JP2004232965A - 真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】被乾燥物からの水分蒸発量を算出でき、または、被乾燥物の真空乾燥が確実に完了したか否かを判断できる真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】この真空乾燥システム1は、被乾燥物13を収容する真空乾燥容器11と、真空乾燥容器11内の気体の状態変化を計測する計測手段21〜23と、これらの計測手段21〜23による計測データを処理して、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段25とを含み構成される。データ処理手段25は、真空排気時であって被乾燥物13を収容した場合にて計測手段21により計測された真空乾燥容器11内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物13を収容しない場合における真空乾燥容器11内の圧力勾配の差を算出する。そして、この圧力勾配の差に基づき被乾燥物13からの水分蒸発量を算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】この真空乾燥システム1は、被乾燥物13を収容する真空乾燥容器11と、真空乾燥容器11内の気体の状態変化を計測する計測手段21〜23と、これらの計測手段21〜23による計測データを処理して、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段25とを含み構成される。データ処理手段25は、真空排気時であって被乾燥物13を収容した場合にて計測手段21により計測された真空乾燥容器11内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物13を収容しない場合における真空乾燥容器11内の圧力勾配の差を算出する。そして、この圧力勾配の差に基づき被乾燥物13からの水分蒸発量を算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムに関し、更に詳しくは、被乾燥物からの水分蒸発量を算出でき、または、被乾燥物の真空乾燥が確実に完了したか否かを判断できる真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、真空乾燥容器内に飼料や廃液等の被乾燥物を収容し、この真空乾燥容器内を真空ポンプにより真空排気して被乾燥物を真空乾燥させる真空乾燥システムが知られている。また、従来の真空乾燥システムにおいて、真空乾燥容器内に圧力センサや湿度センサを設け、真空乾燥容器内の圧力や湿度を監視する技術も知られている。かかる従来の真空乾燥システムには、特許文献1〜4に記載される技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−220965号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平7−27479号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平4−179243号公報
【0006】
【特許文献4】
特開昭62−272935号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の真空乾燥システムにおいて、▲1▼被乾燥物からの水分蒸発量(水分除去量)を検出する技術は知られていない。また、▲2▼被乾燥物の真空乾燥が完了したか否かを判断する技術も知られていない。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被乾燥物からの水分蒸発量を算出でき、または、被乾燥物の真空乾燥が確実に完了したか否かを判断できる真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明にかかる真空乾燥システムは、被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、前記データ処理手段が、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合にて前記計測手段により計測された前記真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における前記真空乾燥容器内の圧力との差を算出すると共に、当該圧力の差に基づき前記水分蒸発量を算出する。
【0010】
この発明では、真空排気時にて、真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、この圧力データに基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。ここで、水分蒸発量の算出にあたり、まず、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における真空乾燥容器内の圧力を、事前に計測し、若しくは論理的に算出しておく。次に、真空乾燥処理中にて、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合における真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、これらを比較演算して被乾燥物を収容した場合と収容しない場合との圧力差を算出し、この圧力差に基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。これにより、被乾燥物からの水分除去量を適切に検出できる利点がある。
【0011】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、真空乾燥処理中にて、前記真空乾燥容器内の真空排気を一時中断するビルドアップを行う場合において、前記データ処理手段が、前記計測手段により計測されたビルドアップ時前後における前記真空乾燥容器内の圧力、湿度および温度、または、圧力および温度に基づいてビルドアップ時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該ビルドアップ時の水分蒸発量を前記真空排気時の水分蒸発量に加えて、被乾燥物からの水分蒸発量の総量を算出する。
【0012】
この発明では、真空乾燥処理中にてビルドアップを行う場合には、このビルドアップ時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。そして、ビルドアップ時の水分蒸発量と、真空排気時の水分蒸発量との和を、被乾燥物からの水分蒸発量として算出する。これにより、ビルドアップを行う場合にも、被乾燥物からの水分蒸発量を的確に検出できる利点がある。
【0013】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、真空乾燥処理中にて、前記真空乾燥容器内または被乾燥物の少なくとも一方の温度を上昇させる事前処理を行う場合において、前記データ処理手段が、前記計測手段により計測された事前処理時前後における前記真空乾燥容器内の圧力、湿度および温度、または、圧力および温度に基づいて事前処理時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該事前処理時の水分蒸発量を前記真空排気時の水分蒸発量に加えて、被乾燥物からの水分蒸発量の総量を算出する。
【0014】
この発明では、真空乾燥処理中にて事前処理を行う場合には、この事前処理時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。そして、事前処理時の水分蒸発量と、真空排気時の水分蒸発量との和を、被乾燥物からの水分蒸発量として算出する。これにより、事前処理を行う場合にも、被乾燥物からの水分蒸発量を的確に検出できる利点がある。
【0015】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、さらに、被乾燥物の温度を計測する温度センサを含み構成され、且つ、前記データ処理手段が、前記温度センサにより計測された真空乾燥処理時における被乾燥物の温度低下に基づいて被乾燥物からの水分蒸発量を算出することも可能である。当該温度低下に基づく水分蒸発量を用いて、前記真空排気時、前記ビルドアップ時もしくは前記事前処理時の水分蒸発量と比較評価することが可能である。
【0016】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、さらに、算出された前記水分蒸発量を、被乾燥物の真空乾燥処理時にてリアルタイムで表示する表示手段を含み構成される。
【0017】
この発明では、算出された被乾燥物からの水分蒸発量を、真空乾燥処理時にてリアルタイムで表示する。これにより、真空乾燥処理の状況を、経過時刻と共に把握できる利点がある。
【0018】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、前記データ処理手段は、ビルドアップ時にて前記真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断すると共に、真空乾燥処理を終了させる。
【0019】
この発明では、ビルドアップ時にて真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物から水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0020】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、被乾燥物の温度を計測する温度センサと、前記温度センサからの計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、前記データ処理手段は、真空排気時にて前記被乾燥物の温度が略初期温度となったときを、真空乾燥処理の完了時と判断すると共に、真空乾燥処理を終了させる。
【0021】
この発明では、真空排気時にて被乾燥物の温度が平衡状態となったとき、若しくは略初期温度となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物にて気化熱による温度低下が生じておらず、水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に把握できる利点がある。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0022】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、さらに、真空乾燥処理の完了を報知する報知手段を備え、前記データ処理手段が、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、前記報知手段に真空乾燥処理の完了を報知させる。これにより、真空乾燥システムの操作員が真空乾燥処理の完了を認識できる利点がある。
【0023】
また、この発明にかかる真空乾燥方法は、真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、真空排気時にて前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測ステップと、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合にて計測された前記真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における前記真空乾燥容器内の圧力との差を算出すると共に、当該圧力の差に基づき前記水分蒸発量を算出する蒸発量算出ステップとを含む。
