JP2004304976A - 二次電池の充電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】セット内充電においてトリクル充電を行う場合、電池電圧が異常に低下した電池を正確な充電電流で誤動作なく充電できる二次電池の充電装置を提供する。
【解決手段】電池26の出力電圧から過放電状態であるか否かを検出し、過放電状態であればトリクル充電を行う。トリクル充電時には電池26から寄生ダイオード44を介してDC/DC2(符号32)の入力に至る径路を経由して電子回路14が充電電流を吸い込み、電池26が充電されないことが起こる。ダイオード42をDC/DC1(符号30)の出力とDC/DC2の入力の間に備え、DC/DC1からDC/DC2への電源供給路が開通し、電子回路14は径路Gにより電源供給される。径路Fを経由して充電電流が電子回路14に吸い込まれる現象が起こらず、電池26は正常に充電される。
【選択図】 図1
【解決手段】電池26の出力電圧から過放電状態であるか否かを検出し、過放電状態であればトリクル充電を行う。トリクル充電時には電池26から寄生ダイオード44を介してDC/DC2(符号32)の入力に至る径路を経由して電子回路14が充電電流を吸い込み、電池26が充電されないことが起こる。ダイオード42をDC/DC1(符号30)の出力とDC/DC2の入力の間に備え、DC/DC1からDC/DC2への電源供給路が開通し、電子回路14は径路Gにより電源供給される。径路Fを経由して充電電流が電子回路14に吸い込まれる現象が起こらず、電池26は正常に充電される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池の充電回路に係り、特に充電器を使用せず二次電池を電子機器に装着して充電を行うセット内充電に好適な二次電池の充電技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子機器の電源としてニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池が幅広く使用されている。高エネルギー密度を持つ二次電池は電池の正極と負極を短絡させると爆発等の危険があり、また電池電圧が所定の電圧以下に低下した(過放電状態)電池を充電する際にも、注意が必要である。過放電状態の電池を充電する場合には、電池電圧が所定の電圧に達するまでは微少電流で充電を行うトリクル充電を行うなど、二次電池は充電時の電池性能劣化防止や安全確保のために、電池電圧を監視して電池電圧が所定範囲内となるように充電や放電を制御している。また、特に高エネルギー密度を有する二次電池には、充電時の安全を確保するためのさまざまな保護機能が備えられている。
【0003】
図6に従来の充電装置10の例を示す。充電装置10はデジタルカメラ12の一部として構成されている。
【0004】
従来の充電装置10(以下従来装置と記載)には、ACアダプタ22を接続する電源入力端子24、電池26の充電放電制御を行う充電放電制御装置28、デジタルカメラ12のパワースイッチ26がオフであっても常時オンしているDC/DCコンバータ30(以下DC/DC1と記載)、セット内回路14に電源を供給するDC/DCコンバータ32(以下DC/DC2と記載)、電池26からDC/DC1への電源供給路にあり電池26からDC/DC1へ順方向接続されるダイオード34、電池26からDC/DC2の入力への電源供給路にあり、当該電源供給路の開閉を行うFET36、電源供給端子24からDC/DC2への電源供給路にあり、当該電源供給路の開閉を行うFET38およびFET40から構成されている。FET36およびFET38、FET40にはそれぞれ寄生ダイオード44、寄生ダイオード46、寄生ダイオード48が内蔵されている。
【0005】
充電時には、FET36、FET38およびFET40はオフとなり、電池26および電源入力端子24からDC/DC2への電源供給路が遮断される。また、セット内回路14へは電源が供給されず、セット内回路14は動作を停止する。一方、充電放電制御装置28は電池26に充電電流を供給し、電池26の充電が開始される。
【0006】
充電放電制御装置28は電池26の出力電圧(以下電池電圧と記載)に応じて充電方法を切り換える制御を行い、電池電圧が2.0V未満であればトリクル充電が行われ、2.0V以上であれば通常充電が行われる。
【0007】
トリクル充電時には、充電電流を1mAに制限し、電池電圧より僅かに高い充電電圧で充電を開始する。電池電圧が上昇するとともに充電電圧を上げ、電池電圧が2Vを超えるとトリクル充電から通常充電へ切り換えが行われる。
【0008】
通常充電では、充電電圧は4.1V、充電電流は400mAに設定され、電池26が満充電状態になるまで充電は継続される。
【0009】
しかしながら、充電時にはFET36がオフであるにも関わらずFET36に内蔵されている寄生ダイオード44が順バイアスとなり、図7に示す経路Hが開通する。経路Hは充電放電制御装置28からDC/DC2への電源供給路となり、DC/DC2へ電源供給が行われると、セット内回路14にも電源が供給され、セット内回路14は動作可能な状態になる。
【0010】
セット内回路14の動作保証範囲より低い電圧(2.0V未満)がDC/DC2に印加されると、セット内回路14は誤動作を起こすことがあり、セット内回路14の消費電流は増加する。
【0011】
充電放電制御装置28から出力される電圧は2.0V以下であり、充電放電制御回路28の出力電圧から寄生ダイオード44の電圧降下0.6Vを差し引いた電圧がDC/DC2の入力に印加される。トリクル充電時には、DC/DC2の入力に印加される電圧は1.4V以下になる。
【0012】
図7はDC/DC2の入力電圧とセット内回路14の消費電流を示したグラフである。図7によると、DC/DC2の入力電圧が1.4V以下であるときには、セット内回路の消費電流は約10mAである。トリクル充電時の充電電流は1mA程度なので、前期充電電流はセット内回路14に吸い込まれる現象(吸い込み電流)が起こる。結果として電池26には供給する充電電流がばらついたり、電池電圧が上昇しないことが発生する。
【0013】
なお、かかる課題に対して図8に示すように、寄生ダイオード44を通じて流れる吸い込み電流を阻止する方向となる寄生ダイオード52を内蔵したFET54をFET36と直列接続すると、当該吸い込み電流を阻止することができる。
【0014】
しかしながら、図8の構成では、電池26からDC/DC2へ電源供給を行う際に、電池電圧3.6VからFET36およびFET54の電圧降下1.2Vを差し引いた2.4VがDC/DC2の入力に印加される。DC/DC2の入力電圧が低下すると、セット内回路14が誤動作を起こしたり動作停止となることがある。電池26からDC/DC2に電源供給を行う場合には、電圧余裕が少ないため、図7に示すFET54を使用しない回路が好ましい。
【0015】
一方、通常充電時には、充電電圧4.1Vから寄生ダイオード44の電圧降下0.6Vを差し引いた3.5VがDC/DC2に印加され、吸い込み電流は数mA程度である。したがって、セット内回路14が充電電流を吸い込む現象が起きても、電池26には十分な充電電流が供給される。
【0016】
また、二次電池の充電技術に関しては特許文献1、2および3などがある。
【0017】
特許文献1に開示された二次電池の充電方法では、二次電池の電圧を検出して、検出した電圧値が設定値以下であるとパルス充電を行い、再度二次電池の電圧を検出し、検出した電圧値が適正電圧に上昇していれば通常充電を行う。
【0018】
特許文献2に開示された二次電池の充電回路では、二次電池には電池電圧が設定電圧以下になると放電を遮断する機能を備え、充電回路には電池電圧が設定電圧以下になると充電を禁止する機能を備え、充電回路は二次電池の電圧を監視して電池電圧に応じて充電電流を切り換える制御を行う。
【0019】
特許文献3に開示された充電装置は、二次電池の電池電圧を検出する電圧検出回路と、この電圧検出回路にて検出される二次電池の電池電圧に応じて充電電流を可変可能な充電制御回路とからなり、この充電制御回路は二次電池の電池電圧が深放電電圧以下であるときには所定期間トリクル充電を行い、トリクル充電後は電池電圧に応じて急速充電を行うか充電を中止するかを決定する。
【0020】
【特許文献1】
