JP2004230638A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】画像記録用インクとして高粘度の紫外線硬化インクを用いる場合に、記録ヘッドのクリーニング動作を効率的に行うインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】一面にノズル42を形成してなるノズル面41を有し高粘度のインクを記録媒体P上に吐出する記録ヘッド4と記録媒体Pに前記インクが着弾後に紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置とを有するインクジェットプリンタ1において、記録ヘッド4のクリーニング動作は機器本体電源投入時にのみ行うように制御する制御部を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】一面にノズル42を形成してなるノズル面41を有し高粘度のインクを記録媒体P上に吐出する記録ヘッド4と記録媒体Pに前記インクが着弾後に紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置とを有するインクジェットプリンタ1において、記録ヘッド4のクリーニング動作は機器本体電源投入時にのみ行うように制御する制御部を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに係り、特に、高粘度のインクを用いるインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、簡易かつ安価に画像を記録できる画像記録手段として、インクジェット方式を用いた画像記録装置が数多く用いられている。インクジェット方式を用いた記録装置(以下、「インクジェットプリンタ」と言う。)は、例えばピエゾ素子やヒータ等を用いて、記録ヘッドのノズルからインクを微小な液滴として紙等の記録媒体に向けて吐出し、記録媒体にインクを浸透若しくは定着させながら記録ヘッドを記録媒体上で移動させることにより記録媒体上に画像記録を行う。
【0003】
しかし、このようなインクジェットプリンタにおいては、連続して記録作業を行った場合に、記録ヘッドのノズルから吐出され霧状になったインクがノズル付近に付着、堆積して目詰まりを起こすことがある。そして、このような状態で記録作業を続行した場合には、ピエゾ素子等の働きによってノズルが吐出動作を行っても、インク滴が吐出されないいわゆるノズル欠や、正しい方向にインク滴が吐出されないいわゆる吐出曲がり等の吐出不良を生じ、画像記録に不具合が生じるおそれがある。
そのため、正常な画像記録を行うためには、所定のタイミングで記録ヘッドのクリーニング動作を行うことが必要となる。特に記録媒体として樹脂フィルム等のインク吸収性のないものを使用する場合には、着弾したインクが記録媒体上で流動することのないように高粘度のインクを用いることが行われており、この場合には適切なクリーニング動作を行うことが不可欠となる。
ここでクリーニング動作としては、記録ヘッドのノズル面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャップ部材を介して吸引ポンプで吸引することによりノズル内に残留している気泡やノズル面に付着したゴミ等をインクとともに吸引除去する強制吸引作業や、ノズル面に残留したインクを弾性を有するブレードを用いて拭き取るワイプ作業や、インクを空吐出させる空吐出作業等があり、従来は、こうしたクリーニング動作をプリンタ本体の電源投入時の他、予め設定された所定の画像記録量に達するごと又は一定の期間経過ごとに行っていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、記録媒体上にインクが着弾した後に紫外線を照射することによってインクを硬化させ、記録媒体上に定着させる紫外線硬化型インクは、一般にアルコールから合成されるモノマーを主成分としており、水を含んでいないため(例えば、特許文献2参照)、泡が混入したりインクが乾燥して固着するおそれが少ないという特性を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−59831号公報
【特許文献2】
特許第2695271号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなモノマーを主成分とした紫外線硬化型インクを使用してプリンタの画像記録を行う場合には、記録ヘッドのノズル欠、吐出曲がり等の吐出不良が発生しにくく、頻繁にクリーニング動作を行わなくても高品質の画像記録を連続して行うことが可能である。
それにもかかわらず、頻繁にクリーニング動作を行うこととすると、クリーニングの過程で空吐出又は強制吸引されたインクは廃棄せざるを得ないため、必要以上に大量のインクを廃棄する結果となるという問題があった。
【0006】
また、クリーニング動作を行っている間は画像記録作業を行うことができないため、プリンタ本体の電源投入時以外の時期、例えば所定の画像記録量に達するごと又は一定の期間経過ごとにクリーニング動作を行うこととすると、画像記録作業に中断時間が生じ、全画像を記録するまでに多くの時間を必要としていたとの問題もある。
【0007】
そこで、本発明は以上のような課題を解決すべくなされたものであり、画像記録用インクとして高粘度の紫外線硬化インクを用いる場合に、記録ヘッドのクリーニング動作を効率的に行うインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、一面にノズルを形成してなるノズル面を有し高粘度のインクを記録媒体上に吐出する記録ヘッドと前記記録媒体に前記インクが着弾後に紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置とを有するインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドのクリーニング動作は機器本体電源投入時にのみ行うように制御する制御部を有することを特徴としている。
