JP2004348891A - 不揮発性記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】周辺回路であるドライバ回路を用いて、簡易かつ効率的にデバイスのバーンイン試験を実行することが可能な不揮発性記憶装置を提供する。
【解決手段】テスト時において、テスト用のデコード線TL1〜TL4の入力に応答してライトドライバデコーダWDC1,WDC2が駆動される。ライトドライバデコーダWDC1は、ビット線BL1の一端側に設けられたドライバDRV1のトランジスタPT1をオンして、一端側と電源電圧Vccaとを電気的に結合させる。また、ライトドライバデコーダWDC2は、他端側に設けられたドライバDRV2の各トランジスタはオフして開放状態とする。これにより、ビット線BL1と周辺回路等との間に電圧ストレスを生じさせ不良を顕在化させることができる。
【選択図】 図11
【解決手段】テスト時において、テスト用のデコード線TL1〜TL4の入力に応答してライトドライバデコーダWDC1,WDC2が駆動される。ライトドライバデコーダWDC1は、ビット線BL1の一端側に設けられたドライバDRV1のトランジスタPT1をオンして、一端側と電源電圧Vccaとを電気的に結合させる。また、ライトドライバデコーダWDC2は、他端側に設けられたドライバDRV2の各トランジスタはオフして開放状態とする。これにより、ビット線BL1と周辺回路等との間に電圧ストレスを生じさせ不良を顕在化させることができる。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性記憶装置に関し、特に、信頼性評価のための試験を実行する回路を備えた不揮発性記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デバイスの故障は3つの期間に大別され、時間の経過につれて初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間等を挙げることができる。初期故障は、使用直後に発生する故障でデバイス作製時の欠陥が現われたものである。マージン系の不良はこの部類に属する。この故障の割合は時間とともに急速に減少していく。その後は低い故障率がある一定期間長く続く偶発故障期間に入る。やがてデバイスは耐用寿命に近づき急激に故障率が増大する(摩耗故障期間)。デバイスは、偶発故障期間内で使用することが望ましくこの領域が耐用期間となる。したがって、デバイスの信頼性を高めるためには偶発故障が低く一定でかつ偶発故障期間が長く続くことが要求される。
【0003】
一方で、初期故障を予め除去するために、デバイスに一定時間の加速動作エージングを行ない不良品を除去するスクリーニングを行なう必要性がある。これを短期間で効果的に行なうためには、初期故障率が時間に対して急速に減少し早く偶発故障に入ることが望ましい。現在このスクリーニング手法の1つとして一般に高温・高圧等の加速動作試験(バーンイン試験)が行なわれている。これは実デバイスを用いて、回路を構成するトランジスタ等の誘電体膜等を直接評価することができる方式であり、配線間ショートをはじめ、あらゆる不良要因を高温かつ高電界のストレス等を印加することにより加速的に顕在化させることができる。
【0004】
特開2001−67898号公報においては、テスト時に書込あるいは読出時に用いられるドライバ回路を駆動して、DRAM(Dynamic Random Access Memory)メモリセル等のバーンイン試験を実行する方式が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−67898号公報
【0006】
【非特許文献1】
ロイ・ショイアーライン(Roy Scheuerline)他6名、“各セルにFETスイッチおよび磁気トンネル接合を用いた、10ns読出・書込の不揮発メモリアレイ(A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell)”,(米国),2000年米国電気電子学会国際固体回路会議・技術論文集TA7.2(2000 IEEE ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2),p.128−129
【0007】
【非特許文献2】
長広泰明「不揮発性メモリー最前線:フラッシュからOUMへ米Intelが描く将来像」,日経マイクロデバイス,日経BP社,2002年3月号,p.65−78
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年の新世代の不揮発性記憶装置として薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を実行するMRAM(Magnetic Random Access Memory)デバイス(特許文献1参照)や薄膜のカルケナイドという材料を用いてデータ記憶を実行するPCM(Phase Change Memories)デバイス(特許文献2参照)が特に注目されている。
【0009】
一般的に、これら不揮発性記憶装置の記憶素子として用いられるメモリセルの構造はDRAM等のメモリセルの素子とは異なり、また、データ記憶の方式も異なる。
【0010】
したがって、メモリセルのデータ書込や読出等に用いられるドライバ回路等も異なる。したがって、従来のDRAM等の半導体記憶装置で周辺回路として設けられるドライバ回路を用いたバーンイン試験をそのままMRAMデバイスやPCMデバイスに適用することは困難である。
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、周辺回路であるドライバ回路を用いて、簡易かつ効率的にデバイスのバーンイン試験を実行することが可能な不揮発性記憶装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る不揮発性記憶装置は、メモリアレイと、書込電流線と、ドライバ回路とを含む。メモリアレイは、各々において、記憶データに応じたデータ書込電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含む。書込電流線は、複数のメモリセルのうち所定区分毎に対応して設けられる。ドライバ回路は、各書込電流線に対応して設けられ、対応する書込電流線に書込電流を供給する。テスト時に、各ドライバ回路のうちの少なくとも1つは活性化されて、対応する書込電流線の一端および他端に与えられる電圧差をデータ書込時に与えられる電圧差よりも大きく設定する。
【0013】
また、不揮発性記憶装置は、メモリアレイと、書込電流線と、ドライバ回路と、制御回路とを含む。メモリアレイは、各々において、記憶データに応じたデータ書込電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含む。書込電流線は、複数のメモリセルのうち所定区分毎に設けられる。ドライバ回路は、書込電流線に対応して設けられ、対応する書込電流線にデータ書込電流を供給する。制御回路は、各ドライバ回路に対応して設けられ、対応するドライバ回路の駆動を制御する。各制御回路は、信号生成回路と、タイミング調整回路とを含む。信号生成回路は、データ書込時に外部からのアドレス指示に基づいて対応するドライバ回路の動作期間を規定するワンショットパルスの選択信号を生成する。タイミング調整回路は、テスト時に信号生成回路から生成される選択信号を出力する期間を調整する。
【0014】
また、不揮発性記憶装置は、メモリアレイと、複数のビット線と、複数の第1のドライバ回路とを含む。メモリアレイは、各々において、記憶データに応じた電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含む。複数のビット線は、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる。複数の第1のドライバ回路は、複数のビット線にそれぞれ対応して設けられ、対応するビット線に第1の書込電流を供給する。テスト時に、各第1のドライバ回路のうちの少なくとも1つは活性化されて、対応するビット線の一端を第1の電圧および第2の電圧のいずれか一方と電気的に結合し、他端を開放状態に設定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う不揮発性記憶装置の代表例として示されるMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0017】
なお、以下の説明で明らかなように、本発明の適用は、MTJメモリセルを備えたMRAMデバイスに限定されるものではなく、データ書込および読出の際に通過電流(データ書込電流およびデータ読出電流)が流れるメモリセルを備える不揮発性記憶装置に共通に適用することができる。
【0018】
図1を参照して、MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するコントロール回路5と、行列状に配置されたMTJメモリセルMCを含むメモリアレイ10と、列デコーダ15と、行選択回路20とを備える。
【0019】
列デコーダ15は、アドレス信号ADDに含まれるコラムアドレスCAに基づいてアクセス対象となるメモリアレイ10の列選択動作を実行する。行選択回路20は、アドレス信号ADDに含まれるロウアドレスRAに基づいて、アクセス対象となるメモリアレイ10における行選択動作を実行する。
【0020】
また、MRAMデバイス1は、メモリアレイ10の両側に設けられ、入力データDINに基づくデータ書込あるいは出力データDOUTとして外部に出力するデータ読出を実行する読出/書込制御回路25,30をさらに備える。なお、以下においては信号、信号線およびデータ等の2値的な高電圧状態および低電圧状態をそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルとも称する。
【0021】
また、メモリアレイ10の行列状に集積配置された複数のメモリセルMCの行および列を、メモリセル行およびメモリセル列ともそれぞれ称する。
【0022】
メモリアレイ10は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線WLおよびデジット線WDLと、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線BLと複数のソース線SLとをさらに備える。なお、図1には、代表的に1つのメモリセルMCが示され、メモリセルMCのメモリセル行に対応してワード線WLおよびデジット線WDLがそれぞれ1本ずつ示されている。またメモリセルMCのメモリセル列に対応してビット線BLおよびソース線SLが代表的に1本ずつ示されている。
【0023】
また、メモリアレイ10を挟んで行選択回路20の反対領域に、コントロール回路5からの指示に応答してデジット線WDLに供給される電源電圧Vccを接地電圧GNDに切換えるセレクタSELrと、コントロール回路5からの指示に応答してソース線SLに供給される接地電圧GNDを電源電圧Vcceに切換えるセレクタSELgとが設けられる。
【0024】
図2は、メモリアレイ10およびその周辺回路の概略構成図である。
図2を参照して、メモリアレイ10は、行列状に集積配置された正規のメモリセルMCを含むメモリ領域10aと、複数のダミーメモリセルDMCを含むメモリ領域10bとを含む。各ダミーメモリセルDMCは、メモリ領域10aの正規のメモリセルMCとメモリセル列を共有するようにそれぞれ配置される。
【0025】
また、メモリ領域10aは、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線WLと、複数のデジット線WDLとを含む。また、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線BLと複数のソース線SLとを含む。ワード線WLは、メモリセル行に対応して設けられる2本のワード線のそれぞれを総括して標記したものである。具体的には、図2において、奇数列のビット線BLに対応するメモリセルと電気的に結合されるワード線WLOと、偶数列のビット線BLに対応するメモリセルと電気的に結合されるワード線WLEとが示される。
【0026】
また、メモリ領域10bは、メモリセル行に対応して設けられるデジット線DWDLと、ダミーワード線DWLとを含む。ダミーワード線DWLは、メモリセル行に対応して設けられる2本のダミーワード線のそれぞれを総括的に標記したものである。具体的には、図2において、奇数列のビット線BLに対応するダミーメモリセルと電気的に結合されるダミーワード線DWLOと、偶数列のビット線BLに対応するメモリセルと電気的に結合されるダミーワード線DWLEとが示される。
【0027】
メモリセルMCは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。メモリセルMCに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびデジット線DLと、データ読出時に活性化されるワード線WLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、接地電圧GNDおよびビット線BLの間に電気的に結合される。
【0028】
ここで、MTJメモリセルの構造およびデータ記憶原理について説明する。
図3は、MTJメモリセルの構造およびデータ記憶原理を説明する概念図である。
【0029】
図3を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部からの印加磁界に応じた方向に磁化可能な強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって磁気トンネル接合が形成される。
【0030】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが同じ(平行)である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0031】
データ書込時においては、ワード線WLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流は、ビット線BLおよびデジット線DLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0032】
図4は、MTJメモリセルへのデータ書込電流の供給とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【0033】
図4を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびデジット線DLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0034】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベルに応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。MTJメモリセルは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータを記憶することができる。
【0035】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図4に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0036】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。図4に示すように、データ書込時の動作点は、デジット線DLとビット線BLとの両方に所定のデータ書込電流を流したときに、MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えられるように設計される。
【0037】
図4に例示された動作点では、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはデジット線DLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0038】
トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。各メモリセルの電気抵抗は、厳密には、トンネル磁気抵抗素子TMR、アクセストランジスタATRのオン抵抗、およびその他の寄生抵抗の和であるが、トンネル磁気抵抗素子TMR以外の抵抗分は記憶データによらず一定であるので、以下においては、記憶データに応じた2種類の正規メモリセルの電気抵抗についても、RmaxおよびRminで示し、両者の差をΔR(すなわち、ΔR=Rmax−Rmin)と示すものとする。なお、ダミーメモリセルDMCの電気抵抗値はRmax,Rminの中間抵抗値Rmidに設定される
再び図2を参照して、行選択回路20は、ロウアドレスRAに基づいてワード線WLを選択する選択領域120aと、ロウアドレスRAに基づいてデジット線WDLを選択する選択領域120bとを含む。
【0039】
選択領域120aは、複数のワード線WLおよびダミーワード線DWLにそれぞれ対応して設けられた複数のトランジスタを含む。具体的には、ワード線WLEに対応してトランジスタTweが設けられる。また、ワード線WLOに対応してトランジスタTwoが設けられる。選択領域120aに含まれる複数のトランジスタは、図示しない行選択回路20の行選択結果に応答して選択的にオンする。これに伴い、対応するワード線WL等が活性化(「H」レベル)される。
【0040】
選択領域120bは、複数のデジット線WDLおよびDWDLにそれぞれ対応して設けられた複数のトランジスタTdを含む。選択領域120bに含まれる複数のトランジスタTdは、図示しない行選択回路20の行選択結果に応答して選択的にオンする。これに伴い、対応するデジット線WDLにデータ書込電流が供給される。
【0041】
読出/書込制御回路25は、複数のビット線BLの一端側にそれぞれ設けられた複数のドライバDRV1と、複数のドライバDRV1にそれぞれ対応して設けられる複数のライトドライバデコーダWDC1とを含む。また、読出/書込制御回路25は、複数のドライバDRV1に共通に設けられ、セレクタSEL1からの電圧を供給する電圧供給線VL2と、電圧供給線VL2に供給する2種類の電源電圧(Vcca,Vccb(<Vcca))を選択するセレクタSEL1と、トランジスタT1とを含む。
【0042】
トランジスタT1は、電源電圧VccbとセレクタSEL1との間に配置され、そのゲートはソース側と電気的に結合されている。いわゆるダイオード接続されている。したがって、セレクタSEL1は、電源電圧Vccaもしくは電源電圧Vccbからトランジスタの閾値電圧分降下した電圧のいずれか一方を電圧供給線VL2に供給する。
【0043】
ドライバDRV1は、トランジスタPT1とNT1とを含む。トランジスタPT1は、電圧供給線VL2とビット線BLの一端側との間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDCからのデコード結果の入力を受ける。トランジスタNT1は、ビット線BLの一端側と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDC1のデコード結果の入力を受ける。
【0044】
ライトドライバデコーダWDC1は、入力される書込制御信号WDTa,WDTbとともに図示しない列デコーダ15からのプリデコード信号を受けてデコード処理し、その結果をドライバDRV1に出力する。
【0045】
読出/書込制御回路30は、複数のビット線BLの他端側にそれぞれ設けられた複数のドライバDRV2と、複数のドライバDRV2にそれぞれ対応して設けられる複数のライトドライバデコーダWDC2とを含む。また、読出/書込制御回路30は、複数のドライバDRV2に共通に設けられ、セレクタSEL2により選択した電圧を供給する電圧供給線VL3と、電圧供給線VL3に供給する2種類の電源電圧(Vcca,Vccb(<Vcca))を選択するセレクタSEL2と、トランジスタT2とを含む。
【0046】
トランジスタT2は、電源電圧VccbとセレクタSEL2との間にトランジスタT1と同様にダイオード接続される。したがって、セレクタSEL2は、電源電圧Vccaもしくは電源電圧Vccbからトランジスタの閾値電圧分降下した電圧のいずれか一方を電圧供給線VL3に供給する。
【0047】
ドライバDRV2は、トランジスタPT2とNT2とを含む。トランジスタPT2は、電圧供給線VL3とビット線BLの他端側との間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDC2からのデコード結果の入力を受ける。トランジスタNT2は、ビット線BLの他端側と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDC2のデコード結果の入力を受ける。
【0048】
ライトドライバデコーダWDC2は、入力される書込制御信号WDTa,WDTbとともに図示しない列デコーダ15からのプリデコード信号を受けてデコード処理し、その結果をドライバDRV2に出力する。
【0049】
また、読出/書込制御回路30は、データ読出に用いられる入出力線対DIOPと、データ読出時にビット線BLと入出力線対DIOPとのゲートとして用いられる複数のゲートトランジスタRSGと、読出制御回路200と、書込制御回路300と、ビット線BLにそれぞれ対応して設けられプリチャージ電圧を供給する電圧供給線VL5と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のトランジスタP1と、トランジスタT5と、隣接する2列ずつのビット線にそれぞれ対応して設けられる複数のデータ読出用のコラム選択線RCSLとをさらに含む。
【0050】
入出力線対DIOPは、入出力線DIO1,DIO2を含む。ゲートトランジスタRSGは、奇数列のビット線に対応して設けられる複数のゲートトランジスタRSG1と、偶数列のビット線に対応して設けられる複数のゲートトランジスタRSG2とを総括的に標記したものである。ゲートトランジスタRSG1の各々は、対応するビット線と入出力線DIO1との間に配置され、そのゲートはデータ読出用のコラム選択線RCSLと電気的に結合される。ゲートトランジスタRSG2の各々は、対応するビット線と入出力線DIO2との間に配置され、そのゲートは、データ読出用のコラム選択線RCSLと電気的に結合される。図2においては、ゲートトランジスタRSG1およびRSG2のゲートとそれぞれ電気的に結合されている1本のコラム選択線RCSLが示されている。したがって、1本のコラム選択線RCSLを活性化することにより奇数列に対応するビット線と入出力線DIO1とが電気的に結合され、偶数列に対応するビット線と入出力線DIO2とが電気的に結合される。
【0051】
また、トランジスタT5は、ダイオード接続されて電源電圧Vccdと電圧供給線VL5との間に配置される。また、トランジスタP1は、電圧供給線VL5と対応するビット線との間に配置される。トランジスタP1の活性化に応答して電圧供給線VL5からプリチャージ電圧を各ビット線に対して供給する。なお、トランジスタT5,P1は、一例としてそれぞれNチャネルMOSトランジスタ、PチャネルMOSトランジスタとする。
【0052】
読出制御回路200は、増幅回路202,204,206と、ラッチ回路208と、バッファ回路210と、トランジスタT3,T4と、出力ピン212とを含む。トランジスタT3,T4はそれぞれダイオード接続されて入出力線GIO1,GIO2とそれぞれ電気的に結合される。したがって、ゲートトランジスタRSGが駆動してない場合、入出力線対DIOPは電源電圧VccからトランジスタT3,T4の閾値電圧分降下した電圧レベルにプリチャージされる。
【0053】
