JP2004204869A - クリップ部材 - Google Patents
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Abstract
【目的】取付部材の支持部材への組付精度を向上する。
【構成】クリップ30の支持部46が下方、クリップ30のロック爪41が上方となるように、クリップ30をインナパネル18に形成した長孔32の外周縁部に係合することで、弾性変形するロック爪41によって、クリップ30をインナパネル18の長孔32の外周縁部に確実に係合することができる。また、ドアガラス12の荷重が作用するクリップ30の下方側の支持部46は、ロック爪41のように弾性変形しないので、ドアガラス12の組付位置がインナパネル18に対して下方へ移動することはない。
【選択図】 図1
【構成】クリップ30の支持部46が下方、クリップ30のロック爪41が上方となるように、クリップ30をインナパネル18に形成した長孔32の外周縁部に係合することで、弾性変形するロック爪41によって、クリップ30をインナパネル18の長孔32の外周縁部に確実に係合することができる。また、ドアガラス12の荷重が作用するクリップ30の下方側の支持部46は、ロック爪41のように弾性変形しないので、ドアガラス12の組付位置がインナパネル18に対して下方へ移動することはない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクリップ部材に係り、特に、自動車等の車両に適用されるクリップ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両に適用されるクリップ部材においては、ウインドガラスを、車体のウインド開口部における上下方向位置決め部、左右方向位置決め部及び逃がし部を含む複数個所に対して係合するようになっており、クリップ部材を、ウインドガラスの内面に固着される基部と、基部から突出され且つ逃がし部に対して係合される第1弾性係合部と、第1弾性係合部の先端側にあって第1弾性係合部より係合力が大きく且つ各位置決め部に対して係合される第2弾性係合部とによって構成すると共に、位置決め部を逃がし部より車室側に段下げされた形状としている構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−8023号公報(段落[0015]、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構成では、クリップ部材の第2弾性係合部が、車体上下方向へ変形可能な上下一対のロック爪で構成されている。この結果、車体装着時には、ウインドガラスの重さにより、車体の取付用長孔の外周縁部に係合している下方側のロック爪が上方に撓む。このため、ウインドガラスの組付位置が下方にずれるという不具合がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、取付部材の支持部材への組付精度を向上できるクリップ部材を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のクリップ部材は、取付部材に固定される基部と、
前記基部に立設され、支持部材に形成した長孔に挿通される軸部と、
前記軸部の外周部に形成され、前記長孔の外周縁部に係合するロック爪と、
前記軸部の外周部における前記ロック爪の反対側に形成した補強用リブと、
前記軸部の外周部における前記補強用リブと前記軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、
前記補強用リブと前記凸部と前記軸部の外周部とで形成され、前記支持部材に支持される支持部と、
を有することを特徴とする。
【0007】
従って、クリップ部材の基部に取付部材を固定し、クリップ部材の軸部を、支持部材に形成した長孔に挿通すると、軸部の外周部に形成したロック爪が、長孔の外周縁部に係合する。この時、クリップ部材の軸部の外周部におけるロック爪の反対側に形成した補強用リブと、クリップ部材の軸部の外周部における補強用リブと軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、軸部の外周部とで形成した支持部によって支持部材に支持される。この結果、クリップ部材を、その支持部が下方、ロック爪が上方となるように、支持部材の長孔の外周縁部に係合することで、弾性変形するロック爪が、支持部材の長孔の外周縁部に確実に係合する。また、取付部材の荷重が作用するロック部材の下方側の支持部は、ロック爪のように弾性変形しない。このため、取付部材が下方にずれることが無く、取付部材の支持部材への組付精度を向上できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係るクリップ部材の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0009】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0010】
図5に示される如く、本実施形態では自動車車体のバックドア10に、取付部材としてのドアガラス12が車室内側後方から取付けられている。また、ドアガラス12の上縁部における車幅方向端部の一方12Aには、基準孔用のクリップ14が貼着されている。
【0011】