【0024】
この発明では、真空排気時にて、真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、この圧力データに基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。ここで、水分蒸発量の算出にあたり、まず、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における真空乾燥容器内の圧力を、事前に計測し、若しくは論理的に算出しておく。次に、真空乾燥処理中にて、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合における真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、これらを比較演算して被乾燥物を収容した場合と収容しない場合との圧力差を算出し、この圧力差に基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。これにより、被乾燥物からの水分除去量を検出できる利点がある。
【0025】
また、この発明にかかる真空乾燥方法は、真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、ビルドアップ時にて前記真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断する完了時判断ステップと、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、真空乾燥処理を終了させる乾燥処理終了ステップとを含む。
【0026】
この発明では、ビルドアップ時にて真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物から水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0027】
また、この発明にかかる真空乾燥方法は、真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、前記データ処理手段は、真空排気時にて前記被乾燥物の温度が略初期温度となったときを、真空乾燥処理の完了時と判断する完了時判断ステップと、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、真空乾燥処理を終了させる乾燥処理終了ステップとを含む。
【0028】
この発明では、真空排気時にて被乾燥物の温度が平衡状態となったとき、若しくは略初期温度となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物にて気化熱による温度低下が生じておらず、水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に把握できる利点がある。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0029】
また、この発明にかかるプログラムは、上記データ処理手段としてコンピューターを機能させる。
【0030】
また、この発明にかかるプログラムは、上記方法をコンピューターに実行させる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。
【0032】
図1は、この発明の実施の形態にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。この真空乾燥システム1は、真空乾燥ユニット10と、蒸発量検出ユニット20とを含み構成される。真空乾燥ユニット10は、真空乾燥容器11と、真空ポンプ12とを含み構成される。真空乾燥容器11は、入口部(図示省略)を有すると共に、この入口部から被乾燥物13を内部に搬入して収容し、入口部を封鎖して内部を密閉状態にできる。また、真空乾燥容器11は、ヒータ14を備え、このヒータ14により内部を加熱して被乾燥物13の乾燥処理を促進させる。真空ポンプ12は、開閉弁15および排気管16を介して真空乾燥容器11に接続される。真空ポンプ12は、開閉弁15を開放した状態にて、真空乾燥容器11内から排気管16を介して気体を吸引し、真空乾燥容器11内を真空排気する。
【0033】
蒸発量検出ユニット20は、圧力センサ21と、湿度センサ22と、温度センサ23と、データ収録装置24と、データ処理装置25とを含み構成される。圧力センサ21、湿度センサ22および温度センサ23は、真空乾燥容器11に取り付けられて真空乾燥容器11内の圧力、湿度および温度をそれぞれ検出する。データ収録装置24は、これらのセンサ21〜23に接続して設けられ、センサ21〜23にて検出された圧力、湿度および温度に関する検出データを収録する。データ処理装置25は、データ収録装置24に接続し、検出データに基づき所定の演算を行うと共に、その演算結果をリアルタイムで表示モニタ(図示省略)に表示する。また、データ処理装置25は、真空乾燥ユニット10の開閉弁15に接続し、開閉弁15の開放および閉止にかかる開閉信号を受信する。なお、データ収録装置24は、例えば、センサ21〜23とデータ処理装置25との間で検出データの入出力を行うI/Oデバイスである。また、データ処理装置25は、例えば、所定のプログラムを有するコンピュータである。
【0034】
図2は、図1に記載したデータ処理装置の機能を示すブロック図である。このデータ処理装置25は、圧力曲線PAの作成機能25aと、圧力曲線PBの作成機能25bと、水分蒸発量W1の算出機能25cと、水分蒸発量W2の演算機能25dと、水分蒸発量W3の演算機能25eと、水分蒸発量WAを用いた補正機能25fと、総水分蒸発量Wの算出機能25gと、真空乾燥完了時の判断機能25hと、モニタ表示機能25iとを含み構成される。
【0035】
圧力曲線PAの作成機能25aは、真空排気状態にて被乾燥物13を収容しない場合における真空乾燥容器11内の圧力曲線PAを算出する機能である。この圧力曲線PAは、実測値によっても良いし、論理的に算出可能な推定式としても良い。圧力曲線PBの作成機能25bは、真空排気状態にて被乾燥物13を収容した場合における真空乾燥容器11内の圧力曲線PBを算出する機能である。この圧力曲線PBは、圧力センサ21による計測値に基づき作成される。水分蒸発量W1の算出機能25cは、真空排気時における被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出する機能である。この算出は、圧力曲線PA,PBに基づき、所定の推定式を用いて行われる。水分蒸発量W2の演算機能25dは、ビルドアップ時における被乾燥物13からの水分蒸発量W2を算出する機能である。この算出は、ビルドアップ時前後における真空乾燥容器11内の圧力、湿度および温度に基づき、所定の推定式を用いて行われる。
【0036】
水分蒸発量W3の演算機能25eは、事前処理時における被乾燥物13からの水分蒸発量W3を算出する機能である。この算出は、事前処理時前後における真空乾燥容器11内の圧力、湿度および温度に基づき、所定の推定式を用いて行われる。水分蒸発量WAを用いた補正機能25fは、被乾燥物13の温度低下に基づく水分蒸発量WAを用いて、水分蒸発量W1〜W3を補正する機能である。この水分蒸発量WAは、被乾燥物13の初期温度および最低温度に基づき、所定の推定式を用いて算出される。総水分蒸発量Wの算出機能25gは、各水分蒸発量W1〜W3,WAに基づき、被乾燥物13からの水分蒸発量の総和Wを算出する機能である。真空乾燥完了時の判断機能25hは、被乾燥物13の真空乾燥処理が完了したか否かを判断する機能である。この判断は、真空乾燥容器11内の圧力や湿度、被乾燥物13の温度に基づき判断される。モニタ表示機能25iは、被乾燥物13からの水分蒸発量(水分除去量)や、真空乾燥処理の終了を表示する機能である。
【0037】
(実施の形態1)
図3は、真空乾燥時における真空乾燥容器内の圧力と経過時間との関係を示す説明図である。同図では、縦軸に真空乾燥容器11内の圧力Pをとり、横軸に経過時間tをとる。以下、図1〜図3を参照しつつ、この真空乾燥システム1の作用を説明する。この真空乾燥システム1では、事前に、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出するにあたり必要となる真空乾燥容器11内の圧力曲線PAを作成する。この圧力曲線PAは、被乾燥物13を収容しない状態にて、真空乾燥容器11内を真空排気しつつ、真空乾燥容器11内の圧力Pを経過時間tに伴い圧力センサ21にて計測して作成される。すなわち、この圧力曲線PAは、真空排気時であって、被乾燥物13からの水分蒸発が生じないときの圧力曲線である。この圧力曲線PAは、データ処理装置25により圧力センサ21からの計測データに基づき作成され、データ処理装置25の表示モニタに表示される(図3参照)。また、この圧力曲線PAは、真空乾燥時における被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出するにあたり、基準値となる。
【0038】
次に、真空乾燥システム1は、被乾燥物13を収容した状態にて、真空排気時における真空乾燥容器11内の圧力曲線PBを算出する。具体的には、まず、真空乾燥ユニット10が、被乾燥物13を真空乾燥容器11内に収容した状態にて、真空ポンプ12により真空乾燥容器11内を真空排気する。すると、真空乾燥容器11内の圧力が低下し、これに伴い被乾燥物13の水分が蒸発して、被乾燥物13が真空乾燥される。このとき、蒸発量検出ユニット20では、圧力センサ21が、経過時間に伴う真空乾燥容器11内の圧力変化を検出する。そして、データ収録装置24が、検出された圧力データを収録してデータ処理装置25に送る。データ処理装置25は、この圧力データに基づき圧力曲線PBを作成し、この圧力曲線PBを、先に表示した圧力曲線PAに重ねてリアルタイムで表示モニタに表示する(図3参照)。この圧力曲線PBは、真空乾燥時における被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出するにあたり、実測値となる。
【0039】
次に、データ処理装置25は、被乾燥物13を収容しない場合の圧力曲線PAと、被乾燥物13を収容した場合の圧力曲線PBとを比較演算して、被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出する。この水分蒸発量W1は、真空排気時にて被乾燥物13から除去された水分量である。そして、データ処理装置25は、算出した水分蒸発量W1を表示モニタに表示し、操作員に告知する。これにより、被乾燥物13からの水分除去量を的確に算出できる利点がある。ここで、データ処理装置25は、真空排気時の水分蒸発量W1の算出にあたり、以下の推定式(1)を用いる。また、データ処理装置25は、真空排気時か否かを、開閉弁15から取得した開閉信号に基づき判断する。具体的には、真空ポンプ12の稼働時であって開閉弁15の開放時が、真空排気時となる。
【0040】
まず、真空乾燥容器11内を真空排気する場合において、容器内の圧力変化は、次式で表される(真空ハンドブック(改訂版III)(ULVAC)参照)。
【0041】
−V・dPA/dt=PA・S−Qo
−V・dPB/dt=PB・S−Qo−Qw
ここに、PA:水分蒸発のない場合(被乾燥物を収容しない場合)の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
PB:水分蒸発のある場合(被乾燥物を収容した場合)の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
