JP2004302273A - ディスプレイ装置およびディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機ELディスプレイパネルの輝度調整に時間がかかる、異なるドライバICチップの間で充分な調整精度を確保できない等の問題を解消する。
【解決手段】発光駆動部20は、各々が発光素子E1,1〜En,2mを発光させる発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路(13,14)と、複数のデータ線駆動回路(13,14)のうちの一つのデータ線駆動回路13から発生した発光駆動電流i1と他のデータ線駆動回路14から発生した発光駆動電流i2とに基づいて、他の発光駆動電流i2の調整を行う発光駆動電流調整部15と、を有する。
【選択図】 図5
【解決手段】発光駆動部20は、各々が発光素子E1,1〜En,2mを発光させる発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路(13,14)と、複数のデータ線駆動回路(13,14)のうちの一つのデータ線駆動回路13から発生した発光駆動電流i1と他のデータ線駆動回路14から発生した発光駆動電流i2とに基づいて、他の発光駆動電流i2の調整を行う発光駆動電流調整部15と、を有する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ装置およびディスプレイパネルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ装置に代わる低消費電力および高表示品質、並びに薄型化が可能なディスプレイ装置として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルを用いたディスプレイ装置が注目されている。これは有機ELディスプレイパネルに用いられる有機EL素子の発光層に、良好な発光特性を期待することができる有機化合物を使用することによって、実用に耐えうる高効率化および長寿命化が進んだことが背景にある。
【0003】
この有機EL素子の構造は、図1に示すように、透明電極101が形成されたガラス板等からなる透明基板100上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層102、および金属電極103が積層されたものである。そして、有機EL素子110の透明電極101にプラス、金属電極103にマイナスの電圧を印加し、透明電極101と金属電極103との間に直流電流を流すことにより、有機機能層102が発光する。
また、良好な発光特性を期待することのできる有機化合物を有機機能層102に使用することによって、有機ELディスプレイパネルを用いたディスプレイ装置が実用に耐えうるものになっている。
【0004】
そして、有機EL素子は、電気的には図2に示すように、容量成分Cと、この容量成分Cに並列に結合するダイオード特性の成分Eと、によって構成される等価回路に置き換えることができる。よって、有機EL素子は、容量性の発光素子であると考えられる。
有機EL素子110に、直流の発光駆動電圧が電極間に印加されると、電荷が容量成分Cに蓄積され、続いてEL素子固有の障壁電圧または発光閾値電圧を越えると、電極(ダイオード成分Eの陽極側)から発光層を担う有機機能層102に電流が流れ始め、この電流に比例した強度で発光する。
【0005】
有機ELディスプレイパネルの駆動方法としては、パッシブマトリクス駆動方式が知られている。図3は、パッシブマトリクス駆動方式の駆動装置の一例を示す回路図である(例えば、特許文献1参照)。
図3において、有機ELディスプレイパネル120は、n個の陰極線(データ線)B1〜Bnを横方向に、m個の陽極線(走査線)A1〜Amを縦方向に平行に伸長して設けられ、各々の交差した部分(計n×m個)に有機EL素子E1,1〜Em,nの発光層を挟む。画素を担う有機EL素子E1,1〜Em,nは、格子状に配列され、垂直方向に沿う陽極線A1〜Amと水平方向に沿う陰極線B1〜Bnとの交差位置に対応して一端(上記の等価回路のダイオード成分Eの陽極線側)が陽極線に、他端(図2の等価回路のダイオード成分Eの陰極線側)が陰極線に接続される。陰極線は陰極線走査回路(走査回路)121に接続されて駆動、陽極線は陽極線ドライブ回路(データ線駆動回路)122に接続されてそれぞれ駆動される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−109427号(図1、図2、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、有機ELディスプレイパネルの大画面化を実現するにあたり、データ線(陽極線)および走査線(陰極線)の本数を増やして画面の高精細化を行う必要が生じてきた。したがって、データ線駆動回路の回路規模が大規模化し、データ線駆動回路をIC(集積回路)で構成した場合、ICの歩留まりが悪くなる等の問題があるため、図4に示すように、駆動するデータ線を複数に分割してそれぞれIC化されたデータ線駆動回路によって駆動することが考えられる。
【0008】
しかしながら、図4に示すように、データ線駆動回路として複数のICを用いて構成すると、有機ELディスプレイパネルの画面上に輝度の異なる領域が出来ないように、それぞれのデータ線駆動回路によって輝度調整を行う必要が生ずる。この輝度調整に対し輝度計を使用して調整を行えば調整工程に時間がかってしまう。あるいは、目視による輝度調整では、充分な調整精度を確保できない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題としては、ディスプレイ装置およびディスプレイパネルの駆動方法において、複数のデータ線駆動回路を用いた場合、特に、データ線駆動回路として複数のICを用いて構成する場合に、上述した従来技術において生じている有機ELディスプレイパネルの輝度調整に時間がかかっていたり、充分な調整精度を確保できない問題を解消することが一例として挙げられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のディスプレイ装置は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを発光させる発光駆動部と、を有するディスプレイ装置であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路と、前記複数のデータ線駆動回路のうちの一つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と他のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記他の発光駆動電流の調整を行う発光駆動電流調整部と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のディスプレイ装置は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを発光させる発光駆動部と、を有するディスプレイ装置であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路と、前記複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記次段の発光駆動電流の調整を順次行う発光駆動電流調整部と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項9に記載のディスプレイパネルの駆動方法は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルを発光させる発光駆動部を用いたディスプレイパネルの駆動方法であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を含み、前記複数のデータ線駆動回路のうちの一つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と他のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記他の発光駆動電流の調整を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載のディスプレイパネルの駆動方法は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルを発光させる発光駆動部を用いたディスプレイパネルの駆動方法であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を含み、前記複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記次段の発光駆動電流の調整を順次行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5は、本発明に係る実施の形態のディスプレイ装置1の概略構成を示す図である。図5に示すように、ディスプレイ装置1は、有機ELディスプレイパネル10と、発光制御回路11と、走査回路12と、発光駆動部20とで構成される。各部の詳細を次に説明する。
