JP2004278867A - 熱交換器のコア部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】最外端に位置するチューブの急激な温度変化を防止すると共に、該チューブの熱応力による外部への悪影響を防止できる熱交換器のコア部構造の提供。
【解決手段】第1コア部6及び第2コア部7の最外端に位置するチューブ8a〜8dに流れる冷却水の流通量を各コア部6,7の他のチューブ8e,8fに流れる冷却水の流通量よりも少なくした。
【選択図】 図2
【解決手段】第1コア部6及び第2コア部7の最外端に位置するチューブ8a〜8dに流れる冷却水の流通量を各コア部6,7の他のチューブ8e,8fに流れる冷却水の流通量よりも少なくした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器のコア部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換器のコア部構造は、所定の間隔を置いて配置される座板の間にチューブとコルゲートフィンが交互に配置され、該座板の両端部同士がレインフォースによって連結補強されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、前記座板に装着されるタンク内部を2つの部屋に隔成し、該タンクに対応するコア部のチューブに温度の異なる流体、例えば、水と油、エンジン冷却水と二次冷却水などを流通させるようにした技術が公知となっている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−14285号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
実開平2−54076号公報 (第1−3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の熱交換器のコア部構造のうち、前者はチューブとレインフォースに熱膨張量差があり、例えば、寒冷地でのエンジン始動時や走行中にハンチング現象が発生した際、チューブ内に通水される冷却水が低温から急激に高温になって該チューブは大きく熱膨張しようとするが、レインフォースの温度は殆ど変化しないため、チューブとレインフォースの熱膨張量差による熱応力がレインフォースを歪み変形させ、結果、該チューブの付け根の亀裂やレインフォースの歪み変形・破損を招く虞があった。
【0006】
なお、この対策としてレインフォースの一部をカットしたり両端部に弾性変形機能を付与することが考えられるが、これらはレインフォースの加工に大変手間がかかる上、熱交換器のコア部の剛性の低下を招くため好ましくない。
【0007】
一方、後者の熱交換器のコア部構造は、各タンクから供給される冷却水の温度が異なるため、コア部の境となるチューブ間で温度差が生じ、結果、ハンチング現象時には、該チューブ間の温度差が急激に大きくなって熱応力によるチューブの歪み変形・亀裂が発生するという問題点があった。
【0008】
なお、この対策としてコア部の境に断熱材やダミーのチューブを配置することが考えられるが、これらは構成部材が増えて熱交換器のコア部の組立て性が悪化したり、大型化するため好ましくない。
【0009】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、
コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量を該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくすることによって、最外端に位置するチューブの急激な温度変化を防止して該チューブの熱応力による外部への悪影響を防止できる熱交換器のコア部構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、タンクが装着され、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に複数配置され、前記チューブの両端部が座板に形成された接続部のチューブ穴に嵌挿固定され、前記一方のタンク内の冷却水がチューブを介して他方のタンクに流通される熱交換器のコア部構造において、前記コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量を該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、前記コア部を、それぞれ異なる温度の冷却水を流通させる第1コア部と第2コア部で構成し、少なくとも各コア部の最外端に位置し、両コア部の境となるチューブに流れる冷却水の流通量を各コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、タンクが装着され、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に複数配置され、前記チューブの両端部が座板に形成された接続部のチューブ穴に嵌挿固定され、前記一方のタンク内の冷却水がチューブを介して他方のタンクに流通される。
【0013】
そして、前記コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量は、該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくなる。
【0014】
従って、コア部に流通する冷却水の温度が急激に上昇した場合、コア部の最外端に位置するチューブの冷却水は、他のチューブに比べて流通量が少ないため、該最外端に位置するチューブの急激な温度変化を防止できると共に、該チューブの熱応力による外部への悪影響を防止できる。
