JP2004308465A - 定量搬送ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】1回あたりの搬送量がより安定な定量搬送ポンプを得る。
【解決手段】流入口逆流阻止手段を備える流入口61と流出口逆流阻止手段を備える流出口62を有するポンプ圧力室60の一部を構成する圧力室ダイアフラム54と、前記圧力室ダイアフラム54に屈曲動作を与えるアクチュエータ51と、該アクチュエータ51に押されたときの前記圧力室ダイアフラム54の屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパ56cとを備える。これによって、アクチュエータ51に押されたときの圧力室ダイアフラム54の屈曲の限度を押込み時ストッパ56cが決めるため、電圧変動などによるアクチュエータ51の駆動量変化にかかわらず、圧力室ダイアフラム54の屈曲の限度を一定に保つことができ、ポンプの搬送量変動を抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】流入口逆流阻止手段を備える流入口61と流出口逆流阻止手段を備える流出口62を有するポンプ圧力室60の一部を構成する圧力室ダイアフラム54と、前記圧力室ダイアフラム54に屈曲動作を与えるアクチュエータ51と、該アクチュエータ51に押されたときの前記圧力室ダイアフラム54の屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパ56cとを備える。これによって、アクチュエータ51に押されたときの圧力室ダイアフラム54の屈曲の限度を押込み時ストッパ56cが決めるため、電圧変動などによるアクチュエータ51の駆動量変化にかかわらず、圧力室ダイアフラム54の屈曲の限度を一定に保つことができ、ポンプの搬送量変動を抑制できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、定量の液体または気体を搬送するための定量搬送ポンプに関する。特に、マイクロポンプとして適した定量搬送ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬投与の技術分野、燃料電池の燃料供給の技術分野、印刷機器のインク供給の技術分野などにおいては、より厳密に定量の液体または気体を搬送する定量搬送ポンプが求められている。
【0003】
従来の液体または気体を搬送するための圧電素子などを用いた小型の搬送ポンプは、圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムに圧電素子などのアクチュエータを直接貼着し駆動している(例えば、特許文献1参照)。また、圧電素子などのアクチュエータそのものを圧力室ダイアフラムとして使用しているものもある(例えば、特許文献2参照)。また、圧力室ダイアフラムと座屈構造体を結合部材で結合し圧力室ダイアフラムを駆動するものもある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、従来の技術として、図6に示すような静電駆動型マイクロダイアグラムポンプが開示されている。すなわち、送液室6は第1の送液基板1と第2の送液基板5により形成されており、送液ダイアフラム9の駆動は固定電極11と可動電極12、加圧ピン13を含む駆動部により行われる。固定電極11と可動電極12とはその間に絶縁膜を介して接合されている。図6は、静電力を加えていない状態を示しており、静電力を加えると可動電極12が固定電極11に吸い寄せられて送液ダイアフラム9が変形し送液の吐出を行うものである(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−149370号公報
【特許文献2】
特開平5−263763号公報
【特許文献3】
特開平8−169110号公報
【特許文献4】
特開平11―82309号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記特許文献1乃至3の圧電素子などを用いた小型の搬送ポンプは、圧電素子などのアクチュエータの屈曲変形動作が直接圧力室ダイアフラムの変形となるため、図5で示すアクチュエータに与える駆動電圧とポンプの搬送量の関係において、点線で示した従来例の搬送ポンプ特性のように、圧電素子などの駆動電圧の違いが圧力室の容量変化となって現れ、ポンプの搬送量が変化または変動する。また、アクチュエータの動作が直接強制的に吸引動作となるため、吸引時に搬送液に気泡を生じさせるキャビテーション現象を起こしがちで、搬送量を変動させることにもなる。また、上記図6に示した静電駆動型マイクロダイアフラムポンプは、電圧などの変化による静電力の変化が送液の吐出量の変化に直接影響を与えるものである。
【0006】
そこで、本発明は、ポンプの1回あたりの搬送量がより安定する定量搬送ポンプを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明では、流入口逆流阻止手段を備える流入口と流出口逆流阻止手段を備える流出口を有するポンプ圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムと、
