JP2004266095A - 半導体光増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板1と、この半導体基板の上方に形成された多重量子井戸(MQW)構造を含む活性層13とを備え、一方の端面17aから入射した光19が、光の伝搬方向に沿って形成された活性層13を含む光導波路を伝搬する過程で増幅されて、他方の端面17bから出射する半導体光増幅器において、
多重量子井戸構造は複数組の井戸層14と障壁層15とを有し、井戸層又は障壁層は引張り歪を有し、かつ障壁層の厚みは4nm以下に設定されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の端面から入射した光を増幅して他方の端面から出射する半導体光増幅器に係わり、特に増幅における利得の偏波依存性を抑制した半導体光増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいて、光信号を光ファイバを介して遠方に伝送する場合に光信号の減衰が生じるので、中継器を設けてこの中継器で光信号を増幅する必要がある。光信号を電気信号に変換せずに直接増幅する光増幅器の一つとして半導体光増幅器が実用化されている。
【0003】
このような半導体光増幅器において、良好な光の発振特性を得るために、活性層として、一つの均一物質で構成されたバルク構造の他に、複数の井戸層とこの各井戸層の両側に位置する複数の障壁層とを積層した多重量子井戸(Multiple Quantum Well)構造(以下、MQW構造と略記する)が採用されている。
【0004】
図11(a)はこの活性層にMQW構造を採用した半導体光増幅器の横断面図であり、図11(b)はこのMQW構造を採用した活性層の概略構成図である。
【0005】
n型InPからなる半導体基板1の上面に、n型InGaAsPからなる光閉込層2、ノンドープ型InGaAsPからなる活性層3、p型InGaAsPからなる光閉込層4が順番に積層されている。この半導体基板1の上部、光閉込層2、活性層3、光閉込層4はメサ部を形成している。MQW構造を有する活性層3においては、複数の井戸層6とこの各井戸層6の両側に位置する複数の障壁層5とが積層されている。
【0006】
メサ部の両側には、p型InPからなる下部埋込層7が埋込形成され、この下部埋込層7の上面にn型InPからなる上部埋込層8が埋込形成されている。この上部埋込層8の上面と光閉込層4の上面を共通に覆うp型InPからなるクラッド層9が形成されている。さらに、このクラッド層9の上面にp型InGaAsPからなるコンタクト層10が形成され、コンタクト層10の上面にp電極11が取付けられ、半導体基板1の下面にn電極11が取付けられている。
【0007】
この半導体光増幅器においては半導体レーザにおける光の増幅作用を直接利用する。具体的には、p電極11とn電極12との間に直流電流を供給することで、活性層3内のキャリアの数を増加させる。すると、活性層3内で誘導放出が生じる。
【0008】
このような光増幅作用を有する半導体光増幅器の一方の端面から信号光を入射すると、この信号光が他方の端面から出射されるまでの間に、素子内部の誘導放出により、他方の端面から出射される光が増加する。出射された光の光強度の入射された光の光強度との比を利得とする。
【0009】
なお、特許文献1には、活性層としてMQW構造を採用したスーパールミネッセントダイオード(SLD)におけるMQW構造の詳細構造が開示されている。さらに、非特許文献1には、多重量子井戸LDの設計手法が開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−284223号公報
【0011】
【非特許文献1】
小久保吉裕、「電子のエンベロープ関数の最適化を図った多重量子井戸LDの設計」、電子情報通信学会、信学技報、0QE93―90(1993―09)、p51―56
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図11(a)(b)に示す活性層3にMQW構造を採用した半導体光増幅器においてもまだ改良すべき次のような課題があった。
【0013】
すなわち、半導体光増幅器では、光導波路中を伝搬する光の電界が活性層の幅方向の成分を有するTEモードと、光導波路中を伝搬する光の磁界が活性層の幅方向の成分を有するTMモードとの2つの偏波状態が存在する。一般に、利得は2つの偏波状態毎に異なる。
【0014】
一方、この半導体光増幅器へ入射する光を伝搬する光ファイバに、振動、温度変化等に起因して応力が加わると、光ファイバ内を伝搬される光の偏波状態が変化する。したがって、半導体光増幅器における光増幅の利得が、入射する光の偏波状態に応じて変動する。すると、利得の偏波依存性のために、出射する光の強度が変動する。
