JP2004124915A - Piston type high pressure pump - Google Patents
Piston type high pressure pump Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004124915A JP2004124915A JP2002294000A JP2002294000A JP2004124915A JP 2004124915 A JP2004124915 A JP 2004124915A JP 2002294000 A JP2002294000 A JP 2002294000A JP 2002294000 A JP2002294000 A JP 2002294000A JP 2004124915 A JP2004124915 A JP 2004124915A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- piston
- type high
- pump
- suction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピストン式高圧ポンプにかかるもので、とくにガソリンその他の低粘度燃料用ポンプその他の流体用ポンプなどのピストン式高圧ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のピストン式高圧ポンプ(たとえば特許文献1)について、図8にもとづき概説する。
図8は、たとえば高圧ガソリンポンプなどに応用されるピストン式高圧ポンプ1の縦断面図であって、ピストン式高圧ポンプ1は、単筒式の高圧ガソリンポンプであり、ポンプハウジング2と、吸入バルブ3と、吐出バルブ4と、電磁弁によるコントロールバルブ5と、ピストンバレル6(プランジャバレル)と、ピストン7(プランジャ)と、タペット8と、ポンプ駆動用のカム9と、低圧ダンパー10と、を有する。
【0003】
ポンプハウジング2には、燃料タンク11、フィードポンプ12および低圧レギュレーター13につながる吸入口14(吸入ポート)から、環状の吸入通路15および連通路16を形成し、吸入される燃料は低圧ダンパー10で低圧脈動を低減されて吸入バルブ3に至る。
【0004】
吸入バルブ3は、ピストンバレル6内に形成したポンプ室17に臨む。ピストン7の往復運動方向に直交してポンプ室17を貫くようにポンプハウジング2およびピストンバレル6にまたがって高圧ポート18を形成し、ポンプ室17にはこの高圧ポート18を介して吐出バルブ4およびコントロールバルブ5が同様に臨み、さらにピストン7の頭部もポンプ室17に臨んでいる。
【0005】
吐出バルブ4は、吐出口19(吐出ポート)からたとえばコモンレール20(蓄圧器)などに高圧燃料を吐出可能とする。コモンレール20には、エンジンの気筒数だけの燃料噴射弁21を接続してある。
【0006】
コントロールバルブ5は、ポンプ室17における燃料の圧送、とくにその開始(吐出バルブ4の開放)あるいは終了(吐出バルブ4の閉鎖)のタイミングを制御するもので、ソレノイド22と、アーマチュア23と、バルブボディ24と、バルブボディ24のシート部25と、を有する。
バルブボディ24がシート部25からリフトすることにより、ポンプ室17から軸通路26および吸入側連通路27を介してポンプ室17と環状の吸入通路15とを連通可能とする。
【0007】
軸通路26に連通して、吸入圧誘導通路28、内壁環状溝29さらにリーク孔30を形成する。ピストン7には、その長さ方向ほぼ中間位置において円周方向に円周溝31を形成し、ポンプハウジング2に形成したオリフィス32を介して、低圧側通路33およびリターンポート34から燃料タンク11に還流可能としている。
低圧側通路33は、リーク通路35を介してピストン7の円周溝31よりタペット8側(図中下側)の円周部に連通している。
したがって、ピストン7の円周溝31部分は、吸入圧誘導通路28を介して環状の吸入通路15における吸入圧を受けていることになり、円周溝31の下方部における円周部は燃料タンク11部分の低圧と同等の圧力を受けていることになる。
【0008】
つぎに、ポンプハウジング2とピストンバレル6との間の第1のシール機構36、ピストン7とピストンバレル6との間の第2のシール機構37、およびピストン7の下部とタペット8との間の第3のシール機構38について述べる。
第1のシール機構36は、高圧部(ポンプ室9)と、吸入圧部(吸入ポート14ないし吸入通路15)との間をシールするもので、ポンプハウジング2とピストンバレル6との間のメタルシール部39(面シール部)と、高圧側Oリング40と、バックアップリング41と、を有して、ポンプ室17内の高圧をシールしている。
【0009】
第2のシール機構37は、吸入圧部と、ピストン7の周囲からリークする低圧部との間をシールするもので、吸入圧側Oリング42を有し、オリフィス32により圧力分離された、リーク孔30ないし円周溝31と、低圧側通路33ないしリーク通路35と、の間をシールしている。
【0010】
