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JP2004261987A - Film laminate and its manufacturing method - Google Patents

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JP2004261987A
JP2004261987A JP2003052441A JP2003052441A JP2004261987A JP 2004261987 A JP2004261987 A JP 2004261987A JP 2003052441 A JP2003052441 A JP 2003052441A JP 2003052441 A JP2003052441 A JP 2003052441A JP 2004261987 A JP2004261987 A JP 2004261987A
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JP
Japan
Prior art keywords
film
peak
fourier transform
inorganic compound
layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP2003052441A
Other languages
Japanese (ja)
Inventor
Noriaki Saito
徳顕 齋藤
Hiroshi Hara
寛 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a good film laminate reduced in water vapor permeability. <P>SOLUTION: The measured data of the surface unevenness of a base material layer made of a plastic film is subjected to Fourier transform for wavenumber separation and further subjected to inverse Fourier transform to obtain an auto-correlation coefficient. Then, the surface unevenness is evaluated using this auto-correlation coefficient to calculate a height ratio of a zero order peak and a primary peak [(primary peak)/(zero order peak)]. An inorganic compound layer is laminated on the surface of the base material layer made of the plastic film with the height ratio of (primary peak)/(zero order peak)<1/10. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気バリア性を向上させたフィルム積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラスチックフィルムを基材層として、その表面に酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機化合物層を形成したフィルム積層体は水蒸気・酸素を遮断するガスバリア性フィルムとして、食品包装、医薬品包装などの包装用途に広く用いられている。また包装用途以外にも、液晶表示素子、タッチパネル、エレクトロルミネッセンス表示素子などに使用する透明導電性基板の一部としても用いられている。
【0003】
これらのフィルム積層体に関し、ガスバリア性を向上させることを目的として数々の改良検討がなされている。たとえば、基材フィルムの硬さを規定したもの(たとえば特許文献1参照。)、無機化合物層の粒状を規定したもの(たとえば特許文献2参照。)、基材フィルムの表面粗さを規定したもの(たとえば特許文献3参照。)、無機化合物層の比重を規定したもの(たとえば特許文献4参照。)、基材フィルムの表面凹凸と表面処理後の表面凹凸の比を規定したもの(たとえば特許文献5参照。)などが存在し、また基材フィルムと薄膜との密着性向上のためにアンカーコートを施したもの(たとえば特許文献6参照。)が存在する。
【0004】
プラスチックフィルム製基材層表面に無機化合物層を積層させ、ガスバリア性を向上させる手法について、これまでに無機薄膜作製プロセスの改善やフィルムの基材樹脂の組成の最適化などの検討が行われており、その結果フィルム表面に存在する凹凸が問題であると広く認識されてきた。
【0005】
したがって凹凸の少ないフィルムの作製法については、従前より多くの検討がなされており、製膜時の脈流の低減、巻取りドラムの平滑化、フィルムの延伸、溶液キャスト法の導入など各種改良がなされ、これによってガスバリア性向上が可能であると示唆されてきた。
【0006】
しかしながら、使用するフィルム等の表面特性については、各種の測定手法、各種のデータ記述法があり、これまでにも幾度となく言及されてきたが、どのような特性を有する場合に、水蒸気バリア性に優れたフィルム積層体となるかは依然明確にされていないのが実状である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−096661号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【特許文献2】
特開平9−076400号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【特許文献3】
特開平3−176123号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献4】
特開平5−186622号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【特許文献5】
特開平10−244601号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献6】
特開平3−086539号公報(特許請求の範囲)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決し、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様によれば、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際に、実質的に周期構造が見られないプラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体や、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が
(第1次ピーク)/(第0次ピーク)<1/10
であるプラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体が提供される。
【0015】
本発明の態様により、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体が得られる。
【0016】
Al、Si、In、Sn、TiおよびTaの単体、酸化物、窒化物および酸窒化物からなる群より選ばれた少なくとも一つにより無機化合物層を形成してなることが好ましい。
【0017】
