JP2004253409A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光半導体素子収納用パッケージのネジ止めにより、または、光半導体素子の作動時に発生する熱により、光半導体素子収納用パッケージに歪が生じるのを有効に抑制し、光結合効率の優れたものとすること。
【解決手段】中央部に貫通穴1dを有し、四隅にネジ取付部1bがそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体1と、貫通穴1dに嵌着された、上面に光半導体素子10を載置固定する載置用基板1−Aと、基体1の上側主面の外周部でネジ取付部1bよりも内側に貫通穴1dを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成された金属製の枠体2と、貫通孔2aに嵌着された筒状の光ファイバ固定部材3とを具備しており、ネジ取付部1bおよび載置用基板1−Aの厚みが基体1の枠体2が接合される部位よりも薄く、載置用基板1−Aの縦弾性係数が基体1の縦弾性係数よりも大きい。
【選択図】 図2
【解決手段】中央部に貫通穴1dを有し、四隅にネジ取付部1bがそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体1と、貫通穴1dに嵌着された、上面に光半導体素子10を載置固定する載置用基板1−Aと、基体1の上側主面の外周部でネジ取付部1bよりも内側に貫通穴1dを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成された金属製の枠体2と、貫通孔2aに嵌着された筒状の光ファイバ固定部材3とを具備しており、ネジ取付部1bおよび載置用基板1−Aの厚みが基体1の枠体2が接合される部位よりも薄く、載置用基板1−Aの縦弾性係数が基体1の縦弾性係数よりも大きい。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体素子を収容するための光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置に関し、特に外部電気回路基板への実装構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)を図4,図5に示す。図4はパッケージの平面図、図5は図4のB−B’線における断面図である。これらの図において、21は略直方体の基体、22は枠体、23は光ファイバ固定部材(以下、固定部材ともいう)、25は蓋体を示し、これら基体21、枠体22および蓋体25とで、内部空間に光半導体素子30を収容する容器が基本的に構成される。
【0003】
基体21は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)焼結材等の金属から成り、その上側主面の中央部には、半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子30を載置固定するための載置部21aが設けられる。また、基体21の四隅を同一面でもって外側に延出して設けられた延出部に貫通孔21cが形成されて成るネジ取付部21bが設けられている。この基体21は、貫通孔21cにネジを通して外部電気回路基板にネジ止めして固定される。
【0004】
基体21の上側主面の外周部には、載置部21aを囲繞するようにして接合され、側部に貫通孔22aが形成された枠体22が立設されている。この枠体22は、基体21と同様にFe−Ni−Co合金やCu−W焼結材等の金属から成り、基体21と一体成形される、または基体21に銀(Ag)ロウ等のロウ材を介してロウ付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合されることによって、基体21の上側主面の外周部に立設される。
【0005】
また、枠体22の側部には、固定部材23が貫通孔22aに嵌着されて取り付けられている。固定部材23は、光ファイバ26を枠体22の側部に固定するための筒状の部材であり、Fe−Ni−Co合金やステンレス鋼(SUS)等の金属から成り、固定部材23には縦方向に形成された貫通孔23aが設けられており、固定部材23の外周面が枠体22の貫通孔22aの内面にロウ材を介して嵌着接合される。
【0006】
このような構成のパッケージの載置部21aに光半導体素子30をペルチェ素子や回路基板等の基台31に搭載された状態で載置固定した後、枠体22の側部または基体21に設けられた、パッケージの内外の導電路として機能する入出力端子(図示せず)の枠体22内側の電極と光半導体素子30の電極とをボンディングワイヤで電気的に接続する。そして、ホルダー27に固定された光ファイバ26を固定部材23に挿入し、ホルダー27を固定部材23に溶接固定することにより光ファイバ26の光入出力端面と光半導体素子30の光入出力端面とを光結合させる。しかる後、枠体22の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体25をシーム溶接法等の溶接法により接合して光半導体素子30を気密に封止することによって、製品としての光半導体装置が完成する。
【0007】
この光半導体装置は、ネジ取付部21bの貫通孔21cにネジを通して基体21を外部電気回路基板(図示せず)にネジ止め固定し、入出力端子(図示せず)の枠体22の外側の電極と外部電気回路とを電気的に接続した後、外部電気回路から電気信号によって光半導体素子30で光を励起させ、この光を光ファイバ26を介して外部に伝送することによって、または、外部から光ファイバ26を通って伝送してきた光信号を、光半導体素子30に受光させて光信号を電気信号に変換することによって作動し、高速光通信等に使用される。
【0008】
しかしながら、このような光半導体装置は、貫通孔21cにネジを挿入して外部電気回路基板にネジ止め固定する際、ネジの締め付けによりネジ取付部21bに応力が発生し、この応力が基体21や枠体22に伝わってパッケージに歪みが生じ、その結果、光ファイバ26と光半導体素子30との光軸がずれて光結合効率が劣化するという問題点を有していた。
【0009】
このような問題点を解決するため、ネジ取付部21bを基体21と別体とし、基体21よりも縦弾性係数の低い材質、例えば、Cu,Cu合金,アルミニウム(Al),Al合金等で形成し、基体21にAgロウ付けした構成が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。これにより、パッケージをネジ止め固定する際、ネジ取付部21bをネジで締め付けても、ネジ取付部21bが主に変形して基体21の変形が抑えられ、光半導体素子30と光ファイバ26との光結合効率の低下を抑制することができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−82659号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に示されるパッケージは、光半導体素子30の動作により大量の熱が発生すると、その熱によって基体21が熱膨張し、枠体22との接合部において応力が発生してパッケージに歪みが生じ、その結果、光ファイバ26と光半導体素子30との光軸がずれて光結合効率が劣化するという問題点を有していた。
【0012】
また、パッケージをネジ止め固定する際、ネジ取付部21bをネジで締め付けても、ネジ取付部21bが主に変形して基体21の変形が抑えられるものの、ネジ取付部21bと基体21との接合部には応力が集中し易く、その応力によりネジ取付部21bと基体21との接合部において剥離が生じ、パッケージが破損するという問題点をも有していた。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、光半導体素子収納用パッケージのネジ止めにより、または、光半導体素子の作動時に発生する熱により、光半導体素子収納用パッケージに歪が生じるのを有効に抑制し、LD,PD等の光半導体素子の光入出力端面と光ファイバの光入出力端面との間における光信号の授受を正常に維持させ、光結合効率の優れた光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、前記貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、前記基体の上側主面の外周部で前記ネジ取付部よりも内側に前記貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、前記貫通孔に嵌着されるかまたは前記貫通孔の前記枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、前記ネジ取付部および前記載置用基板の厚みが前記基体の前記枠体が接合される部位よりも薄く、前記載置用基板の縦弾性係数が前記基体の縦弾性係数よりも大きいことを特徴とする。