特開平7−298504号公報
【0021】
【特許文献2】
特開平9−121465号公報
【0022】
【特許文献3】
特開平11−262197号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のとおり、図6に示した従来装置では、セット内充電においてトリクル充電を行うと、電子機器内の電子回路(セット内回路)に動作保証範囲以下の電圧が印加されることがあり、セット内回路は誤動作を起こし、セット内回路に吸い込み電流が流れる。結果として二次電池に充電電流が十分に供給されず、充電電流がばらついたり電池電圧が上昇しないことが起こる。
【0024】
特許文献1に開示された発明では、二次電池の電圧が設定値以下であるとトリクル充電ではなくパルス充電を行うために、吸い込み電流は流れないがパルス充電を行う回路は回路規模が大きくなり、回路構成が複雑である。
【0025】
特許文献2および特許文献3の発明では、充電される電池の電圧を監視しながら充電電圧を切り換え、電池電圧が所定の電圧以下である場合には微少電流で充電を行うので、セット内充電を行う場合には、特別な保護機能を付加しない限り機器の電子回路誤動作を起こし、吸い込み電流が流れる現象が起こり得る。
【0026】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、セット内充電においてトリクル充電を行う場合、電池電圧が異常に低下した電池を正確な充電電流で誤動作なく充電できる、二次電池の充電装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係る二次電池の充電装置は、二次電池を使用する電子機器に組み込まれる充電装置であって、当該電子機器に装填された二次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、電源入力端子に接続される外部電源から供給される電力によって前記二次電池を充電する充電手段と、前記電圧検出手段の検出結果に応じて前記充電手段による前記二次電池の充電動作を制御する充電制御手段と、前記二次電池及び前記外部電源のうち少なくとも一方から供給される電源電圧を所定の電圧に変換する第1の電源回路と、前記二次電池から電源の供給を受け、当該電子機器内の電子回路の動作に必要な電圧に変換して前記電子回路に電源を供給する第2の電源回路と、前記二次電池から前記第2の電源回路への第1の電源供給路に設けられたスイッチ素子と、前記二次電池の充電時には前記二次電池から前記第2の電源回路への前記電源供給路を遮断し、前記二次電池の非充電時には前記二次電池から前記第2の電源回路への前記電源供給路を導通させるように前記スイッチ素子を制御するスイッチ制御手段と、少なくとも前記二次電池の充電時に前記第1の電源回路から前記第2の電源回路に電源を供給する第2の電源供給路と、を備えたことを特徴としている。
【0028】
本発明によれば、二次電池を充電する際に当該二次電池の電圧を検出し、検出結果によって、充電制御手段は第1の電源供給路と第2の電源供給路に設けられたスイッチ素子を制御して、第2の電源回路への電源供給路を第1の電源供給路から第2の電源供給路へ切り換える。したがって、第2の電源供給路を経由して第2の電源回路に電源供給が行われ、第2の電源回路から電源供給を受ける電子機器が有する電子回路には当該電子回路が正常動作できる電圧が印加される。
【0029】
二次電池にはリチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等があるが、本発明はリチウムイオン電池を使用する場合において特に効果的である。
【0030】
電子機器とは、電子カメラ、携帯電話、ノートパソコン、PDAなどを含む、二次電池を使用することができる機器である。
【0031】
第1の電源回路および第2の電源回路は、電子機器が有する任意の電源から電子回路が正常動作することができる電圧および電流を供給可能なDC/DCコンバータやAC/DCコンバータ、三端子レギュレータ等が含まれる。
【0032】
第1の電源回路は、当該電子機器の主電源オフ時にも動作し、主電源スイッチ操作の監視やカレンダー機能および時計機能用の電源としても使用される。
【0033】
本発明の一態様に係る二次電池の充電装置は、前記充電制御手段は、前記電圧検出手段の検出結果により前記二次電池の放電状態が過放電状態であるか否かを判定し、前記二次電池が過放電状態である場合にはトリクル充電を行う充電方法切換手段を備えたことを特徴としている。
【0034】
過放電状態とは二次電池の電圧が正常放電状態に比べて十分低くなる状態を表す。二次電池は出力電圧が所定の電圧を下回ると出力を遮断する安全装置を備えている。過放電状態では二次電池の出力は遮断されている。
【0035】
トリクル充電とは、過放電状態である二次電池を通常充電より十分低い充電電流で充電する充電方法である。トリクル充電を行うと、過放電状態の二次電池を安全に正常放電状態にすることができる。また、二次電池の自然放電を補う目的で行われることもある。
【0036】
本発明の他の態様に係る二次電池の充電装置は、前記第2の電源供給路は、ダイオードにより構成されることを特徴としている。
【0037】
さらに、本発明の他の態様に係る二次電池の充電装置は、前記第2の電源供給路は、スイッチを含むことを特徴としている。
【0038】
かかる態様によれば、第2の電源供給路はダイオード、スイッチあるいはダイオードとスイッチを直列接続した回路を使用することにより、制御が容易であり簡単な構成が実現できる。
【0039】
本発明の他の態様に係る二次電池の充電装置は、前記第1の電源供給路は、FETにより構成されることを特徴としている。
【0040】
かかる態様によれば、第1の電源供給路にFETを使用したので、第1の電源供給路は構成が単純で、電池接続手段による電圧降下が少なく電子回路用電源供給手段に二次電池の電圧を効率よく供給することが可能になる。
【0041】
FETには低損失であるMOSFETを用いることが好ましい。MOSFETには電流の流れる向きによりPチャネル型とNチャネル型があり、またゲート電圧とドレイン電流の関係によってディプレッション型とエンハンスメント型がある。当該第1の電源供給路には何れのFETを用いても、同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る二次電池の充電装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0043】
例示する電流値および電圧値等の数値は一例であり、適宜変更可能である。また、前記数値には個体差による変動および特性上の変動があるが本実施形態では前記変動分は表示しない。特に断らずに電圧値、電流値を記載した場合には直流電圧、直流電流を表す。
【0044】
図1は、本発明の実施形態に係る充電装置10の内部構成を示したブロック図である。図1中図6と共通する部分には同一符号を付す。
【0045】
図1には充電装置10の他に、デジタルカメラ12の有するセット内回路14、主電源であるパワースイッチ16とパワースイッチ部回路の一部である抵抗器18、AC100V等の商用電源20からACアダプター22を介してデジタルカメラ12に電源を供給する電源入力端子24が表示されている。
【0046】
充電装置10は、リチウムイオン二次電池(以下リチウムイオン電池と記載)である電池26を装着する電池ホルダー(不図示)、電池26の充電放電制御を行う充電放電制御装置28、デジタルカメラの電源オフ時にも動作し、パワースイッチ16の監視するDC/DC1、セット内回路14に電源を供給するDC/DC2から構成されている。
【0047】
DC/DC1およびDC/DC2には電圧降下が少ない低損失タイプを用いることが好ましい。さらに、入力電圧と同じ電圧を出力できるタイプもある。
【0048】
また、充電装置10は、電池26とDC/DC1の入力の間に順方向接続されるダイオード34、電池26とDC/DC2の入力の間に挿入され、電池26からDC/DC2の入力への回路の開閉を行うFET36、電源供給端子24からDC/DC2の入力の間に挿入され電池26とDC/DC2の入力の間の回路の開閉を行うFET38およびFET40、DC/DC1の出力からDC/DC2の入力の間に順方向接続されるダイオード42を備えている。
【0049】
