【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒ素含有水の処理方法に関する。本発明方法によれば、簡便な手段で、しかも大量の沈殿物を発生させずに、河川水などのヒ素含有量を、環境基準値(0.01ppm以下)を満たす水準に低下させ、浄水場用水としても利用可能な水準にまで浄化することができる。
【0002】
【従来の技術】
河川水が有毒なヒ素やヒ素化合物を含有することがある。例えば、農薬工場、金属製錬工場、又は電子部品製造施設等からの産業排水、あるいは温泉排水や鉱山跡地排水からヒ素やヒ素化合物が混入するためである。これらの排水からヒ素やヒ素化合物を除去する従来技術としては、凝集沈殿法及び吸着法などが知られている。
【0003】
例えば、岡宏樹他著「新版・公害防止管理者・水質関係の基礎知識」(東京教育情報センター,平成13年7月発行)(非特許文献1)には、水酸化物共沈法と吸着剤法とが紹介されており、吸着剤法については、大量の吸着剤を必要とするなどの点から現実的利用は困難であると記載しているのに対し、水酸化物共沈法については、3価鉄の水酸化物〔Fe(OH)3〕による吸着がヒ素の処理方法として最も優れているとの記載がある。更に、前記非特許文献1によれば、水酸化物共沈法による処理後の残留ヒ素濃度は添加する3価鉄の濃度によって左右されるとし、残留ヒ素濃度を0.1ppm以下(放流基準値)にするには、鉄/ヒ素モル比(Fe/As)を20以上とし、残留ヒ素濃度を0.01ppm以下(環境基準値)にするには、鉄/ヒ素モル比(Fe/As)を50以上とする必要があることも示している。
【0004】
更に、「公害防止管理者国家試験受験のためのテキスト・水質汚濁防止技術」(産業公害防止協会,昭和46年10月発行)(非特許文献2)には、水酸化物共沈法を利用する具体的な手法として、硫酸第二鉄〔Fe2(SO4)3〕を添加して水酸化第二鉄〔Fe(OH)3〕のフロックを形成させ、そのフロックにヒ素を吸着させる原理を利用してヒ素含有水を処理した実験データが、具体的に紹介されている。ヒ素1ppm、10ppm、及び100ppmを含有する供試水に関して、鉄/ヒ素モル比(Fe/As)と、残留ヒ素濃度と、至適pH範囲との関係を示すグラフによれば、残留ヒ素濃度を0.1ppmとするには、pH範囲が約6.5〜9において鉄/ヒ素モル比(Fe/As)を約10にすることが必要であり、残留ヒ素濃度を0.01ppm以下とするには、pH範囲が約6.5〜10において鉄/ヒ素モル比(Fe/As)を約50にすることが必要である。
【0005】
水酸化物共沈法によりヒ素を除去する従来公知の処理方法においては、具体的には、塩化第二鉄〔FeCl3〕を被処理水に添加して、水中で水酸化物微粒子を形成させ、その水酸化物微粒子の形成に伴って、被処理水中のヒ素を取り込ませながら、更に、こうして形成される微粒子状フロックを有機高分子凝集剤(例えば、ポリアクリルアミド系沈降促進剤)の添加によって沈降させ、その上清を必要によりpH調整してから放流する操作が行われていた。
【0006】
しかしながら、従来公知の処理方法によって、残留ヒ素濃度を環境基準値(0.01ppm以下)のレベルにするためには、鉄/ヒ素モル比(Fe/As)を約50以上とする必要があり、塩化第二鉄と有機高分子凝集剤の添加量が大量になるので、大量の沈澱物が発生する欠点があった。この沈澱物にはヒ素が含まれており、その処置が問題となるため、水酸化物共沈法の単独利用は現実的に困難であった。
【0007】
【非特許文献1】
岡宏樹他著「新版・公害防止管理者・水質関係の基礎知識」(東京教育情報センター,平成13年7月発行)
【非特許文献2】
「公害防止管理者国家試験受験のためのテキスト・水質汚濁防止技術」(産業公害防止協会,昭和46年10月発行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、環境基準値(0.01ppm以下)レベルを達成し、沈澱物の発生量を減少させることのできる方法の改良を鋭意研究してきたところ、従来法とは異なる至適pH範囲において、鉄/ヒ素モル比(Fe/As)が小さくてもヒ素残留濃度を低下させることができることを見出した。
また、ヒ素を高濃度で含む被処理水の場合には、凝集処理後の上澄み液を酸化することで、残留ヒ素濃度を環境基準値(0.01ppm以下)を満たす水準に低下させることが可能なことも見出した。更に、ヒ素を高濃度で含む被処理水の場合には、前記の酸化処理後に、上澄み液を濾過して浮遊微粒子を除去することにより、残留ヒ素濃度を環境基準値(0.01ppm以下)を満たす水準に低下させることが可能なことも見出した。
本発明はこうした知見に基づくものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、ヒ素含有被処理水に、pH3〜6の条件下でポリ硫酸第二鉄を添加することを特徴とする、ヒ素含有水の処理方法に関する。
本発明の好ましい態様によれば、被処理水に含まれるヒ素1モルに対して、8〜20モル倍量の3価鉄に相当する量のポリ硫酸第二鉄を添加する。
また本発明の好ましい態様によれば、ポリ硫酸第二鉄の添加によって生成する沈澱物と上澄み液とを分離し、その上澄み液をろ過する。
本発明の別の好ましい態様によれば、ポリ硫酸第二鉄の添加によって生成する沈澱物と上澄み液とを分離した後、その上澄み液を、空気、酸素ガス又は過酸化水素で酸化処理する。
本発明の更に別の好ましい態様によれば、前記の酸化処理をpH3〜6の条件下で実施する。
本発明の更に別の好ましい態様によれば、前記の酸化処理によって生成する沈澱物と上澄み液とを分離し、その上澄み液をろ過する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、ヒ素含有被処理水に、pH3〜6の条件下でポリ硫酸第二鉄を添加して、水酸化第二鉄の凝集物を形成させて沈殿させる工程(凝集工程)を含む。