【0015】
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、基体の上側主面の外周部でネジ取付部よりも内側に貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、貫通孔に嵌着されるかまたは貫通孔の枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、ネジ取付部および載置用基板の厚みが基体の枠体が接合される部位よりも薄く、載置用基板の縦弾性係数が基体の縦弾性係数よりも大きいことから、ネジ取付部にネジを挿入し光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止めする際に、ネジの締め付けによりネジ取付部に応力が発生したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さい基体のネジ取付部が変形することにより載置用基板に歪を生じることなく応力を緩和することができ、載置用基板に搭載された光半導体素子の位置精度を良好に維持することができる。
【0016】
また、光半導体素子の動作により大量の熱が発生し、その熱によって載置用基板が熱膨張したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さな基体が載置用基板の熱膨張による応力を吸収することができ、枠体と基体との接合部に応力が伝達されるのを抑制して光半導体素子収納用パッケージが歪むのを有効に抑制することができる。
【0017】
さらに、載置用基板が基体の枠体が接合している部位よりも薄いことにより、基体と載置用基板との接合面積が小さくなり、載置用基板が熱膨張しても基体に加わる歪が小さくなって基体の変形が少なくなる。即ち、載置用基板から応力が枠体へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子の熱を載置用基板の下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。
【0018】
また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位との厚み差により段差が形成され、この段差においてネジ取付部が変形し易くなることから、基体の枠体が接合している部位に歪みが生じ難く、枠体へ応力が伝達するのを有効に抑制することができる。また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位とが一体で形成されているため、強度の弱い接合部が存在せず、光半導体素子収納用パッケージが破損することもない。
【0019】
これらの結果、光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止め固定する際や、収容する光半導体素子の作動により熱が発生した際に、応力を緩和して光半導体素子収納用パッケージの歪や破損を有効に抑制し、光半導体素子の光入出力端面と光ファイバの光入出力端面との間における光信号の授受を正常に維持させ、光結合効率の優れたものとすることができる。
【0020】
本発明の光半導体装置は、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージと、前記光ファイバ固定部材に挿入され固定された光ファイバと、該光ファイバに光学的に結合するように前記載置用基板に載置固定された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0021】
本発明の光半導体装置は、上記の構成により、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明のパッケージについて実施の形態の一例を示す平面図、図2は図1のA−A’線における断面図である。これらの図において、1は基体、2は枠体、3は固定部材、5は蓋体を示し、これら基体1、枠体2および蓋体5とで、内部に光半導体素子10を収容する容器が基本的に構成される。
【0023】
本発明のパッケージは、中央部に貫通穴1dを有し、四隅にネジ取付部1bがそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体1と、貫通穴1dに嵌着された、上面に光半導体素子10を載置固定する載置用基板1−Aと、基体1の上側主面の外周部でネジ取付部1bよりも内側に貫通穴1dを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成された金属製の枠体2と、貫通孔2aに嵌着されるかまたは貫通孔2aの枠体2外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の固定部材3とを具備しており、ネジ取付部1bおよび載置用基板1−Aの厚みが基体1の枠体2が接合される部位よりも薄く、載置用基板1−Aの縦弾性係数が基体1の縦弾性係数よりも大きくなっている。
【0024】
基体1はCu,Al,Ag等の金属やこれらの合金から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって、所定形状に製作される。基体1の四隅には外側に延出したネジ取付部1bが形成されており、ネジ取付部1bにはネジ挿入用の貫通孔1cが形成されている。
【0025】
基体1の枠体2が接合される部位の厚みh2は、ネジ取付部1bの厚みh1に対してh2>h1となっている。これにより、ネジ取付部1bと基体1の枠体2が接合している部位との厚み差により段差が形成され、この段差においてネジ取付部1bが変形し易くなることから、基体1の枠体2が接合している部位に歪みが生じ難く、枠体2へ応力が伝達するのを有効に抑制することができる。また、ネジ取付部1bと基体1の枠体2が接合している部位とが一体で形成されているため、強度の弱い接合部が存在せず、パッケージが破損することもない。
【0026】
h2は好ましくは1.5×h1≦h2≦3×h1であるのがよい。h2<1.5×h1である場合、h1とh2との厚み差が小さすぎるため、特に平坦性に劣る外部電気回路基板にパッケージをネジ止め固定した際にネジ取付部1bの変形が非常に大きくなると、基体1の枠体2が接合されている部位までもが変形し易くなり、枠体2が歪み易くなる。また、h2>3×h1であると、基体1の枠体2が接合している部位が厚くなりすぎ、光半導体素子10の位置を高くして光ファイバ6と同じにする必要があり、パッケージが大型化する。
【0027】
ネジ取付部1bの平面視形状は、図1に示すように、ネジ取付部1bが存在する基体1の対向する2つの変部をそれぞれ枠体2よりも外側に延出させたものでもよく、図3に示すように、基体1の四隅をそれぞれ枠体2よりも外側に張り出すように延出させ、各延出部に1個ずつ貫通孔1cを形成したものでもよい。
【0028】
また、枠体2の外面は、基体1とネジ取付部1bとの段差部D(図2)よりも内側にあって、枠体2の外面と段差部Dの間の距離dは0mm≦d≦3mmであるのがよい。これにより、ネジ取付部1bにネジを挿入して基体1を外部電気回路基板にネジ止め固定しても、枠体2よりも外側でネジ取付部1bが変形することにより枠体2に歪みが加わるのを有効に防止できる。d>3mmの場合、基体1が必要以上に大型化し、近時の小型化傾向に適さないものとなる。一方、枠体2の外面が段差部Dよりも外側にある場合、ネジ取付部1bの変形によりネジ取付部1bが枠体2に接触して枠体2が歪み易くなる。また、枠体2と基体1との接合面積が小さくなり、枠体2と基体1との接合強度も小さくなり易い。