第3のシール機構38は、低圧部とカム9との間をシールするもので、ピストン7の下部(円周溝31より下方部)にリップシールなどのシール部材43を設けるとともに、ポンプハウジング2とピストンバレル6との間に低圧側Oリング44を設けている。かくして、タペット8においてタペットスプリング45を収容しているスプリング室46と、低圧側通路33ないしリーク通路35と、の間のシールを行う。
【0011】
なお図9は、シール部材43部分の拡大断面図であり、シール部材43は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)その他の合成樹脂製のリップ部43Aと、ステンレスその他の金属製の支持部43Bと、を有し、リーク通路35ないしピストンバレル6とピストン7との間からのガソリンと、スプリング室46からのオイルとを分離している。
【0012】
こうした構成のピストン式高圧ポンプ1において、その駆動にともなって圧力変動の問題がある。
燃料の吸入行程では、吸入バルブ3が「開」、吐出バルブ4およびコントロールバルブ5が「閉」である。なお、コントロールバルブ5は、そのソレノイド22に通電することにより、これを「閉」として、その駆動エネルギーを省力化している。
ついでピストン7の上昇行程(圧縮行程、吐出行程)にあたり、吸入バルブ3が「閉」となり、所定の開弁圧になると吐出バルブ4が「開」となる。
吐出終了状態において、コントロールバルブ5が「開」となり、吐出バルブ4からの燃料の吐出を終了する。
なお圧縮行程において、コントロールバルブ5の開弁時期を調節することにより、吐出バルブ4の流体吐出終了のタイミングを制御してその吐出量を調節可能としている。
【0013】
上述のようなコントロールバルブ5の開弁時期の調節による吐出バルブ4の流体吐出終了のタイミングを制御するような駆動とは逆に、コントロールバルブ5の閉弁時期の調節による吐出バルブ4の流体吐出開始のタイミングを制御するような駆動も可能である。
【0014】
図10は、ピストン式高圧ポンプ1の作動における吐出開始時期可変制御のグラフを示す説明図であって、コモンレール20内の圧力変化(I)、ポンプ室17内の圧力変化(II)、ピストン式高圧ポンプ1外の低圧ライン(フィードポンプ12から吸入ポート14に至る低圧通路)の圧力変化(III)、およびピストン式高圧ポンプ1内の低圧ライン(吸入通路15から吸入側連通路27さらに軸通路26に至る低圧通路)の圧力変化(IV)を示している。
図示のように、この可変容量単一プランジャタイプのピストン式高圧ポンプ1の場合、燃料の吐出を開始するまでは、コントロールバルブ5が「開」であるため、ポンプ室17とその上流側の低圧ライン(吸入通路15から軸通路26に至る低圧通路)とは互いに連通しており、ポンプ室17の室圧変化が低圧側に放出され、ピストン式高圧ポンプ1の低圧室に大きな圧力変動が発生する。
すなわち、ピストン7が上昇時にコントロールバルブ5が「開」であってもポンプ室17に圧力変動P1が生じ、この圧力変動P1がピストン式高圧ポンプ1内の低圧ラインにおける圧力変化(IV)に大きな圧力変動P2を発生させることになる。
【0015】
一方ピストン式高圧ポンプ1全体のコストの点からは、リターンポート34をなくすことが望ましいが、リターンポート34を省略すると、上記大きな圧力変動が、軸通路26、吸入圧誘導通路28、内壁環状溝29、リーク孔30、オリフィス32、低圧側通路33およびリーク通路35を介して、リップシールなどによるシール部材43に作用し、そのシール機能の信頼性を低下させるという問題がある。
【0016】
図11は、ピストン式高圧ポンプ1の作動における吐出終了時期可変制御のグラフを示す説明図であって、図10と同様に、コモンレール20内の圧力変化(I)、ポンプ室17内の圧力変化(II)、ピストン式高圧ポンプ1外の低圧ライン(フィードポンプ12から吸入ポート14に至る低圧通路)の圧力変化(III)、およびピストン式高圧ポンプ1内の低圧ライン(吸入通路15から吸入側連通路27さらに軸通路26に至る低圧通路)の圧力変化(IV)を示している。
この制御の場合にも、ポンプ室17の室圧変化が低圧側に放出され、ピストン式高圧ポンプ1の低圧室に大きな圧力変動が発生する。すなわち、図11に示すように、ポンプ室17の圧力変動(高圧スピルP3)がピストン式高圧ポンプ1内の低圧ラインにおける圧力変化(IV)に大きな圧力変動P4を発生させることになる。
したがって吐出終了時期可変制御の場合にも、リターンポート34を省略すると、上記大きな圧力変動がリップシールなどによるシール部材43に作用し、その信頼性を低下させるという問題がある。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−54531号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、流体のタンクへのリターンポートを削除したピストン式高圧ポンプを提供することを課題とする。
【0019】
また本発明は、ポンプ室における高圧変動が低圧側に及ぼす影響を抑制し、リップシールなどによるシール部材の信頼性を向上可能なピストン式高圧ポンプを提供することを課題とする。
【0020】
また本発明は、リップシールなどによるシール部材への圧力変動を極力低下させて、その影響を緩和することができるピストン式高圧ポンプを提供することを課題とする。
【0021】
