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JP2004235695A - Cdma方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法、及びcdma方式移動体無線システムの基地局 - Google Patents

Cdma方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法、及びcdma方式移動体無線システムの基地局 Download PDF

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JP2004235695A JP2003018498A JP2003018498A JP2004235695A JP 2004235695 A JP2004235695 A JP 2004235695A JP 2003018498 A JP2003018498 A JP 2003018498A JP 2003018498 A JP2003018498 A JP 2003018498A JP 2004235695 A JP2004235695 A JP 2004235695A
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JP2003018498A
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Masayuki Shinozaki
雅之 篠崎
Hideaki Watanabe
秀明 渡邊
Kazuteru Mishima
一輝 三島
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Evolium SAS
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Abstract

【課題】加入者は快適にサービスを受けられ、通信事業者は加入者を増大させることができ、かつ基地局は処理負担を低減することができるようにする。
【解決手段】実効レート測定部11は、周期Tnで加入者の平均実効レートを測定し、比較部12は、その結果を監視する。チャネル切替制御部13は、比較部12からの報告により、上記平均実効レートが、閾値Sdcを下回った場合、または閾値Scdを上回った場合にチャネルの切り替えを実行する。この閾値Scdの値を、CCHからDCHに切り替わった回数に比例して減じることにより、加入者がDCHを利用できる割合を高くしている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法、及びCDMA方式移動体無線システムの基地局に関するものであり、特に加入者が、快適にCDMA方式移動体無線システム上でサービスを受けられ、一方、基地局を運用する通信事業者が、システムを有効に使え、またシステム負担を低減することを可能にするCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法、及びCDMA方式移動体無線システムの基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CDMA方式の移動体無線システムは、2系統のチャネルを使用しており、その1つは、音声データなどを主体とした回線交換サービスやパケットサービスを収容するための専用チャネル(Dedicated Channel、以下、「DCH」と略記する)であり、他の1つは、低容量のパケットサービスを収容する共通チャネル(CommonChannel、以下、「CCH」と略記する)である。このDCHとCCHはあるアルゴリズムで切り替えられ、無線基地局が加入者にサービスを提供できる数を増やせるようなシステムになっている。ここで、CCHは、多数の低容量のパケットサービス加入者を1つのチャネルでまかなうことにより、TDMAシステム(PDCやPHS等)に比べて効率の良いシステムが実現されている。
【0003】
現状の移動体無線システムにおいて、加入者がパケット通信を行っているとすると、WEBブラウジング、大きなサイズのメールのダウンロード、FTPでのファイル転送などを行う場合には、通常DCHが選択されてユーザデータが転送される。
【0004】
加入者がある一定時間DCHを使っている状態で、ユーザデータの実効データレートがある一定値を下回った時には、基地局は端末側に対してチャネル切り替えを指示することで、加入者はCCHに移行する。
【0005】
加入者が再び大きなデータ転送を行おうと意図した場合、基地局側から加入者端末に対して、もしくは加入者端末から基地局に対して、大量のデータが流れ始めると、基地局または加入者端末がそのデータ量の増加を検出し、チャネル切り替えを指示または要求することで、加入者はDCHの状態へ遷移し、快適なデータ転送が行われることになる。
【0006】
図15は、従来のCDMA方式の移動体無線システムにおけるDCHとCCHの切り替え方法を示す。図15において、縦軸が監視周期Tで計測した実効Data Rate(以後、「実効レート」と呼称する)、横軸が時間(経過時間)である。
【0007】
ここで、DCHからCCHへの切り替えは、上記実効レートが、ある閾値Aを下回った時になされる。また、CCHからDCHへの切り替えは、上記実効レートが、ある閾値Bを上回った時になされる。通常、このようなチャネルの切り替えが頻繁に生じないように、上記の閾値Aと閾値Bとは異なる値に設定されている。
【0008】
従来のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法としては、チャネルの通信品質やチャネルの特性(周波数帯等)に応じてチャネルの切り替えを行う提案が多いが、通信量を考慮する提案としては、例えば、上り回線と下り回線の総情報量の比に応じて上り回線と下り回線への通信リソースの割り当てを行うものがある(特許文献1参照。)。
【0009】
また、呼負荷の平均値を計算し、この平均値が所定の閾値を超える場合は、加入者からの受入れを拒否するものがある(特許文献2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−234242号公報
【特許文献2】
特開2001−119355号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法にあっては、加入者が、CCHからDCHに切り替わるまでに感じるタイムラグを小さくしようとシステムを最適化すると、チャネル内に流れるデータレートの監視周期が短くなり、大量の呼が発生する大都市部などでは、この監視機能のための処理が、システムの基地局にとって大きな負担になるという問題点があった。
【0012】
また、上記システム負担を低減するため、チャネル内に流れるデータレートの監視周期を長くとると、今度は、加入者がCCHからDCHに切り替わるまでのタイムラグを大きく感じる結果となり、加入者にとっては、システムが提供するサービスへの不満となる。
【0013】
そこで、閾値A、Bを低目に設定すると、DCH状態の加入者が多くなり、基地局が無線リソースを常に消費してしまい、結果的に、沢山の加入者へのサービス提供が出来なくなる。
【0014】
また、逆にこれらの閾値A、Bを高目に設定すると、CCH状態の加入者が多くなり、このことは、基地局側から見ると多くの加入者を収容できることとなるが、加入者側から見ると、大きいデータの送受信の必要性が発生した場合に、DCHへの切り替えレスポンスが悪く感じられたり、低速でのデータ通信を強いられたりすることとなり、やはり、システムが提供するサービスへの不満となる。