増幅回路202,204,206は、2段の増幅回路群を構成し、入出力線DIO1,DIO2と電気的に結合される増幅回路202,204により、入出力線DIO1,DIO2の電圧差を増幅するとともに増幅回路206でさらにその電圧差を増幅する。ラッチ回路208は、増幅回路206で増幅した読出データRDTをラッチして、バッファ回路210に出力する。バッファ回路210は、読出データRDTを出力データDOUTとして出力ピン212に出力する。
【0054】
書込制御回路300は、制御信号WD,TMの入力に応じて動作し、入力データDINの入力に基づいて、書込制御信号WDTa,WDTbを生成する。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態1に従うデータ書込電流を供給する回路帯の概念図である(以下、電流駆動系回路とも称する)。
【0056】
図5を参照して、本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路において、読出/書込制御回路25,30は、上述したようにビット線BLの一端側に設けられるドライバDRV1と、他端側に設けられるドライバDRV2と、ドライバDRV1およびDRV2にそれぞれ対応して設けられるライトドライバデコーダWDC1およびWDC2とを含む。
【0057】
さらに、読出/書込制御回路25は、複数のビット線BLにそれぞれ対応して設けられる複数のコラム選択線CSLを選択的に活性化させる複数のデコーダMDC1と、ライトドライバデコーダWDC1に対応して設けられる電圧供給線VL1,VL2と、電圧供給線VL1,VL2にそれぞれ対応して設けられるセレクタSEL3,SEL1と、ライトドライバデコーダWDC2に対応して設けられる電圧供給線VL3,VL4と、電圧供給線VL3,VL4にそれぞれ対応して設けられるセレクタSEL2,SEL4とを含む。図5においては、ビット線BLに対応して設けられたコラム選択線CSL1が示され、コラム選択線CSL1を活性化させるためのデコーダMDC1が1つ示されている。
【0058】
デコーダMDC1は、コラムアドレスCAの一部ビットに基づく行選択回路20からのプリデコード信号を伝達するデコード線MKSからの入力を受け、入力結果に基づいてコラム選択線CSL1を活性化させる。
【0059】
ライトドライバデコーダWDC1は、論理回路G11,G21を含む。また、ライトドライバデコーダWDC2は、論理回路G12,G22とを含む。
【0060】
ライトドライバデコーダWDC1,WDC2は、コラム選択線CSL1に伝達される信号およびデコード線DKSにより伝達されるプリデコード信号および書込制御信号WDTa,WDTbに基づいてドライバDRV1およびDRV2をそれぞれ駆動する。デコード線DKSには、行選択回路20からのコラムアドレスCAの一部ビット以外の残りのビットに基づくプリデコード信号が伝達されるものとする。
【0061】
セレクタSEL1は、トランジスタN60とトランジスタP60とを含む。トランジスタN60は、トランジスタT1と電圧供給線VL2との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP60は、電源電圧Vccaと電圧供給線VL2との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。セレクタSEL2は、トランジスタN62と、トランジスタP62とを含む。トランジスタN62は、トランジスタT2と電圧供給線VL3との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP62は、電源電圧Vccaと電圧供給線VL3との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。
【0062】
したがって、制御信号/ACTの入力に基づいてセレクタSEL1およびSEL2の切換動作により電圧供給線VL2およびVL3に供給される電圧レベルが変化する。具体的には、制御信号/ACT(「L」レベル)に応答して電源電圧Vccaと電圧供給線VL2およびVL3とが電気的に結合される。一方、制御信号/ACT(「H」レベル)に応答してトランジスタT1もしくはT2を介して電源電圧Vccbと電圧供給線VL2およびVL3とが電気的に結合される。なお、一例としてトランジスタN60,N62は、それぞれNチャネルMOSトランジスタ,トランジスタP60,P62は、PチャネルMOSトランジスタとする。
【0063】
セレクタSEL3は、トランジスタN64とトランジスタP64とを含む。
トランジスタN64は、電圧供給線VL1と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP64は、電圧供給線VL1と電源電圧Vccf(<Vcca)との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。セレクタSEL4は、トランジスタN66と、トランジスタP66とを含む。トランジスタN66は、電圧供給線VL4と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP66は、電圧供給線VL4と電源電圧Vccfとの間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。
【0064】
したがって、制御信号/ACTの入力に基づいてセレクタSEL3およびSEL4の切換動作により電圧供給線VL1およびVL4に供給される電圧レベルが変化する。具体的には、制御信号/ACT(「H」レベル)に応答して接地電圧GNDと電圧供給線VL1およびVL4とが電気的に結合される。一方、制御信号/ACT(「L」レベル)に応答して電源電圧Vccfと電圧供給線VL1およびVL4とが電気的に結合される。なお、一例としてトランジスタN64,N66は、それぞれNチャネルMOSトランジスタとする。トランジスタP64,P66は、PチャネルMOSトランジスタとする。
【0065】
また、トランジスタP1は、トランジスタT5とビット線BLとの間に配置され、そのゲートはコラム選択線CSL1と電気的に結合される。したがって、コラム選択線CSL1(「L」レベル)の場合には、トランジスタP1がオンし、ビット線BLに電源電圧VccdからトランジスタT5の閾値電圧分ドロップしたプリチャージ電圧が供給される。
【0066】
本実施の形態においては、薄膜および厚膜のゲート絶縁膜を有する2種類のトランジスタで構成され、ドライバDRV1,DRV2等は、動作高速性を確保する観点から薄膜トランジスタが用いられている。一方、電源電圧あるいは接地電圧と電気的に結合されているトランジスタについては内部回路の動作安定性を補償する観点から厚膜トランジスタが用いられている。たとえば、セレクタSEL等を構成するトランジスタや、ダイオード接続されたトランジスタT1,T2,T5等を挙げることができる。
【0067】
なお、特に本実施の形態においては、デバイスの活性化時に通常時と異なる高い電圧をドライバDRV1,DRV2の薄膜のトランジスタPT1,PT2のソース側に供給する。したがって、ドライバDRV1,DRV2を構成する薄膜トランジスタを破壊しないように薄膜のトランジスタPT1,PT2に与える電圧レベルを調整する必要があるため論理回路G11,G12を駆動する電圧供給線VL1〜VL4が示されているが、論理回路G21,G22を駆動する電圧供給線も当然備えられている。ここで、ドライバDRV1,DRV2の薄膜のトランジスタNT1,NT2のソース側は常に接地電圧GNDに固定されているため特別な制御をする必要が無く一般的な構成である。したがって、本実施の形態においては特に薄膜トランジスタPT1,PT2のゲートとそれぞれ電気的に結合される論理回路G11,G12を駆動する電圧供給線VL1〜VL4について主に説明する。
【0068】
図6は、本発明の実施の形態に従うデコーダMDC1の回路構成図である。
図6を参照して、デコーダMDC1は、AND回路ADCと、遅延段DLYと、NOR回路NRと、スイッチ制御回路SWと、フリップフロップ回路FFと、ラッチ回路LC1とを含む。AND回路ADCは、デコード線MKSに伝達されるプリデコード信号に基づいてそのAND論理演算結果を信号S0として出力する。遅延段DLYは奇数段のいわゆるインバータチェーンで構成され、入力される信号S0を遅延させてその反転信号S0#をNOR回路NRの入力ノードに出力する。NOR回路NRは、信号S0およびS0♯のNOR論理演算結果を信号S1として出力する。この遅延段DLYおよびNOR回路NRは、入力される信号S0に基づいてワンショットパルスを生成する。具体的には入力される信号S0の立下がりに応答して信号S1が生成される。
【0069】
スイッチ制御回路SWは、ラッチ回路LC1でラッチされる制御信号TM(「H」レベル)に基づいて通常時において電気的に結合されているNOR回路NRの出力ノードとコラム選択線CSL1とを切断して、後述するテストモード時にフリップフロップ回路FFの出力ノードとコラム選択線CSLとを電気的に結合させる。なお、ラッチ回路LC1は、制御信号WD(「H」レベル)に応答して制御信号TMをラッチする。
【0070】
フリップフロップ回路FFは、制御信号TMおよび制御信号WDの入力を受け、信号S2を生成する。具体的には、後述するテストモードにおいて、所定条件の入力に基づいて信号S2を「H」レベルにラッチし続ける。
【0071】
図7は、図5で説明した電流駆動系回路においてデバイスのスリープモード時における電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【0072】
図7を参照して、デバイスのスリープモード時においては制御信号/ACTが「H」レベルに設定される。これに伴い、セレクタSEL1のトランジスタN60がオンし、トランジスタT1の閾値電圧分ドロップした電源電圧Vccbが電圧供給線VL2に供給される。また、セレクタSEL2のトランジスタN62がオンし、トランジスタT2の閾値電圧分ドロップした電源電圧Vccbが電圧供給線VL3に供給される。
【0073】
セレクタSEL3およびSEL4は、制御信号/ACT(「H」レベル)の入力に応答して接地電圧GNDと電圧供給線VL1およびVL4とを電気的に結合する。なお、コラム選択線CSL1は「L」レベルに設定されているためビット線BLはプリチャージ状態である。
【0074】
電圧供給線VL2およびVL3には、電源電圧Vccaよりも電圧レベルの低い電源電圧Vccbが用いられ、さらにトランジスタの閾値電圧分ドロップした電圧レベルが供給されるためドライバDRV1およびDRV2を構成するトランジスタのリーク電流を低減し、デバイスのスリープモード時においてデバイス全体の消費電力を低減することができる。
【0075】
次に、デバイスのスリープ期間以外の活性化時における本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路の電圧供給線の電圧レベルについて説明する。
【0076】
図8は、デバイスの活性化時において、電流駆動系回路が動作を実行していないスタンバイ時の電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【0077】
図8を参照して、デバイスの活性化時において制御信号/ACTは「L」レベルに設定される。したがって、セレクタSEL1およびSEL2は、トランジスタP60およびP62をオンし、電源電圧Vccaと電圧供給線VL2およびVL3とが電気的にそれぞれ結合される。
【0078】
一方、セレクタSEL3およびSEL4は、制御信号/ACT(「L」レベル)の入力に応答してトランジスタP64,P66を共にオンし、電源電圧Vccfと電圧供給線VL1およびVL4のそれぞれとが電気的に結合される。なお、コラム選択線CSL1は「L」レベルに設定されているためビット線BLはプリチャージ状態である。
【0079】
ここで、ライトドライバデコーダWDCについて考えると、活性化時であるが列選択はまだ実行されていない状態であり論理回路G11の出力する論理レベルすなわちドライバDRV1のトランジスタPT1に入力される論理レベルは「H」レベルである。すなわち論理回路G11は、電圧供給線VL1およびVL2からの電源電圧からの電圧レベルの供給を受けて動作するためトランジスタPT1のゲートには「H」レベルに相当する電源電圧Vccaの電圧レベルが印加される。
【0080】
この場合、トランジスタPT1のゲートおよびソースに供給される電圧は共に同じ電圧レベルであるためゲート−ソース間に高電界がかからず薄膜のトランジスタPT1を破壊することはなくゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。また、プリチャージ電圧がビット線BLに供給されるためゲート−ドレイン間に高電界がかからず薄膜のトランジスタPT1を破壊することはなくゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。
【0081】
なお、ここでは、ドライバDRV1のトランジスタPT1について説明したがドライバDRV2のトランジスタPT2についても同様である。
【0082】
次に、本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路におけるデータ書込時の動作について説明する。
【0083】
図9は、データ書込時における電流駆動系回路の動作について説明する概念図である。
【0084】
図9を参照して、本例においては、ビット線BL1が選択されるものとする。したがって、デコーダMDC1は、デコード線MKSの入力に基づいてコラム選択線CSL1を活性化(「H」レベル)させる。また、ライトドライバデコーダWDC1およびWDC2には、全て「H」レベルのプリデコード信号がデコード線DKSを介して伝達されるものとする。また、書込制御信号WDTa,WDTbは、それぞれ「H」レベル,「L」レベルに設定されるものとする。
【0085】
この場合、ライトドライバデコーダWDC1の論理回路G11は「L」レベルを出力する。一方、ライトドライバデコーダWDC2の論理回路G22は、「H」レベルを出力する。これに伴い、トランジスタPT1およびNT2がオンする。したがって、電圧供給線VL2とビット線BLの一端側とがトランジスタPT1を介して電気的に結合され、ビット線BLの他端側と接地電圧GNDとが電気的に結合されてビット線BLの一端側から他端側への電流経路が形成される。このビット線BLを流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCへのデータ書込を実行することが可能になる。
【0086】
ここで、トランジスタPT1がオンする際、本実施の形態の構成においては、論理回路G11の「L」レベルの出力信号として電源電圧Vccf(<Vcca)がトランジスタPT1のゲートに入力される。仮に、「L」レベルの出力信号として接地電圧GNDが供給される場合、トランジスタPT1のゲート−ソース間電圧が過大になりすぎるため、トランジスタPT1の薄膜のゲート絶縁膜が破壊される恐れがある。したがって、本実施の形態のドライバ回路の構成により、トランジスタPT1のゲート−ソース間電圧は過大になりすぎることがなく、高電界が薄膜のトランジスタPT1に掛からないためゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。ドライバDRV2のトランジスタPT2についても同様である。
【0087】
図10のタイミングチャート図を用いて本発明の実施の形態に従うデータ書込およびデータ読出の一連の動作について説明する。
【0088】
図10を参照して、時刻t0においてデバイスに電源が投入される。これに伴い、電圧供給線VL2の電圧レベルは、徐々に上昇し時刻t1において電源電圧VccbからトランジスタT1の閾値電圧分降下した電圧レベルに設定される。なお、この時刻t1からデバイスが活性化される時刻t2までの期間がいわゆるスリープ期間である。この場合においては、制御信号/ACTは「H」レベルに設定されている。
【0089】
次に、デバイスが活性化される時刻t2において、制御信号ACTは「H」レベルに設定される。すなわち、制御信号/ACTは、「L」レベルに設定される。これに伴い、セレクタSEL1〜SEL4が上述した切換動作を実行する。
【0090】
時刻t2以降、デバイスの動作を規定するクロック信号CLKが安定する時刻t3において、クロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDが入力される。この制御信号の組合せに応じてデータ書込が実行される。
【0091】
一例として、書込制御回路300は、入力データDIN(「1」)の入力を受ける。書込制御回路300は、入力データDIN(「1」)の入力に基づいて書込制御信号WDTa,WDTbを「H」レベル,「L」レベルにそれぞれ設定する。なお、本例においては、入力されるコラムアドレスCAに基づいてビット線BL1が選択されるものとする。
【0092】
これに伴い、上述したようにライトドライバデコーダWDC1およびWDC2は書込制御信号に応じてドライバDRV1およびDRV2を駆動してデータ書込電流をビット線BL1に供給する。また同様の時刻t3において、図示しない入力されるロウアドレスRAに応じたデジット線WDLが選択され、選択デジット線WDLと選択ビット線BL1に流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCに対するデータ「1」のデータ書込を実行することができる。
【0093】
次に、本発明の実施の形態に従うデータ読出について説明する。
ここではビット線BL1に対応する選択されたメモリセルMCのデータ読出について説明する。
【0094】
時刻t4において、クロック信号CLKの立上がりに同期して入力される制御信号CSおよび制御信号RDの入力に伴いデータ読出が実行される。この時刻t4において、本例においては図示しないコラムアドレスCAの入力にともない奇数列のビット線BL1が選択されるものとする。また、図示しないロウアドレスRAの入力に伴い選択されたワード線WLが活性化される。具体的には、奇数列のビット線BLに対応するワード線WLOが活性化される。したがって、選択された選択メモリセルMCおよびダミーメモリセルDMCのトンネル磁気抵抗素子TMRとソース線SLを介する接地電圧GNDとが電気的に結合される。
【0095】
また同様のタイミングにおいて、ダミーワード線DWLのうち偶数列に対応するダミーワード線DWLEが活性化される。また図示しないがコラムアドレスCAに基づいてリード用のコラム選択線RCSLが活性化されコラム選択線RCSLの活性化に応答して、ゲートトランジスタRSG1,RSG2がオンし、ビット線BL1,BL2と入出力線DIO1,DIO2とがそれぞれ電気的に結合される。これに伴い、上述したように入出力線DIO1は所定の電圧レベルにプリチャージされているため、選択されたメモリセルMCに対して選択メモリセルMCが有するトンネル磁気抵抗素子の抵抗値に応じたデータ読出電流が流れる。すなわち、入出力線DIO1の電圧レベルはこのデータ読出電流に基づく記憶データに応じた値に設定される。一方、上述したように入出力線DIO2は、所定の電圧レベルにプリチャージされているため、ダミーメモリセルDMCに対してダミーメモリセルDMCが有するトンネル磁気抵抗素子の抵抗値に応じたデータ読出電流が流れる。上述したようにダミーメモリセルDMCのトンネル磁気抵抗素子の抵抗値は、正規のメモリセルのトンネル磁気抵抗素子が有する抵抗値Rmax,Rminの中間抵抗値を有する。入出力線DIO2の電圧レベルは、これに伴い、所定の基準電圧Vrefの電圧レベルに設定される。
【0096】
この入出力線DIO2に設定された基準電圧Vrefの電圧レベルを基準として、増幅回路202〜204で入出力線DIO1に設定された電圧との電圧差が増幅され、読出データRDTが生成されて、出力ピン212に出力データDOUT(「1」)が出力される。
【0097】
時刻t5においては、再びデータ書込が実行される。すなわち制御信号CSおよび制御信号WDがクロック信号CLKの立ち上がりに同期して入力され、データ書込が実行される。
【0098】
ここで、書込制御回路300は、入力データDIN(「0」)の入力を受けるものとする。書込制御回路300は、入力データDIN(「0」)の入力に基づいて書込制御信号WDTa,WDTbを「L」レベル、「H」レベルにそれぞれ設定する。なお、本例においては、入力されるコラムアドレスCAに基づいてビット線BL2が選択されるものとする。
【0099】
これに伴い、上述したようにライトドライバデコーダWDC1およびWDC2は書込制御信号に応じてドライバDRV1およびDRV2を駆動してデータ書込電流をビット線BL2に供給する。また同様の時刻t5において、図示しない入力されるロウアドレスRAに応じたデジット線WDLが選択され、選択デジット線WDLと選択ビット線BL2に流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCに対するデータ「0」のデータ書込を実行することができる。
【0100】
時刻t6においては、再びデータ読出が実行される。具体的には制御信号CSおよび制御信号RDがクロック信号CLKの立上がりに同期して入力される。本例においてはビット線BL2のデータ読出が実行される。
【0101】
具体的には入力されるロウアドレスRAの入力に基づいてワード線WLEとダミーワード線DWLOがそれぞれ活性化される。また同様のタイミングにおいて、図示しないがコラムアドレスCAに基づいてリード用のコラム選択線RCSLが活性化され、コラム選択線RCSLの活性化に応答して、ゲートトランジスタRSG1,RSG2がオンする。これに伴い、ビット線BL1,BL2と入出力線DIO1,DIO2とがそれぞれ電気的に結合される。上記で説明したのと同様にビット線BL1にはダミーメモリセルDMCが有する抵抗値に基づく基準電圧Vrefがビット線BL1に設定される。一方、選択されたビット線BL2には記憶されているデータ「0」に応じたトンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値に基づく電圧レベルが設定される。したがって、入出力線対DIOPに選択されたメモリセルMCおよびダミーメモリセルDMCの記憶しているデータレベルに応じた電圧レベルが伝達される。これに伴い、読出制御回路200は、上述した動作と同様、入出力線DIO1およびDIO2の電圧差を増幅して、読出データRDTを生成して出力ピン212から出力データDOUT(「0」)を出力する。
【0102】
上記においては、本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路のドライバ回路のデータ書込およびデータ読出等について説明したが、以下においては、上記のドライバ回路を用いた本発明の実施の形態1に従うバーンイン試験について説明する。特に本願明細書は、デバイス内に構成されるビット線およびデジット線ならびにメモリセルMCに対する信頼性試験について向けられたものである。
【0103】
図11は、テストモードにおいて本発明の実施の形態1に従う電圧加速試験を説明するドライバ回路の概略構成図である。
【0104】
図11を参照して、ここでは各ライトドライバデコーダWDCと電気的に結合されているデコード線DKSの集合群がデコード線群DKSGとして示されている。また、本実施の形態においては、ライトドライバデコーダWDC1に対応してテスト用のデコード線TL1,TL2が設けられ、ライトドライバデコーダWDC2に対応してテスト用のデコード線TL3.TL4が設けられる。テスト用のデコード線TL1〜TL4の接続関係において、偶数列のビット線に対応するライトドライバデコーダWDCと奇数列のビット線に対応するライトドライバデコーダWDCの接続関係は交互に入れ替わる関係にある。
【0105】
具体的には、ビット線BL1のライトドライバデコーダWDC1のうちの論理回路G11は、デコード線TL2からのデコード信号の入力を受け、論理回路G12は、デコード線TL1からのデコード信号の入力を受ける。ビット線BL1のライトドライバデコーダWDC2のうちの論理回路G12は、デコード線TL3からのデコード信号の入力を受け、論理回路G22は、デコード線TL4からのデコード信号の入力を受ける。一方、ビット線BL2のライトドライバデコーダWDC1およびWDC2とデコード線TL1〜TL4の接続関係はビット線BL1と反対である。