前記圧力室ダイアフラムに屈曲動作を与えるアクチュエータと、
該アクチュエータに押されたときの前記圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパとを備える定量搬送ポンプとする。これによって、アクチュエータに押されたときの圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を押込み時ストッパが決めるため、電圧変動、弾性力変動などによるアクチュエータの駆動力変化にかかわらず、圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を一定に保つことができ、ポンプの搬送量変動を抑制できる。
【0008】
また、前記押込み時ストッパを、前記ポンプ圧力室の前記圧力室ダイアフラムに対向する壁とすれば、容易にかつ安定した押込み時ストッパを形成できる。
【0009】
また、さらに、前記アクチュエータから開放されたときの前記圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める開放時ストッパを備える定量搬送ポンプとすれば、より厳密にポンプの搬送量変動を抑制できる。
【0010】
また、前記開放時ストッパが、前記アクチュエータ又は前記圧力室ダイアフラムに設けた前記圧力室ダイアフラム駆動のための駆動ピンを通す穴を有し、前記アクチュエータと前記圧力室ダイアフラムとの間に配設される定量搬送ポンプとすれば、容易にかつ安定した開放時ストッパを形成できる。
【0011】
また、前記圧力室ダイアフラム駆動のための駆動ピンが、前記圧力室ダイアフラムが前記アクチュエータから開放されたときに、前記圧力室ダイアフラム又は前記アクチュエータから離間さる構成の定量搬送ポンプとすれば、圧力室ダイアフラムの開放時位置が、開放時ストッパにより一義的に決まるものとできると共に、吸引時に搬送液等に気泡を生じさせるキャビテーション現象を抑止でき、より厳格にポンプの搬送量の変動を抑制できる。
【0012】
また、前記押込み時ストッパの前記圧力室ダイアフラムと当接する部分に、前記流入口又は前記流出口の少なくとも一つを設ける定量搬送ポンプとすれば、圧力室ダイアフラムによって流入口又は流出口を押込み時最終段階において塞ぐことができこれによってもポンプの搬送量の変動一部を抑制できる。
【0013】
また、前記アクチュエータを、圧電素子を有するダイアフラムを備えるものとすれば、定量搬送ポンプの薄型化、小型化を容易とできる。
【0014】
また、前記アクチュエータのダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室の一部を構成する前記圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成した定量搬送ポンプとすれば、搬送量変動を抑制した定量搬送ポンプを膜状及び板状の積層として容易に効率よく製造できる。
【0015】
また、前記アクチュエータのダイアフラムと、
駆動ピンを通す穴を有する前記開放時ストッパと、
前記駆動ピンを設け前記ポンプ圧力室の一部を構成する前記圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成した定量搬送ポンプとすれば、容易にかつ安定した開放時ストッパを形成でき搬送量変動を抑制した定量搬送ポンプを膜状及び板状の積層として容易に効率よく製造できる。
【0016】
また、前記ポンプ圧力室の一部を構成するダイアフラム駆動のための駆動ピンを設けた前記アクチュエータのダイアフラムと、
前記駆動ピンを通す穴を有する前記開放時ストッパと、
前記ポンプ圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成した定量搬送ポンプとすれば、容易にかつ安定した開放時ストッパを形成できると共に、アクチュエータのダイアフラムに駆動ピンを設けることにより駆動ピンの形成製造組立てが容易となり、搬送量変動を抑制した定量搬送ポンプを膜状及び板状の積層として容易に効率よく製造できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明による一実施の形態としての定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオフの状態を示す。図2は、同じ実施の形態における定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオンの状態を示す。
【0019】
図1と図2において、定量搬送ポンプ50は、板状の各構成部材の積層からなる。この積層の点については、図3の分解斜視図を用いて後に詳述する。アクチュエータ51は、圧電素子51bを圧電素子ダイアフラム51aに貼着して構成される。ここでは、さらに圧力室ダイアフラム54を押す駆動ピン52がダイアフラム51aに貼着されている。
【0020】