本発明の他の態様によれば、プラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体の製造方法において、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が所定の範囲内にあるプラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層するフィルム積層体の製造方法や、プラスチックフィルム製基材層面上に平坦化層と無機化合物層とを積層してなるフィルム積層体の製造方法において、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が所定の範囲内にある平坦化層面上に無機化合物層を積層する、フィルム積層体の製造方法が提供される。
【0018】
本発明の態様により、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体を確実に製造できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図、表、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0020】
本発明における表面の凹凸とは、一般に表面形状の測定を行い得る測定装置による表面の任意の形状測定値を指す。測定値には被測定物のうねりや反りなどの成分も含み得るものであるが、本発明に述べる方法においてはこれらを分離して評価している。本発明では、このようなうねりや反りをまとめて「うねり」として把握している。
【0021】
本発明は、プラスチックフィルム製基材層に接して平坦化層を積層し、その上に無機化合物層を積層したフィルム積層体やプラスチックフィルム製基材層に接して平坦化層を積層せず、直接無機化合物層を積層したフィルム積層体に関する。
【0022】
本発明に係るフィルム積層体の基材層に使用するプラスチックフィルムとしては、実質的に透明であることが非常に好ましい。またフィルム積層体の透明性を損なわない範囲であれば、可塑剤、フィラー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、易接着剤、易滑材、着色剤などの添加剤を加えることができる。なお、これらの添加剤の発揮する機能は、本発明に係るフィルム積層体に他の層を積層することによって実現してもよい。
【0023】
基材層の製造法には特に限定は無く、溶融押出し製膜法、溶液キャスト製膜法、インフレーション製膜法等公知の方法で作製することができる。また、無延伸フィルムでも、延伸フィルムでも良い。なお、用途によっては、透明でなくともよい場合もあり、そのような場合には、添加剤等についても透明性に対する制限は不要である。
【0024】
プラスチックフィルムとして使用できる材料としては特に制限はないが、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルサルホン、光硬化性アクリル重合体等を挙げることができる。ポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造(ビスフェノールA構造)を骨格構造に持つポリカーボネートや、とりわけビスクレゾールフルオレン構造とビスフェノールA構造とを骨格構造に持つポリカーボネートが好ましい。ビスクレゾールフルオレン構造とビスフェノールA構造とを骨格構造に持つポリカーボネートは、高いガラス転移温度を有するがゆえにプラスチックフィルムの耐熱性に優れ、透明導電基板などの用途においてより好ましく用いられる。なお、ビスクレゾールフルオレン構造および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造とは、ビスクレゾールフルオレンや2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの両端の−OHが−O−となった構造を意味する。本発明に係るプラスチックフィルム製基材層の積層側面は、プラスチックフィルム製基材層の両面のうち、いずれか一方でもよく、両方であってもよい。
【0025】
プラスチックフィルム製基材層の表面凹凸測定データはその由来で大きく三つに分類できることが分かった。一つめはいわゆる「うねり」であり、二つめが本発明で問題となる特定凹凸構造、そして三つめが測定機のノイズなどで突発的に発生する異常である。一つめのデータである「うねり」は相対的に大きなマイクロメートルオーダの面内周期で生じる特徴がある。これは積層体が樹脂であることに由来し、基材フィルムの作製に際し、樹脂が凝固する過程で起こる収縮が原因で発生するものや、あるいは平坦化のために塗工層を施す際に、溶液の粘稠による展性不足で生じる塗りムラ、あるいはロールコータによって発生する塗布方向に伸びる筋ムラなどに起因する膜厚の不均一がこれに該当する。本発明に関連して作製したポリエステルフィルムの場合は、面内周期がおよそ50μmで、高さ方向がおよそ30nmのうねりが見られた。このうねりは、フィルムキャスト面に由来するものではない。
【0026】
後述する、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いた表面凹凸の評価が、このうねりを除去したものであり、しかも、水蒸気バリア性の評価として優れているところから、うねりは蒸気バリア性とは関係しない因子であると考えることができる。
【0027】
二つめのデータが本発明に係る特定凹凸構造である。これらは、製膜機のキャスティング面の研磨痕に由来するもの、あるいはフィルム作成において発生した異物に起因する微小な傷によるフィルム表面の凹凸で、高さが5nmないしは30nm、フィルム面内方向には幅5μmないしは20μm、長さ50μmないし150μmの大きさを持つ筋状の凹凸であることがわかった。無機化合物層を積層する場合には、このフィルムの製造工程のフィルムキャスト面に由来する表面凹凸構造が存在すると製膜においてシャドウ効果を引き起こすため、無機化合物層を均一に製膜することができず、水蒸気バリア性が芳しくない積層体となることが分かった。従って、フィルムの製造工程のフィルムキャスト面に由来する表面凹凸構造を実質的に保持しないプラスチックフィルム製基材層表面を使用することにより、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体を得ることが可能となる。フィルムの製造工程のフィルムキャスト面に由来する表面凹凸構造を実質的に保持しないかどうかは、パターンを持った表面凹凸構造があるか否か等で判断することができる。その具体的方法としては、後述する評価方法を挙げることができる。
【0028】
そして三つめのデータであるノイズなど突発的異常成分は、本発明の目的とする水蒸気バリア性には全く影響しないものであることがわかった。
【0029】
基材フィルムの表面凹凸の測定データを空間周期の大きい方より、うねり、特定凹凸構造、突発的異常成分と3種類に分類しているが、従来の表面凹凸の数値化においてはこれら3種類が複合したデータを各々分離せずに評価していたため、同じ測定値を持つ表面にも関らず、発明の目的を満たすもの、満たさないものが混在していたことがわかった。具体的に言うならば、表面粗さの平均的数値を示すRa、Rq、Rmsといった値は本明細書中における「うねり」を強く反映し、Rz、Rpといった最大数値を示す数値は突発的異常成分を強く反映するものであることがわかった。それゆえ、これまでに使用されてきた表面パラメータでは本発明に係る特定凹凸構造を評価するには不向きであることが判明した。
【0030】
この特定凹凸構造の分離法について検討した結果、表面凹凸の測定データについて、フーリエ変換によって波数分解を行い、必要な成分のみを取り出すことで分離できることを見出した。このフーリエ変換は市販の解析ソフトあるいは測定機器に附属する解析ソフトによって行うことができる。たとえば、Veeco社製光学干渉式顕微鏡Wyco(R)NT3300で測定を行うならば、附属する解析ソフトをそのまま用いることができる。また、本発明の実施例においては表面凹凸の測定を光学式干渉顕微鏡を用いて行ったが、微小領域の凹凸測定に一般的に用いられるAFM(原子間力顕微鏡)を用いた場合においても、その測定データ並びに解析結果について、これをそのまま用いることができる。
【0031】
光学式干渉顕微鏡とAFMとでは測定の原理が異なり、またフィルム表面として認識される界面が異なるが、本発明が言及する表面凹凸の範囲においては、その測定法の違いによって発明の範囲に齟齬を生じることはないことが判明した。
【0032】
