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JP2004229528A - 柑橘類抽出組成物 - Google Patents

柑橘類抽出組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】肥満、過体重の防止、改善に効果のある柑橘類抽出物を見出し、また、効率の良い抽出方法を見出して、肥満や過体重の防止、改善に役立てる。
【解決手段】ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)からなる群から選ばれた少なくとも1種の柑橘類の果肉及び/又は果皮から抽出した抽出組成物である。該抽出組成物は、健康飲料、健康食品、健康入浴剤等に利用することができる。
【選択図】無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柑橘類、特に、ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(CitrusPomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)等の果肉及び/又は果皮を抽出した抽出組成物並びに該抽出組成物を含む、過体重、肥満を防止、改善する健康食品、健康入浴剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、飽食の時代ともいわれ、肥満や過体重が社会的に大きな関心事となっている。即ち、肥満や過体重は成人病の一因ともいわれ、医学的にも注目されている。肥満や過体重への対処法としては、脂肪吸収を抑えたり、食欲を抑制したり、脂肪蓄積を抑えたり、脂肪代謝を促進する医薬品、製剤を処方されたりするが、これらの医薬品、製剤に頼らずに、健康食品として利用可能な天然物質が望まれている。グルメの時代を迎え、肥満、過体重を防止、改善する健康食品に対する関心、要望が高まっている。
【0003】
このような状況の下、過体重や肥満の防止、改善のための各種健康食品が提案されている。例えば、特開平5−276897には山ろう、山ろうの水又は有機溶剤の抽出液、特開平10−179099には生シソの葉、天然醸造酢及び土壌微生物含有液をインキュベートしたもの、特許第3015356号には胡椒とフェンネルの実とを混合したハーブ入り胡椒等が知られている。
【0004】
特開平11−49690に、柑橘類果皮の水抽出物又は低沸点有機溶媒抽出物を主成分とする脂肪分解促進組成物が開示され、また、ガルシニアカンボジア果皮抽出物と柑橘類を含有するダイエット食品組成物が特開2001−321126に開示されている。これら柑橘類には、過体重や肥満の防止、改善、即ち、ダイエット効果があるとされる。柑橘類にシネフリンが含まれ、該成分が脂肪分解を促進するとされる。
【0005】
しかしながら、抽出物の源泉となる柑橘類には色々な種類があり、いかなる柑橘類でも同様又は同等の効果が期待できるわけではない。脂肪の分解に効果があるとされるシネフリンは、ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)等の果実の果肉や果皮の抽出液にはほとんど見出されないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、肥満、過体重の防止、改善に効果のある柑橘類抽出物を見出し、また、効率の良い抽出方法を見出し、該抽出物を含む健康飲料、健康食品、健康入浴剤等を提供し、もって肥満や過体重の防止、改善に役立てようとするものである。
【0007】
本発明者は、柑橘類のなかでも ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)等に注目して研究した結果、これらの柑橘類の果肉及び/又は果皮からの抽出物が、肥満、過体重の防止、改善に効果あることを見出し、本発明を完成させたものである。ブイ、ソンモー、ザボン等の果肉又は果皮の抽出物にはシネフリンは含まれておらず、また、ブイ、ソンモー、ザボンは、特開2001−321126や特開平11−49690にも具体的には記載されていない柑橘類である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)からなる群から選ばれた少なくとも1種の柑橘類の果肉及び/又は果皮から抽出した抽出組成物である。なかでも、柑橘類としてブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )又はブイとソンモーとを混合したもの、好適には、ブイとソンモーを重量比で1対2に混合したものから肥満や過体重の防止、改善に効果がある抽出組成物が得られる。
