【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンピュータ等のデジタル信号に基づき、赤外線レーザー走査により直接製版できる、いわゆるダイレクト製版に適した感熱性平版印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤外線吸収染料及びアルカリ可溶性樹脂を含有する画像形成層を支持体上に設けた感熱性ポジ型平版印刷版は、赤外線レーザ照射により、その照射部のアルカリ性現像液への溶解性が増大することを利用して、支持体上に画像を形成させ、印刷版として供することができる。しかしながら、赤外線露光部(非画像部になる部分)と未露光部(画像部になる部分)のアルカリ性現像液への溶解速度の差が小さいため、高鮮鋭で鮮明な画像を形成するのが困難であった。
この問題を解決するために、未露光部感光層の溶解を減ずる機能を有する現像抑制剤を現像液に添加する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この現像抑制剤が作用する速度とアルカリによる溶解速度が異なるため、浸漬現像した場合には、充分な効果が得られないという問題点がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−174981号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感熱性ポジ型平版印刷版からの製版において、画像形成時現像ラチチュードに優れ、ムラなく高鮮鋭な画像形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアルキレングリコール鎖含有化合物を含むアルカリ性現像液で現像処理する際に、特定の態様で現像液を版面に供給することによって、ムラなく高鮮鋭な画像形成が達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、赤外線吸収染料及びアルカリ可溶性樹脂を含有する画像形成層を支持体上に設けた感熱性ポジ型平版印刷版を、画像露光した後、ポリアルキレングリコール鎖含有化合物を含むアルカリ性現像液で現像処理することを含む平版印刷版の製版方法であって、該現像液を0.5〜10ml/sec・cm2で版面に対して均一に供給することを特徴とする製版方法に向けられている。
【0006】
本発明の実施にあたって、ポリアルキレングリコール鎖含有化合物の中でもポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、プルロニック型ノニオン界面活性剤及びテトロニック型ノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が好ましく使用される。
本発明の好ましい実施態様として、該現像液を0.5〜7ml/sec・cm2で版面に供給し、さらに好ましくは1〜5ml/sec・cm2で版面に供給する態様がある。本発明の実施態様として、感熱性ポジ型平版印刷版が現像槽に貯留された現像液に浸漬しながら搬送され、現像液を版面に対して均一に供給する手段がスプレー装置または循環ポンプによる対流である態様がある。
本発明の製版方法はまた、感熱性ポジ型平版印刷版の中でも、画像形成層が積層構造からなる、いわゆる重層型の感熱性ポジ型平版印刷版に好適に用いられる。そのような重層型感材の例として、平版印刷版用支持体上に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含む下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び赤外線吸収染料を含み、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増加する上部感熱層とを順次積層してなる感熱性ポジ型平版印刷版がある。
【0007】
本発明で使用する現像液中に含まれるポリアルキレングリコール鎖含有化合物は、未露光部溶解速度を減ずる機能を有している。よって、上層に画像形成時の溶解性変化の大きな感熱層を設け、下層にアルカリ溶解性の高い層を設けてある重層型感材に対して、該ポリアルキレングリコール鎖含有化合物は、上層に大きく作用し、アルカリ溶解性の高い下層には作用しにくいため、画像コントラストを上げ、さらに下層の溶解性は攪拌効果により助長されるため、画像コントラストをより鮮明につけることができる。
本発明の製版方法は、特に上記のような重層型感材の中でも、上層にポリアルキレングリコール鎖含有化合物により溶解速度を減ずる効果が大きい樹脂を用い、下層にその効果が小さい樹脂を用いた感熱性ポジ型平版印刷版に好適に用いられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明で使用するアルカリ性現像液(以下、単に現像液ともいう。)について説明する。
本発明で用いる現像液はアルカリ性の水溶液であって、従来公知のアルカリ水溶液の中から適宜選択することができる。
アルカリ水溶液としては、ケイ酸アルカリ若しくは非還元糖と、塩基とからなる現像液が挙げられ、特にpH9.0〜13.9のものが好ましい。
前記ケイ酸アルカリとしては、水に溶解したときにアルカリ性を示すものであり、例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩、ケイ酸アンモニウムなどが挙げられる。
ケイ酸アルカリは1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】
上記アルカリ水溶液は、ケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ酸化物M2O(Mはアルカリ金属又はアンモニウム基を表す。)との混合比率、及び濃度の調整により、現像性を容易に調節することができる。
前記アルカリ水溶液の中でも、前記酸化ケイ素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2O:モル比)が0.5〜3.0のものが好ましく、1.0〜2.0のものがより好ましい。
前記SiO2/M2Oが0.5未満であると、アルカリ強度が強くなっていくため、平版印刷版原版の支持体として汎用のアルミニウム板などをエッチングしてしまうといった弊害を生ずることがあり、3.0を超えると、現像性が低下することがある。
【0010】
また、現像液中のケイ酸アルカリの濃度としては、アルカリ水溶液の質量に対して1〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4〜7質量%が最も好ましい。この濃度が1質量%未満であると現像性、処理能力が低下することがあり、10質量%を超えると沈澱や結晶を生成しやすくなり、さらに廃液時の中和の際にゲル化しやすくなり、廃液処理に支障をきたすことがある。
【0011】
非還元糖と塩基とからなる現像液において、非還元糖とは遊離性のアルデヒド基やケトン基を持たないために還元性を有しない糖類を意味し、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体、糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類される。本発明ではこれらのいずれも好適に用いることができる。
トレハロース型少糖類としては、例えばサッカロースやトレハロースが挙げられ、前記配糖体としては、例えばアルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。
糖アルコールとしては、例えばD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシットなどが挙げられる。さらには、二糖類の水素添加で得られるマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)なども好適に挙げることができる。
【0012】
上記のうち、非還元糖としては、糖アルコール、サッカロースが好ましく、中でも特に、D−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用がある点でより好ましい。
これらの非還元糖は単独でも、二種以上を組み合わせてもよく、現像液中に占める割合としては、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
【0013】
前記ケイ酸アルカリ若しくは非還元糖には、塩基としてアルカリ剤を従来公知の物の中から適宜選択して組み合わせることができる。
該アルカリ剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどの無機アルカリ剤、クエン酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0014】
さらにモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も好適に挙げることができる。
これらのアルカリ剤は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。その理由は、非還元糖に対する添加量を調整することにより、広いpH領域においてpH調整が可能となるためである。
【0015】
本発明の感光性平版印刷版用アルカリ現像処理液は、上述のようなアルカリ水溶液中に、ポリアルキレングリコール鎖含有化合物を含有する。そのような化合物として例えば下記式(I)で表されるものがある。
【0016】
R1′−O−(R2′−O)nH (I)
式中、R1′は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい炭素原子数4〜15の複素芳香族環基(なお、置換基としては炭素原子数1〜20のアルキル基、アルケニル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素原子数7〜17のアラルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素原子数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、R2′は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜100のアルキレン基(尚、置換基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を示し、nは2〜100の整数を表す。
【0017】
また式(I)の(R2′−O)nの部分は、上記範囲であれば、2種、又は3種の基であっても良い。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせのランダム又はブロック状に連なったもの等が挙げられる。
【0018】
上記式(I)の化合物として具体的に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル類、ポリオキシエチレンアントラニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアントラニルエーテル、ポリエチレングリコールもしくはその誘導体、又はポリプロピレングリコールもしくはその誘導体、プルロニック型ノニオン界面活性剤などがある。
【0019】
一般式(I)で示される化合物の更なる具体例には、ポリ(オキシエチレン)オクチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル、ポリ(オキシエチレン)セチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ステアリルエーテル、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ドデシルフェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)フェニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)オクチルナフチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ノニルナフチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ドデシルナフチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ナフチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)オクチルアントラニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ノニルアントラニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)ドデシルアントラニルエーテル、ポリ(オキシエチレン)アントラニルエーテルなどがある。
【0020】
一般式(I)で示される化合物は市場において一般に入手することができる。それらの市販品の例として式中R1′が脂肪族炭化水素基のものとして旭電化製、花王石鹸製、三洋化成製、新日本理化製、第一工業製薬製、竹本油脂製、東邦化学製、日本油脂製などのものがある。式中R1′が芳香族炭化水素基のものとして花王石鹸製、三洋化成製、第一工業製薬製、竹本油脂製、東邦化学製などのものがある。
【0021】
本発明に使用できるポリアルキレングリコール鎖含有化合物の具体例として、その他に、多価アルコール型のエチレンオキサイド付加物、例えばグリセリン、ペンタエリスリット、ソルビットなどの多価アルコールのエチレンオキサイド付加物;アミノアルコールのエチレンオキサイド付加物、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのエチレンオキサイド付加物;糖類のエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。ここでエチレンオキサイド付加とは、エチレンオキシ基単独のほか、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基などの組み合わせのランダム又はブロック状に連なったものなどを包含する。
【0022】
本発明で使用する上記化合物の分子量としては、50〜10000が好ましく、100〜5000がより好ましく、500〜3500が最も好ましい。
前記分子量が50未満であると画像部に対する溶解抑止力を得ることができないことがあり、10000を超えると非画像部の現像性が低下することがある。
【0023】
本発明で使用するポリアルキレングリコール鎖含有化合物の別の例として、アルキレンジアミンへのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド縮合物が挙げられ、以下の一般式(II)で示されるものがある。
【0024】
(式中、R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、H又はCH3を示し、R9〜R12は同一でも異なっていてもよく、H、CH3、COR13、CONHR14を示し、R13及びR14は、アルキル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を示し、aは2〜12の整数、b、c、d、e、f、g、h及びiは同一でも異なっていてもよく、0〜300の整数を示し、(b+f)(c+g)(d+h)(e+i)≠0である。)
これらの化合物は一般的に水溶性である。このような化合物はテトロニック型ノニオン界面活性剤とも称される。
上記一般式(II)で表される化合物のうち特に好ましいものは、R1=R2=R3=R4=CH3、R5=R6=R7=R8=H、R9=R10=R11=R12=H又はCOR13、R13=アルキルであり、エチレンオキサイドが総分子中40〜80重量%含まれ、プロピレンオキサイドの分子量範囲が2,000〜5,000であり、aが2〜6の整数であるような化合物である。
【0025】
上記一般式(II)においてR13及びR14によって表されるアルキル基としては、例えばCH3−、CH3CH2−、CH3(CH2)2−、CH3(CH2)3−、CH3(CH2)4−、(CH3)2CH(CH2)2−、CH3CH2CH(CH3)−CH2−、CH3(CH2)2CH(CH3)−、CH3(CH2)7−、CH3(CH2)8−、CH3(CH2)10−、CH3(CH2)12−、CH3(CH2)14−、CH3(CH2)16−、CH3(CH2)18−、CH3(CH2)20−、CH3(CH2)22−、CH3(CH2)24−などの炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。
また、R13及びR14によって表されるアリ−ル基としては例えば、
フェニル、
【0026】
【0027】
などの単環又は2環のアリール基及びこれらに直鎖又は分岐のアルキル基で置換基を有するものが含まれる。
また、R13及びR14によって表されるアルケニル基又はアルキニル基としては、例えば
CH2=CH(CH2)7−、CH2CH2CH=CH(CH2)7−、
CH3(CH2)5CH=CH−、CH3(CH2)7CH=CH−
CH3(CH2)5CH(OH)CH2CH2CH=CH(CH2)7−、
CH3(CH2)10CH=CH(CH2)4−、
CH3(CH2)5CH=CH(CH2)9−、
CH3(CH2)4CH=CHCH2CH=CH(CH2)7−、
CH3CH2CH=CHCH2CH=CHCH2CH=CH(CH2)7−、
CH3(CH2)3(CH=CH)3(CH2)7−、
CH3(CH2)8(CH=CH)3(CH2)4CO(CH2)2−、
CH3(CH2)7C≡C(CH2)7−、
CH3(CH2)9CH=CH(CH2)7−などの炭素原子数9〜24のものが挙げられる。
これらの水溶性化合物の例としては、旭電化工業(株)の商品名テトロニックの商品カタログなどに記載されている化合物を挙げることができる。
【0028】
本発明で使用する現像液には、上記のようなポリアルキレングリコール鎖含有化合物を1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で、特に好ましく使用できるのはポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル及びエチレンオキサイドプロピレンオキサイド縮合物、いわゆるプルロニック型ノニオン界面活性剤、及びアルキレンジアミンへのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド縮合物、いわゆるテトロニック型ノニオン界面活性剤である。
本発明で使用する現像液中におけるポリアルキレングリコール鎖含有化合物の添加量は、現像液中に0.001〜10.0質量%が適当であり、0.01〜5.0質量%が好ましい。さらに0.1〜1.0質量%が最も好ましい。この添加量が0.001質量%未満であると、形成した画像部の可溶性を十分に抑制できないことがあり、一方10.0質量%超えると溶解抑止力が強すぎて現像感度が低下することがある。
【0029】
現像液には、さらに現像性能を高める目的で、以下のような添加剤を加えることができる。
例えば特開昭58−190952号公報に記載のEDTA、NTAなどのキレート剤、特開昭59−121336号公報に記載の[Co(NH3)6]Cl3、CoCl2・6H2Oなどの錯体、米国特許第4,374,920号明細書に記載のテトラメチルデシンジオールなどの非イオン性界面活性剤、特開昭55−95946号公報に記載のp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチルクロライド4級化合物などのカチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載のビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸ソーダとの共重合体などの両性高分子電解質、特開昭57−192951号公報に記載の亜硫酸ソーダなどの還元性無機塩、特開昭59−75255号公報に記載の有機Si、Tiなどを含む有機金属界面活性剤、特開昭59−84241号公報に記載の有機ホウ素化合物、EP101010号明細書に記載のテトラアルキルアンモニウムオキサイドなどの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
また、現像液の表面張力としては、65dyne/cm以下が好ましく、特には60dyne/cm以下がより好ましい。現像液の表面張力は例えば振動ジェット法にて測定することができ、測定機器として自動・動的表面張力計 JET型がある。
【0030】
本発明における上記現像液による現像処理は、該現像液を0.5〜10ml/sec・cm2の範囲で、好ましくは0.5〜7ml/sec・cm2の範囲で、より好ましくは1〜5ml/sec・cm2の範囲で版面に対して均一に供給する態様で実施される。現像液の供給量が0.5ml/sec・cm2未満では現像液中のポリアルキレングリコール鎖含有化合物による効果が見られず、十分な画像コントラストが得られない。また、10ml/sec・cm2を超えると現像ムラができる場合があり、また、現像液に含まれるポリアルキレングリコール鎖含有化合物の種類によっては泡立ちが大きくなる弊害が見られる。
【0031】
本発明の製版方法は、製版・印刷業界において製版作業の合理化及び標準化のために広く用いられている印刷版材用の自動現像機を使用して、実施することができる。この自動現像機は一般に現像部と後処理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽及びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものがある。処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。
また、印刷版を浸漬現像する際には、処理液槽中の液を循環させるポンプを用いてもよい。処理液を循環させることにより、版面に均一に現像液を供給できる。
【0032】
本発明の実施態様として典型的には、感熱性ポジ型平版印刷版が現像槽に貯留された現像液に浸漬しながら搬送され、現像液の版面への均一な供給がスプレー手段または循環ポンプによる対流によって行われる。
本発明において使用する自動現像機は、現像液をスプレーによって感熱性平版印刷版の感光層に供給するスプレー設備を有するもの、あるいは処理液槽中の液を循環させるポンプを有するものであれば、いずれでもよい。
例えば、特開平5−188601号公報に開示されている自動現像機を使用することができる。このような装置では一般的にはスプレーパイプから感熱性平版印刷版の幅方向に沿って均一に現像液が吐出される。
本発明で規定される現像液の版面への供給量は、自動現像機の搬送速度とスプレーの吐出量とを調節して達成することができる。また、循環ポンプを用いる場合、現像液の版面への供給量は、自動現像機の搬送速度と循環ポンプの吐出量を調整することで達成できる。
自動現像機においてスプレーパイプを設ける位置は、現像槽での搬送手段による感熱性平版印刷版の搬送路の長さなどによって適宜に選択でき、典型的な態様では、感熱性平版印刷版を現像液に浸漬開始してから2〜6秒後に現像液がスプレーされる。また、現像ブラシを有する自動現像機のとき、スプレーパイプの位置は該ブラシの前後のいずれでもよい。
【0033】
自動現像機は一般に、現像液などの各処理液に処理量や稼働時間などに応じて補充液を補充しながら処理することができる。この場合、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液を補充液として現像液中に加えることによって、長時間現像タンク中に現像液を交換することなく多量の画像形成材料を処理できる。本発明の製版方法においても、この補充方式を採用することが好ましい態様である。
【0034】
現像液及び現像補充液には、現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で、必要に応じて各種界面活性剤や有機溶剤などを添加することもできる。有機溶剤としてはベンジルアルコールなどが好ましい。
さらに必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸又は亜硫酸水素酸のナトリウム塩若しくはカリウム塩などの無機塩系還元剤、有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
本発明の製版方法は、上記現像方式の他に、実質的に未使用の現像処理液で処理する、いわゆる使い捨て処理方式の現像に適用することも可能である。
【0035】
上記の現像液を用いて現像処理された平版印刷版は、水洗水や界面活性剤などを含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液(ガム液)で後処理がなされる。この後処理は、これら公知の処理液を種々組み合わせて行うことができる。
【0036】
以下に感熱性ポジ型平版印刷版、及びその成分について説明する。
本発明の製版方法を適用する平版印刷版原版は、赤外線吸収染料及びアルカリ可溶性樹脂を含有する画像形成層を支持体上に設けた感熱性ポジ型平版印刷版である。
本発明を適用する感熱性ポジ型平版印刷版は、その画像形成層は単層であってもよいし、積層構造(重層型)であってもよく、すなわち表面(露光面)に近い位置に設けられているアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収染料を含む上部感熱層と、支持体に近い側に設けられているアルカリ可溶性樹脂を含有する下層からなるものでもよい。
そのような重層型感材の例として、平版印刷版用支持体上に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含む下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び赤外線吸収染料を含み、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増加する上部感熱層とを順次積層してなる感熱性ポジ型平版印刷版がある。重層型感材の例として特開平11−218914号公報に開示されたものが挙げられる。
【0037】
[アルカリ可溶性樹脂]
本発明において使用されるアルカリ可溶性樹脂は、水不溶性且つアルカリ水可溶性の高分子化合物(以下、適宜、アルカリ可溶性高分子と称する)であって、高分子中の主鎖及び/又は側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体又はこれらの混合物を包含する。従って、本発明に係る画像形成層は、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものである。
【0038】
ここで用いられるアルカリ可溶性高分子としては、従来公知のものであれば特に制限はないが、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基のいずれかの官能基を分子内に有する高分子化合物であることが好ましい。
例えば以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
(1)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が挙げられる。フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性高分子化合物としてはこの他に、側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0040】
側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を得るために用いるフェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。
【0041】
かかるフェノール性水酸基を有する樹脂は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体を併用してもよい。
【0042】
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物としては、スルホンアミド基を有する重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
【0043】
(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物は、活性イミド基を分子内に有するものが好ましく、この高分子化合物としては、1分子中に活性イミド基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0044】
さらに、上記の他、前記フェノール基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、及び活性イミド基を有する重合性モノマーのうちのいずれか2種類以上を重合させた高分子化合物、或いは、これらの2種以上の重合性モノマーにさらに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物も好適に挙げられる。
フェノール基を有する重合性モノマー(M1)に、スルホンアミド基を有する重合性モノマー(M2)及び/又は活性イミド基を有する重合性モノマー(M3)を共重合させる場合の配合比(M1:M2及び/又はM3;質量比)としては、50:50〜5:95が好ましく、40:60〜10:90がより好ましい。
【0045】
アルカリ可溶性高分子化合物が、前記酸性基(1)〜(3)より選ばれるいずれかを有するモノマー構成単位と、他の重合性モノマーの構成単位とから構成される共重合体である場合、該共重合体中に、前記酸性基(1)〜(3)より選ばれるいずれかを有するモノマー構成単位を10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むことがより好ましい。
前記モノマー構成単位の含有量が、10モル%未満であると、十分なアルカリ可溶性が得られずに、現像ラチチュードが狭くなることがある。
前記共重合体の合成方法としては、従来より公知のグラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いることができる。
【0046】
前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーと共重合させるモノマー成分としては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
【0047】
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0048】
本発明においてアルカリ可溶性高分子が、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーの単独重合体或いは共重合体の場合、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
また、本発明においてアルカリ可溶性高分子がフェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールアルデヒド樹脂等の樹脂である場合には、重量平均分子量が500〜20,000であり、数平均分子量が200〜10,000のものが好ましい。
【0049】
また、アルカリ可溶性高分子として更に、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子化合物(以下、(B1)成分ともいう)を併用してもよい。この化合物としてはカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子化合物であれば何れでもよいが、下記で定義される高分子化合物(b1−1)、(b1−2)が好ましい。
(b1−1)下記一般式(III)で表される重合性モノマー単位を有するアルカリ可溶性高分子化合物(以下、高分子化合物(b1−1)ともいう)
(式中、Xmは単結合又は2価の連結基を、Yは水素又はカルボキシル基を、Zは水素、アルキル基又はカルボキシル基を表す。)
一般式(III)で表される重合性モノマー単位を構成するモノマーとして、カルボキシル基と、重合可能な不飽和基を分子内にそれぞれ1以上有する重合性モノマーがある。
そのような重合性モノマーの具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のα、β−不飽和カルボン酸類を挙げることができる。
【0050】
上記カルボキシル基を有する重合性モノマーと共重合させるモノマーとしては、例えば下記(1)〜(11)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)2−ヒドロキエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
【0051】
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリるアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド又はメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
【0052】
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
【0053】
また、下記一般式(IV)のモノマーも好ましく用いられる。
式中、XはO、S、又はN−R12を表す。R10〜R12は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。m、n、oは、各々独立に、2から5の整数を表し、CmH2m、CnH2n、CoH2oは、各々、直鎖でも分岐構造でもよい。p、q、rは各々独立に、0から3,000の整数を表し、p+q+r≧2である。
【0054】
R10〜R12におけるアルキル基としては、炭素原子数1〜12のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。p、q、rは好ましくは0から500の整数を表し、更に好ましくは0から100の整数を表す。
上記一般式(IV)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの例を以下に挙げるが、この限りではない。
