Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2004123550A - アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類 - Google Patents

アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類 Download PDF

Info

Publication number
JP2004123550A
JP2004123550A JP2002285586A JP2002285586A JP2004123550A JP 2004123550 A JP2004123550 A JP 2004123550A JP 2002285586 A JP2002285586 A JP 2002285586A JP 2002285586 A JP2002285586 A JP 2002285586A JP 2004123550 A JP2004123550 A JP 2004123550A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
compound
substituted
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002285586A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Ito
伊藤 孝之
Shigeo Kamihira
上平 茂生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002285586A priority Critical patent/JP2004123550A/ja
Publication of JP2004123550A publication Critical patent/JP2004123550A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】入手の容易な原料から、短工程で収率良く、アルコキシカルボニルイミダゾール類を製造する方法並びに新規なアルコキシカルボニルイミダゾール類を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物をパラジウム触媒及び塩基の存在下、ギ酸エステルまたは一酸化炭素と反応させる下記一般式(II)で表されるアルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法。
【化1】
Figure 2004123550

一般式(I)及び(II)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1乃至3の整数を表す。ただし、4及び5位がいずれもハロゲン原子の場合、R、Rの少なくとも一方は水素原子ではない。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に用いるカプラー中間体、色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用なアルコキシカルボニル置換イミダゾール類およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールは、例えば特許文献1などに記載されているように、ジアミノマレオニトリルとオルトギ酸エステルを反応させて合成した4,5−ジシアノイミダゾールを、例えば非特許文献1に記述の方法により加水分解してイミダゾール−4,5−ジカルボン酸とし、さらに例えば非特許文献2に記載の方法によりエステル化することにより簡便に合成することができる。
また、2−アルコキシカルボニルイミダゾール誘導体、4(又は5)−アルコキシカルボニルイミダゾール誘導体、2,4(又は5)−ジアルコキシカルボニルイミダゾール誘導体はそれぞれ例えば非特許文献3〜5等に記載の方法により合成することができる。
しかし、上記の方法はいずれも原材料や反応試剤のコストや入手性、安全性等に問題があり、簡便かつ効率的な合成法とはいい難かった。また、2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール誘導体の合成法は知られていなかった。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第2,534,331号明細書
【非特許文献1】
「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・ダルトン・トランスレーション(J. Chem. Soc. Dalton Trans.)」(英国),1987年,第12号,p.3003−3007
【非特許文献2】
「ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)」(米国),1999年,第64巻,第18号,p.6575−6582
【非特許文献3】
「ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)」(米国),1973年,第38巻,第7号,p.1437−1438
【非特許文献4】
「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・パーキン・トランスレーション I(J. Chem. Soc. Perkin Trans. I)」(英国),1972年,第13号,p.1715−1717
【非特許文献5】
「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ(J. Chem. Soc.)」(英国),1916年,第109巻,p.186−202
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の第一の目的は、前記従来技術における問題を解決し、医農薬などの機能性化合物の中間体、原料として有用である、アルコキシカルボニル置換イミダゾール誘導体を、入手容易な原材料および反応試薬を用いて、安価かつ安全に、高収率で合成できる製造方法を提供することであり、第二の目的は該製造方法により、新規化合物である2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、入手容易な一般式(I)で表される化合物を入手容易なパラジウム触媒及び塩基の存在下、ギ酸エステルまたは一酸化炭素と反応させることで、アルコキシカルボニル置換イミダゾール誘導体を安価かつ安全に高収率で合成できることを見出した。また本発明者らは、同製造方法により、新規化合物である2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類を安価かつ安全に高収率で合成できることをも見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、下記(1)〜(4)を提供するものである。
(1)下記一般式(I)で表される化合物をパラジウム触媒及び塩基の存在下、ギ酸エステルまたは一酸化炭素と反応させることを特徴とする下記一般式(II)で表されるアルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法。