【0015】
利得の偏波依存性を解消するために、活性層3の厚みを増加することが提唱されている。すなわち、活性層3として、MQW構造ではなくて、一つの均一物質で構成されたバルク構造を採用する必要がある。しかし、活性層3としてバルク構造を採用することで偏波依存性を解消するためには、活性層3を0.3〜0.4μmの矩形にする必要があり、高精度加工技術を必要とし、歩留りにも問題があった。
【0016】
このような不都合を解消するために、MQW構造を採用した活性層3において、MQW構造における井戸層6に引張り歪が加えられている材料を採用する。加える引張り歪量を調整することによって、TEモードの利得とTMモードの利得とを近似させて、利得の偏波依存性を抑制できる。
【0017】
しかし、井戸層6に加える引張り歪量を調整するのみで、半導体光増幅器における利得の偏波依存性を抑制する場合においては、加える引張り歪量を高い精度で制御する必要があるので、製造工程が複雑化するとともに、製造された半導体光増幅器の歩留まりが低下する。
【0018】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえ井戸層に加える引張り歪量を高い精度で制御しなくでも、利得の偏波依存性を大幅に抑制でき、製造上の歩留まりを大幅に向上できる半導体光増幅器を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明は、半導体基板と、この半導体基板の上方に形成された多重量子井戸構造を含む活性層とを備え、一方の端面から入射した光が、光の伝搬方向に沿って形成された活性層を含む光導波路を伝搬する過程で増幅されて、他方の端面から出射する半導体光増幅器において、多重量子井戸構造(MQW構造)は複数組の井戸層と障壁層とを有し、井戸層と障壁層のいずれか一方は引張り歪を有し、かつ障壁層の厚みは4nm以下に設定されている。
【0020】
このように構成された半導体光増幅器においては、MQW構造における井戸層又は障壁層に引張り歪が加えられている材料を採用しているので、前述したように、井戸層又は障壁層に加える引張り歪量を調整することによって、TEモードの利得とTMモードの利得とを近づけることで、利得の偏波依存性を抑制できる。
【0021】
さらに、障壁層の厚みを4nm以下に設定しているので、MQW構造を構成する互いに隣接する井戸層内に閉じ込められた電子の波動関数が互いに連結するので、井戸層の数だけ、量子電位の分裂が起こるために、量子効果が弱くなる。このため利得の偏波依存性を一定量に抑制するために、井戸層又は障壁層に加える引張り歪量の許容範囲が広くなる。なお、活性層としてMQW構造を採用しているので、このMQW構造が有する優れた光の特性が損なわれることはない。
【0022】
また別の発明は、上述した発明の半導体光増幅器において、さらに、井戸層は引張り歪を有し、障壁層は圧縮歪を有している。
このような半導体光増幅器においては、障壁層に圧縮歪を印加することにより、活性層全体の歪量を低減することができるために、信頼性を向上させることが期待できる。
【0023】
また別の発明は、上述した発明の半導体光増幅器において、さらに、各端面の少なくとも一方と活性層との間にして、端面付近で活性層が途切れることにより形成された窓部を有する。
【0024】
このように各端面と活性層との間に窓部を形成することによって、半導体光増幅器内に大きな共振光が生じることが防止される。
【0025】
また、別の発明は、上述した発明の半導体光増幅器において、活性層を各端面に対して傾斜して形成している。
このように活性層を各端面に対して傾斜させることによって、活性層の端面から出射され各端面で反射した光が再度活性層に入射されることが防止される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す斜視図であり、図2は図1に示す半導体光増幅器をA―A’線で切断した横断面図である。図11(a)に示す従来の半導体光増幅器と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0027】
n型InPからなる半導体基板1の上面に、n型InGaAsPからなる光閉込層2、ノンドープ型InGaAsPからなる活性層13、p型InGaAsPからなる光閉込層4が順番に積層されている。この半導体基板1の上部、光閉込層2、活性層13、光閉込層4はメサ部を形成している。メサ部の両側には、p型InPからなる下部埋込層7が埋込形成され、この下部埋込層7の上面にn型InPからなる上部埋込層8が埋込形成されている。この上部埋込層8の上面と光閉込層4の上面を共通に覆うp型InPからなるクラッド層9が形成されている。さらに、このクラッド層9の上面にp型InGaAsPからなるコンタクト層10が形成され、コンタクト層10の上面にp電極11が取付けられ、半導体基板1の下面にn電極11が取付けられている。
