JP2004203646A

JP2004203646A - Low temperature-fired ceramic and electronic component

Info

Publication number: JP2004203646A
Application number: JP2002372632A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Obuchi; 武志大渕
Original assignee: NGK Insulators Ltd
Current assignee: NGK Insulators Ltd
Priority date: 2002-12-24
Filing date: 2002-12-24
Publication date: 2004-07-22

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To further improve the Q value of Ba-Al-Si-Zn-based low temperature-fired ceramic having a low dielectric constant. <P>SOLUTION: The Ba-Al-Si-Zn-based low temperature-fired ceramic has a dielectric constant εr of ≤10 and contains boron in an amount of ≥0.05 and ≤0.3 wt.% expressed in terms of B<SB>2</SB>O<SB>3</SB>. Alternatively, the low temperature-fired ceramic has a dielectric constant εr of ≤10 and contains a BaSi<SB>2</SB>O<SB>5</SB>phase and a BaAl<SB>2</SB>Si<SB>2</SB>O<SB>8</SB>phase, wherein the content of the amorphous phase is ≤70 parts by weight when the content of the crystal phase is set to be 100 parts by weight. The amorphous phase contains at least one kind of element selected from the group of barium, aluminum, silicon, zinc and boron. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電率が低く、品質係数Ｑが大きい低温焼成磁器、およびこれを用いた電子部品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】携帯電話機等の高周波回路無線機器においては、高周波回路フィルターとして、例えばトップフィルター、送信用段間フィルター、ローカルフィルター、受信用段間フィルター等として、積層型誘電体フィルターが使用されている。
【０００３】誘電体積層フィルターを製造するためには、誘電体を構成するセラミック粉末の成形体を複数作製し、各成形体に対して、所定の導体ペーストを塗布することによって所定の電極パターンを各成形体に作製する。次いで、各成形体を積層して積層体を得、この積層体を焼成することによって、導体ペースト層と各成形体とを同時に焼成し、緻密化させる。
【０００４】この際、電極は一般的に銀系導体、銅系導体、ニッケル系導体のような低融点金属の導体を使用しているが、これらの融点は例えば１１００℃以下であり、９３０℃程度まで低下する場合もある。このため、電極を構成する低融点金属よりも低い焼成温度で誘電体を焼結させることが必要である。
【０００５】ストレー容量を低減し、遅延時間を低減し、内蔵共振器およびコンデンサーの高周波損失を低減するために、低温焼成磁器の誘電率εｒを低くし、かつ品質係数Ｑを増加させることが望まれている。本出願人は、特許文献１において、１０００℃以下の最適焼成温度を有しており、誘電率εｒが１０以下であり、品質係数Ｑが２５００以上である低温焼成磁器を開示した。
【特許文献１】
特開２０００−２１１９６９号公報
【０００６】また、本出願人は、特許文献２において、品質係数Ｑが一層改善された低温焼成磁器を開示した。
【特許文献２】
特開２００２−２６５２６７号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】特許文献１、２に記載のような低温焼成磁器を製造する際には、通常は、Ｂａ−Ａｌ−Ｓｉ−Ｚｎの各酸化物の混合物を仮焼し、仮焼物を粉砕した後、これにＳｉＯ_２、Ｂ_２Ｏ_３およびＺｎＯからなるガラス粉末を添加し、焼成している。しかし、このようにして得られた磁器のＱ値には限界があった。
【０００８】本発明の課題は、Ｂａ−Ａｌ−Ｓｉ−Ｚｎ系の低誘電率の低温焼成磁器においてＱ値を一層向上させることである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、誘電率εｒが１０以下であるＢａ−Ａｌ−Ｓｉ−Ｚｎ系低温焼成磁器であって、ホウ素の含有量がＢ_２Ｏ_３に換算して０．０５重量％以上、０．３重量％以下であることを特徴とする。
【００１０】通常は、Ｂａ−Ａｌ−Ｓｉ−Ｚｎの各酸化物の混合物を仮焼し、仮焼物を粉砕した後、これにＳｉＯ_２、Ｂ_２Ｏ_３およびＺｎＯからなるガラス粉末を添加し、焼成している。
【００１１】このガラス粉末は、焼成過程において主結晶相と反応し、新たにＱ値の低い非晶質相を生成させ、粒子を結合させている。こうした非晶質相はＱ値を低減させる作用があった。しかし、このガラス粉末は、通常は磁気の低温での焼成（例えば１０５０℃以下での焼成）に必要なものと考えられてきている。従って、ガラス粉末量を減らすと、磁器の焼結性が悪くなり、Ｑ値や強度が低下するものと考えられてきた。
【００１２】本発明者は、このガラス粉末に着目し、定量的に検討を加えることによって、ガラス量を低減することでＱ値を向上させ得ること、そして焼結性の低下は他の添加剤によって解決できることを見いだし、本発明に到達した。