また本発明は、リップシールなどによるシール部材の耐久性を向上させるとともに、リターンラインを削減してコスト低減が可能なピストン式高圧ポンプを提供することを課題とする。
【0022】
また本発明は、圧力変動に対するシール部材の信頼性について簡単な構成かつ低コストで対処可能なピストン式高圧ポンプを提供することを課題とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、吸入ポート側とシール部材側(リップシール側)との間に絞りあるいはチェック弁や摺動クリアランスなどによる圧力緩和部を設けること、この圧力緩和部によりシール部材などに伝達される圧力変動の影響を極力少なくすることに着目したもので、流体の吸入バルブおよび吐出バルブと、この吸入バルブおよび吐出バルブに連通するポンプ室を形成したピストンバレルと、このピストンバレル内を往復動することにより、上記吸入バルブから流体の吸入および上記吐出バルブから流体の吐出をそれぞれ行うピストンと、このピストンの駆動を行うためのカムと、を有するピストン式高圧ポンプであって、上記吸入バルブの上流に位置する吸入ポート側の吸入圧力を上記ピストンの円周面に導くことができるようにするとともに、この吸入ポート側と、上記ピストンのこの円周面に接触しているシール部材側と、の間に圧力緩和部を設けたことを特徴とするピストン式高圧ポンプである。
【0024】
上記カムは、タペットを介して上記ピストンを往復駆動するとともに、このタペットにおいてタペットスプリングを収容しているスプリング室と、上記吸入ポート側と、を上記シール部材がシールすることができる。
【0025】
上記圧力緩和部は、これを絞りとすることができる。
【0026】
上記圧力緩和部は、これをチェック弁とすることができる。
【0027】
上記圧力緩和部は、これを上記ピストンと上記ピストンバレルとの間の摺動クリアランスとすることができる。
【0028】
上記シール部材は、これをリップシールとすることができる。
【0029】
本発明によるピストン式高圧ポンプにおいては、リップシールなどによるシール部材側と吸入ポート側との間に絞りあるいはチェック弁や摺動クリアランスなどによる圧力緩和部を設け、この圧力緩和部によりシール部材などへの圧力変動を極力少なくするようにしたので、シール部材に作用する圧力を緩和し、シール部材の損傷を回避し、その耐久性および信頼性を向上させることができる。
したがって、ピストン式高圧ポンプ自体にリターンポートあるいはこのリターンポートにつながるリーク孔、オリフィス、低圧側通路およびリーク通路などを設けない構造としても、シール部材への影響を低減して、コストの削減に寄与することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の第1の実施の形態によるピストン式高圧ポンプ50を図1ないし図5にもとづき説明する。ただし、図8ないし図11と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、ピストン式高圧ポンプ50の概略回路図、図2は、同、縦断面図であって、ピストン式高圧ポンプ50は、フィードポンプ12とコモンレール20との間にこれを接続し、コントロールバルブ5により、たとえばその吐出開始時期を可変制御可能としている。
なお、ピストン式高圧ポンプ50においては、前記リターンポート34(図8)およびこれに連通する円周溝31、リーク孔30、オリフィス32および低圧側通路33などのリターンラインを削除し、コストの削減を図っている。
【0031】
とくに図2に示すように、ピストン式高圧ポンプ50は、前述したピストン式高圧ポンプ1と同様に、ポンプハウジング2と、吸入バルブ3と、吐出バルブ4と、電磁弁によるコントロールバルブ5と、ピストンバレル6(プランジャバレル)と、ピストン7(プランジャ)と、タペット8と、3山としたポンプ駆動用のカム9と、低圧ダンパー10と、を有する。
【0032】
ポンプハウジング2には、前記吸入ポート14、環状の吸入通路15および連通路16を形成し、吸入される燃料は低圧ダンパー10で低圧脈動を低減されて吸入バルブ3に至る。
【0033】
吸入バルブ3は、ピストンバレル6内に形成した前記ポンプ室17に臨む。
ポンプ室17には前記高圧ポート18を介して吐出バルブ4およびコントロールバルブ5が同様に臨み、さらにピストン7の頭部もポンプ室17に臨んでいる。
【0034】
コントロールバルブ5は、ポンプ室17における燃料の圧送、とくにその開始(吐出バルブ4の開放)あるいは終了(吐出バルブ4の閉鎖)のタイミングを制御する。
すなわちコントロールバルブ5に通電を停止して、たとえば、これをオフとしたとき、ポンプ室17から軸通路26および吸入側連通路27を介してポンプ室17と環状の吸入通路15との連通を遮断して、吐出開始時期を可変制御可能とする。
【0035】
軸通路26に連通して、前記吸入圧誘導通路28および内壁環状溝29を形成する。
【0036】
前述のピストン式高圧ポンプ1(図8)においてピストン7に形成した、その長さ方向ほぼ中間位置における円周方向の円周溝31、ピストンバレル6に形成したリーク孔30、ならびにポンプハウジング2に形成したオリフィス32および低圧側通路33を削除するとともに、燃料タンク11に還流するリターンポート34を省略している。