【0009】
ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の果肉及び/又は果皮の抽出は、弱酸性の条件下で行うのが好ましい。この弱酸性の条件下で抽出を行うには、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、マレイン酸、フマール酸、グルコース酸、酒石酸、没食子酸、オキシ酪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸を存在させて行うのがよい。また、柑橘類の果肉及び/又は果皮を抽出するに際して、弱アルカリ性の条件下で前処理した後、抽出するのがよい。そして、弱アルカリ性の条件下で行う前処理は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを含有する液体の中で行うのがよい。更に、柑橘類の果肉及び/又は果皮の抽出は、沸騰温度で5〜20分間抽出するのが好ましい。
【0010】
ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の抽出組成物は、健康飲料、健康食品や健康入浴剤に利用することができる。即ち、ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の抽出組成物を含有する健康飲料、健康食品、健康入浴剤である。健康飲料には、ビタミンC、玄米茶エキス、甜茶エキスの少なくとも1種を含有させることができる。また、ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の抽出組成物からなる粉末状又は錠剤状の健康食品である。粉末状の健康食品は、カプセルに封入することができる。ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の抽出組成物をゼリー状の健康食品に加工することもできる。更に、ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の抽出組成物を含有する健康入浴剤を得ることができる。
【0011】
本発明は、柑橘類の果肉及び/又は果皮を抽出して得られる柑橘類抽出物である。この柑橘類として、ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)からなる群から選ばれた少なくとも1種を使用する。なかでも、ブイ(例えば、ベトナム産)とソンモー(例えば、タイ産)からの抽出組成物は、肥満、過体重の防止、改善の効果が大きく、それぞれ単独で使用できるし、ブイとソンモーとを混合して使用することもできる。特に、ブイとソンモーとを重量比で1対2の割合で混合したものからは、肥満、過体重の防止、改善の効果が大きく、特に、苦みの点で好ましいものが得られる。
【0012】
ソンモーは、直径が凡そ15〜17cm程度、表面の色が青色ないし黄色をしており、その果皮が厚いことが特徴で、果皮の厚みは凡そ1.5〜3cm程度である。タイ、カンボジア等で産出されるソンモーからの抽出組成物は、肥満、過体重の防止、改善に効果がある。ヴェトナム産のブイはソンモーより一回り小さな、ソンモーによく似たもので、ソンモー同様に、その抽出組成物は肥満、過体重の防止、改善に効果がある。
【0013】
柑橘類の果肉及び/又は果皮の抽出は、最も簡便には、水の中に柑橘類の果肉、果皮を入れ、温度を高め沸騰温度付近で加熱することにより行うことができる。水の他に、アルカン、アルコール、ケトン、芳香族化合物等の有機溶媒を使用することができる。一般的には、水を使用するのがよい。抽出液には何も添加せず、水単独で抽出することができることはいうまでもないが、弱酸性下で抽出することもできる。弱酸性下で抽出する場合には、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、マレイン酸、フマール酸、グルコース酸、酒石酸、没食子酸、オキシ酪酸等からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸を添加して行うのがよい。弱酸性の条件下で抽出することにより、柑橘類の成分抽出を効果的に行うことができる。また、弱酸性下の条件で抽出すると、ペクチン質の長鎖構造が寸断されることにより抽出液のゲル化を防ぐことができる。
