JP2004266122A - Manufacturing method of ceramic electronic component - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のセラミックコンデンサの製造方法について説明する。
【0003】
まず、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉末に有機物バインダ等を加え、混練し、スラリー化した後、ドクターブレード法等を用いてキャリアフィルム上にセラミックシートを作製する。
【0004】
次に、セラミックシート上に金属ペーストをスクリーン印刷し、矩形状の複数の導体層付きセラミックシートを準備する。
【0005】
次いで、支持板上に接着シートを介して、所定枚数のセラミックシート、導体層付きセラミックシート、セラミックシートの順に積層する。セラミックシート及び導体層付きセラミックシートの積層は、キャリアフィルム側を上に配置し、全面を剛体で加圧後、キャリアフィルムを剥離する工程を繰り返すことにより行う。
【0006】
次いで、この上に複数の導体層付きセラミックシートを同様にキャリアフィルム側を上にして積層、加圧後、キャリアフィルムを剥がす。
【0007】
その後、同様にしてセラミックシートの積層、圧着、キャリアフィルムの剥離を繰り返し、積層体を作製する。
【0008】
次に、前記積層体の上下をプレス板で挟んで加圧し、一体化した後、所望の形状に切断し、支持板から分離して個片の積層体とする。
【0009】
その後、積層体を焼成し、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサとする。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−198459号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法によると、キャリアフィルム剥離起点となる積層体外周部においては導体層の有無による段差が発生し、加圧を十分に行うことができない。その結果、キャリアフィルムを剥離する際に、積層体からセラミックシートが剥離して折り重なったり、切断されたりして構造欠陥が発生するという問題点を有していた。
【0013】
そこで、本発明は、セラミックシートの剥離による構造欠陥を抑制することのできるセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、キャリアフィルム上に形成した導体層付きセラミックシートを別の導体層付きセラミックシートに積層し、前記キャリアフィルム上から全面加圧する第1の工程と、次に、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート外周の一部を再度加圧する第2の工程と、次いで再度加圧した部分を起点として前記キャリアフィルムを剥離する第3の工程を有するものであり、キャリアフィルムとセラミックシートの分離の起点となるセラミックシート間は十分な接着強度を有し、キャリアフィルム剥離時、セラミックシートの剥離による構造欠陥の発生を抑制できる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、第2の工程において加熱も行うものであり、セラミックシートが加熱により軟化し、常温と比較して短時間の加圧でもセラミックシート間に十分な接着強度を付与し、生産性を向上させることができる。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、第2の工程における加圧は弾性体を用いて行うものであり、加圧部に導体層の有無による段差がある場合でも、セラミックシート間に十分な接着強度を付与できる。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、第2の工程において弾性体でセラミックシートの側面も被覆されるように加圧するものであり、セラミックシートに位置ずれがあったとしても、セラミックシート同士の接着性を確保し、キャリアフィルム剥離時にセラミックシートの剥離を抑制できる。
【0018】
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、第1の工程における加圧は剛体で行うものであり、セラミックシートの伸びを抑制することができ、構造欠陥の発生を抑制できる。
【0019】
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、第1の工程における加圧力より第2の工程における加圧力の方を小さくするものであり、第2の工程により加圧された部分が他の部分よりも過剰にへこむことにより発生する上層のセラミックシートの転写不良を抑制することができる。