表面凹凸の測定では、たとえば、約190μm×約250μmの面積を測定した凹凸像について2次元傾き補正処理を行った後、測定値についてHigh Pass Filterで「うねり」を除去することができる。このHigh Pass Filterのカットオフ周波数は任意に設定できるが、本発明の目的に対しては40.00/mmに設定するのが好ましいことがわかった。すなわち、40.00/mmより大きな空間周期の成分からなるうねりを除去することが有効であることが判明した。フィルタリングの残りの波は特定凹凸構造と突発的異常成分から構成される。
【0033】
ここからノイズなど突発的異常成分を除去するのにはLow Pass Filterを使用することもできるが、突発的異常成分の発生箇所が測定面積内で占める割合が小さいため、凹凸の高さ分布のヒストグラムを用いることで、充分な確度で処理を行うことができる。たとえば、具体的には凹凸の高さ分布のヒストグラムの上位2.5%以内と下位2.5%以内とカットし、残りの95%領域のデータをもって特定凹凸構造とすることができることがわかった。
【0034】
この特定凹凸構造の凹凸データについて鋭意検討した結果、無機化合物層を積層したにも関らず、ガスバリア性の優れないフィルム積層体に共通する特徴として、この凹凸データに周期構造を保持していることが判明した。この周期構造は、この特定凹凸構造の起源の一つが製膜機のキャスティング面の研磨傷であることに由来する。即ち、粒状分布を持つ研磨粒子を用いてキャスティング面の研磨を行うために、研磨傷の深さ、長さに特徴が生じるためと考えられる。また、フィルム作製工程にて発生した異物によるフィルム表面の傷にも由来する。すなわち、フィルムの組成物に由来する小片、製膜機の磨耗に由来する傷等に発生原因が限られ、このため、フィルムに及ぼす傷の深さ、長さに特徴が生じるものと考えられる。本発明は、これら原因に鑑み、なされたものである。
【0035】
周期構造を表現する方法については従来より多くの方法があるが、たとえば表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して自己相関係数を求め、これを実空間のデータとして表面の周期性を表現することで適切に表現できることが分かった。このようにして、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際に、実質的に周期構造が見られないプラスチックフィルム製基材層表面に無機化合物層を積層した場合に、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体を得ることができる。実質的に周期構造が見られるか否かは実情に応じて適宜定めることができる。
【0036】
本発明の実施例では、表面凹凸データの解析においてVeeco社製光学干渉式顕微鏡Wyco(商標)に附属する解析ソフトを用いて行ったが、本発明はこの手法に何ら限定されるものではなく、表面凹凸の3次元データについて市販の数学処理ソフトやグラフ作成ソフト、たとえば株式会社数理システムのS−PLUSとS+SpatialStatsを用い、空間分析などの手法を適宜用いることでも同様のデータを得ることが可能である。
【0037】
プラスチックフィルム製基材層表面凹凸の周期性について鋭意検討を行ったところ、表面の凹凸分布の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が図1に示すように(第1次ピーク)/(第0次ピーク)<1/10である場合に、表面が充分に平滑で、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体を与えることができることを見出した。これとは対照的に、第0次ピークと第1次ピークの高さの比が図2に示すように(第1次ピーク)/(第0次ピーク)≧1/10である場合には、水蒸気透過率を低減させることができなかった。ここにおいて第0次ピークとは原点を示すピークで、自己相関係数には必ず存在するものである。また、ここに述べる第1次ピークとは自己相関係数のうちで原点に最も近接して存在するピークで、このピークの頂点と原点(すなわち第0次ピーク)との直線距離に相当する周期をもつ周期構造が表面に存在することを示している。さらにこの第1次ピークの高さは、周期性の強さを示している。
【0038】
従って、第1次ピーク/第0次ピークの比が小さいほど表面構造の周期性が弱いことを示している。鋭意検討したところによると、プラスチックフィルム製基材層の比が1/10よりも小さい場合には表面の周期性が充分に弱く、すなわち本発明で述べるところの特定凹凸構造が充分に小さく、無機化合物層の積層に影響しない表面であることが見出された。
【0039】
なお、この表面周期性は、フィルム基材の表面平滑性のみならず、フィルム表面に平坦化層を施した表面の平滑性についても同様に成立することが分かった。すなわち、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アルキルチタネート、およびこれらの変性樹脂などを使用し、ロールコーター、グラビアコーター、スピンコーターなどの公知の方法で平坦化層を導入して作製した平坦化層の表面についても適用し得るものであることが分かった。
【0040】
そして本発明は上記に述べた条件で平坦化したプラスチックフィルム製基材層または平坦化層の表面に無機化合物層を製膜するが、水蒸気透過率、光線透過率、密着性、湿熱耐久性、耐擦傷性の点からは、Al、Si、In、Sn、TiおよびTaの単体、酸化物、窒化物および酸窒化物からなる群より選ばれた少なくとも一つにより無機化合物層を形成することが工業的には望ましい。これらは複数の層からなっていてもよい。
【0041】
プラスチックフィルム製基材層や平坦化層の表面に無機化合物層を製膜した場合、無機化合物層は下地の凹凸を強調するが如く積層をすることがわかった。その結果、本発明に記載の如く表面平坦性に優れたプラスチックフィルム製基材層を使用した場合には、該無機化合物層表面においても平坦性、すなわち自己相関係数のピーク高さの比がほぼ維持されたが、表面平坦性の不十分な表面に無機化合物層を製膜した場合には、ピーク高さの比は基材フィルムを測定した場合の値よりも大きなものとなることが分かった。
【0042】
本発明の、プラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体の製造方法では、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が所定の範囲内にあるプラスチックフィルム製基材層面上または平坦化層面上に無機化合物層を積層する。また、積層後の無機化合物層表面について、表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が所定の範囲内になるようにプラスチックフィルム製基材層を選択する。このようにすることにより、水蒸気バリア性を向上させたフィルム積層体を再現性よく安定して生産することができる。なお、上における「所定の範囲」は必要とする水蒸気バリア性のレベル等から適宜定めることができる。具体的には、プラスチックフィルム製基材層の表面と平坦化層の表面とについては、
(第1次ピーク)/(第0次ピーク)<1/10
であることが好ましい。
【0043】
【実施例】
次に本発明の実施例および比較例を詳述する。以下の実施例におけるフィルムの測定および評価の方法は以下の通りである。
【0044】
<表面の粗さ:ピーク高さの比>
光学干渉式顕微鏡として、Veeco社製光学干渉式顕微鏡WYCO(商標)NT3300を使用し、PSIモードで、実施例および比較例でのサンプル表面を約190μm×約250μmの面積を測定した凹凸像について2次元ティルト処理を行った後、High Passフィルター処理を行ってうねり成分を取り除き、ヒストグラム処理を行って突発的異常成分を取り除いた。この値に対してデータ処理として自己相関係数を計算し、第0次ピークの高さと第1次ピークの高さを比較した。また、測定する箇所はサンプル表面の任意の箇所を選択した。
【0045】
<無機化合物層の厚さ>
実施例および比較例により得られた積層体について蛍光X線分析装置によって金属原子の積層量を測定し、その量を酸化ケイ素膜の厚さに換算した。
【0046】
<水蒸気透過率>