また、本発明方法は、前記の凝集工程によって生成する沈澱物と上澄み液とを分離し、その上澄み液を、空気、酸素ガス又は過酸化水素で酸化処理することによってヒ素及び二価鉄を酸化して、再度水酸化第二鉄の凝集物を形成させて沈殿させる工程(酸化工程)を含むことができる。
更に、本発明方法は、前記の凝集工程の後、あるいは、前記の凝集工程及び酸化工程の後に、沈澱物と上澄み液とを分離し、その上澄み液をろ過する工程(ろ過工程)を含むことができる。
【0011】
本発明方法において処理可能なヒ素含有被処理水は、ヒ素イオン、あるいは不溶性ヒ素化合物を含有する水であれば特に限定されず、例えば、自然環境に存在する各種の水、例えば、河川水や湖沼水、あるいは温泉排水、地熱水、あるいは鉱山跡地からの排水、更には産業排水(例えば、農薬工場、薬品工場、硫酸精錬工場、木材防腐処理施設、ガラス製造工場、金属製錬工場、電子部品製造施設、ゴミ処理施設、あるいは地熱発電所等からの産業排水)、あるいは化学や生物実験室などで生成されるヒ素含有排水などが含まれる。
【0012】
前記の凝集工程は、pH3〜6の酸性条件下で実施する。pH値が3未満になるとヒ素濃度は上昇する傾向になり、pH値が6を越えると沈殿したヒ素化合物が再溶解しやすくなる。
河川水などの自然環境水の場合は、pH値がおおむね中性であるので、凝集工程を実施する前に、室温で攪拌しながら、例えば、無機酸(例えば、希硫酸又は希塩酸)を添加して、pH値を調整することができる。
【0013】
本発明方法においては、凝集剤としてポリ硫酸第二鉄を用いる。前記ポリ硫酸第二鉄は、式:
[Fe2(OH)n(SO4)3−n/2]m
〔式中、n<2であり、m>10であり、その塩基度は(n/6)×100%で示される〕で表わされる化合物である(特公昭51−17516号公報参照)。ポリ硫酸第二鉄は、液状にすることができるので取り扱いが容易であり、配管腐食の原因となる塩素を含まない点でも好ましい。
【0014】
本発明方法においては、ポリ硫酸第二鉄を液体状、溶液状若しくは固体状で、又はそれらを組み合わせて添加することができる。ポリ硫酸第二鉄を液体状又は溶液状で加えると、速やかに拡散するので好ましい。
【0015】
本発明方法の凝集工程において添加するポリ硫酸第二鉄の量は、鉄/ヒ素モル比(Fe/As)が、好ましくは1以上、より好ましくは4〜15、最も好ましくは8〜12となる量である。鉄/ヒ素モル比が1未満であると環境基準値レベルへの処理が困難になる。鉄/ヒ素モル比の上限はないが、30以上になると沈澱物の量が多くなるので好ましくない。
ポリ硫酸第二鉄は、攪拌下、室温で添加することができ、また、添加後は1〜5時間攪拌することが好ましい。
【0016】
前記の凝集工程において、被処理水にポリ硫酸第二鉄を添加すると、水酸化第二鉄が析出し、析出した水酸化第二鉄が凝縮して、沈降する。この水酸化第二鉄が析出して凝縮する際に、被処理水中のヒ素イオン及びヒ素化合物を捕捉するものと考えられる。しかしながら、ポリ硫酸第二鉄の添加量が多すぎると生成する沈澱物の量も多くなり、この沈澱物はヒ素を含むので、その廃棄コストが高くなり、好ましくない。従って、被処理水中のヒ素を取り除くための必要最小限の量を添加するのが好ましい。
なお、被処理水のヒ素含有量は、公知の方法で簡単に測定することができ、その測定値に基づいてポリ硫酸第二鉄の添加量を決定することができる。本発明方法によって特定の河川水などを連続的に処理する場合には、被処理水のヒ素含有量の平均値や最高値などを予め測定しておき、その測定値に沿ってポリ硫酸第二鉄の添加量を決定することができる。
【0017】
本発明方法においては、ポリ硫酸第二鉄を攪拌下に添加した後の処理液を、静置して、沈澱物と上澄み液を分離する。静置時間は、沈澱物と上澄み液とが充分に分離する時間であり、河川水などの場合には、一般的に3〜7時間程度である。被処理水が河川水などの場合には、ポリ硫酸第二鉄の添加量が比較的少なくても、前記の凝集処理後に分離された上澄み液の残留ヒ素濃度を、環境基準値(0.01ppm以下)を満たす水準に低下させることができる。
【0018】
前記の凝集工程後の上澄み液に対して酸化工程を実施することにより、ポリ硫酸第二鉄の添加量を更に少量にして、環境基準値(0.01ppm以下)を達成することができる。
この酸化工程において使用することができる酸化剤は、特に限定されるものではなく、任意の酸化剤を用いることができる。例えば、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、若しくは塩素酸カリウム、酸素ガス、又は空気等を挙げることができ、酸化効率の点で過酸化水素が好ましく、コストの点では空気酸化が好ましい。酸化剤を利用する場合には、攪拌下に前記上澄み液に添加することが好ましい。酸化剤として過酸化水素を用いる場合には、例えば、過酸化水素水として添加することができる。酸素ガス又は空気を用いる場合には、バブリングを行うのが好ましい。
【0019】
この酸化工程では、前記凝集工程の後に分離した上澄み液に溶存する二価鉄イオンが、酸化剤によって3価鉄イオンに酸化されるので、再び水酸化第二鉄として析出し、析出した水酸化第二鉄が凝縮して、沈降するものと考えられる。従って、水酸化第二鉄が析出して凝縮する際に、前記の凝集工程と同様にして、被処理水中のヒ素イオン及びヒ素化合物を捕捉するものと考えられ、こうして上澄み液中のヒ素濃度を更に低減させることができる。
【0020】
酸化剤の添加量は、特に制限されるものではないが、被処理上澄み液中での酸化剤量が、好ましくは0.1mmol/L以上、より好ましくは0.3mmol/L以上の濃度になるように添加することができる。被処理上澄み液中での酸化剤量が、0.1mmol/L未満では、充分に酸化をすることができないことがある。添加する酸化剤の添加量の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは30mmol/L以下の濃度になるように添加することができる。
酸化工程における温度は、特に限定されないが、室温で実施することができる。また、酸化工程を実施する際の上澄み液のpHは、特に限定されないが、pH3〜6で実施することが好ましく、必要により、適当な酸を用いて調整することが好ましい。
