JP2004115082A - 商品の陳列具および陳列具の加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の商品Mが貼着されて商品Mを垂下した状態で陳列する商品Mの陳列具Sであって、前記陳列具Sには、包装された複数の商品Mの展示面Fの上端を下方に折り返した折り返し面F1が貼着され、前記陳列具Sはフック50を掛止する孔部Hを上端部に有する帯体Sであって、前記孔部Hは、上部および下部において帯体Sに連なっていることを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポテトチップス等のスナック菓子袋を所定数帯体に貼着し陳列する形態において、陳列時に前記帯体を吊り下げるための孔加工に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ピロー包袋(縦ピロー、横ピロー)で包袋された多数の袋を所定幅のテープ材に接着することにより、所定数を吊り下げるという陳列形態で販売されている。テープ材の上端部には、ホールパンチ加工によりテープ材を吊り下げる孔部が形成されている。
ホールパンチ加工を行うにあたっては、完全に打ち抜いてしまった場合、ゴミが発生するという問題がある。したがって、ホールパンチ加工をする場合、打ち抜く円形の一端を残しておき、滓(カス)が発生しないような加工を行っている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭52−31236号(第2頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、本発明の出願人は、図7(a),(b)に示す複数の商品Mを貼着する構造や、その加工機を提案している。前記商品Mは、展示面Fの上端を下方に折り返した面F1が帯体(陳列具)Sに貼着されている。かかる新規な陳列形態において、図8(a),(b)に示すように、前記帯体Sに孔部Hの一部のみを連ねて残す加工を行うと、次のような問題が生じる。
【0005】
図8(a)に示すように、ホールパンチの打ち抜きしない一端を孔部Hの上部に設けると、フックに吊り下げた場合に、加工していない一端H1に応力が集中し、帯体Sが破れ易くなり、したがって、袋Mを保持するための強度が不足する。
一方、上記問題を解決するために、図8(b)に示すように、孔加工の打ち抜きしない部分を孔部Hの下部に設けると、図8(c)に示すように、加工時にそれが起き上がり、帯体Sが機械に詰まるという問題がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、孔部が破れのきっかけになることなく、かつ、帯体の詰まりの発生原因とならない商品の陳列具およびその加工装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本第発明の商品の陳列具は、複数の商品が貼着されて商品を垂下した状態で陳列する商品の陳列具であって、前記陳列具には、包装された複数の商品の展示面の上端を下方に折り返した折り返し面が貼着され、前記陳列具はフックを掛止する孔部を上端部に有する帯体であって、前記孔部は、上部および下部において帯体に連なっていることを特徴とする。
前記孔部の上部における帯体との第1連設部分の幅は、一般に、0.5mm 〜2mm程度に設定するのが好ましい。
【0008】
かかる陳列具をフックに掛止させる場合、フックに孔部を突き刺す際に、孔部の上部の帯体との連設部分が切れる。そのため、陳列中に孔部の一部に応力の集中するのを防止することができる。
【0009】
前記陳列具を形成する本発明の加工装置は、帯体を長さ方向に搬送する搬送手段と、前記帯体を所定の長さに分断するために切断加工を加えるカッタと、前記切断された、または、切断される帯体の上流部分に孔を形成するパンチとを備えた陳列具の加工装置であって、前記孔における展示する際に上方となる第1連設部および下方となる第2連設部が帯体に連なった状態となるように、前記パンチが前記孔を形成することを特徴とする。
【0010】
前記「切断加工」とは、帯体を切断して切り離すことの他に、破線状の切断線を加えて切り離し可能にすることを含む。
【0011】