【0106】
ここで、テストモード時においては、テスト用のデコード線TL1〜TL4およびコラム選択線CSL以外のデコード線群DKSGはすべて「H」レベルに固定されているものとする。また、本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbはともに「H」レベルに設定されているものとする。テスト用のデコード線TL1,TL2はそれぞれ「L」レベル「H」レベルにそれぞれ設定される。一方、デコード線TL3,TL4は、共に「L」レベルに設定される。また、コラム選択線CSLを「H」レベルに設定される。
【0107】
これに伴い、奇数列のビット線BLの一端側に設けられたライトドライバデコーダWDC1の論理回路G11は「L」レベルを出力する。これに伴い、ドライバDRV1のトランジスタPT1がオンし、電源電圧Vccaとビット線BLの一端側とが電気的に結合される。他方、デコード線TL2と電気的に結合された偶数列のビット線BLに対応するライトドライバデコーダWDC1の論理回路G21が活性化され「H」レベルを出力する。これに伴い、ドライバDRV1のトランジスタNT1がオンし、接地電圧GNDとビット線BLの一端側とが電気的に結合される。
【0108】
したがって、奇数列のビット線BLの一端側はドライバDRV1のトランジスタPT1を介して電源電圧Vccaと電気的に結合され、偶数列のビット線BLに対応するドライバDRV1はトランジスタNT1を介して接地電圧GNDとそれぞれ電気的に結合される。したがって、ビット線と隣接する周辺回路間等との間での電圧ストレスを掛けることができ、その不良を顕在化させることができる。また、本実施例においては、偶数列と奇数列とのビット線BL間に高電界のストレスが印加される。したがって、隣接するビット線BL間の不良も検出し、顕在化させることが可能となる。
【0109】
また、偶数列と奇数列とをそれぞれ独立に制御することができるため多様なテストを実行することができ有用な信頼性試験を実行することができる。
【0110】
次に、ビット線BLの断線不良等を検査するための信頼性試験について説明する。
【0111】
図12は、本発明の実施の形態1に従う電流加速試験を説明する電流駆動系回路の概念図である。
【0112】
図12を参照して、本例においてはデコード線TL1,TL2をそれぞれ「L」レベル、「H」レベルに設定する。また、デコード線TL3,TL4をそれぞれ「L」レベル、「H」レベルに設定する。また、書込制御信号WDTa,WDTbをともに「H」レベルに設定する。これに伴い、上述したように奇数列のビット線BLに対応するドライバDRV1の一端側は電源電圧Vccaと電気的に結合され、偶数列のビット線BLに対応するドライバDRV1の一端側は接地電圧GNDと電気的に結合される。他方、デコード線TL3,TL4の論理レベルに応じて奇数列のビット線BLの他端側に対応するドライバDRV2のトランジスタNT2がオンする。すなわち、奇数列のビット線BLの他端側と接地電圧GNDとが電気的に結合される。また、偶数列のビット線BLの他端側に対応するドライバDRV2のトランジスタPT2がオンする。すなわち、偶数列のビット線BLの他端側と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。
【0113】
これに伴い、奇数列のビット線BLには、一端側から他端側への電流経路が形成される。また、偶数列のビット線BLには、他端側から一端側への電流経路が形成される。これにより全ビット線に電流経路を形成することができ、ビット線の断線不良やビット線の断線不良の要因となるエレクトロマイグレーションを顕在化させることが可能となる。なお、エレクトロマイグレーションは、配線に過度の電流が流れると金属の粒子が移動し局所的に粒子の空間ができ配線を断線させる現象をいう。この粒子の移動の状態は電流密度が高いほど移動する。なお、この場合には互いに逆方向の電流経路が偶数列および奇数列で形成されるため電源系統の負荷が軽減される。
【0114】
また、本実施の形態においては、電源電圧Vccaの電圧レベルを試験モードの場合に通常時よりも高い電圧レベルに設定する。これにより、通常時よりも電流量を増大させることにより効果的に加速試験を実行することができる。また、並列に実行することにより、加速試験を効率的に実行することができる。
【0115】
なお、本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbはともに「H」レベルの状態であるものとして説明したが、書込制御信号WDTa,WDTbの論理レベルの組合せを変更することにより、さらに多様な信頼性試験を実行することも可能である。例えば、書込制御信号WDTa,WDTbを「H」レベルおよび「L」レベルに設定することにより、奇数列のビット線のみに電流経路を形成させ、偶数列のビット線には電流経路を形成させないことも可能である。したがって、多様な信頼性試験を実行することにより精度の高い試験を実行することができる。
【0116】
図13は、図12で説明した電流加速試験の流れる電流方向が逆の場合の概念図である。
【0117】
図13を参照して、具体的にはデコードTL1,TL2の論理レベルをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定し、デコード線TL3,TL4に入力する論理レベルを「H」レベル、「L」レベルに設定する。これに伴い、奇数列のビット線BLに対応するドライバDRV2のトランジスタPT2とドライバDRV1のトランジスタNT1がオンし、奇数列のビット線BLの他端側から一端側への電流経路が形成される。また、偶数列のビット線BLに対応するドライバDRV1のトランジスタPT1とドライバDRV2のトランジスタNT2がオンし、偶数列のビット線BLの一端側から他端側への電流経路が形成される。したがって、図12と同様の電流加速試験を実行することができ、同様の効果を得ることができる。
【0118】
図14のタイミングチャート図を用いて、本発明の実施の形態に従う信頼性試験について説明する。
【0119】
時刻t0〜t2の期間においては、図10のタイミングチャート図で説明したのと同様であるのでその説明は繰返さない。
【0120】
時刻t10において、クロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDの入力とともに制御信号TMが入力される。これに伴い上記図11〜図13で説明したいずれかのテストモードが実行される。なお、本実施の形態に従う種々のテストモードは、入力される制御信号TMの入力に基づいてコントロール回路5で判定され、所定の動作を実行するように制御されるものとする。ここでは、本実施の形態においては、単に制御信号TMの入力によりコントロール回路5で所定のテストモードを判定するとして説明するが、制御信号TMの入力とともに、入力されるアドレスADDの所定の組合せに基づいて所定のテストモードを実行することができる。あるいは、コントロール回路5は、特定のテストモードに入ることを示す制御信号の入力を受けて、所定のテストモードを実行するように制御することも可能である。
【0121】
本発明の実施の形態においては、所定数のクロックサイクル期間、電圧加速試験あるいは電流加速試験のテストモードを実行し続けて不良をより顕在化させる構成について説明する。なお、本例においては、図11で説明した試験について示されている。また、本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbは、ともに「H」レベルに設定されるものとする。さらに、「H」レベルのプリデコード信号がデコード線DKSに伝達され、デコード線TL1,TL2には上述した論理レベルの信号が伝達されるものとする。
【0122】
ここで、デコーダMDC1のテストモード時の動作について説明する。再び図6を参照して、デコーダMDC1において、ラッチ回路LC1でラッチした制御信号TM(「H」レベル)の入力に伴い、スイッチ制御回路SWが信号S2をコラム選択線CSLに伝達する。
【0123】
フリップフロップ回路FFは、入力される制御信号TMと制御信号WDの入力に伴い信号S2(「H」レベル)をセットし、次の制御信号WD(「H」レベル)の入力まで信号S2を「H」レベルにラッチし続ける。したがって、このテストモード時において、コラム選択線CSLは、NOR回路NRからの信号S1に基づくワンショットパルスにより活性化されるのではなく、フリップフロップ回路FFから出力される信号S2に基づいて所定期間活性化されつづける。
【0124】
なお、次の時刻t11において、入力される制御信号WD(「H」レベル)の入力に応答してフリップフロップ回路FFの出力信号S2は「L」レベルに設定される。また、ラッチ回路LC1は、制御信号WD(「H」レベル)に応答して入力される制御信号TM(「L」レベル)をラッチし、スイッチ制御回路SWを通常時の動作に再設定する。すなわち、信号S1がコラム選択線CSLに伝達されるように設定される。
【0125】
したがって、図11で説明したトランジスタのオン/オフ動作は図14で示される所定のクロック数期間動作し続け、加速試験をより効果的に実行することが可能となり不良をさらに顕在化させることが可能となる。
【0126】
なお、図14のタイミングチャート図においては、時刻t12において制御信号CSと制御信号RDの入力に伴い、データ読出が実行される構成が示されているが、図10のタイミングチャート図の時刻t6で説明したのと同様の読出動作であるのでその説明は繰返さない。また、図12,13で説明した試験についても同様に適用可能である。
【0127】
図15は、本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける電流加速試験を説明する概念図である。
【0128】
図15を参照して、行選択回路20は、上述した選択領域120bと、選択領域120bに対応して設けられ、複数のデジット線WDLを選択的に活性化させるデコーダ帯21とを含む。選択領域120bは、複数のデジット線WDLにそれぞれ対応して設けられる複数のドライバトランジスタTdを有する。
【0129】
デコーダ帯21は、複数のドライバトランジスタTdにそれぞれ対応して設けられる複数の論理回路ADと、複数の論理回路ADにそれぞれ対応して設けられる複数のデコーダMDC#1とを有する。論理回路ADの出力信号は、対応するドライバトランジスタTdのゲートと電気的に結合される。デコーダMDC#1は、プリデコード信号が伝達されるデコード線MLKSの入力に基づいてデコード線MDSを活性化(「H」レベル)させる。デコード線MDSは、他のデコード線DLKSとともに論理回路ADの入力ノードと電気的に結合される。デコーダMDC#は、図7で説明したデコーダMDCと同様の構成である。具体的には、通常時においては、入力されるデコード線MLKSのプリデコード信号に基づいてワンショットパルスの「H」レベルの信号がデコード線MDSに伝達される。一方、テストモード時においては、入力される制御信号TM,WDに応答して所定のクロックサイクル数の期間、デコード線MDSを活性化させる。
【0130】
図15においては、デジット線WDL1とWDL2に対応して設けられるドライバトランジスタTdのゲートとそれぞれ電気的に結合された論理回路AD1およびAD2が示される。
【0131】
複数の論理回路ADは、デコード線DLKSの入力に基づいて選択的にドライバトランジスタTdを活性化させる。
【0132】
ここでは、各論理回路と電気的に結合されているデコード線DLKSの集合群をデコード線群DLKSGとして示している。また、本実施の形態においては、デコード線DLKSと電気的に結合されるテスト用のデコード線TDL1,TDL2が設けられる。具体的には、奇数行のデジット線に対応する論理回路ADのデコード線DLKSとテスト用のデコード線TDL1とが電気的に結合される。また、偶数行のデジット線に対応する論理回路ADのデコード線DLKSとテスト用のデコード線TDL2とが電気的に結合される。
【0133】
本例においては、デコード線TDL1,TDL2はともに「H」レベルに設定される。また、デコード線TDL1,TDL2以外の他のデコード線群DLKSGについてもすべて「H」レベルに設定されるものとする。
【0134】
これに伴い、選択領域120bのドライバトランジスタTdすべてがオンする。したがって、全デジット線WDLを介して電源電圧Vccと接地電圧GNDとが電気的に結合され、全デジット線WDLに電流経路が形成される。
【0135】
また、本例においては、通常時よりも高い電源電圧Vccが与えられるものとする。これに伴い、通常時よりも多い電流が流れる。この電流加速によりデジット線WDLにおいて流れる電流の配線電流密度を上昇させることができエレクトロマイグレーションという不良を顕在化させて、断線不良を加速化させることができる。
【0136】
図16は、別の電流加速試験について説明する概念図である。
図16を参照して、本例においてはデコード線TDL1,TDL2を「H」レベル、「L」レベルにそれぞれ設定する。他のデコード線群DLKSGは、全て「H」レベルに設定されているものとする。
【0137】
デコード線TDL1が「H」レベルに設定されているため、奇数行のデジット線WDLに対応するドライバトランジスタTdがオンし、デジット線WDLと接地電圧GNDとが電気的に結合される。
【0138】
したがって、奇数行のデジット線WDLに電流経路が形成されるが、偶数行のデジット線WDLには電流経路は形成されない。本方式により、奇数行と偶数行のデジット線に対して独立に試験を実行することができる。なお、デコード線TDL1,TDL2の論理レベルを反転させることにより、奇数行のデジット線WDLにのみ電流経路を形成させることも可能である。
【0139】
図17は、本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける断線不良を加速する電流加速試験を実行する場合のタイミングチャート図である。
【0140】
図17を参照して、時刻t10♯においてクロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDとともに制御信号TMが入力される。これに伴い図15および図16で説明したテストモードが実行される。このテストモードの実行の開始に伴い、デジット線WDLは、図14のタイミングチャート図で説明したのと同様に所定のクロック数期間経過後の時刻t11に入力される制御信号WDの入力があるまでの所定の期間活性化すなわち選択され続ける。これにより電流加速試験を所定のクロックサイクル期間実行し続けることができるためデジット線の電流加速試験を効率的に実行し、エレクトロマイグレーション等による断線不良を顕在化させることができる。
【0141】
時刻t12においては、クロック信号CLKの立ち上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号RDが入力され、図10のタイミングチャート図と同様のデータ読出が実行されるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0142】
次に、ビット線とデジット線間の短絡不良を加速する加速試験(以下、ビット−デジット加速試験とも称する)について説明する。
【0143】
図18のタイミングチャート図を用いて、本発明の実施の形態1に従うビット−デジット加速試験について説明する。
【0144】
図18を参照して、時刻t10#aにおいて、クロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDとともに制御信号TMが入力される。これに伴いテストモードが実行される。このテストモードは、上述したように次の制御信号WDの入力まで実行される。
【0145】
本例においては、デジット線WDLとビット線BLにストレスを印加する場合について説明する。具体的にはビット線を所定の電圧にプルアップし、デジット線を接地電圧GNDレベルにする構成について説明する。時刻t10a#において、コントロール回路5からの指示に応答してセレクタSELrは、デジット線WDLを接地電圧GNDと電気的に結合する。
【0146】
また、テスト用のデコード線TL1,TL2をともに「H」レベルに設定する。また、書込制御信号WDTa,WDTbをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定する。
【0147】
これにより、ドライバDRV1のトランジスタPT1がオンし、ビット線BLの一旦側と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。したがって、ビット線BLは所定電圧にプルアップされた状態であり、デジット線WDLは接地電圧GNDにプルダウンされているためビット線BLとデジット線WDLとの間に電界が生じ、その間における短絡不良を加速させることができる。なお、本例においては、ビット線BLを所定の電圧レベルにプルアップし、デジット線WDLを接地電圧GND(0V)に設定する場合について説明したが、電圧関係を反転させることも当然に可能である。
【0148】
次に、メモリセルMCのトンネル膜の不良をテストするテストモードについて説明する。具体的には、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加する。
【0149】
図19は、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加するテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【0150】
図19を参照して、時刻t10#bにおいて制御信号CS,TM,WDの入力に伴いテストモードが実行される。
【0151】
具体的には、時刻t10#bにおいて、テスト用のデコード線TL1,TL2をともに「H」レベルに設定される。また、書込制御信号WDTa,WDTbをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定される。これにともない、図18で説明したのと同様にビット線BLの一端側と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。また、同様のタイミングにおいてワード線WLも活性化される。したがって、活性化されたワード線WLに対応するメモリセルMCのアクセストランジスタATRがオンする。これに伴い、ワード線WLに対応するメモリセルMCを介してビット線BLとソース線SLとが電気的に結合され、メモリセルMCに通過電流いわゆるトンネル電流が流れる。これにより、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRの両端に電界を印加することができトンネル膜の欠陥不良を加速させることができる。
【0152】
図20は、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加する他のテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【0153】
図20を参照して、時刻t10#cにおいて、制御信号CS,TM,WDの入力に伴いテストモードが実行される。具体的には、テスト用のデコード線TL1,TL2をともに「H」レベルに設定する。また、書込制御信号WDTa,WDTbをそれぞれ「L」レベル、「H」レベルに設定する。これに伴い、ドライバDRV1のトランジスタNT1がオンし、ビット線BLの一端側と接地電圧GNDとが電気的に結合される。また、同様のタイミングにおいてワード線WLも活性化される。また、本例においては、セレクタSELgがコントロール回路5からの指示に応答して電源電圧Vcceとソース線SLとを電気的に結合する。したがって、図20で説明したのと逆の電流経路がワード線WLに対応するメモリセルMCを流れることとなる。したがって、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRの両端に電界を印加することができトンネル膜の欠陥不良を加速させることができる。
【0154】
(実施の形態1の変形例)
図21は、本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路の概略構成図である。
【0155】
図21を参照して、本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路は、図5で説明した電流駆動系回路と比較してドライバDRV1およびDRV2をドライバDRV1♯およびドライバDRV2♯に置換した点と、ライトドライバデコーダWDC1,WDC2をライトドライバデコーダWDC1♯,WDC2♯にそれぞれ置換した点とが異なる。その他の点では同様であるのでその説明は繰返さない。
【0156】
ドライバDRV1♯は、ドライバDRV1と比較して、トランジスタPT1をN型のNチャネルMOSトランジスタNT3に置換した点が異なる。ドライバDRV2♯は、ドライバDRV2と比較して、トランジスタPT2をNチャネルMOSトランジスタNT4に置換して点が異なる。ライトドライバデコーダWDC1♯は、論理回路G11を論理回路G13に置換した点が異なる。ライトドライバデコーダWDC2♯は、ライトドライバデコーダWDC2と比較して、論理回路G12を論理回路G14に置換した点が異なる。すなわち、ドライバDRV1♯,DRV2♯のドライバトランジスタをN型のドライバトランジスタに全て変更したことに伴う回路構成の変形例である。
【0157】
図22は、図21で示した実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路におけるスリープ期間の電圧供給線に供給する電圧レベルを説明する概念図である。
【0158】
図22を参照して、ここでは、制御信号/ACT(「H」レベル)に応答してセレクタSEL1〜SEL4がそれぞれ動作し、図7と同様に電圧供給線VL1には接地電圧GNDが供給される。電圧供給線VL2には電源電圧VccbがトランジスタT1およびN60を介して電気的に結合される。電圧供給線VL3は、トランジスタT2およびトランジスタN62を介して電源電圧Vccbと電気的に結合される。電圧供給線VL4は、トランジスタN66のオンに応答して接地電圧GNDと電気的に結合される。したがって、上述した図7で説明したのと同様にデバイスのスリープ期間における消費電力を低減することができる。
【0159】
ここで、トランジスタNT3がオフする際、本実施の形態の構成においては、論理回路G13が「L」レベルの出力信号として電源電圧VccfをトランジスタNT3のゲートに入力する。したがって、これにより、トランジスタNT3のゲート−ソース間電圧は過大になりすぎることがなく、高電界が薄膜のトランジスタNT3に掛からないためゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。
【0160】
図23は、デバイスの活性化時における電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【0161】
図23を参照して、具体的には図8で説明したのと同様であり、電圧供給線VL1に電源電圧Vcceが供給され、電圧供給線VL2に電源電圧Vccaが供給される。また、電圧供給線VL3には電源電圧Vccaが供給され、電圧供給線VL4には電源電圧Vcceが供給される。
【0162】
図24は、本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路のデータ書込時におけるドライバ回路の動作を説明する概念図である。
【0163】
図24を参照して、本例においては、ビット線BL1が選択されるものとする。したがって、デコーダMDC1は、デコード線MKSの入力に基づいてコラム選択線CSL1を活性化(「H」レベル)させる。また、ライトドライバデコーダWDC1#およびWDC2#には、全て「H」レベルのプリデコード信号がデコード線DKSを介して伝達されるものとする。また、書込制御信号WDTa,WDTbは、それぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定されるものとする。