なお、酸化工程を凝集工程と同時に実施して、同様の効果を得ることができる。すなわち、ヒ素含有被処理水に、pH3〜6の条件下でポリ硫酸第二鉄を添加すると共に、このポリ硫酸第二鉄の添加と同時に、空気、酸素ガス又は過酸化水素による酸化処理を実施することができる。
【0021】
本発明方法においては、酸化剤による処理を実施した後に、その処理液を静置して、更に沈澱物と上澄み液を分離する。静置時間は、沈澱物と上澄み液とが充分に分離する時間であり、河川水などの場合には、一般的に3〜7時間程度である。こうして凝集工程に加えて、酸化工程を実施すると、ポリ硫酸第二鉄の添加量が比較的少なくても、前記の凝集処理及び酸化処理の後に分離された上澄み液の残留ヒ素濃度を、環境基準値(0.01ppm以下)を満たす水準に低下させることができる。
【0022】
前記の凝集工程の後に分離された上澄み液、あるいは前記の凝集工程及び酸化工程の後に分離された上澄み液が、浮遊微粒子(suspended solids)を含有する場合には、その上澄み液を更に濾過処理して、前記の浮遊微粒子を取り除くことにより、濾液の残留ヒ素濃度を、更に容易に環境基準値(0.01ppm以下)を満たす水準に低下させることができる。ろ過工程に用いる濾剤及びフィルターは、浮遊微粒子を取り除くことができる限り特に限定されないが、例えば、孔径が3μm以下のフィルターを用いることができる。
【0023】
なお、前記の凝集工程の後及び前記の酸化工程の後に分離された上澄み液が含有する浮遊微粒子にも、ヒ素が含まれていることが多い。これは、前記浮遊微粒子が、前記の凝集工程及び酸化工程の後に実施する静置時間内で沈降しなかった水酸化第二鉄から主になり、前記浮遊微粒子自体がヒ素を捕捉しているためと考えられる。従って、本発明においては、前記の凝集工程を実施して上澄みを廃棄する前に、濾過工程によって浮遊微粒子を取り除くか、あるいは前記の凝集工程の後及び前記の酸化工程を実施して上澄みを廃棄する前に、濾過工程によって浮遊微粒子を取り除くことが好ましい。前記の各上澄みを廃棄する前には、例えば、浮遊微粒子濃度を0.10ppm以下とすることがより好ましく、0.05ppm以下とすることが最も好ましい。
【0024】
本発明方法によれば、例えば、農薬工場、薬品工場、硫酸精錬工場、木材防腐処理施設、ガラス製造工場、金属製錬工場、電子部品製造施設、ゴミ処理施設、あるいは地熱発電所等からの産業排水、温泉排水、地熱水、あるいは鉱山跡地からの排水からヒ素を有効に除去することができ、簡便な操作及び低コストで、残留ヒ素濃度を0.01ppm以下(環境基準値)のレベルにすることができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例において、河川水のヒ素含有濃度は、非処理水に浮遊微粒子が存在する場合でも、そのまま高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)質量分析装置(HP4500;横河アナリティカルシステムズ株式会社製)によって測定した。従って、測定されたヒ素化合物量は、水溶性ヒ素化合物の量だけでなく、水不溶性ヒ素化合物の量も含む。
【0026】
【実施例1】
河川から採取した水(pH7.3,ヒ素濃度0.53ppm,浮遊微粒子5ppm)を被処理水とした。
前記被処理水1Lを、2Lのフラスコに装入し、1%硫酸を添加して、pH5.0に調整した。続いて、このフラスコにポリ硫酸第二鉄を攪拌下に添加した。その際のポリ硫酸第二鉄の添加量は、最終濃度が50ppmとなる量とした。ポリ硫酸第二鉄の添加が終了してから更に3時間攪拌した後、反応液を1時間静置して、上澄み液と沈澱物とに分離した。分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、16mgであった。前記上澄み液中の浮遊微粒子を0.45μmの濾紙でろ過して除いた。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.007ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、13.8であった。
【0027】
【実施例2】
濾過工程の前に、室温にて空気を流速0.50L/分で20時間バブリングによって添加して、上澄み液を酸化したこと以外は実施例1の手順に従って、実施例1と同様の被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.006ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、13.8であった。また、凝集工程及び酸化工程後に分離した沈澱物の合計乾燥重量(反応液1L当り)は、16mgであった。
【0028】
【実施例3】
pHが7.48であり、ヒ素イオン濃度は0.74ppmであり、浮遊微粒子372ppmを含有している河川水を被処理水として用いたこと以外は実施例1の手順に従って、前記被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.007ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、9.92であった。また、凝集工程後に分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、384mgであった。
【0029】
【実施例4】
