【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液中の病因物質や有用物質を除去回収、特に幹細胞やリンパ球系の細胞などの特定の細胞を2種以上、分離回収するための外部刺激により基材に固定化したリガンドが脱離することを特徴とするリガンド固定化カラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、造血幹細胞、特にCD34陽性細胞移植において、骨髄、臍帯血、動員末梢血からCD34陽性細胞のみを分離して、それを移植に用いられようとしている。しかし、骨髄、臍帯血、動員末梢血内にはCD34陽性細胞のみならず、免疫系のT細胞、B細胞や神経幹細胞、血管内皮前駆細胞など種々の貴重な細胞源が含まれているにもかかわらず、CD34陽性細胞のみが用いられ、残りの細胞は廃棄されてしまっている。
【0003】
CD34陽性細胞のような特定の細胞を分離する際には、リガンド、特に抗体を用いて、抗体と相互作用する細胞を選択的に分離する試みがなされている。方法としては、フローサイトメトリーによる方法や磁気ビーズ法などがあげられるが、いずれも少量の細胞を対象としており、さらに、細胞と標識抗体とを反応させた後、分離作業をするという非常に煩雑な操作が必要であり、特定の細胞を大量に回収する際は、時間、コストがかかることが問題であった。さらに、2種以上の細胞を分離する際は、繰り返し同じ操作を繰り返す必要があった。
【0004】
さらに、抗体を担体に固定化した材料を用い、ここに血液細胞などの細胞群を流すことにより、抗体と相互作用する特定の細胞だけを除去する技術が検討されている。
【0005】
例えば、ヒト表面抗原を認識する抗体を不織布に固定化し、特定の血球成分を除去することが試みられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような技術では、抗体と相互作用する細胞が除去されるだけであり、それらの細胞を担体表面から回収し、さらに利用することは困難である。
【0006】
また、リガンドを固定化したカラム担体を用いて目的物質を回収する技術として、プロテインGセファロース、キレートカラム、グルタチオンカラムなどが知られており(例えば、非特許文献1参照)、これらの技術は固定化したリガンドが何らかの外部刺激で脱離できるような構造をもつことにより、一度リガンドに吸着した物質を、外部刺激によりリガンドと共に脱離、回収することができるものとなっている。しかし、これらの技術では、担体としてゲルや微粒子を使用しているため、細胞群など比較的大きな目的物質を対象とする場合、目的物質が空孔を通過する際に空孔を塞いでしまうため、目的物質の回収率が低かったり、あるいは、リガンドと目的物質の適切な相互作用ができないことが問題であった。さらに、これら従来の回収技術で血液から特定の細胞を回収する場合には、一度血液を体外に取り出した後に、血液を分離材料へ添加するという方法をとる必要があり、大気中の雑菌や微生物が混入する危険性がある。さらに、体外へ取り出せる血液量に限界があるため、処理できる血液量が少なく、回収できる細胞数が少なくなる傾向にある。そのため、血液を体外に取り出す前にG−CSF等の医薬品により目的とする細胞数を上昇させるなどの方法が行われているが、これら医薬品による副作用が重大な問題となってくる。
【0007】
【特許文献1】
国際公開第97/027878号パンフレット
【0008】
【非特許文献1】
ファルマシアバイオテク株式会社,「アフィニティクロマトグラフィー」、1994年、p41〜102
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記従来技術の欠点を解消するものであり、2種以上の特定の細胞を簡単、大量、安全に分離、回収できる材料、特にヒト血液および臍帯血中に存在する造血幹細胞、神経幹細胞、血管内皮前駆細胞、多能性幹細胞や樹状細胞、B細胞、T細胞などの表面抗原とリガンドとの相互作用を利用することにより、治療に有用な特定の細胞を2種以上、回収するカラムを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は下記構成を有する。
(1)2種以上のリガンドと前記リガンドを固定化するための基材からなるリガンド固定化材料を含むカラムであって、基材に固定化された2種以上のリガンドを外部刺激により脱離できることを特徴とするリガンド固定化カラム。
(2)2種以上のリガンドのそれぞれがカラム内の一区域内に分けて固定化されており、それら区域が分離できる(1)に記載のリガンド固定化カラム。
(3)少なくとも一区域において、基材の形状が繊維状、中空糸膜状または平膜状であることを特徴とする(1)または(2)に記載のリガンド固定化カラム。
(4)前記基材が多孔質であることを特徴とする(1)〜(3)に記載のリガンド固定化カラム。
(5)該基材が海島型繊維であることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(6)前記基材がポリスルホン、セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群より選択される高分子化合物を含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(7)前記基材が親水性高分子を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(8)前記親水性高分子がポリビニルピロリドンであることを特徴とする(7)に記載のリガンド固定化カラム。
(9)前記リガンドと前記基材とが化学結合を介して固定化されており、前記化学結合が前記外部刺激によって切断されることにより前記リガンドが脱離可能であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(10)前記外部刺激が還元剤による還元反応であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(11)前記リガンドが前記基材にジスルフィド結合を介して固定化されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(12)前記リガンドが抗体あるいはレセプターであることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(13)細胞を分離するために用いられることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のリガンド固定化カラム。
(14)(1)〜(13)のいずれかに記載のリガンド固定化カラムであって、分離して得られた細胞が癌または自己免疫疾患または脳梗塞またはパーキンソン病またはアルツハイマー病または糖尿病または心筋梗塞または血管再生の治療又はワクチンとして用いられることを特徴とする疾病治療用カラム。
(15)前記細胞が造血幹細胞、T細胞、神経幹細胞のいずれかであることを特徴とする(14)に記載の疾病治療用カラム。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においてリガンドを固定化する基材としては、血液などの細胞群を一度に大量に処理できる体外循環に使用可能な基材が好ましく、基材の形状としては平膜状、中空糸膜状、繊維状、粒子状、ゲル状、スポンジ状など何でもよいが、閉鎖系で圧力損失を伴わず、細胞を傷つけず体外循環できる利点から平膜状、中空糸膜状、繊維状が望ましく、また、表面積を確保し、細胞とリガンドとの相互作用を大きくする点から、繊維状の不織布などにおいて、極細化されていても良い。
【0012】
本発明のリガンド固定化カラムは、2種以上のリガンドのそれぞれがカラム内の各区域内に分けて固定化されており、それら区域が容易に分離でき、それぞれの区域のリガンドが外部刺激により脱離できる構造となっている。例えば、基材に中空糸膜を用いた場合は、区域が糸方向に分割できるように、それぞれ異なるリガンドを基材に固定化した2種以上のカラムが組み込まれている。編み地や不織布のような布帛を用いる場合は、面方向に分割できるように、それぞれ異なるリガンドを基材に固定化した2種以上のカラムが組み込まれている(図1および2参照)。
【0013】
ここでいう区域とは、カラムを構成する複数のブロックのことを指し、カラムで複数の細胞を補足後、ブロックを分離し、それを小カラムとして、それぞれのブロックに捕捉された細胞を回収することができる。
【0014】
本発明において、基材に使用される素材は、医療用に用いられている素材が好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル、セルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
【0015】
また、ポリスルホンなど疎水性の高分子を血液や細胞と接触するような用途で使用する際は、その接触面を親水化することが好ましい。親水化の方法としては、ポリビニルピロリドンやポリエチレングリコールなどのポリスルホン系高分子との相溶性に優れる親水性高分子を加工前のポリスルホン溶液に添加したり、血液や細胞との接触面を親水性の化合物でコーティングすることにより達成できる。これらのうちで血液適合性の観点からポリビニルピロリドンが好適に用いられる。
【0016】
ポリメチルメタクリレートは、アイソタクチック構造部分とシンジオタクチック構造部分をもつが、アイソタクチックリッチのポリマーを単独で用いてもよいし、シンジオタクチックリッチのポリマーを単独で用いてもよい。しかし、アイソタクチシチの高いポリメチルメタクリレートと、シンジオタクチシチの高いポリメチルメタクリレートとは、ある条件下において構造的な絡み合い、いわゆるステレオコンプレックスを形成できるため、成形性の観点から両者をブレンドしてステレオコンプレックス構造をもたせたものが望ましい。
【0017】
また、本発明において、基材にリガンドを固定化するためには基材表面に活性基や官能基を含有させ、それを利用してリガンドを固定化する方法や、基材表面に陰性荷電をもたせ、カチオン性ポリマーと複合化したリガンドを静電的相互作用により固定化する方法や、ポリエチレングリコールと複合化したリガンドを疎水性相互作用によりポリメチルメタクリレート系含水材料に固定化する方法などがある。
【0018】
活性基または官能基としては臭化シアンによる活性基、プラズマ処理による活性基、スクシンイミド基やα−クロロアセトアミドメチル基、クロロメチル基に加え、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基、水酸基、リン酸基、イソシアネート基、ニトロ基、アルデヒド基、ピリジルジスルフィド基などが挙げられるが、リガンドの固定化反応の容易さと水溶液で中での安定性からアミノ基が好適である。
【0019】
