JP2004217755A - 発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、気泡の大きさが微細・均一で、かつ押出安定性に優れた熱可塑性重合体の発泡成形体を提供することにある。
【解決手段】本発明の発泡体は、熱可塑性重合体(A)及び
極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]とを含むポリオレフィン組成物(B)を含有し、(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が95/5〜60/40である熱可塑性重合体組成物を発泡することにより得られる。
【解決手段】本発明の発泡体は、熱可塑性重合体(A)及び
極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]とを含むポリオレフィン組成物(B)を含有し、(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が95/5〜60/40である熱可塑性重合体組成物を発泡することにより得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性重合体組成物からなる発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性重合体を素材とした発泡体は内部に多数の気泡を含有し、その性質を利用して、衝撃吸収材、緩衝材、包装材、シール材、吸収材、各種担体等として広範囲な分野で使用されている。
【0003】
このような発泡体の素材として、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性重合体が知られている。良好な断熱性や緩衝特性を示すためには、軽量であり,発泡倍率が高く,セル径が微細であり,さらにセル構造が均一であることが好ましいとされている。
一方熱可塑性重合体の発泡体を製造する方法として、押出機内で溶融した熱可塑性重合体に揮発性発泡剤を圧入混練した後、発泡性組成物を押出機内から大気中に押出して発泡させる方法が知られている。(以下押出発泡成形ということがある。)
熱可塑性重合体を押出発泡成形では、熱可塑性重合体の種類や成形条件等によっては、発泡体の密度にむらを生じて、いわゆる押出安定性に劣る発泡体が得られたり、得られる押出発泡成形体の気泡の大きさが不均一で粗大になる場合がある。
そこで、発泡セルの大きさが均一かつ緻密な発泡体を提供する技術として、特定の固有粘度を有する超高分子量ポリエチレンと特定の固有粘度を有するポリプロピレンを含むオレフィン(共)重合体組成物を用いる方法が提案されている。(例えば特許文献1、特許文献2を参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開2000−143858号公報
【特許文献2】
特開2000−143866号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、気泡の大きさが微細・均一で、かつ押出安定性に優れた熱可塑性重合体の発泡成形体を提供することにある。
【0006】
本発明の発泡体は、
熱可塑性重合体(A)
及び
極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]を含むポリオレフィン組成物(B)を含有し、
(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が95/5〜60/40である熱可塑性重合体組成物から得られることを特徴とする発泡体である。
【0007】
以下本発明に係る熱可塑性重合体組成物の発泡体について具体的に説明する。本発明の熱可塑性重合体組成物は、熱可塑性重合体(A)及びポリオレフィン組成物(B)を含有している。(但し(A)はポリオレフィン組成物(B)以外の熱可塑性重合体である。)
【0008】
熱可塑性重合体(A)
本発明の熱可塑性重合体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレン系重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等を例示することができる。
また、本発明の熱可塑性重合体は、ゴム状重合体、エラストマー、結晶性樹脂のいずれでもよい。これらの熱可塑性重合体は、単独で用いることもでき、2種以上をブレンドして用いることもできる。
【0009】
ポリエステルとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物、あるいはこれらから選ばれた2種以上のジヒドロキシ化合物と、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、あるいはこれらから選ばれる2種以上のジカルボン酸とから形成されるポリエステルが挙げられる。また、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸を共重合して得られるポリエステルも挙げることができる。このポリエステルは、熱可塑性を示す限り、少量のトリオールやトリカルボン酸等の3価以上のポリヒドロキシ化合物やポリカルボン酸などで変性されていてもよい。このポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート共重合体、ポリ乳酸等が挙げられる。
【0010】
ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2.4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p一アミノシクロヘキシルメタン)、m一またはp―キシリレンジアミン等の脂肪旗ジアミン、脂環式ジアミンまたは芳呑旗ジアミンなどのジアミン類と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸類との重縮合によって得られるポリアミド、ε―アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、ε―カプロラクタム、ω―ラウロラクタム等のラクタムから得られるポリアミド、あるいはこれらの成分からなる共重合ポリアミド、さらにはこれらのポリアミドの混合物などが挙げられる。このポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6110、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11、芳香族ナイロン等が挙げられる。
【0011】
ポリオレフィンとしては、炭素数2−20、好ましくは炭素数2−10のα−オレフィンの単独重合体または共重合体を挙げることができる。共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。
また、必要に応じコモノマー、例えばエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のポリエンを共重合してもよい。
ポリオレフィンの密度は特に制限はなく、例えば0.85g/cm3〜0.98g/cm3のものを挙げることができる。
具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、エチレン・プロピレンゴム、EPT、エチレン・ブテン−1ゴム、プロピレン・ブテンゴム、エチレン・オクテンゴム等が挙げられる。
熱可塑性重合体(A)と、ポリオレフィン組成物(B)との相溶性を向上させるために無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート等をグラフトしたポリオレフィンを、熱可塑性重合体(A)とポリオレフィン組成物(B)の合計に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下添加しても良い。
【0012】
スチレン系重合体としては、スチレンの単独重合体、スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体ないしその水添物、ABS樹脂を挙げることができる。
【0013】
ポリオレフィン組成物(B)
本発明のポリオレフィン組成物(B)は、 極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と、 [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%とを含有する。[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]
ここで、極限粘度[η]は、135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度を示す。
超高分子量ポリオレフィン(b−1)の極限粘度は、好ましくは15〜35 dl/g、より好ましくは 15〜30dl/gである。
ポリオレフィン(b−2)の極限粘度は、好ましくは0.4〜1.0dl/g、より好ましくは0.4 〜 0.8dl/gである。
(b−1):(b−2)の重量割合は、好ましくは10 〜 30重量%:90〜70重量%、より好ましくは10〜20重量%:90〜80重量%である。
【0014】
超高分子量ポリオレフィン(b−1)、ポリオレフィン(b−2)としては、炭素数2−20、好ましくは炭素数2−10のα−オレフィンの単独重合体または共重合体を挙げることができる。共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。
また、必要に応じエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のポリエン等のコモノマーを共重合してもよい。
【0015】
このポリオレフィン組成物(B)は、超高分子量ポリオレフィン(b−1)とポリオレフィン(b−2)とを別々に準備し、次いで両者を混合することにより調整することもできるが、この場合、超高分子量ポリオレフィン(b−1)の分散が悪く、発泡時にくぼみ等の外観不良を生じやすい。このため重合触媒の存在下にオレフィンを多段階で重合させる方法により直接ポリオレフィン組成物(B)を調整するのが望ましい。以下、このような重合方法を「多段階重合法」と記載する。より具体的には、少なくとも1つの重合工程で超高分子量ポリオレフィン(b−1)を生成させ、その他の重合工程において水素の存在下にポリオレフィン(b−2)を生成させる。
超高分子量ポリオレフィン(b−1)を生成させる重合工程は、第一段重合工程でもよいし、中間の重合工程でも、最終の重合工程でもよいが、第一段で超高分子量ポリオレフィン(b−1)を生成させると、重合処理操作が容易で、得られるポリオレフィン(B)中の超高分子量ポリオレフィンの分散を良好にすることが容易であるため、第一段で超高分子量成分を生成させる多段階重合法が好ましい。
【0016】
重合触媒としては、遷移金属化合物触媒成分と、第1族、第2族、第12族及び第13族から選ばれる金属の有機金属化合物と、所望により使用される電子供与体からなるオレフィン重合触媒が挙げられる。
遷移金属化合物触媒成分としては、例えばチタン系、ジルコニウム系、ハフニウム系、バナジウム系等の触媒成分が挙げられる。 この触媒成分は、チーグラー型触媒でもよいし、またメタロセン触媒などの配位錯体触媒でもよい。有機金属化合物としては、トリエチルアルミ等の有機アルミニウムが好ましい。