前記孔部の下部における帯体との第2連設部分の幅は、前記第1連設部分の幅よりも大きくするのが好ましく、一般には、4mm〜7mmに設定するのが好ましい。このような第2連設部分を設けておくことで、帯体中の孔部がめくれ上がって機械に詰まるのを防止し得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
以下の説明では、本発明の陳列具の加工装置を計量包装システムに適用した場合について説明する。
全体構成:
図1に示す計量包装システムにおいて、2は組合せ計量装置、3は製袋包装機、4は帯体取付機、5は搬送コンベヤである。
【0013】
前記組合せ計量装置2は、多数の計量ホッパ(図示せず)内に供給された内容物Mの重量を組み合わせることで、内容物Mを一まとめにして、目標重量または目標重量に近い重量とし、下方の製袋包装機3に当該内容物Mを落下させる。
【0014】
図2に示すように、前記製袋包装機3は、いわゆる縦型ピロー包装機で、シート状のフィルムFを縦シーラ(縦シール装置)32で溶着して筒状に形成し、上方から落下する内容物Mを該筒状のフィルムF内に充填した状態で、前記フィルムFにおける内容物Mの上方の端部をエンドシーラ33で溶着する(シールする)と共に切断して包装する。製袋包装機3は、内容物Mを一定のサイクルタイムで連続的に包装する(たとえば、特開平4−128105号公報参照)。
包装済の商品Mは、図1の前記帯体取付機4に送られ、後述するように、帯体ロールSlから巻き出された帯体(陳列具)Sに貼付される。帯体Sに貼付された商品Mは、搬送コンベヤ5によって下流に搬送される。
【0015】
製袋包装機3:
図2において、フィルムFはフォーマ30により筒状に曲成される。製袋包装機3は、フォーマ30の下方のプルダウンベルト31がフィルムFの側面を下方に引っ張ると共に、側方の前記縦シーラ32がフィルムFの流れ方向に沿った端部同士(合わせ目)をシールしてフィルムFを筒状に成形する。
【0016】
図3に示すように、前記エンドシーラ33は、回転軸34、アーム35およびシールジョー36を備えている。アーム35が互いに逆方向に間欠的に回転しながら、その回転軸34が所定のタイミングで水平方向に往復移動することで、アーム35の先端のシールジョー36が略D字形の軌跡を描く。
前記シールジョー36は、互いに当接する位置P0から、フィルムFをしごきながら下方に略直線的に走行し、互いに密着してフィルムFのエンド(商品Mの縦方向の端部)を圧着させてシールしながら下降する。シールジョー36は、カッタ37でフィルムFを断裁した後、開放位置P1において互いに遠ざかる方向に移動する。
【0017】
したがって、前記シールジョー36は、前記当接位置P0から開放位置P1に至るまでの間に、筒状に形成したフィルムFと同じ速度で下方に移動しながら、当該フィルムFに圧力および熱を加えて横シールを施す。そして、カッタ37によって当該フィルムFを切断し、開放位置P1において袋状に形成したフィルムF、すなわち商品Mを開放する。
なお、シールジョー36の詳細な構造は、特開平5−278729号に記載されている。
【0018】
帯体取付機4:
前記帯体取付機4は、保持装置40、シール装置20および加工装置10を備えている。
前記保持装置40は、商品Mの両側に一対設けられている。前記保持装置40は、それぞれ、一対の爪41を備えている。保持装置40は、前記爪41を水平面に沿ってそれぞれ回動させて、前記開放位置P1の商品Mの上部のシール部分の両端部を掴み、該商品Mを保持する。この保持後、保持装置40は、商品Mを保持した状態で、斜め下方の実線の位置に移動し、当該商品Mを開放位置P1から貼着位置P2に移動させる。
【0019】
図4に示す前記シール装置20は、商品Mを帯体Sに貼着させるものであり、ヒータ21、押圧部22およびエアシリンダ23を備えている。前記押圧部22は、エアシリンダ23により、回動軸24を中心にヒータ21に向って回動される。一方、前記帯体ロールSl(図1)から巻き出された帯体Sは、駆動ローラ42(搬送手段)によって前記ヒータ21上に送られる。
前記保持装置40(図3)によって、商品Mが貼着位置P2に移動されると、前記押圧部22が回動し、押圧部22とヒータ21との間に商品Mおよび帯体Sを挟み込み、商品Mの上端部が帯体Sに溶着される。その際、前記商品Mは、図6(a)に示すように、その展示面F側の上端部(後述する折り返し面)F1が帯体Sに貼着される。