図4に示される如く、基準孔用のクリップ14は周知のクリップ構造であり、クリップ14の基部14Aがドアガラス12の車室内側面12Aに両面テープ等によって貼着されている。また、クリップ14の軸部14Bは、支持部材としてのバックドア10のインナパネル18に形成した基準孔(丸孔)20に挿通されている。クリップ14の軸部14Bには、上下にロック爪22、24がそれぞれ形成されており、これらのロック爪22、24は、基準孔20の外周縁部における上部と下部にそれぞれ係合している。
【0012】
図5に示される如く、ドアガラス12の上縁部における車幅方向端部の他方の端部12Bには、クリップ部材としてのクリップ30が貼着されており、クリップ30は、バックドア10のインナパネル18に形成した車幅方向を長手方向とする長孔32に係合されている。
【0013】
図2に示される如く、クリップ30は、矩形板状の基部34と、基部34の中央部に立設された円柱形状の軸部36とで構成されており、基部34が両面テープ等によってドアガラス12の車室内側面12Aに貼着されている。なお、クリップ30における軸部36の先端部36Aは尖塔形状とされている。
【0014】
また、クリップ30の軸部36における基部34の近傍には、外周部の車幅方向両側面36Bと下面36Cに、それぞれ矩形板状の補強用リブ40が、軸部36の軸方向(車両前後方向)に沿って立設されており、これらの補強用リブ40の後端部は基部34に達している。
【0015】
図1に示される如く、クリップ30の軸部36における基部34の近傍には、外周部の上面36Dにロック爪41が形成されており、ロック爪41の後端に形成した段部41Aが、図3に示される如く、インナパネル18の長孔32の外周縁部における上部32Aに当接している。
【0016】
図1に示される如く、クリップ30の軸部36におけるロック爪41の軸中心側及び後側には、隙間42が形成されており、ロック爪41が軸中心側(図1の矢印A方向)へ弾性変形により撓むようになっている。
【0017】
図3に示される如く、クリップ30の軸部36におけるロック爪41の周方向両側には隙間43が形成されており、ロック爪41の頂面41Bと、クリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと、の高さの差がHとなっている。
【0018】
図2に示される如く、クリップ30の軸部36の外周部におけるロック爪41の反対側、即ち、外周部における下面36Cには、補強用リブ40の前方に軸部36の軸方向(車両前後方向)先端側に所定の隙間を開けて凸部48が突出形成されており、補強用リブ40と凸部48と軸部36の外周部の下面36Cとで支持部46を形成している。
【0019】
図1に示される如く、凸部48の側面視形状は三角形状となっており、クリップ30の支持部46には、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bが係合している。
【0020】
なお、クリップ30の凸部48の高さH1は、ロック爪41の頂面41Bと、クリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと、の高さの差Hと、略等しく設定されており、ロック爪41が軸中心側(図1の矢印A方向)へ弾性変形により撓み、ロック爪41の頂面41Bがクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと同じ高さになることで、クリップ30の軸部36における凸部48を形成した部位が、インナパネル18の長孔32を通過できるようになっている。
【0021】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0022】
本実施形態では、クリップ30の軸部36を、インナパネル18に形成した長孔32に挿通すると、ロック爪41が軸中心側(図1の矢印A方向)へ弾性変形により撓み、ロック爪41の頂面41Bがクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと同じ高さになる。この結果、高さH1を、ロック爪41の頂面41Bとクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dとの高さの差Hと、略等しく設定した凸部48を形成したクリップ30の軸部36における部位が、インナパネル18の長孔32を通過できる。
【0023】
このため、クリップ30のロック爪41が、長孔32の上部32Aに係合する。この時、クリップ30の軸部36の外周部におけるロック爪41の反対側の下面36Cに形成した補強用リブ40と、凸部48と、下面36Cとで形成した支持部46が、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bに支持される。
【0024】
従って、本実施形態では、クリップ30の支持部46が下方、クリップ30のロック爪41が上方となるように、クリップ30を、インナパネル18に形成した長孔32の外周縁部に係合することで、弾性変形するロック爪41によって、クリップ30をインナパネル18の長孔32の外周縁部に確実に係合することができる。また、ドアガラス12の荷重が作用するクリップ30の下方側の支持部46は、ロック爪41のように弾性変形しないので、ドアガラス12の組付位置がインナパネル18に対して下方へに移動することはない。
【0025】