その代わりに、前記吸入圧側Oリング42を省くとともに、この吸入圧側Oリング42をはめ込んでいた段部環状溝51と前記内壁環状溝29とを連通し、段部環状溝51と連通するように前記リーク通路35の部位に圧力緩和部52を設けている。もちろん、段部環状溝51を形成することなく、内壁環状溝29を図中下方に延長して圧力緩和部52に連通するようにすることもできる。
【0037】
この圧力緩和部52が、上流側からシール部材43に臨んでいる。
したがって、シール部材43と接しているピストン7の円周部分は、コントロールバルブ5が開放状態のときには、吸入圧誘導通路28、内壁環状溝29、段部環状溝51、圧力緩和部52を介して吸入圧部(吸入ポート14ないし環状の吸入通路15)における低圧と同等の圧力を受けていることになる。
【0038】
ポンプハウジング2とピストンバレル6との間の第1のシール機構36は、ピストン式高圧ポンプ1(図8)と同様に、ポンプハウジング2とピストンバレル6との間のメタルシール部39(面シール部)と、高圧側Oリング40と、バックアップリング41と、を有して、ポンプ室17内の高圧をシールしている。
【0039】
ピストン7とピストンバレル6との間の前記第2のシール機構37は、上述のように吸入圧側Oリング42を省いたことで事実上、これを設けてはいない。
【0040】
ピストン7の下部とタペット8との間の第3のシール機構38は、低圧部とカム9との間をシールするもので、ピストン7の下方部にリップシールなどのシール部材43を設けるとともに、ポンプハウジング2とピストンバレル6との間に低圧側Oリング44を設けている。かくして、タペット8においてタペットスプリング45を収容しているスプリング室46と、圧力緩和部52と、の間のシールを行う。
【0041】
圧力緩和部52は、シール部材43に加わる圧力を緩和することができればよく、その具体的な構成は任意である。
たとえば図3は、圧力緩和部52の一例を示す拡大断面図であって、圧力緩和部52の構成として、吸入ポート14側とシール部材43側とを連通するオリフィス53(絞り)を採用することができる。
吸入通路15側からの大きな圧力変動もこのオリフィス53において緩和されて、シール部材43に大きな圧力変動を伝達することはない。
【0042】
図4は、圧力緩和部52の他の例を示す拡大断面図であり、圧力緩和部52の構成として、チェック弁54を採用することができる。
チェック弁54は、シート部55にシートするボールバルブ56と、このボールバルブ56をシート部55に付勢するバルブスプリング57と、スプリングシート58と、を有する。
バルブスプリング57のバネセット力を小さくし、圧力変動がない場合に、吸入ポート14側およびシール部材43側の互いの間の圧力差を小さくするようにする。
したがって、吸入ポート14側からの大きな圧力変動もこのチェック弁54において、シール部材43側に直接伝達することを阻止され、シール部材43側からの圧力が一方向(吸入ポート14方向)のみに伝達されるだけであり、シール部材43に大きな圧力変動を伝達することはない。
【0043】
図5は、ピストン式高圧ポンプ50内の低圧ライン(吸入ポート14から吸入側連通路27さらに軸通路26に至る低圧通路)の圧力変化(IV)を概略的に示す説明図であって、点線で示すような従来のピストン式高圧ポンプ1における大きな圧力変動P2が、実線で示すように低減されることになる。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施の形態によるピストン式高圧ポンプ60の縦断面図であって、ピストン式高圧ポンプ60は、フィードポンプ12とコモンレール20との間にこれを接続し、コントロールバルブ5によりその吐出終了時期を可変制御可能としている。
なお、ピストン式高圧ポンプ60においては、ピストン式高圧ポンプ50と同様に、リターンポート34などを削除し、コストの削減を図っている。
【0045】
ピストン式高圧ポンプ60の構成自体は、ピストン式高圧ポンプ50と事実上同様であるが、コントロールバルブ5の機能がピストン式高圧ポンプ50とは逆である。
すなわち、コントロールバルブ5は、吐出バルブ4による吐出終了を可変制御する。
【0046】
こうした構成のピストン式高圧ポンプ60においても、ピストン式高圧ポンプ50(図2)と同様に、圧力緩和部52を設けることにより、シール部材43への圧力変動の悪影響を避けつつ、リーク孔30、円周溝31、オリフィス32、低圧側通路33およびリターンポート34などを省略してコストダウンを図ることができる。
【0047】
図7は、本発明の第3の実施の形態によるピストン式高圧ポンプ70の縦断面図であって、ピストン式高圧ポンプ70は、フィードポンプ12とコモンレール20との間にこれを接続し、コントロールバルブ5によりその吐出開始時期あるいは終了時期を可変制御可能としている。
なお、ピストン式高圧ポンプ70においては、ピストン式高圧ポンプ50(図2)と同様に、オリフィス32、低圧側通路33およびリターンポート34などを削除し、コストの削減を図っている。
【0048】