【0009】
このような構成を有する請求項1に記載の発明においては、クリーニング動作を行う時期をプリンタ本体の電源投入時のみという必要最小限の場合に限定するので、クリーニング動作の際に出る廃インクの量が少なくて済み、効率的にクリーニング動作を行うことができる点で優れている。
【0010】
また、クリーニング動作をプリンタ本体の電源投入時にのみ行うため、画像記録がクリーニング動作によって中断されることがなく、画像記録時間の短縮化を図ることができる。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明において、前記記録ヘッドのヘッドクリーニング動作は、前記記録ヘッドからインクを強制吸引する吸引工程と前記ノズル面のインクをワイプするワイプ工程と前記記録ヘッドからインクを空吐出する空吐出工程のうち少なくとも1工程以上であることを特徴としている。
【0012】
したがって、請求項2に記載の発明では、吸引工程、ワイプ工程、空吐出工程といった各クリーニング動作を行うことにより記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止し、ノズル欠や吐出曲がり等の発生による記録画像の劣化を防ぐことが可能となる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明において、前記記録ヘッドは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの液体であるインクを加熱手段により30〜150℃に加熱して、1ドットが2〜20plの小液滴となるように吐出することを特徴としている。
【0014】
このように、請求項3に記載の発明は、30℃における粘度が10〜500mPa・sである高粘度のインクを用いるので、インク吸収性のない記録媒体に対しても記録媒体上でのインクの流動等を生じることなく高画質な画像記録を行うこと可能であるが、このような高粘度のインクを用いる場合にも効率的に記録ヘッドのクリーニング動作を行うことができる。
また、インクを30〜150℃に加熱して記録ヘッドから吐出するので、ノズルからのインク吐出を良好な状態に保ちながら画像記録を行うことができ、また、インクを1ドットが2〜20plの小液滴となるようにして吐出するため、高粘度インクであっても高品質の画像形成が可能である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明において、前記記録媒体は、インク吸収性のないものであることを特徴としている。
【0016】
樹脂等のインク吸収性のない記録媒体に画像記録する場合にはインクが記録媒体上において流動することを防止するため高粘度のインクを用いることが行われるが、請求項4に記載の発明によれば、このような場合でも、適切かつ効率的な記録ヘッドのメンテナンス動作を行うことができる。
【0017】
さらに、請求項5に記載の発明において、前記インクは、カチオン重合系紫外線硬化インクであることを特徴としている。
【0018】
このように、請求項5に記載の発明は、モノマーを主成分とするカチオン重合系の紫外線硬化インクを用いた場合に、記録ヘッドのノズル欠及び吐出曲がり等を適切に防止し、連続的な画像記録を行う際にも高画質な画像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1に示すように、本実施形態において、インクジェットプリンタ1はシリアルプリント方式によるインクジェットプリンタ1であり、このインクジェットプリンタ1は、主走査方向Aに延在する棒状のキャリッジレール2を有している。このキャリッジレール2には、キャリッジ3がキャリッジレール2に沿って往復動自在に支持されており、このキャリッジ3は、キャリッジ駆動源11によって主走査方向Aを往復駆動されるようになっている。また、インクジェットプリンタ1には、記録媒体Pを主走査方向Aと直交する方向に搬送するための記録媒体搬送機構12が設けられている。
【0020】
キャリッジ3には、図1及び図2に示すように、インクを吐出するノズル42を形成してなる記録ヘッド4が搭載されており、この記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)といった本実施形態において用いられる色彩に応じた各色のインクを有している。 キャリッジ3の内側であって記録ヘッドの近傍には、ノズルから吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置10が設けられている。
【0021】
キャリッジ3の移動可能範囲の中央部分は、記録媒体Pに記録を行う記録領域Yとされている。記録領域Yには、記録動作時に記録媒体Pを非記録面側から支持するプラテン5が設けられている。また、キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Yの外側一端は、記録ヘッド4のノズル42が形成されている面であるノズル面41のメンテナンスを行うメンテナンス領域Zとされている。
【0022】
メンテナンス領域Zには、メンテナンスユニット6が設けられている。このメンテナンスユニット6には、キャリッジ3がメンテナンス領域Zに移動した際に記録ヘッド4に対向する位置に、記録ヘッド4のノズル面41を覆うキャップ部材としての吸引キャップ61が、記録ヘッド4と対応する数だけ設けられている。また、メンテナンスユニット6には、吸引キャップ61の一端近傍にノズル42からインクを空吐出させた際に吐出されたインクを受ける空吐出受け皿62が設けられており、これに隣接してノズル面41に残留するインクを拭き取るブレード63が、記録ヘッド4と対応する数だけ設けられている。