【0020】
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、第2の工程後、冷却してからキャリアフィルムの剥離を行うものであり、導体層及びセラミックシートに含有されている樹脂が硬化し、キャリアフィルムの剥離を容易に行うことができる。
【0021】
本発明の請求項8に記載の発明は、特に、第2の工程においてセラミックシート外周全体を加圧するものであり、セラミックシートが薄くとも、セラミックシートの剥離を抑制しつつ、キャリアフィルムを剥離できる。
【0022】
本発明の請求項9に記載の発明は、特に、キャリアフィルム上に形成した導体層付きセラミックシートを別の導体層付きセラミックシートに積層し、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート外周の一部を加圧する第1の工程と、次に、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート全面を加圧する第2の工程と、次いで前記第1の工程で加圧した部分を起点として前記キャリアフィルムを剥離する第3の工程を有するものであり、キャリアフィルムとセラミックシートの分離の起点となる部分のセラミックシート間は十分な接着強度を有し、キャリアフィルム剥離時のセラミックシートの剥離による構造欠陥の発生を抑制できる。
【0023】
本発明の請求項10に記載の発明は、特に、第1の工程において加熱も行うものであり、セラミックシートが加熱により軟化し、常温と比較して短時間の加圧でもセラミックシート間に十分な接着強度を付与し、生産性を向上させることができる。
【0024】
本発明の請求項11に記載の発明は、特に、第1の工程における加圧は弾性体を用いて行うものであり、加圧部に導体層の有無による段差がある場合でも、セラミックシート間に十分な接着強度を付与できる。
【0025】
本発明の請求項12に記載の発明は、特に、第1の工程において弾性体でセラミックシートの側面も被覆されるように加圧するものであり、セラミックシートをずらして積層したとしてもセラミックシート同士の接着性を確保し、キャリアフィルム剥離時にセラミックシートの剥離を抑制できる。
【0026】
本発明の請求項13に記載の発明は、特に、第2の工程における加圧は剛体で行うものであり、セラミックシートの伸びを抑制することができ、構造欠陥の発生を抑制できる。
【0027】
本発明の請求項14に記載の発明は、特に、第1の工程における加圧力より第2の工程における加圧力の方が大きいものであり、第1の工程により加圧された部分が他の部分よりも過剰にへこむことにより発生する上層のセラミックシートの転写不良を抑制することができる。
【0028】
本発明の請求項15に記載の発明は、特に、第2の工程後、冷却工程を経た後第3の工程を行うものであり、導体層及びセラミックシートに含有されている樹脂が硬化し、キャリアフィルムの剥離を容易に行うことができる。
【0029】
本発明の請求項16に記載の発明は、特に、第1の工程においてセラミックシートの外周全体を加圧するものであり、セラミックシートが薄くとも、セラミックシートの剥離を抑制しつつ、キャリアフィルムを剥離できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜7に記載の発明について説明する。
【0031】
図1〜3は本実施の形態1における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図であり、11は支持板、12は接着シート、13はセラミックシート、14は導体層、15はキャリアフィルム、16,17はプレス機、17aは弾性体、18はキャリアフィルムの剥離装置、19は積層体ブロックである。
【0032】
また図4は本実施の形態における積層セラミックコンデンサの一部切欠断面斜視図であり、31はセラミック層、32は外部電極である。
【0033】
まず、キャリアフィルム15の上に離型層(図示せず)を介して矩形状の導体層14を多数形成し、乾燥する。導体層14は、ニッケルを主成分とする金属粉末に、ポリビニルブチラール系の有機バインダ、脂肪族ナフサ、芳香族ナフサ、テルピネオールなどの溶剤を混合した金属ペーストをスクリーン印刷することにより形成する。
【0034】
次に、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉末に、ポリビニルブチラール系の有機物バインダ、可塑剤としてジブチルフタレート、溶剤として酢酸ブチルを混練し、スラリー化した後、ドクターブレード法等を用いて導体層14を形成したキャリアフィルム15上にセラミック層31となる四辺形のセラミックシート13を作製する。
【0035】