【0029】
本発明の載置用基板1−Aは、その厚みが基体1の枠体2が接合される部位よりも薄く、載置用基板1−Aの縦弾性係数が基体1の縦弾性係数よりも大きくなっている。これにより、ネジ取付部1bにネジを挿入しパッケージを外部電気回路基板にネジ止めする際に、ネジの締め付けによりネジ取付部1bに応力が発生したとしても、縦弾性係数が載置用基板1−Aよりも小さい基体1のネジ取付部1bが変形することにより載置用基板1−Aに歪を生じることなく応力を緩和することができ、載置用基板1−Aに搭載された光半導体素子10の位置精度を良好に維持することができる。
【0030】
また、光半導体素子10の作動により大量の熱が発生し、その熱によって載置用基板1−Aが熱膨張したとしても、縦弾性係数が載置用基板1−Aよりも小さな基体1が載置用基板1−Aの熱膨張による応力を吸収することができ、枠体2と基体1との接合部に応力が伝達されるのを抑制してパッケージが歪むのを有効に抑制することができる。
【0031】
さらに、載置用基板1−Aが基体1の枠体2が接合している部位よりも薄いことにより、基体1と載置用基板1−Aとの接合面積が小さくなり、載置用基板1−Aが熱膨張しても基体1に加わる歪が小さくなって基体1の変形が少なくなる。即ち、載置用基板1−Aから応力が枠体2へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子10の熱を載置用基板1−Aの下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。
【0032】
このような載置用基板1−Aは、基体1よりも縦弾性係数の大きな材料、例えばFe−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から成り、射出成形や切削加工等の金属加工法を施すことによって、所定形状に製作される。載置用基板1−AはAgロウ等でロウ付けすることによって基体1の貫通穴1dに嵌着される。
【0033】
そして、載置用基板1−Aの上面の載置部1aには、LD,PD等の光半導体素子10が載置固定される。載置用基板1−Aは、光半導体素子10が作動時に発する熱を外部に放熱させる放熱板としての役割も果たす。なお、光半導体素子10は、作動時に発生する熱を効率よく載置用基板1−Aを介して外部へ放熱させるために、ペルチェ素子や回路基板等の基台11に搭載された状態で載置部1aに載置固定されてもよい。
【0034】
載置用基板1−Aの厚みh3は、基体1の枠体2が接合される部位の厚みh2に対してh3<h2となっている。これにより、基体1と載置用基板1−Aとの接合面積が小さくなり、載置用基板1−Aが熱膨張しても基体1に加わる歪が小さくなって基体1の変形が少なくなる。即ち、載置用基板1−Aから応力が枠体2へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子10の熱を載置用基板1−Aの下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。さらに、載置用基板1−Aを薄くすることができることから、載置用基板1−A、基体1および枠体2から形成される容器の容積を十分に確保することができ、パッケージの小型化が可能となる。
【0035】
h3は好ましくは0.3×h2≦h3≦0.9×h2であるのがよい。h3<0.3×h2である場合、載置用基板1−Aが薄くなって強度が小さくなり、載置用基板1−Aが歪み易くなる。また、h3>0.9×h2であると、載置用基板1−Aと基体1との接合面積が大きくなり、光半導体素子10の作動で発生した熱によって載置用基板1−Aが熱膨張した際、基体1が大きく変形し易くなり、その応力が枠体2に伝達され易くなる。
【0036】
また、h3はh1<h3≦0.9×h2であるのがよい。これにより、載置用基板1−Aを変形し難くすることができ、基体1が大きく変形した場合でも、載置部1aに搭載された光半導体素子10と光ファイバ6との位置精度を良好に維持し、これらの光結合効率の低下を有効に抑制することができる。
【0037】
さらに、載置用基板1−Aは載置部1aよりも外周部が厚くなっているのがよい。これにより、載置用基板1−Aの強度を大きくして変形し難くすることができるとともに、載置部1aは薄くなっているので光半導体素子10で発生した熱を効率良く外部電気回路基板や放熱板に伝熱させることができる。
【0038】
なお、基体1、載置用基板1−Aの表面には、酸化腐食の防止や光半導体素子10の載置固定を良好にするために、厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmの金(Au)層からなる金属層をめっき法等により被着させておくとよい。
【0039】
枠体2は、基体1の上側主面の外周部でネジ取付部1bよりも内側に貫通穴1dを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成されており、平面視形状が略四角形の枠状体である。
【0040】
枠体2は、基体1および載置用基板1−Aとともにその内側に光半導体素子10を収容する空所を形成するとともに、その側部の貫通孔2aに嵌着されるかまたは貫通孔2aの枠体2外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の固定部材3を介して光ファイバ6を支持固定する。
【0041】
このような枠体2は、載置用基板1−Aと同様にFe−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から成り、基体1にAgロウ等のロウ材を介してロウ付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合されることにより、基体1の上側主面の外周部に立設される。
【0042】
固定部材3は、光ファイバ6を枠体2の側部に固定するための円筒状等の筒状の部材であり、Fe−Ni−Co合金やステンレス鋼等の金属から成る。固定部材3は、軸方向に光ファイバ6を挿入するための貫通孔3aが設けられており、枠体2の側部の貫通孔2aの内面に外周面がロウ材を介して嵌着されるかまたは貫通孔2aの枠体2外側の開口の周囲に一端がロウ材を介して接合されることにより、枠体2の側部に固定される。
【0043】
ネジ取付部1bは、光ファイバ6が固定される貫通孔2aが形成された枠体2の側部側およびこの側部に対向する枠体2の側部側に設けられているのがよい。これにより、パッケージを外部電気回路基板にネジ止め固定した際に発生する応力が、光ファイバ6が固定されている枠体2の側部に加わるのを抑制することができる。即ち、互いに逆の方向に延出した2つのネジ取付部1bの間に位置する部分において基体1の曲げ応力が最も大きくなり易いのに対し、枠体3の同じ側部側にある2つのネジ取付部1bの間に位置する部分においては基体1の曲げ応力は小さく、この曲げ応力の小さい部分に対応する枠体2の側部で光ファイバ6を固定することにより、光ファイバ6の位置がずれるのを有効に抑制することができる。
【0044】
また、貫通孔1cの平面視形状は、図1に示すような円形である必要はなく、四角形や半円形等であってもよい。
【0045】
本発明の光半導体装置は、上記構成のパッケージと、固定部材3に挿入され固定された光ファイバ6と、光ファイバ6に光学的に結合するように載置用基板1−Aに載置された光半導体素子10と、枠体2の上面に接合された蓋体5とを具備している。
【0046】
このような光半導体装置は以下のようにして作製される。先ず、上記構成のパッケージに光半導体素子10をペルチェ素子や回路基板等の基台11を介して載置部1aに載置固定した後、光半導体素子10の電極と、枠体2の側部または基体1に設けられた、パッケージの内外の導電路として機能する入出力端子(図示せず)の枠体2内側の電極とを、ボンディングワイヤで電気的に接続し、枠体2の上面にFe−Ni−Co合金等の金属,セラミックス,樹脂等から成る蓋体5をロウ付け法やシームウエルド法等の溶接法で接合することにより、光半導体素子10を気密に封止する。そして、光ファイバ6が挿通固定された枠状や筒状の金属製のホルダー7を、光半導体素子10の光入出力端面と光ファイバ6の光入出力端面とが対向し光結合するようにして固定部材3の枠体2外側の一端に溶接することにより、光半導体装置が作製される。