圧力室ダイアフラム54と圧電素子ダイアフラム51aとの間には駆動ピン52を通す穴53aを設けた開放時ストッパ53が置かれる。開放時ストッパ53は、図2のアクチュエータON状態において駆動ピン52から開放された圧力室ダイアフラム54の上側ストッパとしての機能を果たす。しかし、アクチュエータON状態における圧力室ダイアフラム54は、自己の弾性力により、図2に示すように水平になるので、圧力室ダイアフラム54の膜厚によっては必ずしも開放時ストッパ53は必要としない。
【0021】
圧力室ダイアフラム54は、圧力室スペーサ55をケース板56とで挟みポンプ圧力室60を形成する。
【0022】
ケース板56は、流入口61の一部を構成する穴56aと流出口62の一部を構成する穴56bとが設けられている。ケース板56の上面56cは、この実施例では押込み時ストッパとして働く。ケース板56は、流入口逆流阻止弁57aと流出口逆流阻止弁57bとを形成したバルブ膜57を底ケース58との間に挟み込む。
【0023】
流入口61は、底ケース58に設けた流入路58aと流入口逆流阻止弁57aと穴56aから構成されている。流出口62は、底ケース58に設けた流出路58bと流出口逆流阻止弁57bと穴56bから構成されている。流入路58a及び流出路58bは底ケース58を貫通するように図中、下方から上方に向けて形成してもよい。
【0024】
次に同じ実施の形態における定量搬送ポンプの積層構成を示す分解斜視図である図3によって、このポンプの製造法を説明する。
【0025】
アクチュエータ51は、圧電素子51bを圧電素子ダイアフラム51a上に貼着し、さらに、駆動ピン52を固着して製造される。圧電素子ダイアフラム51aの四隅付近には固定用の穴51c乃至51fと位置決め用の穴51g乃至51jが形成される。圧電素子ダイアフラム51aは、この四隅付近の穴をプレス加工などにより製造される。この四隅付近の穴については、板状又は膜状の各層に共通に形成されるので、以下説明を省略する。
【0026】
駆動ピン52を通す穴53aを設けた開放時ストッパ53、圧力室ダイアフラム54、ポンプ圧力室60のスペースを形成する圧力室スペーサ55、流入口用の穴56aと流出口用の穴56bを形成したケース板56、流入口逆流阻止弁57aと流出口逆流阻止弁57bとを形成したバルブ膜57、流入路58aと流出路58bとを形成した底ケース58をそれぞれプレス加工により製造する。なお、厚みを要するケース板56と底ケース58は、溝などを切削加工により形成しても良い。
【0027】
これらの製造した各部品を位置決め用の穴51g乃至51jにて位置決めを行い、必要な接着剤などを塗布し、積層することにより、定量搬送ポンプ50が製造される。また固定用の穴51c乃至51fにカシメ用ピンを挿通し、カシメにて固定することによって製造を行ってもよい。
【0028】
次に、上記の実施の形態における定量搬送ポンプ50の動作につき説明する。図1に示すアクチュエータ51すなわち圧電素子51bへの電圧がOFFの状態では、圧力室ダイアフラム54の復元力に抗して圧電素子ダイアフラム51aに固着した駆動ピン52が、圧力室ダイアフラム54を凹面状に撓め強くケース板56の上面に押し付ける。このときポンプ圧力室60の内容積は最小値をとる。このときポンプ圧力室60の内容積は、当然に圧電素子51bへの電圧の変動による影響を受けない、ポンプ圧力室60を囲む各部の寸法によって決まる値である。
【0029】
さらに、この実施の形態においては、圧力室ダイアフラム54の下面が流入口61の穴56aを閉じているので、外圧の変化による搬送流体の漏れ防止の効果がある。
【0030】
図2に示すアクチュエータ51すなわち圧電素子51bへの電圧がONの状態では、圧電素子ダイアフラム51aが圧電素子51bの屈曲変形により上面凸状態に反り上がり圧電素子ダイアフラム51aに固着した駆動ピン52下部が、圧力室ダイアフラム54から離れる。これにより、圧力室ダイアフラム54はその復元力で開放時ストッパ53の下面側に当たる上限位置まで戻る。このときポンプ圧力室60の内容積は最大値をとる。このときポンプ圧力室60の内容積は、電圧がOFFの状態と同様、圧電素子51bへの電圧の変動による影響を受けない、ポンプ圧力室60を囲む各部の寸法によって決まる値である。
【0031】
また、圧力室ダイアフラム54がその復元力で開放時ストッパ53の下面に当たる上限位置まで戻る間に流入口逆流阻止弁57aが開かれ、搬送流体がポンプ圧力室60内に満たされる。この吸引動作は、圧力室ダイアフラム54の復元力による自由な動作のため、急激な負圧が発生することなく、流体内に溶け込んだ他の気体が気泡となるなどのキャビテーション現象は起こらない。
【0032】
次のアクチュエータ51すなわち圧電素子51bへの電圧がOFFとなる段階で、アクチュエータ51は元の図1の状態に戻ろうとして駆動ピン52を介して圧力室ダイアフラム54を押す。圧力室ダイアフラム54は凹面状に撓められ強くケース板56の上面に押し付けられる。このとき、上記のポンプ圧力室60の内容積の最大値と最小値の差の流体が、流出口逆流阻止弁57bを開放して流出口62から排出される。上記のとおり内容積の最大値と最小値とは、ポンプ圧力室60を囲む各部の寸法によって決まる値であるから、その差分容量も一定である。
【0033】