【0015】
請求項2記載の発明では、コア部がそれぞれ異なる温度の冷却水を流通させる第1コア部と第2コア部で構成される。
【0016】
そして、少なくとも各コア部の最外端に位置し、両コア部の境となるチューブに流れる冷却水の流通量が各コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくなる。
【0017】
従って、第1コア部または第2コア部に流通する冷却水の温度が急激に上昇した場合、両コア部の境に位置するチューブの冷却水は、他のチューブに比べて流通量が少ないため、該両コア部の境に位置するチューブ同士の温度差が急激に大きくなるのを防止することができ、熱応力による該チューブの亀裂・破損を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱交換器のコア部構造の実施の形態を説明する。
【0019】
なお、本実施の形態では熱交換器をハイブリッド車両のラジエータに適用した場合について説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態の熱交換器のコア部構造Aを示す全体図、図2はタンク内部を説明する断面図、図3は嵌挿部材を説明する図である。
【0021】
図4は第1コア部における作用を説明する図、図5は第2コア部における作用を説明する図、図6は本発明の熱交換器のコア部構造を他の熱交換器に適用した例を説明する図である。
【0022】
先ず、全体構成を説明する。
【0023】
図1、2に示すように、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aは、それぞれタンク1a、1bが装着された一対の座板2a、2bと、該座板2a、2bの間に配置されるチューブ3及びコルゲートフィン4と、前記座板2a、2bの両端部同士を連結補強するレインフォース5a、5bを主要な構成としている。
【0024】
また、図2に示すように、前記座板2a、2bにはチューブ3の両端部が嵌挿固定されている。
【0025】
さらに、前記タンク1a、1bの内部は、仕切板9により2つの部屋に隔成されて第1タンク1cと第2タンク1dで構成されることによって、前記チューブ3及びコルゲートフィン4が第1コア部6(図中X1の範囲)と第2コア部7(図中X2の範囲)で構成されている。
【0026】
なお、本実施の形態では、前記座板2a,2b、チューブ3、コルゲートフィン4、レインフォース5a,5bが全てアルミ製であり、これらは予め一体的に組み付けられた後、図外の熱処理炉内で一体的にろう付けされる。
【0027】
そして、前記第1コア部6の最外端に位置するチューブ8a,8bの上端部と前記第2コア部7の最外端に位置するチューブ8c,8dの上端部の合計4箇所に後述する嵌挿部材10が嵌挿固定されている。
【0028】
以下、嵌挿部材10について詳述する。
【0029】
図3(a)に示すように、前記嵌挿部材10は耐熱樹脂製で全体が略コ字状断面形状に形成され、該コ字状の対向する挿入部10aには該挿入部10aから外方に突出した係止部10bがそれぞれ形成されている。
【0030】
そして、図3(b)に示すように、嵌挿部材10をチューブ8aに嵌挿固定する場合には、該チューブ8aの上端部に前記係止部10bが係止するまで上方から押し込んで固定する。
【0031】
この際、該チューブ8aの先端部と嵌挿部材10との間には隙間Oが形成され、該チューブ8aは該隙間Oを介した量の冷却水しか流通されないようになっている。
【0032】
また、嵌挿部材10は樹脂の弾性力により挿入部10aがチューブ8aの内壁に当接して確実に固定できるようになっている。
【0033】
なお、チューブ8b〜8dに嵌挿部材10を固定する際もチューブ8aと同様であるため、その説明は省略する。
【0034】
また、嵌挿部材10の固定は、前述したろう付けの後で、なおかつタンク1aを座板2aに装着する前に行われる。
【0035】
以下、本実施の形態の熱交換器のコア部Aの作用及び効果を説明する。
【0036】
先ず、タンク1aの第1タンク1cは、図外のエンジン及びモータ内を循環するエンジン冷却水(約80℃〜100℃)を流入口1eから取り入れて第1コア部6の各チューブ3に流通させ、該エンジン冷却水を熱交換した後、タンク1bの流出口1fから排出する。
【0037】
一方、タンク1aの第2タンク1dは、図外のインバータ回路等の制御回路内を循環する制御回路冷却水(約60℃)を流入口1gから取り入れて第2コア部7の各チューブ3に流通させ、該制御回路冷却水を熱交換した後、タンク1bの排出口1hから排出する。
【0038】
この際、図4に示すように、前記チューブ8a、8bの上端部には嵌挿部材10が嵌挿固定されており、該チューブ8a、8bは前記隙間Oを介した量のエンジン冷却水しか流通させることができないため、第1コア部6の他のチューブ8eよりもエンジン冷却水の流通量が少なくなっている。
【0039】
一方、図5に示すように、前記チューブ8c、8dにも嵌挿部材10が嵌挿固定されており、該チューブは8c、8dは前記隙間Oを介した量の制御回路冷却水しか流通させることができないため、第2コア部7の他のチューブ8fよりもエンジン冷却水の流通量が少なくなっている。
【0040】
従って、エンジン冷却水と制御回路冷却水に急激な温度差が生じた場合、例えば、エンジン冷却水の温度が急激に上昇した場合、第1コア部6のチューブ8eは急激に高温になるが、チューブ8bは急激に温度変化せずにゆっくりと上昇し、結果、該チューブ8bとチューブ8c間で急激に温度差が生じないため、該チューブ8bによる熱応力がチューブ8cに悪影響を及ぼすことがなく、チューブ8b、8cの亀裂・破損を防止できる。