水酸化ナトリウム水溶液に、三酸化ヒ素を溶解して調製した水溶液(pH10.9,ヒ素濃度1.1ppm,浮遊微粒子0ppm)に1%硫酸を添加してpH5.0に調整して、被処理水とした。前記被処理水1Lを、2Lのフラスコに装入し、攪拌下にポリ硫酸第二鉄を添加した。ポリ硫酸第二鉄の添加量は、最終濃度が135ppmとなる量とした。ポリ硫酸第二鉄の添加が終了してから更に3時間攪拌した後、反応液を1時間静置して、上澄み液と沈澱物とに分離した。その上澄み液に、室温にて空気を流速0.50L/分で20時間バブリングして、添加した。その後、1時間静置して、上澄み液と沈澱物とに分離し、その上澄み液中の浮遊微粒子を0.45μmの濾紙でろ過して除いた。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.008ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、18.0であった。また、凝集工程及び酸化工程後に分離した沈澱物の合計乾燥重量(反応液1L当り)は、33mgであった。
【0030】
【実施例5】
水酸化ナトリウム水溶液に三酸化ヒ素を溶解した溶液(pH11.5,ヒ素濃度9.16ppm,浮遊微粒子0ppm)に、1%硫酸を添加してpH5.0に調整して、被処理水とし、ポリ硫酸第二鉄を900ppmの最終濃度になるように添加したこと、及び酸化工程を実施しないこと以外は、実施例4の手順に従って、前記被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.008ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、14.5であった。また、凝集工程後に分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、207mgであった。
【0031】
【実施例6】
水酸化ナトリウム水溶液に三酸化ヒ素を溶解した溶液(pH11.5,ヒ素濃度1.2ppm,浮遊微粒子0ppm)に、1%硫酸を添加してpH5.0に調整して、被処理水としたこと、及びポリ硫酸第二鉄を120ppmの最終濃度になるように添加したこと以外は、実施例4の手順に従って、前記被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.009ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、14.7であった。また、凝集工程及び酸化工程後に分離した沈澱物の合計乾燥重量(反応液1L当り)は、27mgであった。
【0032】
【比較例1】
実施例1で用いた河川水と同じ河川水(pH7.3)をpH調整なしで被処理水としたこと、及びポリ硫酸第二鉄を最終濃度が80ppmとなる量で添加したこと以外は、実施例1の手順に従って、前記被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.008ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、22であった。また、凝集工程後に分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、23mgであった。
【0033】
【比較例2】
実施例1で用いた河川水と同じ河川水をpH調整なしで被処理水としたこと以外は、実施例1の手順に従って、前記被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.025ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、13.8であった。また、凝集工程後に分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、16mgであった。
【0034】
【比較例3】
実施例3で用いた河川水と同じ河川水(pH7.48,ヒ素イオン濃度0.74ppm,浮遊微粒子372ppm)をpH調整なしで被処理水としたこと以外は、実施例1の手順に従って、前記被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.020ppmであり、用いたポリ硫酸第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、10であった。また、凝集工程後に分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、384mgであった。
【0035】
【比較例4】
ポリ硫酸第二鉄の代わりに塩化第二鉄を最終濃度が299ppmとなる量で添加したこと、及び酸化処理を行わないこと以外は、実施例4の手順に従って、実施例4で用いた被処理水と同じ被処理水を処理した。濾過処理後の上澄み液のヒ素濃度は、0.01ppmであり、用いた塩化第二鉄と被処理水含有ヒ素とのモル比は、43.7であった。また、凝集工程後に分離した沈澱物の乾燥重量(反応液1L当り)は、72mgであった。
【0036】
【発明の効果】
本発明方法においては、前記の凝集工程を実施することにより、従来法よりも少量のポリ硫酸第二鉄でヒ素の環境基準値(0.01ppm)を達成することができ、廃棄する沈澱物の量を従来よりも低減することができる。
また、本発明方法においては、前記の凝集工程に加えて、酸化工程及び/又は濾過工程を実施することにより、従来法よりも更に少量のポリ硫酸第二鉄でヒ素の環境基準値(0.01ppm)を達成することができ、廃棄する沈澱物の量を更に低減することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for treating arsenic-containing water. According to the method of the present invention, the arsenic content of river water and the like is reduced to a level satisfying an environmental standard value (0.01 ppm or less) by a simple means and without generating a large amount of sediment. It can be purified to a level that can be used as water.