上記の実施の形態によれば、圧力室ダイアフラム54の下限は、ケース板56の上面で制限され、上限は駆動ピン52から開放され開放時ストッパ53により制限されるので、図4に示すように、圧力室ダイアフラム54の本来の変位量に圧力室ダイアフラム54の変位量は影響を受けず一定である。
【0034】
図5は、例えば前記特許文献に示されるような圧電素子などのアクチュエータを圧力室ダイアフラムに直接貼着し駆動する従来の搬送ポンプと、本実施例の定量搬送ポンプにおける駆動電圧とポンプ搬送量の関係を比較して表す図である。
【0035】
本図は、従来の技術では、駆動電圧により、ポンプの搬送量がリニアに変化することを示し、また本実施例によれば、圧電素子51bに圧電素子ダイアフラム51aに取付けた駆動ピン52がポンプ圧力室60の高さ分変位する電圧をVxとすれば、アクチュエータ51にVx以上の電圧を与える限り本発明の実施の形態におけるポンプの搬送量が一定であることを示している。
【0036】
以上のように上記の実施の形態によれば、圧力室ダイアフラム54の動作範囲を制限する構造的ストッパを設けてポンプ圧力室60の内容量の変化量に制限を加えているため、1回の圧力室ダイアフラム54の動作ストロークの容量変化が一定でありポンプの搬送量が一定である。また、電圧変化によるアクチュエータ51への駆動力の変化がポンプの搬送量に影響を与えない。吸引動作が圧力室ダイアフラム54の復元力で決まるため、アクチュエータ51を単純なON/OFFで駆動できる。アクチュエータ51がOFFの状態で、圧力室ダイアフラム54によりポンプ圧力室60の流入口61が閉じた状態とすることができ多少の外圧の変化があっても流体が流れ出ることを防止できる。上記の実施の形態では、流入口61の位置を閉じる状態に配置したが、流出口62の穴56bの位置を圧力室ダイアフラム54により閉じる状態とできる位置に配置しても良いし、また、流入口61と流出口62の両穴の位置を圧力室ダイアフラム54により閉じる状態とできる位置に配置しても上記の効果を得ることができる。また、吸引動作は、圧力室ダイアフラム54の復元力による自由な動作のため、急激な負圧が発生することなく、流体内に溶け込んだ他の気体が気泡となるなどのキャビテーション現象は起こらないので、一層厳密な定量搬送が可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧力室ダイアフラムが屈曲動作を与えるアクチュエータに押されたときの圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパを備える定量搬送ポンプとしたため、アクチュエータに押されたときの圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を押込み時ストッパが決め、アクチュエータの駆動力変化にかかわらず、圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を一定に保つことができ、ポンプの搬送量変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態としての定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオフの状態を示す。
【図2】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオンの状態を示す。
【図3】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの圧力室ダイアフラムの動作説明図である。
【図5】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの駆動電圧と搬送量との関係図である。
【図6】従来の静電駆動型マイクロダイアフラムポンプの一例を示す説明断面図である。
【符号の説明】
50 定量搬送ポンプ、51 アクチュエータ、51a 圧電素子ダイアフラム、51b 圧電素子、52 駆動ピン、53 開放時ストッパ、53a 穴、54 圧力室ダイアフラム、55 圧力室スペーサ、56 ケース板、56a 穴、56b 穴、56c 押込み時ストッパ(ケース板上面)、57 バルブ膜、57a 流入口逆流阻止弁、57b 流出口逆流阻止弁、58 底ケース、58a 流入路、58b 流出路、60 ポンプ圧力室、61 流入口、62 流出口。
【発明の属する技術分野】
この発明は、定量の液体または気体を搬送するための定量搬送ポンプに関する。特に、マイクロポンプとして適した定量搬送ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬投与の技術分野、燃料電池の燃料供給の技術分野、印刷機器のインク供給の技術分野などにおいては、より厳密に定量の液体または気体を搬送する定量搬送ポンプが求められている。
【0003】