【００１３】本発明においては、ガラスを構成する成分のうち、焼結性と非晶質相の生成に最も大きな影響を与えるホウ素の含有量に着目しており、そのＢ_２Ｏ_３含有量を０．３重量％以下とすることによって、Ｑ値を向上させ得る。この観点からは、ホウ素含有量をＢ_２Ｏ_３に換算して０．２８重量％以下とすることが更に好ましい。また、ホウ素含有量がＢ_２Ｏ_３に換算して０．０５重量％未満になると、Ｑ値がかえって低下する。
【００１４】また、第二の発明は、誘電率εｒが１０以下である低温焼成磁器であって、ＢａＳｉ₂Ｏ₅ 相およびＢａＡｌ₂Ｓｉ₂Ｏ₈相を結晶相として含有しており、結晶相の含有量を１００重量部としたときの非晶質相の含有量が７０重量％以下であり、この非晶質相が、バリウム、アルミニウム、珪素、亜鉛およびホウ素からなる群より選ばれた一種以上の元素を含むことを特徴とする。
【００１５】前記と同様の観点から、本発明者は、磁器中に存在する非晶質相の量とＱ値との関係に着目した。そして、非晶質相の含有率を７０重量％以下とすることによって、磁器のＱ値を向上させ得ることを見いだした。
【００１６】第二の発明の磁器は、ＢａＳｉ₂Ｏ₅相およびＢａＡｌ₂Ｓｉ₂Ｏ₈相を結晶相として含有している。これらの結晶相は、粉末Ｘ線回折法によって、以下のICDD Ｎｏ．によって同定される。
ＢａＳｉ₂Ｏ₅：26-0176、ＢａＡｌ₂Ｓｉ₂Ｏ₈：74-1677
【００１７】
【発明の実施の形態】好適な実施形態においては、磁器にＣｕＯ、ＭｏＯ_３、ＷＯ_３およびＶ_２Ｏ_５からなる群より選ばれた一種以上の添加剤を含有させる。これらの添加剤は、磁器粒子間の結合促進成分として作用する。これらの添加により、酸化ホウ素含有低融点ガラスを一層減量化しつつ、磁器焼結性を保持し、最適焼成温度を低く維持できる。更に、これらの添加剤を使用すると、本発明の磁器を異種材料と接合した場合のケミカルボンディング材となり、異種材料との相間剥離を抑制できる。
【００１８】また、上記の粒子間の結合促進材は、主結晶相が仮焼により形成された後に、粉砕工程或いはテープ成形用バインダー混合過程及びプレス体成形用バインダー混合過程にて添加することにより、より効果を発揮する。
【００１９】好適な実施形態においては、粉末Ｘ線回折測定法において、ＩＣＤＤＮｏ．８１−０５１１またはＮｏ．７９−１８１０に適合するピーク分布を有する結晶相が検出される。これらのピークは、ＢａＣｕ（Ｓｉ₄Ｏ₁₀）、Ｂｉ₂ＣｕＯ₄およびこれらの類似組成の結晶相に対応する。これらの結晶相が析出すると、粒子間の結合がさらに促進されるとともに、共振周波数の温度係数が改善される。
【００２０】磁器のQ値は特に限定されないが、3500以上であることが好ましく、4000以上であることが一層好ましい。また4800以上であれば、さらに一層好ましい。（3GHz換算）。
【００２１】また、本発明により、磁器の強度を高く維持することができる。磁器の強度は特に限定はされないが、例えば磁器からなる基板の強度を２５０MPa以上とすることができる。
【００２２】本発明の低温焼成磁器においては、珪素成分をＳｉＯ_２に換算して15.0重量％以上含有させることが好ましく、これによって誘電率を１０以下に制御できる。誘電率を一層低くするという観点からは、珪素成分をＳｉＯ_２に換算して25.0重量％以上含有させることが好ましい。また、珪素成分をＳｉＯ_２に換算して60.0重量％以下含有させることが好ましく、これによって磁器の最適焼成温度を低くできる。この観点からは、50重量％以下とすることが一層好ましい。
【００２３】本発明の低温焼成磁器においては、アルミニウム成分をＡｌ_２Ｏ_３に換算して0.1重量％以上含有させることが好ましく、これによって磁器からなる基板の強度を上昇させることができる。この観点からは、アルミニウム成分をＡｌ_２Ｏ_３に換算して0.5重量％以上含有させることが好ましい。また、磁器の適正焼成温度を低下させるという観点からは、アルミニウム成分をＡｌ_２Ｏ_３に換算して20.0重量％以下含有させることが好ましく、15.0重量％以下含有させることが更に好ましい。
【００２４】本発明の低温焼成磁器においては、バリウム成分をＢａＯに換算して30.0重量％以上含有させることが好ましく、これによって磁器の品質係数Ｑを一層高くすることができる。この観点からは、バリウム成分をＢａＯに換算して40.0重量％以上含有させることが好ましい。また、バリウム成分をＢａＯに換算して65.0重量％以下含有させることが好ましく、これによって１０以下の誘電率εｒを確保できる。誘電率εｒを一層低くするという観点からは、バリウム成分をＢａＯに換算して60.0重量％以下含有させることが更に好ましい。
【００２５】亜鉛成分をＺｎＯに換算して0.5重量％以上（特に好ましくは1.0重量％以上）含有させることによって、低温焼成磁器の熱膨張係数が減少し、焼結し易くなることから、低温焼成が可能となる。亜鉛成分をＺｎＯに換算して20.0重量％以下（特に好ましくは15.0重量％以下）含有させることによって、磁器の品質係数Ｑを一層向上させることができる。
【００２６】ビスマス成分を含有させることによって、磁器におけるクラックの発生率が減少する。この作用効果は、本発明の磁器に対して金属電極を積層させる場合、あるいは磁器の成形体に金属電極を接触させた状態で磁器の成形体を焼成した場合、あるいは磁器の成形体中に金属電極を埋設した状態で磁器の成形体を焼成した場合に顕著である。ビスマス成分は蛍光Ｘ線分析法によって検出可能であれば良い。好ましくは、ビスマス成分の含有量は、Ｂｉ_２Ｏ_３に換算して0.10 重量％以上であることが好ましく、0.5重量％以上であることが更に好ましく、1.0重量％以上であることが特に好ましい。
【００２７】ビスマス成分をＢｉ_２Ｏ_３に換算して10.0重量％以下含有させることにより、品質係数Ｑを一層増大させることができる。この観点からは、 8.0重量％以下が特に好ましい。
【００２８】ＣｕＯ、ＭｏＯ_３、ＷＯ_３およびＶ₂Ｏ₅からなる群より選ばれた一種以上の添加剤の含有量は、前記観点から、０．０５重量％以上であることが好ましく、0.1重量％以上であることが更に好ましい。しかし、この含有量が多すぎると、磁器の強度が低下してくる傾向があるので、この観点からは、１０．０重量％以下であることが好ましい。
