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JP2004207550A - 半導体装置用テープキャリア - Google Patents

半導体装置用テープキャリア Download PDF

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JP2004207550A
JP2004207550A JP2002375830A JP2002375830A JP2004207550A JP 2004207550 A JP2004207550 A JP 2004207550A JP 2002375830 A JP2002375830 A JP 2002375830A JP 2002375830 A JP2002375830 A JP 2002375830A JP 2004207550 A JP2004207550 A JP 2004207550A
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Katsumi Suzuki
勝美 鈴木
Kenji Yamaguchi
健司 山口
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

【課題】COFボンディング不良をなくし、加熱ツール温度が高く、短時間でボンディングできる絶縁フィルムをCOFテープ基材とした半導体装置用テープキャリアを提供すること。
【解決手段】樹脂製の絶縁フィルムから成るテープ基材1上にCOF接続のためのリードを含む配線パターン10を形成し、その配線パターンのリード10bに、テープ基材の反対側の面からの加熱ツール9による加圧でリード10bを半導体チップ7に加熱接合するためのめっき11を施した半導体装置用テープキャリアにおいて、上記テープ基材1を構成する絶縁フィルムに、動的弾性率が1.5GPa以上の材料を用いる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップを搭載して半導体パッケージを構成するためのテープキャリアに関する。特に、液晶駆動用のドライバーチップを、直接銅ポリイミド基板上のリードに実装して、液晶パネルに接続する場合のように、小型、軽量で、折り曲げて使用するため極力薄いことが要求されるCOF用テープとして適した半導体装置用テープキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化、薄型化、高精細化の要求に伴い、IC等の電子部品を搭載する基板の配線は微細化が進行している。なかでも液晶表示素子(LCD)の駆動ICはTABテープを搭載基板とするTCP(Tape Carrier Package)が好ましく用いられているが、表示の高精細化、駆動ICの多出力化、ICの小型化などの進展に伴い、TCPに用いられるTABテープのパターンピッチはファイン化の一途を辿っている。
【0003】
一般的なTCPは以下のような構成を有している。すなわち、図5において、ポリイミド等の絶縁フィルムから成るテープ基材31上に銅箔用接着剤32によって銅箔33に錫めっき35を施した回路配線パターン33aを形成した三層を成すフィルムテープ(三層基板TABテープ30)に、デバイスホール20を設ける。そして、このデバイスホール20内にLSIの半導体チップ7を位置させて、この半導体チップ7の電極(金バンプ6)と配線パターン33aのインナーリード33bとを、加熱ステージ5及び加熱ツール9を用いてボンディング接続する。そして、半導体チップ7及びその接続部の周囲を高信頼性樹脂によって封止してTCPデバイスが形成される。但し、図5においては、高信頼性樹脂は省略している。なお、銅リード33aは表面の一部をソルダーレジスト34により被覆し、これに被覆されずに露出しているインナーリード33bに錫めっき35を施した構造とする。この錫めっき35はICチップ及び液晶ガラスとの接続の為に施され、またソルダーレジスト34は絶縁と機械的強度向上の為に設けられる。
【0004】
このように微細配線を有する基板として図5に示すTABテープ材(三層基板TABテープ30)が適用されているが、このテープ材にはIC搭載部のデバイスホール20が設けられ、インナーリード33bがデバイスホール20に突出するフライングリード構造となっている。
【0005】