【0015】
有機ELディスプレイパネル10は、図5に示すように、第1表示ライン〜第n表示ライン各々を担う走査線B1〜Bnと、これら走査線B1〜Bn各々に交差して配列された2m個のデータ線(データ線)A1〜A2mが形成されている。そして、走査線B1〜Bnおよびデータ線A1〜A2m各々の交差部に、有機EL素子(発光素子)E1,1〜En,2mが形成されている。これら、有機EL素子E1,1〜En,2m各々は、有機ELディスプレイパネル10としての1画素を担うものである。
【0016】
発光制御回路11は、図6のタイミング図に示すように、有機ELディスプレイパネル10の第1表示ライン〜第n表示ライン各々を順次走査すべき走査線選択制御信号Fを走査回路12に供給する。そして、走査回路12によって、走査線選択制御信号Fで示される表示ラインに対応した走査線を有機ELディスプレイパネル10の走査線B1〜Bnの内から択一的に選択してこれをアース電位に接地すると共に、その他の走査線各々に所定の高電位をそれぞれ印加する。
【0017】
また、発光制御回路11は、入力された1画面分(n行、2m列)の画像データを有機ELディスプレイパネル10の各画素、すなわち有機EL素子E1,1〜En,2m各々に対応した画素データD1,1〜Dn,2mに変換し、これを第1列〜第m列に属するものと、第m+1列〜第2m列に属するものとに分割する。
【0018】
このとき、第1列〜第m列に属する画素データを1表示ライン毎にグループ化した画素データD1,1〜D1,m、D2,1〜D2,m、D3,1〜D3,m、・・・・、およびDn,1〜Dn,m各々を、図6に示す第1駆動データ群GA1−mとする。また、第m+1列〜第2m列に属する画素データを1表示ライン毎にグループ化した画素データD1,m+1〜D1,2m、D2,m+1〜D2,2m、D3,m+1〜D3,2m、・・・・、およびDn,m+1〜Dn,2m各々を、図6に示される第2駆動データ群GB1−mとする。
そして、第1駆動データ群GA1−mおよび第2駆動データ群GB1−mは、走査線選択制御信号Fに同期して順次、発光駆動部20に供給される。
【0019】
発光駆動部20は、発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を備えており、ここでは、複数のデータ線駆動回路のうちの1つのデータ線駆動回路を第1のデータ線駆動回路13とし、他のデータ線駆動回路を第2のデータ線駆動回路14とする。
【0020】
第1駆動データ群GA1−mは、第1のデータ線駆動回路13へ供給され、第1のデータ線駆動回路13の出力端X1〜Xmから出力された第1の発光駆動電流i1をデータ線A1〜Amへ供給する。また、第2駆動データ群GB1−mは、第2のデータ線駆動回路14へ供給され、第2のデータ線駆動回路14の出力端X1〜Xmから出力された第2の発光駆動電流i2をデータ線Am+1〜A2mへ供給する。
【0021】
さらに、発光駆動部20は、第1のデータ線駆動回路13の定電流出力端Xm+1から出力した第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14の定電流出力端Xm+1から発生した第2の発光駆動電流i2との比較に基づいて第2の発光駆動電流i2の調整を行う発光駆動電流調整部15を有している。
【0022】
そして、複数のデータ線駆動回路として、3つ以上のデータ線駆動回路を備えた場合には、第1のデータ線駆動回路13を基準として、さらに第3以降の各データ線駆動回路と第1のデータ線駆動回路13との間に発光駆動電流調整部15をそれぞれ設けることができる。
あるいは、第2のデータ線駆動回路14と第3のデータ線駆動回路の間、さらに、第3のデータ線駆動回路と第4のデータ線駆動回路の間、と云うように、複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、次段の発光駆動電流の調整を順次行う発光駆動電流調整部15をそれぞれ設けてもよい。
【0023】
なお、第1駆動データ群GA1−mは、有機ELディスプレイパネル10の各表示ラインの第1列〜第m列各々に属するm個の有機EL素子の各々に対して、発光を実施させるか否かを指定するm個のデータビットである。また、第2駆動データ群GB1−mは、有機ELディスプレイパネル10の各表示ラインの第m+1列〜第2m列各々に属するm個の有機EL素子の各々に対して、発光を実施させるか否かと発光輝度を指定するm個のデータビットである。
【0024】
次に、以下、本実施の形態に係る発光駆動部の実施例1、2について述べる。(実施例1)
図7は、発光駆動部の内部構成の実施例1を示す回路構成図である。
図7において、発光駆動部20aは、第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aはそれぞれ、基準電流制御部16と、スイッチS1〜Snと、発光駆動電流源としてのトランジスタQ1〜Qm+1と、抵抗R1〜Rm+1とから構成される。
【0025】
また、発光駆動電流調整部15は、2つのデータ線駆動回路(第1のデータ線駆動回路13a、第2のデータ線駆動回路14a)から発生した第1の発光駆動電流i1と第2の発光駆動電流i2との差分を検出する差分検出回路OP2と、抵抗Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Rfとから構成される。上記基準電流制御部16は、抵抗Rsと、トランジスタQs1,Qs2と、差動演算回路OP1とから構成される。
【0026】
以下、第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aの共通の構成について詳述する。
基準電流制御部16におけるトランジスタQs1のエミッタには抵抗Rsを介して所定電圧VHが接続されており、トランジスタQs1のベースおよびコレクタにはトランジスタQs2のコレクタが接続されている。
【0027】
差動演算回路OP1の正極側入力端子には基準電位Vrefが接続され、負極側入力端子にはトランジスタQs1のエミッタ電位が入力されており、そして、出力端子は、トランジスタQs1のベースに接続されている。
【0028】
トランジスタQ1〜Qm+1各々のエミッタには、抵抗R1〜Rm+1各々を介して画素駆動電位VHが印加されており、さらに、それぞれのベースにはトランジスタQs1のベースが接続されている。
このとき、抵抗Rs、およびR1〜Rm+1各々の抵抗値は同一であり、さらに、トランジスタQ1〜Qm+1、Qs1およびQs2の各々は、互いに同一特性を有するものである。
【0029】
よって、基準電流制御部16と、トランジスタQ1〜Qm+1とは電流ミラー回路を構成することになり、トランジスタQ1〜Qm+1各々のエミッタ・コレクタ間には、基準電流Irefと同一の電流値を有する発光駆動電流が流れ、スイッチS1〜Smを介して、出力端X1〜Xm+1に接続されている。このスイッチS1〜Smは、第1駆動データ群GA1−m(第1のデータ線駆動回路13aの場合)または第2駆動データ群GB1−m(第1のデータ線駆動回路14aの場合)によりそれぞれ独立してオン/オフ制御される。
【0030】
第1のデータ線駆動回路13aでは、トランジスタQs1のエミッタが、可変抵抗RTを介してアース電位に接地されている。これにより、トランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、可変抵抗RTによってその電流値を制御することができ、基準となる第1の発光駆動電流i1を発生させることができる。
【0031】
そして、第1のデータ線駆動回路13aの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線A1〜Amに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Rcに接続され、さらに抵抗Rcは抵抗Rdに接続され、抵抗Rdの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Rcと抵抗Rdとの接続点は差分検出回路OP2の正極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Rdの抵抗値と抵抗Rbの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0032】