【0015】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、システムの加入者が快適にサービスを受けられ、一方、基地局を運用する通信事業者はシステムを有効に使え、さらに、システムの基地局は処理負担を低減することができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を提供することを目的としている。
【0016】
また、本発明の他の目的は、システムの加入者が快適にサービスを受けられ、一方、基地局を運用する通信事業者はシステムを有効に使え、さらに、システムの基地局は処理負担を低減することができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、通信中の平均実効データレートを周期的に測定し、前記測定された平均実効データレートと閾値とを比較し、前記比較結果に基づき共通チャネルと専用チャネル間の切り替えを行う、CDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法であって、前記閾値または前記平均実効データレートの測定周期を、前記測定された平均実効データレートの変化の態様に関連する値またはシステムの加入者数に応じて制御することを特徴とし(請求項1)、これにより、システムの加入者が快適にサービスを受けられ、一方、基地局を運用する通信事業者はシステムを有効に使え、さらに、システムの基地局は処理負担を低減することができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0018】
また、前記請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、前記閾値を、前記チャネル間の切り替え回数に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項2)、これにより、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者には、DCH状態に止まる場合を多くしてシステムを快適に使用せしめ、それ以外の加入者については従来通り、なるべくCCH状態へ移行させて加入者数を増大させると共に、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数を抑制してシステム全体の処理負担を抑えることができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0019】
また、前記請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、前記測定の周期を、前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項3)、これにより、パケットデータの通信が頻繁に行われ、かつ大容量と小容量のデータのやり取りが交互に行われるような使い方をする加入者、即ち、通信トラフイツクに波がある使い方をしている加入者には、チャネルがDCHに移行する時間が速まるので、快適にシステムを使用することができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0020】
また、前記請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、前記閾値を構成する前記共通チャネルの切り替えを判断するための閾値と、前記専用チャネルの切り替えを判断するための閾値とを、それぞれ前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて個別に制御するステップを有することを特徴とし(請求項4)、これにより、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者には、DCH状態に止める場合を一層多くしてシステムを快適に使用せしめ、それ以外の加入者については従来通り、なるべくCCH状態へ移行させて加入者数を増大させると共に、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数を抑制してシステム全体の処理負担を抑えることができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0021】
また、前記請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、前記閾値を、前記共通チャネル状態を維持する時間の長さに基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項5)、これにより、パケットデータの通信が続く加入者には、CCH状態に止めておくことができるので、通信事業者側から見ると、加入者数を増大させることができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0022】
また、前記請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、前記閾値を、前記平均実効データレートの増減に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項6)、これにより、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者には、DCH状態に止める場合を多くすると共に、DCH移行へのレスポンスを速めて、快適にシステムを使用することができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0023】
さらに、前記請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法は、前記閾値を、加入者数に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項7)、これにより、通信中の加入者数が少ない状況においては、データ量が比較的少ない加入者でも、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、快適にシステムを使用することができるCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法を実現している。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るCDMA方式移動体無線システムの基地局は、通信中の平均実効データレートを周期的に測定する実効データレート測定部と、前記測定された平均実効データレートと閾値とを比較する比較部と、前記比較結果に基づき共通チャネルと専用チャネル間の切り替えを行うチャネル制御部とを有する、CDMA方式移動体無線システムの基地局であって、前記閾値または前記平均実効データレートの測定周期を、前記測定された平均実効データレートの変化量またはシステムの加入者数に応じて制御することを特徴とし(請求項8)、これにより、システムの加入者が快適にサービスを受けられ、一方、基地局を運用する通信事業者はシステムを有効に使え、さらに、システムの処理負担を低減することができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0025】
また、前記請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局は、前記閾値を、前記チャネル間の切り替え回数に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項9)、これにより、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者には、DCH状態に止める場合を多くしてシステムを快適に使用せしめ、それ以外の加入者については従来通り、なるべくCCH状態へ移行させて加入者数を増大させると共に、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数を抑制してシステム全体の処理負担を抑えることができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0026】