一方、図5に示される如く、インナパネル18の基準孔20側においては、クリップ14の外周部の略全周が基準孔20と当接するため、ドアガラス12の組付位置が下方へ移動することはない。
【0026】
この結果、図5に二点鎖線で示すように、組付後のドアガラス12が傾くことがなく、ドアガラス12のバックドア10への組付精度を向上できる。
【0027】
また、本実施形態では、図3に示される如く、クリップ30の支持部46における、インナパネル18の長孔32の下部32Bとの当接面が、クリップ30の軸部36の外周面となり円弧形状である。この結果、弾性変形するロック爪を形成する場合に必要となる逃げ溝がクリップ30の軸部36の下面36Cに無く、この逃げ溝による組付位置の下方へのずれも発生しない。このため、ドアガラス12のバックドア10への組付精度を更に向上できる。
【0028】
また、本実施形態では、クリップ30の補強用リブ40と、凸部48と、下面36Cとで形成した支持部46が、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bに支持されており、補強用リブ40が車両後方から、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bを支持している。この結果、インナパネル18に対するクリップ30のドアガラス12に対する剥離方向の傾きを防止できる。従って、クリップ30のドアガラス12への接着面を広げたり、接着剤の強度を上げたりする必要がないため、コストダウンが図れる。更には、接着面積を小さくでき、意匠的にも有利である。
【0029】
また、本実施形態では、クリップ30のロック爪41が1つであるため、ロック爪41が係合した際のクリック音が1回となる。このため、クリック音のチューニングが容易となり、係合が完全に行われたか否かをクリック音により容易に行えるので、組付作業性が向上する。
【0030】
また、本実施形態では、撓み用の隙間42を必要とするクリップ30のロック爪41が1つである。この結果、クリップ30の成形型の構造が単純化できるため、成形型のコストを低減できる。
【0031】
また、本実施形態では、クリップ30の凸部48の高さH1と、ロック爪41の頂面41Bとクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dとの高さの差Hと、を調整することで、インナパネル18の長孔32へのクリップ30の挿入負荷を、挿入し易い値で且つ挿入する際に所定の節度が得られるように容易に設定できる。
【0032】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、本発明のクリップ部材は、上記実施形態におけるバックドア10へのドアガラス12の取付に使用するクリップ30に限定されず、車体の側面に形成した開口部にウインドガラスを取付けるクリップ部材や、ウインドガラス以外の取付部材を、車体側の支持部材に固定するクリップ部材にも適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明のクリップ部材は、取付部材に固定される基部と、基部に立設され、支持部材に形成した長孔に挿通される軸部と、軸部の外周部に形成され、長孔の外周縁部に係合するロック爪と、軸部の外周部におけるロック爪の反対側に形成した補強用リブと、軸部の外周部における補強用リブと軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、補強用リブと凸部と軸部の外周部とで形成され、支持部材に支持される支持部と、を有するため、取付部材の支持部材への組付精度を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図5の1−1線に沿った拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るクリップ部材を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図である。
【図4】図5の4−4線に沿った拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るクリップ部材が適用されたバックドアを示す車両前方から見た概略図である。
【符号の説明】
10 バックドア
12 ドアガラス(取付部材)
18 インナパネル(支持部材)
30 クリップ(クリップ部材)
32 インナパネルの長孔
34 クリップの基部
36 クリップの 軸部
40 補強用リブ
41 ロック爪
46 支持部
48 凸部
【発明の属する技術分野】
本発明はクリップ部材に係り、特に、自動車等の車両に適用されるクリップ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両に適用されるクリップ部材においては、ウインドガラスを、車体のウインド開口部における上下方向位置決め部、左右方向位置決め部及び逃がし部を含む複数個所に対して係合するようになっており、クリップ部材を、ウインドガラスの内面に固着される基部と、基部から突出され且つ逃がし部に対して係合される第1弾性係合部と、第1弾性係合部の先端側にあって第1弾性係合部より係合力が大きく且つ各位置決め部に対して係合される第2弾性係合部とによって構成すると共に、位置決め部を逃がし部より車室側に段下げされた形状としている構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−8023号公報(段落[0015]、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構成では、クリップ部材の第2弾性係合部が、車体上下方向へ変形可能な上下一対のロック爪で構成されている。