基材にアミノ基を含有させる方法としては、あらかじめ成形のための溶液にアミノ基を有する物質をブレンドしておいてから成形する方法や、成形した材料にアミノ基を含有する物質を含む溶液に浸漬または付着させ、放射線照射により固定化する方法、材料に活性基を導入しておき、アミノ基含有物質を固定化する方法などが用いられる。例えば、ポリスルホン/ポリビニルピロリドンブレンド基材を十分水洗した後、1wt%のポリエチレンイミン水溶液に浸漬して、25kGyにてγ線照射して基材にアミノ基を含有させる方法、あるいは、ポリスチレン基材をN−メチロール−α−クロロアセトアミド、ニトロベンゼン、硫酸、パラホルムアルデヒドの混合液で反応させ、クロロアセトアミドメチル化架橋ポリスチレン基材を得て、さらに、ポリエチレンイミンをトリエチルアミン、ジメチルスルホキシドの混合溶液に溶解し、この溶液にクロロアセトアミドメチル化架橋基材を加えて攪拌、洗浄して、ポリスチレン基材へアミノ基を導入することができるが、これらの方法に限定されない。
【0020】
基材にアミノ基を含有させる場合は、材料全体にアミノ基を含有させてもよいし、血液や細胞の接触する部分だけにアミノ基を含有させてもよい。中空糸膜の内表面を用いる場合は、アミノ基含有高分子量物質を内側からろ過し、充填することにより内表面にアミノ基を集積させることができる。
【0021】
基材にアミノ基を含有させる際に使用するアミノ基を有する物質としては、ポリマーであっても低分子であってもよい。低分子の場合は、アンモニア、テトラエチレンペンタミン、デンドリマー、アグマチンなどが用いられる。ポリマーの場合は、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリリジン、アジリジン(エチレンイミン)化合物を有するポリマー、ポリエチレンイミン誘導体、キトサン、グリシンエステル化ポリエチレングリコール、ヒドラジド化ポリエチレングリコール、ω−ヒドロキシ−α−アミンポリエチレングリコール、ω−アミノ−α−カルボキシルポリエチレングリコールおよびそれらに置換基の導入されたもの、およびこれらを構成するモノマー単位からなる共重合体などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0022】
これらアミノ基を有するポリマーの中でも毒性の低さ、入手のしやすさ、取り扱いのしやすさなどから、分岐状のポリエチレンイミンが特に好適に用いられる。ポリエチレンイミンは、分子量600以上の直鎖状、分岐状のものが好ましく用いられ、また、ポリエチレンイミンの誘導体としては、ポリエチレンイミンをアルキル化、カルボキシル化、フェニル化、リン酸化、スルホン化、メルカプト化、ピリジルジスルフィド化など、所望の割合で誘導体化したものが挙げられる。
【0023】
また、上記の成形した材料にアミノ基を含有する物質を含む溶液に浸漬または付着させ、放射線照射により固定化する方法をとる際の放射線処理としては、湿潤状態でγ線・電子線などを照射すればよい。ここでいう湿潤状態とは、材料を乾燥させない状態のことを言う。その程度は特に限定されるものではないが、通常、材料が1重量%以上の水分を含んでいることが好ましい。
【0024】
放射線の吸収線量は湿潤状態で10〜50kGy程度が好ましく、20kGyを超える線量を照射した場合は、滅菌処理を同時に行うことも可能である。この際、吸収線量は線量測定ラベルをモジュールの表面に貼り付けるなどして測定することができる。得られたアミノ基含有材料を医療用途に用いる場合は、リガンド固定化操作を無菌下で行うことが望ましい。
【0025】
ポリメチルメタクリレートからなる材料は、加水分解によりカルボキシル基を導入し、カルボジイミドなどの縮合剤を用いて、アミノ基を有するリガンドを固定化することができる。また、多孔質状で含水状態であると、ポリエチレングリコールと疎水性相互作用により結合できるので、リガンドをポリエチレングリコールと複合化すれば、リガンドをポリメチルメタクリレートに固定化できる。
【0026】
陰性荷電を表面をもつ材料には、カチオン性ポリマーと複合化したリガンドを静電的相互作用により固定化することができる。陰性荷電を表面をもつ材料は、化学反応、グラフト反応、放射線架橋、共重合、ブレンド、イオン注入、真空蒸着、コーティングなど材料表面にアニオン性を付与できる方法であれば何でも良い。
【0027】
例えば、セルロースにアミノ基を導入し、カルボジイミドでヘパリンを固定化させてやることにより、アニオン性表面を導入できる。ポリスルホンとポリビニルピロリドンからなる材料の場合は、デキストラン硫酸の水溶液中で放射線を照射することにより、材料表面にアニオン性を付与できる。また、ポリスチレンからなる材料の場合は、濃硫酸で処理してやることにより、表面に硫酸基を導入でき、表面にアニオン性官能基を導入できる。また、ポリメチルメタクリレートを通常のラジカル重合によって得る際、カルボキシル基や、スルホン酸基などのアニオン性基を含有するビニルモノマーと共重合したものを、材料に成形することにより、材料表面にアニオン性を付与できる。また、アニオン性ポリマーをポリメチルメタクリレートのようなポリマーとブレンドして成形することによっても材料表面にアニオン性を付与することができる。ナイロンやポリエステルにアクリル酸をグラフトすることによっても得ることができる。金属の負イオン注入によっても得ることができる。
【0028】
本発明のリガンド固定化カラムにおいては、材料に固定化したリガンドが外部刺激により脱離できる特徴をもつことにより、基材上のリガンドにより捕捉した物質を容易に回収することができる。このような外部刺激としては、光、熱、pH、塩濃度、化学反応などがあげられるが、リガンドの安定性などから化学反応により化学結合を切断してリガンドが脱離される材料が好ましく、化学的な結合が切断される反応として、加水分解反応、酸化反応、還元反応、酵素反応などがあげられる。担体がセルロースである場合には、リガンドを直接固定化して、セルラーゼを用いて、担体を酵素処理してリガンドに結合した細胞を回収したり、担体とリガンドをDNAを介して結合し、DNA分解酵素(DNase)で酵素処理して、リガンドと結合した細胞を回収することもできるが、取り扱い性、コスト、水中での安定性や細胞の生存率維持の必要性から還元反応が好ましい。特に、ジスルフィド結合を還元剤による還元反応により切断させる反応は、タンパク質のリフォールディングなど生体内で良く行われる反応であり、リガンドを脱離する反応として好適であるため、基材にジスルフィド結合を介してリガンドを固定化することが望ましい。ここで使用する還元剤としてジチオスレイトール、メルカプトエタノール、システイン、還元型グルタチオンなどがあげられる。
【0029】
基材にジスルフィド結合を介してリガンドを固定化する方法としては、基材に直接ジスルフィド結合を介してリガンドを固定化してもよいし、ポリエチレングリコールやポリエチレンイミンのように、基材と相互作用をもつ分子をリガンドとジスルフィド結合で複合化したものをそれぞれポリメチルメタクリレート系含水材料や陰性荷電表面をもつ材料に固定化してもよい。
【0030】
リガンドがタンパク質である場合は、タンパク質自身もジスルフィド結合を有することもあるので、リガンドを直接材料に固定しても良いが、通常、メルカプト基同士の酸化反応、あるいはジスルフィド交換反応を利用してジスルフィド結合を形成させる方法をとる。ジスルフィド交換反応を利用する方法としては、ピリジルジスルフィド基とメルカプト基の交換反応を用いるのが反応性の点から好ましく、ピリジルジスルフィド基やメルカプト基を基材、リガンド、被複合ポリマーに導入して結合、複合化させる。この際、通常架橋剤を利用する。
【0031】
上記のようなジスルフィド結合を介した固定化、複合化に利用できるような架橋剤としては、基材表面の官能基同士あるいはリガンド同士、被複合ポリマー同士の結合を防ぐため二種類の違った官能基と反応する活性化基をもつ架橋剤を使用することが好ましく、活性化基として、アミノ基と反応するN−ヒドロキシスクシンイミド基、イミドエステル基、ニトロアリールハライド基、メルカプト基と反応するマレイミド基、ピリジルジスルフィド基、チオフタルイミド基、活性化ハロゲン基、光化学反応により架橋するフェニルアジド基、ジアゾカルベン基、などを持つような架橋剤を利用することができる。なかでも、N−ヒドロキシスクシンイミド基とピリジルジスルフィド基を持つような架橋剤を利用することにより、上記で作製したようなアミノの基を有する基材や抗体などのアミノ基を有するリガンド、アミノ基を有する被複合ポリマーにピリジルジスルフィド基を導入できる。また、このピリジルジスルフィド基を還元剤により還元することによりメルカプト基に変換できる。このような架橋剤として、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート、スクシンイミジル6−[3’−(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエートや水溶性のスルフォスクシンイミジル6−[3’−(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエートなどが挙げられる。水に不溶性の架橋剤を用いる場合は、ジメチルスルホキシドやメタノールなどの可溶性の有機溶媒に溶解後、水系の反応液に添加することにより利用できるが、材料に反応させる際は、N−ヒドロキシスクシンイミド基とピリジルジスルフィド基を持つような架橋剤はポリスルホン系材料に吸着しやすいため、メタノール、ジエチレングリコール、グリセリンなどの架橋剤を溶解し、ポリスルホン系材料を溶解しない有機溶媒で洗浄することが望ましい。
【0032】
上記のような架橋剤などを利用して基材または被複合ポリマーにピリジルジスルフィド基が導入される場合には、例えば下記反応式(1)のような反応を用いて固定化できる。リガンドの方に上記のような架橋剤を利用してピリジルジスルフィド基を導入、還元してメルカプト基を導入する、あるいは、リガンドが抗体である場合には、抗体をペプシンで消化してメルカプト基を生成させ、これらリガンドのメルカプト基と基材上のピリジルジスルフィド基のジスルフィド交換反応によりジスルフィド結合を介してリガンドを基材に固定化する。ここで、リガンドにピリジルジスルフィド基を導入して還元する際には、リガンドが抗体である場合、抗体自体の還元による失活を防ぐために酢酸緩衝液中などで還元することにより抗体自身の還元を抑えることができる。
【0033】
【化1】
【0034】
また、上記のような架橋剤などを利用して基材または被複合ポリマーにメルカプト基が導入されている場合、例えば下記反応式(2)のような反応を用いて固定化できる。リガンドに上記のような架橋剤ピリジルジスルフィド基を導入したもの使用し、リガンドのピリジルジスルフィド基と基材上のメルカプト基のジスルフィド交換反応によりジスルフィド結合を介してリガンドを基材に固定化することができる。
【0035】
【化2】
【0036】
基材へ導入されるピリジルジスルフィド基あるいはメルカプト基の密度は高い方が望ましいが、反応に用いる架橋剤の濃度や反応時間により制御することができるので、適宜選ぶことができる。
【0037】
リガンドおよび被複合ポリマーへのピリジルジスルフィド基の導入率はリガンド1モル当たり1モル以上であることが必要であるが、導入率を上げるためにピリジルジスルフィド化剤の仕込量を上げるとリガンドがタンパク質の場合は失活したり、凝集したりするおそれがある。望ましくは仕込量はリガンド1モルあたり10モル以下が望ましい。
