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JP2004258469A - Anti-reflection film, manufacturing method therefor, polarizer, and display device - Google Patents

Anti-reflection film, manufacturing method therefor, polarizer, and display device Download PDF

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JP2004258469A
JP2004258469A JP2003050822A JP2003050822A JP2004258469A JP 2004258469 A JP2004258469 A JP 2004258469A JP 2003050822 A JP2003050822 A JP 2003050822A JP 2003050822 A JP2003050822 A JP 2003050822A JP 2004258469 A JP2004258469 A JP 2004258469A
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JP
Japan
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layer
film
group
mass
electrode
Prior art date
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Pending
Application number
JP2003050822A
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Japanese (ja)
Inventor
Takashi Murakami
隆 村上
Shigeki Oka
繁樹 岡
Toshiyuki Ikeda
俊之 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an anti-reflection film which is superior in long-term preservability and is free from speckle nonuniformity and is free from color unevenness of reflected light, a manufacturing method therefor, a polarizer, and a display device. <P>SOLUTION: In the anti-reflection film, a hard coat layer and a metallic compound layer formed by plasma treatment in an atmosphere which essentially consists of nitrogen and having an approximate atmospheric pressure or an atmospheric pressure or higher are provided on at least one face of a long-sized substrate film, and the rear side of the long-sized substrate film having the metallic compound layer has minute ruggedness, and a stainproofing layer having ≥90° contact angle with deionized water is provided on the metallic compound layer on the long-sized substrate film of which the absolute value of impedance at 20Hz frequency is ≥4×10<SP>5</SP>Ω. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止フィルム、反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄型軽量ノートパソコンの開発が進み、それに伴って、液晶表示装置等の表示装置で用いられる偏光板の保護フィルムもますます薄膜化、高性能化への要求が強くなってきている。また、視認性向上のために反射防止層を設けたり、また、写り込みを防いだり、ギラツキの少ない表示性能を得るために表面を凹凸にして反射光を散乱させる防眩層を付与した、コンピュータ、ワープロ等の液晶画像表示装置(液晶ディスプレイ等)が多く使用されるようになってきた。
【0003】
反射防止層は用途に応じてさまざまな種類や性能の改良がなされ、これらの機能を有する種々の前面板を液晶ディスプレイの偏光子等に貼り合わせることで、ディスプレイに視認性向上のために反射防止機能を付与する方法が用いられている。(例えば、特許文献1参照)これら、前面板として用いる光学用フィルムには、塗布、蒸着法又はスパッタ法等で形成した反射防止層が設けられることが多い。
【0004】
前記反射防止層の形成方法としては、大気圧プラズマ処理法等を用いた方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、通常のプラズマ処理により形成された金属化合物層は長管保存性が悪く、斑点ムラも多く、且つ、反射光の色ムラがあり、その改善が求められていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−182005号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は長管保存性に優れ、斑点ムラがなく、且つ、反射光の色ムラのない反射防止フィルム、反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0009】
1.長尺基材フィルム(以下、長尺フィルム、基材フィルム、基材ともいう)の少なくとも一方の面にハードコート層と窒素を主成分とする大気圧近傍もしくは大気圧以上の雰囲気下でプラズマ処理によって形成された金属化合物層を有し、該金属化合物層を有する長尺基材フィルムの裏面が微細な凹凸を有し、且つ、周波数20Hzにおけるインピーダンスの絶対値が4×10Ω以上である長尺基材フィルム上の該金属化合物層上に純水の接触角が90°以上の防汚層が設けられていることを特徴とする反射防止フィルム。
【0010】
2.反射防止フィルムの幅手両端部に4〜20μmの高さのナーリングを有することを特徴とする前記1に記載の反射防止フィルム。
【0011】
3.窒素を主成分とする大気圧近傍もしくは大気圧以上の雰囲気下でプラズマ処理によって形成される酸化珪素を主成分とする金属化合物層の上に防汚層が設けられていることを特徴とする前記1又は2に記載の反射防止フィルム。
【0012】
4.防汚層が珪素化合物又はフッ素化合物を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
【0013】
5.長尺基材フィルムの裏面の動摩擦係数が0.7以下の凹凸を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
【0014】
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを有することを特徴とする偏光板。
【0015】
7.前記1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムまたは、請求項6に記載の偏光板を用いることを特徴とする表示装置。
【0016】
8.前記1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを製造する際、大気圧プラズマ処理が、対向する第1電極と第2電極との間に窒素を主成分とするガスを供給し、該第1電極と該第2電極との間に高周波電圧を印加することにより該ガスを励起し、長尺基材フィルムを励起した該ガスに晒すことにより該基材フィルム上に金属化合物層を形成する工程を有し、且つ、該高周波電圧が、第1の周波数ωの電圧成分と、該第1の周波数ωより高い第2の周波数ωの電圧成分とを重ね合わせた成分を有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【0017】
即ち、本発明者等は、上記記載の問題点を種々検討した結果、請求項1に記載のように、長尺基材フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層と窒素を主成分とする大気圧近傍もしくは大気圧以上の雰囲気下でプラズマ処理によって形成された金属化合物層を有し、該金属化合物層を有する長尺基材フィルムの裏面が微細な凹凸を有し、且つ、周波数20Hzにおけるインピーダンスの絶対値が4×10Ω以上である基材フィルム上の該金属化合物層上に純水の接触角が90°以上の防汚層を設けることにより、本発明に記載の効果、即ち、長管保存性に優れ、斑点ムラがなく、且つ、反射光の色ムラのない反射防止フィルムが得られることを見出した。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属化合物層とは、金属酸化物層、金属窒化物層、金属炭化物層、金属酸窒化物層、金属酸炭窒化物層のことをいう。
【0019】
例えば、Mが金属原子の場合、
MOxCyNz:x=1〜2、y=0〜0.5、z=0〜0.5などで表される化合物が好ましい例として挙げられる。
【0020】
Mは金属原子であり特に限定されないが、例えばTi、Si、Zr、Zn、Sn、In等が特に好ましい。
【0021】
これらの化合物は窒素を主成分とする雰囲気下の大気圧プラズマ処理によって形成することができる。
【0022】
《防汚層》
本発明の防汚層について説明する。
【0023】
本発明の反射防止フィルムに実用上充分な擦り傷耐性を付与するためには、金属化合物層上に純水の接触角90°以上の防汚層を設けることを必須要件しており、擦り傷耐性を更に向上させるためには、好ましくは純水の接触角が90°〜180°の範囲であり、より好ましくは、95°〜130°の範囲に調整することである。
【0024】
(接触角の測定方法)
接触角測定用液として、純水を使用し、23℃、55%RHに調湿したクリーンルームで、フィルム表面にシリンジから一滴を乗せ、接触角測定器(FIBLO社製)を使用して滴下3秒後の接触角を測定した。
【0025】
(防汚層の作製)
本発明の防汚層の作製方法について説明する。
【0026】
本発明の防汚層は、請求項1に記載のように、最上層に位置する金属化合物層上に塗設により設けられるが、請求項4に記載のように、珪素化合物またはフッ素化合物を含有することが好ましい。
【0027】
本発明の防汚層の塗設方法としては、特に限定されず、例えば、フッ素系シランカップリング剤をマイクログラビアコーターなどの塗工装置により、金属化合物層上に塗布乾燥して設けることができる。
【0028】
本発明に適用できる塗布法としては、スピナーコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、カーテンコート、押出しコート、マイクログラビアコータ、或いは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法、インクジェット法等の公知の方法が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0029】
上記フッ素系シランカップリング剤の市販品としては、たとえば、信越化学社製コート剤「KP−801M」を挙げることができる。
【0030】
また、特開2000−119304、同2000−119355及び同2001−151831等に開示されている、珪素化合物とフッ素化合物の混合物を有機溶媒等の溶解、調製した溶液をコーティングして作製したハイブリッド膜も本発明の防汚層として適用可能である。
【0031】
また、防汚層は動摩擦係数が0.3以下であることが好ましく、更に好ましくは、0.05〜0.3の範囲に調整されていることが好ましい。
【0032】
本発明の防汚層は、酸化珪素等の珪素化合物微粒子あるいはフッ素含有化合物微粒子等を塗設して設けることができるが、特に好ましくは、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される有機けい素化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの混合物を含有する塗布液を塗布し乾燥して形成した屈折率が1.35〜1.55である防汚層であることが好ましい。
【0033】
一般式(2) Si(OR
一般式(3) Si−X
一般式(4) R−Si(OR
一般式(5) R−Si−X
式中、Rは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、Rはメチル基またはエチル基、Xはハロゲン原子を表す。
【0034】
好ましい有機けい素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方法により行うことができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2個以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平均重合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることができる。加水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節することができるが、本発明においては40質量%〜90質量%、好ましくは、60質量%〜80質量%である。ここで、加水分解の程度は、加水分解可能な基、即ち、テトラアルコキシシランにおいては、アルコキシル基を全て加水分解するために必要な理論水量、即ちアルコキシル基の数の1/2の水を添加したときを加水分解率100%とし、
加水分解率(%)=(実際の添加水量/加水分解理論水量)×100
として求められる。
【0035】
こうして得られたシリケートオリゴマーにはモノマーが通常2質量%〜10質量%程度含有されている。本発明においてはモノマー状態で用いてもオリゴマー状態で用いても、またはモノマーとオリゴマーを混合して用いても差し支えないが、モノマーが含有されていると貯蔵安定性に欠け、保存中に増粘し、膜形成が困難となることがあるので、モノマー含有量が1質量%以下、好ましくは0.3質量%以下になるように、このモノマーをフラッシュ蒸溜や真空蒸溜等で除去するのが好ましい。
【0036】
本発明には、上記の如くテトラアルコキシシランに触媒、水を添加して得られる部分加水分解物が用いられるが、完全加水分解物を用いるのが好ましい。加水分解物に溶媒を配合し、次いで下記硬化触媒と水を添加する等の方法により硬化した加水分解物が得られる。かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール等を1種または2種以上併用して使用するのが好ましい。
【0037】
溶媒量は部分加水分解物100質量部に対して50質量部〜400質量部、好ましくは、100質量部〜250質量部である。
【0038】
(硬化触媒)
硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、本発明においては酸、特にスルホ基(スルホン酸基ともいう)またはカルボキシル基を有する有機酸が好ましく用いられる。例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が用いられる。有機酸は1分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物であればいっそう好ましく、例えば、クエン酸または酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸が用いられる。また、有機酸は水溶性の酸であることが更に好ましく、例えば上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等が好ましく用いられる。また、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アトロバ酸等も適宜用いることができる。
【0039】
上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでなく、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解物100質量部に対して0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.2質量部〜5質量部がよい。また、水の添加量については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上であればよく、100%〜300%相当量、好ましくは100%〜200%相当量を添加するのがよい。
【0040】
このようにして得られた防汚層用の塗布組成物は極めて安定である。
(熟成工程)
更に、本発明では熟成工程により、有機けい素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間である。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した変性物であってもよく、単独または上記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0041】
このようにして、前記一般式(2)、(3)、(4)及び(5)で表される有機けい素化合物のシリケートオリゴマーが得られるが、シリケートオリゴマー中のSiO含有量は1質量%〜100質量%、好ましくは10質量%〜99質量%である。
【0042】
また、珪素化合物として以下に述べる組成物1も特に好ましく用いられる。
該組成物は、以下の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)を有することが好ましい。
【0043】
〈組成物1〉
1)成分(A)
一般式(イ)CF(CF)m(CH)nSiRpX−p
(式中、Rは置換あるいは無置換の1価の炭化水素基、Xは加水分解性基、mは0〜10の整数、nは2〜10の整数、pは0〜2の整数を表す)で示される化合物0.05〜10.0質量%、
2)成分(B)
一般式(ロ)RqSiY4−q
(式中、Rは同一あるいは相異なる無置換の1価の炭化水素基、Yは加水分解性基、qは1〜3の整数を表す)で示される化合物0.05〜10.0質量%、
3)成分(C)
加水分解触媒:0.001〜10.0質量%、
4)成分(D)
有機溶媒:2.0〜99.8質量%を含有することを特徴とする組成物である。
【0044】
但し、成分(A)+成分(B)+成分(C)+成分(D)=100%であることが好ましい。
【0045】
具体的には、本発明の防汚層に用いられる成分(A)は、一般式(イ)で示されるフルオロアルキル基含有アルコキシシラン成分である。
【0046】
一般式(イ)において、Rは置換あるいは無置換の1価の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の各アルキル基、ビニル基、アリル基等の各アルケニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の各シクロアルキル基、シクロヘキセニル基、シクロ−2,4−ヘキサジエニル基等の各シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等の各アリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、スチリル基等の各アラルキル基又はこれらの基の一部がハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルコキシ基などで置換されたもの等が挙げられる。これらの中でも炭素数1〜18のアルキル基、アリール基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0047】
また、Xは加水分解性基を示し、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基などのアルコキシ基及びアミノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、中でもアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0048】
成分(A)のフルオロアルキル基において、mは0〜10の整数であり、好ましくは4〜8の整数である。またnは2〜10の整数であり、得られる原料の合成のし易さから、好ましくは2である。また成分(A)において、pは0〜2の整数であり、0または1であることが好ましい。
【0049】
成分(A)としては、具体的には、CFCHCHSi(OCH、CF(CFCHCHSi(OCH、CF(CFCHCHSi(OCH、CF(CFCHCHSi(OC、CFCHCHSi(CH)(OCH、CF(CFCHCHSi(CH)(OCH、CF(CFCHCHSi(CH)(OCHなどが挙げられる。
【0050】
成分(A)の配合量は、組成物(全成分(成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D))中0.05〜10.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5.0質量%である。
【0051】
本発明の防汚層に用いられる成分(B)は、一般式(ロ)で示される炭化水素基含有アルコキシシランである。
【0052】
一般式(ロ)において、Rは同一あるいは相異なる無置換の1価の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の各アルキル基、ビニル基、アリル基等の各アルケニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の各シクロアルキル基、シクロヘキセニル基、シクロ−2,4−ヘキサジエニル基等の各シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等の各アリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、スチリル基等の各アラルキル基などが例示される。これらの中で炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0053】
また、Yは加水分解性基で、前記一般式(イ)のXと同義であり、中でもアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0054】
また成分(B)において、qは1〜3の整数であることが好ましく、2又は3であることがより好ましく、特に2であることが好ましい。
【0055】
成分(B)としては、具体的には、例えばCHSi(OCH、(CHSi(OCH、(CHSi(OCH)、(CHSi(OC、(C)(CH)Si(OCH、(C)(CHSi(OCH)、(C13)Si(OCH、(C13)(CH)Si(OCH、(C13)(CHSi(OCH)、(C1837)(CH)Si(OCH、(C1837)(CHSi(OCH)、(CHCSi(CH(OCH)などが例示される。
【0056】
成分(B)の配合量は、本発明の組成物中0.05〜10.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5.0質量%である。
【0057】
本発明の防汚層に用いられる成分(C)は、成分(A)と成分(B)の加水分解触媒となるものであり、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、スルホン酸、無水酢酸、安息香酸等の有機酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、エチレンジアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基などが挙げられ、無機酸、有機酸が好ましく、特に塩酸、硝酸が好ましい。
【0058】
成分(C)の配合量は、本発明の組成物中0.001〜10.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5.0質量%、特に好ましくは0.2〜2.0質量%である。0.001質量%未満であると、成分(A)と成分(B)の加水分解速度が不十分なために本発明の目的とする防汚層が得られず、10.0質量%超えると本発明の目的である、長期保管性に問題が発生する。
【0059】
本発明の防汚層に用いられ成分(D)は各成分を溶解・分散するものであり、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、メトキシプロパノール等の各アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の各エーテルアルコール及びエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の各ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の各エステル類、n−ヘキサン、ガソリン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、灯油等の各脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の各な芳香族炭化水素類、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等の各揮発性シリコーン等が挙げられ、中でもエーテルアルコール類及びアルコール類が好ましく、特にイソプロピルアルコールが好ましい。
【0060】
成分(D)の有機溶媒は2種類以上を併用してもよく、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの等の沸点が100℃未満のものと、プロピレングリコールモノメチルエーテル、n−ブチルアルコール等の沸点が100℃以上のものを併用することが好ましく、特に沸点が60〜98℃のものと沸点が100〜160℃のものを併用することが好ましい。
【0061】
併用する場合の低沸点溶媒と高沸点溶媒の比率は、高沸点溶媒が有機溶媒中に2〜50質量%、特に5〜20質量%となるように配合することが好ましい。
【0062】
成分(D)の配合量は、2.0〜99.8質量%であり、好ましくは50.0〜98.0質量%である。
【0063】
また、本発明の防汚層には、微粒子を含有させることができる。特に粒径0.1μm以下の微粒子を含むことが好ましい。
【0064】
例えば、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)等を添加することができる。特に表面がアルキル基で修飾された酸化けい素微粒子が好ましく用いられ、例えばアエロジルR972、R972V(日本アエロジル(株)製)として市販されている表面がメチル基で修飾された酸化けい素微粒子を好ましく添加することができる。このほか特開2001−2799に記載されている表面がアルキル基で置換された酸化けい素微粒子を用いることもでき、前述のシリケートオリゴマーの加水分解後にアルキルシランカップリング剤により処理することでも容易に得ることができる。添加量としては防汚層中の固形分比率で0.1質量%〜40質量%の範囲となるように添加することが好ましい。
【0065】
本発明の防汚層は、更に下記に記載のシラン化合物を含むことが好ましく、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CFCHCHSi(OCH、CCHCHSi(OCH、COCHCHCHSi(OCH、COCHCHCHSi(OC、(CFCHOCHCHCHSi(OCH、CCHOCHCHCHSi(OCH、H(CFCHOCHCHCHSi(OCH)3、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CFCHCHSi(OCH、(COCHCHCHSi(OCH、〔H(CFCHOCHCHCHSi(OCH、(CCHCHSi(OCH、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。これら以外のシランカップリンク剤を添加することもできる。
【0066】
(溶媒)
本発明に係る防汚層を塗設する際の塗布液に使用する溶媒は、非フッ素系の溶剤が好ましく用いられる。
【0067】
具体的には、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、1気圧における沸点が120〜180℃で、かつ20℃における蒸気圧が2.3kPa以下の溶媒を塗布液中に少なくとも1種用いることで、硬化速度を適度に遅らせ、塗布後の白濁を防ぐことができ、塗布ムラの解消や、塗布液のポットライフ向上等もできる。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0068】
グリコールエーテル類としては、具体的には下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。なお、溶剤名の後に1気圧における沸点及び20℃における蒸気圧を示す。
【0069】

Figure 2004258469
【0070】
特に好ましくは、グリコールエーテル類としてはプロピレングリコールモノ(C〜C)アルキルエーテル、プロピレングリコールモノ(C〜C)アルキルエーテルエステルであり、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノ(C〜C)アルキルエーテルエステルとしては特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられ、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は、塗布液中に全有機溶媒の1質量%〜90質量%添加されていることが好ましい。
【0071】
本発明の防汚層には、各種のレベリング剤、界面活性剤、シリコンオイル等の低表面張力物質を添加することが好ましい。具体的なシリコンオイルとしては表1に記載の化合物が挙げられる。
【0072】
【表1】
Figure 2004258469
【0073】
これらの成分は凹凸層や下層への塗布性を高め、塗膜の撥水、撥油性、防汚性を更に高めるばかりでなく、表面の耐擦り傷性にも効果を発揮する。これらの成分は添加量が多過ぎると塗布時にハジキの原因となるため、塗布液中の固形分成分に対し、0.01質量%〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0074】
本発明に係る防汚層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解または硬化を促進するため、活性エネルギー線を照射することが好ましい。
【0075】
本発明に使用する活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm〜10,000mJ/cmが好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm2〜2,000mJ/cmであり、特に好ましくは、400mJ/cm〜2,000mJ/cmである。
【0076】
また、本発明の防汚層としては、熱または電離放射線により架橋する含フッ素樹脂(以下、「架橋前の含フッ素樹脂」ともいう)の架橋からなる防汚層、ゾルゲル法による防汚層、及び粒子とバインダポリマを用い、粒子間または粒子内部に空隙を有する防汚層等も好ましく用いられる。防汚層の屈折率は、低ければ反射防止性能が良化するため好ましいが、防汚層の強度付与の観点では困難となる。このバランスから、防汚層の屈折率は1.30〜1.50であることが好ましく、更に好ましくは、1.35〜1.49である。
【0077】
架橋前の含フッ素樹脂として、含フッ素ビニルモノマーと架橋性基付与のためのモノマーから形成される含フッ素共重合体を好ましく挙げることができる。上記含フッ素ビニルモノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えば、ビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。架橋性基付与のためのモノマーとしては、グリシジルメタクリレートや、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルグリシジルエーテル等のように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有するビニルモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有するビニルモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル等)が挙げられる。後者は共重合の後、ポリマ中の官能基と反応する基ともう1つ以上の反応性基を持つ化合物を加えることにより、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号、同10−147739号に記載されている。架橋性基の例には、アクリロイル、メタクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシル、メチロール及び活性メチレン基等が挙げられる。含フッ素共重合体が、加熱により反応する架橋基、もしくは、エチレン性不飽和基と熱ラジカル発生剤もしくはエポキシ基と熱酸発生剤等の相み合わせにより、加熱により架橋する場合、熱硬化型であり、エチレン性不飽和基と光ラジカル発生剤もしくは、エポキシ基と光酸発生剤等の組み合わせにより、光(好ましくは紫外線、電子ビーム等)の照射により架橋する場合、光硬化型である。
【0078】
また上記モノマー加えて、含フッ素ビニルモノマー及び架橋性基付与のためのモノマー以外のモノマーを併用して形成された含フッ素共重合体を架橋前の含フッ素樹脂として用いてもよい。併用可能なモノマーには特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。また、含フッ素共重合体中に、滑り性、防汚性付与のため、ポリオルガノシロキサン骨格や、パーフルオロポリエーテル骨格を導入することも好ましい。これは、例えば末端にアクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、スチリル基等を持つポリオルガノシロキサンやパーフルオロポリエーテルと上記のモノマーとの重合、末端にラジカル発生基を持つポリオルガノシロキサンやパーフルオロポリエーテルによる上記モノマーの重合、官能基を持つポリオルガノシロキサンやパーフルオロポリエーテルと、含フッ素共重合体との反応等によって得られる。
【0079】
架橋前の含フッ素共重合体を形成するために用いられる上記各モノマーの使用割合は、含フッ素ビニルモノマーが好ましくは20モル%〜70モル%、より好ましくは40モル%〜70モル%、架橋性基付与のためのモノマーが好ましくは1モル%〜20モル%、より好ましくは5モル%〜20モル%、併用されるその他のモノマーが好ましくは10モル%〜70モル%、より好ましくは10モル%〜50モル%の割合である。
【0080】
含フッ素共重合体は、これらモノマーをラジカル重合開始剤の存在下で、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合法等の手段により重合することにより得ることができる。
【0081】
架橋前の含フッ素樹脂は、市販されており使用することができる。市販されている架橋前の含フッ素樹脂の例としては、サイトップ(旭硝子製)、テフロン(R)AF(デュポン製)、ポリフッ化ビニリデン、ルミフロン(旭硝子製)、オプスター(JSR製)等が挙げられる。
【0082】
架橋した含フッ素樹脂を構成成分とする防汚層は、動摩擦係数が0.03〜0.15の範囲、純水に対する接触角は90度〜120度の範囲が好ましい。
【0083】
架橋した含フッ素樹脂を構成成分とする防汚層が無機粒子を含有することは、強度向上の点から好ましい。防汚層に用いられる無機微粒子としては、非晶質のものが好ましく用いられ、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、なかでも金属酸化物が特に好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb及びNiが好ましく、Mg、Ca、B及びSiがさらに好ましい。2種以上の金属を含む無機微粒子を用いてもよい。特に好ましい無機微粒子は、二酸化ケイ素微粒子、すなわちシリカ微粒子である。無機微粒子の平均粒径は0.001μm〜0.2μmであることが好ましく、0.005μm〜0.05μmであることがより好ましい。微粒子の粒径はなるべく均一(単分散)であることが好ましい。
【0084】
無機微粒子の配合量は、防汚層の全質量の5質量%〜90質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、10質量%〜70質量%であり、特に好ましくは、10質量%〜50質量%である。無機微粒子は、表面処理を施して用いることも好ましい。表面処理法としてはプラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理とカップリング剤を使用する化学的表面処理があるが、カップリング剤の使用が好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシ金属化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等)が好ましく用いられる。無機微粒子がシリカの場合はシランカップリング剤による処理が特に有効である。
【0085】
また、防汚層用の素材として、各種ゾルゲル素材を用いることもできる。このようなゾルゲル素材としては、金属アルコレート(シラン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等のアルコレート)、オルガノアルコキシ金属化合物及びその加水分解物を用いることができる。特に、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン及びその加水分解物が好ましい。これらの例としては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、アリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン等が挙げられる。また、各種の官能基を有するオルガノアルコキシシラン(ビニルトリアルコキシシラン、メチルビニルジアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキジシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン等)、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等)を用いることも好ましい。特にフッ素含有のシラン化合物を用いることは、層の低屈折率化及び撥水・撥油性付与の点で好ましい。
【0086】
防汚層として、無機もしくは有機の微粒子を用い、微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして形成した層を用いることも好ましい。微粒子の平均粒径は、0.5mm〜200mmであることが好ましく、1nm〜100nmであることがより好ましく、3nm〜70nmであることがさらに好ましく、5nm〜40nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ましい。
【0087】
無機微粒子としては、非晶質であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb及びNiが好ましく、Mg、Ca、B及びSiがさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリカである。
【0088】
無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号に記載)または析出法(APPLIED OPTICS,27巻,3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。ミクロボイドを有する無機微粒子は、防汚層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)及びケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
【0089】
有機微粒子も非晶質であることが好ましい。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマ微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマはフッ素原子を含むことが好ましい。ポリマ中のフッ素原子の割合は、35質量%〜80質量%であることが好ましく、45質量%〜75質量%であることがさらに好ましい。また、有機微粒子内に、例えば、粒子を形成するポリマを架橋させ、体積を縮小させることによりミクロボイドを形成させることも好ましい。粒子を形成するポリマを架橋させるためには、ポリマを合成するためのモノマーの20モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。多官能モノマーの割合は、30モル%〜80モル%であることがさらに好ましく、35モル%〜50モル%であることが最も好ましい。上記有機微粒子の合成に用いられるモノマーとしては、含フッ素ポリマを合成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例として、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類及びフッ素化ビニルエーテル類が挙げられる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマを用いてもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例としては、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレン類(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルアミド類(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類及びアクリルニトリル類が挙げられる。多官能モノマーの例としては、ジエン類(例えば、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールとアクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物(例えば、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びビスメタクリルアミド類が挙げられる。
【0090】
粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。なお、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密充填すると、26体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純立方充填すると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。実際の防汚層では、微粒子の粒径の分布や粒子内ミクロボイドが存在するため、空隙率は上記の理論値からかなり変動する。空隙率を増加させると、防汚層の屈折率が低下する。微粒子を積み重ねてミクロボイドを形成と、微粒子の粒径を調整することで、粒子間ミクロボイドの大きさも適度の(光を散乱せず、防汚層の強度に問題が生じない)値に容易に調節できる。さらに、微粒子の粒径を均一にすることで、粒子間ミクロボイドの大きさも均一である光学的に均一な防汚層を得ることができる。これにより、防汚層は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜であるが、光学的あるいは巨視的には均一な膜にすることができる。粒子間ミクロボイドは、微粒子及びポリマによって防汚層内で閉じていることが好ましい。閉じている空隙には、防汚層表面に開かれた開口と比較して、防汚層表面での光の散乱が少ないとの利点もある。
【0091】
ミクロボイドを形成することにより、防汚層の巨視的屈折率は、防汚層を構成する成分の屈折率の和よりも低い値になる。層の屈折率は、層の構成要素の体積当りの屈折率の和になる。微粒子やポリマのような防汚層の構成成分の屈折率は1よりも大きな値であるのに対して、空気の屈折率は1.00である。そのため、ミクロボイドを形成することによって、屈折率が非常に低い防汚層を得ることができる。
【0092】
防汚層は、5質量%〜50質量%の量のポリマを含むことが好ましい。ポリマは、微粒子を接着し、空隙を含む防汚層の構造を維持する機能を有する。ポリマの使用量は、空隙を充填することなく防汚層の強度を維持できるように調整する。ポリマの量は、防汚層の全量の10質量%〜30質量%であることが好ましい。ポリマで微粒子を接着するためには、(1)微粒子の表面処理剤にポリマを結合させるか、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマシェルを形成するか、あるいは(3)微粒子間のバインダとして、ポリマを使用することが好ましい。(1)の表面処理剤に結合させるポリマは、(2)のシェルポリマまたは(3)のバインダポリマであることが好ましい。(2)のポリマは、防汚層の塗布液の調製前に、微粒子の周囲に重合反応により形成することが好ましい。(3)のポリマは、防汚層の塗布液にモノマーを添加し、防汚層の塗布と同時または塗布後に、重合反応により形成することが好ましい。上記(1)〜(3)のうちの二つまたは全てを組み合わせて実施することが好ましく、(1)と(3)の組み合わせ、または(1)〜(3)全てを組み合わせで実施することが特に好ましい。
(1)表面処理、(2)シェル及び(3)バインダについて順次説明する。
【0093】
(1)表面処理
微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、ポリマとの親和性を改善することが好ましい。表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組み合わせで実施することが好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理が特に有効に実施できる。具体的なシランカップリング剤の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシジルオキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポシシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びβ−シアノエチルトリエトキシシランが挙げられる。
【0094】
また、ケイ素に対して2置換のアルキル基を持つシランカップリング剤の例として、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエトキシシランが挙げられる。
【0095】
中でも、分子内に二重結合を有するビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ケイ素に対して2置換のアルキル基を持つものとしてγ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエトキシシランが好ましく、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが特に好ましい。
【0096】
2種類以上のカップリング剤を併用してもよい。上記に示されるシランカップリング剤に加えて、他のシランカップリングを用いてもよい。他のシランカップリング剤には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例えば、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オルトケイ酸sec−ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)及びその加水分解物が挙げられる。カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物に、カップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸(例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこれらの塩(例えば、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
【0097】
(2)シェル
シェルを形成するポリマは、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマであることが好ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含むポリマが好ましく、フッ素原子を側鎖に含むポリマがさらに好ましい。ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好ましく、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸とのエステルが最も好ましい。シェルポリマの屈折率は、ポリマ中のフッ素原子の含有量の増加に伴い低下する。防汚層の屈折率を低下させるため、シェルポリマは35質量%〜80質量%のフッ素原子を含むことが好ましく、45質量%〜75質量%のフッ素原子を含むことがさらに好ましい。フッ素原子を含むポリマは、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの重合反応により合成することが好ましい。フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの例としては、フルオロオレフィン(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテル及びフッ素置換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが挙げられる。
【0098】
シェルを形成するポリマは、フッ素原子を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まない繰り返し単位からなるコポリマであってもよい。フッ素原子を含まない繰り返し単位は、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの例としては、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート)、スチレン及びその誘導体(例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル)、アクリルアミド(例えば、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド及びアクリロニトリルが挙げられる。
【0099】
後述する(3)のバインダポリマを併用する場合は、シェルポリマに架橋性官能基を導入して、シェルポリマとバインダポリマとを架橋により化学的に結合させてもよい。シェルポリマは、結晶性を有していてもよい。シェルポリマのガラス転移温度(Tg)が防汚層の形成時の温度よりも高いと、防汚層内のミクロボイドの維持が容易である。ただし、Tgが防汚層の形成時の温度よりも高いと、微粒子が融着せず、防汚層が連続層として形成されない(その結果、強度が低下する)場合がある。その場合は、後述する(3)のバインダポリマを併用し、バインダポリマにより防汚層を連続層として形成することが望ましい。微粒子の周囲にポリマシェルを形成して、コアシェル微粒子が得られる。コアシェル微粒子中に無機微粒子からなるコアが5〜90体積%含まれていることが好ましく、15〜80体積%含まれていることがさらに好ましい。二種類以上のコアシェル微粒子を併用してもよい。また、シェルのない無機微粒子とコアシェル粒子とを併用してもよい。
【0100】
(3)バインダ
バインダポリマは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマであることがさらに好ましい。バインダポリマは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダポリマを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。ポリエーテルを主鎖として有するポリマは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダポリマに導入してもよい。架橋性官能基の例としては、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が挙げられる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、架橋基は、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。バインダポリマの重合反応及び架橋反応に使用する重合開始剤は、熱重合開始剤や、光重合開始剤が用いられるが、光重合開始剤の方がより好ましい。光重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが挙げられる。ベンゾイン類の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが挙げられる。ベンゾフェノン類の例としては、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが挙げられる。ホスフィンオキシド類の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが挙げられる。
【0101】
バインダポリマは、防汚層の塗布液にモノマーを添加し、防汚層の塗布と同時または塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。防汚層の塗布液に、少量のポリマ(例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0102】
反射防止フィルムの各層またはその塗布液には、前述した成分(無機微粒子、ポリマ、分散媒体、重合開始剤、重合促進剤)以外に、重合禁止剤、レベリング剤、増粘剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、帯電防止剤や接着付与剤を添加してもよい。反射防止フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許第2,681,294号)により、塗布により形成することができる。2以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許第2,761,791号、同第2,941,898号、同第3,508,947号、同第3,526,528号及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0103】
《金属化合物層(反射防止層ともいう)》
本発明の金属化合物層について説明する。
【0104】
(接着性の向上)
本発明の金属化合物層の中で、最上層に位置する金属化合物層と上記記載の防汚層との接着性を向上させるためには、防汚層が設けられた金属化合物層の元素組成率が0.1原子数%〜5原子数%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.1原子数%〜5原子数%であり、特に好ましくは、0.2原子数%〜5原子数%である。ここで、金属化合物層中の元素組成率の測定は下記記載の方法を用いて行うことが出来る。
【0105】
(金属化合物層中の元素組成率の測定)
本発明の金属化合物層の表面を形成する元素の平均組成はXPS表面分析装置を用いて測定することができる。
【0106】
次にその方法につて説明する。XPS表面分析装置を以下の条件に設定する。
X線アノード;Mg
分解能:1.5eV〜1.7eV(分解能は正常なAg3d/2ピークの半値幅で規定する。)
光電子取り出し角度:90度
XPS表面分析装置は、特に限定されるものではなく、いかなる機種も使用することが出来るが、本実施例においては、VG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0107】
以下の測定範囲でナロースキャンを行う、各元素のスペクトルを測定した。
データ取り込み間隔は0.2eVとし目的とするピークが以下に示す最低カウント数以上のカウントが得られるまで積算することが必要である。
【0108】
Figure 2004258469
得られたスペクトルに対して、Clsのピーク位置が284.6eVになるようにエネルギー位置を補正する。
【0109】
