JP2004137318A - 硬化材組成物 - Google Patents
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- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract
【解決手段】砂又は砂質土である軟弱地盤を対象土壌とする硬化材であって、セメント100重量部に対し、ブレーン比表面積が3000〜8000cm2/gである高炉スラグ微粉末50〜300重量部およびブレーン比表面積が2000〜8000cm2/gである石灰石微粉末を5〜50重量部を配合した硬化材組成物とする。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤改良硬化材であって、砂又は砂質土を対象土壌とし、対象土壌と混合することにより地盤を改良する硬化材に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントは硬化する性質があるため、セメント単味あるいはセメントをベース材料とした硬化材が、地盤・土壌・ヘドロ等の硬化材として広く使用されている。この硬化材の土壌などへの添加方法としては、粉体のまま混合する方法、又は硬化材に予め水を加え混練しミルク状に調整したものを混入或いは注入する方法が用いられている。
【0003】
該硬化材には、一般的に目的に応じてセメント以外に他の材料が配合される。高炉スラグ微粉末は潜在水硬性があるためセメントに添加して硬化材の配合材として用いることは既によく知られている。また、石灰石微粉末には潜在水硬性はないが、これを一配合材として用いるセメント系地盤改良材の従来技術としては、裏込めや根固めあるいは止水等を目的とし地盤に注入する、セメントを含む硬化性液に及び炭酸カルシウムなどの増粘剤を添加した硬化性液(例えば特許文献1参照)、セメントクリンカ、石膏、水冷スラグ及び石灰石からなるグラウト材(例えば特許文献2参照)などが挙げられる。
【0004】
一方、土壌と硬化材を混合する方法において、表層地盤改良では、粉体のまま混合する方法がよく行われているが、粉体のままでは混練が困難な場合はミルク状に調整したものを混入する方法が用いられている。深層混合処理工法の場合は、機械攪拌工法、高圧噴射攪拌工法の何れの場合においても、ミルク状に調整したものを混入する方法が広く用いられている。
【0005】
土壌への硬化材混入方法としてミルク状に調整した硬化材を混入する場合は、粉体混入の場合に比べて水量として土中水も含めた水/硬化材比(W/C)は高くなり、コンクリートの場合と同様W/Cの値が高くなるにつれて強度の発現性は小さくなる傾向にある。よってミルク混入の場合、高い強度を得ようとするとミルク混入量を多くしなければならなくなり、従って混入する硬化材の量も多くならざるを得なってくる。混入するミルク量が多くなればそれだけ作業量が増大し、使用固化材量も多くなり不経済となってくる。またミルク量が多くなればスライム即ち排泥量も多くなり排泥の捨て場の確保やその為の余分の経費が必要になる等の問題が生ずる。よって硬化材ミルクを混入して軟弱地盤改良する場合、特に高い改良強度が必要な場合は強度発現性の高い硬化材が必要である。このような高い強度発現性を有する硬化材配合としてはセメント−高炉スラグ−石膏の3成分系のものが知られている(例えば特許文献3、4など参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−100180号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平5−208853号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開昭54−113911号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開昭60−137496号公報(請求項1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この系のものはヘドロや有機質粘性土に対してはセメントやセメント−スラグの2成分系に比較して高い強度を発現するものの、砂や砂質土に対しては、セメントやセメント−高炉スラグ系に比して必ずしも高い強度を発現しないことが本発明者らの実験の結果明らかとなった。
【0008】
従って対象土壌として砂や砂質土の場合の軟弱地盤改良に適した強度の発現性の高い硬化材の開発が課題となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らが研究を重ねた結果、セメントをベース材料としこれに特定ブレーン比表面積の高炉スラグ微粉末および特定ブレーン比表面積の石灰石微粉末を、それぞれ特定量配合することにより、砂や砂質土に対してミルク状に調整したものを混入した場合においても高い強度発現性を示す硬化材組成物を見出し、本発明を発明するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、砂又は砂質土である軟弱地盤を対象土壌とする硬化材であって、セメント100重量部に対しブレーン比表面積が3000〜8000cm2/gである高炉スラグ微粉末50〜300重量部およびブレーン比表面積が2000〜8000cm2/gである石灰石微粉末5〜50重量部を含有してなる硬化材組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるセメントはポルトランド系セメントであれば、特に制限されず、公知の、ブレーン比表面積2000〜6000cm2/gのセメントを用いることができ、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、或いは中庸熱ポルトランドセメントなどが用いられる。
【0012】
本発明に用いられる高炉スラグは通常の高炉水砕スラグありで、ブレーン比表面積が3000〜8000cm2/gのものであり、好ましくは3500〜7000cm2/gである。ブレーン比表面積が3000cm2/g未満のものは強度発現性に劣り、8000cm2/gを超えるものはコスト的に高くなり不経済である。
【0013】
本発明において用いられる高炉スラグの配合量は、上記セメント100重量部に対し50〜300重量部、好ましくは70〜250重量部である必要がある。50重量部未満であっても又は300重量部を超える場合であっても強度の発現性が低下し好ましくない。
【0014】
本発明において用いられる石灰石微粉末はブレーン比表面積が2000〜8000cm2/gのものであり、好ましくは2500〜7000cm2/gである。2000cm2/g未満であると強度発現性が低下し好ましくない。また8000cm2/g超えると強度など物性は向上せず、粉砕コストが高くなり好ましくない。
【0015】
本発明において用いられる石灰石微粉末の配合量は、セメント100重量部に対し5〜50重量部であることが必要である。5重量部未満又は50重量部を超えると強度の発現性が劣り好ましくない。
【0016】
本発明において、硬化材組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他のセメント混和材などを配合することができる。該混和材としてはたとえば、石膏、硫酸ナトリウムや減水剤等の添加剤等があげられる。また高圧噴射攪拌工法などに用い、ブリージングが起こることが予想される場合は、ブリージングを抑えるために上記硬化材組成物にベントナイトやセルロース系の増粘剤を本発明の効果を損なわない範囲で加えることもできる。例えばベントナイトならば硬化材組成物の1〜20重量%、セルロース系増粘剤ならば1重量%前後添加するのが好ましい。