【0164】
この場合、ライトドライバデコーダWDC1#の論理回路G13は「H」レベルを出力する。一方、ライトドライバデコーダWDC2#の論理回路G22は、「H」レベルを出力する。これに伴い、トランジスタNT3およびNT2がオンする。したがって電圧供給線VL2とビット線BLの一端側とがトランジスタNT3を介して電気的に結合され、ビット線BLの他端側と接地電圧GNDとが電気的に結合されてビット線BLの一端側から他端側への電流経路が形成される。このビット線BLを流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCへのデータ書込を実行することが可能になる。
【0165】
したがって、図21の本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路の構成においても実施の形態1で説明した電流駆動系回路と同様に動作する。したがって、電流もしくは電圧加速試験についても実施の形態1で説明した方式を同様に適用することができ、上記の実施の形態1で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0166】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2においては、実施の形態1およびその変形例とは異なる別のドライバ回路を用いた電流駆動系回路の構成における加速試験について説明する。
【0167】
図25は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の回路構成図である。
図25を参照して、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路は、図5で示した実施の形態1に従う電流駆動系回路と比較して、ビット線BLの他端側に設けられたライトドライバデコーダWDC2を削除した点と、セレクタSEL2とSEL4とをセレクタSEL5およびSEL6にそれぞれ置換した点と、プリチャージ電圧を供給するためにトランジスタT5,P1を削除した点とが異なる。その他の図5で示したビット線BLの一端側に設けられた周辺回路等については同様の構成であるのでその説明は繰返さない。
【0168】
図25に示される本実施の形態2に従う電流駆動系回路は、片側のみにデコーダ帯を配置した構成であるので図5で示した電流駆動系回路と比較してデコーダ帯の回路面積を削減するとともにデコード信号の配線数を削減し、効率的なレイアウト配置が可能である。
【0169】
セレクタSEL5は、トランジスタN70,N80,P70,P80とを含む。トランジスタN70,N80は、一例としてNチャネルMOSトランジスタとする。トランジスタP70,P80は、一例としてPチャネルMOSトランジスタとする。
【0170】
トランジスタN70は、電源電圧Vccg(<Vcca)と電圧供給線VL5との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタN80は、電源電圧Vcci(<Vccg)とノードNd1との間に配置され、そのゲートは制御信号CIの入力を受ける。トランジスタP80は、電源電圧Vccj(>Vccg)とノードNd1との間に配置され、そのゲートは制御信号CIの入力を受ける。トランジスタP70は、ノードNd1と電圧供給線VL5との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。
【0171】
このセレクタSEL5は、制御信号/BIの入力に応答して通常時と試験時用の電源電圧の供給レベルを切換える。具体的には制御信号/BIが「H」レベルの場合には通常時の電源電圧Vccgが電圧供給線VL5に供給される。一方、テスト時に入力される制御信号/BI(「L」レベル)が入力された場合にはトランジスタP70がオンし、電源電圧Vcciもしくは電源電圧Vccjが電圧供給線VL5と電気的に結合される。
【0172】
セレクタSEL6は、トランジスタN72,N74,N76,N78,P72,P74,P76,P78とを含む。トランジスタN72,N74,N76,N78は、一例としてNチャネルMOSトランジスタとする。トランジスタP72,P74,P76,P78は、一例としてPチャネルMOSトランジスタとする。
【0173】
トランジスタN72は、電源電圧Vcckと電圧供給線VL6との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタP72は、ノードNd2と電圧供給線VL6との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタN74は、電源電圧Vcckと電圧供給線VL7との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタP74は、ノードNd3と電圧供給線VL7との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタP76は、ノードNd2と電源電圧Vcch(>Vcca)との間に配置され、そのゲートは制御信号VCEの入力を受ける。トランジスタN76は、ノードNd2と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号VCEの入力を受ける。トランジスタN78は、ノードNd3と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号VCOの入力を受ける。トランジスタP78は、ノードNd3と電源電圧Vcchとの間に配置され、そのゲートは制御信号VCOの入力を受ける。
【0174】
セレクタSEL6もセレクタSEL5と同様に、テスト時に入力される制御信号/BIの入力に応答して通常時およびテスト時に供給する電源電圧の電圧レベルを切換える。具体的には、通常動作時において制御信号/BI(「H」レベル)に応答して、電圧供給線VL6およびVL7は、電源電圧Vcckと電気的に結合される。
【0175】
一方、テストモード時に置いて制御信号/BI(「L」レベル)の場合には入力される制御信号VCEおよびVCOの論理レベルに応じて、テストモード時における電圧供給線VL6,VL7にそれぞれ与えられる電圧レベルが設定される。
【0176】
図26は、デバイスのスリープ期間における本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【0177】
この場合においては、図7において説明していたのと同様に、電圧供給線VL1は、トランジスタN64を介して接地電圧GNDと電気的に結合される。電圧供給線VL2は、トランジスタT1およびN60を介する電源電圧Vccbが電気的に結合される。
【0178】
電圧供給線VL6およびVL7について考える。コラム選択線CSLは「L」レベルに設定されているため、ドライバDRV2aのトランジスタPT2はオン状態でありビット線BLの他端側と電圧供給線VL6およびVL7が電気的に結合される。したがって、奇数列に対応するビット線BL1は電圧供給線VL7と電気的に結合され、偶数列に対応するビット線BL2は電圧供給線VL6と電気的に結合される。
【0179】
一方、セレクタSEL6は、制御信号/BI(「H」レベル)に応答してトランジスタN72,N74がオンし、電圧供給線VL6およびVL7と電源電圧Vcckとが電気的に結合される。これにより図7で説明したのと同様に所定のプリチャージ電圧Vcckがビット線BLに供給される。
【0180】
図27は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路においてデバイスの活性化時に電圧供給線に与えられる電圧レベルを説明する概念図である。
【0181】
図27を参照して、セレクタSEL1は、図8で説明したのと同様に制御信号/ACTの入力に応答して電圧供給線VL2と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。セレクタSEL3は、図8で説明したのと同様に制御信号/ACTの入力に応答して電圧供給線VL1と電源電圧Vccfとが電気的に結合される。また、この場合においては図26で説明したのと同様にプリチャージ電圧が各ビット線BLに供給される。
【0182】
図28は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路のデータ書込を説明する概念図である。
【0183】
図28を参照して、ここではビット線BL1にデータ書込を実行する場合について説明する。本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbは「H」レベル、「L」レベルに設定されているものとする。これに伴い、ライトドライバデコーダWDC1の論理回路G11が「L」レベルを出力し、ドライバDRV1のトランジスタPT1がオンする。またコラム選択線CSLの活性化に伴いトランジスタNT2がオンする。これにより、電源電圧Vccaと電源電圧Vccg(<Vcca)との電圧差に基づくデータ書込電流がビット線BL1の一端側から他端側に供給され、選択されたメモリセルMCに対するデータ書込を実行することができる。
【0184】
図29は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別のデータ書込を説明する概念図である。
【0185】
図29を参照して、ここでは書込制御信号WDTa,WDTbが「L」レベル、「H」レベルに設定されている場合について説明する。この場合において、ドライバDRV2aのトランジスタNT2はオン状態である。
【0186】
一方、ドライバDRV1のトランジスタNT1はライトドライバデコーダWDC1の論理回路G21の活性化に伴い、接地電圧GNDとビット線BL1とを電気的に結合する。したがって電源電圧Vccgから接地電圧GNDへの電流経路が形成される。具体的にはビット線BL1の他端側から一端側へのデータ書込電流が流れ、選択されたメモリセルMCに対するデータ書込を実行することができる。なお、本例においては、電源電圧Vccgは、一例として十分なデータ書込電流をビット線BL1に供給すべく、電源電圧Vccaと接地電圧GNDとの間の中間電圧に設定することができる。
【0187】
図30は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における電圧加速試験を説明する概念図である。
【0188】
図30を参照して、ここでは制御信号/BI(「L」レベル)が入力されるものとする。これに伴い、セレクタSEL6のトランジスタP72およびP74がオンし、制御信号VCEおよびVCOの論理レベルの組合せに応じた電源電圧が電圧供給線VL6,VL7を介してビット線BLに供給される。
【0189】
本例においては、制御信号VCE,VCOをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定する。これに伴い、電圧供給線VL6は、トランジスタP72,N76を介して接地電圧GNDと電気的に結合される。電圧供給線VL7は、制御信号VCOに応答してトランジスタP74,P78を介して電源電圧Vcchと電気的に結合される。
【0190】
したがって、電圧供給線VL7と電気的に結合される奇数列のビット線BLは電源電圧Vcchが供給され、偶数列のビット線BLは接地電圧GNDが供給されることになる。
【0191】
したがって、実施の形態1の図11で説明したのと同様に偶数列、奇数列にそれぞれ異なる電圧を印加することによりビット線間の短絡不良を加速し、顕在化させることが可能となる。
【0192】
図31は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における別の電圧加速試験を説明する概念図である。
【0193】
図31を参照して、本例においては制御信号VCE,VCOの論理レベルを反転させる。これに伴い、電圧供給線VL6,VL7に供給される電圧レベルが反転し、一例としてビット線BL1,BL2に供給される電圧レベルと対称の電圧ストレスを印加することができる。
【0194】
次に、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電流加速試験について説明する。
【0195】
図32は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電流加速試験を説明する概念図である。
【0196】
図32を参照して、本例においては、コラム選択線CSLは「H」レベルに設定されているものとする。すなわちドライバDRV2aのトランジスタNT2はオン状態である。したがって、ビット線BL1の他端側と電圧供給線VL5とが電気的に結合されている。
【0197】
また、制御信号CIは「H」レベルに設定される。これに伴いトランジスタN80とP70を介して電源電圧Vcci(<Vccg)と電圧供給線VL5とが電気的に結合される。電源電圧Vcciは電源電圧Vccgよりも電圧レベルが低く、電源電圧Vccaと電源電圧Vcciとの電圧差は通常時よりも大きい。したがって、ビット線BL1,BL2を流れるデータ書込電流の量は通常時よりも大きなデータ書込電流が流れる。
【0198】
また、本例においては並列に電流加速試験を実行することができるため効率的な試験が可能である。
【0199】
図33は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別の電流加速試験を説明する概念図である。
【0200】
制御信号CIは「L」レベルに設定される。これに伴い、トランジスタP80,P70を介して電源電圧Vccj(>Vccg)と電圧供給線VL5とが電気的に結合される。したがって、ビット線BL1およびBL2は、電源電圧Vccjから接地電圧GNDへの電流経路が形成される際、通常時よりも電圧差が大きくなるためビット線BLの他端側から一端側へ流れるデータ書込電流の電流量は大きくなる。
【0201】
また、本例においては並列に電流加速試験を実行することができるため効率的な試験が可能である。
【0202】
これにより電流加速試験を効率的かつ高速に実行することができ配線不良を顕在化させることができる。
【0203】
また、図14,図17〜図20のタイミングチャートで説明した方式に従って同様のテストモードを実行することが可能であり、所定のクロックサイクル数期間テストモードを実行し続けることによりさらに不良を顕在化させることもできる。
【0204】
(実施の形態2の変形例)
図34は、実施の形態2の変形例に従う電流駆動系回路の概念図である。
【0205】
図34を参照して、ここでは、図21で説明したのと同様のデコーダWDC1#およびドライバDRV1#を図29の実施の形態2に従う電流駆動系回路に適用したものである。具体的な動作については上述したのと同様の動作であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0206】
本実施の形態2の変形例に従う電流駆動系回路においても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0207】
なお、上記においては、主にMRAMメモリセルの信頼性試験について説明してきたが、PCMデバイスの相転移による可変抵抗メモリの信頼性試験についても同様に適用することが可能である。
【0208】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0209】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、テスト時に少なくとも1本の書込電流線の一端および他端にデータ書込時よりも大きな電圧差を設定することにより、データ書込時よりも大きい電流量が書込電流線に流れる。これにより、書込電流線の断線不良を検出し、顕在化させることができる。
【0210】
また、テスト時において、書込電流線を駆動するドライバ回路の動作期間を規定するワンショットパルスの選択信号の出力期間を調整するタイミング調整回路を設ける。これにより、テスト時間を調整し、精度の高いテストを実行することができる。
【0211】
また、テスト時に少なくとも1本のビット線の一端を第1の電圧および第2の電圧のいずれか一方と電気的に結合し、他端を開放状態に設定する。これにより、ビット線と他の隣接する回路等との間に電圧ストレスを掛けることができ不良を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に従う不揮発性記憶装置の代表例として示されるMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】メモリアレイ10およびその周辺回路の概略構成図である。
【図3】MTJメモリセルの構造およびデータ記憶原理を説明する概念図である。
【図4】MTJメモリセルへのデータ書込電流の供給とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従うデータ書込電流を供給する回路帯の概念図である。
【図6】本発明の実施の形態に従うデコーダMDC1の回路構成図である。
【図7】電流駆動系回路においてデバイスのスリープモード時における電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【図8】デバイスの活性化時において、電流駆動系回路が動作を実行していないスタンバイ時の電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【図9】データ書込時における電流駆動系回路の動作について説明する概念図である。
【図10】本発明の実施の形態に従うデータ書込およびデータ読出の一連の動作について説明するタイミングチャート図である。
【図11】テストモードにおいて本発明の実施の形態1に従う電圧加速試験を説明するドライバ回路の概略構成図である。
【図12】本発明の実施の形態1に従う電流加速試験を説明する電流駆動系回路の概念図である。
【図13】電流加速試験の流れる電流方向が逆の場合の概念図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う信頼性試験について説明するタイミングチャート図である。
【図15】本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける電流加速試験を説明する概念図である。
【図16】別の電流加速試験について説明する概念図である。
【図17】本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける断線不良を加速する電流加速試験を実行する場合のタイミングチャート図である。
【図18】本発明の実施の形態1に従うビット−デジット加速試験について説明するタイミングチャート図である。
【図19】トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加するテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【図20】トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加する他のテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【図21】本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路の概略構成図である。
【図22】実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路におけるスリープ期間の電圧供給線に供給する電圧レベルを説明する概念図である。
【図23】デバイスの活性化時における電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【図24】本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路のデータ書込時におけるドライバ回路の動作を説明する概念図である。
【図25】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の回路構成図である。
【図26】デバイスのスリープ期間における本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【図27】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路においてデバイスの活性化時に電圧供給線に与えられる電圧レベルを説明する概念図である。
【図28】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路のデータ書込を説明する概念図である。
【図29】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別のデータ書込を説明する概念図である。
【図30】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における電圧加速試験を説明する概念図である。
【図31】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における別の電圧加速試験を説明する概念図である。
【図32】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電流加速試験を説明する概念図である。
【図33】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別の電流加速試験を説明する概念図である。
【図34】実施の形態2の変形例に従う電流駆動系回路の概念図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、5 コントロール回路、10 メモリアレイ、15 列デコーダ、20 行選択回路、25,30 読出/書込制御回路、200 読出制御回路、300 書込制御回路、SEL1〜SEL6,SELg,SELrセレクタ、DRV1,DRV2,DRV1#,DRV2# ドライバ、WDC1,WDC1#,WDC2,WDC2# ライトドライバデコーダ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性記憶装置に関し、特に、信頼性評価のための試験を実行する回路を備えた不揮発性記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デバイスの故障は3つの期間に大別され、時間の経過につれて初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間等を挙げることができる。初期故障は、使用直後に発生する故障でデバイス作製時の欠陥が現われたものである。マージン系の不良はこの部類に属する。この故障の割合は時間とともに急速に減少していく。その後は低い故障率がある一定期間長く続く偶発故障期間に入る。やがてデバイスは耐用寿命に近づき急激に故障率が増大する(摩耗故障期間)。デバイスは、偶発故障期間内で使用することが望ましくこの領域が耐用期間となる。したがって、デバイスの信頼性を高めるためには偶発故障が低く一定でかつ偶発故障期間が長く続くことが要求される。
【0003】
一方で、初期故障を予め除去するために、デバイスに一定時間の加速動作エージングを行ない不良品を除去するスクリーニングを行なう必要性がある。これを短期間で効果的に行なうためには、初期故障率が時間に対して急速に減少し早く偶発故障に入ることが望ましい。現在このスクリーニング手法の1つとして一般に高温・高圧等の加速動作試験(バーンイン試験)が行なわれている。これは実デバイスを用いて、回路を構成するトランジスタ等の誘電体膜等を直接評価することができる方式であり、配線間ショートをはじめ、あらゆる不良要因を高温かつ高電界のストレス等を印加することにより加速的に顕在化させることができる。
【0004】