【0047】
本発明の光半導体装置は、ネジ取付部1bで外部電気回路基板にネジ止め固定され、入出力端子の枠体2外側の電極にリード端子やリボン線の一端をロウ付けし、リード端子やリボン線の他端を外部電気回路に接続することにより、光半導体装置内部に収納した光半導体素子10が外部電気回路に電気的に接続され、光半導体素子10が高周波信号で作動することとなる。
【0048】
このような光半導体装置は、外部電気回路から供給される駆動信号によって光半導体素子10を光励起させ、励起したレーザ光等の光信号を光ファイバ6に入力させるとともに光ファイバ6内を伝送させることによって、または、外部から光ファイバ6を通って伝送してきた光信号を光半導体素子10に受光させて光信号を電気信号に変換することによって、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能し、光通信分野等に多く用いられる。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは可能である。例えば、固定部材3は貫通孔2aの枠体2外側開口の周囲に一端がロウ付けまたは溶接されてもよく、これにより貫通孔2aの内面に固定部材3の外周面を嵌着させる必要がなくなるため、貫通孔2aの内径寸法および固定部材3の外形寸法の精度を比較的粗くすることができ、貫通孔2aや固定部材3の加工が容易になり作業効率が向上する。
【0050】
【実施例】
本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施例を以下に説明する。
【0051】
図1の本発明のパッケージのサンプルを以下のようにして作製した。Fe−Ni−Co合金(縦弾性係数:128GPa)からなる縦21mm×横13mmで厚さが1.8mmの直方体からなり、その中央部に縦9.5mm×横7.5mmの貫通穴1dをもつ基体1を用意し、その四隅に種々の厚みのネジ取り付け部1b(表1参照)を形成した。
【0052】
そして、Fe−Ni−Co合金からなり縦21mm×横13mm×高さ7mmで厚さ1mmの枠体2を用意した。
【0053】
さらに、Cu−Wの焼結体(縦弾性係数:265GPa)からなる縦9.5mm×横7.5mm×高さ1.5mmの載置用基板1−Aを貫通穴1dに嵌め込み、基体1、枠体2および載置用基板1−AをAg−Cuロウ(融点780℃)で接合し、これらを常温(25℃)まで均一に冷却することによりパッケージを作製した(サンプルP1〜P7)。
【0054】
これらのサンプルP1〜P7を上面が平坦な外部回路基板にネジ止めした際の、載置用基板中心部の厚み方向の歪によって発生した変位量を有限要素法による解析によって求めた。これらの評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1に示した結果より、本発明のサンプルにおける載置用基板の中心部に発生する変位は、ネジ取付け部の厚みを基体1の枠体が接合される部位よりも薄くすることにより、40μm以下の値に低減させることができ、本発明のパッケージが光ファイバ6と光半導体素子10との光軸ずれを抑制するのに有効であることが判った。
【0057】
特に、ネジ取付部1bの厚さを基体1の厚さの2/3以下とすることにより、変位を20μm以下とすることができ、光ファイバ6と光半導体素子10との光軸ずれ防止に非常に有効であることが判った。
【0058】
なお、本発明は以上の実施の形態の例および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等支障ない。
【0059】
【発明の効果】
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、基体の上側主面の外周部でネジ取付部よりも内側に貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、貫通孔に嵌着されるかまたは貫通孔の枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、ネジ取付部および載置用基板の厚みが基体の枠体が接合される部位よりも薄く、載置用基板の縦弾性係数が基体の縦弾性係数よりも大きいことから、ネジ取付部にネジを挿入し光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止めする際に、ネジの締め付けによりネジ取付部に応力が発生したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さい基体のネジ取付部が変形することにより載置用基板に歪を生じることなく応力を緩和することができ、載置用基板に搭載された光半導体素子の位置精度を良好に維持することができる。
【0060】
また、光半導体素子の動作により大量の熱が発生し、その熱によって載置用基板が熱膨張したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さな基体が載置用基板の熱膨張による応力を吸収することができ、枠体と基体との接合部に応力が伝達されるのを抑制して光半導体素子収納用パッケージが歪むのを有効に抑制することができる。
【0061】
さらに、載置用基板が基体の枠体が接合している部位よりも薄いことにより、基体と載置用基板との接合面積が小さくなり、載置用基板が熱膨張しても基体に加わる歪が小さくなって基体の変形が少なくなる。即ち、載置用基板から応力が枠体へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子の熱を載置用基板の下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。
【0062】
また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位との厚み差により段差が形成され、この段差においてネジ取付部が変形し易くなることから、基体の枠体が接合している部位に歪みが生じ難く、枠体へ応力が伝達するのを有効に抑制することができる。また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位とが一体で形成されているため、強度の弱い接合部が存在せず、光半導体素子収納用パッケージが破損することもない。
【0063】
これらの結果、光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止め固定する際や、収容する光半導体素子の作動により熱が発生した際に、応力を緩和して光半導体素子収納用パッケージの歪や破損を有効に抑制し、光半導体素子の光入出力端面と光ファイバの光入出力端面との間における光信号の授受を正常に維持させ、光結合効率の優れたものとすることができる。
【0064】
本発明の光半導体装置は、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージと、光ファイバ固定部材に挿入され固定された光ファイバと、この光ファイバに光学的に結合するように載置用基板に載置された光半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】図1の光半導体素子収納用パッケージのA−A’線における断面図である。
【図3】本発明の光半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図4】従来の光半導体素子収納用パッケージの平面図である。
【図5】図4の光半導体素子収納用パッケージのB−B’線における断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:ネジ取付部
1c:貫通孔
1d:貫通穴
1−A:載置用基板
2:枠体
2a:貫通孔
3:光ファイバ固定部材
5:蓋体
6:光ファイバ