ただし、ピストン式高圧ポンプ70においては、ピストン式高圧ポンプ50(図2)およびピストン式高圧ポンプ60(図6)とは異なり、ピストン式高圧ポンプ1(図8)におけるピストンバレル6のリーク孔30およびピストン7の円周溝31を残している。さらに、ピストン式高圧ポンプ50およびピストン式高圧ポンプ60と同様に、オリフィス32、低圧側通路33およびリターンポート34を省略するとともに、圧力緩和部52をオリフィス53(図3)およびチェック弁54(図4)とは異なる形態で設けている。
すなわち、吸入圧誘導通路28を内壁環状溝29および段部環状溝51を介してリーク孔30および円周溝31に連通し、円周溝31とピストン7との間の摺動クリアランス71を圧力緩和部52とし、この摺動クリアランス71から漏れてくる低圧をシール部材43に伝達可能としている。
【0049】
こうした構成のピストン式高圧ポンプ70においても、リターンポート34を省略可能であるとともに、吸入圧部(吸入ポート14)からの低圧の吸入圧における大きな圧力変動を摺動クリアランス71の部分で緩和することにより、シール部材43への圧力変動の悪影響を回避することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ピストン式高圧ポンプ内の低圧通路に圧力緩和部を設けたので、リップシールなどによるシール部材における圧力変動を緩和可能とし、その耐久性を向上させることが可能となり、コストの削減および信頼性の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるピストン式高圧ポンプ50の概略回路図である。
【図2】同、縦断面図である。
【図3】同、圧力緩和部52の一例を示す拡大断面図である。
【図4】同、圧力緩和部52の他の例を示す拡大断面図である。
【図5】同、ピストン式高圧ポンプ50内の低圧ライン(吸入ポート14から吸入側連通路27さらに軸通路26に至る低圧通路)の圧力変化(III)を概略的に示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるピストン式高圧ポンプ60の縦断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態によるピストン式高圧ポンプ70の縦断面図である。
【図8】従来の高圧ガソリンポンプなどに応用されるピストン式高圧ポンプ1の縦断面図である。
【図9】同、シール部材43部分の拡大断面図である。
【図10】同、ピストン式高圧ポンプ1の作動における吐出開始時期可変制御のグラフを示す説明図である。
【図11】同、ピストン式高圧ポンプ1の作動における吐出終了時期可変制御のグラフを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ピストン式高圧ポンプ(図8)
2 ポンプハウジング
3 吸入バルブ
4 吐出バルブ
5 コントロールバルブ(電磁弁)
6 ピストンバレル(プランジャバレル)
7 ピストン(プランジャ)
8 タペット
9 ポンプ駆動用のカム
10 低圧ダンパー
11 燃料タンク
12 フィードポンプ
13 低圧レギュレーター
14 吸入ポート
15 吸入通路
16 連通路
17 ポンプ室
18 高圧ポート
19 吐出口(吐出ポート)
20 コモンレール(蓄圧器)
21 燃料噴射弁
22 ソレノイド
23 アーマチュア
24 バルブボディ
25 シート部
26 軸通路
27 吸入側連通路
28 吸入圧誘導通路
29 内壁環状溝
30 リーク孔
31 円周溝
32 オリフィス
33 低圧側通路
34 リターンポート
35 リーク通路
36 第1のシール機構
37 第2のシール機構
38 第3のシール機構
39 メタルシール部(面シール部)
40 高圧側Oリング
41 バックアップリング
42 吸入圧側Oリング
43 シール部材(リップシール)
43A シール部材43のリップ部(図9)
43B シール部材43の支持部(図9)
44 低圧側Oリング
45 タペットスプリング
46 スプリング室
50 ピストン式高圧ポンプ(第1の実施の形態、図1、図2)
51 段部環状溝
52 圧力緩和部
53 オリフィス(絞り、圧力緩和部、図3)
54 チェック弁(圧力緩和部、図4)
55 シート部
56 ボールバルブ
57 バルブスプリング
58 スプリングシート
60 ピストン式高圧ポンプ(第2の実施の形態、図6)
70 ピストン式高圧ポンプ(第3の実施の形態、図7)
71 摺動クリアランス(圧力緩和部)
P1 ポンプ室17に生じる圧力変動(図10)
P2 圧力変動P1により発生する低圧ラインの大きな圧力変動(図10)
P3 ポンプ室17の圧力変動(高圧スピル)(図11)
P4 高圧スピルP3により発生する低圧ラインの大きな圧力変動(図11)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a piston-type high-pressure pump, and more particularly to a piston-type high-pressure pump such as a pump for gasoline and other low-viscosity fuels and other fluid pumps.
[0002]
[Prior art]