一方、第2のデータ線駆動回路14aの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線Am+1〜A2mに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Raに接続され、さらに抵抗Raは抵抗Rbに接続され、抵抗Rbの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Raと抵抗Rbとの接続点は差分検出回路OP2の負極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Raの抵抗値と抵抗Rcの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0033】
そして、差分検出回路OP2の出力は抵抗Reを介して、トランジスタQs2のエミッタに接続され、このトランジスタQs2のエミッタはさらに、抵抗Rfを介してアース電位に接地されている。ここで、抵抗Reの抵抗値は抵抗Rfの抵抗値の1/10〜1/20程度に設定する。また、抵抗Rfの抵抗値は可変抵抗RTの最大の抵抗値と同じ値もしくはそれ以上の値に設定することが望ましい。
【0034】
上述の第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aは、回路構成が同じであり、それぞれ同じ型のIC(集積回路)で構成してもよい。また、発光駆動電流調整部15を(少なくとも差分検出回路OP2を)上記ICの外部に設けるようにしてもよい。
【0035】
以上に述べた実施例1の発光駆動部20aによれば、第2のデータ線駆動回路14aにおけるトランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、第1のデータ線駆動回路13aの基準電流Irefの電流値と一致するように、第1のデータ線駆動回路13aと第2のデータ線駆動回路14aの定電流出力端Xm+1を比較することで、発光駆動電流調整部15によって自動的に調整される。そして、第1のデータ線駆動回路13aの第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14aの第2の発光駆動電流i2が同じ電流値となり、有機EL素子E1,1〜En,2mの輝度が揃うことになる。
【0036】
これにより、それぞれのデータ線駆動回路によって輝度調整を行う必要がなくなり、特に、第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aをそれぞれIC等を用いて構成した場合は、発光駆動電流調整部15(またはその一部)を各ICの外部に設けることにより、IC製造プロセスのバラツキが生じても第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aの基準電流Irefを通じてデータ線の出力端X1〜Xmの電流を一致させることができ、有機ELディスプレイパネル10の画面上に輝度の異なる領域が出来ないようにすることができる。
【0037】
なお、ICチップ内部の回路素子の配置として、第1のデータ線駆動回路13aが駆動するデータ線Amを駆動する回路素子である発光駆動電流源Qm,抵抗Rmと隣接する位置に、定電流出力端Xm+1に電流を供給する回路素子である発光駆動電流源Qm+1,抵抗Rm+1を配置し、かつ、第2のデータ線駆動回路14aが駆動するデータ線Am+1を駆動する回路素子である発光駆動電流源Q1,抵抗R1に隣接する位置に、定電流出力端Xm+1に電流を供給する回路素子である発光駆動電流源Qm+1,抵抗Rm+1を配置することが好ましい。
上述のような回路素子の配置によって、定電流出力端Xm+1から出力される発光駆動電流i1,i2の電流値は、それぞれデータ線Amに供給される電流値およびデータ線Am+1に供給される電流値と極めて近い値となり、これらの発光駆動電流i1,i2を基に基準電流Irefの電流値が調整されるので、調整されたデータ線Amおよびデータ線Am+1に供給される電流値は、特に正確に合うように調整される。
ところで、データ線Amに接続された発光素子E1,m〜En,mの列とデータ線Am+1に接続された発光素子E1,m+1〜En,m+1の列は有機ELディスプレイパネル10の画面上で隣接しているので、これらの発光素子列の輝度が僅かでも異なると、明暗のラインとなって表示されてしまい見苦しくなる虞がある。
上述のように、データ線Amおよびデータ線Am+1に供給される電流値が特に正確に合うように調整されることにより、これら隣接する発光素子列の輝度をより正確に合わせることができ、明暗のラインができないようにすることができる。
【0038】
(実施例2)
図8は、発光駆動部の内部構成の実施例2を示す回路構成図である。
図8において、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bはそれぞれ、基準電流制御部16と、スイッチS1〜Sn、Spと、発光駆動電流源としてのトランジスタQ1〜Qmと、抵抗R1〜Rmとから構成される。
【0039】
また、発光駆動電流調整部15は、2つの駆動回路(第1のデータ線駆動回路13b、第2のデータ線駆動回路14b)から発生した第1の発光駆動電流i1と第2の発光駆動電流i2との差分を検出する差分検出回路OP2と、抵抗Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Rfとから構成される。上記基準電流制御部16は、抵抗Rsと、トランジスタQs1,Qs2と、差動演算回路OP1とから構成される。
【0040】
以下、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bの共通の構成について詳述する。
基準電流制御部16におけるトランジスタQs1のエミッタには抵抗Rsを介して所定電圧VHが接続されており、トランジスタQs1のベースおよびコレクタにはトランジスタQs2のコレクタが接続されている。
【0041】
差動演算回路OP1の正極側入力端子には基準電位Vrefが接続され、負極側入力端子にはトランジスタQs1のエミッタ電位が入力されており、そして、出力端子は、トランジスタQs1のベースに接続されている。
【0042】
トランジスタQ1〜Qm各々のエミッタには、抵抗R1〜Rm各々を介して画素駆動電位VHが印加されており、さらに、それぞれのベースにはトランジスタQs1のベースが接続されている。
このとき、抵抗Rs、およびR1〜Rm各々の抵抗値は同一であり、さらに、トランジスタQ1〜Qm、Qs1およびQs2の各々は、互いに同一特性を有するものである。
【0043】
よって、基準電流制御部16と、トランジスタQ1〜Qmとは電流ミラー回路を構成することになり、トランジスタQ1〜Qm各々のエミッタ・コレクタ間には、基準電流Irefと同一の電流値を有する発光駆動電流が流れ、スイッチS1〜Smを介して、出力端X1〜Xm+1に接続されている。このスイッチS1〜Smは、第1駆動データ群GA1−m(第1のデータ線駆動回路13bの場合)または第2駆動データ群GB1−m(第1のデータ線駆動回路14bの場合)によりそれぞれ独立してオン/オフ制御される。
【0044】
さらに、Qmのコレクタは、スイッチSp(選択手段)を介して定電流出力端Xm+1に接続されている。このスイッチSpをオンの状態にすると、定電流出力端Xm+1を通して発光駆動電流調整部15に、発光駆動電流が供給される。そして、スイッチSmがオンの状態である場合は、スイッチSpをオフの状態にしておく必要がある。すなわち、発光駆動電流調整部15による発光駆動電流の調整は、スイッチSmがオフの状態にあるときに、スイッチSpをオンの状態にするように、図示しないマイクロコンピュータ等の制御手段を用いてオン/オフ制御することが好ましい。
【0045】
第1のデータ線駆動回路13bでは、トランジスタQs1のエミッタが、可変抵抗RTを介してアース電位に接地されている。これにより、トランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、可変抵抗RTによってその電流値を制御することができ、基準となる第1の発光駆動電流i1を発生させることができる。
【0046】
そして、第1のデータ線駆動回路13bの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線A1〜Amに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Rcに接続され、さらに抵抗Rcは抵抗Rdに接続され、抵抗Rdの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Rcと抵抗Rdとの接続点は差分検出回路OP2の正極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Rdの抵抗値と抵抗Rbの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0047】