具体的な重合触媒、重合条件等は、例えば特開平2−289636号公報、特開平4−55410号公報、特開2000−143858号公報、特開平2000−143866号公報等を参照して重合を実施することができる。
【0017】
一般に、超高分子量ポリオレフィン(b−1)は高分子量であるがゆえに他の熱可塑性重合体と溶融混練しても粘度が高く溶融状態での混練性が劣り、超高分子量ポリオレフィン成分は熱可塑性重合体に分散しにくい傾向がある。
多段階重合法により調整されたポリオレフィン組成物(B)は、ポリオレフィン(b−2)中に、超高分子量ポリオレフィン(b−1)が分散した状態で存在するため、他の熱可塑性重合体(A)と溶融混練した場合も、超高分子量ポリオレフィンの分散状態が優れた熱可塑性重合体組成物を得ることができる。
【0018】
熱可塑性重合体組成物
本発明の熱可塑性重合体組成物は、
熱可塑性重合体(A) とポリオレフィン(B)とを含有している。
(A)と(B)の重量比(A)/(B)は95/5〜60/40、好ましくは90/10〜65/35、特に好ましくは80/20〜70/30である。
(A)と(B)の重量比が上記範囲内であると、熱可塑性重合体組成物発泡体が熱可塑性重合体(A)の特徴を失わずかつその発泡体の発泡特性が改良されるので好ましい。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の発泡に用いる発泡剤は特に限定されず、従来から発泡剤として使用されているものが使用でき、例えば熱分解性発泡剤、揮発性有機発泡剤、無機ガス発泡剤などがあげられる。
【0020】
熱分解性発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ヒドラゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛、パラトルエンスルホニルアセトンヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、クエン酸、シュウ酸等があげられる。
【0021】
揮発性有機発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロブタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロジフルオロメタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフロロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、メチルクロリド、エチルクロリド、メチレンクロリドなどのハロゲン化炭化水素等があげられる。
【0022】
無機ガス発泡剤としては、窒素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウムなどの常温ガス状無機物があげられる。
【0023】
発泡剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。発泡剤の使用量は特に限定されず、必要なガス量を発生するように適宜選択される。
【0024】
本発明の熱可塑性重合体組成物には、必要に応じて、発泡助剤、安定剤等を配合することができる。
【0025】
本発明の熱可塑性重合体組成物を製造する方法としては、前記熱可塑性重合体(A)と、ポリオレフィン組成物(B)と、所望により他の添加物を、例えばバンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機などの混合装置により混合または溶融混練する方法などがあげられる。
【0026】
発泡体
本発明の熱可塑性重合体組成物を用いて発泡体を製造する場合、r線照射などの電子線架橋、有機ペルオキシドなどの化学架橋の処理を行ってもよい。本発明の発泡体は、前記した熱可塑性重合体組成物を、押出機、熱プレスなどでシート、フィルムなどの所望の形状に成形発泡させる方法により製造できる。発泡温度は、熱可塑性重合体組成物の種類、発泡剤の種類および量などによって異なるが、通常150〜250℃である。
【0027】
発泡倍率は、ポリオレフィン樹脂組成物の種類、発泡剤の種類および量、ならびに発泡条件などにより異なるが、通常2倍以上の高発泡倍率とすることができ、高発泡倍率の発泡体を容易に得ることができる。得られる発泡体の形状は特に制限されず、フィルム状、シート状、パイプ状、円筒状などがあげられる。
得られた発泡体は、例えば自動車部品、電子電気部品、家電、建材、機械部品、日用品、容器・包装材等の材料として好適に利用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性重合体組成物から得られる発泡体は、高発泡倍率で均質・微細な発泡セル構造を有しており、押出安定性にも優れている。
【0029】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、および比較例でもちいた物性評価は、次の方法に従って実施した。
1)密度
得られた発泡シートを寸法が30mm×30mmの大きさに切断し、電子密度計を用いて密度を測定した。
2)平均気泡径
連続的に発泡シートを製造し、5分毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルの断面を走査型電子顕微鏡により撮影し、サンプル3点について平均円相当径を求めそれらの平均値を平均気泡径とした。
3)気泡均一性
上記より得られた断面写真写真より3点のサンプルそれぞれについて、500μm四方にある気泡について円相当径を算出し、その中の最大円相当径が平均気泡径の2/3〜1.5倍の範囲内である場合を◎、同様に最大円相当径が、◎の範囲内になく平均気泡径の1/2〜2倍の範囲内である場合を○、○の範囲を超えたものを×として評価した。