A conventional piston-type high-pressure pump (for example, Patent Document 1) will be outlined based on FIG.
FIG. 8 is a longitudinal sectional view of a piston type
[0003]
An
[0004]
The
[0005]
The
[0006]
The
When the
[0007]
A suction pressure guide passage, an inner wall
The low-
Therefore, the portion of the
[0008]
Next, a
The
[0009]
The
[0010]
The
[0011]
9 is an enlarged cross-sectional view of the
[0012]
In the piston-type high-
In the fuel intake stroke, the
Next, in the rising stroke (compression stroke, discharge stroke) of the
In the discharge end state, the
In the compression stroke, by adjusting the valve opening timing of the
[0013]
Contrary to the drive for controlling the timing of the end of fluid discharge of the
[0014]
FIG. 10 is an explanatory diagram showing a graph of the discharge start timing variable control in the operation of the piston type
As shown in the figure, in the case of this variable displacement single plunger type piston type
That is, even when the
[0015]
On the other hand, from the viewpoint of the cost of the entire piston type high-
[0016]
FIG. 11 is an explanatory diagram showing a graph of the discharge end timing variable control in the operation of the piston type high-
Also in this control, a change in the chamber pressure in the
Therefore, even in the case of the discharge end timing variable control, if the
[0017]
[Patent Document 1]
JP-A-2002-54531
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and has as its object to provide a piston-type high-pressure pump in which a return port to a fluid tank is omitted.
[0019]
Another object of the present invention is to provide a piston-type high-pressure pump capable of suppressing the influence of high-pressure fluctuations in a pump chamber on a low-pressure side and improving the reliability of a sealing member such as a lip seal.
[0020]
Another object of the present invention is to provide a piston-type high-pressure pump capable of reducing pressure fluctuations on a seal member caused by a lip seal or the like as much as possible and reducing the influence thereof.
[0021]
Another object of the present invention is to provide a piston-type high-pressure pump capable of improving the durability of a sealing member such as a lip seal or the like, and reducing the cost by reducing the number of return lines.