【0055】
【化1】
【0056】
【化2】
【0057】
上記一般式(IV)で表される繰り返し単位は、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名プルロニック(Pluronic(旭電化工業(株)製)、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)、カルボワックス(Carbowax(グリコ・プロダクス))、トリトン(Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製)、およびP.E.G(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド又は無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。
別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
【0058】
市販品のモノマーとしては、日本油脂株式会社製の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500Bなどが挙げられる。同様に日本油脂株式会社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550など、また共栄社化学株式会社製ライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EAなどが挙げられる。
【0059】
高分子化合物(b1−1)におけるカルボキシル基と、重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1以上有する重合性モノマー成分を有する最小構成単位は、特に1種類のみである必要はなく、同一の酸性基を有する最小構成単位を2種以上、または異なる酸性基を有する最小構成単位を2種以上共重合させたものを用いることもできる。
共重合の方法としては、従来知られているグラフト共重合、ブロック共重合、ランダム共重合法などを用いることができる。
【0060】
(b1−2)カルボキシル基を有する下記一般式(V)、(VI)または(VII)で表されるジオール化合物と下記一般式(X)で表されるジイソシアネート化合物との反応生成物を基本骨格とするカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子化合物(以下、高分子化合物(b1−2)ともいう。)
【0061】
R13は水素原子、置換基(例えばアルキル、アリール、アルコキシ、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよいアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜8個のアルキル基もしくは炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜15個のアリール基を示す。
R14、R15、R16はそれぞれ同一でも相異していてもよい、単結合、置換基(例えばアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ及びハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。好ましくは炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数6〜15のアリーレン基、更に好ましくは炭素原子数1〜8個のアルキレン基を示す。
また、必要に応じ、R14、R15、R16中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。なお、R13、R14、R15、R16のうちの2又は3個で環を構成してもよい。
Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を示し、好ましくは炭素原子数6〜15個の芳香族基を示す。
【0062】
OCN−R18−NCO (X)
式中、R18は置換基(例えばアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。必要に応じ、R18中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。
【0063】
一般式(V)、(VI)又は(VII)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
即ち、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミドなどが挙げられる。
【0064】
該(b1−2)のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子化合物は、下記一般式(VIII)又は(IX)で表されるジオールを組み合わせた反応生成物であると好ましい。
式中、R17はそれぞれ水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、nは2以上の整数を示す。R17における炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などが挙げられる。
以下に、上記一般式(VIII)又は(IX)で表されるジオールの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
(VIII)の具体例
HO−(−CH2CH2O−)3−H
HO−(−CH2CH2O−)4−H
HO−(−CH2CH2O−)5−H
HO−(−CH2CH2O−)6−H
HO−(−CH2CH2O−)7−H
HO−(−CH2CH2O−)8−H
HO−(−CH2CH2O−)10−H
HO−(−CH2CH2O−)12−H
ポリエチレングリコール(平均分子量1000)
ポリエチレングリコール(平均分子量2000)
ポリエチレングリコール(平均分子量4000)
HO−(−CH2CH(CH3)O−)3−H
HO−(−CH2CH(CH3)O−)4−H
HO−(−CH2CH(CH3)O−)6−H
ポリプロピレングリコール(平均分子量1000)
ポリプロピレングリコール(平均分子量2000)
ポリプロピレングリコール(平均分子量4000)
【0066】
(IX)の具体例
HO−(−CH2CH2CH2O−)3−H
HO−(−CH2CH2CH2O−)4−H
HO−(−CH2CH2CH2O−)8−H
HO−(−CH2CH2CH(CH3)O−)12−H
【0067】
一般式(X)で示されるジイソシアネート化合物として、具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどの如き芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの如き脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの如き脂肪族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体などの如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0068】
高分子化合物(b1−2)の合成に使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2〜1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
【0069】
(B1)成分として、上記の高分子化合物(b1−1)及び(b1−2)から1種単独を使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。
(B1)成分中に含有されるカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有量は、該(B1)成分の各単量体の総量に基づいて2モル%以上であり、好ましくは2〜70モル%であり、より好ましくは5〜60モル%の範囲である。
(B1)成分の好ましい重量平均分子量は、3000〜300,000が好ましく、6,000〜100,000がより好ましい。
【0070】
画像形成層中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、画像形成層の全固形分質量に対して30〜99質量%が適当で、好ましくは40〜95質量%であり、より好ましくは50〜90質量%である。耐久性及び感度の観点からこの範囲の含有量が適当である。
上記(B1)成分を含ませる場合、画像形成層の全固形分質量に対して0.005〜80質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜50質量%の範囲であり、更に好ましくは1〜20質量%の範囲である。
【0071】
画像形成層が積層構造をなす場合、上部感熱層には上述したアルカリ可溶性高分子を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。特に上部感熱層では、未露光部では強い水素結合性を生起し、露光部においては、一部の水素結合が容易に解除される点においてフェノール性水酸基を有する樹脂が望ましく、更に好ましくはノボラック樹脂である。
下層で用いられるアルカリ可溶性高分子としてもまた、上述したアルカリ可溶性高分子を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。特に下層には、ポリアルキレングリコール鎖含有化合物により現像抑制効果を示さない樹脂を用いることが好ましい。例えばノボラック樹脂以外のもので、中でもアクリル樹脂が好ましい。さらに、このアクリル樹脂としてスルホアミド基を有するものが特に好ましく、そのような樹脂を1種類又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
下層は実質的にアルカリ可溶性高分子からなるものであってもよい。
【0072】
上部感熱層中のアルカリ可溶性高分子化合物は、併せて50〜90質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子の添加量が50質量%未満であると感熱層の耐久性が悪化し、また、90質量%を超えると感度、耐久性の両面で好ましくない。また、アルカリ性水溶液に対し溶解速度の異なる2種類のアルカリ可溶性高分子化合物の混合比は自由である。好ましくは、アルカリ可溶性高分子化合物中、未露光部では強い水素結合性を生起し露光部において一部の水素結合が容易に解除されるフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性高分子化合物が60〜99.8質量%で用いられる。フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性高分子化合物が60%以下であると、画像形成性が低下する。
【0073】
〔赤外線吸収染料〕
本発明において、画像形成層に用いられる赤外線吸収染料は、赤外光を吸収し熱を発生する染料であれば特に制限はなく、赤外線吸収染料として知られる種々の染料を用いることができる。
【0074】
本発明に係る赤外線吸収染料としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。
本発明において、これらの染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
【0075】
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0076】
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物等が、市販品としては、エポリン社製のEpolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等が、特に好ましく用いられる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0077】
画像形成層における赤外線吸収染料の含有量としては、画像形成層の全固形分質量に対して0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、さらに0.5〜10質量%が好ましい。
前記含有量が0.01質量%未満であると、感度が低くなることがあり、50質量%を超えると、画像形成層の均一性が低下し、その耐久性が劣化することがある。赤外線吸収染料は、他の成分と同一層に添加してもよいし、別の層を設けてそこに添加してもよい。
【0078】
画像形成層が積層構造をなす場合、これらの赤外線吸収染料は、上部感熱層のみならず、下層にも添加することができる。下層に赤外線吸収染料を添加することで下層も感熱層として機能させることができる。下層に赤外線吸収染料を添加する場合には、上部の感熱層におけるのと互いに同じ物を用いてもよく、また異なる物を用いてもよい。
また、これらの赤外線吸収染料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、感熱層に隣接する層へ添加するのが望ましい。また、染料と前記アルカリ可溶性樹脂とは同一の層に含まれるのが好ましいが、別の層でも構わない。
添加量としては、上部感熱層の場合、印刷版材料全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは1.0〜30質量%の割合で印刷版材料中に添加することができる。染料の添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また50質量%を超えると上部感熱層の均一性が失われ、上部感熱層の耐久性が悪くなる。
【0079】
下層の場合、下層全固形分に対し0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0〜5質量%の割合で印刷版材料中に添加することができる。下層に赤外吸収染料を添加すると下層の溶解性が低下するが、赤外吸収染料を添加することで露光時に熱による下層の溶解性向上が期待できる。但し、支持体近傍の0.2〜0.3μmの領域では露光時に熱による溶解性向上が起こらず、赤外吸収染料添加による下層の溶解性低下が感度を低下させる要因となる。従って、先に示した添加量の範囲の中においても、下層の溶解速度が30nmを下回る添加量は好ましくない。
【0080】
〔その他の添加剤〕
画像形成層を形成するにあたっては、上記必須成分のほか、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。
画像形成層が積層構造をなす場合、添加剤は下層のみに含有させてもよいし、上部感熱層のみに含有させてもよいし、両方の層に含有させてもよい。
以下に、添加剤の例を挙げて説明する。
【0081】
−溶解性阻害化合物−
感熱性平版印刷版は、そのインヒビション(溶解性阻害)を高める目的で、画像形成層に、種々のインヒビターを含有させることができる。
該インヒビターとしては特に限定されないが、4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール系化合物等が挙げられる。
【0082】
4級アンモニウム塩としては、特に限定されないが、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアリールアンモニウム塩、ジアルキルジアリールアンモニウム塩、アルキルトリアリールアンモニウム塩、テトラアリールアンモニウム塩、環状アンモニウム塩、二環状アンモニウム塩が挙げられる。
具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトララウリルアンモニウムブロミド、テトラフェニルアンモニウムブロミド、テトラナフチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラステアリルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリエチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ジベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ジス
テアリルジメチルアンモニウムブロミド、トリステアリルメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、N−メチルピリジニウムブロミド等が挙げられる。特に特願2001−226297号、特願2001−370059、特願2001−398047明細書記載の4級アンモニウム塩が好ましい。
【0083】
4級アンモニウム塩の添加量は、画像形成層の全固形分質量に対して固形分で0.1〜50質量%であることが好ましく、さらには、1〜30質量%であることがより好ましい。0.1質量%未満では溶解性阻害効果が少なくなり好ましくない。また、50質量%を超えて添加した場合は、バインダーの製膜性に悪影響を与えることがある。
【0084】
ポリエチレングリコール化合物としては、特に限定されないが、下記構造のものが挙げられる。
R1−{−O−(R3−O−)m−R2}n
【0085】
(R1は多価アルコール残基又は多価フェノール残基、R2は水素原子、C1〜25の置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基又はアリーロイル基、R3は置換基を有しても良いアルキレン残基を示す。mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数である。)
【0086】
上記構造のポリエチレングリコール化合物の例としては、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアリールエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールグリセリンエステル、ポリプロピレングリコールグリセリンエステル類、ポリエチレンソルビトールエステル類、ポリプロピレングリコールソルビトールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン類、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン類、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン類、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン類が挙げられる。
【0087】
これらの具体例を示すと、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポリエチレングリコール5000、ポリエチレングリコール100000、ポリエチレングリコール200000、ポリエチレングリコール500000、ポリプロピレングリコール1500、ポリプロピレングリコール3000、ポリプロピレングリコール4000、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールエチルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル、ポリエチレングリコールジベヘニルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールエチルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジエチルエーテル、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールジラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールアセチルエステル、ポリエチレングリコールジアセチルエステル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、ポリエチレングリコールラウリルエステル、ポリエチレングリコールジラウリルエステル、ポリエチレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールセチル酸エステル、ポリエチレングリコールステアロイルエステル、ポリエチレングリコールジステアロイルエステル、ポリエチレングリコールベヘン酸エステル、ポリエチレングリコールジベヘン酸エステル、ポリプロピレングリコールアセチルエステル、ポリプロピレングリコールジアセチルエステル、ポリプロピレングリコール安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールジラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールグリセリンエーテル、ポリプロピレングリコールグリセリンエーテル、ポリエチレングリコールソルビトールエーテル、ポリプロピレングリコールソルビトールエーテル、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリエチレングリコール化ペンタメチレンヘキサミンが挙げられる。
【0088】
ポリエチレングリコール系化合物の添加量は、画像形成層の全固形分質量に対して固形分で0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。0.1質量%未満では溶解性阻害効果が少なく好ましくない。また50質量%を超える量を添加した場合、バインダーと相互作用できないポリエチレングリコール化合物が現像液の浸透を促進し、画像形成性へ悪影響を与えることがある。
【0089】
また、上記インヒビション(溶解性阻害)改善の施策を行った場合、感度の低下が生じるが、この場合、ラクトン化合物を添加物することが有効である。このラクトン化合物は、露光部に現像液が浸透した際、現像液とラクトン化合物が反応し、新たにカルボン酸化合物が発生し、露光部の溶解に寄与して感度が向上するものと考えられる。
ラクトン化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物が挙げられる。
【0090】
【化3】
【0091】
【化4】
【0092】
一般式(L−I)及び一般式(L−II)において、X1、X2、X3及びX4は、環の構成原子又は原子団であって、同じでも異なってもよく、それぞれ独立に置換基を有してもよく、かつ一般式(L−I)におけるX1、X2及びX3の少なくとも一つ及び一般式(L−II)におけるX1、X2、X3及びX4の少なくとも一つは、電子吸引性置換基又は電子吸引性基で置換された置換基を有する。
X1、X2、X3及びX4で表される環の構成原子又は原子団は、環を形成するための二つの単結合を有する非金属原子又は該非金属原子を含む原子団である。
好ましい非金属原子又は非金属原子団は、メチレン基、スルフィニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、硫黄原子、酸素原子及びセレニウム原子から選ばれる原子又は原子団であって、より好ましくは、メチレン基、カルボニル基及びスルホニル基から選ばれる原子団である。
【0093】
一般式(L−I)におけるX1、X2及びX3の少なくとも一つ又は一般式(L−II)におけるX1、X2、X3及びX4の少なくとも一つは、電子吸引性基を有する。本明細書において電子吸引性置換基は、ハメットの置換基定数σpが正の価を取る基を指す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。ハメットの置換基定数σpが正の価を取る電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロアルキル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、オキソ基、ホスホリル基等が挙げられる。
【0094】
好ましい電子吸引性基は、アミド基、アゾ基、ニトロ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、ニトリル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数1〜9のアルキルスルホニル基、炭素数6〜9のアリールスルホニル基、炭素数1〜9のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜9のアリールスルフィニル基、炭素数6〜9のアリールカルボニル基、チオカルボニル基、炭素数1〜9の含フッ素アルキル基、炭素数6〜9の含フッ素アリール基、炭素数3〜9の含フッ素アリル基、オキソ基及びハロゲン元素から選ばれる基である。
より好ましくは、ニトロ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、ニトリル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数6〜9のアリールスルホニル基、炭素数6〜9のアリールカルボニル基、オキソ基及びハロゲン元素から選ばれる基である。
以下に、一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0095】
【化5】
【0096】
【化6】
【0097】
一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の添加量は、画像形成層の全固形分質量に対して固形分で0.1〜50質量%が好ましく、さらには、1〜30質量%がより好ましい。0.1質量%未満では効果が少なく、50質量%を超えて添加した場合、画像形成性が劣る。なお、この化合物は現像液と反応するため、選択的に現像液を接触することが望まれる。
このラクトン化合物は、いずれか一種を用いても、併用してもよい。また2種類以上の一般式(L−I)の化合物、又は2種類以上の一般式(L−II)の化合物を合計添加量が上記範囲内で任意の比率で併用してもよい。
【0098】
また、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することは、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点では、好ましい。オニウム塩としてはジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げることができる。
【0099】
本発明において用いられるオニウム塩として、好適なものとしては、例えば S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974) 、T. S. Balet al, Polymer, 21, 423(1980) 、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号明細書、特開平3−140140号公報に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al,Macromolecules, 17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf.Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号に記載のホスホニウム塩、J. V.Crivello et al,Macromorecules, 10(6), 1307 (1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988)、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049 号、同第410,201 号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J. V.Crivello et al, Polymer J. 17, 73 (1985)、J. V. Crivelloet al. J. Org.Chem., 43, 3055 (1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem.Ed.,22, 1789 (1984) 、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279 (1985) 、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 14(5) ,1141(1981)、J. V. Crivelloet al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed.,17, 2877 (1979) 、欧州特許第370,693 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114 号、同410,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307 (1977)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem.Ed., 17, 1047 (1979) に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al, Teh,Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
オニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
【0100】
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
【0101】
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により結着剤の溶解抑制を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley & Sons. Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1、2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120 号及び同第3,188,210 号に記載されているベンゾキノン−(1,2−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
【0102】
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802 号、特開昭48−63803 号、特開昭48−96575 号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものを挙げることができる。
【0103】
o−キノンジアジド化合物の添加量は好ましくは、画像形成層の全固形分質量に対し、1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
【0104】
また、画像形成層表面の溶解阻止性の強化とともに表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を併用すること好ましい。
添加量としては、層の材料中に占める割合が0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0105】
−現像促進剤−
また、感度を更に向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することもできる。
酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸などが挙げられる。フェノール類としては、ビスフェノールA、2,2’−ビスヒドロキシスルホン、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
【0106】
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の酸無水物、フェノール類及び有機酸類の画像形成層中に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
【0107】
−界面活性剤−
画像形成層には塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特願2001−247351号明細書に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
【0108】
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224,DBE−621,DBE−712,DBP−732,DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることができる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像形成層中に占める割合は、0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0109】
〔焼出し剤/着色剤〕
本発明で使用する感熱性平版印刷版の画像形成層中には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0110】
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料をあげることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレットラクトン、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。これらの染料は、画像形成層の全固形分質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
【0111】
〔可塑剤〕
更に本発明で使用する感熱性平版印刷版の画像形成層には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
【0112】
〔ワックス剤〕