【0028】
さらに、この半導体光増幅器の信号光19が入射される端面17a、及び増幅された光20が出射される端面17bにはそれぞれ無反射膜18a、18bが形成されている。
【0029】
図3(a)、図3(b)はMQW構造を有する活性層13の概略構成図である。MQW構造を有する活性層13においては、複数の井戸層14とこの各井戸層14の両側に位置する複数の障壁層15とが積層されている。そして、この実施形態においては、各障壁層15の厚みt1が2nmに設定され、各井戸層14の厚みt2が9nmに設定されている。
【0030】
そして、図3(b)に示すように、活性層13における井戸層14の屈折率が最も高く、次に障壁層15の屈折率が高く、続いて、両側の光閉込層2、4、さらに半導体基板1及びクラッド層9が続く。したがって、活性層13と両側の光閉込層2、4は、一方の端面17aから入射した光19を増幅して他方の端面17bへ導く光導波路を形成する。
【0031】
さらに、この実施形態においては、MQW構造を有する活性層13の各井戸層14は引張り歪を有している。この引張り歪の歪量は、前述したように、TEモードの利得とTMモードの利得とが一致するように設定する。
【0032】
このような構成の半導体光増幅器において、p電極11とn電極12との間に直流電流を供給することで、活性層13内のキャリアを増加させ、活性層13内での利得を上げる。
【0033】
この状態で、一方の端面17aから信号光19を入射すると、活性層13内での内部利得により増幅され、その結果、他方の端面17bから出射される光20が増加する。
【0034】
なお、端面17a、17bに無反射膜18a、18bが形成されているので、活性層13と両側の光閉込層2、4とで形成される光導波路の端面から出射され光が、この端面17a、17bで反射されて、再度活性層13へ入射されるファブリペロー共振を防ぐことができる。よって、増幅された光20の特定波長にピークが生じることなく、半導体光増幅器における波長特性を向上できる。
【0035】
次に、このように構成された半導体光増幅器において利得の偏波依存性を抑制できる動作原理を説明する。
図11(a)(b)に示す一般的な半導体光増幅器に活性層3として組込まれたMQW構造では、井戸層6は通常4〜12nm程度で、障壁層5は、井戸層6内に閉じ込められた電子の波動関数が隣の井戸層6内に閉じ込められた電子の波動関数と重ならないように、8〜12nmの厚さにするのが普通である。
【0036】
そこで、実施形態の半導体光増幅器においては、井戸層14内に閉じ込められた電子の波動関数が隣の井戸層14内に閉じ込められた電子の波動関数とが故意に重なるように、障壁層5の厚みを、通常4〜12nmから大幅に低下させた、4nm以下である2nmに設定している。なお、障壁層の厚みを4nm以下に設定すれば隣り合う井戸層内に閉じ込められた各電子の波動関数が互いに連結することは、前述した特許文献1及び非特許文献1に既に記載されている。
【0037】
このように、MQW構造を構成する複数の井戸層14内に閉じ込められた電子の波動関数が互いに連結するので、たとえMQW構造を構成する井戸層14の数を増加したとしても、活性層13内のキャリアの均一性が劣化することはない。
【0038】
一方、MQW構造における井戸層14に引張り歪が加えられている材料を採用しているので、前述したように、井戸層14に加える引張り歪量を調整することによって、利得の偏波依存性を抑制できる。
【0039】
この場合、前述したように、MQW構造を構成する複数の井戸層14内に閉じ込められた電子の波動関数が互いに連結するので、井戸層14の数だけ、量子電位の分裂が起こるために、量子効果が弱くなる。このため利得の偏波依存性を一定量に抑制するために、井戸層14に加える引張り歪量の許容範囲が広くなる。
【0040】
図4は、活性層に従来の厚み8〜12nmの障壁層を組込んだMQW構造を採用した半導体光増幅器と、活性層に厚み4nm以下の障壁層15を組込んだMQW構造を採用した半導体光増幅器とにおける引張り歪を加えた場合における利得の偏波依存性を示す図である。
【0041】
図示するように、バルク構造では偏波依存性は、光閉込係数の偏波依存性に起因しているので、活性層に十分厚い層厚のバルク構造を採用することで利得の偏波依存性を低減することができる。一方、活性層に厚み4nm以下の障壁層14を組込んだMQW構造を採用した場合は、活性層に厚み8〜12nmの障壁層を組込んだMQW構造を採用した場合に比較して、歪量の変化に対する利得の変化量(偏波依存量)は少ない。