つぎに、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM Ver.2.3以降(以下、VAMASソフトと称する)上で処理を行うために、前記のスペクトルを各装置メーカーが提供するソフトを用いて、VAMASソフトを使用することができるコンピウピューターに転送する。そしてVAMASソフトを用い、転送されたスペクトルをVAMASフフォーマットに転換した後、データ処理を行う。
【0110】
定量処理を行う前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行う。各元素のピーク位置を中心として、以下に示す定量範囲でピークエリア強度(cps*eV)を求める。
【0111】
以下に示した感度係数を使用し、各元素の原子数比(原子数%)を求める。
Figure 2004258469
(反射ムラ(色ムラ)の評価方法)
反射ムラ(色ムラ)については、実施例のところで、詳細に評価方法を記載するが、反射防止フィルムの反射光の色調変化を目視観察により評価した。
【0112】
(金属化合物層の構成)
本発明の反射防止フィルムにおいては、金属化合物層を、後述する、本発明にの長尺基材フィルムに直接形成させてもよいが、他の被覆層を少なくとも1層設け、凹凸面を有する長尺フィルム上に形成させてもよい。他の被覆層としては、JIS−B−0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.01〜1μmの硬化樹脂層が好ましい。これらは紫外線等の光により硬化する光硬化性樹脂層であることが好ましい。このような紫外線で硬化された樹脂層の上に本発明に係る金属化合物層を形成させ、次いで、前記金属化合物層の最上層に上記の防汚層を設けることにより斑点ムラが少なく、反射光の色ムラが少ない反射防止フィルムを得ることができる。
【0113】
また、金属化合物層としては、本発明の反射防止フィルムの構成層の中で、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の少なくともいずれかの1層に用いられることが好ましい。
【0114】
本発明は窒素を主成分とする雰囲気下で大気圧近傍又は大気圧以上で、プラズマ処理法で形成された金属化合物層の上に防汚層を塗設することを特徴としている。特に好ましくは窒素を主成分とする雰囲気下で前記大気圧近傍もしくは大気圧以上で形成された金属酸化物層の上に防汚層を設けることを特徴としている。
【0115】
その他の金属化合物層は、上記以外の方法により形成された金属化合物層であってもよいが、本発明では、全ての金属化合物層が窒素を主成分とする雰囲気下で大気圧近傍又は大気圧以上でプラズマ処理法で形成されることが好ましい。
【0116】
本発明の反射防止フィルムの基本的な構成を説明する。
例えば、好ましい反射防止フィルムは、透明支持体、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順序の層構成を有する。透明支持体、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
【0117】
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層の屈折率<高屈折率層の屈折率。
【0118】
中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層を有する反射防止フィルムでは、特開昭59−50401号に記載されているように、中屈折率層が下記数式(1)を、高屈折率層が下記数式(2)を、低屈折率層が下記数式(3)をそれぞれ満足することにより、反射防止フィルムとしての平均反射率をさらに下げる設計が可能となり好ましい。
【0119】
(hλ/4)×0.7<n3d3<(hλ/4)×1.3・・・数式(1)
数式(1)中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、n3は中屈折率層の屈折率であり、そして、d3は中屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、350〜800(nm)の範囲の値である。
【0120】
(jλ/4)×0.7<n4d4<(jλ/4)×1.3・・・数式(2)
数式(2)中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、n4は高屈折率層の屈折率であり、そして、d4は高屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、350〜800(nm)の範囲の値である。
【0121】
(kλ/4)×0.7<n5d5<(kλ/4)×1.3・・・数式(3)
数式(3)中、kは正の奇数(一般に1)であり、n5は低屈折率層の屈折率であり、そして、d5は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、350〜800(nm)の範囲の値である。
【0122】
また、本発明においては、ハードコート層あるいは高屈折率層に凹凸を付与して防眩性反射防止フィルムとすることも好ましい。
【0123】
この他、透明支持体、ハードコート層(防眩層)、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順の層構成も好ましい構成であるが、本発明は特にこられの構成に限定されない。
【0124】
〈高屈折率層及び中屈折率層〉
本発明においては、反射率の低減のために、透明支持体若しくはハードコート層を付与した透明支持体と防汚層との間に、高屈折率層を設けることが好ましい。また、透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率層を設けることは、反射率の低減のために好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の厚さは、5nm〜1μmであることが好ましく、10nm〜0.2μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。また、各層の膜厚は屈折率や層構成、層の数等によって適宜調整することができる。
【0125】
高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層は、無機微粒子とバインダポリマとを含む構成であってもよい。
【0126】
高屈折率層及び中屈折率層に用いる無機微粒子は、屈折率が1.80〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.80であることがさらに好ましい。無機微粒子の一次粒子の重量平均粒径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることがさらに好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。層中での無機微粒子の重量平均粒径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることがさらに好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。無機微粒子の平均粒径は、20〜30nm以上であれば光散乱法により、20nm〜30nm以下であれば電子顕微鏡写真により測定される。無機微粒子の比表面積は、BET法で測定された値として、10〜400m/gであることが好ましく、20m〜200m/gであることがさらに好ましく、30〜150m/gであることが最も好ましい。
【0127】
無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成された粒子であることが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例として、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及び硫化亜鉛が挙げられる。なかでも、酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びS等が挙げられる。
【0128】
無機微粒子は表面処理されていてもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施することができる。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄が挙げられる。なかでもアルミナ及びシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられる。なかでも、シランカップリング剤が最も好ましい。2種類以上の表面処理を組み合わせて処理されていても構わない。無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましい。2種類以上の無機微粒子を高屈折率層及び中屈折率層に併用してもよい。
【0129】
高屈折率層及び中屈折率層中の無機微粒子の割合は、5〜65体積%であることが好ましく、より好ましくは10〜60体積%であり、さらに好ましくは20〜55体積%である。
【0130】
無機微粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、高屈折率層及び中屈折率層を形成するための塗布液に供される。無機微粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。なかでも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
【0131】
無機微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することができる。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。
【0132】
高屈折率層及び中屈折率層は、架橋構造を有するポリマ(以下、架橋ポリマともいう)をバインダポリマとして用いることが好ましい。架橋ポリマの例として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素鎖を有するポリマ(以下、ポリオレフィンと総称する)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン、ポリエーテル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルの架橋物がさらに好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も好ましい。また、架橋ポリマがアニオン性基を有することは更に好ましい。アニオン性基は無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋構造はポリマに皮膜形成能を付与して皮膜を強化する機能を有する。上記アニオン性基は、ポリマ鎖に直接結合していてもよいし、連結基を介してポリマ鎖に結合していてもよいが、連結基を介して側鎖として主鎖に結合していることが好ましい。
【0133】
アニオン性基の例としては、カルボン酸基(カルボキシル)、スルホン酸基(スルホ)及びリン酸基(ホスホノ)が挙げられる。なかでも、スルホン酸基及びリン酸基が好ましい。ここで、アニオン性基は、塩の状態であってもよい。アニオン性基と塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオンであることが好ましい。また、アニオン性基のプロトンは、解離していてもよい。アニオン性基とポリマ鎖とを結合する連結基は、−CO−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせから選ばれる二価の基であることが好ましい。好ましいバインダポリマである架橋ポリマは、アニオン性基を有する繰り返し単位と、架橋構造を有する繰り返し単位とを有するコポリマであることが好ましい。この場合、コポリマ中のアニオン性基を有する繰り返し単位の割合は、2〜96質量%であることが好ましく、4〜94質量%であることがさらに好ましく、6〜92質量%であることが最も好ましい。繰り返し単位は、2以上のアニオン性基を有していてもよい。
【0134】
アニオン性基を有する架橋ポリマには、その他の繰り返し単位(アニオン性基も架橋構造も有しない繰り返し単位)が含まれていてもよい。その他の繰り返し単位としては、アミノ基または4級アンモニウム基を有する繰り返し単位及びベンゼン環を有する繰り返し単位が好ましい。アミノ基または4級アンモニウム基は、アニオン性基と同様に、無機微粒子の分散状態を維持する機能を有する。ベンゼン環は、高屈折率層の屈折率を高くする機能を有する。なお、アミノ基、4級アンモニウム基及びベンゼン環は、アニオン性基を有する繰り返し単位あるいは架橋構造を有する繰り返し単位に含まれていても、同様の効果が得られる。
【0135】
上記アミノ基または4級アンモニウム基を有する繰り返し単位を構成単位として含有する架橋ポリマにおいて、アミノ基または4級アンモニウム基は、ポリマ鎖に直接結合していてもよいし、あるいは連結基を介し側鎖としてポリマ鎖に結合していてもよいが、後者がより好ましい。アミノ基または4級アンモニウム基は、2級アミノ基、3級アミノ基または4級アンモニウム基であることが好ましく、3級アミノ基または4級アンモニウム基であることがさらに好ましい。2級アミノ基、3級アミノ基または4級アンモニウム基の窒素原子に結合している基としては、アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。4級アンモニウム基の対イオンは、ハライドイオンであることが好ましい。アミノ基または4級アンモニウム基とポリマ鎖とを結合する連結基は、−CO−、−NH−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせから選ばれる2価の基であることが好ましい。架橋ポリマが、アミノ基または4級アンモニウム基を有する繰り返し単位を含む場合、その割合は、0.06質量%〜32質量%であることが好ましく、0.08質量%〜30質量%であることがさらに好ましく、0.1質量%〜28質量%であることが最も好ましい。
【0136】
架橋ポリマは、架橋ポリマを生成するためのモノマーを配合して高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布液を調製し、塗布液の塗布と同時または塗布後に、重合反応によって生成させることが好ましい。架橋ポリマの生成と共に、各層が形成される。アニオン性基を有するモノマーは、塗布液中で無機微粒子の分散剤として機能する。アニオン性基を有するモノマーは、無機微粒子に対して、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜40質量%、さらに好ましくは10質量%〜30質量%使用される。また、アミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは、塗布液中で分散助剤として機能する。アミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは、アニオン性基を有するモノマーに対して、好ましくは3質量%〜33質量%使用される。塗布液の塗布と同時または塗布後に、重合反応によって架橋ポリマを生成する方法により、塗布液の塗布前にこれらのモノマーを有効に機能させることができる。
【0137】
2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミド等が挙げられる。アニオン性基を有するモノマー、及びアミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーは市販のモノマーを用いてもよい。好ましく用いられる市販のアニオン性基を有するモノマーとしては、KAYAMARPM−21、PM−2(日本化薬(株)製)、AntoxMS−60、MS−2N、MS−NH4(日本乳化剤(株)製)、アロニックスM−5000、M−6000、M−8000シリーズ(東亞合成化学工業(株)製)、ビスコート#2000シリーズ(大阪有機化学工業(株)製)、ニューフロンティアGX−8289(第一工業製薬(株)製)、NKエステルCB−1、A−SA(新中村化学工業(株)製)、AR−100、MR−100、MR−200(第八化学工業(株)製)等が挙げられる。また、好ましく用いられる市販のアミノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーとしてはDMAA(大阪有機化学工業(株)製)、DMAEA,DMAPAA(興人(株)製)、ブレンマーQA(日本油脂(株)製)、ニューフロンティアC−1615(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
【0138】
ポリマの重合反応は、光重合反応または熱重合反応を用いることができる。特に光重合反応が好ましい。重合反応のため、重合開始剤を使用することが好ましい。例えば、ハードコート層のバインダポリマを形成するために用いられる前述した熱重合開始剤、及び光重合開始剤が挙げられる。
【0139】
重合開始剤として市販の重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤に加えて、重合促進剤を使用してもよい。重合開始剤と重合促進剤の添加量は、モノマーの全量の0.2〜10質量%の範囲であることが好ましい。塗布液(モノマーを含む無機微粒子の分散液)を加熱して、モノマー(またはオリゴマー)の重合を促進してもよい。また、塗布後の光重合反応の後に加熱して、形成されたポリマの熱硬化反応を追加処理してもよい。
【0140】
中屈折率層及び高屈折率層には、比較的屈折率が高いポリマを用いることが好ましい。屈折率が高いポリマの例としては、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが挙げられる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマも、屈折率が高く用いることができる。
【0141】
被膜形成能を有する有機金属化合物から、高屈折率層または中屈折率層を形成してもよい。
【0142】
有機金属化合物は、適当な媒体に分散し得るか、あるいは液状であることが好ましい。有機金属化合物の例としては、金属アルコレート(例えば、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド)、キレート化合物(例えば、ジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート、トリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテート)、有機酸塩(例えば、炭酸ジルコニールアンモニウム)及びジルコニウム等が挙げられる。
【0143】
以下に、本発明の特徴である、窒素を主成分とする大気圧近傍又は大気圧以上の雰囲気下でプラズマ放電処理により金属化物層を形成する方法を図1、2を用いて説明する。
【0144】
図1は本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ処理装置の一例を示した概略図である。
【0145】
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電圧印加手段の他に、図1では図示してない(後述の図3に図示してある)が、ガス供給手段、電極温度調節手段を有している装置である。
【0146】
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの第1の周波数ωの高周波電圧Vが印加され、また第2電極12からは第2電源22からの第2の周波数ωの高周波電圧Vが印加されるようになっている。第1電源21は第2電源22より大きな高周波電圧(V>V)を印加出来る能力を有していることが好ましく、また第1電源21の第1の周波数ωと第2電源22の第2の周波数ωは、ω<ωの関係にある。
【0147】
第1電極11と第1電源21との間には、第1電源21からの電流21Aが第1電極11に向かって流れるように第1フィルター23が設置されており、第1電源21からの電流21Aをアース側へと通過しにくくし、第2電源22からの電流22Aがアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0148】
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2電源22からの電流22Aが第2電極12に向かって流れるように第2フィルター24が設置されており、第2電源22からの電流22Aをアース側へと通過しにくくし、第1電源21からの電流21Aをアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0149】
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、ここでは図示してない(後述の図2に図示してあるような)ガス供給手段からガスGを導入し、第1電極11と第2電極12から高周波電圧を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない基材の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置14付近で薄膜を形成させる。薄膜形成中、ここでは図示してない(後述の図2に図示してあるような)電極温度調節手段から配管を経て電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の表面の温度を均等に調節することが望まれる。
【0150】
また、図1に前述の高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧の測定に使用する測定器を示した。25及び26は高周波プローブであり、27及び28はオシロスコープである。
【0151】
ジェット方式の該大気圧プラズマ放電処理装置を複数基接して直列に並べて同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることが出来るので、何回も処理され高速で処理することも出来る。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層薄膜を形成することも出来る。また、厚み方向の膜組成も変化させることができる。
【0152】
図2は本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【0153】
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電圧印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
【0154】
図2は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。
【0155】
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ωであって高周波電圧Vを、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ωであって高周波電圧Vをかけるようになっている。
【0156】
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1電源41からの電流がロール回転電極(第1電極)35に向かって流れるように第1フィルター43が設置されている。該第1フィルターは第1電源41からの電流をアース側へと通過しにくくし、第2電源42からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルター44が設置されている。第2フィルター44は、第2電源42からの電流をアース側へと通過しにくくし、第1電源41からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0157】
なお、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。何れにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より大きな高周波電圧(V>V)を印加出来る能力を有しており、また、周波数はω<ωとなる能力を有している。
【0158】
ガス供給手段50のガス供給装置51で発生させたガスGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。放電空間32及びプラズマ放電処理容器31内をガスGで満たす。
【0159】
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電圧をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより薄膜を形成する。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。ガスGの供給量が多い場合は、ニップロール65、66は設けなくても良い。
【0160】
放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。図2では省略しているが、角筒型固定電極群36の間にはガスGの供給口または排ガスG′の排出口が設けられている。
【0161】
薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
【0162】
図3は、図2に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【0163】
図3において、ロール電極35aは導電性の金属質母材35Aとその上に誘電体35Bが被覆されたものである。内部は中空のジャケットになっていて温度調節が行われるようになっている。即ち、放電中の電極表面の温度を制御するための媒体(水、シリコンオイル等)を循環できるようになっている。
【0164】
図4は、角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【0165】
図4において、角筒型電極36aは、導電性の金属質母材36Aに対し、図3同様の誘電体36Bの被覆を有し、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、内部に温度制御された媒体(水、シリコンオイル等)を循環出来るようになっている。放電中の電極表面の温度調節が行えるようになっている。
【0166】
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されていおり、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全角筒型固定電極面の面積の和で表される。
【0167】
図2に示した角筒型電極36aは、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
【0168】
図3及び4において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、それぞれ導電性の金属質母材35A及び36Aの上に誘電体35B及び36Bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆あればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
【0169】
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料等を挙げることが出来るが、後述の理由から、チタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
【0170】
2個の電極間の距離(電極間隙)は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1nm〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5nm〜2mmである。
【0171】
このように、本発明において、薄膜が形成される長尺フィルムは回転電極上で移送しながらプラズマ放電処理されるのが好ましい。
【0172】
本発明に用いられる電極の表面は固体誘電体で被覆されていることが望ましく、特に金属等の導電性母材に対し固体誘電体で被覆されていることが望ましい。固体誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスティック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物等を挙げることができる。
【0173】
特に好ましくは、セラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体であることが望ましい。ここで、金属等の導電性母材としては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等を挙げることができるが、加工の観点からステンレスが好ましい。
【0174】
また、ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工しやすいので、更に好ましく用いられる。
【0175】
回転電極が長尺フィルムと接する表面は高い平滑性が求められ、回転電極の表面粗さがJIS−B−0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは1μm以下である。また、固定電極も上記の表面粗さであることが好ましい。また、フィルムと電極の間に異物やゴミ等があると故障の原因となるため、電極表面に異物が付着しないようにするか、或いは、付着した異物を除去することが好ましい。
【0176】
本発明において、電極は、その裏面側(内側)から、必要に応じて、加熱あるいは冷却することができるようになっている。電極がベルトの場合には、その裏面より気体で冷却することもできるが、ロールを用いた回転電極では内部に媒体を供給して電極表面の温度及び長尺フィルムの温度を制御することが好ましい。
【0177】
媒体としては、蒸留水、油特にシリコンオイル等の絶縁性材料が好ましく用いられる。
【0178】
放電処理の際の長尺フィルムの温度は処理条件によって異なるが、室温〜200℃以下が好ましく、より好ましくは室温〜120℃以下であり、更に好ましくは50〜110℃である。
【0179】
放電処理の際に長尺フィルム面の特に幅手方向で温度ムラが生じないようにすることが望ましく、±5℃以内とすることが好ましく、より好ましくは±1℃以内であり、特に好ましくは±0.1℃以内である。
【0180】
本発明において、電極間隙は、固体誘電体の厚さ、印加電圧や周波数、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電プラズマを発生させるという観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1±0.5mmである。
【0181】
本発明において、電極間隙の放電部には、ガス発生装置で発生させた混合ガスを流量制御して、反応ガス供給口よりプラズマ放電部に導入される。反応ガスの濃度や流量は適宜調整されるが、長尺フィルムの搬送速度に対して十分な速度で処理用ガスを電極間隙に供給することが好ましい。放電部では供給した反応ガスの50%以上あるいはほとんどが反応して薄膜形成に使われるように流量や放電条件が設定するのが望ましい。
【0182】
放電部に大気または酸素が混入したり、反応ガスが装置外に漏れ出ることを防止するために、電極及び移送中の長尺フィルムは全体を囲んで外界から遮蔽することが好ましい。長尺フィルムは空気の同伴を防止しながらプラズマ放電装置内の放電部に導入されることが好ましい。本発明においては、放電部の気圧は大気圧近傍又は大気圧以上の圧力に維持される。
【0183】
ここで大気圧近傍、大気圧以上とは、20kPa〜200kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93kPa〜110kPaが好ましい。装置外の大気圧力に対して、放電部がやや陽圧であることが好ましくプラズマ装置外の大気圧力+0.1kPa〜10kPaであることがより好ましい。
【0184】
本発明に有用なプラズマ放電処理装置では、一方の電極は電源に接続して電圧を印加し、もう一方の電極はアースに接地し放電プラズマを発生させることが安定したプラズマを発生させるために好ましい。或いは、異なる周波数の高周波電源を接続した電極の組み合わせを用いてもよい。
【0185】
本発明で用いる高周波電源より電極に印加する電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、印加する周波数は1kHz〜150MHzに調整し、波形はパルス波であってもサイン波としてもよい。特に100kHzを超えて50MHz以下の高周波を印加することが好ましい。
【0186】
プラズマ放電処理部はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等で適宜囲まれていることが望ましく、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミまたは、ステンレスのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。また、放電部や回転電極の側面部、長尺フィルム搬送部等の側面を囲むことによって、反応ガスや排ガスを適切に放電部に供給したり排気することもできる。
【0187】
本発明の金属化合物層の形成方法に用いる反応ガスについて説明する。
金属化合物層を形成するための反応ガスは、本発明は窒素ガスを主成分とすることを特徴としている。
【0188】
窒素ガスを主成分とするとは、窒素ガスを反応ガスに対して、50%以上含有することであり、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましいには90%以上含有することで有る。
【0189】
窒素以外に、更に、希ガスを含んでも良く、つまり、反応ガスは窒素又は、窒素ガス、希ガス及び後述の反応性ガスの混合ガスであることが好ましい。ここで、希ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン等を挙げることができる。
【0190】
反応ガス中の窒素又は、希ガスの合計濃度は90体積%以上であることが安定したプラズマ放電を発生させるために好ましく、90〜99.99体積%であることが望ましい。窒素ガス及び希ガスは安定したプラズマ放電を発生させるために用いられ、プラズマ中で反応性ガスはイオン化あるいはラジカル化され、基材表面に堆積あるいは付着する等して薄膜が形成される。
【0191】
本発明に有用な反応ガスは、様々な物質の反応性ガスを添加したものを用いることによって、様々な機能を持った薄膜を長尺フィルム上に形成することができる。
【0192】
例えば、Ti、Zr、In、Sn、Zn、Ge、Siあるいはその他の金属を含有する有機金属化合物、金属水素化合物、金属ハロゲン化物を用いて、これらの金属化合物層(金属酸化物層、金属窒化物層、金属炭化物層、金属酸窒化物層、金属酸炭窒化物層)を形成することができ、これらの層は反射防止層の低屈折率層、中屈折率層または高屈折率層としたり、あるいは導電層または帯電防止層とすることもできる。例えば、酸化錫層、酸化インジウム層を設けることによって表面比抵抗10−3Ω/cm〜1011Ω/cmの層を形成することができる。これらは、常法に従ってドーピングにより抵抗を低くすることができるため好ましい。
【0193】
本発明に有用な反応性ガスとしての珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシラン等の有機金属化合物、モノシラン、ジシラン等の金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シラン、四フッ化珪素等の金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、等のアルコキシシラン、オルガノシラン等を用いることが好ましいがこれらに限定されない。
【0194】
また、これらは適宜組み合わせて用いることができる。あるいは別の有機化合物を添加して膜の物性を変化あるいは制御することもできる。
【0195】
本発明において、反応性ガスとして珪素化合物を用いる場合、放電プラズマ放電処理により長尺フィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の反応性ガスとしての珪素化合物の含有率は、0.01体積%〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1体積%〜5体積%である。
【0196】
本発明に有用な反応性ガスとしての有機金属化合物としては、特に限定されないが、Al、As、Au、B、Bi、Sb、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、Hg、In、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Pt、Rh、Se、Si、Sn、Ti、Zr、Y、V、W、Zn等の金属酸化物を形成するための金属化合物を挙げることができる。
【0197】
例えば、反射防止層の高屈折率層を形成するには、チタン化合物が好ましく、具体的には、例えば、テトラジメチルアミノチタン等の有機アミノ金属化合物、モノチタン、ジチタン等の金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン等の金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アルコキシド等が挙げられる。
【0198】
本発明において、前記の珪素化合物、有機金属化合物は、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れ等も少ないことから、中でも金属アルコキシドが好ましく用いられる。
【0199】
本発明において、反応性ガスとして有機金属化合物を用いる場合、プラズマ放電処理により長尺フィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の反応性ガスとしての有機金属化合物の含有率は、0.01体積%〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1体積%〜5体積%である。
【0200】
また、珪素化合物、チタン化合物等の金属化合物を放電部へ導入するには、両者は常温常圧で気体、液体または固体いずれの状態であっても使用し得る。
【0201】
気体の場合は、そのまま放電部に導入できるが、液体や固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の気化手段により気化させて使用することができる。
【0202】
珪素化合物、チタン化合物等の金属化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタン等のように常温で液体で、且つ、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが本発明の金属酸化物薄膜層の形成する方法に好適である。上記金属アルコキシドは、有機溶媒によって希釈して使用しても良く、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−ヘキサン等の有機溶媒またはこれらの混合有機溶媒を使用することができる。
【0203】
更に、反応ガス中に酸素、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒素、一酸化窒素等を0.1〜10体積%含有させることにより薄膜層の硬度、密度等の物性を制御することができる。
【0204】
以上の方法により、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化窒化チタン、酸化亜鉛等の非晶性の金属酸化物層が好ましく作製できる。
【0205】
本発明の光学フィルムは、例えば防汚層と高屈折率層を積層した反射防止層を有する光学フィルムまたは導電層、帯電防止層を有する光学フィルム等に好ましく用いることができる。
【0206】
本発明において、プラズマ放電装置を複数設けることによって、多層の薄膜を連続的に設けることができ、薄膜のムラもなく多層の積層体を形成することができる。
【0207】
例えば、長尺フィルム上に反射防止層を有する光学フィルムを作製する場合、屈折率1.6〜2.3の高屈折率層及び屈折率1.3〜1.5の低屈折率層や防汚層を長尺フィルム表面に連続して積層し、効率的に作製することができる。
【0208】
上記の方法により、本発明においては、多層の薄膜を積層することができ、各層の膜厚ムラもなく、均一な光学フィルムを得ることができる。
【0209】
本発明の光学フィルムは、長尺フィルム上に直接または他の層を介して金属化合物層を形成することを特徴としているが、樹脂硬化層あるいは他の層を介して形成することがより好ましい。上記のようにして得られた長尺フィルム上には、熱硬化樹脂層あるいは活性線硬化樹脂層を形成することが好ましく、特に紫外線硬化樹脂層を設けることが好ましい。
【0210】
樹脂硬化層は、種々の機能を有していてもよく、例えば、防眩層やクリアハードコート層であってもよい。樹脂硬化層はエチレン性不飽和結合を有するモノマーを1種以上含む成分を重合させて形成した層であることが好ましい。エチレン性不飽和結合を有するモノマーを含む成分を重合させて形成した樹脂層としては、活性線硬化樹脂あるいは熱硬化樹脂を硬化させて形成された層が好ましく用いられるが、特に好ましく用いられるのは活性線硬化樹脂層である。ここで、活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。
【0211】
活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。
【0212】
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0213】
具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
【0214】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させる容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。
【0215】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させる容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
【0216】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
【0217】
これらの光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及び誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。
【0218】
上記光反応開始剤も光増感剤としても使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
【0219】
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
【0220】
本発明において使用し得る市販品の紫外線硬化樹脂としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)等を適宜選択して利用できる。
【0221】
これらの活性線硬化樹脂層は公知の方法で塗設することができる。
紫外線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化させるための光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって効率よく形成することができる。
【0222】
紫外線硬化樹脂層組成物塗布液の有機溶媒としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒の中から適宜選択し、あるいはこれらを混合し利用できる。例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等を5質量%以上、より好ましくは5質量%〜80質量%以上含有する上記有機溶媒を用いるのが好ましい。
【0223】
紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法としては、前述のものを用いることができる。塗布量はウェット膜厚として0.1μm〜30μmが適当で、好ましくは、0.5μm〜15μmである。紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥中または後に、紫外線を照射するのがよく、照射時間としては0.1秒〜5分が好ましく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率または作業効率の観点から0.5秒〜2分がより好ましい。
【0224】
硬化樹脂層塗布液には、ブロッキングを防止するために、また対擦り傷性等を高めるために、無機化合物あるいは有機化合物の微粒子を加えることもでき、それらの種類としては、前述のマット剤の微粒子とほぼ同様である。これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.005〜5μmが好ましく0.01〜1μmであることが特に好ましい。紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割合は、該樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。
【0225】
紫外線硬化樹脂層はJIS−B−0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が1〜50nmのクリアハードコート層であっても、Raが0.1〜1μmの防眩層であってもよい。例えば、凹部の底を基準とした時の高さ0.5〜2μmの突起が10〜500個/μmあるいはヘイズ1〜40%あるいは平均山谷間隔等の防汚層厚等が好ましい。また、紫外線硬化樹脂層の屈折率は1.5〜1.7、好ましくは1.52〜1.65であることが好ましい。
【0226】
《長尺フィルム》
本発明の長尺フィルムについて説明する。
【0227】
本発明の長尺フィルムとしては、製造が容易であること、凹凸層、または反射防止層等との接着性が良好である、光学的に等方性である、光学的に透明であること等が好ましい要件として挙げられる。
【0228】
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン(ARTON(JSR社製))、シクロオレフィン(ゼオノア;日本ゼオン社製)、ゼネックス(日本ゼオン社製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、セルローストリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)、ノルボネン樹脂系フィルムが好ましく、本発明においては、特にセルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム等のセルロースアセテートフィルム(例えばコニカタック、製品名KC8UX2MW、KC4UX2MW、KCSUN、KC8UY、KCUY、KC12UR、KC8UCR(コニカ(株)製)が好ましく用いられる。)が、製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の観点から好ましく用いられる。
【0229】
長尺フィルムの光学特性としては膜厚方向のリターデーションRtが0nm〜300nm、面内方向のリターデーションR0が0nm〜1000nmのものが好ましく用いられる。
【0230】
(長尺フィルムの長さ)
本発明の長尺フィルムは、具体的には、100m〜5000m程度のものを示し、幅手1〜3mの長尺フィルムが好ましく用いられる。通常、ロール状で提供される形態のものである。更に、本発明の長尺フィルムは下記に記載のナーリング加工を施すことが特に好ましい。
【0231】
ここで、ナーリング加工について説明する。
《ナーリング加工により調整されるナーリング高さ》
本発明では、反射ムラを効果的に防止する観点から、大気圧プラズマ処理により金属酸化物層を形成する前に、上記の長尺フィルムの幅方向の両端に凹凸を付与して端部を嵩高くする、いわゆるナーリング加工が施されていることが必須要件である。
【0232】
すなわち、大気圧プラズマ処理で形成された金属酸化物層上に防汚層を塗設する場合、長尺フィルムに所定のナーリング加工(ナーリング高さを持たせるともいう)が施されていることが必要である。
【0233】
ナーリングは、加熱されたエンボスロールを押し当てることにより形成することが出来る。エンボスロールには細かな凹凸が形成されており、これを押し当てることでフィルムに凹凸を形成し、端部を嵩高くすることができる。
【0234】
本発明の長尺基材フィルムの幅手両端部のナーリングの高さは4〜20μmが好ましい。
【0235】
(ナーリングの高さ)
ここで、ナーリングの高さaとは、フィルムの厚みdに対して厚みが増えた分の高さaで表される。
【0236】
以下、図5(a)、(b)により、本発明の長尺フィルムが有するナーリング高さaについて説明する。図5(a)、(b)は、本発明にの長尺フィルムが有するナーリングの高さaの一態様を各々示す概略断面図である。
【0237】
図5(a)においては、一方の面300a上に凸部を形成している領域があり、これがナーリング301aである。dは、フィルムの厚さを表す。
【0238】
図5(a)では、ナーリングの高さaはa1で表される。
図5(b)においては、一方の面300a上に凹部と凸部からなるナーリング301bがあり、もう一方の面300b上には、面上からa2突出している突起がある。dは、フィルムの厚さを表す。
【0239】
図5(b)のような場合、ナーリング高さaは、a1+a2の和で表される。ナーリング高さa(μm)は塗布で形成された層または大気圧プラズマ処理で形成された層の膜厚や物性のムラを少なくする観点から4〜20μm、の範囲が更に好ましく、特に好ましくは、6〜12μmの範囲に調整することである。
【0240】
このように所定の高さのナーリングを設けることにより、窒素ガスを主成分とする雰囲気下で大気圧近傍又は大気圧以上でプラズマ処理により金属化合物層を設けることにより、金属化合物層の膜厚ムラや表面物性のムラが低減し、その結果、前記金属化合物層上に塗設される防汚層のムラ(塗布ムラ等)が改善され好ましい。
【0241】
ナーリング高さが4μm未満ではムラ防止効果に乏しく、20μmを超えるとムラが増加するため好ましくない。特に窒素ガスを主成分とする雰囲気下で大気圧近傍又は大気圧以上でプラズマ処理ではナーリングの高さが20%を越えるとその部分で異常放電を起こしたり、それが原因で放電が不安定化して金属化合物層の膜厚や物性のムラとなり、それがその上に設ける塗布層にも影響してできあがった反射防止フィルムの色ムラになるものと考えられる。
【0242】
また、本発明では、上記のナーリング加工は、フィルムの製膜工程において乾燥終了後、巻き取りの前に設けることが好ましい。
【0243】
《インピーダンスの調整》
インピーダンスを本発明の範囲に調整するためには、導電性の金属又は金属酸化物、特開平9−203810に記載のアイオネン導電性ポリマーを含有する層をもうけることが好ましく、特に架橋型導電性ポリマーを設けることが好ましい。これらの化合物は帯電防止層を兼ねることができる。
【0244】
次に、金属酸化物について記述する。
金属酸化物の例としては、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、V等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO及びSnOが好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiOに対してはNb、Ta等の添加、叉SnOに対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01mol%〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1mol%〜15mol%の範囲が特に好ましい。
【0245】
また、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は通常10Ωcm以下、好ましくは10Ωcm以下であって、1次粒子径が通常100Å〜0.2μmで、高次構造の長径が300Å〜6μmである特定の構造を有する粉体を導電層に体積分率で0.01%〜20%含んでいることが好ましい。
【0246】
導電性層(帯電防止層)は、導電性微粒子をバインダに分散させて支持体層に設けてもよいし、支持体に下引処理を施し、その上に導電性微粒子を被着させてもよい。
【0247】
本発明で使用するバインダは、フィルム形成能を有する物であれば特に限定されるものではないが、例えばゼラチン、カゼイン等のタンパク質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース化合物、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸等の合成ポリマー等を挙げる事ができる。
【0248】
特に、ゼラチン(石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酸素分解ゼラチン、フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン等)、アセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリルアミド、デキストラン等が好ましい。
【0249】
アイオネン樹脂(アイオネンポリマー)とはアイオネン樹脂の主鎖に窒素原子が組み込まれている第4級アンモニウム塩を持つ原子群が繰り返し構造を持つ単位をなしてるポリマーをいう。
【0250】
架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、得られる分散性粒状ポリマーにあり、粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることができるため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、粒子同志も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず、塗布後造膜過程において粒子同志の接着性もよいため膜強度も強く、また他の物質例えば支持体にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れている。
【0251】
架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約0.02μm〜0.2μmの粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0.05μm〜0.1μmの範囲の粒子サイズが用いられる。
【0252】
導電性ポリマーの使用量は使用する形態によって異なるが、偏光板用保護フィルム1m当たり固形分にして通常0.01〜2.0gであり、好ましくは0.03〜1.0gである。
【0253】
アイオネンポリマーは疎水性バインダと共に用いられることが好ましい。疎水性バインダとは水によりそのバインダが溶解したり、膨潤したりしないものである。
【0254】
本発明に有効な疎水性バインダとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、又はセルロースナイトレート等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、又はコポリブチレン−テレ/イソフタレート等のポリエステル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、又はポリビニルベンザール等のポリビニルアルコール誘導体、ノルボルネン化合物を含有するノルボルネン系ポリマー、アクリル樹脂、或いは前述の紫外線硬化樹脂等を用いることが出来る。
【0255】
また本発明の疎水性バインダは上記の中から選らばれるのがよく、特に加工性、相溶性などからセルロース誘導体が好ましい。アイオネン導電性ポリマーと疎水性バインダとの比率は90:10〜10:90で使用出来、導電性、紫外線硬化性樹脂組成物の塗布性の観点から、70:30〜30:〜70が好ましい。特に40:60〜60:40が好ましい。
【0256】
架橋型カチオン導電性ポリマーの場合には特に疎水性バインダを混合する必要はないが、混合しても差し支えない。
【0257】
アイオネン導電性ポリマーと疎水性バインダを透明なプラスチックフィルムに帯電防止層として塗設する場合、塗布液として使用できる有機溶剤としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸アミル、酪酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、グリセリン、ニトロメタン、等をあげることが出来るが、特にメタノール、エタノール、アセトン等が好ましい。また適度の上記のうちの高沸点溶媒を混合して用いるのが好ましい。
【0258】
架橋型カチオン導電性ポリマー組成物を塗布する場合の塗布溶媒としては、上記の有機溶媒が都合よく用いることが出来る。また、分散の状態によっては若干の水を混合させることもある。
【0259】
帯電防止層塗布液を塗布する方法は、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤバーコート、リバースコート、カーテンコートあるいは米国特許2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等により塗布することが出来る。