【0017】
本発明の硬化材組成物の製造方法は特に制限されず、必要に応じて、上記したブレーン比表面積を満足するようにボールミルなどで粉砕した上記した各成分を、公知の方法により混合すれば良い。混合装置としては、例えば、二軸ミキサーや傾胴ミキサーなどが挙げられる。
【0018】
本発明において、該硬化材組成物を用いての軟弱砂質土を改良する施工方法は、従来公知の方法で硬化材をミルク状で混入する方法又は粉体のまま混合する施工法が採用される。ミルクを混入する施工法ではミルクの水比即ちW/C(水/硬化材)は通常60〜150%であり、土1m3に混入するミルクの量は0.1〜1m3である。
【0019】
さらに本発明の硬化材の使用分野は、裏込めや根固めあるいは注入などは含まれず、機械攪拌工法や高圧噴射攪拌工法など土壌との混合を伴う分野である。
【0020】
【発明の効果】
本発明の硬化材組成物を砂又は砂質土である軟弱地盤に対し該組成物を粉体のまま混合し,或いは該組成物に水を加えて混練して硬化材ミルクを調合しこれを軟弱地盤に混入し、該軟弱地盤を高い強度の地盤に改良することが可能である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するために、実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものものではない。
【0022】
なお、実施例および比較例では、硬化する対象土壌として、土質分類が砂である真砂土を用いた。この真砂土は細粒分(シルトおよび粘土分)9%、含水比14%、湿潤密度1.95g/cm3である。
【0023】
土に硬化材を添加して改良強度を評価する試験は、硬化材ミルクを調整して、対象土に混入し、硬化体供試体を作成し一軸圧縮強度を測定することにより行った。硬化材ミルクはW/C135%で調整し、ミルク:対象土=0.5:1(体積比)で対象土とミルクを混練し、型枠に充填し28日間養生した。硬化体供試体は5cmφ×10cmHであり、JIS A 1216に規定する方法に準じて一軸圧縮強度を測定した。
【0024】
実施例1
高炉水砕スラグをボールミルにて粉砕し、ブレーン比表面積4200cm2/gの高炉スラグ微粉末を得た。また、CaCO3純度95%以上の石灰石をボールミル粉砕しブレーン比表面積3900cm2/gの石灰石微粉末を得た。得られた高炉スラグ微粉末および石灰石微粉末のそれぞれ100重量部および10重量部をブレーン比表面積3350cm2/gの普通ポルトランドセメント(トクヤマ社製)100重量部とヘンシェルミキサーにより混合して硬化材組成物を製造した。表1に配合材のブレーン比表面積及び硬化材の配合重量比を示した。
【0025】
得られた硬化材組成物と水をW/C=135%で3分間スリーワンモーターにて混練し、硬化材ミルクを調合した。さらに得られた硬化材ミルクと真砂土とを体積比0.5:1の割合でソイルミキサー(ホバート社製、MODEL N−50 MIXER)にて3分間混練した後、28日間養生した硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表1に示した。
【0026】
実施例2
石灰石微粉末の配合量を20重量部とした他は実施例1と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0027】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0028】
実施例3
高炉スラグ微粉末及び石灰石微粉末の配合量をそれぞれ80重量部および20重量部とした他は実施例1と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0029】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0030】
比較例1
高炉スラグ微粉末及び石灰石微粉末を混合せずにトクヤマ社製普通ポルトランドセメント単味で実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0031】
比較例2〜4
石灰石微粉末の配合量をそれぞれ0、2、70重量部とした他は実施例1と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0032】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0033】
実施例4、比較例5
高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積をそれぞれ6100cm2/g、2500cm2/gとした他は実施例2と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0034】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0035】
比較例6
石灰石微粉末のブレーン比表面積をそれぞれ1000cm2/gとした他は実施例2と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0036】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0037】
実施例5
高炉スラグ微粉末及び石灰石微粉末の配合量をそれぞれ200重量部および25重量部とした他は実施例1と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0038】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0039】
比較例7
高炉スラグ微粉末及び石灰石微粉末の配合量をそれぞれ40重量部および15重量部とした他は実施例1と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0040】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0041】
比較例8
高炉スラグ微粉末及び石灰石微粉末の配合量をそれぞれ400重量部および25重量部とした他は実施例1と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0042】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0043】
比較例9
石灰石微粉末の代わりにブレーン比表面積4150cm2/gの無水石膏を用いた他は実施例2と同様にして硬化材組成物を製造した。
【0044】
得られた硬化材組成物を用い、実施例1と同様に硬化材ミルクを調合して、硬化材混合土の一軸圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
Claims (1)
- 砂又は砂質土である軟弱地盤を対象土壌とする硬化材であって、セメント100重量部に対しブレーン比表面積が3000〜8000cm2/gである高炉スラグ微粉末50〜300重量部およびブレーン比表面積が2000〜8000cm2/gである石灰石微粉末5〜50重量部を含有してなる硬化材組成物。
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- 2002-10-16 JP JP2002301510A patent/JP4217456B2/ja not_active Expired - Lifetime
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