JP2004295382A - 消耗品回収促進方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】インクカートリッジ等の消耗品の回収率を高めることができる消耗品回収促進方法を提供する。
【解決手段】使用済みの消耗品20が所定の消耗品回収装置40に投入されたときにこの消耗品20を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与された記憶媒体30に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、
前記記憶媒体30の提示を受けたときにこの記憶媒体30に書き込まれた特典情報を所定の特典情報読取装置50により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含むことを特徴とする消耗品回収促進方法。
【選択図】 図1
【解決手段】使用済みの消耗品20が所定の消耗品回収装置40に投入されたときにこの消耗品20を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与された記憶媒体30に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、
前記記憶媒体30の提示を受けたときにこの記憶媒体30に書き込まれた特典情報を所定の特典情報読取装置50により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含むことを特徴とする消耗品回収促進方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消耗品回収促進方法、この消耗品回収促進方法に用いる消耗品、記憶媒体、消耗品回収装置及び特典情報読取装置、並びに消耗品回収促進システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境意識の高まりに伴って、従来ゴミとして廃棄されてきた消耗品(例えば、インクカートリッジなど)を回収したり、さらにはこの回収した消耗品を再利用したりする(例えば、使用済みインクカートリッジにインクを充填して再利用する)ことが検討されている。
【0003】
そして、インクカートリッジの回収を例にとって説明すると、現在では、ユーザに販売店の店頭に設置したリサイクルボックスに使用済みのインクカートリッジを投入してもらうことにより、インクカートリッジの回収が行われている。
【0004】
しかしながら、この方法にあっては、ユーザにとって、インクカートリッジの回収が義務でないこと及びインクカートリッジの回収に協力しても特に利益がないことなどのため、インクカートリッジの回収率はそれ程高くないのが実情である。このため、インクカートリッジ等の消耗品の回収率を高めるための方法がいくつか提案されている。
【0005】
特許文献1に記載された方法は、ユーザがプリンタに設けられている選択手段から使用国に合った国別言語情報を選択すると、選択された国別言語情報に対応する回収宛先情報が読み出されて、消耗品の回収先や連絡先、廃棄方法などがプリンタによって印刷されるという方法である。
【0006】
特許文献2に記載された方法は、ユーザがインターネットを介して商品の発注を行う際に、その発注用の発注画面に、発注する商品に対して回収サービスに参加するか否かを設定する設定欄を設け、メインサーバは、設定欄に設定され、送信されてくる回収サービスに参加するか否かの情報に応じて、回収見込み数量を算出し、算出した情報に応じて回収計画を作成するという方法である。
【0007】
特許文献3に記載された方法は、消耗品を生産工場からリサイクル工場までをネットワークで管理し、オンラインショッピングシステムとする方法である。この特許文献3においては、消耗品消費量情報やリサイクル情報に応じてクーポン券を発券するシステムについても言及されている。
【0008】
特許文献4に記載された方法は、消耗品を適正な方法で廃棄したユーザに特典を与えて消耗品の回収処理を促進する方法である。図9は特許文献4に記載された方法を説明するための図である。図10はそのフロー図である。これらの図に示されるように、特許文献4に記載された方法は、ユーザ1が消耗品(印刷紙2やインクカートリッジ3)を回収箱4に入れるとこれらの商品IDとユーザIDが読み取られ、その読み取られたデータを消耗品回収データ5として出力し、それをメーカ側などに設置されているユーザプロファイル6に蓄える。そして、メーカなどの特典提供側では、ユーザプロファイル6の内容に基づいて個々のユーザの消耗品回収の協力度などを判断し、それに応じた特典データを作成し、クーポン券のような形でユーザに与える。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−310088号公報
【特許文献2】
特開2001−306685号公報
【特許文献3】
特開2002−109335号公報
【特許文献4】
特開2002−127563号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したいずれの従来技術においても、消耗品の回収率を高くするのは容易ではないという問題点があった。
【0011】
すなわち、特許文献1に記載された方法においては、確かにユーザがリサイクルボックスの設置場所を探す手間は省くことができるという利点はあるものの、消耗品の回収が義務でないこと及び消耗品の回収に協力しても特に利益がないことから、消耗品の回収率はそれほど高くならない。
【0012】
また、特許文献2に記載された方法に記載された方法においても、消耗品の回収が義務でないこと及び消耗品の回収に協力しても特に利益がないことから、消耗品の回収率はそれほど高くならない。
【0013】
一方、特許文献3に記載された方法、特許文献4に記載された方法においては、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力すると、ユーザ毎にクーポン券等が発券されるため、上記した特許文献1〜2の場合とは異なり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率が高くなることが期待される。
【0014】
しかしながら、これらの特許文献に記載された方法では、インクカートリッジ等の回収に協力することによりクーポン券が与えられるとしても、クーポンの郵送やクーポンの印刷のための時間(及び手順)が必要であり、インクカートリッジ等の廃棄から特典発行までに所定の時間(及び手順)を要する。このため、インクカートリッジ等を廃棄後すぐに新しいインクカートリッジ等を購入する際(実際インクカートリッジの購入はこのような場合が多いと考えられる。)には特典が得られないため、ユーザにとって、インクカートリッジ等の回収に協力しようとするインセンティブにはなりにくく、そのため、この方法によってもインクカートリッジ等の消耗品の回収率を高くするのは容易ではない。
【0015】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、インクカートリッジ等の消耗品の回収率を高めることができる消耗品回収促進方法、この消耗品回収促進方法に用いる消耗品、記憶媒体、消耗品回収装置及び特典情報読取装置、並びに消耗品回収システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る消耗品回収促進方法は、使用済みの消耗品が所定の消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与された記憶媒体に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を所定の特典情報読取装置により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
このため、本発明の消耗品回収促進方法によれば、使用済み消耗品を所定の消耗品回収装置に投入するとその場でユーザの記憶媒体に特典情報が書き込まれる。このため、使用済み消耗品を廃棄後すぐに新しい消耗品を購入するような場合であっても、新しい消耗品を購入する際にはすでに記憶媒体に特典情報が書き込まれているため、この特典情報が書き込まれた記憶媒体を販売店等に提示することにより、所定の特典を得ることができる。このことは、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率を効果的に高めることができるのである。
【0018】
ここで、特典とは、消耗品の割引サービス、付属品の供与サービスなどが例示されるが、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブとして働くものであれば特に制限されるものではない。
【0019】
(2)上記(1)に記載の消耗品回収促進方法においては、消耗品を使用する機器本体に記憶媒体を同梱することによってユーザに記憶媒体を付与することが好ましい。
本発明の消耗品回収促進方法においては、特典情報の読み書きをするための記憶媒体をユーザに付与することが必要となるが、このように機器本体に記憶媒体を同梱することによってこのことが容易に実現される。なお、ユーザ(機器本体購入者)は、電話、葉書、インターネット等の通信手段を介してその後顧客登録をすることもできる。この場合、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させることが可能になり、より多様な特典をユーザに与えることができるため、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。なお、この場合には、顧客情報の保護の観点から、顧客情報を識別コードなどで本来の顧客情報とは分離した形で記憶させることが好ましい。
【0020】
(3)上記(1)に記載の消耗品回収促進方法において、ユーザの顧客登録に基づいて記憶媒体を付与することもまた好ましい。