この結果、車体装着時には、ウインドガラスの重さにより、車体の取付用長孔の外周縁部に係合している下方側のロック爪が上方に撓む。このため、ウインドガラスの組付位置が下方にずれるという不具合がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、取付部材の支持部材への組付精度を向上できるクリップ部材を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のクリップ部材は、取付部材に固定される基部と、
前記基部に立設され、支持部材に形成した長孔に挿通される軸部と、
前記軸部の外周部に形成され、前記長孔の外周縁部に係合するロック爪と、
前記軸部の外周部における前記ロック爪の反対側に形成した補強用リブと、
前記軸部の外周部における前記補強用リブと前記軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、
前記補強用リブと前記凸部と前記軸部の外周部とで形成され、前記支持部材に支持される支持部と、
を有することを特徴とする。
【0007】
従って、クリップ部材の基部に取付部材を固定し、クリップ部材の軸部を、支持部材に形成した長孔に挿通すると、軸部の外周部に形成したロック爪が、長孔の外周縁部に係合する。この時、クリップ部材の軸部の外周部におけるロック爪の反対側に形成した補強用リブと、クリップ部材の軸部の外周部における補強用リブと軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、軸部の外周部とで形成した支持部によって支持部材に支持される。この結果、クリップ部材を、その支持部が下方、ロック爪が上方となるように、支持部材の長孔の外周縁部に係合することで、弾性変形するロック爪が、支持部材の長孔の外周縁部に確実に係合する。また、取付部材の荷重が作用するロック部材の下方側の支持部は、ロック爪のように弾性変形しない。このため、取付部材が下方にずれることが無く、取付部材の支持部材への組付精度を向上できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係るクリップ部材の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0009】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0010】
図5に示される如く、本実施形態では自動車車体のバックドア10に、取付部材としてのドアガラス12が車室内側後方から取付けられている。また、ドアガラス12の上縁部における車幅方向端部の一方12Aには、基準孔用のクリップ14が貼着されている。
【0011】
図4に示される如く、基準孔用のクリップ14は周知のクリップ構造であり、クリップ14の基部14Aがドアガラス12の車室内側面12Aに両面テープ等によって貼着されている。また、クリップ14の軸部14Bは、支持部材としてのバックドア10のインナパネル18に形成した基準孔(丸孔)20に挿通されている。クリップ14の軸部14Bには、上下にロック爪22、24がそれぞれ形成されており、これらのロック爪22、24は、基準孔20の外周縁部における上部と下部にそれぞれ係合している。
【0012】
図5に示される如く、ドアガラス12の上縁部における車幅方向端部の他方の端部12Bには、クリップ部材としてのクリップ30が貼着されており、クリップ30は、バックドア10のインナパネル18に形成した車幅方向を長手方向とする長孔32に係合されている。
【0013】
図2に示される如く、クリップ30は、矩形板状の基部34と、基部34の中央部に立設された円柱形状の軸部36とで構成されており、基部34が両面テープ等によってドアガラス12の車室内側面12Aに貼着されている。なお、クリップ30における軸部36の先端部36Aは尖塔形状とされている。
【0014】
また、クリップ30の軸部36における基部34の近傍には、外周部の車幅方向両側面36Bと下面36Cに、それぞれ矩形板状の補強用リブ40が、軸部36の軸方向(車両前後方向)に沿って立設されており、これらの補強用リブ40の後端部は基部34に達している。
【0015】
図1に示される如く、クリップ30の軸部36における基部34の近傍には、外周部の上面36Dにロック爪41が形成されており、ロック爪41の後端に形成した段部41Aが、図3に示される如く、インナパネル18の長孔32の外周縁部における上部32Aに当接している。
【0016】
図1に示される如く、クリップ30の軸部36におけるロック爪41の軸中心側及び後側には、隙間42が形成されており、ロック爪41が軸中心側(図1の矢印A方向)へ弾性変形により撓むようになっている。
【0017】
図3に示される如く、クリップ30の軸部36におけるロック爪41の周方向両側には隙間43が形成されており、ロック爪41の頂面41Bと、クリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと、の高さの差がHとなっている。
【0018】
