JP2004258898A - 歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置 - Google Patents
歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】簡素な装置構成により、信頼性に優れた対象位置測定が可能な車両用歩行者又は車両の位置を検出する装置を提供すること。
【解決手段】歩行者端末送受信部84は歩行者が保持する位置特定用電波を受信して自車の位置特定用電波受信時刻を抽出し、GPSナビゲーション部72は車両の位置を決定するとともに車両の刻時装置を校正し、車車間送受信部82は他の車両と交信して他の車両の位置及びそれらの位置特定用電波受信時刻を取得し、歩行者位置演算部86はこれらの情報に基づいて歩行者の位置をGPSと共通する測位方式を用いて決定する。
【選択図】図3
【解決手段】歩行者端末送受信部84は歩行者が保持する位置特定用電波を受信して自車の位置特定用電波受信時刻を抽出し、GPSナビゲーション部72は車両の位置を決定するとともに車両の刻時装置を校正し、車車間送受信部82は他の車両と交信して他の車両の位置及びそれらの位置特定用電波受信時刻を取得し、歩行者位置演算部86はこれらの情報に基づいて歩行者の位置をGPSと共通する測位方式を用いて決定する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて歩行者又は車両の位置を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
対歩行者衝突防止のためには、車両サイドにおいて自車を基準とした歩行者位置を検出することが必須であり、従来よりそれを可能とするための車両用歩行者位置検出装置が、特許文献1、2に提案されている。
【0003】
特許文献1は、歩行者携帯無線送信装置が発信する電波の到来方向を複数の固定基地局により検出して固定中央局にて歩行者位置を特定して自動車に送信する車両用歩行者位置検出装置を提案している。
【0004】
特許文献2は、加速度情報を付加した歩行者位置情報を、歩行者携帯無線送信装置が積極的に発信し、それを固定基地局を通じて車両に送信する車両用歩行者位置検出装置を提案している。
【0005】
特許文献3は、車両から水平走査されるレーダー電波を発射して歩行者携帯無線装置により受信し、この歩行者携帯無線装置が周波数シフトして再送信し、車両側でそれを受信した時刻により歩行者の距離を検出し、上記水平走査によりその方向を特定する車両搭載歩行者位置検出装置を提案している。
【0006】
しかしながら、特許文献1の車両搭載式対象位置検出技術では、歩行者携帯無線送信装置が発信する電波の到来方向を検出する必要があるうえに、歩行者特定のために道路に沿って多数の固定基地局を設置しなければならず、甚大な初期設備投資のために、実現が困難である。また、特許文献2の車両搭載式対象位置検出技術では、歩行者携帯無線送信装置が、GPS装置などにより自己の絶対位置を検出しなければならず、すべての歩行者にこの種の位置検出装置をもたせることは、コスト、装置体格、消費電力の点で困難である。更に、特許文献3では、装置構成がレーダー技術に対応しなければならないために各車両が歩行者の位置すなわち方向と距離とを検出しなければならず、装置が大型、高コストとなるという問題があった。
【0007】
上記した各問題は、上記歩行者携帯無線送信装置を車載して車両位置を検出する場合においても、同様に発生する。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、簡素な装置構成により、信頼性に優れた対象位置測定が可能な車両用歩行者又は車両の位置を検出する装置を提供することをその目的としている。
【0009】
【特許文献1】特開平9−220266号公報
【特許文献2】特開2000−149198号公報
【特許文献3】特開2002−525640号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置は、歩行者又は車両からなる対象に装着されて少なくとも位置特定用電波を発信する対象側発信部と、所定数の車両にそれぞれ搭載されて前記対象の位置を決定する車載対象位置決定部とを有し、
前記車載対象位置決定部は、
前記位置特定用電波を受信し、4以上の外部測位基準点からの測地用電波を受信し、他車の車両位置及び前記位置特定用の電波の受信時刻に関する情報を含む位置・時刻情報電波を前記他車から受信し、自車の車両位置及び前記位置特定用電波の受信時刻に関する情報を含む位置・時刻情報電波を前記他車に送信し、前記測地用電波に基づいて自車の車両位置及び基準時刻を演算し、前記各車両が受信した前記位置特定用電波の前記受信時刻に基づいて前記対象の位置を演算することを特徴としている。
【0011】
すなわち、この発明の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置では、複数(好適には3以上、更に好ましくは4以上)の車両からなる車両群と、各車両に対する相対位置を検出するべき対象とからなる対象位置決定を目的とする全体系において、各車両が対象の発信電波(位置特定用電波)を受信した時刻又はこの時刻を決定できる情報を車両群の各車両間で交信する。
【0012】
各車両は、あらかじめ決定されている各車両の座標位置をもつ平面空間(二次元空間)又は立体空間(三次元空間)における対象位置を、互いに同期化された換言すれば共通化された基準時間軸上における上記位置特定用電波の受信時刻の差に比例する各車両の対象までの距離差に基づいて決定する。
【0013】