従来の液体または気体を搬送するための圧電素子などを用いた小型の搬送ポンプは、圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムに圧電素子などのアクチュエータを直接貼着し駆動している(例えば、特許文献1参照)。また、圧電素子などのアクチュエータそのものを圧力室ダイアフラムとして使用しているものもある(例えば、特許文献2参照)。また、圧力室ダイアフラムと座屈構造体を結合部材で結合し圧力室ダイアフラムを駆動するものもある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、従来の技術として、図6に示すような静電駆動型マイクロダイアグラムポンプが開示されている。すなわち、送液室6は第1の送液基板1と第2の送液基板5により形成されており、送液ダイアフラム9の駆動は固定電極11と可動電極12、加圧ピン13を含む駆動部により行われる。固定電極11と可動電極12とはその間に絶縁膜を介して接合されている。図6は、静電力を加えていない状態を示しており、静電力を加えると可動電極12が固定電極11に吸い寄せられて送液ダイアフラム9が変形し送液の吐出を行うものである(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−149370号公報
【特許文献2】
特開平5−263763号公報
【特許文献3】
特開平8−169110号公報
【特許文献4】
特開平11―82309号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記特許文献1乃至3の圧電素子などを用いた小型の搬送ポンプは、圧電素子などのアクチュエータの屈曲変形動作が直接圧力室ダイアフラムの変形となるため、図5で示すアクチュエータに与える駆動電圧とポンプの搬送量の関係において、点線で示した従来例の搬送ポンプ特性のように、圧電素子などの駆動電圧の違いが圧力室の容量変化となって現れ、ポンプの搬送量が変化または変動する。また、アクチュエータの動作が直接強制的に吸引動作となるため、吸引時に搬送液に気泡を生じさせるキャビテーション現象を起こしがちで、搬送量を変動させることにもなる。また、上記図6に示した静電駆動型マイクロダイアフラムポンプは、電圧などの変化による静電力の変化が送液の吐出量の変化に直接影響を与えるものである。
【0006】
そこで、本発明は、ポンプの1回あたりの搬送量がより安定する定量搬送ポンプを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明では、流入口逆流阻止手段を備える流入口と流出口逆流阻止手段を備える流出口を有するポンプ圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムと、
前記圧力室ダイアフラムに屈曲動作を与えるアクチュエータと、
該アクチュエータに押されたときの前記圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパとを備える定量搬送ポンプとする。これによって、アクチュエータに押されたときの圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を押込み時ストッパが決めるため、電圧変動、弾性力変動などによるアクチュエータの駆動力変化にかかわらず、圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を一定に保つことができ、ポンプの搬送量変動を抑制できる。
【0008】
また、前記押込み時ストッパを、前記ポンプ圧力室の前記圧力室ダイアフラムに対向する壁とすれば、容易にかつ安定した押込み時ストッパを形成できる。
【0009】
また、さらに、前記アクチュエータから開放されたときの前記圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める開放時ストッパを備える定量搬送ポンプとすれば、より厳密にポンプの搬送量変動を抑制できる。
【0010】
また、前記開放時ストッパが、前記アクチュエータ又は前記圧力室ダイアフラムに設けた前記圧力室ダイアフラム駆動のための駆動ピンを通す穴を有し、前記アクチュエータと前記圧力室ダイアフラムとの間に配設される定量搬送ポンプとすれば、容易にかつ安定した開放時ストッパを形成できる。
【0011】
また、前記圧力室ダイアフラム駆動のための駆動ピンが、前記圧力室ダイアフラムが前記アクチュエータから開放されたときに、前記圧力室ダイアフラム又は前記アクチュエータから離間さる構成の定量搬送ポンプとすれば、圧力室ダイアフラムの開放時位置が、開放時ストッパにより一義的に決まるものとできると共に、吸引時に搬送液等に気泡を生じさせるキャビテーション現象を抑止でき、より厳格にポンプの搬送量の変動を抑制できる。
【0012】
また、前記押込み時ストッパの前記圧力室ダイアフラムと当接する部分に、前記流入口又は前記流出口の少なくとも一つを設ける定量搬送ポンプとすれば、圧力室ダイアフラムによって流入口又は流出口を押込み時最終段階において塞ぐことができこれによってもポンプの搬送量の変動一部を抑制できる。
【0013】
また、前記アクチュエータを、圧電素子を有するダイアフラムを備えるものとすれば、定量搬送ポンプの薄型化、小型化を容易とできる。
【0014】