【0260】
帯電防止層を形成させる場合、層中にマット剤、界面活性剤、可塑剤、滑り剤、高沸点溶剤等の添加物を含有させても良く、この層の帯電防止機能を、また帯電防止層のための物理的機能を更にたかめることが出来る。
【0261】
耐電防止層はハードコート層の下側、もしくは上側、もしくは裏面側に設けることができる。例えば、ハードコート層を設ける前に帯電防止層が設けられることが好ましい。
【0262】
本発明の反射防止フィルムの反射光のムラを低減させる観点から、長尺基材フィルムの、周波数20Hzにおけるインピーダンスの絶対値は4×10Ω以上になるように調整することを特徴としており、好ましくは5×10Ω〜5×1020Ωであり、より好ましくは、8×10Ω〜5×10Ωの範囲になるように調整することである。
【0263】
(インピーダンスの測定)
ここで、インピーダンスを上記の範囲になるように調整する手段としては、一般には次の公知の一般式(A)を適用して求めることができる。
【0264】
一般式(A)
|Z|=〔R+(1/ωC)1/2
但し、
Z:インピーダンス
R:抵抗
C:静電容量
ω:2πf
f:周波数
本発明において、フィルム材料のインピーダンス測定に関しては、電子部品の誘電率測定に用いる一般のインピーダンス測定装置を用いることができるが、好ましくは周波数1Hz以上の測定が可能なインピーダンス測定装置と、フィルム測定用電極を組み合わせた装置である。例えば、横河・ヒューレット・パッカード社製プレシジョンLCRメーターHP4284AとHP16451Bの組み合わせである。
【0265】
この装置の組み合わせで更に20Hzにおけるインピーダンスの絶対値を求める一例を詳細に記すが、フィルム材料の正確な周波数20Hzのインピーダンスの絶対値が測定できるならば、本発明では測定方法を制限しない。
【0266】
平行な平面で構成される二電極とガード電極を有するHP16451Bの接続されたプレシジョンLCRメーターHP4284Aを用い、23℃、20%RH雰囲気下で、空隙法によりフィルム材料のインピーダンスの絶対値を計測する。
【0267】
空隙法の測定に関しては、HP16451Bの取り扱い説明書に記載された電極非接触法に従う。サンプルの大きさについては、電極平面よりも大きければ特に制限は無いが、用いる主電極の直径が3.8cmの場合には、大きさ6cm×6cmから5cm×5cmの正方形サンプルが好ましい。サンプルの直流電流を用いて測定された表面比抵抗の大きさが表裏で等しければ、どちらの面を上方にしてもよいが、表裏で等しくなければ表面比抵抗の値が低い面を上方に向け、平行な平面で構成される二電極間にサンプルを設置し交流電圧をかけながら空隙法で計測する。
【0268】
《動摩摩擦係数の調整》
本発明の基材フィルムの裏面側の動摩擦係数を調整することで、本発明の効果の一つである反射防止フィルムの反射光ムラを、さらに低減できる点で好ましく、具体的には0.7以下になるようにすることが好ましく、更に好ましくは、0.1〜0.6の範囲にすることであり、特に好ましくは、0.2〜0.5の範囲にすることである。
【0269】
(動摩擦係数の測定)
ここで、長尺フィルムの裏面の動摩擦係数は、JIS−K−7125(1987)に規定される方法を用いて測定できる。ただしこの場合、フィルムの動摩擦係数を測定するに際し、相手材料として剛球等の金属を用いた場合、フィルムに微粒子を添加した効果を確認することはできない。必ずフィルム同士の動摩擦係数を測定する必要がある。そこで、前記JIS−K−7125に従い、試験片及び相手材料ともに本発明の長尺フィルムを用い、且つ、前記フィルムの裏面同士が接触するように配置することで測定できる。
【0270】
(セルロースエステルフィルム)
低い反射率の積層体が得られるため、基材としてはセルロースエステルフィルムを用いることが特に好ましい。セルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。
【0271】
本発明の長尺フィルムとして、セルロースエステルを用いる場合、セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることができる。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステルは、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることができる。
【0272】
アシル化剤が酸クロライド(CHCOCl、CCOCl、CCOCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には、特開平10−45804号に記載の方法等を参考にして合成することができる。また、本発明に用いられるセルロースエステルは各置換度に合わせて上記アシル化剤量を混合して反応させたものであり、セルロースエステルはこれらアシル化剤がセルロース分子の水酸基に反応する。セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)という。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜3.0)。
【0273】
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、またはセルロースアセテートプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基またはブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが特に好ましく用いられる。なお、ブチレートを形成するブチリル基としては、直鎖状でも分岐していてもよい。
【0274】
プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネートは耐水性に優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして有用である。
【0275】
アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
【0276】
セルロースエステルの数平均分子量は、70,000〜250,000が、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。
【0277】
(流延製膜法による長尺フィルムの作製)
これらセルロースエステルは後述するように一般的に溶液流延製膜法と呼ばれるセルロースエステル溶解液(ドープ)を、例えば、無限に移送する無端の金属ベルトまたは回転する金属ドラムの流延用長尺フィルム上に加圧ダイからドープを流延(キャスティング)し製膜する方法で製造されることが好ましい。
【0278】
これらドープの調製に用いられる有機溶媒としては、セルロースエステルを溶解でき、かつ、適度な沸点であることが好ましく、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
【0279】
また、下記の製膜工程に示すように、溶媒蒸発工程において流延用長尺フィルム上に形成されたウェブ(ドープ膜)から溶媒を乾燥させるときに、ウェブ中の発泡を防止する観点から、用いられる有機溶媒の沸点としては、30〜80℃が好ましく、例えば、上記記載の良溶媒の沸点は、メチレンクロライド(沸点40.4℃)、酢酸メチル(沸点56.32℃)、アセトン(沸点56.3℃)、酢酸エチル(沸点76.82℃)等である。
【0280】
上記記載の良溶媒の中でも溶解性に優れるメチレンクロライド、酢酸メチルが好ましく用いられる。
【0281】
上記有機溶媒の他に、0.1質量%〜30質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。特に好ましくは5〜30質量%で前記アルコールが含まれることが好ましい。これらは上記記載のドープを流延用長尺フィルムに流延後、溶媒が蒸発を始めアルコールの比率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし流延用長尺フィルムから剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。
【0282】
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。
【0283】
これらの溶媒のうち、ドープの安定性がよく、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。好ましくは、メチレンクロライド70質量%〜95質量%に対してエタノール5質量%〜30質量%を含む溶媒を用いることが好ましい。メチレンクロライドの代わりに酢酸メチルを用いることもできる。このとき、冷却溶解法によりドープを調製してもよい。
【0284】
また、ドープ中には、水分を0.1質量%〜2質量%含んでいることが好ましい。
【0285】
(可塑剤)
本発明の反射防止フィルムの長尺フィルムにセルロースエステルフィルムを用いる場合、下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
【0286】
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。その他のカルボン酸エステルの例には、トリメチロールプロパントリベンゾエート、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
【0287】
ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等を用いることができる。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等を用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
【0288】
特に、特開2002−146044号公報記載のエポキシ系化合物、ロジン系化合物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ケトン樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等の添加物を有するセルロースエステルも好ましく用いられる。
【0289】
具体的には、ロジン及びロジン誘導体としては、以下の構造式のものが挙げられる。
【0290】
【化1】
Figure 2004258469
【0291】
上記化合物のうち、KE−604とKE−610は荒川化学工業(株)からそれぞれ酸価237と170で市販されている。同じく、荒川化学工業(株)からアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びパラストリン酸3者の混合物のエステル化物として、KE−100及びKE−356が、それぞれの酸価は8と0で市販されている。また、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びパラストリン酸3者の混合物は、播磨化成(株)からそれぞれの酸価167、168のG−7及びハートールR−Xで市販されている。
【0292】
エポキシ樹脂としては、以下の構造を有するものが挙げられる。
【0293】
【化2】
Figure 2004258469
【0294】
アラルダイドEPN1179及びアラルダイドAER260は旭チバ(株)から市販されている。
【0295】
ケトン樹脂としては、以下の構造のものが挙げられる。
【0296】
【化3】
Figure 2004258469
【0297】
ハイラック110及びハイラック110Hは日立化成(株)から市販されている。
【0298】
パラトルエンスルホンアミド樹脂としては、以下の構造のものが挙げられ、トップラーとして、フジアミドケミカル(株)から市販されている。
【0299】
【化4】
Figure 2004258469
【0300】
これらの可塑剤は単独または併用するのが好ましい。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1質量%〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3質量%〜13質量%である。
【0301】
(紫外線吸収剤)
本発明に係る長尺フィルムに用いられる紫外線吸収剤について説明する。反射防止フィルム用の長尺フィルムには、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
【0302】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0303】
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0304】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いられる。
【0305】
【化5】
Figure 2004258469
【0306】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0307】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していてよい。
以下に、本発明に係る紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0308】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、Ciba製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
【0309】
【化6】
Figure 2004258469
【0310】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0311】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までのアルコキシル基を表し、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基でアリル基、2−ブテニル基等を表す。また、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)等が挙げられる。
【0312】
以下に一般式(8)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0313】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0314】
また、特開2001−187825に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤は、長尺フィルムの面品質を向上させ、塗布性にも優れている。特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
【0315】
また、特開平6−148430号に記載の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
【0316】
本発明に用いられる紫外線吸収剤添加液の添加方法としては、下記に記載の方法が挙げられる。
【0317】
《添加方法A》
紫外線吸収剤添加液の調製方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤を溶解してから直接ドープ組成中に添加する。
【0318】
《添加方法B》
紫外線吸収剤添加液の調製方法としては、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶剤に紫外線吸収剤と少量のセルロースエステルを溶解してからインラインミキサーでドープに添加する。
【0319】
本発明においては、添加方法Bの方が、紫外線吸収剤の添加量を容易に調整できるため、生産性に優れていて好ましい。
【0320】
紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使用条件などにより一様ではないが、通常はセルロースエステルフィルム1m2当り、0.2〜2.0gが好ましく、0.4〜1.5gがさらに好ましく、0.6〜1.0gが特に好ましい。
【0321】
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムには滑り性を付与するために微粒子を添加することができる。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
【0322】
無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステル積層フィルムの濁度を低減できるので、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
【0323】
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0324】
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0325】
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
【0326】
上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0327】
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムに添加される微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5nm〜16nmであり、特に好ましくは、5nm〜12nmである。これらの微粒子は0.1μm〜5μmの粒径の2次粒子を形成してセルロースエステルフィルムに含まれることが好ましく、好ましい平均粒径は0.1μm〜2μmであり、更に好ましくは0.2μm〜0.6μmである。これにより、フィルム表面に高さ0.1μm〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによってフィルム表面に適切な滑り性を与えることが出来る。
【0328】
本発明に用いられる微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって、1次平均粒子径とした。
【0329】
微粒子の見掛比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましく、また、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
【0330】
1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得ることができる。また例えばアエロジル200V、アエロジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することができる。
【0331】
上記記載の見掛比重は二酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、下記式で算出したものである。
【0332】
見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質量(g)/二酸化珪素の容積(リットル)
本発明に用いられる微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
【0333】
《調製方法A》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0334】
《調製方法B》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶剤に少量のセルローストリアセテートを加え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0335】
《調製方法C》
溶剤に少量のセルローストリアセテートを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
【0336】
調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
【0337】
《分散方法》
二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0338】
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
【0339】
セルロースエステルに対する二酸化珪素微粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対して、二酸化珪素微粒子は0.01質量部〜0.3質量部が好ましく、0.05質量部〜0.2質量部がさらに好ましく、0.08質量部〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れている。
【0340】
分散機は通常の分散機が使用できる。分散機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレス分散機がヘイズが低く好ましい。メディア分散機としてはボールミル、サンドミル、ダイノミルなどがあげられる。
【0341】
メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1μm〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.613MPa以上である。またその際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/時間以上に達するものが好ましい。
【0342】
上記のような高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げられる。
【0343】
又、ロール状に巻き取られた後、出荷されるまでの間、汚れや静電気によるゴミ付着等から製品を保護するために通常、包装加工がなされる。この包装材料については、上記目的が果たせれば特に限定されないが、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、紙、各種不織布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス状になったものは、より好ましく用いられる。
【0344】
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、複数のドープを用いた共流延法等による多層構成を有するものであってもよい。
【0345】
共流延とは、異なったダイを通じて2層または3層構成にする逐次多層流延方法、2つまたは3つのスリットを有するダイ内で合流させ2層または3層構成にする同時多層流延方法、逐次多層流延と同時多層流延を組み合わせた多層流延方法のいずれであっても良い。
【0346】
本発明で用いられるセルロースエステルフィルムは少なくとも幅手方向に延伸されたものが好ましく、特に溶液流延工程で剥離残溶量が3質量%〜40質量%であるときに幅手方向に1.01倍〜1.5倍に延伸されたものであることが好ましい。より好ましくは幅手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残溶量が3質量%〜40質量%であるときに幅手方向及び長手方向に、各々1.01倍〜1.5倍に延伸されることが望ましい。こうすることによって、視認性に優れた反射防止フィルムを得ることが出来る。更に、2軸延伸し、後述のナーリング加工をすることによって、長尺状反射防止フィルムのロール状での保管中の巻き形状の劣化を著しく改善することができる。
【0347】
このときの延伸倍率としては1.01倍〜1.5倍が好ましく、特に好ましくは、1.03倍〜1.45倍である。
【0348】
更に好ましくは後述する裏面側の突起の数が所定範囲内に調整することにより、ロール状の反射防止フィルムの保管安定性の向上効果が得られる。
【0349】
特に、本発明では支持体より剥離した直後の残留溶媒量の多いところで幅保持もしくは延伸を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するため好ましい。
【0350】
支持体から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってフィルムは巾方向に収縮しようとする。更に、高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は、可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性、寸法安定性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を巾方向にクリップでフィルムの巾両端を保持しつつ乾燥させる方法、いわゆるテンター方式を用いることが好ましい。
【0351】
本発明において、フィルムを乾燥させる手段としては、特に制限なく、例えば、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いて行うことができ、簡便さの観点からは熱風を用いて行う方法が好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、乾燥温度を徐々に高くしていくことが好ましく、更には、80〜140℃の範囲で行うことが、高い寸法安定性を実現する上で好ましい。
【0352】
上述した流延から後乾燥までの各工程は、空気雰囲気下であってもよいし、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下であってもよい。また、乾燥雰囲気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施することはもちろんのことである。
【0353】
本発明の長尺フィルムの製造に係る巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、例えば、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。
【0354】
又、本発明で用いられるセルロースエステルは、フィルムにしたときの輝点異物が少ないものが、長尺フィルムとして好ましく用いられる。本発明において、輝点異物とは、2枚の偏光板を直交に配置し(クロスニコル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を当てて、もう一方の面からセルロースエステルフィルムを観察したときに、光源の光がもれて見える点のことである。
【0355】
このとき評価に用いる偏光板は、輝点異物がない保護フィルムで構成されたものであることが望ましく、偏光子の保護にガラス板を使用したものが好ましく用いられる。輝点異物の発生は、セルロースエステルに含まれる未酢化のセルロースがその原因の1つと考えられ、対策としては、未酢化のセルロース量の少ないセルロースエステルを用いることや、また、セルロースエステルを溶解したドープ液の濾過等により、除去、低減が可能である。又、フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向がある。
【0356】
輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上のものが200個/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm2以下、30個/cm以下、10個/cm以下であることが好ましいが、特に好ましくは、0であることである。
【0357】
又、0.005mm〜0.01mmの輝点についても200個/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは、100個/cm2以下、50個/cm以下、30個/cm以下、10個/cm2以下であることが好ましいが、特に好ましいのは、輝点が0の場合である。0.005mm以下の輝点についても少ないものが好ましい。
【0358】
輝点異物を濾過によって除去する場合、セルロースエステルを単独で溶解させたものを濾過するよりも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、セラミックス、金属等も好ましく用いられる。絶対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく、更に好ましくは、30μm以下、10μm以下であるが、特に好ましくは、5μm以下のものである。
【0359】
これらは、適宜組み合わせて使用することもできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ましく用いられる。
【0360】
《バックコート層》
(長尺フィルムのバックコート層の突起)
本発明の反射防止フィルムは、長尺フィルムの一方の面には凹凸層、反射防止層等を有するが、もう一方の面(裏面ともいう)には、表面からの高さが、0.1μm以上の突起を10個〜500個/100μm有することが好ましく、更に好ましくは、50個〜500個/100μmであり、特に好ましくは、100個〜450個/100μmである。
【0361】
ここで、表面の突起数の測定は、光学干渉式表面粗さ計(例えば、WYKO社製 RST PLUS)を用い、フィルム表面から高さ0.1μm以上の突起の数をカウントすることができる。
【0362】
このような裏面側の突起は、あらかじめフィルム中に微粒子を添加する方法、あるいは微粒子を含有する塗布液を塗設してバックコート層を設ける方法によって形成することが出来る。突起の数や大きさは微粒子の添加量や分散状態を制御することによって制御することができる。
【0363】
これによって、大気圧プラズマ処理により金属化合物層を形成し、該金属化合物層上に防汚層を塗設する場合に塗布ムラを著しく低減することができる。
【0364】
長尺フィルム中に微粒子を添加することで、裏面に高さ0.1μm〜10μmの突起を10個〜500個/100μm有するようにすることが好ましい。このとき、長尺フィルムを共流延法により多層構成として、表層のみに微粒子を含ませることもできる。
【0365】
裏面の突起を上記の範囲に調整することにより、長尺ロール状の反射防止フィルムの保管性の改善に効果がある。
【0366】
バックコート層には、樹脂と微粒子が含まれていることが好ましく、添加する微粒子の種類としては、有機化合物でも無機化合物でもよく、例えば、二酸化けい素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも二酸化けい素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.1μm〜10μmで、その含有量は基材のセルロースエステルに対して0.04質量%〜0.3質量%が好ましい。二酸化けい素のような微粒子には有機物により表面処理されている場合が多いが、これはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類(特にメチル基を有するアルコキシシラン類)、シラザン、シロキサン等が挙げられる。微粒子の平均粒径は大きい方がマット効果が大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5nm〜50nmで、より好ましくは7〜16nmである。二酸化けい素の微粒子としてはアエロジル(株)製のAEROSIL(アエロジル)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSIL(アエロジル)200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例えば、AEROSIL(アエロジル)200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用できる。
【0367】
この塗布組成物には樹脂を含ませることができ、ここで用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ブタジエン/アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。アクリル樹脂としては、アクリペットMD、VH、MF、V(以上、三菱レーヨン(株)製)、ハイパールM−4003、M−4005、M−4006、M−4202、M−5000、M−5001、M−4501(以上、根上工業(株)製)、ダイヤナールBR−50、BR−52、BR−53、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)製)等が用いられる。特に好ましくはジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートのようなセルロースエステル樹脂が用いられる。
【0368】
添加する微粒子の添加量、粒径を調整することによって裏面の突起数を調整することが出来る。また、反射防止層(光学干渉層ともいう)の裏面側に微粒子を含む層を塗設することによって、裏面に高さ0.1μm〜10μmの突起を1〜500個/0.01mm2有する反射防止フィルムを提供することができる。
【0369】
上記のような樹脂、微粒子の混合組成物を溶解、膨潤または分散させる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム等がある。溶解させない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール等が挙げられる。
【0370】
本発明に用いられるバックコート層には、アンチカール機能を付与することもできる。具体的には長尺フィルムを溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布することによって行われる。用いる溶媒としては、溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒の混合物の他、さらに溶解させない溶媒を含む場合もある。これらを樹脂フィルムのカール度や樹脂の種類によって適宜選択した割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。
【0371】
カール防止機能を強めたい場合は、溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的である。この混合比率は好ましくは、(溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0〜1:9で用いられる。
【0372】
これらの塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースロールコーター、押し出しコーター等、或いはインクジェット法を用いて基材の表面にウェット膜厚1μm〜100μm塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであるとよい。
【0373】
本発明に用いられるバックコート層を塗設する順番は、反射防止層を設ける前であることが好ましい。
【0374】
(長尺フィルムの透過率)
本発明の反射防止フィルムに用いられる一軸延伸又は二軸延伸されたセルロースエステルフィルムは、可視光透過率が90%以上が好ましく、より好ましくは93%以上の透明長尺フィルムであることが好ましい。また、本発明の反射防止フィルムについても可視光透過率が90%以上が好ましく、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。
【0375】
(長尺フィルムの膜厚と透湿性)
本発明のセルロースエステルフィルム長尺フィルムは、その厚さが10μm〜100μmのものが好ましく、透湿性は、25℃、90±2%RHにおいて、200g/m・24時間以下であることが好ましく、更に好ましくは、10〜180g/m・24時間以下であり、特に好ましくは、160g/m・24時間以下である。特に、セルロースエステルフィルムの膜厚10μm〜60μmで透湿性が上記範囲内であることが好ましい。
【0376】
ここで、長尺フィルムの透湿性は、JIS−Z−0208に記載の方法に従い、測定することが出来る。
【0377】
(偏光板及びそれを用いる表示装置)
本発明の偏光板、それを用いた本発明の表示装置について説明する。
【0378】
本発明の偏光板に用いる偏光子としては、従来公知のものを用いることができる。偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。これらは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
【0379】
本発明の偏光板は、こうして得られた偏光子と本発明の反射防止フィルムと貼合して得られる。
【0380】
本発明の反射防止フィルムは偏光板保護フィルムとして好ましく用いられ、偏光子の少なくとも片側に積層し、貼合されて偏光板とすることができる。
【0381】
本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、本発明の反射防止フィルムをアルカリ処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。上記記載のアルカリケン化処理とは、このときの水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理を示す。このとき、反射防止層の表面には再剥離性の保護フィルム(例えば、ポリエチレンフィルム等)を設けることにより、アルカリや汚れから保護することができる。
【0382】
本発明の反射防止フィルムを一方の偏光板保護フィルムとして用いた場合、もう一方の偏光板保護フィルムには、光学補償機能を持たせることが出来る。例えば、直接または配向層を介して、液晶を塗布して配向、固定化した光学異方層(例えば、棒状液晶またはディスコティック液晶をハイブリッド配向で固定化した層)を設け、これを偏光板保護フィルムとして用いて視野角拡大効果を有する偏光板を作製することも出来る。
【0383】
反射防止層/凹凸層/セルロースエステルフィルム/偏光子/セルロースエステルフィルム/配向層/光学異方層(液晶セル)
この様にして得られた偏光板は、液晶セルの一方の面もしくは、両面に設けてもよい。本発明の反射防止フィルムは反射防止層が外側を向くように液晶セルに貼りつけ、本発明の表示装置が得られる。
【0384】
液晶表示装置としては、TN型、VA型、OCB型、HAN型、IPS型、STN型等があるが本発明は特にこれらに限定されず、反射型、透過型、半透過型のいずれの液晶表示装置であってもよい。更に、本発明の表示装置は、上記の液晶表示装置だけでなく、有機ELディスプレイ、無機ディスプレイ、PDP(プラズマディスプレイ)等の各種表示装置でもよい。
【0385】
本発明の反射防止フィルムを用いることによって、高精細でありながら視認性に優れた表示装置を提供することができる。
【0386】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0387】
実施例
膜厚80μmのセルロースエステルフィルム(コニカタックKC8UX2MWコニカ(株)製)の幅両端部にそれぞれに加熱したエンボスロールを押し当てながら搬送し、高さ10μm幅1cmのナーリング部を設けた。一方の面に帯電防止層、もう一方の面にバックコート層を設け、さらに前記帯電防止層の上にハードコート層を巻き取ることなくハードコート層を連続的に設けた。
【0388】
帯電防止層1の塗設
下記の組成物を調製した。
【0389】
帯電防止層1塗布組成物
ダイヤナールBR−88(三菱レーヨン(株)製) 0.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 60質量部
メチルエチルケトン 15質量部
乳酸エチル 6質量部
メタノール 8質量部
導電性ポリマー樹脂IP−16(特開平9−203810記載のIP−16)0.5質量部
上記の帯電防止層1塗布組成物をセルロースエステルフィルム(コニカタックKC8UX2MW(コニカ(株)製)上にウエット膜厚で12μmとなるようにダイコートし、80℃で5分間乾燥して帯電防止層を設けた。帯電防止層の表面比抵抗は10Ω/cm(23℃、55%RH)であった。
【0390】
バックコート層1の塗設
帯電防止層を設けた反対面に下記のバックコート層1塗布組成物をウェット膜厚13μmとなるようにダイコートし、乾燥温度90℃にて乾燥させバックコート層1を塗設した。
【0391】
バックコート層1塗布組成物
アセトン 30質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
ジアセチルセルロース 0.5質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル200V) 0.2質量部
(日本アエロジル(株)製)
ハードコート層1の塗設
前記帯電防止層1の上に下記のハードコート層1塗布組成物をダイコートし、80℃で5分間乾燥した後160mJ/cmの紫外線を照射し、乾燥膜厚7μmのハードコート層を設けた。
【0392】
ハードコート層1塗布組成物
多官能性アクリレート系樹脂(旭電化工業(株)製、商品名アデカオプトマーKR−566) 100質量部
トルエン 150質量部
ハードコート層の鉛筆硬度を測定したところ3Hの硬度を示し、耐擦傷性効果を示した。
【0393】
セルロースエステルフィルム、帯電防止層、ハードコート層、バックコート層を表2、4のように変更した以外は同様にして、ハードコートフィルムを作製し、後述する方法で反射防止層、防汚層の組み合わせを変更して、反射防止フィルム1〜40(試料1〜40)を作製した。
【0394】
本発明の反射防止層1の形成
大気圧プラズマ処理法によって、前記ハードコート層上に高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順に設け反射防止層1とした。
【0395】
高屈折率層(チタン酸化物層、膜厚23nm、屈折率2.00)
低屈折率層(珪素酸化物層、膜厚29nm、屈折率1.46)
高屈折率層(チタン酸化物層、膜厚77nm、屈折率2.00)
低屈折率層(珪素酸化物層、膜厚85nm、屈折率1.46)
また、表2、4に記載のように反射防止層1を設ける変わりに、高屈折率層と低屈折率層の2層構成の反射防止層2を形成した。
【0396】
高屈折率層:(チタン酸化物層、膜厚23nm、屈折率2.00)
低屈折率層:(珪素酸化物層、膜厚111nm、屈折率1.46)
《プラズマ放電処理装置》
(電極の作製)
図2に示したプラズマ放電処理装置において、誘電体で被覆したロール電極及び同様に誘電体で被覆した複数の角筒型電極のセットを以下のように作製した。
【0397】
第1電極となるロール電極は、冷媒を循環させることによる電極表面温度の制御手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して、アルミナ溶射膜を被覆し、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax、1μmとなるように加工した。最終的な誘電体の膜厚は1mm、誘電体の比誘電率は10であった。更に導電性の金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差は1.7×10−4で、耐熱温度は260℃であった。ロール電極には電極表面温度を制御するための温度制御された冷媒を循環できるようにし、80℃の温水を供給し、電極温度を制御した。
【0398】
一方、第2電極の角筒型電極は、中空の角筒型のチタン合金T64に対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、対向する角筒型固定電極群とした。この角筒型固定電極の誘電体については上記ロール電極のものと同じである。角筒型電極内部にはそれぞれ電極表面温度を制御するための温度制御された冷媒を循環できるようにし90℃の温水を供給し、電極温度を制御した。
【0399】
このロール電極のまわりに該角筒型固定電極を配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×最大20本(電極の数)であった。
【0400】
ロール電極のまわりに配置した複数の角筒型固定電極の間隙より反応ガスの導入と使用済みガスの排気を交互に行った。1つの間隙に対して下記の流量で窒素を主成分とする反応ガスを導入した。
【0401】
プラズマ放電処理装置には、固定電極(角筒型電極)側に、連続周波数13.56MHzの高周波電圧(パール工業社製高周波電源CF−5000−13M)を供給し、ロール電極側には、連続周波数100kHzの高周波電圧(ハイデン研究所製高周波電源PHK−6k連続モード)を供給した。また、ロール電極は、ドライブを用いてセルロースエステルフィルムの搬送に同期して回転させた。
【0402】
なお、固定電極とロール電極の間隙は0.5mm、反応ガスの圧力は大気圧とした。
【0403】
プラズマ放電処理に用いた反応性ガス(低屈折率層形成用反応性ガス1及び高屈折率層形成用反応性ガス2)の組成を以下に記す。
【0404】
尚、反応性ガス中の液体成分は気化器によって蒸気とし、ガス供給系の配管は原料ガスが凝結するのを防止するため保温しながらロール電極のまわりに配置された隣接する角筒型電極の間隙(1mm)より放電部に供給した。1箇所の間隙あたり下記に示したガスの割合で放電部に供給した。
【0405】
大気圧プラズマ処理法によって、前記ハードコート層の上に反射防止層を設けるため、前記プラズマ処理装置を複数台(各層ごとに1台以上使用)使用し、連続的に各々の屈折率層で反応性ガスを変更して4層設けた。設ける膜厚に応じて、使用する角筒型固定電極の本数を調整した。前記ハードコート層を有する基材フィルムは大気解放されたアンワインダー部より送り出されて前記4層を有する反射防止層1を形成した。また、別の反射防止フィルムでは、同様にして、高屈折率層、低屈折率層からなる反射防止層2を形成した。
【0406】
《プラズマ放電条件》
ロール電極側
100kHz、10W/cm、電界強度(1/2Vp−p:10kV/mm)
固定電極(角筒型電極)側
13.56MHz、5W/cm、電界強度(1/2Vp−p:0.8kV/mm)
《低屈折率層形成用反応性ガス1》
窒素ガス:300l/min
酸素ガス:15l/min
テトラエトキシシラン(蒸気):0.3g/min
(リンテック社製気化器にて気化させた)
ガス温度:90〜100℃
《高屈折率層形成用反応性ガス2》
窒素ガス:300l/min
水素ガス:2l/min
テトライソプロポキシチタン(蒸気):0.2g/min
(リンテック社製気化器にて気化させた)
ガス温度:90〜100℃
《比較の反射防止層3の形成》
図2に示したプラズマ処理装置を使用し、固定電極側に800kHzの高周波電源(パール工業製)を用いて、ロール電極側からは高周波電圧を印加しない構成とした。放電出力は10W/cmとし、各層の形成用に下記のガスを使用し、下記構成層の比較の反射防止層3を形成した。
【0407】
《高屈折率層形成用反応性ガス》
ヘリウムガス:100l/min
水素ガス:1l/min
テトラエトキシシラン:0.1g/min
ガス温度:90〜100℃
《低屈折率層形成用反応性ガス》
ヘリウムガス:100l/min
酸素ガス:1l/min
テトライソプロポキシチタン:0.1g/min
ガス温度:90〜100℃
比較の反射防止層3(ハードコート層から順に)
高屈折率層(チタン酸化物層、膜厚23nm、屈折率2.00)
低屈折率層(珪素酸化物層、膜厚29nm、屈折率1.46)
高屈折率層(チタン酸化物層、膜厚77nm、屈折率2.00)
低屈折率層(珪素酸化物層、膜厚85nm、屈折率1.46)
《防汚層》
上記の大気圧プラズマ処理法により、連続的に形成した反射防止層1の上にドライ膜厚が10nmとなるように下記の防汚層1塗布組成物を塗布した後に80℃に設定された乾燥部にて1分間乾燥させ、110℃雰囲気下にて3分間の熱処理をして防汚層1を形成し、ロール状反射防止フィルム1を得た。
【0408】
防汚層1塗布組成物
GE東芝シリコーン社XC98−A−5382をイソプロピルアルコールにて固形分0.1%となるように17倍に希釈して防汚層1塗布組成物とした。
【0409】
純水接触角:90〜99°
n−ヘキサデカン接触角:64〜72°
以上のようにしてロール状反射防止フィルム1を作製した。
【0410】
《ロール状反射防止フィルム2〜40(試料2〜40)の作製》
ロール状反射防止フィルム1の作製において、ナーリング高さ、インピーダンスの絶対値、動摩擦係数が、各々表2〜5に記載の値になるように下記の塗布組成物に変更し、基材フィルム、バックコート層、帯電防止層、ハードコート層防汚層の作製条件を変化させた以外は同様にして、ロール状反射防止フィルム2〜40を作製した。
【0411】
防汚層2塗布組成物
KP801M(信越化学株式会社製)をm−キシレンヘキサフローライドにて固形分0.1%となるように30倍に希釈して防汚層2塗布組成物とした。
【0412】
純水接触角:100〜110°
n−ヘキサデカン接触角:64〜78°
防汚層3塗布組成物
オプツールDSX(HFE20%溶液)(ダイキン工業(株)社製)を住友3M社製溶媒HFE−7200にて固形分0.1%となるように200倍に希釈して防汚層3塗布組成物とした。
【0413】
純水接触角:100〜120°
n−ヘキサデカン接触角:55〜69°
防汚層4塗布組成物
XC98−B2472(GE東芝シリコーン社製)をイソプロピルアルコールにて固形分0.1%となるように9倍に希釈して防汚層4塗布組成物とした。
【0414】
純水接触角:100〜115°
n−ヘキサデカン接触角:64〜72°
帯電防止層2塗布組成物
ダイヤナール(BR−108 三菱レーヨン(株)製) 0.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 60質量部
メチルエチルケトン 15質量部
乳酸エチル 6質量部
メタノール 8質量部
導電性ポリマー樹脂IP−14(特開平9−203810記載のIP−14)0.5質量部
帯電防止層3塗布組成物
ダイヤナール(BR−88 三菱レーヨン(株)製) 0.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 60質量部
メチルエチルケトン 15質量部
乳酸エチル 6質量部
メタノール 8質量部
導電性ポリマー樹脂IP−19(特開平9−203810記載記載のIP−1
9) 0.5質量部
ハードコート層2用組成物
サンラッドH−601 (三洋化成工業(株)製) 100質量部
酢酸エチル 75質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
ハードコート層3用組成物
ポリエステルアクリレート系樹脂とポリウレタンアクリレート系樹脂
(大日精化工業(株)製 商品名EXG) 100質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 70質量部
酢酸エチル 70質量部
ハードコート層4用組成物
ポリエステルアクリレート樹脂(ソマール工業(株)製
商品名ソマコートTF−232) 100質量部
光重合開始剤(チバガイギー(株)製 商品名イルガキュアー184)
6質量部
酢酸エチル 60質量部
トルエン 40質量部
バックコート層2塗布組成物
アセトン 30質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
ジアセチルセルロース 0.5質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル200V)
(日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
バックコート層3塗布組成物
アセトン 30質量部
酢酸エチル 40質量部
イソプロピルアルコール 15質量部
ジアセチルセルロース 0.4質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル200V)
(日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
〔偏光板1〜40の作製〕
反射防止フィルム1〜40について反射防止層の面にアルカリから保護するためにポリエチレンフィルムを貼り付け60℃の2mol/LのNaOH水溶液に60秒浸漬後、その後常温水で水洗して、80℃で乾燥しそれぞれの片面鹸化処理したフィルムを得た。
【0415】
セルロースエステルフィルム(KC8UCR、コニカ(株)製)についても同様に鹸化処理を行った。
【0416】
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺の偏光膜を得た。この偏光膜の片面に、上記鹸化処理した反射防止フィルムの鹸化処理面を、完全鹸化型のポリビニルアルコール5質量%水溶液接着剤で貼り合わせ同様に反対の面には鹸化されたセルロースエステルフィルムを貼り合わせ、偏光板1〜40を得た。
【0417】
尚、前記得られたロール状反射防止フィルム1〜40(試料1〜40)のナーリング高さ、インピーダンス、動摩擦係数、接触角等の物理的特性は前記詳細な説明で述べた方法で測定、かつ、下記の評価を行った。その結果を表2〜5に示す。
【0418】
上記の偏光板1〜40(試料1〜40)について、色ムラの評価を行った。
《長期保管性の評価》
ロール状に巻き取った反射防止フィルムを、埃付着防止のためポリエチレンシートで覆い、そのまま高温高湿となる倉庫内で長期間保管した。25〜40℃、65〜80%RHで3ヶ月間保管後に、ロール表面の巻き形状の劣化、反射防止層面の白濁を目視により確認した。
【0419】
○:ロール表面に亀の甲羅模様のような凹凸模様や白濁が認められない。
△:ロール表面に亀の甲羅模様のような凹凸模様や白濁がわずかに認められ、表面側のごく一部を切除しなければならない。
【0420】
×:ロール表面に亀の甲羅模様のような凹凸模様が認められ、白濁している部分も認められ、表面側のかなりの部分を切除しなければならない。
【0421】
偏光板を作製し、目視により確認できる斑点むらの有無を確認した。
《斑点むらの効果》
○:偏光板に斑点状のむらが認めらない
△:偏光板にわずかに斑点状のむらが認められる
×:偏光板に斑点状のむらは認められない
《反射光の色ムラの評価》(色ムラの評価)
市販の液晶表示装置(VL−150SD 富士通(株)製))の両面の偏光板を注意深くはがし、ここに作製した偏光板を偏光軸が同じとなるように貼り付けて、画面を黒表示し目視で評価し、下記のように5段階のランク評価を行った。Aが最も良い。
【0422】
A:反射光の色調変化がほとんど認められない
B:部分的に反射光の色調変化がわずかに認められる
C:部分的に反射光の色調変化が認められる
D:全体的に反射光の色調変化が認められる
E:全体的に反射光の大きな色調変化が認められる
Cランク以上のものが実用可である。
【0423】
【表2】
Figure 2004258469
【0424】
【表3】
Figure 2004258469
【0425】
【表4】
Figure 2004258469
【0426】
【表5】
Figure 2004258469
【0427】
【発明の効果】
実施例で実証した如く、本発明により、長期保管性に優れ擦り傷が少なく、且つ、反射光の色ムラのない反射防止フィルム、反射防止フィルムの製造方法、前記反射防止フィルムを用いた偏光板及び、表示装置を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
【図2】本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図3】図2に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【図4】角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の長尺フィルムが有するナーリング高さの一形態を各々示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
20 電圧印加手段
21 第1電源
22 第2電源[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an antireflection film, a method for manufacturing the antireflection film, a polarizing plate, and a display device.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the development of thin and lightweight notebook personal computers has progressed, and accordingly, there has been an increasing demand for thinner and higher performance protective films for polarizing plates used in display devices such as liquid crystal display devices. In addition, a computer provided with an anti-reflection layer for improving visibility, or preventing reflection, and providing an anti-glare layer that scatters reflected light by making the surface uneven to obtain display performance with less glare. Liquid crystal image display devices (liquid crystal displays and the like) such as word processors have been increasingly used.