FET36はMOSFETであり、ドレインとソースの間に寄生ダイオード44が内蔵されている。同様にFET38、FET40はMOSFETであり、それぞれ寄生ダイオード46、寄生ダイオード48が内蔵されている。
【0050】
充電放電制御装置28とDC/DC2はパワースイッチ16に接続され、パワースイッチ操作を検出する主電源検出機能が備えられている。
【0051】
図2は、電池26からデジタルカメラ11に電源を供給する電源供給径路を示している。図2の径路Aは電池26からDC/DC1への電源供給路である。
【0052】
図2中図1および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
電池26は4V系リチウムイオン二次電池であり、充電装置10の電池スロット(不図示)に装着され、標準的な出力電圧(正常時)は3.6Vである。電池26には、電池電圧が電圧下限値を下回ると、出力を遮断する機能を備えている。リチウムイオン電池では電圧下限値は2.0V程度に設定される。また、電池電圧が電圧上限値を上回ると、出力を下げるかもしくは出力を遮断する機能を備えている。電圧上限値は4.5V程度に設定される。
【0054】
電池26の正極は順方向接続されたダイオード34を介してDC/DC1の入力に接続され、電池26からDC/DC1へ電源供給が行われる。電池26の出力電圧(以下電池電圧と記載)3.6Vからダイオード34オン時の電圧降下0.6Vを差し引いた3.0VがDC/DC1の入力に印加される。
【0055】
また、パワースイッチ16のオンオフに関わらず、径路Aによる電池26からDC/DC1への電源供給は遮断されない。
【0056】
図2の径路Bは、電池26からDC/DC2への電源供給路である。
【0057】
電池26の正極はFET36を介してDC/DC2の入力に接続される。充電放電制御装置28によりFET36がオンされると、電池26からDC/DC2への電源供給が行われる。電池電圧3.6VからFET36オン時の電圧降下0.6Vを差し引いた3.0VがDC/DC2の入力に印加される。
【0058】
FET36はPチャネル型MOSFETであり、ドレインは電池26に接続され、ソースはDC/DC2の入力に接続され、ゲートは充電放電制御装置28に接続される。また、寄生ダイオード44は電池26の正極からDC/DC2の入力へ順方向となる。
【0059】
FET36オン時の損失(電圧降下)は、ゲート電圧やドレイン電流等の制御方法や、FETの構造により異なる。FET36での電圧降下が大きいとDC/DC2やセット内回路14は必要な電源電圧を得られないことがあり、セット内回路14の動作に影響を与えることがある。FET36にはできる限り低損失の制御方法、デバイスを選択することが望ましい。
【0060】
図3は、ACアダプター22を電源入力端子24に接続し、商用電源20からデジタルカメラ11に電源を供給する電源供給径路を示している。
【0061】
図3中図1、図2および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0062】
図3の径路Cは、電源入力端子24からDC/DC1への電源供給路である。電源入力端子24はダイオード40を介してDC/DC1の入力に接続される。ダイオード40は電源供給端子24からDC/DC1へ順方向接続される。
【0063】
ACアダプター22により、商用電源20から印加されるAC100VはDC5.0Vに変換される。ACアダプター22を電源入力端子24に接続すると、5Vからダイオード40の電圧降下0.6Vを差し引いた4.4VがDC/DC1の入力に印加される。
【0064】
また、パワースイッチ16のオンオフに関わらず、径路Cによる電源入力端子24からDC/DC1への電源供給は遮断されない。
【0065】
ダイオード34とダイオード40はDC/DC1への2系統の電源供給路の切換回路を形成している。
【0066】
図3の径路CによりDC/DC1の入力に印加される電圧が4.4V、図2の径路AによりDC/DC1の入力に印加される電圧が3.0Vである場合、ダイオード34は逆バイアスとなり径路Aは遮断される。電池26からDC/DC1への電源供給は停止される。
【0067】
一方、図3の径路CによるDC/DC1への電源供給がないときは、ダイオード34は順バイアスとなり、図2の径路Aによる電池26からDC/DC1へ電源供給が行われる。
【0068】
図3の径路Dは、電源入力端子24からDC/DC2への電源供給路である。
【0069】
ACアダプター22が電源入力端子24に接続されると、充電放電制御装置28によりFET38およびFET40はオンされ、商用電源20からACアダプター22を介してDC/DC2へ電源供給が行われる。一方、充電放電制御装置28によりFET36はオフされ、電池26からDC/DC2への電源供給路Bは遮断される。
【0070】
DC/DC2の入力には、5.0VからFET38の電圧降下0.6VおよびFET40の電圧降下0.6Vを差し引いた3.8Vが印加される。
【0071】
FET38およびFET40はPチャネルMOSFETである。FET38のドレインは電源入力端子に接続され、FET38のソースはFET40のソースに接続される。FET40のドレインはDC/DC2の入力に接続され、FET38のゲートおよびFET40のゲートは充電放電制御装置28に接続される。
【0072】
また、FET38のソースとドレインの間には寄生ダイオード46が内蔵され、FET40のドレインとソースの間には寄生ダイオード48が内蔵されている。寄生ダイオード46は電源入力端子24からFET40へ順方向であり、寄生ダイオード40はFET38からDC/DC2へ逆方向となる。
【0073】
また、径路DではFET38とFET40は直列接続され、FET38オフ時に発生する寄生ダイオード46経由のバイパス電流を寄生ダイオード48で阻止している。
【0074】
径路Dでは2つのFETが直列接続されるため、径路Dにおける電圧降下が大きくなる。したがってFET38およびFET40は低損失であるもの(電圧降下が小さいもの)を使用することが好ましい。
【0075】
図4は、電池26の充電時における充電電流径路および電源供給径路を示している。
【0076】
図4中図1乃至図3および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0077】
充電放電制御装置28は電池電圧を監視し、所定の電圧を下回ると、電池26の出力を遮断させ電池26の充電を開始する。所定の電圧は電池26が過放電状態にならないように設定されることが好ましい。
【0078】
充電時にはACアダプタ22が電源入力端子24に接続され、商用電源20からACアダプタ22を介して充電装置10に充電電流が供給される。また、充電時にはデジタルカメラ12の有する電子回路は動作を停止する。
【0079】
充電が開始されると、充電放電制御装置28はFET36、FET38およびFET40をオフし、図2に示した径路Bおよび図3に示した径路Dを遮断する。また、図3の径路Cは遮断されず、電源入力端子24からDC/DC1に電源供給が行われる。
【0080】
充電放電制御装置28は電池電圧から、電池26が正常放電状態であるか過放電状態であるかを判別する。電池電圧が2.0V以上であれば通常充電が行われ、2.0V未満であれば電池26は過放電状態であると判断されトリクル充電が行われる。
【0081】
本実施形態では、電池26の充電に定電圧定電流充電を用いる。本実施形態では定電圧定電流充電を例示するが、リチウムイオン電池の充電方法は定電圧定電流充電に限定されない。
【0082】
前記定電圧定電流充電は4.1V程度の一定電圧に充電電圧を設定して、電池電圧が設定電圧に達するまでは一定電流値で充電する充電方法である。
【0083】
図4の径路Eは、電源入力端子24から充電放電制御装置28を介して電池26に充電電流が流れる電流径路を示している。
【0084】
通常充電では、充電放電制御装置28は電池電圧が3.3Vに達するまで充電電流400mAで充電し、電池電圧が3.3Vを超えると充電電流を徐々に減少させ、電池電圧が設定電圧に達するまで充電を継続する。
【0085】
また、トリクル充電では、充電放電制御回路28は充電電流を1mAに制限して充電を開始し、電池電圧が上昇するとともに充電電圧を徐々に上げてゆく。充電放電制御装置28は電池電圧が2.0Vを超えると通常充電に切り換え、電池26が満充電になるまで充電を継続する。