【００２９】本発明の磁器は、実質的にバリウム成分、珪素成分、アルミニウム成分、ホウ素成分、亜鉛成分およびビスマス成分からなっていてよい。しかし、この場合にも、各金属原料中に含まれる不可避的不純物は含有されていてよい。また、上記成分以外の酸化物や金属成分を含有していてよい。こうした酸化物や金属成分としては、例えば、ＭｇＯ、ＣａＯ、ＳｒＯ_２、Ｙ_２Ｏ_３、ＭｎＯ、Ｍｎ_２Ｏ_３、ＣｏＯ、ＮｉＯ、Ｎｄ_２Ｏ_３、Ｓｍ _２Ｏ_３、Ｌａ_２Ｏ_３、Ａｇ、Ｃｕ、Ｎｉ、Ｐｄがある。
【００３０】電子部品において使用できる金属電極は限定されないが、銀電極、銅電極、ニッケル電極、またはこれらの合金からなる電極が好ましく、銀または銀合金からなる電極が更に好ましく、銀電極が特に好ましい。
【００３１】本発明の電子部品においては、本発明の低温焼成磁器を、他の低温焼成磁器、例えば誘電率εｒが１０−１５０の他の低温焼成磁器と一体化することができる。
【００３２】他の誘電体層を構成する低温焼成磁器の組成系は、以下のものが特に好ましい。
ＢａＯ−ＴｉＯ_２−ＺｎＯ−ＳｉＯ_２−Ｂ_２Ｏ_３
ＢａＯ−ＴｉＯ_２−Ｂｉ_２Ｏ_３−Ｎｄ_２Ｏ_３−ＺｎＯ−ＳｉＯ_２−Ｂ_２Ｏ_３
ＢａＯ−ＴｉＯ_２−Ｂｉ_２Ｏ_３−Ｌａ_２Ｏ_３−Ｓｍ_２Ｏ_３−ＺｎＯ−ＳｉＯ_２ −Ｂ_２Ｏ_３
ＭｇＯ−ＣａＯ−ＴｉＯ_２−ＺｎＯ−Ａｌ_２Ｏ_３−ＳｉＯ_２−Ｂ_２Ｏ_３
【００３３】本発明の対象となる電子部品は特に限定されないが、例えば積層誘電体フィルター、多層配線基板、誘電体アンテナ、誘電体カプラー、誘電体複合モジュールを例示できる。
【００３４】本発明の低温焼成磁器を製造する際には、好ましくは、各金属成分の原料を所定比率で混合して混合粉末を得、混合粉末を８００−１２００℃で仮焼し、仮焼体を粉砕し、セラミック粉末を得る。そして、好ましくは、セラミック粉末と、ＳｉＯ_２、Ｂ_２Ｏ_３およびＺｎＯからなる低融点ガラス粉末とを使用して、グリーンシートを作製し、グリーンシートを８５０−９３０℃で焼成する。各金属成分の原料としては、各金属の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩などを使用できる。本発明の観点からは、前記低融点ガラスの割合は、セラミック１００重量部に対して、1.5以下とすることが好ましく、1.0以下とすることが一層好ましい。
【００３５】
【実施例】（セラミック粉末の製造）
炭酸バリウム、アルミナ、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ビスマスの各粉末を、所定の組成になるように秤量し、湿式混合する。この混合粉末を９００〜１０００℃で仮焼し、仮焼体を得る。仮焼物の結晶相とその結晶性を調べるために、粉末Ｘ線回折測定を行う。その後、仮焼粉末を、ボールミルにて、所定粒度まで粉砕し、粉末を乾燥し、セラミック粉末を得る。
【００３６】（低融点ガラス粉末の製造）
酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化珪素の各粉末を秤量し、乾式混合し、混合粉末を白金ルツボ中で溶融させ、溶融物を水中に投下して急速冷却し、塊状のガラスを得る。このガラスを湿式粉砕し、低融点ガラス粉末を得る。
【００３７】（誘電特性評価用サンプルの製造）
得られたセラミック粉末と低融点ガラス粉末とを、イオン交換水、有機バインダーと共に、アルミナポット、アルミナボールを使用して混合し、スラリーを得、スラリーを乾燥して粉体を得る。得られた粉体を金型プレスにて所定の形状に成形し、９００〜９３０℃にて焼成する。焼成体を所定形状に加工する。３ＧＨｚ換算での誘電率εｒ、品質係数Ｑ値、τｆを測定する。
【００３８】（基板強度の測定）
また、焼成体を加工し、寸法３０ｍｍ×４ｍｍ×１ｍｍの測定用サンプルを作製した。このサンプルについて、ＪＩＳＲ１６０１に従って基板強度を測定する。
【００３９】（相間剥離の有無）
本発明組成からなるグリーンシートとBa_6-3XR_8+2XTi₁₈O₅₄（X＝0.0〜0.8）系組成からなるグリーンシートを85℃×20MPaの条件でCIPにより接合し、50mm角に切断し、920℃で焼成後、超音波探傷装置により、相間剥離を検査した。
【００４０】（各結晶相のピークの検出）
以下のＸ線回折装置および条件を用いて，各結晶相を検出した。
装置名称：リガク製X線回折装置「RAD-X1」
測定形式：2θ-θ
出力：35KV 20mA
発散スリット：1/2°
散乱スリット：1/2°
受光スリット：0.15mm
スキャン方法：ステッフ゜スキャン（FT）
ステッフ゜幅：0.02°
計数時間：2sec
【００４１】（非晶質相の含有量）
上述のＸ線回折測定装置および条件を用い、非晶質相の含有量を測定した。
ただし、非晶質相は、X線回折ピークでは、ハローパターンと呼ばれるブロードなピークの形で検出される。従って、非晶質相の含有量は、X線検量線法と呼ばれる以下の方法にて決定した。
（検量線の作成）
磁器を構成する主結晶相（ＢａＳｉ₂Ｏ₅ 相およびＢａＡｌ₂Ｓｉ₂Ｏ₈相）の粉体に対して、前記低融点ガラス粉末を添加し、乳鉢にて10分間混合し、混合粉末を得る。得られた混合粉末について、X線回折装置にて、2θで10°〜60°まで測定する。測定したデータをピーク分離ソフトウエアにより、バックグランドと非晶質相とにピーク分離する。ピーク分離する上で、非晶質相はアモルファス相として分離させる。
主結晶相からなる粉末の重量を１００重量部とし、低融点ガラスの添加量（外配：重量部）を種々変更する。そして、各混合粉末について、低融点ガラスのピーク強度と添加量との関係をプロットし、検量線とする。
図１は、本実施例での磁器系における検量線の例を示す。
【００４２】（非晶質相の含有量の測定）
次に、被測定サンプルをX線回折装置にて2θで10°〜60°まで測定し、非晶質相のピーク強度を測定する。ここで、磁器サンプルから得られた非晶質相のピーク強度が、検量線上での低融点ガラスのピーク強度と同じである場合には、磁器サンプル中の非晶質相の含有量が、前記混合粉末中の低融点ガラスの含有量と同じであるものとする。従って、磁器サンプルから非晶質相のピーク強度を測定すれば、この測定値を検量線上に載せることによって、磁器サンプル中の非晶質相の含有量を決定できる。
【００４３】（Ａｇとの同時焼成）
各磁器の適正焼成温度を求めた。適正焼成温度は、焼成温度の変化に対する誘電率εｒの変化が０．１／℃以内となる温度とした。適正焼成温度が９２０℃以下の場合には、「Ａｇとの同時焼成」の欄を「○」とし、その他の場合は「×」とした。
【００４４】
【表１】