【0014】
また、抽出に先立って柑橘類の果肉、果皮を前処理をすることができる。前処理をすることにより、成分の抽出を効果的に行うことができるようになる。この前処理は、弱アルカリ性の条件下で行うのがよい。具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを含有する液体で前処理を行うのがよい。勿論、前処理を行わなくても、柑橘類の成分抽出を行うことができることはいうまでもない。
【0015】
柑橘類の果肉及び/又は果皮の抽出は、一般的には水中で行うが、常温よりも高い温度で行うのがよい。特に、沸騰温度で5〜20分間、特に10分間、抽出することが好ましい。この条件下では、抽出を効果的に行うことができ、また、柑橘類のペクチン質の長鎖構造が寸断されることにより抽出液のゲル化を防止することができる。抽出時間が長いと、柑橘類の苦味成分の抽出量が増加し抽出組成物の苦味が増し、また、抽出時間が短いと充分に抽出されないので、結果的に5〜20分間の抽出が好ましい。
【0016】
このようにして抽出した柑橘類の抽出物組成物は、健康飲料、健康食品や健康入浴剤として利用することができる。水で柑橘類の果肉、果皮を抽出した抽出液は、そのまま健康飲料とすることができる。柑橘類に適量の水を加え、10分ほど煮沸することにより、柑橘類の抽出物を含有する健康飲料を得ることができる。勿論、濃度を高くなるようにして成分を抽出し、抽出液を希釈して健康飲料とすることもできるし、逆に、濃度の小さい抽出液とし、これを濃縮することにより健康飲料とすることもできる。いずれにしても、柑橘類の果肉、果皮の抽出液は、そのまま又は濃度を調整して健康飲料とすることができる。
【0017】
また、抽出液に甘味料、防腐剤、抗酸化剤、着色剤やビタミンを添加することもできる。抽出液に前記添加剤を添加したものは、一般的には飲みやすいものとなる。抽出液に各種添加剤を添加し加工した飲料は、肥満、過体重の防止、改善の健康飲料として好適に使用できる。添加物として、特に、ビタミンC、玄米茶エキス、甜茶エキスの少なくとも1種を含有させることができ、これらの添加により、一層飲みやすい健康飲料とすることができる。何らの添加物も無しに柑橘類を抽出した抽出液は、やや苦味を有するが、上記各種の添加物を加えることにより、風味のある健康飲料となる。
【0018】
柑橘類の果肉、果皮を抽出した時点では、抽出物は液体の状態にある。この抽出液を、蒸発乾固させるか、凍結乾燥すること等により、粉末状の抽出物を得ることができる。この粉末状の抽出物は、いわばエキス成分である。この粉末単独を健康食品としても良いし、他に添加物を加え味付けを行って健康食品とすることができる。粉末単独では苦味があることから、この粉末をカプセルに封入し、食しやすい形態の健康食品とすることもできる。この粉末を、そのまま、又は、他の粉末と合わせて錠剤の形に成形することもできる。錠剤の形状で、健康食品として食することができる。粉末状、錠剤錠の抽出組成物に、必要に応じて、生薬成分、ビタミン、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、香料、キシリトール、ソルビトール、セルロース、セルロース誘導体、デキストリンなどの各種添加剤を使用することができる。
【0019】
柑橘類の抽出液の濃度を適度に調節し、ゼライスを加えて混合加熱することにより、ゼリー状の健康食品を得ることができる。このゼリー状のものに更に、生薬成分、ビタミン、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、香料、果汁、キシリトール、ソルビトール、セルロース、セルロース誘導体、デキストリンなどの各種添加剤を加えて、より食しやすい健康食品とすることができる。
【0020】