4)押出安定性
連続的に発泡シートを製造し、前記1)の密度測定を行ったのち、30分毎にサンプルを10点取得した(計5時間分)。サンプルを、30mm(押出方向)×30mm(幅方向)の大きさに切断し、各々電子密度計を用いて密度を測定した。10点の計測値が、前記2)の密度計測値からの誤差として5%以内の場合を◎、5%を超え10%以内の場合を○、それ以外を×とした。
【0030】
(1)超高分子量PE含有PEの調製
特開平4−55410に従い第一の重合工程で[η]28dl/gの超高分子量ポリエチレンを重合し、これを用い第二の重合工程でエチレン及び水素を添加し[η]4.6dl/g、密度968kg/m3の超高分子量PE含有PE−Aを調製した。第一工程で得られた超高分子量成分の重量割合は15wt%であり、第二工程で得られたポリエチレンの[η]は0.47dl/gであった。
(2)高分子量PEの調製
調製例(1)と同様の方法で第一の重合工程で[η]6.5dl/gの高分子量ポリエチレンを重合し、これを用い第二の重合工程でエチレン及び水素を添加し[η]4.7、密度958kg/m3の高分子量PE含有PE−Bを調製した。第一工程で得られた高分子量成分の重量割合は15wt%であり、第二工程で得られたポリエチレンの[η]は4.4dl/gであった。
(3)超高分子量PEの調製
調製例(1)と同様の方法で第一の重合工程および第二の重合工程で[η]28dl/gの高分子量ポリエチレンを重合し、[η]28dl/g、密度930kg/m3の超高分子量PE−Cを調製した。
(4)ポリオレフィン
ポリプロピレン:三井住友ポリオレフィン社製 J105
エチレン・α−オレフィン共重合体:三井化学社製タフマーA4090
(5)ポリアミド
ナイロン−6:東レ社製アミランCM1017 80℃、4時間真空乾燥したものを用いた。
【0031】
実施例1
押出機として、スクリュー径50mmの単軸押出機(L/D=32)を使用し、押出機の先端には、スタティックミキサー(内径30mm、エレメント数7)を接続し、その先端に出口幅が320mmのTダイを接続した。冷却装置として、ロール温度を50℃に設定した冷却ロールを使用した。Tダイの出口隙間を0.5mmに調整した。また、発泡剤注入部は、押出機の中央付近に設けた。
ポリプロピレンJ105と超高分子量PE含有PE−Aを75/25の重量比でドライブレンドしこのブレンド物100重量部 に対し発泡核剤として炭酸水素ナトリウム0.06重量部と、クエン酸0.03重量部とを窒素雰囲気下でドライブレンドした。該熱可塑性樹脂ドライブレンド物を窒素置換したホッパーより、上記単軸押出機に投入し、表1に示したシリンダー温度で加熱溶融させた。発泡剤としては、二酸化炭素を使用した。二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベより、液体状態を維持したまま定量ポンプに注入、昇圧し、定量ポンプの吐出圧力を30MPaで一定圧力となるよう保圧弁で制御し吐出した後、押出機中の樹脂溶融部(L/D=16の位置)に注入した。二酸化炭素の添加量は、熱可塑性樹脂ブレンド物100重量部に対して、0.5重量部となるよう、定量ポンプのストロークにより制御した。このとき、二酸化炭素の供給部の樹脂圧力は14MPaであった。
次にスタティックミキサー、およびTダイの温度を表1に示した温度に調整し、7.5kg/時間の押出量でTダイより押出した。このときのダイス圧力は12MPaであった。押出された熱可塑性樹脂ブレンド物は、Tダイから出たと同時に発泡し、Tダイの先に設置された冷却ロールで冷却され、引取機により引取速度0.8m/分で引き取られ、発泡シートが製造された。得られた発泡シートは、幅300mm、厚さ1.8mmで、外観流麗であった。均一で微細なセルを有する5.3倍発泡シートが得られた。これの評価結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
超高分子量PE含有PE−Aをブレンドしなかった以外は実施例1と同様にして発泡シートを成形した。発泡倍率1.7倍の発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0033】
比較例2
超高分子量PE含有PE−Aの替わりに高分子量PE−Bを用いた以外は実施例1と同様にして発泡シートを成形した。気泡均一性に劣る3.6倍発泡のシートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0034】
比較例3
超高分子量PE含有PE−Aの替わりに超高分子量PE−Cを用い、ポリプロピレンJ105と超高分子量PE含有PE−Cを96.25/3.75の重量割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様にして発泡シートを成形した。気泡均一性、押出安定性に劣る3.3倍の発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0035】
実施例2
ポリプロピレンJ105の替わりに東レアミランCM1017を用い、さらに相溶性改良剤として無水マレイン酸0.5wt%押出グラフトしたポリエチレン(密度0.91g/cm3、Mw=2000)を3重量部ドライブレンドし、表1に示したシリンダー温度、ダイ温度に変更した以外は実施例1と同様にして発泡シートを成型した。外観流麗で、均一微細なセルを有する4.4倍発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0036】
実施例3