【００４５】表１のＡ１〜Ａ７においては、主としてＣｕＯの添加量を変更した。Ａ１においては、ＣｕＯの割合が０．０２重量％と低く、焼成温度が若干上がり、相間剥離も生ずる。しかしＱ値は比較的に高い。Ａ７においては、ＣｕＯの添加量が１２．０重量％であるが、適正焼成温度が若干上がる傾向がある。Ａ２〜Ａ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００４６】表１のＢ１〜Ｂ７においては、主としてＢａＯの添加量を変更した。Ｂ１においては、ＢａＯの割合が２５重量％であるが、焼成温度が若干上がり、強度が低下する。Ｂ７においては、ＢａＯの添加量が７０重量％であるが、適正焼成温度が若干上がる傾向がある。Ｂ２〜Ｂ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００４７】
【表２】

【００４８】表２のＣ１〜Ｃ７においては、主としてＡｌ_２Ｏ_３の添加量を変更した。Ｃ１においては、Ａｌ_２Ｏ_３の割合が０．０５重量％であるが、若干強度が低いことを除けば他の例と遜色ない。Ｃ７においては、Ａｌ_２Ｏ_３の添加量が２５重量％であるが、適正焼成温度が若干上がり、強度が若干低下する。Ｃ２〜Ｃ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００４９】表２のＤ１〜Ｄ７においては、主としてＳｉＯ_２の添加量を変更した。Ｄ１においては、ＳｉＯ_２の割合が１２重量％であるが、Ｑ値、強度が低くなっている。Ｄ７においては、ＳｉＯ_２の添加量が６３重量％であるが、適正焼成温度が若干上がり、Ｑ値、強度が低下する。Ｄ２〜Ｄ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００５０】
【表３】

【００５１】表３のＥ１〜Ｅ７においては、主としてＺｎＯの添加量を変更した。Ｅ１においては、ＺｎＯの割合が０．２重量％であるが、適正焼成温度が若干高くなっている。Ｅ７においては、ＺｎＯの添加量が２３重量％であるが、適正焼成温度が若干上がる。Ｅ２〜Ｅ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００５２】表３のＦ１〜Ｆ７においては、主としてＢｉ_２Ｏ_３の添加量を変更した。Ｆ１においては、Ｂｉ_２Ｏ_３の割合が０．０５重量％であるが、若干強度が低く、適正焼成温度が上昇する。Ｆ２〜Ｆ７においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００５３】
【表４】

【００５４】表４のＧ１〜Ｇ７においては、主としてＢ_２Ｏ_３の添加量を変更した。Ｇ１においては、Ｂ_２Ｏ_３の割合が０．０２重量％であるが、非晶質相含有量が大きく、適正焼成温度が上昇し、Ｑ値、強度が低い。Ｇ７においては、非晶質相含有量が７３重量部であり、Ｑ値が低い。Ｇ２〜Ｇ７においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００５５】表４のＨ１〜Ｈ７においては、主としてＷＯ_３の添加量を変更した。Ｈ１においては、ＷＯ_３の割合が０．０２重量％であるが、適正成温度が上昇し、強度が低い。Ｈ７においては、適正焼成温度が高く，Ｑ値が若干低い。Ｈ２〜Ｈ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００５６】
【表５】

【００５７】表５のＪ１〜Ｊ７においては、主としてＭｏＯ_３の添加量を変更した。Ｊ１においては、ＭｏＯ_３の割合が０．０２重量％であるが、適正成温度が上昇し、強度が低い。Ｊ７においては、適正焼成温度が高く，Ｑ値が低い。Ｊ２〜Ｊ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。
【００５８】表５のＫ１〜Ｋ７においては、主としてＶ_２Ｏ_５の添加量を変更した。Ｋ１においては、Ｖ_２Ｏ_５の割合が０．０２重量％であるが、適正成温度が上昇し、強度、Ｑ値が低く、相間剥離が見られる。Ｋ７においては、適正焼成温度が高く、強度、Ｑ値が低い。Ｋ２〜Ｋ６においては、全体にＱ値、強度が高く、τｆは低くなっており、適正焼成温度が低く、相間剥離も見られない。なお、上述の全例において、ＢａＳｉ₂Ｏ₅ 相およびＢａＡｌ₂Ｓｉ₂Ｏ₈相が検出された。
【００５９】次に、上記と同様にして低温焼成磁器を作成した。ただし、以下のセラミック組成Ａを採用した。
ＢａＯ46.3重量％
ＳｉＯ_２42.0重量％
Ａｌ_２Ｏ_３2.5重量％
ＺｎＯ 5.2重量％
Ｂｉ_２Ｏ_３3.0重量％
【００６０】そして、セラミック組成Ａを上記のように仮焼し、仮焼体を粉砕した後、下記のような組成で添加剤を添加した。
（比較例１）
組成Ａのセラミック＋前記低融点ガラス粉末３重量％（焼結温度920℃）
（実施例１）
組成Aのセラミック＋前記低融点ガラス1重量％＋CuO 0.75重量％（焼成温度９２０℃）
（実施例２）
組成Aのセラミック＋前記低融点ガラス0.2重量％＋Bi2O3 0.61重量％＋CuO 0.01重量％（焼成温度９２０℃）
（比較例２）
組成Ａのセラミックのみ（焼成温度１１００℃）
【００６１】各例の磁器について、前述のように非晶質相の含有量、Ｑ値、τｆを測定し、結果を表６に示す。また、非晶質相の含有量とＱ値との関係を図２に示す。比較例１に対して、実施例１では、低融点ガラスの添加量を２重量％減らし、ＣｕＯを０．７５重量％添加した。この結果、非晶質相の含有量は比較例１に比べて低下した。磁器のＱ値は上昇し、τｆの絶対値は低下した。
【表６】

