JP2004108487A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な耐水性を得ることができると共に、高速回転時のスリンガの連れ回りを防止することができる良好な転がり軸受を提供する。
【解決手段】転がり軸受30は、外輪31と内輪32との間に複数の玉3が周方向に転動可能に介装されると共に、軸線方向の端部開口がシール板35と伴にスリンガ50により覆われる。内輪12の端部内周面に形成された取付溝40が、軸線に対して偏心した円環状内周面41を有すると共に、スリンガ50が、前記端部開口を覆う円輪部51と、円輪部51の内周縁に形成された円筒部52とを有する。取付溝40の円環状内周面41に対して内輪32と同心に内嵌固定される円筒部52の外周面には、円環状内周面41の偏心量に応じて係合突起53が径方向外方に突出形成され、円環状内周面41に圧入される。
【選択図】 図1
【解決手段】転がり軸受30は、外輪31と内輪32との間に複数の玉3が周方向に転動可能に介装されると共に、軸線方向の端部開口がシール板35と伴にスリンガ50により覆われる。内輪12の端部内周面に形成された取付溝40が、軸線に対して偏心した円環状内周面41を有すると共に、スリンガ50が、前記端部開口を覆う円輪部51と、円輪部51の内周縁に形成された円筒部52とを有する。取付溝40の円環状内周面41に対して内輪32と同心に内嵌固定される円筒部52の外周面には、円環状内周面41の偏心量に応じて係合突起53が径方向外方に突出形成され、円環状内周面41に圧入される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関し、特に、オルタネータ等の自動車の電装補機軸受に使用され、耐水性を要求される転がり軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルタネータ等の自動車の電装補機軸受に使用され、耐水性を要求される転がり軸受としては、高密封の接触シール軸受や端部開口がシール部材及びスリンガにより覆われた転がり軸受が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図5に示した転がり軸受10は、外輪1と内輪2との間に複数の玉3が保持器4を介して周方向に転動可能に介装されており、外輪1の軸線方向の端部内周面にはシール部材として接触型のシール板5が取り付けられている。
【0003】
そして、この転がり軸受10をオルタネータの軸受として使用する場合には、内輪2をオルタネータの回転軸7に外嵌固定すると共に、該回転軸7に嵌め込んだスリンガ6を内輪2の端面近傍に配置して該スリンガ6で転がり軸受10の端部開口を覆う。
これにより、シール板5のリップ部5aと内輪2との摺接部に水等が直接かかるのを防止すると共に、回転軸7と共に回転するスリンガ6の遠心力により該スリンガ6に付着した水等を吹き飛ばし、前記摺接部に水等が入り込むのを防止している。
【0004】
一方、図6に示した転がり軸受20は、外輪11と内輪12との間に複数の玉3が保持器4を介して周方向に転動可能に介装されており、外輪11の軸線方向の端部内周面にはシール部材として接触型のシール板5が取り付けられている。また、内輪12の端部外周面にはスリンガ16の円筒部18が圧入等により外嵌固定されており、該円筒部8の外端部には転がり軸受20の端部開口を覆う円輪部17がシール板15と転がり軸受20の端面との間に位置して設けられている。
【0005】
そして、この転がり軸受20をオルタネータの軸受として使用する場合には、内輪12をオルタネータの回転軸7に外嵌固定することにより、スリンガ16の円輪部17によってシール板15のリップ部15aと内輪12との摺接部に水等が直接かかるのを防止すると共に、内輪12と伴に回転するスリンガ16の遠心力により該スリンガ16の円輪部17に付着した水を吹き飛ばして前記摺接部へ水等が入り込むのを防止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−18260号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5に示した転がり軸受10においては、スリンガ6が転がり軸受10の内輪2の端面近傍に配置されているため、シール板5とスリンガ6との間のすき間寸法が大きくなって十分な耐水性が得られない場合がある。
一方、図6に示した転がり軸受20では、スリンガ16の円筒部18が内輪12の端部外周面に圧入等により外嵌固定され、且つ転がり軸受20の端部開口を覆う円輪部17がシール板15と転がり軸受20の端面との間に位置して設けられるため、シール板15とスリンガ16の円輪部17との間のすき間寸法を小さくすることができる。