たとえば、車両Aと対象Oとの間の距離をLa、車両Bと対象Oとの間の距離をLbとすれば、LaーLbは、車両A、Bの受信時刻差に相当する電波走行距離差ΔLに等しくなるはずである。二次元平面においては、LaーLb=ΔLの条件を満足する座標点は、通常では複数存在する。しかし、三車A、B、C間で同様の処理を行えば、水平平面空間において、対象Oの座標点は一つとなる。更に、四車A〜D間で同様の処理を行えば、この立体空間内における対象Oの座標点は一つとなる。
【0014】
なお、上記した各方式における対象位置決定演算には、直前の対象位置情報を参照することができるため、二回目以降は非常に簡略化することができる。すなわち、直前の演算にて得た位置近傍のみを最初に演算し、適切な解が得られない場合にのみ範囲を少しづつ広げて演算すればよい。更に最初の演算においても、得た受信時刻差や車両位置によりあらかじめ対象が存在する可能性が高い領域を抽出し、最初にこの領域内にて対象位置を演算し、それが成功しなければ徐々に範囲を広げて演算を重ねることができる。
【0015】
本発明の好適態様において、前記対象は、歩行者である。これにより、車両は近傍の歩行者の位置を簡単、確実な方法により決定することができ、この情報を用いて、衝突危険性を判断したり、対歩行者衝突回避のための車両操作を行ったり、警報を発したりすることができる。
【0016】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部は、3以上の他車との交信により自車に対する前記対象の立体的位置を演算する。これにより、たとえば歩道橋などに立っている歩行者とその直下の道路上の歩行者とを判別することができるので、実用性を向上することができる。
【0017】
本発明の好適態様において、前記対象は、車両である。すなわち、本発明は、車両間の相対位置決定に応用することができる。
【0018】
本発明の好適態様において、前記対象側発信部は、自己を特定するためのID情報を前記電波に付加するので、対象発信電波は対象を他の対象から分別することができる。
【0019】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部は、前記電波の最初の受信時刻から所定時間内は、同種類の前記電波を正規の前記電波と見なさない。これにより、建物の壁面などにより反射した電波によるゴースト信号を除去することができる。
【0020】
本発明の好適態様において、前記対象側発信部と一体に配置された警報電波受信用の警報電波受信部を有し、前記警報手段は、前記対象を特定するIDを付与した警報用電波を前記警報電波受信部に発信する。これにより、歩行者衝突回避性能を向上することができる。
【0021】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部は、前記各車両に搭載されて前記対象側発信部に前記位置特定用電波の発信を促す発信要請電波を発信する発信要請電波発信部を有し、前記対象側発信部は、前記発信要請電波を受信した場合に前記位置特定用電波を発信する。これにより、対象は無駄に電波を発信する必要がない。
【0022】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部の演算部は、自車の位置及び時刻を特定するために、GPS式位置測定装置を用いるが、代わりに、同種の測位用電波を発信する固定基地局を採用してもよい。立体空間(三次元空間)内の座標位置(x、y、z)と、時刻とを決定するためには、4つ以上の衛星又は固定基地局からなる基準点を必要とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
車両位置検出及び各車両間の時刻同期にGPS(GROBAL POSITIONING SYSTEM)装置を用いた本発明の装置を採用した歩行者位置検出システムの実施態様を以下に具体的に説明する。ただし、以下の実施態様は一例であって、その構成要素を公知の同一機能を有する代替手段に置換することは当然可能である。
(全体構成)
図1はこのシステムを説明するための模式説明図である。
【0024】
図1に示す歩行者は位置特定用電波を発信するための対象側発信部を構成する携帯無線装置(本発明でいう対象側発信部)1を装備し、歩行者近傍の4台の車両はそれぞれ歩行者位置を決定するための車載測位装置(本発明でいう車載対象位置決定部)2〜5を搭載している。ただし、図1では、これら携帯無線装置1及び車載測位装置2〜5の図示は省略している。6はGPS用の測位電波を発射しているサテライトである。
【0025】
車載測位装置2〜5は、自己を含む各車両の位置を検出し、かつ、お互いの時刻を同期化するための位置・時刻演算部と、歩行者の位置を決定するための歩行者位置演算とを行う。
【0026】
以下、車載測位装置2〜5による歩行者位置検出の原理を以下に説明する。
(位置・時刻演算の説明)
まず、各車両の位置を決定し、かつ、各車両間の時刻を同期化する位置・時刻演算について説明する。各車両の位置・時刻演算は、この実施例では車載測位装置の一部をなす通常のGPS装置を用いて行われる。一つの車両に搭載されたGPSは、よく知られているように、少なくとも4つのサテライトから受信した電波(サテライトが発信した時刻情報が付帯されている)の受信時間に基づいて、立体空間(三次元空間)内の自己の座標点と、自己の時刻と衛星の基準時刻とのずれを演算し、これにより、自己の時刻と基準時刻とのずれを校正するとともに、自己の位置を決定する。
(受信時刻の検出)