【0006】
【化5】
Figure 2004123550
【0007】
一般式(I)及び(II)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1乃至3の整数を表す。ただし、4及び5位がいずれもハロゲン原子の場合、R、Rの少なくとも一方は水素原子ではない。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。(2)下記一般式(II’)で表される化合物。
【0008】
【化6】
Figure 2004123550
【0009】
一般式(II’)において、Rは水素原子または置換基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
(3)下記一般式(II’’)で表される化合物。
【0010】
【化7】
Figure 2004123550
【0011】
一般式(II’’)において、R’はアルキル基を表す。
(4)下記1H−2,4,5−トリメトキシカルボニルイミダゾール。
【0012】
【化8】
Figure 2004123550
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
最初に、本発明における一般式(I)又は(II)のいずれかで表される化合物を詳細に説明する。
【0014】
【化9】
Figure 2004123550
【0015】
一般式(I)及び(II)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖または分岐の置換または無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基〔好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜20の置換または無置換のシクロアルキル基であり、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、本発明においては多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基をも含む。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。〕、
【0016】
アルケニル基(直鎖または分岐の置換または無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基〔好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数4〜20の置換または無置換のシクロアルケニル基であり、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、本発明においては多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基をも含むが、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。〕、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル)、
【0017】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは、5〜7員の置換または無置換、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族、単環または縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0018】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20の置換または無置換のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜16のシリルオキシ基であり、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のヘテロ環オキシ基であり、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
【0019】
アシルオキシ基〔好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30(より好ましくは炭素数2〜20)の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、または炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ〕、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のカルバモイルオキシ基であり、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のアルコキシカルボニルオキシ基であり、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基であり、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
【0020】
アミノ基〔好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30(より好ましくは炭素数1〜20)の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、または炭素数0〜30(より好ましくは炭素数0〜20)のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕、アシルアミノ基〔好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30(より好ましくは炭素数1〜20)の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、または炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ〕、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基であり、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
【0021】
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20の置換または無置換のスルファモイルアミノ基であり、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基〔好ましくは、炭素数1〜30(より好ましくは炭素数1〜20)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、または炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ〕、メルカプト基、