また、柑橘類の抽出組成物を原料にして、入浴剤を製することができる。入浴剤は、浴槽に入れたときに炭酸ガスを発生し、入浴者を温泉気分に浸らせる効果がある。更に、入浴者の皮膚から有効成分が吸収されて、肥満や過体重の防止、改善の効果が発現する。抽出組成物に無水硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸、香料、着色剤等を添加して、固形状に成形し入浴剤とすることができる。柑橘類の抽出組成物を含有する入浴剤を入れて、入浴することにより、肥満、過体重の防止、改善に役立たせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。但し、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。本発明における柑橘類の抽出物は、柑橘類の果肉又は果皮を水や溶媒等で抽出したものである。特に、ブイ、ソンモー、ザボン等の果肉又は果皮を水や溶媒等で抽出したものが好ましい。なかでも、ブイ、ソンモー、ブイとソンモーを混合して抽出したものが特に好ましい。柑橘類抽出物の原始的な形状は液状である。この抽出液を必要に応じて適宜濃縮、精製、滅菌、濾過分離等を行い、抽出液の他、飲料、粉末、錠剤、ゼリー、カプセル封入等の形状に加工することができる。本発明における抽出組成物は、必要に応じて生薬成分、ビタミン、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、香料、果汁、キシリトール、ソルビトール、セルロース、セルロース誘導体、デキストリンなどの各種添加剤を使用することができる。
【0022】
【実施例1】
天日乾燥したソンモーの果皮を幅5mm程度に千切りにした。該千切りにしたソンモー果皮30gを抽出容器に入れ、水1リッターを加え、10分間沸騰させ、抽出液を得た。抽出液は、やや黄色がかった色をしていた。ソンモー果皮の千切りに際して、切る幅は単に5mmに限定されるものではない。抽出操作を行いやすいような大きさにすればよい。抽出液は、若干苦味のあるものであった。
【0023】
ソンモー果皮の抽出時間には、特に、制限はないが、迅速に行うのがよい。長時間にわたって抽出するとソンモー果皮中の苦み成分が抽出され抽出液に苦みが強くなるので、苦み等の不要成分の抽出を極力抑えて有効成分を効率的に抽出することがポイントになる。時間が短すぎると有効成分が充分抽出されなく、時間が長すぎると先に述べたように苦みが強くなるので、5〜20分間程度の抽出時間にするのがよい。なかでも、抽出液の沸騰温度で10分間程度抽出するのが好ましい。また、使用する抽出液の量も、ソンモー果皮に対して重量基準で20〜500倍程度にするのが好ましい。抽出液の量が多いと有効成分濃度が小さくなり、抽出液の量が少なすぎると有効成分が効率良く抽出されないという問題がある。
【0024】
【実施例2】
ブイの千切りにした乾燥果皮10gとソンモーの千切りにした乾燥果皮20gを簡単に水洗した後、抽出容器に入れ、更に炭酸水素ナトリウム1gと水1.5lを投入し、60℃の温度で約10分間前処理した。炭酸水素ナトリウムを含む前処理液は廃棄し、新たに水1lを加えた。更に、クエン酸1gを添加し沸騰させ、10分間煮沸して、ブイとソンモーの果皮を除き、抽出液を得た。この抽出液に、ビタミンCを500mg添加した。抽出液は、実施例1の苦味がかなり無くなり、酸味が加わったものとなった。この抽出液に、適宜香料、甘味料や防腐剤等の添加剤を加えることにより、風味のある健康飲料を得ることができる。
【0025】
【実施例3】
実施例2において、炭酸水素ナトリウム溶液で前処理した後、クエン酸1gを加え沸騰温度で8分間加熱し、炒り玄米10gを加えて更に2分間加熱した。果皮を除いた後、冷却し炒り玄米等を濾別して、炒り玄米の香ばしい薫りのする抽出液を得た。この抽出液は、健康飲料として利用することができる。
【0026】
【実施例4】
実施例3における炒り玄米の代わりに甜茶葉2gを加え、加熱した。果皮を除いた後、冷却し甜茶葉を濾別して、甜茶の香りのする抽出液を得た。この抽出液は、健康飲料として利用することができる。
【0027】
【実施例5】
ブイの千切りにした乾燥果皮15gとソンモーの千切りにした乾燥果皮15gを簡単に水洗した後、抽出容器に入れ、炭酸水素ナトリウム1gと水1.5lを投入し、60℃の温度で約10分間前処理した。炭酸水素ナトリウムを含む前処理液は廃棄し、新たに水1lを加え沸騰させ、10分間煮沸させた。果皮を取り除いた後、液を更に加熱し水分を蒸発させ約170mlの濃縮液を得た。この濃縮液を凍結乾燥することにより、粉末状の抽出物を得た。この粉末状の抽出物は、健康食品として利用することができる。該粉末をカプセルに封入しまた錠剤状にした。
【0028】