次に、車載測位装置2〜5は、上記校正された(同期化された)時間軸上において、携帯無線装置1が自己位置を特定するために発信した位置特定用電波を受信した時刻(受信時刻ともいう)を検出し、それを相互に交換する。これにより、各車載測位装置2〜5はすべて、各車載測位装置2〜5が受信した時刻を知る。この時、各車載測位装置2〜5の時刻は同一時間軸に調整されているため、各受信時刻の差は、歩行者から車両までの距離差を光速で割った値となる。
(歩行者位置検出)
車載測位装置2〜5は、上記受信時刻の交信と同時に各車両の位置も互いに交換する。その結果、車載測位装置2〜5はいずれも、既に決定されている各車両位置(三次元座標位置)と上記各車両の受信時刻とにより、歩行者の座標位置(x、y、z)を確定する。
【0027】
この場合、歩行者の発信時刻は不明であるが、4台以上の車載測位装置2〜5がそれらの位置と受信時刻とを交換(交信)することにより、歩行者の座標位置(x、y、z)を確定することができる。これは、本質的に上記したGPSの場合とまったく同じである。つまり、各車両をサテライトと考え、歩行者をサテライトの同期時間とずれた時計をもつGPS受信機と考えれば、歩行者は自己の三次元座標位置を決定できることが理解される。
【0028】
なお、たとえば、平原上にて歩行者が車両と同一平面にのみ存在する場合には、歩行者の座標位置のうち高さ方向の座標値を求める必要がないため、交信に参加する車両数は3台以上であればよい。
(携帯無線装置1の構成)
次に、歩行者が携帯する携帯無線装置(対象側発信部)1のブロック構成を図2に示す。
【0029】
この携帯無線装置1において、11は各部に給電する電源部(バッテリ)、12は測位パルス発生部、13は送受信部、14はアンテナ、15はID照合部、16は警報部である。車載測位装置2〜5が発信した後述の呼びかけ電波がアンテナ14に入射すると、送受信部13はそれを増幅して測位パルス発生部12に出力し、測位パルス発生部12は呼びかけ電波に応答して測位パルス(位置特定用電波)を送受信部13に出力し、送受信部13はそれを増幅してアンテナ14から発信する。なお、測位パルスすなわち位置特定用電波は、自己を特定するIDすなわちタグを示すパルスコードを伴っている。また、送受信部13は、後述するように、車載測位装置2〜5のいずれかが発信した後述の警報電波がアンテナ14に入射すると、送受信部13はそれを増幅してID照合部15に出力し、ID照合部15は入力した前記警報電波から抽出したIDすなわちタグを示すパルスコードが自己のそれに一致するかどうかを調べ、一致する場合に警報部16に警報を発するように指令し、警報部16はそれに応じて警報を発生して歩行者に車両の異常接近を報知する。
(車載測位装置2〜5の構成)
次に、それぞれ同一の回路構成をもつ車載測位装置2〜5のブロック構成を図3に示す。
【0030】
車載測位装置2〜5において、7はGPS部(位置・時刻演算部)、8は歩行者位置検出部である。
【0031】
GPS部7は、GPSアンテナ71、GPSナビゲーション部72からなる。この実施例では、GPS7としてGPS機能を有する通常のカーナビゲーション装置を採用しているが、同等の専用装置により構成されてもよい。このGPS部7は、GPSアンテナ71から受信した4つ以上のGPSサテライトの測地電波に基づいて自車の位置を決定して歩行者位置検出部8に出力し、また、車載測位装置に内蔵される刻時カウンタの時刻とサテライトの時刻とのずれを検出して自己の時刻を校正する。これにより、各車両の時刻間のずれは常に補正されて一致している。
【0032】
歩行者位置検出部8は、車車間送受信アンテナ81、車車間送受信部82、歩行者端末送受信アンテナ83、歩行者端末送受信部84、情報記憶部85、歩行者位置演算部86、危険歩行車識別部87、車両進路演算部88、運転者警告部89、車両制御部90からなる。
【0033】
車車間送受信アンテナ81は、他の車両との送受信を行うアンテナであり、本発明で言う位置・時刻情報電波を送受信する。この位置・時刻情報電波は、車両位置と、その車両が受信した後述の位置特定用電波の受信時刻と、その車両のIDとを示す情報を表すパルスコードを含んでいる。
【0034】
車車間送受信部82は、車車間送受信アンテナ81から受信した他の各車両の位置・時刻情報電波を増幅して、他の車両の位置を示す車両位置情報と、他の車両が受信した位置特定用電波の受信時刻情報と、他の車両のID情報とを抽出して情報記憶部85に出力する。また、車車間送受信部82は、後述する歩行者端末送受信部84が出力した自車の位置特定用電波受信時刻と、GPSナビゲーション部72が出力した自車の位置とを、自車のID情報とともに情報記憶部85に出力する。
【0035】
歩行者端末送受信アンテナ83は、携帯無線装置1と交信するためのアンテナであり、携帯無線装置1が発信する測位パルス(位置特定用電波)を受信し、また、携帯無線装置1に送信する警報電波を発信する。この測位パルス(位置特定用電波)は、上記したように、位置特定用のパルスとともに歩行者端末を特定するためのID情報を示すパルスコードを有している。
【0036】
歩行者端末送受信部84は、歩行者端末送受信アンテナ83から受信した測位パルス(位置特定用電波)を増幅して、その受信時刻と携帯無線装置1のID情報とを抽出して車車間送受信部82に出力する。また、後述するように自車の進路方向近傍に歩行者が位置する場合にこの歩行者のもつ携帯無線装置1のID情報を伴う上記警報電波をアンテナ83を通じて発信する。更に、歩行者端末送受信部84は、定期的に携帯無線装置1からの送信を要請するための呼びかけ電波を発信する。
【0037】
情報記憶部85は、入力されるこれら情報を次々と書き換える。これにより、情報記憶部85は各車の位置と位置特定用電波受信時刻とを常に最新のデータに書き換える。