ポリプロピレンJ105の替わりにタフマーA4090を用い、表1に示したシリンダー温度、ダイ温度に変更した以外は実施例1と同様にして発泡シートを成型した。外観流麗で、均一微細なセルを有する3.9倍の発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性重合体組成物からなる発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性重合体を素材とした発泡体は内部に多数の気泡を含有し、その性質を利用して、衝撃吸収材、緩衝材、包装材、シール材、吸収材、各種担体等として広範囲な分野で使用されている。
【0003】
このような発泡体の素材として、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性重合体が知られている。良好な断熱性や緩衝特性を示すためには、軽量であり,発泡倍率が高く,セル径が微細であり,さらにセル構造が均一であることが好ましいとされている。
一方熱可塑性重合体の発泡体を製造する方法として、押出機内で溶融した熱可塑性重合体に揮発性発泡剤を圧入混練した後、発泡性組成物を押出機内から大気中に押出して発泡させる方法が知られている。(以下押出発泡成形ということがある。)
熱可塑性重合体を押出発泡成形では、熱可塑性重合体の種類や成形条件等によっては、発泡体の密度にむらを生じて、いわゆる押出安定性に劣る発泡体が得られたり、得られる押出発泡成形体の気泡の大きさが不均一で粗大になる場合がある。
そこで、発泡セルの大きさが均一かつ緻密な発泡体を提供する技術として、特定の固有粘度を有する超高分子量ポリエチレンと特定の固有粘度を有するポリプロピレンを含むオレフィン(共)重合体組成物を用いる方法が提案されている。(例えば特許文献1、特許文献2を参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開2000−143858号公報
【特許文献2】
特開2000−143866号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、気泡の大きさが微細・均一で、かつ押出安定性に優れた熱可塑性重合体の発泡成形体を提供することにある。
【0006】
本発明の発泡体は、
熱可塑性重合体(A)
及び
極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]を含むポリオレフィン組成物(B)を含有し、
(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が95/5〜60/40である熱可塑性重合体組成物から得られることを特徴とする発泡体である。
【0007】
以下本発明に係る熱可塑性重合体組成物の発泡体について具体的に説明する。本発明の熱可塑性重合体組成物は、熱可塑性重合体(A)及びポリオレフィン組成物(B)を含有している。(但し(A)はポリオレフィン組成物(B)以外の熱可塑性重合体である。)
【0008】
熱可塑性重合体(A)
本発明の熱可塑性重合体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレン系重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等を例示することができる。
また、本発明の熱可塑性重合体は、ゴム状重合体、エラストマー、結晶性樹脂のいずれでもよい。これらの熱可塑性重合体は、単独で用いることもでき、2種以上をブレンドして用いることもできる。
【0009】
ポリエステルとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物、あるいはこれらから選ばれた2種以上のジヒドロキシ化合物と、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、あるいはこれらから選ばれる2種以上のジカルボン酸とから形成されるポリエステルが挙げられる。また、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸を共重合して得られるポリエステルも挙げることができる。このポリエステルは、熱可塑性を示す限り、少量のトリオールやトリカルボン酸等の3価以上のポリヒドロキシ化合物やポリカルボン酸などで変性されていてもよい。このポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート共重合体、ポリ乳酸等が挙げられる。
【0010】
ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2.4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p一アミノシクロヘキシルメタン)、m一またはp―キシリレンジアミン等の脂肪旗ジアミン、脂環式ジアミンまたは芳呑旗ジアミンなどのジアミン類と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸類との重縮合によって得られるポリアミド、ε―アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、ε―カプロラクタム、ω―ラウロラクタム等のラクタムから得られるポリアミド、あるいはこれらの成分からなる共重合ポリアミド、さらにはこれらのポリアミドの混合物などが挙げられる。このポリアミドの具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6110、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11、芳香族ナイロン等が挙げられる。
【0011】