【0022】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20の置換または無置換のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のヘテロ環チオ基であり、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20の置換または無置換のスルファモイル基であり、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
【0023】
アルキル又はアリールスルフィニル基〔好ましくは、炭素数1〜30(より好ましくは炭素数1〜20)の置換もしくは無置換のアルキルスルフィニル基、または炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル〕、アルキル又はアリールスルホニル基〔好ましくは、炭素数1〜30(より好ましくは炭素数1〜20)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル〕、アシル基〔好ましくは、ホルミル基、炭素数2〜30(より好ましくは炭素数2〜20)の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、または炭素数7〜30(より好ましくは炭素数7〜20)の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル〕、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
【0024】
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換アルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のカルバモイルであり、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基〔好ましくは、炭素数6〜30(より好ましくは炭素数6〜20)の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、または炭素数3〜30(より好ましくは炭素数3〜20)の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)であり、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ〕、イミド基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のイミド基であり、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のホスフィニル基であり、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
【0025】
ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のホスフィニルオキシ基であり、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20の置換または無置換のホスフィニルアミノ基であり、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜20の置換または無置換のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
【0026】
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
【0027】
及びRにおける上記置換基の各基は、前述の通り、更に置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、上記に挙げた置換基が挙げられる。
は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基である。Rは、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基であり、更に好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。
【0028】
Xはハロゲン原子を表す。好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくはヨウ素原子である。nは1乃至3の整数を表す。
【0029】
一般式(I)及び(II)において、4及び5位がいずれもハロゲン原子である場合、R、Rの少なくとも一方は水素原子ではない。nが1のとき、一般式(I)又は(II)におけるRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、また、nが2以上の整数を表すとき、一般式(I)におけるXはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、また一般式(II)における−CO基はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。好ましくはこれらが同一のものである。
【0030】
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。なお、シクロアルキル基、シクロアルケニル基はR、Rにおけるものと同じ意味であり、好ましい範囲も同様である。また、Rにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基はR及びRにおけるものと同じ意味であり、好ましい範囲も同様である。
【0031】
におけるアルキル基には、直鎖または分岐の、置換基を有するアルキル基及び無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基には、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜50のアルキル基が好ましく、炭素原子1〜30のアルキル基がより好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが含まれる。これらアルキル基が有しても良い置換基の例は、一般式R、Rで挙げた置換基の例が挙げられる。
【0032】
におけるシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基及び無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜20のシクロアルキル基がより好ましい。シクロアルキル基の例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれる。これらシクロアルキル基が有しても良い置換基の例は、一般式R、Rで挙げた置換基の例が挙げられる。
【0033】