【0023】
吸引キャップ61の底面には、吸引キャップ61の内部に連通するインク連通管66が設けられている。このインク連通管66の中途には、吸引装置である吸引ポンプ64が設けられており、インク連通管66の下端には、吸引したインクを受ける廃インクタンク65が設けられている。
【0024】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Yを挟んでメンテナンス領域Zの反対側は、画像記録時及びヘッドクリーニング動作時以外のときに記録ヘッド4を待機させるホームポジション領域Xとされている。ホームポジション領域Xには、保湿ユニット7が設けられており、保湿ユニット7には、非画像記録時に記録ヘッド4のノズル面41を乾燥等から保護するための保湿キャップ71が記録ヘッド4に対応する数設けられている。
【0025】
次に、図2を参照しつつ本実施形態における制御部100について説明する。本実施形態において制御部100は、ROM(Read Only Memory)100bに格納された各種のプログラムにしたがって、記録ヘッド4、キャリッジ3の駆動、ヘッドクリーニング動作制御等を行うCPU(Central Processing Unit)100aを備えており、CPUが取得した情報を展開する作業領域、及び記憶領域を有するRAM(Random Access Memory)100cを有している。
また、制御部100には、入力部9、電源8、記録ヘッド4、キャリッジ駆動源11、記録媒体搬送機構12が、それぞれインターフェース(図示せず)を介して接続されている。
【0026】
ここで、本発明の実施形態に用いられるインクについて説明する。インクは、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件および硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクである。このインクは、色材、重合性モノマー、光開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで光開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有している。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0027】
本実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体であるが、高品質の画像を得るためには、このうち40〜500mPa・sであるインクであることが望ましい。10mPa・s未満の低粘度のものとすると記録媒体上で滲みを生じて記録画像が劣化し、また500mPa・sを超える高粘度のものとすると、画質の平滑性が失われるからであり、最も画像品質が安定するのは40〜500mPa・sの粘度を有する場合であるからである。
また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速吐出を行った場合に正確な着弾ができない等の不具合を生じ、また30mPa・s以上では、吐出性が劣化するからである。
【0028】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、本実施形態において、画像記録時及びヘッドクリーニング動作時以外のときには記録ヘッド4を搭載したキャリッジ3はホームポジション領域Xに配設された保湿ユニット7の上に待機しており、この保湿ユニット7に設けられた保湿キャップ71によって記録ヘッド4のノズル面41が覆われることにより、ノズル42部分を保護している。
【0029】
プリンタ本体の電源8が投入されると、制御部100はキャリッジ駆動源11を制御して記録ヘッド4をキャリッジレール2に沿ってメンテナンス領域Zに移動させる。その際、制御部100が保湿ユニット7を下降させることにより、保湿キャップ71が記録ヘッド4から外される。
【0030】
記録ヘッド4が所定の位置に到達すると、制御部100がメンテナンスユニット6を上昇させる。これにより、メンテナンスユニット6に設けられている吸引キャップ61で記録ヘッド4のノズル面41が覆われて密閉される。その後、制御部が吸引ポンプ64を作動させることにより吸引キャップ61の内部に負圧をかけ、ノズル42内のインクを吸引する。ノズル42から吸引されたインクは、ノズル42に対向するように吸引キャップ61の内部に設けられた吸収体に接触すると順次吸収体に吸収される。吸収されたインクはインク連通管66を通じて廃インクタンク65に送られ、蓄えられる。
吸引終了後、制御部100は、メンテナンスユニット6を下降させ、これにより、ノズル面41から吸引キャップ61が離間される。
【0031】
その後、制御部100はメンテナンスユニット6を前方および上方へ移動させ、ノズル面41にメンテナンスユニット6に設けられたブレード63を摺接させながら後方へ移動させる。これにより、ノズル面41に付着しているインクやゴミ等が拭き取られる。
【0032】
次に、制御部100は、記録ヘッド4をメンテナンスユニット7に設けられた空吐出受け皿62の上方に移動させ、ピエゾ素子を駆動させてノズル42からインクを空吐出させる。
これによりヘッドのクリーニング動作は終了し、ノズル42の内部は画像記録を行うのに良好な状態に整備される。
【0033】
ヘッドクリーニング動作が終了すると、制御部100は記録ヘッド4を記録領域Yに移動させ、キャリッジ3を駆動させることにより記録ヘッド4が主走査方向Aに往復運動するとともに、記録媒体搬送機構12により記録シートPを主走査方向Aに直交する副走査方向に搬送させながら、入力部9からの入力情報及び所定の画像情報に基づいて記録ヘッド3のノズル6から所要の色のインクを吐出させる。この際、インクは図示しない加熱手段によって30℃〜150℃に加熱され、1ドットが2〜20plの小液滴として記録媒体Pの上に吐出されることにより、記録媒体Pに画像が記録される。