一方、第2のデータ線駆動回路14bの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線Am+1〜A2mに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Raに接続され、さらに抵抗Raは抵抗Rbに接続され、抵抗Rbの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Raと抵抗Rbとの接続点は差分検出回路OP2の負極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Raの抵抗値と抵抗Rcの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0048】
そして、差分検出回路OP2の出力は抵抗Reを介して、トランジスタQs2のエミッタに接続され、このトランジスタQs2のエミッタはさらに、抵抗Rfを介してアース電位に接地されている。ここで、抵抗Reの抵抗値は抵抗Rfの抵抗値の1/10〜1/20程度に設定する。また、抵抗Rfの抵抗値は可変抵抗RTの最大の抵抗値と同じ値もしくはそれ以上の値に設定することが望ましい。
【0049】
上述の第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bは、回路構成が同じであり、それぞれ同じ型のIC(集積回路)で構成してもよい。また、発光駆動電流調整部15(少なくともその一部)を上記ICの外部に設けるようにしてもよい。
【0050】
以上に述べた実施例2の発光駆動部20bによれば、第2のデータ線駆動回路14bにおけるトランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、第1のデータ線駆動回路13bの基準電流Irefの電流値と一致するように、発光駆動電流調整部15によって自動的に調整される。そして、第1のデータ線駆動回路13aの第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14aの第2の発光駆動電流i2が同じ電流値となり、有機EL素子E1,1〜En,2mの輝度が揃うことになる。
【0051】
これにより、それぞれのデータ線駆動回路によって輝度調整を行う必要がなくなり、特に、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bをそれぞれIC等を用いて構成した場合は、発光駆動電流調整部15(少なくともその一部)を各ICの外部に設けることにより、IC製造プロセスのバラツキが生じても第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aの基準電流Irefを通じてデータ線の出力端X1〜Xmの電流を一致させることができ、有機ELディスプレイパネル10の画面上に輝度の異なる領域が出来ないようにすることができる。
【0052】
なお、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bにおけるスイッチSp(選択手段)は、トランジスタQmのコレクタに接続する代わりに、それぞれトランジスタQ1〜Qm−1のうちいずれかのコレクタに接続するようにしてもよい。このとき例えば、第1のデータ線駆動回路13bのトランジスタQmのコレクタにスイッチSpを接続し、かつ、第2のデータ線駆動回路14bのトランジスタQ1のコレクタにスイッチSpを接続するようにすれば、前述の実施例1と同様にして、データ線Amおよびデータ線Am+1に供給される電流値が特に正確に合うように調整されることにより、隣接する発光素子列の輝度をより正確に合わせることができ、明暗のラインができないようにすることができる。
【0053】
なお、上述の実施例1および実施例2の発光駆動部20a、20bは、発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路として、2つのデータ線駆動回路(第1のデータ線駆動回路13および第2のデータ線駆動回路14)を備えた場合であるが、勿論3つ以上のデータ線駆動回路を備えてもよい。
【0054】
以上詳述したように、本実施の形態のディスプレイ装置1は、複数の走査線B1〜Bnと走査線B1〜Bn各々の交差して配列された複数のデータ線A1〜A2mとの各交差部に一画素を担う発光素子E1,1〜En,2mが形成されてなるディスプレイパネル10と、ディスプレイパネル10を発光させる発光駆動部20と、を有している。
【0055】
そして、発光駆動部20は、各々が発光素子E1,1〜En,2mを発光させる発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路13,14と、複数のデータ線駆動回路13,14のうちの少なくとも第1のデータ線駆動回路13から発生した第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14から発生した第2の発光駆動電流i2とに基づいて発光駆動電流の調整を行う発光駆動電流調整部15(発光駆動電流調整部手段)と、を有している。
【0056】
これによって、第2のデータ線駆動回路14の基準電流Irefと第1のデータ線駆動回路13の基準電流Irefの電流値が一致するように、第1のデータ線駆動回路13と第2のデータ線駆動回路14の定電流出力端Xm+1を比較することで、発光駆動電流調整部15によって自動的に調整されるので、複数のデータ線駆動回路を用いた場合、特に、データ線駆動回路として複数のICを用いて構成する場合に、従来技術において生じている有機ELディスプレイパネルの輝度調整に時間がかかっていたり、充分な調整精度を確保できない問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の模式的な断面構造を示す図である。
【図2】有機EL素子の模式的な等価回路を示す図である。
【図3】従来の有機ELディスプレイパネルの駆動装置を示す図である。
【図4】データ線駆動回路として複数のICを用いて構成した従来の有機ELディスプレイパネルの駆動装置を示す図である。
【図5】本発明に係る実施の形態のディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
【図6】発光制御回路が供給する画素データと走査線選択信号のタイミング図である。
【図7】本発明に係る実施例1の発光駆動部の内部構成を示す回路構成図である。
【図8】本発明に係る実施例2の発光駆動部の内部構成を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 ディスプレイ装置
10 有機ELディスプレイパネル
13,13a,13b 第1のデータ線駆動回路
14,14a,14b 第2のデータ線駆動回路
15 発光駆動電流調整部
16 基準電流制御部
20,20a,20b 発光駆動部
A1〜A2m データ線
E1,1〜En,2m 発光素子
OP2 差分検出回路(差分検出手段)
Q1〜Qm トランジスタ(発光駆動電流源)
Sp スイッチ(選択手段)
X1〜Xm+1 出力端
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ装置およびディスプレイパネルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ装置に代わる低消費電力および高表示品質、並びに薄型化が可能なディスプレイ装置として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイパネルを用いたディスプレイ装置が注目されている。これは有機ELディスプレイパネルに用いられる有機EL素子の発光層に、良好な発光特性を期待することができる有機化合物を使用することによって、実用に耐えうる高効率化および長寿命化が進んだことが背景にある。
【0003】
この有機EL素子の構造は、図1に示すように、透明電極101が形成されたガラス板等からなる透明基板100上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層102、および金属電極103が積層されたものである。そして、有機EL素子110の透明電極101にプラス、金属電極103にマイナスの電圧を印加し、透明電極101と金属電極103との間に直流電流を流すことにより、有機機能層102が発光する。
また、良好な発光特性を期待することのできる有機化合物を有機機能層102に使用することによって、有機ELディスプレイパネルを用いたディスプレイ装置が実用に耐えうるものになっている。
【0004】
そして、有機EL素子は、電気的には図2に示すように、容量成分Cと、この容量成分Cに並列に結合するダイオード特性の成分Eと、によって構成される等価回路に置き換えることができる。よって、有機EL素子は、容量性の発光素子であると考えられる。
有機EL素子110に、直流の発光駆動電圧が電極間に印加されると、電荷が容量成分Cに蓄積され、続いてEL素子固有の障壁電圧または発光閾値電圧を越えると、電極(ダイオード成分Eの陽極側)から発光層を担う有機機能層102に電流が流れ始め、この電流に比例した強度で発光する。