[0003]
The anti-reflection layer is improved in various types and performance depending on the application. By bonding various front plates with these functions to the polarizer of the liquid crystal display, etc., the anti-reflection layer is applied to the display to improve visibility. A method of imparting a function is used. (See, for example, Patent Document 1.) These optical films used as the front plate are often provided with an antireflection layer formed by coating, vapor deposition, sputtering, or the like.
[0004]
As a method for forming the antireflection layer, a method using an atmospheric pressure plasma treatment method or the like has been proposed.
[0005]
However, a metal compound layer formed by ordinary plasma treatment has poor long tube preservability, has many spots, and has color unevenness of reflected light.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 2002-182005 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an antireflection film, a method of manufacturing an antireflection film, a polarizing plate, and a display device which are excellent in long tube preservability, have no spot unevenness, and have no color unevenness of reflected light.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention is achieved by the following configurations.
[0009]
1. At least one surface of a long base film (hereinafter, also referred to as a long film, a base film, or a base material) is subjected to a plasma treatment in a near-atmospheric atmosphere or an atmosphere at or above an atmospheric pressure containing nitrogen as a main component. And the back surface of the long base film having the metal compound layer has fine irregularities, and the absolute value of impedance at a frequency of 20 Hz is 4 × 105An antireflection film, wherein an antifouling layer having a contact angle of pure water of 90 ° or more is provided on the metal compound layer on a long substrate film having a resistance of Ω or more.
[0010]
2. 2. The anti-reflection film as described in 1 above, wherein the anti-reflection film has knurling at a height of 4 to 20 [mu] m at both lateral ends.
[0011]
3. An antifouling layer is provided on a metal compound layer containing silicon oxide as a main component, which is formed by plasma treatment in an atmosphere near or above atmospheric pressure containing nitrogen as a main component. 3. The antireflection film according to 1 or 2.
[0012]
4. 4. The antireflection film according to any one of the above items 1 to 3, wherein the antifouling layer contains a silicon compound or a fluorine compound.
[0013]
5. The antireflection film according to any one of the above items 1 to 4, wherein the rear surface of the long base film has irregularities with a coefficient of dynamic friction of 0.7 or less.
[0014]
6. A polarizing plate, comprising the antireflection film according to any one of the above items 1 to 5.
[0015]
7. A display device using the anti-reflection film according to any one of the above items 1 to 5, or the polarizing plate according to the sixth embodiment.
[0016]
8. When producing the antireflection film according to any one of the above 1 to 5, the atmospheric pressure plasma treatment supplies a gas containing nitrogen as a main component between the first electrode and the second electrode facing each other, The gas is excited by applying a high-frequency voltage between the first electrode and the second electrode, and the metal compound layer is formed on the base film by exposing the long base film to the excited gas. And forming the high-frequency voltage at a first frequency ω1And the first frequency ω1Higher second frequency ω2A method for producing an antireflection film, comprising a component obtained by superimposing a voltage component on a film.
[0017]
That is, the present inventors have conducted various studies on the above-described problems, and as a result, as described in claim 1, at least one surface of the long base film has a hard coat layer and a large size containing nitrogen as a main component. It has a metal compound layer formed by plasma treatment in an atmosphere near atmospheric pressure or above atmospheric pressure, the back surface of a long base film having the metal compound layer has fine irregularities, and impedance at a frequency of 20 Hz. The absolute value of 4 × 105By providing an antifouling layer having a contact angle of pure water of 90 ° or more on the metal compound layer on the substrate film having a resistance of Ω or more, the effect described in the present invention, that is, excellent long-tube storage property, It has been found that an antireflection film having no unevenness and no unevenness in color of reflected light can be obtained.
[0018]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The metal compound layer according to the present invention refers to a metal oxide layer, a metal nitride layer, a metal carbide layer, a metal oxynitride layer, and a metal oxycarbonitride layer.
[0019]
For example, when M is a metal atom,
MOxCyNz: Preferred examples include compounds represented by x = 1 to 2, y = 0 to 0.5, z = 0 to 0.5, and the like.
[0020]
M is a metal atom and is not particularly limited. For example, Ti, Si, Zr, Zn, Sn, In, and the like are particularly preferable.
[0021]
These compounds can be formed by atmospheric pressure plasma treatment in an atmosphere containing nitrogen as a main component.
[0022]
《Anti-fouling layer》
The antifouling layer of the present invention will be described.
[0023]
In order to impart practically sufficient abrasion resistance to the antireflection film of the present invention, it is essential to provide an antifouling layer having a contact angle of 90 ° or more with pure water on the metal compound layer. For further improvement, the contact angle of pure water is preferably adjusted in the range of 90 ° to 180 °, and more preferably adjusted in the range of 95 ° to 130 °.
[0024]
(Measurement method of contact angle)
Using a pure water as a contact angle measuring liquid, in a clean room humidified at 23 ° C. and 55% RH, put a drop from a syringe on the film surface and drop using a contact angle measuring device (manufactured by FIBLO). The contact angle after 2 seconds was measured.
[0025]
(Preparation of antifouling layer)
The method for producing the antifouling layer of the present invention will be described.
[0026]
The antifouling layer of the present invention is provided by coating on the metal compound layer located on the uppermost layer as described in claim 1, but contains a silicon compound or a fluorine compound as described in claim 4. Is preferred.
[0027]
The method for applying the antifouling layer of the present invention is not particularly limited. For example, a fluorine-based silane coupling agent can be applied on a metal compound layer by a coating apparatus such as a microgravure coater and dried to be provided. .
[0028]
Coating methods applicable to the present invention include spinner coat, doctor coat, extrusion coat, slide coat, roll coat, gravure coat, wire bar coat, reverse coat, curtain coat, extrusion coat, micro gravure coater, and US Patent No. Known methods such as an extrusion coating method and an ink jet method using a hopper described in Japanese Patent No. 2,681,294, but the present invention is not limited thereto.
[0029]
Examples of commercially available fluorine-based silane coupling agents include a coating agent “KP-801M” manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.
[0030]
Also disclosed in JP-A-2000-119304, JP-A-2000-119355 and JP-A-2001-151831, etc., are hybrid films prepared by coating a solution prepared by dissolving a mixture of a silicon compound and a fluorine compound in an organic solvent or the like and coating the solution. It is applicable as the antifouling layer of the present invention.
[0031]
Further, the antifouling layer preferably has a dynamic friction coefficient of 0.3 or less, more preferably adjusted to a range of 0.05 to 0.3.
[0032]
The antifouling layer of the present invention can be provided by coating fine particles of a silicon compound such as silicon oxide or fine particles of a fluorine-containing compound, and is particularly preferably one of the following general formulas (2) to (5). An antifouling layer having a refractive index of 1.35 to 1.55 formed by applying and drying a coating solution containing a monomer, oligomer or a mixture thereof of the organic silicon compound represented by the formula (1) is preferable.
[0033]
General formula (2) Si (OR2)4
General formula (3) Si-X4
General formula (4) R3-Si (OR2)3
General formula (5) R3-Si-X3
Where R2Is an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms, R3Represents a methyl group or an ethyl group, and X represents a halogen atom.
[0034]
Preferred organic silicon compounds include tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, and the like. An oligomer is obtained. The hydrolysis reaction can be performed by a known method.For example, a predetermined amount of water is added to the above tetraalkoxysilane, and in the presence of an acid catalyst, while distilling off by-produced alcohol, usually at room temperature to room temperature. React at 100 ° C. By this reaction, the alkoxysilane is hydrolyzed, followed by a condensation reaction, and a liquid silicate oligomer having two or more hydroxyl groups (usually having an average degree of polymerization of 2 to 8, preferably 3 to 6) as a hydrolyzate Obtainable. The degree of hydrolysis can be appropriately adjusted depending on the amount of water used, but in the present invention, it is 40% by mass to 90% by mass, preferably 60% by mass to 80% by mass. Here, the degree of hydrolysis is determined by adding a half of the theoretical amount of water required to hydrolyze all the alkoxyl groups, that is, half the number of alkoxyl groups in the case of tetraalkoxysilane. When the hydrolysis rate is 100%,
Hydrolysis rate (%) = (actual amount of water added / theoretical amount of hydrolysis) × 100
Is required.
[0035]
The silicate oligomer thus obtained usually contains a monomer in an amount of about 2% by mass to 10% by mass. In the present invention, it may be used in a monomer state, an oligomer state, or a mixture of a monomer and an oligomer. However, when the monomer is contained, the storage stability is poor, and the viscosity increases during storage. However, since it may be difficult to form a film, it is preferable to remove the monomer by flash distillation or vacuum distillation so that the monomer content is 1% by mass or less, preferably 0.3% by mass or less. .
[0036]
In the present invention, a partial hydrolyzate obtained by adding a catalyst and water to tetraalkoxysilane as described above is used, but it is preferable to use a complete hydrolyzate. A solvent is added to the hydrolyzate, and then a cured hydrolyzate is obtained by, for example, adding the following curing catalyst and water. As such a solvent, methanol, ethanol, isopropanol, n-butanol, isobutanol, octanol and the like are preferably used alone or in combination of two or more.
[0037]
The amount of the solvent is 50 parts by mass to 400 parts by mass, preferably 100 parts by mass to 250 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the partial hydrolyzate.
[0038]
(Curing catalyst)
Examples of the curing catalyst include acids, alkalis, organic metals, metal alkoxides, and the like. In the present invention, an acid, particularly an organic acid having a sulfo group (also referred to as a sulfonic acid group) or a carboxyl group is preferably used. For example, acetic acid, polyacrylic acid, benzenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, methylsulfonic acid and the like are used. The organic acid is more preferably a compound having a hydroxyl group and a carboxyl group in one molecule. For example, hydroxydicarboxylic acid such as citric acid or tartaric acid is used. Further, the organic acid is more preferably a water-soluble acid. For example, in addition to the citric acid and tartaric acid, levulinic acid, formic acid, propionic acid, malic acid, succinic acid, methylsuccinic acid, fumaric acid, oxaloacetic acid, pyruvine Acid, 2-oxoglutaric acid, glycolic acid, D-glyceric acid, D-gluconic acid, malonic acid, maleic acid, oxalic acid, isocitric acid, lactic acid and the like are preferably used. In addition, benzoic acid, hydroxybenzoic acid, atrobic acid and the like can also be used as appropriate.
[0039]
By using the above-mentioned organic acid, sulfuric acid, hydrochloric acid, nitric acid, hypochlorous acid, the use of inorganic acids such as boric acid not only can eliminate concerns about pipe corrosion and safety at the time of production, but also during hydrolysis. A stable hydrolyzate can be obtained without causing gelation. The amount added is 0.1 to 10 parts by mass, preferably 0.2 to 5 parts by mass, per 100 parts by mass of the partial hydrolyzate. Further, the amount of water to be added may be at least an amount at which the partial hydrolyzate can theoretically hydrolyze 100%, and it is preferable to add 100% to 300% equivalent, preferably 100% to 200% equivalent. Good.
[0040]
The coating composition for an antifouling layer thus obtained is extremely stable.
(Aging process)
Further, in the present invention, by the aging step, the crosslinking by hydrolysis and condensation of the organosilicon compound sufficiently proceeds, and the properties of the obtained coating film become excellent. The aging may be performed by allowing the oligomer liquid to stand, and the leaving time is a time during which the above-mentioned crosslinking proceeds to an extent sufficient to obtain desired film properties. Specifically, depending on the type of catalyst used, 1 hour or more at room temperature for hydrochloric acid and several hours or more for maleic acid, about 8 hours to 1 week, are sufficient, usually about 3 days. The ripening temperature affects the ripening time, and it may be better to take a means of heating to around 20 ° C. in extremely cold regions. In general, aging proceeds rapidly at high temperatures, but gelation occurs when heated to 100 ° C. or higher. Therefore, heating to 50 to 60 ° C. at most is appropriate. The silicate oligomer used in the present invention is, in addition to the above, a modified product modified with an organic compound (monomer, oligomer, polymer) having a functional group such as an epoxy group, an amino group, an isocyanate group, and a carboxyl group. And it may be used alone or in combination with the above silicate oligomer.
[0041]
In this way, the silicate oligomer of the organosilicon compound represented by the general formulas (2), (3), (4) and (5) is obtained.2The content is 1% by mass to 100% by mass, preferably 10% by mass to 99% by mass.
[0042]
Composition 1 described below is also particularly preferably used as a silicon compound.
The composition preferably has the following components (A), (B), (C) and (D).
[0043]
<Composition 1>
1) Component (A)
General formula (A) CF3(CF2) M (CH2) NSiRpX3-P
(In the formula, R represents a substituted or unsubstituted monovalent hydrocarbon group, X represents a hydrolyzable group, m represents an integer of 0 to 10, n represents an integer of 2 to 10, and p represents an integer of 0 to 2. 0.05) to 10.0% by mass of a compound represented by the formula:
2) Component (B)
General formula (b) R1qSiY4-q
(Where R1Are the same or different unsubstituted monovalent hydrocarbon groups, Y is a hydrolyzable group, and q is an integer of 1 to 3)
3) Component (C)
Hydrolysis catalyst: 0.001 to 10.0% by mass,
4) Component (D)
Organic solvent: a composition containing 2.0 to 99.8% by mass.
[0044]
However, it is preferable that component (A) + component (B) + component (C) + component (D) = 100%.
[0045]
Specifically, the component (A) used in the antifouling layer of the present invention is a fluoroalkyl group-containing alkoxysilane component represented by the general formula (A).
[0046]
In the general formula (A), R represents a substituted or unsubstituted monovalent hydrocarbon group, for example, an alkyl group such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a hexyl group; Each cycloalkyl group such as alkenyl group, cyclopentyl group and cyclohexyl group, each cycloalkenyl group such as cyclohexenyl group and cyclo-2,4-hexadienyl group, each aryl group such as phenyl group and tolyl group, benzyl group, phenylethyl And aralkyl groups such as a group and styryl group, or those in which a part of these groups are substituted with a halogen atom, an amino group, a hydroxyl group, an alkoxy group, or the like. Among them, an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms and an aryl group are preferable, and an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms is particularly preferable.
[0047]
X represents a hydrolyzable group; a methoxy group, an ethoxy group, an isopropoxy group, an n-propoxy group, an n-butoxy group and other alkoxy groups and an aminooxy group, a ketoxime group, an acetoxy group, an amide group, and an alkenyloxy group. And the like. Among them, an alkoxy group is preferable, and a methoxy group and an ethoxy group are particularly preferable.
[0048]
In the fluoroalkyl group of the component (A), m is an integer of 0 to 10, preferably 4 to 8. N is an integer of 2 to 10, and is preferably 2 from the viewpoint of ease of synthesis of the obtained raw material. In the component (A), p is an integer of 0 to 2, and is preferably 0 or 1.
[0049]
As the component (A), specifically, CF3CH2CH2Si (OCH3)3, CF3(CF2)5CH2CH2Si (OCH3)3, CF3(CF2)7CH2CH2Si (OCH3)3, CF3(CF2)7CH2CH2Si (OC2H5)3, CF3CH2CH2Si (CH3) (OCH3)2, CF3(CF2)5CH2CH2Si (CH3) (OCH3)2, CF3(CF2)7CH2CH2Si (CH3) (OCH3)2And the like.
[0050]
The compounding amount of the component (A) is preferably 0.05 to 10.0% by mass in the composition (all components (component (A), component (B), component (C), component (D))). , More preferably 0.2 to 5.0% by mass.
[0051]
The component (B) used in the antifouling layer of the present invention is a hydrocarbon group-containing alkoxysilane represented by the general formula (B).
[0052]
In the general formula (B), R1Represents the same or different unsubstituted monovalent hydrocarbon groups, for example, methyl group, ethyl group, propyl group, each alkyl group such as hexyl group, vinyl group, each alkenyl group such as allyl group, cyclopentyl group, Each cycloalkyl group such as cyclohexyl group, cyclohexenyl group, each cycloalkenyl group such as cyclo-2,4-hexadienyl group, each aryl group such as phenyl group and tolyl group, benzyl group, phenylethyl group, styryl group, etc. Each aralkyl group is exemplified. Among these, an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms is preferable, and an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms is particularly preferable.
[0053]
Further, Y is a hydrolyzable group and has the same meaning as X in the general formula (A). Among them, an alkoxy group is preferable, and a methoxy group and an ethoxy group are particularly preferable.
[0054]
In the component (B), q is preferably an integer of 1 to 3, more preferably 2 or 3, and particularly preferably 2.
[0055]
As the component (B), specifically, for example, CH3Si (OCH3)3, (CH3)2Si (OCH3)2, (CH3)3Si (OCH3), (CH3)2Si (OC2H5)2, (C4H9) (CH3) Si (OCH3)2, (C4H9) (CH3)2Si (OCH3), (C6HThirteen) Si (OCH3)3, (C6HThirteen) (CH3) Si (OCH3)2, (C6HThirteen) (CH3)2Si (OCH3), (C18H37) (CH3) Si (OCH3)2, (C18H37) (CH3)2Si (OCH3), (CH3)3CSi (CH3)2(OCH3) Is exemplified.
[0056]
The compounding amount of the component (B) is preferably 0.05 to 10.0% by mass, more preferably 0.2 to 5.0% by mass in the composition of the present invention.
[0057]
The component (C) used in the antifouling layer of the present invention serves as a catalyst for hydrolyzing the components (A) and (B), and includes inorganic acids such as hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, and phosphoric acid, formic acid, acetic acid, and the like. Organic acids such as propionic acid, oxalic acid, sulfonic acid, acetic anhydride, and benzoic acid, ammonia, inorganic bases such as sodium hydroxide and potassium hydroxide, and organic bases such as ethylenediamine and triethanolamine. Organic acids are preferred, and hydrochloric acid and nitric acid are particularly preferred.
[0058]
The compounding amount of the component (C) is preferably 0.001 to 10.0% by mass, more preferably 0.01 to 5.0% by mass, and particularly preferably 0.2 to 10.0% by mass in the composition of the present invention. 2.0% by mass. If the amount is less than 0.001% by mass, the hydrolysis rate of the component (A) and the component (B) is insufficient, so that the antifouling layer intended for the present invention cannot be obtained. A problem occurs in the long-term storage property, which is the object of the present invention.
[0059]
Component (D) used in the antifouling layer of the present invention dissolves and disperses each component, and includes methanol, ethanol, isopropyl alcohol, n-propyl alcohol, n-butyl alcohol, t-butyl alcohol, methoxypropanol and the like. Alcohols, ether alcohols such as ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, tetrahydrofuran, dioxane, etc., ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, diethyl ketone, methyl acetate, ethyl acetate , Each ester such as n-butyl acetate, n-hexane, gasoline, rubber volatile oil, mineral spirit, each aliphatic hydrocarbon such as kerosene, benzene, toluene, various aromatic hydrocarbons such as xylene, Kuta tetramethyl cyclotetrasiloxane, decamethylcyclopentasiloxane, hexamethyldisiloxane, each volatile silicone such as octamethyltrisiloxane. Among them ether alcohols and alcohols are preferred, isopropyl alcohol.
[0060]
Two or more organic solvents of component (D) may be used in combination. For example, those having a boiling point of less than 100 ° C., such as methanol, ethanol and isopropyl alcohol, and those having a boiling point of propylene glycol monomethyl ether, n-butyl alcohol, etc. It is preferable to use those having a boiling point of 60 to 98 ° C and those having a boiling point of 100 to 160 ° C in combination.
[0061]
When used in combination, the ratio of the low-boiling solvent to the high-boiling solvent is preferably such that the high-boiling solvent is 2 to 50% by mass, especially 5 to 20% by mass in the organic solvent.
[0062]
The compounding amount of the component (D) is 2.0 to 99.8% by mass, preferably 50.0 to 98.0% by mass.
[0063]
Further, the antifouling layer of the present invention can contain fine particles. In particular, it is preferable to contain fine particles having a particle size of 0.1 μm or less.
[0064]
For example, Aerosil 200V (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) or the like can be added. Particularly, silicon oxide fine particles whose surface is modified with an alkyl group are preferably used. For example, silicon oxide fine particles whose surface is modified with a methyl group, which are commercially available as Aerosil R972 and R972V (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.), are preferably used. Can be added. In addition, silicon oxide fine particles having a surface substituted with an alkyl group described in JP-A-2001-2799 can also be used, and can be easily treated with an alkylsilane coupling agent after the hydrolysis of the aforementioned silicate oligomer. Obtainable. It is preferable that the amount added is in the range of 0.1% by mass to 40% by mass in terms of the solid content ratio in the antifouling layer.
[0065]
The antifouling layer of the present invention preferably further contains a silane compound described below, specifically, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, n-propyltrisilane. Methoxysilane, n-propyltriethoxysilane, i-propyltrimethoxysilane, i-propyltriethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, 3,4-epoxycyclohexylethyltrimethoxy Silane, 3,4-epoxycyclohexyl ethyl trimethoxy silane, CF3CH2CH2Si (OCH3)3, C2F5CH2CH2Si (OCH3)3, C2F5OCH2CH2CH2Si (OCH3)3, C3F7OCH2CH2CH2Si (OC2H5)3, (CF3)2CHOCH2CH2CH2Si (OCH3)3, C4F9CH2OCH2CH2CH2Si (OCH3)3, H (CF2)4CH2OCH2CH2CH2Si (OCH3) 3,3- (Perfluorocyclohexyloxy) propyltrimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, methylphenyldimethoxysilane, diethyldimethoxysilane, diethyldiethoxysilane, di-n-propyldimethoxysilane, di-n -Propyldiethoxysilane, di-i-propyldimethoxysilane, di-i-propyldiethoxysilane, diphenyldimethoxysilane, divinyldiethoxysilane, (CF3CH2CH2)2Si (OCH3)2, (C3F7OCH2CH2CH2)2Si (OCH3)2, [H (CF2)6CH2OCH2CH2CH2]2Si (OCH3)2, (C2F5CH2CH2)2Si (OCH3)2, Methyltriphenoxysilane, methyltribenzyloxysilane, methyltriphenethyloxysilane, glycidoxymethyltrimethoxysilane, glycidoxymethyltriethoxysilane, α-glycidoxyethyltrimethoxysilane, α-glycidoxyethyl Triethoxysilane, β-glycidoxyethyltrimethoxysilane, β-glycidoxyethyltriethoxysilane, α-glycidoxypropyltrimethoxysilane, α-glycidoxypropyltriethoxysilane, β-glycidoxypropyl Trimethoxysilane, β-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltripropoxysilane, γ-glycidoxypropyl Ributoxysilane, γ-glycidoxypropyltriphenoxysilane, α-glycidoxybutyltrimethoxysilane, α-glycidoxybutyltriethoxysilane, β-glycidoxybutyltriethoxysilane, γ-glycidoxybutyl Trimethoxysilane, γ-glycidoxybutyltriethoxysilane, δ-glycidoxybutyltrimethoxysilane, δ-glycidoxybutyltriethoxysilane, (3,4-epoxycyclohexyl) methyltrimethoxysilane, (3, 4-epoxycyclohexyl) methyltriethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltriethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) Ethyltripropoxysilane, -(3,4-epoxycyclohexyl) ethyltributoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltriphenoxysilane, γ- (3,4-epoxycyclohexyl) propyltrimethoxysilane, γ- (3,4 -Epoxycyclohexyl) propyltriethoxysilane, δ- (3,4-epoxycyclohexyl) butyltrimethoxysilane, δ- (3,4-epoxycyclohexyl) butyltriethoxysilane, glycidoxymethylmethyldimethoxysilane, glycidoxy Methylmethyldiethoxysilane, α-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxyethylmethyldiethoxysilane, β-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, β-glycidoxyethylethyldimethoxysilane, α-glycidoxy Propylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, β-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, β-glycidoxypropylethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-gly Sidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldipropoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldibutoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiphenoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldimethoxysilane , Γ-glycidoxypropylethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropylvinyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylvinyldiethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, vinyltri Toxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltriacetoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, phenyltriacetoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, γ-chloropropyltriacetoxysilane 3,3,3-trifluoropropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, β-cyanoethyltriethoxysilane, chloromethyltrimethoxy Silane, chloromethyltriethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropyltrimethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropylmethyldimethoxy Orchid, γ-aminopropylmethyldimethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropyltriethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropylmethyldiethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, phenylmethyldimethoxy Silane, dimethyldiethoxysilane, phenylmethyldiethoxysilane, γ-chloropropylmethyldimethoxysilane, γ-chloropropylmethyldiethoxysilane, dimethyldiacetoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyl Diethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptomethyldiethoxysilane, methylvinyldimethoxysilane, methylvinyldiethoxysilane, glycidoxymethyl Methoxysilane, glycidoxymethyltriethoxysilane, α-glycidoxyethyltrimethoxysilane, α-glycidoxyethyltriethoxysilane, β-glycidoxyethyltrimethoxysilane, β-glycidoxyethyltriethoxysilane Α-glycidoxypropyltrimethoxysilane, α-glycidoxypropyltriethoxysilane, β-glycidoxypropyltrimethoxysilane, β-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltripropoxysilane, γ-glycidoxypropyltributoxysilane, γ-glycidoxypropyltriphenoxysilane, α-grid Sidoxybutyltrimethoxysilane, α-glycidoxybutyltriethoxysilane, β-glycidoxybutyltriethoxysilane, γ-glycidoxybutyltrimethoxysilane, γ-glycidoxybutyltriethoxysilane, δ-gly Sidoxybutyltrimethoxysilane, δ-glycidoxybutyltriethoxysilane, glycidoxymethylmethyldimethoxysilane, glycidoxymethylmethyldiethoxysilane, α-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxyethyl Methyldiethoxysilane, β-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, β-glycidoxyethylethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, β-glycid Xypropyl Tyldimethoxysilane, β-glycidoxypropylethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldipropoxysilane, γ-glycid Xypropylmethyldibutoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiphenoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropylvinyldimethoxysilane, γ -Glycidoxypropylvinyldiethoxysilane and the like, and these can be used alone or in combination of two or more. A silane coupling agent other than these can also be added.
[0066]
(solvent)
As the solvent used for the coating solution when the antifouling layer according to the present invention is applied, a non-fluorinated solvent is preferably used.
[0067]
Specifically, for example, alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, 2-propanol and butanol; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone and cyclohexanone; aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene and xylene; ethylene glycol; Glycols such as propylene glycol and hexylene glycol; glycol ethers such as ethyl cellosolve, butyl cellosolve, ethyl carbitol, butyl carbitol, diethyl cellosolve, diethyl carbitol and propylene glycol monomethyl ether; N-methylpyrrolidone; Examples thereof include dimethylformamide, methyl lactate, ethyl lactate, and water, and these can be used alone or in combination of two or more. In particular, by using at least one solvent having a boiling point of 120 to 180 ° C. at 1 atm and a vapor pressure of 2.3 kPa or less at 20 ° C. in the coating liquid, the curing rate is appropriately slowed, and the cloudiness after coating is reduced. This can eliminate coating unevenness and improve the pot life of the coating liquid. Those having an ether bond in the molecule are particularly preferred, and glycol ethers are more preferred.
[0068]
The glycol ethers specifically include the following solvents, but are not particularly limited thereto. The boiling point at 1 atm and the vapor pressure at 20 ° C. are shown after the solvent name.
[0069]
Figure 2004258469
[0070]
Particularly preferably, the glycol ethers include propylene glycol mono (C1~ C4) Alkyl ether, propylene glycol mono (C1~ C4) Alkyl ether esters, and specific examples include propylene glycol monomethyl ether (PGME), propylene glycol monoethyl ether, propylene glycol mono n-propyl ether, propylene glycol monoisopropyl ether, and propylene glycol monobutyl ether. In addition, propylene glycol mono (C1~ C4Examples of the alkyl ether ester include propylene glycol monoalkyl ether acetate, specifically, propylene glycol monomethyl ether acetate, propylene glycol monoethyl ether acetate, and the like. These solvents are preferably added to the coating liquid in an amount of 1% by mass to 90% by mass of the total organic solvent.
[0071]
The antifouling layer of the present invention preferably contains various leveling agents, surfactants, and low surface tension substances such as silicone oil. Specific examples of the silicone oil include the compounds shown in Table 1.
[0072]
[Table 1]
Figure 2004258469
[0073]
These components enhance the applicability to the uneven layer and the lower layer, and further enhance the water repellency, oil repellency, and antifouling properties of the coating film, and also exert an effect on the scratch resistance of the surface. If these components are added in too large an amount, they may cause cissing at the time of coating. Therefore, it is preferable to add 0.01 to 3% by mass of the solid components in the coating solution.
[0074]
After application of the antifouling layer according to the present invention, it is preferable to irradiate active energy rays in order to promote hydrolysis or curing of the composition containing the metal alkoxide.
[0075]
The active energy ray used in the present invention can be used without limitation as long as it is an energy source for activating the compound, such as ultraviolet rays, electron rays, and γ rays. Ultraviolet rays are preferred in that they can be easily obtained. As a light source of ultraviolet rays for photopolymerizing the ultraviolet reactive compound, any light source that generates ultraviolet rays can be used. For example, a low-pressure mercury lamp, a medium-pressure mercury lamp, a high-pressure mercury lamp, an ultra-high-pressure mercury lamp, a carbon arc lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, and the like can be used. Further, an ArF excimer laser, a KrF excimer laser, an excimer lamp, synchrotron radiation, or the like can be used. Irradiation conditions are different for each lamp, but the amount of irradiation is 20 mJ / cm2-10,000mJ / cm2Is preferable, and more preferably, 100 mJ / cm2 to 2,000 mJ / cm.2And particularly preferably 400 mJ / cm.2~ 2,000mJ / cm2It is.
[0076]
Further, as the antifouling layer of the present invention, an antifouling layer formed by crosslinking a fluorine-containing resin that is crosslinked by heat or ionizing radiation (hereinafter, also referred to as “fluorinated resin before crosslinking”), an antifouling layer by a sol-gel method, In addition, an antifouling layer using particles and a binder polymer and having voids between particles or inside the particles is also preferably used. The refractive index of the antifouling layer is preferably low if the antireflection performance is improved, but is difficult from the viewpoint of imparting strength to the antifouling layer. From this balance, the refractive index of the antifouling layer is preferably from 1.30 to 1.50, and more preferably from 1.35 to 1.49.
[0077]
As the fluorine-containing resin before crosslinking, a fluorine-containing copolymer formed from a fluorine-containing vinyl monomer and a monomer for providing a crosslinking group can be preferably exemplified. Specific examples of the fluorine-containing vinyl monomer unit include, for example, fluoroolefins (for example, fluoroethylene, vinylidene fluoride, tetrafluoroethylene, hexafluoroethylene, hexafluoropropylene, perfluoro-2,2-dimethyl-1,3 -Dioxole, etc.), partially or fully fluorinated alkyl ester derivatives of (meth) acrylic acid (eg, Biscoat 6FM (manufactured by Osaka Organic Chemicals) and M-2020 (manufactured by Daikin)), fully or partially fluorinated vinyl ethers, etc. Is mentioned. Examples of the monomer for providing a crosslinkable group include glycidyl methacrylate, vinyl trimethoxysilane, γ-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, vinyl glycidyl ether, and other vinyl monomers having a crosslinkable functional group in the molecule in advance. , A vinyl monomer having a carboxyl group, a hydroxyl group, an amino group, a sulfonic acid group, etc. (for example, (meth) acrylic acid, methylol (meth) acrylate, hydroxyalkyl (meth) acrylate, allyl acrylate, hydroxyalkyl vinyl ether, hydroxyalkylallyl Ether and the like). JP-A-10-25388 and JP-A-10-147739 disclose that the latter can introduce a crosslinked structure by adding a compound having a group that reacts with a functional group in a polymer and one or more reactive groups after copolymerization. No. Examples of the crosslinkable group include acryloyl, methacryloyl, isocyanate, epoxy, aziridine, oxazoline, aldehyde, carbonyl, hydrazine, carboxyl, methylol, active methylene group and the like. When the fluorinated copolymer is crosslinked by heating, due to a crosslinkable group that reacts by heating, or a combination of an ethylenically unsaturated group and a thermal radical generator or an epoxy group and a thermal acid generator, a thermosetting type When cross-linking by irradiation of light (preferably ultraviolet light, electron beam, or the like) with a combination of an ethylenically unsaturated group and a photo radical generator or an epoxy group and a photo acid generator, it is a photo-curing type.
[0078]
Further, in addition to the above monomers, a fluorine-containing copolymer formed by using a fluorine-containing vinyl monomer and a monomer other than a monomer for providing a crosslinkable group in combination may be used as a fluorine-containing resin before crosslinking. There are no particular limitations on the monomers that can be used in combination, and for example, olefins (ethylene, propylene, isoprene, vinyl chloride, vinylidene chloride, etc.), acrylates (methyl acrylate, methyl acrylate, ethyl acrylate, acrylic acid 2- Ethylhexyl), methacrylates (methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, etc.), styrene derivatives (styrene, divinylbenzene, vinyltoluene, α-methylstyrene, etc.), vinyl ethers (methyl vinyl ether) ), Vinyl esters (vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl cinnamate, etc.), acrylamides (N-tertbutylacrylamide, N-cyclohexylacrylamide, etc.), methacrylamides, Ronitoriru derivatives and the like can be mentioned. It is also preferable to introduce a polyorganosiloxane skeleton or a perfluoropolyether skeleton into the fluorinated copolymer for imparting slipperiness and antifouling property. This includes, for example, polymerization of a polyorganosiloxane or perfluoropolyether having an acrylic group, a methacryl group, a vinyl ether group, a styryl group or the like at the terminal with the above-mentioned monomer, or a polyorganosiloxane or perfluoropolyether having a radical generating group at the terminal. It can be obtained by polymerization of the above monomers with ether, reaction of a polyorganosiloxane or perfluoropolyether having a functional group with a fluorinated copolymer, or the like.
[0079]
The proportion of each of the above monomers used to form the fluorinated copolymer before crosslinking is preferably such that the fluorinated vinyl monomer is 20 mol% to 70 mol%, more preferably 40 mol% to 70 mol%, The monomer for imparting a functional group is preferably 1 mol% to 20 mol%, more preferably 5 mol% to 20 mol%, and the other monomers used in combination are preferably 10 mol% to 70 mol%, more preferably 10 mol% to 70 mol%. Mol% to 50 mol%.
[0080]
The fluorinated copolymer can be obtained by polymerizing these monomers in the presence of a radical polymerization initiator by means such as solution polymerization, bulk polymerization, emulsion polymerization, and suspension polymerization.
[0081]
The fluorine-containing resin before crosslinking is commercially available and can be used. Examples of commercially available fluororesins before crosslinking include Cytop (manufactured by Asahi Glass), Teflon (R) AF (manufactured by Dupont), polyvinylidene fluoride, Lumiflon (manufactured by Asahi Glass), Opstar (manufactured by JSR), and the like. Can be
[0082]
The antifouling layer containing a crosslinked fluorine-containing resin as a component preferably has a dynamic friction coefficient in a range of 0.03 to 0.15 and a contact angle with pure water in a range of 90 to 120 degrees.