【0038】
歩行者位置演算部86は、IDにより分別される各車が読み込んだ各携帯無線装置(IDにより分別される)1ごとの位置特定用電波受信時刻と各車の位置とを情報記憶部85から定期的に読み込み、これらのデータに基づいて各携帯無線装置1の位置すなわち歩行者の位置を演算し、求めた歩行者の位置を危険歩行車識別部87に出力する。この演算は既述したようにGPS測地方式と本質的に同じであるので詳細説明は省略する。なお、交信車両数が自車を含めて3以下の場合には、この演算は中止される。
【0039】
危険歩行車識別部87は、歩行者位置演算部86から入力された歩行者の位置と自車の位置と後述の車両進路と車速とに基づいて、自車がこの歩行者に対して衝突する危険性を判定し、大きい場合に歩行者端末送受信部84に警報電波の出力を指令する。また、運転者警告部89及び車両制御部90にそれを出力して作動を指令する。なお、上記警報電波の発信する衝突危険レベルと運転者警告部89又は車両制御部90に作動を指令する衝突危険レベルとは等しくなくてもよい。また、この実施例においては、危険歩行車識別部87は、上記した危険性の判定において、GPSナビゲーション部72が記憶する地図データを利用することができる。
【0040】
車両進路演算部88は、車両に通常装備されている車速センサ及びステアリング角度センサの出力に基づいて車両の進路方向と車速とを抽出し、それらを危険歩行車識別部87に出力する。
【0041】
運転者警告部89は、危険歩行車識別部87が判定した衝突危険のレベルに応じてレベルが変わる警告をドライバーに与え、車両制御部90は、危険歩行車識別部87が判定した衝突危険のレベルに応じて車両制御たとえば減速制御や操舵制御を行う。これらの衝突回避又は衝突被害低減のための車両制御において自己の車速情報や操舵情報を更に用いるなどの種々のバリエーションが可能であるが、これらは本発明の要旨ではないので説明を省略する。
【0042】
なお、図3に示す車載測位装置2〜5の各ブロックは、機能を示すものであって、実際は一体に製造し得ることは自明である。
【0043】
図2で示し、上記に説明した携帯無線装置1及び車載測位装置2〜5それぞれの相互応答動作のうち一回の動作手順(主要部分)の一例を図4に例示する。図4で示されるフローは定期的に繰り返されるが、実際には処理時間短縮のために並列実施可能なステップはシーケンシャルにではなく、異なる回路部により互いに並行して実施されることが好ましいことは当然である。
【0044】
(変形態様)
上記した実施例は、歩行者の位置検出を行ったが、自車と車両位置の交信ができないが、位置特定用電波を発信可能な車両(たとえば自動二輪車など)の位置の決定にも利用できることは、当然である。この場合、各車両は略同一平面上に存在すると近似することにより、車載測位装置の必要数を一つ減らすことができる。
【0045】
(変形態様)
上記した実施例は、4台以上の車両による歩行者位置決定を例示したが、もしこの車載測位装置と同等の機能をもつ固定無線基地局が近くにある場合には、その分だけ必要車両数を低減することができることも当然である。
【0046】
(変形態様)
建物などにより反射するゴースト電波の影響を防止するために、車載測位装置2〜5は、測位パルス(位置特定用電波)を最初に受信してから所定時間内は同一IDの測位パルス(位置特定用電波)を演算しないようにすることが好適である。もちろんこの期間において、携帯無線装置1も測位パルス(位置特定用電波)を発信しないことが望ましい。これにより、ゴースト電波による誤判定を防止することができる。
(実施例効果)
上記した本発明によれば、固定基地局などを必要とせず、レーダー電波から対象の方向を検出する必要なしに、信頼性に優れた対象位置測定が可能な歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を原理を説明するための模式説明図である。
【図2】実施例における携帯無線装置の機能を示すブロック図である。
【図3】実施例における車載測位装置の機能を示すブロック図である。
【図4】図2、図3で説明した携帯無線装置及び車載測位装置の動作順序の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 携帯無線装置(対象側発信部)
12 測位パルス発生部
13 送受信部
14 アンテナ
15 ID照合部
16 警報部
2〜5 車載測位装置(車載対象位置決定部)
7 GPS部(位置・時刻演算部)
71 GPSアンテナ
72 GPSナビゲーション部
8 歩行者位置検出部
81 車車間送受信アンテナ
82 車車間送受信部
83 歩行者端末送受信アンテナ
84 歩行者端末送受信部
85 情報記憶部
86 歩行者位置演算部
87 危険歩行車識別部
88 車両進路演算部
89 運転者警告部
90 車両制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて歩行者又は車両の位置を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
対歩行者衝突防止のためには、車両サイドにおいて自車を基準とした歩行者位置を検出することが必須であり、従来よりそれを可能とするための車両用歩行者位置検出装置が、特許文献1、2に提案されている。
【0003】
特許文献1は、歩行者携帯無線送信装置が発信する電波の到来方向を複数の固定基地局により検出して固定中央局にて歩行者位置を特定して自動車に送信する車両用歩行者位置検出装置を提案している。
【0004】