【0005】
有機ELディスプレイパネルの駆動方法としては、パッシブマトリクス駆動方式が知られている。図3は、パッシブマトリクス駆動方式の駆動装置の一例を示す回路図である(例えば、特許文献1参照)。
図3において、有機ELディスプレイパネル120は、n個の陰極線(データ線)B1〜Bnを横方向に、m個の陽極線(走査線)A1〜Amを縦方向に平行に伸長して設けられ、各々の交差した部分(計n×m個)に有機EL素子E1,1〜Em,nの発光層を挟む。画素を担う有機EL素子E1,1〜Em,nは、格子状に配列され、垂直方向に沿う陽極線A1〜Amと水平方向に沿う陰極線B1〜Bnとの交差位置に対応して一端(上記の等価回路のダイオード成分Eの陽極線側)が陽極線に、他端(図2の等価回路のダイオード成分Eの陰極線側)が陰極線に接続される。陰極線は陰極線走査回路(走査回路)121に接続されて駆動、陽極線は陽極線ドライブ回路(データ線駆動回路)122に接続されてそれぞれ駆動される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−109427号(図1、図2、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、有機ELディスプレイパネルの大画面化を実現するにあたり、データ線(陽極線)および走査線(陰極線)の本数を増やして画面の高精細化を行う必要が生じてきた。したがって、データ線駆動回路の回路規模が大規模化し、データ線駆動回路をIC(集積回路)で構成した場合、ICの歩留まりが悪くなる等の問題があるため、図4に示すように、駆動するデータ線を複数に分割してそれぞれIC化されたデータ線駆動回路によって駆動することが考えられる。
【0008】
しかしながら、図4に示すように、データ線駆動回路として複数のICを用いて構成すると、有機ELディスプレイパネルの画面上に輝度の異なる領域が出来ないように、それぞれのデータ線駆動回路によって輝度調整を行う必要が生ずる。この輝度調整に対し輝度計を使用して調整を行えば調整工程に時間がかってしまう。あるいは、目視による輝度調整では、充分な調整精度を確保できない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題としては、ディスプレイ装置およびディスプレイパネルの駆動方法において、複数のデータ線駆動回路を用いた場合、特に、データ線駆動回路として複数のICを用いて構成する場合に、上述した従来技術において生じている有機ELディスプレイパネルの輝度調整に時間がかかっていたり、充分な調整精度を確保できない問題を解消することが一例として挙げられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のディスプレイ装置は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを発光させる発光駆動部と、を有するディスプレイ装置であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路と、前記複数のデータ線駆動回路のうちの一つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と他のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記他の発光駆動電流の調整を行う発光駆動電流調整部と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のディスプレイ装置は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを発光させる発光駆動部と、を有するディスプレイ装置であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路と、前記複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記次段の発光駆動電流の調整を順次行う発光駆動電流調整部と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項9に記載のディスプレイパネルの駆動方法は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルを発光させる発光駆動部を用いたディスプレイパネルの駆動方法であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を含み、前記複数のデータ線駆動回路のうちの一つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と他のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記他の発光駆動電流の調整を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載のディスプレイパネルの駆動方法は、複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルを発光させる発光駆動部を用いたディスプレイパネルの駆動方法であって、前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を含み、前記複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記次段の発光駆動電流の調整を順次行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5は、本発明に係る実施の形態のディスプレイ装置1の概略構成を示す図である。図5に示すように、ディスプレイ装置1は、有機ELディスプレイパネル10と、発光制御回路11と、走査回路12と、発光駆動部20とで構成される。各部の詳細を次に説明する。
【0015】
有機ELディスプレイパネル10は、図5に示すように、第1表示ライン〜第n表示ライン各々を担う走査線B1〜Bnと、これら走査線B1〜Bn各々に交差して配列された2m個のデータ線(データ線)A1〜A2mが形成されている。そして、走査線B1〜Bnおよびデータ線A1〜A2m各々の交差部に、有機EL素子(発光素子)E1,1〜En,2mが形成されている。これら、有機EL素子E1,1〜En,2m各々は、有機ELディスプレイパネル10としての1画素を担うものである。
【0016】
発光制御回路11は、図6のタイミング図に示すように、有機ELディスプレイパネル10の第1表示ライン〜第n表示ライン各々を順次走査すべき走査線選択制御信号Fを走査回路12に供給する。そして、走査回路12によって、走査線選択制御信号Fで示される表示ラインに対応した走査線を有機ELディスプレイパネル10の走査線B1〜Bnの内から択一的に選択してこれをアース電位に接地すると共に、その他の走査線各々に所定の高電位をそれぞれ印加する。
【0017】
また、発光制御回路11は、入力された1画面分(n行、2m列)の画像データを有機ELディスプレイパネル10の各画素、すなわち有機EL素子E1,1〜En,2m各々に対応した画素データD1,1〜Dn,2mに変換し、これを第1列〜第m列に属するものと、第m+1列〜第2m列に属するものとに分割する。
【0018】
このとき、第1列〜第m列に属する画素データを1表示ライン毎にグループ化した画素データD1,1〜D1,m、D2,1〜D2,m、D3,1〜D3,m、・・・・、およびDn,1〜Dn,m各々を、図6に示す第1駆動データ群GA1−mとする。また、第m+1列〜第2m列に属する画素データを1表示ライン毎にグループ化した画素データD1,m+1〜D1,2m、D2,m+1〜D2,2m、D3,m+1〜D3,2m、・・・・、およびDn,m+1〜Dn,2m各々を、図6に示される第2駆動データ群GB1−mとする。
そして、第1駆動データ群GA1−mおよび第2駆動データ群GB1−mは、走査線選択制御信号Fに同期して順次、発光駆動部20に供給される。
【0019】
発光駆動部20は、発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を備えており、ここでは、複数のデータ線駆動回路のうちの1つのデータ線駆動回路を第1のデータ線駆動回路13とし、他のデータ線駆動回路を第2のデータ線駆動回路14とする。
【0020】
第1駆動データ群GA1−mは、第1のデータ線駆動回路13へ供給され、第1のデータ線駆動回路13の出力端X1〜Xmから出力された第1の発光駆動電流i1をデータ線A1〜Amへ供給する。また、第2駆動データ群GB1−mは、第2のデータ線駆動回路14へ供給され、第2のデータ線駆動回路14の出力端X1〜Xmから出力された第2の発光駆動電流i2をデータ線Am+1〜A2mへ供給する。
【0021】