【0038】
基材にリガンドを固定化する際のリガンドの濃度は、固定化密度を上げるためには高い方が望ましいが、コスト面から考えて、1mg/ml以上が望ましい。0.5mg/ml以下の場合は固定化されるリガンドの量が少なくなり、機能が低下する恐れがある。
【0039】
以上の示したようなような反応を利用してリガンドを基材にジスルフィド結合を介して固定化させる方法の例を以下に示すが、固定化の方法はこれらに限定されない。
【0040】
例えば、アミノ基を含有するポリスルホン基材を架橋剤としてN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(以下SPDP)を溶解したジメチルスルホキシド溶液に浸漬し反応させた後、ジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元し、メルカプト基を有するポリスルホン平膜を得る。さらに、ヒト免疫グロブリンGにSPDPを溶解したジメチルスルホキシド溶液を抗体1モルに対して10モル添加し、室温で30分反応させて、免疫グロブリンGにピリジルジスルフィド基を導入した後、精製する。メルカプト基を有するポリスルホン平膜にピリジルジスルフィド基を導入したヒト免疫グロブリンGを反応させ、ヒト免疫グロブリンGをポリスルホン平膜にジスルフィド結合を介して固定化した材料を作製する。この材料を還元剤としてジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液に浸漬して、ジスルフィド結合を還元することによりヒト免疫グロブリンGを脱離させることができる。
【0041】
本発明で使用するリガンドは、細胞などのターゲット物質と相互作用をもつものであれば、合成品でも天然物でもよいが、特異性の点から抗体およびレセプターを好ましく用いることができる。用いる抗体としては、例えば、抗CD1a抗体、抗CD1b抗体、抗CD1c抗体、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD8抗体、抗CD10抗体、抗CD11a抗体、抗CD11b抗体、抗CD11c抗体、抗CDw12抗体、抗CD13抗体、抗CD14抗体、抗CD15抗体、抗CD16a抗体、抗CD16b抗体、抗CD18抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD23抗体、抗CD24抗体、抗CD25抗体、抗CD26抗体、抗CD27抗体、抗CD28抗体、抗CD30抗体、抗CD31抗体、抗CD32抗体、抗CD33抗体、抗CD34抗体、抗CD38抗体、抗CD40抗体、抗CD42a抗体、抗CD44抗体、抗CD45抗体、抗CD45RA抗体、抗CD45RO抗体、抗CD49d抗体、抗CD50抗体、抗CD54抗体、抗CD56抗体、抗CD57抗体、抗CD58抗体、抗CD61抗体、抗CD62L抗体、抗CD62P抗体、抗CD66抗体、抗CD69抗体、抗CD70抗体、抗CD71抗体、抗CD80抗体、抗CD81抗体、抗CD86抗体、抗CD95抗体、抗CD102抗体、抗CD105抗体、抗CD106抗体、抗CD109抗体、抗CDw119抗体、抗CD120a抗体、抗CD120b抗体、抗CD121a抗体、抗CDw121b抗体、抗CD122抗体、抗CD123抗体、抗CD126抗体、抗CDw128a抗体、抗CD130抗体、抗CDw131抗体、抗CD132抗体、抗CD133抗体、抗CD134抗体、抗CD105抗体、抗CD138抗体、CD152抗体、抗CD154抗体、抗CD199抗体、抗低比重リポ蛋白質(LDL)抗体、抗酸化LDL抗体、抗β2ミクログロブリン抗体、抗CCR1抗体、抗CCR2抗体、抗CCR3抗体、抗CCR4抗体、抗CCR5抗体、抗CCR7抗体、抗CXCR3抗体、抗CX3CR1抗体、抗CXCR5抗体、抗CXCR1抗体などが挙げられるが、これらに限定されない。また、レセプターとしては例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CXCR1、CXCR3、CX3CR1、CXCR5等のサイトカインレセプターやFcγ,Fcε等のイムノグロブリンレセプター、RAGE,LDLレセプター等のスカベンジャ−レセプター等,T細胞レセプターや主要組織適合性抗原等の細胞認識レセプター等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの抗体やレセプターは単独で固定化しても良いし、複数の抗体やレセプターを組み合わせても良い。抗体は、アフィニティーの高さからモノクローナル抗体が好ましい。
【0042】
これら抗体やレセプターは目的によって種々選定することができる。例えば、抗CD34抗体を固定化した区域と抗CD4抗体を固定化した区域をもつカラムを用いれば、臍帯血などの血液を循環し、細胞を捕捉後、解体した区域について外部刺激することにより、それぞれ造血幹細胞およびT細胞が得られる。
【0043】
本発明のリガンド固定化カラムを利用すれば、上記で示したようなターゲットとなる2種以上の細胞をカラムの各区域のリガンドにより捕捉でき、さらに、外部刺激により各区域からリガンドを基材から離脱させることにより、捕捉した2種以上の細胞を回収する事が可能である。また、細胞を捕捉あるいは回収する際に使用する溶媒として、様々なpH値のリン酸、酢酸、クエン酸などの緩衝液を用いることができ、さらに緩衝液の中にウシ血清アルブミンや抗体などのタンパク質あるいはカチオン性、アニオン性などのポリマーなどを含有していても良い。
【0044】
さらに素材として多孔質材料を用いた場合は、透析やろ過機能を付与することができ、血液浄化、細胞分離用途のみならず、バイオリアクターなどの細胞培養用材料としても用いることができる。
【0045】
細胞を回収する際は全血と作用させてもよいし、血漿分画や単核球分画などにした後、作用させてもよい。
【0046】
また、本発明のリガンド固定化カラムにおいて、基材に中空糸膜を用いる場合、例えば以下のようにしてカラムの一区域を製造することができるが、これに限定されるものではない。まず、中空糸膜は公知の方法により製造する。次に、中空糸膜を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、筒状ケースに入れる。その後両端に仮のキャップをし、中空糸膜両端部にポッティング剤を入れる。このとき遠心機でモジュールを回転させながらポッティング剤を入れる方法は、ポッティング剤が均一に充填されるために好ましい方法である。ポッティング剤が固化した後、中空糸膜の両端が開口するように両端部を切断し、中空糸膜モジュールを得ることができる。このように作製した中空糸膜モジュールをカラムの一区域とし、これを並列もしくは直列に複数組み合わせ本発明のリガンド固定カラムとする。
【0047】
基材に繊維を用いる場合、例えば以下のようにして得られる。円柱型のモジュール内径と同径の円形に打ち抜いた編み地または不織布を積層し、両端部に細胞群を流せる開口部を作製し、小モジュールする。このように作製した小モジュールをカラムの一区域とし、これを並列もしくは直列に複数組み合わせ、ヘッダーを取り付けて本発明のリガンド固定カラムとする。
【0048】
基材に中空糸膜および編み地を利用した場合のカラムの例を、図1および2に示した。図1(a)は中空糸膜を利用した場合のカラムであって、4つのモジュール(区域)を並列に組み合わせたものである。各モジュール(区域)内の基材にはそれぞれ異なるリガンドが固定化されており、したがって少なくとも4種の細胞等を捕捉することができる。その後、図1(b)のように、各モジュール(区域)を分離(解体)し、リガンドを外部刺激によって脱離させることにより、捕捉した細胞等をそれぞれ別に回収することができる。また、図2は編み地を利用した場合のカラムであって、円形に打ち抜いた編み地を複数積層したモジュール(区域)を作製し、それを3つ直列に組み合わせたものである。細胞等を捕捉後、図2(b)のように分離(解体)し、リガンドを外部刺激によって脱離させることにより捕捉した細胞等をそれぞれ別に回収することができる。細胞等の回収については、各モジュール(区域)に上述の様々な外部刺激を与える物質を含む緩衝液を流すことにより行うことができる。なお、組み合わせるモジュール(区域)の数には制限はないが、それぞれの細胞回収に必要な表面積とカラムの大きさのバランスから考えて2〜10個が好ましい。
【0049】
以上のような方法で、回収した2種以上の細胞を分析に用いることが可能である。また、それを培養し、分析や治療などに利用できる。例えば、リガンドとして抗CD34抗体および抗CD4抗体を使用し、このリガンドをジスルフィド結合を介して各区域の基材に固定化した本発明の材料に血液を通してCD34陽性細胞およびCD4陽性細胞を捕捉し、各区域ごとにジチオスレイトールなどの還元剤でリガンドを脱離することにより、捕捉したそれぞれの細胞を大量に回収し、この細胞に様々な刺激を加えて増殖、活性化させ体内に戻すことにより、癌、アレルギー、感染症、臓器移植、あるいは自己免疫疾患の治療やワクチンとして用いることができる。
【0050】
また、外部刺激によりジスルフィド結合を解離してリガンドを脱離した後の材料は、表面にメルカプト基を有するので、再びピリジルジスルフィドを有するリガンドを固定化し、再利用することもできる。
【0051】
【実施例】
作製例1.メルカプト基を導入した修飾ポリスチレン繊維の作製
50重量比の海成分(46重量比のポリスチレンと4重量比のポリプロピレンの混合物)と50重量比の島成分(ポリプロピレン)とからなる海島型複合繊維(厚さ:2.6デニール、島の数16)を、35gのN−メチロール−α−クロロアセトアミド、232.5gのニトロベンゼン、232.5gの98%硫酸、0.5gのパラホルムアルデヒドの混合液を10℃で2時間反応させた。繊維をニトロベンゼンで洗浄し、メタノールで反応を停止させた。これによりクロロアセトアミドメチル化架橋ポリスチレン繊維(以下AMPSt繊維と略す)を得た。得られたAMPSt繊維を編地とした(以下AMPSt編地と略す)。ポリエチレンイミン(分子量1万、和光純薬製)0.57gを、トリエチルアミン0.95g、ジメチルスルホキシド48.5gに溶解し、この溶液に上で作製したAMPSt編地を1.02g(クロロ基含量2.6mmol相当)加え攪拌した。反応は30℃で3時間行った。その後ジメチルスルホキシド、メタノール、純水で洗浄し、アミノ基を含有するAMPSt編地1を得た。
【0052】
上記のAMPSt編地1をNaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)にN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(ピアース社製、以下SPDP)を27mMに溶解したジメチルスルホキシド溶液に0.5時間浸漬した(室温)。反応させたAMPSt編地1をリン酸緩衝液洗浄した後、洗浄した材料を100mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元し、その後100mlの上記リン酸緩衝液で洗浄し、表面にメルカプト基をもつをAMPSt編地2を得た。