【００６２】比較例１に対して、実施例２では、低融点ガラスの添加量を２．８重量％減らし、その代わりにBi2O3を0.61重量％とCuOを0.01重量％とを添加した。この結果、磁器の非晶質相含有量は一層低下し、Ｑ値は一層向上した。比較例２では、１１００℃焼成で、ガラス成分を含まないので非晶質相が含有されておらず、磁器のＱ値は一層上昇した。但し、ＩＣＤＤＮｏ．８１−０５１１またはＮｏ．７９−１８１０に相当するBa-Cu-O系或いはBa-Cu-Si-O系化合物を含まないために、τｆの絶対値は低下しなかった。
【００６３】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、Ｂａ−Ａｌ−Ｓｉ−Ｚｎ系の低誘電率の低温焼成磁器において、Ｑ値を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】非晶質相含有量とＸ線回折強度との関係を示す検量線である。
【図２】磁器の非晶質相含有量とＱ値との関係を示すグラフである。[0001]
The present invention relates to a low-temperature fired porcelain having a low dielectric constant and a large quality factor Q, and an electronic component using the same.
[0002]
2. Description of the Related Art In high frequency circuit radio equipment such as cellular phones, a laminated dielectric filter is used as a high frequency circuit filter, for example, as a top filter, a transmission interstage filter, a local filter, a reception interstage filter, or the like. ing.
[0003] In order to manufacture a dielectric laminated filter, a plurality of compacts of ceramic powder constituting a dielectric are prepared, and a predetermined conductor pattern is applied to each compact to form a predetermined electrode pattern. It is produced for each molded body. Next, the respective compacts are laminated to obtain a laminate, and the laminate is fired, so that the conductive paste layer and the respective compacts are simultaneously fired and densified.
[0004] At this time, the electrode is generally made of a conductor of a low melting point metal such as a silver-based conductor, a copper-based conductor, and a nickel-based conductor, and their melting points are, for example, 1100 ° C or less, and 930 ° C. To some extent. For this reason, it is necessary to sinter the dielectric at a firing temperature lower than the low melting point metal forming the electrode.
[0005] In order to reduce the stray capacity, reduce the delay time, and reduce the high-frequency loss of the built-in resonator and the capacitor, it is desired to lower the dielectric constant εr of the low-temperature fired porcelain and increase the quality factor Q. It is rare. The present applicant has disclosed in Patent Document 1 a low-temperature fired porcelain having an optimum firing temperature of 1000 ° C. or less, a dielectric constant εr of 10 or less, and a quality factor Q of 2500 or more.
[Patent Document 1]
[0006] In Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-211969, the present applicant has disclosed a low-temperature fired porcelain in which the quality factor Q is further improved.
[Patent Document 2]
JP-A-2002-265267
When a low-temperature fired porcelain as described in Patent Documents 1 and 2 is manufactured, a mixture of Ba-Al-Si-Zn oxides is usually calcined, After pulverizing the calcined product, a glass powder composed of SiO ₂ , B ₂ O ₃ and ZnO is added to the calcined product, followed by firing. However, there is a limit to the Q value of the porcelain thus obtained.
[0008] An object of the present invention is to further improve the Q value of a Ba-Al-Si-Zn-based low-dielectric-constant low-temperature fired porcelain.
[0009]
A first aspect of the present invention is a Ba-Al-Si-Zn low-temperature fired porcelain having a dielectric constant εr of 10 or less, wherein the boron content is converted into B ₂ O _3. Between 0.05% and 0.3% by weight.
Usually, a mixture of each oxide of Ba-Al-Si-Zn is calcined, and the calcined material is pulverized, and then a glass powder composed of SiO ₂ , B ₂ O ₃ and ZnO is added thereto. Firing.
The glass powder reacts with the main crystal phase during the firing process to form a new amorphous phase having a low Q value and bind the particles. Such an amorphous phase had an effect of reducing the Q value. However, this glass powder is generally considered to be necessary for firing at a low magnetic temperature (for example, firing at 1050 ° C. or lower). Therefore, it has been considered that when the amount of the glass powder is reduced, the sinterability of the porcelain deteriorates, and the Q value and the strength decrease.
The present inventor has paid attention to this glass powder, and by quantitatively examining it, can improve the Q value by reducing the amount of glass. The present inventors have found that the present invention can solve the problem and arrived at the present invention.
In the present invention, among the components constituting the glass, is focused on the content of boron that have the greatest effect on the generation of the sinterability and an amorphous phase, the content of B ₂ O ₃ By setting the content to 0.3% by weight or less, the Q value can be improved. From this viewpoint, it is more preferable that the boron content be 0.28% by weight or less in terms of B ₂ O ₃ . When the boron content is less than 0.05% by weight in terms of B ₂ O ₃ , the Q value is rather lowered.
[0014] The second invention is a low-temperature fired porcelain having a dielectric constant εr of 10 or less, which contains a BaSi ₂ O ₅ phase and a BaAl ₂ Si ₂ O ₈ phase as a crystal phase. Is 100% by weight or less when the content of the amorphous phase is 70% by weight or less, and the amorphous phase is a kind selected from the group consisting of barium, aluminum, silicon, zinc and boron. It is characterized by containing the above elements.
From the same viewpoint as above, the present inventor paid attention to the relationship between the amount of the amorphous phase present in the porcelain and the Q value. It has been found that the Q value of the porcelain can be improved by setting the content of the amorphous phase to 70% by weight or less.
The porcelain of the second invention contains a BaSi ₂ O ₅ phase and a BaAl ₂ Si ₂ O ₈ phase as crystal phases. These crystal phases were analyzed by powder X-ray diffraction to obtain the following ICDD No. Identified by
BaSi ₂ O ₅ : 26-0176, BaAl ₂ Si ₂ O ₈ : 74-1677
[0017]
In a preferred embodiment, the porcelain contains one or more additives selected from the group consisting of CuO, MoO ₃ , WO ₃ and V ₂ O ₅ . These additives act as binding promoting components between the porcelain particles. By these additions, the porcelain sinterability can be maintained and the optimum firing temperature can be kept low while further reducing the amount of the low melting glass containing boron oxide. Further, when these additives are used, the porcelain of the present invention becomes a chemical bonding material when it is bonded to a different material, and the phase separation from the different material can be suppressed.
After the main crystal phase is formed by calcination, the above-mentioned bond promoting material between particles is added in a pulverizing step or a binder mixing step for tape molding and a binder mixing step for press molding. , More effective.
In a preferred embodiment, in the powder X-ray diffraction measurement method, the ICDD No. 81-0511 or No. 81. A crystalline phase having a peak distribution matching 79-1810 is detected. These peaks correspond to BaCu (Si ₄ O ₁₀ ), Bi ₂ CuO ₄ and crystalline phases of similar composition thereof. When these crystal phases are precipitated, the coupling between the particles is further promoted, and the temperature coefficient of the resonance frequency is improved.
The Q value of the porcelain is not particularly limited, but is preferably 3500 or more, and more preferably 4000 or more. If it is 4800 or more, it is even more preferable. (3GHz conversion).
Further, according to the present invention, the strength of the porcelain can be maintained high. The strength of the porcelain is not particularly limited. For example, the strength of the substrate made of porcelain can be 250 MPa or more.
In the low-temperature fired porcelain of the present invention, the silicon component is preferably contained in an amount of 15.0% by weight or more in terms of SiO ₂ , whereby the dielectric constant can be controlled to 10 or less. From the viewpoint of further lowering the dielectric constant, it is preferable that the silicon component be contained in an amount of 25.0% by weight or more in terms of SiO ₂ . Further, it is preferable that the silicon component is contained in an amount of 60.0% by weight or less in terms of SiO ₂ , whereby the optimum firing temperature of the porcelain can be lowered. From this viewpoint, the content is more preferably 50% by weight or less.
In the low-temperature fired porcelain of the present invention, the aluminum component is preferably contained in an amount of 0.1% by weight or more in terms of Al ₂ O ₃ , whereby the strength of the substrate made of the porcelain can be increased. From this viewpoint, it is preferable to contain the aluminum component in an amount of 0.5% by weight or more in terms of Al ₂ O ₃ . Further, from the viewpoint of lowering the proper firing temperature of the porcelain, the aluminum component is preferably contained in an amount of not more than 20.0% by weight, more preferably not more than 15.0% by weight in terms of Al ₂ O ₃ .
In the low-temperature fired porcelain of the present invention, it is preferable that the barium component be contained in an amount of 30.0% by weight or more in terms of BaO, whereby the quality factor Q of the porcelain can be further increased. From this viewpoint, it is preferable to contain the barium component in an amount of 40.0% by weight or more in terms of BaO. Further, it is preferable to contain the barium component in an amount of 65.0% by weight or less in terms of BaO, whereby a dielectric constant εr of 10 or less can be secured. From the viewpoint of further lowering the dielectric constant εr, it is more preferable to contain the barium component in an amount of 60.0% by weight or less in terms of BaO.