【0034】
なお、本実施形態においては、プリンタはシリアルプリント方式のインクジェットプリンタについて説明したが、プリンタはこの方式に限定されるものではなく、図3に示すようにラインプリント方式のプリンタであってもよい。
【0035】
プリンタがライン方式の場合には、例えば、図4、図5に示すように、画像記録時には記録領域Yの外に待避しているメンテナンスユニット13が、プリンタ本体の電源投入時に記録ヘッド4とプラテン5との間に移動して、ワイプローラー31によって記録ヘッド4のノズル面41にワイプ材30を圧接させ、モーター33bによってワイプローラー31を記録ヘッド4の一端部から他方の一端部に向かって可動レール32上を移動させることより記録ヘッド4のノズル面に付着したインクを順次ワイプ材30の表面に吸収されるようにヘッドクリーニング動作を行う。
【0036】
本実施形態によれば、プリンタ1本体電源投入時以外には記録ヘッド4のクリーニング動作を行わないものとするので、ヘッドクリーニングの際の空吐出や強制吸引によって発生する廃インクの量を必要最小限度に抑えることができ、インクを節約することができる。
【0037】
また、画像記録中にヘッドクリーニング動作を行わないために、画像記録動作が途中で中断されることがなく、効率的な画像記録を行うことができるので、全体としてのプリント時間を短縮化することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された発明によれば、記録ヘッドのクリーニング動作を行う時期をプリンタ本体の電源投入時のみという必要最小限の場合に限定するので、クリーニング動作の際に強制吸引や空吐出によって排出され、廃棄されるインクの量を低減させることができ、インクの節約を図ることができるという効果がある。
【0039】
また、クリーニング動作をプリンタ本体の電源投入時にのみ行い、画像記録中や画像記録の前後には行わないため、画像記録がクリーニング動作によって中断されることがなく、画像記録時間の短縮化を図ることができる。そのため、プリント生産性の向上を図りながら、効率的にクリーニング動作を行うことができるという効果がある。
【0040】
さらに、クリーニング動作を一律にプリンタ本体の電源投入時にのみ行うこととするため、制御機構を簡素化することができ、装置コストの低減を図ることが可能となる。
【0041】
請求項2に記載された発明によれば、前記記録ヘッドからインクを強制吸引する吸引工程、ノズル面のインクを拭き取るワイプ工程、記録ヘッドからインクを空吐出させる空吐出工程といった各クリーニング動作を行うので、記録ヘッドのノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。これにより、ノズル欠や吐出曲がり等が発生することを防ぎ、記録画像を高品質に保つことができるという効果がある。
【0042】
次に、請求項3に記載された発明によれば、30℃における粘度が10〜500mPa・sである高粘度のインクを用いるので、インク吸収性のない記録媒体に対しても記録媒体上でのインクの流動等を生じることなく高画質な画像記録を行うこと可能であり、また、このような高粘度のインクを用いる場合にも効率的に記録ヘッドのクリーニング動作を行うことができるという効果がある。
【0043】
また、インクを30〜150℃に加熱して記録ヘッドから吐出するので、ノズルからのインク吐出を良好な状態に保ちながら画像記録を行うことができ、さらに、インクを1ドットが2〜20plの小液滴となるようにして吐出するため、高粘度インクであっても高品質の画像を得ることができるという効果がある。
【0044】
請求項4に記載された発明によれば、樹脂等のインク吸収性のない記録媒体に画像記録する場合にもインクが記録媒体上において流動することを防止するため高粘度のインクを用いることが行われるが、このような場合でも、適切かつ効率的な記録ヘッドのメンテナンス動作を行うことができるという効果がある。
【0045】
さらに、請求項5に記載された発明によれば、モノマーを主成分とするカチオン系の紫外線硬化インクを用いた場合に、記録ヘッドのノズル欠及び吐出曲がり等を適切に防止し、連続的な画像記録を行う際にも高画質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインクジェットプリンタを模式的に示す正面図である。
【図2】本実施の形態に係る制御装置の概略を示した要部ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るインクジェットプリンタがラインプリント方式である場合の概略斜視図である。
【図4】図4(a)は、図3に示すインクジェットプリンタに用いられるメンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。図4(b)は、メンテナンスユニットのワイプローラーの動作状態を示す斜視図である。
【図5】図5(a)は、図4(a)のメンテナンスユニットの側面図である。図5(b)は、図4(b)のメンテナンスユニットの側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジレール
3 キャリッジ
4 記録ヘッド
41 ノズル面
42 ノズル
5 プラテン
6 メンテナンスユニット
61 吸引キャップ
62 空吐出受け皿
63 ブレード
64 吸引ポンプ
65 廃インクタンク
66 インク連通管
7 保湿ユニット
71 保湿キャップ
A 主走査方向
X ホームポジション領域
Y 記録領域