におけるアルケニル基には、置換基を有するアルケニル基及び無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記アルケニル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルケニル基がより好ましい。アルケニル基の例には、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイルなどが含まれる。これらアルケニル基が有しても良い置換基の例には、一般式R、Rで挙げた置換基の例が挙げられる。
【0034】
におけるアルキニル基には、置換基を有するアルキニル基及び無置換のアルキニル基が含まれる。置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が2〜30のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルキニル基がより好ましい。アルキニル基の例には、エチニル、プロパルギルなどが含まれる。これらアルキニル基が有しても良い置換基の例には、一般式R、Rで挙げた置換基の例が挙げられる。
【0035】
におけるアリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましい。アリール基の例には、フェニル、p−トリル、ナフチルなどが含まれる。これらアリール基が有しても良い置換基の例には、一般式R、Rで挙げた置換基の例が挙げられる。
【0036】
は、好ましくは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基である。
【0037】
本発明の製造方法で製造される化合物において、下記一般式(II’)で表される化合物は好ましい化合物であり、新規な化合物である。
【0038】
【化10】
Figure 2004123550
【0039】
一般式(II’)において、RおよびRは一般式(II)のR、Rとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。なお、一般式(II’)における3個の−CO基はそれぞれが同一でも異なってもよい。好ましくはこれらがいずれも同一のものである。一般式(II’)で表される化合物のより好ましい形態としては下記一般式(II’’)で表される化合物である。
【0040】
【化11】
Figure 2004123550
【0041】
一般式(II’’)において、R’はアルキル基を表し、一般式(II)におけるRのアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。なお、一般式(II’’)における3個の−CO’基はそれぞれが同一でも異なってもよい。好ましくはこれらがいずれも同一のものである。
【0042】
本発明において一般式(II)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化12】
Figure 2004123550
【0044】
なお、以降の説明において、以上に示された例示化合物を引用する場合、それぞれの例示化合物に付された括弧書きの番号(x)を用いて、「例示化合物(x)」と表示することとする。
上記化合物のうち、例示化合物(9)の1H−2,4,5−トリメトキシカルボニルイミダゾールが特に好ましい。
【0045】
本発明の製造方法において用いることのできる溶媒としては、アルコール溶媒(メタノール、エタノールなど)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど)、ニトリル系溶媒(アセトニトリルなど)、ケトン系溶媒(アセトンなど)、エステル系溶媒(酢酸エチルなど)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフランなど)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、好ましくは、アルコール系溶媒またはアミド系溶媒であり、更に好ましくはアルコール系溶媒である。さらに具体的に、好ましい溶媒を挙げると、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドであり、より好ましくはメタノール、エタノールなどのアルコール溶媒である。
【0046】
本発明の製造方法において用いることのできる溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量としては、一般式(II)で表される化合物の1質量部当たり、好ましくは0.1〜1000質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
【0047】
本発明の製造方法における反応温度は、特に制限はされないが、反応を速やかに行うため、30℃以上が好ましく、30〜200℃がより好ましい。反応終了は、NMR、HPLC、TLC、その他の方法によって確認することができる。本発明の製造方法における反応圧力は、好ましくは0.05MPa〜10MPaであり、より好ましくは0.08〜1MPaであり、さらに好ましくは0.1〜0.5MPaである。
通常、本反応に要する時間は、反応温度、反応圧力、溶媒、触媒などに左右されるが、概ね1〜12時間である。
【0048】
本発明の製造方法におけるエステル化反応において、カルボニル源としてはギ酸エステルまたは一酸化炭素のいずれでもよく、一般式(I)で表される化合物に対してモル比で0.5〜100当量用いるのが好ましく、より好ましくは0.8〜18当量であり、さらに好ましくは1〜6当量である。なお、本発明においては、カルボニル源は取扱いの点でギ酸エステルが好ましい。
【0049】
炭素源としてギ酸エステルを用いる場合、用いることのできるギ酸エステルとしては、HCO(Rは前記一般式(II)におけるRと同義)であり、好ましい例としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸オクチル、ギ酸フェニルであり、より好ましくはギ酸メチルである。またこのとき、溶媒(または添加剤)としてROH(Rは前記一般式(II)におけるRと同義)を用いてもよい。なお、このとき、HCOとROHのRは同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
炭素源として一酸化炭素を用いる場合、溶媒(または添加剤)としてROH(Rは前記一般式(II)におけるRと同義)を用いることが好ましい。
【0050】
本発明の製造方法において用いることのできる塩基種としては、無機塩基でも有機塩基でもよい。例えば金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)や炭酸カリウム、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等が挙げられる。好ましくは金属アルコキシド、炭酸カリウムである。塩基量としては一般式(I)で表される化合物に対してモル比で0.5〜100当量であり、より好ましくは0.8〜12当量であり、さらに好ましくは1〜4当量である。
【0051】