[0022]
Another object of the present invention is to provide a piston-type high-pressure pump capable of coping with the reliability of a seal member against pressure fluctuation with a simple configuration and at low cost.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
That is, according to the present invention, a pressure relief portion such as a throttle or a check valve or a sliding clearance is provided between the suction port side and the seal member side (lip seal side), and the pressure relief portion transmits the pressure to the seal member and the like. It focuses on minimizing the effects of pressure fluctuations, and reciprocates in a piston barrel that forms a suction chamber and a discharge valve for a fluid, a pump chamber communicating with the suction valve and the discharge valve, and the piston barrel. Accordingly, a piston-type high-pressure pump having a piston for sucking fluid from the suction valve and discharging a fluid from the discharge valve, and a cam for driving the piston, wherein the piston is provided upstream of the suction valve. If the suction pressure on the suction port side located at Moni, and the suction port side, a piston-type high pressure pump, wherein the seal member side in contact with the circumferential surface of the piston, in that a pressure relief portion between.
[0024]
The cam reciprocates the piston via a tappet, and the seal member can seal a spring chamber accommodating a tappet spring in the tappet and the suction port side.
[0025]
The pressure relief unit can be used as a throttle.
[0026]
The pressure relief section can be used as a check valve.
[0027]
The pressure relieving section may use this as a sliding clearance between the piston and the piston barrel.
[0028]
The sealing member may be a lip seal.
[0029]
In the piston type high-pressure pump according to the present invention, a pressure relief portion such as a throttle or a check valve or a sliding clearance is provided between the seal member side such as a lip seal and the suction port side, and the pressure relief portion is used to seal the seal member and the like. Since the pressure fluctuation is minimized, the pressure acting on the seal member can be reduced, the damage to the seal member can be avoided, and the durability and reliability thereof can be improved.
Therefore, even if the piston-type high-pressure pump itself is not provided with a return port or a leak hole, an orifice, a low-pressure side passage, and a leak passage connected to the return port, the influence on the seal member is reduced and the cost is reduced. can do.
[0030]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, a piston type
FIG. 1 is a schematic circuit diagram of a piston-type high-
In the piston type high-
[0031]
As shown in FIG. 2 in particular, the piston type
[0032]
The
[0033]
The
The
[0034]
The
That is, when the
[0035]
The suction
[0036]
In the piston type high-pressure pump 1 (FIG. 8), a
Instead, the suction pressure side O-
[0037]
The
Therefore, when the
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
A
[0041]
The
For example, FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view illustrating an example of the
Large pressure fluctuations from the
[0042]
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view illustrating another example of the
The
The spring setting force of the
Therefore, a large pressure fluctuation from the
[0043]
FIG. 5 is an explanatory view schematically showing a pressure change (IV) of a low-pressure line (a low-pressure passage from the
[0044]
FIG. 6 is a longitudinal sectional view of a piston type
In the piston type high-
[0045]
The configuration of the piston type
That is, the
[0046]
In the piston-type high-
[0047]
FIG. 7 is a longitudinal sectional view of a piston type
In the piston-type high-
[0048]
However, in the piston type
That is, the suction
[0049]
In the piston-type high-
[0050]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the pressure reducing portion is provided in the low-pressure passage in the piston-type high-pressure pump, pressure fluctuation in a sealing member such as a lip seal can be reduced, and its durability can be improved. This can contribute to cost reduction and improvement in reliability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic circuit diagram of a piston-type high-
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of the same.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view showing one example of a
FIG. 4 is an enlarged sectional view showing another example of the
FIG. 5 is an explanatory view schematically showing a pressure change (III) of a low-pressure line (a low-pressure passage from the
FIG. 6 is a longitudinal sectional view of a piston type