【0041】
一方、チューブ8aにおいても、該チューブ6aは急激に温度変化せずにゆっくりと上昇するため、該チューブ8aの熱応力による該チューブ8aの付け根の亀裂やレインフォース5aの歪み変形を防止できる。
【0042】
同様に、制御回路冷却水の温度が急激に上昇した場合についても、チューブ8c,8dの急激な温度変化を回避でき、該チューブ8c,8dの熱応力によるチューブ8bやレインフォース5bへの悪影響を防止できる。
【0043】
さらに、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aは、従来の発明に比べてレインフォースやチューブに加工を施す必要もないし、また、熱交換器を大型化することもなく、嵌挿部材10を最外端のチューブ8a〜8dにそれぞれ押し込んで嵌挿固定するという簡便な作業でもって熱交換器のチューブ3の熱応力による外部への悪影響を防止できる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0045】
例えば、本実施の形態では、チューブ8a〜8dの冷却水の流通量を減少させるのに嵌挿部材10を用いたが、該チューブ8a〜8dの各上端部を径方向に適宜潰して流通量を減少させても良い。
【0046】
また、本実施の形態では、コア部を2つ有するハイブリッド車両に適用した場合について説明したが、図6に示すように、1つのコア部からなるラジエータの最外端チューブ8xの上端部に嵌挿部材10を嵌挿固定して、該チューブ8xの熱応力による該チューブ8x及びレインフォース5xの歪み変形・破損を防止するようにすることは当然考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の熱交換器のコア部構造Aを示す全体図である。
【図2】タンク内部を説明する断面図である。
【図3】嵌挿部材を説明する図である。
【図4】第1コア部における作用を説明する図である。
【図5】第2コア部における作用を説明する図である。
【図6】本発明の熱交換器のコア部構造を他の熱交換器に適用した例を説明する図である。
【符号の説明】
O 隙間
1a、1b タンク
1c 第1タンク
1d 第2タンク
1e、1f 流入口
1g、1h 排出口
2a、2b 座板
3、8a、8b、8c、8d、8e、8f チューブ
4 コルゲートフィン
5a、5b レインフォース
6 第1コア部
7 第2コア部
9 仕切板
10 嵌挿部材
10a 挿入部
10b 係止部
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器のコア部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換器のコア部構造は、所定の間隔を置いて配置される座板の間にチューブとコルゲートフィンが交互に配置され、該座板の両端部同士がレインフォースによって連結補強されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、前記座板に装着されるタンク内部を2つの部屋に隔成し、該タンクに対応するコア部のチューブに温度の異なる流体、例えば、水と油、エンジン冷却水と二次冷却水などを流通させるようにした技術が公知となっている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−14285号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
実開平2−54076号公報 (第1−3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の熱交換器のコア部構造のうち、前者はチューブとレインフォースに熱膨張量差があり、例えば、寒冷地でのエンジン始動時や走行中にハンチング現象が発生した際、チューブ内に通水される冷却水が低温から急激に高温になって該チューブは大きく熱膨張しようとするが、レインフォースの温度は殆ど変化しないため、チューブとレインフォースの熱膨張量差による熱応力がレインフォースを歪み変形させ、結果、該チューブの付け根の亀裂やレインフォースの歪み変形・破損を招く虞があった。
【0006】
なお、この対策としてレインフォースの一部をカットしたり両端部に弾性変形機能を付与することが考えられるが、これらはレインフォースの加工に大変手間がかかる上、熱交換器のコア部の剛性の低下を招くため好ましくない。
【0007】
一方、後者の熱交換器のコア部構造は、各タンクから供給される冷却水の温度が異なるため、コア部の境となるチューブ間で温度差が生じ、結果、ハンチング現象時には、該チューブ間の温度差が急激に大きくなって熱応力によるチューブの歪み変形・亀裂が発生するという問題点があった。
【0008】
なお、この対策としてコア部の境に断熱材やダミーのチューブを配置することが考えられるが、これらは構成部材が増えて熱交換器のコア部の組立て性が悪化したり、大型化するため好ましくない。
【0009】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、
コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量を該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくすることによって、最外端に位置するチューブの急激な温度変化を防止して該チューブの熱応力による外部への悪影響を防止できる熱交換器のコア部構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、タンクが装着され、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に複数配置され、前記チューブの両端部が座板に形成された接続部のチューブ穴に嵌挿固定され、前記一方のタンク内の冷却水がチューブを介して他方のタンクに流通される熱交換器のコア部構造において、前記コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量を該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、前記コア部を、それぞれ異なる温度の冷却水を流通させる第1コア部と第2コア部で構成し、少なくとも各コア部の最外端に位置し、両コア部の境となるチューブに流れる冷却水の流通量を各コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、タンクが装着され、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に複数配置され、前記チューブの両端部が座板に形成された接続部のチューブ穴に嵌挿固定され、前記一方のタンク内の冷却水がチューブを介して他方のタンクに流通される。
【0013】
そして、前記コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量は、該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくなる。
【0014】
従って、コア部に流通する冷却水の温度が急激に上昇した場合、コア部の最外端に位置するチューブの冷却水は、他のチューブに比べて流通量が少ないため、該最外端に位置するチューブの急激な温度変化を防止できると共に、該チューブの熱応力による外部への悪影響を防止できる。
【0015】
請求項2記載の発明では、コア部がそれぞれ異なる温度の冷却水を流通させる第1コア部と第2コア部で構成される。
【0016】
そして、少なくとも各コア部の最外端に位置し、両コア部の境となるチューブに流れる冷却水の流通量が各コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくなる。
【0017】
従って、第1コア部または第2コア部に流通する冷却水の温度が急激に上昇した場合、両コア部の境に位置するチューブの冷却水は、他のチューブに比べて流通量が少ないため、該両コア部の境に位置するチューブ同士の温度差が急激に大きくなるのを防止することができ、熱応力による該チューブの亀裂・破損を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱交換器のコア部構造の実施の形態を説明する。
【0019】
なお、本実施の形態では熱交換器をハイブリッド車両のラジエータに適用した場合について説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態の熱交換器のコア部構造Aを示す全体図、図2はタンク内部を説明する断面図、図3は嵌挿部材を説明する図である。
【0021】
図4は第1コア部における作用を説明する図、図5は第2コア部における作用を説明する図、図6は本発明の熱交換器のコア部構造を他の熱交換器に適用した例を説明する図である。
【0022】
先ず、全体構成を説明する。
【0023】
図1、2に示すように、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aは、それぞれタンク1a、1bが装着された一対の座板2a、2bと、該座板2a、2bの間に配置されるチューブ3及びコルゲートフィン4と、前記座板2a、2bの両端部同士を連結補強するレインフォース5a、5bを主要な構成としている。
【0024】
また、図2に示すように、前記座板2a、2bにはチューブ3の両端部が嵌挿固定されている。
【0025】
さらに、前記タンク1a、1bの内部は、仕切板9により2つの部屋に隔成されて第1タンク1cと第2タンク1dで構成されることによって、前記チューブ3及びコルゲートフィン4が第1コア部6(図中X1の範囲)と第2コア部7(図中X2の範囲)で構成されている。
【0026】
なお、本実施の形態では、前記座板2a,2b、チューブ3、コルゲートフィン4、レインフォース5a,5bが全てアルミ製であり、これらは予め一体的に組み付けられた後、図外の熱処理炉内で一体的にろう付けされる。
【0027】
そして、前記第1コア部6の最外端に位置するチューブ8a,8bの上端部と前記第2コア部7の最外端に位置するチューブ8c,8dの上端部の合計4箇所に後述する嵌挿部材10が嵌挿固定されている。
【0028】
以下、嵌挿部材10について詳述する。
【0029】
図3(a)に示すように、前記嵌挿部材10は耐熱樹脂製で全体が略コ字状断面形状に形成され、該コ字状の対向する挿入部10aには該挿入部10aから外方に突出した係止部10bがそれぞれ形成されている。
【0030】
そして、図3(b)に示すように、嵌挿部材10をチューブ8aに嵌挿固定する場合には、該チューブ8aの上端部に前記係止部10bが係止するまで上方から押し込んで固定する。
【0031】
この際、該チューブ8aの先端部と嵌挿部材10との間には隙間Oが形成され、該チューブ8aは該隙間Oを介した量の冷却水しか流通されないようになっている。
【0032】
また、嵌挿部材10は樹脂の弾性力により挿入部10aがチューブ8aの内壁に当接して確実に固定できるようになっている。
【0033】
なお、チューブ8b〜8dに嵌挿部材10を固定する際もチューブ8aと同様であるため、その説明は省略する。
【0034】
また、嵌挿部材10の固定は、前述したろう付けの後で、なおかつタンク1aを座板2aに装着する前に行われる。