[0083]
It is preferable that the antifouling layer containing the crosslinked fluorine-containing resin as a component contains inorganic particles from the viewpoint of improving strength. As the inorganic fine particles used in the antifouling layer, amorphous fine particles are preferably used, and are preferably made of metal oxides, nitrides, sulfides or halides, and among them, metal oxides are particularly preferable. As metal atoms, Na, K, Mg, Ca, Ba, Al, Zn, Fe, Cu, Ti, Sn, In, W, Y, Sb, Mn, Ga, V, Nb, Ta, Ag, Si, B , Bi, Mo, Ce, Cd, Be, Pb and Ni are preferred, and Mg, Ca, B and Si are more preferred. Inorganic fine particles containing two or more metals may be used. Particularly preferred inorganic fine particles are silicon dioxide fine particles, that is, silica fine particles. The average particle diameter of the inorganic fine particles is preferably from 0.001 μm to 0.2 μm, and more preferably from 0.005 μm to 0.05 μm. It is preferable that the particle size of the fine particles is as uniform (monodispersed) as possible.
[0084]
The compounding amount of the inorganic fine particles is preferably from 5% by mass to 90% by mass, more preferably from 10% by mass to 70% by mass, particularly preferably from 10% by mass to 50% by mass of the total mass of the antifouling layer. % By mass. The inorganic fine particles are also preferably subjected to a surface treatment before use. As the surface treatment method, there are a physical surface treatment such as a plasma discharge treatment or a corona discharge treatment and a chemical surface treatment using a coupling agent, but the use of a coupling agent is preferable. As the coupling agent, an organoalkoxy metal compound (eg, a titanium coupling agent, a silane coupling agent, etc.) is preferably used. When the inorganic fine particles are silica, treatment with a silane coupling agent is particularly effective.
[0085]
Also, various sol-gel materials can be used as the material for the antifouling layer. As such a sol-gel material, metal alcoholates (alcoholates such as silane, titanium, aluminum and zirconium), organoalkoxy metal compounds and hydrolysates thereof can be used. In particular, alkoxysilanes, organoalkoxysilanes and hydrolysates thereof are preferred. Examples of these include tetraalkoxysilanes (tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, etc.), alkyltrialkoxysilanes (methyltrimethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, etc.), aryltrialkoxysilanes (phenyltrimethoxysilane, etc.), dialkyl Dialkoxysilane, diaryldialkoxysilane, and the like. Further, organoalkoxysilanes having various functional groups (vinyl trialkoxysilane, methylvinyl dialkoxysilane, γ-glycidyloxypropyl trialkoxysilane, γ-glycidyloxypropylmethyl dialkoxysilane, β- (3,4-epoxy) Dicyclohexyl) ethyl trialkoxysilane, γ-methacryloyloxypropyl trialkoxysilane, γ-aminopropyl trialkoxysilane, γ-mercaptopropyl trialkoxysilane, γ-chloropropyl trialkoxysilane, etc.), perfluoroalkyl group-containing silane compound ( For example, it is also preferable to use (heptadecafluoro-1,1,2,2-tetradecyl) triethoxysilane, 3,3,3-trifluoropropyltrimethoxysilane, or the like. In particular, the use of a fluorine-containing silane compound is preferable in terms of lowering the refractive index of the layer and imparting water / oil repellency.
[0086]
It is also preferable to use inorganic or organic fine particles as the antifouling layer, and to use a layer formed as microvoids between fine particles or within fine particles. The average particle diameter of the fine particles is preferably from 0.5 mm to 200 mm, more preferably from 1 nm to 100 nm, further preferably from 3 nm to 70 nm, and most preferably from 5 nm to 40 nm. The particle diameter of the fine particles is preferably as uniform (monodispersed) as possible.
[0087]
The inorganic fine particles are preferably amorphous. The inorganic fine particles are preferably made of metal oxide, nitride, sulfide or halide, more preferably made of metal oxide or metal halide, most preferably made of metal oxide or metal fluoride. . As metal atoms, Na, K, Mg, Ca, Ba, Al, Zn, Fe, Cu, Ti, Sn, In, W, Y, Sb, Mn, Ga, V, Nb, Ta, Ag, Si, B , Bi, Mo, Ce, Cd, Be, Pb and Ni are preferred, and Mg, Ca, B and Si are more preferred. An inorganic compound containing two kinds of metals may be used. A particularly preferred inorganic compound is silicon dioxide, ie, silica.
[0088]
The microvoids in the inorganic fine particles can be formed, for example, by crosslinking silica molecules forming the particles. Crosslinking silica molecules reduces the volume and makes the particles porous. The (porous) inorganic fine particles having microvoids can be obtained by a sol-gel method (described in JP-A-53-112732 and JP-B-57-9051) or a precipitation method (described in APPLIED OPTICS, vol. 27, p. 3356 (1988)). Can be directly synthesized as a dispersion. Further, the powder obtained by the drying / precipitation method can be mechanically pulverized to obtain a dispersion. Commercially available porous inorganic fine particles (for example, silicon dioxide sol) may be used. The inorganic fine particles having microvoids are preferably used in a state of being dispersed in an appropriate medium for forming an antifouling layer. As the dispersion medium, water, alcohol (eg, methanol, ethanol, isopropyl alcohol) and ketone (eg, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone) are preferable.
[0089]
Preferably, the organic fine particles are also amorphous. The organic fine particles are preferably polymer fine particles synthesized by a polymerization reaction of a monomer (for example, an emulsion polymerization method). The polymer of the organic fine particles preferably contains a fluorine atom. The ratio of fluorine atoms in the polymer is preferably from 35% by mass to 80% by mass, and more preferably from 45% by mass to 75% by mass. It is also preferable to form microvoids in the organic fine particles by, for example, crosslinking the polymer forming the particles and reducing the volume. In order to crosslink the polymer forming the particles, it is preferable that 20 mol% or more of the monomer for synthesizing the polymer is a polyfunctional monomer. The ratio of the polyfunctional monomer is more preferably from 30 mol% to 80 mol%, and most preferably from 35 mol% to 50 mol%. Examples of the monomer used for synthesizing the organic fine particles include fluoroolefins (for example, fluoroethylene, vinylidene fluoride, tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene) as examples of a monomer containing a fluorine atom used for synthesizing a fluorine-containing polymer. , Perfluoro-2,2-dimethyl-1,3-dioxole), fluorinated alkyl esters of acrylic acid or methacrylic acid and fluorinated vinyl ethers. A copolymer of a monomer containing a fluorine atom and a monomer not containing a fluorine atom may be used. Examples of monomers containing no fluorine atom include olefins (eg, ethylene, propylene, isoprene, vinyl chloride, vinylidene chloride), acrylates (eg, methyl acrylate, ethyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate) , Methacrylates (eg, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate), styrenes (eg, styrene, vinyltoluene, α-methylstyrene), vinyl ethers (eg, methyl vinyl ether), vinyl esters ( Examples include vinyl acetate, vinyl propionate), acrylamides (eg, N-tert-butylacrylamide, N-cyclohexylacrylamide), methacrylamides, and acrylonitriles. Examples of polyfunctional monomers include dienes (eg, butadiene, pentadiene), esters of polyhydric alcohol and acrylic acid (eg, ethylene glycol diacrylate, 1,4-cyclohexane diacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate), Esters of polyhydric alcohol and methacrylic acid (eg, ethylene glycol dimethacrylate, 1,2,4-cyclohexanetetramethacrylate, pentaerythritol tetramethacrylate), divinyl compounds (eg, divinylcyclohexane, 1,4-divinylbenzene), divinyl Sulfones, bisacrylamides (eg, methylenebisacrylamide) and bismethacrylamides.
[0090]
Microvoids between particles can be formed by stacking at least two or more fine particles. When spherical particles having the same particle size (completely monodispersed) are closest packed, microvoids between particles having a porosity of 26% by volume are formed. When spherical particles having the same particle size are simply cubic-filled, microvoids between particles having a porosity of 48% by volume are formed. In an actual antifouling layer, the porosity fluctuates considerably from the above theoretical value due to the particle size distribution of the fine particles and the presence of microvoids in the particles. Increasing the porosity lowers the refractive index of the antifouling layer. By forming microvoids by stacking fine particles and adjusting the particle size of the fine particles, the size of microvoids between particles can be easily adjusted to an appropriate value (does not scatter light and does not cause a problem in the strength of the antifouling layer) it can. Furthermore, by making the particle size of the fine particles uniform, an optically uniform antifouling layer in which the size of the microvoids between particles is also uniform can be obtained. Thus, the antifouling layer is a microvoided porous film microscopically, but can be an optically or macroscopically uniform film. The interparticle microvoids are preferably closed in the antifouling layer by the fine particles and the polymer. The closed space also has an advantage that light scattering on the surface of the antifouling layer is less than that of an opening opened on the surface of the antifouling layer.
[0091]
By forming the microvoids, the macroscopic refractive index of the antifouling layer has a value lower than the sum of the refractive indices of the components constituting the antifouling layer. The refractive index of a layer is the sum of the refractive indices per volume of the components of the layer. The refractive index of the components of the antifouling layer such as fine particles and polymer is greater than 1, while the refractive index of air is 1.00. Therefore, an antifouling layer having a very low refractive index can be obtained by forming microvoids.
[0092]
The antifouling layer preferably comprises the polymer in an amount of 5% to 50% by weight. The polymer has a function of adhering the fine particles and maintaining the structure of the antifouling layer including voids. The amount of the polymer used is adjusted so that the strength of the antifouling layer can be maintained without filling the voids. The amount of the polymer is preferably 10% by mass to 30% by mass of the total amount of the antifouling layer. In order to adhere the fine particles with the polymer, (1) bonding the polymer to the surface treating agent of the fine particles, (2) forming a polymer shell around the fine particles as a core, or (3) binder between the fine particles It is preferable to use a polymer. The polymer to be bonded to the surface treatment agent of (1) is preferably the shell polymer of (2) or the binder polymer of (3). It is preferable that the polymer (2) is formed around the fine particles by a polymerization reaction before preparing the coating solution for the antifouling layer. The polymer of (3) is preferably formed by adding a monomer to the coating solution for the antifouling layer and performing a polymerization reaction simultaneously with or after the application of the antifouling layer. It is preferable to carry out a combination of two or all of the above (1) to (3), and to carry out a combination of (1) and (3) or a combination of all (1) to (3). Particularly preferred.
(1) Surface treatment, (2) Shell and (3) Binder will be described sequentially.
[0093]
(1) Surface treatment
The fine particles (particularly, inorganic fine particles) are preferably subjected to a surface treatment to improve the affinity with the polymer. The surface treatment can be classified into a physical surface treatment such as a plasma discharge treatment and a corona discharge treatment, and a chemical surface treatment using a coupling agent. It is preferable to carry out only a chemical surface treatment or a combination of a physical surface treatment and a chemical surface treatment. As the coupling agent, an organoalkoxy metal compound (eg, a titanium coupling agent, a silane coupling agent) is preferably used. When the fine particles are made of silicon dioxide, surface treatment with a silane coupling agent can be particularly effectively performed. Specific examples of silane coupling agents include methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyltrimethoxyethoxysilane, methyltriacetoxysilane, methyltributoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, and vinyltriethoxysilane. Methoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltriacetoxysilane, vinyltrimethoxyethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, phenyltriacetoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, γ-chloropropyltriacetoxysilane, 3,3,3-trifluoropropyltrimethoxysilane, γ-glycidyloxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidyloxy Propyltriethoxysilane, γ- (β-glycidyloxyethoxy) propyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltriethoxysilane, γ-acryloyloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane and β-cyanoethyltriethoxysilane.
[0094]
Examples of silane coupling agents having a disubstituted alkyl group with respect to silicon include dimethyldimethoxysilane, phenylmethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, phenylmethyldiethoxysilane, and γ-glycidyloxypropylmethyldiethoxysilane. Γ-glycidyloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidyloxypropylphenyldiethoxysilane, γ-chloropropylmethyldiethoxysilane, dimethyldiacetoxysilane, γ-acryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-acryloyloxypropylmethyldimethoxysilane Ethoxysilane, γ-methacryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloyloxypropylmethyldiethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethyl Kishishiran, .gamma.-mercaptopropyl methyl diethoxy silane, .gamma.-aminopropyl methyl dimethoxy silane, .gamma.-aminopropyl methyl diethoxy silane, methyl vinyl dimethoxy silane, and methyl vinyl diethoxy silane.
[0095]
Among them, vinyltrimethoxysilane having a double bond in the molecule, vinyltriethoxysilane, vinyltriacetoxysilane, vinyltrimethoxyethoxysilane, γ-acryloyloxypropyltrimethoxysilane and γ-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, silicon Γ-acryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-acryloyloxypropylmethyldiethoxysilane, γ-methacryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloyloxypropylmethyldiethoxysilane, Methylvinyldimethoxysilane and methylvinyldiethoxysilane are preferred, and γ-acryloyloxypropyltrimethoxysilane and γ-methacryloyloxypropyl Particularly preferred are rutrimethoxysilane, γ-acryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-acryloyloxypropylmethyldiethoxysilane, γ-methacryloyloxypropylmethyldimethoxysilane and γ-methacryloyloxypropylmethyldiethoxysilane.
[0096]
Two or more coupling agents may be used in combination. Other silane coupling agents may be used in addition to the silane coupling agents shown above. Other silane coupling agents include alkyl esters of orthosilicic acid (e.g., methyl orthosilicate, ethyl orthosilicate, n-propyl orthosilicate, i-propyl orthosilicate, n-butyl orthosilicate, sec-butyl orthosilicate, ortho-silicate, T-butyl acid) and its hydrolyzate. The surface treatment with the coupling agent can be carried out by adding the coupling agent to the dispersion of fine particles and leaving the dispersion at a temperature from room temperature to 60 ° C. for several hours to 10 days. To promote the surface treatment reaction, inorganic acids (eg, sulfuric acid, hydrochloric acid, nitric acid, chromic acid, hypochlorous acid, boric acid, orthosilicic acid, phosphoric acid, carbonic acid), organic acids (eg, acetic acid, polyacrylic acid, Benzenesulfonic acid, phenol, polyglutamic acid), or salts thereof (eg, metal salts, ammonium salts) may be added to the dispersion.
[0097]
(2) Shell
The polymer forming the shell is preferably a polymer having a saturated hydrocarbon as a main chain. A polymer containing a fluorine atom in a main chain or a side chain is preferable, and a polymer containing a fluorine atom in a side chain is more preferable. Polyacrylates or polymethacrylates are preferred, and esters of fluorine-substituted alcohols with polyacrylic or polymethacrylic acid are most preferred. The refractive index of the shell polymer decreases as the content of fluorine atoms in the polymer increases. In order to reduce the refractive index of the antifouling layer, the shell polymer preferably contains 35% by mass to 80% by mass of fluorine atoms, and more preferably 45% by mass to 75% by mass. The polymer containing a fluorine atom is preferably synthesized by a polymerization reaction of an ethylenically unsaturated monomer containing a fluorine atom. Examples of ethylenically unsaturated monomers containing a fluorine atom include fluoroolefins (eg, fluoroethylene, vinylidene fluoride, tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene, perfluoro-2,2-dimethyl-1,3-dioxole), Esters of fluorinated vinyl ether and fluorine-substituted alcohol with acrylic acid or methacrylic acid.
[0098]
The polymer forming the shell may be a copolymer comprising a repeating unit containing a fluorine atom and a repeating unit containing no fluorine atom. The repeating unit containing no fluorine atom is preferably obtained by a polymerization reaction of an ethylenically unsaturated monomer containing no fluorine atom. Examples of the ethylenically unsaturated monomer containing no fluorine atom include olefins (eg, ethylene, propylene, isoprene, vinyl chloride, vinylidene chloride), acrylates (eg, methyl acrylate, ethyl acrylate, acrylic acid 2- Ethylhexyl), methacrylates (eg, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, ethylene glycol dimethacrylate), styrene and its derivatives (eg, styrene, divinylbenzene, vinyltoluene, α-methylstyrene), vinyl ether ( For example, methyl vinyl ether), vinyl ester (for example, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl cinnamate), acrylamide (for example, N-tertbutylacrylamide, N-cyclohexylacryl) Amides), methacrylamide and acrylonitrile.
[0099]
When the binder polymer of (3) described later is used in combination, a crosslinkable functional group may be introduced into the shell polymer, and the shell polymer and the binder polymer may be chemically bonded by crosslinking. The shell polymer may have crystallinity. When the glass transition temperature (Tg) of the shell polymer is higher than the temperature at the time of forming the antifouling layer, it is easy to maintain microvoids in the antifouling layer. However, if the Tg is higher than the temperature at the time of forming the antifouling layer, the fine particles may not be fused and the antifouling layer may not be formed as a continuous layer (as a result, the strength may decrease). In that case, it is desirable to use a binder polymer of (3) described later in combination and form the antifouling layer as a continuous layer with the binder polymer. By forming a polymer shell around the fine particles, core-shell fine particles are obtained. The core made of inorganic fine particles preferably contains 5 to 90% by volume of core fine particles, and more preferably 15 to 80% by volume. Two or more types of core-shell fine particles may be used in combination. Further, inorganic fine particles having no shell and core-shell particles may be used in combination.
[0100]
(3) Binder
The binder polymer is preferably a polymer having a saturated hydrocarbon or polyether as a main chain, and more preferably a polymer having a saturated hydrocarbon as a main chain. The binder polymer is preferably crosslinked. The polymer having a saturated hydrocarbon as a main chain is preferably obtained by a polymerization reaction of an ethylenically unsaturated monomer. In order to obtain a crosslinked binder polymer, it is preferable to use a monomer having two or more ethylenically unsaturated groups. Examples of the monomer having two or more ethylenically unsaturated groups include esters of polyhydric alcohol and (meth) acrylic acid (for example, ethylene glycol di (meth) acrylate, 1,4-diclohexanediacrylate, pentaerythritol Tetra (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolethanetri (meth) acrylate, dipentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate, Pentaerythritol hexa (meth) acrylate, 1,2,3-cyclohexanetetramethacrylate, polyurethane polyacrylate, polyester polyacrylate), vinylbenzene and derivatives thereof For example, 1,4-divinylbenzene, 4-vinylbenzoic acid-2-acryloylethyl ester, 1,4-divinylcyclohexanone), vinylsulfone (eg, divinylsulfone), acrylamide (eg, methylenebisacrylamide) and methacrylamide. No. The polymer having a polyether as a main chain is preferably synthesized by a ring-opening polymerization reaction of a polyfunctional epoxy compound. Instead of or in addition to the monomer having two or more ethylenically unsaturated groups, a crosslinked structure may be introduced into the binder polymer by a reaction of a crosslinkable group. Examples of the crosslinkable functional group include an isocyanate group, an epoxy group, an aziridine group, an oxazoline group, an aldehyde group, a carbonyl group, a hydrazine group, a carboxyl group, a methylol group, and an active methylene group. Vinyl sulfonic acid, acid anhydride, cyanoacrylate derivative, melamine, etherified methylol, ester and urethane can also be used as monomers for introducing a crosslinked structure. A functional group that exhibits crosslinkability as a result of a decomposition reaction, such as a block isocyanate group, may be used. Further, the cross-linking group is not limited to the above-mentioned compound, but may be one which shows reactivity as a result of decomposition of the above-mentioned functional group. As the polymerization initiator used for the polymerization reaction and the crosslinking reaction of the binder polymer, a thermal polymerization initiator and a photopolymerization initiator are used, and the photopolymerization initiator is more preferable. Examples of photopolymerization initiators include acetophenones, benzoins, benzophenones, phosphine oxides, ketals, anthraquinones, thioxanthones, azo compounds, peroxides, 2,3-dialkyldione compounds, disulfide compounds , Fluoroamine compounds and aromatic sulfoniums. Examples of acetophenones include 2,2-diethoxyacetophenone, p-dimethylacetophenone, 1-hydroxydimethylphenylketone, 1-hydroxycyclohexylphenylketone, 2-methyl-4-methylthio-2-morpholinopropiophenone and -Benzyl-2-dimethylamino-1- (4-morpholinophenyl) -butanone. Examples of benzoins include benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether and benzoin isopropyl ether. Examples of benzophenones include benzophenone, 2,4-dichlorobenzophenone, 4,4-dichlorobenzophenone and p-chlorobenzophenone. Examples of phosphine oxides include 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide.
[0101]
The binder polymer is preferably formed by adding a monomer to the coating solution for the antifouling layer and performing a polymerization reaction (and, if necessary, a crosslinking reaction) simultaneously with or after the application of the antifouling layer. A small amount of a polymer (for example, polyvinyl alcohol, polyoxyethylene, polymethyl methacrylate, polymethyl acrylate, diacetyl cellulose, triacetyl cellulose, nitrocellulose, polyester, or alkyd resin) may be added to the coating solution for the antifouling layer. .
[0102]
Each layer of the antireflection film or its coating solution contains, in addition to the above-mentioned components (inorganic fine particles, polymer, dispersion medium, polymerization initiator, polymerization accelerator), a polymerization inhibitor, a leveling agent, a thickener, a coloring inhibitor, An ultraviolet absorber, a silane coupling agent, an antistatic agent and an adhesion-imparting agent may be added. Each layer of the antireflection film is formed by a dip coating method, an air knife coating method, a curtain coating method, a roller coating method, a wire bar coating method, a gravure coating method or an extrusion coating method (US Pat. No. 2,681,294). It can be formed by coating. Two or more layers may be applied simultaneously. For simultaneous coating methods, see U.S. Pat. Nos. 2,761,791, 2,941,898, 3,508,947, 3,526,528 and Yuji Harazaki, Coating Engineering. 253 pages, Asakura Shoten (1973).
[0103]
<< Metal compound layer (also called antireflection layer) >>
The metal compound layer of the present invention will be described.
[0104]
(Improved adhesion)
Among the metal compound layers of the present invention, in order to improve the adhesion between the metal compound layer located on the uppermost layer and the antifouling layer described above, the element composition ratio of the metal compound layer provided with the antifouling layer is preferred. Is preferably in the range of 0.1 atomic% to 5 atomic%, more preferably 0.1 atomic% to 5 atomic%, and particularly preferably 0.2 atomic% to 5 atomic%. A few percent. Here, the element composition ratio in the metal compound layer can be measured using the method described below.
[0105]
(Measurement of element composition ratio in metal compound layer)
The average composition of the elements forming the surface of the metal compound layer of the present invention can be measured using an XPS surface analyzer.
[0106]
Next, the method will be described. The XPS surface analyzer is set under the following conditions.
X-ray anode; Mg
Resolution: 1.5 eV to 1.7 eV (resolution is defined by the half width of a normal Ag3d / 2 peak)
Photoelectron extraction angle: 90 degrees
The XPS surface analyzer is not particularly limited, and any model can be used. In this example, VG ESCALAB-200R was used.
[0107]
A narrow scan was performed in the following measurement range, and the spectrum of each element was measured.
The data acquisition interval is set to 0.2 eV, and it is necessary to integrate the target peak until a count equal to or more than the minimum count shown below is obtained.
[0108]
Figure 2004258469
The energy position of the obtained spectrum is corrected so that the peak position of Cls is 284.6 eV.
[0109]
Next, COMMON DATA PROCESSING SYSTEM Ver. Manufactured by VAMAS-SCA-JAPAN. In order to perform processing on 2.3 or later (hereinafter, referred to as VAMAS software), the spectrum is transferred to a computer that can use the VAMAS software using software provided by each device maker. Then, the transferred spectrum is converted to a VAMAS format using VAMAS software, and then data processing is performed.
[0110]
Before performing the quantification process, the Count Scale is calibrated for each element, and a 5-point smoothing process is performed. The peak area intensity (cps * eV) is determined in the following quantitative range with the peak position of each element as the center.
[0111]
Using the sensitivity coefficients shown below, the atomic ratio (atomic%) of each element is determined.
Figure 2004258469
(Evaluation method of reflection unevenness (color unevenness))
Regarding the reflection unevenness (color unevenness), an evaluation method is described in detail in Examples, and a change in color tone of reflected light of the antireflection film was evaluated by visual observation.
[0112]
(Configuration of metal compound layer)
In the antireflection film of the present invention, the metal compound layer may be directly formed on the long base film of the present invention described later, but at least one other coating layer is provided, and It may be formed on a scale film. As the other coating layer, a cured resin layer having a center line average roughness (Ra) of 0.01 to 1 μm specified in JIS-B-0601 is preferable. These are preferably photocurable resin layers that are cured by light such as ultraviolet light. By forming the metal compound layer according to the present invention on such a resin layer cured by ultraviolet rays, and then providing the above-described antifouling layer on the uppermost layer of the metal compound layer, uneven spots are reduced and reflected light is reduced. The antireflection film with less color unevenness can be obtained.
[0113]
The metal compound layer is preferably used as at least one of a high refractive index layer, a medium refractive index layer, and a low refractive index layer in the constituent layers of the antireflection film of the present invention.
[0114]
The present invention is characterized in that an antifouling layer is applied on a metal compound layer formed by a plasma treatment method at or near atmospheric pressure in an atmosphere containing nitrogen as a main component. Particularly preferably, an antifouling layer is provided on a metal oxide layer formed near or above the atmospheric pressure in an atmosphere containing nitrogen as a main component.
[0115]
Other metal compound layers may be metal compound layers formed by a method other than the above, but in the present invention, all metal compound layers are near atmospheric pressure or atmospheric pressure in an atmosphere containing nitrogen as a main component. Above, it is preferable to form by the plasma processing method.
[0116]
The basic structure of the antireflection film of the present invention will be described.
For example, a preferable antireflection film has a layer structure in the order of a transparent support, a hard coat layer, a medium refractive index layer, a high refractive index layer, and a low refractive index layer. The transparent support, the middle refractive index layer, the high refractive index layer and the low refractive index layer have a refractive index satisfying the following relationship.
[0117]
The refractive index of the low refractive index layer <the refractive index of the transparent support <the refractive index of the medium refractive index layer <the refractive index of the high refractive index layer.
[0118]
In an antireflection film having a middle refractive index layer, a high refractive index layer, and a low refractive index layer, as described in JP-A-59-50401, the medium refractive index layer satisfies the following formula (1). When the refractive index layer satisfies the following mathematical formula (2) and the low refractive index layer satisfies the following mathematical formula (3), it is possible to further reduce the average reflectance as an antireflection film, which is preferable.
[0119]
(Hλ / 4) × 0.7 <n3d3 <(hλ / 4) × 1.3 (1)
In the formula (1), h is a positive integer (generally 1, 2 or 3), n3 is the refractive index of the medium refractive index layer, and d3 is the thickness (nm) of the medium refractive index layer. . Λ is a wavelength and is a value in the range of 350 to 800 (nm).
[0120]
(Jλ / 4) × 0.7 <n4d4 <(jλ / 4) × 1.3 (2)
In Equation (2), j is a positive integer (generally 1, 2 or 3), n4 is the refractive index of the high refractive index layer, and d4 is the thickness (nm) of the high refractive index layer. . Λ is a wavelength and is a value in the range of 350 to 800 (nm).
[0121]
(Kλ / 4) × 0.7 <n5d5 <(kλ / 4) × 1.3 (3)
In Equation (3), k is a positive odd number (generally 1), n5 is the refractive index of the low refractive index layer, and d5 is the thickness (nm) of the low refractive index layer. Λ is a wavelength and is a value in the range of 350 to 800 (nm).
[0122]
Further, in the present invention, it is also preferable to provide irregularities on the hard coat layer or the high refractive index layer to form an antiglare antireflection film.
[0123]
In addition, a transparent support, a hard coat layer (anti-glare layer), a high refractive index layer, a low refractive index layer, a high refractive index layer, and a low refractive index layer are also preferably arranged in this order. It is not particularly limited to this configuration.
[0124]
<High refractive index layer and medium refractive index layer>
In the present invention, in order to reduce the reflectance, it is preferable to provide a high refractive index layer between the transparent support or the transparent support provided with the hard coat layer and the antifouling layer. It is preferable to provide a middle refractive index layer between the transparent support and the high refractive index layer in order to reduce the reflectance. The refractive index of the high refractive index layer is preferably from 1.55 to 2.30, and more preferably from 1.57 to 2.20. The refractive index of the middle refractive index layer is adjusted to be an intermediate value between the refractive index of the transparent support and the refractive index of the high refractive index layer. The refractive index of the middle refractive index layer is preferably from 1.55 to 1.80. The thickness of the high refractive index layer and the middle refractive index layer is preferably from 5 nm to 1 μm, more preferably from 10 nm to 0.2 μm, and most preferably from 30 nm to 0.1 μm. Further, the thickness of each layer can be appropriately adjusted depending on the refractive index, the layer configuration, the number of layers, and the like.
[0125]
The haze of the high refractive index layer and the middle refractive index layer is preferably 5% or less, more preferably 3% or less, and most preferably 1% or less. The strength of the high refractive index layer and the medium refractive index layer is preferably H or more, more preferably 2H or more, and most preferably 3H or more at a pencil hardness of 1 kg load. The high refractive index layer and the medium refractive index layer may have a configuration including inorganic fine particles and a binder polymer.
[0126]
The inorganic fine particles used for the high refractive index layer and the medium refractive index layer preferably have a refractive index of 1.80 to 2.80, and more preferably 1.90 to 2.80. The weight average particle size of the primary particles of the inorganic fine particles is preferably from 1 to 150 nm, more preferably from 1 to 100 nm, and most preferably from 1 to 80 nm. The weight average particle size of the inorganic fine particles in the layer is preferably from 1 to 200 nm, more preferably from 5 to 150 nm, further preferably from 10 to 100 nm, and most preferably from 10 to 80 nm. preferable. The average particle diameter of the inorganic fine particles is measured by a light scattering method when it is 20 to 30 nm or more, and by an electron micrograph when it is 20 to 30 nm or less. The specific surface area of the inorganic fine particles is 10 to 400 m as a value measured by the BET method.2/ G, preferably from 20 m to 200 m2/ G, more preferably 30 to 150 m2/ G is most preferred.
[0127]
The inorganic fine particles are preferably particles formed from a metal oxide or sulfide. Examples of metal oxides or sulfides include titanium dioxide (eg, rutile, a mixed crystal of rutile / anatase, anatase, amorphous structure), tin oxide, indium oxide, zinc oxide, zirconium oxide, and zinc sulfide. Among them, titanium oxide, tin oxide and indium oxide are particularly preferred. The inorganic fine particles contain oxides or sulfides of these metals as main components and may further contain other elements. The main component means a component having the largest content (% by mass) of the components constituting the particles. Examples of other elements include Ti, Zr, Sn, Sb, Cu, Fe, Mn, Pb, Cd, As, Cr, Hg, Zn, Al, Mg, Si, P and S.
[0128]
The inorganic fine particles may be surface-treated. The surface treatment can be performed using an inorganic compound or an organic compound. Examples of the inorganic compound used for the surface treatment include alumina, silica, zirconium oxide, and iron oxide. Of these, alumina and silica are preferred. Examples of the organic compound used for the surface treatment include a polyol, an alkanolamine, stearic acid, a silane coupling agent, and a titanate coupling agent. Among them, a silane coupling agent is most preferable. The surface treatment may be performed by combining two or more types of surface treatments. The shape of the inorganic fine particles is preferably a rice grain, a sphere, a cube, a spindle, or an irregular shape. Two or more kinds of inorganic fine particles may be used in combination with the high refractive index layer and the medium refractive index layer.
[0129]
The ratio of the inorganic fine particles in the high refractive index layer and the medium refractive index layer is preferably from 5 to 65% by volume, more preferably from 10 to 60% by volume, and still more preferably from 20 to 55% by volume.
[0130]
The inorganic fine particles are provided in the form of a dispersion dispersed in a medium to a coating liquid for forming a high refractive index layer and a medium refractive index layer. As a dispersion medium of the inorganic fine particles, it is preferable to use a liquid having a boiling point of 60 to 170 ° C. Specific examples of the dispersion solvent include water, alcohol (eg, methanol, ethanol, isopropanol, butanol, benzyl alcohol), ketone (eg, acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, cyclohexanone), ester (eg, methyl acetate, ethyl acetate) , Propyl acetate, butyl acetate, methyl formate, ethyl formate, propyl formate, butyl formate), aliphatic hydrocarbons (eg, hexane, cyclohexane), halogenated hydrocarbons (eg, methylene chloride, chloroform, carbon tetrachloride), aroma Group hydrocarbons (eg, benzene, toluene, xylene), amides (eg, dimethylformamide, dimethylacetamide, n-methylpyrrolidone), ethers (eg, diethyl ether, dioxane, tetrahydrofuran), ether alcohols (eg, 1-methoxy-2-propanol). Among them, toluene, xylene, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, cyclohexanone and butanol are particularly preferred.
[0131]
The inorganic fine particles can be dispersed in the medium using a disperser. Examples of the disperser include a sand grinder mill (eg, a bead mill with pins), a high-speed impeller mill, a pebble mill, a roller mill, an attritor, and a colloid mill. Sand grinder mills and high speed impeller mills are particularly preferred. Further, a preliminary dispersion process may be performed. Examples of the disperser used for the preliminary dispersion treatment include a ball mill, a three-roll mill, a kneader, and an extruder.
[0132]
The high refractive index layer and the medium refractive index layer preferably use a polymer having a crosslinked structure (hereinafter, also referred to as a crosslinked polymer) as a binder polymer. Examples of the cross-linked polymer include polymers having a saturated hydrocarbon chain such as polyolefin (hereinafter collectively referred to as polyolefin), cross-linked products such as polyether, polyurea, polyurethane, polyester, polyamine, polyamide and melamine resin. Of these, a crosslinked product of polyolefin, polyether and polyurethane is preferred, a crosslinked product of polyolefin and polyether is more preferred, and a crosslinked product of polyolefin is most preferred. Further, it is more preferable that the crosslinked polymer has an anionic group. The anionic group has a function of maintaining the dispersed state of the inorganic fine particles, and the crosslinked structure has a function of imparting a film-forming ability to the polymer to strengthen the film. The anionic group may be directly bonded to the polymer chain, or may be bonded to the polymer chain via a linking group, but is bonded to the main chain as a side chain via the linking group. Is preferred.
[0133]
Examples of the anionic group include a carboxylic acid group (carboxyl), a sulfonic acid group (sulfo) and a phosphoric acid group (phosphono). Among them, a sulfonic acid group and a phosphoric acid group are preferable. Here, the anionic group may be in a salt state. The cation forming a salt with the anionic group is preferably an alkali metal ion. Further, the proton of the anionic group may be dissociated. The linking group that bonds the anionic group and the polymer chain is preferably a divalent group selected from —CO—, —O—, an alkylene group, an arylene group, and a combination thereof. The crosslinked polymer, which is a preferred binder polymer, is preferably a copolymer having a repeating unit having an anionic group and a repeating unit having a crosslinked structure. In this case, the proportion of the repeating unit having an anionic group in the copolymer is preferably from 2 to 96% by mass, more preferably from 4 to 94% by mass, and most preferably from 6 to 92% by mass. preferable. The repeating unit may have two or more anionic groups.
[0134]
The crosslinked polymer having an anionic group may contain another repeating unit (a repeating unit having neither an anionic group nor a crosslinked structure). As other repeating units, a repeating unit having an amino group or a quaternary ammonium group and a repeating unit having a benzene ring are preferable. The amino group or the quaternary ammonium group has a function of maintaining the dispersed state of the inorganic fine particles, similarly to the anionic group. The benzene ring has a function of increasing the refractive index of the high refractive index layer. The same effect can be obtained even when the amino group, the quaternary ammonium group and the benzene ring are contained in the repeating unit having an anionic group or the repeating unit having a crosslinked structure.
[0135]
In the crosslinked polymer containing a repeating unit having an amino group or a quaternary ammonium group as a constituent unit, the amino group or the quaternary ammonium group may be directly bonded to a polymer chain, or may be a side chain via a linking group. May be bonded to a polymer chain, but the latter is more preferred. The amino group or the quaternary ammonium group is preferably a secondary amino group, a tertiary amino group or a quaternary ammonium group, and more preferably a tertiary amino group or a quaternary ammonium group. The group bonded to the nitrogen atom of the secondary amino group, tertiary amino group or quaternary ammonium group is preferably an alkyl group, more preferably an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, and further preferably an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms. 1 to 6 alkyl groups. The counter ion of the quaternary ammonium group is preferably a halide ion. The linking group that bonds the amino group or the quaternary ammonium group to the polymer chain is a divalent group selected from —CO—, —NH—, —O—, an alkylene group, an arylene group, and a combination thereof. Is preferred. When the crosslinked polymer contains a repeating unit having an amino group or a quaternary ammonium group, the proportion is preferably 0.06% by mass to 32% by mass, and is preferably 0.08% by mass to 30% by mass. Is more preferable, and most preferably 0.1 to 28% by mass.