10:光半導体素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体素子を収容するための光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置に関し、特に外部電気回路基板への実装構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)を図4,図5に示す。図4はパッケージの平面図、図5は図4のB−B’線における断面図である。これらの図において、21は略直方体の基体、22は枠体、23は光ファイバ固定部材(以下、固定部材ともいう)、25は蓋体を示し、これら基体21、枠体22および蓋体25とで、内部空間に光半導体素子30を収容する容器が基本的に構成される。
【0003】
基体21は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)焼結材等の金属から成り、その上側主面の中央部には、半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子30を載置固定するための載置部21aが設けられる。また、基体21の四隅を同一面でもって外側に延出して設けられた延出部に貫通孔21cが形成されて成るネジ取付部21bが設けられている。この基体21は、貫通孔21cにネジを通して外部電気回路基板にネジ止めして固定される。
【0004】
基体21の上側主面の外周部には、載置部21aを囲繞するようにして接合され、側部に貫通孔22aが形成された枠体22が立設されている。この枠体22は、基体21と同様にFe−Ni−Co合金やCu−W焼結材等の金属から成り、基体21と一体成形される、または基体21に銀(Ag)ロウ等のロウ材を介してロウ付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合されることによって、基体21の上側主面の外周部に立設される。
【0005】
また、枠体22の側部には、固定部材23が貫通孔22aに嵌着されて取り付けられている。固定部材23は、光ファイバ26を枠体22の側部に固定するための筒状の部材であり、Fe−Ni−Co合金やステンレス鋼(SUS)等の金属から成り、固定部材23には縦方向に形成された貫通孔23aが設けられており、固定部材23の外周面が枠体22の貫通孔22aの内面にロウ材を介して嵌着接合される。
【0006】
このような構成のパッケージの載置部21aに光半導体素子30をペルチェ素子や回路基板等の基台31に搭載された状態で載置固定した後、枠体22の側部または基体21に設けられた、パッケージの内外の導電路として機能する入出力端子(図示せず)の枠体22内側の電極と光半導体素子30の電極とをボンディングワイヤで電気的に接続する。そして、ホルダー27に固定された光ファイバ26を固定部材23に挿入し、ホルダー27を固定部材23に溶接固定することにより光ファイバ26の光入出力端面と光半導体素子30の光入出力端面とを光結合させる。しかる後、枠体22の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体25をシーム溶接法等の溶接法により接合して光半導体素子30を気密に封止することによって、製品としての光半導体装置が完成する。
【0007】
この光半導体装置は、ネジ取付部21bの貫通孔21cにネジを通して基体21を外部電気回路基板(図示せず)にネジ止め固定し、入出力端子(図示せず)の枠体22の外側の電極と外部電気回路とを電気的に接続した後、外部電気回路から電気信号によって光半導体素子30で光を励起させ、この光を光ファイバ26を介して外部に伝送することによって、または、外部から光ファイバ26を通って伝送してきた光信号を、光半導体素子30に受光させて光信号を電気信号に変換することによって作動し、高速光通信等に使用される。
【0008】
しかしながら、このような光半導体装置は、貫通孔21cにネジを挿入して外部電気回路基板にネジ止め固定する際、ネジの締め付けによりネジ取付部21bに応力が発生し、この応力が基体21や枠体22に伝わってパッケージに歪みが生じ、その結果、光ファイバ26と光半導体素子30との光軸がずれて光結合効率が劣化するという問題点を有していた。
【0009】
このような問題点を解決するため、ネジ取付部21bを基体21と別体とし、基体21よりも縦弾性係数の低い材質、例えば、Cu,Cu合金,アルミニウム(Al),Al合金等で形成し、基体21にAgロウ付けした構成が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。これにより、パッケージをネジ止め固定する際、ネジ取付部21bをネジで締め付けても、ネジ取付部21bが主に変形して基体21の変形が抑えられ、光半導体素子30と光ファイバ26との光結合効率の低下を抑制することができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−82659号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に示されるパッケージは、光半導体素子30の動作により大量の熱が発生すると、その熱によって基体21が熱膨張し、枠体22との接合部において応力が発生してパッケージに歪みが生じ、その結果、光ファイバ26と光半導体素子30との光軸がずれて光結合効率が劣化するという問題点を有していた。
【0012】
また、パッケージをネジ止め固定する際、ネジ取付部21bをネジで締め付けても、ネジ取付部21bが主に変形して基体21の変形が抑えられるものの、ネジ取付部21bと基体21との接合部には応力が集中し易く、その応力によりネジ取付部21bと基体21との接合部において剥離が生じ、パッケージが破損するという問題点をも有していた。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、光半導体素子収納用パッケージのネジ止めにより、または、光半導体素子の作動時に発生する熱により、光半導体素子収納用パッケージに歪が生じるのを有効に抑制し、LD,PD等の光半導体素子の光入出力端面と光ファイバの光入出力端面との間における光信号の授受を正常に維持させ、光結合効率の優れた光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、前記貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、前記基体の上側主面の外周部で前記ネジ取付部よりも内側に前記貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、前記貫通孔に嵌着されるかまたは前記貫通孔の前記枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、前記ネジ取付部および前記載置用基板の厚みが前記基体の前記枠体が接合される部位よりも薄く、前記載置用基板の縦弾性係数が前記基体の縦弾性係数よりも大きいことを特徴とする。
【0015】
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、基体の上側主面の外周部でネジ取付部よりも内側に貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、貫通孔に嵌着されるかまたは貫通孔の枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、ネジ取付部および載置用基板の厚みが基体の枠体が接合される部位よりも薄く、載置用基板の縦弾性係数が基体の縦弾性係数よりも大きいことから、ネジ取付部にネジを挿入し光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止めする際に、ネジの締め付けによりネジ取付部に応力が発生したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さい基体のネジ取付部が変形することにより載置用基板に歪を生じることなく応力を緩和することができ、載置用基板に搭載された光半導体素子の位置精度を良好に維持することができる。
【0016】
また、光半導体素子の動作により大量の熱が発生し、その熱によって載置用基板が熱膨張したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さな基体が載置用基板の熱膨張による応力を吸収することができ、枠体と基体との接合部に応力が伝達されるのを抑制して光半導体素子収納用パッケージが歪むのを有効に抑制することができる。