このようにして作製した導体層14付きセラミックシート13において、セラミックシート13の厚みは約10μm、導体層14の厚みは約2.5μmである。
【0036】
次に、支持板11上に両面に粘着性を有する接着シート12を貼付け、この上に導体層14を形成していないセラミックシート13を20枚積層する。接着シート12の接着力はセラミックシート13と支持板11とが分離しない程度必要である。しかし、積層体ブロック19を切断後に分離する必要があるため、積層体ブロック19作製時の加熱温度よりも高い温度で積層体ブロック19との接着性は消失する機能を有する。
【0037】
そして、図2に示すように積層したセラミックシート13の上に導体層14付きセラミックシート13をキャリアフィルム15ごと積層し、上面からプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、セラミックシート13全面を加圧及び加熱する。
【0038】
次に、図1に示すように、キャリアフィルム15とセラミックシート13の分離起点となるセラミックシート13の角部をキャリアフィルム15を介してプレス機17により1MPa、100℃で1秒間再び加圧及び加熱する。
【0039】
次いで、導体層14及びセラミックシート13に含有されるバインダなどの有機物を硬化させて、キャリアフィルム15の剥離を容易に行えるようにした後、図3に示すように、プレス機17で加圧した部分(セラミックシート13の角部)を剥離装置18に付着させて対向する角部に向かって引き上げながらキャリアフィルム15を剥離する。角部から剥離することによりセラミックシート13に加わる応力を小さくすることができ、剥離及び損傷を抑制できる。
【0040】
その後、同様にして導体層14付きセラミックシート13を200枚積層し、続いて導体層14を形成していないセラミックシート13を20枚積層して積層体ブロック19を得る。
【0041】
次に、積層体ブロック19を加熱及び加圧することにより確実に一体化させた後、切断し、導体層14が両端面に露出した積層体を得る。
【0042】
そして、接着シート12を150℃に加熱し、接着性を消失させて積層体を接着シート12から分離する。
【0043】
次に、積層体を窒素ガス中で熱処理し、バインダを除去した後、導体層14となるニッケルの酸化が過度に起こらない窒素と水素の混合ガス雰囲気中で、1300℃まで加熱して焼成し、焼結体を得る。
【0044】
次に、この焼結体の外周面を研磨して、両端面に導体層14を完全に露出させ、続いて焼結体の両端面に銅を主成分とする電極ペーストを塗布した後、800℃の窒素雰囲気中で焼付けを行う。
【0045】
次いで、この上にニッケルメッキ及び半田メッキを行い外部電極32を形成し、図4に示す積層セラミックコンデンサを作製する。
【0046】
本実施の形態1の積層セラミックコンデンサについて、電気的特性の評価及び顕微鏡で断面を観察して内部構造検査を行った。その結果、デラミネーション等の構造欠陥の発生がほとんど無く、また、電気的特性も良好であった。
【0047】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項8に記載の発明について説明する。
【0048】
実施の形態1と異なる点は、使用するセラミックシート13の厚みが約5μmと実施の形態1と比較すると半分の厚み、すなわち強度の小さいセラミックシート13を使用すること及びプレス機での加圧位置である。
【0049】
まず実施の形態1と同様にして、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13を準備する。
【0050】
次に、支持板11上に接着シート12を介してセラミックシート13を20枚積層し、この上に、図2に示すように導体層14付きセラミックシート13を積層し、キャリアフィルム15を介して、上面からプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、セラミックシート13全体を加圧及び加熱する。
【0051】
次に、キャリアフィルム15の剥離起点となる部分だけでなく、セラミックシート13の外周全体を枠状の弾性体の押圧部を有するプレス機により1MPa、100℃で1秒間再び加圧及び加熱する。
【0052】
次いで、実施の形態1と同様にしてキャリアフィルム15を剥離する。
【0053】
この上に同様にしてキャリアフィルム15上の導体層14付きセラミックシート13を200枚積層する。
【0054】
さらに、その上に、セラミックシート13を20枚積層し、積層体ブロック19を得る。
【0055】
以下同様にして図4に示す積層セラミックコンデンサを得る。
【0056】
本実施の形態の積層セラミックコンデンサも実施の形態1と同様に、セラミックシート13の剥離による構造欠陥及び切断不良のないものであった。