Z メンテナンス領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに係り、特に、高粘度のインクを用いるインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、簡易かつ安価に画像を記録できる画像記録手段として、インクジェット方式を用いた画像記録装置が数多く用いられている。インクジェット方式を用いた記録装置(以下、「インクジェットプリンタ」と言う。)は、例えばピエゾ素子やヒータ等を用いて、記録ヘッドのノズルからインクを微小な液滴として紙等の記録媒体に向けて吐出し、記録媒体にインクを浸透若しくは定着させながら記録ヘッドを記録媒体上で移動させることにより記録媒体上に画像記録を行う。
【0003】
しかし、このようなインクジェットプリンタにおいては、連続して記録作業を行った場合に、記録ヘッドのノズルから吐出され霧状になったインクがノズル付近に付着、堆積して目詰まりを起こすことがある。そして、このような状態で記録作業を続行した場合には、ピエゾ素子等の働きによってノズルが吐出動作を行っても、インク滴が吐出されないいわゆるノズル欠や、正しい方向にインク滴が吐出されないいわゆる吐出曲がり等の吐出不良を生じ、画像記録に不具合が生じるおそれがある。
そのため、正常な画像記録を行うためには、所定のタイミングで記録ヘッドのクリーニング動作を行うことが必要となる。特に記録媒体として樹脂フィルム等のインク吸収性のないものを使用する場合には、着弾したインクが記録媒体上で流動することのないように高粘度のインクを用いることが行われており、この場合には適切なクリーニング動作を行うことが不可欠となる。
ここでクリーニング動作としては、記録ヘッドのノズル面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャップ部材を介して吸引ポンプで吸引することによりノズル内に残留している気泡やノズル面に付着したゴミ等をインクとともに吸引除去する強制吸引作業や、ノズル面に残留したインクを弾性を有するブレードを用いて拭き取るワイプ作業や、インクを空吐出させる空吐出作業等があり、従来は、こうしたクリーニング動作をプリンタ本体の電源投入時の他、予め設定された所定の画像記録量に達するごと又は一定の期間経過ごとに行っていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、記録媒体上にインクが着弾した後に紫外線を照射することによってインクを硬化させ、記録媒体上に定着させる紫外線硬化型インクは、一般にアルコールから合成されるモノマーを主成分としており、水を含んでいないため(例えば、特許文献2参照)、泡が混入したりインクが乾燥して固着するおそれが少ないという特性を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−59831号公報
【特許文献2】
特許第2695271号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなモノマーを主成分とした紫外線硬化型インクを使用してプリンタの画像記録を行う場合には、記録ヘッドのノズル欠、吐出曲がり等の吐出不良が発生しにくく、頻繁にクリーニング動作を行わなくても高品質の画像記録を連続して行うことが可能である。
それにもかかわらず、頻繁にクリーニング動作を行うこととすると、クリーニングの過程で空吐出又は強制吸引されたインクは廃棄せざるを得ないため、必要以上に大量のインクを廃棄する結果となるという問題があった。
【0006】
また、クリーニング動作を行っている間は画像記録作業を行うことができないため、プリンタ本体の電源投入時以外の時期、例えば所定の画像記録量に達するごと又は一定の期間経過ごとにクリーニング動作を行うこととすると、画像記録作業に中断時間が生じ、全画像を記録するまでに多くの時間を必要としていたとの問題もある。
【0007】
そこで、本発明は以上のような課題を解決すべくなされたものであり、画像記録用インクとして高粘度の紫外線硬化インクを用いる場合に、記録ヘッドのクリーニング動作を効率的に行うインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、一面にノズルを形成してなるノズル面を有し高粘度のインクを記録媒体上に吐出する記録ヘッドと前記記録媒体に前記インクが着弾後に紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置とを有するインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドのクリーニング動作は機器本体電源投入時にのみ行うように制御する制御部を有することを特徴としている。
【0009】
このような構成を有する請求項1に記載の発明においては、クリーニング動作を行う時期をプリンタ本体の電源投入時のみという必要最小限の場合に限定するので、クリーニング動作の際に出る廃インクの量が少なくて済み、効率的にクリーニング動作を行うことができる点で優れている。
【0010】
また、クリーニング動作をプリンタ本体の電源投入時にのみ行うため、画像記録がクリーニング動作によって中断されることがなく、画像記録時間の短縮化を図ることができる。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明において、前記記録ヘッドのヘッドクリーニング動作は、前記記録ヘッドからインクを強制吸引する吸引工程と前記ノズル面のインクをワイプするワイプ工程と前記記録ヘッドからインクを空吐出する空吐出工程のうち少なくとも1工程以上であることを特徴としている。
【0012】
したがって、請求項2に記載の発明では、吸引工程、ワイプ工程、空吐出工程といった各クリーニング動作を行うことにより記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止し、ノズル欠や吐出曲がり等の発生による記録画像の劣化を防ぐことが可能となる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明において、前記記録ヘッドは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの液体であるインクを加熱手段により30〜150℃に加熱して、1ドットが2〜20plの小液滴となるように吐出することを特徴としている。