【0017】
さらに、載置用基板が基体の枠体が接合している部位よりも薄いことにより、基体と載置用基板との接合面積が小さくなり、載置用基板が熱膨張しても基体に加わる歪が小さくなって基体の変形が少なくなる。即ち、載置用基板から応力が枠体へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子の熱を載置用基板の下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。
【0018】
また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位との厚み差により段差が形成され、この段差においてネジ取付部が変形し易くなることから、基体の枠体が接合している部位に歪みが生じ難く、枠体へ応力が伝達するのを有効に抑制することができる。また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位とが一体で形成されているため、強度の弱い接合部が存在せず、光半導体素子収納用パッケージが破損することもない。
【0019】
これらの結果、光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止め固定する際や、収容する光半導体素子の作動により熱が発生した際に、応力を緩和して光半導体素子収納用パッケージの歪や破損を有効に抑制し、光半導体素子の光入出力端面と光ファイバの光入出力端面との間における光信号の授受を正常に維持させ、光結合効率の優れたものとすることができる。
【0020】
本発明の光半導体装置は、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージと、前記光ファイバ固定部材に挿入され固定された光ファイバと、該光ファイバに光学的に結合するように前記載置用基板に載置固定された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0021】
本発明の光半導体装置は、上記の構成により、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明のパッケージについて実施の形態の一例を示す平面図、図2は図1のA−A’線における断面図である。これらの図において、1は基体、2は枠体、3は固定部材、5は蓋体を示し、これら基体1、枠体2および蓋体5とで、内部に光半導体素子10を収容する容器が基本的に構成される。
【0023】
本発明のパッケージは、中央部に貫通穴1dを有し、四隅にネジ取付部1bがそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体1と、貫通穴1dに嵌着された、上面に光半導体素子10を載置固定する載置用基板1−Aと、基体1の上側主面の外周部でネジ取付部1bよりも内側に貫通穴1dを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成された金属製の枠体2と、貫通孔2aに嵌着されるかまたは貫通孔2aの枠体2外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の固定部材3とを具備しており、ネジ取付部1bおよび載置用基板1−Aの厚みが基体1の枠体2が接合される部位よりも薄く、載置用基板1−Aの縦弾性係数が基体1の縦弾性係数よりも大きくなっている。
【0024】
基体1はCu,Al,Ag等の金属やこれらの合金から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって、所定形状に製作される。基体1の四隅には外側に延出したネジ取付部1bが形成されており、ネジ取付部1bにはネジ挿入用の貫通孔1cが形成されている。
【0025】
基体1の枠体2が接合される部位の厚みh2は、ネジ取付部1bの厚みh1に対してh2>h1となっている。これにより、ネジ取付部1bと基体1の枠体2が接合している部位との厚み差により段差が形成され、この段差においてネジ取付部1bが変形し易くなることから、基体1の枠体2が接合している部位に歪みが生じ難く、枠体2へ応力が伝達するのを有効に抑制することができる。また、ネジ取付部1bと基体1の枠体2が接合している部位とが一体で形成されているため、強度の弱い接合部が存在せず、パッケージが破損することもない。
【0026】
h2は好ましくは1.5×h1≦h2≦3×h1であるのがよい。h2<1.5×h1である場合、h1とh2との厚み差が小さすぎるため、特に平坦性に劣る外部電気回路基板にパッケージをネジ止め固定した際にネジ取付部1bの変形が非常に大きくなると、基体1の枠体2が接合されている部位までもが変形し易くなり、枠体2が歪み易くなる。また、h2>3×h1であると、基体1の枠体2が接合している部位が厚くなりすぎ、光半導体素子10の位置を高くして光ファイバ6と同じにする必要があり、パッケージが大型化する。
【0027】
ネジ取付部1bの平面視形状は、図1に示すように、ネジ取付部1bが存在する基体1の対向する2つの変部をそれぞれ枠体2よりも外側に延出させたものでもよく、図3に示すように、基体1の四隅をそれぞれ枠体2よりも外側に張り出すように延出させ、各延出部に1個ずつ貫通孔1cを形成したものでもよい。
【0028】
また、枠体2の外面は、基体1とネジ取付部1bとの段差部D(図2)よりも内側にあって、枠体2の外面と段差部Dの間の距離dは0mm≦d≦3mmであるのがよい。これにより、ネジ取付部1bにネジを挿入して基体1を外部電気回路基板にネジ止め固定しても、枠体2よりも外側でネジ取付部1bが変形することにより枠体2に歪みが加わるのを有効に防止できる。d>3mmの場合、基体1が必要以上に大型化し、近時の小型化傾向に適さないものとなる。一方、枠体2の外面が段差部Dよりも外側にある場合、ネジ取付部1bの変形によりネジ取付部1bが枠体2に接触して枠体2が歪み易くなる。また、枠体2と基体1との接合面積が小さくなり、枠体2と基体1との接合強度も小さくなり易い。
【0029】
本発明の載置用基板1−Aは、その厚みが基体1の枠体2が接合される部位よりも薄く、載置用基板1−Aの縦弾性係数が基体1の縦弾性係数よりも大きくなっている。これにより、ネジ取付部1bにネジを挿入しパッケージを外部電気回路基板にネジ止めする際に、ネジの締め付けによりネジ取付部1bに応力が発生したとしても、縦弾性係数が載置用基板1−Aよりも小さい基体1のネジ取付部1bが変形することにより載置用基板1−Aに歪を生じることなく応力を緩和することができ、載置用基板1−Aに搭載された光半導体素子10の位置精度を良好に維持することができる。
【0030】
また、光半導体素子10の作動により大量の熱が発生し、その熱によって載置用基板1−Aが熱膨張したとしても、縦弾性係数が載置用基板1−Aよりも小さな基体1が載置用基板1−Aの熱膨張による応力を吸収することができ、枠体2と基体1との接合部に応力が伝達されるのを抑制してパッケージが歪むのを有効に抑制することができる。
【0031】
さらに、載置用基板1−Aが基体1の枠体2が接合している部位よりも薄いことにより、基体1と載置用基板1−Aとの接合面積が小さくなり、載置用基板1−Aが熱膨張しても基体1に加わる歪が小さくなって基体1の変形が少なくなる。即ち、載置用基板1−Aから応力が枠体2へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子10の熱を載置用基板1−Aの下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。
【0032】
このような載置用基板1−Aは、基体1よりも縦弾性係数の大きな材料、例えばFe−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から成り、射出成形や切削加工等の金属加工法を施すことによって、所定形状に製作される。載置用基板1−AはAgロウ等でロウ付けすることによって基体1の貫通穴1dに嵌着される。
【0033】
そして、載置用基板1−Aの上面の載置部1aには、LD,PD等の光半導体素子10が載置固定される。載置用基板1−Aは、光半導体素子10が作動時に発する熱を外部に放熱させる放熱板としての役割も果たす。なお、光半導体素子10は、作動時に発生する熱を効率よく載置用基板1−Aを介して外部へ放熱させるために、ペルチェ素子や回路基板等の基台11に搭載された状態で載置部1aに載置固定されてもよい。