【0057】
なお、実施の形態1,2においては、まずセラミックシート13全面を加圧し、積層体ブロック19内の空気を除去してから、キャリアフィルム15の剥離起点を加圧する。その結果、積層体ブロック19内の空気の残留を抑制できる。
【0058】
(実施の形態3)
実施の形態3を用いて本発明の特に請求項9〜15について説明する。
【0059】
実施の形態1との相違点は、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13の積層工程である。それ以外は、同じであるので説明を省略する。
【0060】
まず、支持板11上に接着シート12を介してセラミックシート13を200枚積層する。
【0061】
次に、この上に導体層14付きセラミックシート13をキャリアフィルム15ごと積層し、図1に示すようにキャリアフィルム15とセラミックシート13の分離起点となるセラミックシート13の角部をキャリアフィルム15を介してプレス機17により1MPa、100℃で1秒間加圧及び加熱する。
【0062】
次いで、図2に示すように上面からプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、セラミックシート13全面を加圧及び加熱する。
【0063】
そして、実施の形態1に示したようにキャリアフィルム15を剥離する。
【0064】
同様にして導体層14付きセラミックシート13を200枚積層し、続いてセラミックシート13を20枚積層し、積層体ブロック19を得る。
【0065】
続いて、実施の形態1と同様にして積層セラミックコンデンサを得る。
【0066】
この積層セラミックコンデンサも、デラミネーション等の構造欠陥の発生がほとんど無く、また、電気的特性も良好であった。
【0067】
なお、実施の形態3においてもセラミックシート13の角部のみを加圧してから全面を加圧するので積層体ブロック19内に空気が残留するのを抑制できる。
【0068】
(実施の形態4)
実施の形態4を用いて本発明の特に請求項16について説明する。
【0069】
実施の形態3と異なる点は、使用するセラミックシート13の厚みが約5μmと実施の形態1と比較すると半分の厚み、すなわち強度の小さいセラミックシート13を使用すること及びプレス機での加圧位置である。
【0070】
まず実施の形態1と同様にして、導体層14付きセラミックシート13を準備する。
【0071】
次に、支持板11上に設けた接着シート12の上にセラミックシート13を20枚積層する。
【0072】
次いで、この上に導体層14付きセラミックシート13をキャリアフィルム15ごと積層し、キャリアフィルム15とセラミックシート13の分離起点となる部分を含みセラミックシート13の外周全体をキャリアフィルム15を介して枠状で弾性体の押圧部を有するプレス機により1MPa、100℃で1秒間、加圧及び加熱する。
【0073】
その後、キャリアフィルム15上面からセラミックシート13全体をプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、加圧及び加熱する。
【0074】
次いで、セラミックシート13中の樹脂がある程度硬化するように冷却した後、実施の形態1に示したようにキャリアフィルム15を剥離する。そして、このセラミックシート13の上に同様にしてキャリアフィルム15上のセラミックシート13を20枚積層する。
【0075】
以下同様にして図4に示す積層セラミックコンデンサを得る。
【0076】
本実施の形態の積層セラミックコンデンサも実施の形態1と同様に、セラミックシート13の剥がれによる構造欠陥及び切断不良のないものであった。
【0077】
なお、実施の形態4においては、まずセラミックシート13の外周全体を加圧してから、全面を加圧するので積層体ブロック19内に空気が残留する可能性がある。この空気は構造欠陥の原因となりうるので、外周全体を加圧する際は、積層体ブロック19内部に空気が残留しないようにすることが望ましい。
【0078】
また、実施の形態2,4のようにセラミックシート13が薄く、その強度が小さい場合、加圧部分が剥離起点となる角部のみであると、この角を構成するセラミックシート13の二辺が損傷しやすい。そのため、キャリアフィルム15の剥離方向、つまり積層体ブロック19の上に破損した欠片が落下する可能性がある。しかし、他の二辺は仮に損傷するようなことがあったとしても、キャリアフィルム15の剥離方向が積層体ブロック19の外方であるので、積層体ブロック19の上に落下する可能性は少ない。そこで、少なくとも剥離起点となる角部を構成するセラミックシート13の二辺を含む外周を加圧することが好ましい。
【0079】