また、前記請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局は、前記測定の周期を、前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて制御することを特徴とし(請求項10)、これにより、パケットデータの通信が頻繁に行われ、かつ大容量と小容量のデータのやり取りが交互に行われるような使い方をする加入者、即ち、通信トラフイツクに波がある使い方をしている加入者には、チャネルがDCHに移行する時間が速まるので、快適にシステムを使用することができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0027】
また、前記請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局は、前記閾値を構成する前記共通チャネルの切り替えを判断するための閾値と、前記専用チャネルの切り替えを判断するための閾値とを、それぞれ前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて個別に制御するステップを有することを特徴とし(請求項11)、これにより、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者には、DCH状態に止める場合を一層多くしてシステムを快適に使用せしめ、それ以外の加入者については従来通り、なるべくCCH状態へ移行させて加入者数を増大させると共に、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数を抑制してシステム全体の処理負担を抑えることができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0028】
また、前記請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局は、前記閾値を、前記共通チャネル状態を維持する時間の長さに基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項12)、これにより、パケットデータの通信が続く加入者には、CCH状態に止めておくことができるので、通信事業者側から見ると、加入者数を増大させることができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0029】
また、前記請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局は、前記閾値を、前記平均実効データレートの増減に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項13)、これにより、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者には、DCH状態に止める場合を多くすると共に、DCH移行へのレスポンスを速めて、快適にシステムを使用することができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0030】
さらに、前記請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局は、前記閾値を、加入者数に基づいて制御するステップを有することを特徴とし(請求項7)、これにより、通信中の加入者数が少ない状況においては、データ量が比較的少ない加入者でも、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、快適にシステムを使用することができるCDMA方式移動体無線システムの基地局を実現している。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、〔第1の実施形態〕乃至〔第6の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
なお、それぞれの実施形態の説明では、本発明に係るCDMA方式移動体無線システムの基地局について詳述するが、本発明に係るCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法については、前記基地局が採用するチャネル切り替え方法の説明に含まれる。
【0033】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明に係る第1の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【0034】
同図において、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局1は、特許請求の範囲の1,2に該当し、チャネル内を流れる加入者データの平均実効データレート(以下、「平均実効レート」または「実効レート」と略記する)を測定する実効レート測定部11と、上記平均実効レートと設定されている閾値とを比較する比較部12と、チャネルの切り替えに必要な制御及び処理を行うチャネル制御部13と、上記平均実効レートと比較するための閾値を制御すると共に該閾値を設定する閾値制御部14と、チャネルが長くDCH状態に止まることを防止するための切り替えプロトコルRESETタイマ15とを備えて構成されている。
【0035】
実効レート測定部11には、外部システムまたは図示しない内部の構成要素から監視周期Tが指示される。
【0036】
以下、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局1の機能を各構成要素毎に説明する。
【0037】
実効レート測定部11には、端末側またはネットワーク側より、DCH/CCHデータが入力され、実効レート測定部11は、監視周期Tで、加入者(以下、契約者の意味ではなく、契約者のうち、システムの使用を開始した顧客を意味するものとする)の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定する。
【0038】
比較部12は、上記測定された実効レートと、閾値制御部14で決定された閾値との比較を行い、この比較結果をチャネル切替制御部13へ通知する。
【0039】
チヤネル切替制御部13は、この比較結果に基づき、チヤネル切り替えの必要性の有無を判別し、切り替えの実行が必要となる場合は、端末側またはネットワーク側にチャネル切り替え指示(図1のCH切替指示)を送出し、閾値制御部14と切替プロトコルRESETタイマ部15には切替情報を送出する。
【0040】
閥値制御部14は、チャネル切替制御部13より送出された切替情報から、新しい閾値を算出し、比較部12に通知する。
【0041】
切替プロトコルRESETタイマ部15は、実効レート(DRuまたはDRd)の変化を監視し、一定時間経過後まで実効レートに変化がない場合には、閾値制御部14に対して閾値をリセットせしむる信号(Reset)を送出する。
【0042】
図2は、本発明の第1の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。以下、図中では、平均実効レートのことを、「実効レート」と略記する。
【0043】
まず、加入者が呼を設定する。この時点ではDCH状態とする。閾値制御部14の閾値Sdcには値A(固定)が、閾値Scdには初期値として値Bが、それぞれ設定されるものとする。実効レート測定部11は、周期Tnで加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定し、比較部12は、その結果を監視する。