V:真空乾燥容器の体積(m3)
S:排気速度(m3/s)
Qo:真空乾燥容器表面からのガス放出速度(Pam3/s)
Qw:水分蒸発速度(Pam3/s)
t:時間(s)
したがって、水分蒸発速度は次式で表される。
Qw=(PB・S−Qo)+V・dPB/dt
=―V(dPA/dt( at PA=PB)−dPB/dt)
ここで、dPA/dtは、水分蒸発のない場合の圧力曲線PAから算出され、dPB/dtは水分蒸発のある場合の圧力曲線PBから算出される。したがって、真空排気時における水分蒸発量W1は次式で求められる。
W1=18/RT ∫Qwdt (1)
ここに、W1:水分蒸発量(g)
Qw:水分蒸発速度(Pam3/s)
R:気体定数8.31(J/Kmol)
T:真空乾燥容器内の温度(K)
t:時間(s)
【0042】
なお、この実施の形態1では、被乾燥物13を収容しない場合にて、真空乾燥容器11自体から水分蒸発が生じない場合について説明した。かかる場合には、上記のように水分蒸発がある場合(被乾燥物13を収容した場合)の圧力曲線PBと、水分蒸発がない場合(被乾燥物13を収容しない場合)の圧力曲線PAとの比較演算(それぞれの圧力勾配の差分)により、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出できる。しかし、これに限らず、被乾燥物13を収容しない場合であっても、残留水分等により真空乾燥容器11自体から水分蒸発が生じる場合もある。そこで、かかる場合には、基準となる圧力曲線PAを作成するにあたり、事前に、真空乾燥容器11内の残留水分を除去し、誤差となる被乾燥物13以外からの水分蒸発が生じないように準備することが好ましい。一方、被乾燥物13以外から水分蒸発が生じる場合であって、この余分な水分蒸発量Wsが既知もしくは算出可能な場合がある。かかる場合には、上記推定式に基づき算出した水分蒸発量W1から余分な水分蒸発量Wsを差し引くことにより、被乾燥物13からの正確な水分蒸発量を算出できる。
【0043】
また、この実施の形態1では、被乾燥物13を収容しない状態にて真空排気を行い、基準となる圧力曲線PAを作成した。しかし、大容量の真空容器及び工程的問題等の理由により、被乾燥物13を収容しない状態では、真空排気を行えない場合がある。すると、基準となる圧力曲線PAを作成できないという問題点がある。そこで、かかる場合には、圧力曲線PAを、論理的に算出可能な圧力曲線PAにより代用しても良い。かかる圧力曲線PAとしては、例えば、次式で与えられる排気曲線に基づく数値式がある。
dP/dt=−PS/V
Qo=0(容器表面からのガス量を0と仮定)
ただし、真空乾燥容器11の温度が常温の場合には、容器内面から発生するガス量の影響が大きいため、真空乾燥容器11からの排気速度Sを定格値の0.8〜0.9倍程度とする補正が必要となる。しかし、真空乾燥容器11の温度が60(℃)以上の場合には、かかる補正は不要である。
【0044】
(実施の形態2)
また、上記実施の形態1において、真空乾燥工程の途中にて真空排気を停止する場合がある。すなわち、被乾燥物13は、蒸発した水分の気化熱により、温度が氷点下以下まで低下することがある。すると、被乾燥物13の表面に氷殻が形成されて、水分の蒸発が遅くなる。このため、通常は、真空乾燥容器11内の圧力が所定値以下とならないように、開閉弁15を一時的に閉止して、真空排気を一時停止する。この真空排気の停止時を、ビルドアップ時と呼ぶ。図4は、このビルドアップ時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。同図に示すように、ビルドアップ時には、被乾燥物13から水分が蒸発して、真空乾燥容器11内の圧力が上昇する。また、これと共に真空乾燥容器11内の湿度および温度も変化する。データ処理装置25は、この真空乾燥容器11内の状態変化に基づき、後述する推定式(2)もしくは推定式(3)を用いて、ビルドアップ時における被乾燥物13の水分蒸発量W2を算出する。また、データ処理装置25は、ビルドアップ時か否かを、開閉弁15から取得した開閉信号に基づき判断する。これにより、ビルドアップ時における水分蒸発量W2を考慮できるので、被乾燥物13からの水分蒸発量Wをより的確に算出できる利点がある。
【0045】
次式は、ビルドアップ時における水分蒸発量W2aの算出に用いられる推定式(2)である。なお、この水分蒸発量W2aの算出にあたり、データ処理装置25は、ビルドアップ時の前後における飽和水蒸気圧、相対湿度および容器内温度を、各センサ21〜23から取得した情報に基づき算出する。
W2a=18・(X2Pw2/T2−X1Pw1/T1)・V/R (2)
ここに、W2a:水分蒸発量(g)
Pwi:ビルドアップ前後の飽和水蒸気圧(Pa)
Xi:ビルドアップ前後の相対湿度(RH)
Ti:ビルドアップ前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器の体積(m3)
R:気体定数 8.31(J/Kmol)
【0046】
また、データ処理装置25は、ビルドアップ時における水分蒸発量W2bを、次の推定式(3)により算出しても良い。この場合において、データ処理装置25は、ビルドアップ時の前後における真空乾燥容器11内の圧力および温度を、各センサ21〜23から取得する。ただし、この推定式(3)には、真空乾燥容器11内の脱ガス及びリーク量が含まれる。
W2b=18・(P2/T2−P1/T1)・V/R (3)
ここに、W2b:水分蒸発量(g)
Pi:ビルドアップ前後の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
Ti:ビルドアップ前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器体積(m3)
R:気体計数 8.31(J/Kmol)
【0047】
なお、この実施の形態2において、真空排気を開始してから最初に停止するまで(ビルドアップ処理の開始時まで)は、基準となる圧力曲線PAとして、事前の実験により計測した実測値を用いる。一方、真空排気を再開した後(ビルドアップ後)は、基準となる圧力曲線PA’として、事前の実験により計測した実測値における真空排気再開時の圧力以降の曲線を用いる。ただし、この実測が不能な場合には、実施の形態1と同様に、当業者自明の手法を用いて、この圧力曲線PAを論理的に算出可能な数値式により代用しても良い。そして、実施の形態1と同様に、これらの圧力曲線PA、PA’を基準として、被乾燥物13を収容した状態での圧力曲線PB、PB’との差分をそれぞれ演算し、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出する。これにより、図4に示す真空排気時▲1▼、▲2▼における水分蒸発量W1を算出できる。そして、この水分蒸発量W1に、ビルドアップ時の水分蒸発量W2を加えて、被乾燥物13からの総水分蒸発量Wを算出する。
【0048】
(実施の形態3)
また、実施の形態1および実施の形態2において、真空排気を開始する前に、ヒータ14を用いて真空乾燥容器11および被乾燥物13の温度を上昇させる場合がある。すると、被乾燥物13からの水分蒸発が促進される。図5は、ヒータを用いた事前処理時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。同図に示すように、ヒータ14を用いた事前処理時では、被乾燥物13から水分が蒸発して、真空乾燥容器11内の圧力が上昇する。また、これと共に真空乾燥容器11内の湿度および温度も変化する。そこで、この実施の形態3では、データ処理装置25が、この真空乾燥容器11内の状態変化に基づき、事前処理時における被乾燥物13の水分蒸発量W3を後述する推定式(4)もしくは推定式(5)を用いて算出する。これにより、事前処理時における水分蒸発量W3を考慮できるので、被乾燥物13からの水分蒸発量Wをより的確に算出できる利点がある。
【0049】
次式は、事前処理時における水分蒸発量W3の算出に用いられる推定式(4)である。なお、この水分蒸発量W3aの算出にあたり、データ処理装置25は、事前処理時の前後における飽和水蒸気圧、相対湿度および容器内温度を、各センサ21〜23から取得した情報に基づき算出する。
W3a=18・(X2Pw2/T2−X1Pw1/T1)・V/R (4)
ここに、W3a:水分蒸発量(g)
Pwi:事前処理前後の飽和水蒸気圧(Pa)
Xi:事前処理前後の相対湿度(RH)
Ti:事前処理前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器の体積(m3)
R:気体定数 8.31(J/Kmol)
【0050】
また、データ処理装置25は、事前処理時における水分蒸発量W3bを、次の推定式(5)により算出しても良い。この場合において、データ処理装置25は、事前処理時の前後における真空乾燥容器11内の圧力および温度を、各センサ21〜23から取得する。ただし、この推定式(5)には、真空乾燥容器11内の脱ガス及びリーク量が含まれる。
W3b=18・(P2/T2−P1/T1)・V/R (5)
ここに、W3b:水分蒸発量(g)
Pi:事前処理前後の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
Ti:事前処理前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器体積(m3)
R:気体計数 8.31(J/Kmol)
【0051】
なお、この実施の形態3において、被乾燥物13に事前処理を施した後(真空排気の開始後)は、基準となる圧力曲線PA’’として、被乾燥物13を収容しない場合の圧力曲線PA、もしくは、当業者自明の手法により論理的に算出可能な数値式を用いる。そして、実施の形態1と同様に、この圧力曲線PA’’を基準として、被乾燥物13を収容した状態での圧力曲線PB’’との差分をそれぞれ演算し、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出する。これにより、図5に示す真空排気時▲3▼の水分蒸発量W1を算出できる。そして、この水分蒸発量W1に、事前処理時の水分蒸発量W3を加えて、被乾燥物13からの総水分蒸発量Wを算出する。
【0052】
(実施の形態4)
真空乾燥処理にて、被乾燥物13は、水分蒸発によりその温度が低下する。そこで、この実施の形態4では、上記実施の形態1〜3において、さらに、被乾燥物13に温度センサ(図示省略)を設け、被乾燥物13の温度低下を直接的に計測する。具体的には、被乾燥物13の初期温度と最低温度とを計測する。そして、後述する補正式(6)を用いて、被乾燥物13からの水分蒸発量WAを算出し、上記実施の形態1〜3にて算出した水分蒸発量W1〜W3を比較評価する。これにより、被乾燥物13からの水分蒸発量Wをより的確に算出できる利点がある。以下に、補正式(6)を示す。
Q1=MC(T1−T2)
WA=Q1/q (6)
ここに、Q1:物質の潜熱(J)
WA:水の蒸発量(kg)
M:被乾燥物の質量(kg)
C:被乾燥物の比熱(J/kg・K)
T1:被乾燥物の初期温度(K)
T2:被乾燥物の最低温度(K)
q:水の気化熱(J/kg)
【0053】
(実施の形態5)