このような方法とすることによっても、所定の記憶媒体をユーザに付与することができる。この場合には、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させるとともに記録媒体にも顧客情報を記憶させることが可能になるため、より多様な特典をユーザに与えることができるようになり、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。なお、この場合も、顧客情報の保護の観点から、顧客情報を識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0021】
(4)上記(1)〜(3)に記載の消耗品回収促進方法においては、消耗品を販売するときに前記特典付与工程を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、ユーザにとっては、使用済みの消耗品を廃棄してすぐに新しい消耗品を購入することが多いが、この新しい消耗品を購入する際に特典が得られることが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0022】
(5)上記(4)に記載の消耗品回収促進方法においては、前記特典付与工程においては、販売する消耗品に関する情報を前記記憶媒体に書き込むことが好ましい。
このような方法とすることにより、この消耗品を適正に廃棄すればこのユーザの消耗品購入サイクル等の情報が得られるので、ユーザに合わせた特典を与えることができるようになり、このことが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
また、このような方法とすることにより、この消耗品を適正に廃棄すればこのユーザの消耗品購入サイクル等の情報が得られるので、マーケティング情報として用いることもできる。また、廃棄状況から適切に廃棄されない消耗品がどのくらいあるかわかるのでその対策を立てる際に有益な情報となる。
【0023】
(6)上記(4)に記載の消耗品回収促進方法においては、関連商品を販売するときにも前記特典付与工程を行うことが好ましい。
ここで、関連商品とは、機器本体や関連する別の消耗品のことである。例えば消耗品がカラーのインクカートリッジである場合には、機器本体とはプリンタ本体であり、関連する別の消耗品とは黒のインクカートリッジ、インクジェット専用紙などである。
このような方法とすることにより、ユーザが使用済みのインクカートリッジの回収に協力すれば、その回収に協力したものと同じ消耗品を購入するときだけではなく、他の関連商品を購入する際にも様々な利益が得られるので、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブが得られる。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0024】
(7)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法においては、前記特典付与工程で特典付与を行ったとき前記記憶媒体に書き込まれた特典情報の更新を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、付与された特典を使った場合にはその分の特典情報を削除することができる。このため、何度でも繰り返して記憶媒体に特典情報を書き込むことができる。
【0025】
(8)本発明の消耗品は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品であって、この消耗品を特定するための消耗品特定情報が書き込まれていることを特徴とする。
【0026】
このため、本発明の消耗品を用いることによって、使用済みの消耗品が消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取ることができるようになるため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0027】
(9)上記(8)に記載の消耗品においては、この消耗品を特定するための消耗品特定情報が書き込まれた非接触型ICチップを含むことが好ましい。
このように構成することにより、非接触型ICチップからの信号をセンスすることにより、使用済みの消耗品を消耗品回収装置に投入する際にこの消耗品を特定するための情報を読み取ることが極めて容易になる。また、ICチップには種々の情報を記憶させることができるため、その情報に基づいた多様な特典を付与することができる。種々の情報とは、例えば、消耗品の型番、消耗品ID、この消耗品を使用可能な機器本体の型番、この消耗品の製造年月日、製造場所などである。
【0028】
(10)上記(8)に記載の消耗品においては、この消耗品を特定するための消耗品特定情報を含むバーコード情報が書き込まれていることが好ましい。
このように構成することにより、バーコード情報を読み取ることにより、使用済みの消耗品を消耗品回収装置に投入する際にこの消耗品を特定するための情報を読み取ることが極めて容易になる。また、消耗品にバーコードを貼ったり印刷したりするだけですむので、低コストのものとなる。
【0029】
(11)本発明の記憶媒体は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための記憶媒体であって、特典情報の読み書きが可能である記憶媒体であることを特徴とする。
【0030】
このため、本発明の記憶媒体を用いることによって、使用済みの消耗品が消耗品回収装置に投入されたときに消耗品特定情報に基づいて所定の特典情報を書き込んだり、この特典情報を読み取りこの特典情報に基づいて所定の特典を付与することができるようになるため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0031】
(12)上記(11)に記載の記憶媒体においては、ICカードであることが好ましい。
このように構成することにより、特典情報の読み書きを正確・迅速・容易に行うことができる。
【0032】
(13)上記(12)に記載の記憶媒体においては、特典情報を表示する機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、ユーザが自分の特典情報を容易に知ることができるようになる。このため、これによってどのような特典が得られるのかがわかるようになるため便利であるとともに、このことがユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0033】
(14)上記(13)に記載の記憶媒体においては、特典情報をPOSシステムにて読み取り可能な形態で表示する機能も有することが好ましい。
このように構成することにより、記憶媒体に書き込まれた特典情報を電気的に読むことのできる特典情報読取装置を備えていない販売店であったも、POSシステムを備えてさえいれば記憶媒体に書き込まれている特典情報を読み出すことができるので、この消耗品回収促進方法を幅広く普及させることが容易になる。
読み取り可能な形態とは例えば、バーコードや二次元バーコードなどが挙げられる。
【0034】
(15)上記(11)〜(14)に記載の記憶媒体においては、記憶媒体を特定する情報、機器本体に関する情報、消耗品に関する情報、消耗品の購入・廃棄に関する情報、特典情報などの情報が書き込まれていることが好ましい。
このように構成することにより、ユーザに合わせた多様性のある特典をユーザに付与することができるようになる。上記情報には、顧客情報、機器本体の型番、機器本体のID、機器本体の購入日、消耗品の型番、消耗品のID、消耗品の購入日、購入場所、消耗品の廃棄日、廃棄場所等に関する情報も含まれる。なお、顧客情報については、上記したように顧客情報保護の観点から識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0035】
(16)本発明の消耗品回収装置は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品回収装置であって、使用済みの消耗品が投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む機能を有することを特徴とする。
【0036】
このため、本発明の消耗品回収装置を用いることによって、使用済みの消耗品が投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む機能を有するため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0037】
(17)上記(16)に記載の消耗品回収装置においては、消耗品に含まれる非接触型ICチップの信号を非接触で読み取るセンサ機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、消耗品特定情報の読み込みを正確・迅速・容易にすることができる。
【0038】
(18)上記(16)に記載の消耗品回収装置においては、消耗品に書き込まれたバーコード情報を読み取る機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、インクカートリッジとして必ずしも非接触型ICチップを用いる必要がなくなり、システムを全体的に簡易なものとすることができる。
【0039】
(19)本発明の特典情報読取装置は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための特典情報読取装置であって、前記記憶媒体の記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取る機能を有することを特徴とする。
【0040】
このため、本発明の特典情報読取装置を用いることによって、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取ることができるため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0041】
(20)上記(19)に記載の特典情報読取装置においては、読み取った特典情報に基づいて付与可能な特典を表示する機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、販売店の店員等がこの特典情報読取装置を用いることによって、ユーザに付与可能な特典を説明して選択してもらうことが可能になり、ユーザに満足感を与え、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0042】