【0053】
作製例2.抗CD34抗体および抗CD4抗体へのピリジルジスルフィド基導入
0.15mMのNaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)に1.1mg/mlとなるように抗CD34抗体および抗CD4抗体を溶解した溶液に、ジメチルスルホキシドに溶解した27mMのSPDPを抗体1モルに対してSPDPが10モルになるように添加し、室温で30分反応させた。その後、PD−10カラム(ファルマシア社製)でゲル濾過し高分子量分画のみを分画してSPDP化抗CD34抗体およびSPDP化抗CD4抗体を精製した。それぞれのSPDP化抗体をメルカプトエタノールで還元して生成するチオピリジン濃度を343nmの吸収で測定して算出したSPDP化率はいずれも2molSPDP/1mol抗体であった。
【0054】
作製例3.リガンド固定化カラムの作製
作製例1.で作製したメルカプト基が導入されたAMPSt編地2を作製例2.で得られたSPDP化抗CD34抗体およびSPDP化抗CD4抗体を含むリン酸緩衝液(pH7.5)に室温で18時間浸漬し、基材のメルカプト基と抗体のSPDPを反応させて、抗体をAMPSt編地2にジスルフィド結合を介して固定化し、リガンド固定化材料を作製した。SPDPとメルカプト基の反応時に生成してくるピリジン−2−チオンの濃度を343nmの吸収で測定することにより、固定化抗体の量を定量したところ、1gの実施例1あたり、いずれも25μgの抗体が固定化されていた。
【0055】
得られた抗CD34抗体固定化編み地および抗CD4抗体固定化編み地を1cmの円形に打ち抜き、それぞれ10枚ずつを別々のカラムに積層し、2つのカラムを接合したカラムを作製した。
【0056】
作製例4. ジスルフィド結合を介して結合したポリエチレングリコール(PEG)化抗CD34抗体およびPEG化抗CD4抗体の調製
NaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)に5mg/mlに溶解した抗CD34抗体および抗CD4抗体にN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(ピアス社製、SPDP)を20mMに溶解したジメチルスルホキシド溶液をそれぞれの抗体1モルに対して10倍モル量添加し、室温で30分反応させた後、PD−10カラム(ファルマシア社製)で高分子量分画に精製した。抗CD34抗体および抗CD4抗体が1モルに対してSPDP導入量はいずれも4モルであった。これを、NaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)に5mg/mlに溶解したアミノ化メトキシPEG(シェアウォーター社、分子量5000、片末端アミノ基、片末端メトキシ基)に上記SPDP溶液を5倍モル量添加し、30分室温で反応させた後、ジチオスレイトールを25mMとなるように添加し、片末端がメルカプト基のメトキシPEGを得た。1モルのSPDP化抗CD34抗体およびSPDP化抗CD4抗体に対して片末端がメルカプト基のメトキシPEGを5倍モル量添加し、ジスルフィド結合を介して結合したPEG化抗CD34抗体およびPEG化抗CD4抗体を得た。得られたジスルフィド結合を介して結合したPEG化抗CD34抗体およびPEG化抗CD4抗体は無菌ろ過滅菌により滅菌した。
【0057】
作製例5.脱離可能な抗体固定化中空糸膜およびカラムの作製
25kGyでγ線滅菌された東レポリメチルメタクリレート(PMMA)製人工腎臓“フィルトライザー”BGを解体して中空糸膜を取り出し、中空糸膜を36本束ね、中空糸膜中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をモジュールケースに固定し、ミニモジュールを作製した。該ミニモジュールは1cm×1cmの正方形の断面で、長さは約10cmである。
【0058】
ミニモジュール内部に抗体として作製例4.で得られたPEG化抗CD34抗体およびPEG化抗CD4抗体の0.5mg/ml含むリン酸緩衝液1.5mlを室温で1時間灌流し洗浄することにより、抗CD34抗体および抗CD4抗体をPMMA中空糸膜内表面にジスルフィド結合を介して固定化した抗CD34抗体および抗CD4抗体固定化中空糸カラムを得た。
【0059】
得られた2種の中空糸カラムを横方向に接合し、細胞を灌流できるようにヘッダーを上下に取り付けたリガンド固定化カラムを作製した。
【0060】
<実施例1および2>
ヒト末梢血(ヘパリン含有)をAXIS SHIELD社製”リンフォプレップ”(登録商標)で処理して単核球成分を分離し、単核球成分1.0×10^7個をリン酸緩衝液1.5mlに懸濁し、該懸濁液を作製例3および5のカラムに室温で通過させた。処理後のカラムをリン酸緩衝液を1時間灌流させて洗浄した後、カラムを解体した後、それぞれにヘッダーを取り付けて、25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液を1時間灌流させて細胞を回収した。解体されたそれぞれのカラムから回収されたCD34陽性細胞およびCD4陽性細胞の割合はいずれも9割以上であった。以上の細胞の分析はフローサイトメーターにより行った。
【0061】
【発明の効果】
本発明のリガンド固定化カラムは、2種以上のリガンドを異なる区域に固定化することにより、一度の灌流操作で、2種以上の細胞を容易に回収することができる。
【0062】
また、本発明のリガンド固定化カラムで大量に回収した特定の細胞を利用することにより、癌または自己免疫疾患または脳梗塞またはパーキンソン病またはアルツハイマー病または糖尿病または心筋梗塞または血管再生の治療又はワクチンとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリガンド固定化カラムであって、中空糸膜を用いた場合の一態様の概略を示す図である((a)全体図、(b)分離時、(c)モジュール内部)。
【図2】本発明のリガンド固定化カラムであって、編み地を用いた場合の一態様の概略を示す図である((a)全体図、(b)分離時)。
【符号の説明】
1:リガンド固定化カラム
2a、2b、2c、2d:各区域
3:中空糸膜の束
4:リガンド固定化カラム
5a、5b、5c:各区域
6:積層した編み地[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, a ligand immobilized on a substrate by external stimulation for removing and recovering pathogenic substances and useful substances in blood, particularly two or more types of specific cells such as stem cells and lymphoid cells is obtained. The present invention relates to a ligand-immobilized column characterized by desorption.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the transplantation of hematopoietic stem cells, particularly CD34 positive cells, only CD34 positive cells are isolated from bone marrow, umbilical cord blood, and mobilized peripheral blood, and are being used for transplantation. However, the bone marrow, umbilical cord blood, and mobilized peripheral blood contain not only CD34 positive cells but also various valuable cell sources such as T cells, B cells, neural stem cells, and vascular endothelial progenitor cells of the immune system. Regardless, only CD34 positive cells are used and the remaining cells have been discarded.
[0003]
When separating specific cells such as CD34 positive cells, attempts have been made to selectively separate cells that interact with antibodies using a ligand, particularly an antibody. Examples of the method include flow cytometry and magnetic bead methods. However, these methods are intended for a small amount of cells, and further, the cells are reacted with labeled antibodies and then separated. In order to collect a large amount of specific cells, it takes time and cost. Furthermore, when separating two or more types of cells, it was necessary to repeat the same operation repeatedly.
[0004]
Furthermore, a technique for removing only specific cells that interact with an antibody by using a material in which an antibody is immobilized on a carrier and flowing a group of cells such as blood cells is being studied.
[0005]
For example, an antibody that recognizes a human surface antigen is immobilized on a non-woven fabric to remove a specific blood cell component (see, for example, Patent Document 1). However, such a technique only removes cells that interact with the antibody, and it is difficult to recover these cells from the carrier surface for further use.