[0002]
[Prior art]
River water can contain toxic arsenic and arsenic compounds. For example, arsenic and arsenic compounds are mixed in from industrial wastewater from an agricultural chemical factory, a metal smelting factory, an electronic component manufacturing facility, or the like, or from hot spring wastewater or mine drainage wastewater. As a conventional technique for removing arsenic and arsenic compounds from such wastewater, a coagulation sedimentation method, an adsorption method, and the like are known.
[0003]
For example, Hiroki Oka et al., “New Edition, Pollution Prevention Manager, Basic Knowledge on Water Quality” (Tokyo Educational Information Center, issued in July 2001) (Non-patent Document 1) describes hydroxide co-precipitation method and adsorption. The adsorbent method is introduced, and it is described that it is difficult to use the adsorbent method because it requires a large amount of adsorbent. Describes that adsorption of trivalent iron hydroxide [Fe (OH) 3 ] is the best method for treating arsenic. Further, according to Non-Patent Document 1, it is assumed that the residual arsenic concentration after the treatment by the hydroxide coprecipitation method is influenced by the concentration of ferric iron to be added. ), The iron / arsenic molar ratio (Fe / As) is set to 20 or more, and the residual arsenic concentration is set to 0.01 ppm or less (environmental standard value). It also shows that it is necessary to be 50 or more.
[0004]
Furthermore, "Text and Water Pollution Prevention Technology for the National Pollution Prevention Manager National Examination" (Industrial Pollution Prevention Association, issued in October 1971) (non-patent document 2) uses the hydroxide coprecipitation method. As a specific technique, ferric sulfate [Fe 2 (SO 4 ) 3 ] is added to form ferric hydroxide [Fe (OH) 3 ] flocs, and arsenic is adsorbed to the flocs. Experimental data obtained by treating arsenic-containing water by using the method are specifically introduced. According to the graph showing the relationship between the iron / arsenic molar ratio (Fe / As), the residual arsenic concentration, and the optimum pH range for the test water containing 1 ppm, 10 ppm, and 100 ppm of arsenic, In order to make it 0.1 ppm, it is necessary to make the iron / arsenic molar ratio (Fe / As) about 10 in a pH range of about 6.5 to 9, and to reduce the residual arsenic concentration to 0.01 ppm or less. Requires that the iron / arsenic molar ratio (Fe / As) be about 50 in the pH range of about 6.5-10.
[0005]
In a conventionally known treatment method for removing arsenic by a hydroxide coprecipitation method, specifically, ferric chloride [FeCl 3 ] is added to water to be treated to form hydroxide fine particles in water. While the arsenic in the water to be treated is taken in along with the formation of the hydroxide fine particles, the fine particle flocs thus formed are further added by adding an organic polymer flocculant (for example, a polyacrylamide precipitation accelerator). An operation has been performed in which sedimentation is performed, the supernatant is adjusted to a necessary pH, and then discharged.
[0006]
However, in order to keep the residual arsenic concentration at the level of the environmental standard value (0.01 ppm or less) by a conventionally known treatment method, the iron / arsenic molar ratio (Fe / As) needs to be about 50 or more, Since the amounts of ferric chloride and the organic polymer flocculant to be added are large, there is a disadvantage that a large amount of precipitate is generated. Since this precipitate contains arsenic and its treatment becomes a problem, it has been practically difficult to use the hydroxide coprecipitation method alone.
[0007]
[Non-patent document 1]
Hiroki Oka et al., "New edition, Pollution prevention manager, Basic knowledge of water quality" (Tokyo Education Information Center, issued in July 2001)
[Non-patent document 2]
"Text and Water Pollution Prevention Technology for the National Pollution Prevention Manager National Examination" (Industry Pollution Prevention Association, issued October 1971)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventor has been diligently studying the improvement of a method capable of achieving the environmental standard level (0.01 ppm or less) and reducing the amount of generated precipitates. It has been found that the arsenic residual concentration can be reduced even when the iron / arsenic molar ratio (Fe / As) is small.
In addition, in the case of water to be treated containing a high concentration of arsenic, the residual arsenic concentration can be reduced to a level that satisfies the environmental standard value (0.01 ppm or less) by oxidizing the supernatant liquid after the aggregation treatment. I also found something. Further, in the case of the water to be treated containing a high concentration of arsenic, the residual arsenic concentration is reduced to an environmental standard value (0.01 ppm or less) by filtering the supernatant liquid after the oxidation treatment to remove suspended fine particles. They also found that it could be reduced to a satisfactory level.
The present invention is based on such findings.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the present invention relates to a method for treating arsenic-containing water, which comprises adding ferric polysulfate to arsenic-containing water to be treated under conditions of pH 3 to 6.
According to a preferred embodiment of the present invention, ferric polysulfate is added in an amount equivalent to 8 to 20 times the molar amount of trivalent iron with respect to 1 mole of arsenic contained in the water to be treated.
According to a preferred embodiment of the present invention, a precipitate formed by adding ferric polysulfate and a supernatant are separated, and the supernatant is filtered.
According to another preferred embodiment of the present invention, after separating the precipitate formed by the addition of ferric polysulfate and the supernatant, the supernatant is oxidized with air, oxygen gas or hydrogen peroxide.
According to still another preferred embodiment of the present invention, the above-mentioned oxidation treatment is performed under a condition of pH 3 to 6.