図2に示される如く、クリップ30の軸部36の外周部におけるロック爪41の反対側、即ち、外周部における下面36Cには、補強用リブ40の前方に軸部36の軸方向(車両前後方向)先端側に所定の隙間を開けて凸部48が突出形成されており、補強用リブ40と凸部48と軸部36の外周部の下面36Cとで支持部46を形成している。
【0019】
図1に示される如く、凸部48の側面視形状は三角形状となっており、クリップ30の支持部46には、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bが係合している。
【0020】
なお、クリップ30の凸部48の高さH1は、ロック爪41の頂面41Bと、クリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと、の高さの差Hと、略等しく設定されており、ロック爪41が軸中心側(図1の矢印A方向)へ弾性変形により撓み、ロック爪41の頂面41Bがクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと同じ高さになることで、クリップ30の軸部36における凸部48を形成した部位が、インナパネル18の長孔32を通過できるようになっている。
【0021】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0022】
本実施形態では、クリップ30の軸部36を、インナパネル18に形成した長孔32に挿通すると、ロック爪41が軸中心側(図1の矢印A方向)へ弾性変形により撓み、ロック爪41の頂面41Bがクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dと同じ高さになる。この結果、高さH1を、ロック爪41の頂面41Bとクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dとの高さの差Hと、略等しく設定した凸部48を形成したクリップ30の軸部36における部位が、インナパネル18の長孔32を通過できる。
【0023】
このため、クリップ30のロック爪41が、長孔32の上部32Aに係合する。この時、クリップ30の軸部36の外周部におけるロック爪41の反対側の下面36Cに形成した補強用リブ40と、凸部48と、下面36Cとで形成した支持部46が、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bに支持される。
【0024】
従って、本実施形態では、クリップ30の支持部46が下方、クリップ30のロック爪41が上方となるように、クリップ30を、インナパネル18に形成した長孔32の外周縁部に係合することで、弾性変形するロック爪41によって、クリップ30をインナパネル18の長孔32の外周縁部に確実に係合することができる。また、ドアガラス12の荷重が作用するクリップ30の下方側の支持部46は、ロック爪41のように弾性変形しないので、ドアガラス12の組付位置がインナパネル18に対して下方へに移動することはない。
【0025】
一方、図5に示される如く、インナパネル18の基準孔20側においては、クリップ14の外周部の略全周が基準孔20と当接するため、ドアガラス12の組付位置が下方へ移動することはない。
【0026】
この結果、図5に二点鎖線で示すように、組付後のドアガラス12が傾くことがなく、ドアガラス12のバックドア10への組付精度を向上できる。
【0027】
また、本実施形態では、図3に示される如く、クリップ30の支持部46における、インナパネル18の長孔32の下部32Bとの当接面が、クリップ30の軸部36の外周面となり円弧形状である。この結果、弾性変形するロック爪を形成する場合に必要となる逃げ溝がクリップ30の軸部36の下面36Cに無く、この逃げ溝による組付位置の下方へのずれも発生しない。このため、ドアガラス12のバックドア10への組付精度を更に向上できる。
【0028】
また、本実施形態では、クリップ30の補強用リブ40と、凸部48と、下面36Cとで形成した支持部46が、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bに支持されており、補強用リブ40が車両後方から、インナパネル18の長孔32の外周縁部における下部32Bを支持している。この結果、インナパネル18に対するクリップ30のドアガラス12に対する剥離方向の傾きを防止できる。従って、クリップ30のドアガラス12への接着面を広げたり、接着剤の強度を上げたりする必要がないため、コストダウンが図れる。更には、接着面積を小さくでき、意匠的にも有利である。
【0029】
また、本実施形態では、クリップ30のロック爪41が1つであるため、ロック爪41が係合した際のクリック音が1回となる。このため、クリック音のチューニングが容易となり、係合が完全に行われたか否かをクリック音により容易に行えるので、組付作業性が向上する。
【0030】
また、本実施形態では、撓み用の隙間42を必要とするクリップ30のロック爪41が1つである。この結果、クリップ30の成形型の構造が単純化できるため、成形型のコストを低減できる。
【0031】
また、本実施形態では、クリップ30の凸部48の高さH1と、ロック爪41の頂面41Bとクリップ30の軸部36における外周部の上面36Dとの高さの差Hと、を調整することで、インナパネル18の長孔32へのクリップ30の挿入負荷を、挿入し易い値で且つ挿入する際に所定の節度が得られるように容易に設定できる。