本発明の製造方法において、用いることのできるパラジウム触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PhPCH)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl(PPh)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(PdCl[P(o−tol))、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(PdCl(PCy)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(PdCl(PEt)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、塩化パラジウム(PdCl)、塩化ビス(アセトニトリル)パラジウム(PdCl(CHCN))、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))、塩化ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(PdCl[bis(diphenylphosphino)ferrocene])など市販されている触媒を購入してそのまま反応系中に加えてもよいし、Pd(OAc)やPd(dba)などと任意の配位子から別途調製、単離した触媒を加えてもよい。また、Pd(OAc)やPd(dba)などと任意の配位子を混合することによって反応系中で実際に反応に関与すると考えられる触媒を調製してもよい。パラジウムの価数は0であっても+2であってもよい。なお、本明細書中、Phはフェニル基を、Tolはトリル基を、Cyはシクロヘキシル基を、Etはエチル基を、Acはアセチル基を、dbaはジベンジリデンアセトンを示す。
【0052】
また、パラジウムを何らかに担持させて用いても良い。例としてはポリマーに担持させたもの(例えば「ケミカル・コミュニケーションズ(Chem. Commun.)」,(英国),2001年,第24号,p.2588−2589参照。)、無機支持体に担持させたもの(例えば「ジャーナル・オブ・グリーン・ケミストリー(J. Green Chem.)」,2001年,第3巻,第1号,p.23−25参照。)、セピオライトに担持させたもの(例えば「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」,(英国),2002年,第43巻,第32号,p.5653−5655参照。)、シリカ球を修飾して担持させたもの(例えば「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(Journal of the American Chemical Society)」,(米国),2002年,第124巻,第26号,p.7642−7643参照。)等が挙げられる。
【0053】
反応系からろ過等によりパラジウムを取り出し、再利用できるならば環境の観点・コストの観点から非常に好ましく、再利用して用いてもよい。
【0054】
用いるパラジウム触媒の当量数は、等量であっても触媒量であってもよいが、環境の観点やコスト・生産性から、使用量をできるだけ少量に抑えることが望ましい。使用量は用いる4,5−ジハロイミダゾールに対して好ましくは20.0mol%以下(好ましくは0.001〜20.0mol%)であり、より好ましくは5mol%以下(0.01〜5mol%)であり、さらに好ましくは3mol%以下(0.01〜3mol%)、最も好ましくは0.5mol%以下(0.01〜0.5mol%)である。
【0055】
本発明の製造方法におけるパラジウム触媒は、配位子の違いによって反応性に大きな影響がある。配位子としては、トリフェニルホスフィン(PPh)、メチルジフェニルホスフィン(PhPCH)、トリフリルホスフィン(P(2−furyl))、トリ(o−トリル)ホスフィン(P(o−tol))、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン(PCy)、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン(PhPCy)、トリ(t−ブチル)ホスフィン(PtBu)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、2,2’−ビス[(ジフェニルホスフィノ)ジフェニル]エーテル(DPEphos)(「テトラへドロン・レターズ」,(英国),1998年,第39巻、第30号,p.5327−5330参照)、ジフェニルホスフィノフェロセン(DPPF)、1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセン(DtBPF)、N,N−ジメチル−1−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミン、1−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルメチルエーテル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−ジメチルアミノ−1,1’−ビフェニル(「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」,(米国),1998年,第120巻,第37号,p.9722−9723参照)、スピロ型ホスホニウム塩(「アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)」,(独国),1998年,第37巻,第4号,p.481−483参照)などのホスフィン系配位子や、イミダゾル−2−イリデンカルベン類などのホスフィンミミック配位子(「アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angewandte Chemie International Edition in English)」,(独国),1997年,第36巻,第20号,p.2163−2187参照)などが挙げられる。パラジウムと配位子上の置換基とで反応してパラダサイクル(「アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ」,(独国),1995年,第34巻,第17号,p.1844−1848参照)を形成していてもよい。
【0056】
反応系に4級アンモニウム塩等の相間移動触媒を添加し、反応を行っても良い。
【0057】
前記一般式(I)で表される化合物が4,5−ジハロイミダゾールである場合において、該4,5−ジハロイミダゾールが4,5−ジクロロイミダゾールまたは4,5−ジブロムイミダゾールのとき、ヨウ化ナトリウム等のヨウ素化剤を反応系に加えてもよい。
【0058】