(21)本発明の消耗品回収促進システムは、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品回収促進システムであって、特典情報を読み書きするための記憶媒体と、使用済みの消耗品が所定の消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取りこの消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む消耗品回収装置と、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取る特典情報読取装置とを含むことを特徴とする。
【0043】
このため、本発明の消耗品回収促進システムを用いることによって、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0044】
(22)上記(21)に記載の消耗品回収促進システムにおいては、前記消耗品回収装置及び前記特典情報読取装置は、媒体ネットワークを介して機器本体供給者のデ−タベースシステムに接続されていることが好ましい。
このように構成することにより、消耗品回収装置及び特典情報読取装置で読み取られた情報をメーカ側にある機器本体及び消耗品の売上データ、消耗品回収データ、ユーザデータベースなどに取り込むことにより、より一層多様な特典をユーザに与えることが可能になり、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態で説明する内容は、本発明の消耗品回収促進方法及びシステムについての説明であるとともに、これらの方法やシステムに用いる消耗品、記憶媒体、消耗品回収装置及び特典情報読取装置についての説明でもある。
本発明が適用可能な消耗品は特に限定されるものではないが、以下に示す実施の形態では、廃棄対象物となる消耗品として、プリンタで使用される使用済みのインクカートリッジを例にとって説明する。
【0046】
図1は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。図2は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するためのフロー図である。
実施の形態に係る消耗品回収促進方法は、図1及び図2に示されるように、使用済みのインクカートリッジ(消耗品)20がリサイクルボックス(消耗品回収装置)40に投入されたときにこのインクカートリッジ20を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与されたICカード(記憶媒体)30に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、ICカード30の提示を受けたときにこのICカードに書き込まれた特典情報を所定のPOS端末(特典情報読取装置)50により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含む。
【0047】
このため、実施の形態に係る消耗品回収促進方法によれば、使用済みインクカートリッジ20をリサイクルボックス40に投入するとその場でユーザのICカード30に特典情報が書き込まれる。このため、使用済みインクカートリッジ20を廃棄後すぐに新しいインクカートリッジを購入するような場合であっても、新しいインクカートリッジを購入する際にはすでにICカード30に特典情報が書き込まれているため、この特典情報が書き込まれたICカード30を販売店等に提示することにより、所定の特典を得ることができる。このことは、インクカートリッジの回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、この実施の形態に係る消耗品回収促進方法によれば、インクカートリッジの回収率を効果的に高めることができる。
【0048】
本発明の消耗品回収促進方法を実施するにあたっては、図1に示されるように、上記したリサイクルボックス40及びPOS端末50を、例えば販売店に設置するのが好ましい。こうすると、ユーザが使用済みのインクカートリッジ20を販売店にあるリサイクルボックス40に投入することによりユーザのICカード30に特典情報が書き込まれるため、同じ販売店に設置されているPOS端末50でユーザがこの後すぐに新しいインクカートリッジを購入したとしても、ICカード30を提示すればこのICカード30に書き込まれている特典情報を読み取ることができるため、その場でユーザに特典を与えることができるからである。但し、本発明はこれに限られることはなく、リサイクルボックス40やPOS端末が販売店以外の場所に設置されていてもよい。
【0049】
図3は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、図3(a)に示されるように、プリンタ10にICカード30を同梱することによってユーザにICカード30を付与することもできるし、図3(b)に示されるように、ユーザの顧客登録に基づいてICカード30を付与することもできる。
【0050】
本発明の消耗品回収促進方法においては、特典情報の読み書きをするためのICカード30をユーザに付与することが必要となるが、これらの方法によって、このことが容易に実現される。
なお、図3(a)の場合には、ユーザ(プリンタ10の購入者)は、電話、葉書、インターネット等の通信手段を介してその後顧客登録をすることもできる。この場合、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させることが可能になり、より多様な特典をユーザに与えることができるため、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0051】
また、図3(b)の場合には、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させるとともにICカード30にも顧客情報を記憶させることが可能になるため、より多様な特典をユーザに与えることができるようになり、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
なお、これらの場合には、顧客情報の保護の観点から、顧客情報を識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0052】
図4は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、図4に示されるように、使用済みのインクカートリッジ20をリサイクルボックス40を投入したときにこのインクカートリッジ20を特定する情報が読み取られ、この消耗品特定情報に基づいてICカード30に所定の特典情報が書き込まれる。そして、このICカード30をPOS端末を操作する店員に提示すると、このICカード30に書き込まれた特典情報が読み取られる。これによって、例えば、ユーザが新しいインクカートリッジを購入する際には読み取られた特典情報に基づいて所定の特典がユーザに与えられる。所定の特典には、インクカートリッジの割引、付属品の供与などが挙げられる。
【0053】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、このような方法とすることにより、ユーザにとっては、使用済みの消耗品を廃棄してすぐに新しい消耗品を購入することが多いため、この新しい消耗品を購入する際に特典が得られることが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0054】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、インクカートリッジの関連商品を販売するときにも特典付与工程を行うことができる。この場合、関連商品とはプリンタ、別の色のインクカートリッジ、別の型番のインクカートリッジ、インクジェット専用紙などである。
このような方法とすることにより、ユーザが使用済みのインクカートリッジ20の回収に協力すれば、新しいインクカートリッジ20Newを購入するときだけではなく、上記した他の関連商品を購入する際にも様々な利益が得られるので、ユーザにとってはインクカートリッジの回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0055】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、特典付与工程において、販売する新しいインクカートリッジ20Newに関する情報をICカード30に書き込むことが好ましい。
このような方法とすることにより、後日このインクカートリッジ20Newを廃棄すればこのユーザのインクカートリッジ購入サイクル等の情報が得られるので、ユーザに合わせた特典を与えることができるようになり、このことが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0056】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、特典付与を行ったときICカード30に書き込まれた特典情報の更新を行う。このような方法とすることにより、ユーザに付与された特典を使った場合にはその分の特典情報を削除することができる。このため、同じICカードに繰り返し何度でも特典情報を書き込むことができる。
【0057】
図5は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるインクカートリッジ20を説明するための図である。このインクカートリッジ20は、図5に示されるように、このインクカートリッジ20を特定するための特定情報が書き込まれた非接触型ICチップ24を含んでいる。