[0136]
A crosslinked polymer is prepared by mixing a monomer for forming a crosslinked polymer to prepare a coating liquid for forming a high refractive index layer and a medium refractive index layer, and by generating a polymerization reaction simultaneously with or after coating the coating liquid. Is preferred. Each layer is formed with the formation of the crosslinked polymer. The monomer having an anionic group functions as a dispersant for inorganic fine particles in the coating solution. The monomer having an anionic group is preferably used in an amount of 1% by mass to 50% by mass, more preferably 5% by mass to 40% by mass, and still more preferably 10% by mass to 30% by mass, based on the inorganic fine particles. The monomer having an amino group or a quaternary ammonium group functions as a dispersing aid in the coating solution. The monomer having an amino group or a quaternary ammonium group is preferably used in an amount of 3% by mass to 33% by mass based on the monomer having an anionic group. A method of forming a crosslinked polymer by a polymerization reaction at the same time as or after the application of the coating solution allows these monomers to function effectively before the application of the coating solution.
[0137]
Examples of monomers having two or more ethylenically unsaturated groups include esters of polyhydric alcohol and (meth) acrylic acid (eg, ethylene glycol di (meth) acrylate, 1,4-dichlorohexane diacrylate, pentane). Erythritol tetra (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolethanetri (meth) acrylate, dipentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate Pentaerythritol hexa (meth) acrylate, 1,2,3-cyclohexanetetramethacrylate, polyurethane polyacrylate, polyester polyacrylate), vinylbenzene and its derivatives ( , 1,4-divinylbenzene, 4-vinylbenzoic acid-2-acryloylethyl ester, 1,4-divinylcyclohexanone), vinylsulfone (eg, divinylsulfone), acrylamide (eg, methylenebisacrylamide), methacrylamide, and the like. No. As the monomer having an anionic group and the monomer having an amino group or a quaternary ammonium group, commercially available monomers may be used. Preferable commercially available monomers having an anionic group include KAYAMARPM-21, PM-2 (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.), AntoxMS-60, MS-2N, and MS-NH4 (manufactured by Nippon Emulsifier Co., Ltd.) Aronix M-5000, M-6000, M-8000 series (manufactured by Toagosei Chemical Industry Co., Ltd.), VISCOAT # 2000 series (manufactured by Osaka Organic Chemical Industry Co., Ltd.), New Frontier GX-8289 (Daiichi Kogyo Pharmaceutical Co., Ltd.) NK Ester CB-1, A-SA (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd.), AR-100, MR-100, MR-200 (manufactured by Daihachi Chemical Industry Co., Ltd.) and the like. Can be Further, preferably used commercially available monomers having an amino group or a quaternary ammonium group include DMAA (manufactured by Osaka Organic Chemical Industry Co., Ltd.), DMAEA, DMAPAA (manufactured by Kojin Co., Ltd.), and Blemmer QA (manufactured by NOF Corporation. )), New Frontier C-1615 (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) and the like.
[0138]
As the polymerization reaction of the polymer, a photopolymerization reaction or a thermal polymerization reaction can be used. Particularly, a photopolymerization reaction is preferable. It is preferable to use a polymerization initiator for the polymerization reaction. For example, the above-mentioned thermal polymerization initiator and photopolymerization initiator used for forming the binder polymer of the hard coat layer can be used.
[0139]
A commercially available polymerization initiator may be used as the polymerization initiator. A polymerization accelerator may be used in addition to the polymerization initiator. The addition amount of the polymerization initiator and the polymerization accelerator is preferably in the range of 0.2 to 10% by mass of the total amount of the monomers. The coating liquid (dispersion of inorganic fine particles containing a monomer) may be heated to promote polymerization of the monomer (or oligomer). Further, heating may be performed after the photopolymerization reaction after coating, and the thermosetting reaction of the formed polymer may be additionally processed.
[0140]
It is preferable to use a polymer having a relatively high refractive index for the middle refractive index layer and the high refractive index layer. Examples of polymers having a high refractive index include polystyrene, styrene copolymer, polycarbonate, melamine resin, phenolic resin, epoxy resin, and polyurethane obtained by reacting a cyclic (alicyclic or aromatic) isocyanate with a polyol. . Other polymers having a cyclic (aromatic, heterocyclic, alicyclic) group and polymers having a halogen atom other than fluorine as a substituent can also be used with a high refractive index.
[0141]
A high refractive index layer or a medium refractive index layer may be formed from an organometallic compound having a film forming ability.
[0142]
Preferably, the organometallic compound can be dispersed in a suitable medium or is in a liquid state. Examples of the organometallic compound include metal alcoholates (eg, titanium tetraethoxide, titanium tetra-i-propoxide, titanium tetra-n-propoxide, titanium tetra-n-butoxide, titanium tetra-sec-butoxide, titanium Tetra-tert-butoxide, aluminum triethoxide, aluminum tri-i-propoxide, aluminum tributoxide, antimony triethoxide, antimony tributoxide, zirconium tetraethoxide, zirconium tetra-i-propoxide, zirconium tetra-n- Propoxide, zirconium tetra-n-butoxide, zirconium tetra-sec-butoxide, zirconium tetra-tert-butoxide, chelating compounds (eg, di-isopropoxytitanium bi Acetylacetonate, di-butoxytitanium bisacetylacetonate, di-ethoxytitanium bisacetylacetonate, bisacetylacetone zirconium, aluminum acetylacetonate, aluminum di-n-butoxide monoethylacetoacetate, aluminum di-i-propoxide monomethyl Acetoacetate, tri-n-butoxide zirconium monoethyl acetoacetate), organic acid salts (eg, zirconyl ammonium carbonate), zirconium, and the like.
[0143]
Hereinafter, a method of forming a metallization layer by a plasma discharge treatment in an atmosphere near or above atmospheric pressure containing nitrogen as a main component, which is a feature of the present invention, will be described with reference to FIGS.
[0144]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of a jet type atmospheric pressure plasma processing apparatus useful for the present invention.
[0145]
The jet type atmospheric pressure plasma discharge processing apparatus includes a plasma discharge processing apparatus, a voltage applying means having two power supplies, and a gas supply (not shown in FIG. 1). And an apparatus having an electrode temperature adjusting means.
[0146]
The plasma discharge processing apparatus 10 has a counter electrode composed of a first electrode 11 and a second electrode 12, and a first power supply 21 from the first power source 21 between the counter electrodes. Frequency ω1High frequency voltage V1Is applied, and the second frequency ω from the second power supply 22 is applied from the second electrode 12.2High frequency voltage V2Is applied. The first power supply 21 has a higher frequency voltage (V) than the second power supply 22.1> V2) Is preferable, and the first frequency ω of the first power source 21 is1And the second frequency ω of the second power supply 222Is ω12In a relationship.
[0147]
A first filter 23 is provided between the first electrode 11 and the first power supply 21 so that a current 21A from the first power supply 21 flows toward the first electrode 11. The current 21A is designed to be hard to pass to the ground side, and the current 22A from the second power supply 22 is easily passed to the ground side.
[0148]
A second filter 24 is provided between the second electrode 12 and the second power supply 22 so that a current 22A from the second power supply 22 flows toward the second electrode 12. It is designed so that the current 22A from the first power supply 21 does not easily pass to the ground side, and the current 21A from the first power supply 21 easily passes to the ground side.
[0149]
A gas G is introduced from a gas supply unit (not shown here, as shown in FIG. 2 described later) into a space 13 (discharge space) between the opposing electrodes of the first electrode 11 and the second electrode 12. A high-frequency voltage is applied from the first electrode 11 and the second electrode 12 to generate a discharge, and while the gas G is in a plasma state, the gas G is blown out in a jet shape below the counter electrode (the lower side of the paper) to form a discharge. The processing space formed with the base material F is filled with a gas G ° in a plasma state, and is unwound from a base material (unwinder) (not shown) and conveyed, or conveyed from a previous process. On the substrate F, a thin film is formed near the processing position 14. During the formation of the thin film, the electrodes are heated or cooled via a pipe from an electrode temperature control means not shown here (as shown in FIG. 2 described later). Depending on the temperature of the substrate during the plasma discharge treatment, the physical properties and composition of the obtained thin film may change, and it is desirable to appropriately control this. As a temperature control medium, an insulating material such as distilled water or oil is preferably used. At the time of the plasma discharge treatment, it is desired that the temperature of the surface of the electrode is evenly adjusted so that the temperature non-uniformity of the substrate in the width direction or the longitudinal direction is minimized.
[0150]
FIG. 1 shows a measuring instrument used for measuring the high-frequency voltage (applied voltage) and the discharge starting voltage. 25 and 26 are high frequency probes, and 27 and 28 are oscilloscopes.
[0151]
Since a plurality of the jet-type atmospheric pressure plasma discharge treatment devices are arranged in series while being connected to each other and a gas in the same plasma state can be discharged at the same time, the treatment can be performed many times and the treatment can be performed at high speed. If each device jets a gas in a different plasma state, a laminated thin film having different layers can be formed. Also, the film composition in the thickness direction can be changed.
[0152]
FIG. 2 is a schematic view showing an example of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus of a type for treating a substrate between opposed electrodes useful in the present invention.
[0153]
The atmospheric pressure plasma discharge processing apparatus of the present invention is an apparatus having at least a plasma discharge processing apparatus 30, a voltage applying unit 40 having two power supplies, a gas supply unit 50, and an electrode temperature adjusting unit 60.
[0154]
FIG. 2 shows a plasma discharge treatment of the base material F between the opposing electrodes (discharge space) 32 between the roll rotating electrode (first electrode) 35 and the rectangular cylindrical fixed electrode group (second electrode) 36 to form a thin film. Is what you do.
[0155]
A first power supply is provided in the discharge space (between the counter electrodes) 32 between the roll rotating electrode (first electrode) 35 and the rectangular cylindrical fixed electrode group (second electrode) 36, and in the roll rotating electrode (first electrode) 35. 41 to frequency ω1And the high frequency voltage V1And the square-tube fixed electrode group (second electrode) 36 has a frequency ω2And the high frequency voltage V2Is to be applied.
[0156]
A first filter 43 is provided between the roll rotating electrode (first electrode) 35 and the first power supply 41 so that the current from the first power supply 41 flows toward the roll rotating electrode (first electrode) 35. ing. The first filter is designed to make it difficult for the current from the first power supply 41 to pass to the ground side, and to make the current from the second power supply 42 easily pass to the ground side. Further, a second filter 44 is provided between the prismatic fixed electrode group (second electrode) 36 and the second power supply 42 so that a current from the second power supply flows toward the second electrode. . The second filter 44 is designed to make it difficult for the current from the second power supply 42 to pass to the ground side, and to make the current from the first power supply 41 easily pass to the ground side.
[0157]
The roll rotating electrode 35 may be used as a second electrode, and the rectangular cylindrical fixed electrode group 36 may be used as a first electrode. In any case, a first power supply is connected to the first electrode, and a second power supply is connected to the second electrode. The first power supply has a higher frequency voltage (V) than the second power supply.1> V2) Can be applied, and the frequency is ω12It has the ability to become.
[0158]
The gas G generated by the gas supply device 51 of the gas supply means 50 is introduced into the plasma discharge processing container 31 from the air supply port 52 by controlling the flow rate. The gas G is filled in the discharge space 32 and the plasma discharge processing container 31.
[0159]
The base material F is conveyed by being unwound from an original winding (not shown) or conveyed from a previous process, and shuts off air or the like that is entrained by the nip roll 65 via the guide roll 64 and the nip roll 65. Then, while being wound while being in contact with the roll rotating electrode 35, it is transferred between the rectangular cylindrical fixed electrode group 36 and the roll rotating electrode (first electrode) 35 and the rectangular cylindrical fixed electrode group (second electrode) 36. , And discharge plasma is generated between the opposed electrodes (discharge space) 32. The substrate F forms a thin film with a gas in a plasma state while being wound while being in contact with the roll rotating electrode 35. The substrate F is passed through a nip roll 66 and a guide roll 67 and wound up by a winder (not shown) or transferred to the next step. When the supply amount of the gas G is large, the nip rolls 65 and 66 need not be provided.
[0160]
The treated exhaust gas G ′ after the discharge treatment is discharged from the exhaust port 53. Although omitted in FIG. 2, a gas G supply port or an exhaust gas G ′ discharge port is provided between the rectangular cylindrical fixed electrode groups 36.
[0161]
In order to heat or cool the roll rotating electrode (first electrode) 35 and the rectangular cylindrical fixed electrode group (second electrode) 36 during the formation of the thin film, a medium whose temperature has been adjusted by the electrode temperature adjusting means 60 is supplied to the liquid feed pump. P sends to both electrodes via pipe 61 and adjusts the temperature from inside the electrodes. Here, reference numerals 68 and 69 denote partition plates for separating the plasma discharge processing container 31 from the outside world.
[0162]
FIG. 3 is a perspective view showing an example of the structure of a conductive metal base material of the roll rotating electrode shown in FIG. 2 and a dielectric material coated thereon.
[0163]
In FIG. 3, the roll electrode 35a has a conductive metal base material 35A and a dielectric 35B coated thereon. The inside is a hollow jacket for temperature control. That is, a medium (water, silicon oil, etc.) for controlling the temperature of the electrode surface during discharge can be circulated.
[0164]
FIG. 4 is a perspective view showing an example of the structure of a conductive metal base material of a rectangular cylindrical electrode and a dielectric material coated thereon.
[0165]
4, a rectangular cylindrical electrode 36a has a coating of a dielectric 36B similar to that of FIG. 3 on a conductive metallic base material 36A, and the structure of the electrode is a metallic pipe. Is a jacket so that a temperature-controlled medium (water, silicone oil, etc.) can be circulated inside. The temperature of the electrode surface during discharge can be adjusted.
[0166]
The number of the rectangular cylindrical fixed electrodes is plural along the circumference larger than the circumference of the roll electrode, and the discharge area of the electrode is a full square cylindrical type facing the roll rotating electrode 35. It is expressed as the sum of the areas of the fixed electrode surfaces.
[0167]
The cylindrical electrode 36a shown in FIG. 2 may be a cylindrical electrode, but the cylindrical electrode is preferably used in the present invention because it has an effect of expanding the discharge range (discharge area) as compared with the cylindrical electrode. .
[0168]
3 and 4, the roll electrode 35a and the rectangular cylindrical electrode 36a are formed by spraying ceramics as dielectrics 35B and 36B on conductive metallic base materials 35A and 36A, respectively, and then using a sealing material of an inorganic compound. It was used for sealing. It is sufficient that the ceramic dielectric is covered with one side of about 1 mm. As the ceramic material used for thermal spraying, alumina, silicon nitride, or the like is preferably used. Among them, alumina is particularly preferably used because alumina is easily processed. Further, the dielectric layer may be a lining treated dielectric provided with an inorganic material by glass lining.
[0169]
Examples of the conductive metallic base materials 35A and 36A include metals such as titanium metal or titanium alloy, silver, platinum, stainless steel, aluminum and iron, and composite materials of iron and ceramics or composite materials of aluminum and ceramics. Etc., but titanium metal or titanium alloy is particularly preferred for the reasons described below.
[0170]
The distance between the two electrodes (electrode gap) is determined in consideration of the thickness of the dielectric provided on the conductive metal base material, the magnitude of the applied voltage, the purpose of utilizing the plasma, and the like. The shortest distance between the dielectric surface when a dielectric is provided on one of the electrodes and the surface of the conductive metal base material, and the distance between the dielectric surfaces when the dielectric is provided on both of the electrodes, Also in this case, the thickness is preferably 0.1 nm to 20 mm, particularly preferably 0.5 nm to 2 mm, from the viewpoint of performing uniform discharge.
[0171]
As described above, in the present invention, it is preferable that the long film on which the thin film is formed is subjected to the plasma discharge treatment while being transferred on the rotating electrode.
[0172]
The surface of the electrode used in the present invention is desirably coated with a solid dielectric, and particularly desirably, a conductive base material such as a metal is coated with a solid dielectric. Examples of the solid dielectric include plastics such as polytetrafluoroethylene and polyethylene terephthalate, glass, silicon dioxide, and aluminum oxide (Al2O3), Zirconium oxide (ZrO)2), Titanium oxide (TiO)2), And double oxides such as barium titanate.
[0173]
It is particularly preferable to use a ceramic-coated dielectric which is obtained by spraying ceramics and then performing a sealing treatment using an inorganic material. Here, examples of the conductive base material such as a metal include metals such as silver, platinum, stainless steel, aluminum, and iron, and stainless steel is preferable from the viewpoint of processing.
[0174]
Further, as the lining material, silicate glass, borate glass, phosphate glass, germanate glass, tellurite glass, aluminate glass, vanadate glass, etc. are preferably used. However, among these, borate glass is more preferably used because it is easy to process.
[0175]
The surface where the rotating electrode is in contact with the long film is required to have high smoothness, and the surface roughness of the rotating electrode is such that the maximum surface roughness height (Rmax) specified in JIS-B-0601 is 10 μm or less. It is more preferably 5 μm or less, particularly preferably 1 μm or less. Further, it is preferable that the fixed electrode also has the above surface roughness. In addition, a foreign substance or dust between the film and the electrode may cause a failure. Therefore, it is preferable to prevent the foreign substance from adhering to the electrode surface or to remove the attached foreign substance.
[0176]
In the present invention, the electrode can be heated or cooled as necessary from the back side (inside). When the electrode is a belt, it can be cooled with gas from the back surface, but it is preferable to control the temperature of the electrode surface and the temperature of the long film by supplying a medium to a rotating electrode using a roll. .
[0177]
As the medium, an insulative material such as distilled water or oil, particularly silicone oil, is preferably used.
[0178]
The temperature of the long film during the discharge treatment varies depending on the treatment conditions, but is preferably room temperature to 200 ° C or lower, more preferably room temperature to 120 ° C or lower, and further preferably 50 to 110 ° C.
[0179]
It is desirable to prevent temperature unevenness from occurring particularly in the width direction of the long film surface during the discharge treatment, preferably within ± 5 ° C, more preferably within ± 1 ° C, and particularly preferably. Within ± 0.1 ° C.
[0180]
In the present invention, the electrode gap is determined in consideration of the thickness of the solid dielectric, the applied voltage and frequency, the purpose of utilizing plasma, and the like. The shortest distance between the solid dielectric and the electrode when the solid dielectric is installed on one of the electrodes, and the distance between the solid dielectrics when the solid dielectric is installed on both of the electrodes is uniform in each case. From the viewpoint of generating discharge plasma, the thickness is preferably 0.5 mm to 20 mm, particularly preferably 1 ± 0.5 mm.
[0181]
In the present invention, the flow rate of the mixed gas generated by the gas generator is controlled to the discharge portion in the electrode gap, and the mixed gas is introduced into the plasma discharge portion from the reaction gas supply port. The concentration and flow rate of the reaction gas are appropriately adjusted, but it is preferable to supply the processing gas to the electrode gap at a speed sufficient for the transport speed of the long film. In the discharge section, it is desirable to set the flow rate and discharge conditions so that 50% or more of the supplied reaction gas reacts and is used for forming a thin film.
[0182]
In order to prevent the atmosphere or oxygen from being mixed into the discharge portion and prevent the reaction gas from leaking out of the apparatus, it is preferable that the electrodes and the long film being transported are entirely surrounded and shielded from the outside. The long film is preferably introduced into the discharge section in the plasma discharge device while preventing entrainment of air. In the present invention, the pressure of the discharge unit is maintained at a pressure near or above atmospheric pressure.
[0183]
Here, near atmospheric pressure or higher than atmospheric pressure means a pressure of 20 kPa to 200 kPa, and preferably 93 kPa to 110 kPa in order to obtain the effects described in the present invention. It is preferable that the discharge part has a slightly positive pressure with respect to the atmospheric pressure outside the apparatus, and it is more preferable that the atmospheric pressure outside the plasma apparatus +0.1 kPa to 10 kPa.
[0184]
In the plasma discharge processing apparatus useful in the present invention, it is preferable to connect one of the electrodes to a power supply to apply a voltage, and to ground the other electrode to the ground to generate a discharge plasma, in order to generate a stable plasma. . Alternatively, a combination of electrodes to which high-frequency power sources having different frequencies are connected may be used.
[0185]
The value of the voltage applied to the electrode from the high-frequency power supply used in the present invention is appropriately determined. For example, the voltage is about 0.5 to 10 kV, the applied frequency is adjusted to 1 kHz to 150 MHz, and the waveform is a pulse wave. Or a sine wave. In particular, it is preferable to apply a high frequency of more than 100 kHz and 50 MHz or less.
[0186]
It is desirable that the plasma discharge processing unit is appropriately surrounded by a processing container made of Pyrex (R) glass or the like, and a metal made of metal can be used as long as insulation from the electrodes can be obtained. For example, a polyimide resin or the like may be attached to the inner surface of an aluminum or stainless steel frame, and the metal frame may be sprayed with ceramics to obtain insulation. Further, by surrounding the side surfaces of the discharge unit, the side surface of the rotating electrode, the long film transport unit, and the like, the reaction gas and the exhaust gas can be appropriately supplied to and discharged from the discharge unit.
[0187]
The reaction gas used in the metal compound layer forming method of the present invention will be described.
The present invention is characterized in that the reaction gas for forming the metal compound layer is mainly composed of nitrogen gas.
[0188]
Mainly containing nitrogen gas means that nitrogen gas is contained at least 50%, preferably 70% or more, more preferably 80% or more, particularly preferably 90% or more with respect to the reaction gas. It is.
[0189]
In addition to nitrogen, a rare gas may be further included, that is, the reaction gas is preferably nitrogen or a mixed gas of nitrogen gas, a rare gas, and a reactive gas described below. Here, the rare gas can be an element belonging to Group 18 of the periodic table, specifically, helium, neon, argon, or the like.
[0190]
The total concentration of nitrogen or rare gas in the reaction gas is preferably at least 90% by volume in order to generate a stable plasma discharge, and is preferably from 90 to 99.99% by volume. Nitrogen gas and rare gas are used to generate a stable plasma discharge, and the reactive gas is ionized or radicalized in the plasma and deposited or adhered to the surface of the base material to form a thin film.
[0191]
By using a reactive gas useful in the present invention to which reactive gases of various substances are added, thin films having various functions can be formed on a long film.
[0192]
For example, by using an organometallic compound, a metal hydride, or a metal halide containing Ti, Zr, In, Sn, Zn, Ge, Si or another metal, these metal compound layers (metal oxide layer, metal nitride Layers, metal carbide layers, metal oxynitride layers, metal oxycarbonitride layers), and these layers may be used as low-refractive-index layers, medium-refractive-index layers, or high-refractive-index layers of the antireflection layer. Or a conductive or antistatic layer. For example, by providing a tin oxide layer and an indium oxide layer, a surface resistivity of 10-3Ω / cm2-1011Ω / cm2Can be formed. These are preferable because the resistance can be reduced by doping according to a conventional method.
[0193]
Examples of the silicon compound as a reactive gas useful in the present invention include, for example, dimethylsilane, organometallic compounds such as tetramethylsilane, metal hydrogen compounds such as monosilane and disilane, silane dichloride, silane trichloride, and silicon tetrafluoride. It is possible to use an alkoxysilane, an organosilane, or the like such as a metal halogen compound such as tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetrapropoxysilane, dimethyldiethoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, or ethyltriethoxysilane. Preferred but not limited to these.
[0194]
These can be used in appropriate combination. Alternatively, the properties of the film can be changed or controlled by adding another organic compound.
[0195]
In the present invention, when a silicon compound is used as the reactive gas, the content of the silicon compound as the reactive gas in the reaction gas is 0 from the viewpoint of forming a uniform thin film on the long film by discharge plasma discharge treatment. It is preferably from 0.01% to 10% by volume, and more preferably from 0.1% to 5% by volume.
[0196]
The organometallic compound as a reactive gas useful in the present invention is not particularly limited, but Al, As, Au, B, Bi, Sb, Ca, Cd, Cr, Co, Cu, Fe, Ga, Ge, Hg , In, Li, Mg, Mn, Mo, Na, Ni, Pb, Pt, Rh, Se, Si, Sn, Ti, Zr, Y, V, W, Zn, etc. Can be mentioned.
[0197]
For example, in order to form a high refractive index layer as an antireflection layer, a titanium compound is preferable, and specifically, for example, an organic amino metal compound such as tetradimethylaminotitanium, a metal hydrogen compound such as monotitanium and dititanium, Metal halides such as titanium chloride, titanium trichloride, and titanium tetrachloride; metal alkoxides such as tetraethoxytitanium, tetraisopropoxytitanium, and tetrabutoxytitanium;
[0198]
In the present invention, the silicon compound and the organometallic compound are preferably a metal hydrogen compound and a metal alkoxide from the viewpoint of handling. Alkoxides are preferably used.
[0199]
In the present invention, when using an organometallic compound as the reactive gas, from the viewpoint of forming a uniform thin film on the long film by plasma discharge treatment, the content of the organometallic compound as the reactive gas in the reactive gas is: It is preferably from 0.01% by volume to 10% by volume, more preferably from 0.1% by volume to 5% by volume.
[0200]
In order to introduce a metal compound such as a silicon compound or a titanium compound into the discharge part, both can be used in a gas, liquid or solid state at normal temperature and normal pressure.
[0201]
In the case of gas, it can be directly introduced into the discharge section, but in the case of liquid or solid, it can be used after being vaporized by vaporizing means such as heating, decompression, and ultrasonic irradiation.
[0202]
When a metal compound such as a silicon compound or a titanium compound is vaporized by heating and used, a metal alkoxide which is liquid at ordinary temperature, such as tetraethoxysilane or tetraisopropoxytitanium, and has a boiling point of 200 ° C. or less is used in the present invention. It is suitable for a method of forming a metal oxide thin film layer. The metal alkoxide may be used after being diluted with an organic solvent. As the organic solvent, an organic solvent such as methanol, ethanol, isopropanol, butanol, n-hexane or a mixed organic solvent thereof can be used.
[0203]
Further, by including oxygen, hydrogen, carbon dioxide, carbon monoxide, nitrogen dioxide, nitrogen monoxide and the like in the reaction gas in an amount of 0.1 to 10% by volume, physical properties such as hardness and density of the thin film layer can be controlled. it can.
[0204]
By the above method, an amorphous metal oxide layer such as silicon oxide, zirconium oxide, tin oxide, indium oxide, titanium oxide, titanium oxynitride, and zinc oxide can be preferably formed.
[0205]
The optical film of the present invention can be preferably used, for example, for an optical film having an antireflection layer in which an antifouling layer and a high refractive index layer are laminated, or a conductive layer, an optical film having an antistatic layer, and the like.
[0206]
In the present invention, by providing a plurality of plasma discharge devices, a multilayer thin film can be continuously provided, and a multilayer laminate can be formed without unevenness of the thin film.
[0207]
For example, when producing an optical film having an anti-reflection layer on a long film, a high refractive index layer having a refractive index of 1.6 to 2.3, a low refractive index layer having a refractive index of 1.3 to 1.5, and an anti-reflection layer. The soiled layer can be continuously laminated on the surface of the long film and efficiently produced.
[0208]
According to the present invention, in the present invention, a multilayer thin film can be laminated, and a uniform optical film can be obtained without unevenness in the thickness of each layer.
[0209]
The optical film of the present invention is characterized in that the metal compound layer is formed directly or via another layer on the long film, but is more preferably formed via a cured resin layer or another layer. It is preferable to form a thermosetting resin layer or an actinic ray curable resin layer on the long film obtained as described above, and it is particularly preferable to provide an ultraviolet curable resin layer.
[0210]
The cured resin layer may have various functions, for example, an antiglare layer or a clear hard coat layer. The cured resin layer is preferably a layer formed by polymerizing a component containing at least one monomer having an ethylenically unsaturated bond. As the resin layer formed by polymerizing a component containing a monomer having an ethylenically unsaturated bond, a layer formed by curing an active ray-curable resin or a thermosetting resin is preferably used, and particularly preferably used. An actinic radiation curable resin layer. Here, the actinic radiation-curable resin layer refers to a layer mainly composed of a resin which cures through a crosslinking reaction or the like by irradiation with actinic rays such as ultraviolet rays or electron beams.
[0211]
Typical examples of the actinic radiation curable resin include an ultraviolet curable resin and an electron beam curable resin, but a resin which is cured by irradiation with actinic rays other than ultraviolet rays and electron beams may be used.
[0212]
Examples of the ultraviolet-curable resin include an ultraviolet-curable acrylic urethane-based resin, an ultraviolet-curable polyester acrylate-based resin, an ultraviolet-curable epoxy acrylate-based resin, an ultraviolet-curable polyol acrylate-based resin, and an ultraviolet-curable epoxy resin. Can be.
[0213]
Specific examples include, for example, trimethylolpropane triacrylate, ditrimethylolpropane tetraacrylate, pentaerythritol triacrylate, pentaerythritol tetraacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, and alkyl-modified dipentaerythritol pentaacrylate.
[0214]
As the UV-curable acrylic urethane resin, generally, a product obtained by reacting an isocyanate monomer or a prepolymer with a polyester polyol is further added with 2-hydroxyethyl acrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate (hereinafter acrylate includes methacrylate). And acrylate-based monomers having a hydroxyl group such as 2-hydroxypropyl acrylate, which are easily formed, and those described in JP-A-59-151110. Can be used.
[0215]
Examples of the UV-curable polyester acrylate resin include those easily formed by reacting a polyester polyol with 2-hydroxyethyl acrylate and 2-hydroxy acrylate monomers, as disclosed in JP-A-59-151112. Those described can be used.
[0216]
Specific examples of the ultraviolet-curable epoxy acrylate-based resin include those formed by making epoxy acrylate an oligomer, adding a reactive diluent and a photoreaction initiator thereto, and reacting the oligomer. No. 105738 can be used.
[0217]
Specific examples of these photoreaction initiators include benzoin and derivatives, acetophenone, benzophenone, hydroxybenzophenone, Michler's ketone, α-amyloxime ester, thioxanthone, and the like, and derivatives thereof. You may use together with a photosensitizer.
[0218]
The above-mentioned photoinitiator can also be used as a photosensitizer. When an epoxy acrylate photoreactive agent is used, a sensitizer such as n-butylamine, triethylamine, and tri-n-butylphosphine can be used.
[0219]
Examples of the resin monomer include, as one monomer having one unsaturated double bond, general monomers such as methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, benzyl acrylate, cyclohexyl acrylate, vinyl acetate, and styrene. Further, monomers having two or more unsaturated double bonds include ethylene glycol diacrylate, propylene glycol diacrylate, divinylbenzene, 1,4-cyclohexane diacrylate, 1,4-cyclohexyldimethyl adiacrylate, and the above-mentioned trimethylolpropane. Examples thereof include triacrylate and pentaerythritol tetraacrylic ester.
[0220]
Commercially available UV-curable resins usable in the present invention include Adeka Optomer KR / BY series: KR-400, KR-410, KR-550, KR-566, KR-567, BY-320B (Asahi Denka ( Koeihard A-101-KK, A-101-WS, C-302, C-401-N, C-501, M-101, M-102, T-102, D-102, NS -101, FT-102Q8, MAG-1-P20, AG-106, M-101-C (manufactured by Koei Chemical Co., Ltd.); Seika Beam PHC2210 (S), PHC X-9 (K-3), PHC2213, DP -10, DP-20, DP-30, P1000, P1100, P1200, P1300, P1400, P1500, P1600, SCR900 (manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) KRM7033, KRM7039, KRM7130, KRM7131, UVECRYL29201, UVECRYL29202 (manufactured by Daicel UCB); RC-5015, RC-5016, RC-5020, RC-5031, RC-5100, RC-5102, RC-5120. , RC-5122, RC-5152, RC-5171, RC-5180, RC-5181 (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.); 340 Clear (China Paint Co., Ltd.); Sunrad H-601 (Sanyo Chemical Industry Co., Ltd.); SP-1509, SP-1507 (Showa Kogaku Co., Ltd.); RCC-15C (Grace Japan ( Co., Ltd.), Aronix M-6100, M-8030, M-8060 (manufactured by Toagosei Co., Ltd.) and the like can be appropriately selected and used.
[0221]
These actinic ray-curable resin layers can be applied by a known method.
As a light source for curing the ultraviolet curable resin by a photocuring reaction, any light source that generates ultraviolet light can be used without limitation. For example, a low-pressure mercury lamp, a medium-pressure mercury lamp, a high-pressure mercury lamp, an ultra-high-pressure mercury lamp, a carbon arc lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, and the like can be used. Irradiation conditions differ depending on each lamp, but the irradiation light amount is 20 to 10000 mJ / cm.2About 50 to 2000 mJ / cm.2It is. In the region from the near ultraviolet region to the visible light region, it can be efficiently formed by using a sensitizer having an absorption maximum in that region.
[0222]
As the organic solvent of the UV curable resin layer composition coating liquid, for example, hydrocarbons, alcohols, ketones, esters, glycol ethers, and other organic solvents are appropriately selected or mixed and used. it can. For example, propylene glycol monoalkyl ether (1 to 4 as the number of carbon atoms in the alkyl group) or propylene glycol monoalkyl ether acetate (1 to 4 as the number of carbon atoms in the alkyl group) is 5% by mass or more, more preferably 5% by mass or more. It is preferable to use the above-mentioned organic solvent containing from 80% by mass to 80% by mass.
[0223]
As the method of applying the ultraviolet-curable resin composition coating solution, the above-described methods can be used. The coating amount is appropriately 0.1 μm to 30 μm as a wet film thickness, and preferably 0.5 μm to 15 μm. The ultraviolet-curable resin composition is preferably irradiated with ultraviolet light during or after coating and drying, and the irradiation time is preferably from 0.1 seconds to 5 minutes. 5 seconds to 2 minutes are more preferred.
[0224]
In order to prevent blocking, and to enhance abrasion resistance, etc., fine particles of an inorganic compound or an organic compound can be added to the coating solution of the cured resin layer. It is almost the same as The average particle size of these fine particle powders is preferably from 0.005 to 5 μm, particularly preferably from 0.01 to 1 μm. The ratio of the ultraviolet curable resin composition to the fine particle powder is preferably 0.1 to 20 parts by mass based on 100 parts by mass of the resin composition.
[0225]
Even if the ultraviolet curable resin layer is a clear hard coat layer having a center line average roughness (Ra) defined by JIS-B-0601 of 1 to 50 nm, it is an antiglare layer having a Ra of 0.1 to 1 μm. Is also good. For example, 10 to 500 protrusions / μm having a height of 0.5 to 2 μm based on the bottom of the concave portion2Alternatively, the thickness of the antifouling layer such as 1 to 40% haze or the average interval between peaks and valleys is preferable. Further, the refractive index of the ultraviolet curable resin layer is preferably from 1.5 to 1.7, and more preferably from 1.52 to 1.65.
[0226]
《Long Film》
The long film of the present invention will be described.
[0227]
As the long film of the present invention, it is easy to manufacture, has good adhesiveness with a concavo-convex layer, an antireflection layer, etc., is optically isotropic, is optically transparent, etc. Is a preferable requirement.
[0228]
There is no particular limitation as long as it has the above properties. For example, cellulose ester films, polyester films, polycarbonate films, polyarylate films, polysulfone (including polyethersulfone) films, polyethylene terephthalate, polyethylene Polyester film such as naphthalate, polyethylene film, polypropylene film, cellophane, cellulose diacetate film, cellulose acetate butyrate film, polyvinylidene chloride film, polyvinyl alcohol film, ethylene vinyl alcohol film, syndiotactic polystyrene film, polycarbonate film, Norbornene (ARTON (manufactured by JSR Corporation)), cycloolefin (Zeonor; manufactured by Zeon Corporation) , Zenekkusu (manufactured by Nippon Zeon Co.)), polymethylpentene film, a polyether ketone film, polyether ketone imide film, polyamide film, fluorocarbon resin film, nylon film, polymethyl methacrylate film or an acrylic film or the like. Among them, a cellulose triacetate film, a polycarbonate film, a polysulfone (including polyethersulfone), and a norbornene resin-based film are preferred. The product names KC8UX2MW, KC4UX2MW, KCSUN, KC8UY, KCUY, KC12UR, and KC8UCR (manufactured by Konica Corporation) are preferably used. It is preferably used.
[0229]
As the optical characteristics of the long film, those having a retardation Rt in the film thickness direction of 0 nm to 300 nm and a retardation R0 in the in-plane direction of 0 nm to 1000 nm are preferably used.