前記一般式(I)で表される化合物は、市販または文献既知の下記化合物(III)(R、Rおよびnはそれぞれ前記一般式(I)のものと同義)を原料として、例えば「テトラヘドロン・レターズ」,(英国),2001年,第42巻,第11号,p.2089−2092、「テトラヘドロン(Tetrahedron)」,(英国),1997年,第53巻,第42号,p.14481−14496、「シンセシス(Synthesis)」,(米国),1994年,第7号,p.681−682、「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・パーキン・トランスレーション I」,(英国),1989年,第1号,p.95−99、「ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー」,(米国),1998年,第63巻,第25号,p.9448−9454等に記載もしくは引用されている方法または類似の方法でハロゲン化することにより合成することができる。尚、一般式(I)におけるRが水素以外の置換基の場合、Rは上記ハロゲン化の前に導入することもできるし、ハロゲン化の後に導入することもできる。
【0059】
【化13】
Figure 2004123550
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0061】
<実施例1> 例示化合物(2)の合成
下記に示す方法により例示化合物(2)を合成した。
【0062】
【化14】
Figure 2004123550
【0063】
(a)4,5−ジヨード−2−メチルイミダゾール(A−2)の合成
市販の2−メチルイミダゾール10g(0.122mol)を水酸化ナトリウム24g(0.6mol)水溶液300mLに溶解し、ヨウ素61.9g(0.24mol)とクロロホルム300mLの混合液に撹拌しながら滴下し、さらに室温にて2時間撹拌した。分液後、水層を酢酸にて中和し、析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶をアセトニトリル/酢酸エチルから再結晶することにより4,5−ジヨード−2−メチルイミダゾール(A−2)27.2g(81.5mmol)を得た。
【0064】
(b)例示化合物(2)の合成
50mLオートクレーブ反応容器に、化合物(A−2)1.67g(5mmol)、ギ酸メチル4.0g(67mmol)メチルアルコール15mL、ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム105mg(0.15mmol)およびナトリウムメチラートの28%メタノール溶液6.1mL(30mmol)をこの順序で加えて密閉した。外温を130℃に保ち5時間撹拌し、放冷した。反応液をセライトろ過し、ろ液を酢酸エチル100mL/0.5N塩酸水100mLに加え、炭酸水素ナトリウムを用いて水層を中和した。水層を酢酸エチル50mLを用いて2回抽出し、それぞれの有機層を集めて硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより、例示化合物(2)0.48g(2.42mmol)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO、TMS)δ:13.15(bs,1H)、3.79(s,6H)、2.27(s,3H)
m/Z(NEGA)=197
【0065】
<実施例2> 例示化合物(3)の合成
下記に示す方法により例示化合物(3)を合成した。
【0066】
【化15】
Figure 2004123550
【0067】
化合物(A−3)は市販の2−フェニルイミダゾールから化合物(A−2)と同様の方法にて合成した。50mLオートクレーブ反応容器に、化合物(A−3)1.98g(5mmol)、ギ酸メチル4.0g(67mmol)メチルアルコール15mL、ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム175mg(0.25mmol)およびナトリウムメチラートの28%メタノール溶液6.1mL(30mmol)をこの順序で加えて密閉した。外温を130℃に保ち3時間撹拌し、放冷した。反応液をセライトろ過し、ろ液を酢酸エチル100mL/0.5N塩酸水100mLに加え、炭酸水素ナトリウムを用いて水層を中和した。水層を酢酸エチル50mLを用いて2回抽出し、それぞれの有機層を集めて硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより、例示化合物(3)0.93g(3.58mmol)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO、TMS)δ:13.80(bs,1H)、8.13−7.49(m,5H)、3.86(s,6H)
m/Z(NEGA)=259
【0068】
<実施例3> 例示化合物(6)の合成
下記に示す方法により例示化合物(6)を合成した。
【0069】
【化16】
Figure 2004123550
【0070】
化合物(A−6)は市販の4−メチルイミダゾールから化合物(A−2)と同様の方法にて合成した。50mLオートクレーブ反応容器に、化合物(A−6)1.67g(5mmol)、ギ酸メチル4.0g(67mmol)メチルアルコール15mL、ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム175mg(0.25mmol)およびナトリウムメチラートの28%メタノール溶液6.1mL(30mmol)をこの順序で加えて密閉した。外温を130℃に保ち3時間撹拌し、放冷した。反応液をセライトろ過し、ろ液を酢酸エチル100mL/0.5N塩酸水100mLに加え、炭酸水素ナトリウムを用いて水層を中和した。水層を酢酸エチル50mLを用いて2回抽出し、それぞれの有機層を集めて硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより、例示化合物(6)0.83g(4.19mmol)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO、TMS)δ:13.66(bs,1H)、3.90(s,3H)、3.77(s,3H)、2.47(s,3H)
m/Z(NEGA)=197
【0071】
<実施例4> 例示化合物(9)の合成
下記に示す方法により例示化合物(9)を合成した。
【0072】
【化17】
Figure 2004123550
【0073】
化合物(A−9)は市販のイミダゾールから化合物(A−2)と類似の方法にて合成した。50mLオートクレーブ反応容器に、化合物(A−9)2.23g(5mmol)、ギ酸メチル6.0g(100mmol)メチルアルコール15mL、ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム175mg(0.25mmol)およびナトリウムメチラートの28%メタノール溶液6.1mL(30mmol)をこの順序で加えて密閉した。外温を130℃に保ち3時間撹拌し、放冷した。反応液をセライトろ過し、ろ液を酢酸エチル100mL/0.5N塩酸水100mLに加えた。水層を酢酸エチル50mLを用いて5回抽出し、それぞれの有機層を集めて硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製することにより、例示化合物(9)0.90g(3.72mmol)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO、TMS)δ:13.33(bs,1H)、3.89(s,3H)、3.84(s,6H)
m/Z(NEGA)=241