また、前記アクチュエータのダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室の一部を構成する前記圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成した定量搬送ポンプとすれば、搬送量変動を抑制した定量搬送ポンプを膜状及び板状の積層として容易に効率よく製造できる。
【0015】
また、前記アクチュエータのダイアフラムと、
駆動ピンを通す穴を有する前記開放時ストッパと、
前記駆動ピンを設け前記ポンプ圧力室の一部を構成する前記圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成した定量搬送ポンプとすれば、容易にかつ安定した開放時ストッパを形成でき搬送量変動を抑制した定量搬送ポンプを膜状及び板状の積層として容易に効率よく製造できる。
【0016】
また、前記ポンプ圧力室の一部を構成するダイアフラム駆動のための駆動ピンを設けた前記アクチュエータのダイアフラムと、
前記駆動ピンを通す穴を有する前記開放時ストッパと、
前記ポンプ圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成した定量搬送ポンプとすれば、容易にかつ安定した開放時ストッパを形成できると共に、アクチュエータのダイアフラムに駆動ピンを設けることにより駆動ピンの形成製造組立てが容易となり、搬送量変動を抑制した定量搬送ポンプを膜状及び板状の積層として容易に効率よく製造できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明による一実施の形態としての定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオフの状態を示す。図2は、同じ実施の形態における定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオンの状態を示す。
【0019】
図1と図2において、定量搬送ポンプ50は、板状の各構成部材の積層からなる。この積層の点については、図3の分解斜視図を用いて後に詳述する。アクチュエータ51は、圧電素子51bを圧電素子ダイアフラム51aに貼着して構成される。ここでは、さらに圧力室ダイアフラム54を押す駆動ピン52がダイアフラム51aに貼着されている。
【0020】
圧力室ダイアフラム54と圧電素子ダイアフラム51aとの間には駆動ピン52を通す穴53aを設けた開放時ストッパ53が置かれる。開放時ストッパ53は、図2のアクチュエータON状態において駆動ピン52から開放された圧力室ダイアフラム54の上側ストッパとしての機能を果たす。しかし、アクチュエータON状態における圧力室ダイアフラム54は、自己の弾性力により、図2に示すように水平になるので、圧力室ダイアフラム54の膜厚によっては必ずしも開放時ストッパ53は必要としない。
【0021】
圧力室ダイアフラム54は、圧力室スペーサ55をケース板56とで挟みポンプ圧力室60を形成する。
【0022】
ケース板56は、流入口61の一部を構成する穴56aと流出口62の一部を構成する穴56bとが設けられている。ケース板56の上面56cは、この実施例では押込み時ストッパとして働く。ケース板56は、流入口逆流阻止弁57aと流出口逆流阻止弁57bとを形成したバルブ膜57を底ケース58との間に挟み込む。
【0023】
流入口61は、底ケース58に設けた流入路58aと流入口逆流阻止弁57aと穴56aから構成されている。流出口62は、底ケース58に設けた流出路58bと流出口逆流阻止弁57bと穴56bから構成されている。流入路58a及び流出路58bは底ケース58を貫通するように図中、下方から上方に向けて形成してもよい。
【0024】
次に同じ実施の形態における定量搬送ポンプの積層構成を示す分解斜視図である図3によって、このポンプの製造法を説明する。
【0025】
アクチュエータ51は、圧電素子51bを圧電素子ダイアフラム51a上に貼着し、さらに、駆動ピン52を固着して製造される。圧電素子ダイアフラム51aの四隅付近には固定用の穴51c乃至51fと位置決め用の穴51g乃至51jが形成される。圧電素子ダイアフラム51aは、この四隅付近の穴をプレス加工などにより製造される。この四隅付近の穴については、板状又は膜状の各層に共通に形成されるので、以下説明を省略する。
【0026】
駆動ピン52を通す穴53aを設けた開放時ストッパ53、圧力室ダイアフラム54、ポンプ圧力室60のスペースを形成する圧力室スペーサ55、流入口用の穴56aと流出口用の穴56bを形成したケース板56、流入口逆流阻止弁57aと流出口逆流阻止弁57bとを形成したバルブ膜57、流入路58aと流出路58bとを形成した底ケース58をそれぞれプレス加工により製造する。なお、厚みを要するケース板56と底ケース58は、溝などを切削加工により形成しても良い。
【0027】
これらの製造した各部品を位置決め用の穴51g乃至51jにて位置決めを行い、必要な接着剤などを塗布し、積層することにより、定量搬送ポンプ50が製造される。また固定用の穴51c乃至51fにカシメ用ピンを挿通し、カシメにて固定することによって製造を行ってもよい。
【0028】