When the zinc component is contained in an amount of 0.5% by weight or more (particularly preferably 1.0% by weight or more) in terms of ZnO, the coefficient of thermal expansion of the low-temperature fired porcelain decreases, and sintering becomes easy. Becomes possible. By including the zinc component in an amount of 20.0% by weight or less (particularly preferably 15.0% by weight or less) in terms of ZnO, the quality factor Q of the porcelain can be further improved.
By including a bismuth component, the rate of occurrence of cracks in porcelain decreases. This effect is obtained when the metal electrode is laminated on the porcelain of the present invention, when the porcelain compact is fired in a state where the metal electrode is in contact with the porcelain compact, or when the metal This is remarkable when the porcelain molded body is fired with the electrodes buried. The bismuth component only needs to be detectable by X-ray fluorescence analysis. Preferably, the content of the bismuth component is preferably 0.10% by weight or more, more preferably 0.5% by weight or more, and particularly preferably 1.0% by weight or more in terms of Bi ₂ O ₃ .
By including the bismuth component in an amount of 10.0% by weight or less in terms of Bi ₂ O ₃ , the quality factor Q can be further increased. In this respect, the content is particularly preferably 8.0% by weight or less.
From the above viewpoint, the content of one or more additives selected from the group consisting of CuO, MoO ₃ , WO ₃ and V ₂ O ₅ is preferably at least 0.05% by weight, and more preferably 0.1% by weight. % Is more preferable. However, if the content is too large, the strength of the porcelain tends to decrease, and from this viewpoint, the content is preferably 10.0% by weight or less.
[0029] The porcelain of the present invention may consist essentially of a barium component, a silicon component, an aluminum component, a boron component, a zinc component and a bismuth component. However, also in this case, unavoidable impurities contained in each metal raw material may be contained. Further, it may contain an oxide or a metal component other than the above components. Such oxides and metal components include, for example, MgO, CaO, SrO ₂ , Y ₂ O ₃ , MnO, Mn ₂ O ₃ , CoO, NiO, Nd ₂ O ₃ , Sm ₂ O ₃ , La ₂ O ₃ , Ag , Cu, Ni, and Pd.
The metal electrode that can be used in the electronic component is not limited, but is preferably a silver electrode, a copper electrode, a nickel electrode, or an electrode made of an alloy thereof, more preferably an electrode made of silver or a silver alloy, and particularly preferably a silver electrode. .
In the electronic component of the present invention, the low-temperature fired porcelain of the present invention can be integrated with another low-temperature fired porcelain, for example, another low-temperature fired porcelain having a dielectric constant εr of 10 to 150.
The following are particularly preferred as the composition system of the low-temperature fired porcelain constituting another dielectric layer.
_{_{BaO-TiO 2 -ZnO-SiO 2}} -B 2 O 3
_{_{_{_{BaO-TiO 2 -Bi 2 O 3}}}} -Nd 2 O 3 -ZnO-SiO 2 -B 2 O 3
_{_{_{_{BaO-TiO 2 -Bi 2 O 3}}}} -La 2 O 3 -Sm 2 O 3 -ZnO-SiO 2 -B 2 O 3
_{_{_{MgO-CaO-TiO 2 -ZnO-}}} Al 2 O 3 -SiO 2 -B 2 O 3
The electronic component to which the present invention is applied is not particularly limited, and examples thereof include a laminated dielectric filter, a multilayer wiring board, a dielectric antenna, a dielectric coupler, and a dielectric composite module.
In producing the low-temperature fired porcelain of the present invention, preferably, the raw materials of the respective metal components are mixed at a predetermined ratio to obtain a mixed powder, and the mixed powder is calcined at 800 to 1200 ° C. Crush the body to obtain ceramic powder. Then, preferably, a green sheet is produced using ceramic powder and a low-melting glass powder composed of SiO ₂ , B ₂ O ₃ and ZnO, and the green sheet is fired at 850-930 ° C. As a raw material of each metal component, an oxide, a nitrate, a carbonate, a sulfate, or the like of each metal can be used. From the viewpoint of the present invention, the ratio of the low-melting glass is preferably 1.5 or less, more preferably 1.0 or less based on 100 parts by weight of the ceramic.
[0035]
[Example] (Production of ceramic powder)
Each powder of barium carbonate, alumina, silicon oxide, zinc oxide, and bismuth oxide is weighed so as to have a predetermined composition and wet-mixed. This mixed powder is calcined at 900 to 1000 ° C. to obtain a calcined body. In order to examine the crystal phase of the calcined product and its crystallinity, powder X-ray diffraction measurement is performed. Thereafter, the calcined powder is pulverized to a predetermined particle size by a ball mill, and the powder is dried to obtain a ceramic powder.
(Production of low melting point glass powder)
Each powder of zinc oxide, boron oxide and silicon oxide is weighed and dry-mixed, the mixed powder is melted in a platinum crucible, and the melt is dropped into water and rapidly cooled to obtain a lump glass. The glass is wet-pulverized to obtain a low-melting glass powder.
(Manufacture of Sample for Evaluating Dielectric Properties)
The obtained ceramic powder and low-melting glass powder are mixed with ion-exchanged water and an organic binder using an alumina pot and alumina balls to obtain a slurry, and the slurry is dried to obtain a powder. The obtained powder is formed into a predetermined shape by a die press and fired at 900 to 930 ° C. The fired body is processed into a predetermined shape. The dielectric constant εr, quality factor Q value, and τf in 3 GHz conversion are measured.
(Measurement of substrate strength)
Further, the fired body was processed to prepare a measurement sample having a size of 30 mm × 4 mm × 1 mm. The substrate strength of this sample is measured according to JIS R 1601.
(Presence or absence of phase separation)
A green sheet composed of the composition of the present invention and a green sheet composed of Ba _6-3X R _{8 + 2X} Ti ₁₈ O ₅₄ (X = 0.0-0.8) are bonded by CIP under the conditions of 85 ° C. × 20 MPa and cut into 50 mm square. After baking at 920 ° C., interphase separation was inspected by an ultrasonic flaw detector.
(Detection of peak of each crystal phase)
Each crystal phase was detected using the following X-ray diffractometer and conditions.
Apparatus name: Rigaku X-ray diffractometer "RAD-X1"
Measurement format: 2θ-θ
Output: 35KV 20mA
Divergence slit: 1/2 °
Scattering slit: 1/2 °
Light receiving slit: 0.15mm
Scan method: Step scan (FT)
Step width: 0.02 °
Counting time: 2sec
(Content of amorphous phase)
The content of the amorphous phase was measured using the above-mentioned X-ray diffraction measurement apparatus and conditions.
However, the amorphous phase is detected in the form of a broad peak called a halo pattern in the X-ray diffraction peak. Therefore, the content of the amorphous phase was determined by the following method called X-ray calibration curve method.
(Creation of calibration curve)
To the powder of the main crystal phase (BaSi ₂ O ₅ phase and BaAl ₂ Si ₂ O ₈ phase) constituting the porcelain, the low melting point glass powder is added and mixed in a mortar for 10 minutes to obtain a mixed powder. . The obtained mixed powder is measured with an X-ray diffractometer at 2θ from 10 ° to 60 °. The measured data is subjected to peak separation into a background and an amorphous phase by peak separation software. Upon peak separation, the amorphous phase is separated as an amorphous phase.
The weight of the powder composed of the main crystal phase is set to 100 parts by weight, and the addition amount of the low melting point glass (external part: parts by weight) is variously changed. Then, for each mixed powder, the relationship between the peak intensity of the low-melting glass and the amount of addition is plotted and used as a calibration curve.
FIG. 1 shows an example of a calibration curve in a porcelain system in the present embodiment.
(Measurement of content of amorphous phase)
Next, the sample to be measured is measured with an X-ray diffractometer at 2θ from 10 ° to 60 °, and the peak intensity of the amorphous phase is measured. Here, when the peak intensity of the amorphous phase obtained from the porcelain sample is the same as the peak intensity of the low melting point glass on the calibration curve, the content of the amorphous phase in the porcelain sample is It shall be the same as the content of the low melting point glass in the mixed powder. Therefore, if the peak intensity of the amorphous phase is measured from the porcelain sample, the content of the amorphous phase in the porcelain sample can be determined by placing the measured value on a calibration curve.
(Simultaneous firing with Ag)
The appropriate firing temperature for each porcelain was determined. The appropriate firing temperature was a temperature at which the change in the dielectric constant εr with respect to the change in the firing temperature was within 0.1 / ° C. When the appropriate firing temperature was 920 ° C. or lower, the column of “Simultaneous firing with Ag” was marked with “○”, and in other cases, it was marked with “×”.
[0044]
[Table 1]