このため、この非接触型ICチップ24からの信号をセンスすれば、使用済みのインクカートリッジ20をリサイクルボックス40に投入する際にこのインクカートリッジ20を特定するための情報を読み取ることができる。また、このICチップ24には特定情報以外にも種々の情報を記憶させることができるため、その情報に基づいた多様な特典をユーザに付与することができる。種々の情報とは、インクカートリッジのID、インクカートリッジの型番、このインクカートリッジを使用可能なプリンタの型番、インクカートリッジのインクの色、インクカートリッジのインク残量、このインクカートリッジの製造年月日、製造場所などである。
【0058】
実施の形態に係るインクカートリッジには、非接触型ICチップ24を含ませるとともに、このインクカートリッジを特定するための特定情報を含むバーコード26を書き込むこともできる。
また、実施の形態に係るインクカートリッジとしては、非接触型ICチップ24を含ませる代わりに、このインクカートリッジを特定するための特定情報を含むバーコードを印刷又は貼付することができる。このようにすれば、バーコードを読み取るだけでインクカートリッジを特定できるため、システム全体を簡易なものとすることができるまた、インクカートリッジにバーコードを貼ったり印刷したりするだけですむので、インクカートリッジとしても低コストのものとなる。
【0059】
図6は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカード30を説明するための図である。このICカード30は、特典情報の読み書きが可能であるため、このICカード30を用いることによって、使用済みのインクカートリッジ20がリサイクルボックス40に投入されたときにインクカートリッジ特定情報に基づいて所定の特典情報を書き込んだり、この特典情報を読み取ってこの特典情報に基づいて所定の特典をユーザに付与することができるようになる。
【0060】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカード30は、表示部34を有しており、特典情報を表示する機能を有している。このため、ユーザが自分の特典情報を容易に知ることができるようになる。その結果、現在の特典情報を随時参照できるため便利であるとともに、これがユーザにとってはインクカートリッジの回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0061】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカード30は、特典情報をPOSシステムにて読み取り可能な形態(例えば、バーコード32、二次元バーコード)で表示する機能も有している。このため、ICカード30に書き込まれた特典情報を電気的に読むことのできるPOS端末を備えていない販売店であっても、バーコードリーダさえ備えていればICカード30に書き込まれている特典情報を読み出すことができるので、この消耗品回収促進方法を幅広く普及させることが容易になる。
【0062】
ICカード30においては、ICカード30を特定する情報、プリンタ10に関する情報、インクカートリッジに関する情報、インクカートリッジの購入・廃棄に関する情報、特典情報などの情報が書き込まれている。このため、ユーザに対して、より多様性のある特典を付与することができるようになる。上記情報には、顧客情報、プリンタの型番、プリンタのID、プリンタの購入日、インクカートリッジの型番、インクカートリッジのID、インクカートリッジの購入日、購入場所、インクカートリッジの廃棄日、廃棄場所などに関する情報も含まれる。なお、顧客情報については、上記したように顧客情報保護の観点から識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0063】
図7は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるリサイクルボックス40を説明するための図である。このリサイクルボックス40は、インクカートリッジ投入部42、インクカートリッジ特定情報読取部44、ICカード読み書き部、を備えている。そして、使用済みのインクカートリッジ20が投入されたときにこのインクカートリッジ特定情報を読み取りこの特定情報に基づいてICカード30に所定の特典情報を書き込む機能を有している。このリサイクルボックス40は、インクカートリッジ20に含まれる非接触型ICチップ24の信号を非接触で読み取るセンサ機能を有しており、消耗品特定情報の読み込みが容易になるように構成されている。
【0064】
このリサイクルボックス40は、インクカートリッジに書き込まれたバーコード情報を読み取る機能を有するものであることも好ましい。このように構成すれば、インクカートリッジとして非接触型のICチップを含むものを用いる必要もなくなり、システムを全体的に簡易なものとすることができる。
【0065】
図8は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるPOS端末50を説明するための図である。このPOS端末50は、ICカード30に書き込まれた特典情報を読み取る機能を有している。このため、このPOS端末を用いることによって、ICカード30の提示を受けたときにこのICカード30に書き込まれた特典情報を読み取ることができる。
【0066】
POS端末50は、読み取った特典情報に基づいて付与可能な特典を表示する機能を有している。このため、販売店の店員等がこのPOS端末を用いることによって、ユーザに付与可能な特典を選択してもらうことが可能になるため、ユーザにさらなる満足感を与え、インクカートリッジの回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0067】
実施の形態に係る消耗品回収促進システムにおいては、リサイクルボックス40及びPOS端末50は、ネットワークを介しプリンタメーカやプリンタ販売会社のデ−タベースシステムに接続されている。このようにすれば、リサイクルボックス50及びPOS端末で読み取られた情報をメーカや販売会社(機器本体供給者)側にあるプリンタ及びインクカートリッジの売上データ、インクカートリッジの回収データ、プリンタのユーザデータベースなどに取り込むことにより、より一層多様な特典をユーザに与えることが可能になり、インクカートリッジの回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0068】
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能となるものである。例えば、上記した実施の形態では、廃棄される消耗品として、プリンタに使用されるインクカートリッジを例にとって説明したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。また、販売店に消耗品回収装置及び特典情報読取装置が設置され、メーカにユーザデータ、機器本体及び消耗品の売上データ、消耗品の回収データなどのデータに関するデータベースが設置されているとして説明したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するためのフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるインクカートリッジを説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカードを説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるリサイクルボックスを説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いる特典情報読取装置を説明するための図である。
【図9】従来の消耗品回収処理方法を説明するためのフロー図である。
【図10】従来の消耗品回収処理方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 プリンタ、10a 梱包箱、20 インクカートリッジ、22 プリンタ本体との接続部、24 非接触型ICチップ、26 バーコード、30 ICカード、32 バーコード、34 表示部、36 磁気記録部、40 リサイクルボックス、42 消耗品投入部、44 消耗品特定情報読取部、46 ICカード読み書き部、50 POS端末、60 メーカデータベース、70 ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、消耗品回収促進方法、この消耗品回収促進方法に用いる消耗品、記憶媒体、消耗品回収装置及び特典情報読取装置、並びに消耗品回収促進システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境意識の高まりに伴って、従来ゴミとして廃棄されてきた消耗品(例えば、インクカートリッジなど)を回収したり、さらにはこの回収した消耗品を再利用したりする(例えば、使用済みインクカートリッジにインクを充填して再利用する)ことが検討されている。
【0003】
そして、インクカートリッジの回収を例にとって説明すると、現在では、ユーザに販売店の店頭に設置したリサイクルボックスに使用済みのインクカートリッジを投入してもらうことにより、インクカートリッジの回収が行われている。
【0004】
しかしながら、この方法にあっては、ユーザにとって、インクカートリッジの回収が義務でないこと及びインクカートリッジの回収に協力しても特に利益がないことなどのため、インクカートリッジの回収率はそれ程高くないのが実情である。このため、インクカートリッジ等の消耗品の回収率を高めるための方法がいくつか提案されている。
【0005】
特許文献1に記載された方法は、ユーザがプリンタに設けられている選択手段から使用国に合った国別言語情報を選択すると、選択された国別言語情報に対応する回収宛先情報が読み出されて、消耗品の回収先や連絡先、廃棄方法などがプリンタによって印刷されるという方法である。
【0006】
特許文献2に記載された方法は、ユーザがインターネットを介して商品の発注を行う際に、その発注用の発注画面に、発注する商品に対して回収サービスに参加するか否かを設定する設定欄を設け、メインサーバは、設定欄に設定され、送信されてくる回収サービスに参加するか否かの情報に応じて、回収見込み数量を算出し、算出した情報に応じて回収計画を作成するという方法である。