【実施例6】
ブイの千切りにした乾燥果皮10gとソンモーの千切りにした乾燥果皮20gを簡単に水洗した後、抽出容器に入れ、更に炭酸水素ナトリウム1gと水1.5lを投入し、60℃の温度で約10分間前処理した。炭酸水素ナトリウムを含む前処理液は廃棄し、新たに水1lを加えた。更に、クエン酸1gを添加し沸騰させ、10分間煮沸して、ブイとソンモーの果皮を除き、抽出液を得た。この抽出液を更に加熱し、抽出液の量が500mlになるまで加熱し水を蒸発させた。抽出液を濾過した後、液の温度を50℃以上に保持しながらゼライス4gを加えてよく攪拌した。該抽出液を型に流し込んだ後、冷蔵庫で冷却し柑橘類の抽出物を含有するゼリーを得た。ゼリー状にする際に、飲料と同様にビタミン、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、香料、果汁、糖類、甘味料等を加えて、柑橘類の抽出組成物を風味のあるゼリー状の健康食品とする。
【0029】
【実施例7】
実施例5で得た柑橘類抽出物の粉末と無水硫酸ナトリウム50g、炭酸水素ナトリウム50g、リンゴ酸10gを混合して、固形入浴剤を製した。この入浴剤を使用して、入浴することにより、肥満、過体重の予防、改善に効果が認められた。
【0030】
【効能確認テスト1】
先に実施例3で示した、ブイの千切りにした乾燥果皮10gとソンモーの千切りにした乾燥果皮20gから炒り玄米の存在下に抽出した抽出液を、1日当たり180mlを継続して2週間飲取した。被験者の飲取前後の体脂肪の変化を調べた。その結果を表1に示した。体脂肪率(%)は、体重に占める脂肪の割合であり、脂肪含有量(Kg)は、各被験者が保有する脂肪量、即ち、体重(Kg)に体脂肪率(%)を掛けた値である。被験者として、職業、年齢、性別の異なる17人を選定し、試験を行った。飲取を初めて2週間後の結果であるが、平均して体脂肪率が5.7%、脂肪含有量が5.0%減少し、ブイとソンモーの抽出液の脂肪分解促進効果が認められる。表1の結果は、ブイとソンモーの抽出液飲取開始2週間後のものであるが、2ヶ月程度継続飲取すると、体脂肪減少の効果は更に顕著になる。尚、減少率は、飲取前の値から飲取2週間後の値を引いたものを飲取前の値で割り100を掛けて得られたものである。
【0031】
【表1】
Figure 2004229528
【0032】
【効能確認テスト2】
実施例2で調製した抽出液を同様に、被験者に毎朝食事30分前に1日当たり180mlを継続して3ヶ月間飲取した。飲取前後の体重変化を調べた。その結果を表2に示した。表には飲取前、飲取1ヶ月後及び2.5ヶ月後の体重と体重減少率を示した。被験者として、職業、年齢、性別の異なる43人を選定し、試験を行った。飲取を初めて1ヶ月後には体重減少効果が認められ、2.5ヶ月後には平均5%程度の減少が認められた。二三体重が増加した人もいるが、多数の人に体重の減少が観察された。尚、体重減少率というのは、飲取前の体重から飲取後の体重を引き、その値を飲取前の体重で割り、100を掛けて得られる値である。
【0033】
【表2】
Figure 2004229528
【0034】
【食品分析】
また、ブイ果皮の抽出液の食品分析を行った。その結果を表3に示した。同時に、食物繊維含有量が多いと言われるグレープフルーツ可食部の食品分析結果を表4に示した。これらの表から明らかなように、食物繊維の量は、ブイ果皮抽出液の場合0.3g/100gで、グレープフルーツ可食部の場合0.2g/100gであるが、エネルギー換算した食物繊維量、即ち、エネルギー1kcal当たりの食物繊維量は、ブイの場合0.05gであるのに対して、グレープフルーツの場合は0.0056gで、ソウモー果皮抽出液の単位エネルギー当たりの食物繊維量は、グレープフルーツ可食部に比較して約9倍ほど高い数値となっている。食物繊維量が多いことが、肥満、過体重の防止、改善の一因となっているものと考えられる。
【0035】
【表3】
Figure 2004229528
【0036】
【表4】
Figure 2004229528
【0037】
【官能テスト】