図6は、この発明の実施の形態5にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。同図において、上記真空乾燥システム1と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。この真空乾燥システム2は、真空乾燥システム1の構成に加えて、さらに、圧力センサG1と、湿度センサG2と、温度センサG3,G4とを備える。圧力センサG1は、排気管16上に設置され、この排気管16を通る流体の圧力を計測することにより、真空乾燥容器11内の圧力を計測する。湿度センサG2は、排気管16上に設置され、この排気管16を通る流体の湿度を計測することにより、真空乾燥容器11内の湿度を計測する。温度センサG3は、真空乾燥容器11内に設置され、真空乾燥容器11内の温度を計測する。温度センサG4は、真空乾燥容器11内に収容された被乾燥物13に取り付けられ、または、被乾燥物13を入れる容器(図示省略)に取り付けられて、被乾燥物13の温度を直接的または間接的に計測する。また、これらのセンサG1〜G4は、データ処理装置25に接続され、計測値をデータ処理装置25に送る。
【0054】
図7は、図6に記載した圧力センサによる計測値の一例を示す説明図である。図8は、図6に記載した湿度センサによる計測値の一例を示す説明図である。図9は、図6に記載した温度センサによる計測値の一例を示す説明図である。これらの図は、同一の真空乾燥処理について行った計測値であり、経過時間tについて相互に対応関係にある。これらの図において、まず、▲1▼真空ポンプ12を駆動し、次に、▲2▼開閉弁15を開放して真空乾燥容器11内の真空排気を開始すると、排気管16を流れる排気流体の圧力が徐々に低下する(図7参照)。また、真空乾燥容器11内および被乾燥物13の温度が低下し始める(図9参照)。そして、被乾燥物13の温度が所定値まで低下したら、被乾燥物13の凍結を防止するため、▲3▼開閉弁15を閉止してビルドアップを行う。ビルドアップ状態下では、排気流体の圧力および湿度、がそれぞれ上昇する(図7〜図8参照)。これは、被乾燥物13からの水分蒸発によるものである。次に、▲4▼再び開閉弁15を開放して真空排気を開始すると、排気流体の圧力および湿度がそれぞれ低下する(図7および図8参照)。そして、▲6▼および▲7▼この経緯を何度か繰り返すと、▲8▼開閉弁15を閉止したビルとアップ状態にて、排気流体の圧力および湿度が平衡状態となる(図7および図8参照)。これは、被乾燥物13からの水分蒸発がほぼ無くなったためである。そして、▲9▼さらに真空排気を再開すると、○10排気流体の圧力および湿度とも低下して安定し、時間の経過に関わらず一定となる。
【0055】
この真空乾燥システム2において、データ処理装置25は、各センサG1〜G4による計測値を表示モニタにリアルタイムで表示する。これにより、被乾燥物13の乾燥状況を、時間tの経過と共に視覚的に把握できる利点がある。また、データ処理装置25は、○11ビルドアップ状態にて排気流体の圧力が平衡状態となった時は、被乾燥物13の真空乾燥が完了したと判断する。具体的には、ビルドアップ状態にて、排気流体の圧力が上昇しなくなった時を真空乾燥の完了時と判断する。そして、データ処理装置25は、その旨を表示モニタに表示して操作員に告知すると共に、真空乾燥処理を終了させる。これにより、被乾燥物13の真空乾燥が完了したことを把握できる利点がある。
【0056】
なお、この実施の形態5では、圧力センサG1および湿度センサG2を、いずれも排気管16上に設ける。これは、水分蒸発量の計測に当たり、真空乾燥容器11を改造することなく、適切な計測系を設置できる点で好ましい。しかし、これに限らず、実施の形態1に記載するように、圧力センサG1もしくは湿度センサG2、または、これらの両方を、真空乾燥容器11側に設けてもよい。これにより、真空乾燥容器11内の圧力もしくは湿度を直接計測できる利点がある。
【0057】
また、この実施の形態5では、データ処理装置25は、排気流体の圧力が平衡状態となった時を真空乾燥の完了時と判断する。しかし、これに限らず、排気流体の湿度、または、圧力および湿度の両方が、平衡状態となった時を真空乾燥の完了時と判断してもよい。また、データ処理装置25は、ビルドアップ状態から真空排気を再開しても被乾燥物13の温度が低下しなくなった時を、真空乾燥の完了時と判断してもよい。かかる場合には、被乾燥物13の温度が、初期温度T0付近に近づいて安定するので、これを真空乾燥が完了した時と判断しても良い。被乾燥物13の温度が低下しなくなり、初期温度T0付近にて安定するのは、被乾燥物13からの水分蒸発が無くなったためである。
【0058】
なお、上記実施の形態1〜5において、真空乾燥システム1,2は、飼料、余剰汚泥、含油汚泥、廃液、家畜糞尿、その他の被乾燥物に対して適用できる。また、真空乾燥システム1,2は、原子炉の炉内構造物の取り替え工事にて、原子炉容器内から取り外した旧式の炉内構造物、使用済み核燃料を収容するキャスク、その他の放射性被乾燥物に対して適用しても良い。この真空乾燥システム1,2を、かかる放射性被乾燥物に適用すれば、以下の利点がある。
【0059】
まず、炉内構造物やキャスクは、構造が複雑な上に、ボルト接合部や金属接触面などの狭隘部を多数有する。このため、炉内構造物やキャスクを、空気乾燥や窒素ブローにより乾燥させるとすると、乾燥処理にあたり時間がかかる上に、十分な乾燥効果が得られないという問題点がある。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、真空乾燥処理により、短時間にて高い乾燥効率を得られる利点がある。特に、キャスクは、使用済み核燃料を収容した状態にて長期保管されるという特殊性を有する。このため、不十分な乾燥処理により残留水分が付着すると、容器の腐食により内部から放射能が漏れるおそれがある。したがって、高い効率による乾燥処理が求められると共に、乾燥処理が確実に完了したことを客観的に確認できることが求められる。これにより、重大な事故を未然に防止できる利点がある。また、一般に、発熱が生じると水分が蒸発して圧力が上昇するが、真空乾燥処理しておけばかかる圧力上昇を抑制できる利点がある。
【0060】
また、原子炉の炉内構造物の取り替え工事は、未だ世界的にも行われておらず、したがって、炉内構造物の乾燥処理も、未だ行われていない。このため、炉内構造物を原子炉容器内から引き上げるにあたりどの程度水分が付着するか、理論上の算出値と実際とを比較する手段が求められていた。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、実際の水分蒸発量を的確に算出できるので、かかる比較手段を新たに提供できる利点がある。また、従来の真空乾燥システムでは、真空乾燥処理の完了を判断するにあたり、ビルドアップ時の圧力上昇を監視して行っていた。しかしながら、かかる圧力上昇のみの監視では、真空乾燥処理にあたり生ずる脱ガスやリーク等により、的確に真空乾燥処理の完了を判断できないという問題点がある。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、圧力計測に加えて湿度計測を行い、これらを併用して真空乾燥処理の完了を判断するので、より的確な判断を行える利点がある。また、湿度計測は、脱ガスやリークの影響を受けないので、より正確に完了の判断を行える利点がある。また、従来の真空乾燥システムでは、真空乾燥処理の完了を、監視員が圧力計を目視して判断していた。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、一定の判断基準を用いて自動制御により完了の判断を行うので、真空乾燥処理の終了を自動化できる利点がある。
【0061】
なお、この真空乾燥システム1,2を、放射性被乾燥物に適用する場合には、真空ポンプ12を水封式真空ポンプとして、真空排気装置10を構成する。そして、取り出した水分を他の工程にて加熱しもしくはフィルタ処理して処分する。これにより、安全に真空乾燥処理を行い得る利点がある。なお、真空ポンプ12を水封式真空ポンプとするのは、油回転式ポンプでは、油交換が必要なため、廃棄処理の負担が大きいためである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる真空排気システム、真空排気方法およびプログラムによれば、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合における真空乾燥容器内の圧力とを比較演算して、この圧力勾配の差分に基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出するので、被乾燥物からの水分除去量を適切に検出できる利点がある。
【0063】
また、この発明にかかる真空排気システム、真空排気方法およびプログラムによれば、ビルドアップ時にて真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させるので、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0064】
また、この発明にかかる真空排気システム、真空排気方法およびプログラムによれば、真空排気時にて被乾燥物の温度が平衡状態となったとき、若しくは略初期温度となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させるので、真空乾燥処理の完了時を的確に把握できる利点がある。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。
【図2】図1に記載したデータ処理装置の機能を示すブロック図である。
【図3】真空乾燥時における真空乾燥容器内の圧力と経過時間との関係を示す説明図である。
【図4】ビルドアップ時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。
【図5】ヒータを用いた事前処理時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態5にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。
【図7】図6に記載した圧力センサによる計測値の一例を示す説明図である。
【図8】図6に記載した湿度センサによる計測値の一例を示す説明図である。
【図9】図6に記載した温度センサによる計測値の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1、2 真空乾燥システム
10 真空乾燥ユニット
11 真空乾燥容器
13 被乾燥物
20 蒸発量検出ユニット
21、G1 圧力センサ
22、G2 湿度センサ
23、G3、G4 温度センサ
25 データ処理装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムに関し、更に詳しくは、被乾燥物からの水分蒸発量を算出でき、または、被乾燥物の真空乾燥が確実に完了したか否かを判断できる真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、真空乾燥容器内に飼料や廃液等の被乾燥物を収容し、この真空乾燥容器内を真空ポンプにより真空排気して被乾燥物を真空乾燥させる真空乾燥システムが知られている。また、従来の真空乾燥システムにおいて、真空乾燥容器内に圧力センサや湿度センサを設け、真空乾燥容器内の圧力や湿度を監視する技術も知られている。かかる従来の真空乾燥システムには、特許文献1〜4に記載される技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−220965号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平7−27479号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平4−179243号公報
【0006】
【特許文献4】