【0007】
特許文献3に記載された方法は、消耗品を生産工場からリサイクル工場までをネットワークで管理し、オンラインショッピングシステムとする方法である。この特許文献3においては、消耗品消費量情報やリサイクル情報に応じてクーポン券を発券するシステムについても言及されている。
【0008】
特許文献4に記載された方法は、消耗品を適正な方法で廃棄したユーザに特典を与えて消耗品の回収処理を促進する方法である。図9は特許文献4に記載された方法を説明するための図である。図10はそのフロー図である。これらの図に示されるように、特許文献4に記載された方法は、ユーザ1が消耗品(印刷紙2やインクカートリッジ3)を回収箱4に入れるとこれらの商品IDとユーザIDが読み取られ、その読み取られたデータを消耗品回収データ5として出力し、それをメーカ側などに設置されているユーザプロファイル6に蓄える。そして、メーカなどの特典提供側では、ユーザプロファイル6の内容に基づいて個々のユーザの消耗品回収の協力度などを判断し、それに応じた特典データを作成し、クーポン券のような形でユーザに与える。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−310088号公報
【特許文献2】
特開2001−306685号公報
【特許文献3】
特開2002−109335号公報
【特許文献4】
特開2002−127563号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したいずれの従来技術においても、消耗品の回収率を高くするのは容易ではないという問題点があった。
【0011】
すなわち、特許文献1に記載された方法においては、確かにユーザがリサイクルボックスの設置場所を探す手間は省くことができるという利点はあるものの、消耗品の回収が義務でないこと及び消耗品の回収に協力しても特に利益がないことから、消耗品の回収率はそれほど高くならない。
【0012】
また、特許文献2に記載された方法に記載された方法においても、消耗品の回収が義務でないこと及び消耗品の回収に協力しても特に利益がないことから、消耗品の回収率はそれほど高くならない。
【0013】
一方、特許文献3に記載された方法、特許文献4に記載された方法においては、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力すると、ユーザ毎にクーポン券等が発券されるため、上記した特許文献1〜2の場合とは異なり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率が高くなることが期待される。
【0014】
しかしながら、これらの特許文献に記載された方法では、インクカートリッジ等の回収に協力することによりクーポン券が与えられるとしても、クーポンの郵送やクーポンの印刷のための時間(及び手順)が必要であり、インクカートリッジ等の廃棄から特典発行までに所定の時間(及び手順)を要する。このため、インクカートリッジ等を廃棄後すぐに新しいインクカートリッジ等を購入する際(実際インクカートリッジの購入はこのような場合が多いと考えられる。)には特典が得られないため、ユーザにとって、インクカートリッジ等の回収に協力しようとするインセンティブにはなりにくく、そのため、この方法によってもインクカートリッジ等の消耗品の回収率を高くするのは容易ではない。
【0015】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、インクカートリッジ等の消耗品の回収率を高めることができる消耗品回収促進方法、この消耗品回収促進方法に用いる消耗品、記憶媒体、消耗品回収装置及び特典情報読取装置、並びに消耗品回収システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る消耗品回収促進方法は、使用済みの消耗品が所定の消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与された記憶媒体に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を所定の特典情報読取装置により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
このため、本発明の消耗品回収促進方法によれば、使用済み消耗品を所定の消耗品回収装置に投入するとその場でユーザの記憶媒体に特典情報が書き込まれる。このため、使用済み消耗品を廃棄後すぐに新しい消耗品を購入するような場合であっても、新しい消耗品を購入する際にはすでに記憶媒体に特典情報が書き込まれているため、この特典情報が書き込まれた記憶媒体を販売店等に提示することにより、所定の特典を得ることができる。このことは、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率を効果的に高めることができるのである。
【0018】
ここで、特典とは、消耗品の割引サービス、付属品の供与サービスなどが例示されるが、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブとして働くものであれば特に制限されるものではない。
【0019】
(2)上記(1)に記載の消耗品回収促進方法においては、消耗品を使用する機器本体に記憶媒体を同梱することによってユーザに記憶媒体を付与することが好ましい。
本発明の消耗品回収促進方法においては、特典情報の読み書きをするための記憶媒体をユーザに付与することが必要となるが、このように機器本体に記憶媒体を同梱することによってこのことが容易に実現される。なお、ユーザ(機器本体購入者)は、電話、葉書、インターネット等の通信手段を介してその後顧客登録をすることもできる。この場合、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させることが可能になり、より多様な特典をユーザに与えることができるため、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。なお、この場合には、顧客情報の保護の観点から、顧客情報を識別コードなどで本来の顧客情報とは分離した形で記憶させることが好ましい。
【0020】
(3)上記(1)に記載の消耗品回収促進方法において、ユーザの顧客登録に基づいて記憶媒体を付与することもまた好ましい。
このような方法とすることによっても、所定の記憶媒体をユーザに付与することができる。この場合には、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させるとともに記録媒体にも顧客情報を記憶させることが可能になるため、より多様な特典をユーザに与えることができるようになり、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。なお、この場合も、顧客情報の保護の観点から、顧客情報を識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0021】
(4)上記(1)〜(3)に記載の消耗品回収促進方法においては、消耗品を販売するときに前記特典付与工程を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、ユーザにとっては、使用済みの消耗品を廃棄してすぐに新しい消耗品を購入することが多いが、この新しい消耗品を購入する際に特典が得られることが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0022】
(5)上記(4)に記載の消耗品回収促進方法においては、前記特典付与工程においては、販売する消耗品に関する情報を前記記憶媒体に書き込むことが好ましい。
このような方法とすることにより、この消耗品を適正に廃棄すればこのユーザの消耗品購入サイクル等の情報が得られるので、ユーザに合わせた特典を与えることができるようになり、このことが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
また、このような方法とすることにより、この消耗品を適正に廃棄すればこのユーザの消耗品購入サイクル等の情報が得られるので、マーケティング情報として用いることもできる。また、廃棄状況から適切に廃棄されない消耗品がどのくらいあるかわかるのでその対策を立てる際に有益な情報となる。
【0023】
(6)上記(4)に記載の消耗品回収促進方法においては、関連商品を販売するときにも前記特典付与工程を行うことが好ましい。
ここで、関連商品とは、機器本体や関連する別の消耗品のことである。例えば消耗品がカラーのインクカートリッジである場合には、機器本体とはプリンタ本体であり、関連する別の消耗品とは黒のインクカートリッジ、インクジェット専用紙などである。
このような方法とすることにより、ユーザが使用済みのインクカートリッジの回収に協力すれば、その回収に協力したものと同じ消耗品を購入するときだけではなく、他の関連商品を購入する際にも様々な利益が得られるので、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブが得られる。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0024】
(7)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法においては、前記特典付与工程で特典付与を行ったとき前記記憶媒体に書き込まれた特典情報の更新を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、付与された特典を使った場合にはその分の特典情報を削除することができる。このため、何度でも繰り返して記憶媒体に特典情報を書き込むことができる。
【0025】
(8)本発明の消耗品は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品であって、この消耗品を特定するための消耗品特定情報が書き込まれていることを特徴とする。