【0008】
しかしながら、今後さらにオルタネータの回転軸7の回転速度が高速化した場合、内輪12の端部外周面に圧入等により外嵌固定された前記円筒部18が遠心力により拡径方向に変形し、スリンガ16が高速回転する内輪2に対して連れ回りを起こす可能性がある。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、十分な耐水性を得ることができると共に、高速回転時のスリンガの連れ回りを防止することができる良好な転がり軸受を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、外輪と内輪との間に複数の転動体が周方向に転動可能に介装されると共に、軸線方向の少なくとも一方の端部開口がシール部材と伴にスリンガにより覆われる転がり軸受であって、
前記内輪の少なくとも一方の端部内周面に形成された取付溝が、軸線に対して偏心した円環状内周面を有すると共に、前記スリンガが、前記端部開口を覆う円輪部と、該円輪部の内周縁に形成された円筒部とを有しており、
前記取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定される前記円筒部の外周面には、該円環状内周面の偏心量に応じて係合突起が径方向外方に突出形成され、前記円環状内周面に圧入されることを特徴とする転がり軸受により達成される。
【0010】
上記構成によれば、スリンガの円筒部が、内輪の端部内周面に形成された取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定されると共に、軸線に対して偏心した前記円環状内周面の偏心量に応じて前記円筒部の外周面に突出形成された係合突起が、該円環状内周面に圧入される。
そこで、回転軸が高速回転した場合にも、スリンガの円筒部が遠心力により拡径方向に変形することはなく、該円筒部の係合突起が取付溝の偏心した円環状内周面に係止されるので、スリンガは連れ回りが防止され、確実に固定される。
【0011】
尚、好ましくは前記円輪部の板厚に相当する逃げ部が、前記取付溝に隣接する内輪端部に形成されている。
この場合、スリンガの円輪部を逃げ部に補完的に取り付けることで、該円輪部の外側面を外輪の端面と略面一とすることができ、スリンガを含めた転がり軸受の軸方向幅を短くすることができる。しかも、シール板とスリンガの円輪部との間のすき間寸法も小さくすることができるので、十分な耐水性を得ることができる。
【0012】
又、好ましくは前記内輪が、オルタネータの回転軸に外嵌固定されることにより、今後被水環境等の条件が厳しくなる一方で信頼性の要求が高くなる自動車のオルタネータの転がり軸受としてに好適に使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る転がり軸受を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る転がり軸受の要部断面図、図2は図1に示した取付溝の円環状内周面に対するスリンガの円筒部の配置を軸方向端部側から見た説明図、図3は図2のA−A線矢視断面図である。
【0014】
本発明の一実施形態に係る転がり軸受30は、図1に示したように、外輪31と内輪32との間に複数の玉3が保持器4を介して周方向に転動可能に介装されており、外輪31の軸線方向の端部内周面にはシール部材として接触型のシール板35が取り付けられると共に、内輪32の端部内周面に形成された取付溝40にはスリンガ50が取り付けられている。
【0015】
前記シール板35は、例えば円輪状の芯金36にゴム等のシール材37を加硫接着等により一体に成形したものを用いており、シール材37の内径部はリップ部35aとされて内輪32の軸線方向の端部に形成された段部38の側面に摺接している。
【0016】
前記内輪32の端部内周面に形成された取付溝40は、内輪32の軸線に対して偏心した円環状内周面41を有している。
前記スリンガ50は、転がり軸受30の端部開口を覆う円輪部51と、該円輪部51の内周縁に形成された円筒部52とを有しており、前記取付溝40の円環状内周面41に対して前記内輪32と同心に内嵌固定される該円筒部52の外周面には、図2及び図3に示したように、前記円環状内周面41の偏心量に応じて係合突起53が径方向外方に突出形成されている。
【0017】
そして、前記係合突起53を前記円環状内周面41の径方向の深さが最も深い位置(偏心が最大の位置)に圧入することにより、前記円筒部52が取付溝40の円環状内周面41に内輪32と同心に内嵌固定される。