水蒸気透過率測定装置、MOCON社製Permatran−W1を使用して温度40℃相対湿度100%の条件下で測定した。本測定において水蒸気透過率が0.1g/(m・24h)以下となったものについて水蒸気バリア性良好と判断した。
【0047】
[実施例1]
アミノプロピルトリメトキシシランとオルガノシランとを混合し、ブタノール、酢酸、1−メチル−2−プロパノール、蒸留水を補助剤として添加して平坦化溶液を作成した。
【0048】
ビスフェノールAを骨格に持つポリカーボネートを290℃に加熱して溶融させ、Tダイより押出し、5℃に冷却したドラムにて巻き取らせてフィルムを製膜し、そのキャスト面と接触した側のフィルム表面に、スピンコート法で平坦化溶液を塗布した後に130℃の温浴槽にて2分間加熱し、平坦化したフィルム表面を作製した。平坦化層の厚みを300nmとした。この平坦化層表面に無機化合物層として酸化ケイ素膜をアルゴンスパッタリング法にて30nmの厚みで製膜した。
【0049】
[実施例2]
ビスフェノールAとビスクレゾールフルオレンとを骨格に持つポリカーボネートをジクロロメタンに溶解させ、キャスティングベルト上に展開させてフィルムを作製した。このフィルムの表面のうち、キャスティングベルトに接していなかった側の表面に、酸化ケイ素膜をスパッタリング法で30nmの厚みで製膜した。
【0050】
[実施例3]
1−メトキシ−2−プロパノールで希釈した日本ポリウレタン工業社製コロネートLを含む熱硬化性ウレタン樹脂溶液の混合物を平坦化液として用い、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン株式会社製)の表面に、1μmの厚さで平坦化層を施し、該平坦化表面に酸化ケイ素膜を蒸着法にて30nmの厚みで製膜した。
【0051】
[実施例4]
ポリエチレンナフタレートを溶融押出し法にて製膜し、逐次2軸延伸機にて延伸して得たフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いたほかは、実施例1と同様な方法でフィルム積層体を作成した。
【0052】
[比較例1]
平坦化層の厚みを70nmとしたほかは実施例1と同様の方法で積層体を得た。
【0053】
[比較例2]
ビスフェノールAを骨格に持つポリカーボネートをジクロロメタンに溶解させ、キャスティングベルト上に展開させてフィルムを作製した。このフィルムの表面のうち、キャスティングベルトに接していた側の表面に、酸化ケイ素膜を33nmの厚みで製膜した。
【0054】
結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

Figure 2004261987
【0056】
【発明の効果】
水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体が得られる。また、水蒸気透過率を低減させた良好なフィルム積層体を確実に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1ピーク/第0ピーク比<1/10を示す表面の計算結果の一例である。
【図2】第1ピーク/第0ピーク比>1/10を示す表面の計算結果の他の一例である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a film laminate having an improved water vapor barrier property.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a film laminate having a plastic film as a base material layer and an inorganic compound layer such as silicon oxide and aluminum oxide formed on the surface thereof is used as a gas barrier film that blocks water vapor and oxygen. Widely used for applications. In addition to packaging, it is also used as a part of a transparent conductive substrate used for a liquid crystal display device, a touch panel, an electroluminescence display device and the like.
[0003]
With respect to these film laminates, various improvements have been studied for the purpose of improving gas barrier properties. For example, one that defines the hardness of the base film (for example, see Patent Document 1), one that defines the granularity of the inorganic compound layer (for example, see Patent Document 2), one that defines the surface roughness of the base film (See, for example, Patent Document 3), those specifying the specific gravity of the inorganic compound layer (see, for example, Patent Document 4), and those specifying the ratio of the surface irregularities of the base film to the surface irregularities after the surface treatment (for example, Patent Documents). 5), and those having an anchor coat for improving the adhesion between the base film and the thin film (for example, see Patent Document 6).
[0004]
Methods to improve the gas barrier properties by laminating an inorganic compound layer on the surface of a plastic film base layer have been studied to improve the inorganic thin film production process and optimize the composition of the film base resin. As a result, it has been widely recognized that unevenness existing on the film surface is a problem.
[0005]
Therefore, more studies have been made on the method of producing a film with less unevenness than before, and various improvements have been made, such as reducing the pulsating flow during film formation, smoothing the winding drum, stretching the film, and introducing a solution casting method. It has been suggested that this can improve gas barrier properties.