特開2001−67898号公報においては、テスト時に書込あるいは読出時に用いられるドライバ回路を駆動して、DRAM(Dynamic Random Access Memory)メモリセル等のバーンイン試験を実行する方式が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−67898号公報
【0006】
【非特許文献1】
ロイ・ショイアーライン(Roy Scheuerline)他6名、“各セルにFETスイッチおよび磁気トンネル接合を用いた、10ns読出・書込の不揮発メモリアレイ(A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell)”,(米国),2000年米国電気電子学会国際固体回路会議・技術論文集TA7.2(2000 IEEE ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2),p.128−129
【0007】
【非特許文献2】
長広泰明「不揮発性メモリー最前線:フラッシュからOUMへ米Intelが描く将来像」,日経マイクロデバイス,日経BP社,2002年3月号,p.65−78
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年の新世代の不揮発性記憶装置として薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を実行するMRAM(Magnetic Random Access Memory)デバイス(特許文献1参照)や薄膜のカルケナイドという材料を用いてデータ記憶を実行するPCM(Phase Change Memories)デバイス(特許文献2参照)が特に注目されている。
【0009】
一般的に、これら不揮発性記憶装置の記憶素子として用いられるメモリセルの構造はDRAM等のメモリセルの素子とは異なり、また、データ記憶の方式も異なる。
【0010】
したがって、メモリセルのデータ書込や読出等に用いられるドライバ回路等も異なる。したがって、従来のDRAM等の半導体記憶装置で周辺回路として設けられるドライバ回路を用いたバーンイン試験をそのままMRAMデバイスやPCMデバイスに適用することは困難である。
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、周辺回路であるドライバ回路を用いて、簡易かつ効率的にデバイスのバーンイン試験を実行することが可能な不揮発性記憶装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る不揮発性記憶装置は、メモリアレイと、書込電流線と、ドライバ回路とを含む。メモリアレイは、各々において、記憶データに応じたデータ書込電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含む。書込電流線は、複数のメモリセルのうち所定区分毎に対応して設けられる。ドライバ回路は、各書込電流線に対応して設けられ、対応する書込電流線に書込電流を供給する。テスト時に、各ドライバ回路のうちの少なくとも1つは活性化されて、対応する書込電流線の一端および他端に与えられる電圧差をデータ書込時に与えられる電圧差よりも大きく設定する。
【0013】
また、不揮発性記憶装置は、メモリアレイと、書込電流線と、ドライバ回路と、制御回路とを含む。メモリアレイは、各々において、記憶データに応じたデータ書込電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含む。書込電流線は、複数のメモリセルのうち所定区分毎に設けられる。ドライバ回路は、書込電流線に対応して設けられ、対応する書込電流線にデータ書込電流を供給する。制御回路は、各ドライバ回路に対応して設けられ、対応するドライバ回路の駆動を制御する。各制御回路は、信号生成回路と、タイミング調整回路とを含む。信号生成回路は、データ書込時に外部からのアドレス指示に基づいて対応するドライバ回路の動作期間を規定するワンショットパルスの選択信号を生成する。タイミング調整回路は、テスト時に信号生成回路から生成される選択信号を出力する期間を調整する。
【0014】
また、不揮発性記憶装置は、メモリアレイと、複数のビット線と、複数の第1のドライバ回路とを含む。メモリアレイは、各々において、記憶データに応じた電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含む。複数のビット線は、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる。複数の第1のドライバ回路は、複数のビット線にそれぞれ対応して設けられ、対応するビット線に第1の書込電流を供給する。テスト時に、各第1のドライバ回路のうちの少なくとも1つは活性化されて、対応するビット線の一端を第1の電圧および第2の電圧のいずれか一方と電気的に結合し、他端を開放状態に設定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う不揮発性記憶装置の代表例として示されるMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0017】
なお、以下の説明で明らかなように、本発明の適用は、MTJメモリセルを備えたMRAMデバイスに限定されるものではなく、データ書込および読出の際に通過電流(データ書込電流およびデータ読出電流)が流れるメモリセルを備える不揮発性記憶装置に共通に適用することができる。
【0018】
図1を参照して、MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するコントロール回路5と、行列状に配置されたMTJメモリセルMCを含むメモリアレイ10と、列デコーダ15と、行選択回路20とを備える。
【0019】
列デコーダ15は、アドレス信号ADDに含まれるコラムアドレスCAに基づいてアクセス対象となるメモリアレイ10の列選択動作を実行する。行選択回路20は、アドレス信号ADDに含まれるロウアドレスRAに基づいて、アクセス対象となるメモリアレイ10における行選択動作を実行する。
【0020】
また、MRAMデバイス1は、メモリアレイ10の両側に設けられ、入力データDINに基づくデータ書込あるいは出力データDOUTとして外部に出力するデータ読出を実行する読出/書込制御回路25,30をさらに備える。なお、以下においては信号、信号線およびデータ等の2値的な高電圧状態および低電圧状態をそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルとも称する。
【0021】
また、メモリアレイ10の行列状に集積配置された複数のメモリセルMCの行および列を、メモリセル行およびメモリセル列ともそれぞれ称する。
【0022】
メモリアレイ10は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線WLおよびデジット線WDLと、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線BLと複数のソース線SLとをさらに備える。なお、図1には、代表的に1つのメモリセルMCが示され、メモリセルMCのメモリセル行に対応してワード線WLおよびデジット線WDLがそれぞれ1本ずつ示されている。またメモリセルMCのメモリセル列に対応してビット線BLおよびソース線SLが代表的に1本ずつ示されている。
【0023】
また、メモリアレイ10を挟んで行選択回路20の反対領域に、コントロール回路5からの指示に応答してデジット線WDLに供給される電源電圧Vccを接地電圧GNDに切換えるセレクタSELrと、コントロール回路5からの指示に応答してソース線SLに供給される接地電圧GNDを電源電圧Vcceに切換えるセレクタSELgとが設けられる。
【0024】
図2は、メモリアレイ10およびその周辺回路の概略構成図である。
図2を参照して、メモリアレイ10は、行列状に集積配置された正規のメモリセルMCを含むメモリ領域10aと、複数のダミーメモリセルDMCを含むメモリ領域10bとを含む。各ダミーメモリセルDMCは、メモリ領域10aの正規のメモリセルMCとメモリセル列を共有するようにそれぞれ配置される。
【0025】
また、メモリ領域10aは、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線WLと、複数のデジット線WDLとを含む。また、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線BLと複数のソース線SLとを含む。ワード線WLは、メモリセル行に対応して設けられる2本のワード線のそれぞれを総括して標記したものである。具体的には、図2において、奇数列のビット線BLに対応するメモリセルと電気的に結合されるワード線WLOと、偶数列のビット線BLに対応するメモリセルと電気的に結合されるワード線WLEとが示される。
【0026】
また、メモリ領域10bは、メモリセル行に対応して設けられるデジット線DWDLと、ダミーワード線DWLとを含む。ダミーワード線DWLは、メモリセル行に対応して設けられる2本のダミーワード線のそれぞれを総括的に標記したものである。具体的には、図2において、奇数列のビット線BLに対応するダミーメモリセルと電気的に結合されるダミーワード線DWLOと、偶数列のビット線BLに対応するメモリセルと電気的に結合されるダミーワード線DWLEとが示される。
【0027】
メモリセルMCは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。メモリセルMCに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびデジット線DLと、データ読出時に活性化されるワード線WLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、接地電圧GNDおよびビット線BLの間に電気的に結合される。
【0028】
ここで、MTJメモリセルの構造およびデータ記憶原理について説明する。
図3は、MTJメモリセルの構造およびデータ記憶原理を説明する概念図である。
【0029】
図3を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部からの印加磁界に応じた方向に磁化可能な強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって磁気トンネル接合が形成される。
【0030】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが同じ(平行)である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0031】
データ書込時においては、ワード線WLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流は、ビット線BLおよびデジット線DLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0032】
図4は、MTJメモリセルへのデータ書込電流の供給とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【0033】
図4を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびデジット線DLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0034】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベルに応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。MTJメモリセルは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータを記憶することができる。
【0035】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図4に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0036】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。図4に示すように、データ書込時の動作点は、デジット線DLとビット線BLとの両方に所定のデータ書込電流を流したときに、MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えられるように設計される。
【0037】
図4に例示された動作点では、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはデジット線DLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0038】
トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。各メモリセルの電気抵抗は、厳密には、トンネル磁気抵抗素子TMR、アクセストランジスタATRのオン抵抗、およびその他の寄生抵抗の和であるが、トンネル磁気抵抗素子TMR以外の抵抗分は記憶データによらず一定であるので、以下においては、記憶データに応じた2種類の正規メモリセルの電気抵抗についても、RmaxおよびRminで示し、両者の差をΔR(すなわち、ΔR=Rmax−Rmin)と示すものとする。なお、ダミーメモリセルDMCの電気抵抗値はRmax,Rminの中間抵抗値Rmidに設定される
再び図2を参照して、行選択回路20は、ロウアドレスRAに基づいてワード線WLを選択する選択領域120aと、ロウアドレスRAに基づいてデジット線WDLを選択する選択領域120bとを含む。
【0039】
選択領域120aは、複数のワード線WLおよびダミーワード線DWLにそれぞれ対応して設けられた複数のトランジスタを含む。具体的には、ワード線WLEに対応してトランジスタTweが設けられる。また、ワード線WLOに対応してトランジスタTwoが設けられる。選択領域120aに含まれる複数のトランジスタは、図示しない行選択回路20の行選択結果に応答して選択的にオンする。これに伴い、対応するワード線WL等が活性化(「H」レベル)される。
【0040】
選択領域120bは、複数のデジット線WDLおよびDWDLにそれぞれ対応して設けられた複数のトランジスタTdを含む。選択領域120bに含まれる複数のトランジスタTdは、図示しない行選択回路20の行選択結果に応答して選択的にオンする。これに伴い、対応するデジット線WDLにデータ書込電流が供給される。
【0041】
読出/書込制御回路25は、複数のビット線BLの一端側にそれぞれ設けられた複数のドライバDRV1と、複数のドライバDRV1にそれぞれ対応して設けられる複数のライトドライバデコーダWDC1とを含む。また、読出/書込制御回路25は、複数のドライバDRV1に共通に設けられ、セレクタSEL1からの電圧を供給する電圧供給線VL2と、電圧供給線VL2に供給する2種類の電源電圧(Vcca,Vccb(<Vcca))を選択するセレクタSEL1と、トランジスタT1とを含む。
【0042】
トランジスタT1は、電源電圧VccbとセレクタSEL1との間に配置され、そのゲートはソース側と電気的に結合されている。いわゆるダイオード接続されている。したがって、セレクタSEL1は、電源電圧Vccaもしくは電源電圧Vccbからトランジスタの閾値電圧分降下した電圧のいずれか一方を電圧供給線VL2に供給する。
【0043】
ドライバDRV1は、トランジスタPT1とNT1とを含む。トランジスタPT1は、電圧供給線VL2とビット線BLの一端側との間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDCからのデコード結果の入力を受ける。トランジスタNT1は、ビット線BLの一端側と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDC1のデコード結果の入力を受ける。
【0044】
ライトドライバデコーダWDC1は、入力される書込制御信号WDTa,WDTbとともに図示しない列デコーダ15からのプリデコード信号を受けてデコード処理し、その結果をドライバDRV1に出力する。
【0045】
読出/書込制御回路30は、複数のビット線BLの他端側にそれぞれ設けられた複数のドライバDRV2と、複数のドライバDRV2にそれぞれ対応して設けられる複数のライトドライバデコーダWDC2とを含む。また、読出/書込制御回路30は、複数のドライバDRV2に共通に設けられ、セレクタSEL2により選択した電圧を供給する電圧供給線VL3と、電圧供給線VL3に供給する2種類の電源電圧(Vcca,Vccb(<Vcca))を選択するセレクタSEL2と、トランジスタT2とを含む。
【0046】
トランジスタT2は、電源電圧VccbとセレクタSEL2との間にトランジスタT1と同様にダイオード接続される。したがって、セレクタSEL2は、電源電圧Vccaもしくは電源電圧Vccbからトランジスタの閾値電圧分降下した電圧のいずれか一方を電圧供給線VL3に供給する。
【0047】
ドライバDRV2は、トランジスタPT2とNT2とを含む。トランジスタPT2は、電圧供給線VL3とビット線BLの他端側との間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDC2からのデコード結果の入力を受ける。トランジスタNT2は、ビット線BLの他端側と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートはライトドライバデコーダWDC2のデコード結果の入力を受ける。
【0048】
ライトドライバデコーダWDC2は、入力される書込制御信号WDTa,WDTbとともに図示しない列デコーダ15からのプリデコード信号を受けてデコード処理し、その結果をドライバDRV2に出力する。
【0049】
また、読出/書込制御回路30は、データ読出に用いられる入出力線対DIOPと、データ読出時にビット線BLと入出力線対DIOPとのゲートとして用いられる複数のゲートトランジスタRSGと、読出制御回路200と、書込制御回路300と、ビット線BLにそれぞれ対応して設けられプリチャージ電圧を供給する電圧供給線VL5と、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のトランジスタP1と、トランジスタT5と、隣接する2列ずつのビット線にそれぞれ対応して設けられる複数のデータ読出用のコラム選択線RCSLとをさらに含む。
【0050】
入出力線対DIOPは、入出力線DIO1,DIO2を含む。ゲートトランジスタRSGは、奇数列のビット線に対応して設けられる複数のゲートトランジスタRSG1と、偶数列のビット線に対応して設けられる複数のゲートトランジスタRSG2とを総括的に標記したものである。ゲートトランジスタRSG1の各々は、対応するビット線と入出力線DIO1との間に配置され、そのゲートはデータ読出用のコラム選択線RCSLと電気的に結合される。ゲートトランジスタRSG2の各々は、対応するビット線と入出力線DIO2との間に配置され、そのゲートは、データ読出用のコラム選択線RCSLと電気的に結合される。図2においては、ゲートトランジスタRSG1およびRSG2のゲートとそれぞれ電気的に結合されている1本のコラム選択線RCSLが示されている。したがって、1本のコラム選択線RCSLを活性化することにより奇数列に対応するビット線と入出力線DIO1とが電気的に結合され、偶数列に対応するビット線と入出力線DIO2とが電気的に結合される。
【0051】
また、トランジスタT5は、ダイオード接続されて電源電圧Vccdと電圧供給線VL5との間に配置される。また、トランジスタP1は、電圧供給線VL5と対応するビット線との間に配置される。トランジスタP1の活性化に応答して電圧供給線VL5からプリチャージ電圧を各ビット線に対して供給する。なお、トランジスタT5,P1は、一例としてそれぞれNチャネルMOSトランジスタ、PチャネルMOSトランジスタとする。
【0052】
読出制御回路200は、増幅回路202,204,206と、ラッチ回路208と、バッファ回路210と、トランジスタT3,T4と、出力ピン212とを含む。トランジスタT3,T4はそれぞれダイオード接続されて入出力線GIO1,GIO2とそれぞれ電気的に結合される。したがって、ゲートトランジスタRSGが駆動してない場合、入出力線対DIOPは電源電圧VccからトランジスタT3,T4の閾値電圧分降下した電圧レベルにプリチャージされる。
【0053】
増幅回路202,204,206は、2段の増幅回路群を構成し、入出力線DIO1,DIO2と電気的に結合される増幅回路202,204により、入出力線DIO1,DIO2の電圧差を増幅するとともに増幅回路206でさらにその電圧差を増幅する。ラッチ回路208は、増幅回路206で増幅した読出データRDTをラッチして、バッファ回路210に出力する。バッファ回路210は、読出データRDTを出力データDOUTとして出力ピン212に出力する。
【0054】
書込制御回路300は、制御信号WD,TMの入力に応じて動作し、入力データDINの入力に基づいて、書込制御信号WDTa,WDTbを生成する。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態1に従うデータ書込電流を供給する回路帯の概念図である(以下、電流駆動系回路とも称する)。
【0056】
図5を参照して、本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路において、読出/書込制御回路25,30は、上述したようにビット線BLの一端側に設けられるドライバDRV1と、他端側に設けられるドライバDRV2と、ドライバDRV1およびDRV2にそれぞれ対応して設けられるライトドライバデコーダWDC1およびWDC2とを含む。
【0057】
さらに、読出/書込制御回路25は、複数のビット線BLにそれぞれ対応して設けられる複数のコラム選択線CSLを選択的に活性化させる複数のデコーダMDC1と、ライトドライバデコーダWDC1に対応して設けられる電圧供給線VL1,VL2と、電圧供給線VL1,VL2にそれぞれ対応して設けられるセレクタSEL3,SEL1と、ライトドライバデコーダWDC2に対応して設けられる電圧供給線VL3,VL4と、電圧供給線VL3,VL4にそれぞれ対応して設けられるセレクタSEL2,SEL4とを含む。図5においては、ビット線BLに対応して設けられたコラム選択線CSL1が示され、コラム選択線CSL1を活性化させるためのデコーダMDC1が1つ示されている。
【0058】
デコーダMDC1は、コラムアドレスCAの一部ビットに基づく行選択回路20からのプリデコード信号を伝達するデコード線MKSからの入力を受け、入力結果に基づいてコラム選択線CSL1を活性化させる。
【0059】
ライトドライバデコーダWDC1は、論理回路G11,G21を含む。また、ライトドライバデコーダWDC2は、論理回路G12,G22とを含む。
【0060】
ライトドライバデコーダWDC1,WDC2は、コラム選択線CSL1に伝達される信号およびデコード線DKSにより伝達されるプリデコード信号および書込制御信号WDTa,WDTbに基づいてドライバDRV1およびDRV2をそれぞれ駆動する。デコード線DKSには、行選択回路20からのコラムアドレスCAの一部ビット以外の残りのビットに基づくプリデコード信号が伝達されるものとする。
【0061】
セレクタSEL1は、トランジスタN60とトランジスタP60とを含む。トランジスタN60は、トランジスタT1と電圧供給線VL2との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP60は、電源電圧Vccaと電圧供給線VL2との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。セレクタSEL2は、トランジスタN62と、トランジスタP62とを含む。トランジスタN62は、トランジスタT2と電圧供給線VL3との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP62は、電源電圧Vccaと電圧供給線VL3との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。