しかし、インナーリード33bの配線ピッチが40μmを下回るとフライングリードの形成が困難になり、さらにリードピンが曲がり易く、ICチップとの接合が困難になる。この解決策の一つとして、最近、テープ状絶縁フィルム上に所望の配線パターンを形成し、めっき後絶縁テープを介してチップと接合するCOF(Chip on FilmまたはChip on Flex)と称されるパッケージが適用されている。
【0006】
このCOF方式は、図6に示すように、ポリイミドテープから成るテープ基材41に銅箔2をメタライジング法(PIテープ上にニッケル合金をスパッタリングしてシード層とし、その後銅めっきを施す製法)又はキャスティング法(銅箔にPIワニスを塗布しキュアにより硬化させる方法)で接合した二層基板材料(二層基板COFテープ40)を用いるもので、デバイスホールやフライングリードがなく、銅箔による銅リード10a及びインナーリード10bを含む微細配線(配線パターン10)はポリイミドテープ材(テープ基材41)に接合された状態で形成される。従って、インナーリード10bの変形は無く、また銅箔2は薄いので40μmピッチ以下の超微細配線が可能になる。なお、銅リード10aの表面の一部をソルダーレジスト3により被覆し、これに被覆されずに露出しているインナーリード10bに錫めっき11を施した構造とする点は図5のTCP方式の場合と同じである。この錫めっき11はICチップ及び液晶ガラスとの接続の為に施され、またソルダーレジスト3は絶縁と機械的強度向上の為に設けられる。
【0007】
ICチップとのボンディングは、次のようになされる。搭載基板としてTABテープを使用するTCPのボンディング方式の場合は、図5に示すように、加熱ステージ5の上に、金バンプ6を形成した半導体チップ7をセットし、CCDカメラ8でTABテープの錫めっきを施したフライングリード33bと金バンプ6を位置合わせした後、一定温度の加熱ツール9で一定時間加圧してAu−Sn共晶接合(加熱接合)する。
【0008】
これに対し、COFのボンディング方式の場合は、図6に示すように、加熱ステージ5の上に、金バンプ6を形成した半導体チップ7をセットし、CCDカメラ8で、二層基板のテープ基材41であるポリイミド樹脂を介して、錫めっき11を施したリード10bと金バンプ6を位置合わせした後、一定温度の加熱ツール9で一定時間加圧してAu−Sn共晶接合(加熱接合)するので、加熱ツール9は汚れない。
【0009】
しかし、位置合せはテープ基材41のポリイミド樹脂を介してリード10bを認識することから、ポリイミド樹脂は薄く透明性であることが要求され、その厚さが12.5μm、20μm、25μm及び38μmのものが使用されている。また、ポリイミド樹脂を介しての加熱接合の為、加熱ツール9の熱伝達が阻害されるので、同じAu−Sn共晶を形成するには、TCPのボンディング方式に比較して加熱ツール9の温度を高くする必要がある。この為、図7に示すようにCOF用テープ基材41の熱変形と熱収縮により、加熱ツール9がCOF用テープ基材41にめりこむ。接合が完了した後加熱ツール9の圧力を解除して除去すると、図8に示すように、COFテープ40が加熱ツール9に付着することがある。
【0010】
この対策として、加熱ツールの温度を下げ、加圧時間を長くしてAu−Sn共晶が生成する為の熱量を負荷している、この為、生産性が悪くなっている。また、しばしば、接合部分に微少空隙が生成して不良を発生している。
【0011】
なお、TABテープの寸法変化を小さくするためには、TAB用テープのベース材すなわちポリイミドフィルムが応力・温度変化・吸湿度変化による寸法変化が小さいことが必要であるとの観点から、線膨張係数が小さく、弾性率が高く吸湿膨張係数の低いポリイミドフィルムが求められるとして、従来、300℃以上400℃以下の温度における貯蔵弾性率が200MPa以上であるポリイミドフィルムを有するTABテープについて提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−299359号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1は、COFテープ特有の問題点であるCOFテープが加熱ツール9に付着する不都合を解決しようとするものではない。すなわち、300℃以上400℃以下の温度における貯蔵弾性率に言及があるものの、高寸法安定性を目的とするものであって、本発明とは直接の関係はない。
【0014】