【0032】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、本発明のクリップ部材は、上記実施形態におけるバックドア10へのドアガラス12の取付に使用するクリップ30に限定されず、車体の側面に形成した開口部にウインドガラスを取付けるクリップ部材や、ウインドガラス以外の取付部材を、車体側の支持部材に固定するクリップ部材にも適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明のクリップ部材は、取付部材に固定される基部と、基部に立設され、支持部材に形成した長孔に挿通される軸部と、軸部の外周部に形成され、長孔の外周縁部に係合するロック爪と、軸部の外周部におけるロック爪の反対側に形成した補強用リブと、軸部の外周部における補強用リブと軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、補強用リブと凸部と軸部の外周部とで形成され、支持部材に支持される支持部と、を有するため、取付部材の支持部材への組付精度を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図5の1−1線に沿った拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るクリップ部材を示す車両斜め前方内側から見た斜視図である。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図である。
【図4】図5の4−4線に沿った拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るクリップ部材が適用されたバックドアを示す車両前方から見た概略図である。
【符号の説明】
10 バックドア
12 ドアガラス(取付部材)
18 インナパネル(支持部材)
30 クリップ(クリップ部材)
32 インナパネルの長孔
34 クリップの基部
36 クリップの 軸部
40 補強用リブ
41 ロック爪
46 支持部
48 凸部
Claims (1)
- 取付部材に固定される基部と、
前記基部に立設され、支持部材に形成した長孔に挿通される軸部と、
前記軸部の外周部に形成され、前記長孔の外周縁部に係合するロック爪と、
前記軸部の外周部における前記ロック爪の反対側に形成した補強用リブと、
前記軸部の外周部における前記補強用リブと前記軸部の軸方向先端側に離間した位置に形成した凸部と、
前記補強用リブと前記凸部と前記軸部の外周部とで形成され、前記支持部材に支持される支持部と、
を有することを特徴とするクリップ部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002371585A JP2004204869A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | クリップ部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002371585A JP2004204869A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | クリップ部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004204869A true JP2004204869A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32810432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002371585A Pending JP2004204869A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | クリップ部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004204869A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008304040A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Asahi Glass Co Ltd | 車両用ウインドウガラス用仮止めクリップ |
JP2011105038A (ja) * | 2009-11-12 | 2011-06-02 | Three M Innovative Properties Co | ガラス支持具 |
JP2014159291A (ja) * | 2014-06-12 | 2014-09-04 | 3M Innovative Properties Co | ガラス支持具 |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002371585A patent/JP2004204869A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008304040A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Asahi Glass Co Ltd | 車両用ウインドウガラス用仮止めクリップ |
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