特開昭62−272935号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の真空乾燥システムにおいて、▲1▼被乾燥物からの水分蒸発量(水分除去量)を検出する技術は知られていない。また、▲2▼被乾燥物の真空乾燥が完了したか否かを判断する技術も知られていない。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被乾燥物からの水分蒸発量を算出でき、または、被乾燥物の真空乾燥が確実に完了したか否かを判断できる真空乾燥システム、真空乾燥方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明にかかる真空乾燥システムは、被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、前記データ処理手段が、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合にて前記計測手段により計測された前記真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における前記真空乾燥容器内の圧力との差を算出すると共に、当該圧力の差に基づき前記水分蒸発量を算出する。
【0010】
この発明では、真空排気時にて、真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、この圧力データに基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。ここで、水分蒸発量の算出にあたり、まず、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における真空乾燥容器内の圧力を、事前に計測し、若しくは論理的に算出しておく。次に、真空乾燥処理中にて、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合における真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、これらを比較演算して被乾燥物を収容した場合と収容しない場合との圧力差を算出し、この圧力差に基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。これにより、被乾燥物からの水分除去量を適切に検出できる利点がある。
【0011】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、真空乾燥処理中にて、前記真空乾燥容器内の真空排気を一時中断するビルドアップを行う場合において、前記データ処理手段が、前記計測手段により計測されたビルドアップ時前後における前記真空乾燥容器内の圧力、湿度および温度、または、圧力および温度に基づいてビルドアップ時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該ビルドアップ時の水分蒸発量を前記真空排気時の水分蒸発量に加えて、被乾燥物からの水分蒸発量の総量を算出する。
【0012】
この発明では、真空乾燥処理中にてビルドアップを行う場合には、このビルドアップ時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。そして、ビルドアップ時の水分蒸発量と、真空排気時の水分蒸発量との和を、被乾燥物からの水分蒸発量として算出する。これにより、ビルドアップを行う場合にも、被乾燥物からの水分蒸発量を的確に検出できる利点がある。
【0013】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、真空乾燥処理中にて、前記真空乾燥容器内または被乾燥物の少なくとも一方の温度を上昇させる事前処理を行う場合において、前記データ処理手段が、前記計測手段により計測された事前処理時前後における前記真空乾燥容器内の圧力、湿度および温度、または、圧力および温度に基づいて事前処理時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該事前処理時の水分蒸発量を前記真空排気時の水分蒸発量に加えて、被乾燥物からの水分蒸発量の総量を算出する。
【0014】
この発明では、真空乾燥処理中にて事前処理を行う場合には、この事前処理時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。そして、事前処理時の水分蒸発量と、真空排気時の水分蒸発量との和を、被乾燥物からの水分蒸発量として算出する。これにより、事前処理を行う場合にも、被乾燥物からの水分蒸発量を的確に検出できる利点がある。
【0015】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、さらに、被乾燥物の温度を計測する温度センサを含み構成され、且つ、前記データ処理手段が、前記温度センサにより計測された真空乾燥処理時における被乾燥物の温度低下に基づいて被乾燥物からの水分蒸発量を算出することも可能である。当該温度低下に基づく水分蒸発量を用いて、前記真空排気時、前記ビルドアップ時もしくは前記事前処理時の水分蒸発量と比較評価することが可能である。
【0016】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、さらに、算出された前記水分蒸発量を、被乾燥物の真空乾燥処理時にてリアルタイムで表示する表示手段を含み構成される。
【0017】
この発明では、算出された被乾燥物からの水分蒸発量を、真空乾燥処理時にてリアルタイムで表示する。これにより、真空乾燥処理の状況を、経過時刻と共に把握できる利点がある。
【0018】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測手段と、前記計測手段による計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、前記データ処理手段は、ビルドアップ時にて前記真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断すると共に、真空乾燥処理を終了させる。
【0019】
この発明では、ビルドアップ時にて真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物から水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0020】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、被乾燥物の温度を計測する温度センサと、前記温度センサからの計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、前記データ処理手段は、真空排気時にて前記被乾燥物の温度が略初期温度となったときを、真空乾燥処理の完了時と判断すると共に、真空乾燥処理を終了させる。
【0021】
この発明では、真空排気時にて被乾燥物の温度が平衡状態となったとき、若しくは略初期温度となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物にて気化熱による温度低下が生じておらず、水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に把握できる利点がある。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0022】
また、この発明にかかる真空乾燥システムは、さらに、真空乾燥処理の完了を報知する報知手段を備え、前記データ処理手段が、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、前記報知手段に真空乾燥処理の完了を報知させる。これにより、真空乾燥システムの操作員が真空乾燥処理の完了を認識できる利点がある。
【0023】
また、この発明にかかる真空乾燥方法は、真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、真空排気時にて前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測ステップと、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合にて計測された前記真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における前記真空乾燥容器内の圧力との差を算出すると共に、当該圧力の差に基づき前記水分蒸発量を算出する蒸発量算出ステップとを含む。
【0024】
この発明では、真空排気時にて、真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、この圧力データに基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。ここで、水分蒸発量の算出にあたり、まず、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における真空乾燥容器内の圧力を、事前に計測し、若しくは論理的に算出しておく。次に、真空乾燥処理中にて、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合における真空乾燥容器内の圧力を計測する。そして、これらを比較演算して被乾燥物を収容した場合と収容しない場合との圧力差を算出し、この圧力差に基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出する。これにより、被乾燥物からの水分除去量を検出できる利点がある。
【0025】
また、この発明にかかる真空乾燥方法は、真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、ビルドアップ時にて前記真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断する完了時判断ステップと、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、真空乾燥処理を終了させる乾燥処理終了ステップとを含む。
【0026】
この発明では、ビルドアップ時にて真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物から水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0027】
また、この発明にかかる真空乾燥方法は、真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、前記データ処理手段は、真空排気時にて前記被乾燥物の温度が略初期温度となったときを、真空乾燥処理の完了時と判断する完了時判断ステップと、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、真空乾燥処理を終了させる乾燥処理終了ステップとを含む。
【0028】
この発明では、真空排気時にて被乾燥物の温度が平衡状態となったとき、若しくは略初期温度となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させる。かかる平衡状態では、被乾燥物にて気化熱による温度低下が生じておらず、水分蒸発が生じていないと考えられるためである。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に把握できる利点がある。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0029】
また、この発明にかかるプログラムは、上記データ処理手段としてコンピューターを機能させる。
【0030】