【0042】
したがって、たとえ井戸層14に加える引張り歪量を高い精度で制御しなくでも、利得の偏波依存性を大幅に抑制でき、製造上の歩留まりを大幅に向上できる。なお、活性層としてMQW構造を採用しているので、このMQW構造が有する優れた光の特性が損なわれることはない。
【0043】
なお、MQW構造における井戸層14に引張り歪を印加することに加えて、障壁層15に圧縮歪を印加することも可能である。障壁層に圧縮歪を印加することにより、活性層13全体の歪量を低減することができるために、信頼性を向上できる。
【0044】
さらに、MQW構造における障壁層15のみに引張り歪を印加することにより、TMモードの利得とTEモードの利得とを近似させることもできる。
【0045】
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す斜視図であり、図6は図5に示す半導体光増幅器をB―B’線で切断した水平断面図である。図1、図2に示す第1実施形態の半導体光増幅器と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0046】
この第2実施形態の半導体光増幅器においては、各端面17a、17bと活性層13との間にはそれぞれ窓部21a、21bが設けられている。この窓部21a、21b内には図5に示すように、下部埋込層7と上部埋込層8とが埋込まれている。
【0047】
窓部21a、21bを充填する下部埋込層7と上部埋込層8との屈折率は、活性層13を含む光導波路の屈折率より小さいので、活性層13から出力された光はガウスビームに従い広がる。その結果、各端面17a、17bにおいて反射されて再び活性層13に帰還した光の密度は窓部21a、21bの長さに応じて小さくなる。このため、等価的に光の反射率が低下することになる。
【0048】
よって、増幅された光20の特定波長にピークが生じることなく、半導体光増幅器における波長特性をより一層向上できる。
【0049】
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図である。図6に示す第2実施形態の半導体光増幅器と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0050】
この第3実施形態の半導体光増幅器においては、活性層13は光19、20が入出力される各端面17a、17bに対して傾斜して形成されている。そして、各端面17a、17bと活性層13との間にはそれぞれ窓部21a、21bが設けられている。この窓部21a、21b内には下部埋込層7と上部埋込層8とが埋込まれている。また、端面17aに信号光19の入射角も、これに応じて傾斜している。さらに、端面17bから出射される光20の出射角も同様に傾斜している。
【0051】
このように構成された第3実施形態の半導体光増幅器においては、活性層13は光19、20が入出力される各端面17a、17bに対して傾斜して形成されているので、活性層13の端面から出射されて各端面17a、17bで反射した光が再度活性層13に入射されることが防止される。すなわち、各端面17a、17bにおける光の反射率がさらに低下する。
【0052】
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図である。図7に示す第3実施形態の半導体光増幅器と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0053】
この第4実施形態の半導体光増幅器においては、活性層13は光19、20が入出力される各端面17a、17bに対して傾斜して形成されている。そして、この実施形態においては、窓部21a、21bは設けられていなくて、活性層13の端面が各端面17a、17bの外側に形成された無反射膜18a、18bに当接している。
【0054】
このように構成された第4実施形態の半導体光増幅器においても、活性層13の端面から出射されて各端面17a、17b(各無反射膜18a、18b)で反射した光が再度活性層13に入射されることが防止される。すなわち、各端面17a、17bにおける光の反射率が低下する。
【0055】
(第5実施形態)
図9は本発明の第5実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図である。図8に示す第4実施形態の半導体光増幅器と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0056】