ポリオレフィンとしては、炭素数2−20、好ましくは炭素数2−10のα−オレフィンの単独重合体または共重合体を挙げることができる。共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。
また、必要に応じコモノマー、例えばエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のポリエンを共重合してもよい。
ポリオレフィンの密度は特に制限はなく、例えば0.85g/cm3〜0.98g/cm3のものを挙げることができる。
具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、エチレン・プロピレンゴム、EPT、エチレン・ブテン−1ゴム、プロピレン・ブテンゴム、エチレン・オクテンゴム等が挙げられる。
熱可塑性重合体(A)と、ポリオレフィン組成物(B)との相溶性を向上させるために無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート等をグラフトしたポリオレフィンを、熱可塑性重合体(A)とポリオレフィン組成物(B)の合計に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下添加しても良い。
【0012】
スチレン系重合体としては、スチレンの単独重合体、スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体ないしその水添物、ABS樹脂を挙げることができる。
【0013】
ポリオレフィン組成物(B)
本発明のポリオレフィン組成物(B)は、 極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と、 [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%とを含有する。[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]
ここで、極限粘度[η]は、135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度を示す。
超高分子量ポリオレフィン(b−1)の極限粘度は、好ましくは15〜35 dl/g、より好ましくは 15〜30dl/gである。
ポリオレフィン(b−2)の極限粘度は、好ましくは0.4〜1.0dl/g、より好ましくは0.4 〜 0.8dl/gである。
(b−1):(b−2)の重量割合は、好ましくは10 〜 30重量%:90〜70重量%、より好ましくは10〜20重量%:90〜80重量%である。
【0014】
超高分子量ポリオレフィン(b−1)、ポリオレフィン(b−2)としては、炭素数2−20、好ましくは炭素数2−10のα−オレフィンの単独重合体または共重合体を挙げることができる。共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。
また、必要に応じエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のポリエン等のコモノマーを共重合してもよい。
【0015】
このポリオレフィン組成物(B)は、超高分子量ポリオレフィン(b−1)とポリオレフィン(b−2)とを別々に準備し、次いで両者を混合することにより調整することもできるが、この場合、超高分子量ポリオレフィン(b−1)の分散が悪く、発泡時にくぼみ等の外観不良を生じやすい。このため重合触媒の存在下にオレフィンを多段階で重合させる方法により直接ポリオレフィン組成物(B)を調整するのが望ましい。以下、このような重合方法を「多段階重合法」と記載する。より具体的には、少なくとも1つの重合工程で超高分子量ポリオレフィン(b−1)を生成させ、その他の重合工程において水素の存在下にポリオレフィン(b−2)を生成させる。
超高分子量ポリオレフィン(b−1)を生成させる重合工程は、第一段重合工程でもよいし、中間の重合工程でも、最終の重合工程でもよいが、第一段で超高分子量ポリオレフィン(b−1)を生成させると、重合処理操作が容易で、得られるポリオレフィン(B)中の超高分子量ポリオレフィンの分散を良好にすることが容易であるため、第一段で超高分子量成分を生成させる多段階重合法が好ましい。
【0016】
重合触媒としては、遷移金属化合物触媒成分と、第1族、第2族、第12族及び第13族から選ばれる金属の有機金属化合物と、所望により使用される電子供与体からなるオレフィン重合触媒が挙げられる。
遷移金属化合物触媒成分としては、例えばチタン系、ジルコニウム系、ハフニウム系、バナジウム系等の触媒成分が挙げられる。 この触媒成分は、チーグラー型触媒でもよいし、またメタロセン触媒などの配位錯体触媒でもよい。有機金属化合物としては、トリエチルアルミ等の有機アルミニウムが好ましい。
具体的な重合触媒、重合条件等は、例えば特開平2−289636号公報、特開平4−55410号公報、特開2000−143858号公報、特開平2000−143866号公報等を参照して重合を実施することができる。
【0017】
一般に、超高分子量ポリオレフィン(b−1)は高分子量であるがゆえに他の熱可塑性重合体と溶融混練しても粘度が高く溶融状態での混練性が劣り、超高分子量ポリオレフィン成分は熱可塑性重合体に分散しにくい傾向がある。
多段階重合法により調整されたポリオレフィン組成物(B)は、ポリオレフィン(b−2)中に、超高分子量ポリオレフィン(b−1)が分散した状態で存在するため、他の熱可塑性重合体(A)と溶融混練した場合も、超高分子量ポリオレフィンの分散状態が優れた熱可塑性重合体組成物を得ることができる。
【0018】
熱可塑性重合体組成物
本発明の熱可塑性重合体組成物は、
熱可塑性重合体(A) とポリオレフィン(B)とを含有している。