また、感熱性平版印刷版の画像形成層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6117913号明細書、特願2001−261627号明細書、特願2002−032904号明細書、特願2002−165584号明細書に用いられているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることができる。
添加量として好ましいのは、画像形成層を形成する材料中に占める割合が0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0113】
感熱性平版印刷版の画像形成層は、通常上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより形成することができる。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
【0114】
画像形成層を積層構造とする場合、塗布に用いる溶剤としては、原則的に、上部感熱層に用いるアルカリ可溶性高分子と下層に用いるアルカリ可溶性高分子に対して溶解性の異なるものを選ぶことが好ましいが、新たな機能を付与するために積極的に部分相溶を行うことも可能である。
2つの層を分離して形成する方法としては、例えば、下層に含まれる共重合体と、上部感熱層に含まれるアルカリ可溶性樹脂との溶剤溶解性の差を利用する方法、上部感熱層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。以下、これらの方法について詳述するが、2つの層を分離して塗布する方法はこれらに限定されるものではない。
【0115】
下層に含まれる共重合体と上部感熱層に含まれるアルカリ水溶液可溶性樹脂との溶剤溶解性の差を利用する方法は、アルカリ水溶液可溶性樹脂を塗布する際に、下層に含まれる特定共重合体及びこれと併用される共重合体のいずれもが不溶な溶媒系を用いるものである。これにより、二層塗布を行っても、各層を明確に分離して塗膜にすることが可能になる。例えば、メチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノール等のアルカリ水溶液可溶性樹脂を溶解する溶剤に不溶な下層成分を構成する特定モノマーを共重合成分として含む共重合体を選択し、該下層成分を構成する共重合体を溶解する溶剤系を用いて該共重合体主体とする下層を塗布・乾燥し、その後、アルカリ水溶液可溶性樹脂を主体とする上部感熱層をメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノール等下層成分を溶解しない溶剤を用いて塗布することにより二層化が可能になる。
【0116】
一方、二層目を塗布後に極めて速く溶剤を乾燥させる方法は、ウェブの走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノズルより高圧エアーを吹きつけることや、蒸気等の加熱媒体を内部に供給されたロール(加熱ロール)よりウェブの下面から伝導熱として熱エネルギーを与えること、あるいはそれらを組み合わせることにより達成できる。
2つの層が本発明の効果を十分に発揮するレベルにおいて層間を部分的に相溶させる方法としては、上記溶剤溶解性の差を利用する方法、2層目を塗布後に極めて速く溶剤を乾燥させる方法何れにおいても、その程度を調整することによって可能となる。
【0117】
画像形成層を形成するために支持体に塗布する塗布液は、これらの成分を好適な溶媒に溶解して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
画像形成層を積層構造とする場合、上部感熱層塗布時に下層へのダメージを防ぐため、上部感熱層塗布方法は非接触式であることが望ましい。また接触型ではあるが溶剤系塗布に一般的に用いられる方法としてバーコーター塗布を用いることも可能であるが、下層へのダメージを防止するために順転駆動で塗布することが望ましい。
【0118】
支持体上に塗布、乾燥して設けられる画像形成層の乾燥塗布量(固形分)としては、一般的に0.5〜5.0g/m2である。
画像形成層を積層構造とする場合は、下層は0.5〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.5g/m2の範囲である。0.5g/m2未満であると耐刷性が低下する原因となり、4.0g/m2を超えると画像再現性が劣化したり感度が低下したりするため好ましくない。また上部感熱層は0.05g/m2〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2未満であると現像ラチチュード、耐傷性が低下する原因となり、1.0g/m2を超えると感度が低下するため好ましくない。上下層を合わせた塗布量としては、0.6g/m2〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。0.6g/m2未満であると耐刷性が低下する原因となり、4.0g/m2を超えると画像再現性が劣化したり感度が低下したりするため好ましくない。
【0119】
〔支持体〕
感熱性平版印刷版に使用される親水性支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物が挙げられ、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0120】
支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。
【0121】
特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このようにアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0122】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0123】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0124】
本発明で使用される感熱性ポジ型平版印刷版は、支持体上に少なくとも画像形成層を設けたものであり、該画像形成層は1層でもよく、あるいはポジ型感熱層と下層の2層を積層して設けたものであるが、必要に応じて支持体と画像形成層又は該下層との間に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
【0125】
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、画像形成層の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
【0126】
上記のようにして作成された感熱性ポジ型平版印刷版は、画像様に露光され、その後、上記に詳述したようにアルカリ性現像液にて現像処理を施される。
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザー等が挙げられる。本発明においては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0127】
上記のアルカリ性現像液にて現像処理された版は、その後、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きなどして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行なう方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
【0128】
以上のようにして本発明の製版方法により得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
【0129】
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0130】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0131】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
【0132】
[感熱性ポジ型平版印刷版の作製]
(感熱性ポジ型平版印刷版原版1)
0.3mm厚のアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス−水懸濁液を用い、この表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。
洗浄後、このアルミニウム板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗した後、さらに20%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、再度水洗した。このときの砂目立て表面のエッチング量は、約3g/m2であった。
【0133】
次に、このアルミニウム板を7%硫酸を電解液として、電流密度15A/dm2の直流電流で3g/m2の陽極酸化被膜を設けた後、水洗、乾燥した。
これを、30℃の珪酸ナトリウム2.5%水溶液で10秒処理し、下記下塗り層用塗布液を塗布し、80℃下で15秒間乾燥して支持体を得た。乾燥後の下塗り層の乾燥塗布量は、15mg/m2であった。
【0134】
<下塗り層用塗布液>
下記共重合体P(分子量28000) 0.3g
メタノール 100g
水 1g
【0135】
共重合体P
【0136】
合成例1(B1成分:カルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子化合物(共重合体)の合成)
攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた20ml三ッ口フラスコに、メタクリル酸n−プロピル6.39g(0.045モル)、メタクリル酸1.29g(0.015モル)及び1−メトキシ−2−プロパノール20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌した。この混合物に「V−601」(和光純薬(株)製)0.15gを加え70℃に保ちながら窒素気流下2時間混合物を攪拌した。この反応混合物にさらにメタクリル酸n−プロピル6.39g(0.045モル)、メタクリル酸1.29g(0.015モル)、1−メトキシ−2−プロパノール20g及び「V−601」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、さらに90℃で2時間得られた混合物を攪拌した。反応終了後、メタノール40gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分混合物を攪拌した後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより15gの白色固体を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン標準)を測定したところ53,000であった。
【0137】
合成例2(B1成分:カルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子化合物(共重合体)の合成)
上記合成例1と同様の操作によって、メタクリル酸エチル/メタクリル酸イソブチル/メタクリル酸(モル%:35/35/30)を使用して共重合体を合成した。その重量平均分子量(ポリスチレン標準)を測定したところ50,000であった。
【0138】
合成例3(B1成分:カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の合成)
冷却管コンデンサー、攪拌機を備えた500mlの三ッ口丸底フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸14.6g(0.109モル)、テトラエチレングリコール13.3g(0.0686モル)及び1,4−ブタンジオール2.05g(0.0228モル)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド118gに溶解した。これに、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート30.8g(0.123モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート13.8g(0.0819モル)及び触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.1gを添加し、攪拌下、90℃、7時間加熱した。
この反応液にN,N−ジメチルアセトアミド100ml、メタノール50ml及び酢酸50mlを加え、攪拌した後に、これを水4リットル中に攪拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水にて洗浄後、減圧乾燥させることにより、60gのポリマーを得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均(ポリスチレン標準)で70,000であった。また、滴定によりカルボキシル基含量を測定したところ1.43meq/gであった。
【0139】
合成例4(B1成分:カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の合成)
以下のジイソシアネート化合物(モル%)
及び以下のジオール化合物(モル%)
を用いて、合成例3と同様にして共重合体を合成した。得られた共重合体の滴定による酸含量は1.72meq/gであり、重量平均分子量(ポリスチレン標準)は80,000であった。
【0140】
合成例5
攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた500ml三つ口フラスコにメタクリル酸31.0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル39.1g(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混合物にトリエチルアミン36.4g(0.36モル)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴を取り去り、室温下で30分間混合物を攪拌した。この反応混合物にp−アミノベンゼンスルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、油浴にて70℃に温めながら混合物を1時間攪拌した。反応終了後、この混合物を水1リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分間得られた混合物を攪拌した。この混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500mlでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られた固体を乾燥することにより、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた(収量46.9g)
【0141】
次に攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた20ml三つ口フラスコにN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g、(0.0192モル)、メタクリル酸エチル2.94g(0.0258モル)、アクリロニトリル0.80g(0.015モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌した。この混合物に「V−65」(和光純薬(株)製)0.15gを加え、65℃に保ちながら窒素気流下2時間混合物を攪拌した。この反応混合物にさらにN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g、メタクリル酸エチル2.94g、アクリロニトリル0.80g、N,N−ジメチルアセトアミド及び「V−65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、さらに65℃で2時間得られた混合物を攪拌した。反応終了後、メタノール40gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分間混合物を攪拌した後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより15gの白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、この特定の共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン標準)を測定したところ、53,000であった。
【0142】
得られた支持体上に下記画像形成層用塗布液を塗布し、150℃、30秒乾燥させて、乾燥塗布量を1.8g/m2とし、ポジ型平版印刷版原版を得た。
<画像形成層用塗布液>
上記合成例2の共重合体 0.050g
上記合成例4の共重合体 0.050g
上記合成例5の共重合体 0.4g
m,p−クレゾールノボラック 0.6g
(m/p比=6/4、重量平均分子量8000、未反応クレゾールを0.5%含有)
シアニン染料A(下記構造) 0.1g
無水フタル酸 0.05g
p−トルエンスルホン酸 0.002g
エチルバイオレット 0.02g
(対イオン:6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸)
ナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドと
ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 0.01g
フッ素系界面活性剤 0.05g
(商品名:メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 8g
1−メトキシ−2−プロパノール 4g
【0143】
シアニン染料A
【0144】
(感熱性ポジ型平版印刷版原版2)
下記の処方の画像形成層用塗布液を使用した以外は、上記感熱性ポジ型平版印刷版1を作製したのと同じ操作で、感熱性ポジ型平版印刷版原版2を作成した。
画像形成層用塗布液
フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール(20:50:30モル比)をホルムアル
デヒドと共重合させたノボラック樹脂(重量平均分子量 7000) 100質量部
シアニン染料A 4質量部
クリスタルバイオレットラクトン 7質量部
シクロヘキサノン 900質量部
【0145】
(感熱性ポジ型平版印刷版原版3)
[基板の作成]
厚さ0.24mmのアルミニウム板(Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.014質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金)に対し、以下に示す表面処理を連続的に行った。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、温度80℃であった。水洗後、アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、スプレーによる水洗を行った。その後、温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、スプレーによる水洗を行った。
二段給電電解処理法の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行った。電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダ1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2であった。
【0146】
<下塗液組成>
・下記化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
得られたウエブ状の基板に以下の下層用塗布液を塗布量が0.85g/m2になるようバーコーターで塗布したのち160℃で44秒間乾燥し、直ちに17〜20℃の冷風で支持体の温度が35℃になるまで冷却した後、上部感熱層用塗布液を塗布量が0.22g/m2になるようバーコーター塗布したのち、148℃で25分間乾燥し、更に20〜26℃の風で徐冷し、感熱性ポジ型平版印刷版原版3を作成した。
【0147】
〔下層用塗布液〕
・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル(36/34/30:重量平均分子量50000、酸価2.65) 2.133g
・シアニン染料A(下記構造) 0.134g
・4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.126g
・無水テトラヒドロフタル酸 0.190g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン
ヘキサフルオロホスフェート 0.032g
・エチルバイオレットの対イオンを
6−ヒイドロキシナフタレンスルホンに変えたもの 0.781g
・メガファックF176、大日本インキ工業(株)社製
(塗布面状改良フッ素系界面活性剤) 0.035g
・メチルエチルケトン 25.41g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.97g
・γ−ブチロラクトン 13.18g
シアニン染料A
【0148】
〔上部感熱層用塗布液〕
・m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、重量平均分子量
4500、未反応クレゾール0.8質量%含有) 0.3479g
・シアニン染料A 0.0192g
エチルメタンクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体 (37/
37/26wt%) 30% MEK溶液 0.1403g
・メガファックF780F(30%)、大日本インキ化学工業(株)製
(面状改良界面活性剤) 0.015g
・メガファックF781F、大日本インキ化学工業(株)製 0.00328g
・メチルエチルケトン 13.07 g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79 g
【0149】
上記より得られた各種平版印刷版原版を以下のようにして露光、現像処理した。平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにてビーム強度2〜10Wの範囲、ドラム回転速度150rpmでベタ画像を描き込んだ。その後、自動現像機として富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940H改良機を用い、現像槽に後述の各種現像液1〜10を仕込み,液温を30℃に保ち、現像時間12秒で現像版面への該各種現像液の供給量はスプレー吐出量を変更することで、版面への該各種現像液の供給量を変化させて、現像後の、画像部膜べり、非画像部現像性を目視にて評価した。
【0150】
評価基準
(画像部膜べりの評価)
現像後の版の画像部を目視にて観察するとともに、画像部の濃度をグレタグD19C反射濃度計(グレタグマクベス社製)のシアンモードで測定した。未現像の平版印刷版原版の濃度を同様に測定し、画像部の濃度変化を評価した。
○:画像部に欠陥は認められず,画像濃度の低下も全く見られなかった。
△:画像部に欠陥は認められないが,画像部濃度が若干低下した。
×:画像部濃度が大幅に低下し、ムラが見られ画像部に欠陥した部分有り。
(非画像部の現像性の評価)
○:十分に現像され、非画像部上の画像形成層の残存は認められなかった。
△:非画像部上に画像形成層が若干残存していた。
×:現像不良が認められ、非画像部に画像形成層が残存していた。
結果を表2〜7に示す
【0151】
[アルカリ性現像液の調製]
以下の現像液は,上記感熱性ポジ型平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにてビーム強度4Wの範囲、ドラム回転速度150rpmでベタ画像を描き込んだ後、30℃、12秒間現像処理(版面への供給量1.0ml/sec・cm2)を行ったときに、露光部に残膜が観測されなくなるようにアルカリ剤の濃度(pH)を調整して作製した。
−アルカリ性現像液1〜5:シリケート系−
酸化ケイ素SiO2及び酸化カリウムK2Oの混合比SiO2/K2Oが1.1のケイ酸カリウム4.0%水溶液1リットルに、以下表1に示すように各種ポリアルキレングリコール鎖含有化合物を所定濃度で添加し、アルカリ剤としてKOHを添加してアルカリ性現像液1〜5を調製した。
−アルカリ性現像液6〜10:非シリケート−
非還元糖と塩基とを組み合わせたD−ソルビット/酸化カリウムK2Oよりなるカリウム塩5.0%水溶液1リットルに、以下表1に示すように各種ポリアルキレングリコール鎖含有化合物を所定濃度で添加し、アルカリ剤としてKOHを加えてアルカリ性現像液6〜10を調製した。
【0152】
【表1】
現像液に使用したポリアルキレングリコール鎖含有化合物
【0153】
【表2】
感熱性ポジ型平版印刷版原版1:画像部膜べり
【0154】
【表3】
感熱性ポジ型平版印刷版原版1:非画像部現像性
【0155】
【表4】
感熱性ポジ型平版印刷版原版2:画像部膜べり
【0156】
【表5】
感熱性ポジ型平版印刷版原版2:非画像部現像性
【0157】
【表6】
感熱性ポジ型平版印刷版原版3:画像部膜べり
【0158】
【表7】
感熱性ポジ型平版印刷版原版3:非画像部現像性
【0159】
【発明の効果】
本発明の製版方法によれば、感熱性ポジ型平版印刷版の現像処理において、特定の現像液を用いて該現像液の版面への供給量を所定の範囲とすることで、画像部にダメージがなく且つ非画像部の現像性に優れ、コントラストの大きいムラのない高鮮鋭な画像を形成することができる。特に、本発明の製版方法は、画像形成層が積層構造からなる、いわゆる重層型の感熱性ポジ型平版印刷版に採用した場合に、画像コントラストを鮮明にする効果が顕著である。本発明の製版方法は、重層型感材の中でも、上層にポリアルキレングリコール鎖含有化合物により溶解速度を減ずる効果が大きい樹脂を用い、下層にその効果が小さい樹脂を用いた感熱性ポジ型平版印刷版に用いた場合により効果が大きい。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a plate making method of a heat-sensitive lithographic printing plate suitable for so-called direct plate making, which can be directly made by infrared laser scanning based on a digital signal from a computer or the like.
[0002]
[Prior art]
The heat-sensitive positive lithographic printing plate provided with an image-forming layer containing an infrared absorbing dye and an alkali-soluble resin on the support increases the solubility of the irradiated portion in an alkaline developer by infrared laser irradiation. By utilizing this, an image can be formed on a support and used as a printing plate. However, it is difficult to form a sharp and clear image because the difference in the dissolution rate in the alkaline developer between the infrared exposed part (part that becomes a non-image part) and the unexposed part (part that becomes an image part) is small. Met.
In order to solve this problem, a technique has been proposed in which a development inhibitor having a function of reducing dissolution of the unexposed photosensitive layer is added to the developer (for example, see Patent Document 1). However, since the speed at which this development inhibitor acts and the dissolution rate by alkali are different, there is a problem that sufficient effects cannot be obtained when immersion development is performed.
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2001-174981 A
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a high-definition image forming method that is excellent in development latitude at the time of image formation and has no unevenness in plate making from a heat-sensitive positive lithographic printing plate.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above-mentioned problems, the present inventor, when developing with an alkaline developer containing a polyalkylene glycol chain-containing compound, by supplying the developer to the printing plate in a specific manner, The inventors have found that high-definition image formation can be achieved without unevenness, and have completed the present invention.
Accordingly, the present invention provides an alkaline developer containing a polyalkylene glycol chain-containing compound after image exposure of a heat-sensitive positive lithographic printing plate provided with an image-forming layer containing an infrared-absorbing dye and an alkali-soluble resin on a support. A process for making a lithographic printing plate comprising developing with a developer of 0.5 to 10 ml / sec · cm. 2 Is directed to a plate making method characterized by supplying uniformly to the plate surface.
[0006]
In the practice of the present invention, among the polyalkylene glycol chain-containing compounds, at least one selected from polyethylene glycol, polyethylene glycol alkyl ether, polyethylene glycol alkyl phenyl ether, pluronic-type nonionic surfactant, and tetronic-type nonionic surfactant is preferable. used.
As a preferred embodiment of the present invention, the developer is added in an amount of 0.5 to 7 ml / sec · cm. 2 To the plate surface, more preferably 1 to 5 ml / sec · cm 2 There is a mode of supplying to the printing plate. As an embodiment of the present invention, a heat-sensitive positive lithographic printing plate is conveyed while being immersed in a developer stored in a developer tank, and means for uniformly supplying the developer to the plate surface is a convection by a spray device or a circulation pump. There is an aspect which is.