[0006]
However, there are various measurement methods and various data description methods for the surface characteristics of the film and the like to be used, and these have been mentioned many times so far. In fact, it has not been clarified yet whether the film laminate will be excellent.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-096661 (Claims)
[0008]
[Patent Document 2]
JP-A-9-076400 (Claims)
[0009]
[Patent Document 3]
JP-A-3-176123 (claims)
[0010]
[Patent Document 4]
JP-A-5-186622 (Claims)
[0011]
[Patent Document 5]
JP-A-10-244601 (Claims)
[0012]
[Patent Document 6]
Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 3-086538 (Claims)
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above problems and to provide a good film laminate having a reduced water vapor transmission rate.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
According to an embodiment of the present invention, when performing a Fourier transform on the measured data of the surface unevenness and performing wave number separation, and evaluating the surface unevenness using an autocorrelation coefficient obtained by performing an inverse Fourier transform thereof, A film laminate in which an inorganic compound layer is laminated on the surface of a plastic film substrate layer in which substantially no periodic structure is observed, or Fourier transform is performed on measurement data of surface unevenness to perform wave number separation, and this is reversed. When the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained by Fourier transform, the height ratio between the 0th and 1st peaks is (first peak) / (0th peak) <1. / 10
And a film laminate obtained by laminating an inorganic compound layer on the surface of a plastic film base material layer.
[0015]
According to the embodiment of the present invention, a good film laminate having reduced water vapor transmission rate can be obtained.
[0016]
It is preferable that the inorganic compound layer be formed of at least one selected from the group consisting of simple substances of Al, Si, In, Sn, Ti and Ta, oxides, nitrides and oxynitrides.
[0017]
According to another aspect of the present invention, in a method for producing a film laminate obtained by laminating an inorganic compound layer on the surface of a plastic film base material layer, a wave number separation is performed by performing a Fourier transform on measurement data of surface irregularities. A base material made of a plastic film having a height ratio between the 0th order peak and the 1st order peak when the surface unevenness is evaluated using an autocorrelation coefficient obtained by performing an inverse Fourier transform thereof within a predetermined range. In the method for producing a film laminate in which an inorganic compound layer is laminated on a layer surface, or in the method for producing a film laminate in which a flattening layer and an inorganic compound layer are laminated on a plastic film base layer surface, measurement of surface irregularities Fourier transform is performed on the data to separate the wave numbers, and the height ratio between the 0th and 1st order peaks when the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained by inverse Fourier transform of the data. Place Laminating the inorganic compound layer on the planarizing layer plane which is within the range of, method of producing a film laminate is provided.
[0018]
According to the aspect of the present invention, it is possible to reliably manufacture a good film laminate in which the water vapor transmission rate is reduced.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings, tables, formulas, examples, and the like. It should be noted that these drawings, tables, formulas, examples and the like, and the description are only illustrative of the present invention, and do not limit the scope of the present invention. It goes without saying that other embodiments can also belong to the category of the present invention as long as they conform to the gist of the present invention.
[0020]
The surface unevenness in the present invention generally refers to an arbitrary shape measured by a measuring device capable of measuring the surface shape. Although the measured value may include components such as undulation and warpage of the measured object, these are separately evaluated in the method described in the present invention. In the present invention, such undulations and warpages are collectively grasped as “undulations”.
[0021]
The present invention does not stack a flattening layer in contact with a plastic film base material layer or a film laminate in which an inorganic compound layer is stacked on the flattening layer in contact with the plastic film base layer, The present invention relates to a film laminate in which an inorganic compound layer is directly laminated.
[0022]
It is very preferable that the plastic film used for the base layer of the film laminate according to the present invention is substantially transparent. Further, as long as the transparency of the film laminate is not impaired, additives such as a plasticizer, a filler, an ultraviolet absorber, an antioxidant, an easy adhesive, an easy lubricant, and a coloring agent can be added. The functions exhibited by these additives may be realized by laminating another layer on the film laminate according to the present invention.
[0023]
The method for producing the substrate layer is not particularly limited, and it can be produced by a known method such as a melt extrusion film forming method, a solution cast film forming method, and an inflation film forming method. Further, a non-stretched film or a stretched film may be used. It should be noted that, depending on the application, the material may not be transparent, and in such a case, there is no need to limit the transparency of the additives and the like.
[0024]
The material that can be used as the plastic film is not particularly limited, and examples thereof include polycarbonate, polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polyarylate, polycycloolefin, polyether sulfone, and a photocurable acrylic polymer. As the polycarbonate, a polycarbonate having a 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane structure (bisphenol A structure) as a skeleton structure, and particularly a polycarbonate having a biscresol fluorene structure and a bisphenol A structure as a skeleton structure are preferable. Polycarbonate having a biscresol fluorene structure and a bisphenol A structure as a skeleton structure has a high glass transition temperature and thus has excellent heat resistance of a plastic film, and is more preferably used in applications such as a transparent conductive substrate. Note that the biscresol fluorene structure and the 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane structure mean that -OH at both ends of biscresol fluorene or 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane is -O-. Means the structure. The lamination side face of the plastic film base layer according to the present invention may be either one or both sides of the plastic film base layer.
[0025]
It was found that the surface roughness measurement data of the plastic film base layer can be roughly classified into three based on its origin. The first is a so-called "undulation", the second is a specific concavo-convex structure which is a problem in the present invention, and the third is an abnormality which is suddenly generated due to noise of a measuring instrument or the like. The first data, "undulation", is characterized by a relatively large in-plane period on the order of micrometers. This is derived from the fact that the laminate is a resin, and when producing a base film, when a resin layer is caused by shrinkage that occurs in the process of solidification, or when applying a coating layer for flattening, The non-uniformity of the film thickness caused by unevenness of coating caused by insufficient malleability due to the viscousness of the solution, or stripe unevenness generated by a roll coater extending in the coating direction corresponds to this. In the case of the polyester film produced in connection with the present invention, an undulation having an in-plane period of about 50 μm and a height direction of about 30 nm was observed. This undulation is not derived from the film cast surface.