又、前記円輪部51の板厚に相当する逃げ部34が、前記取付溝40に隣接する内輪32の端部に形成されており、スリンガ50の円輪部51を該逃げ部34に補完的に取り付けることで、該円輪部51の外側面を外輪31の端面と略面一とすることができ、スリンガ50を含めた転がり軸受30の軸方向幅を短くすることができる。しかも、シール板35とスリンガ50の円輪部51との間のすき間寸法も小さくすることができるので、十分な耐水性を得ることができる。
【0018】
更に、本実施形態のスリンガ50における円輪部51の外周部は、軸方向内側に屈曲されてシール板35に近接配置されており、該円輪部51の外周端はシール板35のシール材37に軸方向外方に突出して設けられた環状突起37aの内周面に近接配置されている。
【0019】
そして、この転がり軸受30をオルタネータ等に使用した場合には、内輪32をオルタネータの回転軸(図示せず)に外嵌固定することにより、スリンガ50の円輪部51によってシール板35のリップ部35aと内輪32との摺接部に水等が直接かかるのを防止すると共に、内輪32と共に回転するスリンガ50の遠心力により該スリンガ50の円輪部51に付着した水を吹き飛ばして前記摺接部へ水等が入り込むのを防止することができる。
【0020】
即ち、本実施形態に係る転がり軸受30によれば、スリンガ50の円筒部52が、内輪32の端部内周面に形成された取付溝40の円環状内周面41に対して前記内輪32と同心に内嵌固定されると共に、軸線に対して偏心した前記円環状内周面41の偏心量に応じて前記円筒部52の外周面に突出形成された係合突起53が、該円環状内周面41に圧入される。
【0021】
そこで、回転軸が高速回転した場合にも、スリンガ50の円筒部52が遠心力により拡径方向に変形することはなく、該円筒部52の係合突起53が取付溝40の偏心した円環状内周面41に係止されるので、スリンガ50は連れ回りが防止され、確実に固定される。
従って、今後被水環境等の条件が厳しくなる一方で信頼性の要求が高くなる自動車のオルタネータに好適に使用できる転がり軸受30を提供することができる。
【0022】
図4は、図5に示した従来の転がり軸受10にスリンガ6を組み合わせたものを従来例とし、図1に示した本実施形態の転がり軸受30を本発明例として、それぞれ転がり軸受内への水浸入量の比較試験を行った結果を示したものである。
尚、前記試験は、スリンガ以外の転がり軸受の仕様(6202サイズ)を同一とし、回転数1500min−1、注水量200cc/min(スリンガ面直水)で20時間行った。
図4から明らかなように、本発明例の転がり軸受30は、軸受内への水の浸入がなく、水浸入量が100mgの従来例に対して耐水性能が大幅に向上した。
【0023】
尚、本発明の転がり軸受における内外輪、転動体、シール部材、スリンガ、取付溝及び係合突起等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては転がり軸受として玉軸受を用いたが、ころ軸受等の他の形式の転がり軸受にも応用でき、シール部材として非接触型のシールドを用いることもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の転がり軸受によれば、スリンガの円筒部が、内輪の端部内周面に形成された取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定されると共に、軸線に対して偏心した前記円環状内周面の偏心量に応じて前記円筒部の外周面に突出形成された係合突起が、該円環状内周面に圧入される。
そこで、回転軸が高速回転した場合にも、スリンガの円筒部が遠心力により拡径方向に変形することはなく、該円筒部の係合突起が取付溝の偏心した円環状内周面に係止されるので、スリンガは連れ回りが防止され、確実に固定される。
従って、十分な耐水性を得ることができると共に、高速回転時のスリンガの連れ回りを防止することができる良好な転がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がり軸受の要部断面図である。
【図2】図1に示した取付溝の円環状内周面に対するスリンガの円筒部の配置を軸方向端部側から見た説明図である。
【図3】図2のA−A線矢視断面図である。
【図4】従来例と本発明例とにおける転がり軸受内への水浸入量の比較を示すグラフ図である。
【図5】従来の転がり軸受の要部断面図である。
【図6】従来の他の転がり軸受の要部断面図である。
【符号の説明】
3 玉(転動体)
30 転がり軸受
31 外輪
32 内輪
34 逃げ部
40 取付溝
41 円環状内周面
50 スリンガ
51 円輪部
52 円筒部
53 係合突起