上述したように、COFのボンディングは、加熱ツールにより絶縁フィルムを介して加圧してリードをチップに加熱接合する。したがって、COFのボンディングにおいては、加熱ツール温度を高くして、短時間で接合する必要があるが、ポリイミドの種類によっては加熱ツールにCOFテープが付着して、加熱接合が適正にできないことがある、という課題がある。
【0015】
そこで本発明の目的は、上記課題を解決し、COFのボンディングにおいて、COFボンディング不良をなくし、加熱ツール温度が高く、短時間でボンディングできる絶縁フィルムをCOFテープ基材とした半導体装置用テープキャリアを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0017】
請求項1の発明に係る半導体装置用テープキャリアは、樹脂製の絶縁フィルムから成るテープ基材上にCOF接続のためのリードを含む配線パターンを形成し、その配線パターンのリードに、テープ基材の反対側の面からの加熱ツールによる加圧でリードを半導体チップに加熱接合するためのめっきを施した半導体装置用テープキャリアにおいて、上記テープ基材を構成する絶縁フィルムに、動的弾性率が1.5GPa以上の材料を用いたことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、上記テープ基材を構成する絶縁フィルムの厚さが、12.5〜50.0μmであることを特徴とする。
【0019】
これはテープ基材たる絶縁フィルムの厚さが12.5μmより薄いと、フィルムの腰が弱いためスムースなテープ搬送ができなく、TABテープの製造ラインに適用することが困難になるなどの問題があり、また50.0μmより厚いと、逆に搬送し難い、価格が高い、かさばる、重くなる、といった問題が生じるためである。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、上記テープ基材を構成する絶縁フィルムが、温度範囲300〜350℃の範囲で動的弾性率が1.5GPa以上の材料から成ることを特徴とする。
【0021】
これは、加熱ツールによる加圧加熱接合は通常300〜350℃の温度範囲で行われるからである。
【0022】
請求項4の発明に係る半導体装置用テープキャリアは、樹脂製の絶縁フィルムから成るテープ基材上にCOF接続のためのリードを含む配線パターンを形成し、その配線パターンのリードに、テープ基材の反対側の面からの加熱ツールによる加圧でリードを半導体チップに加熱接合するためのめっきを施した半導体装置用テープキャリアにおいて、上記テープ基材の加熱ツールで加圧する面に、動的弾性率1.5GPa以上のポリイミド樹脂フィルムを1〜3μm積層したことを特徴とする。
【0023】
これは、上記テープ基材を構成する絶縁フィルムが二層からなり、加熱ツールで加圧する面に動的弾性率1.5GPa以上のポリイミド樹脂を1〜3μm積層した材料を用いた形態を含むものである。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、上記テープ基材を構成する絶縁フィルムがポリイミド樹脂から成ることを特徴とする。
【0025】
<発明の要点>
本発明は、COFパッケージ用フィルムキャリアにおけるボンディング性向上のために、そのCOFテープ基材の絶縁フィルムを提案するものである。COFのボンディングは、テープ基材を介して接合部に熱を伝達して行われるので、Au−Sn共晶接合の熱容量確保の為に加熱ツールの温度を高くする必要がある。この条件を満足するため、本発明では、テープ基材としての樹脂製絶縁フィルムに、動的弾性率が1.5GPa以上の材料、好ましくはポリイミド樹脂を採用し、これによりCOFテープの加熱ツールへの付着を防止する。
【0026】
本発明者等は、各種ポリイミド材質でCOFテープを製造し、パルスツール実験装置を用い、加熱ツールへのテープ付着状況を確認した。その結果、ポリイミド樹脂の種類により加熱ツールへ付着する温度が異なることが分かった。その原因を調査した結果、ポリイミド樹脂の種類により動的弾性率が異なり、しかもその温度プロファイルも異なることが分かった。すなわち、COFのボンディングで一般に実施されている加熱ツールの温度300〜350℃以上で動的弾性率が急激に低下し、しかも1.5GPa未満のポリイミドは加熱ツールに付着し易くなる。
【0027】
したがって、COFの場合はポリイミドの材質を適切に選定しないと、ボンディング作業において加熱ツールにCOFテープが付着してAu−Sn共晶接合が形成されず剥離する。また、接合したとしても接合部分に微少空隙が生成して信頼性が低下しボンディング不良となる。