さらに、キャリアフィルム15の剥離時には積層体ブロック19表面に静電気が発生する。そのため、セラミックシート13が破損するとこの静電気にその切片が引き寄せられ、積層体ブロック19の上に落下する可能性がある。そこで、より好ましくはセラミックシート13の外周全体を加圧し、セラミックシート13間の接着強度を向上させて、セラミックシート13の損傷を抑制する。
【0080】
実施の形態2,4のようにセラミックシート13外周全体を加圧することは、特に厚み5μm以下のセラミックシート13において顕著な効果がある。
【0081】
なお、上記各実施の形態においてセラミックシート13の角部あるいは外周の加圧は、弾性体で行っているが、剛体で行っても構わない。しかしながら、導体層14の有無による段差を吸収するとともに、セラミックシート13間に十分な接着性を付与することができるので弾性体で行うことが望ましい。さらに弾性体で加圧することにより、セラミックシート13に位置ずれが生じたとしても、図1に示すように弾性体17aが積層体ブロック19の側面も覆って加圧するため、セラミックシート13の剥離及び損傷を抑制できる。
【0082】
また、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13を全面加圧する場合、剛体で行ったが、加圧する部分の表面温度が所定の温度に達する熱伝導率と、加圧時間中その温度を保つ熱容量があれば、弾性体で行っても構わない。しかし、全面加圧の場合、弾性体で加圧するとセラミックシート13あるいは導体層14に伸びが生じるおそれがあるので剛体で行うことが好ましい。
【0083】
加圧は、一度に行っても、複数回に分けて行っても構わない。二回以上加圧することにより、従来の一回の加圧よりもそれぞれ低温、低圧で加圧することができ、積層体の変形やダメージを軽減することができる。
【0084】
また、キャリアフィルムの剥離起点を加圧する(部分加圧)場合、積層体ブロック19の温度は全面加圧の場合より高くするとともに圧力は低くしている。
【0085】
これは部分加圧が、加熱して接着性をさらに向上させることに主眼をおいているためである。具体的には、加圧時間内に積層したセラミックシート13に含有する有機物が軟化するようにする。ただし、セラミックシート13や導体層14が過度に変形しないような温度にすることが必要である。また、圧力が高すぎると加圧した部分の変形が著しくなるので、後に積層する導体層14付きセラミックシート13の積層を精度良く行うことができなくなるからである。
【0086】
キャリアフィルム15の剥離起点の加圧は、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13の積層時すべてにおいて行ったが、最初にセラミックシート13のみを積層する際は、導体層14の有無による段差がないので、接着性が確保できるのであれば、行う必要はない。また、セラミックシート13の性状により加圧時の加熱は必ずしも必要というわけではない。
【0087】
また、キャリアフィルム15上にまず導体層14を形成し、続いてセラミックシート13を形成することにより導体層14付きセラミックシート13を作製したが、キャリアフィルム15上にセラミックシート13を作製し、続いて導体層14を作製した場合も同様の効果が得られる。
【0088】
上記各実施の形態においては積層セラミックコンデンサを例に説明したが、積層バリスタ、積層セラミック基板、積層インダクタなどのセラミック電子部品においては同様の効果が得られる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように本発明は、積層時、セラミックシートの剥離による構造欠陥を抑制することのできるセラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1,3における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図
【図2】本発明の実施の形態1〜4における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図
【図3】本発明の実施の形態1〜4における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図
【図4】本発明の実施の形態1〜4における積層セラミックコンデンサの一部切欠断面斜視図
【符号の説明】
11 支持板
12 接着シート
13 セラミックシート
14 導体層
15 キャリアフィルム
16 プレス機
17 プレス機
17a 弾性体
18 剥離装置
19 積層体ブロック
31 セラミック層
32 外部電極[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a ceramic electronic component such as a multilayer ceramic capacitor.