【0044】
チャネル切替制御部13は、比較部12からの報告により、上記平均実効レートが、Sdc(=A)を下回ったことを検知した場合に、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はCCH状態となる。また、加入者の上記平均実効レートが、Scd(=B)を上回ったことを検知した場合にも、チャネル切替制御部13は、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はDCH状態となる。加入者がDCHになった時点でカウンタNcd(図示は省略)の値(Ncd)を+1カウントする。
【0045】
このCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がCCHの時、比較部12は、上記平均実効レートを監視し、数式1(不等式)を検証する。チャネル切替制御部13は、比較部12からの上記検証結果の報告により、チヤネルの切り替えを行うか否かを判断する。
【0046】
平均実効レート>Scd−ΔS×Ncd (1)
【0047】
但し、(1)式において、ΔSは閾値の単位可変量とする。
【0048】
数式1が成立する場合、チャネル切替制御部13は、DCHに切り替える。
【0049】
また、上記のCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がDCHの時にも、比較部12は、上記平均実効レートを監視し、この平均実効レートを、Sdc(=A)と比較する。チャネル切替制御部13は、比較部12からの上記比較結果の報告により、上記平均実効レートがSdc(=A)を下回る時には、チヤネルをCCHに切り替える。
【0050】
この実施形態に係る基地局1は、このように構成したので、チャネルの切り替え回数が多くなる程、閾値が低く設定されるので、加入者側がDCH状態で利用できる時間を長くすることができる。つまり、基地局側に一種の学習機能を持たせることが可能となったことを意味する。
【0051】
また、図2に示すように、上記学習機能により、DCH状態への移行が早くなる効果がある(図中、「効果1」)。さらに、初期の閾値ならば、切り替えが発生しないレベルであってもDCHに移行させることができる(図中、「効果2」)。
【0052】
なお、比較部12は、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を常に監視しているが、加入者がDCHの状態で、切り替えプロトコルRESETタイマ15に設定されている時間経過後まで、この平均実効レートに変化がない場合は、ScdとSdcはリセットされ、初期値の閥値AとBに戻る。つまり、切り替えプロトコルRESETタイマ15は、通信トラフイツク量に波があるような加入者が、突然、データをやり取りしなくなったり、少量のデータ通信しか行わなくなった場合に、チャネルがDCH状態に止まることを防止するタイマとしての機能を有する。
【0053】
さらに、ScdはSdcより小さくなれないので、図2に示すSlを下限としている。
【0054】
この第1の実施形態によれば、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者は、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0055】
また、通信事業者側から見ると、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数が少なくなり、システム全体の処理負担が抑えられると共に、それ以外の加入者については従来通り、なるべくCCH状態へ移行させることができるので、加入者数を増大させることができる効果がある。
【0056】
〔第2の実施形態〕
図3は、本発明に係る第2の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【0057】
同図において、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局2は、特許請求の範囲の1,3に該当し、チャネル内を流れる加入者データの平均実効レートを測定する実効レート測定部21と、上記平均実効レートと設定されている所定の閾値とを比較する比較部22と、チャネルの切り替えに必要な制御及び処理を行うチャネル制御部23と、上記平均実効レートの測定周期を制御すると共に該測定周期を設定する監視周期制御部24と、チャネルが長くDCH状態に止まることを防止するための切り替えプロトコルRESETタイマ25とを備えて構成されている。
【0058】
以下、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局2の機能を各構成要素毎に説明する。
【0059】
実効レート測定部21には、端末側またはネットワーク側より、DCH/CCHデータが入力され、実効レート測定部21は、監視周期制御部24で決定された監視周期で、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定する。
【0060】
比較部22は、上記測定された実効レートと、所定の閾値(Scd,Sdc)との比較を行い、この比較結果をチャネル切替制御部23へ通知する。
【0061】
チヤネル切替制御部23は、この比較結果に基づき、チヤネル切り替えの必要性の有無を判別し、切り替えの実行が必要となる場合は、端末側またはネットワーク側にチャネル切り替え指示(図3のCH切替指示)を送出し、監視周期制御部24と切替プロトコルRESETタイマ部25には切替情報を送出する。
【0062】
監視周期制御部24は、チャネル切替制御部23より送出された切替情報から、新しい監視周期を算出し、比較部22に通知する。
【0063】
切替プロトコルRESETタイマ部25は、実効レート(DRuまたはDRd)の変化を監視し、一定時間経過後まで実効レートに変化がない場合には、監視周期制御部24に対して監視周期をリセットせしむる信号(Reset)を送出する。
【0064】
図4は、本発明の第2の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【0065】
まず、加入者が呼を設定する。この時点ではDCH状態とする。監視周期制御部24の監視周期にはTnが、初期値として設定されるものとする。実効レート測定部21は、監視周期制御部24が決定する周期で加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定し、比較部22は、その結果を監視する。
【0066】
チャネル切替制御部23は、比較部22からの報告により、上記平均実効レートが、Sdc(=A)を下回ったことを検知した場合に、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はCCH状態となる。また、加入者の上記平均実効レートが、Scd(=B)を上回ったことを検知した場合にも、チャネル切替制御部23は、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はDCH状態となる。
【0067】
加入者がDCHになった時点でカウンタNcd(図示は省略)の値(Ncd)を+1カウントする。このCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、実効レート測定部21が平均実効レートを監視する周期Tn+1を数式2により算出する(式中、ΔTは監視周期の単位可変量)。
【0068】
周期Tn+1=Tn−ΔT×Ncd (2)
【0069】
但し、(2)式において、ΔTは監視周期の単位可変量とする。
【0070】
この数式2の意味は、チャネルの切り替え回数が多い程、実効レート測定部21が平均実効レートを監視する周期が短くなり、トラフィック状態の変化に対するレスポンスが速くなることを示している(図5(a)中、「効果」)。つまり、基地局2側に一種の学習機能を持たせることができたことを意味する。