The plate-making method of the present invention is also preferably used for a so-called multilayer heat-sensitive positive lithographic printing plate having an image-forming layer having a laminated structure among heat-sensitive positive lithographic printing plates. As an example of such a multi-layer type light-sensitive material, a lithographic printing plate support comprising a lower layer containing a water-insoluble and alkali-soluble resin, a water-insoluble and alkali-soluble resin and an infrared absorbing dye, and dissolved in an alkaline aqueous solution by heating There is a heat-sensitive positive lithographic printing plate obtained by sequentially laminating an upper heat-sensitive layer having increased properties.
[0007]
The polyalkylene glycol chain-containing compound contained in the developer used in the present invention has a function of decreasing the unexposed area dissolution rate. Therefore, the polyalkylene glycol chain-containing compound is larger in the upper layer than the multi-layer type photosensitive material in which the upper layer is provided with a heat-sensitive layer having a large solubility change during image formation and the lower layer is provided with a layer having high alkali solubility. Since it acts and hardly acts on the lower layer having high alkali solubility, the image contrast is increased, and further, the solubility of the lower layer is promoted by the stirring effect, so that the image contrast can be made clearer.
In the plate-making method of the present invention, among the multi-layer type photosensitive materials as described above, a heat sensitive resin using a resin having a large effect of reducing the dissolution rate by the polyalkylene glycol chain-containing compound in the upper layer and a resin having a small effect in the lower layer is used. It is suitably used for a positive positive type lithographic printing plate.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
First, an alkaline developer (hereinafter also simply referred to as a developer) used in the present invention will be described.
The developer used in the present invention is an alkaline aqueous solution, and can be appropriately selected from conventionally known alkaline aqueous solutions.
Examples of the alkaline aqueous solution include a developer comprising an alkali silicate or non-reducing sugar and a base, and those having a pH of 9.0 to 13.9 are particularly preferable.
The alkali silicate exhibits alkalinity when dissolved in water, and examples thereof include alkali metal silicates such as sodium silicate, potassium silicate and lithium silicate, and ammonium silicate.
The alkali silicate may be used alone or in combination of two or more.
[0009]
The alkaline aqueous solution is composed of silicon oxide SiO, which is a component of silicate. 2 And alkali oxide M 2 The developability can be easily adjusted by adjusting the mixing ratio and concentration with O (M represents an alkali metal or ammonium group).
Among the alkaline aqueous solutions, the silicon oxide SiO 2 And alkali oxide M 2 Mixing ratio with O (SiO 2 / M 2 O: molar ratio) of 0.5 to 3.0 is preferable, and 1.0 to 2.0 is more preferable.
SiO 2 / M 2 If O is less than 0.5, the alkali strength becomes stronger, which may cause a problem of etching a general-purpose aluminum plate or the like as a support for a lithographic printing plate precursor, exceeding 3.0. And developability may be reduced.
[0010]
Moreover, as a density | concentration of the alkali silicate in a developing solution, 1-10 mass% is preferable with respect to the mass of alkaline aqueous solution, 3-8 mass% is more preferable, and 4-7 mass% is the most preferable. If this concentration is less than 1% by mass, the developability and processing ability may be reduced. If it exceeds 10% by mass, precipitation and crystals are likely to occur, and gelation tends to occur during neutralization in the waste liquid. In some cases, waste liquid treatment may be hindered.
[0011]
In a developer comprising a non-reducing sugar and a base, the non-reducing sugar means a saccharide that has no free aldehyde group or ketone group and therefore has no reducing property, and is a trehalose-type oligosaccharide in which reducing groups are bonded to each other. Glycosides in which saccharide reducing groups and non-saccharides are combined, and sugar alcohols reduced by hydrogenation of saccharides. Any of these can be suitably used in the present invention.
Examples of trehalose type oligosaccharides include saccharose and trehalose, and examples of the glycoside include alkyl glycosides, phenol glycosides, and mustard oil glycosides.
Examples of the sugar alcohol include D, L-arabit, rebit, xylit, D, L-sorbit, D, L-mannit, D, L-exit, D, L-talit, zulsiit, allozulcit and the like. Furthermore, maltitol obtained by hydrogenation of a disaccharide, a reduced form (reduced water candy) obtained by hydrogenation of an oligosaccharide, and the like can also be suitably exemplified.
[0012]
Among the above, as the non-reducing sugar, sugar alcohol and saccharose are preferable, and among them, D-sorbite, saccharose, and reduced starch syrup are more preferable because they have a buffering action in an appropriate pH region.
These non-reducing sugars may be used singly or in combination of two or more. The proportion of the non-reducing sugar in the developer is preferably 0.1 to 30% by mass, and more preferably 1 to 20% by mass.
[0013]
In the alkali silicate or non-reducing sugar, an alkali agent as a base can be appropriately selected from conventionally known compounds and combined.
Examples of the alkali agent include sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, trisodium phosphate, tripotassium phosphate, triammonium phosphate, disodium phosphate, dipotassium phosphate, diammonium phosphate, carbonic acid. Inorganic alkaline agents such as sodium, potassium carbonate, ammonium carbonate, sodium bicarbonate, potassium bicarbonate, ammonium bicarbonate, sodium borate, potassium borate, ammonium borate, potassium citrate, tripotassium citrate, sodium citrate, etc. Is mentioned.
[0014]
Furthermore, monomethylamine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, triisopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, ethylene An organic alkali agent such as imine, ethylenediamine, pyridine and the like can also be suitably exemplified.
These alkaline agents may be used alone or in combination of two or more.
Of these, sodium hydroxide and potassium hydroxide are preferred. The reason is that the pH can be adjusted in a wide pH range by adjusting the amount added to the non-reducing sugar.
[0015]
The alkali developing solution for a photosensitive lithographic printing plate of the present invention contains a polyalkylene glycol chain-containing compound in the above alkaline aqueous solution. Examples of such a compound include those represented by the following formula (I).
[0016]
R 1 '-O- (R 2 '-O) n H (I)
Where R 1 ′ Represents a hydrogen atom, an optionally substituted alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, an alkenyl group, an optionally substituted aromatic hydrocarbon group having 6 to 15 carbon atoms, or a substituted group. A heteroaromatic cyclic group having 4 to 15 carbon atoms which may have a group (note that the substituent is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkenyl group, a halogen atom such as Br, Cl, or I, carbon Aromatic hydrocarbon group having 6 to 15 atoms, aralkyl group having 7 to 17 carbon atoms, alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, alkoxy-carbonyl group having 2 to 20 carbon atoms, 2 to 15 carbon atoms An acyl group of 2 ′ Is an alkylene group having 1 to 100 carbon atoms which may have a substituent (note that the substituent includes an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms and an aromatic hydrocarbon group having 6 to 15 carbon atoms). N represents an integer of 2 to 100.
[0017]
(R) in formula (I) 2 '-O) n As long as this part is the said range, 2 types or 3 types of groups may be sufficient. Specific examples include a combination of random or block combinations of ethyleneoxy and propyleneoxy, ethyleneoxy and isopropyloxy, ethyleneoxy and butyleneoxy, ethyleneoxy and isobutylene, and the like. .
[0018]
Specific examples of the compound of the above formula (I) include polyoxyethylene alkyl ethers, polyoxyethylene alkenyl ethers, polyoxyethylene phenyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ethers, polyoxyethylene naphthyl ether, polyoxyethylene alkyl Examples thereof include naphthyl ethers, polyoxyethylene anthranyl ether, polyoxyethylene alkyl anthranyl ether, polyethylene glycol or a derivative thereof, polypropylene glycol or a derivative thereof, and a pluronic-type nonionic surfactant.
[0019]
Further specific examples of the compound represented by the general formula (I) include poly (oxyethylene) octyl ether, poly (oxyethylene) lauryl ether, poly (oxyethylene) cetyl ether, poly (oxyethylene) stearyl ether, poly (Oxyethylene) octylphenyl ether, poly (oxyethylene) nonylphenyl ether, poly (oxyethylene) dodecylphenyl ether, poly (oxyethylene) phenyl ether, poly (oxyethylene) octylnaphthyl ether, poly (oxyethylene) nonylnaphthyl Ether, poly (oxyethylene) dodecyl naphthyl ether, poly (oxyethylene) naphthyl ether, poly (oxyethylene) octylanthranyl ether, poly (oxyethylene) nonylanthranyl ether Ether, poly (oxyethylene) dodecyl anthranyl ether, poly (oxyethylene) anthranyl ether and the like.
[0020]
The compound represented by the general formula (I) is generally available on the market. As an example of those commercially available products, R in the formula 1 As the aliphatic hydrocarbon group, there are those produced by Asahi Denka, Kao Soap, Sanyo Kasei, Shin Nippon Chemical, Daiichi Kogyo Seiyaku, Takemoto Yushi, Toho Chemical, Nippon Yushi. Where R 1 Examples of those having an aromatic hydrocarbon group include those manufactured by Kao Soap, Sanyo Kasei, Daiichi Kogyo Seiyaku, Takemoto Yushi, and Toho Chemical.
[0021]
Specific examples of the polyalkylene glycol chain-containing compound that can be used in the present invention include other polyhydric alcohol type ethylene oxide adducts, such as ethylene oxide adducts of polyhydric alcohols such as glycerin, pentaerythlit, and sorbit; amino alcohols For example, ethylene oxide adducts such as monoethanolamine, diethanolamine, and triethanolamine; and ethylene oxide adducts of sugars. Here, addition of ethylene oxide means a random combination of ethyleneoxy group and propyleneoxy group, ethyleneoxy group and isopropyloxy group, ethyleneoxy group and butyleneoxy group, ethyleneoxy group and isobutylene group, etc. Or the thing connected in the block form etc. is included.
[0022]
As a molecular weight of the said compound used by this invention, 50-10000 are preferable, 100-5000 are more preferable, 500-3500 are the most preferable.
If the molecular weight is less than 50, it may not be possible to obtain a dissolution inhibiting force for the image area, and if it exceeds 10,000, the developability of the non-image area may be deteriorated.
[0023]
Another example of the polyalkylene glycol chain-containing compound used in the present invention is an ethylene oxide propylene oxide condensate to an alkylene diamine, which is represented by the following general formula (II).
[0024]
(Wherein R 1 ~ R 8 May be the same or different and H or CH 3 R 9 ~ R 12 May be the same or different and H, CH 3 , COR 13 , CONHR 14 R 13 And R 14 Represents an alkyl group, an aryl group, an alkenyl group or an alkynyl group, a is an integer of 2 to 12, b, c, d, e, f, g, h and i may be the same or different, and 0 to An integer of 300 is indicated, and (b + f) (c + g) (d + h) (e + i) ≠ 0. )
These compounds are generally water soluble. Such a compound is also referred to as a tetronic nonionic surfactant.
Among the compounds represented by the general formula (II), particularly preferred are R 1 = R 2 = R 3 = R 4 = CH 3 , R 5 = R 6 = R 7 = R 8 = H, R 9 = R 10 = R 11 = R 12 = H or COR 13 , R 13 = Alkyl, ethylene oxide is contained in the total molecule in an amount of 40 to 80% by weight, the molecular weight range of propylene oxide is 2,000 to 5,000, and a is an integer of 2 to 6.
[0025]
In the general formula (II), R 13 And R 14 As the alkyl group represented by, for example, CH 3 -, CH 3 CH 2 -, CH 3 (CH 2 ) 2 -, CH 3 (CH 2 ) 3 -, CH 3 (CH 2 ) 4 -, (CH 3 ) 2 CH (CH 2 ) 2 -, CH 3 CH 2 CH (CH 3 ) -CH 2 -, CH 3 (CH 2 ) 2 CH (CH 3 )-, CH 3 (CH 2 ) 7 -, CH 3 (CH 2 ) 8 -, CH 3 (CH 2 ) 10 -, CH 3 (CH 2 ) 12 -, CH 3 (CH 2 ) 14 -, CH 3 (CH 2 ) 16 -, CH 3 (CH 2 ) 18 -, CH 3 (CH 2 ) 20 -, CH 3 (CH 2 ) 22 -, CH 3 (CH 2 ) 24 A linear or branched alkyl group having 1 to 25 carbon atoms such as-is preferred.
R 13 And R 14 Examples of the aryl group represented by
Phenyl,
[0026]
[0027]
A monocyclic or bicyclic aryl group such as those having a substituent with a linear or branched alkyl group is included.
R 13 And R 14 Examples of the alkenyl group or alkynyl group represented by
CH 2 = CH (CH 2 ) 7 -, CH 2 CH 2 CH = CH (CH 2 ) 7 −,
CH 3 (CH 2 ) 5 CH = CH-, CH 3 (CH 2 ) 7 CH = CH-
CH 3 (CH 2 ) 5 CH (OH) CH 2 CH 2 CH = CH (CH 2 ) 7 −,
CH 3 (CH 2 ) 10 CH = CH (CH 2 ) 4 −,
CH 3 (CH 2 ) 5 CH = CH (CH 2 ) 9 −,
CH 3 (CH 2 ) 4 CH = CHCH 2 CH = CH (CH 2 ) 7 −,
CH 3 CH 2 CH = CHCH 2 CH = CHCH 2 CH = CH (CH 2 ) 7 −,
CH 3 (CH 2 ) 3 (CH = CH) 3 (CH 2 ) 7 −,
CH 3 (CH 2 ) 8 (CH = CH) 3 (CH 2 ) 4 CO (CH 2 ) 2 −,
CH 3 (CH 2 ) 7 C≡C (CH 2 ) 7 −,
CH 3 (CH 2 ) 9 CH = CH (CH 2 ) 7 And those having 9 to 24 carbon atoms such as-.
Examples of these water-soluble compounds include compounds described in the product catalog of the trade name Tetronic of Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.
[0028]
In the developer used in the present invention, the above polyalkylene glycol chain-containing compounds can be used alone or in combination of two or more.
Among these, polyethylene glycol, polyethylene glycol alkyl ether, polyethylene glycol alkyl phenyl ether and ethylene oxide propylene oxide condensate, so-called pluronic-type nonionic surfactant, and ethylene oxide propylene oxide condensation to alkylene diamine can be particularly preferably used. A so-called tetronic nonionic surfactant.
The addition amount of the polyalkylene glycol chain-containing compound in the developer used in the present invention is suitably 0.001 to 10.0% by mass and preferably 0.01 to 5.0% by mass in the developer. Furthermore, 0.1-1.0 mass% is the most preferable. If the amount added is less than 0.001% by mass, the solubility of the formed image area may not be sufficiently suppressed. There is.
[0029]
The following additives can be added to the developer for the purpose of further improving the development performance.
For example, chelating agents such as EDTA and NTA described in JP-A-58-190952 and [Co (NH 3 ) 6 ] Cl 3 CoCl 2 ・ 6H 2 A complex such as O, a nonionic surfactant such as tetramethyldecynediol described in U.S. Pat. No. 4,374,920, and p-dimethylaminomethylpolystyrene described in JP-A-55-95946. Cationic polymers such as quaternary compounds of methyl chloride, amphoteric polymer electrolytes such as a copolymer of vinylbenzyltrimethylammonium chloride and sodium acrylate described in JP-A-56-142528, JP-A-57-192951 Reductive inorganic salts such as sodium sulfite described in the publication, organometallic surfactants containing organic Si, Ti, etc. disclosed in JP-A-59-75255, and organic boron described in JP-A-59-84241 Compounds, quaternary ammonia such as tetraalkylammonium oxide described in EP101010 Umm salts and the like.
Further, the surface tension of the developer is preferably 65 dyne / cm or less, and more preferably 60 dyne / cm or less. The surface tension of the developer can be measured, for example, by the vibration jet method, and there is an automatic / dynamic surface tension meter JET type as a measuring instrument.
[0030]
In the development treatment with the developer in the present invention, the developer is added in an amount of 0.5 to 10 ml / sec · cm. 2 In the range of 0.5 to 7 ml / sec · cm, preferably 2 More preferably, in the range of 1 to 5 ml / sec · cm 2 In such a range, the sheet is uniformly supplied to the printing plate. Developer supply amount is 0.5ml / sec · cm 2 If the ratio is less than 1, the effect of the polyalkylene glycol chain-containing compound in the developer is not observed, and sufficient image contrast cannot be obtained. 10ml / sec · cm 2 If it exceeds 1, development unevenness may occur, and depending on the type of the polyalkylene glycol chain-containing compound contained in the developer, there is a problem that foaming increases.
[0031]
The plate making method of the present invention can be carried out using an automatic developing machine for printing plate materials widely used for rationalizing and standardizing plate making work in the plate making / printing industry. This automatic developing machine generally consists of a developing unit and a post-processing unit, and includes an apparatus for transporting the printing plate, each processing liquid tank and a spray device, and each processing pumped up by a pump while transporting the exposed printing plate horizontally. There are some which develop by spraying the liquid from a spray nozzle. A method is also known in which a printing plate is dipped and conveyed by a guide roll in liquid in a processing liquid tank filled with the processing liquid.
In addition, when the printing plate is immersed and developed, a pump for circulating the liquid in the processing liquid tank may be used. By circulating the processing solution, the developing solution can be supplied uniformly to the plate surface.
[0032]
Typically as an embodiment of the present invention, a heat-sensitive positive lithographic printing plate is conveyed while being immersed in a developer stored in a developer tank, and uniform supply of the developer to the plate surface is performed by a spray means or a circulation pump. Done by convection.
If the automatic processor used in the present invention has a spray facility for supplying the developer to the photosensitive layer of the heat-sensitive lithographic printing plate by spraying, or has a pump for circulating the liquid in the processing liquid tank, Either is acceptable.
For example, an automatic developing machine disclosed in JP-A-5-188601 can be used. In such an apparatus, the developer is generally discharged uniformly from the spray pipe along the width direction of the heat-sensitive lithographic printing plate.
The supply amount of the developer defined in the present invention to the plate surface can be achieved by adjusting the conveyance speed of the automatic developing machine and the discharge amount of the spray. When a circulation pump is used, the supply amount of the developer to the printing plate can be achieved by adjusting the conveyance speed of the automatic developing machine and the discharge amount of the circulation pump.
The position where the spray pipe is provided in the automatic developing machine can be appropriately selected depending on the length of the conveyance path of the heat-sensitive lithographic printing plate by the conveying means in the developing tank. In a typical embodiment, the position of the heat-sensitive lithographic printing plate is the developer. The developer is sprayed 2 to 6 seconds after the immersion starts. In the case of an automatic developing machine having a developing brush, the position of the spray pipe may be either before or after the brush.
[0033]
In general, an automatic developing machine can perform processing while replenishing each processing solution such as a developing solution with a replenisher according to a processing amount, an operation time, and the like. In this case, a large amount of image forming material can be processed without replacing the developer in the developer tank for a long time by adding an aqueous solution having higher alkali strength than the developer as a replenisher to the developer. Also in the plate making method of the present invention, it is a preferable aspect to adopt this replenishment method.
[0034]
To the developer and developer replenisher, various surfactants, organic solvents, etc. may be added as necessary for the purpose of promoting or suppressing developability, enhancing development residue dispersion, and improving the ink affinity of the printing plate image area. You can also. As the organic solvent, benzyl alcohol and the like are preferable.
Further, if necessary, hydroquinone, resorcin, sulfurous acid or an inorganic salt-based reducing agent such as sodium or potassium salt of bisulfite, organic carboxylic acid, antifoaming agent, and water softener can be added.
The plate-making method of the present invention can be applied to so-called disposable processing type development in which processing is performed with a substantially unused development processing solution in addition to the above-described development method.
[0035]
The lithographic printing plate developed using the above developer is post-treated with a rinse solution containing washing water, a surfactant, etc., or a desensitizing solution (gum solution) containing gum arabic or a starch derivative. . This post-treatment can be performed by various combinations of these known treatment liquids.
[0036]
The thermosensitive positive planographic printing plate and its components are described below.
The lithographic printing plate precursor to which the plate making method of the present invention is applied is a heat-sensitive positive lithographic printing plate in which an image forming layer containing an infrared absorbing dye and an alkali-soluble resin is provided on a support.