[0006]
Moreover, protein G sepharose, chelate column, glutathione column, etc. are known as techniques for recovering a target substance using a column carrier on which a ligand is immobilized (see, for example, Non-Patent Document 1). By having a structure in which the converted ligand can be desorbed by some external stimulus, the substance once adsorbed to the ligand can be desorbed and recovered together with the ligand by the external stimulus. However, in these techniques, since gels and fine particles are used as a carrier, when targeting a relatively large target substance such as a cell group, the pores are blocked when the target substance passes through the holes. However, the recovery rate of the target substance is low, or the ligand and the target substance cannot be properly interacted with each other. Furthermore, when recovering specific cells from blood using these conventional recovery techniques, it is necessary to take a method of removing the blood from the body once and then adding the blood to the separation material. There is a risk of contamination. Furthermore, since there is a limit to the amount of blood that can be taken out of the body, the amount of blood that can be processed tends to be small, and the number of cells that can be collected tends to decrease. For this reason, methods such as increasing the number of target cells with a pharmaceutical such as G-CSF before taking blood out of the body have been performed, but the side effects of these pharmaceuticals become a serious problem.
[0007]
[Patent Document 1]
International Publication No. 97/027878 Pamphlet [0008]
[Non-Patent Document 1]
Pharmacia Biotech, “Affinity Chromatography”, 1994, p41-102
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention eliminates the above-mentioned drawbacks of the prior art, and is a material capable of easily and safely separating and recovering two or more types of specific cells, particularly hematopoietic stem cells and nerves present in human blood and umbilical cord blood. Collect two or more types of specific cells useful for treatment by utilizing the interaction of ligands with surface antigens such as stem cells, vascular endothelial progenitor cells, pluripotent stem cells, dendritic cells, B cells, and T cells The purpose of this is to provide a column.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention has the following configuration.
(1) A column containing a ligand immobilization material comprising two or more types of ligands and a base material for immobilizing the ligands, and the two or more types of ligands immobilized on the base material are desorbed by external stimulation. A ligand-immobilized column characterized by being able to.
(2) The ligand-immobilized column according to (1), wherein each of two or more kinds of ligands is immobilized separately in one area in the column, and these areas can be separated.
(3) The ligand-immobilized column according to (1) or (2), wherein the substrate has a fibrous shape, a hollow fiber membrane shape or a flat membrane shape in at least one area.
(4) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (3), wherein the substrate is porous.
(5) The ligand-immobilized column according to (1) or (2), wherein the substrate is a sea-island type fiber.
(6) The base material includes a polymer compound selected from the group consisting of polysulfone, cellulose, polymethyl methacrylate, polystyrene, polyethylene, and polypropylene, according to any one of (1) to (5), Ligand immobilization column.
(7) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (6), wherein the base material contains a hydrophilic polymer.
(8) The ligand-immobilized column according to (7), wherein the hydrophilic polymer is polyvinylpyrrolidone.
(9) The ligand and the base material are immobilized through a chemical bond, and the ligand can be detached by the chemical bond being cleaved by the external stimulus (1) The ligand-immobilized column according to any one of (8) to (8).
(10) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (9), wherein the external stimulus is a reduction reaction with a reducing agent.
(11) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (10), wherein the ligand is immobilized on the base material via a disulfide bond.
(12) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (11), wherein the ligand is an antibody or a receptor.
(13) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (12), which is used for separating cells.
(14) The ligand-immobilized column according to any one of (1) to (13), wherein the cells obtained by separation are cancer, autoimmune disease, cerebral infarction, Parkinson's disease, Alzheimer's disease, diabetes, or myocardium. A disease treatment column characterized by being used as a treatment or vaccine for infarction or revascularization.