【0026】
このため、本発明の消耗品を用いることによって、使用済みの消耗品が消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取ることができるようになるため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0027】
(9)上記(8)に記載の消耗品においては、この消耗品を特定するための消耗品特定情報が書き込まれた非接触型ICチップを含むことが好ましい。
このように構成することにより、非接触型ICチップからの信号をセンスすることにより、使用済みの消耗品を消耗品回収装置に投入する際にこの消耗品を特定するための情報を読み取ることが極めて容易になる。また、ICチップには種々の情報を記憶させることができるため、その情報に基づいた多様な特典を付与することができる。種々の情報とは、例えば、消耗品の型番、消耗品ID、この消耗品を使用可能な機器本体の型番、この消耗品の製造年月日、製造場所などである。
【0028】
(10)上記(8)に記載の消耗品においては、この消耗品を特定するための消耗品特定情報を含むバーコード情報が書き込まれていることが好ましい。
このように構成することにより、バーコード情報を読み取ることにより、使用済みの消耗品を消耗品回収装置に投入する際にこの消耗品を特定するための情報を読み取ることが極めて容易になる。また、消耗品にバーコードを貼ったり印刷したりするだけですむので、低コストのものとなる。
【0029】
(11)本発明の記憶媒体は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための記憶媒体であって、特典情報の読み書きが可能である記憶媒体であることを特徴とする。
【0030】
このため、本発明の記憶媒体を用いることによって、使用済みの消耗品が消耗品回収装置に投入されたときに消耗品特定情報に基づいて所定の特典情報を書き込んだり、この特典情報を読み取りこの特典情報に基づいて所定の特典を付与することができるようになるため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0031】
(12)上記(11)に記載の記憶媒体においては、ICカードであることが好ましい。
このように構成することにより、特典情報の読み書きを正確・迅速・容易に行うことができる。
【0032】
(13)上記(12)に記載の記憶媒体においては、特典情報を表示する機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、ユーザが自分の特典情報を容易に知ることができるようになる。このため、これによってどのような特典が得られるのかがわかるようになるため便利であるとともに、このことがユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0033】
(14)上記(13)に記載の記憶媒体においては、特典情報をPOSシステムにて読み取り可能な形態で表示する機能も有することが好ましい。
このように構成することにより、記憶媒体に書き込まれた特典情報を電気的に読むことのできる特典情報読取装置を備えていない販売店であったも、POSシステムを備えてさえいれば記憶媒体に書き込まれている特典情報を読み出すことができるので、この消耗品回収促進方法を幅広く普及させることが容易になる。
読み取り可能な形態とは例えば、バーコードや二次元バーコードなどが挙げられる。
【0034】
(15)上記(11)〜(14)に記載の記憶媒体においては、記憶媒体を特定する情報、機器本体に関する情報、消耗品に関する情報、消耗品の購入・廃棄に関する情報、特典情報などの情報が書き込まれていることが好ましい。
このように構成することにより、ユーザに合わせた多様性のある特典をユーザに付与することができるようになる。上記情報には、顧客情報、機器本体の型番、機器本体のID、機器本体の購入日、消耗品の型番、消耗品のID、消耗品の購入日、購入場所、消耗品の廃棄日、廃棄場所等に関する情報も含まれる。なお、顧客情報については、上記したように顧客情報保護の観点から識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0035】
(16)本発明の消耗品回収装置は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品回収装置であって、使用済みの消耗品が投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む機能を有することを特徴とする。
【0036】
このため、本発明の消耗品回収装置を用いることによって、使用済みの消耗品が投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む機能を有するため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0037】
(17)上記(16)に記載の消耗品回収装置においては、消耗品に含まれる非接触型ICチップの信号を非接触で読み取るセンサ機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、消耗品特定情報の読み込みを正確・迅速・容易にすることができる。
【0038】
(18)上記(16)に記載の消耗品回収装置においては、消耗品に書き込まれたバーコード情報を読み取る機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、インクカートリッジとして必ずしも非接触型ICチップを用いる必要がなくなり、システムを全体的に簡易なものとすることができる。
【0039】
(19)本発明の特典情報読取装置は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための特典情報読取装置であって、前記記憶媒体の記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取る機能を有することを特徴とする。
【0040】
このため、本発明の特典情報読取装置を用いることによって、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取ることができるため、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0041】
(20)上記(19)に記載の特典情報読取装置においては、読み取った特典情報に基づいて付与可能な特典を表示する機能を有することが好ましい。
このように構成することにより、販売店の店員等がこの特典情報読取装置を用いることによって、ユーザに付与可能な特典を説明して選択してもらうことが可能になり、ユーザに満足感を与え、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0042】
(21)本発明の消耗品回収促進システムは、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品回収促進システムであって、特典情報を読み書きするための記憶媒体と、使用済みの消耗品が所定の消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取りこの消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む消耗品回収装置と、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取る特典情報読取装置とを含むことを特徴とする。
【0043】
このため、本発明の消耗品回収促進システムを用いることによって、本発明の消耗品回収促進方法を円滑に実施することができる。
【0044】
(22)上記(21)に記載の消耗品回収促進システムにおいては、前記消耗品回収装置及び前記特典情報読取装置は、媒体ネットワークを介して機器本体供給者のデ−タベースシステムに接続されていることが好ましい。
このように構成することにより、消耗品回収装置及び特典情報読取装置で読み取られた情報をメーカ側にある機器本体及び消耗品の売上データ、消耗品回収データ、ユーザデータベースなどに取り込むことにより、より一層多様な特典をユーザに与えることが可能になり、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態で説明する内容は、本発明の消耗品回収促進方法及びシステムについての説明であるとともに、これらの方法やシステムに用いる消耗品、記憶媒体、消耗品回収装置及び特典情報読取装置についての説明でもある。
本発明が適用可能な消耗品は特に限定されるものではないが、以下に示す実施の形態では、廃棄対象物となる消耗品として、プリンタで使用される使用済みのインクカートリッジを例にとって説明する。
【0046】
図1は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。図2は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するためのフロー図である。
実施の形態に係る消耗品回収促進方法は、図1及び図2に示されるように、使用済みのインクカートリッジ(消耗品)20がリサイクルボックス(消耗品回収装置)40に投入されたときにこのインクカートリッジ20を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与されたICカード(記憶媒体)30に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、ICカード30の提示を受けたときにこのICカードに書き込まれた特典情報を所定のPOS端末(特典情報読取装置)50により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含む。
【0047】