In A1 to A7 of Table 1, the addition amount of CuO was mainly changed. In A1, the proportion of CuO is as low as 0.02% by weight, the firing temperature is slightly increased, and phase separation occurs. However, the Q value is relatively high. In A7, the addition amount of CuO is 12.0% by weight, but the appropriate firing temperature tends to slightly increase. In A2 to A6, the Q value and the strength were high as a whole, τf was low, the appropriate firing temperature was low, and no interphase separation was observed.
In B1 to B7 of Table 1, the amount of BaO added was mainly changed. In B1, the ratio of BaO is 25% by weight, but the firing temperature slightly increases and the strength decreases. In B7, the amount of BaO added is 70% by weight, but the appropriate firing temperature tends to slightly increase. In B2 to B6, the Q value and the strength were high as a whole, and τf was low, the appropriate firing temperature was low, and no interphase separation was observed.
[0047]
[Table 2]

In C1 to C7 of Table 2, the addition amount of Al ₂ O ₃ was mainly changed. In C1, the proportion of Al ₂ O ₃ is 0.05% by weight, but it is comparable to other examples except that the strength is slightly low. In C7, the addition amount of Al ₂ O ₃ is 25% by weight, but the appropriate firing temperature slightly increases and the strength slightly decreases. In C2 to C6, the Q value and the strength are high as a whole, τf is low, the appropriate firing temperature is low, and no interphase separation is observed.
In D1 to D7 of Table 2, the addition amount of SiO ₂ was mainly changed. In D1, the ratio of SiO ₂ is 12% by weight, but the Q value and strength are low. In D7, the addition amount of SiO ₂ is 63% by weight, but the appropriate firing temperature slightly increases, and the Q value and the strength decrease. In D2 to D6, the Q value and the strength were high as a whole, τf was low, the appropriate firing temperature was low, and no interphase separation was observed.
[0050]
[Table 3]

In E1 to E7 of Table 3, the addition amount of ZnO was mainly changed. In E1, the proportion of ZnO is 0.2% by weight, but the appropriate firing temperature is slightly higher. In E7, the amount of ZnO added was 23% by weight, but the appropriate firing temperature slightly increased. In E2 to E6, the Q value and the strength were high as a whole, τf was low, the appropriate firing temperature was low, and no interphase separation was observed.
In F1 to F7 of Table 3, the addition amount of Bi ₂ O ₃ was mainly changed. In F1, the proportion of Bi ₂ O ₃ is 0.05% by weight, but the strength is slightly lower and the appropriate firing temperature increases. In F2 to F7, the Q value and the strength are high as a whole, τf is low, the appropriate firing temperature is low, and no interphase separation is observed.
[0053]
[Table 4]

In G1 to G7 of Table 4, the addition amount of B ₂ O ₃ was mainly changed. In G1, although the ratio of B ₂ O ₃ is 0.02% by weight, the content of the amorphous phase is large, the appropriate firing temperature is increased, and the Q value and the strength are low. In G7, the content of the amorphous phase was 73 parts by weight, and the Q value was low. In G2 to G7, the Q value and the strength are high as a whole, τf is low, the appropriate firing temperature is low, and no interphase separation is observed.
[0055] In H1~H7 of Table 4, was mainly change the amount of WO _3. In H1, the proportion of WO ₃ is 0.02% by weight, but the proper forming temperature increases and the strength is low. In H7, the appropriate firing temperature is high and the Q value is slightly low. In H2 to H6, the Q value and the strength were high as a whole, τf was low, the appropriate firing temperature was low, and no interphase separation was observed.
[0056]
[Table 5]