さらに、発光駆動部20は、第1のデータ線駆動回路13の定電流出力端Xm+1から出力した第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14の定電流出力端Xm+1から発生した第2の発光駆動電流i2との比較に基づいて第2の発光駆動電流i2の調整を行う発光駆動電流調整部15を有している。
【0022】
そして、複数のデータ線駆動回路として、3つ以上のデータ線駆動回路を備えた場合には、第1のデータ線駆動回路13を基準として、さらに第3以降の各データ線駆動回路と第1のデータ線駆動回路13との間に発光駆動電流調整部15をそれぞれ設けることができる。
あるいは、第2のデータ線駆動回路14と第3のデータ線駆動回路の間、さらに、第3のデータ線駆動回路と第4のデータ線駆動回路の間、と云うように、複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、次段の発光駆動電流の調整を順次行う発光駆動電流調整部15をそれぞれ設けてもよい。
【0023】
なお、第1駆動データ群GA1−mは、有機ELディスプレイパネル10の各表示ラインの第1列〜第m列各々に属するm個の有機EL素子の各々に対して、発光を実施させるか否かを指定するm個のデータビットである。また、第2駆動データ群GB1−mは、有機ELディスプレイパネル10の各表示ラインの第m+1列〜第2m列各々に属するm個の有機EL素子の各々に対して、発光を実施させるか否かと発光輝度を指定するm個のデータビットである。
【0024】
次に、以下、本実施の形態に係る発光駆動部の実施例1、2について述べる。(実施例1)
図7は、発光駆動部の内部構成の実施例1を示す回路構成図である。
図7において、発光駆動部20aは、第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aはそれぞれ、基準電流制御部16と、スイッチS1〜Snと、発光駆動電流源としてのトランジスタQ1〜Qm+1と、抵抗R1〜Rm+1とから構成される。
【0025】
また、発光駆動電流調整部15は、2つのデータ線駆動回路(第1のデータ線駆動回路13a、第2のデータ線駆動回路14a)から発生した第1の発光駆動電流i1と第2の発光駆動電流i2との差分を検出する差分検出回路OP2と、抵抗Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Rfとから構成される。上記基準電流制御部16は、抵抗Rsと、トランジスタQs1,Qs2と、差動演算回路OP1とから構成される。
【0026】
以下、第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aの共通の構成について詳述する。
基準電流制御部16におけるトランジスタQs1のエミッタには抵抗Rsを介して所定電圧VHが接続されており、トランジスタQs1のベースおよびコレクタにはトランジスタQs2のコレクタが接続されている。
【0027】
差動演算回路OP1の正極側入力端子には基準電位Vrefが接続され、負極側入力端子にはトランジスタQs1のエミッタ電位が入力されており、そして、出力端子は、トランジスタQs1のベースに接続されている。
【0028】
トランジスタQ1〜Qm+1各々のエミッタには、抵抗R1〜Rm+1各々を介して画素駆動電位VHが印加されており、さらに、それぞれのベースにはトランジスタQs1のベースが接続されている。
このとき、抵抗Rs、およびR1〜Rm+1各々の抵抗値は同一であり、さらに、トランジスタQ1〜Qm+1、Qs1およびQs2の各々は、互いに同一特性を有するものである。
【0029】
よって、基準電流制御部16と、トランジスタQ1〜Qm+1とは電流ミラー回路を構成することになり、トランジスタQ1〜Qm+1各々のエミッタ・コレクタ間には、基準電流Irefと同一の電流値を有する発光駆動電流が流れ、スイッチS1〜Smを介して、出力端X1〜Xm+1に接続されている。このスイッチS1〜Smは、第1駆動データ群GA1−m(第1のデータ線駆動回路13aの場合)または第2駆動データ群GB1−m(第1のデータ線駆動回路14aの場合)によりそれぞれ独立してオン/オフ制御される。
【0030】
第1のデータ線駆動回路13aでは、トランジスタQs1のエミッタが、可変抵抗RTを介してアース電位に接地されている。これにより、トランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、可変抵抗RTによってその電流値を制御することができ、基準となる第1の発光駆動電流i1を発生させることができる。
【0031】
そして、第1のデータ線駆動回路13aの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線A1〜Amに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Rcに接続され、さらに抵抗Rcは抵抗Rdに接続され、抵抗Rdの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Rcと抵抗Rdとの接続点は差分検出回路OP2の正極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Rdの抵抗値と抵抗Rbの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0032】
一方、第2のデータ線駆動回路14aの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線Am+1〜A2mに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Raに接続され、さらに抵抗Raは抵抗Rbに接続され、抵抗Rbの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Raと抵抗Rbとの接続点は差分検出回路OP2の負極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Raの抵抗値と抵抗Rcの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0033】
そして、差分検出回路OP2の出力は抵抗Reを介して、トランジスタQs2のエミッタに接続され、このトランジスタQs2のエミッタはさらに、抵抗Rfを介してアース電位に接地されている。ここで、抵抗Reの抵抗値は抵抗Rfの抵抗値の1/10〜1/20程度に設定する。また、抵抗Rfの抵抗値は可変抵抗RTの最大の抵抗値と同じ値もしくはそれ以上の値に設定することが望ましい。
【0034】
上述の第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aは、回路構成が同じであり、それぞれ同じ型のIC(集積回路)で構成してもよい。また、発光駆動電流調整部15を(少なくとも差分検出回路OP2を)上記ICの外部に設けるようにしてもよい。
【0035】
以上に述べた実施例1の発光駆動部20aによれば、第2のデータ線駆動回路14aにおけるトランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、第1のデータ線駆動回路13aの基準電流Irefの電流値と一致するように、第1のデータ線駆動回路13aと第2のデータ線駆動回路14aの定電流出力端Xm+1を比較することで、発光駆動電流調整部15によって自動的に調整される。そして、第1のデータ線駆動回路13aの第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14aの第2の発光駆動電流i2が同じ電流値となり、有機EL素子E1,1〜En,2mの輝度が揃うことになる。
【0036】
これにより、それぞれのデータ線駆動回路によって輝度調整を行う必要がなくなり、特に、第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aをそれぞれIC等を用いて構成した場合は、発光駆動電流調整部15(またはその一部)を各ICの外部に設けることにより、IC製造プロセスのバラツキが生じても第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aの基準電流Irefを通じてデータ線の出力端X1〜Xmの電流を一致させることができ、有機ELディスプレイパネル10の画面上に輝度の異なる領域が出来ないようにすることができる。
【0037】
なお、ICチップ内部の回路素子の配置として、第1のデータ線駆動回路13aが駆動するデータ線Amを駆動する回路素子である発光駆動電流源Qm,抵抗Rmと隣接する位置に、定電流出力端Xm+1に電流を供給する回路素子である発光駆動電流源Qm+1,抵抗Rm+1を配置し、かつ、第2のデータ線駆動回路14aが駆動するデータ線Am+1を駆動する回路素子である発光駆動電流源Q1,抵抗R1に隣接する位置に、定電流出力端Xm+1に電流を供給する回路素子である発光駆動電流源Qm+1,抵抗Rm+1を配置することが好ましい。