また、この発明にかかるプログラムは、上記方法をコンピューターに実行させる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。
【0032】
図1は、この発明の実施の形態にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。この真空乾燥システム1は、真空乾燥ユニット10と、蒸発量検出ユニット20とを含み構成される。真空乾燥ユニット10は、真空乾燥容器11と、真空ポンプ12とを含み構成される。真空乾燥容器11は、入口部(図示省略)を有すると共に、この入口部から被乾燥物13を内部に搬入して収容し、入口部を封鎖して内部を密閉状態にできる。また、真空乾燥容器11は、ヒータ14を備え、このヒータ14により内部を加熱して被乾燥物13の乾燥処理を促進させる。真空ポンプ12は、開閉弁15および排気管16を介して真空乾燥容器11に接続される。真空ポンプ12は、開閉弁15を開放した状態にて、真空乾燥容器11内から排気管16を介して気体を吸引し、真空乾燥容器11内を真空排気する。
【0033】
蒸発量検出ユニット20は、圧力センサ21と、湿度センサ22と、温度センサ23と、データ収録装置24と、データ処理装置25とを含み構成される。圧力センサ21、湿度センサ22および温度センサ23は、真空乾燥容器11に取り付けられて真空乾燥容器11内の圧力、湿度および温度をそれぞれ検出する。データ収録装置24は、これらのセンサ21〜23に接続して設けられ、センサ21〜23にて検出された圧力、湿度および温度に関する検出データを収録する。データ処理装置25は、データ収録装置24に接続し、検出データに基づき所定の演算を行うと共に、その演算結果をリアルタイムで表示モニタ(図示省略)に表示する。また、データ処理装置25は、真空乾燥ユニット10の開閉弁15に接続し、開閉弁15の開放および閉止にかかる開閉信号を受信する。なお、データ収録装置24は、例えば、センサ21〜23とデータ処理装置25との間で検出データの入出力を行うI/Oデバイスである。また、データ処理装置25は、例えば、所定のプログラムを有するコンピュータである。
【0034】
図2は、図1に記載したデータ処理装置の機能を示すブロック図である。このデータ処理装置25は、圧力曲線PAの作成機能25aと、圧力曲線PBの作成機能25bと、水分蒸発量W1の算出機能25cと、水分蒸発量W2の演算機能25dと、水分蒸発量W3の演算機能25eと、水分蒸発量WAを用いた補正機能25fと、総水分蒸発量Wの算出機能25gと、真空乾燥完了時の判断機能25hと、モニタ表示機能25iとを含み構成される。
【0035】
圧力曲線PAの作成機能25aは、真空排気状態にて被乾燥物13を収容しない場合における真空乾燥容器11内の圧力曲線PAを算出する機能である。この圧力曲線PAは、実測値によっても良いし、論理的に算出可能な推定式としても良い。圧力曲線PBの作成機能25bは、真空排気状態にて被乾燥物13を収容した場合における真空乾燥容器11内の圧力曲線PBを算出する機能である。この圧力曲線PBは、圧力センサ21による計測値に基づき作成される。水分蒸発量W1の算出機能25cは、真空排気時における被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出する機能である。この算出は、圧力曲線PA,PBに基づき、所定の推定式を用いて行われる。水分蒸発量W2の演算機能25dは、ビルドアップ時における被乾燥物13からの水分蒸発量W2を算出する機能である。この算出は、ビルドアップ時前後における真空乾燥容器11内の圧力、湿度および温度に基づき、所定の推定式を用いて行われる。
【0036】
水分蒸発量W3の演算機能25eは、事前処理時における被乾燥物13からの水分蒸発量W3を算出する機能である。この算出は、事前処理時前後における真空乾燥容器11内の圧力、湿度および温度に基づき、所定の推定式を用いて行われる。水分蒸発量WAを用いた補正機能25fは、被乾燥物13の温度低下に基づく水分蒸発量WAを用いて、水分蒸発量W1〜W3を補正する機能である。この水分蒸発量WAは、被乾燥物13の初期温度および最低温度に基づき、所定の推定式を用いて算出される。総水分蒸発量Wの算出機能25gは、各水分蒸発量W1〜W3,WAに基づき、被乾燥物13からの水分蒸発量の総和Wを算出する機能である。真空乾燥完了時の判断機能25hは、被乾燥物13の真空乾燥処理が完了したか否かを判断する機能である。この判断は、真空乾燥容器11内の圧力や湿度、被乾燥物13の温度に基づき判断される。モニタ表示機能25iは、被乾燥物13からの水分蒸発量(水分除去量)や、真空乾燥処理の終了を表示する機能である。
【0037】
(実施の形態1)
図3は、真空乾燥時における真空乾燥容器内の圧力と経過時間との関係を示す説明図である。同図では、縦軸に真空乾燥容器11内の圧力Pをとり、横軸に経過時間tをとる。以下、図1〜図3を参照しつつ、この真空乾燥システム1の作用を説明する。この真空乾燥システム1では、事前に、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出するにあたり必要となる真空乾燥容器11内の圧力曲線PAを作成する。この圧力曲線PAは、被乾燥物13を収容しない状態にて、真空乾燥容器11内を真空排気しつつ、真空乾燥容器11内の圧力Pを経過時間tに伴い圧力センサ21にて計測して作成される。すなわち、この圧力曲線PAは、真空排気時であって、被乾燥物13からの水分蒸発が生じないときの圧力曲線である。この圧力曲線PAは、データ処理装置25により圧力センサ21からの計測データに基づき作成され、データ処理装置25の表示モニタに表示される(図3参照)。また、この圧力曲線PAは、真空乾燥時における被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出するにあたり、基準値となる。
【0038】
次に、真空乾燥システム1は、被乾燥物13を収容した状態にて、真空排気時における真空乾燥容器11内の圧力曲線PBを算出する。具体的には、まず、真空乾燥ユニット10が、被乾燥物13を真空乾燥容器11内に収容した状態にて、真空ポンプ12により真空乾燥容器11内を真空排気する。すると、真空乾燥容器11内の圧力が低下し、これに伴い被乾燥物13の水分が蒸発して、被乾燥物13が真空乾燥される。このとき、蒸発量検出ユニット20では、圧力センサ21が、経過時間に伴う真空乾燥容器11内の圧力変化を検出する。そして、データ収録装置24が、検出された圧力データを収録してデータ処理装置25に送る。データ処理装置25は、この圧力データに基づき圧力曲線PBを作成し、この圧力曲線PBを、先に表示した圧力曲線PAに重ねてリアルタイムで表示モニタに表示する(図3参照)。この圧力曲線PBは、真空乾燥時における被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出するにあたり、実測値となる。
【0039】
次に、データ処理装置25は、被乾燥物13を収容しない場合の圧力曲線PAと、被乾燥物13を収容した場合の圧力曲線PBとを比較演算して、被乾燥物13からの水分蒸発量W1を算出する。この水分蒸発量W1は、真空排気時にて被乾燥物13から除去された水分量である。そして、データ処理装置25は、算出した水分蒸発量W1を表示モニタに表示し、操作員に告知する。これにより、被乾燥物13からの水分除去量を的確に算出できる利点がある。ここで、データ処理装置25は、真空排気時の水分蒸発量W1の算出にあたり、以下の推定式(1)を用いる。また、データ処理装置25は、真空排気時か否かを、開閉弁15から取得した開閉信号に基づき判断する。具体的には、真空ポンプ12の稼働時であって開閉弁15の開放時が、真空排気時となる。
【0040】
まず、真空乾燥容器11内を真空排気する場合において、容器内の圧力変化は、次式で表される(真空ハンドブック(改訂版III)(ULVAC)参照)。
【0041】
−V・dPA/dt=PA・S−Qo
−V・dPB/dt=PB・S−Qo−Qw
ここに、PA:水分蒸発のない場合(被乾燥物を収容しない場合)の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
PB:水分蒸発のある場合(被乾燥物を収容した場合)の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
V:真空乾燥容器の体積(m3)
S:排気速度(m3/s)
Qo:真空乾燥容器表面からのガス放出速度(Pam3/s)
Qw:水分蒸発速度(Pam3/s)
t:時間(s)
したがって、水分蒸発速度は次式で表される。
Qw=(PB・S−Qo)+V・dPB/dt
=―V(dPA/dt( at PA=PB)−dPB/dt)
ここで、dPA/dtは、水分蒸発のない場合の圧力曲線PAから算出され、dPB/dtは水分蒸発のある場合の圧力曲線PBから算出される。したがって、真空排気時における水分蒸発量W1は次式で求められる。
W1=18/RT ∫Qwdt (1)
ここに、W1:水分蒸発量(g)
Qw:水分蒸発速度(Pam3/s)
R:気体定数8.31(J/Kmol)
T:真空乾燥容器内の温度(K)
t:時間(s)
【0042】
なお、この実施の形態1では、被乾燥物13を収容しない場合にて、真空乾燥容器11自体から水分蒸発が生じない場合について説明した。かかる場合には、上記のように水分蒸発がある場合(被乾燥物13を収容した場合)の圧力曲線PBと、水分蒸発がない場合(被乾燥物13を収容しない場合)の圧力曲線PAとの比較演算(それぞれの圧力勾配の差分)により、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出できる。しかし、これに限らず、被乾燥物13を収容しない場合であっても、残留水分等により真空乾燥容器11自体から水分蒸発が生じる場合もある。そこで、かかる場合には、基準となる圧力曲線PAを作成するにあたり、事前に、真空乾燥容器11内の残留水分を除去し、誤差となる被乾燥物13以外からの水分蒸発が生じないように準備することが好ましい。一方、被乾燥物13以外から水分蒸発が生じる場合であって、この余分な水分蒸発量Wsが既知もしくは算出可能な場合がある。かかる場合には、上記推定式に基づき算出した水分蒸発量W1から余分な水分蒸発量Wsを差し引くことにより、被乾燥物13からの正確な水分蒸発量を算出できる。
【0043】
また、この実施の形態1では、被乾燥物13を収容しない状態にて真空排気を行い、基準となる圧力曲線PAを作成した。しかし、大容量の真空容器及び工程的問題等の理由により、被乾燥物13を収容しない状態では、真空排気を行えない場合がある。すると、基準となる圧力曲線PAを作成できないという問題点がある。そこで、かかる場合には、圧力曲線PAを、論理的に算出可能な圧力曲線PAにより代用しても良い。かかる圧力曲線PAとしては、例えば、次式で与えられる排気曲線に基づく数値式がある。
dP/dt=−PS/V
Qo=0(容器表面からのガス量を0と仮定)
ただし、真空乾燥容器11の温度が常温の場合には、容器内面から発生するガス量の影響が大きいため、真空乾燥容器11からの排気速度Sを定格値の0.8〜0.9倍程度とする補正が必要となる。しかし、真空乾燥容器11の温度が60(℃)以上の場合には、かかる補正は不要である。
【0044】
(実施の形態2)