この第5実施形態の半導体光増幅器においては、活性層13は、光19、20が入出力される各端面17a、17bに垂直な直線部13cと、各端面17a、17bに対して傾斜する一対の傾斜部13a、13bとで形成されている。そして、傾斜部13a、13bの端面が各端面17a、17bの外側に形成された無反射膜18a、18bに当接している。
【0057】
このように構成された第5実施形態の半導体光増幅器においても、活性層13の端面から出射されて各端面17a、17b(各無反射膜18a、18b)で反射した光が再度活性層13に入射されることが防止される。すなわち、各端面17a、17bにおける光の反射率が低下する。
【0058】
(第6実施形態)
図10は本発明の第6実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図である。図9に示す第5実施形態の半導体光増幅器と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0059】
この第6実施形態の半導体光増幅器においては、活性層13における一対の傾斜部13a、13bは互いに反対方向へ傾斜している。
このように構成された第5実施形態の半導体光増幅器においても、活性層13の端面から出射されて各端面17a、17b(各無反射膜18a、18b)で反射した光が再度活性層13に入射されることが防止される。すなわち、各端面17a、17bにおける光の反射率が低下する。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体光増幅器においては、活性層におけるMQW構造の井戸層又は障壁層は引張り歪を有し、障壁層の厚みを4nm以下に設定している。したがって、たとえ井戸層又は障壁層に加える引張り歪量を高い精度で制御しなくでも、MQW構造が有する優れた光特性を損なうことなく、利得の偏波依存性を大幅に抑制でき、製造上の歩留まりを大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す斜視図
【図2】図1に示す第1実施形態の半導体光増幅器をA―A’線で切断した横断面図
【図3】同第1実施形態の半導体光増幅器における活性層の詳細構成図
【図4】本発明の半導体光増幅器の利得の偏波依存性の特徴を説明するための図
【図5】本発明の第2実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す斜視図
【図6】図5に示す第2実施形態の半導体光増幅器をB―B’線で切断した水平断面図
【図7】本発明の第3実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図
【図8】本発明の第4実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図
【図9】本発明の第5実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図
【図10】本発明の第6実施形態に係る半導体光増幅器の概略構成を示す水平断面図
【図11】従来の半導体光増幅器の概略構成を示す横断面図
【符号の説明】
1…半導体基板、2,4…光閉込層、3,13…活性層、5,15…障壁層、6,14…井戸層、7…下部埋込層、8…上部埋込層、9…クラッド層、10…コンタクト層、11…p電極、12…n電極、17a,17b…端面、18a,18b…無反射膜、19…信号光、20…光、21a,21b…窓部
Claims (4)
- 半導体基板(1)と、この半導体基板の上方に形成された多重量子井戸構造を含む活性層(13)とを備え、一方の端面(17a)から入射した光(19)が、光の伝搬方向に沿って形成された前記活性層(13)を含む光導波路を伝搬する過程で増幅されて、他方の端面(17b)から出射する半導体光増幅器において、
前記多重量子井戸構造は複数組の井戸層(14)と障壁層(15)とを有し、前記井戸層と障壁層のいずれか一方は引張り歪を有し、かつ前記障壁層の厚みは4nm以下に設定されていることを特徴とする半導体光増幅器。 - 前記井戸層(14)は引張り歪を有し、前記障壁層(15)は圧縮歪を有していることを特徴とする請求項1記載の半導体光増幅器。
- 前記各端面(17a、17b)の少なくとも一方と前記活性層(13)との間にして、前記端面(17a、17b)付近で前記活性層が途切れることにより形成された窓部(21a、21b)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体光増幅器。
- 前記活性層(13)は前記各端面(17a、17b)に対して傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の半導体光増幅器。
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