【0028】
よって、COFボンディング性の向上の為には、動的弾性率が1.5GPa以上のポリイミド樹脂をテープ基材として用いるのが最適であることが分かった。
【0029】
また、加熱ツールの接触する範囲はテープ裏面の深さ1μm以下のため、この部分に動的弾性率1.5GPa以上のポリイミド樹脂を接着した二層構造とした場合でも、加熱ツールへのCOFテープの付着を防止することができることを確認した。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本発明の半導体装置用テープキャリアの実施形態に係るCOFテープと、これに半導体チップを接合しCOF構造の半導体パッケージとするボンディング工程を示した断面図である。
【0032】
この図1の半導体装置用テープキャリアも、その基本的構造は従来の図6の場合と同様であり、樹脂製の透明な絶縁フィルムから成るテープ基材1に、銅箔2をメタライジング法によって接合した二層基材(二層構造基板のテープ材料)を用い、その銅箔2をパターニングして銅リード10aを含む配線パターンを形成し、銅リード10aの表面の一部を絶縁膜であるソルダーレジスト3により被覆して保護し、これから露出したインナーリード10bに半導体チップ7の金バンプ6と共晶接続するための錫めっき層11を施した構造のCOFフィルムキャリアテープ(二層基板COFテープ4)となっている。従って、デバイスホールが存在せず、インナーリード10b(図3)はフライングリードとはなっていない。
【0033】
しかし、図6のCOFテープと大きく異なり、このCOFテープ4では、樹脂製の透明な絶縁フィルムから成るテープ基材1には、300〜350℃の範囲での動的弾性率が1.5GPa以上のポリイミド樹脂フィルムが用いられている。
【0034】
[実施例1〜2]
本発明のCOFテープ基材絶縁フィルム及び従来のCOFテープ基材絶縁フィルムの加熱ツール温度と加熱ツールへのテープ付着実験結果を表1に示す。表1に示すように、本発明例1(実施例1)は、300〜350℃の範囲での動的弾性率が12.5〜10GPaの樹脂フィルムの場合(図2)を、本発明例2(実施例2)は、300〜350℃の範囲での動的弾性率が1.5GPaの樹脂フィルムの場合(図3)を示す。従来例No1〜2(従来例1〜2)は、300〜350℃の範囲での動的弾性率がそれぞれ−3.0〜1.0GPa未満の樹脂フィルムの場合(図4)を、また、従来例No3〜4(従来例3〜4)は、300〜350℃の範囲での動的弾性率がそれぞれ−5.0〜1.5GPa未満の樹脂フィルムの場合(図4)を示す。加熱ツール付着判定の表記は、○;付着無し、△;少し付着、×;付着、××;付着大、×××;固着テープ破損とした。
【0035】
【表1】
Figure 2004207550
【0036】
表1から明らかなように、従来例No1〜4のCOF用絶縁フィルムは、いずれの場合も270℃以上で加熱ツールに付着するが、本発明例No1及び2のCOF用絶縁フィルムは、370℃までは加熱ツールに付着し無い。特に本発明例No1の場合は400℃でも付着し無いことを見出した。また、COFのボンディングは、一般に加熱ツール温度を350〜370℃で行うので、本発明のCOFテープ絶縁フィルムは充分適用できる。
【0037】
本発明のCOFテープ基材絶縁フィルムの動的弾性率は表1に示すように0.5〜12.5GPaで、図2、図3に示すように300〜350℃の動的弾性率の温度プロファイルからも分かるように、動的弾性率の低下は、図4に示す従来例No1〜4に比較して、その低下傾向が小さい。
【0038】
次に、上記した本発明例と従来例のCOFテープ絶縁フィルムを用いて、図1の二層基板COFテープ4を作製し、そのボンディング不良率(テープ剥れ、フィレット不良、接合部ボイド不良)について調べた。
【0039】
ここで二層基板COFテープ4は次のようにして作製した。テープ基材1として、300〜350℃の範囲での動的弾性率が10.0〜12.5GPaの厚さ38μmのポリイミド(商品名;ユピセルS)を用い、これをプラズマ表面処理し、スパッタリングによりシード層を付けた後、電解めっきで銅(銅箔2)を8μmめっきしたCOF用テープに、導体パターン(配線パターン10)をエッチングで形成し、さらに無電解錫めっき(錫めっき層11)を施した。得られたCOFフィルムキャリアテープにICチップ(半導体チップ7)をボンディングした。ボンディング条件は、加熱ツール温度;350℃、加熱ステージ温度;425℃、接合時間;1秒で実施した。
