを格納することができる。そこで、ステップS13では、CPU50は、前処理回路22、YC信号処理回路24、縮小ズーム回路26、ポストフィルタ28、及びJPEG処理回路34に、それぞれ共有メモリ60の1H、2H、2H、1H、及び2Hに相当するラインメモリを割り当てる。
【0070】
図3のステップS22以降における処理は、図5の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0071】
このように、画像処理装置100においては、実際に画像処理を行う回路にのみ、その処理に必要な容量の共有メモリを割り当てるので、画像処理部の全ての処理回路に対して、各処理回路で使用する可能性がある最大の容量のメモリを予め備える必要がない。したがって、メモリの容量を抑えることができる。
【0072】
なお、以上の実施形態では、画像処理装置が1つの共有メモリを備える場合について説明したが、複数の共有メモリを備えるようにしてもよい。例えば、画像処理部内の2つの回路が第1の共有メモリを用い、画像処理部内の他の2つの回路が第2の共有メモリを用いるようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、画像処理装置が備える必要があるメモリの容量を抑えることができる。したがって、画像処理装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置を備えるカメラの構成の例を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理部の構成の例を示すブロック図である。
【図3】図1の画像処理装置における処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図4】図1の画像処理装置におけるデータの流れの第1の例を示す説明図である。
【図5】図1の画像処理装置におけるデータの流れの第2の例を示す説明図である。
【図6】図1の画像処理装置におけるデータの流れの第3の例を示す説明図である。
【図7】図1の画像処理装置におけるデータの流れの第4の例を示す説明図である。
【図8】図1の画像処理装置におけるデータの流れの第5の例を示す説明図である。
【図9】従来の技術による画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
12 イメージセンサ
13 AD変換器
14 記録装置
15 表示装置
20 画像処理部
22 前処理回路
24 輝度色差信号処理回路(YC信号処理回路)
26 縮小ズーム回路
28 ポストフィルタ
34 JPEG処理回路(圧縮処理回路)
36 垂直拡大回路
50 CPU
60 共有メモリ
70 出力部
100 画像処理装置

Claims (7)

  1. イメージセンサが出力する画像信号に対して画像処理を行って出力する画像処理装置であって、
    画像を行単位で格納するラインメモリを有する共有メモリと、
    前記共有メモリを用いて前記画像処理を行う画像処理部と、
    前記画像処理部を制御するCPUとを備え、
    前記画像処理部は、
    それぞれが前記画像処理として所定の処理を行う、複数の処理回路を有するものであり、
    前記複数の処理回路のうちの少なくとも2つは、
    前記共有メモリとして同一のものを用いて処理を行うものである画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記画像処理部は、
    前記イメージセンサから得られた画像信号に対して前処理を行う前処理回路と、
    前記前処理後の信号を輝度信号及び色差信号に変換して出力する輝度色差信号処理回路と、
    前記輝度信号及び色差信号が表す画像を縮小させ、得られた画像を出力する縮小ズーム回路と、
    前記縮小ズーム回路の出力に応じた画像に対して圧縮符号化を行い、得られた結果を前記画像処理部の出力とする圧縮処理回路とを、前記複数の処理回路として備えるものであることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記画像処理部は、
    垂直拡大回路と、
    前記縮小ズーム回路の出力にポストフィルタ処理を行い、前記圧縮処理回路又は前記垂直拡大回路に出力するポストフィルタとを、前記複数の処理回路として更に備えるものであり、
    前記垂直拡大回路は、
    ポストフィルタ処理後の画像を垂直方向に拡大する垂直拡大処理を行い、得られた結果を前記画像処理部の出力とするものであることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記画像処理部の出力を表示又は記録媒体への書き込みに適した信号に変換して出力する出力部を更に備え、
    前記出力部は、
    前記画像処理部で用いられる前記共有メモリを用いて処理を行うように構成されているものであることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記複数の処理回路のそれぞれには、それぞれにおける処理の必要に応じて、前記共有メモリの領域が割り当てられていることを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項2に記載の画像処理装置と、
    前記画像処理装置に画像信号を出力するイメージセンサと、
    前記画像処理装置の出力を記録媒体に書き込む記録装置とを備えるカメラ。
  7. イメージセンサが出力する画像信号に対して画像処理を行って出力する画像処理方法であって、
    画像を行又は列毎に共有メモリに格納するステップと、
    前記共有メモリを用いて前記画像処理を行うステップとを備え、
    前記画像処理を行うステップは、
    それぞれが前記画像処理として所定の処理を行う、複数の処理ステップ有するものであり、
    前記複数の処理ステップのうちの少なくとも2つは、
    前記共有メモリとして同一のものを用いて処理を行うものである画像処理方法。
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