また、上記実施の形態1において、真空乾燥工程の途中にて真空排気を停止する場合がある。すなわち、被乾燥物13は、蒸発した水分の気化熱により、温度が氷点下以下まで低下することがある。すると、被乾燥物13の表面に氷殻が形成されて、水分の蒸発が遅くなる。このため、通常は、真空乾燥容器11内の圧力が所定値以下とならないように、開閉弁15を一時的に閉止して、真空排気を一時停止する。この真空排気の停止時を、ビルドアップ時と呼ぶ。図4は、このビルドアップ時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。同図に示すように、ビルドアップ時には、被乾燥物13から水分が蒸発して、真空乾燥容器11内の圧力が上昇する。また、これと共に真空乾燥容器11内の湿度および温度も変化する。データ処理装置25は、この真空乾燥容器11内の状態変化に基づき、後述する推定式(2)もしくは推定式(3)を用いて、ビルドアップ時における被乾燥物13の水分蒸発量W2を算出する。また、データ処理装置25は、ビルドアップ時か否かを、開閉弁15から取得した開閉信号に基づき判断する。これにより、ビルドアップ時における水分蒸発量W2を考慮できるので、被乾燥物13からの水分蒸発量Wをより的確に算出できる利点がある。
【0045】
次式は、ビルドアップ時における水分蒸発量W2aの算出に用いられる推定式(2)である。なお、この水分蒸発量W2aの算出にあたり、データ処理装置25は、ビルドアップ時の前後における飽和水蒸気圧、相対湿度および容器内温度を、各センサ21〜23から取得した情報に基づき算出する。
W2a=18・(X2Pw2/T2−X1Pw1/T1)・V/R (2)
ここに、W2a:水分蒸発量(g)
Pwi:ビルドアップ前後の飽和水蒸気圧(Pa)
Xi:ビルドアップ前後の相対湿度(RH)
Ti:ビルドアップ前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器の体積(m3)
R:気体定数 8.31(J/Kmol)
【0046】
また、データ処理装置25は、ビルドアップ時における水分蒸発量W2bを、次の推定式(3)により算出しても良い。この場合において、データ処理装置25は、ビルドアップ時の前後における真空乾燥容器11内の圧力および温度を、各センサ21〜23から取得する。ただし、この推定式(3)には、真空乾燥容器11内の脱ガス及びリーク量が含まれる。
W2b=18・(P2/T2−P1/T1)・V/R (3)
ここに、W2b:水分蒸発量(g)
Pi:ビルドアップ前後の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
Ti:ビルドアップ前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器体積(m3)
R:気体計数 8.31(J/Kmol)
【0047】
なお、この実施の形態2において、真空排気を開始してから最初に停止するまで(ビルドアップ処理の開始時まで)は、基準となる圧力曲線PAとして、事前の実験により計測した実測値を用いる。一方、真空排気を再開した後(ビルドアップ後)は、基準となる圧力曲線PA’として、事前の実験により計測した実測値における真空排気再開時の圧力以降の曲線を用いる。ただし、この実測が不能な場合には、実施の形態1と同様に、当業者自明の手法を用いて、この圧力曲線PAを論理的に算出可能な数値式により代用しても良い。そして、実施の形態1と同様に、これらの圧力曲線PA、PA’を基準として、被乾燥物13を収容した状態での圧力曲線PB、PB’との差分をそれぞれ演算し、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出する。これにより、図4に示す真空排気時▲1▼、▲2▼における水分蒸発量W1を算出できる。そして、この水分蒸発量W1に、ビルドアップ時の水分蒸発量W2を加えて、被乾燥物13からの総水分蒸発量Wを算出する。
【0048】
(実施の形態3)
また、実施の形態1および実施の形態2において、真空排気を開始する前に、ヒータ14を用いて真空乾燥容器11および被乾燥物13の温度を上昇させる場合がある。すると、被乾燥物13からの水分蒸発が促進される。図5は、ヒータを用いた事前処理時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。同図に示すように、ヒータ14を用いた事前処理時では、被乾燥物13から水分が蒸発して、真空乾燥容器11内の圧力が上昇する。また、これと共に真空乾燥容器11内の湿度および温度も変化する。そこで、この実施の形態3では、データ処理装置25が、この真空乾燥容器11内の状態変化に基づき、事前処理時における被乾燥物13の水分蒸発量W3を後述する推定式(4)もしくは推定式(5)を用いて算出する。これにより、事前処理時における水分蒸発量W3を考慮できるので、被乾燥物13からの水分蒸発量Wをより的確に算出できる利点がある。
【0049】
次式は、事前処理時における水分蒸発量W3の算出に用いられる推定式(4)である。なお、この水分蒸発量W3aの算出にあたり、データ処理装置25は、事前処理時の前後における飽和水蒸気圧、相対湿度および容器内温度を、各センサ21〜23から取得した情報に基づき算出する。
W3a=18・(X2Pw2/T2−X1Pw1/T1)・V/R (4)
ここに、W3a:水分蒸発量(g)
Pwi:事前処理前後の飽和水蒸気圧(Pa)
Xi:事前処理前後の相対湿度(RH)
Ti:事前処理前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器の体積(m3)
R:気体定数 8.31(J/Kmol)
【0050】
また、データ処理装置25は、事前処理時における水分蒸発量W3bを、次の推定式(5)により算出しても良い。この場合において、データ処理装置25は、事前処理時の前後における真空乾燥容器11内の圧力および温度を、各センサ21〜23から取得する。ただし、この推定式(5)には、真空乾燥容器11内の脱ガス及びリーク量が含まれる。
W3b=18・(P2/T2−P1/T1)・V/R (5)
ここに、W3b:水分蒸発量(g)
Pi:事前処理前後の真空乾燥容器内の圧力(Pa)
Ti:事前処理前後の真空乾燥容器内の温度(K)
V:真空乾燥容器体積(m3)
R:気体計数 8.31(J/Kmol)
【0051】
なお、この実施の形態3において、被乾燥物13に事前処理を施した後(真空排気の開始後)は、基準となる圧力曲線PA’’として、被乾燥物13を収容しない場合の圧力曲線PA、もしくは、当業者自明の手法により論理的に算出可能な数値式を用いる。そして、実施の形態1と同様に、この圧力曲線PA’’を基準として、被乾燥物13を収容した状態での圧力曲線PB’’との差分をそれぞれ演算し、被乾燥物13からの水分蒸発量を算出する。これにより、図5に示す真空排気時▲3▼の水分蒸発量W1を算出できる。そして、この水分蒸発量W1に、事前処理時の水分蒸発量W3を加えて、被乾燥物13からの総水分蒸発量Wを算出する。
【0052】
(実施の形態4)
真空乾燥処理にて、被乾燥物13は、水分蒸発によりその温度が低下する。そこで、この実施の形態4では、上記実施の形態1〜3において、さらに、被乾燥物13に温度センサ(図示省略)を設け、被乾燥物13の温度低下を直接的に計測する。具体的には、被乾燥物13の初期温度と最低温度とを計測する。そして、後述する補正式(6)を用いて、被乾燥物13からの水分蒸発量WAを算出し、上記実施の形態1〜3にて算出した水分蒸発量W1〜W3を比較評価する。これにより、被乾燥物13からの水分蒸発量Wをより的確に算出できる利点がある。以下に、補正式(6)を示す。
Q1=MC(T1−T2)
WA=Q1/q (6)
ここに、Q1:物質の潜熱(J)
WA:水の蒸発量(kg)
M:被乾燥物の質量(kg)
C:被乾燥物の比熱(J/kg・K)
T1:被乾燥物の初期温度(K)
T2:被乾燥物の最低温度(K)
q:水の気化熱(J/kg)
【0053】
(実施の形態5)
図6は、この発明の実施の形態5にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。同図において、上記真空乾燥システム1と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。この真空乾燥システム2は、真空乾燥システム1の構成に加えて、さらに、圧力センサG1と、湿度センサG2と、温度センサG3,G4とを備える。圧力センサG1は、排気管16上に設置され、この排気管16を通る流体の圧力を計測することにより、真空乾燥容器11内の圧力を計測する。湿度センサG2は、排気管16上に設置され、この排気管16を通る流体の湿度を計測することにより、真空乾燥容器11内の湿度を計測する。温度センサG3は、真空乾燥容器11内に設置され、真空乾燥容器11内の温度を計測する。温度センサG4は、真空乾燥容器11内に収容された被乾燥物13に取り付けられ、または、被乾燥物13を入れる容器(図示省略)に取り付けられて、被乾燥物13の温度を直接的または間接的に計測する。また、これらのセンサG1〜G4は、データ処理装置25に接続され、計測値をデータ処理装置25に送る。
【0054】
図7は、図6に記載した圧力センサによる計測値の一例を示す説明図である。図8は、図6に記載した湿度センサによる計測値の一例を示す説明図である。図9は、図6に記載した温度センサによる計測値の一例を示す説明図である。これらの図は、同一の真空乾燥処理について行った計測値であり、経過時間tについて相互に対応関係にある。これらの図において、まず、▲1▼真空ポンプ12を駆動し、次に、▲2▼開閉弁15を開放して真空乾燥容器11内の真空排気を開始すると、排気管16を流れる排気流体の圧力が徐々に低下する(図7参照)。また、真空乾燥容器11内および被乾燥物13の温度が低下し始める(図9参照)。そして、被乾燥物13の温度が所定値まで低下したら、被乾燥物13の凍結を防止するため、▲3▼開閉弁15を閉止してビルドアップを行う。ビルドアップ状態下では、排気流体の圧力および湿度、がそれぞれ上昇する(図7〜図8参照)。これは、被乾燥物13からの水分蒸発によるものである。次に、▲4▼再び開閉弁15を開放して真空排気を開始すると、排気流体の圧力および湿度がそれぞれ低下する(図7および図8参照)。そして、▲6▼および▲7▼この経緯を何度か繰り返すと、▲8▼開閉弁15を閉止したビルとアップ状態にて、排気流体の圧力および湿度が平衡状態となる(図7および図8参照)。これは、被乾燥物13からの水分蒸発がほぼ無くなったためである。そして、▲9▼さらに真空排気を再開すると、○10排気流体の圧力および湿度とも低下して安定し、時間の経過に関わらず一定となる。
【0055】
この真空乾燥システム2において、データ処理装置25は、各センサG1〜G4による計測値を表示モニタにリアルタイムで表示する。これにより、被乾燥物13の乾燥状況を、時間tの経過と共に視覚的に把握できる利点がある。また、データ処理装置25は、○11ビルドアップ状態にて排気流体の圧力が平衡状態となった時は、被乾燥物13の真空乾燥が完了したと判断する。具体的には、ビルドアップ状態にて、排気流体の圧力が上昇しなくなった時を真空乾燥の完了時と判断する。そして、データ処理装置25は、その旨を表示モニタに表示して操作員に告知すると共に、真空乾燥処理を終了させる。これにより、被乾燥物13の真空乾燥が完了したことを把握できる利点がある。
【0056】
なお、この実施の形態5では、圧力センサG1および湿度センサG2を、いずれも排気管16上に設ける。これは、水分蒸発量の計測に当たり、真空乾燥容器11を改造することなく、適切な計測系を設置できる点で好ましい。しかし、これに限らず、実施の形態1に記載するように、圧力センサG1もしくは湿度センサG2、または、これらの両方を、真空乾燥容器11側に設けてもよい。これにより、真空乾燥容器11内の圧力もしくは湿度を直接計測できる利点がある。
【0057】