【0062】
したがって、制御信号/ACTの入力に基づいてセレクタSEL1およびSEL2の切換動作により電圧供給線VL2およびVL3に供給される電圧レベルが変化する。具体的には、制御信号/ACT(「L」レベル)に応答して電源電圧Vccaと電圧供給線VL2およびVL3とが電気的に結合される。一方、制御信号/ACT(「H」レベル)に応答してトランジスタT1もしくはT2を介して電源電圧Vccbと電圧供給線VL2およびVL3とが電気的に結合される。なお、一例としてトランジスタN60,N62は、それぞれNチャネルMOSトランジスタ,トランジスタP60,P62は、PチャネルMOSトランジスタとする。
【0063】
セレクタSEL3は、トランジスタN64とトランジスタP64とを含む。
トランジスタN64は、電圧供給線VL1と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP64は、電圧供給線VL1と電源電圧Vccf(<Vcca)との間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。セレクタSEL4は、トランジスタN66と、トランジスタP66とを含む。トランジスタN66は、電圧供給線VL4と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。トランジスタP66は、電圧供給線VL4と電源電圧Vccfとの間に配置され、そのゲートは制御信号/ACTの入力を受ける。
【0064】
したがって、制御信号/ACTの入力に基づいてセレクタSEL3およびSEL4の切換動作により電圧供給線VL1およびVL4に供給される電圧レベルが変化する。具体的には、制御信号/ACT(「H」レベル)に応答して接地電圧GNDと電圧供給線VL1およびVL4とが電気的に結合される。一方、制御信号/ACT(「L」レベル)に応答して電源電圧Vccfと電圧供給線VL1およびVL4とが電気的に結合される。なお、一例としてトランジスタN64,N66は、それぞれNチャネルMOSトランジスタとする。トランジスタP64,P66は、PチャネルMOSトランジスタとする。
【0065】
また、トランジスタP1は、トランジスタT5とビット線BLとの間に配置され、そのゲートはコラム選択線CSL1と電気的に結合される。したがって、コラム選択線CSL1(「L」レベル)の場合には、トランジスタP1がオンし、ビット線BLに電源電圧VccdからトランジスタT5の閾値電圧分ドロップしたプリチャージ電圧が供給される。
【0066】
本実施の形態においては、薄膜および厚膜のゲート絶縁膜を有する2種類のトランジスタで構成され、ドライバDRV1,DRV2等は、動作高速性を確保する観点から薄膜トランジスタが用いられている。一方、電源電圧あるいは接地電圧と電気的に結合されているトランジスタについては内部回路の動作安定性を補償する観点から厚膜トランジスタが用いられている。たとえば、セレクタSEL等を構成するトランジスタや、ダイオード接続されたトランジスタT1,T2,T5等を挙げることができる。
【0067】
なお、特に本実施の形態においては、デバイスの活性化時に通常時と異なる高い電圧をドライバDRV1,DRV2の薄膜のトランジスタPT1,PT2のソース側に供給する。したがって、ドライバDRV1,DRV2を構成する薄膜トランジスタを破壊しないように薄膜のトランジスタPT1,PT2に与える電圧レベルを調整する必要があるため論理回路G11,G12を駆動する電圧供給線VL1〜VL4が示されているが、論理回路G21,G22を駆動する電圧供給線も当然備えられている。ここで、ドライバDRV1,DRV2の薄膜のトランジスタNT1,NT2のソース側は常に接地電圧GNDに固定されているため特別な制御をする必要が無く一般的な構成である。したがって、本実施の形態においては特に薄膜トランジスタPT1,PT2のゲートとそれぞれ電気的に結合される論理回路G11,G12を駆動する電圧供給線VL1〜VL4について主に説明する。
【0068】
図6は、本発明の実施の形態に従うデコーダMDC1の回路構成図である。
図6を参照して、デコーダMDC1は、AND回路ADCと、遅延段DLYと、NOR回路NRと、スイッチ制御回路SWと、フリップフロップ回路FFと、ラッチ回路LC1とを含む。AND回路ADCは、デコード線MKSに伝達されるプリデコード信号に基づいてそのAND論理演算結果を信号S0として出力する。遅延段DLYは奇数段のいわゆるインバータチェーンで構成され、入力される信号S0を遅延させてその反転信号S0#をNOR回路NRの入力ノードに出力する。NOR回路NRは、信号S0およびS0♯のNOR論理演算結果を信号S1として出力する。この遅延段DLYおよびNOR回路NRは、入力される信号S0に基づいてワンショットパルスを生成する。具体的には入力される信号S0の立下がりに応答して信号S1が生成される。
【0069】
スイッチ制御回路SWは、ラッチ回路LC1でラッチされる制御信号TM(「H」レベル)に基づいて通常時において電気的に結合されているNOR回路NRの出力ノードとコラム選択線CSL1とを切断して、後述するテストモード時にフリップフロップ回路FFの出力ノードとコラム選択線CSLとを電気的に結合させる。なお、ラッチ回路LC1は、制御信号WD(「H」レベル)に応答して制御信号TMをラッチする。
【0070】
フリップフロップ回路FFは、制御信号TMおよび制御信号WDの入力を受け、信号S2を生成する。具体的には、後述するテストモードにおいて、所定条件の入力に基づいて信号S2を「H」レベルにラッチし続ける。
【0071】
図7は、図5で説明した電流駆動系回路においてデバイスのスリープモード時における電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【0072】
図7を参照して、デバイスのスリープモード時においては制御信号/ACTが「H」レベルに設定される。これに伴い、セレクタSEL1のトランジスタN60がオンし、トランジスタT1の閾値電圧分ドロップした電源電圧Vccbが電圧供給線VL2に供給される。また、セレクタSEL2のトランジスタN62がオンし、トランジスタT2の閾値電圧分ドロップした電源電圧Vccbが電圧供給線VL3に供給される。
【0073】
セレクタSEL3およびSEL4は、制御信号/ACT(「H」レベル)の入力に応答して接地電圧GNDと電圧供給線VL1およびVL4とを電気的に結合する。なお、コラム選択線CSL1は「L」レベルに設定されているためビット線BLはプリチャージ状態である。
【0074】
電圧供給線VL2およびVL3には、電源電圧Vccaよりも電圧レベルの低い電源電圧Vccbが用いられ、さらにトランジスタの閾値電圧分ドロップした電圧レベルが供給されるためドライバDRV1およびDRV2を構成するトランジスタのリーク電流を低減し、デバイスのスリープモード時においてデバイス全体の消費電力を低減することができる。
【0075】
次に、デバイスのスリープ期間以外の活性化時における本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路の電圧供給線の電圧レベルについて説明する。
【0076】
図8は、デバイスの活性化時において、電流駆動系回路が動作を実行していないスタンバイ時の電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【0077】
図8を参照して、デバイスの活性化時において制御信号/ACTは「L」レベルに設定される。したがって、セレクタSEL1およびSEL2は、トランジスタP60およびP62をオンし、電源電圧Vccaと電圧供給線VL2およびVL3とが電気的にそれぞれ結合される。
【0078】
一方、セレクタSEL3およびSEL4は、制御信号/ACT(「L」レベル)の入力に応答してトランジスタP64,P66を共にオンし、電源電圧Vccfと電圧供給線VL1およびVL4のそれぞれとが電気的に結合される。なお、コラム選択線CSL1は「L」レベルに設定されているためビット線BLはプリチャージ状態である。
【0079】
ここで、ライトドライバデコーダWDCについて考えると、活性化時であるが列選択はまだ実行されていない状態であり論理回路G11の出力する論理レベルすなわちドライバDRV1のトランジスタPT1に入力される論理レベルは「H」レベルである。すなわち論理回路G11は、電圧供給線VL1およびVL2からの電源電圧からの電圧レベルの供給を受けて動作するためトランジスタPT1のゲートには「H」レベルに相当する電源電圧Vccaの電圧レベルが印加される。
【0080】
この場合、トランジスタPT1のゲートおよびソースに供給される電圧は共に同じ電圧レベルであるためゲート−ソース間に高電界がかからず薄膜のトランジスタPT1を破壊することはなくゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。また、プリチャージ電圧がビット線BLに供給されるためゲート−ドレイン間に高電界がかからず薄膜のトランジスタPT1を破壊することはなくゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。
【0081】
なお、ここでは、ドライバDRV1のトランジスタPT1について説明したがドライバDRV2のトランジスタPT2についても同様である。
【0082】
次に、本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路におけるデータ書込時の動作について説明する。
【0083】
図9は、データ書込時における電流駆動系回路の動作について説明する概念図である。
【0084】
図9を参照して、本例においては、ビット線BL1が選択されるものとする。したがって、デコーダMDC1は、デコード線MKSの入力に基づいてコラム選択線CSL1を活性化(「H」レベル)させる。また、ライトドライバデコーダWDC1およびWDC2には、全て「H」レベルのプリデコード信号がデコード線DKSを介して伝達されるものとする。また、書込制御信号WDTa,WDTbは、それぞれ「H」レベル,「L」レベルに設定されるものとする。
【0085】
この場合、ライトドライバデコーダWDC1の論理回路G11は「L」レベルを出力する。一方、ライトドライバデコーダWDC2の論理回路G22は、「H」レベルを出力する。これに伴い、トランジスタPT1およびNT2がオンする。したがって、電圧供給線VL2とビット線BLの一端側とがトランジスタPT1を介して電気的に結合され、ビット線BLの他端側と接地電圧GNDとが電気的に結合されてビット線BLの一端側から他端側への電流経路が形成される。このビット線BLを流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCへのデータ書込を実行することが可能になる。
【0086】
ここで、トランジスタPT1がオンする際、本実施の形態の構成においては、論理回路G11の「L」レベルの出力信号として電源電圧Vccf(<Vcca)がトランジスタPT1のゲートに入力される。仮に、「L」レベルの出力信号として接地電圧GNDが供給される場合、トランジスタPT1のゲート−ソース間電圧が過大になりすぎるため、トランジスタPT1の薄膜のゲート絶縁膜が破壊される恐れがある。したがって、本実施の形態のドライバ回路の構成により、トランジスタPT1のゲート−ソース間電圧は過大になりすぎることがなく、高電界が薄膜のトランジスタPT1に掛からないためゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。ドライバDRV2のトランジスタPT2についても同様である。
【0087】
図10のタイミングチャート図を用いて本発明の実施の形態に従うデータ書込およびデータ読出の一連の動作について説明する。
【0088】
図10を参照して、時刻t0においてデバイスに電源が投入される。これに伴い、電圧供給線VL2の電圧レベルは、徐々に上昇し時刻t1において電源電圧VccbからトランジスタT1の閾値電圧分降下した電圧レベルに設定される。なお、この時刻t1からデバイスが活性化される時刻t2までの期間がいわゆるスリープ期間である。この場合においては、制御信号/ACTは「H」レベルに設定されている。
【0089】
次に、デバイスが活性化される時刻t2において、制御信号ACTは「H」レベルに設定される。すなわち、制御信号/ACTは、「L」レベルに設定される。これに伴い、セレクタSEL1〜SEL4が上述した切換動作を実行する。
【0090】
時刻t2以降、デバイスの動作を規定するクロック信号CLKが安定する時刻t3において、クロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDが入力される。この制御信号の組合せに応じてデータ書込が実行される。
【0091】
一例として、書込制御回路300は、入力データDIN(「1」)の入力を受ける。書込制御回路300は、入力データDIN(「1」)の入力に基づいて書込制御信号WDTa,WDTbを「H」レベル,「L」レベルにそれぞれ設定する。なお、本例においては、入力されるコラムアドレスCAに基づいてビット線BL1が選択されるものとする。
【0092】
これに伴い、上述したようにライトドライバデコーダWDC1およびWDC2は書込制御信号に応じてドライバDRV1およびDRV2を駆動してデータ書込電流をビット線BL1に供給する。また同様の時刻t3において、図示しない入力されるロウアドレスRAに応じたデジット線WDLが選択され、選択デジット線WDLと選択ビット線BL1に流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCに対するデータ「1」のデータ書込を実行することができる。
【0093】
次に、本発明の実施の形態に従うデータ読出について説明する。
ここではビット線BL1に対応する選択されたメモリセルMCのデータ読出について説明する。
【0094】
時刻t4において、クロック信号CLKの立上がりに同期して入力される制御信号CSおよび制御信号RDの入力に伴いデータ読出が実行される。この時刻t4において、本例においては図示しないコラムアドレスCAの入力にともない奇数列のビット線BL1が選択されるものとする。また、図示しないロウアドレスRAの入力に伴い選択されたワード線WLが活性化される。具体的には、奇数列のビット線BLに対応するワード線WLOが活性化される。したがって、選択された選択メモリセルMCおよびダミーメモリセルDMCのトンネル磁気抵抗素子TMRとソース線SLを介する接地電圧GNDとが電気的に結合される。
【0095】
また同様のタイミングにおいて、ダミーワード線DWLのうち偶数列に対応するダミーワード線DWLEが活性化される。また図示しないがコラムアドレスCAに基づいてリード用のコラム選択線RCSLが活性化されコラム選択線RCSLの活性化に応答して、ゲートトランジスタRSG1,RSG2がオンし、ビット線BL1,BL2と入出力線DIO1,DIO2とがそれぞれ電気的に結合される。これに伴い、上述したように入出力線DIO1は所定の電圧レベルにプリチャージされているため、選択されたメモリセルMCに対して選択メモリセルMCが有するトンネル磁気抵抗素子の抵抗値に応じたデータ読出電流が流れる。すなわち、入出力線DIO1の電圧レベルはこのデータ読出電流に基づく記憶データに応じた値に設定される。一方、上述したように入出力線DIO2は、所定の電圧レベルにプリチャージされているため、ダミーメモリセルDMCに対してダミーメモリセルDMCが有するトンネル磁気抵抗素子の抵抗値に応じたデータ読出電流が流れる。上述したようにダミーメモリセルDMCのトンネル磁気抵抗素子の抵抗値は、正規のメモリセルのトンネル磁気抵抗素子が有する抵抗値Rmax,Rminの中間抵抗値を有する。入出力線DIO2の電圧レベルは、これに伴い、所定の基準電圧Vrefの電圧レベルに設定される。
【0096】
この入出力線DIO2に設定された基準電圧Vrefの電圧レベルを基準として、増幅回路202〜204で入出力線DIO1に設定された電圧との電圧差が増幅され、読出データRDTが生成されて、出力ピン212に出力データDOUT(「1」)が出力される。
【0097】
時刻t5においては、再びデータ書込が実行される。すなわち制御信号CSおよび制御信号WDがクロック信号CLKの立ち上がりに同期して入力され、データ書込が実行される。
【0098】
ここで、書込制御回路300は、入力データDIN(「0」)の入力を受けるものとする。書込制御回路300は、入力データDIN(「0」)の入力に基づいて書込制御信号WDTa,WDTbを「L」レベル、「H」レベルにそれぞれ設定する。なお、本例においては、入力されるコラムアドレスCAに基づいてビット線BL2が選択されるものとする。
【0099】
これに伴い、上述したようにライトドライバデコーダWDC1およびWDC2は書込制御信号に応じてドライバDRV1およびDRV2を駆動してデータ書込電流をビット線BL2に供給する。また同様の時刻t5において、図示しない入力されるロウアドレスRAに応じたデジット線WDLが選択され、選択デジット線WDLと選択ビット線BL2に流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCに対するデータ「0」のデータ書込を実行することができる。
【0100】
時刻t6においては、再びデータ読出が実行される。具体的には制御信号CSおよび制御信号RDがクロック信号CLKの立上がりに同期して入力される。本例においてはビット線BL2のデータ読出が実行される。
【0101】
具体的には入力されるロウアドレスRAの入力に基づいてワード線WLEとダミーワード線DWLOがそれぞれ活性化される。また同様のタイミングにおいて、図示しないがコラムアドレスCAに基づいてリード用のコラム選択線RCSLが活性化され、コラム選択線RCSLの活性化に応答して、ゲートトランジスタRSG1,RSG2がオンする。これに伴い、ビット線BL1,BL2と入出力線DIO1,DIO2とがそれぞれ電気的に結合される。上記で説明したのと同様にビット線BL1にはダミーメモリセルDMCが有する抵抗値に基づく基準電圧Vrefがビット線BL1に設定される。一方、選択されたビット線BL2には記憶されているデータ「0」に応じたトンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値に基づく電圧レベルが設定される。したがって、入出力線対DIOPに選択されたメモリセルMCおよびダミーメモリセルDMCの記憶しているデータレベルに応じた電圧レベルが伝達される。これに伴い、読出制御回路200は、上述した動作と同様、入出力線DIO1およびDIO2の電圧差を増幅して、読出データRDTを生成して出力ピン212から出力データDOUT(「0」)を出力する。
【0102】
上記においては、本発明の実施の形態1に従う電流駆動系回路のドライバ回路のデータ書込およびデータ読出等について説明したが、以下においては、上記のドライバ回路を用いた本発明の実施の形態1に従うバーンイン試験について説明する。特に本願明細書は、デバイス内に構成されるビット線およびデジット線ならびにメモリセルMCに対する信頼性試験について向けられたものである。
【0103】
図11は、テストモードにおいて本発明の実施の形態1に従う電圧加速試験を説明するドライバ回路の概略構成図である。
【0104】
図11を参照して、ここでは各ライトドライバデコーダWDCと電気的に結合されているデコード線DKSの集合群がデコード線群DKSGとして示されている。また、本実施の形態においては、ライトドライバデコーダWDC1に対応してテスト用のデコード線TL1,TL2が設けられ、ライトドライバデコーダWDC2に対応してテスト用のデコード線TL3.TL4が設けられる。テスト用のデコード線TL1〜TL4の接続関係において、偶数列のビット線に対応するライトドライバデコーダWDCと奇数列のビット線に対応するライトドライバデコーダWDCの接続関係は交互に入れ替わる関係にある。
【0105】
具体的には、ビット線BL1のライトドライバデコーダWDC1のうちの論理回路G11は、デコード線TL2からのデコード信号の入力を受け、論理回路G12は、デコード線TL1からのデコード信号の入力を受ける。ビット線BL1のライトドライバデコーダWDC2のうちの論理回路G12は、デコード線TL3からのデコード信号の入力を受け、論理回路G22は、デコード線TL4からのデコード信号の入力を受ける。一方、ビット線BL2のライトドライバデコーダWDC1およびWDC2とデコード線TL1〜TL4の接続関係はビット線BL1と反対である。
【0106】
ここで、テストモード時においては、テスト用のデコード線TL1〜TL4およびコラム選択線CSL以外のデコード線群DKSGはすべて「H」レベルに固定されているものとする。また、本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbはともに「H」レベルに設定されているものとする。テスト用のデコード線TL1,TL2はそれぞれ「L」レベル「H」レベルにそれぞれ設定される。一方、デコード線TL3,TL4は、共に「L」レベルに設定される。また、コラム選択線CSLを「H」レベルに設定される。
【0107】
これに伴い、奇数列のビット線BLの一端側に設けられたライトドライバデコーダWDC1の論理回路G11は「L」レベルを出力する。これに伴い、ドライバDRV1のトランジスタPT1がオンし、電源電圧Vccaとビット線BLの一端側とが電気的に結合される。他方、デコード線TL2と電気的に結合された偶数列のビット線BLに対応するライトドライバデコーダWDC1の論理回路G21が活性化され「H」レベルを出力する。これに伴い、ドライバDRV1のトランジスタNT1がオンし、接地電圧GNDとビット線BLの一端側とが電気的に結合される。
【0108】
したがって、奇数列のビット線BLの一端側はドライバDRV1のトランジスタPT1を介して電源電圧Vccaと電気的に結合され、偶数列のビット線BLに対応するドライバDRV1はトランジスタNT1を介して接地電圧GNDとそれぞれ電気的に結合される。したがって、ビット線と隣接する周辺回路間等との間での電圧ストレスを掛けることができ、その不良を顕在化させることができる。また、本実施例においては、偶数列と奇数列とのビット線BL間に高電界のストレスが印加される。したがって、隣接するビット線BL間の不良も検出し、顕在化させることが可能となる。
【0109】
また、偶数列と奇数列とをそれぞれ独立に制御することができるため多様なテストを実行することができ有用な信頼性試験を実行することができる。
【0110】
次に、ビット線BLの断線不良等を検査するための信頼性試験について説明する。
【0111】
図12は、本発明の実施の形態1に従う電流加速試験を説明する電流駆動系回路の概念図である。
【0112】
図12を参照して、本例においてはデコード線TL1,TL2をそれぞれ「L」レベル、「H」レベルに設定する。また、デコード線TL3,TL4をそれぞれ「L」レベル、「H」レベルに設定する。また、書込制御信号WDTa,WDTbをともに「H」レベルに設定する。これに伴い、上述したように奇数列のビット線BLに対応するドライバDRV1の一端側は電源電圧Vccaと電気的に結合され、偶数列のビット線BLに対応するドライバDRV1の一端側は接地電圧GNDと電気的に結合される。他方、デコード線TL3,TL4の論理レベルに応じて奇数列のビット線BLの他端側に対応するドライバDRV2のトランジスタNT2がオンする。すなわち、奇数列のビット線BLの他端側と接地電圧GNDとが電気的に結合される。また、偶数列のビット線BLの他端側に対応するドライバDRV2のトランジスタPT2がオンする。すなわち、偶数列のビット線BLの他端側と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。
【0113】