特許文献2は、加速度情報を付加した歩行者位置情報を、歩行者携帯無線送信装置が積極的に発信し、それを固定基地局を通じて車両に送信する車両用歩行者位置検出装置を提案している。
【0005】
特許文献3は、車両から水平走査されるレーダー電波を発射して歩行者携帯無線装置により受信し、この歩行者携帯無線装置が周波数シフトして再送信し、車両側でそれを受信した時刻により歩行者の距離を検出し、上記水平走査によりその方向を特定する車両搭載歩行者位置検出装置を提案している。
【0006】
しかしながら、特許文献1の車両搭載式対象位置検出技術では、歩行者携帯無線送信装置が発信する電波の到来方向を検出する必要があるうえに、歩行者特定のために道路に沿って多数の固定基地局を設置しなければならず、甚大な初期設備投資のために、実現が困難である。また、特許文献2の車両搭載式対象位置検出技術では、歩行者携帯無線送信装置が、GPS装置などにより自己の絶対位置を検出しなければならず、すべての歩行者にこの種の位置検出装置をもたせることは、コスト、装置体格、消費電力の点で困難である。更に、特許文献3では、装置構成がレーダー技術に対応しなければならないために各車両が歩行者の位置すなわち方向と距離とを検出しなければならず、装置が大型、高コストとなるという問題があった。
【0007】
上記した各問題は、上記歩行者携帯無線送信装置を車載して車両位置を検出する場合においても、同様に発生する。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、簡素な装置構成により、信頼性に優れた対象位置測定が可能な車両用歩行者又は車両の位置を検出する装置を提供することをその目的としている。
【0009】
【特許文献1】特開平9−220266号公報
【特許文献2】特開2000−149198号公報
【特許文献3】特開2002−525640号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置は、歩行者又は車両からなる対象に装着されて少なくとも位置特定用電波を発信する対象側発信部と、所定数の車両にそれぞれ搭載されて前記対象の位置を決定する車載対象位置決定部とを有し、
前記車載対象位置決定部は、
前記位置特定用電波を受信し、4以上の外部測位基準点からの測地用電波を受信し、他車の車両位置及び前記位置特定用の電波の受信時刻に関する情報を含む位置・時刻情報電波を前記他車から受信し、自車の車両位置及び前記位置特定用電波の受信時刻に関する情報を含む位置・時刻情報電波を前記他車に送信し、前記測地用電波に基づいて自車の車両位置及び基準時刻を演算し、前記各車両が受信した前記位置特定用電波の前記受信時刻に基づいて前記対象の位置を演算することを特徴としている。
【0011】
すなわち、この発明の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置では、複数(好適には3以上、更に好ましくは4以上)の車両からなる車両群と、各車両に対する相対位置を検出するべき対象とからなる対象位置決定を目的とする全体系において、各車両が対象の発信電波(位置特定用電波)を受信した時刻又はこの時刻を決定できる情報を車両群の各車両間で交信する。
【0012】
各車両は、あらかじめ決定されている各車両の座標位置をもつ平面空間(二次元空間)又は立体空間(三次元空間)における対象位置を、互いに同期化された換言すれば共通化された基準時間軸上における上記位置特定用電波の受信時刻の差に比例する各車両の対象までの距離差に基づいて決定する。
【0013】
たとえば、車両Aと対象Oとの間の距離をLa、車両Bと対象Oとの間の距離をLbとすれば、LaーLbは、車両A、Bの受信時刻差に相当する電波走行距離差ΔLに等しくなるはずである。二次元平面においては、LaーLb=ΔLの条件を満足する座標点は、通常では複数存在する。しかし、三車A、B、C間で同様の処理を行えば、水平平面空間において、対象Oの座標点は一つとなる。更に、四車A〜D間で同様の処理を行えば、この立体空間内における対象Oの座標点は一つとなる。
【0014】
なお、上記した各方式における対象位置決定演算には、直前の対象位置情報を参照することができるため、二回目以降は非常に簡略化することができる。すなわち、直前の演算にて得た位置近傍のみを最初に演算し、適切な解が得られない場合にのみ範囲を少しづつ広げて演算すればよい。更に最初の演算においても、得た受信時刻差や車両位置によりあらかじめ対象が存在する可能性が高い領域を抽出し、最初にこの領域内にて対象位置を演算し、それが成功しなければ徐々に範囲を広げて演算を重ねることができる。
【0015】
本発明の好適態様において、前記対象は、歩行者である。これにより、車両は近傍の歩行者の位置を簡単、確実な方法により決定することができ、この情報を用いて、衝突危険性を判断したり、対歩行者衝突回避のための車両操作を行ったり、警報を発したりすることができる。
【0016】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部は、3以上の他車との交信により自車に対する前記対象の立体的位置を演算する。これにより、たとえば歩道橋などに立っている歩行者とその直下の道路上の歩行者とを判別することができるので、実用性を向上することができる。
【0017】
本発明の好適態様において、前記対象は、車両である。すなわち、本発明は、車両間の相対位置決定に応用することができる。
【0018】
本発明の好適態様において、前記対象側発信部は、自己を特定するためのID情報を前記電波に付加するので、対象発信電波は対象を他の対象から分別することができる。