According to still another preferred embodiment of the present invention, the precipitate formed by the above-mentioned oxidation treatment is separated from the supernatant, and the supernatant is filtered.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The method of the present invention includes a step of adding ferric polysulfate to arsenic-containing water to be treated under conditions of pH 3 to 6 to form an aggregate of ferric hydroxide and to precipitate it (aggregation step). .
In the method of the present invention, the precipitate formed by the above-mentioned flocculation step is separated from the supernatant, and the supernatant is oxidized with air, oxygen gas or hydrogen peroxide to oxidize arsenic and ferrous iron. Then, a step (oxidation step) of forming and precipitating an aggregate of ferric hydroxide again can be included.
Further, the method of the present invention includes a step (filtration step) of separating a precipitate and a supernatant liquid after the aggregation step or after the aggregation step and the oxidation step, and filtering the supernatant liquid. Can be.
[0011]
The arsenic-containing treated water that can be treated in the method of the present invention is not particularly limited as long as it contains arsenic ions or an insoluble arsenic compound. For example, various types of water existing in the natural environment, such as river water and lakes and marshes Water or hot spring effluent, geothermal water, or mine drainage, as well as industrial effluent (eg, agrochemical plants, chemical plants, sulfuric acid smelting plants, wood embalming facilities, glass manufacturing plants, metal smelting plants, electronic components Industrial wastewater from manufacturing facilities, waste treatment facilities, geothermal power plants, etc.), or arsenic-containing wastewater generated in chemical or biological laboratories.
[0012]
The aggregation step is performed under acidic conditions of pH 3 to 6. When the pH value is less than 3, the arsenic concentration tends to increase, and when the pH value exceeds 6, the precipitated arsenic compound is easily redissolved.
In the case of natural environmental water such as river water, since the pH value is generally neutral, for example, an inorganic acid (eg, dilute sulfuric acid or dilute hydrochloric acid) is added with stirring at room temperature before the coagulation step is performed. Thus, the pH value can be adjusted.
[0013]
In the method of the present invention, ferric polysulfate is used as a flocculant. The ferric polysulfate has the formula:
[Fe 2 (OH) n ( SO 4) 3-n / 2] m
(Where n <2, m> 10, and the basicity is represented by (n / 6) × 100%) (see JP-B-51-17516). Ferric polysulfate is preferable in that it can be made into a liquid state, is easy to handle, and does not contain chlorine which causes pipe corrosion.
[0014]
In the method of the present invention, ferric polysulfate can be added in liquid, solution or solid form, or a combination thereof. It is preferable to add ferric polysulfate in a liquid state or a solution state, because it is rapidly diffused.
[0015]
The amount of ferric polysulfate added in the aggregation step of the method of the present invention is such that the iron / arsenic molar ratio (Fe / As) is preferably 1 or more, more preferably 4 to 15, and most preferably 8 to 12. Quantity. When the iron / arsenic molar ratio is less than 1, it becomes difficult to treat to the environmental standard value level. There is no upper limit for the iron / arsenic molar ratio, but if it is 30 or more, the amount of precipitate increases, which is not preferable.
Ferric polysulfate can be added at room temperature with stirring, and after addition, it is preferable to stir for 1 to 5 hours.
[0016]
In the coagulation step, when ferric polysulfate is added to the water to be treated, ferric hydroxide precipitates, and the precipitated ferric hydroxide condenses and precipitates. It is considered that when the ferric hydroxide precipitates and condenses, it captures arsenic ions and arsenic compounds in the water to be treated. However, if the amount of ferric polysulfate added is too large, the amount of precipitate formed will also increase, and this precipitate will contain arsenic, which will increase the disposal cost, which is not preferable. Therefore, it is preferable to add the minimum necessary amount for removing arsenic in the water to be treated.
The arsenic content of the water to be treated can be easily measured by a known method, and the amount of ferric polysulfate can be determined based on the measured value. When a specific river water or the like is continuously treated by the method of the present invention, the average value or the maximum value of the arsenic content of the water to be treated is measured in advance, and the polysulfuric acid second concentration is measured along the measured value. The amount of iron added can be determined.
[0017]
In the method of the present invention, the treated solution after the addition of ferric polysulfate under stirring is allowed to stand, and the precipitate is separated from the supernatant. The standing time is a time for sufficiently separating the precipitate and the supernatant liquid. In the case of river water or the like, it is generally about 3 to 7 hours. In the case where the water to be treated is river water or the like, even if the amount of ferric polysulfate added is relatively small, the residual arsenic concentration of the supernatant liquid separated after the coagulation treatment can be reduced to an environmental standard value (0.01 ppm). Below).
[0018]
By performing the oxidation step on the supernatant liquid after the above-mentioned aggregation step, the amount of ferric polysulfate added can be further reduced to achieve the environmental standard value (0.01 ppm or less).
The oxidizing agent that can be used in this oxidation step is not particularly limited, and any oxidizing agent can be used. For example, hydrogen peroxide, sodium percarbonate, ammonium persulfate, sodium hypochlorite, or potassium chlorate, oxygen gas, or air can be given. Hydrogen peroxide is preferred in terms of oxidation efficiency, and cost is reduced. In this case, air oxidation is preferred. When an oxidizing agent is used, it is preferable to add the oxidizing agent to the supernatant under stirring. When using hydrogen peroxide as the oxidizing agent, for example, it can be added as a hydrogen peroxide solution. When oxygen gas or air is used, bubbling is preferably performed.