【0071】
図5は、本発明の第2の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法の効果を説明するタイミングチャートである。
【0072】
図5(a)は、監視周期がTの場合のチヤネル切り替え制御動作を示し、図5(b)は、監視周期がTより短い(T−ΔT)の場合のチヤネル切り替え制御動作を示す。
【0073】
チヤネル切り替え制御動作は、平均実効レートが急上昇した時に、監視周期をTより短い(T−ΔT)とした図5(b)の場合の方が、監視周期をTとした図5(a)の場合よりも、DCH状態に移行するタイミングが速まっている効果が理解できる。
【0074】
なお、比較部22は、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を常に監視しているが、加入者がDCHの状態で、切り替えプロトコルRESETタイマ25に設定されている時間経過後まで、この平均実効レートに変化がない場合は、監視周期はリセットされ、初期値のTnに戻る。つまり、切り替えプロトコルRESETタイマ15は、通信トラフイツク量に波があるような加入者が、突然、データをやり取りしなくなったり、少量のデータ通信しか行わなくなった場合に、チャネルがDCH状態に止まることを防止するタイマとしての機能を有する。なお、監視周期Tはゼロ以下にはなれないので、Tlを下限としている。
【0075】
この第2の実施形態によれば、パケットデータの通信が頻繁に行われ、かつ大容量と小容量のデータのやり取りが交互に行われるような使い方をする加入者、即ち、通信トラフイツクに波がある使い方をしている加入者には、チャネルがDCHに移行する時間が速まるので、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0076】
〔第3の実施形態〕
本実施形態に係るCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成は、特許請求範囲の1,4に相当するが、本発明の第1の実施形態に係るCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成(図1参照)と同じであり、閾値制御部14における閾値の計算式と、チヤネル切替制御部13におけるチャネル切り替えの決定アルゴリズムが異なるだけであるので、構成図及び符号は図1を参照し、各構成要素毎の説明は省略する。
【0077】
図6は、本発明の第3の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【0078】
まず、加入者が呼を設定する。この時点ではDCH状態とする。閾値制御部14の閾値Sdcには値Aが、閾値Scdには値Bが、それぞれ初期値として設定されるものとする。
【0079】
実効レート測定部11は、周期Tnで加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定し、比較部12は、その結果を監視する。チャネル切替制御部13は、比較部12からの報告により、上記平均実効レートが、Sdc(=A)を下回ったことを検知した場合に、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はCCH状態となる。
【0080】
加入者がCCHになった時点でカウンタNdc(図示は省略)の値(Ndc)を+1カウントする。また、加入者の上記平均実効レートが、Scd(=B)を上回ったことを検知した場合にも、チャネル切替制御部13は、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はDCH状態となる。加入者がDCHになった時点でカウンタNcd(図示は省略)の値(Ncd)を+1カウントする。
【0081】
このCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がCCHの時、比較部12は、上記平均実効レートを監視し、数式3を検証する。チャネル切替制御部13は、比較部12からの上記検証結果の報告により、チヤネルの切り替えを行うか否かを判断する。
【0082】
平均実効レート>Scd+ΔS×Ndc (3)
【0083】
数式3が成立する場合、チャネル切替制御部13は、DCHに切り替える。
【0084】
また、このCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がDCHの時、比較部12は、上記平均実効レートを監視し、数式4を検証する。チャネル切替制御部13は、比較部12からの上記検証結果の報告により、チヤネルの切り替えを行うか否かを判断する。
【0085】
平均実効レート<Sdc−ΔS×Ncd (4)
【0086】
数式4が成立する場合、チャネル切替制御部13は、CCHに切り替える。
【0087】
この実施形態に係る基地局1は、このように構成したので、チャネルの切り替え回数が多くなる程、切替えの閾値差が大きくなり、切り替え頻度は少なくなる。つまり、基地局側に一種の学習機能を持たせることが可能となったことを意味する。
【0088】
また、図6に示すように、従来ならばCCHへ移行する平均実効レートのレベルであっても、上記学習機能により、チャネル切り替えを発生させずに済む(図中、「効果」)。
【0089】
なお、比較部12は、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を常に監視しているが、加入者がDCHの状態で、切り替えプロトコルRESETタイマ15に設定されている時間経過後まで、この平均実効レートに変化がない場合は、ScdとSdcはリセットされ、初期値の閥値AとBに戻る。つまり、切り替えプロトコルRESETタイマ15は、通信トラフイツク量に波があるような加入者が、突然、データをやり取りしなくなったり、少量のデータ通信しか行わなくなった場合に、チャネルがDCH状態に止まることを防止するタイマとしての機能を有する。
【0090】
さらに、Sdcはゼロ以下にはなれないので、図6に示すSlを下限としている。また、Scdの上限を図6に示すShとしている。
【0091】
この第3の実施形態によれば、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者は、DCH状態に止まっていることができる場合が一層多くなり、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0092】
また、通信事業者側から見ると、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数が少なくなり、システム全体の処理負担が抑えられると共に、それ以外の加入者については従来どおり、CCH状態へ移行させることができるので、加入者数を増大させることができる効果がある。
【0093】
〔第4の実施形態〕
図7は、本発明に係る第4の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【0094】
同図において、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局4は、特許請求の範囲の1,5に該当し、チャネル内を流れる加入者データの平均実効レートを測定する実効レート測定部41と、上記平均実効レートと設定されている閾値とを比較する比較部42と、チャネルの切り替えに必要な制御及び処理を行うチャネル制御部43と、上記平均実効レートと比較するための閾値を制御すると共に該閾値を設定する閾値制御部44と、CCH状態の経過時間を計測し、閾値制御部44に通知するCCHタイマ部45とを備えて構成されている。
【0095】
実効レート測定部41には、外部システムまたは図示しない内部の構成要素から監視周期Tが指示される。