【0019】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部は、前記電波の最初の受信時刻から所定時間内は、同種類の前記電波を正規の前記電波と見なさない。これにより、建物の壁面などにより反射した電波によるゴースト信号を除去することができる。
【0020】
本発明の好適態様において、前記対象側発信部と一体に配置された警報電波受信用の警報電波受信部を有し、前記警報手段は、前記対象を特定するIDを付与した警報用電波を前記警報電波受信部に発信する。これにより、歩行者衝突回避性能を向上することができる。
【0021】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部は、前記各車両に搭載されて前記対象側発信部に前記位置特定用電波の発信を促す発信要請電波を発信する発信要請電波発信部を有し、前記対象側発信部は、前記発信要請電波を受信した場合に前記位置特定用電波を発信する。これにより、対象は無駄に電波を発信する必要がない。
【0022】
本発明の好適態様において、前記車載対象位置決定部の演算部は、自車の位置及び時刻を特定するために、GPS式位置測定装置を用いるが、代わりに、同種の測位用電波を発信する固定基地局を採用してもよい。立体空間(三次元空間)内の座標位置(x、y、z)と、時刻とを決定するためには、4つ以上の衛星又は固定基地局からなる基準点を必要とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
車両位置検出及び各車両間の時刻同期にGPS(GROBAL POSITIONING SYSTEM)装置を用いた本発明の装置を採用した歩行者位置検出システムの実施態様を以下に具体的に説明する。ただし、以下の実施態様は一例であって、その構成要素を公知の同一機能を有する代替手段に置換することは当然可能である。
(全体構成)
図1はこのシステムを説明するための模式説明図である。
【0024】
図1に示す歩行者は位置特定用電波を発信するための対象側発信部を構成する携帯無線装置(本発明でいう対象側発信部)1を装備し、歩行者近傍の4台の車両はそれぞれ歩行者位置を決定するための車載測位装置(本発明でいう車載対象位置決定部)2〜5を搭載している。ただし、図1では、これら携帯無線装置1及び車載測位装置2〜5の図示は省略している。6はGPS用の測位電波を発射しているサテライトである。
【0025】
車載測位装置2〜5は、自己を含む各車両の位置を検出し、かつ、お互いの時刻を同期化するための位置・時刻演算部と、歩行者の位置を決定するための歩行者位置演算とを行う。
【0026】
以下、車載測位装置2〜5による歩行者位置検出の原理を以下に説明する。
(位置・時刻演算の説明)
まず、各車両の位置を決定し、かつ、各車両間の時刻を同期化する位置・時刻演算について説明する。各車両の位置・時刻演算は、この実施例では車載測位装置の一部をなす通常のGPS装置を用いて行われる。一つの車両に搭載されたGPSは、よく知られているように、少なくとも4つのサテライトから受信した電波(サテライトが発信した時刻情報が付帯されている)の受信時間に基づいて、立体空間(三次元空間)内の自己の座標点と、自己の時刻と衛星の基準時刻とのずれを演算し、これにより、自己の時刻と基準時刻とのずれを校正するとともに、自己の位置を決定する。
(受信時刻の検出)
次に、車載測位装置2〜5は、上記校正された(同期化された)時間軸上において、携帯無線装置1が自己位置を特定するために発信した位置特定用電波を受信した時刻(受信時刻ともいう)を検出し、それを相互に交換する。これにより、各車載測位装置2〜5はすべて、各車載測位装置2〜5が受信した時刻を知る。この時、各車載測位装置2〜5の時刻は同一時間軸に調整されているため、各受信時刻の差は、歩行者から車両までの距離差を光速で割った値となる。
(歩行者位置検出)
車載測位装置2〜5は、上記受信時刻の交信と同時に各車両の位置も互いに交換する。その結果、車載測位装置2〜5はいずれも、既に決定されている各車両位置(三次元座標位置)と上記各車両の受信時刻とにより、歩行者の座標位置(x、y、z)を確定する。
【0027】
この場合、歩行者の発信時刻は不明であるが、4台以上の車載測位装置2〜5がそれらの位置と受信時刻とを交換(交信)することにより、歩行者の座標位置(x、y、z)を確定することができる。これは、本質的に上記したGPSの場合とまったく同じである。つまり、各車両をサテライトと考え、歩行者をサテライトの同期時間とずれた時計をもつGPS受信機と考えれば、歩行者は自己の三次元座標位置を決定できることが理解される。
【0028】
なお、たとえば、平原上にて歩行者が車両と同一平面にのみ存在する場合には、歩行者の座標位置のうち高さ方向の座標値を求める必要がないため、交信に参加する車両数は3台以上であればよい。
(携帯無線装置1の構成)
次に、歩行者が携帯する携帯無線装置(対象側発信部)1のブロック構成を図2に示す。
【0029】
この携帯無線装置1において、11は各部に給電する電源部(バッテリ)、12は測位パルス発生部、13は送受信部、14はアンテナ、15はID照合部、16は警報部である。車載測位装置2〜5が発信した後述の呼びかけ電波がアンテナ14に入射すると、送受信部13はそれを増幅して測位パルス発生部12に出力し、測位パルス発生部12は呼びかけ電波に応答して測位パルス(位置特定用電波)を送受信部13に出力し、送受信部13はそれを増幅してアンテナ14から発信する。なお、測位パルスすなわち位置特定用電波は、自己を特定するIDすなわちタグを示すパルスコードを伴っている。また、送受信部13は、後述するように、車載測位装置2〜5のいずれかが発信した後述の警報電波がアンテナ14に入射すると、送受信部13はそれを増幅してID照合部15に出力し、ID照合部15は入力した前記警報電波から抽出したIDすなわちタグを示すパルスコードが自己のそれに一致するかどうかを調べ、一致する場合に警報部16に警報を発するように指令し、警報部16はそれに応じて警報を発生して歩行者に車両の異常接近を報知する。