[0026]
As will be described later, the wave number is separated by performing a Fourier transform on the measured data of the surface unevenness, and the evaluation of the surface unevenness using an autocorrelation coefficient obtained by performing an inverse Fourier transform on the measured data is a method of removing this waviness. In addition, the swell can be considered to be a factor unrelated to the steam barrier property, because of its excellent evaluation of the steam barrier property.
[0027]
The second data is the specific uneven structure according to the present invention. These are caused by polishing marks on the casting surface of the film forming machine, or irregularities on the film surface due to minute scratches caused by foreign substances generated in the film production. The height is 5 nm or 30 nm, and the height in the film surface direction is It was found to be streaky irregularities having a size of 5 μm to 20 μm in width and 50 μm to 150 μm in length. In the case of laminating the inorganic compound layer, if there is a surface unevenness derived from the film cast surface in the production process of this film, since a shadow effect is caused in the film formation, the inorganic compound layer cannot be formed uniformly. It was found that the laminate had poor water vapor barrier properties. Therefore, by using a plastic film base layer surface that does not substantially retain the surface uneven structure derived from the film cast surface in the film manufacturing process, it is possible to obtain a good film laminate with reduced water vapor transmission rate. Becomes possible. Whether or not the surface unevenness derived from the film cast surface in the film manufacturing process is substantially not retained can be determined based on whether or not there is a surface unevenness having a pattern. As a specific method, an evaluation method described later can be cited.
[0028]
The third data, that is, sudden abnormal components such as noise, has no influence on the water vapor barrier property of the present invention.
[0029]
The measurement data of the surface irregularities of the base film is classified into three types: undulation, specific irregularity structure, and sudden abnormal component from the larger spatial period. Since the combined data was evaluated without being separated from each other, it was found that, despite the surfaces having the same measured values, some satisfying the object of the invention and some not satisfying the object of the invention were mixed. More specifically, values such as Ra, Rq, and Rms, which indicate average numerical values of the surface roughness, strongly reflect the “undulation” in this specification, and values indicating the maximum numerical values, such as Rz and Rp, indicate sudden abnormalities. It turned out that it strongly reflected the components. Therefore, it has been found that the surface parameters used so far are not suitable for evaluating the specific uneven structure according to the present invention.
[0030]
As a result of examining the method of separating the specific uneven structure, it was found that the measurement data of the surface unevenness can be separated by performing wave number decomposition by Fourier transform and extracting only necessary components. This Fourier transform can be performed by commercially available analysis software or analysis software attached to a measuring instrument. For example, if the measurement is performed with an optical interference microscope Wyco® NT3300 manufactured by Veeco, the attached analysis software can be used as it is. Further, in the embodiment of the present invention, the measurement of the surface unevenness was performed by using an optical interference microscope. However, even when an AFM (atomic force microscope) generally used for measuring the unevenness of a minute area is used, The measurement data and the analysis result can be used as they are.
[0031]
Although the principle of measurement is different between the optical interference microscope and the AFM, and the interface recognized as the film surface is different, in the range of surface irregularities referred to in the present invention, differences in the measurement method may cause inconsistencies in the scope of the invention. It has been found that it will not occur.
[0032]
In the measurement of surface irregularities, for example, after performing a two-dimensional inclination correction process on an irregularity image measuring an area of about 190 μm × about 250 μm, “undulations” can be removed from the measured values using a High Pass Filter. Although the cut-off frequency of this High Pass Filter can be set arbitrarily, it has been found that it is preferable to set the cut-off frequency to 40.00 / mm for the purpose of the present invention. That is, it has been found that it is effective to remove undulations composed of components having a spatial period larger than 40.00 / mm. The remaining waves of the filtering are composed of a specific concavo-convex structure and a sudden abnormal component.
[0033]
A low pass filter can be used to remove sudden abnormal components such as noise, but since the proportion of the locations where the sudden abnormal components occur in the measurement area is small, the histogram of the height distribution of the irregularities is used. By using, processing can be performed with sufficient accuracy. For example, specifically, it was found that the histogram of the height distribution of the unevenness was cut within the upper 2.5% and lower 2.5%, and the data of the remaining 95% area could be used as the specific uneven structure. .
[0034]
As a result of intensive studies on the unevenness data of this specific unevenness structure, the periodic structure is retained in the unevenness data as a feature common to a film laminate having excellent gas barrier properties despite the lamination of the inorganic compound layer. It has been found. This periodic structure is derived from the fact that one of the origins of the specific concavo-convex structure is a polishing flaw on a casting surface of a film forming machine. That is, it is considered that the polishing surface is polished by using the abrasive particles having a granular distribution, so that a characteristic is generated in the depth and length of the polishing scratch. In addition, it is also caused by scratches on the film surface due to foreign matter generated in the film production process. That is, the cause of occurrence is limited to small pieces derived from the composition of the film, scratches caused by abrasion of the film-forming machine, and the like, and it is considered that the depth and length of the scratches exerted on the film are characteristic. The present invention has been made in view of these causes.
[0035]
There are many methods for expressing the periodic structure than before.For example, the Fourier transform is performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and the inverse Fourier transform is performed to obtain the autocorrelation coefficient. Can be properly expressed by expressing the periodicity of the surface as data in real space. In this way, the Fourier transform is performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and when the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained by performing the inverse Fourier transform, the periodicity is substantially reduced. When an inorganic compound layer is laminated on the surface of a plastic film base layer having no structure, a good film laminate having reduced water vapor transmission rate can be obtained. Whether or not a substantially periodic structure can be determined can be appropriately determined according to the actual situation.