[0230]
(Length of long film)
The long film of the present invention specifically shows a length of about 100 m to 5000 m, and a long film having a width of 1 to 3 m is preferably used. Usually, it is in a form provided in a roll form. Further, it is particularly preferable that the long film of the present invention is subjected to the following knurling processing.
[0231]
Here, the knurling process will be described.
《Nurling height adjusted by knurling processing》
In the present invention, from the viewpoint of effectively preventing reflection unevenness, before forming the metal oxide layer by the atmospheric pressure plasma treatment, unevenness is given to both ends in the width direction of the long film to make the end part bulky. It is an essential requirement that so-called knurling is performed.
[0232]
That is, when applying an antifouling layer on the metal oxide layer formed by the atmospheric pressure plasma treatment, the long film may be subjected to a predetermined knurling process (also referred to as having a knurling height). is necessary.
[0233]
Knurling can be formed by pressing a heated embossing roll. Fine embossments are formed on the embossing roll. By pressing the embossing rolls, embossments are formed on the film, and the ends can be made bulky.
[0234]
The length of the knurling at both ends of the long base film of the present invention is preferably 4 to 20 μm.
[0235]
(Knurling height)
Here, the height a of the knurling is represented by the height a corresponding to an increase in the thickness with respect to the thickness d of the film.
[0236]
Hereinafter, the knurling height a of the long film of the present invention will be described with reference to FIGS. 5 (a) and 5 (b). FIGS. 5A and 5B are schematic cross-sectional views showing one embodiment of the height a of the knurling of the long film of the present invention.
[0237]
In FIG. 5A, there is a region where a convex portion is formed on one surface 300a, and this is a knurling 301a. d represents the thickness of the film.
[0238]
In FIG. 5A, the height a of the knurling is represented by a1.
In FIG. 5B, a knurling 301b including a concave portion and a convex portion is provided on one surface 300a, and a protrusion a2 is projected from the surface on the other surface 300b. d represents the thickness of the film.
[0239]
In the case shown in FIG. 5B, the knurling height a is represented by the sum of a1 + a2. The knurling height a (μm) is more preferably in the range of 4 to 20 μm, from the viewpoint of reducing unevenness in film thickness and physical properties of the layer formed by coating or the layer formed by atmospheric pressure plasma treatment, and particularly preferably, It is to be adjusted in the range of 6 to 12 μm.
[0240]
By providing the knurling of a predetermined height in this way, by providing the metal compound layer by plasma treatment near or above atmospheric pressure in an atmosphere containing nitrogen gas as a main component, the thickness of the metal compound layer becomes uneven. In addition, unevenness of surface properties is reduced, and as a result, unevenness (such as unevenness of application) of an antifouling layer applied on the metal compound layer is preferably improved.
[0241]
If the knurling height is less than 4 μm, the effect of preventing unevenness is poor, and if it exceeds 20 μm, unevenness increases, which is not preferable. In particular, in plasma treatment in an atmosphere containing nitrogen gas as a main component near or above atmospheric pressure, if the height of the knurling exceeds 20%, an abnormal discharge may occur in that portion, causing the discharge to become unstable. It is considered that the unevenness of the film thickness and physical properties of the metal compound layer causes the unevenness of the color of the resulting anti-reflection film, which also affects the coating layer provided thereon.
[0242]
In the present invention, it is preferable that the above-mentioned knurling process is provided after the drying in the film forming process and before the winding.
[0243]
《Adjustment of impedance》
In order to adjust the impedance within the range of the present invention, it is preferable to provide a layer containing a conductive metal or metal oxide, an ionene conductive polymer described in JP-A-9-203810, and particularly a crosslinked conductive polymer. Is preferably provided. These compounds can also serve as an antistatic layer.
[0244]
Next, the metal oxide will be described.
Examples of metal oxides include ZnO, TiO2, SnO2, Al2O3, In2O3, SiO2, MgO, BaO, MoO2, V2O5And the like, or a composite oxide of these is preferable, and in particular, ZnO, TiO2And SnO2Is preferred. Examples of including heteroatoms include, for example, addition of Al, In, etc. to ZnO,2For Nb, Ta, etc., and SnO2For this, the addition of Sb, Nb, a halogen element or the like is effective. The addition amount of these different atoms is preferably in the range of 0.01 mol% to 25 mol%, and particularly preferably in the range of 0.1 mol% to 15 mol%.
[0245]
The volume resistivity of these conductive metal oxide powders is usually 107Ωcm or less, preferably 105Ωcm or less, a powder having a specific structure in which the primary particle diameter is usually 100 ° to 0.2 μm and the major axis of the higher-order structure is 300 ° to 6 μm is added to the conductive layer in a volume fraction of 0.01% to It is preferable to contain 20%.
[0246]
The conductive layer (antistatic layer) may be provided on the support layer by dispersing conductive fine particles in a binder, or may be subjected to a subbing treatment on the support and the conductive fine particles adhered thereon. Good.
[0247]
The binder used in the present invention is not particularly limited as long as it has a film-forming ability. Examples thereof include gelatin, proteins such as casein, carboxymethylcellulose, hydroxyethylcellulose, acetylcellulose, diacetylcellulose, and triacetylcellulose. Cellulose compounds, dextran, agar, sodium alginate, sugars such as starch derivatives, polyvinyl alcohol, polyvinyl acetate, polyacrylate, polymethacrylate, polystyrene, polyacrylamide, poly-N-vinylpyrrolidone, polyester, poly Examples thereof include synthetic polymers such as vinyl chloride and polyacrylic acid.
[0248]
In particular, gelatin (lime-treated gelatin, acid-treated gelatin, oxygen-decomposed gelatin, phthalated gelatin, acetylated gelatin, etc.), acetylcellulose, diacetylcellulose, triacetylcellulose, polyvinyl acetate, polyvinyl alcohol, polybutyl acrylate, polyacrylamide And dextran are preferred.
[0249]
The ionene resin (ionene polymer) refers to a polymer in which an atom group having a quaternary ammonium salt in which a nitrogen atom is incorporated in the main chain of the ionene resin forms a unit having a repeating structure.
[0250]
The characteristic of the crosslinked cationic conductive polymer lies in the resulting dispersible granular polymer, which can have a high concentration and high density of the cation component in the particles, so that it has excellent conductivity. No degradation in conductivity was observed even at low relative humidity, and despite the fact that the particles were well dispersed in a dispersed state, the adhesion between the particles was good in the film formation process after coating, so the film strength was low. It is strong and has excellent adhesion to other substances such as substrates, and has excellent chemical resistance.
[0251]
The dispersible particulate polymer, which is a cross-linked cationic conductive polymer, generally has a particle size in the range of about 0.02 μm to 0.2 μm, preferably a particle size in the range of 0.05 μm to 0.1 μm.
[0252]
The amount of the conductive polymer used depends on the form used, but the protective film for polarizing plate 1 m2It is usually 0.01 to 2.0 g, preferably 0.03 to 1.0 g per solid content.
[0253]
Preferably, the ionene polymer is used with a hydrophobic binder. The hydrophobic binder is a binder that does not dissolve or swell with water.
[0254]
Examples of the hydrophobic binder useful in the present invention include cellulose derivatives such as cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose acetate butyrate, cellulose acetate phthalate or cellulose nitrate, polycarbonate, polybutylene terephthalate, and copolybutylene-tere / isophthalate. Polyvinyl alcohol derivatives such as polyester, polyvinyl formal, polyvinyl acetal, polyvinyl butyral, and polyvinyl benzal, norbornene-based polymers containing norbornene compounds, acrylic resins, and the above-mentioned ultraviolet curable resins can be used.
[0255]
The hydrophobic binder of the present invention is preferably selected from the above, and a cellulose derivative is particularly preferred from the viewpoint of processability and compatibility. The ratio of the ionene conductive polymer to the hydrophobic binder can be used in the range of 90:10 to 10:90, and is preferably 70:30 to 30:70 in view of conductivity and coatability of the ultraviolet curable resin composition. Particularly, the ratio is preferably from 40:60 to 60:40.
[0256]
In the case of a crosslinked cationic conductive polymer, it is not particularly necessary to mix a hydrophobic binder, but it may be mixed.
[0257]
When an ionene conductive polymer and a hydrophobic binder are coated on a transparent plastic film as an antistatic layer, organic solvents that can be used as a coating solution include water, methanol, ethanol, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, ethyl acetate, and amyl acetate. , Ethyl butyrate, acetonitrile, dioxane, dimethylformamide, formamide, dimethylsulfoxide, ethylene glycol, diethylene glycol, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol diacetate, glycerin, nitromethane, and the like. Methanol, ethanol, acetone and the like are preferred. It is also preferable to use a mixture of a moderately high-boiling solvent among the above.
[0258]
As a coating solvent for applying the crosslinked cationic conductive polymer composition, the above-mentioned organic solvents can be conveniently used. In addition, some water may be mixed depending on the state of dispersion.
[0259]
The method for applying the coating solution for the antistatic layer includes a doctor coat, an extrusion coat, a slide coat, a roll coat, a gravure coat, a wire bar coat, a reverse coat, a curtain coat or a method described in U.S. Pat. No. 2,681,294. It can be applied by an extrusion coating method using a hopper or the like.
[0260]
When forming an antistatic layer, the layer may contain additives such as a matting agent, a surfactant, a plasticizer, a slipping agent, a high-boiling solvent, and the like. The physical function for can be further enhanced.
[0261]
The antistatic layer can be provided below, above or above the hard coat layer. For example, it is preferable to provide an antistatic layer before providing a hard coat layer.
[0262]
From the viewpoint of reducing the unevenness of the reflected light of the antireflection film of the present invention, the absolute value of the impedance of the long base film at a frequency of 20 Hz is 4 × 105Ω or more, preferably 5 × 105Ω ~ 5 × 1020Ω, more preferably 8 × 105Ω ~ 5 × 108The adjustment is to be in the range of Ω.
[0263]
(Measurement of impedance)
Here, the means for adjusting the impedance so as to be within the above range can be generally obtained by applying the following known general formula (A).
[0264]
General formula (A)
| Z | = [R2+ (1 / ωC)2]1/2
However,
Z: impedance
R: resistance
C: capacitance
ω: 2πf
f: frequency
In the present invention, for measuring the impedance of the film material, a general impedance measuring device used for measuring the permittivity of an electronic component can be used. Preferably, an impedance measuring device capable of measuring a frequency of 1 Hz or more, It is a device that combines electrodes. For example, a combination of the precision LCR meters HP4284A and HP16451B manufactured by Yokogawa Hewlett-Packard Company.
[0265]
An example in which the absolute value of the impedance at 20 Hz is further determined by this combination of devices will be described in detail. If the absolute value of the impedance of the film material at an accurate frequency of 20 Hz can be measured, the measuring method is not limited in the present invention.
[0266]
The absolute value of the impedance of the film material is measured by a gap method at 23 ° C. in a 20% RH atmosphere using a precision LCR meter HP4284A connected to an HP16451B having two electrodes composed of parallel planes and a guard electrode.
[0267]
Regarding the measurement of the void method, the non-electrode contact method described in the instruction manual of HP16451B is used. The size of the sample is not particularly limited as long as it is larger than the plane of the electrode. However, when the diameter of the main electrode to be used is 3.8 cm, a square sample having a size of 6 cm × 6 cm to 5 cm × 5 cm is preferable. If the surface resistivity measured using the direct current of the sample is the same on the front and back, either side may be turned up. A sample is placed between two electrodes composed of parallel planes, and measurement is performed by a gap method while applying an AC voltage.
[0268]
<< Adjustment of friction coefficient for friction >>
By adjusting the dynamic friction coefficient on the back surface side of the base film of the present invention, reflected light unevenness of the antireflection film, which is one of the effects of the present invention, is preferable in that it can be further reduced. It is preferable to set the value to the following range, more preferably to the range of 0.1 to 0.6, and particularly preferably to the range of 0.2 to 0.5.
[0269]
(Measurement of dynamic friction coefficient)
Here, the dynamic friction coefficient of the back surface of the long film can be measured using a method specified in JIS-K-7125 (1987). However, in this case, when a metal such as a hard sphere is used as a mating material in measuring the dynamic friction coefficient of the film, the effect of adding fine particles to the film cannot be confirmed. It is necessary to measure the coefficient of dynamic friction between films. Therefore, in accordance with JIS-K-7125, the measurement can be performed by using the long film of the present invention for both the test piece and the mating material and arranging the back surfaces of the film so as to be in contact with each other.
[0270]
(Cellulose ester film)
It is particularly preferable to use a cellulose ester film as the substrate because a laminate having a low reflectance can be obtained. As the cellulose ester, cellulose acetate, cellulose acetate butyrate, and cellulose acetate propionate are preferably used.
[0271]
When a cellulose ester is used as the long film of the present invention, the cellulose as a raw material of the cellulose ester is not particularly limited, and examples thereof include cotton linters, wood pulp (derived from softwood, broadleaf), and kenaf. Cellulose esters obtained therefrom can be mixed and used at an arbitrary ratio. When the acylating agent is an acid anhydride (acetic anhydride, propionic anhydride, butyric anhydride), these cellulose esters use an organic acid such as acetic acid or an organic solvent such as methylene chloride, and use a solvent such as sulfuric acid. It can be obtained by reacting with a cellulose raw material using a protic catalyst.
[0272]
The acylating agent is acid chloride (CH3COCl, C2H5COCl, C3H7In the case of (COCl), the reaction is carried out using a basic compound such as an amine as a catalyst. Specifically, it can be synthesized with reference to the method described in JP-A-10-45804 and the like. The cellulose ester used in the present invention is obtained by mixing and reacting the above-mentioned acylating agents in accordance with the respective degrees of substitution, and these acylating agents react with hydroxyl groups of cellulose molecules. Cellulose molecules are composed of a large number of linked glucose units, and the glucose unit has three hydroxyl groups. The number of acyl groups derived from these three hydroxyl groups is called the degree of substitution (mol%). For example, cellulose triacetate has an acetyl group bonded to all three hydroxyl groups of a glucose unit (actually, 2.6 to 3.0).
[0273]
As the cellulose ester used in the present invention, cellulose acetate propionate, cellulose acetate butyrate, or a mixed fatty acid ester of cellulose bonded with a propionate group or a butyrate group in addition to an acetyl group such as cellulose acetate propionate butyrate Is particularly preferably used. The butyryl group forming butyrate may be linear or branched.
[0274]
Cellulose acetate propionate containing a propionate group as a substituent has excellent water resistance and is useful as a film for a liquid crystal image display device.
[0275]
The method for measuring the degree of substitution of the acyl group can be measured according to ASTM-D817-96.
[0276]
The number average molecular weight of the cellulose ester is preferably from 70,000 to 250,000, because the mechanical strength when molded is high and the dope has an appropriate dope viscosity, and more preferably from 80,000 to 150,000.
[0277]
(Production of long film by casting film forming method)
These cellulose esters are, as described later, a cellulose ester solution (dope) generally called a solution casting film forming method, for example, an endless metal belt for infinitely transferring, or a long film for casting a rotating metal drum. It is preferably manufactured by a method in which a dope is cast from a pressure die and formed into a film.
[0278]
As an organic solvent used for preparing these dopes, it is preferable to dissolve a cellulose ester and to have a moderate boiling point. For example, methylene chloride, methyl acetate, ethyl acetate, amyl acetate, acetone, tetrahydrofuran, 1,3- Dioxolan, 1,4-dioxane, cyclohexanone, ethyl formate, 2,2,2-trifluoroethanol, 2,2,3,3-tetrafluoro-1-propanol, 1,3-difluoro-2-propanol, 1, 1,1,3,3,3-hexafluoro-2-methyl-2-propanol, 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-propanol, 2,2,3,3,3- Examples thereof include pentafluoro-1-propanol, nitroethane, and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone. Organic halogen compounds such as Renkuroraido, dioxolane derivatives, methyl acetate, ethyl acetate, preferred organic solvents are acetone (i.e., good solvent), and as.
[0279]
Further, as shown in the following film forming step, when drying the solvent from the web (doped film) formed on the casting long film in the solvent evaporation step, from the viewpoint of preventing foaming in the web, The boiling point of the organic solvent used is preferably from 30 to 80 ° C. For example, the boiling points of the above-mentioned good solvents are methylene chloride (boiling point 40.4 ° C), methyl acetate (boiling point 56.32 ° C), acetone (boiling point 56.3 ° C.) and ethyl acetate (boiling point 76.82 ° C.).
[0280]
Among the above-mentioned good solvents, methylene chloride and methyl acetate which are excellent in solubility are preferably used.
[0281]
In addition to the above organic solvent, it is preferable to contain 0.1% to 30% by mass of an alcohol having 1 to 4 carbon atoms. Particularly preferably, the alcohol is contained at 5 to 30% by mass. After the dope described above is cast on a long film for casting, the solvent starts to evaporate and the ratio of alcohol increases, so that the web (dope film) gels, making the web strong and peeling from the long film for casting. It is used as a gelling solvent to facilitate the dissolution, and when these proportions are small, it also has a role of promoting the dissolution of the cellulose ester of the non-chlorine organic solvent.
[0282]
Examples of the alcohol having 1 to 4 carbon atoms include methanol, ethanol, n-propanol, iso-propanol, n-butanol, sec-butanol and tert-butanol.
[0283]
Among these solvents, ethanol is preferred because the dope has good stability, a relatively low boiling point, good drying properties, and no toxicity. Preferably, a solvent containing 5% to 30% by mass of ethanol with respect to 70% to 95% by mass of methylene chloride is used. Methyl acetate can be used instead of methylene chloride. At this time, the dope may be prepared by a cooling dissolution method.
[0284]
Further, it is preferable that the dope contains 0.1% by mass to 2% by mass of water.
[0285]
(Plasticizer)
When a cellulose ester film is used as the long film of the antireflection film of the present invention, it is preferable to contain the following plasticizer. Examples of the plasticizer include a phosphate ester plasticizer, a phthalate ester plasticizer, a trimellitate ester plasticizer, a pyromellitic acid plasticizer, a glycolate plasticizer, a citrate ester plasticizer, and a polyester. A system plasticizer or the like can be preferably used.
[0286]
Phosphate plasticizers include triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, diphenyl biphenyl phosphate, trioctyl phosphate, and tributyl phosphate.Phthalate plasticizers include diethyl phthalate, dimethoxy In the case of trimellitic acid plasticizers such as ethyl phthalate, dimethyl phthalate, dioctyl phthalate, dibutyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, butyl benzyl phthalate, diphenyl phthalate and dicyclohexyl phthalate, tributyl trimellitate, triphenyl trimellitate and triethyl Pyromellitic ester plasticizers such as trimellitate include tetrabutyl pyromellitate and Glycolate plasticizers such as rupyromellitate and tetraethyl pyromellitate include triacetin, tributyrin, ethylphthalylethyl glycolate, methylphthalylethyl glycolate, and butylphthalylbutyl glycolate; Citrate, tri-n-butyl citrate, acetyl triethyl citrate, acetyl tri-n-butyl citrate, acetyl tri-n- (2-ethylhexyl) citrate and the like can be preferably used. Examples of other carboxylic esters include trimethylolpropane tribenzoate, butyl oleate, methylacetyl ricinoleate, dibutyl sebacate, and various trimellitates.
[0287]
As the polyester-based plasticizer, a copolymer of a glycol and a dibasic acid such as an aliphatic dibasic acid, an alicyclic dibasic acid, or an aromatic dibasic acid can be used. The aliphatic dibasic acid is not particularly limited, but adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, terephthalic acid, 1,4-cyclohexyldicarboxylic acid and the like can be used. As the glycol, ethylene glycol, diethylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,4-butylene glycol, 1,3-butylene glycol, 1,2-butylene glycol, or the like can be used. These dibasic acids and glycols may be used alone or in combination of two or more.
[0288]
In particular, cellulose compounds having additives such as epoxy compounds, rosin compounds, phenol novolak type epoxy resins, cresol novolak type epoxy resins, ketone resins, and toluenesulfonamide resins described in JP-A-2002-146044 are also preferably used. .
[0289]
Specifically, rosin and rosin derivatives include those having the following structural formulas.
[0290]
Embedded image
Figure 2004258469
[0291]
Among the above compounds, KE-604 and KE-610 are commercially available from Arakawa Chemical Industries, Ltd. with acid numbers 237 and 170, respectively. Similarly, Arakawa Chemical Industries, Ltd. sells KE-100 and KE-356 as esterified products of a mixture of abietic acid, dehydroabietic acid, and parastric acid at an acid value of 8 and 0, respectively. In addition, a mixture of abietic acid, dehydroabietic acid, and parastric acid is commercially available from Harima Kasei Co., Ltd. as G-7 and Hartol RX having acid numbers of 167 and 168, respectively.
[0292]
Epoxy resins include those having the following structures.
[0293]
Embedded image
Figure 2004258469
[0294]
Araldide EPN1179 and Araldide AER260 are commercially available from Asahi Ciba.
[0295]
Ketone resins include those having the following structures.
[0296]
Embedded image
Figure 2004258469
[0297]
Hiluck 110 and Hiluck 110H are commercially available from Hitachi Chemical Co., Ltd.
[0298]
Examples of the paratoluenesulfonamide resin include those having the following structures, and are commercially available as toplers from Fujiamido Chemical Co., Ltd.
[0299]
Embedded image
Figure 2004258469
[0300]
These plasticizers are preferably used alone or in combination.
The use amount of these plasticizers is preferably from 1% by mass to 20% by mass, particularly preferably from 3% by mass to 13% by mass, based on the cellulose ester in terms of film performance, processability and the like.
[0301]
(UV absorber)
The ultraviolet absorbent used for the long film according to the present invention will be described. For long films for antireflection films, ultraviolet absorbers are preferably used.
[0302]
As the ultraviolet absorber, those having excellent absorption of ultraviolet light having a wavelength of 370 nm or less and little absorption of visible light having a wavelength of 400 nm or more are preferably used from the viewpoint of good liquid crystal display properties.
[0303]
Specific examples of the ultraviolet absorber preferably used in the present invention include, for example, oxybenzophenone-based compounds, benzotriazole-based compounds, salicylate-based compounds, benzophenone-based compounds, cyanoacrylate-based compounds, nickel complex-based compounds, and the like. However, the present invention is not limited to these.
[0304]
As the benzotriazole-based ultraviolet absorber, a compound represented by the following general formula [1] is preferably used.
[0305]
Embedded image
Figure 2004258469
[0306]
In the formula, R1, R2, R3, R4 and R5 may be the same or different, and include a hydrogen atom, a halogen atom, a nitro group, a hydroxyl group, an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, an alkoxyl group, an acyloxy group, and an aryloxy group. , An alkylthio group, an arylthio group, a mono- or dialkylamino group, an acylamino group or a 5- to 6-membered heterocyclic group, and R4 and R5 may be closed to form a 5- to 6-membered carbon ring.
[0307]
Further, these groups described above may have an arbitrary substituent.
Hereinafter, specific examples of the ultraviolet absorbent according to the present invention will be described, but the present invention is not limited thereto.
[0308]
UV-1: 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzotriazole
UV-2: 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) benzotriazole
UV-3: 2- (2'-hydroxy-3'-tert-butyl-5'-methylphenyl) benzotriazole
UV-4: 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole
UV-5: 2- (2'-hydroxy-3 '-(3 ", 4", 5 ", 6" -tetrahydrophthalimidomethyl) -5'-methylphenyl) benzotriazole
UV-6: 2,2-methylenebis (4- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) -6- (2H-benzotriazol-2-yl) phenol)
UV-7: 2- (2'-hydroxy-3'-tert-butyl-5'-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole
UV-8: 2- (2H-benzotriazol-2-yl) -6- (linear and side chain dodecyl) -4-methylphenol (TINUVIN171, Ciba)
UV-9: octyl-3- [3-tert-butyl-4-hydroxy-5- (chloro-2H-benzotriazol-2-yl) phenyl] propionate and 2-ethylhexyl-3- [3-tert-butyl- Mixture of 4-hydroxy-5- (5-chloro-2H-benzotriazol-2-yl) phenyl] propionate (TINUVIN109, manufactured by Ciba)
As the benzophenone-based ultraviolet absorber, a compound represented by the following general formula [2] is preferably used.
[0309]
Embedded image
Figure 2004258469
[0310]
In the formula, Y represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, an alkenyl group, an alkoxyl group and a phenyl group, and these alkyl group, alkenyl group and phenyl group may have a substituent. A represents a hydrogen atom, an alkyl group, an alkenyl group, a phenyl group, a cycloalkyl group, an alkylcarbonyl group, an alkylsulfonyl group or a -CO (NH) n-1-D group, and D represents an alkyl group, an alkenyl group or a substituent. Represents a phenyl group which may have m and n represent 1 or 2.
[0311]
In the above, the alkyl group represents, for example, a linear or branched aliphatic group having up to 24 carbon atoms, the alkoxyl group represents, for example, an alkoxyl group having up to 18 carbon atoms, and the alkenyl group represents, for example, carbon atoms having up to 18 carbon atoms. An alkenyl group of up to 16 represents an allyl group, a 2-butenyl group or the like. Examples of the substituent for the alkyl group, alkenyl group and phenyl group include a halogen atom, for example, a chlorine atom, a bromine atom and a fluorine atom, a hydroxyl group and a phenyl group. May be used).
[0312]
Hereinafter, specific examples of the benzophenone-based compound represented by the general formula (8) will be shown, but the present invention is not limited thereto.
[0313]
UV-10: 2,4-dihydroxybenzophenone
UV-11: 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone
UV-12: 2-hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone
UV-13: bis (2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoylphenylmethane)
As the ultraviolet absorber preferably used in the present invention, a benzotriazole-based ultraviolet absorber or a benzophenone-based ultraviolet absorber having high transparency and excellent in preventing deterioration of the polarizing plate and liquid crystal is preferable, and unnecessary coloring is less. Benzotriazole UV absorbers are particularly preferably used.
[0314]
Further, the ultraviolet absorber described in JP-A-2001-187825 having a distribution coefficient of 9.2 or more improves the surface quality of a long film and has excellent coatability. In particular, it is preferable to use an ultraviolet absorber having a distribution coefficient of 10.1 or more.
[0315]
Further, the polymer ultraviolet absorber described in the general formula (1) or the general formula (2) described in JP-A-6-148430 or the general formulas (3), (6) and (7) in Japanese Patent Application No. 2000-156039 ( Or an ultraviolet absorbing polymer) is also preferably used. As the high-molecular ultraviolet absorber, PUVA-30M (manufactured by Otsuka Chemical Co., Ltd.) is commercially available.
[0316]
Examples of the method for adding the ultraviolet absorbent additive liquid used in the present invention include the methods described below.
[0317]
<< Addition method A >>
As a method for preparing an ultraviolet absorbent additive liquid, an ultraviolet absorbent is dissolved in an organic solvent such as alcohol, methylene chloride, or dioxolane, and then directly added to the dope composition.
[0318]
<< Addition method B >>
As a method for preparing an ultraviolet absorber additive liquid, an ultraviolet absorber and a small amount of cellulose ester are dissolved in an organic solvent such as alcohol, methylene chloride, or dioxolane, and then added to the dope using an inline mixer.
[0319]
In the present invention, the addition method B is preferable because the addition amount of the ultraviolet absorber can be easily adjusted, and thus the productivity is excellent.
[0320]
The amount of the ultraviolet absorber used is not uniform depending on the type of the compound, the use conditions, and the like, but is usually preferably 0.2 to 2.0 g, more preferably 0.4 to 1.5 g, per m2 of the cellulose ester film. 0.6 to 1.0 g is particularly preferred.
[0321]
Fine particles can be added to the cellulose ester film used in the present invention in order to impart lubricity. Examples of the fine particles include fine particles of an inorganic compound and fine particles of an organic compound.
[0322]
Examples of inorganic compounds include compounds containing silicon, silicon dioxide, aluminum oxide, zirconium oxide, calcium carbonate, talc, clay, calcined kaolin, calcined calcium silicate, hydrated calcium silicate, aluminum silicate, magnesium silicate, calcium phosphate, and the like. And more preferably an inorganic compound containing silicon or zirconium oxide. Silicon dioxide is particularly preferably used because turbidity of the cellulose ester laminated film can be reduced.
[0323]
As the fine particles of silicon dioxide, commercially available products such as Aerosil R972, R972V, R974, R812, 200, 200V, 300, R202, OX50, TT600 (all manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) can be used.
[0324]
As the fine particles of zirconium oxide, commercially available products such as Aerosil R976 and R811 (all manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) can be used.
[0325]
As the organic compound, for example, polymers such as silicone resin, fluorine resin and acrylic resin are preferable, and among them, silicone resin is preferably used.
[0326]
Among the silicone resins described above, those having a three-dimensional network structure are particularly preferable. For example, Tospearl 103, 105, 108, 120, 145, 3120 and 240 (all manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd.) ) Can be used.
[0327]
The primary average particle diameter of the fine particles added to the cellulose ester film used in the present invention is preferably 20 nm or less, more preferably 5 nm to 16 nm, and particularly preferably 5 nm, from the viewpoint of suppressing haze. 1212 nm. These fine particles are preferably included in the cellulose ester film by forming secondary particles having a particle size of 0.1 μm to 5 μm, and the average particle size is preferably 0.1 μm to 2 μm, and more preferably 0.2 μm to 2 μm. 0.6 μm. As a result, irregularities having a height of about 0.1 μm to 1.0 μm are formed on the film surface, and thereby an appropriate slip property can be given to the film surface.
[0328]
The primary average particle diameter of the fine particles used in the present invention is measured by observing the particles with a transmission electron microscope (magnification 500,000 to 2,000,000), observing 100 particles, and determining the average value of the primary particles. The average particle diameter was used.
[0329]
The apparent specific gravity of the fine particles is preferably 70 g / L or more, more preferably 90 to 200 g / L, and particularly preferably 100 to 200 g / L. As the apparent specific gravity is larger, it becomes possible to produce a high concentration dispersion, haze and aggregates are preferably improved, and when preparing a dope having a high solid content as in the present invention, Are particularly preferably used.
[0330]
Silicon dioxide fine particles having an average primary particle diameter of 20 nm or less and an apparent specific gravity of 70 g / liter or more, for example, are obtained by burning a mixture of vaporized silicon tetrachloride and hydrogen at 1000 to 1200 ° C. in air. Can be obtained. Further, for example, they are commercially available under the trade names of Aerosil 200V and Aerosil R972V (both manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.), and these can be used.
[0331]
The apparent specific gravity described above is obtained by taking a predetermined amount of silicon dioxide fine particles in a measuring cylinder, measuring the weight at this time, and calculating by the following formula.
[0332]
Apparent specific gravity (g / liter) = mass of silicon dioxide (g) / volume of silicon dioxide (liter)
As a method for preparing the dispersion liquid of the fine particles used in the present invention, for example, the following three types can be mentioned.
[0333]
<< Preparation method A >>
After stirring and mixing the solvent and the fine particles, dispersion is performed with a disperser. This is used as a fine particle dispersion. The fine particle dispersion is added to the dope and stirred.
[0334]
<< Preparation method B >>
After stirring and mixing the solvent and the fine particles, dispersion is performed with a disperser. This is used as a fine particle dispersion. Separately, a small amount of cellulose triacetate is added to the solvent and dissolved by stirring. The fine particle dispersion is added thereto and stirred. This is used as a fine particle addition liquid. The fine particle addition liquid is sufficiently mixed with the dope liquid using an in-line mixer.
[0335]
<< Preparation method C >>
A small amount of cellulose triacetate is added to the solvent and dissolved by stirring. Fine particles are added to this and dispersed by a disperser. This is used as a fine particle addition liquid. The fine particle addition liquid is sufficiently mixed with the dope liquid using an in-line mixer.
[0336]
Preparation method A is excellent in dispersibility of silicon dioxide fine particles, and preparation method C is excellent in that silicon dioxide fine particles are less likely to re-aggregate. Above all, the above-mentioned preparation method B is a preferable preparation method which is excellent in both the dispersibility of the silicon dioxide fine particles and the difficulty of re-aggregation of the silicon dioxide fine particles.
[0337]
《Dispersion method》
The concentration of silicon dioxide when the silicon dioxide fine particles are mixed and dispersed with a solvent or the like is preferably 5% by mass to 30% by mass, more preferably 10% by mass to 25% by mass, and most preferably 15 to 20% by mass. The higher the dispersion concentration, the lower the liquid turbidity with respect to the amount added, which is preferable because haze and aggregates are improved.
[0338]
As the solvent to be used, lower alcohols preferably include methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol and the like. The solvent other than the lower alcohol is not particularly limited, but it is preferable to use a solvent used when forming a cellulose ester film.
[0339]
The addition amount of the silicon dioxide fine particles to the cellulose ester is preferably 0.01 to 0.3 parts by mass, more preferably 0.05 to 0.2 parts by mass, based on 100 parts by mass of the cellulose ester. It is most preferably from 0.08 parts by mass to 0.12 parts by mass. The larger the added amount, the better the dynamic friction coefficient, and the smaller the added amount, the lower the haze and the smaller the agglomerates.
[0340]
An ordinary disperser can be used as the disperser. Dispersers can be broadly divided into media dispersers and medialess dispersers. For dispersing silicon dioxide fine particles, a medialess disperser is preferred because it has a low haze. Examples of the media dispersing machine include a ball mill, a sand mill, and a dyno mill.
[0341]
Examples of the medialess disperser include an ultrasonic type, a centrifugal type, and a high-pressure type. In the present invention, a high-pressure disperser is preferable. The high-pressure dispersing device is a device that creates a special condition such as a high shear or a high pressure state by allowing a composition in which fine particles and a solvent are mixed to pass through a thin tube at a high speed. When processing with a high-pressure dispersion device, for example, it is preferable that the maximum pressure condition inside the device is 9.807 MPa or more in a thin tube having a tube diameter of 1 μm to 2000 μm. More preferably, it is 19.613 MPa or more. In this case, it is preferable that the maximum arrival speed reaches 100 m / sec or more, and the heat transfer speed reaches 420 kJ / hour or more.
[0342]
The high-pressure dispersing apparatus as described above includes an ultra-high-pressure homogenizer (trade name: Microfluidizer) manufactured by Microfluidics Corporation and a nanomizer manufactured by Nanomizer. UHN-01 manufactured by Waki Machine Co., Ltd. and the like.
[0343]
In addition, after being wound up in a roll shape, the product is usually packaged until it is shipped, in order to protect the product from dirt and adhesion of dust due to static electricity. The packaging material is not particularly limited as long as the above purpose can be achieved, but is preferably a material that does not prevent the residual solvent from evaporating from the film. Specific examples include polyethylene, polyester, polypropylene, nylon, polystyrene, paper, various nonwoven fabrics, and the like. Fibers in the form of mesh cloth are more preferably used.
[0344]
The cellulose ester film according to the present invention may have a multilayer structure by a co-casting method using a plurality of dopes.
[0345]
Co-casting is a sequential multi-layer casting method in which two or three layers are formed through different dies, and a simultaneous multi-layer casting method in which two or three slits are merged in a die having two or three slits. Alternatively, any of the multilayer casting methods combining the sequential multilayer casting and the simultaneous multilayer casting may be used.
[0346]
The cellulose ester film used in the present invention is preferably stretched at least in the width direction. In particular, when the amount of residual peeling in the solution casting step is 3% by mass to 40% by mass, 1.01% in the width direction. It is preferable that the film is stretched by a factor of 1.5 to 1.5. More preferably, the film is biaxially stretched in the width direction and the longitudinal direction, and when the amount of residual peeling is 3% by mass to 40% by mass, 1.01 times to 1.1 times in the width direction and the longitudinal direction, respectively. Desirably, it is stretched 5 times. By doing so, an antireflection film having excellent visibility can be obtained. Further, by performing biaxial stretching and performing a knurling process described later, deterioration of the wound shape during storage of the long antireflection film in a roll shape can be remarkably improved.
[0347]
The stretching ratio at this time is preferably 1.01 to 1.5 times, and particularly preferably 1.03 to 1.45 times.
[0348]
More preferably, by adjusting the number of projections on the back side, which will be described later, within a predetermined range, an effect of improving the storage stability of the roll-shaped antireflection film can be obtained.
[0349]
In particular, in the present invention, it is preferable to carry out width holding or stretching where the amount of the residual solvent immediately after peeling off from the support is large, since the effect of improving the dimensional stability can be further exhibited.