(車載測位装置2〜5の構成)
次に、それぞれ同一の回路構成をもつ車載測位装置2〜5のブロック構成を図3に示す。
【0030】
車載測位装置2〜5において、7はGPS部(位置・時刻演算部)、8は歩行者位置検出部である。
【0031】
GPS部7は、GPSアンテナ71、GPSナビゲーション部72からなる。この実施例では、GPS7としてGPS機能を有する通常のカーナビゲーション装置を採用しているが、同等の専用装置により構成されてもよい。このGPS部7は、GPSアンテナ71から受信した4つ以上のGPSサテライトの測地電波に基づいて自車の位置を決定して歩行者位置検出部8に出力し、また、車載測位装置に内蔵される刻時カウンタの時刻とサテライトの時刻とのずれを検出して自己の時刻を校正する。これにより、各車両の時刻間のずれは常に補正されて一致している。
【0032】
歩行者位置検出部8は、車車間送受信アンテナ81、車車間送受信部82、歩行者端末送受信アンテナ83、歩行者端末送受信部84、情報記憶部85、歩行者位置演算部86、危険歩行車識別部87、車両進路演算部88、運転者警告部89、車両制御部90からなる。
【0033】
車車間送受信アンテナ81は、他の車両との送受信を行うアンテナであり、本発明で言う位置・時刻情報電波を送受信する。この位置・時刻情報電波は、車両位置と、その車両が受信した後述の位置特定用電波の受信時刻と、その車両のIDとを示す情報を表すパルスコードを含んでいる。
【0034】
車車間送受信部82は、車車間送受信アンテナ81から受信した他の各車両の位置・時刻情報電波を増幅して、他の車両の位置を示す車両位置情報と、他の車両が受信した位置特定用電波の受信時刻情報と、他の車両のID情報とを抽出して情報記憶部85に出力する。また、車車間送受信部82は、後述する歩行者端末送受信部84が出力した自車の位置特定用電波受信時刻と、GPSナビゲーション部72が出力した自車の位置とを、自車のID情報とともに情報記憶部85に出力する。
【0035】
歩行者端末送受信アンテナ83は、携帯無線装置1と交信するためのアンテナであり、携帯無線装置1が発信する測位パルス(位置特定用電波)を受信し、また、携帯無線装置1に送信する警報電波を発信する。この測位パルス(位置特定用電波)は、上記したように、位置特定用のパルスとともに歩行者端末を特定するためのID情報を示すパルスコードを有している。
【0036】
歩行者端末送受信部84は、歩行者端末送受信アンテナ83から受信した測位パルス(位置特定用電波)を増幅して、その受信時刻と携帯無線装置1のID情報とを抽出して車車間送受信部82に出力する。また、後述するように自車の進路方向近傍に歩行者が位置する場合にこの歩行者のもつ携帯無線装置1のID情報を伴う上記警報電波をアンテナ83を通じて発信する。更に、歩行者端末送受信部84は、定期的に携帯無線装置1からの送信を要請するための呼びかけ電波を発信する。
【0037】
情報記憶部85は、入力されるこれら情報を次々と書き換える。これにより、情報記憶部85は各車の位置と位置特定用電波受信時刻とを常に最新のデータに書き換える。
【0038】
歩行者位置演算部86は、IDにより分別される各車が読み込んだ各携帯無線装置(IDにより分別される)1ごとの位置特定用電波受信時刻と各車の位置とを情報記憶部85から定期的に読み込み、これらのデータに基づいて各携帯無線装置1の位置すなわち歩行者の位置を演算し、求めた歩行者の位置を危険歩行車識別部87に出力する。この演算は既述したようにGPS測地方式と本質的に同じであるので詳細説明は省略する。なお、交信車両数が自車を含めて3以下の場合には、この演算は中止される。
【0039】
危険歩行車識別部87は、歩行者位置演算部86から入力された歩行者の位置と自車の位置と後述の車両進路と車速とに基づいて、自車がこの歩行者に対して衝突する危険性を判定し、大きい場合に歩行者端末送受信部84に警報電波の出力を指令する。また、運転者警告部89及び車両制御部90にそれを出力して作動を指令する。なお、上記警報電波の発信する衝突危険レベルと運転者警告部89又は車両制御部90に作動を指令する衝突危険レベルとは等しくなくてもよい。また、この実施例においては、危険歩行車識別部87は、上記した危険性の判定において、GPSナビゲーション部72が記憶する地図データを利用することができる。
【0040】
車両進路演算部88は、車両に通常装備されている車速センサ及びステアリング角度センサの出力に基づいて車両の進路方向と車速とを抽出し、それらを危険歩行車識別部87に出力する。
【0041】
運転者警告部89は、危険歩行車識別部87が判定した衝突危険のレベルに応じてレベルが変わる警告をドライバーに与え、車両制御部90は、危険歩行車識別部87が判定した衝突危険のレベルに応じて車両制御たとえば減速制御や操舵制御を行う。これらの衝突回避又は衝突被害低減のための車両制御において自己の車速情報や操舵情報を更に用いるなどの種々のバリエーションが可能であるが、これらは本発明の要旨ではないので説明を省略する。
【0042】
なお、図3に示す車載測位装置2〜5の各ブロックは、機能を示すものであって、実際は一体に製造し得ることは自明である。
【0043】