FIG. 7 is a longitudinal sectional view of a piston type
FIG. 8 is a longitudinal sectional view of a piston type
FIG. 9 is an enlarged cross-sectional view of the same sealing
FIG. 10 is an explanatory diagram showing a graph of discharge start timing variable control in the operation of the piston type
FIG. 11 is an explanatory diagram showing a graph of discharge end timing variable control in the operation of the piston type high-
[Explanation of symbols]
1 Piston type high pressure pump (Fig. 8)
2 pump
6. Piston barrel (plunger barrel)
7 piston (plunger)
8
20 common rail (accumulator)
40 High pressure side O-
43A Lip portion of seal member 43 (FIG. 9)
43B Supporting part of seal member 43 (FIG. 9)
44 Low pressure side O-
51 Step
54 Check valve (pressure relief part, Fig. 4)
55
70 piston type high pressure pump (third embodiment, FIG. 7)
71 Sliding clearance (pressure relief part)
P1 Pressure fluctuation occurring in pump chamber 17 (FIG. 10)
P2 Large pressure fluctuation in low pressure line caused by pressure fluctuation P1 (Fig. 10)
P3 Pressure fluctuation of pump chamber 17 (high pressure spill) (Fig. 11)
P4 Large pressure fluctuation in low pressure line caused by high pressure spill P3 (Fig. 11)
Claims (6)
この吸入バルブおよび吐出バルブに連通するポンプ室を形成したピストンバレルと、
このピストンバレル内を往復動することにより、前記吸入バルブから流体の吸入および前記吐出バルブから流体の吐出をそれぞれ行うピストンと、
このピストンの駆動を行うためのカムと、を有するピストン式高圧ポンプであって、
前記吸入バルブの上流に位置する吸入ポート側の吸入圧力を前記ピストンの円周面に導くことができるようにするとともに、
この吸入ポート側と、前記ピストンのこの円周面に接触しているシール部材側と、の間に圧力緩和部を設けたことを特徴とするピストン式高圧ポンプ。A fluid suction valve and a discharge valve,
A piston barrel forming a pump chamber communicating with the suction valve and the discharge valve,
A piston that reciprocates in the piston barrel to perform suction of fluid from the suction valve and discharge of fluid from the discharge valve,
A piston-type high-pressure pump having a cam for driving the piston,
While allowing the suction pressure on the suction port side located upstream of the suction valve to be guided to the circumferential surface of the piston,
A piston type high pressure pump characterized in that a pressure relief portion is provided between the suction port side and the seal member side in contact with the circumferential surface of the piston.
このタペットにおいてタペットスプリングを収容しているスプリング室と、前記吸入ポート側と、を前記シール部材がシールすることを特徴とする請求項1記載のピストン式高圧ポンプ。The cam reciprocates the piston via a tappet,
2. The piston type high pressure pump according to claim 1, wherein the seal member seals a spring chamber accommodating a tappet spring in the tappet and the suction port side.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002294000A JP2004124915A (en) | 2002-10-07 | 2002-10-07 | Piston type high pressure pump |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002294000A JP2004124915A (en) | 2002-10-07 | 2002-10-07 | Piston type high pressure pump |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004124915A true JP2004124915A (en) | 2004-04-22 |
Family
ID=32284739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002294000A Pending JP2004124915A (en) | 2002-10-07 | 2002-10-07 | Piston type high pressure pump |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004124915A (en) |
-
2002
- 2002-10-07 JP JP2002294000A patent/JP2004124915A/en active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6447273B1 (en) | Variable-delivery high-pressure fuel pump | |
JP4415929B2 (en) | High pressure fuel supply pump | |
EP1707799B1 (en) | Fuel pump having plunger and fuel supply system using the same | |
JP4474428B2 (en) | High pressure fuel supply pump for internal combustion engine | |
US6192864B1 (en) | Common-rail fuel-injection system | |
JP4010175B2 (en) | Internal combustion engine fuel pump | |
JP3815324B2 (en) | Fuel pressurizing pump for internal combustion engines | |
JP3819208B2 (en) | Variable discharge fuel supply system | |
JP2001248518A (en) | Variable delivery rate fuel supplying system | |
WO2018012211A1 (en) | High-pressure fuel supply pump | |
JP2006170169A (en) | Fuel supply pump | |
WO2022091554A1 (en) | Fuel pump | |
JP4241611B2 (en) | Valve device for fuel injection pump | |
WO2021049247A1 (en) | Fuel pump | |
JP2004124915A (en) | Piston type high pressure pump | |
JP2018105274A (en) | High-pressure fuel supply pump | |
US5573381A (en) | Internally regulated self priming fuel pump assembly | |
WO2023209949A1 (en) | Fuel pump | |
JP3693463B2 (en) | Variable discharge high pressure pump | |
JP2007332842A (en) | Fuel supply system and fuel filter equipped in fuel supply system | |
JPH10184494A (en) | Fuel booster pump for internal combustion engine | |
US12140113B2 (en) | Electromagnetic valve mechanism and fuel pump | |
WO2021235019A1 (en) | Fuel pump | |
JP7482313B2 (en) | Fuel pump | |
US20240159208A1 (en) | Electromagnetic Valve Mechanism and Fuel Pump |