[0002]
[Prior art]
A method for manufacturing a conventional ceramic capacitor will be described.
[0003]
First, an organic binder or the like is added to ceramic powder containing barium titanate as a main component, kneaded and slurried, and then a ceramic sheet is formed on a carrier film using a doctor blade method or the like.
[0004]
Next, a metal paste is screen-printed on the ceramic sheet to prepare a plurality of rectangular ceramic sheets with conductor layers.
[0005]
Next, a predetermined number of ceramic sheets, a ceramic sheet with a conductor layer, and a ceramic sheet are laminated on the support plate in this order via an adhesive sheet. The lamination of the ceramic sheet and the ceramic sheet with a conductor layer is performed by arranging the carrier film side upward, pressing the entire surface with a rigid body, and repeating the step of peeling the carrier film.
[0006]
Next, a plurality of ceramic sheets with a conductor layer are similarly laminated thereon with the carrier film side facing upward, and after pressing, the carrier film is peeled off.
[0007]
Thereafter, similarly, the lamination of the ceramic sheet, the press bonding, and the peeling of the carrier film are repeated to produce a laminate.
[0008]
Next, the upper and lower portions of the laminate are pressed and sandwiched by a press plate, integrated, cut into a desired shape, and separated from the support plate to form a laminate of individual pieces.
[0009]
Thereafter, the laminate is fired to form external electrodes, thereby obtaining a multilayer ceramic capacitor.
[0010]
As prior art document information related to the invention of this application, for example, Patent Document 1 is known.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-5-198459
[Problems to be solved by the invention]
According to the above method, a step occurs due to the presence or absence of the conductor layer at the outer peripheral portion of the laminate, which is the starting point of the carrier film peeling, and the pressure cannot be sufficiently applied. As a result, when the carrier film is peeled, there is a problem that the ceramic sheet is peeled off from the laminate and folded or cut, thereby causing a structural defect.
[0013]
Therefore, an object of the present invention is to provide a method for manufacturing a ceramic electronic component that can suppress structural defects due to peeling of a ceramic sheet.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to claim 1 of the present invention includes, in particular, a first step of laminating a ceramic sheet with a conductor layer formed on a carrier film on another ceramic sheet with a conductor layer and pressing the entire surface from above the carrier film; And a second step of repressing a part of the outer periphery of the ceramic sheet with the conductor layer from above the carrier film, and a third step of peeling off the carrier film from the repressed portion as a starting point. The ceramic sheet, which is the starting point of separation between the carrier film and the ceramic sheet, has a sufficient adhesive strength and can suppress the occurrence of structural defects due to the separation of the ceramic sheet when the carrier film is separated.
[0015]
In the invention according to claim 2 of the present invention, in particular, heating is also performed in the second step, and the ceramic sheet is softened by heating, and sufficient pressure can be applied between the ceramic sheets even if the pressure is shorter than normal temperature. High adhesive strength and improve productivity.
[0016]
In the invention according to claim 3 of the present invention, in particular, the pressing in the second step is performed using an elastic body, and even when there is a step due to the presence or absence of the conductor layer in the pressing portion, the pressing between the ceramic sheets is performed. Sufficient adhesive strength.
[0017]
According to the invention described in claim 4 of the present invention, in particular, in the second step, pressure is applied so that the side surfaces of the ceramic sheet are covered with the elastic body. Adhesion between the sheets is ensured, and peeling of the ceramic sheet can be suppressed when the carrier film is peeled.
[0018]
In the invention according to claim 5 of the present invention, in particular, the pressurization in the first step is performed by a rigid body, so that the elongation of the ceramic sheet can be suppressed, and the occurrence of structural defects can be suppressed.
[0019]
In the invention according to claim 6 of the present invention, in particular, the pressing force in the second step is made smaller than the pressing force in the first step. The transfer failure of the upper ceramic sheet, which is caused by excessively denting than the portion, can be suppressed.