これに伴い、奇数列のビット線BLには、一端側から他端側への電流経路が形成される。また、偶数列のビット線BLには、他端側から一端側への電流経路が形成される。これにより全ビット線に電流経路を形成することができ、ビット線の断線不良やビット線の断線不良の要因となるエレクトロマイグレーションを顕在化させることが可能となる。なお、エレクトロマイグレーションは、配線に過度の電流が流れると金属の粒子が移動し局所的に粒子の空間ができ配線を断線させる現象をいう。この粒子の移動の状態は電流密度が高いほど移動する。なお、この場合には互いに逆方向の電流経路が偶数列および奇数列で形成されるため電源系統の負荷が軽減される。
【0114】
また、本実施の形態においては、電源電圧Vccaの電圧レベルを試験モードの場合に通常時よりも高い電圧レベルに設定する。これにより、通常時よりも電流量を増大させることにより効果的に加速試験を実行することができる。また、並列に実行することにより、加速試験を効率的に実行することができる。
【0115】
なお、本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbはともに「H」レベルの状態であるものとして説明したが、書込制御信号WDTa,WDTbの論理レベルの組合せを変更することにより、さらに多様な信頼性試験を実行することも可能である。例えば、書込制御信号WDTa,WDTbを「H」レベルおよび「L」レベルに設定することにより、奇数列のビット線のみに電流経路を形成させ、偶数列のビット線には電流経路を形成させないことも可能である。したがって、多様な信頼性試験を実行することにより精度の高い試験を実行することができる。
【0116】
図13は、図12で説明した電流加速試験の流れる電流方向が逆の場合の概念図である。
【0117】
図13を参照して、具体的にはデコードTL1,TL2の論理レベルをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定し、デコード線TL3,TL4に入力する論理レベルを「H」レベル、「L」レベルに設定する。これに伴い、奇数列のビット線BLに対応するドライバDRV2のトランジスタPT2とドライバDRV1のトランジスタNT1がオンし、奇数列のビット線BLの他端側から一端側への電流経路が形成される。また、偶数列のビット線BLに対応するドライバDRV1のトランジスタPT1とドライバDRV2のトランジスタNT2がオンし、偶数列のビット線BLの一端側から他端側への電流経路が形成される。したがって、図12と同様の電流加速試験を実行することができ、同様の効果を得ることができる。
【0118】
図14のタイミングチャート図を用いて、本発明の実施の形態に従う信頼性試験について説明する。
【0119】
時刻t0〜t2の期間においては、図10のタイミングチャート図で説明したのと同様であるのでその説明は繰返さない。
【0120】
時刻t10において、クロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDの入力とともに制御信号TMが入力される。これに伴い上記図11〜図13で説明したいずれかのテストモードが実行される。なお、本実施の形態に従う種々のテストモードは、入力される制御信号TMの入力に基づいてコントロール回路5で判定され、所定の動作を実行するように制御されるものとする。ここでは、本実施の形態においては、単に制御信号TMの入力によりコントロール回路5で所定のテストモードを判定するとして説明するが、制御信号TMの入力とともに、入力されるアドレスADDの所定の組合せに基づいて所定のテストモードを実行することができる。あるいは、コントロール回路5は、特定のテストモードに入ることを示す制御信号の入力を受けて、所定のテストモードを実行するように制御することも可能である。
【0121】
本発明の実施の形態においては、所定数のクロックサイクル期間、電圧加速試験あるいは電流加速試験のテストモードを実行し続けて不良をより顕在化させる構成について説明する。なお、本例においては、図11で説明した試験について示されている。また、本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbは、ともに「H」レベルに設定されるものとする。さらに、「H」レベルのプリデコード信号がデコード線DKSに伝達され、デコード線TL1,TL2には上述した論理レベルの信号が伝達されるものとする。
【0122】
ここで、デコーダMDC1のテストモード時の動作について説明する。再び図6を参照して、デコーダMDC1において、ラッチ回路LC1でラッチした制御信号TM(「H」レベル)の入力に伴い、スイッチ制御回路SWが信号S2をコラム選択線CSLに伝達する。
【0123】
フリップフロップ回路FFは、入力される制御信号TMと制御信号WDの入力に伴い信号S2(「H」レベル)をセットし、次の制御信号WD(「H」レベル)の入力まで信号S2を「H」レベルにラッチし続ける。したがって、このテストモード時において、コラム選択線CSLは、NOR回路NRからの信号S1に基づくワンショットパルスにより活性化されるのではなく、フリップフロップ回路FFから出力される信号S2に基づいて所定期間活性化されつづける。
【0124】
なお、次の時刻t11において、入力される制御信号WD(「H」レベル)の入力に応答してフリップフロップ回路FFの出力信号S2は「L」レベルに設定される。また、ラッチ回路LC1は、制御信号WD(「H」レベル)に応答して入力される制御信号TM(「L」レベル)をラッチし、スイッチ制御回路SWを通常時の動作に再設定する。すなわち、信号S1がコラム選択線CSLに伝達されるように設定される。
【0125】
したがって、図11で説明したトランジスタのオン/オフ動作は図14で示される所定のクロック数期間動作し続け、加速試験をより効果的に実行することが可能となり不良をさらに顕在化させることが可能となる。
【0126】
なお、図14のタイミングチャート図においては、時刻t12において制御信号CSと制御信号RDの入力に伴い、データ読出が実行される構成が示されているが、図10のタイミングチャート図の時刻t6で説明したのと同様の読出動作であるのでその説明は繰返さない。また、図12,13で説明した試験についても同様に適用可能である。
【0127】
図15は、本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける電流加速試験を説明する概念図である。
【0128】
図15を参照して、行選択回路20は、上述した選択領域120bと、選択領域120bに対応して設けられ、複数のデジット線WDLを選択的に活性化させるデコーダ帯21とを含む。選択領域120bは、複数のデジット線WDLにそれぞれ対応して設けられる複数のドライバトランジスタTdを有する。
【0129】
デコーダ帯21は、複数のドライバトランジスタTdにそれぞれ対応して設けられる複数の論理回路ADと、複数の論理回路ADにそれぞれ対応して設けられる複数のデコーダMDC#1とを有する。論理回路ADの出力信号は、対応するドライバトランジスタTdのゲートと電気的に結合される。デコーダMDC#1は、プリデコード信号が伝達されるデコード線MLKSの入力に基づいてデコード線MDSを活性化(「H」レベル)させる。デコード線MDSは、他のデコード線DLKSとともに論理回路ADの入力ノードと電気的に結合される。デコーダMDC#は、図7で説明したデコーダMDCと同様の構成である。具体的には、通常時においては、入力されるデコード線MLKSのプリデコード信号に基づいてワンショットパルスの「H」レベルの信号がデコード線MDSに伝達される。一方、テストモード時においては、入力される制御信号TM,WDに応答して所定のクロックサイクル数の期間、デコード線MDSを活性化させる。
【0130】
図15においては、デジット線WDL1とWDL2に対応して設けられるドライバトランジスタTdのゲートとそれぞれ電気的に結合された論理回路AD1およびAD2が示される。
【0131】
複数の論理回路ADは、デコード線DLKSの入力に基づいて選択的にドライバトランジスタTdを活性化させる。
【0132】
ここでは、各論理回路と電気的に結合されているデコード線DLKSの集合群をデコード線群DLKSGとして示している。また、本実施の形態においては、デコード線DLKSと電気的に結合されるテスト用のデコード線TDL1,TDL2が設けられる。具体的には、奇数行のデジット線に対応する論理回路ADのデコード線DLKSとテスト用のデコード線TDL1とが電気的に結合される。また、偶数行のデジット線に対応する論理回路ADのデコード線DLKSとテスト用のデコード線TDL2とが電気的に結合される。
【0133】
本例においては、デコード線TDL1,TDL2はともに「H」レベルに設定される。また、デコード線TDL1,TDL2以外の他のデコード線群DLKSGについてもすべて「H」レベルに設定されるものとする。
【0134】
これに伴い、選択領域120bのドライバトランジスタTdすべてがオンする。したがって、全デジット線WDLを介して電源電圧Vccと接地電圧GNDとが電気的に結合され、全デジット線WDLに電流経路が形成される。
【0135】
また、本例においては、通常時よりも高い電源電圧Vccが与えられるものとする。これに伴い、通常時よりも多い電流が流れる。この電流加速によりデジット線WDLにおいて流れる電流の配線電流密度を上昇させることができエレクトロマイグレーションという不良を顕在化させて、断線不良を加速化させることができる。
【0136】
図16は、別の電流加速試験について説明する概念図である。
図16を参照して、本例においてはデコード線TDL1,TDL2を「H」レベル、「L」レベルにそれぞれ設定する。他のデコード線群DLKSGは、全て「H」レベルに設定されているものとする。
【0137】
デコード線TDL1が「H」レベルに設定されているため、奇数行のデジット線WDLに対応するドライバトランジスタTdがオンし、デジット線WDLと接地電圧GNDとが電気的に結合される。
【0138】
したがって、奇数行のデジット線WDLに電流経路が形成されるが、偶数行のデジット線WDLには電流経路は形成されない。本方式により、奇数行と偶数行のデジット線に対して独立に試験を実行することができる。なお、デコード線TDL1,TDL2の論理レベルを反転させることにより、奇数行のデジット線WDLにのみ電流経路を形成させることも可能である。
【0139】
図17は、本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける断線不良を加速する電流加速試験を実行する場合のタイミングチャート図である。
【0140】
図17を参照して、時刻t10♯においてクロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDとともに制御信号TMが入力される。これに伴い図15および図16で説明したテストモードが実行される。このテストモードの実行の開始に伴い、デジット線WDLは、図14のタイミングチャート図で説明したのと同様に所定のクロック数期間経過後の時刻t11に入力される制御信号WDの入力があるまでの所定の期間活性化すなわち選択され続ける。これにより電流加速試験を所定のクロックサイクル期間実行し続けることができるためデジット線の電流加速試験を効率的に実行し、エレクトロマイグレーション等による断線不良を顕在化させることができる。
【0141】
時刻t12においては、クロック信号CLKの立ち上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号RDが入力され、図10のタイミングチャート図と同様のデータ読出が実行されるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0142】
次に、ビット線とデジット線間の短絡不良を加速する加速試験(以下、ビット−デジット加速試験とも称する)について説明する。
【0143】
図18のタイミングチャート図を用いて、本発明の実施の形態1に従うビット−デジット加速試験について説明する。
【0144】
図18を参照して、時刻t10#aにおいて、クロック信号CLKの立上がりに同期して制御信号CSおよび制御信号WDとともに制御信号TMが入力される。これに伴いテストモードが実行される。このテストモードは、上述したように次の制御信号WDの入力まで実行される。
【0145】
本例においては、デジット線WDLとビット線BLにストレスを印加する場合について説明する。具体的にはビット線を所定の電圧にプルアップし、デジット線を接地電圧GNDレベルにする構成について説明する。時刻t10a#において、コントロール回路5からの指示に応答してセレクタSELrは、デジット線WDLを接地電圧GNDと電気的に結合する。
【0146】
また、テスト用のデコード線TL1,TL2をともに「H」レベルに設定する。また、書込制御信号WDTa,WDTbをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定する。
【0147】
これにより、ドライバDRV1のトランジスタPT1がオンし、ビット線BLの一旦側と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。したがって、ビット線BLは所定電圧にプルアップされた状態であり、デジット線WDLは接地電圧GNDにプルダウンされているためビット線BLとデジット線WDLとの間に電界が生じ、その間における短絡不良を加速させることができる。なお、本例においては、ビット線BLを所定の電圧レベルにプルアップし、デジット線WDLを接地電圧GND(0V)に設定する場合について説明したが、電圧関係を反転させることも当然に可能である。
【0148】
次に、メモリセルMCのトンネル膜の不良をテストするテストモードについて説明する。具体的には、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加する。
【0149】
図19は、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加するテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【0150】
図19を参照して、時刻t10#bにおいて制御信号CS,TM,WDの入力に伴いテストモードが実行される。
【0151】
具体的には、時刻t10#bにおいて、テスト用のデコード線TL1,TL2をともに「H」レベルに設定される。また、書込制御信号WDTa,WDTbをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定される。これにともない、図18で説明したのと同様にビット線BLの一端側と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。また、同様のタイミングにおいてワード線WLも活性化される。したがって、活性化されたワード線WLに対応するメモリセルMCのアクセストランジスタATRがオンする。これに伴い、ワード線WLに対応するメモリセルMCを介してビット線BLとソース線SLとが電気的に結合され、メモリセルMCに通過電流いわゆるトンネル電流が流れる。これにより、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRの両端に電界を印加することができトンネル膜の欠陥不良を加速させることができる。
【0152】
図20は、トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加する他のテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【0153】
図20を参照して、時刻t10#cにおいて、制御信号CS,TM,WDの入力に伴いテストモードが実行される。具体的には、テスト用のデコード線TL1,TL2をともに「H」レベルに設定する。また、書込制御信号WDTa,WDTbをそれぞれ「L」レベル、「H」レベルに設定する。これに伴い、ドライバDRV1のトランジスタNT1がオンし、ビット線BLの一端側と接地電圧GNDとが電気的に結合される。また、同様のタイミングにおいてワード線WLも活性化される。また、本例においては、セレクタSELgがコントロール回路5からの指示に応答して電源電圧Vcceとソース線SLとを電気的に結合する。したがって、図20で説明したのと逆の電流経路がワード線WLに対応するメモリセルMCを流れることとなる。したがって、メモリセルMCのトンネル磁気抵抗素子TMRの両端に電界を印加することができトンネル膜の欠陥不良を加速させることができる。
【0154】
(実施の形態1の変形例)
図21は、本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路の概略構成図である。
【0155】
図21を参照して、本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路は、図5で説明した電流駆動系回路と比較してドライバDRV1およびDRV2をドライバDRV1♯およびドライバDRV2♯に置換した点と、ライトドライバデコーダWDC1,WDC2をライトドライバデコーダWDC1♯,WDC2♯にそれぞれ置換した点とが異なる。その他の点では同様であるのでその説明は繰返さない。
【0156】
ドライバDRV1♯は、ドライバDRV1と比較して、トランジスタPT1をN型のNチャネルMOSトランジスタNT3に置換した点が異なる。ドライバDRV2♯は、ドライバDRV2と比較して、トランジスタPT2をNチャネルMOSトランジスタNT4に置換して点が異なる。ライトドライバデコーダWDC1♯は、論理回路G11を論理回路G13に置換した点が異なる。ライトドライバデコーダWDC2♯は、ライトドライバデコーダWDC2と比較して、論理回路G12を論理回路G14に置換した点が異なる。すなわち、ドライバDRV1♯,DRV2♯のドライバトランジスタをN型のドライバトランジスタに全て変更したことに伴う回路構成の変形例である。
【0157】
図22は、図21で示した実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路におけるスリープ期間の電圧供給線に供給する電圧レベルを説明する概念図である。
【0158】
図22を参照して、ここでは、制御信号/ACT(「H」レベル)に応答してセレクタSEL1〜SEL4がそれぞれ動作し、図7と同様に電圧供給線VL1には接地電圧GNDが供給される。電圧供給線VL2には電源電圧VccbがトランジスタT1およびN60を介して電気的に結合される。電圧供給線VL3は、トランジスタT2およびトランジスタN62を介して電源電圧Vccbと電気的に結合される。電圧供給線VL4は、トランジスタN66のオンに応答して接地電圧GNDと電気的に結合される。したがって、上述した図7で説明したのと同様にデバイスのスリープ期間における消費電力を低減することができる。
【0159】
ここで、トランジスタNT3がオフする際、本実施の形態の構成においては、論理回路G13が「L」レベルの出力信号として電源電圧VccfをトランジスタNT3のゲートに入力する。したがって、これにより、トランジスタNT3のゲート−ソース間電圧は過大になりすぎることがなく、高電界が薄膜のトランジスタNT3に掛からないためゲート絶縁膜の信頼性を補償することができる。
【0160】
図23は、デバイスの活性化時における電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【0161】
図23を参照して、具体的には図8で説明したのと同様であり、電圧供給線VL1に電源電圧Vcceが供給され、電圧供給線VL2に電源電圧Vccaが供給される。また、電圧供給線VL3には電源電圧Vccaが供給され、電圧供給線VL4には電源電圧Vcceが供給される。
【0162】
図24は、本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路のデータ書込時におけるドライバ回路の動作を説明する概念図である。
【0163】
図24を参照して、本例においては、ビット線BL1が選択されるものとする。したがって、デコーダMDC1は、デコード線MKSの入力に基づいてコラム選択線CSL1を活性化(「H」レベル)させる。また、ライトドライバデコーダWDC1#およびWDC2#には、全て「H」レベルのプリデコード信号がデコード線DKSを介して伝達されるものとする。また、書込制御信号WDTa,WDTbは、それぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定されるものとする。
【0164】
この場合、ライトドライバデコーダWDC1#の論理回路G13は「H」レベルを出力する。一方、ライトドライバデコーダWDC2#の論理回路G22は、「H」レベルを出力する。これに伴い、トランジスタNT3およびNT2がオンする。したがって電圧供給線VL2とビット線BLの一端側とがトランジスタNT3を介して電気的に結合され、ビット線BLの他端側と接地電圧GNDとが電気的に結合されてビット線BLの一端側から他端側への電流経路が形成される。このビット線BLを流れるデータ書込電流により選択されたメモリセルMCへのデータ書込を実行することが可能になる。
【0165】
したがって、図21の本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路の構成においても実施の形態1で説明した電流駆動系回路と同様に動作する。したがって、電流もしくは電圧加速試験についても実施の形態1で説明した方式を同様に適用することができ、上記の実施の形態1で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0166】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2においては、実施の形態1およびその変形例とは異なる別のドライバ回路を用いた電流駆動系回路の構成における加速試験について説明する。
【0167】
図25は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の回路構成図である。
図25を参照して、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路は、図5で示した実施の形態1に従う電流駆動系回路と比較して、ビット線BLの他端側に設けられたライトドライバデコーダWDC2を削除した点と、セレクタSEL2とSEL4とをセレクタSEL5およびSEL6にそれぞれ置換した点と、プリチャージ電圧を供給するためにトランジスタT5,P1を削除した点とが異なる。その他の図5で示したビット線BLの一端側に設けられた周辺回路等については同様の構成であるのでその説明は繰返さない。
【0168】
図25に示される本実施の形態2に従う電流駆動系回路は、片側のみにデコーダ帯を配置した構成であるので図5で示した電流駆動系回路と比較してデコーダ帯の回路面積を削減するとともにデコード信号の配線数を削減し、効率的なレイアウト配置が可能である。
【0169】
セレクタSEL5は、トランジスタN70,N80,P70,P80とを含む。トランジスタN70,N80は、一例としてNチャネルMOSトランジスタとする。トランジスタP70,P80は、一例としてPチャネルMOSトランジスタとする。
【0170】
トランジスタN70は、電源電圧Vccg(<Vcca)と電圧供給線VL5との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタN80は、電源電圧Vcci(<Vccg)とノードNd1との間に配置され、そのゲートは制御信号CIの入力を受ける。トランジスタP80は、電源電圧Vccj(>Vccg)とノードNd1との間に配置され、そのゲートは制御信号CIの入力を受ける。トランジスタP70は、ノードNd1と電圧供給線VL5との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。
【0171】