【0014】
このように、請求項3に記載の発明は、30℃における粘度が10〜500mPa・sである高粘度のインクを用いるので、インク吸収性のない記録媒体に対しても記録媒体上でのインクの流動等を生じることなく高画質な画像記録を行うこと可能であるが、このような高粘度のインクを用いる場合にも効率的に記録ヘッドのクリーニング動作を行うことができる。
また、インクを30〜150℃に加熱して記録ヘッドから吐出するので、ノズルからのインク吐出を良好な状態に保ちながら画像記録を行うことができ、また、インクを1ドットが2〜20plの小液滴となるようにして吐出するため、高粘度インクであっても高品質の画像形成が可能である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明において、前記記録媒体は、インク吸収性のないものであることを特徴としている。
【0016】
樹脂等のインク吸収性のない記録媒体に画像記録する場合にはインクが記録媒体上において流動することを防止するため高粘度のインクを用いることが行われるが、請求項4に記載の発明によれば、このような場合でも、適切かつ効率的な記録ヘッドのメンテナンス動作を行うことができる。
【0017】
さらに、請求項5に記載の発明において、前記インクは、カチオン重合系紫外線硬化インクであることを特徴としている。
【0018】
このように、請求項5に記載の発明は、モノマーを主成分とするカチオン重合系の紫外線硬化インクを用いた場合に、記録ヘッドのノズル欠及び吐出曲がり等を適切に防止し、連続的な画像記録を行う際にも高画質な画像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1に示すように、本実施形態において、インクジェットプリンタ1はシリアルプリント方式によるインクジェットプリンタ1であり、このインクジェットプリンタ1は、主走査方向Aに延在する棒状のキャリッジレール2を有している。このキャリッジレール2には、キャリッジ3がキャリッジレール2に沿って往復動自在に支持されており、このキャリッジ3は、キャリッジ駆動源11によって主走査方向Aを往復駆動されるようになっている。また、インクジェットプリンタ1には、記録媒体Pを主走査方向Aと直交する方向に搬送するための記録媒体搬送機構12が設けられている。
【0020】
キャリッジ3には、図1及び図2に示すように、インクを吐出するノズル42を形成してなる記録ヘッド4が搭載されており、この記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)といった本実施形態において用いられる色彩に応じた各色のインクを有している。 キャリッジ3の内側であって記録ヘッドの近傍には、ノズルから吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置10が設けられている。
【0021】
キャリッジ3の移動可能範囲の中央部分は、記録媒体Pに記録を行う記録領域Yとされている。記録領域Yには、記録動作時に記録媒体Pを非記録面側から支持するプラテン5が設けられている。また、キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Yの外側一端は、記録ヘッド4のノズル42が形成されている面であるノズル面41のメンテナンスを行うメンテナンス領域Zとされている。
【0022】
メンテナンス領域Zには、メンテナンスユニット6が設けられている。このメンテナンスユニット6には、キャリッジ3がメンテナンス領域Zに移動した際に記録ヘッド4に対向する位置に、記録ヘッド4のノズル面41を覆うキャップ部材としての吸引キャップ61が、記録ヘッド4と対応する数だけ設けられている。また、メンテナンスユニット6には、吸引キャップ61の一端近傍にノズル42からインクを空吐出させた際に吐出されたインクを受ける空吐出受け皿62が設けられており、これに隣接してノズル面41に残留するインクを拭き取るブレード63が、記録ヘッド4と対応する数だけ設けられている。
【0023】
吸引キャップ61の底面には、吸引キャップ61の内部に連通するインク連通管66が設けられている。このインク連通管66の中途には、吸引装置である吸引ポンプ64が設けられており、インク連通管66の下端には、吸引したインクを受ける廃インクタンク65が設けられている。
【0024】
キャリッジ3の移動可能範囲であって記録領域Yを挟んでメンテナンス領域Zの反対側は、画像記録時及びヘッドクリーニング動作時以外のときに記録ヘッド4を待機させるホームポジション領域Xとされている。ホームポジション領域Xには、保湿ユニット7が設けられており、保湿ユニット7には、非画像記録時に記録ヘッド4のノズル面41を乾燥等から保護するための保湿キャップ71が記録ヘッド4に対応する数設けられている。
【0025】
次に、図2を参照しつつ本実施形態における制御部100について説明する。本実施形態において制御部100は、ROM(Read Only Memory)100bに格納された各種のプログラムにしたがって、記録ヘッド4、キャリッジ3の駆動、ヘッドクリーニング動作制御等を行うCPU(Central Processing Unit)100aを備えており、CPUが取得した情報を展開する作業領域、及び記憶領域を有するRAM(Random Access Memory)100cを有している。
また、制御部100には、入力部9、電源8、記録ヘッド4、キャリッジ駆動源11、記録媒体搬送機構12が、それぞれインターフェース(図示せず)を介して接続されている。
【0026】