【0020】
加工装置10:
図4の前記加工装置10は、パンチ11とカッタ12と、図5の帯体Sを案内する狭い案内スリット100とを備えており、前記案内スリット100で帯体Sを保持しながら、切断加工と穴空け加工とを行う。
前記パンチ11は、図5(a)の帯体Sに孔部Hを形成するものであり、図5(c)に示すように、筒状の刃11cを有している。図5(b)に示すパンチ11が上昇して帯体Sを横断すると、図5(a)に示すように、帯体Sに孔部Hが形成される。ここで、図5(c)に示す刃11cの周方向には、切り欠11a,11bが形成されている。そのため、図5(a)の帯体Sは、前記切り欠11a,11bにより、それぞれ、帯体Sに連なった第1連設部U1および第2連設部U2が形成されると共に、残部が切断される。図6(a)に示すように、加工時における帯体Sの繰り出し方向Xにおいて、帯体Sの前方には第1連設部U1が形成され、後方には第2連設部U2が形成される。なお、第2連設部U2の幅は、第1連設部U1の幅よりも大きくするのが好ましい。
【0021】
前記カッタ12は帯体Sに、図6(b)に示す破線状の切断線Cを加える。該切断線Cは、帯体Sの繰り出し方向において、前記孔部Hよりも若干前方に加えられる。前記切断線Cに沿って帯体Sを切り離すと、図7(c)に示すように、展示の際に、幅狭の第1連設部U1が上方となり、幅広の第2連設部U2が下方となる。
【0022】
商品の製造方法:
図1の組合せ計量装置2によって一まとめにされた商品Mは、下方の製袋包装機3に落下される。製袋包装機3において、商品Mは、筒状に形成されたフィルムF内に充填される。前記商品Mが充填されたフィルムFは、前記シールジョー36によって端部をシールされ、前記カッタ37によって切断される。
【0023】
一方、前記帯体ロールSlから巻き出された帯体Sは、所定位置で停止され、図5(b)の前記加工装置10内を通り、パンチ11によって穿孔される。前記パンチ11により、孔部Hが形成されると共に、刃11cの切り欠11a,11bに対応する連設部U1,U2がそれぞれ形成される。一方、図4のカッタ12により切断線Cが加えられる。
【0024】
このように、帯体Sに孔部Hが連なる連設部U1,U2を設けたので、滓(カス)の発生を防止することができる。
また、前記孔部Hの上部の第1連設部U1において、孔部Hが帯体Sに連なっているので、図5(b)の該孔部Hを帯体Sの上流側にして帯体Sを搬送しても、孔部Hが起き上がるおそれがない。そのため、帯体Sの加工工程において、孔部Hが機械に引っ掛かることにより、帯体Sが詰まるのを防止することができる。
【0025】
図3の前記保持装置40は、開放位置P1の商品Mを爪41によって保持した後、前記商品Mを斜め下方の前記貼着位置P2に移動させる。ここで、前記貼着位置P2において、図4の商品Mの上端部は、ヒータ21上の帯体Sと重なるように移送される。該移送後、前記押圧部22が回動し、ヒータ21に帯体Sおよび商品Mの上端部を押し付け互いに貼着させる。
【0026】
前記貼着後、次の内容物が充填された商品Mが、保持装置40によって開放位置P1から貼着位置P2に搬送される。一方、前記帯体Sが駆動ローラ42によって所定距離送られ、ヒータ21によって次の商品Mが帯体Sに貼着される。
こうして、商品Mの充填、搬送および貼着を繰り返し、所定個数の商品Mが帯体Sに貼着される動作と、帯体Sに前記パンチ11およびカッタ12によって、図6(b)の帯体Sに孔部Hおよび切断線Cを形成する動作とが行われる。
【0027】
陳列方法:
前記陳列具を展示するには、切断線Cで帯体Sを切断した後、前記孔部Hをフック50に掛けると、図6(a)の商品Mが前記折り返し面F1を中心に約180°回動し、図7(a),(b)に示すように、展示面Fが表側になる。こうして、複数の商品Mが帯体Sに垂下された状態で陳列される。
図7(b)のように、前記帯体Sには、商品Mの展示面Fの上端が折り返された折り返し面F1が貼着されているので、購買者が商品Mを持って斜め下方に引っ張ると、商品Mが帯体Sから容易に外れる。
【0028】