このため、実施の形態に係る消耗品回収促進方法によれば、使用済みインクカートリッジ20をリサイクルボックス40に投入するとその場でユーザのICカード30に特典情報が書き込まれる。このため、使用済みインクカートリッジ20を廃棄後すぐに新しいインクカートリッジを購入するような場合であっても、新しいインクカートリッジを購入する際にはすでにICカード30に特典情報が書き込まれているため、この特典情報が書き込まれたICカード30を販売店等に提示することにより、所定の特典を得ることができる。このことは、インクカートリッジの回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、この実施の形態に係る消耗品回収促進方法によれば、インクカートリッジの回収率を効果的に高めることができる。
【0048】
本発明の消耗品回収促進方法を実施するにあたっては、図1に示されるように、上記したリサイクルボックス40及びPOS端末50を、例えば販売店に設置するのが好ましい。こうすると、ユーザが使用済みのインクカートリッジ20を販売店にあるリサイクルボックス40に投入することによりユーザのICカード30に特典情報が書き込まれるため、同じ販売店に設置されているPOS端末50でユーザがこの後すぐに新しいインクカートリッジを購入したとしても、ICカード30を提示すればこのICカード30に書き込まれている特典情報を読み取ることができるため、その場でユーザに特典を与えることができるからである。但し、本発明はこれに限られることはなく、リサイクルボックス40やPOS端末が販売店以外の場所に設置されていてもよい。
【0049】
図3は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、図3(a)に示されるように、プリンタ10にICカード30を同梱することによってユーザにICカード30を付与することもできるし、図3(b)に示されるように、ユーザの顧客登録に基づいてICカード30を付与することもできる。
【0050】
本発明の消耗品回収促進方法においては、特典情報の読み書きをするためのICカード30をユーザに付与することが必要となるが、これらの方法によって、このことが容易に実現される。
なお、図3(a)の場合には、ユーザ(プリンタ10の購入者)は、電話、葉書、インターネット等の通信手段を介してその後顧客登録をすることもできる。この場合、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させることが可能になり、より多様な特典をユーザに与えることができるため、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0051】
また、図3(b)の場合には、メーカのデータベースに顧客情報を記憶させるとともにICカード30にも顧客情報を記憶させることが可能になるため、より多様な特典をユーザに与えることができるようになり、インクカートリッジ等の消耗品の回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
なお、これらの場合には、顧客情報の保護の観点から、顧客情報を識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0052】
図4は、本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、図4に示されるように、使用済みのインクカートリッジ20をリサイクルボックス40を投入したときにこのインクカートリッジ20を特定する情報が読み取られ、この消耗品特定情報に基づいてICカード30に所定の特典情報が書き込まれる。そして、このICカード30をPOS端末を操作する店員に提示すると、このICカード30に書き込まれた特典情報が読み取られる。これによって、例えば、ユーザが新しいインクカートリッジを購入する際には読み取られた特典情報に基づいて所定の特典がユーザに与えられる。所定の特典には、インクカートリッジの割引、付属品の供与などが挙げられる。
【0053】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、このような方法とすることにより、ユーザにとっては、使用済みの消耗品を廃棄してすぐに新しい消耗品を購入することが多いため、この新しい消耗品を購入する際に特典が得られることが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0054】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、インクカートリッジの関連商品を販売するときにも特典付与工程を行うことができる。この場合、関連商品とはプリンタ、別の色のインクカートリッジ、別の型番のインクカートリッジ、インクジェット専用紙などである。
このような方法とすることにより、ユーザが使用済みのインクカートリッジ20の回収に協力すれば、新しいインクカートリッジ20Newを購入するときだけではなく、上記した他の関連商品を購入する際にも様々な利益が得られるので、ユーザにとってはインクカートリッジの回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0055】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、特典付与工程において、販売する新しいインクカートリッジ20Newに関する情報をICカード30に書き込むことが好ましい。
このような方法とすることにより、後日このインクカートリッジ20Newを廃棄すればこのユーザのインクカートリッジ購入サイクル等の情報が得られるので、ユーザに合わせた特典を与えることができるようになり、このことが、ユーザにとっては消耗品の回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジ等の消耗品の回収率をさらに高めることができる。
【0056】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法においては、特典付与を行ったときICカード30に書き込まれた特典情報の更新を行う。このような方法とすることにより、ユーザに付与された特典を使った場合にはその分の特典情報を削除することができる。このため、同じICカードに繰り返し何度でも特典情報を書き込むことができる。
【0057】
図5は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるインクカートリッジ20を説明するための図である。このインクカートリッジ20は、図5に示されるように、このインクカートリッジ20を特定するための特定情報が書き込まれた非接触型ICチップ24を含んでいる。
このため、この非接触型ICチップ24からの信号をセンスすれば、使用済みのインクカートリッジ20をリサイクルボックス40に投入する際にこのインクカートリッジ20を特定するための情報を読み取ることができる。また、このICチップ24には特定情報以外にも種々の情報を記憶させることができるため、その情報に基づいた多様な特典をユーザに付与することができる。種々の情報とは、インクカートリッジのID、インクカートリッジの型番、このインクカートリッジを使用可能なプリンタの型番、インクカートリッジのインクの色、インクカートリッジのインク残量、このインクカートリッジの製造年月日、製造場所などである。
【0058】
実施の形態に係るインクカートリッジには、非接触型ICチップ24を含ませるとともに、このインクカートリッジを特定するための特定情報を含むバーコード26を書き込むこともできる。
また、実施の形態に係るインクカートリッジとしては、非接触型ICチップ24を含ませる代わりに、このインクカートリッジを特定するための特定情報を含むバーコードを印刷又は貼付することができる。このようにすれば、バーコードを読み取るだけでインクカートリッジを特定できるため、システム全体を簡易なものとすることができるまた、インクカートリッジにバーコードを貼ったり印刷したりするだけですむので、インクカートリッジとしても低コストのものとなる。
【0059】
図6は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカード30を説明するための図である。このICカード30は、特典情報の読み書きが可能であるため、このICカード30を用いることによって、使用済みのインクカートリッジ20がリサイクルボックス40に投入されたときにインクカートリッジ特定情報に基づいて所定の特典情報を書き込んだり、この特典情報を読み取ってこの特典情報に基づいて所定の特典をユーザに付与することができるようになる。
【0060】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカード30は、表示部34を有しており、特典情報を表示する機能を有している。このため、ユーザが自分の特典情報を容易に知ることができるようになる。その結果、現在の特典情報を随時参照できるため便利であるとともに、これがユーザにとってはインクカートリッジの回収に協力しようとする大きなインセンティブとして働く。その結果、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0061】
実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカード30は、特典情報をPOSシステムにて読み取り可能な形態(例えば、バーコード32、二次元バーコード)で表示する機能も有している。このため、ICカード30に書き込まれた特典情報を電気的に読むことのできるPOS端末を備えていない販売店であっても、バーコードリーダさえ備えていればICカード30に書き込まれている特典情報を読み出すことができるので、この消耗品回収促進方法を幅広く普及させることが容易になる。
【0062】
ICカード30においては、ICカード30を特定する情報、プリンタ10に関する情報、インクカートリッジに関する情報、インクカートリッジの購入・廃棄に関する情報、特典情報などの情報が書き込まれている。このため、ユーザに対して、より多様性のある特典を付与することができるようになる。上記情報には、顧客情報、プリンタの型番、プリンタのID、プリンタの購入日、インクカートリッジの型番、インクカートリッジのID、インクカートリッジの購入日、購入場所、インクカートリッジの廃棄日、廃棄場所などに関する情報も含まれる。なお、顧客情報については、上記したように顧客情報保護の観点から識別コードなどで記憶させることが好ましい。