[0350]
In the drying step after peeling from the support, the film tends to shrink in the width direction due to evaporation of the solvent. Furthermore, the shrinkage increases as the temperature increases. Drying while suppressing this shrinkage as much as possible is preferable from the viewpoint of improving the flatness and dimensional stability of the resulting film. From this point, for example, a so-called tenter method in which a method of drying the entire drying process or a part of the drying process while holding both ends of the width of the film with a clip in the width direction as shown in JP-A-62-46625, is used. Preferably, it is used.
[0351]
In the present invention, the means for drying the film is not particularly limited and, for example, can be performed using hot air, infrared rays, a heating roll, a microwave, or the like, and from the viewpoint of simplicity, a method using hot air is preferable. . The drying temperature is preferably divided into three to five stages in a temperature range of 40 to 150 ° C., and the drying temperature is preferably gradually increased. It is preferable to realize the property.
[0352]
Each step from the casting to the post-drying may be performed under an air atmosphere or under an inert gas atmosphere such as a nitrogen gas. In addition, it is a matter of course that the drying atmosphere is performed in consideration of the explosive limit concentration of the solvent.
[0353]
The winding machine according to the present invention for producing a long film may be a commonly used one, such as a constant tension method, a constant torque method, a taper tension method, and a program tension control method with a constant internal stress. It can be wound by a winding method.
[0354]
Further, as the cellulose ester used in the present invention, those having little bright spot foreign matter when formed into a film are preferably used as a long film. In the present invention, the bright spot foreign matter is defined by arranging two polarizing plates at right angles (crossed Nicols), arranging a cellulose ester film between them, and applying light from a light source from one surface to the other surface. When the cellulose ester film is observed from above, the light from the light source appears to leak.
[0355]
At this time, the polarizing plate used for the evaluation is desirably formed of a protective film having no bright spot foreign matter, and a polarizing plate using a glass plate for protection of the polarizer is preferably used. It is considered that the occurrence of the bright spot foreign matter is caused by unacetylated cellulose contained in the cellulose ester. One of the causes is to use a cellulose ester having a small amount of unacetylated cellulose, or to use a cellulose ester. Removal and reduction can be achieved by filtering the dissolved dope solution or the like. Further, as the film thickness decreases, the number of bright spot foreign substances per unit area decreases, and as the content of the cellulose ester contained in the film decreases, the bright spot foreign substances tend to decrease.
[0356]
200 bright spot foreign matters having a diameter of 0.01 mm or more of bright spots / cm2Or less, more preferably 100 or less, 50 or less, 30 or less2Below, 10 pieces / cm2It is preferably the following, but particularly preferably 0.
[0357]
Also, the number of bright spots of 0.005 mm to 0.01 mm is 200 / cm.2Or less, more preferably 100 / cm2 or less, 50 / cm22Below, 30 pieces / cm2Hereinafter, the number is preferably 10 / cm 2 or less, and particularly preferred is a case where the luminescent spot is 0. It is preferable that the number of bright spots of 0.005 mm or less is small.
[0358]
In the case of removing the bright spot foreign matter by filtration, it is preferable to filter the composition to which the plasticizer is added and mixed, rather than to filter the cellulose ester alone dissolved therein, since the removal efficiency of the bright spot foreign matter is high. As the filter material, conventionally known materials such as glass fiber, cellulose fiber, filter paper, and fluororesin such as tetrafluoroethylene resin are preferably used, but ceramics and metals are also preferably used. The absolute filtration accuracy is preferably 50 μm or less, more preferably 30 μm or less and 10 μm or less, and particularly preferably 5 μm or less.
[0359]
These can also be used in appropriate combinations. The filter medium may be either a surface type or a depth type, but the depth type is preferably used because it is relatively difficult to clog.
[0360]
《Backcoat layer》
(Protrusion of back coat layer of long film)
The anti-reflection film of the present invention has a concavo-convex layer, an anti-reflection layer, and the like on one surface of a long film, and the other surface (also referred to as a back surface) has a height from the surface of 0.1 μm. 10 to 500 protrusions / 100 μm2Preferably, more preferably 50 to 500/100 μm2And particularly preferably 100 to 450/100 μm2It is.
[0361]
Here, the number of protrusions on the surface can be measured using an optical interference type surface roughness meter (for example, RST PLUS manufactured by WYKO), and the number of protrusions having a height of 0.1 μm or more from the film surface can be counted.
[0362]
Such projections on the back side can be formed by a method of adding fine particles to the film in advance, or a method of applying a coating liquid containing the fine particles and providing a back coat layer. The number and size of the projections can be controlled by controlling the addition amount and dispersion state of the fine particles.
[0363]
Thereby, when the metal compound layer is formed by the atmospheric pressure plasma treatment and the antifouling layer is coated on the metal compound layer, coating unevenness can be significantly reduced.
[0364]
By adding fine particles to the long film, 10 to 500 protrusions having a height of 0.1 μm to 10 μm are formed on the back surface.2It is preferred to have. At this time, the long film may be formed into a multilayer structure by a co-casting method, and fine particles may be contained only in the surface layer.
[0365]
Adjusting the projection on the back surface to the above range is effective in improving the storage stability of the long roll-shaped antireflection film.
[0366]
The back coat layer preferably contains a resin and fine particles, and the type of fine particles to be added may be an organic compound or an inorganic compound, for example, silicon dioxide, titanium dioxide, aluminum oxide, zirconium oxide, or carbonate. It is preferable to contain inorganic fine particles such as calcium, kaolin, talc, calcined calcium silicate, hydrated calcium silicate, aluminum silicate, magnesium silicate, and calcium phosphate, and crosslinked polymer fine particles. Among them, silicon dioxide is preferable because the haze of the film can be reduced. The average particle size of the secondary particles of the fine particles is 0.1 μm to 10 μm, and the content thereof is preferably 0.04% by mass to 0.3% by mass based on the cellulose ester of the base material. Fine particles such as silicon dioxide are often surface-treated with an organic substance, but this is preferable because the haze of the film can be reduced. Preferred organic substances for the surface treatment include halosilanes, alkoxysilanes (especially alkoxysilanes having a methyl group), silazane, siloxane and the like. The larger the average particle diameter of the fine particles is, the larger the matting effect is, and the smaller the average particle diameter is, the better the transparency is. Therefore, the average particle diameter of the primary particles of the preferable fine particles is 5 nm to 50 nm, more preferably 7 to 16 nm. It is. Examples of the fine particles of silicon dioxide include AEROSIL (Aerosil) 200, 200V, 300, R972, R972V, R974, R202, R812, OX50, and TT600 manufactured by Aerosil Co., Ltd., and preferably AEROSIL (Aerosil) 200V. , R972, R972V, R974, R202, and R812. Two or more of these fine particles may be used in combination. When two or more kinds are used in combination, they can be used by mixing at an arbitrary ratio. In this case, fine particles having different average particle diameters and materials, for example, AEROSIL (Aerosil) 200V and R972V can be used in a mass ratio of 0.1: 99.9 to 99.9: 0.1.
[0367]
The coating composition can contain a resin. Examples of the resin used here include a vinyl chloride / vinyl acetate copolymer, a vinyl chloride resin, a vinyl acetate resin, a copolymer of vinyl acetate and vinyl alcohol, Partially hydrolyzed vinyl chloride / vinyl acetate copolymer, vinyl chloride / vinylidene chloride copolymer, vinyl chloride / acrylonitrile copolymer, ethylene / vinyl alcohol copolymer, chlorinated polyvinyl chloride, ethylene / vinyl chloride copolymer Copolymers, vinyl polymers or copolymers such as ethylene / vinyl acetate copolymer, cellulose such as nitrocellulose, cellulose acetate propionate, cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose acetate butyrate, and cellulose acetate propionate resin Ester resin, Murray Acid and / or acrylic acid copolymer, acrylate copolymer, acrylonitrile / styrene copolymer, chlorinated polyethylene, acrylonitrile / chlorinated polyethylene / styrene copolymer, methyl methacrylate / butadiene / styrene copolymer, Acrylic resin, polyvinyl acetal resin, polyvinyl butyral resin, polyester polyurethane resin, polyether polyurethane resin, polycarbonate polyurethane resin, polyester resin, polyether resin, polyamide resin, polyamide resin, amino resin, styrene / butadiene resin, butadiene / acrylonitrile resin Examples of the resin include a resin, a silicone-based resin, and a fluorine-based resin, but are not limited thereto. As the acrylic resin, Acrypet MD, VH, MF, V (all manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.), Hyperl M-4003, M-4005, M-4006, M-4202, M-5000, M-5001, M-4501 (manufactured by Negami Kogyo Co., Ltd.), Dianal BR-50, BR-52, BR-53, BR-60, BR-64, BR-73, BR-75, BR-77, BR- 79, BR-80, BR-82, BR-83, BR-85, BR-87, BR-88, BR-90, BR-93, BR-95, BR-100, BR-101, BR-102, BR-105, BR-106, BR-107, BR-108, BR-112, BR-113, BR-115, BR-116, BR-117, BR-118 (all manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) and the like Used by It is. Particularly preferably, a cellulose ester resin such as diacetyl cellulose or cellulose acetate propionate is used.
[0368]
The number of protrusions on the back surface can be adjusted by adjusting the amount and the particle size of the added fine particles. Further, by coating a layer containing fine particles on the back side of an anti-reflection layer (also referred to as an optical interference layer), an anti-reflection layer having 1 to 500 protrusions having a height of 0.1 μm to 10 μm / 0.01 mm 2 on the back surface is provided. A film can be provided.
[0369]
Examples of the solvent for dissolving, swelling, or dispersing the mixed composition of the resin and the fine particles as described above include, for example, benzene, toluene, xylene, dioxane, acetone, methyl ethyl ketone, N, N-dimethylformamide, methyl acetate, ethyl acetate, and trichloroethylene. , Methylene chloride, ethylene chloride, tetrachloroethane, trichloroethane, chloroform and the like. Examples of the solvent that does not dissolve include methanol, ethanol, n-propyl alcohol, i-propyl alcohol, and n-butanol.
[0370]
The back coat layer used in the present invention may have an anti-curl function. Specifically, it is performed by applying a composition containing a solvent for dissolving or swelling the long film. The solvent to be used may include a solvent that is not dissolved, in addition to a solvent to be dissolved or a mixture of solvents to be swollen. These are performed by using a composition and a coating amount in which these are mixed at a ratio appropriately selected depending on the curl degree of the resin film and the type of the resin.
[0371]
When it is desired to enhance the curl prevention function, it is effective to increase the mixing ratio of the solvent to be dissolved or the solvent to be swollen, and to decrease the ratio of the solvent not to be dissolved. Preferably, the mixing ratio is (solvent to be dissolved or swelled) :( solvent not to be dissolved) = 10: 0 to 1: 9.
[0372]
It is preferable to apply these coating compositions to the surface of a substrate using a gravure coater, dip coater, reverse roll coater, extrusion coater, or the like, or an inkjet method, with a wet film thickness of 1 μm to 100 μm, and particularly preferably 5 to 30 μm. Good.
[0373]
The order of applying the back coat layer used in the present invention is preferably before providing the antireflection layer.
[0374]
(Transmissivity of long film)
The uniaxially stretched or biaxially stretched cellulose ester film used for the antireflection film of the present invention preferably has a visible light transmittance of 90% or more, and more preferably 93% or more. The antireflection film of the present invention also preferably has a visible light transmittance of 90% or more, more preferably 93% or more, and particularly preferably 95% or more.
[0375]
(Thickness and moisture permeability of long film)
The cellulose ester film long film of the present invention preferably has a thickness of 10 μm to 100 μm, and has a moisture permeability of 200 g / m 2 at 25 ° C. and 90 ± 2% RH.2It is preferably 24 hours or less, more preferably 10 to 180 g / m2-24 hours or less, particularly preferably 160 g / m2・ It is 24 hours or less. In particular, it is preferable that the moisture permeability is in the above range when the film thickness of the cellulose ester film is 10 μm to 60 μm.
[0376]
Here, the moisture permeability of the long film can be measured according to the method described in JIS-Z-0208.
[0377]
(Polarizing plate and display device using the same)
The polarizing plate of the present invention and the display device of the present invention using the polarizing plate will be described.
[0378]
As the polarizer used for the polarizing plate of the present invention, a conventionally known polarizer can be used. A polarizer is an element that transmits only light having a polarization plane in a certain direction, and a typical polarizer currently known is a polyvinyl alcohol-based polarizing film, which is used to dye a polyvinyl alcohol-based film with iodine. And dyed with a dichroic dye. These are formed by forming a film of an aqueous solution of polyvinyl alcohol and uniaxially stretching and dyeing the film, or dyeing the film and then uniaxially stretching the film, and preferably performing a durability treatment with a boron compound.
[0379]
The polarizing plate of the present invention is obtained by laminating the thus obtained polarizer with the antireflection film of the present invention.
[0380]
The antireflection film of the present invention is preferably used as a polarizing plate protective film, and can be laminated and bonded on at least one side of a polarizer to form a polarizing plate.
[0381]
The polarizing plate of the present invention can be manufactured by a general method. For example, there is a method in which the antireflection film of the present invention is alkali-treated, and is immersed and stretched in an iodine solution, and is bonded to both surfaces of a polarizing film using a completely saponified polyvinyl alcohol aqueous solution. The alkali saponification treatment described above refers to a treatment in which the cellulose ester film is immersed in a high-temperature strong alkaline solution in order to improve the wettability of the aqueous adhesive at this time and improve the adhesiveness. At this time, by providing a removable protective film (for example, a polyethylene film or the like) on the surface of the antireflection layer, it can be protected from alkali and dirt.
[0382]
When the antireflection film of the present invention is used as one polarizing plate protective film, the other polarizing plate protective film can have an optical compensation function. For example, an optically anisotropic layer (for example, a layer in which a rod-shaped liquid crystal or discotic liquid crystal is fixed in a hybrid alignment) in which a liquid crystal is applied and aligned and fixed directly or through an alignment layer is provided, and this is protected by a polarizing plate. A polarizing plate having a viewing angle expanding effect can also be manufactured by using the film.
[0383]
Antireflection layer / uneven layer / cellulose ester film / polarizer / cellulose ester film / alignment layer / optically anisotropic layer (liquid crystal cell)
The polarizing plate thus obtained may be provided on one side or both sides of the liquid crystal cell. The antireflection film of the present invention is adhered to a liquid crystal cell such that the antireflection layer faces outward, and the display device of the present invention is obtained.
[0384]
Examples of the liquid crystal display device include a TN type, a VA type, an OCB type, a HAN type, an IPS type, and an STN type, but the present invention is not particularly limited thereto, and any of a reflection type, a transmission type, and a transflective type It may be a display device. Further, the display device of the present invention may be not only the liquid crystal display device described above but also various display devices such as an organic EL display, an inorganic display, and a PDP (plasma display).
[0385]
By using the antireflection film of the present invention, a display device having high definition and excellent visibility can be provided.
[0386]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but embodiments of the present invention are not limited thereto.
[0387]
Example
A heated embossing roll was pressed against both ends of a 80 μm-thick cellulose ester film (manufactured by KONICATAC KC8UX2MW Konica Corporation) while being pressed against both ends thereof, and a knurling part having a height of 10 μm and a width of 1 cm was provided. An antistatic layer was provided on one side, a back coat layer was provided on the other side, and a hard coat layer was continuously provided on the antistatic layer without winding up the hard coat layer.
[0388]
Coating of antistatic layer 1
The following composition was prepared.
[0389]
Antistatic layer 1 coating composition
Diamond BR-88 (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) 0.5 parts by mass
Propylene glycol monomethyl ether 60 parts by mass
15 parts by mass of methyl ethyl ketone
Ethyl lactate 6 parts by mass
8 parts by mass of methanol
0.5 parts by mass of conductive polymer resin IP-16 (IP-16 described in JP-A-9-203810)
The above antistatic layer 1 coating composition was die-coated on a cellulose ester film (Konica Cat KC8UX2MW (manufactured by Konica Corporation)) to a wet film thickness of 12 μm, and dried at 80 ° C. for 5 minutes to form an antistatic layer. The antistatic layer had a surface resistivity of 108Ω / cm2(23 ° C., 55% RH).
[0390]
Coating of back coat layer 1
The back coating layer 1 coating composition described below was die-coated on the opposite surface provided with the antistatic layer so as to have a wet film thickness of 13 μm, and dried at a drying temperature of 90 ° C. to form a back coat layer 1.
[0391]
Backcoat layer 1 coating composition
Acetone 30 parts by mass
Ethyl acetate 45 parts by mass
Isopropyl alcohol 10 parts by mass
0.5 parts by mass of diacetyl cellulose
0.2% by mass of ultrafine silica 2% acetone dispersion (Aerosil 200V)
(Nippon Aerosil Co., Ltd.)
Coating of hard coat layer 1
The following coating composition for the hard coat layer 1 was die-coated on the antistatic layer 1 and dried at 80 ° C. for 5 minutes, and then 160 mJ / cm.2Was applied to form a hard coat layer having a dry film thickness of 7 μm.
[0392]
Hard coat layer 1 coating composition
100 parts by mass of polyfunctional acrylate resin (Adeka Optomer KR-566, manufactured by Asahi Denka Kogyo KK)
150 parts by mass of toluene
When the pencil hardness of the hard coat layer was measured, it showed a hardness of 3H, and showed an abrasion resistance effect.
[0393]
A hard coat film was prepared in the same manner except that the cellulose ester film, the antistatic layer, the hard coat layer, and the back coat layer were changed as shown in Tables 2 and 4, and the antireflection layer and the antifouling layer were formed by the methods described below. By changing the combination, antireflection films 1 to 40 (samples 1 to 40) were produced.
[0394]
Formation of antireflection layer 1 of the present invention
An anti-reflection layer 1 was formed on the hard coat layer in the order of a high refractive index layer, a low refractive index layer, a high refractive index layer, and a low refractive index layer by an atmospheric pressure plasma treatment method.
[0395]
High refractive index layer (titanium oxide layer, thickness 23 nm, refractive index 2.00)
Low refractive index layer (silicon oxide layer, thickness 29 nm, refractive index 1.46)
High refractive index layer (titanium oxide layer, thickness 77 nm, refractive index 2.00)
Low refractive index layer (silicon oxide layer, thickness 85 nm, refractive index 1.46)
Further, instead of providing the antireflection layer 1 as described in Tables 2 and 4, an antireflection layer 2 having a two-layer structure of a high refractive index layer and a low refractive index layer was formed.
[0396]
High refractive index layer: (titanium oxide layer, thickness 23 nm, refractive index 2.00)
Low refractive index layer: (silicon oxide layer, thickness 111 nm, refractive index 1.46)
《Plasma discharge treatment device》
(Preparation of electrode)
In the plasma discharge processing apparatus shown in FIG. 2, a roll electrode covered with a dielectric and a set of a plurality of rectangular cylindrical electrodes similarly covered with a dielectric were produced as follows.
[0397]
The roll electrode serving as the first electrode is formed by coating a jacket roll metal base material made of a titanium alloy T64 having means for controlling the electrode surface temperature by circulating a coolant with an alumina sprayed film, and adding tetramethoxysilane to ethyl acetate. After coating and drying, the solution diluted with the above was cured by ultraviolet irradiation to perform a sealing treatment. The dielectric surface coated in this manner was polished, smoothed, and processed to have an Rmax of 1 μm. The final film thickness of the dielectric was 1 mm, and the dielectric constant of the dielectric was 10. Further, the difference between the linear thermal expansion coefficient of the conductive metal base material and that of the dielectric material is 1.7 × 10-4The heat resistant temperature was 260 ° C. A temperature-controlled coolant for controlling the electrode surface temperature was circulated to the roll electrode, and hot water at 80 ° C. was supplied to control the electrode temperature.
[0398]
On the other hand, the rectangular cylindrical electrode of the second electrode was formed by coating a hollow rectangular cylindrical titanium alloy T64 with the same dielectric material as described above under the same conditions, thereby forming a group of opposed rectangular cylindrical fixed electrodes. The dielectric material of the rectangular cylindrical fixed electrode is the same as that of the roll electrode. A temperature-controlled coolant for controlling the electrode surface temperature was circulated inside the rectangular cylindrical electrode, and 90 ° C. hot water was supplied to control the electrode temperature.
[0399]
The rectangular cylindrical fixed electrode was arranged around the roll electrode. The total discharge area of the rectangular cylindrical fixed electrode group was 150 cm (length in the width direction) × 4 cm (length in the transport direction) × maximum 20 (number of electrodes).
[0400]
The introduction of the reactant gas and the exhaustion of the used gas were alternately performed from the gap between the plurality of rectangular cylindrical fixed electrodes arranged around the roll electrode. A reaction gas mainly containing nitrogen was introduced into one gap at the following flow rate.
[0401]
A high frequency voltage (high frequency power source CF-5000-13M manufactured by Pearl Industries) having a continuous frequency of 13.56 MHz is supplied to the fixed electrode (square tube electrode) side of the plasma discharge processing apparatus, and a continuous voltage is supplied to the roll electrode side. A high frequency voltage of 100 kHz (high frequency power supply PHK-6k continuous mode manufactured by Heiden Laboratory) was supplied. The roll electrode was rotated using a drive in synchronization with the transport of the cellulose ester film.
[0402]
The gap between the fixed electrode and the roll electrode was 0.5 mm, and the pressure of the reaction gas was atmospheric pressure.
[0403]
The compositions of the reactive gases (reactive gas 1 for forming a low refractive index layer and reactive gas 2 for forming a high refractive index layer) used in the plasma discharge treatment are described below.
[0404]
The liquid component in the reactive gas is converted into vapor by a vaporizer, and the piping of the gas supply system is connected to the adjacent square cylindrical electrode disposed around the roll electrode while keeping the temperature in order to prevent the raw material gas from condensing. It was supplied to the discharge part from the gap (1 mm). The gas was supplied to the discharge portion at the following ratio per gap.
[0405]
In order to provide an anti-reflection layer on the hard coat layer by the atmospheric pressure plasma processing method, a plurality of plasma processing apparatuses (one or more for each layer) are used, and the reaction is continuously performed in each refractive index layer. Four layers were provided by changing the reactive gas. The number of square-tube fixed electrodes used was adjusted according to the film thickness to be provided. The base film having the hard coat layer was sent out from the unwinder section which was opened to the atmosphere, thereby forming the antireflection layer 1 having the four layers. In another antireflection film, an antireflection layer 2 composed of a high refractive index layer and a low refractive index layer was similarly formed.
[0406]
《Plasma discharge conditions》
Roll electrode side
100kHz, 10W / cm2, Electric field strength (1/2 Vp-p: 10 kV / mm)
Fixed electrode (square tube electrode) side
13.56 MHz, 5 W / cm2, Electric field strength (1/2 Vp-p: 0.8 kV / mm)
<< Reactive gas 1 for forming low refractive index layer >>
Nitrogen gas: 300 l / min
Oxygen gas: 15 l / min
Tetraethoxysilane (steam): 0.3 g / min
(Evaporated by Lintec vaporizer)
Gas temperature: 90-100 ° C
<< Reactive gas 2 for forming high refractive index layer >>
Nitrogen gas: 300 l / min
Hydrogen gas: 2 l / min
Tetraisopropoxy titanium (vapor): 0.2 g / min
(Evaporated by Lintec vaporizer)
Gas temperature: 90-100 ° C
<< Formation of Comparative Antireflection Layer 3 >>
Using the plasma processing apparatus shown in FIG. 2, an 800 kHz high frequency power supply (manufactured by Pearl Industries) was used on the fixed electrode side, and no high frequency voltage was applied from the roll electrode side. Discharge output is 10W / cm2The following gas was used for forming each layer, and an antireflection layer 3 for comparison with the following constituent layers was formed.
[0407]
<< Reactive gas for forming high refractive index layer >>
Helium gas: 100 l / min
Hydrogen gas: 1 l / min
Tetraethoxysilane: 0.1 g / min
Gas temperature: 90-100 ° C
<< Reactive gas for forming low refractive index layer >>
Helium gas: 100 l / min
Oxygen gas: 1 l / min
Tetraisopropoxy titanium: 0.1 g / min
Gas temperature: 90-100 ° C
Comparative antireflection layer 3 (in order from the hard coat layer)
High refractive index layer (titanium oxide layer, thickness 23 nm, refractive index 2.00)
Low refractive index layer (silicon oxide layer, thickness 29 nm, refractive index 1.46)
High refractive index layer (titanium oxide layer, thickness 77 nm, refractive index 2.00)
Low refractive index layer (silicon oxide layer, thickness 85 nm, refractive index 1.46)
《Anti-fouling layer》
The following antifouling layer 1 coating composition is applied on the continuously formed antireflection layer 1 by the above atmospheric pressure plasma treatment method so that the dry film thickness becomes 10 nm, and then dried at 80 ° C. The coating was dried for 1 minute at a portion, and heat-treated at 110 ° C. for 3 minutes to form an antifouling layer 1, thereby obtaining a roll-shaped antireflection film 1.
[0408]
Antifouling layer 1 coating composition
GE Toshiba Silicone XC98-A-5382 was diluted 17-fold with isopropyl alcohol so as to have a solid content of 0.1% to obtain a coating composition for the antifouling layer 1.
[0409]
Pure water contact angle: 90-99 °
n-hexadecane contact angle: 64-72 °
The roll-shaped antireflection film 1 was produced as described above.
[0410]
<< Production of roll-shaped antireflection films 2 to 40 (samples 2 to 40) >>
In the production of the roll-shaped anti-reflection film 1, the following coating composition was changed so that the knurling height, the absolute value of the impedance, and the dynamic friction coefficient became the values described in Tables 2 to 5, respectively, and the base film and the back were prepared. Roll-shaped antireflection films 2 to 40 were produced in the same manner except that the production conditions of the coating layer, the antistatic layer, and the hard coat layer antifouling layer were changed.
[0411]
Antifouling layer 2 coating composition
KP801M (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) was diluted 30-fold with m-xylene hexafluoride so as to have a solid content of 0.1% to obtain a coating composition for the antifouling layer 2.
[0412]
Pure water contact angle: 100-110 °
n-hexadecane contact angle: 64-78 °
Antifouling layer 3 coating composition
Optool DSX (20% HFE solution) (manufactured by Daikin Industries, Ltd.) is diluted 200 times with a solvent HFE-7200 manufactured by Sumitomo 3M Co., Ltd. to a solid content of 0.1%, and the antifouling layer 3 coating composition is diluted. And
[0413]
Pure water contact angle: 100-120 °
n-hexadecane contact angle: 55-69 °
Antifouling layer 4 coating composition
XC98-B2472 (manufactured by GE Toshiba Silicone Co., Ltd.) was diluted 9-fold with isopropyl alcohol so as to have a solid content of 0.1% to obtain a coating composition for the antifouling layer 4.
[0414]
Pure water contact angle: 100-115 °
n-hexadecane contact angle: 64-72 °
Antistatic layer 2 coating composition
Diamond (BR-108, manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) 0.5 parts by mass
Propylene glycol monomethyl ether 60 parts by mass
15 parts by mass of methyl ethyl ketone
Ethyl lactate 6 parts by mass
8 parts by mass of methanol
0.5 parts by mass of conductive polymer resin IP-14 (IP-14 described in JP-A-9-203810)
Antistatic layer 3 coating composition
Diamond (BR-88, manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) 0.5 parts by mass
Propylene glycol monomethyl ether 60 parts by mass
15 parts by mass of methyl ethyl ketone
Ethyl lactate 6 parts by mass
8 parts by mass of methanol
Conductive polymer resin IP-19 (IP-1 described in JP-A-9-203810)
9) 0.5 parts by mass
Composition for hard coat layer 2
Sunrad H-601 (manufactured by Sanyo Chemical Industries, Ltd.) 100 parts by mass
75 parts by mass of ethyl acetate
Propylene glycol monomethyl ether 75 parts by mass
Composition for hard coat layer 3
Polyester acrylate resin and polyurethane acrylate resin
(Product name EXG manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) 100 parts by mass
Propylene glycol monomethyl ether 70 parts by mass
70 parts by mass of ethyl acetate
Composition for hard coat layer 4
Polyester acrylate resin (manufactured by Somar Industries, Ltd.)
Product name Somacoat TF-232) 100 parts by mass
Photopolymerization initiator (trade name Irgacure 184, manufactured by Ciba Geigy)
6 parts by mass
Ethyl acetate 60 parts by mass
40 parts by mass of toluene
Backcoat layer 2 coating composition
Acetone 30 parts by mass
Ethyl acetate 45 parts by mass
Isopropyl alcohol 10 parts by mass
0.5 parts by mass of diacetyl cellulose
Ultrafine silica 2% acetone dispersion (Aerosil 200V)
(Nippon Aerosil Co., Ltd.) 0.1 parts by mass
Backcoat layer 3 coating composition
Acetone 30 parts by mass
Ethyl acetate 40 parts by mass
15 parts by mass of isopropyl alcohol
0.4 parts by mass of diacetyl cellulose
Ultrafine silica 2% acetone dispersion (Aerosil 200V)
(Nippon Aerosil Co., Ltd.) 0.1 parts by mass
[Production of polarizing plates 1 to 40]
For the antireflection films 1 to 40, a polyethylene film was stuck on the surface of the antireflection layer to protect it from alkali, immersed in a 2 mol / L NaOH aqueous solution at 60 ° C for 60 seconds, and then washed with water at normal temperature and washed at 80 ° C. Dried and single-sided saponified films were obtained.
[0415]
A saponification treatment was similarly performed on a cellulose ester film (KC8UCR, manufactured by Konica Corporation).
[0416]
A long polyvinyl alcohol film having a thickness of 120 μm was uniaxially stretched (temperature: 110 ° C., stretch ratio: 5 times). This was immersed in an aqueous solution consisting of 0.075 g of iodine, 5 g of potassium iodide and 100 g of water for 60 seconds, and then immersed in a 68 ° C. aqueous solution consisting of 6 g of potassium iodide, 7.5 g of boric acid and 100 g of water. . This was washed with water and dried to obtain a long polarizing film. On one side of this polarizing film, the saponified surface of the saponified antireflection film is adhered with a completely saponified polyvinyl alcohol 5% by mass aqueous solution adhesive, and similarly on the opposite surface, a saponified cellulose ester film is adhered. Together, polarizing plates 1 to 40 were obtained.
[0417]
The physical properties such as the knurling height, impedance, dynamic friction coefficient, and contact angle of the obtained roll-shaped antireflection films 1 to 40 (samples 1 to 40) were measured by the method described in the detailed description above, and The following evaluation was performed. The results are shown in Tables 2 to 5.
[0418]
With respect to the polarizing plates 1 to 40 (samples 1 to 40), color unevenness was evaluated.
<< Evaluation of long-term storage >>
The anti-reflection film wound up in a roll was covered with a polyethylene sheet to prevent dust adhesion, and stored for a long time in a high-temperature, high-humidity warehouse. After storage at 25 to 40 ° C. and 65 to 80% RH for 3 months, deterioration of the roll shape on the roll surface and cloudiness of the antireflection layer surface were visually observed.
[0419]
:: No uneven pattern such as a turtle shell pattern or white turbidity was observed on the roll surface.
Δ: Slight irregularities and turbidity such as a turtle shell pattern were slightly observed on the roll surface, and a very small part of the surface side had to be cut off.
[0420]
X: An uneven pattern such as a turtle shell pattern was observed on the roll surface, and a cloudy part was also observed, and a considerable part of the surface side had to be cut off.
[0421]
A polarizing plate was prepared, and the presence or absence of uneven spots that could be visually confirmed was confirmed.
《Effect of spot unevenness》
:: No spot-like unevenness is observed on the polarizing plate
Δ: Slight spot-like unevenness is observed on the polarizing plate
×: No spot-like unevenness was observed on the polarizing plate
<< Evaluation of color unevenness of reflected light >> (Evaluation of color unevenness)
Carefully peel off the polarizing plates on both sides of a commercially available liquid crystal display device (VL-150SD, manufactured by Fujitsu Ltd.), attach the polarizing plates manufactured here so that the polarization axes are the same, display the screen in black, and visually check And a five-step rank evaluation was performed as described below. A is the best.
[0422]
A: Almost no change in color tone of reflected light
B: A slight change in the color tone of the reflected light is partially observed.
C: Color tone change of reflected light is partially observed
D: Color tone change of reflected light is recognized as a whole
E: Large change in color tone of reflected light is recognized as a whole
C rank or higher is practical.
[0423]
[Table 2]
Figure 2004258469
[0424]
[Table 3]
Figure 2004258469
[0425]
[Table 4]
Figure 2004258469
[0426]
[Table 5]
Figure 2004258469
[0427]
【The invention's effect】
As demonstrated in the examples, according to the present invention, the antireflection film excellent in long-term storage properties, with less scratches, and without color unevenness of reflected light, a method for producing an antireflection film, a polarizing plate using the antireflection film, and , A display device can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of a jet type atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus useful for the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing an example of an atmospheric pressure plasma discharge processing apparatus of a type for processing a substrate between opposed electrodes useful in the present invention.
3 is a perspective view showing an example of the structure of a conductive metal base material of a roll rotating electrode shown in FIG. 2 and a dielectric material coated thereon.
FIG. 4 is a perspective view showing an example of the structure of a conductive metallic base material of a rectangular cylindrical electrode and a dielectric material coated thereon.
FIG. 5 is a schematic sectional view showing one form of a knurling height of the long film of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Plasma discharge treatment equipment
11 1st electrode
12 Second electrode
20 Voltage application means
21 1st power supply
22 Second power supply

Claims (8)

長尺基材フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層と窒素を主成分とする大気圧近傍もしくは大気圧以上の雰囲気下でプラズマ処理によって形成された金属化合物層を有し、該金属化合物層を有する長尺基材フィルムの裏面が微細な凹凸を有し、且つ、周波数20Hzにおけるインピーダンスの絶対値が4×10Ω以上である長尺基材フィルム上の該金属化合物層上に純水の接触角が90°以上の防汚層が設けられていることを特徴とする反射防止フィルム。At least one surface of the long base film has a hard coat layer and a metal compound layer formed by plasma treatment under an atmosphere near or above atmospheric pressure containing nitrogen as a main component. The back surface of the long base film has fine irregularities, and the absolute value of the impedance at a frequency of 20 Hz is 4 × 10 5 Ω or more. An antireflection film, comprising an antifouling layer having a contact angle of 90 ° or more. 反射防止フィルムの幅手両端部に4〜20μmの高さのナーリングを有することを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。The anti-reflection film according to claim 1, wherein the anti-reflection film has knurling at a height of 4 to 20 μm at both lateral ends. 窒素を主成分とする大気圧近傍もしくは大気圧以上の雰囲気下でプラズマ処理によって形成される酸化珪素を主成分とする金属化合物層の上に防汚層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。The antifouling layer is provided on a metal compound layer containing silicon oxide as a main component formed by plasma treatment in an atmosphere near or above atmospheric pressure containing nitrogen as a main component. Item 3. The antireflection film according to item 1 or 2. 防汚層が珪素化合物又はフッ素化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。The antireflection film according to any one of claims 1 to 3, wherein the antifouling layer contains a silicon compound or a fluorine compound. 長尺基材フィルムの裏面の動摩擦係数が0.7以下の凹凸を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。The anti-reflection film according to any one of claims 1 to 4, wherein a dynamic friction coefficient of the back surface of the long base film has irregularities of 0.7 or less. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを有することを特徴とする偏光板。A polarizing plate comprising the antireflection film according to claim 1. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムまたは、請求項6に記載の偏光板を用いることを特徴とする表示装置。A display device using the antireflection film according to claim 1 or the polarizing plate according to claim 6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルムを製造する際、大気圧プラズマ処理が、対向する第1電極と第2電極との間に窒素を主成分とするガスを供給し、該第1電極と該第2電極との間に高周波電圧を印加することにより該ガスを励起し、長尺基材フィルムを励起した該ガスに晒すことにより該基材フィルム上に金属化合物層を形成する工程を有し、且つ、該高周波電圧が、第1の周波数ωの電圧成分と、該第1の周波数ωより高い第2の周波数ωの電圧成分とを重ね合わせた成分を有することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。When producing the antireflection film according to any one of claims 1 to 5, the atmospheric pressure plasma treatment supplies a gas containing nitrogen as a main component between the first electrode and the second electrode facing each other. Exposing the gas by applying a high-frequency voltage between the first electrode and the second electrode, and exposing the long base film to the excited gas, thereby forming a metal compound layer on the base film. and a step of forming a and, components to which the high-frequency voltage, superimposed with first frequency omega 1 of the voltage component, and higher than the frequency omega 1 of the first second frequency omega 2 of the voltage component A method for producing an antireflection film, comprising:
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