また、この実施の形態5では、データ処理装置25は、排気流体の圧力が平衡状態となった時を真空乾燥の完了時と判断する。しかし、これに限らず、排気流体の湿度、または、圧力および湿度の両方が、平衡状態となった時を真空乾燥の完了時と判断してもよい。また、データ処理装置25は、ビルドアップ状態から真空排気を再開しても被乾燥物13の温度が低下しなくなった時を、真空乾燥の完了時と判断してもよい。かかる場合には、被乾燥物13の温度が、初期温度T0付近に近づいて安定するので、これを真空乾燥が完了した時と判断しても良い。被乾燥物13の温度が低下しなくなり、初期温度T0付近にて安定するのは、被乾燥物13からの水分蒸発が無くなったためである。
【0058】
なお、上記実施の形態1〜5において、真空乾燥システム1,2は、飼料、余剰汚泥、含油汚泥、廃液、家畜糞尿、その他の被乾燥物に対して適用できる。また、真空乾燥システム1,2は、原子炉の炉内構造物の取り替え工事にて、原子炉容器内から取り外した旧式の炉内構造物、使用済み核燃料を収容するキャスク、その他の放射性被乾燥物に対して適用しても良い。この真空乾燥システム1,2を、かかる放射性被乾燥物に適用すれば、以下の利点がある。
【0059】
まず、炉内構造物やキャスクは、構造が複雑な上に、ボルト接合部や金属接触面などの狭隘部を多数有する。このため、炉内構造物やキャスクを、空気乾燥や窒素ブローにより乾燥させるとすると、乾燥処理にあたり時間がかかる上に、十分な乾燥効果が得られないという問題点がある。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、真空乾燥処理により、短時間にて高い乾燥効率を得られる利点がある。特に、キャスクは、使用済み核燃料を収容した状態にて長期保管されるという特殊性を有する。このため、不十分な乾燥処理により残留水分が付着すると、容器の腐食により内部から放射能が漏れるおそれがある。したがって、高い効率による乾燥処理が求められると共に、乾燥処理が確実に完了したことを客観的に確認できることが求められる。これにより、重大な事故を未然に防止できる利点がある。また、一般に、発熱が生じると水分が蒸発して圧力が上昇するが、真空乾燥処理しておけばかかる圧力上昇を抑制できる利点がある。
【0060】
また、原子炉の炉内構造物の取り替え工事は、未だ世界的にも行われておらず、したがって、炉内構造物の乾燥処理も、未だ行われていない。このため、炉内構造物を原子炉容器内から引き上げるにあたりどの程度水分が付着するか、理論上の算出値と実際とを比較する手段が求められていた。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、実際の水分蒸発量を的確に算出できるので、かかる比較手段を新たに提供できる利点がある。また、従来の真空乾燥システムでは、真空乾燥処理の完了を判断するにあたり、ビルドアップ時の圧力上昇を監視して行っていた。しかしながら、かかる圧力上昇のみの監視では、真空乾燥処理にあたり生ずる脱ガスやリーク等により、的確に真空乾燥処理の完了を判断できないという問題点がある。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、圧力計測に加えて湿度計測を行い、これらを併用して真空乾燥処理の完了を判断するので、より的確な判断を行える利点がある。また、湿度計測は、脱ガスやリークの影響を受けないので、より正確に完了の判断を行える利点がある。また、従来の真空乾燥システムでは、真空乾燥処理の完了を、監視員が圧力計を目視して判断していた。この点において、この真空乾燥システム1,2によれば、一定の判断基準を用いて自動制御により完了の判断を行うので、真空乾燥処理の終了を自動化できる利点がある。
【0061】
なお、この真空乾燥システム1,2を、放射性被乾燥物に適用する場合には、真空ポンプ12を水封式真空ポンプとして、真空排気装置10を構成する。そして、取り出した水分を他の工程にて加熱しもしくはフィルタ処理して処分する。これにより、安全に真空乾燥処理を行い得る利点がある。なお、真空ポンプ12を水封式真空ポンプとするのは、油回転式ポンプでは、油交換が必要なため、廃棄処理の負担が大きいためである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる真空排気システム、真空排気方法およびプログラムによれば、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合における真空乾燥容器内の圧力とを比較演算して、この圧力勾配の差分に基づき被乾燥物からの水分蒸発量を算出するので、被乾燥物からの水分除去量を適切に検出できる利点がある。
【0063】
また、この発明にかかる真空排気システム、真空排気方法およびプログラムによれば、ビルドアップ時にて真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させるので、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【0064】
また、この発明にかかる真空排気システム、真空排気方法およびプログラムによれば、真空排気時にて被乾燥物の温度が平衡状態となったとき、若しくは略初期温度となったときを真空乾燥処理の完了時と判断して、真空乾燥処理を終了させるので、真空乾燥処理の完了時を的確に把握できる利点がある。これにより、真空乾燥処理の完了時を的確に判断して、真空乾燥処理を終了させ得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。
【図2】図1に記載したデータ処理装置の機能を示すブロック図である。
【図3】真空乾燥時における真空乾燥容器内の圧力と経過時間との関係を示す説明図である。
【図4】ビルドアップ時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。
【図5】ヒータを用いた事前処理時を含む真空乾燥容器内の圧力変化を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態5にかかる真空乾燥システムを示す構成図である。
【図7】図6に記載した圧力センサによる計測値の一例を示す説明図である。
【図8】図6に記載した湿度センサによる計測値の一例を示す説明図である。
【図9】図6に記載した温度センサによる計測値の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1、2 真空乾燥システム
10 真空乾燥ユニット
11 真空乾燥容器
13 被乾燥物
20 蒸発量検出ユニット
21、G1 圧力センサ
22、G2 湿度センサ
23、G3、G4 温度センサ
25 データ処理装置
Claims (13)
- 被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、
前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、
前記データ処理手段が、真空排気時であって被乾燥物を収容した場合にて前記計測手段により計測された前記真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における前記真空乾燥容器内の圧力との差を算出すると共に、当該圧力の差に基づき前記水分蒸発量を算出する真空乾燥システム。 - 真空乾燥処理中にて、前記真空乾燥容器内の真空排気を一時中断するビルドアップを行う場合において、
前記データ処理手段が、前記計測手段により計測されたビルドアップ時前後における前記真空乾燥容器内の圧力、湿度および温度、または、圧力および温度に基づいてビルドアップ時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該ビルドアップ時の水分蒸発量を前記真空排気時の水分蒸発量に加えて、被乾燥物からの水分蒸発量の総量を算出する請求項1に記載の真空乾燥システム。 - 真空乾燥処理中にて、前記真空乾燥容器内または被乾燥物の少なくとも一方の温度を上昇させる事前処理を行う場合において、
前記データ処理手段が、前記計測手段により計測された事前処理時前後における前記真空乾燥容器内の圧力、湿度および温度、または、圧力および温度に基づいて事前処理時における被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該事前処理時の水分蒸発量を前記真空排気時の水分蒸発量に加えて、被乾燥物からの水分蒸発量の総量を算出する請求項1または2に記載の真空乾燥システム。 - さらに、被乾燥物の温度を計測する温度センサを含み構成され、且つ、
前記データ処理手段が、前記温度センサにより計測された真空乾燥処理時における被乾燥物の温度低下に基づいて被乾燥物からの水分蒸発量を算出すると共に、当該温度低下に基づく水分蒸発量を用いて、前記真空排気時、前記ビルドアップ時もしくは前記事前処理時の水分蒸発量と比較評価が可能となる請求項1〜3のいずれか1つに記載の真空乾燥システム。 - さらに、算出された前記水分蒸発量を、被乾燥物の真空乾燥処理時にてリアルタイムで表示する表示手段を含み構成される請求項1〜4のいずれか1つに記載の真空乾燥システム。
- 被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、
前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、
前記データ処理手段は、ビルドアップ時にて前記真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断すると共に、真空乾燥処理を終了させる真空乾燥システム。 - 被乾燥物を収容する真空乾燥容器と、
被乾燥物の温度を計測する温度センサと、
前記温度センサからの計測データを処理して、被乾燥物からの水分蒸発量を算出するデータ処理手段とを含み構成され、且つ、
前記データ処理手段は、真空排気時にて前記被乾燥物の温度が略初期温度となったときを、真空乾燥処理の完了時と判断すると共に、真空乾燥処理を終了させる真空乾燥システム。 - さらに、真空乾燥処理の完了を報知する報知手段を備え、前記データ処理手段が、真空乾燥処理の完了時と判断したときに、前記報知手段に真空乾燥処理の完了を報知させる請求項6または7に記載の真空乾燥システム。
- 真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、
真空排気時にて前記真空乾燥容器内の気体の状態変化を計測する計測ステップと、
真空排気時であって被乾燥物を収容した場合にて計測された前記真空乾燥容器内の圧力と、真空排気時であって被乾燥物を収容しない場合における前記真空乾燥容器内の圧力との差を算出すると共に、当該圧力の差に基づき前記水分蒸発量を算出する蒸発量算出ステップと、
を含む真空乾燥方法。 - 真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、
ビルドアップ時にて前記真空乾燥容器内の圧力もしくは湿度が平衡状態となったときを真空乾燥処理の完了時と判断する完了時判断ステップと、
真空乾燥処理の完了時と判断したときに、真空乾燥処理を終了させる乾燥処理終了ステップと、
を含む真空乾燥方法。 - 真空乾燥容器に被乾燥物を収容すると共に、前記真空乾燥容器内を真空排気して被乾燥物を真空乾燥処理する真空乾燥方法において、
前記データ処理手段は、真空排気時にて前記被乾燥物の温度が略初期温度となったときを、真空乾燥処理の完了時と判断する完了時判断ステップと、
真空乾燥処理の完了時と判断したときに、真空乾燥処理を終了させる乾燥処理終了ステップと、
を含む真空乾燥方法。 - 請求項1〜8のいずれか1つに記載のデータ処理手段としてコンピューターを機能させるプログラム。
- 請求項9〜11のいずれか1つに記載の方法をコンピューターに実行させるプログラム。
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