【0063】
図7は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるリサイクルボックス40を説明するための図である。このリサイクルボックス40は、インクカートリッジ投入部42、インクカートリッジ特定情報読取部44、ICカード読み書き部、を備えている。そして、使用済みのインクカートリッジ20が投入されたときにこのインクカートリッジ特定情報を読み取りこの特定情報に基づいてICカード30に所定の特典情報を書き込む機能を有している。このリサイクルボックス40は、インクカートリッジ20に含まれる非接触型ICチップ24の信号を非接触で読み取るセンサ機能を有しており、消耗品特定情報の読み込みが容易になるように構成されている。
【0064】
このリサイクルボックス40は、インクカートリッジに書き込まれたバーコード情報を読み取る機能を有するものであることも好ましい。このように構成すれば、インクカートリッジとして非接触型のICチップを含むものを用いる必要もなくなり、システムを全体的に簡易なものとすることができる。
【0065】
図8は、実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるPOS端末50を説明するための図である。このPOS端末50は、ICカード30に書き込まれた特典情報を読み取る機能を有している。このため、このPOS端末を用いることによって、ICカード30の提示を受けたときにこのICカード30に書き込まれた特典情報を読み取ることができる。
【0066】
POS端末50は、読み取った特典情報に基づいて付与可能な特典を表示する機能を有している。このため、販売店の店員等がこのPOS端末を用いることによって、ユーザに付与可能な特典を選択してもらうことが可能になるため、ユーザにさらなる満足感を与え、インクカートリッジの回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0067】
実施の形態に係る消耗品回収促進システムにおいては、リサイクルボックス40及びPOS端末50は、ネットワークを介しプリンタメーカやプリンタ販売会社のデ−タベースシステムに接続されている。このようにすれば、リサイクルボックス50及びPOS端末で読み取られた情報をメーカや販売会社(機器本体供給者)側にあるプリンタ及びインクカートリッジの売上データ、インクカートリッジの回収データ、プリンタのユーザデータベースなどに取り込むことにより、より一層多様な特典をユーザに与えることが可能になり、インクカートリッジの回収に協力しようとするインセンティブがさらに高まり、インクカートリッジの回収率をさらに高めることができる。
【0068】
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能となるものである。例えば、上記した実施の形態では、廃棄される消耗品として、プリンタに使用されるインクカートリッジを例にとって説明したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。また、販売店に消耗品回収装置及び特典情報読取装置が設置され、メーカにユーザデータ、機器本体及び消耗品の売上データ、消耗品の回収データなどのデータに関するデータベースが設置されているとして説明したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するためのフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるインクカートリッジを説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるICカードを説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いるリサイクルボックスを説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る消耗品回収促進方法に用いる特典情報読取装置を説明するための図である。
【図9】従来の消耗品回収処理方法を説明するためのフロー図である。
【図10】従来の消耗品回収処理方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 プリンタ、10a 梱包箱、20 インクカートリッジ、22 プリンタ本体との接続部、24 非接触型ICチップ、26 バーコード、30 ICカード、32 バーコード、34 表示部、36 磁気記録部、40 リサイクルボックス、42 消耗品投入部、44 消耗品特定情報読取部、46 ICカード読み書き部、50 POS端末、60 メーカデータベース、70 ネットワーク
Claims (22)
- 使用済みの消耗品が所定の消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取り、この消耗品特定情報に基づいて予めユーザに付与された記憶媒体に所定の特典情報を書き込む特典情報書込工程と、
前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を所定の特典情報読取装置により読み取り、この特典情報に基づいて所定の特典を付与する特典付与工程とを含むことを特徴とする消耗品回収促進方法。 - 請求項1に記載の消耗品回収促進方法において、消耗品を使用する機器本体に記憶媒体を同梱することによってユーザに記憶媒体を付与することを特徴とする消耗品回収促進方法。
- 請求項1に記載の消耗品回収促進方法において、ユーザの顧客登録に基づいて記憶媒体を付与することを特徴とする消耗品回収促進方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の消耗品回収促進方法において、消耗品を販売するときに前記特典付与工程を行うことを特徴とする消耗品回収促進方法。
- 請求項4に記載の消耗品回収促進方法において、前記特典付与工程においては、販売する消耗品に関する情報を前記記憶媒体に書き込むことを特徴とする消耗品回収促進方法。
- 請求項4に記載の消耗品回収促進方法において、関連商品を販売するときにも前記特典付与工程を行うことを特徴とする消耗品回収促進方法。
- 請求項4〜6のいずれかに記載の消耗品回収促進方法において、前記特典付与工程で特典付与を行ったとき前記記憶媒体に書き込まれた特典情報の更新を行うことを特徴とする消耗品回収促進方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品であって、この消耗品を特定するための消耗品特定情報が書き込まれていることを特徴とする消耗品。
- 請求項8に記載の消耗品において、この消耗品を特定するための消耗品特定情報が書き込まれた非接触型ICチップを含むことを特徴とする消耗品。
- 請求項8に記載の消耗品において、この消耗品を特定するための消耗品特定情報を含むバーコード情報が書き込まれていることを特徴とする消耗品。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための記憶媒体であって、特典情報の読み書きが可能であることを特徴とする記憶媒体。
- 請求項11に記載の記憶媒体において、ICカードであることを特徴とする記憶媒体。
- 請求項12に記載の記憶媒体において、特典情報を表示する機能を有することを特徴とする記憶媒体。
- 請求項13に記載の記憶媒体において、特典情報をPOSシステムにて読み取り可能な形態で表示する機能も有することを特徴とする記憶媒体。
- 請求項11〜14に記載の記憶媒体であって、記憶媒体を特定する情報、機器本体に関する情報、消耗品に関する情報、消耗品の購入・廃棄に関する情報、特典情報などの情報が書き込まれていることを特徴とする記憶媒体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品回収装置であって、使用済みの消耗品が投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取りこの消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む機能を有することを特徴とする消耗品回収装置。
- 請求項16に記載の消耗品回収装置において、消耗品に含まれる非接触型ICチップの信号を非接触で読み取る機能を有することを特徴とする消耗品回収装置。
- 請求項16に記載の消耗品回収装置において、消耗品に書き込まれたバーコード情報を読み取る機能を有することを特徴とする消耗品回収装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための特典情報読取装置であって、前記記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取る機能を有することを特徴とする特典情報読取装置。
- 請求項19に記載の特典情報読取装置において、読み取った特典情報に基づいて付与可能な特典を表示する機能を有することを特徴とする特典情報読取装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の消耗品回収促進方法に用いるための消耗品回収促進システムであって、特典情報を読み書きするための記憶媒体と、使用済みの消耗品が所定の消耗品回収装置に投入されたときにこの消耗品を特定する情報を読み取りこの消耗品特定情報に基づいて前記記憶媒体に所定の特典情報を書き込む消耗品回収装置と、前記記憶媒体の提示を受けたときにこの記憶媒体に書き込まれた特典情報を読み取る特典情報読取装置とを含むことを特徴とする消耗品回収促進システム。
- 請求項21に記載の消耗品回収促進システムにおいて、前記消耗品回収装置及び前記特典情報読取装置は、ネットワークを介して機器本体機器本体供給者のデ−タベースシステムに接続されていることを特徴とする消耗品回収促進システム。
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