【0096】
以下、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局4の機能を各構成要素毎に説明する。
【0097】
実効レート測定部41には、端末側またはネットワーク側より、DCH/CCHデータが入力され、実効レート測定部41は、監視周期Tで、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定する。
【0098】
比較部42は、上記測定された実効レートと、閾値制御部44で決定された閾値との比較を行い、この比較結果をチャネル切替制御部43へ通知する。
【0099】
チヤネル切替制御部43は、この比較結果に基づき、チヤネル切り替えの必要性の有無を判別し、切り替えの実行が必要となる場合は、端末側またはネットワーク側にチャネル切り替え指示(図7のCH切替指示)を送出し、閾値制御部44とCCHタイマ部45には切替情報を送出する。
【0100】
閥値制御部44は、CCHタイマ部45から通知されるCCH状態の経過時間情報(図7に示すCc)と、チャネル切替制御部43より送出される切替情報とから、新しい閾値を算出し、比較部42に通知する。
【0101】
CCHタイマ部45は、CCH状態の経過時間を計測し、その計測結果を経過時間情報Ccとして閾値制御部44に通知する。
【0102】
図8は、本発明に係る第4の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局4のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【0103】
まず、加入者が呼を設定する。この時点ではDCH状態とする。閾値制御部44の閾値Sdcには値A(固定)が、閾値Scdには初期値として値Bが、それぞれ設定されるものとする。
【0104】
実効レート測定部41は、周期Tnで加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定し、比較部42は、その結果を監視する。
【0105】
チャネル切替制御部43は、比較部42からの報告により、上記平均実効レートが、Sdc(=A)を下回ったことを検知した場合に、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はCCH状態となる。また、加入者の上記平均実効レートが、Scd(=B)を上回ったことを検知した場合にも、チャネル切替制御部43は、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はDCH状態となる。加入者がDCHになった時点でカウンタNcd(図示は省略)の値(Ncd)を+1カウントする。
【0106】
このCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がCCHの時、比較部42は、上記平均実効レートを監視し、数式5(不等式)を検証する。チャネル切替制御部43は、比較部22からの上記検証結果の報告により、チヤネルの切り替えを行うか否かを判断する。
【0107】
平均実効レート<Scd+ΔS×(Cc/k) (kは定数) (5)
【0108】
なお、数式5において、数値Ccは、CCHタイマ部45で計測されたCCH状態の経過時間である。
【0109】
数式5が成立する場合、チャネル切替制御部43は、DCHに切り替える。
【0110】
また、上記のCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がDCHの時にも、比較部42は、上記平均実効レートを監視し、この平均実効レートを、Sdc(=A)と比較する。チャネル切替制御部43は、比較部42からの上記比較結果の報告により、上記平均実効レートがSdc(=A)を下回る時には、チヤネルをCCHに切り替える。
【0111】
この実施形態に係る基地局4は、このように構成したので、CCH状態が多い程、DCH切替えの閾値Scdが大きくなり、CCH状態への依存度が多い状態のままで切り替え頻度が少なくすることができるので、つまり、基地局側に一種の学習機能を持たせることが可能となったことを意味する。
【0112】
また、図8に示すように、上記学習機能により、上記平均実効レートが、従来ならばDCHへ移行するレベルであっても、チャネルの切り替えが生じないようにすることができる(図中、「効果」)。
【0113】
なお、ScdはDCH状態での最大レート以上にはなれないので、図8に示すShを上限としている。
【0114】
この第4の実施形態によれば、パケットデータの通信が続く加入者には、CCH状態に止めておくことができるので、通信事業者側から見ると、加入者数を増大させることができる効果がある。
【0115】
〔第5の実施形態〕
図9は、本発明に係る第5の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【0116】
同図において、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局5は、特許請求の範囲の1,6に該当し、チャネル内を流れる加入者データの平均実効レートを測定する実効レート測定部51と、上記平均実効レートと設定されている閾値とを比較する比較部52と、チャネルの切り替えに必要な制御及び処理を行うチャネル制御部53と、上記平均実効レートと比較するための閾値を制御すると共に該閾値を設定する閾値制御部54とを備えて構成されている。
【0117】
実効レート測定部51と閾値制御部54とには、外部システムまたは図示しない内部の構成要素から監視周期Tが指示される。
【0118】
以下、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局5の機能を各構成要素毎に説明する。
【0119】
実効レート測定部51には、端末側またはネットワーク側より、DCH/CCHデータが入力され、実効レート測定部51は、監視周期Tで、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定する。
【0120】
比較部52は、上記測定された実効レートと、閾値制御部54で決定された閾値との比較を行い、この比較結果をチャネル切替制御部53へ通知する。
【0121】
チヤネル切替制御部53は、この比較結果に基づき、チヤネル切り替えの必要性の有無を判別し、切り替えの実行が必要となる場合は、端末側またはネットワーク側にチャネル切り替え指示(図9のCH切替指示)を送出する。
【0122】
閥値制御部54は、実効レート測定部51で測定された加入者の平均実効レートを監視周期Tで監視して、新しい閾値を算出し、比較部52に通知する。
【0123】
図10,11は、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【0124】
より具体的には、図10は、平均実効レートの時間的変化によるDCH切替えの閾値Scdの時間的変化を示し、また、図11は、平均実効レートの時間的変化に対応するチャネルの切り替えタイミングを示す。
【0125】
まず、加入者が呼を設定する。この時点ではDCH状態とする。閾値制御部54の閾値Sdcには値A(固定)が、閾値Scdには初期値として値Bが、それぞれ設定されるものとする。実効レート測定部51は、外部システムからの監視周期Tnで加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定し、比較部52は、その結果を監視する。
【0126】
チャネル切替制御部53は、比較部52からの報告により、上記平均実効レートが、Sdc(=A)を下回ったことを検知した場合に、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はCCH状態となる。また、加入者の上記平均実効レートが、Scd(=B)を上回ったことを検知した場合にも、チャネル切替制御部53は、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はDCH状態となる。