【0086】
リチウムイオン電池では、過放電状態の電池を通常充電すると、電池の性能劣化や電池破損の可能性があり、過放電状態の電池を安全に充電する方法としてトリクル充電が用いられている。
【0087】
上記に示した充電時の電圧値、電流値は一般的な値であり、安全性や効率を考慮することが好ましい。
【0088】
図4の径路Fは、充電放電制御装置28から寄生ダイオード44を経由してDC/DC2の入力に至るバイパス径路を示している。充電時にはFET36がオフになるにも関わらず、寄生ダイオード44が順バイアスされオンとなり前記径路Fが開通する。
【0089】
図7は、DC/DC2の入力への印加電圧と、セット内回路14の消費電流の関係を示したグラフである。
【0090】
DC/DC2は入力に電圧が印加されると、DC/DC2内部での電圧降下を差し引いた電圧を出力する。だたし、DC/DCコンバータには自身の電圧降下がないタイプがあり、本実施形態ではDC/DC2には自身の電圧降下がないタイプを使用している。
【0091】
図7によると、DC/DC2の入力電圧がおおよそ1V以下である場合には、セット内回路14は動作をせず、消費電流は0から数mA程度である。
【0092】
DC/DC2の入力電圧が1Vを超え1.8V以下の範囲では、DC/DC2の入力電圧がセット内回路14の動作保証電圧範囲を下回るためにセット内回路14が誤動作を起こすことがある。セット内回路14が誤動作を起こすと消費電流が大きくなり、その値は10mA程度になる。
【0093】
DC/DC2の入力電圧が1.8Vを超えると、セット内回路14には動作保証範囲内の電圧が印加され、セット内回路14は正常に動作する。充電時にはセット内回路14はスタンバイモードであり、セット内回路14が正常動作しているときには消費電流は数mA程度である。
【0094】
図7における電流値および電圧値は素子による誤差、環境による変動が大きく、例示した電流値および電圧値はあくまでも一例である。
【0095】
通常充電時には、充電放電制御装置28の出力電圧は4.1Vであり、寄生ダイオード44の電圧降下0.6Vを差し引いた3.5VがDC/DC2の入力に印加される。図5のグラフによると、通常充電時には径路Fによる消費電流は数mA程度である。前記消費電流は充電電流に比べ十分に小さく電池26の充電には影響を与えない。
【0096】
一方、トリクル充電時にはダイオード42は順バイアスされオンし、図4の径路Gに示す、DC/DC1からダイオード42を介してDC/DC2の入力に電源を供給する。一方、寄生ダイオード44は逆バイアスとなり、径路Fが遮断されるようにDC/DC1の出力電圧が決められている。
【0097】
上記の如く構成された充電装置10では、電池電圧から過放電状態であるか否かを検出し、過放電状態でなければ通常充電を行い、過放電状態であればトリクル充電と通常充電を併用した充電を行う。トリクル充電時には、電池26の正極からFET36の寄生ダイオード44を介してDC/DC2の入力に至る径路Fを経由して吸い込み電流(セット内回路14の消費電流)が流れ、充電電流がばらついたり電池26の電池電圧が上昇しないことを避けるために、ダイオード42をDC/DC1の出力とDC/DC2の入力の間に備え、ダイオード42を介してDC/DC1からDC/DC2への電源供給路である径路Gを開通させ、径路Fを遮断する。したがって、セット内回路14は径路Gにより電源供給され、径路Fを経由して吸い込み電流が流れず電池26は正常に充電される。
【0098】
DC/DCコンバータには入力電圧が所定の電圧範囲内であるときには出力を出し、入力電圧が所定の電圧範囲外であるときには出力を出さない電圧監視機能を備えたものがある。前記電圧監視機能を備えたDC/DCコンバータを用いて、当該吸い込み電流を防止する方法が考えられる。しかしながら前記電圧監視機能を備えたDC/DCコンバータを用いるとコストアップになり、回路規模や外形が大きくなることに伴う設計変更が必要になる場合がある。
【0099】
図5を用いて上記実施形態の応用例を説明する。
【0100】
図5中図1乃至図4および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0101】
図5は充電装置10の内部構成を示すブロック図である。図1に示した充電装置10のDC/DC1とダイオード42の間にスイッチ50が挿入されている。スイッチ50は充電放電制御装置28により制御される。
【0102】
電池26からDC/DC2に電源供給が行われる場合やACアダプタ22を介して商用電源20からDC/DC2に電源供給が行われる場合および通常充電時には、充電放電制御装置28によりスイッチ50はオフされ、図4の径路Gは遮断される。
【0103】
一方、トリクル充電時には充電放電制御装置28はスイッチ50をオンし、径路Gが開通する。
【0104】
上記の如く構成された充電装置10では、電池26からDC/DC2に電源供給が行われる場合やACアダプタ22を介して商用電源20からDC/DC2に電源供給が行われる場合および通常充電時には、ダイオード42は逆バイアスされオフになるが、ダイオードは逆バイアス時にも漏れ電流を発生することがある。前記漏れ電流は温度や湿度といった環境条件に依存し、前記漏れ電流がDC/DC1およびDC/DC2の誤動作や故障の原因となることがある。さらにダイオード42のカソードにサージ電圧等の異常電圧が発生するとダイオード42は故障に至ることがある。したがって、図4に示す径路Gにスイッチ50を付加し図5のとおり構成すると、充電放電制御装置28によりスイッチ50を制御すると、ダイオード42が逆バイアス時に発生する漏れ電流をスイッチ50により遮断することができる。また、スイッチ50がオフであればダイオード42のカソードはオープンであり、ダイオード42のアノードにサージ電圧等の異常電圧が発生した場合にもダイオード42は逆方向電圧を受けない。
【0105】
本応用例では、ダイオード42のカソード側にスイッチ50を挿入したが、ダイオード42のアノード側にスイッチを挿入してもよい。さらに、ダイオード42の代わりにスイッチ50を搭載してもよい。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、二次電池を電子機器に装着して充電するセット内充電において、過放電状態の二次電池を安全に充電するトリクル充電が行われ、トリクル充電時は電子機器内の電子回路に動作保証範囲内の電源供給を行う電源供給路を備えたので、前記電子機器内の電子回路が誤動作して充電電流を吸い込む現象が起こらず、電池電圧が異常に低下した二次電池は、正確な充電電流で誤動作なく充電される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る充電装置のブロック図
【図2】二次電池によりデジタルカメラに電源を供給する電源供給路を示す図
【図3】商用電源からデジタルカメラに電源を供給する電源供給路を示す図
【図4】二次電池の充電時における充電電流供給路および電源供給路を示す図
【図5】本発明の実施形態の応用例に係る充電装置のブロック図
【図6】従来の充電装置ブロック図
【図7】DC/DCコンバータの入力電圧と電子回路の消費電流の関係を示すグラフ
【図8】従来の充電装置の改善例のブロック図
【符号の説明】
10…充電装置、14…セット内回路、28…充電放電制御装置、30,32…DC/DCコンバータ、36,38,40…FET、42…ダイオード、50…スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池の充電回路に係り、特に充電器を使用せず二次電池を電子機器に装着して充電を行うセット内充電に好適な二次電池の充電技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子機器の電源としてニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の充電可能な二次電池が幅広く使用されている。高エネルギー密度を持つ二次電池は電池の正極と負極を短絡させると爆発等の危険があり、また電池電圧が所定の電圧以下に低下した(過放電状態)電池を充電する際にも、注意が必要である。過放電状態の電池を充電する場合には、電池電圧が所定の電圧に達するまでは微少電流で充電を行うトリクル充電を行うなど、二次電池は充電時の電池性能劣化防止や安全確保のために、電池電圧を監視して電池電圧が所定範囲内となるように充電や放電を制御している。また、特に高エネルギー密度を有する二次電池には、充電時の安全を確保するためのさまざまな保護機能が備えられている。