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関し、特に、オルタネータ等の自動車の電装補機軸受に使用され、耐水性を要求される転がり軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルタネータ等の自動車の電装補機軸受に使用され、耐水性を要求される転がり軸受としては、高密封の接触シール軸受や端部開口がシール部材及びスリンガにより覆われた転がり軸受が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図5に示した転がり軸受10は、外輪1と内輪2との間に複数の玉3が保持器4を介して周方向に転動可能に介装されており、外輪1の軸線方向の端部内周面にはシール部材として接触型のシール板5が取り付けられている。
【0003】
そして、この転がり軸受10をオルタネータの軸受として使用する場合には、内輪2をオルタネータの回転軸7に外嵌固定すると共に、該回転軸7に嵌め込んだスリンガ6を内輪2の端面近傍に配置して該スリンガ6で転がり軸受10の端部開口を覆う。
これにより、シール板5のリップ部5aと内輪2との摺接部に水等が直接かかるのを防止すると共に、回転軸7と共に回転するスリンガ6の遠心力により該スリンガ6に付着した水等を吹き飛ばし、前記摺接部に水等が入り込むのを防止している。
【0004】
一方、図6に示した転がり軸受20は、外輪11と内輪12との間に複数の玉3が保持器4を介して周方向に転動可能に介装されており、外輪11の軸線方向の端部内周面にはシール部材として接触型のシール板5が取り付けられている。また、内輪12の端部外周面にはスリンガ16の円筒部18が圧入等により外嵌固定されており、該円筒部8の外端部には転がり軸受20の端部開口を覆う円輪部17がシール板15と転がり軸受20の端面との間に位置して設けられている。
【0005】
そして、この転がり軸受20をオルタネータの軸受として使用する場合には、内輪12をオルタネータの回転軸7に外嵌固定することにより、スリンガ16の円輪部17によってシール板15のリップ部15aと内輪12との摺接部に水等が直接かかるのを防止すると共に、内輪12と伴に回転するスリンガ16の遠心力により該スリンガ16の円輪部17に付着した水を吹き飛ばして前記摺接部へ水等が入り込むのを防止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−18260号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5に示した転がり軸受10においては、スリンガ6が転がり軸受10の内輪2の端面近傍に配置されているため、シール板5とスリンガ6との間のすき間寸法が大きくなって十分な耐水性が得られない場合がある。
一方、図6に示した転がり軸受20では、スリンガ16の円筒部18が内輪12の端部外周面に圧入等により外嵌固定され、且つ転がり軸受20の端部開口を覆う円輪部17がシール板15と転がり軸受20の端面との間に位置して設けられるため、シール板15とスリンガ16の円輪部17との間のすき間寸法を小さくすることができる。
【0008】
しかしながら、今後さらにオルタネータの回転軸7の回転速度が高速化した場合、内輪12の端部外周面に圧入等により外嵌固定された前記円筒部18が遠心力により拡径方向に変形し、スリンガ16が高速回転する内輪2に対して連れ回りを起こす可能性がある。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、十分な耐水性を得ることができると共に、高速回転時のスリンガの連れ回りを防止することができる良好な転がり軸受を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、外輪と内輪との間に複数の転動体が周方向に転動可能に介装されると共に、軸線方向の少なくとも一方の端部開口がシール部材と伴にスリンガにより覆われる転がり軸受であって、
前記内輪の少なくとも一方の端部内周面に形成された取付溝が、軸線に対して偏心した円環状内周面を有すると共に、前記スリンガが、前記端部開口を覆う円輪部と、該円輪部の内周縁に形成された円筒部とを有しており、
前記取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定される前記円筒部の外周面には、該円環状内周面の偏心量に応じて係合突起が径方向外方に突出形成され、前記円環状内周面に圧入されることを特徴とする転がり軸受により達成される。
【0010】