In J1 to J7 of Table 5, the addition amount of MoO ₃ was mainly changed. In J1, the ratio of MoO ₃ is 0.02% by weight, but the proper forming temperature increases and the strength is low. In J7, the appropriate firing temperature is high and the Q value is low. In J2 to J6, the Q value and the strength were high as a whole, τf was low, the appropriate firing temperature was low, and no interphase separation was observed.
In K1 to K7 of Table 5, the added amount of V ₂ O ₅ was mainly changed. In K1, the proportion of V ₂ O ₅ is 0.02% by weight, but the proper forming temperature increases, the strength and Q value are low, and interphase separation is observed. In K7, the appropriate firing temperature is high, and the strength and Q value are low. In K2 to K6, the Q value and the strength were high as a whole, and τf was low, the proper firing temperature was low, and no interphase separation was observed. In all of the above examples, a BaSi ₂ O ₅ phase and a BaAl ₂ Si ₂ O ₈ phase were detected.
Next, a low-temperature fired porcelain was prepared in the same manner as described above. However, the following ceramic composition A was employed.
BaO46.3% by weight
42.0% by weight of SiO ₂
Al ₂ O ₃ 2.5% by weight
5.2% by weight of ZnO
Bi ₂ O ₃ 3.0% by weight
Then, the ceramic composition A was calcined as described above, and the calcined body was pulverized, and then additives having the following composition were added.
(Comparative Example 1)
Ceramic of composition A + 3% by weight of low melting glass powder (sintering temperature 920 ° C)
(Example 1)
Ceramic of composition A + 1% by weight of low melting point glass + 0.75% by weight of CuO (firing temperature 920 ° C)
(Example 2)
Ceramic of composition A + 0.2% by weight of the low melting glass + 0.61% by weight of Bi2O3 + 0.01% by weight of CuO (firing temperature 920 ° C)
(Comparative Example 2)
Only ceramic of composition A (firing temperature 1100 ° C)
For the porcelain of each example, the content of amorphous phase, Q value, and τf were measured as described above, and the results are shown in Table 6. FIG. 2 shows the relationship between the content of the amorphous phase and the Q value. In comparison with Comparative Example 1, in Example 1, the addition amount of the low-melting glass was reduced by 2% by weight, and CuO was added by 0.75% by weight. As a result, the content of the amorphous phase was lower than that of Comparative Example 1. The Q value of the porcelain increased, and the absolute value of τf decreased.
[Table 6]

In comparison with Comparative Example 1, in Example 2, the addition amount of the low-melting glass was reduced by 2.8% by weight, and instead, 0.61% by weight of Bi2O3 and 0.01% by weight of CuO were added. As a result, the content of the amorphous phase in the porcelain was further reduced, and the Q value was further improved. In Comparative Example 2, firing at 1100 ° C. did not include a glass component, and thus did not include an amorphous phase, thus further increasing the Q value of the porcelain. However, ICDD No. 81-0511 or No. 81. Since no Ba-Cu-O-based or Ba-Cu-Si-O-based compound corresponding to 79-1810 was included, the absolute value of τf did not decrease.
[0063]
As described above, according to the present invention, the Q value can be further improved in a low-temperature Ba-Al-Si-Zn-based low-temperature fired porcelain.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a calibration curve showing the relationship between amorphous phase content and X-ray diffraction intensity.
FIG. 2 is a graph showing a relationship between an amorphous phase content of a porcelain and a Q value.

Claims

A Ba-Al-Si-Zn-based low-temperature fired porcelain having a dielectric constant εr of 10 or less,
A low-temperature fired porcelain having a boron content of 0.05% by weight or more and 0.3% by weight or less in terms of B ₂ O ₃ .

The content of the amorphous phase is 70% by weight or less when the content of the crystalline phase is 100 parts by weight, and the amorphous phase is selected from the group consisting of barium, aluminum, silicon, zinc and boron. The low-temperature fired porcelain according to claim 1, comprising one or more elements.

CuO, _MoO _3, WO 3 and V, characterized in that it comprises one or more additives selected from the group consisting of ₂ O _5, claim 1 or 2 low-temperature fired porcelain according.

In the powder X-ray diffraction measurement method, ICDD No. 81-0511 or No. The low-temperature fired porcelain according to claim 3, comprising a crystal phase having a peak distribution conforming to 79-1810.

A low-temperature fired porcelain having a dielectric constant εr of 10 or less, comprising a BaSi ₂ O ₅ phase and a BaAl ₂ Si ₂ O ₈ phase, and having an amorphous content of 100 parts by weight. Low-temperature-fired porcelain, wherein the content of the phase is 70 parts by weight or less, and the amorphous phase contains at least one element selected from the group consisting of barium, aluminum, silicon, zinc and boron. .

6. The composition according to claim ₅ , wherein one or more additives selected from the group consisting of CuO, MoO ₃ , WO ₃ and V ₂ O ₅ are contained in an amount of 0.05% by weight or more and 10.0% by weight or less. Low temperature porcelain.

In the powder X-ray diffraction measurement method, ICDD No. 81-0511 or No. The low-temperature fired porcelain according to claim 6, comprising a crystal phase having a peak distribution conforming to 79-1810.

The barium component is converted into BaO to 30.0-65.0% by weight,
15.0-60.0% by weight in terms of the silicon component to the SiO _2,
0.1-20.0% by weight of aluminum component in terms of Al ₂ O ₃ ,
0.5-20.0 wt% in terms of zinc components ZnO, and wherein the bismuth component in terms of Bi ₂ O ₃ containing 10.0 wt% or less, one of the claim 1 A low-temperature fired porcelain according to the claim.

The low-temperature fired porcelain according to any one of claims 1 to 8, wherein the quality factor Q is 3500 or more.

The low-temperature fired porcelain according to any one of claims 1 to 9, wherein the absolute value of the temperature coefficient τf of the resonance frequency is 55 ppm / ° C or less.

An electronic component comprising at least a part of the low-temperature fired porcelain according to any one of claims 1 to 10.

The electronic component according to claim 11, further comprising a metal electrode.

A low dielectric constant layer made of the low-temperature fired porcelain; and another dielectric layer bonded to the low dielectric constant layer. The other dielectric layer has a dielectric constant 13. The electronic component according to claim 11, wherein the electronic component is made of low-temperature fired porcelain.