[0019]
In this oxidation step, the ferrous ions dissolved in the supernatant separated after the aggregating step are oxidized to ferric ions by the oxidizing agent. It is considered that ferric iron condenses and settles. Therefore, when the ferric hydroxide is precipitated and condensed, it is considered that the arsenic ion and the arsenic compound in the water to be treated are captured in the same manner as in the aggregation step, and thus the arsenic concentration in the supernatant liquid is reduced. It can be further reduced.
[0020]
The amount of the oxidizing agent to be added is not particularly limited, but the amount of the oxidizing agent in the supernatant to be treated is preferably 0.1 mmol / L or more, more preferably 0.3 mmol / L or more. Can be added as follows. If the amount of the oxidizing agent in the supernatant liquid to be treated is less than 0.1 mmol / L, it may not be possible to oxidize sufficiently. The upper limit of the amount of the oxidizing agent to be added is not particularly limited, but the oxidizing agent can be preferably added so as to have a concentration of 30 mmol / L or less.
The temperature in the oxidation step is not particularly limited, but it can be carried out at room temperature. Further, the pH of the supernatant at the time of carrying out the oxidation step is not particularly limited, but is preferably carried out at a pH of 3 to 6, and if necessary, it is preferably adjusted using an appropriate acid.
Note that a similar effect can be obtained by performing the oxidation step simultaneously with the aggregation step. That is, ferric polysulfate is added to the arsenic-containing water to be treated under the condition of pH 3 to 6, and simultaneously with the addition of the ferric polysulfate, an oxidation treatment with air, oxygen gas or hydrogen peroxide is performed. can do.
[0021]
In the method of the present invention, after the treatment with the oxidizing agent, the treated liquid is allowed to stand, and the precipitate and the supernatant are further separated. The standing time is a time for sufficiently separating the precipitate and the supernatant liquid. In the case of river water or the like, it is generally about 3 to 7 hours. When the oxidation step is performed in addition to the aggregation step, the residual arsenic concentration of the supernatant separated after the aggregation and the oxidation treatment is reduced to an environmental standard even if the amount of ferric polysulfate is relatively small. Can be reduced to a level that satisfies the value (0.01 ppm or less).
[0022]
When the supernatant separated after the aggregation step or the supernatant separated after the aggregation step and the oxidation step contains suspended solids, the supernatant liquid is further subjected to a filtration treatment. By removing the suspended particulates, the concentration of residual arsenic in the filtrate can be more easily reduced to a level satisfying the environmental standard value (0.01 ppm or less). The filtering agent and filter used in the filtration step are not particularly limited as long as they can remove suspended fine particles. For example, a filter having a pore size of 3 μm or less can be used.
[0023]
The suspended fine particles contained in the supernatant separated after the aggregation step and after the oxidation step often contain arsenic. This is because the suspended particulates are mainly made of ferric hydroxide that has not settled within the standing time performed after the aggregation step and the oxidation step, and the suspended particulates themselves capture arsenic. it is conceivable that. Therefore, in the present invention, before carrying out the aggregating step and discarding the supernatant, the suspended particulates are removed by a filtration step, or the supernatant is discarded after the aggregating step and the oxidizing step is carried out. It is preferable that the suspended fine particles are removed by a filtration step before the filtration. Before discarding each supernatant, for example, the concentration of suspended fine particles is more preferably 0.10 ppm or less, most preferably 0.05 ppm or less.
[0024]
According to the method of the present invention, for example, an industrial product from an agricultural chemical factory, a chemical factory, a sulfuric acid smelting factory, a wood preservative processing facility, a glass manufacturing factory, a metal smelting factory, an electronic component manufacturing facility, a garbage processing facility, or a geothermal power plant. Effectively removes arsenic from wastewater, hot spring wastewater, geothermal water, or wastewater from mine sites, with simple operation and low cost, reducing residual arsenic concentration to 0.01ppm or less (environmental standard value). can do.
[0025]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but these do not limit the scope of the present invention.
In the following examples, the arsenic-containing concentration of river water is measured as it is, even when floating particles are present in the non-treated water, by using a high-frequency inductively coupled plasma (ICP) mass spectrometer (HP4500; Yokogawa Analytical Systems Co., Ltd.). (Manufactured by the company). Therefore, the measured amount of the arsenic compound includes not only the amount of the water-soluble arsenic compound but also the amount of the water-insoluble arsenic compound.
[0026]
Embodiment 1
Water collected from the river (pH 7.3, arsenic concentration 0.53 ppm, suspended particulates 5 ppm) was used as the water to be treated.
1 L of the water to be treated was charged into a 2 L flask, and 1% sulfuric acid was added to adjust the pH to 5.0. Subsequently, ferric polysulfate was added to the flask with stirring. At this time, the amount of ferric polysulfate added was such that the final concentration became 50 ppm. After stirring for an additional 3 hours after the addition of the ferric polysulfate was completed, the reaction solution was allowed to stand for 1 hour and separated into a supernatant and a precipitate. The dry weight of the separated precipitate (per liter of reaction solution) was 16 mg. The suspended particulates in the supernatant were removed by filtration through a 0.45 μm filter paper. The arsenic concentration of the supernatant liquid after the filtration treatment was 0.007 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic in the water to be treated was 13.8.