上記構成によれば、スリンガの円筒部が、内輪の端部内周面に形成された取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定されると共に、軸線に対して偏心した前記円環状内周面の偏心量に応じて前記円筒部の外周面に突出形成された係合突起が、該円環状内周面に圧入される。
そこで、回転軸が高速回転した場合にも、スリンガの円筒部が遠心力により拡径方向に変形することはなく、該円筒部の係合突起が取付溝の偏心した円環状内周面に係止されるので、スリンガは連れ回りが防止され、確実に固定される。
【0011】
尚、好ましくは前記円輪部の板厚に相当する逃げ部が、前記取付溝に隣接する内輪端部に形成されている。
この場合、スリンガの円輪部を逃げ部に補完的に取り付けることで、該円輪部の外側面を外輪の端面と略面一とすることができ、スリンガを含めた転がり軸受の軸方向幅を短くすることができる。しかも、シール板とスリンガの円輪部との間のすき間寸法も小さくすることができるので、十分な耐水性を得ることができる。
【0012】
又、好ましくは前記内輪が、オルタネータの回転軸に外嵌固定されることにより、今後被水環境等の条件が厳しくなる一方で信頼性の要求が高くなる自動車のオルタネータの転がり軸受としてに好適に使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る転がり軸受を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る転がり軸受の要部断面図、図2は図1に示した取付溝の円環状内周面に対するスリンガの円筒部の配置を軸方向端部側から見た説明図、図3は図2のA−A線矢視断面図である。
【0014】
本発明の一実施形態に係る転がり軸受30は、図1に示したように、外輪31と内輪32との間に複数の玉3が保持器4を介して周方向に転動可能に介装されており、外輪31の軸線方向の端部内周面にはシール部材として接触型のシール板35が取り付けられると共に、内輪32の端部内周面に形成された取付溝40にはスリンガ50が取り付けられている。
【0015】
前記シール板35は、例えば円輪状の芯金36にゴム等のシール材37を加硫接着等により一体に成形したものを用いており、シール材37の内径部はリップ部35aとされて内輪32の軸線方向の端部に形成された段部38の側面に摺接している。
【0016】
前記内輪32の端部内周面に形成された取付溝40は、内輪32の軸線に対して偏心した円環状内周面41を有している。
前記スリンガ50は、転がり軸受30の端部開口を覆う円輪部51と、該円輪部51の内周縁に形成された円筒部52とを有しており、前記取付溝40の円環状内周面41に対して前記内輪32と同心に内嵌固定される該円筒部52の外周面には、図2及び図3に示したように、前記円環状内周面41の偏心量に応じて係合突起53が径方向外方に突出形成されている。
【0017】
そして、前記係合突起53を前記円環状内周面41の径方向の深さが最も深い位置(偏心が最大の位置)に圧入することにより、前記円筒部52が取付溝40の円環状内周面41に内輪32と同心に内嵌固定される。
又、前記円輪部51の板厚に相当する逃げ部34が、前記取付溝40に隣接する内輪32の端部に形成されており、スリンガ50の円輪部51を該逃げ部34に補完的に取り付けることで、該円輪部51の外側面を外輪31の端面と略面一とすることができ、スリンガ50を含めた転がり軸受30の軸方向幅を短くすることができる。しかも、シール板35とスリンガ50の円輪部51との間のすき間寸法も小さくすることができるので、十分な耐水性を得ることができる。
【0018】
更に、本実施形態のスリンガ50における円輪部51の外周部は、軸方向内側に屈曲されてシール板35に近接配置されており、該円輪部51の外周端はシール板35のシール材37に軸方向外方に突出して設けられた環状突起37aの内周面に近接配置されている。
【0019】
そして、この転がり軸受30をオルタネータ等に使用した場合には、内輪32をオルタネータの回転軸(図示せず)に外嵌固定することにより、スリンガ50の円輪部51によってシール板35のリップ部35aと内輪32との摺接部に水等が直接かかるのを防止すると共に、内輪32と共に回転するスリンガ50の遠心力により該スリンガ50の円輪部51に付着した水を吹き飛ばして前記摺接部へ水等が入り込むのを防止することができる。
【0020】
即ち、本実施形態に係る転がり軸受30によれば、スリンガ50の円筒部52が、内輪32の端部内周面に形成された取付溝40の円環状内周面41に対して前記内輪32と同心に内嵌固定されると共に、軸線に対して偏心した前記円環状内周面41の偏心量に応じて前記円筒部52の外周面に突出形成された係合突起53が、該円環状内周面41に圧入される。
【0021】