[0020]
The invention as set forth in claim 7 of the present invention is particularly one in which, after the second step, the carrier film is separated after cooling, and the resin contained in the conductor layer and the ceramic sheet is cured, The film can be easily peeled off.
[0021]
The invention according to claim 8 of the present invention presses the entire outer periphery of the ceramic sheet particularly in the second step. Even if the ceramic sheet is thin, the carrier film can be peeled while suppressing the peeling of the ceramic sheet. .
[0022]
The invention according to claim 9 of the present invention is, in particular, laminating a ceramic sheet with a conductor layer formed on a carrier film on another ceramic sheet with a conductor layer, and from the carrier film on the outer periphery of the ceramic sheet with a conductor layer. A first step of partially pressing, and then a second step of pressing the entire surface of the ceramic sheet with a conductor layer from above the carrier film, and then starting with the part pressed in the first step as a starting point. The method includes a third step of peeling the carrier film, and has a sufficient adhesive strength between a portion of the ceramic sheet serving as a starting point of separation of the carrier film and the ceramic sheet. Generation of structural defects can be suppressed.
[0023]
In the invention according to claim 10 of the present invention, in particular, heating is also performed in the first step, and the ceramic sheet is softened by heating, and sufficient pressure can be applied between the ceramic sheets even with a short pressurization compared with normal temperature. High adhesive strength and improve productivity.
[0024]
In the invention according to
[0025]
According to the twelfth aspect of the present invention, in particular, in the first step, the pressure is applied so that the side surfaces of the ceramic sheet are also covered with the elastic body. And the peeling of the ceramic sheet when the carrier film is peeled can be suppressed.
[0026]
In the invention according to claim 13 of the present invention, in particular, the pressurization in the second step is performed by a rigid body, so that the elongation of the ceramic sheet can be suppressed, and the occurrence of structural defects can be suppressed.
[0027]
In the invention according to claim 14 of the present invention, in particular, the pressing force in the second step is larger than the pressing force in the first step, and the portion pressurized in the first step is another part. It is possible to suppress transfer failure of the upper ceramic sheet, which is caused by excessively denting than the portion.
[0028]
In the invention according to claim 15 of the present invention, in particular, after the second step, the third step is performed after the cooling step, and the resin contained in the conductor layer and the ceramic sheet is cured, The carrier film can be easily peeled off.
[0029]
In the invention according to claim 16 of the present invention, in particular, in the first step, the entire outer periphery of the ceramic sheet is pressed. Even if the ceramic sheet is thin, the carrier film is separated while suppressing the separation of the ceramic sheet. it can.
[0030]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(Embodiment 1)
Hereinafter, the first embodiment of the present invention will be described with reference to the first embodiment.
[0031]
1 to 3 are cross-sectional views for explaining a laminated block manufacturing process in the first embodiment, where 11 is a support plate, 12 is an adhesive sheet, 13 is a ceramic sheet, 14 is a conductor layer, and 15 is a carrier film. , 16 and 17 are press machines, 17a is an elastic body, 18 is a carrier film peeling device, and 19 is a laminate block.
[0032]
FIG. 4 is a partially cutaway perspective view of the multilayer ceramic capacitor according to the present embodiment, in which 31 is a ceramic layer, and 32 is an external electrode.
[0033]
First, a large number of rectangular conductor layers 14 are formed on a
[0034]
Next, a ceramic powder mainly composed of barium titanate is kneaded with a polyvinyl butyral-based organic binder, dibutyl phthalate as a plasticizer, and butyl acetate as a solvent to form a slurry. A quadrangular
[0035]
In the
[0036]
Next, an
[0037]
Then, the
[0038]
Next, as shown in FIG. 1, the corner of the
[0039]
Next, after the organic material such as the binder contained in the
[0040]
After that, similarly, 200
[0041]
Next, the
[0042]
Then, the
[0043]
Next, the laminate is heat-treated in nitrogen gas to remove the binder, and then heated to 1300 ° C. in a mixed gas atmosphere of nitrogen and hydrogen in which nickel of the
[0044]
Next, the outer peripheral surface of the sintered body is polished to completely expose the
[0045]
Next, nickel plating and solder plating are performed thereon to form
[0046]
The internal structure of the multilayer ceramic capacitor of the first embodiment was evaluated by evaluating the electrical characteristics and observing the cross section with a microscope. As a result, there was almost no occurrence of structural defects such as delamination, and the electrical characteristics were good.