【0003】
図6に従来の充電装置10の例を示す。充電装置10はデジタルカメラ12の一部として構成されている。
【0004】
従来の充電装置10(以下従来装置と記載)には、ACアダプタ22を接続する電源入力端子24、電池26の充電放電制御を行う充電放電制御装置28、デジタルカメラ12のパワースイッチ26がオフであっても常時オンしているDC/DCコンバータ30(以下DC/DC1と記載)、セット内回路14に電源を供給するDC/DCコンバータ32(以下DC/DC2と記載)、電池26からDC/DC1への電源供給路にあり電池26からDC/DC1へ順方向接続されるダイオード34、電池26からDC/DC2の入力への電源供給路にあり、当該電源供給路の開閉を行うFET36、電源供給端子24からDC/DC2への電源供給路にあり、当該電源供給路の開閉を行うFET38およびFET40から構成されている。FET36およびFET38、FET40にはそれぞれ寄生ダイオード44、寄生ダイオード46、寄生ダイオード48が内蔵されている。
【0005】
充電時には、FET36、FET38およびFET40はオフとなり、電池26および電源入力端子24からDC/DC2への電源供給路が遮断される。また、セット内回路14へは電源が供給されず、セット内回路14は動作を停止する。一方、充電放電制御装置28は電池26に充電電流を供給し、電池26の充電が開始される。
【0006】
充電放電制御装置28は電池26の出力電圧(以下電池電圧と記載)に応じて充電方法を切り換える制御を行い、電池電圧が2.0V未満であればトリクル充電が行われ、2.0V以上であれば通常充電が行われる。
【0007】
トリクル充電時には、充電電流を1mAに制限し、電池電圧より僅かに高い充電電圧で充電を開始する。電池電圧が上昇するとともに充電電圧を上げ、電池電圧が2Vを超えるとトリクル充電から通常充電へ切り換えが行われる。
【0008】
通常充電では、充電電圧は4.1V、充電電流は400mAに設定され、電池26が満充電状態になるまで充電は継続される。
【0009】
しかしながら、充電時にはFET36がオフであるにも関わらずFET36に内蔵されている寄生ダイオード44が順バイアスとなり、図7に示す経路Hが開通する。経路Hは充電放電制御装置28からDC/DC2への電源供給路となり、DC/DC2へ電源供給が行われると、セット内回路14にも電源が供給され、セット内回路14は動作可能な状態になる。
【0010】
セット内回路14の動作保証範囲より低い電圧(2.0V未満)がDC/DC2に印加されると、セット内回路14は誤動作を起こすことがあり、セット内回路14の消費電流は増加する。
【0011】
充電放電制御装置28から出力される電圧は2.0V以下であり、充電放電制御回路28の出力電圧から寄生ダイオード44の電圧降下0.6Vを差し引いた電圧がDC/DC2の入力に印加される。トリクル充電時には、DC/DC2の入力に印加される電圧は1.4V以下になる。
【0012】
図7はDC/DC2の入力電圧とセット内回路14の消費電流を示したグラフである。図7によると、DC/DC2の入力電圧が1.4V以下であるときには、セット内回路の消費電流は約10mAである。トリクル充電時の充電電流は1mA程度なので、前期充電電流はセット内回路14に吸い込まれる現象(吸い込み電流)が起こる。結果として電池26には供給する充電電流がばらついたり、電池電圧が上昇しないことが発生する。
【0013】
なお、かかる課題に対して図8に示すように、寄生ダイオード44を通じて流れる吸い込み電流を阻止する方向となる寄生ダイオード52を内蔵したFET54をFET36と直列接続すると、当該吸い込み電流を阻止することができる。
【0014】
しかしながら、図8の構成では、電池26からDC/DC2へ電源供給を行う際に、電池電圧3.6VからFET36およびFET54の電圧降下1.2Vを差し引いた2.4VがDC/DC2の入力に印加される。DC/DC2の入力電圧が低下すると、セット内回路14が誤動作を起こしたり動作停止となることがある。電池26からDC/DC2に電源供給を行う場合には、電圧余裕が少ないため、図7に示すFET54を使用しない回路が好ましい。
【0015】
一方、通常充電時には、充電電圧4.1Vから寄生ダイオード44の電圧降下0.6Vを差し引いた3.5VがDC/DC2に印加され、吸い込み電流は数mA程度である。したがって、セット内回路14が充電電流を吸い込む現象が起きても、電池26には十分な充電電流が供給される。
【0016】
また、二次電池の充電技術に関しては特許文献1、2および3などがある。
【0017】
特許文献1に開示された二次電池の充電方法では、二次電池の電圧を検出して、検出した電圧値が設定値以下であるとパルス充電を行い、再度二次電池の電圧を検出し、検出した電圧値が適正電圧に上昇していれば通常充電を行う。
【0018】
特許文献2に開示された二次電池の充電回路では、二次電池には電池電圧が設定電圧以下になると放電を遮断する機能を備え、充電回路には電池電圧が設定電圧以下になると充電を禁止する機能を備え、充電回路は二次電池の電圧を監視して電池電圧に応じて充電電流を切り換える制御を行う。
【0019】
特許文献3に開示された充電装置は、二次電池の電池電圧を検出する電圧検出回路と、この電圧検出回路にて検出される二次電池の電池電圧に応じて充電電流を可変可能な充電制御回路とからなり、この充電制御回路は二次電池の電池電圧が深放電電圧以下であるときには所定期間トリクル充電を行い、トリクル充電後は電池電圧に応じて急速充電を行うか充電を中止するかを決定する。
【0020】
【特許文献1】
特開平7−298504号公報
【0021】
【特許文献2】
特開平9−121465号公報
【0022】
【特許文献3】
特開平11−262197号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のとおり、図6に示した従来装置では、セット内充電においてトリクル充電を行うと、電子機器内の電子回路(セット内回路)に動作保証範囲以下の電圧が印加されることがあり、セット内回路は誤動作を起こし、セット内回路に吸い込み電流が流れる。結果として二次電池に充電電流が十分に供給されず、充電電流がばらついたり電池電圧が上昇しないことが起こる。
【0024】
特許文献1に開示された発明では、二次電池の電圧が設定値以下であるとトリクル充電ではなくパルス充電を行うために、吸い込み電流は流れないがパルス充電を行う回路は回路規模が大きくなり、回路構成が複雑である。
【0025】
特許文献2および特許文献3の発明では、充電される電池の電圧を監視しながら充電電圧を切り換え、電池電圧が所定の電圧以下である場合には微少電流で充電を行うので、セット内充電を行う場合には、特別な保護機能を付加しない限り機器の電子回路誤動作を起こし、吸い込み電流が流れる現象が起こり得る。
【0026】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、セット内充電においてトリクル充電を行う場合、電池電圧が異常に低下した電池を正確な充電電流で誤動作なく充電できる、二次電池の充電装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係る二次電池の充電装置は、二次電池を使用する電子機器に組み込まれる充電装置であって、当該電子機器に装填された二次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、電源入力端子に接続される外部電源から供給される電力によって前記二次電池を充電する充電手段と、前記電圧検出手段の検出結果に応じて前記充電手段による前記二次電池の充電動作を制御する充電制御手段と、前記二次電池及び前記外部電源のうち少なくとも一方から供給される電源電圧を所定の電圧に変換する第1の電源回路と、前記二次電池から電源の供給を受け、当該電子機器内の電子回路の動作に必要な電圧に変換して前記電子回路に電源を供給する第2の電源回路と、前記二次電池から前記第2の電源回路への第1の電源供給路に設けられたスイッチ素子と、前記二次電池の充電時には前記二次電池から前記第2の電源回路への前記電源供給路を遮断し、前記二次電池の非充電時には前記二次電池から前記第2の電源回路への前記電源供給路を導通させるように前記スイッチ素子を制御するスイッチ制御手段と、少なくとも前記二次電池の充電時に前記第1の電源回路から前記第2の電源回路に電源を供給する第2の電源供給路と、を備えたことを特徴としている。