【0127】
このCCH/DCHの切り替えの繰返しにおいて、加入者がCCHの時、比較部52は、上記平均実効レートを監視し、数式6(不等式)を検証する。チャネル切替制御部53は、比較部52からの上記検証結果の報告により、チヤネルの切り替えを行うか否かを判断する。
【0128】
平均実効レート>Scd−k(ΔDR/Tn) (6)
【0129】
但し、(6)式において、kは定数、ΔDRは平均実効レートの変化量とする。
【0130】
数式6が成立する場合、チャネル切替制御部53は、DCHに切り替える。
【0131】
図10に示すように、加入者の平均実効レートが減少した時は、その減少量に応じて閾値Scdが高くなり、逆に、加入者の平均実効レートが増加した時は、その減少量に応じて閾値Scdが低くなる。
【0132】
この実施形態に係る基地局5は、このように構成したので、加入者の平均実効レートの増加が大きい場合程、DCH切り替えの閾値Scdが小さくなり、DCHへの切り替えが生じ易くなる。即ち、トラフィック状態の変化に対するレスポンスが速くなり、つまり、基地局側に一種の学習機能を持たせることが可能となったことを意味する。
【0133】
図11に示すように、上記学習機能により、従来ならば、加入者の平均実効レートがDCHへの移行を生じないレベルであっても、チャネルの切り替えがなされる効果がある(図中、「効果」)。
【0134】
なお、加入者の平均実効レートに変化が無い場合(ΔDR=0)は、DCH切り替えの閾値Scdは初期値のBに戻るので、先行する実施形態におけるような切替プロトコルRESETタイマは必要ない。
【0135】
この第5の実施形態によれば、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行っている加入者、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている加入者は、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、また、DCH移行へのレスポンスが速くなるので、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0136】
〔第6の実施形態〕
図12は、本発明に係る第6の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【0137】
同図において、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局6は、特許請求の範囲の1,7に該当し、チャネル内を流れる加入者データの平均実効レートを測定する実効レート測定部61と、上記平均実効レートと設定されている閾値とを比較する比較部62と、チャネルの切り替えに必要な制御及び処理を行うチャネル制御部63と、上記平均実効レートと比較するための閾値を制御すると共に該閾値を設定する閾値制御部64とを備えて構成されている。
【0138】
実効レート測定部61には、外部システムまたは図示しない内部の構成要素から監視周期Tが指示され、閾値制御部64には、図示しない外部システムから加入者数情報が入力される。
【0139】
以下、本実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局6の機能を各構成要素毎に説明する。
【0140】
実効レート測定部61には、端末側またはネットワーク側より、DCH/CCHデータが入力され、実効レート測定部61は、監視周期Tで、加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定する。
【0141】
比較部62は、上記測定された実効レートと、閾値制御部64で決定された閾値との比較を行い、この比較結果をチャネル切替制御部63へ通知する。
【0142】
チヤネル切替制御部63は、この比較結果に基づき、チヤネル切り替えの必要性の有無を判別し、切り替えの実行が必要となる場合は、端末側またはネットワーク側にチャネル切り替え指示(図12のCH切替指示)を送出する。
【0143】
閥値制御部64は、外部システムから入力された加入者数情報に基づき、新しい閾値を算出し、比較部62に通知する。
【0144】
図13は、本発明に係る第6の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するグラフであり、図14は、本発明に係る第6の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【0145】
より具体的には、図13は、外部システムから入力された加入者数情報の加入者数と、設定するDCH切替えの閾値Scdとの関係を示し、また、図14は、平均実効レートの時間的変化に対応するチャネルの切り替えタイミングを示す。
【0146】
図13に示すように、DCH切替えの閾値Scdは、下限値から始まって、外部システムから入力された加入者数情報の加入者数に比例する形で上限値まで増加される。この上限値を与える加入者数が契約可能な最大加入者数(Max)である。
【0147】
まず、加入者が呼を設定する。この時点ではDCH状態とする。閾値制御部64の閾値Sdcには値Aが設定され、閾値Scdは図13に示すように加入者数に応じて決定される。
【0148】
実効レート測定部61は、外部システムからの監視周期Tnで加入者の平均実効レート(DRuまたはDRd)を測定し、比較部62は、その結果を監視する。
【0149】
チャネル切替制御部63は、比較部62からの報告により、上記平均実効レートが、Sdc(=A)を下回ったことを検知した場合に、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はCCH状態となる。また、加入者の上記平均実効レートが、加入者数に応じたScdを上回ったことを検知した場合にも、チャネル切替制御部63は、チャネルの切り替えを実行する。これにより、加入者側はDCH状態となる。即ち、チャネル切替制御部63は、このCCH/DCHの切り替えを繰返す。
【0150】
この実施形態に係る基地局6は、このように構成したので、加入者数が少なくなる程、DCH切り替えの閾値Scdが小さくなってDCHへの切り替えが生じ易くなり、逆に、加入者数が多くなる程、DCH切り替えの閾値Scdが大きくなってDCHへの切り替えが生じ難くなる。つまり、基地局側に一種の学習機能を持たせることが可能となったことを意味する。
【0151】
図14に示すように、上記学習機能により、加入者数が多い時には、加入者の平均実効レートがDCHへの移行を生じないレベルであっても、加入者数が少ない時は、上記と同じレベルにおいもチャネルの切り替えがなされる効果がある。
【0152】
この第6の実施形態によれば、通信中の加入者数が少ない状況においては、データ量が比較的少ない加入者でも、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0153】
以上、本発明の第1〜第6の実施形態を図面に基づき詳細に説明したが、これら実施の形態の二つ以上が組み合わされたものも、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法、及びCDMA方式移動体無線システムの基地局によれば、加入者側にとっては、パケットデータの通信が頻繁で、かつ大容量と小容量のデータのやり取りを交互に行う場合、即ち、通信トラフィックに波がある使い方をしている場合に、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0155】