[0036]
In the embodiment of the present invention, the analysis of the surface unevenness data was performed using the analysis software attached to the optical interference microscope Wyco (trademark) manufactured by Veeco, but the present invention is not limited to this method at all. Similar data can be obtained for the three-dimensional data of the surface unevenness by using a commercially available mathematical processing software or graph creation software, for example, S-PLUS and S + SpatialStats of Mathematical System Co., Ltd., and appropriately using a technique such as spatial analysis. is there.
[0037]
After extensive studies on the periodicity of the surface unevenness of the plastic film base layer, the Fourier transform was performed on the measured data of the surface unevenness distribution, the wave number was separated, and the self-phase relationship obtained by inverse Fourier transform of this was obtained. As shown in FIG. 1, the ratio of the height of the 0th peak to the height of the 1st peak when evaluating the surface unevenness using the numbers is (1st peak) / (0th peak) <1/10. In some cases, it has been found that a good film laminate having a sufficiently smooth surface and a reduced water vapor transmission rate can be provided. In contrast, when the height ratio between the 0th and 1st peaks is (1st peak) / (0th peak) ≧ 1/10 as shown in FIG. And the water vapor transmission rate could not be reduced. Here, the 0th order peak is a peak indicating the origin, and is always present in the autocorrelation coefficient. The first-order peak described here is a peak of the autocorrelation coefficient which is present closest to the origin, and has a period corresponding to a linear distance between the peak of the peak and the origin (that is, the 0th-order peak). This indicates that a periodic structure having is present on the surface. Further, the height of the first peak indicates the strength of the periodicity.
[0038]
Therefore, the smaller the ratio of the first-order peak / zero-order peak, the weaker the periodicity of the surface structure is. According to extensive studies, when the ratio of the plastic film base layer is smaller than 1/10, the periodicity of the surface is sufficiently weak, that is, the specific uneven structure described in the present invention is sufficiently small, It was found that the surface did not affect the lamination of the compound layer.
[0039]
It has been found that this surface periodicity holds not only for the surface smoothness of the film substrate but also for the surface smoothness of the film surface provided with the flattening layer. That is, using a polyester resin, a urethane resin, an acrylic resin, an ethylene vinyl alcohol resin, a vinyl resin, an epoxy resin, a styrene resin, a silicone resin, an alkyl titanate, a modified resin thereof, and the like, a roll coater, a gravure coater, a spin coater, and the like. It was also found that the method can be applied to the surface of a flattening layer produced by introducing a flattening layer by a known method.
[0040]
And the present invention forms an inorganic compound layer on the surface of the plastic film substrate layer or the flattening layer flattened under the conditions described above, but the water vapor transmittance, light transmittance, adhesion, wet heat durability, From the viewpoint of scratch resistance, it is preferable that the inorganic compound layer is formed of at least one selected from the group consisting of simple substances of Al, Si, In, Sn, Ti, and Ta, oxides, nitrides, and oxynitrides. Industrially desirable. These may consist of a plurality of layers.
[0041]
It was found that when an inorganic compound layer was formed on the surface of the plastic film base layer or the flattening layer, the inorganic compound layer was laminated so as to emphasize the unevenness of the base. As a result, when using a plastic film base layer having excellent surface flatness as described in the present invention, the flatness even on the surface of the inorganic compound layer, that is, the ratio of the peak height of the autocorrelation coefficient is increased. When the inorganic compound layer was formed on the surface where the surface flatness was insufficient but the surface flatness was insufficient, it was found that the ratio of the peak heights was larger than the value obtained when the base film was measured. Was.
[0042]
In the method for producing a film laminate in which an inorganic compound layer is laminated on the surface of a plastic film base material layer according to the present invention, a wave number separation is performed by performing a Fourier transform on the measured data of the surface unevenness, and this is subjected to an inverse Fourier transform. On the surface of the plastic film substrate layer or the surface of the flattening layer in which the ratio of the height of the 0th order peak to the height of the 1st order peak when the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained in the above is within a predetermined range. An inorganic compound layer is laminated thereon. In addition, for the surface of the inorganic compound layer after lamination, a Fourier transform was performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and the surface unevenness was evaluated using an autocorrelation coefficient obtained by performing an inverse Fourier transform. The base layer made of a plastic film is selected such that the ratio of the heights of the 0th and 1st order peaks falls within a predetermined range. By doing so, a film laminate having an improved water vapor barrier property can be stably produced with good reproducibility. Note that the above “predetermined range” can be appropriately determined based on the required level of water vapor barrier property and the like. Specifically, regarding the surface of the plastic film base layer and the surface of the flattening layer,
(1st peak) / (0th peak) <1/10
It is preferable that
[0043]
【Example】
Next, examples and comparative examples of the present invention will be described in detail. The method of measuring and evaluating the film in the following examples is as follows.
[0044]
<Surface roughness: ratio of peak height>
As an optical interference microscope, an optical interference microscope WYCO (trademark) NT3300 manufactured by Veeco was used, and in the PSI mode, the sample surface in the example and the comparative example was measured for an uneven image having an area of about 190 μm × about 250 μm. After performing the dimensional tilt process, a high pass filter process was performed to remove the undulation component, and a histogram process was performed to remove sudden abnormal components. An autocorrelation coefficient was calculated for this value as data processing, and the height of the 0th peak and the height of the first peak were compared. In addition, an arbitrary point on the sample surface was selected for measurement.
[0045]
<Thickness of inorganic compound layer>
With respect to the laminates obtained in Examples and Comparative Examples, the amount of metal atoms laminated was measured by an X-ray fluorescence analyzer, and the amount was converted to the thickness of the silicon oxide film.
[0046]
<Water vapor transmission rate>
The measurement was carried out under the conditions of a temperature of 40 ° C. and a relative humidity of 100% using a water vapor transmission rate measuring apparatus, Permatran-W1 manufactured by MOCON. Water vapor transmission rate in this measurement is judged to water vapor barrier properties good for what became 0.1g / (m 2 · 24h) or less.