ここで、本発明の実施形態に用いられるインクについて説明する。インクは、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件および硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクである。このインクは、色材、重合性モノマー、光開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで光開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有している。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0027】
本実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体であるが、高品質の画像を得るためには、このうち40〜500mPa・sであるインクであることが望ましい。10mPa・s未満の低粘度のものとすると記録媒体上で滲みを生じて記録画像が劣化し、また500mPa・sを超える高粘度のものとすると、画質の平滑性が失われるからであり、最も画像品質が安定するのは40〜500mPa・sの粘度を有する場合であるからである。
また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速吐出を行った場合に正確な着弾ができない等の不具合を生じ、また30mPa・s以上では、吐出性が劣化するからである。
【0028】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、本実施形態において、画像記録時及びヘッドクリーニング動作時以外のときには記録ヘッド4を搭載したキャリッジ3はホームポジション領域Xに配設された保湿ユニット7の上に待機しており、この保湿ユニット7に設けられた保湿キャップ71によって記録ヘッド4のノズル面41が覆われることにより、ノズル42部分を保護している。
【0029】
プリンタ本体の電源8が投入されると、制御部100はキャリッジ駆動源11を制御して記録ヘッド4をキャリッジレール2に沿ってメンテナンス領域Zに移動させる。その際、制御部100が保湿ユニット7を下降させることにより、保湿キャップ71が記録ヘッド4から外される。
【0030】
記録ヘッド4が所定の位置に到達すると、制御部100がメンテナンスユニット6を上昇させる。これにより、メンテナンスユニット6に設けられている吸引キャップ61で記録ヘッド4のノズル面41が覆われて密閉される。その後、制御部が吸引ポンプ64を作動させることにより吸引キャップ61の内部に負圧をかけ、ノズル42内のインクを吸引する。ノズル42から吸引されたインクは、ノズル42に対向するように吸引キャップ61の内部に設けられた吸収体に接触すると順次吸収体に吸収される。吸収されたインクはインク連通管66を通じて廃インクタンク65に送られ、蓄えられる。
吸引終了後、制御部100は、メンテナンスユニット6を下降させ、これにより、ノズル面41から吸引キャップ61が離間される。
【0031】
その後、制御部100はメンテナンスユニット6を前方および上方へ移動させ、ノズル面41にメンテナンスユニット6に設けられたブレード63を摺接させながら後方へ移動させる。これにより、ノズル面41に付着しているインクやゴミ等が拭き取られる。
【0032】
次に、制御部100は、記録ヘッド4をメンテナンスユニット7に設けられた空吐出受け皿62の上方に移動させ、ピエゾ素子を駆動させてノズル42からインクを空吐出させる。
これによりヘッドのクリーニング動作は終了し、ノズル42の内部は画像記録を行うのに良好な状態に整備される。
【0033】
ヘッドクリーニング動作が終了すると、制御部100は記録ヘッド4を記録領域Yに移動させ、キャリッジ3を駆動させることにより記録ヘッド4が主走査方向Aに往復運動するとともに、記録媒体搬送機構12により記録シートPを主走査方向Aに直交する副走査方向に搬送させながら、入力部9からの入力情報及び所定の画像情報に基づいて記録ヘッド3のノズル6から所要の色のインクを吐出させる。この際、インクは図示しない加熱手段によって30℃〜150℃に加熱され、1ドットが2〜20plの小液滴として記録媒体Pの上に吐出されることにより、記録媒体Pに画像が記録される。
【0034】
なお、本実施形態においては、プリンタはシリアルプリント方式のインクジェットプリンタについて説明したが、プリンタはこの方式に限定されるものではなく、図3に示すようにラインプリント方式のプリンタであってもよい。
【0035】
プリンタがライン方式の場合には、例えば、図4、図5に示すように、画像記録時には記録領域Yの外に待避しているメンテナンスユニット13が、プリンタ本体の電源投入時に記録ヘッド4とプラテン5との間に移動して、ワイプローラー31によって記録ヘッド4のノズル面41にワイプ材30を圧接させ、モーター33bによってワイプローラー31を記録ヘッド4の一端部から他方の一端部に向かって可動レール32上を移動させることより記録ヘッド4のノズル面に付着したインクを順次ワイプ材30の表面に吸収されるようにヘッドクリーニング動作を行う。
【0036】
本実施形態によれば、プリンタ1本体電源投入時以外には記録ヘッド4のクリーニング動作を行わないものとするので、ヘッドクリーニングの際の空吐出や強制吸引によって発生する廃インクの量を必要最小限度に抑えることができ、インクを節約することができる。
【0037】
また、画像記録中にヘッドクリーニング動作を行わないために、画像記録動作が途中で中断されることがなく、効率的な画像記録を行うことができるので、全体としてのプリント時間を短縮化することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された発明によれば、記録ヘッドのクリーニング動作を行う時期をプリンタ本体の電源投入時のみという必要最小限の場合に限定するので、クリーニング動作の際に強制吸引や空吐出によって排出され、廃棄されるインクの量を低減させることができ、インクの節約を図ることができるという効果がある。