(15) The disease treatment column according to (14), wherein the cell is any one of a hematopoietic stem cell, a T cell, and a neural stem cell.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the base material for immobilizing the ligand is preferably a base material that can be used for extracorporeal circulation capable of treating a large amount of cells such as blood at a time, and the base material has a flat membrane shape or a hollow fiber membrane shape. , Fibers, particles, gels, sponges, etc. are acceptable, but flat membranes, hollow fiber membranes, and fibers are desirable because of the advantage that they can be circulated outside the body without damaging cells without pressure loss in a closed system. From the viewpoint of securing the surface area and increasing the interaction between the cell and the ligand, it may be made extremely fine in a fibrous nonwoven fabric or the like.
[0012]
In the ligand-immobilized column of the present invention, each of two or more types of ligands is immobilized separately in each zone in the column, and these zones can be easily separated, and the ligands in each zone can be detached by external stimulation. It has a structure that can be separated. For example, when a hollow fiber membrane is used as the base material, two or more types of columns in which different ligands are immobilized on the base material are incorporated so that the sections can be divided in the yarn direction. When a fabric such as a knitted fabric or a non-woven fabric is used, two or more types of columns each having a different ligand immobilized on a base material are incorporated so as to be divided in the plane direction (see FIGS. 1 and 2).
[0013]
The area here refers to a plurality of blocks constituting the column. After capturing a plurality of cells with the column, the blocks are separated and used as small columns to collect the cells captured in each block. be able to.
[0014]
In the present invention, the material used for the base material is preferably a material used for medical purposes, for example, polyvinyl chloride, cellulosic polymer, polystyrene, polymethyl methacrylate, polycarbonate, polysulfone, polyurethane, polyester, polyamide, Examples thereof include polyethylene and polypropylene.
[0015]
Further, when a hydrophobic polymer such as polysulfone is used in an application where it comes into contact with blood or cells, it is preferable to make the contact surface hydrophilic. Hydrophilic methods include the addition of hydrophilic polymers with excellent compatibility with polysulfone polymers such as polyvinyl pyrrolidone and polyethylene glycol to the polysulfone solution before processing, and the contact surfaces with blood and cells are made hydrophilic. This can be achieved by coating with a compound. Of these, polyvinylpyrrolidone is preferably used from the viewpoint of blood compatibility.
[0016]
Polymethyl methacrylate has an isotactic structure portion and a syndiotactic structure portion, but an isotactic rich polymer may be used alone, or a syndiotactic rich polymer may be used alone. However, polymethyl methacrylate with high isotacticity and polymethyl methacrylate with high syndiotacticity can form a structural entanglement under certain conditions, forming a so-called stereo complex. What has a complex structure is desirable.
[0017]
Further, in the present invention, in order to immobilize the ligand on the base material, a method of immobilizing the ligand by using an active group or a functional group on the surface of the base material and using it, For example, there are a method of immobilizing a ligand complexed with a cationic polymer by electrostatic interaction and a method of immobilizing a ligand complexed with polyethylene glycol on a polymethyl methacrylate-based water-containing material by hydrophobic interaction. .
[0018]
Active groups or functional groups include cyanogen bromide active groups, plasma treated active groups, succinimide groups, α-chloroacetamidomethyl groups, chloromethyl groups, amino groups, carboxyl groups, sulfate groups, hydroxyl groups, phosphate groups An isocyanate group, a nitro group, an aldehyde group, a pyridyl disulfide group, and the like, and an amino group is preferred from the viewpoint of ease of ligand immobilization reaction and stability in an aqueous solution.
[0019]
As a method for incorporating an amino group into a base material, a method for molding after previously mixing a substance having an amino group into a solution for molding, or a solution containing a substance containing an amino group in a molded material. A method of immobilizing by immersing or adhering and immobilizing by irradiation, a method of immobilizing an amino group-containing substance by introducing an active group into the material, etc. are used. For example, after sufficiently washing the polysulfone / polyvinylpyrrolidone blend base material with water, it is immersed in a 1 wt% polyethyleneimine aqueous solution and irradiated with γ rays at 25 kGy to contain amino groups in the base material, or a polystyrene base material Reaction with a mixed solution of N-methylol-α-chloroacetamide, nitrobenzene, sulfuric acid, paraformaldehyde to obtain a chloroacetamide methylated crosslinked polystyrene base material, and further, polyethyleneimine is dissolved in a mixed solution of triethylamine and dimethylsulfoxide, An amino group can be introduced into the polystyrene substrate by adding a chloroacetamidomethylated cross-linking substrate to this solution, stirring and washing, but it is not limited to these methods.
[0020]
When the base material contains an amino group, the whole material may contain an amino group, or the amino group may be contained only in a portion where blood or cells contact. When the inner surface of the hollow fiber membrane is used, amino groups can be accumulated on the inner surface by filtering and filling the amino group-containing high molecular weight substance from the inside.
[0021]
The substance having an amino group used when the substrate contains an amino group may be a polymer or a low molecule. In the case of a low molecule, ammonia, tetraethylenepentamine, dendrimer, agmatine and the like are used. In the case of a polymer, polyalkyleneimine, polyallylamine, polyvinylamine, polylysine, a polymer having an aziridine (ethyleneimine) compound, polyethyleneimine derivative, chitosan, glycine esterified polyethylene glycol, hydrazide polyethylene glycol, ω-hydroxy-α- Examples thereof include, but are not limited to, amine polyethylene glycol, ω-amino-α-carboxyl polyethylene glycol, those having a substituent introduced thereto, and copolymers composed of monomer units constituting them.
[0022]
Among these amino group-containing polymers, branched polyethyleneimine is particularly preferably used because of its low toxicity, availability, and ease of handling. Polyethyleneimine preferably has a linear or branched molecular weight of 600 or more, and as a derivative of polyethyleneimine, polyethyleneimine is alkylated, carboxylated, phenylated, phosphorylated, sulfonated, mercaptoylated. And those derivatized at a desired ratio, such as pyridyl disulfide.
[0023]
In addition, as a radiation treatment when taking a method of immobilizing by irradiation or immersing in a solution containing an amino group-containing substance in the above-mentioned molded material, irradiation with γ rays, electron beams, etc. is performed in a wet state. do it. The wet state here means a state in which the material is not dried. Although the degree is not particularly limited, it is usually preferable that the material contains 1% by weight or more of moisture.
[0024]
The absorbed dose of radiation is preferably about 10 to 50 kGy in a wet state, and when a dose exceeding 20 kGy is irradiated, sterilization can be performed simultaneously. At this time, the absorbed dose can be measured by attaching a dose measurement label on the surface of the module. When the obtained amino group-containing material is used for medical purposes, it is desirable to perform the ligand immobilization operation under aseptic conditions.
[0025]
A material composed of polymethylmethacrylate can introduce a carboxyl group by hydrolysis and immobilize a ligand having an amino group using a condensing agent such as carbodiimide. Moreover, since it can bind | bond | couple with polyethyleneglycol by hydrophobic interaction when it is porous and it is a water-containing state, a ligand can be fix | immobilized to polymethylmethacrylate if it combines with a polyethyleneglycol.
[0026]
In a material having a negatively charged surface, a ligand complexed with a cationic polymer can be immobilized by electrostatic interaction. The material having a negatively charged surface may be any method capable of imparting an anionic property to the material surface, such as chemical reaction, graft reaction, radiation crosslinking, copolymerization, blending, ion implantation, vacuum deposition, and coating.
[0027]
For example, an anionic surface can be introduced by introducing an amino group into cellulose and immobilizing heparin with carbodiimide. In the case of a material composed of polysulfone and polyvinylpyrrolidone, anionicity can be imparted to the material surface by irradiating radiation in an aqueous solution of dextran sulfate. Moreover, in the case of the material which consists of polystyrene, a sulfuric acid group can be introduce | transduced to the surface and an anionic functional group can be introduce | transduced to the surface by processing with concentrated sulfuric acid. In addition, when polymethyl methacrylate is obtained by ordinary radical polymerization, an anionic property is formed on the surface of the material by molding it into a material that is copolymerized with a vinyl monomer containing an anionic group such as a carboxyl group or a sulfonic acid group. Can be granted. Anionic properties can also be imparted to the material surface by blending and molding an anionic polymer with a polymer such as polymethyl methacrylate. It can also be obtained by grafting acrylic acid to nylon or polyester. It can also be obtained by negative ion implantation of metal.