【0034】
載置用基板1−Aの厚みh3は、基体1の枠体2が接合される部位の厚みh2に対してh3<h2となっている。これにより、基体1と載置用基板1−Aとの接合面積が小さくなり、載置用基板1−Aが熱膨張しても基体1に加わる歪が小さくなって基体1の変形が少なくなる。即ち、載置用基板1−Aから応力が枠体2へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子10の熱を載置用基板1−Aの下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。さらに、載置用基板1−Aを薄くすることができることから、載置用基板1−A、基体1および枠体2から形成される容器の容積を十分に確保することができ、パッケージの小型化が可能となる。
【0035】
h3は好ましくは0.3×h2≦h3≦0.9×h2であるのがよい。h3<0.3×h2である場合、載置用基板1−Aが薄くなって強度が小さくなり、載置用基板1−Aが歪み易くなる。また、h3>0.9×h2であると、載置用基板1−Aと基体1との接合面積が大きくなり、光半導体素子10の作動で発生した熱によって載置用基板1−Aが熱膨張した際、基体1が大きく変形し易くなり、その応力が枠体2に伝達され易くなる。
【0036】
また、h3はh1<h3≦0.9×h2であるのがよい。これにより、載置用基板1−Aを変形し難くすることができ、基体1が大きく変形した場合でも、載置部1aに搭載された光半導体素子10と光ファイバ6との位置精度を良好に維持し、これらの光結合効率の低下を有効に抑制することができる。
【0037】
さらに、載置用基板1−Aは載置部1aよりも外周部が厚くなっているのがよい。これにより、載置用基板1−Aの強度を大きくして変形し難くすることができるとともに、載置部1aは薄くなっているので光半導体素子10で発生した熱を効率良く外部電気回路基板や放熱板に伝熱させることができる。
【0038】
なお、基体1、載置用基板1−Aの表面には、酸化腐食の防止や光半導体素子10の載置固定を良好にするために、厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmの金(Au)層からなる金属層をめっき法等により被着させておくとよい。
【0039】
枠体2は、基体1の上側主面の外周部でネジ取付部1bよりも内側に貫通穴1dを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成されており、平面視形状が略四角形の枠状体である。
【0040】
枠体2は、基体1および載置用基板1−Aとともにその内側に光半導体素子10を収容する空所を形成するとともに、その側部の貫通孔2aに嵌着されるかまたは貫通孔2aの枠体2外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の固定部材3を介して光ファイバ6を支持固定する。
【0041】
このような枠体2は、載置用基板1−Aと同様にFe−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から成り、基体1にAgロウ等のロウ材を介してロウ付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合されることにより、基体1の上側主面の外周部に立設される。
【0042】
固定部材3は、光ファイバ6を枠体2の側部に固定するための円筒状等の筒状の部材であり、Fe−Ni−Co合金やステンレス鋼等の金属から成る。固定部材3は、軸方向に光ファイバ6を挿入するための貫通孔3aが設けられており、枠体2の側部の貫通孔2aの内面に外周面がロウ材を介して嵌着されるかまたは貫通孔2aの枠体2外側の開口の周囲に一端がロウ材を介して接合されることにより、枠体2の側部に固定される。
【0043】
ネジ取付部1bは、光ファイバ6が固定される貫通孔2aが形成された枠体2の側部側およびこの側部に対向する枠体2の側部側に設けられているのがよい。これにより、パッケージを外部電気回路基板にネジ止め固定した際に発生する応力が、光ファイバ6が固定されている枠体2の側部に加わるのを抑制することができる。即ち、互いに逆の方向に延出した2つのネジ取付部1bの間に位置する部分において基体1の曲げ応力が最も大きくなり易いのに対し、枠体3の同じ側部側にある2つのネジ取付部1bの間に位置する部分においては基体1の曲げ応力は小さく、この曲げ応力の小さい部分に対応する枠体2の側部で光ファイバ6を固定することにより、光ファイバ6の位置がずれるのを有効に抑制することができる。
【0044】
また、貫通孔1cの平面視形状は、図1に示すような円形である必要はなく、四角形や半円形等であってもよい。
【0045】
本発明の光半導体装置は、上記構成のパッケージと、固定部材3に挿入され固定された光ファイバ6と、光ファイバ6に光学的に結合するように載置用基板1−Aに載置された光半導体素子10と、枠体2の上面に接合された蓋体5とを具備している。
【0046】
このような光半導体装置は以下のようにして作製される。先ず、上記構成のパッケージに光半導体素子10をペルチェ素子や回路基板等の基台11を介して載置部1aに載置固定した後、光半導体素子10の電極と、枠体2の側部または基体1に設けられた、パッケージの内外の導電路として機能する入出力端子(図示せず)の枠体2内側の電極とを、ボンディングワイヤで電気的に接続し、枠体2の上面にFe−Ni−Co合金等の金属,セラミックス,樹脂等から成る蓋体5をロウ付け法やシームウエルド法等の溶接法で接合することにより、光半導体素子10を気密に封止する。そして、光ファイバ6が挿通固定された枠状や筒状の金属製のホルダー7を、光半導体素子10の光入出力端面と光ファイバ6の光入出力端面とが対向し光結合するようにして固定部材3の枠体2外側の一端に溶接することにより、光半導体装置が作製される。
【0047】
本発明の光半導体装置は、ネジ取付部1bで外部電気回路基板にネジ止め固定され、入出力端子の枠体2外側の電極にリード端子やリボン線の一端をロウ付けし、リード端子やリボン線の他端を外部電気回路に接続することにより、光半導体装置内部に収納した光半導体素子10が外部電気回路に電気的に接続され、光半導体素子10が高周波信号で作動することとなる。
【0048】
このような光半導体装置は、外部電気回路から供給される駆動信号によって光半導体素子10を光励起させ、励起したレーザ光等の光信号を光ファイバ6に入力させるとともに光ファイバ6内を伝送させることによって、または、外部から光ファイバ6を通って伝送してきた光信号を光半導体素子10に受光させて光信号を電気信号に変換することによって、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能し、光通信分野等に多く用いられる。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは可能である。例えば、固定部材3は貫通孔2aの枠体2外側開口の周囲に一端がロウ付けまたは溶接されてもよく、これにより貫通孔2aの内面に固定部材3の外周面を嵌着させる必要がなくなるため、貫通孔2aの内径寸法および固定部材3の外形寸法の精度を比較的粗くすることができ、貫通孔2aや固定部材3の加工が容易になり作業効率が向上する。
【0050】
【実施例】
本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施例を以下に説明する。
【0051】
図1の本発明のパッケージのサンプルを以下のようにして作製した。Fe−Ni−Co合金(縦弾性係数:128GPa)からなる縦21mm×横13mmで厚さが1.8mmの直方体からなり、その中央部に縦9.5mm×横7.5mmの貫通穴1dをもつ基体1を用意し、その四隅に種々の厚みのネジ取り付け部1b(表1参照)を形成した。
【0052】
そして、Fe−Ni−Co合金からなり縦21mm×横13mm×高さ7mmで厚さ1mmの枠体2を用意した。
【0053】