上述のような回路素子の配置によって、定電流出力端Xm+1から出力される発光駆動電流i1,i2の電流値は、それぞれデータ線Amに供給される電流値およびデータ線Am+1に供給される電流値と極めて近い値となり、これらの発光駆動電流i1,i2を基に基準電流Irefの電流値が調整されるので、調整されたデータ線Amおよびデータ線Am+1に供給される電流値は、特に正確に合うように調整される。
ところで、データ線Amに接続された発光素子E1,m〜En,mの列とデータ線Am+1に接続された発光素子E1,m+1〜En,m+1の列は有機ELディスプレイパネル10の画面上で隣接しているので、これらの発光素子列の輝度が僅かでも異なると、明暗のラインとなって表示されてしまい見苦しくなる虞がある。
上述のように、データ線Amおよびデータ線Am+1に供給される電流値が特に正確に合うように調整されることにより、これら隣接する発光素子列の輝度をより正確に合わせることができ、明暗のラインができないようにすることができる。
【0038】
(実施例2)
図8は、発光駆動部の内部構成の実施例2を示す回路構成図である。
図8において、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bはそれぞれ、基準電流制御部16と、スイッチS1〜Sn、Spと、発光駆動電流源としてのトランジスタQ1〜Qmと、抵抗R1〜Rmとから構成される。
【0039】
また、発光駆動電流調整部15は、2つの駆動回路(第1のデータ線駆動回路13b、第2のデータ線駆動回路14b)から発生した第1の発光駆動電流i1と第2の発光駆動電流i2との差分を検出する差分検出回路OP2と、抵抗Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Rfとから構成される。上記基準電流制御部16は、抵抗Rsと、トランジスタQs1,Qs2と、差動演算回路OP1とから構成される。
【0040】
以下、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bの共通の構成について詳述する。
基準電流制御部16におけるトランジスタQs1のエミッタには抵抗Rsを介して所定電圧VHが接続されており、トランジスタQs1のベースおよびコレクタにはトランジスタQs2のコレクタが接続されている。
【0041】
差動演算回路OP1の正極側入力端子には基準電位Vrefが接続され、負極側入力端子にはトランジスタQs1のエミッタ電位が入力されており、そして、出力端子は、トランジスタQs1のベースに接続されている。
【0042】
トランジスタQ1〜Qm各々のエミッタには、抵抗R1〜Rm各々を介して画素駆動電位VHが印加されており、さらに、それぞれのベースにはトランジスタQs1のベースが接続されている。
このとき、抵抗Rs、およびR1〜Rm各々の抵抗値は同一であり、さらに、トランジスタQ1〜Qm、Qs1およびQs2の各々は、互いに同一特性を有するものである。
【0043】
よって、基準電流制御部16と、トランジスタQ1〜Qmとは電流ミラー回路を構成することになり、トランジスタQ1〜Qm各々のエミッタ・コレクタ間には、基準電流Irefと同一の電流値を有する発光駆動電流が流れ、スイッチS1〜Smを介して、出力端X1〜Xm+1に接続されている。このスイッチS1〜Smは、第1駆動データ群GA1−m(第1のデータ線駆動回路13bの場合)または第2駆動データ群GB1−m(第1のデータ線駆動回路14bの場合)によりそれぞれ独立してオン/オフ制御される。
【0044】
さらに、Qmのコレクタは、スイッチSp(選択手段)を介して定電流出力端Xm+1に接続されている。このスイッチSpをオンの状態にすると、定電流出力端Xm+1を通して発光駆動電流調整部15に、発光駆動電流が供給される。そして、スイッチSmがオンの状態である場合は、スイッチSpをオフの状態にしておく必要がある。すなわち、発光駆動電流調整部15による発光駆動電流の調整は、スイッチSmがオフの状態にあるときに、スイッチSpをオンの状態にするように、図示しないマイクロコンピュータ等の制御手段を用いてオン/オフ制御することが好ましい。
【0045】
第1のデータ線駆動回路13bでは、トランジスタQs1のエミッタが、可変抵抗RTを介してアース電位に接地されている。これにより、トランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、可変抵抗RTによってその電流値を制御することができ、基準となる第1の発光駆動電流i1を発生させることができる。
【0046】
そして、第1のデータ線駆動回路13bの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線A1〜Amに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Rcに接続され、さらに抵抗Rcは抵抗Rdに接続され、抵抗Rdの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Rcと抵抗Rdとの接続点は差分検出回路OP2の正極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Rdの抵抗値と抵抗Rbの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0047】
一方、第2のデータ線駆動回路14bの出力端X1〜Xmは、図5に示す有機ELディスプレイパネル10のデータ線Am+1〜A2mに接続される。また、その定電流出力端Xm+1は抵抗Raに接続され、さらに抵抗Raは抵抗Rbに接続され、抵抗Rbの他端はアース電位に接地されている。また、抵抗Raと抵抗Rbとの接続点は差分検出回路OP2の負極側入力端子に接続されている。ここで、抵抗Raの抵抗値と抵抗Rcの抵抗値が等しくなるように設定する。
【0048】
そして、差分検出回路OP2の出力は抵抗Reを介して、トランジスタQs2のエミッタに接続され、このトランジスタQs2のエミッタはさらに、抵抗Rfを介してアース電位に接地されている。ここで、抵抗Reの抵抗値は抵抗Rfの抵抗値の1/10〜1/20程度に設定する。また、抵抗Rfの抵抗値は可変抵抗RTの最大の抵抗値と同じ値もしくはそれ以上の値に設定することが望ましい。
【0049】
上述の第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bは、回路構成が同じであり、それぞれ同じ型のIC(集積回路)で構成してもよい。また、発光駆動電流調整部15(少なくともその一部)を上記ICの外部に設けるようにしてもよい。
【0050】
以上に述べた実施例2の発光駆動部20bによれば、第2のデータ線駆動回路14bにおけるトランジスタQs1のコレクタ−エミッタ間に流れる基準電流Irefは、第1のデータ線駆動回路13bの基準電流Irefの電流値と一致するように、発光駆動電流調整部15によって自動的に調整される。そして、第1のデータ線駆動回路13aの第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14aの第2の発光駆動電流i2が同じ電流値となり、有機EL素子E1,1〜En,2mの輝度が揃うことになる。
【0051】
これにより、それぞれのデータ線駆動回路によって輝度調整を行う必要がなくなり、特に、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bをそれぞれIC等を用いて構成した場合は、発光駆動電流調整部15(少なくともその一部)を各ICの外部に設けることにより、IC製造プロセスのバラツキが生じても第1のデータ線駆動回路13aおよび第2のデータ線駆動回路14aの基準電流Irefを通じてデータ線の出力端X1〜Xmの電流を一致させることができ、有機ELディスプレイパネル10の画面上に輝度の異なる領域が出来ないようにすることができる。
【0052】
なお、第1のデータ線駆動回路13bおよび第2のデータ線駆動回路14bにおけるスイッチSp(選択手段)は、トランジスタQmのコレクタに接続する代わりに、それぞれトランジスタQ1〜Qm−1のうちいずれかのコレクタに接続するようにしてもよい。このとき例えば、第1のデータ線駆動回路13bのトランジスタQmのコレクタにスイッチSpを接続し、かつ、第2のデータ線駆動回路14bのトランジスタQ1のコレクタにスイッチSpを接続するようにすれば、前述の実施例1と同様にして、データ線Amおよびデータ線Am+1に供給される電流値が特に正確に合うように調整されることにより、隣接する発光素子列の輝度をより正確に合わせることができ、明暗のラインができないようにすることができる。
【0053】
なお、上述の実施例1および実施例2の発光駆動部20a、20bは、発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路として、2つのデータ線駆動回路(第1のデータ線駆動回路13および第2のデータ線駆動回路14)を備えた場合であるが、勿論3つ以上のデータ線駆動回路を備えてもよい。