【0040】
表2に本発明及び従来のCOF絶縁フィルムを用いた場合のボンディングによる不良割合を示す。ボンディング不良の内訳は、テープ剥れ、フィレット不良、接合部ボイド不良である。ここで「テープ剥れ」は、チップの金バンプに錫めっきしたCOFテープのリードを高温加熱圧着した後リードがバンプから剥れる現象である。この現象が発生するとチップとの導通が取れないので、重大な不良となる。「フィレット不良」は、チップの金バンプに錫めっきしたCOFテープのリードを高温加熱圧着した際、フィレットがリード周辺に盛り上がらないで落ち込みが発生する現象である。この現象が発生するとリードの接着強度(ピール強度)が低下する。「接合ボイド不良」は、チップの金バンプに錫めっきしたCOFテープのリードを高温加熱圧着した際、バンプとリード間にボイド(空隙)が発生する現象である。この現象が発生するとリードの接着強度(ピール強度)が低下する。
【0041】
【表2】
Figure 2004207550
【0042】
本発明例No1、No2では、加熱ツールへの付着が発生しないので、ほとんどボンディング不良が発生しない。すなわち、本発明例No1で0%(0/10Kpcs(キロピース))、No2で0.1%(10/10Kpcs)である。これに対し、従来例1〜4のCOFテープ基材絶縁フィルムの場合は、加熱ツールへのテープ付着が発生するので、20%(2Kpcs/10Kpcs)〜40%(4Kpcs/10Kpcs)のボンディング不良が発生している。不良の内訳は、表2に示すとおり、テープ剥れ、フィレット不良、接合部ボイド不良である。
【0043】
上記「テープ剥れ不良」の原因は、加熱ツールでテープの上から加圧してバンプの金とリードにめっきした錫で金−錫の共晶合金を形成して接合する際に、従来のCOFテープは動的弾性率が小さい為、加熱ツールがテープに貼り付き、金−錫の共晶を形成する前にツールと一緒にテープが持ち上がり、リードが剥れることによる。また、「フィレット不良」の原因は、加熱ツールでテープの上から加圧してバンプの金とリードにめっきした錫で金−錫の共晶合金を形成して接合する際に、従来のCOFテープは動的弾性率が小さい為、加熱ツールがテープに貼り付き、金−錫の共晶を完全に形成する前に若干ツールと一緒にテープ及びリードが持ち上がり、フィレットがリードとバンプの隙間に引き込まれることによる。さらにまた、「接合ボイド不良」の原因は、加熱ツールでテープの上から加圧してバンプの金とリードにめっきした錫で金−錫の共晶合金を形成して接合する際に、従来のCOFテープは動的弾性率が小さい為、加熱ツールがテープに貼り付き、金−錫の共晶を完全に形成する前にツールと一緒にテープ及びリードが持ち上がりリードとバンプ間にボイド(空隙)が発生することによる。これらの原因の裏づけは、表1、図2〜図4に示した通りである。
【0044】
上記表2の結果から、本発明のCOFテープ基材に動的弾性率が1.5GPa以上の絶縁フィルムを用いたCOFフィルムキャリアテープは、ボンディング不良を大幅に改善できることが分かる。また、本発明により産業界への寄与が大きい。
【0045】
[実施例3]
上記実施例1〜2では、COFテープ基材の絶縁フィルムが単層の実施形態について説明したが、他の実施形態として、従来例のCOFテープを応用し、そのテープ基材の加熱ツール側の面(少なくとも加熱ツールの当接する面)に、加熱ツールの付着し難い動的弾性率1.5GPa以上の薄いテープを接合し、二層COFテープとすることもでき、これによっても、上記したボンディング不良の生じない半導体装置用テープキャリアを得ることができる。
【0046】
そのような実施形態の製作例(実施例3)として、従来のCOFテープ(図6の二層基板COFテープ40)の加熱ツール接合面に、動的弾性率が1.5GPa以上の厚さ3μmのユーピレックスS(宇部興産株式会社の商品名)を接合した樹脂フィルムを用いてCOFテープを製造して、前述の実施例1〜2と同じようにボンディングした。その結果、本実施例3のボンディング不良率は0%(0/10Kpcs)であった。