【0028】
本発明によれば、二次電池を充電する際に当該二次電池の電圧を検出し、検出結果によって、充電制御手段は第1の電源供給路と第2の電源供給路に設けられたスイッチ素子を制御して、第2の電源回路への電源供給路を第1の電源供給路から第2の電源供給路へ切り換える。したがって、第2の電源供給路を経由して第2の電源回路に電源供給が行われ、第2の電源回路から電源供給を受ける電子機器が有する電子回路には当該電子回路が正常動作できる電圧が印加される。
【0029】
二次電池にはリチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等があるが、本発明はリチウムイオン電池を使用する場合において特に効果的である。
【0030】
電子機器とは、電子カメラ、携帯電話、ノートパソコン、PDAなどを含む、二次電池を使用することができる機器である。
【0031】
第1の電源回路および第2の電源回路は、電子機器が有する任意の電源から電子回路が正常動作することができる電圧および電流を供給可能なDC/DCコンバータやAC/DCコンバータ、三端子レギュレータ等が含まれる。
【0032】
第1の電源回路は、当該電子機器の主電源オフ時にも動作し、主電源スイッチ操作の監視やカレンダー機能および時計機能用の電源としても使用される。
【0033】
本発明の一態様に係る二次電池の充電装置は、前記充電制御手段は、前記電圧検出手段の検出結果により前記二次電池の放電状態が過放電状態であるか否かを判定し、前記二次電池が過放電状態である場合にはトリクル充電を行う充電方法切換手段を備えたことを特徴としている。
【0034】
過放電状態とは二次電池の電圧が正常放電状態に比べて十分低くなる状態を表す。二次電池は出力電圧が所定の電圧を下回ると出力を遮断する安全装置を備えている。過放電状態では二次電池の出力は遮断されている。
【0035】
トリクル充電とは、過放電状態である二次電池を通常充電より十分低い充電電流で充電する充電方法である。トリクル充電を行うと、過放電状態の二次電池を安全に正常放電状態にすることができる。また、二次電池の自然放電を補う目的で行われることもある。
【0036】
本発明の他の態様に係る二次電池の充電装置は、前記第2の電源供給路は、ダイオードにより構成されることを特徴としている。
【0037】
さらに、本発明の他の態様に係る二次電池の充電装置は、前記第2の電源供給路は、スイッチを含むことを特徴としている。
【0038】
かかる態様によれば、第2の電源供給路はダイオード、スイッチあるいはダイオードとスイッチを直列接続した回路を使用することにより、制御が容易であり簡単な構成が実現できる。
【0039】
本発明の他の態様に係る二次電池の充電装置は、前記第1の電源供給路は、FETにより構成されることを特徴としている。
【0040】
かかる態様によれば、第1の電源供給路にFETを使用したので、第1の電源供給路は構成が単純で、電池接続手段による電圧降下が少なく電子回路用電源供給手段に二次電池の電圧を効率よく供給することが可能になる。
【0041】
FETには低損失であるMOSFETを用いることが好ましい。MOSFETには電流の流れる向きによりPチャネル型とNチャネル型があり、またゲート電圧とドレイン電流の関係によってディプレッション型とエンハンスメント型がある。当該第1の電源供給路には何れのFETを用いても、同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る二次電池の充電装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0043】
例示する電流値および電圧値等の数値は一例であり、適宜変更可能である。また、前記数値には個体差による変動および特性上の変動があるが本実施形態では前記変動分は表示しない。特に断らずに電圧値、電流値を記載した場合には直流電圧、直流電流を表す。
【0044】
図1は、本発明の実施形態に係る充電装置10の内部構成を示したブロック図である。図1中図6と共通する部分には同一符号を付す。
【0045】
図1には充電装置10の他に、デジタルカメラ12の有するセット内回路14、主電源であるパワースイッチ16とパワースイッチ部回路の一部である抵抗器18、AC100V等の商用電源20からACアダプター22を介してデジタルカメラ12に電源を供給する電源入力端子24が表示されている。
【0046】
充電装置10は、リチウムイオン二次電池(以下リチウムイオン電池と記載)である電池26を装着する電池ホルダー(不図示)、電池26の充電放電制御を行う充電放電制御装置28、デジタルカメラの電源オフ時にも動作し、パワースイッチ16の監視するDC/DC1、セット内回路14に電源を供給するDC/DC2から構成されている。
【0047】
DC/DC1およびDC/DC2には電圧降下が少ない低損失タイプを用いることが好ましい。さらに、入力電圧と同じ電圧を出力できるタイプもある。
【0048】
また、充電装置10は、電池26とDC/DC1の入力の間に順方向接続されるダイオード34、電池26とDC/DC2の入力の間に挿入され、電池26からDC/DC2の入力への回路の開閉を行うFET36、電源供給端子24からDC/DC2の入力の間に挿入され電池26とDC/DC2の入力の間の回路の開閉を行うFET38およびFET40、DC/DC1の出力からDC/DC2の入力の間に順方向接続されるダイオード42を備えている。
【0049】
FET36はMOSFETであり、ドレインとソースの間に寄生ダイオード44が内蔵されている。同様にFET38、FET40はMOSFETであり、それぞれ寄生ダイオード46、寄生ダイオード48が内蔵されている。
【0050】
充電放電制御装置28とDC/DC2はパワースイッチ16に接続され、パワースイッチ操作を検出する主電源検出機能が備えられている。
【0051】
図2は、電池26からデジタルカメラ11に電源を供給する電源供給径路を示している。図2の径路Aは電池26からDC/DC1への電源供給路である。
【0052】
図2中図1および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
電池26は4V系リチウムイオン二次電池であり、充電装置10の電池スロット(不図示)に装着され、標準的な出力電圧(正常時)は3.6Vである。電池26には、電池電圧が電圧下限値を下回ると、出力を遮断する機能を備えている。リチウムイオン電池では電圧下限値は2.0V程度に設定される。また、電池電圧が電圧上限値を上回ると、出力を下げるかもしくは出力を遮断する機能を備えている。電圧上限値は4.5V程度に設定される。
【0054】
電池26の正極は順方向接続されたダイオード34を介してDC/DC1の入力に接続され、電池26からDC/DC1へ電源供給が行われる。電池26の出力電圧(以下電池電圧と記載)3.6Vからダイオード34オン時の電圧降下0.6Vを差し引いた3.0VがDC/DC1の入力に印加される。
【0055】
また、パワースイッチ16のオンオフに関わらず、径路Aによる電池26からDC/DC1への電源供給は遮断されない。
【0056】
図2の径路Bは、電池26からDC/DC2への電源供給路である。
【0057】
電池26の正極はFET36を介してDC/DC2の入力に接続される。充電放電制御装置28によりFET36がオンされると、電池26からDC/DC2への電源供給が行われる。電池電圧3.6VからFET36オン時の電圧降下0.6Vを差し引いた3.0VがDC/DC2の入力に印加される。
【0058】
FET36はPチャネル型MOSFETであり、ドレインは電池26に接続され、ソースはDC/DC2の入力に接続され、ゲートは充電放電制御装置28に接続される。また、寄生ダイオード44は電池26の正極からDC/DC2の入力へ順方向となる。
【0059】