次に、上記の実施の形態における定量搬送ポンプ50の動作につき説明する。図1に示すアクチュエータ51すなわち圧電素子51bへの電圧がOFFの状態では、圧力室ダイアフラム54の復元力に抗して圧電素子ダイアフラム51aに固着した駆動ピン52が、圧力室ダイアフラム54を凹面状に撓め強くケース板56の上面に押し付ける。このときポンプ圧力室60の内容積は最小値をとる。このときポンプ圧力室60の内容積は、当然に圧電素子51bへの電圧の変動による影響を受けない、ポンプ圧力室60を囲む各部の寸法によって決まる値である。
【0029】
さらに、この実施の形態においては、圧力室ダイアフラム54の下面が流入口61の穴56aを閉じているので、外圧の変化による搬送流体の漏れ防止の効果がある。
【0030】
図2に示すアクチュエータ51すなわち圧電素子51bへの電圧がONの状態では、圧電素子ダイアフラム51aが圧電素子51bの屈曲変形により上面凸状態に反り上がり圧電素子ダイアフラム51aに固着した駆動ピン52下部が、圧力室ダイアフラム54から離れる。これにより、圧力室ダイアフラム54はその復元力で開放時ストッパ53の下面側に当たる上限位置まで戻る。このときポンプ圧力室60の内容積は最大値をとる。このときポンプ圧力室60の内容積は、電圧がOFFの状態と同様、圧電素子51bへの電圧の変動による影響を受けない、ポンプ圧力室60を囲む各部の寸法によって決まる値である。
【0031】
また、圧力室ダイアフラム54がその復元力で開放時ストッパ53の下面に当たる上限位置まで戻る間に流入口逆流阻止弁57aが開かれ、搬送流体がポンプ圧力室60内に満たされる。この吸引動作は、圧力室ダイアフラム54の復元力による自由な動作のため、急激な負圧が発生することなく、流体内に溶け込んだ他の気体が気泡となるなどのキャビテーション現象は起こらない。
【0032】
次のアクチュエータ51すなわち圧電素子51bへの電圧がOFFとなる段階で、アクチュエータ51は元の図1の状態に戻ろうとして駆動ピン52を介して圧力室ダイアフラム54を押す。圧力室ダイアフラム54は凹面状に撓められ強くケース板56の上面に押し付けられる。このとき、上記のポンプ圧力室60の内容積の最大値と最小値の差の流体が、流出口逆流阻止弁57bを開放して流出口62から排出される。上記のとおり内容積の最大値と最小値とは、ポンプ圧力室60を囲む各部の寸法によって決まる値であるから、その差分容量も一定である。
【0033】
上記の実施の形態によれば、圧力室ダイアフラム54の下限は、ケース板56の上面で制限され、上限は駆動ピン52から開放され開放時ストッパ53により制限されるので、図4に示すように、圧力室ダイアフラム54の本来の変位量に圧力室ダイアフラム54の変位量は影響を受けず一定である。
【0034】
図5は、例えば前記特許文献に示されるような圧電素子などのアクチュエータを圧力室ダイアフラムに直接貼着し駆動する従来の搬送ポンプと、本実施例の定量搬送ポンプにおける駆動電圧とポンプ搬送量の関係を比較して表す図である。
【0035】
本図は、従来の技術では、駆動電圧により、ポンプの搬送量がリニアに変化することを示し、また本実施例によれば、圧電素子51bに圧電素子ダイアフラム51aに取付けた駆動ピン52がポンプ圧力室60の高さ分変位する電圧をVxとすれば、アクチュエータ51にVx以上の電圧を与える限り本発明の実施の形態におけるポンプの搬送量が一定であることを示している。
【0036】
以上のように上記の実施の形態によれば、圧力室ダイアフラム54の動作範囲を制限する構造的ストッパを設けてポンプ圧力室60の内容量の変化量に制限を加えているため、1回の圧力室ダイアフラム54の動作ストロークの容量変化が一定でありポンプの搬送量が一定である。また、電圧変化によるアクチュエータ51への駆動力の変化がポンプの搬送量に影響を与えない。吸引動作が圧力室ダイアフラム54の復元力で決まるため、アクチュエータ51を単純なON/OFFで駆動できる。アクチュエータ51がOFFの状態で、圧力室ダイアフラム54によりポンプ圧力室60の流入口61が閉じた状態とすることができ多少の外圧の変化があっても流体が流れ出ることを防止できる。上記の実施の形態では、流入口61の位置を閉じる状態に配置したが、流出口62の穴56bの位置を圧力室ダイアフラム54により閉じる状態とできる位置に配置しても良いし、また、流入口61と流出口62の両穴の位置を圧力室ダイアフラム54により閉じる状態とできる位置に配置しても上記の効果を得ることができる。また、吸引動作は、圧力室ダイアフラム54の復元力による自由な動作のため、急激な負圧が発生することなく、流体内に溶け込んだ他の気体が気泡となるなどのキャビテーション現象は起こらないので、一層厳密な定量搬送が可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧力室ダイアフラムが屈曲動作を与えるアクチュエータに押されたときの圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパを備える定量搬送ポンプとしたため、アクチュエータに押されたときの圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を押込み時ストッパが決め、アクチュエータの駆動力変化にかかわらず、圧力室ダイアフラムの屈曲の限度を一定に保つことができ、ポンプの搬送量変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態としての定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオフの状態を示す。