The image forming layer of the heat-sensitive positive lithographic printing plate to which the present invention is applied may be a single layer or a laminated structure (multilayer type), that is, at a position close to the surface (exposed surface). It may consist of an upper heat-sensitive layer containing an alkali-soluble resin and an infrared absorbing dye provided, and a lower layer containing an alkali-soluble resin provided on the side close to the support.
As an example of such a multi-layer type light-sensitive material, a lithographic printing plate support comprising a lower layer containing a water-insoluble and alkali-soluble resin, a water-insoluble and alkali-soluble resin and an infrared absorbing dye, and dissolved in an alkaline aqueous solution by heating There is a heat-sensitive positive lithographic printing plate obtained by sequentially laminating an upper heat-sensitive layer having increased properties. As an example of the multilayer type light-sensitive material, one disclosed in JP-A-11-218914 can be mentioned.
[0037]
[Alkali-soluble resin]
The alkali-soluble resin used in the present invention is a water-insoluble and alkali-water-soluble polymer compound (hereinafter, appropriately referred to as alkali-soluble polymer), and is acidic to the main chain and / or side chain in the polymer. It includes homopolymers containing groups, copolymers thereof or mixtures thereof. Therefore, the image forming layer according to the present invention has a property of dissolving when contacted with an alkaline developer.
[0038]
The alkali-soluble polymer used here is not particularly limited as long as it is a conventionally known polymer, but any functional group of (1) a phenolic hydroxyl group, (2) a sulfonamide group, and (3) an active imide group. It is preferable that it is a high molecular compound which has in a molecule | numerator.
For example, the following are exemplified, but not limited thereto.
[0039]
(1) Examples of the alkali-soluble polymer compound having a phenolic hydroxyl group include phenol formaldehyde resin, m-cresol formaldehyde resin, p-cresol formaldehyde resin, m- / p-mixed cresol formaldehyde resin, phenol / cresol (m- , P-, or m- / p-mixed), novolak resins such as mixed formaldehyde resins, and pyrogallol acetone resins. In addition to this, as the alkali-soluble polymer compound having a phenolic hydroxyl group, a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain is preferably used. As a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain, a polymerizable monomer comprising a low molecular compound having at least one unsaturated bond polymerizable with the phenolic hydroxyl group is homopolymerized, or other polymerizable property is added to the monomer. Examples thereof include a polymer compound obtained by copolymerizing monomers.
[0040]
Examples of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group used for obtaining a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain include acrylamide, methacrylamide, acrylate ester, methacrylate ester, or hydroxystyrene having a phenolic hydroxyl group. Can be mentioned. Specifically, N- (2-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (3-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (2-hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (3 -Hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide, o-hydroxyphenyl acrylate, m-hydroxyphenyl acrylate, p-hydroxyphenyl acrylate, o-hydroxyphenyl methacrylate, m-hydroxyphenyl methacrylate, p- Hydroxyphenyl methacrylate, o-hydroxystyrene, m-hydroxystyrene, p-hydroxystyrene, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) Preferred are ethyl acrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, and the like. Can be used.
[0041]
Such resins having a phenolic hydroxyl group may be used in combination of two or more. Furthermore, as described in U.S. Pat. No. 4,123,279, phenol and formaldehyde having an alkyl group having 3 to 8 carbon atoms as a substituent, such as t-butylphenol formaldehyde resin and octylphenol formaldehyde resin. A polycondensation polymer may be used in combination.
[0042]
(2) Examples of the alkali-soluble polymer compound having a sulfonamide group include a polymer compound obtained by homopolymerizing a polymerizable monomer having a sulfonamide group or copolymerizing the monomer with another polymerizable monomer. . Examples of the polymerizable monomer having a sulfonamide group include a sulfonamide group —NH—SO in which at least one hydrogen atom is bonded to a nitrogen atom in one molecule. 2 And a polymerizable monomer comprising a low molecular compound having at least one polymerizable unsaturated bond. Among them, a low molecular compound having an acryloyl group, an allyl group, or a vinyloxy group, and a substituted or monosubstituted aminosulfonyl group or a substituted sulfonylimino group is preferable.
[0043]
(3) The alkali-soluble polymer compound having an active imide group is preferably one having an active imide group in the molecule. As the polymer compound, an unsaturated bond polymerizable with an active imide group is contained in one molecule, respectively. Examples thereof include a polymer compound obtained by homopolymerizing a polymerizable monomer composed of one or more low-molecular compounds or by copolymerizing the monomer with another polymerizable monomer.
As such a compound, specifically, N- (p-toluenesulfonyl) methacrylamide, N- (p-toluenesulfonyl) acrylamide and the like can be preferably used.
[0044]
Furthermore, in addition to the above, a polymer compound obtained by polymerizing any two or more of the polymerizable monomer having a phenol group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, and the polymerizable monomer having an active imide group, or Also preferred are polymer compounds obtained by further copolymerizing other polymerizable monomers with these two or more polymerizable monomers.
Compounding ratio in the case of copolymerizing the polymerizable monomer (M1) having a sulfonamide group and / or the polymerizable monomer (M3) having an active imide group with the polymerizable monomer (M1) having a phenol group (M1: M2 and (Or M3; mass ratio) is preferably 50:50 to 5:95, and more preferably 40:60 to 10:90.
[0045]
When the alkali-soluble polymer compound is a copolymer composed of a monomer constituent unit having any one selected from the acidic groups (1) to (3) and a constituent unit of another polymerizable monomer, The copolymer preferably contains 10 mol% or more, more preferably 20 mol% or more of a monomer structural unit having any one selected from the acidic groups (1) to (3).
When the content of the monomer constituent unit is less than 10 mol%, sufficient alkali solubility may not be obtained, and the development latitude may be narrowed.
As a method for synthesizing the copolymer, conventionally known graft copolymerization method, block copolymerization method, random copolymerization method and the like can be used.
[0046]
Examples of the monomer component to be copolymerized with the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, or the polymerizable monomer having an active imide group include the compounds listed in the following (m1) to (m12). However, the present invention is not limited to these.
(M1) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxyl group such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate.
(M2) Alkyl acrylates such as methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, and glycidyl acrylate.
(M3) Alkyl methacrylates such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate and glycidyl methacrylate.
(M4) Acrylamide, methacrylamide, N-methylol acrylamide, N-ethyl acrylamide, N-hexyl methacrylamide, N-cyclohexyl acrylamide, N-hydroxyethyl acrylamide, N-phenyl acrylamide, N-nitrophenyl acrylamide, N-ethyl- Acrylamide or methacrylamide such as N-phenylacrylamide.
[0047]
(M5) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(M6) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
(M7) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, chloromethylstyrene.
(M8) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(M9) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene and isoprene.
(M10) N-vinylpyrrolidone, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
(M11) Unsaturated imides such as maleimide, N-acryloylacrylamide, N-acetylmethacrylamide, N-propionylmethacrylamide, N- (p-chlorobenzoyl) methacrylamide.
(M12) Unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic anhydride and itaconic acid.
[0048]
In the present invention, when the alkali-soluble polymer is a homopolymer or copolymer of a polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, a polymerizable monomer having a sulfonamide group, or a polymerizable monomer having an active imide group, the weight average Those having a molecular weight of 2,000 or more and a number average molecular weight of 500 or more are preferred. More preferably, the weight average molecular weight is 5,000 to 300,000, the number average molecular weight is 800 to 250,000, and the dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is 1.1 to 10. .
In the present invention, when the alkali-soluble polymer is a resin such as phenol formaldehyde resin or cresol aldehyde resin, the weight average molecular weight is 500 to 20,000 and the number average molecular weight is 200 to 10,000. preferable.
[0049]
Further, an alkali-soluble polymer compound having a carboxyl group (hereinafter also referred to as “component (B1)”) may be used in combination as the alkali-soluble polymer. The compound may be any alkali-soluble polymer compound having a carboxyl group, but polymer compounds (b1-1) and (b1-2) defined below are preferred.
(B1-1) An alkali-soluble polymer compound having a polymerizable monomer unit represented by the following general formula (III) (hereinafter also referred to as polymer compound (b1-1))
(In the formula, Xm represents a single bond or a divalent linking group, Y represents hydrogen or a carboxyl group, and Z represents hydrogen, an alkyl group or a carboxyl group.)
As a monomer constituting the polymerizable monomer unit represented by the general formula (III), there is a polymerizable monomer having at least one carboxyl group and one polymerizable unsaturated group in the molecule.
Specific examples of such polymerizable monomers include α, β-unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, maleic anhydride, itaconic acid and itaconic anhydride.
[0050]
Examples of the monomer to be copolymerized with the polymerizable monomer having a carboxyl group include, but are not limited to, the following (1) to (11).
(1) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxyl group such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate.
(2) Methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, glycidyl acrylate, N-dimethylaminoethyl Alkyl acrylates such as acrylates;
(3) Methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate, glycidyl methacrylate, N-dimethylaminoethyl Alkyl methacrylate such as methacrylate.
[0051]
(4) Acrylamide, methacrylamide, N-methylolacrylamide, N-ethylacrylamide, N-hexylmethacrylamide, N-cyclohexylacrylamide, N-hydroxyethylacrylamide, N-phenylacrylamide, N-nitrophenylacrylamide, N- Acrylamide or methacrylamide such as ethyl-N-phenylacrylamide.
(5) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(6) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
(7) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, and chloromethylstyrene.
[0052]
(8) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(9) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene and isoprene.
(10) N-vinylpyrrolidone, N-vinylcarbazole, 4-vinylpyridine, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
(11) Unsaturated imides such as maleimide, N-acryloylacrylamide, N-acetylmethacrylamide, N-propionylmethacrylamide, N- (p-chlorobenzoyl) methacrylamide.
[0053]
Moreover, the monomer of the following general formula (IV) is also preferably used.
Wherein X is O, S, or N—R 12 Represents. R 10 ~ R 12 Each independently represents a hydrogen atom or an alkyl group. m, n and o each independently represents an integer of 2 to 5; m H 2m , C n H 2n , C o H 2o Each may be a straight chain or a branched structure. p, q, and r each independently represent an integer of 0 to 3,000, and p + q + r ≧ 2.
[0054]
R 10 ~ R 12 As the alkyl group, those having 1 to 12 carbon atoms are preferable, and specific examples include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, and an isopropyl group. p, q, and r preferably represent an integer of 0 to 500, and more preferably represent an integer of 0 to 100.
Although the example of the monomer corresponding to the repeating unit represented by the said general formula (IV) is given below, it is not this limitation.
[0055]
[Chemical 1]
[0056]
[Chemical 2]
[0057]
The repeating unit represented by the general formula (IV) is a commercially available hydroxypoly (oxyalkylene) material, for example, the product name Pluronic (Pluronic (Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.)), Adeka Polyether (Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.). ), Carbowax (Carbowax (Glyco Product)), Triton (Toriton (Rohm and Haas (Rohm and Haas)), and PE (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) Can be produced by reacting the product with acrylic acid, methacrylic acid, acrylic chloride, methacrylic chloride or acrylic acid anhydride in a known manner.
Separately, poly (oxyalkylene) diacrylate produced by a known method can also be used.
[0058]
As a commercially available monomer, Blemmer PE-90, Blemmer PE-200, Blemmer PE-350, Blemmer AE-90, Blemmer AE-200, Blemmer as a hydroxyl group-terminated polyalkylene glycol mono (meth) acrylate manufactured by NOF Corporation. AE-400, Blemmer PP-1000, Blemmer PP-500, Blemmer PP-800, Blemmer AP-150, Blemmer AP-400, Blemmer AP-550, Blemmer AP-800, Blemmer 50 PEP-300, Blemmer 70PEP-350B, Blemmer AEP series, Blemmer 55PET-400, Blemmer 30PET-800, Blemmer 55PET-800, Blemmer AET series, Blemmer 30PPT-800, Blemmer 5 PPT-800, Blemmer 70PPT-800, Blemmer APT series, Brenmer 10PPB-500B, and the like Brenmer 10APB-500B. Similarly, Blemmer PME-100, Blemmer PME-200, Blemmer PME-400, Blemmer PME-1000, Blemmer PME-4000, Blemmer AME-400, Blemmer as alkyl-terminated polyalkylene glycol mono (meth) acrylates manufactured by NOF Corporation. 50POEP-800B, Blemmer 50AOEP-800B, Blemmer PLE-200, Blemmer ALE-200, Blemmer ALE-800, Blemmer PSE-400, Blemmer PSE-1300, Blemmer ASE series, Blemmer PKEP series, Blemmer AKEP series, Blemmer AE-300 , Blemmer ANE-1300, Blemmer PNEP series, Blemmer PNPE series, Blemmer 43ANE -500, BLEMMER 70ANEP-550, etc., and Kyoeisha Chemical Co., Ltd. light ester MC, light ester 130MA, light ester 041MA, light acrylate BO-A, light acrylate EC-A, light acrylate MTG-A, light acrylate 130A, light Examples thereof include acrylate DPM-A, light acrylate P-200A, light acrylate NP-4EA, and light acrylate NP-8EA.
[0059]
The minimum constitutional unit having a polymerizable monomer component having at least one carboxyl group and at least one polymerizable unsaturated group in the polymer compound (b1-1) is not necessarily limited to one kind, and is the same. It is also possible to use a copolymer obtained by copolymerizing two or more kinds of minimum structural units having the above acidic group or two or more kinds of minimum structural units having different acidic groups.
As the copolymerization method, conventionally known graft copolymerization, block copolymerization, random copolymerization, and the like can be used.
[0060]
(B1-2) A reaction product of a diol compound represented by the following general formula (V), (VI) or (VII) having a carboxyl group and a diisocyanate compound represented by the following general formula (X) as a basic skeleton And an alkali-soluble polymer compound having a carboxyl group (hereinafter, also referred to as polymer compound (b1-2)).
[0061]
R 13 Is an alkyl, alkenyl, aralkyl, aryl, alkoxy, aryloxy group which may have a hydrogen atom and a substituent (eg, alkyl, aryl, alkoxy, ester, urethane, amide, ureido, halogeno groups are preferred). Preferably a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkenyl group having 2 to 8 carbon atoms, or an aryl group having 6 to 15 carbon atoms.
R 14 , R 15 , R 16 Each may be the same or different, may be a single bond, a divalent aliphatic group which may have a substituent (for example, alkyl, alkenyl, aralkyl, aryl, alkoxy and halogeno groups are preferred) or Indicates aromatic hydrocarbon. Preferably an alkylene group having 1 to 20 carbon atoms, an arylene group having 6 to 15 carbon atoms, more preferably an alkylene group having 1 to 8 carbon atoms is shown.
If necessary, R 14 , R 15 , R 16 It may have another functional group that does not react with the isocyanate group, for example, an ester group, a urethane group, an amide group, a ureido group, or a carbon-carbon unsaturated bond. R 13 , R 14 , R 15 , R 16 2 or 3 of them may form a ring.
Ar represents a trivalent aromatic hydrocarbon which may have a substituent, and preferably an aromatic group having 6 to 15 carbon atoms.
[0062]
OCN-R 18 -NCO (X)
Where R 18 Represents a divalent aliphatic or aromatic hydrocarbon which may have a substituent (for example, alkyl, alkenyl, aralkyl, aryl, alkoxy and halogeno groups are preferred). R if necessary 18 It may have other functional groups that do not react with isocyanate groups, such as esters, urethanes, amides, ureido groups, and carbon-carbon unsaturated bonds.
[0063]
Specific examples of the diol compound having a carboxyl group represented by the general formula (V), (VI) or (VII) include those shown below.
3,5-dihydroxybenzoic acid, 2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid, 2,2-bis (2-hydroxyethyl) propionic acid, 2,2-bis (3-hydroxypropyl) propionic acid, Bis (hydroxymethyl) acetic acid, bis (4-hydroxyphenyl) acetic acid, 4,4-bis (4-hydroxyphenyl) pentanoic acid, tartaric acid, N, N-bis (2-hydroxyethyl) -3-carboxy-propionamide Etc.
[0064]
The alkali-soluble polymer compound having a carboxyl group (b1-2) is preferably a reaction product in which a diol represented by the following general formula (VIII) or (IX) is combined.
Where R 17 Each represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, and n represents an integer of 2 or more. R 17 Examples of the alkyl group having 1 to 8 carbon atoms include a methyl group, an ethyl group, an i-propyl group, an n-butyl group, and an i-butyl group.
Specific examples of the diol represented by the general formula (VIII) or (IX) are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0065]
Specific example of (VIII)
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 3 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 4 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 5 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 6 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 7 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 8 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 10 -H
HO-(-CH 2 CH 2 O-) 12 -H
Polyethylene glycol (average molecular weight 1000)
Polyethylene glycol (average molecular weight 2000)
Polyethylene glycol (average molecular weight 4000)
HO-(-CH 2 CH (CH 3 ) O-) 3 -H
HO-(-CH 2 CH (CH 3 ) O-) 4 -H
HO-(-CH 2 CH (CH 3 ) O-) 6 -H
Polypropylene glycol (average molecular weight 1000)
Polypropylene glycol (average molecular weight 2000)
Polypropylene glycol (average molecular weight 4000)
[0066]
Specific example of (IX)
HO-(-CH 2 CH 2 CH 2 O-) 3 -H
HO-(-CH 2 CH 2 CH 2 O-) 4 -H
HO-(-CH 2 CH 2 CH 2 O-) 8 -H
HO-(-CH 2 CH 2 CH (CH 3 ) O-) 12 -H
[0067]
Specific examples of the diisocyanate compound represented by the general formula (X) include those shown below.
That is, 2,4-tolylene diisocyanate, dimer of 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, p-xylylene diisocyanate, m-xylylene diisocyanate, 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, Aromatic diisocyanate compounds such as 1,5-naphthalene diisocyanate and 3,3′-dimethylbiphenyl-4,4′-diisocyanate; aliphatic diisocyanates such as hexamethylene diisocyanate, trimethylhexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate and dimer diisocyanate Compound, isophorone diisocyanate, 4,4′-methylenebis (cyclohexyl isocyanate), methylcyclohexane-2,4 (or 2,6) -diisocyanate, 1 An aliphatic diisocyanate compound such as 1,3- (isocyanatomethyl) cyclohexane; a diisocyanate compound which is a reaction product of a diol and diisocyanate such as an adduct of 1 mol of 1,3-butylene glycol and 2 mol of tolylene diisocyanate, and the like. Can be mentioned.
[0068]
The molar ratio of the diisocyanate and the diol compound used for the synthesis of the polymer compound (b1-2) is preferably 0.8: 1 to 1.2-1, and when an isocyanate group remains at the polymer terminal, alcohols or By treating with amines or the like, it is finally synthesized in a form in which no isocyanate group remains.
[0069]
As the component (B1), one type may be used alone from the above polymer compounds (b1-1) and (b1-2), or two or more types may be used in combination.
The content of the repeating unit having a carboxyl group contained in the component (B1) is 2 mol% or more based on the total amount of each monomer of the component (B1), preferably 2 to 70 mol%. Yes, more preferably in the range of 5 to 60 mol%.
The preferred weight average molecular weight of the component (B1) is preferably 3000 to 300,000, more preferably 6,000 to 100,000.
[0070]
The content of the alkali-soluble resin in the image forming layer is suitably from 30 to 99% by mass, preferably from 40 to 95% by mass, more preferably from 50 to 90% by mass, based on the total solid content of the image forming layer. %. A content in this range is appropriate from the viewpoint of durability and sensitivity.
When the component (B1) is included, it is in the range of 0.005 to 80% by mass, preferably in the range of 0.01 to 50% by mass, and more preferably, relative to the total solid mass of the image forming layer. It is the range of 1-20 mass%.