[0047]
(Embodiment 2)
Hereinafter, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
[0048]
The difference from the first embodiment is that the thickness of the
[0049]
First, a
[0050]
Next, 20
[0051]
Next, not only the portion serving as the separation starting point of the
[0052]
Next, the
[0053]
On this, 200
[0054]
Further, 20
[0055]
Hereinafter, similarly, the multilayer ceramic capacitor shown in FIG. 4 is obtained.
[0056]
Similarly to the first embodiment, the multilayer ceramic capacitor of the present embodiment was free from structural defects and cutting defects due to peeling of the
[0057]
In the first and second embodiments, first, the entire surface of the
[0058]
(Embodiment 3)
A third embodiment of the present invention will be described with reference to a third embodiment.
[0059]
The difference from the first embodiment is a lamination process of the
[0060]
First, 200
[0061]
Next, the
[0062]
Next, as shown in FIG. 2, the entire surface of the
[0063]
Then, the
[0064]
Similarly, 200
[0065]
Subsequently, a multilayer ceramic capacitor is obtained in the same manner as in the first embodiment.
[0066]
This multilayer ceramic capacitor also had almost no occurrence of structural defects such as delamination, and also had good electrical characteristics.
[0067]
In the third embodiment as well, since only the corners of the
[0068]
(Embodiment 4)
A fourth embodiment of the present invention will be described with reference to a fourth embodiment.
[0069]
The difference from the third embodiment is that the thickness of the
[0070]
First, in the same manner as in the first embodiment, a
[0071]
Next, 20
[0072]
Next, the
[0073]
Thereafter, the entire
[0074]
Next, after cooling the resin in the
[0075]
Hereinafter, similarly, the multilayer ceramic capacitor shown in FIG. 4 is obtained.
[0076]
Similarly to the first embodiment, the multilayer ceramic capacitor of the present embodiment was free from structural defects and cutting defects due to peeling of the
[0077]
In the fourth embodiment, first, the entire outer periphery of the
[0078]
Further, when the
[0079]
Furthermore, static electricity is generated on the surface of the
[0080]
Pressing the entire outer periphery of the
[0081]
In each of the above embodiments, the pressing of the corners or the outer periphery of the
[0082]
Further, when the entire surface of the
[0083]
The pressurization may be performed at once or may be performed a plurality of times. By performing the pressing twice or more, the pressing can be performed at a lower temperature and a lower pressure than in the conventional single pressing, and the deformation and damage of the laminate can be reduced.
[0084]
In addition, when the peeling start point of the carrier film is pressurized (partial pressurization), the temperature of the
[0085]
This is because the partial pressure focuses on heating to further improve the adhesiveness. Specifically, the organic substances contained in the laminated
[0086]
The pressing of the starting point of separation of the
[0087]
Further, first, the
[0088]
In each of the above embodiments, a multilayer ceramic capacitor has been described as an example. However, similar effects can be obtained in ceramic electronic components such as a multilayer varistor, a multilayer ceramic substrate, and a multilayer inductor.
[0089]
【The invention's effect】
As described above, the present invention can provide a method of manufacturing a ceramic electronic component that can suppress structural defects due to peeling of a ceramic sheet during lamination.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a laminated block manufacturing process according to Embodiments 1 and 3 of the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view illustrating a laminated block manufacturing process according to Embodiments 1 to 4 of the present invention. FIG. 3 is a cross-sectional view for explaining a laminated body block manufacturing process according to the first to fourth embodiments of the present invention; FIG. Perspective view [Description of reference numerals]
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