[0028]
The ligand-immobilized column of the present invention has a feature that the ligand immobilized on the material can be desorbed by an external stimulus, so that the substance captured by the ligand on the substrate can be easily recovered. Examples of such external stimuli include light, heat, pH, salt concentration, chemical reaction, etc. From the viewpoint of the stability of the ligand, a material from which a chemical bond is broken by a chemical reaction to release the ligand is preferable. Examples of the reaction that cleaves the basic bond include a hydrolysis reaction, an oxidation reaction, a reduction reaction, and an enzyme reaction. When the carrier is cellulose, the ligand is directly immobilized and cellulase is used to recover the cells bound to the ligand by enzymatic treatment of the carrier, or the carrier and the ligand are bound via DNA to degrade the DNA. Although the cells bound with the ligand can be recovered by enzymatic treatment with an enzyme (DNase), a reduction reaction is preferred from the viewpoint of handling, cost, stability in water and the necessity of maintaining cell viability. In particular, a reaction that cleaves a disulfide bond by a reduction reaction with a reducing agent is a reaction that is often performed in vivo, such as protein refolding, and is suitable as a reaction for eliminating a ligand. It is desirable to immobilize the ligand. Examples of the reducing agent used here include dithiothreitol, mercaptoethanol, cysteine, and reduced glutathione.
[0029]
As a method of immobilizing a ligand on a base material via a disulfide bond, the ligand may be directly immobilized on the base material via a disulfide bond, or interaction with the base material such as polyethylene glycol or polyethyleneimine may be performed. A molecule having a complex with a ligand and a disulfide bond may be immobilized on a polymethyl methacrylate-based water-containing material or a material having a negatively charged surface.
[0030]
When the ligand is a protein, the protein itself may have a disulfide bond, so the ligand may be directly fixed to the material. Usually, however, the disulfide is exchanged using an oxidation reaction between mercapto groups or a disulfide exchange reaction. A method of forming a bond is taken. As a method using a disulfide exchange reaction, it is preferable to use an exchange reaction between a pyridyl disulfide group and a mercapto group from the viewpoint of reactivity, and a pyridyl disulfide group or a mercapto group is introduced into a substrate, a ligand, or a polymer to be bonded. , Make it complex. At this time, a crosslinking agent is usually used.
[0031]
Crosslinking agents that can be used for immobilization and complexing via disulfide bonds as described above include two different functionalities to prevent bonding between functional groups on the substrate surface, between ligands, and between composite polymers. It is preferable to use a crosslinking agent having an activating group that reacts with a group, and as an activating group, an N-hydroxysuccinimide group that reacts with an amino group, an imide ester group, a nitroaryl halide group, a maleimide group that reacts with a mercapto group Cross-linking agents having a pyridyl disulfide group, a thiophthalimide group, an activated halogen group, a phenyl azide group that crosslinks by a photochemical reaction, a diazocarbene group, and the like can be used. Among them, by using a cross-linking agent having an N-hydroxysuccinimide group and a pyridyl disulfide group, a ligand having an amino group such as a substrate having an amino group or an antibody as prepared above, an amino group A pyridyl disulfide group can be introduced into the composite polymer. The pyridyl disulfide group can be converted to a mercapto group by reducing with a reducing agent. Examples of such crosslinking agents include N-succinimidyl-3- (2-pyridyldithio) -propionate, succinimidyl 6- [3 ′-(2-pyridyldithio) -propionamide] hexanoate, and water-soluble sulfosuccinimidyl 6 -[3 '-(2-pyridyldithio) -propionamide] hexanoate and the like. When a water-insoluble crosslinking agent is used, it can be used by dissolving in a soluble organic solvent such as dimethyl sulfoxide or methanol and then adding it to an aqueous reaction solution. When reacting with a material, an N-hydroxysuccinimide group is used. Since a crosslinking agent having a pyridyl disulfide group is easily adsorbed to the polysulfone material, it is desirable to dissolve the crosslinking agent such as methanol, diethylene glycol, and glycerin and to wash with an organic solvent that does not dissolve the polysulfone material.
[0032]
When a pyridyl disulfide group is introduced into a base material or a polymer to be composited using the above-described crosslinking agent, it can be immobilized using a reaction such as the following reaction formula (1). Introducing a pyridyl disulfide group to the ligand using a cross-linking agent as described above, reducing to introduce a mercapto group, or, if the ligand is an antibody, digesting the antibody with pepsin to convert the mercapto group The ligand is immobilized on the substrate via a disulfide bond by a disulfide exchange reaction between the mercapto group of these ligands and the pyridyl disulfide group on the substrate. Here, when reducing by introducing a pyridyl disulfide group into the ligand, if the ligand is an antibody, the antibody itself can be reduced by reduction in an acetate buffer or the like to prevent inactivation due to reduction of the antibody itself. Can be suppressed.
[0033]
[Chemical 1]
[0034]
In addition, when a mercapto group is introduced into the base material or the polymer to be polymerized using the above-described cross-linking agent, for example, it can be immobilized using a reaction as shown in the following reaction formula (2). It is possible to immobilize the ligand on the base material via a disulfide bond by using a disulfide exchange reaction between the ligand's pyridyl disulfide group and the mercapto group on the base material, using the above-described cross-linking agent pyridyl disulfide group introduced to the ligand. it can.
[0035]
[Chemical 2]
[0036]
Although it is desirable that the density of the pyridyl disulfide group or mercapto group introduced into the base material is high, it can be appropriately selected because it can be controlled by the concentration of the crosslinking agent used in the reaction and the reaction time.
[0037]
The introduction rate of the pyridyl disulfide group into the ligand and the complexed polymer needs to be 1 mol or more per 1 mol of the ligand, but in order to increase the introduction rate, the ligand is added to the protein by increasing the amount of the pyridyl disulfide agent. In some cases, there is a risk of deactivation or aggregation. The amount charged is desirably 10 moles or less per mole of ligand.
[0038]
The ligand concentration at the time of immobilizing the ligand on the substrate is preferably higher in order to increase the immobilization density, but is preferably 1 mg / ml or more from the viewpoint of cost. When the amount is 0.5 mg / ml or less, the amount of the immobilized ligand decreases, and the function may be deteriorated.
[0039]
An example of a method for immobilizing a ligand on a substrate via a disulfide bond using the reaction as described above is shown below, but the immobilization method is not limited thereto.
[0040]
For example, after a polysulfone base containing an amino group is used as a crosslinking agent and reacted in a dimethyl sulfoxide solution in which N-succinimidyl-3- (2-pyridyldithio) -propionate (hereinafter SPDP) is dissolved, dithiothreitol is added. A polysulfone flat membrane having a mercapto group is obtained by reduction with a phosphate buffer solution. Further, 10 mol of a dimethyl sulfoxide solution in which SPDP is dissolved in human immunoglobulin G is added to 1 mol of the antibody, and reacted at room temperature for 30 minutes to introduce a pyridyl disulfide group into immunoglobulin G, followed by purification. A human immunoglobulin G into which a pyridyl disulfide group is introduced is reacted with a polysulfone flat membrane having a mercapto group to prepare a material in which the human immunoglobulin G is immobilized on the polysulfone flat membrane via a disulfide bond. Human immunoglobulin G can be eliminated by immersing this material in a phosphate buffer containing dithiothreitol as a reducing agent to reduce disulfide bonds.