【図2】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの動作原理を説明するための構成断面図で、アクチュエータへの電圧がオンの状態を示す。
【図3】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの圧力室ダイアフラムの動作説明図である。
【図5】図1と同じ実施の形態における定量搬送ポンプの駆動電圧と搬送量との関係図である。
【図6】従来の静電駆動型マイクロダイアフラムポンプの一例を示す説明断面図である。
【符号の説明】
50 定量搬送ポンプ、51 アクチュエータ、51a 圧電素子ダイアフラム、51b 圧電素子、52 駆動ピン、53 開放時ストッパ、53a 穴、54 圧力室ダイアフラム、55 圧力室スペーサ、56 ケース板、56a 穴、56b 穴、56c 押込み時ストッパ(ケース板上面)、57 バルブ膜、57a 流入口逆流阻止弁、57b 流出口逆流阻止弁、58 底ケース、58a 流入路、58b 流出路、60 ポンプ圧力室、61 流入口、62 流出口。
Claims (10)
- 流入口逆流阻止手段を備える流入口と流出口逆流阻止手段を備える流出口を有するポンプ圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムと、
前記圧力室ダイアフラムに屈曲動作を与えるアクチュエータと、
該アクチュエータに押されたときの前記圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める押込み時ストッパと、
を備えたことを特徴とする定量搬送ポンプ。 - 前記押込み時ストッパが、前記ポンプ圧力室の前記圧力室ダイアフラムに対向する壁であることを特徴とする請求項1に記載の定量搬送ポンプ。
- 前記アクチュエータから開放されたときの前記圧力室ダイアフラムの屈曲動作の限度を決める開放時ストッパを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の定量搬送ポンプ。
- 前記開放時ストッパが、前記アクチュエータ又は前記圧力室ダイアフラムに設けた前記圧力室ダイアフラム駆動のための駆動ピンを通す穴を有し、前記アクチュエータと前記圧力室ダイアフラムとの間に配設されることを特徴とする請求項3に記載の定量搬送ポンプ。
- 前記圧力室ダイアフラム駆動のための駆動ピンは、前記圧力室ダイアフラムが前記アクチュエータから開放されたときに、前記圧力室ダイアフラム又は前記アクチュエータから離間されていることを特徴とする請求項4に記載の定量搬送ポンプ。
- 前記押込み時ストッパの前記圧力室ダイアフラムと当接する部分に、前記流入口又は前記流出口の少なくとも一つを設けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定量搬送ポンプ。
- 前記アクチュエータが、圧電素子を有するダイアフラムを備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定量搬送ポンプ。
- 前記アクチュエータのダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室の一部を構成する前記圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向って伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成したことを特徴とする請求項1に記載の定量搬送ポンプ。 - 前記アクチュエータのダイアフラムと、
駆動ピンを通す穴を有する前記開放時ストッパと、
前記駆動ピンを設け前記ポンプ圧力室の一部を構成する前記圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向かって伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成したことを特徴とする請求項3に記載の定量搬送ポンプ。 - 前記ポンプ圧力室の一部を構成するダイアフラム駆動のための駆動ピンを設けた前記アクチュエータのダイアフラムと、
前記駆動ピンを通す穴を有する前記開放時ストッパと、
前記ポンプ圧力室の一部を構成する圧力室ダイアフラムと、
前記ポンプ圧力室上下スペースを構成する圧力室スペーサと、
前記流入口と前記流出口を有するケース板と、
前記流入口の弁と前記流出口の弁を設けた弁膜と、
前記流入口の弁位置から外方に向かって伸びる流入路と前記流出口の弁位置から外方に向かって伸びる流出路とを形成した底ケース板と、
を積層して構成したことを特徴とする請求項3に記載の定量搬送ポンプ。
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