【0054】
以上詳述したように、本実施の形態のディスプレイ装置1は、複数の走査線B1〜Bnと走査線B1〜Bn各々の交差して配列された複数のデータ線A1〜A2mとの各交差部に一画素を担う発光素子E1,1〜En,2mが形成されてなるディスプレイパネル10と、ディスプレイパネル10を発光させる発光駆動部20と、を有している。
【0055】
そして、発光駆動部20は、各々が発光素子E1,1〜En,2mを発光させる発光駆動電流をデータ線A1〜A2mに供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路13,14と、複数のデータ線駆動回路13,14のうちの少なくとも第1のデータ線駆動回路13から発生した第1の発光駆動電流i1と第2のデータ線駆動回路14から発生した第2の発光駆動電流i2とに基づいて発光駆動電流の調整を行う発光駆動電流調整部15(発光駆動電流調整部手段)と、を有している。
【0056】
これによって、第2のデータ線駆動回路14の基準電流Irefと第1のデータ線駆動回路13の基準電流Irefの電流値が一致するように、第1のデータ線駆動回路13と第2のデータ線駆動回路14の定電流出力端Xm+1を比較することで、発光駆動電流調整部15によって自動的に調整されるので、複数のデータ線駆動回路を用いた場合、特に、データ線駆動回路として複数のICを用いて構成する場合に、従来技術において生じている有機ELディスプレイパネルの輝度調整に時間がかかっていたり、充分な調整精度を確保できない問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の模式的な断面構造を示す図である。
【図2】有機EL素子の模式的な等価回路を示す図である。
【図3】従来の有機ELディスプレイパネルの駆動装置を示す図である。
【図4】データ線駆動回路として複数のICを用いて構成した従来の有機ELディスプレイパネルの駆動装置を示す図である。
【図5】本発明に係る実施の形態のディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
【図6】発光制御回路が供給する画素データと走査線選択信号のタイミング図である。
【図7】本発明に係る実施例1の発光駆動部の内部構成を示す回路構成図である。
【図8】本発明に係る実施例2の発光駆動部の内部構成を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 ディスプレイ装置
10 有機ELディスプレイパネル
13,13a,13b 第1のデータ線駆動回路
14,14a,14b 第2のデータ線駆動回路
15 発光駆動電流調整部
16 基準電流制御部
20,20a,20b 発光駆動部
A1〜A2m データ線
E1,1〜En,2m 発光素子
OP2 差分検出回路(差分検出手段)
Q1〜Qm トランジスタ(発光駆動電流源)
Sp スイッチ(選択手段)
X1〜Xm+1 出力端
Claims (10)
- 複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを発光させる発光駆動部と、を有するディスプレイ装置であって、
前記発光駆動部は、
各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路と、
前記複数のデータ線駆動回路のうちの一つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と他のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記他の発光駆動電流の調整を行う発光駆動電流調整部と、を有することを特徴とするディスプレイ装置。 - 複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを発光させる発光駆動部と、を有するディスプレイ装置であって、
前記発光駆動部は、
各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路と、
前記複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記次段の発光駆動電流の調整を順次行う発光駆動電流調整部と、を有することを特徴とするディスプレイ装置。 - 前記複数のデータ線駆動回路のうち少なくとも一つのデータ線駆動回路は、基準となる発光駆動電流を発生させる機能を有することを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ装置。
- 前記発光駆動電流調整部は、前記複数のデータ線駆動回路のうちの少なくとも2つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流の差分を検出する差分検出手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のディスプレイ装置。
- 前記複数のデータ駆動回路は、それぞれ集積回路の内部に設けられ、
前記発光駆動電流調整部のうち少なくともその一部が、前記集積回路の外部に設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のディスプレイ装置。 - 前記複数のデータ線駆動回路は、前記発光駆動電流調整部に電流を供給するための出力端を1つ以上有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のディスプレイ装置。
- 前記出力端に供給される電流は、前記発光駆動電流を前記データ線に供給する前記複数の発光駆動電流源とは別に設けられた発光駆動電流源から供給されることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
- 前記出力端に供給される電流は、前記発光駆動電流を前記データ線に供給する前記複数の発光駆動電流源のうちの少なくとも1つの発光駆動電流源から、選択手段を介して選択的に供給されることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
- 複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルを発光させる発光駆動部を用いたディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を含み、
前記複数のデータ線駆動回路のうちの一つのデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と他のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記他の発光駆動電流の調整を行うことを特徴とするディスプレイパネルの駆動方法。 - 複数の走査線と前記走査線各々の交差して配列された複数のデータ線との各交差部に一画素を担う発光素子が形成されてなるディスプレイパネルを発光させる発光駆動部を用いたディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記発光駆動部は、各々が前記発光素子を発光させる発光駆動電流を前記データ線に供給する複数の発光駆動電流源を有する複数のデータ線駆動回路を含み、
前記複数のデータ線駆動回路のうちの前段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流と次段のデータ線駆動回路から発生した発光駆動電流とに基づいて、前記次段の発光駆動電流の調整を順次行うことを特徴とするディスプレイパネルの駆動方法。
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JP2005338157A (ja) * | 2004-05-24 | 2005-12-08 | Seiko Epson Corp | 電流供給回路、電流供給装置、電圧供給回路、電圧供給装置、電気光学装置、及び電子機器 |
JP2006227151A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 有機el表示装置および有機el表示装置のデータ線駆動回路 |
KR100692455B1 (ko) | 2004-01-05 | 2007-03-09 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 데이터선 구동 회로, 전기 광학 장치 및 전자 기기 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096878A patent/JP2004302273A/ja active Pending
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