[0027]
Embodiment 2
Before the filtration step, the water to be treated was the same as in Example 1 according to the procedure of Example 1 except that air was added by bubbling at room temperature at a flow rate of 0.50 L / min for 20 hours to oxidize the supernatant. Was processed. The arsenic concentration of the supernatant liquid after the filtration treatment was 0.006 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic contained in the water to be treated was 13.8. The total dry weight of the precipitate separated after the aggregation step and the oxidation step (per 1 L of the reaction solution) was 16 mg.
[0028]
Embodiment 3
The pH of the treated water was 7.48, the arsenic ion concentration was 0.74 ppm, and the treated water was treated according to the procedure of Example 1 except that river water containing 372 ppm of suspended particulates was used as the treated water. Processed. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.007 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic in the water to be treated was 9.92. The dry weight (per liter of the reaction solution) of the precipitate separated after the aggregation step was 384 mg.
[0029]
Embodiment 4
An aqueous solution (pH 10.9, arsenic concentration 1.1 ppm, suspended particulates 0 ppm) prepared by dissolving arsenic trioxide in an aqueous sodium hydroxide solution was adjusted to pH 5.0 by adding 1% sulfuric acid, and the water to be treated was treated. And 1 L of the water to be treated was charged into a 2 L flask, and ferric polysulfate was added with stirring. The amount of ferric polysulfate added was such that the final concentration was 135 ppm. After stirring for an additional 3 hours after the addition of the ferric polysulfate was completed, the reaction solution was allowed to stand for 1 hour and separated into a supernatant and a precipitate. Air was added to the supernatant at room temperature by bubbling air at a flow rate of 0.50 L / min for 20 hours. Thereafter, the mixture was allowed to stand for 1 hour to separate into a supernatant and a precipitate, and the suspended fine particles in the supernatant were removed by filtration with a 0.45 μm filter paper. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.008 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic in the water to be treated was 18.0. The total dry weight (per liter of the reaction solution) of the precipitate separated after the aggregation step and the oxidation step was 33 mg.
[0030]
Embodiment 5
To a solution of arsenic trioxide dissolved in an aqueous sodium hydroxide solution (pH 11.5, arsenic concentration 9.16 ppm, suspended particulates 0 ppm), 1% sulfuric acid was added to adjust the pH to 5.0, and the water was treated. The water to be treated was treated according to the procedure of Example 4, except that ferric sulfate was added to a final concentration of 900 ppm, and that the oxidation step was not performed. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.008 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic contained in the water to be treated was 14.5. The dry weight of the precipitate separated after the aggregation step (per liter of the reaction solution) was 207 mg.
[0031]
Embodiment 6
1% sulfuric acid was added to a solution of arsenic trioxide dissolved in an aqueous sodium hydroxide solution (pH 11.5, arsenic concentration 1.2 ppm, suspended particulates 0 ppm) to adjust the pH to 5.0, and the water was treated. The water to be treated was treated in accordance with the procedure of Example 4, except that ferric polysulfate was added to a final concentration of 120 ppm. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.009 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic in the water to be treated was 14.7. The total dry weight of the precipitate separated after the aggregation step and the oxidation step (per liter of the reaction solution) was 27 mg.
[0032]
[Comparative Example 1]
Except that the same river water (pH 7.3) as the river water used in Example 1 was used as the water to be treated without pH adjustment, and that ferric polysulfate was added in a final concentration of 80 ppm, The water to be treated was treated according to the procedure of Example 1. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.008 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic in the water to be treated was 22. The dry weight (per liter of the reaction solution) of the precipitate separated after the aggregation step was 23 mg.
[0033]
[Comparative Example 2]
The water to be treated was treated in accordance with the procedure of Example 1 except that the same river water used in Example 1 was used as the water to be treated without pH adjustment. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.025 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic contained in the water to be treated was 13.8. The dry weight of the precipitate separated after the aggregation step (per liter of the reaction solution) was 16 mg.
[0034]
[Comparative Example 3]
According to the procedure of Example 1, except that the same river water as used in Example 3 (pH 7.48, arsenic ion concentration 0.74 ppm, suspended fine particles 372 ppm) was used as the water to be treated without pH adjustment. The water to be treated was treated. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.020 ppm, and the molar ratio of the used ferric polysulfate to the arsenic contained in the water to be treated was 10. The dry weight (per liter of the reaction solution) of the precipitate separated after the aggregation step was 384 mg.
[0035]
[Comparative Example 4]
The procedure of Example 4 was followed, except that ferric chloride was added in an amount to give a final concentration of 299 ppm instead of ferric polysulfate, and no oxidation treatment was performed. The same treated water as the water was treated. The arsenic concentration of the supernatant after the filtration treatment was 0.01 ppm, and the molar ratio of the used ferric chloride to the arsenic contained in the water to be treated was 43.7. The dry weight (per liter of the reaction solution) of the precipitate separated after the aggregation step was 72 mg.
[0036]
【The invention's effect】
In the method of the present invention, the environmental standard value (0.01 ppm) of arsenic can be achieved with a smaller amount of ferric polysulfate than in the conventional method by performing the above-mentioned aggregation step, and the amount of the sediment to be discarded is reduced. The amount can be reduced as compared with the conventional case.
In the method of the present invention, an oxidizing step and / or a filtering step are performed in addition to the aggregating step, so that the environmental standard value of arsenic (0. 01 ppm), and the amount of discarded precipitate can be further reduced.