[0071]
When the image forming layer has a laminated structure, the upper thermosensitive layer can be used in combination of one or more of the alkali-soluble polymers described above. Particularly in the upper heat-sensitive layer, a resin having a phenolic hydroxyl group is desirable in that strong hydrogen bonding occurs in the unexposed area, and some hydrogen bonds are easily released in the exposed area, and more preferably a novolak resin. It is.
As the alkali-soluble polymer used in the lower layer, the above-described alkali-soluble polymers can be used alone or in combination of two or more. In particular, for the lower layer, it is preferable to use a resin that does not exhibit a development inhibiting effect due to the polyalkylene glycol chain-containing compound. For example, other than novolac resin, acrylic resin is particularly preferable. Further, those having sulfoamide groups are particularly preferred as the acrylic resin, and such resins may be used alone or in combination of two or more.
The lower layer may be substantially composed of an alkali-soluble polymer.
[0072]
The alkali-soluble polymer compound in the upper thermosensitive layer is used in an addition amount of 50 to 90% by mass. When the addition amount of the alkali-soluble polymer is less than 50% by mass, the durability of the heat-sensitive layer is deteriorated, and when it exceeds 90% by mass, it is not preferable in terms of both sensitivity and durability. Moreover, the mixing ratio of two types of alkali-soluble polymer compounds having different dissolution rates with respect to the alkaline aqueous solution is arbitrary. Preferably, among the alkali-soluble polymer compounds, the alkali-soluble polymer compound having a phenolic hydroxyl group that causes strong hydrogen bondability in the unexposed area and easily releases some hydrogen bonds in the exposed area is 60 to 99.99. Used at 8% by weight. When the content of the alkali-soluble polymer compound having a phenolic hydroxyl group is 60% or less, the image formability is lowered.
[0073]
[Infrared absorbing dye]
In the present invention, the infrared absorbing dye used for the image forming layer is not particularly limited as long as it absorbs infrared light and generates heat, and various dyes known as infrared absorbing dyes can be used.
[0074]
As the infrared absorbing dye according to the present invention, commercially available dyes and known dyes described in literature (for example, “Dye Handbook” edited by the Society of Synthetic Organic Chemistry, published in 1970) can be used. Specific examples include azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, and cyanine dyes.
In the present invention, among these dyes, those that absorb infrared light or near infrared light are particularly preferred because they are suitable for use in lasers that emit infrared light or near infrared light.
[0075]
Examples of dyes that absorb such infrared light or near infrared light include, for example, JP-A-58-125246, JP-A-59-84356, JP-A-59-202829, and JP-A-60-78787. Methine dyes described in JP-A-58-173696, JP-A-58-181690, JP-A-58-194595, etc., JP-A-58-112793, Naphthoquinone dyes described in JP-A-58-224793, JP-A-59-48187, JP-A-59-73996, JP-A-60-52940, JP-A-60-63744, etc. Examples thereof include squarylium dyes described in 58-112792 and cyanine dyes described in British Patent 434,875.
[0076]
Further, near-infrared absorption sensitizers described in US Pat. No. 5,156,938 are also preferably used as dyes, and substituted arylbenzo (thio) pyrylium described in US Pat. No. 3,881,924. Salts, trimethine thiapyrylium salts described in JP-A-57-142645 (US Pat. No. 4,327,169), JP-A-58-181051, 58-220143, 59-41363, 59 -84248, 59-84249, 59-146063, 59-146061, pyrylium compounds described in JP-A-59-216146, cyanine dyes, U.S. Pat. No. 4,283,475 The pentamethine thiopyrylium salt described in No. 5 and the pyrylium compound disclosed in Japanese Patent Publication Nos. 5-13514 and 5-19702 Commercially available products, Eporin Co. Epolight III-178, Epolight III-130, Epolight III-125 and the like are particularly preferably used.
Another particularly preferable example of the dye is a near-infrared absorbing dye described as formulas (I) and (II) in US Pat. No. 4,756,993.
[0077]
As content of the infrared rays absorption dye in an image forming layer, 0.01-50 mass% is preferable with respect to the total solid content mass of an image forming layer, 0.1-30 mass% is more preferable, Furthermore, 0.5- 10 mass% is preferable.
When the content is less than 0.01% by mass, the sensitivity may be lowered, and when it exceeds 50% by mass, the uniformity of the image forming layer may be lowered and the durability thereof may be deteriorated. The infrared absorbing dye may be added to the same layer as the other components, or a separate layer may be provided and added thereto.
[0078]
When the image forming layer has a laminated structure, these infrared absorbing dyes can be added not only to the upper heat-sensitive layer but also to the lower layer. By adding an infrared absorbing dye to the lower layer, the lower layer can also function as a heat-sensitive layer. When an infrared absorbing dye is added to the lower layer, the same materials as those in the upper heat-sensitive layer may be used, or different materials may be used.
Further, these infrared absorbing dyes may be added to the same layer as other components, or another layer may be provided and added thereto. When it is set as another layer, it is desirable to add to the layer adjacent to the heat-sensitive layer. The dye and the alkali-soluble resin are preferably contained in the same layer, but may be in different layers.
As the addition amount, in the case of the upper heat-sensitive layer, it is 0.01 to 50% by mass, preferably 0.1 to 30% by mass, particularly preferably 1.0 to 30% by mass, based on the total solid content of the printing plate material. It can be added to the printing plate material. When the added amount of the dye is less than 0.01% by mass, the sensitivity is lowered, and when it exceeds 50% by mass, the uniformity of the upper thermosensitive layer is lost and the durability of the upper thermosensitive layer is deteriorated.
[0079]
In the case of the lower layer, it can be added to the printing plate material in a proportion of 0 to 20% by mass, preferably 0 to 10% by mass, particularly preferably 0 to 5% by mass with respect to the total solid content of the lower layer. When the infrared absorbing dye is added to the lower layer, the solubility of the lower layer is lowered, but by adding the infrared absorbing dye, the solubility of the lower layer can be expected to be improved by heat during exposure. However, in the region of 0.2 to 0.3 μm in the vicinity of the support, solubility improvement due to heat does not occur at the time of exposure, and the lowering of the solubility of the lower layer due to the addition of an infrared absorbing dye causes a decrease in sensitivity. Therefore, even in the range of the addition amount shown above, an addition amount in which the dissolution rate of the lower layer is less than 30 nm is not preferable.
[0080]
[Other additives]
In forming the image forming layer, in addition to the above essential components, various additives can be further added as necessary as long as the effects of the present invention are not impaired.
When the image forming layer has a laminated structure, the additive may be contained only in the lower layer, may be contained only in the upper heat-sensitive layer, or may be contained in both layers.
Below, the example of an additive is given and demonstrated.
[0081]
-Solubility inhibiting compound-
The heat-sensitive lithographic printing plate can contain various inhibitors in the image forming layer for the purpose of enhancing its inhibition (solubility inhibition).
Although it does not specifically limit as this inhibitor, A quaternary ammonium salt, a polyethyleneglycol type compound, etc. are mentioned.
[0082]
Although it does not specifically limit as a quaternary ammonium salt, A tetraalkyl ammonium salt, a trialkyl aryl ammonium salt, a dialkyl diaryl ammonium salt, an alkyl triaryl ammonium salt, a tetraaryl ammonium salt, a cyclic ammonium salt, and a bicyclic ammonium salt are mentioned. .
Specifically, tetrabutylammonium bromide, tetrapentylammonium bromide, tetrahexylammonium bromide, tetraoctylammonium bromide, tetralaurylammonium bromide, tetraphenylammonium bromide, tetranaphthylammonium bromide, tetrabutylammonium chloride, tetrabutylammonium iodide , Tetrastearyl ammonium bromide, lauryl trimethyl ammonium bromide, stearyl trimethyl ammonium bromide, behenyl trimethyl ammonium bromide, lauryl triethyl ammonium bromide, phenyl trimethyl ammonium bromide, 3-trifluoromethylphenyl trimethyl ammonium bromide, benzyl trimethyl ammonium bromide De, dibenzyl dimethyl ammonium bromide, Soo
Examples include tealyldimethylammonium bromide, tristearylmethylammonium bromide, benzyltriethylammonium bromide, hydroxyphenyltrimethylammonium bromide, and N-methylpyridinium bromide. In particular, quaternary ammonium salts described in Japanese Patent Application Nos. 2001-226297, 2001-370059, and 2001-398047 are preferable.
[0083]
The addition amount of the quaternary ammonium salt is preferably 0.1 to 50% by mass, more preferably 1 to 30% by mass, based on the total solid content of the image forming layer. . If it is less than 0.1% by mass, the solubility inhibiting effect is decreased, which is not preferable. Moreover, when adding exceeding 50 mass%, the film forming property of a binder may be adversely affected.
[0084]
Although it does not specifically limit as a polyethyleneglycol compound, The thing of the following structure is mentioned.
R 1 -{-O- (R 3 -O-) m-R 2 } N
[0085]
(R 1 Is a polyhydric alcohol residue or polyhydric phenol residue, R 2 Is a hydrogen atom, an alkyl group, alkenyl group, alkynyl group, alkyloyl group, aryl group or aryloyl group which may have a C1-25 substituent, R 3 Represents an alkylene residue which may have a substituent. m is an integer of 10 or more on average, and n is an integer of 1 to 4. )
[0086]
Examples of polyethylene glycol compounds having the above structure include polyethylene glycols, polypropylene glycols, polyethylene glycol alkyl ethers, polypropylene glycol alkyl ethers, polyethylene glycol aryl ethers, polypropylene glycol aryl ethers, polyethylene glycol alkyl aryl ethers, Polypropylene glycol alkyl aryl ethers, polyethylene glycol glycerol esters, polypropylene glycol glycerol esters, polyethylene sorbitol esters, polypropylene glycol sorbitol esters, polyethylene glycol fatty acid esters, polypropylene glycol fatty acid esters, polyethylene glycolated ethylene Amines, polypropylene glycolated ethylenediamines, polyethylene glycolated diethylenetriamine, and polypropylene glycol diethylenetriamines.
[0087]
Specific examples thereof include polyethylene glycol 1000, polyethylene glycol 2000, polyethylene glycol 4000, polyethylene glycol 10000, polyethylene glycol 20000, polyethylene glycol 5000, polyethylene glycol 100000, polyethylene glycol 200000, polyethylene glycol 500000, polypropylene glycol 1500, polypropylene glycol. 3000, polypropylene glycol 4000, polyethylene glycol methyl ether, polyethylene glycol ethyl ether, polyethylene glycol phenyl ether, polyethylene glycol dimethyl ether, polyethylene glycol diethyl ether, polyethylene glycol diphenyl ether Polyethylene glycol lauryl ether, polyethylene glycol dilauryl ether, polyethylene glycol nonyl ether, polyethylene glycol cetyl ether, polyethylene glycol stearyl ether, polyethylene glycol distearyl ether, polyethylene glycol behenyl ether, polyethylene glycol dibehenyl ether, polypropylene glycol methyl ether, polypropylene glycol Ethyl ether, polypropylene glycol phenyl ether, polypropylene glycol dimethyl ether, polypropylene glycol diethyl ether, polypropylene glycol diphenyl ether, polypropylene glycol lauryl ether, polypropylene glycol dilauryl ether, polyethylene glycol Propylene glycol nonyl ether, polyethylene glycol acetyl ester, polyethylene glycol diacetyl ester, polyethylene glycol benzoate ester, polyethylene glycol lauryl ester, polyethylene glycol dilauryl ester, polyethylene glycol nonyl acid ester, polyethylene glycol cetylate ester, polyethylene glycol stearoyl ester, polyethylene Glycol distearoyl ester, polyethylene glycol behenate ester, polyethylene glycol dibehenate ester, polypropylene glycol acetyl ester, polypropylene glycol diacetyl ester, polypropylene glycol benzoate ester, polypropylene glycol dibenzoate ester, Ripropylene glycol laurate, polypropylene glycol dilaurate, polypropylene glycol nonyl ester, polyethylene glycol glycerol ether, polypropylene glycol glycerol ether, polyethylene glycol sorbitol ether, polypropylene glycol sorbitol ether, polyethylene glycolated ethylenediamine, polypropylene glycolated ethylenediamine, Examples include polyethylene glycolated diethylenetriamine, polypropylene glycolated diethylenetriamine, and polyethylene glycolated pentamethylenehexamine.
[0088]
The addition amount of the polyethylene glycol-based compound is preferably 0.1 to 50% by mass, more preferably 1 to 30% by mass, based on the total solid mass of the image forming layer. If it is less than 0.1% by mass, the solubility-inhibiting effect is small, which is not preferable. When an amount exceeding 50% by mass is added, a polyethylene glycol compound that cannot interact with the binder accelerates the penetration of the developer and may adversely affect image forming properties.
[0089]
Further, when the above-described measures for improving the inhibition (solubility inhibition) are performed, the sensitivity is lowered. In this case, it is effective to add a lactone compound. This lactone compound is considered to be that when the developer penetrates into the exposed area, the developer and the lactone compound react to generate a new carboxylic acid compound, contributing to dissolution of the exposed area and improving sensitivity.
Although it does not specifically limit as a lactone compound, The compound represented with the following general formula (LI) and general formula (L-II) is mentioned.
[0090]
[Chemical 3]
[0091]
[Formula 4]
[0092]
In general formula (LI) and general formula (L-II), X 1 , X 2 , X 3 And X 4 Are constituent atoms or atomic groups of the ring, which may be the same or different, each independently having a substituent, and X in the general formula (LI) 1 , X 2 And X 3 And at least one of X in general formula (L-II) 1 , X 2 , X 3 And X 4 At least one of these has an electron-withdrawing substituent or a substituent substituted with an electron-withdrawing group.
X 1 , X 2 , X 3 And X 4 The ring-constituting atom or atomic group is a nonmetallic atom having two single bonds for forming a ring or an atomic group containing the nonmetallic atom.
A preferred nonmetallic atom or nonmetallic atomic group is an atom or atomic group selected from a methylene group, a sulfinyl group, a carbonyl group, a thiocarbonyl group, a sulfonyl group, a sulfur atom, an oxygen atom, and a selenium atom, and more preferably, It is an atomic group selected from a methylene group, a carbonyl group and a sulfonyl group.
[0093]
X in the general formula (LI) 1 , X 2 And X 3 Or at least one of the general formula (L-II) 1 , X 2 , X 3 And X 4 At least one of them has an electron-withdrawing group. In the present specification, an electron-withdrawing substituent refers to a group in which Hammett's substituent constant σp takes a positive value. For Hammett's substituent constants, see Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol. 16, no. 11, 1207-1216 etc. can be referred to. Examples of electron-withdrawing groups in which Hammett's substituent constant σp takes a positive valence include halogen atoms (fluorine atoms (σp value: 0.06), chlorine atoms (σp value: 0.23), bromine atoms (σp value). : 0.23), iodine atom (σp value: 0.18)), trihaloalkyl group (tribromomethyl (σp value: 0.29), trichloromethyl (σp value: 0.33), trifluoromethyl (σp) Value: 0.54)), cyano group (σp value: 0.66), nitro group (σp value: 0.78), aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group (for example, methanesulfonyl (σp value: 0. 72)), aliphatic / aryl or heterocyclic acyl groups (for example, acetyl (σp value: 0.50), benzoyl (σp value: 0.43)), alkynyl groups (for example, C≡CH (σp value: 0)) .23)), Aliphatic Ali Or a heterocyclic oxycarbonyl group (for example, methoxycarbonyl (σp value: 0.45), phenoxycarbonyl (σp value: 0.44)), carbamoyl group (σp value: 0.36), sulfamoyl group (σp value: 0.57), sulfoxide groups, heterocyclic groups, oxo groups, phosphoryl groups and the like.
[0094]
Preferred electron withdrawing groups are amide groups, azo groups, nitro groups, fluoroalkyl groups having 1 to 5 carbon atoms, nitrile groups, alkoxycarbonyl groups having 1 to 5 carbon atoms, acyl groups having 1 to 5 carbon atoms, and carbon numbers. An alkylsulfonyl group having 1 to 9 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 9 carbon atoms, an alkylsulfinyl group having 1 to 9 carbon atoms, an arylsulfinyl group having 6 to 9 carbon atoms, an arylcarbonyl group having 6 to 9 carbon atoms, and thiocarbonyl A group selected from a group, a fluorine-containing alkyl group having 1 to 9 carbon atoms, a fluorine-containing aryl group having 6 to 9 carbon atoms, a fluorine-containing allyl group having 3 to 9 carbon atoms, an oxo group, and a halogen element.
More preferably, a nitro group, a fluoroalkyl group having 1 to 5 carbon atoms, a nitrile group, an alkoxycarbonyl group having 1 to 5 carbon atoms, an acyl group having 1 to 5 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 9 carbon atoms, carbon It is a group selected from an arylcarbonyl group of formulas 9 to 9, an oxo group and a halogen element.
Specific examples of the compounds represented by formulas (LI) and (L-II) are shown below, but the present invention is not limited to these compounds.
[0095]
[Chemical formula 5]
[0096]
[Chemical 6]
[0097]
The addition amount of the compounds represented by the general formula (LI) and the general formula (L-II) is preferably 0.1 to 50% by mass in terms of the solid content with respect to the total solid mass of the image forming layer. Is more preferably 1 to 30% by mass. If it is less than 0.1% by mass, the effect is small, and if it is added in excess of 50% by mass, the image formability is inferior. In addition, since this compound reacts with a developing solution, it is desirable to contact a developing solution selectively.
These lactone compounds may be used alone or in combination. Two or more compounds of the general formula (LI) or two or more compounds of the general formula (L-II) may be used in combination at an arbitrary ratio within the above range.
[0098]
In addition, a substance that is thermally decomposable, such as an onium salt, an o-quinonediazide compound, an aromatic sulfone compound, and an aromatic sulfonic acid ester compound, and that substantially reduces the solubility of the alkaline water-soluble polymer compound without being decomposed. Use in combination is preferable in terms of improving the dissolution inhibition of the image area in the developer. Examples of onium salts include diazonium salts, ammonium salts, phosphonium salts, iodonium salts, sulfonium salts, selenonium salts, and arsonium salts.
[0099]
Preferred examples of the onium salt used in the present invention include S.I. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng. , 18, 387 (1974), T .; S. Balet al, Polymer, 21, 423 (1980), diazonium salts described in JP-A-5-158230, US Pat. Nos. 4,069,055, 4,069,056, JP-A-3-140140 Ammonium salts described in Japanese Patent Publication No. C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468 (1984), C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988), U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056; V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988), European Patent No. 104,143, U.S. Pat. Nos. 339,049, 410,201, JP-A-2-150848, JP-A-2-296514, J . V. Crivello et al, Polymer J. et al. 17, 73 (1985), J. Am. V. Crivello et al. J. et al. Org. Chem. , 43, 3055 (1978), W.M. R. Watt et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 22, 1789 (1984), J. Am. V. Crivello et al, Polymer Bull. , 14, 279 (1985), J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 14 (5), 1141 (1981), J. MoI. V. Crivello et al, J. MoI. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 17, 2877 (1979), European Patent Nos. 370,693, 233,567, 297,443, 297,442, US Pat. Nos. 4,933,377, 3,902,114 Nos. 410, 201, 339, 049, 4, 760, 013, 4, 734, 444, 2, 833, 827, German Patent No. 2,904, 626, Sulfonium salts described in JP-A-3,604,580 and JP-A-3,604,581; V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), J. MoI. V. Crivello et al, J. MoI. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 17, 1047 (1979), C.I. S. Wen et al, Theh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988).
Of the onium salts, diazonium salts are particularly preferred. Particularly suitable diazonium salts include those described in JP-A-5-158230.