図2で示し、上記に説明した携帯無線装置1及び車載測位装置2〜5それぞれの相互応答動作のうち一回の動作手順(主要部分)の一例を図4に例示する。図4で示されるフローは定期的に繰り返されるが、実際には処理時間短縮のために並列実施可能なステップはシーケンシャルにではなく、異なる回路部により互いに並行して実施されることが好ましいことは当然である。
【0044】
(変形態様)
上記した実施例は、歩行者の位置検出を行ったが、自車と車両位置の交信ができないが、位置特定用電波を発信可能な車両(たとえば自動二輪車など)の位置の決定にも利用できることは、当然である。この場合、各車両は略同一平面上に存在すると近似することにより、車載測位装置の必要数を一つ減らすことができる。
【0045】
(変形態様)
上記した実施例は、4台以上の車両による歩行者位置決定を例示したが、もしこの車載測位装置と同等の機能をもつ固定無線基地局が近くにある場合には、その分だけ必要車両数を低減することができることも当然である。
【0046】
(変形態様)
建物などにより反射するゴースト電波の影響を防止するために、車載測位装置2〜5は、測位パルス(位置特定用電波)を最初に受信してから所定時間内は同一IDの測位パルス(位置特定用電波)を演算しないようにすることが好適である。もちろんこの期間において、携帯無線装置1も測位パルス(位置特定用電波)を発信しないことが望ましい。これにより、ゴースト電波による誤判定を防止することができる。
(実施例効果)
上記した本発明によれば、固定基地局などを必要とせず、レーダー電波から対象の方向を検出する必要なしに、信頼性に優れた対象位置測定が可能な歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を原理を説明するための模式説明図である。
【図2】実施例における携帯無線装置の機能を示すブロック図である。
【図3】実施例における車載測位装置の機能を示すブロック図である。
【図4】図2、図3で説明した携帯無線装置及び車載測位装置の動作順序の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 携帯無線装置(対象側発信部)
12 測位パルス発生部
13 送受信部
14 アンテナ
15 ID照合部
16 警報部
2〜5 車載測位装置(車載対象位置決定部)
7 GPS部(位置・時刻演算部)
71 GPSアンテナ
72 GPSナビゲーション部
8 歩行者位置検出部
81 車車間送受信アンテナ
82 車車間送受信部
83 歩行者端末送受信アンテナ
84 歩行者端末送受信部
85 情報記憶部
86 歩行者位置演算部
87 危険歩行車識別部
88 車両進路演算部
89 運転者警告部
90 車両制御部
Claims (8)
- 歩行者又は車両からなる対象に装着されて少なくとも位置特定用電波を発信する対象側発信部と、
所定数の車両にそれぞれ搭載されて前記対象の位置を決定する車載対象位置決定部とを有し、
前記車載対象位置決定部は、
前記位置特定用電波を受信し、
4以上の外部測位基準点からの測地用電波を受信し、
他車の車両位置及び前記位置特定用の電波の受信時刻に関する情報を含む位置・時刻情報電波を前記他車から受信し、
自車の車両位置及び前記位置特定用電波の受信時刻に関する情報を含む位置・時刻情報電波を前記他車に送信し、
前記測地用電波に基づいて自車の車両位置及び基準時刻を演算し、
前記各車両が受信した前記位置特定用電波の前記受信時刻に基づいて前記対象の位置を演算する、
ことを特徴とする歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記対象は、
歩行者である歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1又は2記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記車載対象位置決定部は、
3以上の他車との交信により自車に対する前記対象の立体的位置を演算する歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記対象は、
車両である歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記対象側発信部は、
自己を特定するためのID情報を前記電波に付加する歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記車載対象位置決定部は、
前記位置特定用電波の最初の受信から所定時間内は、同種類の前記電波を正規の前記電波と見なさない歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記車載対象位置決定部は、
決定した前記対象の位置が警告すべき領域に存在するかどうかを判定し、存在する場合に、前記対象を特定するIDを付与した警報電波を発信し、
前記対象側発信部は、
自己を特定する前記IDをもつ前記警報電波を受信した場合に警報を発することを特徴とする歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。 - 請求項1記載の歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置において、
前記車載対象位置決定部は、
前記各車両に搭載されて前記対象側発信部に前記位置特定用電波の発信を促す呼びかけ電波を発信し、
前記対象側発信部は、前記呼びかけ電波を受信した場合に前記位置特定用電波を発信することを特徴とする歩行者又は車両の位置を検出する車両搭載装置。
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