ここで、図7(c)に示すように、前記孔部Hの下部の第2連設部U2において、孔部Hが帯体Sに連なっているので、第1連設部U1の幅を小さくすることができる。そのため、展示の際に前記フック50を孔部Hに突き刺すと、孔部Hの上部の帯体Sとの第1連設部U1が切れる。したがって、展示の際に上方となる第1連設部U1が切断されているので、陳列中に孔部Hの一部に応力が集中するのを防止することができる。そのため、帯体Sの破損に対する強度が向上する。
【0029】
ところで、図7(d)のように、帯体Sの第2連設部U2を左右に離して一対設けてもよい。
一方、図7(e)のように、帯体Sの第1連設部U1を左右に離して一対設けてもよい。
すなわち、孔部Hは、上半分の180°の範囲において、1箇所または複数箇所(3箇所以上でも可)が帯体Sに連なっており、かつ、残部が切断されていてもよい。また、孔部Hは、下半分の180°の範囲において、1箇所または複数箇所(3箇所以上でも可)が帯体Sに連なっており、かつ、残部が切断されていてもよい。
【0030】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記帯体Sは2本以上であってもよい。
さらに、商品Mと帯体Sとを溶着する以外に、たとえば、粘着剤や接着剤を用いて商品Mを帯体Sに貼着してもよい。
また、カッタにより帯体を所定の長さに切断して、帯体同士を切り離すようにしてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、帯体に孔部が連なっているので、滓(カス)の発生を防止し得るのは勿論のこと、孔部の上部の第1連設部において孔部が帯体に連なっているから、孔部を上流にして帯体を搬送しても、孔部が起き上がるおそれがないので、加工工程において、孔部が機械に引っ掛かって帯体が詰まるのを防止し得る。
しかも、孔部の下部の第2連設部において孔部が帯体に連なっているので、前記第1連設部の幅を小さくできるから、孔部をフックに突き刺す際に前記第1連設部が切れる。したがって、前記第1連設部が残存することによる応力の集中を防止できるから、陳列具の破損に対する強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる計量包装システムを示す概略側面図である。
【図2】製袋包装機を示す概略斜視図である。
【図3】エンドシーラおよび帯体取付機を示す概略側面図である。
【図4】加工装置およびシール装置を示す概略側面図である。
【図5】(a)は帯体を示す平面図、(b)は加工装置を示す部分断面図、(c)はパンチを示す斜視図である。
【図6】商品および帯体を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)は陳列状態を示す正面図および側面図、(c)は帯体の上端部を示す部分正面図、(d),(e)は帯体の変形例を示す正面図である。
【図8】(a),(b)は従来の帯体を示す部分正面図、(c)は同加工装置の側面断面図である。
【符号の説明】
11:パンチ
11c:刃
12:カッタ
42:駆動ローラ(搬送手段)
F:展示面
F1:折り返し面
H:孔部
M:商品
S:帯体(陳列具)
U1:第1連設部
U2:第2連設部
Claims (4)
- 複数の商品が貼着されて商品を垂下した状態で陳列する商品の陳列具であって、
前記陳列具には、包装された複数の商品の展示面の上端を下方に折り返した折り返し面が貼着され、
前記陳列具はフックを掛止する孔部を上端部に有する帯体であって、
前記孔部は、上部および下部において帯体に連なっている商品の陳列具。 - 請求項1において、
前記孔部は、その上半分において一部が帯体に連なっており、かつ、残部が切断されており、かつ、前記孔部は、その下半分において一部が帯体に連なっており、かつ、残部が切断されている商品の陳列具。 - 帯体を長さ方向に搬送する搬送手段と、前記帯体を所定の長さに分断するために切断加工を加えるカッタと、前記切断された、または、切断される帯体の上流部分に孔を形成するパンチとを備えた陳列具の加工装置であって、
前記孔における展示する際に上方となる第1連設部および下方となる第2連設部が帯体に連なった状態となるように、前記パンチが前記孔を形成することを特徴とする陳列具の加工装置。 - 請求項3において、
前記パンチは筒状の刃を有し、当該刃の周方向のうち前記第1および第2連設部に相当する部分が切り欠かれている陳列具の加工装置。
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