[0100]
The counter ion of the onium salt includes tetrafluoroboric acid, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, 5-nitro-o-toluenesulfonic acid, 5-sulfosalicylic acid, 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, 2-nitrobenzenesulfonic acid, 3-chlorobenzenesulfonic acid, 3-bromobenzenesulfonic acid, 2-fluorocaprylnaphthalenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, 1-naphthol-5-sulfone Examples include acid, 2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoyl-benzenesulfonic acid, and paratoluenesulfonic acid. Of these, particularly preferred are alkyl aromatic sulfonic acids such as hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid and 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid.
[0101]
Suitable quinonediazides include o-quinonediazide compounds. The o-quinonediazide compound used in the present invention is a compound having at least one o-quinonediazide group, which increases alkali solubility by thermal decomposition, and compounds having various structures can be used. That is, o-quinonediazide assists the solubility of the sensitive material system by both the effect of losing the inhibition of dissolution of the binder by thermal decomposition and the change of o-quinonediazide itself into an alkali-soluble substance. Examples of the o-quinonediazide compound used in the present invention include J. The compounds described in pages 339-352 of “Light-Sensitive Systems” (John Wiley & Sons. Inc.) by Korser can be used, and in particular, o reacted with various aromatic polyhydroxy compounds or aromatic amino compounds. -Sulfonic acid esters or sulfonic acid amides of quinonediazides are preferred. Further, benzoquinone (1,2) -diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin as described in JP-B-43-28403 Esters of benzoquinone- (1,2-diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5 described in US Pat. Nos. 3,046,120 and 3,188,210. Esters of sulfonic acid chloride and phenol-formaldehyde resin are also preferably used.
[0102]
Further, an ester of naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and phenol formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin Similarly, the esters are also preferably used. Other useful o-quinonediazide compounds are reported and known in numerous patents. For example, JP-A-47-5303, JP-A-48-63802, JP-A-48-63803, JP-A-48-96575, JP-A-49-38701, JP-A-48-13354, Japanese Patent Publication Nos. 41-11222, 45-9610, 49-17474, U.S. Pat. Nos. 2,797,213, 3,454,400, 3,544,323, 3,573,917, 3,674,495, 3,785,825, British Patents 1,227,602, 1,251,345, 1,267, No. 005, No. 1,329,888, No. 1,330,932, German Patent No. 854,890, and the like.
[0103]
The addition amount of the o-quinonediazide compound is preferably in the range of 1 to 50% by mass, more preferably 5 to 30% by mass, and particularly preferably 10 to 30% by mass with respect to the total solid mass of the image forming layer. These compounds can be used alone, but may be used as a mixture of several kinds.
[0104]
Further, for the purpose of enhancing the dissolution inhibiting property on the surface of the image forming layer and enhancing the resistance to scratches on the surface, the perfluoro having 3 to 20 carbon atoms in the molecule as described in JP-A No. 2000-187318. It is preferable to use a polymer having a polymerization component of a (meth) acrylate monomer having 2 or 3 alkyl groups.
As addition amount, the ratio for which it occupies in the material of a layer is 0.1-10 mass%, More preferably, it is 0.5-5 mass%.
[0105]
-Development accelerator-
For the purpose of further improving sensitivity, acid anhydrides, phenols and organic acids can be used in combination.
As the acid anhydrides, cyclic acid anhydrides are preferable. Specific examples of the cyclic acid anhydrides include phthalic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, and hexahydrophthalic anhydride described in US Pat. No. 4,115,128. Acid, 3,6-endooxy-tetrahydrophthalic anhydride, tetrachlorophthalic anhydride, maleic anhydride, chloromaleic anhydride, α-phenylmaleic anhydride, succinic anhydride, pyromellitic anhydride and the like can be used. Examples of the non-cyclic acid anhydride include acetic anhydride. Examples of phenols include bisphenol A, 2,2′-bishydroxysulfone, p-nitrophenol, p-ethoxyphenol, 2,4,4′-trihydroxybenzophenone, 2,3,4-trihydroxybenzophenone, 4- Hydroxybenzophenone, 4,4 ', 4 "-trihydroxytriphenylmethane, 4,4', 3", 4 "-tetrahydroxy-3,5,3 ', 5'-tetramethyltriphenylmethane .
[0106]
Furthermore, examples of organic acids include sulfonic acids, sulfinic acids, alkyl sulfates, phosphonic acids, phosphate esters, and carboxylic acids described in JP-A-60-88942 and JP-A-2-96755. Specifically, p-toluenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, p-toluenesulfinic acid, ethyl sulfate, phenylphosphonic acid, phenylphosphinic acid, phenyl phosphate, diphenyl phosphate, benzoic acid, isophthalic acid, Examples include adipic acid, p-toluic acid, 3,4-dimethoxybenzoic acid, phthalic acid, terephthalic acid, 4-cyclohexene-1,2-dicarboxylic acid, erucic acid, lauric acid, n-undecanoic acid, ascorbic acid and the like. .
The proportion of the acid anhydride, phenols and organic acids in the image forming layer is preferably 0.05 to 20% by mass, more preferably 0.1 to 15% by mass, and particularly preferably 0.1 to 10%. % By mass.
[0107]
-Surfactant-
In order to improve the coatability of the image forming layer and to expand the stability of the processing with respect to the development conditions, non-disclosures such as those described in JP-A-62-251740 and JP-A-3-208514 are described. Ionic surfactants, amphoteric surfactants as described in JP-A-59-121044, JP-A-4-13149, siloxane compounds as described in EP950517, JP-A-62 A fluorine-containing monomer copolymer as described in JP-A No. -170950, JP-A No. 11-288093 and Japanese Patent Application No. 2001-247351 can be added.
Specific examples of the nonionic surfactant include sorbitan tristearate, sorbitan monopalmitate, sorbitan trioleate, stearic acid monoglyceride, polyoxyethylene nonylphenyl ether and the like. Specific examples of amphoteric surfactants include alkyldi (aminoethyl) glycine, alkylpolyaminoethylglycine hydrochloride, 2-alkyl-N-carboxyethyl-N-hydroxyethylimidazolinium betaine, and N-tetradecyl-N, N- Examples include betaine type (for example, trade name “Amorgen K” manufactured by Daiichi Kogyo Co., Ltd.).
[0108]
The siloxane compound is preferably a block copolymer of dimethylsiloxane and polyalkylene oxide. Specific examples include DBE-224, DBE-621, DBE-712, DBP-732, DBP-534, manufactured by Chisso Corporation. And polyalkylene oxide-modified silicones such as Tego Glide 100 manufactured by Tego, Germany.
The proportion of the nonionic surfactant and amphoteric surfactant in the image forming layer is preferably 0.01 to 15% by mass, more preferably 0.1 to 5% by mass, and still more preferably 0.05 to 0%. 0.5% by mass.
[0109]
[Bake-out agent / colorant]
In the image forming layer of the heat-sensitive lithographic printing plate used in the present invention, a printing-out agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, or a dye or pigment as an image colorant can be added.
A representative example of the printing-out agent is a combination of a compound that releases an acid by heating by exposure (photoacid releasing agent) and an organic dye that can form a salt. Specifically, combinations of o-naphthoquinonediazide-4-sulfonic acid halides and salt-forming organic dyes described in JP-A-50-36209 and JP-A-53-8128, 36223, 54-74728, 60-3626, 61-143748, 61-151644, and 63-58440, and trihalomethyl compounds and salt-forming organic dyes Can be mentioned. Such trihalomethyl compounds include oxazole-based compounds and triazine-based compounds, both of which have excellent temporal stability and give clear printout images.
[0110]
As the image colorant, other dyes can be used in addition to the above-mentioned salt-forming organic dyes. Examples of suitable dyes including salt-forming organic dyes include oil-soluble dyes and basic dyes. Specifically, Oil Yellow # 101, Oil Yellow # 103, Oil Pink # 312, Oil Green BG, Oil Blue BOS, Oil Blue # 603, Oil Black BY, Oil Black BS, Oil Black T-505 (above Orient Chemical Industry) Co., Ltd.), Victoria Pure Blue, Crystal Violet Lactone, Crystal Violet (CI42555), Methyl Violet (CI42535), Ethyl Violet, Rhodamine B (CI145170B), Malachite Green (CI42000), Methylene Blue (CI522015), and the like. it can. The dyes described in JP-A-62-293247 are particularly preferred. These dyes can be added in a proportion of 0.01 to 10% by mass, preferably 0.1 to 3% by mass, based on the total solid content of the image forming layer.
[0111]
[Plasticizer]
Furthermore, a plasticizer is added to the image forming layer of the heat-sensitive lithographic printing plate used in the present invention, if necessary, in order to impart flexibility of the coating film. For example, butylphthalyl, polyethylene glycol, tributyl citrate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, dihexyl phthalate, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, tributyl phosphate, trioctyl phosphate, tetrahydrofurfuryl oleate, acrylic acid or methacrylic acid These oligomers and polymers are used.
[0112]
[Wax agent]
Moreover, the image forming layer of the heat-sensitive lithographic printing plate may be added with a compound that lowers the surface static friction coefficient for the purpose of imparting resistance to scratches. Specifically, long-chain alkyl as used in US Pat. No. 6,117,913, Japanese Patent Application No. 2001-261627, Japanese Patent Application No. 2002-032904, and Japanese Patent Application No. 2002-165854. The compound etc. which have ester of carboxylic acid can be mentioned.
The addition amount is preferably 0.1 to 10% by mass, more preferably 0.5 to 5% by mass in the material forming the image forming layer.
[0113]
The image-forming layer of a heat-sensitive lithographic printing plate can be formed by dissolving the above components in a solvent and applying the solution on a suitable support.
Solvents used here include ethylene dichloride, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, methanol, ethanol, propanol, ethylene glycol monomethyl ether, 1-methoxy-2-propanol, 2-methoxyethyl acetate, 1-methoxy-2-propyl acetate, dimethoxy Examples include ethane, methyl lactate, ethyl lactate, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethylformamide, tetramethylurea, N-methylpyrrolidone, dimethyl sulfoxide, sulfolane, γ-butyrolactone, and toluene. It is not limited. These solvents are used alone or in combination.
[0114]
When the image forming layer has a laminated structure, as a solvent used for coating, in principle, a solvent having different solubility for the alkali-soluble polymer used for the upper thermosensitive layer and the alkali-soluble polymer used for the lower layer may be selected. Although it is preferable, it is also possible to actively carry out partial compatibility in order to impart a new function.
As a method for forming the two layers separately, for example, a method using the difference in solvent solubility between the copolymer contained in the lower layer and the alkali-soluble resin contained in the upper heat-sensitive layer, or coating the upper heat-sensitive layer Then, a method of rapidly drying and removing the solvent can be used. Hereinafter, although these methods are explained in full detail, the method of apply | coating two layers separately is not limited to these.
[0115]
The method using the difference in solvent solubility between the copolymer contained in the lower layer and the alkaline aqueous solution-soluble resin contained in the upper heat-sensitive layer is obtained by applying the specific copolymer contained in the lower layer when applying the alkaline aqueous solution-soluble resin and Any of the copolymers used in combination with this use a solvent system insoluble. Thereby, even if it carries out 2 layer application | coating, it becomes possible to isolate | separate each layer clearly and to make a coating film. For example, a copolymer containing a specific monomer constituting a lower layer component insoluble in a solvent that dissolves an alkaline aqueous solution such as methyl ethyl ketone or 1-methoxy-2-propanol is selected as the copolymer component, and the lower layer component is constituted. The lower layer mainly composed of the copolymer is applied and dried using a solvent system that dissolves the copolymer, and then the upper thermosensitive layer mainly composed of the aqueous alkali-soluble resin is coated with the lower layer such as methyl ethyl ketone or 1-methoxy-2-propanol. Two layers can be formed by application using a solvent that does not dissolve the components.
[0116]
On the other hand, the method of drying the solvent very quickly after the second layer is applied is that high-pressure air is blown from a slit nozzle installed almost perpendicular to the running direction of the web, or a heating medium such as steam is supplied inside. This can be achieved by applying thermal energy as conduction heat from the lower surface of the web from a heated roll (heating roll) or by combining them.
As a method of partially compatibility between the two layers at a level where the effects of the present invention are sufficiently exerted, a method using the above-mentioned difference in solvent solubility, and drying the solvent very quickly after the second layer is applied In any method, it is possible by adjusting the degree.
[0117]
The coating solution applied to the support for forming the image forming layer is used by dissolving these components in a suitable solvent. The concentration of the above components (total solid content including additives) in the solvent is preferably 1 to 50% by mass. Various methods can be used as the coating method, and examples thereof include bar coater coating, spin coating, spray coating, curtain coating, dip coating, air knife coating, blade coating, and roll coating.
When the image forming layer has a laminated structure, it is desirable that the upper thermal layer coating method is a non-contact type in order to prevent damage to the lower layer when the upper thermal layer is applied. Although it is a contact type, it is possible to use bar coater coating as a method generally used for solvent-based coating, but it is desirable to apply by forward driving in order to prevent damage to the lower layer.
[0118]
The dry coating amount (solid content) of the image forming layer provided by applying and drying on the support is generally 0.5 to 5.0 g / m. 2 It is.
When the image forming layer has a laminated structure, the lower layer is 0.5 to 4.0 g / m. 2 Preferably, it is in the range of 0.6 to 2.5 g / m. 2 Range. 0.5g / m 2 If it is less than the range, printing durability will be reduced, and 4.0 g / m. 2 Exceeding this is not preferable because the image reproducibility deteriorates and the sensitivity decreases. The upper thermosensitive layer is 0.05 g / m 2 ~ 1.0 g / m 2 Is preferably in the range of 0.08 to 0.7 g / m. 2 Range. 0.05g / m 2 If it is less than 1.0 g / m, the development latitude and scratch resistance will be reduced. 2 Exceeding this is not preferable because the sensitivity decreases. The coating amount of the upper and lower layers is 0.6 g / m. 2 ~ 4.0 g / m 2 Is preferably in the range of 0.7 to 2.5 g / m. 2 Range. 0.6 g / m 2 If it is less than the range, printing durability will be reduced, and 4.0 g / m. 2 Exceeding this is not preferable because the image reproducibility deteriorates and the sensitivity decreases.
[0119]
[Support]
Examples of the hydrophilic support used in the heat-sensitive lithographic printing plate include a dimensionally stable plate having the required strength and durability. For example, paper, plastic (for example, polyethylene, polypropylene, Paper laminated with polystyrene, etc.), metal plate (eg, aluminum, zinc, copper, etc.), plastic film (eg, cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose propionate, cellulose butyrate, cellulose acetate butyrate, cellulose nitrate, polyethylene) Terephthalate, polyethylene, polystyrene, polypropylene, polycarbonate, polyvinyl acetal, etc.), paper laminated with a metal as described above, or vapor-deposited paper, or plastic film.
[0120]
As the support, a polyester film or an aluminum plate is preferable. Among them, an aluminum plate that has good dimensional stability and is relatively inexpensive is particularly preferable. A suitable aluminum plate is a pure aluminum plate or an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements, and may be a plastic film on which aluminum is laminated or vapor-deposited. Examples of foreign elements contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, and titanium. The content of foreign elements in the alloy is at most 10% by mass.
[0121]
A particularly suitable aluminum is pure aluminum, but completely pure aluminum is difficult to produce in terms of refining technology, and therefore may contain slightly different elements. Thus, the composition of the aluminum plate is not specified, and an aluminum plate made of a publicly known material can be appropriately used. The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and particularly preferably 0.2 mm to 0.3 mm.
[0122]
Prior to roughening the aluminum plate, a degreasing treatment with, for example, a surfactant, an organic solvent, or an alkaline aqueous solution for removing rolling oil on the surface is performed as desired. The surface roughening treatment of the aluminum plate is performed by various methods. For example, a method of mechanically roughening, a method of electrochemically dissolving and roughening a surface, and a method of selectively dissolving a surface chemically. This is done by the method of As the mechanical method, a known method such as a ball polishing method, a brush polishing method, a blast polishing method, or a buff polishing method can be used. Further, as an electrochemical surface roughening method, there is a method of performing alternating current or direct current in hydrochloric acid or nitric acid electrolyte. Further, as disclosed in JP-A-54-63902, a method in which both are combined can also be used.
The roughened aluminum plate is subjected to an alkali etching treatment and neutralization treatment as necessary, and then subjected to an anodization treatment to enhance the water retention and wear resistance of the surface as desired. As the electrolyte used for the anodizing treatment of the aluminum plate, various electrolytes that form a porous oxide film can be used. In general, sulfuric acid, phosphoric acid, oxalic acid, chromic acid, or a mixed acid thereof is used. The concentration of these electrolytes is appropriately determined depending on the type of electrolyte.
[0123]
The treatment conditions for anodization vary depending on the electrolyte used, and thus cannot be specified in general. In general, however, the electrolyte concentration is 1 to 80% by weight solution, the liquid temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 5 to 60 A / dm. 2 A voltage of 1 to 100 V and an electrolysis time of 10 seconds to 5 minutes are suitable. The amount of anodized film is 1.0 g / m 2 If it is less, the printing durability is insufficient, or the non-image part of the lithographic printing plate is easily scratched, and so-called “scratch stains” in which ink adheres to the scratched part during printing tend to occur. After the anodizing treatment, the aluminum surface is subjected to a hydrophilic treatment if necessary. Examples of the hydrophilic treatment include alkali metal silicates as disclosed in US Pat. Nos. 2,714,066, 3,181,461, 3,280,734 and 3,902,734. (For example, sodium silicate aqueous solution) method. In this method, the support is immersed in an aqueous sodium silicate solution or electrolytically treated. In addition, it is disclosed in potassium fluoride zirconate disclosed in Japanese Patent Publication No. 36-22063 and US Pat. Nos. 3,276,868, 4,153,461, and 4,689,272. A method of treating with polyvinylphosphonic acid is used.
[0124]
The heat-sensitive positive lithographic printing plate used in the present invention is one in which at least an image forming layer is provided on a support, and the image forming layer may be a single layer or two layers of a positive heat-sensitive layer and a lower layer. However, if necessary, an undercoat layer can be provided between the support and the image forming layer or the lower layer.
Various organic compounds are used as the primer layer component. For example, phosphonic acids having an amino group such as carboxymethylcellulose, dextrin, gum arabic, 2-aminoethylphosphonic acid, and phenylphosphonic acid which may have a substituent Organic phosphonic acids such as naphthyl phosphonic acid, alkyl phosphonic acid, glycero phosphonic acid, methylene diphosphonic acid and ethylene diphosphonic acid, phenyl phosphoric acid, naphthyl phosphoric acid, alkyl phosphoric acid and glycerophosphoric acid which may have a substituent Organic phosphoric acid, optionally substituted phenylphosphinic acid, naphthylphosphinic acid, alkylphosphinic acid, glycerophosphinic acid and other organic phosphinic acids, glycine and β-alanine amino acids, and triethanolamine hydrochloric acid Has a hydroxy group such as salt -Alanine, and hydrochlorides of amines that may be used in combination of two or more.
[0125]
This organic undercoat layer can be provided by the following method. That is, a method in which water or an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof is dissolved and applied on an aluminum plate and dried, and water, methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, etc. In this method, an aluminum plate is immersed in a solution obtained by dissolving the organic compound in an organic solvent or a mixed solvent thereof to adsorb the compound, and then washed with water and dried to provide an organic undercoat layer. . In the former method, a solution having a concentration of 0.005 to 10% by weight of the organic compound can be applied by various methods. In the latter method, the concentration of the solution is 0.01 to 20% by weight, preferably 0.05 to 5% by weight, the immersion temperature is 20 to 90 ° C., preferably 25 to 50 ° C., and the immersion time is 0.1 second to 20 minutes, preferably 2 seconds to 1 minute. The solution used for this can be adjusted to a pH range of 1 to 12 with basic substances such as ammonia, triethylamine, potassium hydroxide, and acidic substances such as hydrochloric acid and phosphoric acid. A yellow dye can also be added to improve the tone reproducibility of the image forming layer.