ブイの千切りにした乾燥果皮とソンモーの千切りにした乾燥果皮を簡単に水洗した後、抽出容器に入れ、更に炭酸水素ナトリウム1gと水1.5lを投入し、60℃の温度で約10分間前処理した。炭酸水素ナトリウムを含む前処理液は廃棄し、新たに水1lを加えた。更に、クエン酸1gを添加し沸騰させ、10分間煮沸して、ブイとソンモーの果皮を除き、抽出液を得た。この際、ブイとソンモーの合計を30gとし、ブイとソンモーの重量割合を1:0、2:1、1:1、1:2、0:1に変化させた。それぞれについて、苦味、甘み、味、香りについて、10人の官能テストを行った。苦味等の官能の強いものを5、弱いものを0とする6段階の評価を行った。10人の平均評点を表6に示した。ブイとソンモーの混合割合によって、甘み、味、香りについては、大きな相違は見られなかったが、苦みに関しては、ブイとソンモーの割合が1:2のときに苦味が小さくなることが示された。ブイとソンモーを1対2の割合で抽出したものは、苦みの少ないものになることがわかった。
【0038】
【表5】
Figure 2004229528
【0039】
【発明の効果】
ブイ、ソンモー、ザボン等の柑橘類の果肉又は果皮の抽出物は、肥満、過体重の防止、改善に効果が認められる。体脂肪の減少にも効果がある。体脂肪の減少、食物繊維の量と相俟って肥満、過体重の防止、改善に効果があるものと考えられる。体脂肪の減少は、シネフリン以外の効果によるものと考えられる。また、運動と抽出物の摂取とを組み合わせて行えば、肥満、過体重の防止、改善相乗効果は一層高まる。

Claims (14)

  1. ブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )、ザボン(Citrus Grandis Osbeckpomelo)からなる群から選ばれた少なくとも1種の柑橘類の果肉及び/又は果皮から抽出した抽出組成物。
  2. 前記柑橘類がブイ(Citrus decumana Merr)、ソンモー(Citrus Pomelo )又はブイとソンモーとを混合したものからなることを特徴とする請求項1記載の抽出組成物。
  3. 前記柑橘類がブイ(Citrus decumana Merr)とソンモー(Citrus Pomelo )とを重量比で1対2の割合に混合したものからなることを特徴とする請求項2記載の抽出組成物。
  4. 前記柑橘類の果肉及び/又は果皮の抽出を、弱酸性の条件下で行ったことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の抽出組成物。
  5. 前記弱酸性の条件下で行う抽出をクエン酸、リンゴ酸、乳酸、マレイン酸、フマール酸、グルコース酸、酒石酸、没食子酸、オキシ酪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸の存在下に行ったことを特徴とする請求項4に記載の抽出組成物。
  6. 前記柑橘類の果肉及び/又は果皮を、弱アルカリ性の条件下で前処理した後、抽出したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の抽出組成物。
  7. 前記弱アルカリ性の条件下で行う前処理を炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを含有する液体の中で行うことを特徴とする請求項6に記載の抽出組成物。
  8. 柑橘類の果肉及び/又は果皮を抽出する際に、沸騰温度で5〜20分間抽出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の抽出組成物。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の抽出組成物を含有する健康飲料。
  10. ビタミンC、玄米茶エキス、甜茶エキスの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項9記載の健康飲料。
  11. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の抽出組成物を含有する粉末状又は錠剤状の健康食品。
  12. カプセルに封入したことを特徴とする請求項11に記載の抽出組成物を含有する粉末状健康食品。
  13. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の抽出組成物を含有するゼリー状の健康食品。
  14. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の抽出組成物を含有する健康入浴剤。
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