FET36オン時の損失(電圧降下)は、ゲート電圧やドレイン電流等の制御方法や、FETの構造により異なる。FET36での電圧降下が大きいとDC/DC2やセット内回路14は必要な電源電圧を得られないことがあり、セット内回路14の動作に影響を与えることがある。FET36にはできる限り低損失の制御方法、デバイスを選択することが望ましい。
【0060】
図3は、ACアダプター22を電源入力端子24に接続し、商用電源20からデジタルカメラ11に電源を供給する電源供給径路を示している。
【0061】
図3中図1、図2および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0062】
図3の径路Cは、電源入力端子24からDC/DC1への電源供給路である。電源入力端子24はダイオード40を介してDC/DC1の入力に接続される。ダイオード40は電源供給端子24からDC/DC1へ順方向接続される。
【0063】
ACアダプター22により、商用電源20から印加されるAC100VはDC5.0Vに変換される。ACアダプター22を電源入力端子24に接続すると、5Vからダイオード40の電圧降下0.6Vを差し引いた4.4VがDC/DC1の入力に印加される。
【0064】
また、パワースイッチ16のオンオフに関わらず、径路Cによる電源入力端子24からDC/DC1への電源供給は遮断されない。
【0065】
ダイオード34とダイオード40はDC/DC1への2系統の電源供給路の切換回路を形成している。
【0066】
図3の径路CによりDC/DC1の入力に印加される電圧が4.4V、図2の径路AによりDC/DC1の入力に印加される電圧が3.0Vである場合、ダイオード34は逆バイアスとなり径路Aは遮断される。電池26からDC/DC1への電源供給は停止される。
【0067】
一方、図3の径路CによるDC/DC1への電源供給がないときは、ダイオード34は順バイアスとなり、図2の径路Aによる電池26からDC/DC1へ電源供給が行われる。
【0068】
図3の径路Dは、電源入力端子24からDC/DC2への電源供給路である。
【0069】
ACアダプター22が電源入力端子24に接続されると、充電放電制御装置28によりFET38およびFET40はオンされ、商用電源20からACアダプター22を介してDC/DC2へ電源供給が行われる。一方、充電放電制御装置28によりFET36はオフされ、電池26からDC/DC2への電源供給路Bは遮断される。
【0070】
DC/DC2の入力には、5.0VからFET38の電圧降下0.6VおよびFET40の電圧降下0.6Vを差し引いた3.8Vが印加される。
【0071】
FET38およびFET40はPチャネルMOSFETである。FET38のドレインは電源入力端子に接続され、FET38のソースはFET40のソースに接続される。FET40のドレインはDC/DC2の入力に接続され、FET38のゲートおよびFET40のゲートは充電放電制御装置28に接続される。
【0072】
また、FET38のソースとドレインの間には寄生ダイオード46が内蔵され、FET40のドレインとソースの間には寄生ダイオード48が内蔵されている。寄生ダイオード46は電源入力端子24からFET40へ順方向であり、寄生ダイオード40はFET38からDC/DC2へ逆方向となる。
【0073】
また、径路DではFET38とFET40は直列接続され、FET38オフ時に発生する寄生ダイオード46経由のバイパス電流を寄生ダイオード48で阻止している。
【0074】
径路Dでは2つのFETが直列接続されるため、径路Dにおける電圧降下が大きくなる。したがってFET38およびFET40は低損失であるもの(電圧降下が小さいもの)を使用することが好ましい。
【0075】
図4は、電池26の充電時における充電電流径路および電源供給径路を示している。
【0076】
図4中図1乃至図3および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0077】
充電放電制御装置28は電池電圧を監視し、所定の電圧を下回ると、電池26の出力を遮断させ電池26の充電を開始する。所定の電圧は電池26が過放電状態にならないように設定されることが好ましい。
【0078】
充電時にはACアダプタ22が電源入力端子24に接続され、商用電源20からACアダプタ22を介して充電装置10に充電電流が供給される。また、充電時にはデジタルカメラ12の有する電子回路は動作を停止する。
【0079】
充電が開始されると、充電放電制御装置28はFET36、FET38およびFET40をオフし、図2に示した径路Bおよび図3に示した径路Dを遮断する。また、図3の径路Cは遮断されず、電源入力端子24からDC/DC1に電源供給が行われる。
【0080】
充電放電制御装置28は電池電圧から、電池26が正常放電状態であるか過放電状態であるかを判別する。電池電圧が2.0V以上であれば通常充電が行われ、2.0V未満であれば電池26は過放電状態であると判断されトリクル充電が行われる。
【0081】
本実施形態では、電池26の充電に定電圧定電流充電を用いる。本実施形態では定電圧定電流充電を例示するが、リチウムイオン電池の充電方法は定電圧定電流充電に限定されない。
【0082】
前記定電圧定電流充電は4.1V程度の一定電圧に充電電圧を設定して、電池電圧が設定電圧に達するまでは一定電流値で充電する充電方法である。
【0083】
図4の径路Eは、電源入力端子24から充電放電制御装置28を介して電池26に充電電流が流れる電流径路を示している。
【0084】
通常充電では、充電放電制御装置28は電池電圧が3.3Vに達するまで充電電流400mAで充電し、電池電圧が3.3Vを超えると充電電流を徐々に減少させ、電池電圧が設定電圧に達するまで充電を継続する。
【0085】
また、トリクル充電では、充電放電制御回路28は充電電流を1mAに制限して充電を開始し、電池電圧が上昇するとともに充電電圧を徐々に上げてゆく。充電放電制御装置28は電池電圧が2.0Vを超えると通常充電に切り換え、電池26が満充電になるまで充電を継続する。
【0086】
リチウムイオン電池では、過放電状態の電池を通常充電すると、電池の性能劣化や電池破損の可能性があり、過放電状態の電池を安全に充電する方法としてトリクル充電が用いられている。
【0087】
上記に示した充電時の電圧値、電流値は一般的な値であり、安全性や効率を考慮することが好ましい。
【0088】
図4の径路Fは、充電放電制御装置28から寄生ダイオード44を経由してDC/DC2の入力に至るバイパス径路を示している。充電時にはFET36がオフになるにも関わらず、寄生ダイオード44が順バイアスされオンとなり前記径路Fが開通する。
【0089】
図7は、DC/DC2の入力への印加電圧と、セット内回路14の消費電流の関係を示したグラフである。
【0090】
DC/DC2は入力に電圧が印加されると、DC/DC2内部での電圧降下を差し引いた電圧を出力する。だたし、DC/DCコンバータには自身の電圧降下がないタイプがあり、本実施形態ではDC/DC2には自身の電圧降下がないタイプを使用している。
【0091】
図7によると、DC/DC2の入力電圧がおおよそ1V以下である場合には、セット内回路14は動作をせず、消費電流は0から数mA程度である。
【0092】
DC/DC2の入力電圧が1Vを超え1.8V以下の範囲では、DC/DC2の入力電圧がセット内回路14の動作保証電圧範囲を下回るためにセット内回路14が誤動作を起こすことがある。セット内回路14が誤動作を起こすと消費電流が大きくなり、その値は10mA程度になる。
【0093】
DC/DC2の入力電圧が1.8Vを超えると、セット内回路14には動作保証範囲内の電圧が印加され、セット内回路14は正常に動作する。充電時にはセット内回路14はスタンバイモードであり、セット内回路14が正常動作しているときには消費電流は数mA程度である。
【0094】
図7における電流値および電圧値は素子による誤差、環境による変動が大きく、例示した電流値および電圧値はあくまでも一例である。
【0095】
通常充電時には、充電放電制御装置28の出力電圧は4.1Vであり、寄生ダイオード44の電圧降下0.6Vを差し引いた3.5VがDC/DC2の入力に印加される。図5のグラフによると、通常充電時には径路Fによる消費電流は数mA程度である。前記消費電流は充電電流に比べ十分に小さく電池26の充電には影響を与えない。