なお、上記の反応において、ギ酸メチルに代えて一酸化炭素を使用した結果、同様に例示化合物(9)を得ることができた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の方法は、入手容易な原料から、短工程で収率良く、アルコキシカルボニルイミダゾール類を製造することができ、新規化合物である2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類を製造することができる。本発明のアルコキシカルボニルイミダゾール類化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料に用いるカプラー中間体、色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物をパラジウム触媒及び塩基の存在下、ギ酸エステルまたは一酸化炭素と反応させることを特徴とする下記一般式(II)で表されるアルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法。
    Figure 2004123550
    一般式(I)及び(II)において、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1乃至3の整数を表す。ただし、4及び5位がいずれもハロゲン原子の場合、R、Rの少なくとも一方は水素原子ではない。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
  2. 下記一般式(II’)で表される化合物。
    Figure 2004123550
    一般式(II’)において、Rは水素原子または置換基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
  3. 下記一般式(II’’)で表される化合物。
    Figure 2004123550
    一般式(II’’)において、R’はアルキル基を表す。
  4. 下記1H−2,4,5−トリメトキシカルボニルイミダゾール。
    Figure 2004123550
JP2002285586A 2002-09-30 2002-09-30 アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類 Pending JP2004123550A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002285586A JP2004123550A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002285586A JP2004123550A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004123550A true JP2004123550A (ja) 2004-04-22

Family

ID=32278849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002285586A Pending JP2004123550A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004123550A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018033455A1 (de) 2016-08-15 2018-02-22 Bayer Cropscience Aktiengesellschaft Kondensierte bicyclische heterocyclen-derivate als schädlingsbekämpfungsmittel

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018033455A1 (de) 2016-08-15 2018-02-22 Bayer Cropscience Aktiengesellschaft Kondensierte bicyclische heterocyclen-derivate als schädlingsbekämpfungsmittel

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5789362B2 (ja) 5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法
JP6877563B2 (ja) 化合物の製造方法、および、化合物
JP4500509B2 (ja) アゾ化合物の製造方法
JP2004123550A (ja) アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類
JP2011201794A (ja) 5−アミノピラゾール誘導体及びその塩の製造方法
JP4074771B2 (ja) ジシアノメチリデン化合物及びヘテロ環化合物の合成方法
JP4778717B2 (ja) 複素環式化合物の製造方法
JP2008081445A (ja) δ−アミノペンタジエン酸エステル誘導体の製造方法
EP1671958B1 (en) Method of producing amide compound
JP4267944B2 (ja) 3−アミノ−5−ピラゾロン化合物の製造方法
JP4521267B2 (ja) アミド化合物の製造方法
JP4261728B2 (ja) アシルアミノハイドロキノン類の製造方法
JP4253159B2 (ja) アシルアミノフェノール類の製造方法
JP4115831B2 (ja) アルコキシカルボニル化合物の製造方法
JP2006117624A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2010077067A (ja) ピラゾール誘導体類の製造方法
JP2010077066A (ja) 5−アミノピラゾール誘導体の製造方法
JP2004123544A (ja) 4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾール化合物の製造方法
JP2004284979A (ja) α−(2−アルキル−1,2,4−ベンゾチアジアジン−1,1−ジオキシド−3−イル)アセトアニリド誘導体の製造方法
JP2002105075A (ja) 縮環系含窒素ヘテロ環化合物及びその製造方法
JP2001220363A (ja) オキシ塩化リンを用いたアリールエステル類の製造法
JP2001278845A (ja) アミノハイドロキノン化合物のハロゲン化水素酸塩の製造方法及びアミノハイドロキノン化合物のヨウ化水素酸塩
JP2010235527A (ja) 2,6−ジアミノピリジン化合物の製造方法
JP2003286272A (ja) 1,2,4−ベンゾチアジアジン−1,1−ジオキシド化合物およびその製造方法
JP2004035415A (ja) 1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法