このセレクタSEL5は、制御信号/BIの入力に応答して通常時と試験時用の電源電圧の供給レベルを切換える。具体的には制御信号/BIが「H」レベルの場合には通常時の電源電圧Vccgが電圧供給線VL5に供給される。一方、テスト時に入力される制御信号/BI(「L」レベル)が入力された場合にはトランジスタP70がオンし、電源電圧Vcciもしくは電源電圧Vccjが電圧供給線VL5と電気的に結合される。
【0172】
セレクタSEL6は、トランジスタN72,N74,N76,N78,P72,P74,P76,P78とを含む。トランジスタN72,N74,N76,N78は、一例としてNチャネルMOSトランジスタとする。トランジスタP72,P74,P76,P78は、一例としてPチャネルMOSトランジスタとする。
【0173】
トランジスタN72は、電源電圧Vcckと電圧供給線VL6との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタP72は、ノードNd2と電圧供給線VL6との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタN74は、電源電圧Vcckと電圧供給線VL7との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタP74は、ノードNd3と電圧供給線VL7との間に配置され、そのゲートは制御信号/BIの入力を受ける。トランジスタP76は、ノードNd2と電源電圧Vcch(>Vcca)との間に配置され、そのゲートは制御信号VCEの入力を受ける。トランジスタN76は、ノードNd2と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号VCEの入力を受ける。トランジスタN78は、ノードNd3と接地電圧GNDとの間に配置され、そのゲートは制御信号VCOの入力を受ける。トランジスタP78は、ノードNd3と電源電圧Vcchとの間に配置され、そのゲートは制御信号VCOの入力を受ける。
【0174】
セレクタSEL6もセレクタSEL5と同様に、テスト時に入力される制御信号/BIの入力に応答して通常時およびテスト時に供給する電源電圧の電圧レベルを切換える。具体的には、通常動作時において制御信号/BI(「H」レベル)に応答して、電圧供給線VL6およびVL7は、電源電圧Vcckと電気的に結合される。
【0175】
一方、テストモード時に置いて制御信号/BI(「L」レベル)の場合には入力される制御信号VCEおよびVCOの論理レベルに応じて、テストモード時における電圧供給線VL6,VL7にそれぞれ与えられる電圧レベルが設定される。
【0176】
図26は、デバイスのスリープ期間における本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【0177】
この場合においては、図7において説明していたのと同様に、電圧供給線VL1は、トランジスタN64を介して接地電圧GNDと電気的に結合される。電圧供給線VL2は、トランジスタT1およびN60を介する電源電圧Vccbが電気的に結合される。
【0178】
電圧供給線VL6およびVL7について考える。コラム選択線CSLは「L」レベルに設定されているため、ドライバDRV2aのトランジスタPT2はオン状態でありビット線BLの他端側と電圧供給線VL6およびVL7が電気的に結合される。したがって、奇数列に対応するビット線BL1は電圧供給線VL7と電気的に結合され、偶数列に対応するビット線BL2は電圧供給線VL6と電気的に結合される。
【0179】
一方、セレクタSEL6は、制御信号/BI(「H」レベル)に応答してトランジスタN72,N74がオンし、電圧供給線VL6およびVL7と電源電圧Vcckとが電気的に結合される。これにより図7で説明したのと同様に所定のプリチャージ電圧Vcckがビット線BLに供給される。
【0180】
図27は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路においてデバイスの活性化時に電圧供給線に与えられる電圧レベルを説明する概念図である。
【0181】
図27を参照して、セレクタSEL1は、図8で説明したのと同様に制御信号/ACTの入力に応答して電圧供給線VL2と電源電圧Vccaとが電気的に結合される。セレクタSEL3は、図8で説明したのと同様に制御信号/ACTの入力に応答して電圧供給線VL1と電源電圧Vccfとが電気的に結合される。また、この場合においては図26で説明したのと同様にプリチャージ電圧が各ビット線BLに供給される。
【0182】
図28は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路のデータ書込を説明する概念図である。
【0183】
図28を参照して、ここではビット線BL1にデータ書込を実行する場合について説明する。本例においては、書込制御信号WDTa,WDTbは「H」レベル、「L」レベルに設定されているものとする。これに伴い、ライトドライバデコーダWDC1の論理回路G11が「L」レベルを出力し、ドライバDRV1のトランジスタPT1がオンする。またコラム選択線CSLの活性化に伴いトランジスタNT2がオンする。これにより、電源電圧Vccaと電源電圧Vccg(<Vcca)との電圧差に基づくデータ書込電流がビット線BL1の一端側から他端側に供給され、選択されたメモリセルMCに対するデータ書込を実行することができる。
【0184】
図29は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別のデータ書込を説明する概念図である。
【0185】
図29を参照して、ここでは書込制御信号WDTa,WDTbが「L」レベル、「H」レベルに設定されている場合について説明する。この場合において、ドライバDRV2aのトランジスタNT2はオン状態である。
【0186】
一方、ドライバDRV1のトランジスタNT1はライトドライバデコーダWDC1の論理回路G21の活性化に伴い、接地電圧GNDとビット線BL1とを電気的に結合する。したがって電源電圧Vccgから接地電圧GNDへの電流経路が形成される。具体的にはビット線BL1の他端側から一端側へのデータ書込電流が流れ、選択されたメモリセルMCに対するデータ書込を実行することができる。なお、本例においては、電源電圧Vccgは、一例として十分なデータ書込電流をビット線BL1に供給すべく、電源電圧Vccaと接地電圧GNDとの間の中間電圧に設定することができる。
【0187】
図30は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における電圧加速試験を説明する概念図である。
【0188】
図30を参照して、ここでは制御信号/BI(「L」レベル)が入力されるものとする。これに伴い、セレクタSEL6のトランジスタP72およびP74がオンし、制御信号VCEおよびVCOの論理レベルの組合せに応じた電源電圧が電圧供給線VL6,VL7を介してビット線BLに供給される。
【0189】
本例においては、制御信号VCE,VCOをそれぞれ「H」レベル、「L」レベルに設定する。これに伴い、電圧供給線VL6は、トランジスタP72,N76を介して接地電圧GNDと電気的に結合される。電圧供給線VL7は、制御信号VCOに応答してトランジスタP74,P78を介して電源電圧Vcchと電気的に結合される。
【0190】
したがって、電圧供給線VL7と電気的に結合される奇数列のビット線BLは電源電圧Vcchが供給され、偶数列のビット線BLは接地電圧GNDが供給されることになる。
【0191】
したがって、実施の形態1の図11で説明したのと同様に偶数列、奇数列にそれぞれ異なる電圧を印加することによりビット線間の短絡不良を加速し、顕在化させることが可能となる。
【0192】
図31は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における別の電圧加速試験を説明する概念図である。
【0193】
図31を参照して、本例においては制御信号VCE,VCOの論理レベルを反転させる。これに伴い、電圧供給線VL6,VL7に供給される電圧レベルが反転し、一例としてビット線BL1,BL2に供給される電圧レベルと対称の電圧ストレスを印加することができる。
【0194】
次に、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電流加速試験について説明する。
【0195】
図32は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電流加速試験を説明する概念図である。
【0196】
図32を参照して、本例においては、コラム選択線CSLは「H」レベルに設定されているものとする。すなわちドライバDRV2aのトランジスタNT2はオン状態である。したがって、ビット線BL1の他端側と電圧供給線VL5とが電気的に結合されている。
【0197】
また、制御信号CIは「H」レベルに設定される。これに伴いトランジスタN80とP70を介して電源電圧Vcci(<Vccg)と電圧供給線VL5とが電気的に結合される。電源電圧Vcciは電源電圧Vccgよりも電圧レベルが低く、電源電圧Vccaと電源電圧Vcciとの電圧差は通常時よりも大きい。したがって、ビット線BL1,BL2を流れるデータ書込電流の量は通常時よりも大きなデータ書込電流が流れる。
【0198】
また、本例においては並列に電流加速試験を実行することができるため効率的な試験が可能である。
【0199】
図33は、本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別の電流加速試験を説明する概念図である。
【0200】
制御信号CIは「L」レベルに設定される。これに伴い、トランジスタP80,P70を介して電源電圧Vccj(>Vccg)と電圧供給線VL5とが電気的に結合される。したがって、ビット線BL1およびBL2は、電源電圧Vccjから接地電圧GNDへの電流経路が形成される際、通常時よりも電圧差が大きくなるためビット線BLの他端側から一端側へ流れるデータ書込電流の電流量は大きくなる。
【0201】
また、本例においては並列に電流加速試験を実行することができるため効率的な試験が可能である。
【0202】
これにより電流加速試験を効率的かつ高速に実行することができ配線不良を顕在化させることができる。
【0203】
また、図14,図17〜図20のタイミングチャートで説明した方式に従って同様のテストモードを実行することが可能であり、所定のクロックサイクル数期間テストモードを実行し続けることによりさらに不良を顕在化させることもできる。
【0204】
(実施の形態2の変形例)
図34は、実施の形態2の変形例に従う電流駆動系回路の概念図である。
【0205】
図34を参照して、ここでは、図21で説明したのと同様のデコーダWDC1#およびドライバDRV1#を図29の実施の形態2に従う電流駆動系回路に適用したものである。具体的な動作については上述したのと同様の動作であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0206】
本実施の形態2の変形例に従う電流駆動系回路においても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0207】
なお、上記においては、主にMRAMメモリセルの信頼性試験について説明してきたが、PCMデバイスの相転移による可変抵抗メモリの信頼性試験についても同様に適用することが可能である。
【0208】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0209】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、テスト時に少なくとも1本の書込電流線の一端および他端にデータ書込時よりも大きな電圧差を設定することにより、データ書込時よりも大きい電流量が書込電流線に流れる。これにより、書込電流線の断線不良を検出し、顕在化させることができる。
【0210】
また、テスト時において、書込電流線を駆動するドライバ回路の動作期間を規定するワンショットパルスの選択信号の出力期間を調整するタイミング調整回路を設ける。これにより、テスト時間を調整し、精度の高いテストを実行することができる。
【0211】
また、テスト時に少なくとも1本のビット線の一端を第1の電圧および第2の電圧のいずれか一方と電気的に結合し、他端を開放状態に設定する。これにより、ビット線と他の隣接する回路等との間に電圧ストレスを掛けることができ不良を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に従う不揮発性記憶装置の代表例として示されるMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】メモリアレイ10およびその周辺回路の概略構成図である。
【図3】MTJメモリセルの構造およびデータ記憶原理を説明する概念図である。
【図4】MTJメモリセルへのデータ書込電流の供給とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従うデータ書込電流を供給する回路帯の概念図である。
【図6】本発明の実施の形態に従うデコーダMDC1の回路構成図である。
【図7】電流駆動系回路においてデバイスのスリープモード時における電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【図8】デバイスの活性化時において、電流駆動系回路が動作を実行していないスタンバイ時の電圧供給線の電圧レベルを説明する概念図である。
【図9】データ書込時における電流駆動系回路の動作について説明する概念図である。
【図10】本発明の実施の形態に従うデータ書込およびデータ読出の一連の動作について説明するタイミングチャート図である。
【図11】テストモードにおいて本発明の実施の形態1に従う電圧加速試験を説明するドライバ回路の概略構成図である。
【図12】本発明の実施の形態1に従う電流加速試験を説明する電流駆動系回路の概念図である。
【図13】電流加速試験の流れる電流方向が逆の場合の概念図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う信頼性試験について説明するタイミングチャート図である。
【図15】本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける電流加速試験を説明する概念図である。
【図16】別の電流加速試験について説明する概念図である。
【図17】本発明の実施の形態に従うデジット線WDLにおける断線不良を加速する電流加速試験を実行する場合のタイミングチャート図である。
【図18】本発明の実施の形態1に従うビット−デジット加速試験について説明するタイミングチャート図である。
【図19】トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加するテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【図20】トンネル磁気抵抗素子TMRのトンネル膜に電界を印加する他のテストモードについて説明するタイミングチャート図である。
【図21】本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路の概略構成図である。
【図22】実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路におけるスリープ期間の電圧供給線に供給する電圧レベルを説明する概念図である。
【図23】デバイスの活性化時における電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【図24】本発明の実施の形態1の変形例に従う電流駆動系回路のデータ書込時におけるドライバ回路の動作を説明する概念図である。
【図25】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の回路構成図である。
【図26】デバイスのスリープ期間における本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電圧供給線に供給される電圧レベルを説明する概念図である。
【図27】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路においてデバイスの活性化時に電圧供給線に与えられる電圧レベルを説明する概念図である。
【図28】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路のデータ書込を説明する概念図である。
【図29】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別のデータ書込を説明する概念図である。
【図30】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における電圧加速試験を説明する概念図である。
【図31】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路における別の電圧加速試験を説明する概念図である。
【図32】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の電流加速試験を説明する概念図である。
【図33】本発明の実施の形態2に従う電流駆動系回路の別の電流加速試験を説明する概念図である。
【図34】実施の形態2の変形例に従う電流駆動系回路の概念図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、5 コントロール回路、10 メモリアレイ、15 列デコーダ、20 行選択回路、25,30 読出/書込制御回路、200 読出制御回路、300 書込制御回路、SEL1〜SEL6,SELg,SELrセレクタ、DRV1,DRV2,DRV1#,DRV2# ドライバ、WDC1,WDC1#,WDC2,WDC2# ライトドライバデコーダ。
Claims (11)
- 各々において、記憶データに応じたデータ書込電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含むメモリアレイと、
前記複数のメモリセルのうち所定区分毎に対応して設けられる書込電流線と、
各前記書込電流線に対応して設けられ、対応する書込電流線に前記書込電流を供給するためのドライバ回路とを備え、
テスト時に、各前記ドライバ回路のうちの少なくとも1つは活性化されて、前記対応する書込電流線の一端および他端に与えられる電圧差をデータ書込時に与えられる電圧差よりも大きく設定する、不揮発性記憶装置。 - 前記テスト時において、複数個の前記ドライバ回路は、並列にテストされる第1および第2のグループに分割され、
前記テスト時に前記第1のグループに属する各前記ドライバ回路は、第1のテスト信号に応答して活性化され、
前記テスト時に前記第2のグループに属する各前記ドライバ回路は、第2のテスト信号に応答して活性化される、請求項1記載の不揮発性記憶装置。 - 各前記ドライバ回路は、前記データ書込時に前記記憶データに応じて第1および第2の電圧の一方および他方を前記対応する書込電流線の一端および他端側と電気的に結合し、前記テスト時にテストデータに応じて第3および第4の電圧の一方および他方を前記対応する書込電流線の一端および他端側と電気的に結合する、請求項1記載の不揮発性記憶装置。
- 各々において、記憶データに応じたデータ書込電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含むメモリアレイと、
前記複数のメモリセルのうち所定区分毎に設けられた書込電流線と、
前記書込電流線に対応して設けられ、対応する書込電流線に前記データ書込電流を供給するためのドライバ回路と、
各前記ドライバ回路に対応して設けられ、対応するドライバ回路の駆動を制御する制御回路とをさらに備え、
各前記制御回路は、
データ書込時に外部からのアドレス指示に基づいて前記対応するドライバ回路の動作期間を規定するワンショットパルスの選択信号を生成する信号生成回路と、
テスト時に前記信号生成回路から生成される前記選択信号を出力する期間を調整するタイミング調整回路とを含む、不揮発性記憶装置。 - 前記タイミング調整回路は、前記テスト時に前記選択信号を複数のクロックサイクル期間出力する、請求項4記載の不揮発性記憶装置。
- 各々において、記憶データに応じた電流の供給を受けてデータ記憶を実行する行列状に配置された複数のメモリセルを含むメモリアレイと、
メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線と、
前記複数のビット線にそれぞれ対応して設けられ、対応するビット線に第1の書込電流を供給するための複数の第1のドライバ回路とを備え、
テスト時に、各前記第1のドライバ回路のうちの少なくとも1つは活性化されて、前記対応するビット線の一端を第1の電圧および第2の電圧のいずれか一方と電気的に結合し、他端を開放状態に設定する、不揮発性記憶装置。 - 前記複数の第1のドライバ回路は、前記テスト時に第1および第2のグループに分割され、
前記第1のグループに属する第1のドライバ回路の各々は、対応するビット線の一端を前記第1の電圧と電気的に結合し、他端を開放状態に設定し、
前記第2のグループに属する第1のドライバ回路の各々は、対応するビット線の一端を前記第2の電圧と電気的に結合し、他端を開放状態に設定する、請求項6記載の不揮発性記憶装置。 - 前記第1のグループに属する第1のドライバ回路の各々は、前記メモリセル列のうちの奇数列のビット線に対応し、前記第2のグループに属する第1のドライバ回路の各々は、前記メモリセル列のうちの偶数列のビット線に対応する、請求項7記載の不揮発性記憶装置。
- メモリセル行にそれぞれ対応して設けられ、データ書込時に選択的に第2の書込電流が供給される複数のデジット線と、
前記テスト時において、前記複数のデジット線の一端側と所定電圧とを電気的に結合する電圧制御回路とをさらに備える、請求項6記載の不揮発性記憶装置。 - 各前記第1のドライバ回路は、前記不揮発性記憶装置の活性化期間と非活性化期間とにおいて、供給される動作電圧がそれぞれ異なる、請求項6記載の不揮発性記憶装置。
- メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のワード線と、
メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のソース線と、
前記複数のワード線にそれぞれ対応して設けられ、対応するワード線を活性化させるための複数の第2のドライバ回路と、
前記複数のソース線と電気的に結合する電圧を制御する電圧制御回路とをさらに備え、
前記複数のメモリセルの各々は、
前記記憶データに応じた抵抗値を有する記憶素子と、
対応するワード線の活性化に応答して、前記記憶素子を介して対応するソース線と対応するビット線とを電気的に結合するアクセス素子とを含み、
前記テスト時に、前記電圧制御回路は、前記複数のソース線と第3の電圧とを電気的に結合し、
前記テスト時に、前記複数の第2のドライバ回路は、前記複数のワード線のうちの少なくとも1本のワード線を活性化させて、前記少なくとも1本のビット線とソース線との間に電流経路を形成させる、請求項6記載の不揮発性記憶装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7286394B2 (en) | 2004-07-14 | 2007-10-23 | Renesas Technology Corp. | Non-volatile semiconductor memory device allowing concurrent data writing and data reading |
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2003
- 2003-05-23 JP JP2003146285A patent/JP2004348891A/ja active Pending
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