さらに、Cu−Wの焼結体(縦弾性係数:265GPa)からなる縦9.5mm×横7.5mm×高さ1.5mmの載置用基板1−Aを貫通穴1dに嵌め込み、基体1、枠体2および載置用基板1−AをAg−Cuロウ(融点780℃)で接合し、これらを常温(25℃)まで均一に冷却することによりパッケージを作製した(サンプルP1〜P7)。
【0054】
これらのサンプルP1〜P7を上面が平坦な外部回路基板にネジ止めした際の、載置用基板中心部の厚み方向の歪によって発生した変位量を有限要素法による解析によって求めた。これらの評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1に示した結果より、本発明のサンプルにおける載置用基板の中心部に発生する変位は、ネジ取付け部の厚みを基体1の枠体が接合される部位よりも薄くすることにより、40μm以下の値に低減させることができ、本発明のパッケージが光ファイバ6と光半導体素子10との光軸ずれを抑制するのに有効であることが判った。
【0057】
特に、ネジ取付部1bの厚さを基体1の厚さの2/3以下とすることにより、変位を20μm以下とすることができ、光ファイバ6と光半導体素子10との光軸ずれ防止に非常に有効であることが判った。
【0058】
なお、本発明は以上の実施の形態の例および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等支障ない。
【0059】
【発明の効果】
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、基体の上側主面の外周部でネジ取付部よりも内側に貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、貫通孔に嵌着されるかまたは貫通孔の枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、ネジ取付部および載置用基板の厚みが基体の枠体が接合される部位よりも薄く、載置用基板の縦弾性係数が基体の縦弾性係数よりも大きいことから、ネジ取付部にネジを挿入し光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止めする際に、ネジの締め付けによりネジ取付部に応力が発生したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さい基体のネジ取付部が変形することにより載置用基板に歪を生じることなく応力を緩和することができ、載置用基板に搭載された光半導体素子の位置精度を良好に維持することができる。
【0060】
また、光半導体素子の動作により大量の熱が発生し、その熱によって載置用基板が熱膨張したとしても、縦弾性係数が載置用基板よりも小さな基体が載置用基板の熱膨張による応力を吸収することができ、枠体と基体との接合部に応力が伝達されるのを抑制して光半導体素子収納用パッケージが歪むのを有効に抑制することができる。
【0061】
さらに、載置用基板が基体の枠体が接合している部位よりも薄いことにより、基体と載置用基板との接合面積が小さくなり、載置用基板が熱膨張しても基体に加わる歪が小さくなって基体の変形が少なくなる。即ち、載置用基板から応力が枠体へ伝達されるのを有効に抑制することができる。また、光半導体素子の熱を載置用基板の下方の外部電気回路基板や放熱板に効率よく伝熱させることができ、放熱性が向上する。
【0062】
また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位との厚み差により段差が形成され、この段差においてネジ取付部が変形し易くなることから、基体の枠体が接合している部位に歪みが生じ難く、枠体へ応力が伝達するのを有効に抑制することができる。また、ネジ取付部と基体の枠体が接合している部位とが一体で形成されているため、強度の弱い接合部が存在せず、光半導体素子収納用パッケージが破損することもない。
【0063】
これらの結果、光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板にネジ止め固定する際や、収容する光半導体素子の作動により熱が発生した際に、応力を緩和して光半導体素子収納用パッケージの歪や破損を有効に抑制し、光半導体素子の光入出力端面と光ファイバの光入出力端面との間における光信号の授受を正常に維持させ、光結合効率の優れたものとすることができる。
【0064】
本発明の光半導体装置は、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージと、光ファイバ固定部材に挿入され固定された光ファイバと、この光ファイバに光学的に結合するように載置用基板に載置された光半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】図1の光半導体素子収納用パッケージのA−A’線における断面図である。
【図3】本発明の光半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図4】従来の光半導体素子収納用パッケージの平面図である。
【図5】図4の光半導体素子収納用パッケージのB−B’線における断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:ネジ取付部
1c:貫通孔
1d:貫通穴
1−A:載置用基板
2:枠体
2a:貫通孔
3:光ファイバ固定部材
5:蓋体
6:光ファイバ
10:光半導体素子
Claims (2)
- 中央部に貫通穴を有し、四隅にネジ取付部がそれぞれ形成された略直方体の金属製の基体と、前記貫通穴に嵌着された、上面に光半導体素子を載置固定する載置用基板と、前記基体の上側主面の外周部で前記ネジ取付部よりも内側に前記貫通穴を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、前記貫通孔に嵌着されるかまたは前記貫通孔の前記枠体外側の開口の周囲に一端が接合された筒状の光ファイバ固定部材とを具備しており、前記ネジ取付部および前記載置用基板の厚みが前記基体の前記枠体が接合される部位よりも薄く、前記載置用基板の縦弾性係数が前記基体の縦弾性係数よりも大きいことを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1記載の光半導体素子収納用パッケージと、前記光ファイバ固定部材に挿入され固定された光ファイバと、該光ファイバに光学的に結合するように前記載置用基板に載置固定された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする光半導体装置。
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JP2003038794A JP2004253409A (ja) | 2002-12-24 | 2003-02-17 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
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JP2007328065A (ja) * | 2006-06-06 | 2007-12-20 | Casio Comput Co Ltd | 光変調素子ユニット及びプロジェクタ |
JP2010080562A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Sumitomo Metal Electronics Devices Inc | 電子部品収納用パッケージ |
JP2010287766A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Kyocera Corp | 光半導体素子収納用パッケージ、および光半導体装置 |
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-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038794A patent/JP2004253409A/ja active Pending
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