また、チャネルがDCHに移行する時間を速めて、加入者が快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0156】
さらに、通信中の加入者数が少ない状況においては、データ量が比較的少ない加入者でも、DCH状態に止まっていることができる場合が多くなり、快適にシステムを使用することができる効果がある。
【0157】
また、通信事業者側にとっては、頻繁なデータのやり取りを行う加入者のCCH/DCHの切り替え回数が少なくなり、システム全体の処理負担が抑えられると共に、それ以外の加入者については従来通り、なるべくCCH状態へ移行させることができるので、加入者数を増大させることができる効果がある。
【0158】
さらに、チャネル切り替えの回数が抑制されるので、チャネル切り替えに必要な基地局の処理負担が低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図3】本発明に係る第2の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図5】本発明に係る第2の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法の効果を説明するタイミングチャートである。
【図6】本発明に係る第3の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る第4の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【図8】本発明に係る第4の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局4のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図9】本発明に係る第5の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【図10】本発明に係る第5の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図11】本発明に係る第5の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図12】本発明に係る第6の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局を示す構成図である。
【図13】本発明に係る第6の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するグラフである。
【図14】本発明に係る第6の実施形態のCDMA方式移動体無線システムの基地局のチヤネル切り替え方法を説明するタイミングチャートである。
【図15】従来のCDMA方式の移動体無線システムにおけるDCHとCCHの切り替え方法を示す。
【符号の説明】
1、2、4、5、6 基地局
11、21、41、51、61 実効レート測定部
12、22、42、52、62 比較部
13、23、43、53、63 チャネル切替制御部
14、44、54、64 閾値制御部
15、25 切替プロトコルRESETタイマ
24 監視周期制御部
45 CCHタイマ
Scd DCH切り替えの閾値
Sdc CCH切り替えの閾値
T 監視周期

Claims (14)

  1. 通信中の平均実効データレートを周期的に測定し、前記測定された平均実効データレートと閾値とを比較し、前記比較結果に基づき共通チャネルと専用チャネル間の切り替えを行う、CDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法であって、
    前記閾値および前記平均実効データレートの測定周期の少なくとも一方を、前記測定された平均実効データレートの変化の態様に関連する値およびシステムの加入者数の少なくとも一方に応じて制御することを特徴とするCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  2. 前記閾値を、前記チャネル間の切り替え回数に基づいて制御するステップを有することを特徴とする請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  3. 前記測定の周期を、前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて制御するステップを有することを特徴とする請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  4. 前記閾値を構成する前記共通チャネルの切り替えを判断するための閾値と、前記専用チャネルの切り替えを判断するための閾値とを、それぞれ前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて個別に制御するステップを有することを特徴とする請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  5. 前記閾値を、前記共通チャネル状態を維持する時間の長さに基づいて制御するステップを有することを特徴とする請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  6. 前記閾値を、前記平均実効データレートの増減に基づいて制御するステップを有することを特徴とする請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  7. 前記閾値を、加入者数に基づいて制御するステップを有することを特徴とする請求項1記載のCDMA方式移動体無線システムのチャネル切り替え方法。
  8. 通信中の平均実効データレートを周期的に測定する実効データレート測定部と、前記測定された平均実効データレートと閾値とを比較する比較部と、前記比較結果に基づき共通チャネルと専用チャネル間の切り替えを行うチャネル制御部とを有する、CDMA方式移動体無線システムの基地局であって、
    前記閾値および前記平均実効データレートの測定周期の少なくとも一方を、前記測定された平均実効データレートの変化の態様に関連する値およびシステムの加入者数の少なくとも一方に応じて制御することを特徴とするCDMA方式移動体無線システムの基地局。
  9. 前記閾値を、前記チャネル間の切り替え回数に基づいて制御することを特徴とする請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局。
  10. 前記測定の周期を、前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて制御することを特徴とする請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局。
  11. 前記閾値を構成する前記共通チャネルの切り替えを判断するための閾値と、前記専用チャネルの切り替えを判断するための閾値とを、それぞれ前記チャネル間の切り替えられた回数に基づいて個別に制御することを特徴とする請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局。
  12. 前記閾値を、前記共通チャネル状態を維持する時間の長さに基づいて制御することを特徴とする請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局。
  13. 前記閾値を、前記平均実効データレートの増減に基づいて制御することを特徴とする請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局。
  14. 前記閾値を、加入者数に基づいて制御することを特徴とする請求項8記載のCDMA方式移動体無線システムの基地局。
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