[0047]
[Example 1]
Aminopropyltrimethoxysilane and organosilane were mixed, and butanol, acetic acid, 1-methyl-2-propanol, and distilled water were added as assistants to prepare a planarization solution.
[0048]
A polycarbonate having a bisphenol A skeleton is heated to 290 ° C. to be melted, extruded from a T-die, wound up by a drum cooled to 5 ° C. to form a film, and the film surface in contact with the cast surface is formed. Then, a flattening solution was applied by a spin coating method, and then heated in a 130 ° C. hot bath for 2 minutes to produce a flattened film surface. The thickness of the flattening layer was 300 nm. A silicon oxide film having a thickness of 30 nm was formed as an inorganic compound layer on the surface of the flattening layer by an argon sputtering method.
[0049]
[Example 2]
Polycarbonate having a skeleton of bisphenol A and biscresol fluorene was dissolved in dichloromethane and developed on a casting belt to produce a film. A silicon oxide film having a thickness of 30 nm was formed on the surface of the film that was not in contact with the casting belt by sputtering.
[0050]
[Example 3]
Using a mixture of a thermosetting urethane resin solution containing Coronate L manufactured by Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd. diluted with 1-methoxy-2-propanol as a flattening liquid, on the surface of a biaxially stretched polyethylene terephthalate film (manufactured by Teijin DuPont) A flattening layer having a thickness of 1 μm was formed, and a silicon oxide film was formed on the flattened surface to a thickness of 30 nm by a vapor deposition method.
[0051]
[Example 4]
Film lamination was performed in the same manner as in Example 1 except that a film (manufactured by Teijin Dupont Film Co., Ltd.) obtained by forming a film of polyethylene naphthalate by a melt extrusion method and sequentially stretching the film by a biaxial stretching machine was used. Created body.
[0052]
[Comparative Example 1]
A laminate was obtained in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the flattening layer was 70 nm.
[0053]
[Comparative Example 2]
Polycarbonate having bisphenol A as a skeleton was dissolved in dichloromethane and developed on a casting belt to prepare a film. A silicon oxide film having a thickness of 33 nm was formed on the surface of the film on the side in contact with the casting belt.
[0054]
Table 1 shows the results.
[0055]
[Table 1]
Figure 2004261987
[0056]
【The invention's effect】
A good film laminate having a reduced water vapor transmission rate can be obtained. In addition, it is possible to reliably manufacture a good film laminate having a reduced water vapor transmission rate.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an example of a calculation result of a surface showing a first peak / 0th peak ratio <1/10.
FIG. 2 is another example of a calculation result of a surface showing a first peak / 0th peak ratio> 1/10.

Claims (5)

表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際に、実質的に周期構造が見られないプラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体。When Fourier transform is performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and the surface unevenness is evaluated using an autocorrelation coefficient obtained by performing an inverse Fourier transform, substantially no periodic structure is observed. A film laminate obtained by laminating an inorganic compound layer on the surface of a plastic film substrate layer. 表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が
(第1次ピーク)/(第0次ピーク)<1/10
であるプラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体。
The Fourier transform is performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and the zeroth peak and the first peak when the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained by performing the inverse Fourier transform on the Fourier transform. The height ratio is (1st peak) / (0th peak) <1/10
A film laminate obtained by laminating an inorganic compound layer on the surface of a plastic film substrate layer.
Al、Si、In、Sn、TiおよびTaの単体、酸化物、窒化物および酸窒化物からなる群より選ばれた少なくとも一つにより無機化合物層を形成してなる、請求項1または2に記載のフィルム積層体。3. The inorganic compound layer according to claim 1, wherein the inorganic compound layer is formed of at least one selected from the group consisting of a simple substance of Al, Si, In, Sn, Ti, and Ta, an oxide, a nitride, and an oxynitride. 4. Film laminate. プラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層してなるフィルム積層体の製造方法において、
表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が所定の範囲内にあるプラスチックフィルム製基材層面上に無機化合物層を積層する、
フィルム積層体の製造方法。
In a method for producing a film laminate formed by laminating an inorganic compound layer on a plastic film base material layer surface,
The Fourier transform is performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and the zeroth peak and the first peak when the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained by performing the inverse Fourier transform on the Fourier transform. Laminating the inorganic compound layer on the plastic film substrate layer surface, the height ratio of which is within a predetermined range,
A method for producing a film laminate.
プラスチックフィルム製基材層面上に平坦化層と無機化合物層とを積層してなるフィルム積層体の製造方法において、
表面凹凸の測定データに対してフーリエ変換を行って波数分離し、これを逆フーリエ変換して得た自己相関係数を用いて表面凹凸を評価した際の第0次ピークと第1次ピークの高さの比が所定の範囲内にある平坦化層面上に無機化合物層を積層する、
フィルム積層体の製造方法。
In a method for producing a film laminate obtained by laminating a flattening layer and an inorganic compound layer on a plastic film base material layer surface,
The Fourier transform is performed on the measured data of the surface unevenness to separate the wave numbers, and the zeroth peak and the first peak when the surface unevenness is evaluated using the autocorrelation coefficient obtained by performing the inverse Fourier transform on the Fourier transform. Laminating the inorganic compound layer on the planarizing layer surface where the height ratio is within a predetermined range,
A method for producing a film laminate.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005078010A1 (en) * 2004-02-17 2005-08-25 Toray Industries, Inc. Biaxially oriented polyester film

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WO2005078010A1 (en) * 2004-02-17 2005-08-25 Toray Industries, Inc. Biaxially oriented polyester film

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