【0047】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の半導体装置用テープキャリアによれば、動的弾性率1.5GPa以上の絶縁フィルムをCOFフィルムキャリアのテープ基材に適用しているので、これによりCOFボンディング不良を0%にすることができ、品質に優れたCOFパッケージ用のテープキャリアを提供することができる。また、本発明の半導体装置用テープキャリアを用いた場合、COFのボンディングにおいて加熱ツール温度を高くし、短時間でボンディングすることができることから、産業の発展に寄与する点が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置用テープキャリア及びそのボンディング方式を示した図である。
【図2】本発明の実施例1(本発明例No1)に係るCOFテープ基材の絶縁フィルムの動的弾性率温度プロファイルを示した図である。
【図3】本発明の実施例2(本発明例No2)に係るCOFテープ基材の絶縁フィルムの動的弾性率温度プロファイルを示した図である。
【図4】従来例のCOFテープ基材の絶縁フィルムの動的弾性率温度プロファイルを示した図である。
【図5】従来のTABテープによるTCPの構造とボンディング方式を示した図である。
【図6】従来のCOFテープの構造とボンディング方式を示した図である。
【図7】COFテープにおけるボンディング時の加熱ツール接着不具合を示す模式図である。
【図8】COFテープにおける加熱ツールへのテープ付着を示す模式図である。
【符号の説明】
1 テープ基材
2 銅箔
3 ソルダーレジスト
4 二層基板COFテープ
5 加熱ステージ
6 金バンプ
7 半導体チップ
8 CCDカメラ
9 加熱ツール
10 配線パターン
10a 銅リード
10b インナーリード
11 錫めっき層
20 デバイスホール

Claims (5)

  1. 樹脂製の絶縁フィルムから成るテープ基材上にCOF接続のためのリードを含む配線パターンを形成し、その配線パターンのリードに、テープ基材の反対側の面からの加熱ツールによる加圧でリードを半導体チップに加熱接合するためのめっきを施した半導体装置用テープキャリアにおいて、
    上記テープ基材を構成する絶縁フィルムに、動的弾性率が1.5GPa以上の材料を用いたことを特徴とする半導体装置用テープキャリア。
  2. 請求項1記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、
    上記テープ基材を構成する絶縁フィルムの厚さが、12.5〜50.0μmであることを特徴とする半導体装置用テープキャリア。
  3. 請求項1又は2記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、
    上記テープ基材を構成する絶縁フィルムが、温度範囲300〜350℃の範囲で動的弾性率が1.5GPa以上の材料から成ることを特徴とする半導体装置用テープキャリア。
  4. 樹脂製の絶縁フィルムから成るテープ基材上にCOF接続のためのリードを含む配線パターンを形成し、その配線パターンのリードに、テープ基材の反対側の面からの加熱ツールによる加圧でリードを半導体チップに加熱接合するためのめっきを施した半導体装置用テープキャリアにおいて、
    上記テープ基材の加熱ツールで加圧する面に、動的弾性率1.5GPa以上のポリイミド樹脂フィルムを1〜3μm積層したことを特徴とする半導体装置用テープキャリア。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、
    上記テープ基材を構成する絶縁フィルムがポリイミド樹脂から成ることを特徴とする半導体装置用テープキャリア。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100463158C (zh) * 2006-08-21 2009-02-18 南茂科技股份有限公司 薄膜覆晶封装构造及其多层电路卷带结构
US7906374B2 (en) 2008-02-18 2011-03-15 Himax Technologies Limited COF packaging structure, method of manufacturing the COF packaging structure, and method for assembling a driver IC and the COF packaging structure thereof

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