そこで、回転軸が高速回転した場合にも、スリンガ50の円筒部52が遠心力により拡径方向に変形することはなく、該円筒部52の係合突起53が取付溝40の偏心した円環状内周面41に係止されるので、スリンガ50は連れ回りが防止され、確実に固定される。
従って、今後被水環境等の条件が厳しくなる一方で信頼性の要求が高くなる自動車のオルタネータに好適に使用できる転がり軸受30を提供することができる。
【0022】
図4は、図5に示した従来の転がり軸受10にスリンガ6を組み合わせたものを従来例とし、図1に示した本実施形態の転がり軸受30を本発明例として、それぞれ転がり軸受内への水浸入量の比較試験を行った結果を示したものである。
尚、前記試験は、スリンガ以外の転がり軸受の仕様(6202サイズ)を同一とし、回転数1500min−1、注水量200cc/min(スリンガ面直水)で20時間行った。
図4から明らかなように、本発明例の転がり軸受30は、軸受内への水の浸入がなく、水浸入量が100mgの従来例に対して耐水性能が大幅に向上した。
【0023】
尚、本発明の転がり軸受における内外輪、転動体、シール部材、スリンガ、取付溝及び係合突起等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては転がり軸受として玉軸受を用いたが、ころ軸受等の他の形式の転がり軸受にも応用でき、シール部材として非接触型のシールドを用いることもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の転がり軸受によれば、スリンガの円筒部が、内輪の端部内周面に形成された取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定されると共に、軸線に対して偏心した前記円環状内周面の偏心量に応じて前記円筒部の外周面に突出形成された係合突起が、該円環状内周面に圧入される。
そこで、回転軸が高速回転した場合にも、スリンガの円筒部が遠心力により拡径方向に変形することはなく、該円筒部の係合突起が取付溝の偏心した円環状内周面に係止されるので、スリンガは連れ回りが防止され、確実に固定される。
従って、十分な耐水性を得ることができると共に、高速回転時のスリンガの連れ回りを防止することができる良好な転がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がり軸受の要部断面図である。
【図2】図1に示した取付溝の円環状内周面に対するスリンガの円筒部の配置を軸方向端部側から見た説明図である。
【図3】図2のA−A線矢視断面図である。
【図4】従来例と本発明例とにおける転がり軸受内への水浸入量の比較を示すグラフ図である。
【図5】従来の転がり軸受の要部断面図である。
【図6】従来の他の転がり軸受の要部断面図である。
【符号の説明】
3 玉(転動体)
30 転がり軸受
31 外輪
32 内輪
34 逃げ部
40 取付溝
41 円環状内周面
50 スリンガ
51 円輪部
52 円筒部
53 係合突起
Claims (3)
- 外輪と内輪との間に複数の転動体が周方向に転動可能に介装されると共に、軸線方向の少なくとも一方の端部開口がシール部材と伴にスリンガにより覆われる転がり軸受であって、
前記内輪の少なくとも一方の端部内周面に形成された取付溝が、軸線に対して偏心した円環状内周面を有すると共に、前記スリンガが、前記端部開口を覆う円輪部と、該円輪部の内周縁に形成された円筒部とを有しており、
前記取付溝の円環状内周面に対して前記内輪と同心に内嵌固定される前記円筒部の外周面には、該円環状内周面の偏心量に応じて係合突起が径方向外方に突出形成され、前記円環状内周面に圧入されることを特徴とする転がり軸受。 - 前記円輪部の板厚に相当する逃げ部が、前記取付溝に隣接する内輪端部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
- 前記内輪が、オルタネータの回転軸に外嵌固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
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Cited By (3)
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-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271665A patent/JP2004108487A/ja not_active Withdrawn
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