The coverage of the organic undercoat layer is 2 to 200 mg / m 2 Is suitable, preferably 5 to 100 mg / m 2 It is. The above coating amount is 2 mg / m 2 If it is less, sufficient printing durability cannot be obtained. 200 mg / m 2 It is the same even if it is larger.
[0126]
The heat-sensitive positive type lithographic printing plate prepared as described above is exposed imagewise, and then developed with an alkaline developer as described in detail above.
Examples of the active light source used for image exposure include a mercury lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, a chemical lamp, and a carbon arc lamp. Examples of radiation include electron beams, X-rays, ion beams, and far infrared rays. Also, g-line, i-line, deep-UV light, and high-density energy beam (laser beam) are used. Examples of the laser beam include a helium / neon laser, an argon laser, a krypton laser, a helium / cadmium laser, and a KrF excimer laser. In the present invention, a light source having a light emission wavelength from the near infrared region to the infrared region is preferable, and a solid laser or a semiconductor laser is particularly preferable.
[0127]
The plate developed with the above alkaline developer is then subjected to washing and / or rinsing and / or gumming, etc., and an image portion unnecessary for a lithographic printing plate (for example, film edge mark of an original film) ), Unnecessary image portions are erased. Such erasing is preferably performed by applying an erasing solution as described in, for example, Japanese Patent Publication No. 2-13293 to an unnecessary image portion, leaving it for a predetermined time, and then washing with water. As described in JP-A-59-174842, a method of developing after irradiating an unnecessary image portion with an actinic ray guided by an optical fiber can also be used.
[0128]
The lithographic printing plate obtained by the plate making method of the present invention as described above can be subjected to a printing process after applying a desensitized gum if desired, but a lithographic printing plate having a further higher printing durability and If so, a burning process is performed. In the case of burning a lithographic printing plate, before burning, an adjustment as described in JP-B-61-2518, JP-A-55-28062, JP-A-62-31859, JP-A-61-159655 is used. It is preferable to treat with a surface liquid.
As its method, with a sponge or absorbent cotton soaked with the surface-adjusting liquid, it is applied onto a lithographic printing plate, or a method in which the printing plate is immersed and applied in a vat filled with the surface-adjusting liquid, Application by an automatic coater is applied. Further, it is more preferable to make the coating amount uniform with a squeegee or a squeegee roller after coating.
[0129]
The coating amount of the surface conditioning liquid is generally 0.03 to 0.8 g / m. 2 (Dry weight) is appropriate. The lithographic printing plate coated with the surface-adjusting solution is dried if necessary, and then heated to a high temperature with a burning processor (for example, burning processor “BP-1300” sold by Fuji Photo Film Co., Ltd.). The In this case, the heating temperature and time are in the range of 180 to 300 ° C. and preferably in the range of 1 to 20 minutes, although depending on the type of components forming the image.
[0130]
The lithographic printing plate subjected to the burning treatment can be subjected to conventional treatments such as washing and gumming as needed, but a surface-conditioning solution containing a water-soluble polymer compound is used. In such a case, so-called desensitizing treatment such as gumming can be omitted. The lithographic printing plate obtained by such processing is applied to an offset printing machine or the like and used for printing a large number of sheets.
[0131]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated according to an Example, the scope of the present invention is not limited to these Examples.
[0132]
[Preparation of heat-sensitive positive lithographic printing plate]
(Thermosensitive positive planographic printing plate precursor 1)
A 0.3 mm thick aluminum plate (material 1050) was washed with trichlorethylene and degreased, and then a nylon brush and 400 mesh pumice-water suspension were used to make the surface grainy and washed thoroughly with water.
After washing, this aluminum plate was etched by immersing it in a 25% aqueous sodium hydroxide solution at 45 ° C. for 9 seconds, washed with water, further immersed in a 20% nitric acid aqueous solution for 20 seconds, and washed again with water. The etching amount of the grained surface at this time is about 3 g / m. 2 Met.
[0133]
Next, the aluminum plate was treated with 7% sulfuric acid as an electrolyte, and the current density was 15 A / dm. 2 3 g / m for direct current 2 After the anodic oxide coating was provided, it was washed with water and dried.
This was treated with a 2.5% aqueous solution of sodium silicate at 30 ° C. for 10 seconds, the following undercoat layer coating solution was applied, and dried at 80 ° C. for 15 seconds to obtain a support. The dry coating amount of the undercoat layer after drying is 15 mg / m 2 Met.
[0134]
<Coating liquid for undercoat layer>
The following copolymer P (molecular weight 28000) 0.3 g
Methanol 100g
1g of water
[0135]
Copolymer P
[0136]
Synthesis Example 1 (B1 component: synthesis of an alkali-soluble polymer compound (copolymer) having a carboxyl group)
In a 20 ml three-necked flask equipped with a stirrer, a condenser and a dropping funnel, 6.39 g (0.045 mol) of n-propyl methacrylate, 1.29 g (0.015 mol) of methacrylic acid and 1-methoxy-2- 20 g of propanol was added, and the mixture was stirred while being heated to 65 ° C. with a hot water bath. To this mixture, 0.15 g of “V-601” (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was added, and the mixture was stirred for 2 hours under a nitrogen stream while maintaining at 70 ° C. To this reaction mixture, 6.39 g (0.045 mol) of n-propyl methacrylate, 1.29 g (0.015 mol) of methacrylic acid, 20 g of 1-methoxy-2-propanol and 0.15 g of “V-601” The mixture was added dropwise via a dropping funnel over 2 hours. After completion of the dropwise addition, the resulting mixture was further stirred at 90 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, 40 g of methanol is added to the mixture, the mixture is cooled, and the resulting mixture is poured into 2 liters of water while stirring the water. After stirring the mixture for 30 minutes, the precipitate is removed by filtration and dried. Gave 15 g of a white solid.
When the weight average molecular weight (polystyrene standard) of this copolymer was measured by gel permeation chromatography, it was 53,000.
[0137]
Synthesis Example 2 (B1 component: synthesis of an alkali-soluble polymer compound (copolymer) having a carboxyl group)
A copolymer was synthesized by the same operation as in Synthesis Example 1 using ethyl methacrylate / isobutyl methacrylate / methacrylic acid (mol%: 35/35/30). The weight average molecular weight (polystyrene standard) was measured and found to be 50,000.
[0138]
Synthesis example 3 (B1 component: Synthesis of polyurethane resin having carboxyl group)
To a 500 ml three-necked round bottom flask equipped with a condenser and a stirrer, 14.6 g (0.109 mol) of 2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid and 13.3 g (0.0686 mol) of tetraethylene glycol were added. ) And 2.05 g (0.0228 mol) of 1,4-butanediol were added and dissolved in 118 g of N, N-dimethylacetamide. To this, 30.8 g (0.123 mol) of 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, 13.8 g (0.0819 mol) of hexamethylene diisocyanate and 0.1 g of di-n-butyltin dilaurate as a catalyst were added and stirred. Under heating at 90 ° C. for 7 hours.
To this reaction solution, 100 ml of N, N-dimethylacetamide, 50 ml of methanol and 50 ml of acetic acid were added and stirred. Then, this was poured into 4 liters of water with stirring to precipitate a white polymer. The polymer was separated by filtration, washed with water, and dried under reduced pressure to obtain 60 g of polymer.
When the molecular weight was measured by gel permeation chromatography (GPC), the weight average (polystyrene standard) was 70,000. The carboxyl group content measured by titration was 1.43 meq / g.
[0139]
Synthesis example 4 (B1 component: Synthesis of polyurethane resin having carboxyl group)
The following diisocyanate compounds (mol%)
And the following diol compounds (mol%)
Was used in the same manner as in Synthesis Example 3 to synthesize a copolymer. The acid content of the obtained copolymer by titration was 1.72 meq / g, and the weight average molecular weight (polystyrene standard) was 80,000.
[0140]
Synthesis example 5
A 500 ml three-necked flask equipped with a stirrer, a condenser and a dropping funnel is charged with 31.0 g (0.36 mol) of methacrylic acid, 39.1 g (0.36 mol) of ethyl chloroformate and 200 ml of acetonitrile and cooled in an ice-water bath. The mixture was stirred while. To this mixture, 36.4 g (0.36 mol) of triethylamine was dropped with a dropping funnel over about 1 hour. After completion of the dropwise addition, the ice-water bath was removed, and the mixture was stirred at room temperature for 30 minutes. To this reaction mixture, 51.7 g (0.30 mol) of p-aminobenzenesulfonamide was added, and the mixture was stirred for 1 hour while warming to 70 ° C. in an oil bath. After completion of the reaction, this mixture was added to 1 liter of water with stirring, and the resulting mixture was stirred for 30 minutes. The mixture was filtered to take out a precipitate, which was slurried with 500 ml of water, and then the slurry was filtered, and the resulting solid was dried to give white N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide. A solid was obtained (yield 46.9 g).
[0141]
Next, 4.61 g of N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide (0.0192 mol) and 2.94 g of ethyl methacrylate (0.0258) were added to a 20 ml three-necked flask equipped with a stirrer, a condenser and a dropping funnel. Mol), 0.80 g (0.015 mol) of acrylonitrile and 20 g of N, N-dimethylacetamide were added, and the mixture was stirred while being heated to 65 ° C. with a hot water bath. To this mixture, 0.15 g of “V-65” (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was added, and the mixture was stirred for 2 hours under a nitrogen stream while maintaining at 65 ° C. A further mixture of 4.61 g of N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide, 2.94 g of ethyl methacrylate, 0.80 g of acrylonitrile, N, N-dimethylacetamide and 0.15 g of “V-65” was added to this reaction mixture. It dropped by the dropping funnel over 2 hours. After completion of the dropwise addition, the resulting mixture was further stirred at 65 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, 40 g of methanol is added to the mixture, the mixture is cooled, and the resulting mixture is poured into 2 liters of water while stirring the water. After stirring the mixture for 30 minutes, the precipitate is removed by filtration and dried. Gave 15 g of a white solid. It was 53,000 when the weight average molecular weight (polystyrene standard) of this specific copolymer was measured by the gel permeation chromatography.
[0142]
The following coating solution for an image forming layer is applied onto the obtained support and dried at 150 ° C. for 30 seconds to obtain a dry coating amount of 1.8 g / m. 2 A positive lithographic printing plate precursor was obtained.
<Coating liquid for image forming layer>
Copolymer of Synthesis Example 2 0.050g
Copolymer of Synthesis Example 4 0.050 g
0.4 g of copolymer of Synthesis Example 5
0.6 g of m, p-cresol novolak
(M / p ratio = 6/4, weight average molecular weight 8000, containing 0.5% of unreacted cresol)
Cyanine dye A (the following structure) 0.1g
Phthalic anhydride 0.05g
0.002 g of p-toluenesulfonic acid
Ethyl violet 0.02g
(Counterion: 6-hydroxy-β-naphthalenesulfonic acid)
Naphthoquinone 1,2-diazide-5-sulfonyl chloride and
0.01 g esterified product with pyrogallol-acetone resin
Fluorosurfactant 0.05g
(Product name: MegaFuck F-177, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.)
Methyl ethyl ketone 8g
1-methoxy-2-propanol 4g
[0143]
Cyanine dye A
[0144]
(Heat-sensitive positive planographic printing plate precursor 2)
A heat-sensitive positive lithographic printing plate precursor 2 was prepared by the same operation as that for producing the heat-sensitive positive lithographic printing plate 1 except that the image forming layer coating solution having the following formulation was used.
Coating solution for image forming layer
Phenol: m-cresol: p-cresol (20:50:30 molar ratio)
100 parts by weight of novolak resin copolymerized with dehydr (weight average molecular weight 7000)
4 parts by weight of cyanine dye A
7 parts by weight of crystal violet lactone
900 parts by mass of cyclohexanone
[0145]
(Thermosensitive positive planographic printing plate precursor 3)
[Creation of substrate]
0.24 mm thick aluminum plate (Si: 0.06 mass%, Fe: 0.30 mass%, Cu: 0.014 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.001 mass%, Zn : 0.001% by mass, Ti: 0.03% by mass, with the balance being aluminum and an inevitable impurity aluminum alloy).
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a nitric acid 10 g / liter aqueous solution (containing 5 g / liter of aluminum ions and 0.007 mass% of ammonium ions) at a temperature of 80 ° C. After washing with water, the aluminum plate was etched at 32 ° C. with a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.20 g / m. 2 Dissolved and washed with water by spray. Thereafter, a desmut treatment by spraying was performed with a 25% by weight aqueous solution of sulfuric acid having a temperature of 60 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and washing with water by spraying was performed.
Anodization was performed using an anodizing apparatus of a two-stage power supply electrolytic treatment method. Sulfuric acid was used as the electrolytic solution supplied to the electrolysis unit. Then, water washing by spraying was performed. The final oxide film amount is 2.7 g / m 2 Met.
The aluminum support obtained by the anodization treatment was immersed in a treatment layer of 1 mass% aqueous solution of sodium silicate No. 3 at a temperature of 30 ° C. for 10 seconds to perform alkali metal silicate treatment (silicate treatment). . Then, water washing by spraying was performed. On the aluminum support after the alkali metal silicate treatment obtained as described above, an undercoat solution having the following composition was applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film. The coating amount after drying is 15 mg / m 2 Met.
[0146]
<Undercoat liquid composition>
・ The following compound 0.3g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
The following lower layer coating solution is applied to the obtained web-shaped substrate at a coating amount of 0.85 g / m. 2 After coating with a bar coater, the coating is dried at 160 ° C. for 44 seconds and immediately cooled with cold air of 17 to 20 ° C. until the temperature of the support becomes 35 ° C., and then the coating amount of the upper thermosensitive layer coating solution is 0. .22g / m 2 After coating with a bar coater, it was dried at 148 ° C. for 25 minutes, and further slowly cooled with wind of 20 to 26 ° C. to prepare a heat-sensitive positive lithographic printing plate precursor 3.
[0147]
[Lower layer coating solution]
N- (4-aminosulfonylphenyl) methacrylamide / acrylonitrile / methyl methacrylate (36/34/30: weight average molecular weight 50000, acid value 2.65) 2.133 g
・ Cyanine dye A (the following structure) 0.134 g
・ 4,4'-bishydroxyphenylsulfone 0.126g
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.190g
・ 0.008 g of p-toluenesulfonic acid
・ 3-Methoxy-4-diazodiphenylamine
Hexafluorophosphate 0.032g
・ Counterion of ethyl violet
What changed to 6-hydroxynaphthalene sulfone 0.781g
・ Megafuck F176, manufactured by Dainippon Ink Industries, Ltd.
(Coated surface modified fluorosurfactant) 0.035g
・ Methyl ethyl ketone 25.41g
・ 1-methoxy-2-propanol 12.97g
・ Γ-butyrolactone 13.18g
Cyanine dye A
[0148]
[Coating liquid for upper thermal layer]
M, p-cresol novolak (m / p ratio = 6/4, weight average molecular weight
4500, containing 0.8% by mass of unreacted cresol) 0.3479 g
・ Cyanine dye A 0.0192g
Ethyl methane acrylate / isobutyl methacrylate / acrylic acid copolymer (37 /
37 / 26wt%) 30% MEK solution 0.1403g
・ Megafac F780F (30%), manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.
(Surface improving surfactant) 0.015 g
・ Megafac F781F, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc. 0.00328g
・ Methyl ethyl ketone 13.07 g
・ 1-methoxy-2-propanol 6.79 g
[0149]
Various lithographic printing plate precursors obtained as described above were exposed and developed as follows. A solid image was drawn on the lithographic printing plate precursor using a Trend setter manufactured by Creo at a beam intensity of 2 to 10 W and a drum rotation speed of 150 rpm. Thereafter, using a PS processor LP940H improved machine manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. as an automatic developing machine, various developing solutions 1 to 10 described later were charged into the developing tank, the liquid temperature was kept at 30 ° C., and the developing plate surface was developed in 12 seconds. The amount of the developer supplied to the plate is changed by changing the spray discharge amount, and the amount of the developer supplied to the printing plate is changed. Evaluated.
[0150]
Evaluation criteria
(Evaluation of film slippage)
The image portion of the developed plate was visually observed, and the density of the image portion was measured in a cyan mode of a Gretag D19C reflection densitometer (Gretag Macbeth). The density of the undeveloped lithographic printing plate precursor was measured in the same manner, and the density change in the image area was evaluated.
○: No defects were observed in the image area, and no decrease in image density was observed.
(Triangle | delta): Although the defect was not recognized by the image part, the image part density | concentration fell a little.
X: The density of the image portion is greatly reduced, unevenness is observed, and there is a defective portion in the image portion.
(Evaluation of developability of non-image area)
◯: The image was sufficiently developed and no image forming layer remained on the non-image area.
Δ: Some image forming layer remained on the non-image area.
X: Development failure was observed, and the image forming layer remained in the non-image area.
The results are shown in Tables 2-7.
[0151]
[Preparation of alkaline developer]
The following developer uses the heat-sensitive positive lithographic printing plate precursor described above with a Trend setter manufactured by Creo, which has a beam intensity of 4 W and a drum rotation speed of 150 rpm. Supply volume 1.0ml / sec · cm 2 ), The concentration (pH) of the alkaline agent was adjusted so that no residual film was observed in the exposed area.
-Alkaline developers 1-5: silicate system-
Silicon oxide SiO 2 And potassium oxide K 2 O mixing ratio SiO 2 / K 2 As shown in Table 1 below, various polyalkylene glycol chain-containing compounds are added to 1 liter of a 4.0% aqueous solution of potassium silicate having an O of 1.1 at a predetermined concentration, and KOH is added as an alkaline agent to produce an alkaline developer. 1-5 were prepared.
-Alkaline developer 6-10: non-silicate-
D-sorbite / potassium oxide K combining non-reducing sugar and base 2 As shown in Table 1 below, various polyalkylene glycol chain-containing compounds are added to 1 liter of a 5.0% potassium salt aqueous solution of O at a predetermined concentration, and KOH is added as an alkaline agent to prepare alkaline developers 6 to 10. did.
[0152]
[Table 1]
Polyalkylene glycol chain-containing compound used in developer
[0153]
[Table 2]
Heat-sensitive positive lithographic printing plate precursor 1: Image film slip
[0154]
[Table 3]
Heat sensitive positive planographic printing plate precursor 1: Non-image area developability
[0155]
[Table 4]
Heat-sensitive positive lithographic printing plate precursor 2: Image film slip
[0156]
[Table 5]
Heat sensitive positive planographic printing plate precursor 2: non-image area developability
[0157]
[Table 6]
Heat-sensitive positive lithographic printing plate precursor 3: Image film
[0158]
[Table 7]
Heat sensitive positive planographic printing plate precursor 3: non-image area developability
[0159]
【The invention's effect】
According to the plate-making method of the present invention, in the development processing of a heat-sensitive positive lithographic printing plate, the amount of supply of the developer to the plate surface is set within a predetermined range using a specific developer, so that the image portion is damaged. In addition, it is excellent in developability of non-image areas, and a sharp image with high contrast and no unevenness can be formed. In particular, the plate-making method of the present invention has a remarkable effect of sharpening the image contrast when it is applied to a so-called multi-layer type heat-sensitive positive planographic printing plate having a laminated structure. The plate-making method of the present invention is a heat-sensitive positive lithographic printing using a resin having a large effect of reducing the dissolution rate due to the polyalkylene glycol chain-containing compound in the upper layer, and a resin having a smaller effect in the lower layer, among the multilayer type light-sensitive materials. Greater effect when used in a plate.