(A)と(B)の重量比(A)/(B)は95/5〜60/40、好ましくは90/10〜65/35、特に好ましくは80/20〜70/30である。
(A)と(B)の重量比が上記範囲内であると、熱可塑性重合体組成物発泡体が熱可塑性重合体(A)の特徴を失わずかつその発泡体の発泡特性が改良されるので好ましい。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の発泡に用いる発泡剤は特に限定されず、従来から発泡剤として使用されているものが使用でき、例えば熱分解性発泡剤、揮発性有機発泡剤、無機ガス発泡剤などがあげられる。
【0020】
熱分解性発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ヒドラゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛、パラトルエンスルホニルアセトンヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、クエン酸、シュウ酸等があげられる。
【0021】
揮発性有機発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロブタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロジフルオロメタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフロロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、メチルクロリド、エチルクロリド、メチレンクロリドなどのハロゲン化炭化水素等があげられる。
【0022】
無機ガス発泡剤としては、窒素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウムなどの常温ガス状無機物があげられる。
【0023】
発泡剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。発泡剤の使用量は特に限定されず、必要なガス量を発生するように適宜選択される。
【0024】
本発明の熱可塑性重合体組成物には、必要に応じて、発泡助剤、安定剤等を配合することができる。
【0025】
本発明の熱可塑性重合体組成物を製造する方法としては、前記熱可塑性重合体(A)と、ポリオレフィン組成物(B)と、所望により他の添加物を、例えばバンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機などの混合装置により混合または溶融混練する方法などがあげられる。
【0026】
発泡体
本発明の熱可塑性重合体組成物を用いて発泡体を製造する場合、r線照射などの電子線架橋、有機ペルオキシドなどの化学架橋の処理を行ってもよい。本発明の発泡体は、前記した熱可塑性重合体組成物を、押出機、熱プレスなどでシート、フィルムなどの所望の形状に成形発泡させる方法により製造できる。発泡温度は、熱可塑性重合体組成物の種類、発泡剤の種類および量などによって異なるが、通常150〜250℃である。
【0027】
発泡倍率は、ポリオレフィン樹脂組成物の種類、発泡剤の種類および量、ならびに発泡条件などにより異なるが、通常2倍以上の高発泡倍率とすることができ、高発泡倍率の発泡体を容易に得ることができる。得られる発泡体の形状は特に制限されず、フィルム状、シート状、パイプ状、円筒状などがあげられる。
得られた発泡体は、例えば自動車部品、電子電気部品、家電、建材、機械部品、日用品、容器・包装材等の材料として好適に利用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性重合体組成物から得られる発泡体は、高発泡倍率で均質・微細な発泡セル構造を有しており、押出安定性にも優れている。
【0029】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、および比較例でもちいた物性評価は、次の方法に従って実施した。
1)密度
得られた発泡シートを寸法が30mm×30mmの大きさに切断し、電子密度計を用いて密度を測定した。
2)平均気泡径
連続的に発泡シートを製造し、5分毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルの断面を走査型電子顕微鏡により撮影し、サンプル3点について平均円相当径を求めそれらの平均値を平均気泡径とした。
3)気泡均一性
上記より得られた断面写真写真より3点のサンプルそれぞれについて、500μm四方にある気泡について円相当径を算出し、その中の最大円相当径が平均気泡径の2/3〜1.5倍の範囲内である場合を◎、同様に最大円相当径が、◎の範囲内になく平均気泡径の1/2〜2倍の範囲内である場合を○、○の範囲を超えたものを×として評価した。
4)押出安定性
連続的に発泡シートを製造し、前記1)の密度測定を行ったのち、30分毎にサンプルを10点取得した(計5時間分)。サンプルを、30mm(押出方向)×30mm(幅方向)の大きさに切断し、各々電子密度計を用いて密度を測定した。10点の計測値が、前記2)の密度計測値からの誤差として5%以内の場合を◎、5%を超え10%以内の場合を○、それ以外を×とした。
【0030】
(1)超高分子量PE含有PEの調製
特開平4−55410に従い第一の重合工程で[η]28dl/gの超高分子量ポリエチレンを重合し、これを用い第二の重合工程でエチレン及び水素を添加し[η]4.6dl/g、密度968kg/m3の超高分子量PE含有PE−Aを調製した。第一工程で得られた超高分子量成分の重量割合は15wt%であり、第二工程で得られたポリエチレンの[η]は0.47dl/gであった。