【0035】
以下、本実施の形態の熱交換器のコア部Aの作用及び効果を説明する。
【0036】
先ず、タンク1aの第1タンク1cは、図外のエンジン及びモータ内を循環するエンジン冷却水(約80℃〜100℃)を流入口1eから取り入れて第1コア部6の各チューブ3に流通させ、該エンジン冷却水を熱交換した後、タンク1bの流出口1fから排出する。
【0037】
一方、タンク1aの第2タンク1dは、図外のインバータ回路等の制御回路内を循環する制御回路冷却水(約60℃)を流入口1gから取り入れて第2コア部7の各チューブ3に流通させ、該制御回路冷却水を熱交換した後、タンク1bの排出口1hから排出する。
【0038】
この際、図4に示すように、前記チューブ8a、8bの上端部には嵌挿部材10が嵌挿固定されており、該チューブ8a、8bは前記隙間Oを介した量のエンジン冷却水しか流通させることができないため、第1コア部6の他のチューブ8eよりもエンジン冷却水の流通量が少なくなっている。
【0039】
一方、図5に示すように、前記チューブ8c、8dにも嵌挿部材10が嵌挿固定されており、該チューブは8c、8dは前記隙間Oを介した量の制御回路冷却水しか流通させることができないため、第2コア部7の他のチューブ8fよりもエンジン冷却水の流通量が少なくなっている。
【0040】
従って、エンジン冷却水と制御回路冷却水に急激な温度差が生じた場合、例えば、エンジン冷却水の温度が急激に上昇した場合、第1コア部6のチューブ8eは急激に高温になるが、チューブ8bは急激に温度変化せずにゆっくりと上昇し、結果、該チューブ8bとチューブ8c間で急激に温度差が生じないため、該チューブ8bによる熱応力がチューブ8cに悪影響を及ぼすことがなく、チューブ8b、8cの亀裂・破損を防止できる。
【0041】
一方、チューブ8aにおいても、該チューブ6aは急激に温度変化せずにゆっくりと上昇するため、該チューブ8aの熱応力による該チューブ8aの付け根の亀裂やレインフォース5aの歪み変形を防止できる。
【0042】
同様に、制御回路冷却水の温度が急激に上昇した場合についても、チューブ8c,8dの急激な温度変化を回避でき、該チューブ8c,8dの熱応力によるチューブ8bやレインフォース5bへの悪影響を防止できる。
【0043】
さらに、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aは、従来の発明に比べてレインフォースやチューブに加工を施す必要もないし、また、熱交換器を大型化することもなく、嵌挿部材10を最外端のチューブ8a〜8dにそれぞれ押し込んで嵌挿固定するという簡便な作業でもって熱交換器のチューブ3の熱応力による外部への悪影響を防止できる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0045】
例えば、本実施の形態では、チューブ8a〜8dの冷却水の流通量を減少させるのに嵌挿部材10を用いたが、該チューブ8a〜8dの各上端部を径方向に適宜潰して流通量を減少させても良い。
【0046】
また、本実施の形態では、コア部を2つ有するハイブリッド車両に適用した場合について説明したが、図6に示すように、1つのコア部からなるラジエータの最外端チューブ8xの上端部に嵌挿部材10を嵌挿固定して、該チューブ8xの熱応力による該チューブ8x及びレインフォース5xの歪み変形・破損を防止するようにすることは当然考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の熱交換器のコア部構造Aを示す全体図である。
【図2】タンク内部を説明する断面図である。
【図3】嵌挿部材を説明する図である。
【図4】第1コア部における作用を説明する図である。
【図5】第2コア部における作用を説明する図である。
【図6】本発明の熱交換器のコア部構造を他の熱交換器に適用した例を説明する図である。
【符号の説明】
O 隙間
1a、1b タンク
1c 第1タンク
1d 第2タンク
1e、1f 流入口
1g、1h 排出口
2a、2b 座板
3、8a、8b、8c、8d、8e、8f チューブ
4 コルゲートフィン
5a、5b レインフォース
6 第1コア部
7 第2コア部
9 仕切板
10 嵌挿部材
10a 挿入部
10b 係止部
Claims (2)
- タンクが装着され、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に複数配置され、
前記一方のタンク内の冷却水がチューブを介して他方のタンクに流通される熱交換器のコア部構造において、
前記コア部の最外端に位置するチューブに流れる冷却水の流通量を該コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくしたことを特徴とする熱交換器のコア部構造。 - 請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、
前記コア部を、それぞれ異なる温度の冷却水を流通させる第1コア部と第2コア部で構成し、
少なくとも各コア部の最外端に位置し、両コア部の境となるチューブに流れる冷却水の流通量を各コア部の他のチューブに流れる冷却水の流通量よりも少なくしたことを特徴とする熱交換器のコア部構造。
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-
2003
- 2003-03-13 JP JP2003068786A patent/JP2004278867A/ja active Pending
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