【0039】
また、クリーニング動作をプリンタ本体の電源投入時にのみ行い、画像記録中や画像記録の前後には行わないため、画像記録がクリーニング動作によって中断されることがなく、画像記録時間の短縮化を図ることができる。そのため、プリント生産性の向上を図りながら、効率的にクリーニング動作を行うことができるという効果がある。
【0040】
さらに、クリーニング動作を一律にプリンタ本体の電源投入時にのみ行うこととするため、制御機構を簡素化することができ、装置コストの低減を図ることが可能となる。
【0041】
請求項2に記載された発明によれば、前記記録ヘッドからインクを強制吸引する吸引工程、ノズル面のインクを拭き取るワイプ工程、記録ヘッドからインクを空吐出させる空吐出工程といった各クリーニング動作を行うので、記録ヘッドのノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。これにより、ノズル欠や吐出曲がり等が発生することを防ぎ、記録画像を高品質に保つことができるという効果がある。
【0042】
次に、請求項3に記載された発明によれば、30℃における粘度が10〜500mPa・sである高粘度のインクを用いるので、インク吸収性のない記録媒体に対しても記録媒体上でのインクの流動等を生じることなく高画質な画像記録を行うこと可能であり、また、このような高粘度のインクを用いる場合にも効率的に記録ヘッドのクリーニング動作を行うことができるという効果がある。
【0043】
また、インクを30〜150℃に加熱して記録ヘッドから吐出するので、ノズルからのインク吐出を良好な状態に保ちながら画像記録を行うことができ、さらに、インクを1ドットが2〜20plの小液滴となるようにして吐出するため、高粘度インクであっても高品質の画像を得ることができるという効果がある。
【0044】
請求項4に記載された発明によれば、樹脂等のインク吸収性のない記録媒体に画像記録する場合にもインクが記録媒体上において流動することを防止するため高粘度のインクを用いることが行われるが、このような場合でも、適切かつ効率的な記録ヘッドのメンテナンス動作を行うことができるという効果がある。
【0045】
さらに、請求項5に記載された発明によれば、モノマーを主成分とするカチオン系の紫外線硬化インクを用いた場合に、記録ヘッドのノズル欠及び吐出曲がり等を適切に防止し、連続的な画像記録を行う際にも高画質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインクジェットプリンタを模式的に示す正面図である。
【図2】本実施の形態に係る制御装置の概略を示した要部ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るインクジェットプリンタがラインプリント方式である場合の概略斜視図である。
【図4】図4(a)は、図3に示すインクジェットプリンタに用いられるメンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。図4(b)は、メンテナンスユニットのワイプローラーの動作状態を示す斜視図である。
【図5】図5(a)は、図4(a)のメンテナンスユニットの側面図である。図5(b)は、図4(b)のメンテナンスユニットの側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジレール
3 キャリッジ
4 記録ヘッド
41 ノズル面
42 ノズル
5 プラテン
6 メンテナンスユニット
61 吸引キャップ
62 空吐出受け皿
63 ブレード
64 吸引ポンプ
65 廃インクタンク
66 インク連通管
7 保湿ユニット
71 保湿キャップ
A 主走査方向
X ホームポジション領域
Y 記録領域
Z メンテナンス領域
Claims (5)
- 一面にノズルを形成してなるノズル面を有し高粘度のインクを記録媒体上に吐出する記録ヘッドと前記記録媒体に前記インクが着弾後に紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射装置とを有するインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドのクリーニング動作は機器本体電源投入時にのみ行うように制御する制御部を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記記録ヘッドのヘッドクリーニング動作は、前記記録ヘッドからインクを強制吸引する吸引工程と前記ノズル面のインクをワイプするワイプ工程と前記記録ヘッドからインクを空吐出する空吐出工程のうち少なくとも1工程以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記記録ヘッドは、30℃における粘度が10〜500mPa・sの液体であるインクを加熱手段により30〜150℃に加熱して、1ドットが2〜20plの小液滴となるように吐出することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記記録媒体は、インク吸収性のないものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インクは、カチオン重合系紫外線硬化インクであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
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2003
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