(2)高分子量PEの調製
調製例(1)と同様の方法で第一の重合工程で[η]6.5dl/gの高分子量ポリエチレンを重合し、これを用い第二の重合工程でエチレン及び水素を添加し[η]4.7、密度958kg/m3の高分子量PE含有PE−Bを調製した。第一工程で得られた高分子量成分の重量割合は15wt%であり、第二工程で得られたポリエチレンの[η]は4.4dl/gであった。
(3)超高分子量PEの調製
調製例(1)と同様の方法で第一の重合工程および第二の重合工程で[η]28dl/gの高分子量ポリエチレンを重合し、[η]28dl/g、密度930kg/m3の超高分子量PE−Cを調製した。
(4)ポリオレフィン
ポリプロピレン:三井住友ポリオレフィン社製 J105
エチレン・α−オレフィン共重合体:三井化学社製タフマーA4090
(5)ポリアミド
ナイロン−6:東レ社製アミランCM1017 80℃、4時間真空乾燥したものを用いた。
【0031】
実施例1
押出機として、スクリュー径50mmの単軸押出機(L/D=32)を使用し、押出機の先端には、スタティックミキサー(内径30mm、エレメント数7)を接続し、その先端に出口幅が320mmのTダイを接続した。冷却装置として、ロール温度を50℃に設定した冷却ロールを使用した。Tダイの出口隙間を0.5mmに調整した。また、発泡剤注入部は、押出機の中央付近に設けた。
ポリプロピレンJ105と超高分子量PE含有PE−Aを75/25の重量比でドライブレンドしこのブレンド物100重量部 に対し発泡核剤として炭酸水素ナトリウム0.06重量部と、クエン酸0.03重量部とを窒素雰囲気下でドライブレンドした。該熱可塑性樹脂ドライブレンド物を窒素置換したホッパーより、上記単軸押出機に投入し、表1に示したシリンダー温度で加熱溶融させた。発泡剤としては、二酸化炭素を使用した。二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベより、液体状態を維持したまま定量ポンプに注入、昇圧し、定量ポンプの吐出圧力を30MPaで一定圧力となるよう保圧弁で制御し吐出した後、押出機中の樹脂溶融部(L/D=16の位置)に注入した。二酸化炭素の添加量は、熱可塑性樹脂ブレンド物100重量部に対して、0.5重量部となるよう、定量ポンプのストロークにより制御した。このとき、二酸化炭素の供給部の樹脂圧力は14MPaであった。
次にスタティックミキサー、およびTダイの温度を表1に示した温度に調整し、7.5kg/時間の押出量でTダイより押出した。このときのダイス圧力は12MPaであった。押出された熱可塑性樹脂ブレンド物は、Tダイから出たと同時に発泡し、Tダイの先に設置された冷却ロールで冷却され、引取機により引取速度0.8m/分で引き取られ、発泡シートが製造された。得られた発泡シートは、幅300mm、厚さ1.8mmで、外観流麗であった。均一で微細なセルを有する5.3倍発泡シートが得られた。これの評価結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
超高分子量PE含有PE−Aをブレンドしなかった以外は実施例1と同様にして発泡シートを成形した。発泡倍率1.7倍の発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0033】
比較例2
超高分子量PE含有PE−Aの替わりに高分子量PE−Bを用いた以外は実施例1と同様にして発泡シートを成形した。気泡均一性に劣る3.6倍発泡のシートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0034】
比較例3
超高分子量PE含有PE−Aの替わりに超高分子量PE−Cを用い、ポリプロピレンJ105と超高分子量PE含有PE−Cを96.25/3.75の重量割合でドライブレンドした以外は実施例1と同様にして発泡シートを成形した。気泡均一性、押出安定性に劣る3.3倍の発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0035】
実施例2
ポリプロピレンJ105の替わりに東レアミランCM1017を用い、さらに相溶性改良剤として無水マレイン酸0.5wt%押出グラフトしたポリエチレン(密度0.91g/cm3、Mw=2000)を3重量部ドライブレンドし、表1に示したシリンダー温度、ダイ温度に変更した以外は実施例1と同様にして発泡シートを成型した。外観流麗で、均一微細なセルを有する4.4倍発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0036】
実施例3
ポリプロピレンJ105の替わりにタフマーA4090を用い、表1に示したシリンダー温度、ダイ温度に変更した以外は実施例1と同様にして発泡シートを成型した。外観流麗で、均一微細なセルを有する3.9倍の発泡シートが得られた。この発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Claims (1)
- 熱可塑性重合体(A)
及び
極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン(b−1)10〜50重量%と [η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン(b−2)90〜50重量%[(b−1)と(b−2)の合計を100重量%とする。]を含むポリオレフィン組成物(B)を含有し、
(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が95/5〜60/40である熱可塑性重合体組成物から得られる発泡体。
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