【0096】
一方、トリクル充電時にはダイオード42は順バイアスされオンし、図4の径路Gに示す、DC/DC1からダイオード42を介してDC/DC2の入力に電源を供給する。一方、寄生ダイオード44は逆バイアスとなり、径路Fが遮断されるようにDC/DC1の出力電圧が決められている。
【0097】
上記の如く構成された充電装置10では、電池電圧から過放電状態であるか否かを検出し、過放電状態でなければ通常充電を行い、過放電状態であればトリクル充電と通常充電を併用した充電を行う。トリクル充電時には、電池26の正極からFET36の寄生ダイオード44を介してDC/DC2の入力に至る径路Fを経由して吸い込み電流(セット内回路14の消費電流)が流れ、充電電流がばらついたり電池26の電池電圧が上昇しないことを避けるために、ダイオード42をDC/DC1の出力とDC/DC2の入力の間に備え、ダイオード42を介してDC/DC1からDC/DC2への電源供給路である径路Gを開通させ、径路Fを遮断する。したがって、セット内回路14は径路Gにより電源供給され、径路Fを経由して吸い込み電流が流れず電池26は正常に充電される。
【0098】
DC/DCコンバータには入力電圧が所定の電圧範囲内であるときには出力を出し、入力電圧が所定の電圧範囲外であるときには出力を出さない電圧監視機能を備えたものがある。前記電圧監視機能を備えたDC/DCコンバータを用いて、当該吸い込み電流を防止する方法が考えられる。しかしながら前記電圧監視機能を備えたDC/DCコンバータを用いるとコストアップになり、回路規模や外形が大きくなることに伴う設計変更が必要になる場合がある。
【0099】
図5を用いて上記実施形態の応用例を説明する。
【0100】
図5中図1乃至図4および図6と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0101】
図5は充電装置10の内部構成を示すブロック図である。図1に示した充電装置10のDC/DC1とダイオード42の間にスイッチ50が挿入されている。スイッチ50は充電放電制御装置28により制御される。
【0102】
電池26からDC/DC2に電源供給が行われる場合やACアダプタ22を介して商用電源20からDC/DC2に電源供給が行われる場合および通常充電時には、充電放電制御装置28によりスイッチ50はオフされ、図4の径路Gは遮断される。
【0103】
一方、トリクル充電時には充電放電制御装置28はスイッチ50をオンし、径路Gが開通する。
【0104】
上記の如く構成された充電装置10では、電池26からDC/DC2に電源供給が行われる場合やACアダプタ22を介して商用電源20からDC/DC2に電源供給が行われる場合および通常充電時には、ダイオード42は逆バイアスされオフになるが、ダイオードは逆バイアス時にも漏れ電流を発生することがある。前記漏れ電流は温度や湿度といった環境条件に依存し、前記漏れ電流がDC/DC1およびDC/DC2の誤動作や故障の原因となることがある。さらにダイオード42のカソードにサージ電圧等の異常電圧が発生するとダイオード42は故障に至ることがある。したがって、図4に示す径路Gにスイッチ50を付加し図5のとおり構成すると、充電放電制御装置28によりスイッチ50を制御すると、ダイオード42が逆バイアス時に発生する漏れ電流をスイッチ50により遮断することができる。また、スイッチ50がオフであればダイオード42のカソードはオープンであり、ダイオード42のアノードにサージ電圧等の異常電圧が発生した場合にもダイオード42は逆方向電圧を受けない。
【0105】
本応用例では、ダイオード42のカソード側にスイッチ50を挿入したが、ダイオード42のアノード側にスイッチを挿入してもよい。さらに、ダイオード42の代わりにスイッチ50を搭載してもよい。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、二次電池を電子機器に装着して充電するセット内充電において、過放電状態の二次電池を安全に充電するトリクル充電が行われ、トリクル充電時は電子機器内の電子回路に動作保証範囲内の電源供給を行う電源供給路を備えたので、前記電子機器内の電子回路が誤動作して充電電流を吸い込む現象が起こらず、電池電圧が異常に低下した二次電池は、正確な充電電流で誤動作なく充電される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る充電装置のブロック図
【図2】二次電池によりデジタルカメラに電源を供給する電源供給路を示す図
【図3】商用電源からデジタルカメラに電源を供給する電源供給路を示す図
【図4】二次電池の充電時における充電電流供給路および電源供給路を示す図
【図5】本発明の実施形態の応用例に係る充電装置のブロック図
【図6】従来の充電装置ブロック図
【図7】DC/DCコンバータの入力電圧と電子回路の消費電流の関係を示すグラフ
【図8】従来の充電装置の改善例のブロック図
【符号の説明】
10…充電装置、14…セット内回路、28…充電放電制御装置、30,32…DC/DCコンバータ、36,38,40…FET、42…ダイオード、50…スイッチ
Claims (5)
- 二次電池を使用する電子機器に組み込まれる充電装置であって、
当該電子機器に装填された二次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
電源入力端子に接続される外部電源から供給される電力によって前記二次電池を充電する充電手段と、
前記電圧検出手段の検出結果に応じて前記充電手段による前記二次電池の充電動作を制御する充電制御手段と、
前記二次電池及び前記外部電源のうち少なくとも一方から供給される電源電圧を所定の電圧に変換する第1の電源回路と、
前記二次電池から電源の供給を受け、当該電子機器内の電子回路の動作に必要な電圧に変換して前記電子回路に電源を供給する第2の電源回路と、
前記二次電池から前記第2の電源回路への第1の電源供給路に設けられたスイッチ素子と、
前記二次電池の充電時には前記二次電池から前記第2の電源回路への前記電源供給路を遮断し、前記二次電池の非充電時には前記二次電池から前記第2の電源回路への前記電源供給路を導通させるように前記スイッチ素子を制御するスイッチ制御手段と、
少なくとも前記二次電池の充電時に前記第1の電源回路から前記第2の電源回路に電源を供給する第2の電源供給路と、
を備えたことを特徴とする二次電池の充電装置。 - 前記充電制御手段は、前記電圧検出手段の検出結果により前記二次電池の放電状態が過放電状態であるか否かを判定し、前記二次電池が過放電状態である場合にはトリクル充電を行う充電方法切換手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の二次電池の充電装置。
- 前記第2の電源供給路は、ダイオードにより構成されることを特徴とする請求項3記載の二次電池の充電装置。
- 前記第2の電源供給路は、スイッチを含むことを特徴とした請求項2または3記載の二次電池の充電装置。
- 前記第1の電源供給路は、FETにより構成されることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の二次電池の充電装置。
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CN101807803A (zh) * | 2010-03-17 | 2010-08-18 | 东莞市歌美数码科技有限公司 | 开关控制供电电路 |
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US7956578B2 (en) | 2006-05-09 | 2011-06-07 | Lenovo (Singapore) Pte. Ltd. | Power supply having a reduced number of switching elements |
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-
2003
- 2003-04-01 JP JP2003097865A patent/JP2004304976A/ja active Pending
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