[0041]
The ligand used in the present invention may be a synthetic product or a natural product as long as it interacts with a target substance such as a cell, but an antibody and a receptor can be preferably used from the viewpoint of specificity. Examples of antibodies used include anti-CD1a antibody, anti-CD1b antibody, anti-CD1c antibody, anti-CD2 antibody, anti-CD3 antibody, anti-CD4 antibody, anti-CD8 antibody, anti-CD10 antibody, anti-CD11a antibody, anti-CD11b antibody, anti-CD11c antibody. Anti-CDw12 antibody, anti-CD13 antibody, anti-CD14 antibody, anti-CD15 antibody, anti-CD16a antibody, anti-CD16b antibody, anti-CD18 antibody, anti-CD19 antibody, anti-CD20 antibody, anti-CD22 antibody, anti-CD23 antibody, anti-CD24 antibody, anti CD25 antibody, anti-CD26 antibody, anti-CD27 antibody, anti-CD28 antibody, anti-CD30 antibody, anti-CD31 antibody, anti-CD32 antibody, anti-CD33 antibody, anti-CD34 antibody, anti-CD38 antibody, anti-CD40 antibody, anti-CD42a antibody, anti-CD44 antibody Anti-CD45 antibody, anti-CD45RA antibody, anti-CD45RO antibody, CD49d antibody, anti-CD50 antibody, anti-CD54 antibody, anti-CD56 antibody, anti-CD57 antibody, anti-CD58 antibody, anti-CD61 antibody, anti-CD62L antibody, anti-CD62P antibody, anti-CD66 antibody, anti-CD69 antibody, anti-CD70 antibody, anti-CD71 antibody Anti-CD80 antibody, anti-CD81 antibody, anti-CD86 antibody, anti-CD95 antibody, anti-CD102 antibody, anti-CD105 antibody, anti-CD106 antibody, anti-CD109 antibody, anti-CDw119 antibody, anti-CD120a antibody, anti-CD120b antibody, anti-CD121a antibody, anti-CD121 antibody CDw121b antibody, anti-CD122 antibody, anti-CD123 antibody, anti-CD126 antibody, anti-CDw128a antibody, anti-CD130 antibody, anti-CDw131 antibody, anti-CD132 antibody, anti-CD133 antibody, anti-CD134 antibody, anti-CD105 antibody, anti-CD138 antibody, CD152 Body, anti-CD154 antibody, anti-CD199 antibody, anti-low density lipoprotein (LDL) antibody, antioxidant LDL antibody, anti-β2 microglobulin antibody, anti-CCR1 antibody, anti-CCR2 antibody, anti-CCR3 antibody, anti-CCR4 antibody, anti-CCR5 antibody , Anti-CCR7 antibody, anti-CXCR3 antibody, anti-CX3CR1 antibody, anti-CXCR5 antibody, anti-CXCR1 antibody and the like. Examples of the receptor include cytokine receptors such as CCR1, CCR2, CCR3, CCR4, CCR5, CCR7, CXCR1, CXCR3, CX3CR1, and CXCR5, immunoglobulin receptors such as Fcγ and Fcε, and scavenger receptors such as RAGE and LDL receptors. , Cell recognition receptors such as T cell receptors and major histocompatibility antigens, but are not limited thereto. These antibodies and receptors may be immobilized alone, or a plurality of antibodies and receptors may be combined. The antibody is preferably a monoclonal antibody because of its high affinity.
[0042]
These antibodies and receptors can be variously selected depending on the purpose. For example, if a column having an area in which an anti-CD34 antibody is immobilized and an area in which an anti-CD4 antibody is immobilized is used, circulating blood such as umbilical cord blood, capturing cells, and externally stimulating the disassembled area, Hematopoietic stem cells and T cells are obtained, respectively.
[0043]
When the ligand-immobilized column of the present invention is used, two or more types of target cells as shown above can be captured by the ligand in each area of the column, and further, the ligand can be removed from each area by the external stimulus from the substrate. By detaching, it is possible to collect two or more types of captured cells. In addition, as a solvent used for capturing or recovering cells, buffer solutions such as phosphate, acetic acid, and citric acid having various pH values can be used. It may contain a protein or a polymer such as cationic or anionic.
[0044]
Further, when a porous material is used as a material, it can be given dialysis and filtration functions, and can be used not only for blood purification and cell separation, but also as a material for cell culture such as a bioreactor.
[0045]
When cells are collected, they may be allowed to act on whole blood, or may be allowed to act on plasma fractions or mononuclear cell fractions.
[0046]
Further, in the ligand-immobilized column of the present invention, when a hollow fiber membrane is used as a base material, for example, a section of the column can be produced as follows, but the present invention is not limited thereto. First, the hollow fiber membrane is produced by a known method. Next, the hollow fiber membrane is cut into a required length, bundled in a necessary number, and then put into a cylindrical case. Then, a temporary cap is put on both ends, and a potting agent is put on both ends of the hollow fiber membrane. At this time, the method of adding the potting agent while rotating the module with a centrifuge is a preferable method because the potting agent is uniformly filled. After the potting agent is solidified, both ends are cut so that both ends of the hollow fiber membrane are open, whereby a hollow fiber membrane module can be obtained. The hollow fiber membrane module produced in this way is used as one section of the column, and these are combined in parallel or in series to form the ligand-fixed column of the present invention.
[0047]
When using a fiber for a base material, it is obtained as follows, for example. A knitted fabric or a non-woven fabric punched into a circular shape having the same diameter as the cylindrical inner diameter of the module is laminated, and an opening through which a cell group can flow is produced at both ends, and a small module is formed. The small module produced in this way is used as one area of the column, a plurality of these are combined in parallel or in series, and a header is attached to form the ligand-fixed column of the present invention.
[0048]
Examples of columns in the case where a hollow fiber membrane and a knitted fabric are used as the substrate are shown in FIGS. FIG. 1A shows a column using a hollow fiber membrane, in which four modules (zones) are combined in parallel. Different ligands are immobilized on the substrate in each module (zone), so that at least four types of cells can be captured. Thereafter, as shown in FIG. 1B, each module (zone) is separated (disassembled), and the ligand is desorbed by an external stimulus, whereby the captured cells and the like can be separately collected. FIG. 2 shows a column in the case of using a knitted fabric, in which a module (zone) in which a plurality of circular knitted fabrics are stacked is produced and three of them are combined in series. After capturing cells and the like, they can be separated (disassembled) as shown in FIG. 2B, and the captured cells and the like can be separately collected by detaching the ligand by external stimulation. The collection of cells and the like can be performed by flowing a buffer solution containing the above-mentioned substances that give various external stimuli to each module (zone). The number of modules (zones) to be combined is not limited, but is preferably 2 to 10 in consideration of the balance between the surface area required for cell collection and the column size.
[0049]
By the method as described above, it is possible to use two or more collected cells for analysis. It can also be cultured and used for analysis and treatment. For example, by using an anti-CD34 antibody and an anti-CD4 antibody as ligands and capturing the CD34 positive cells and CD4 positive cells through blood in the material of the present invention in which the ligand is immobilized on a substrate in each area via disulfide bonds, By removing the ligand with a reducing agent such as dithiothreitol in each area, a large amount of each captured cell is recovered, and various stimuli are applied to these cells to proliferate and activate them and return them to the body. It can be used as a treatment or vaccine for cancer, allergies, infectious diseases, organ transplants, or autoimmune diseases.
[0050]
In addition, since the material after dissociating the disulfide bond and releasing the ligand by external stimulation has a mercapto group on the surface, the ligand having pyridyl disulfide can be immobilized again and reused.
[0051]
【Example】
Production Example 1 Production of modified polystyrene fiber with mercapto group introduced Sea-island type composite fiber (thickness) consisting of 50 parts by weight sea component (mixture of 46 parts by weight polystyrene and 4 parts by weight polypropylene) and 50 parts by weight island component (polypropylene) Then, 2.6 denier, the number of islands 16) was mixed with 35 g of N-methylol-α-chloroacetamide, 232.5 g of nitrobenzene, 232.5 g of 98% sulfuric acid, and 0.5 g of paraformaldehyde. The reaction was carried out at 2 ° C. for 2 hours. The fiber was washed with nitrobenzene and quenched with methanol. As a result, chloroacetamidomethylated cross-linked polystyrene fibers (hereinafter abbreviated as AMPSt fibers) were obtained. The obtained AMPSt fiber was used as a knitted fabric (hereinafter abbreviated as AMPSt knitted fabric). Polyethyleneimine (molecular weight 10,000, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) 0.57 g was dissolved in triethylamine 0.95 g and dimethyl sulfoxide 48.5 g, and 1.02 g (chloro group content 2) of the AMPSt knitted fabric prepared above was dissolved in this solution. .6 mmol equivalent) and stirred. The reaction was carried out at 30 ° C. for 3 hours. Thereafter, it was washed with dimethyl sulfoxide, methanol, and pure water to obtain an AMPSt knitted fabric 1 containing an amino group.
[0052]
The above AMPSt knitted fabric 1 is dissolved in 27 mM of N-succinimidyl-3- (2-pyridyldithio) -propionate (Pierce, hereinafter referred to as SPDP) in 20 mM phosphate buffer (pH 7.5) containing 0.15 mM NaCl. The dimethyl sulfoxide solution was immersed for 0.5 hour (room temperature). After washing the reacted AMPSt knitted fabric 1 with a phosphate buffer, the washed material is reduced with a phosphate buffer containing 100 mM dithiothreitol, then washed with 100 ml of the above phosphate buffer, and a mercapto on the surface. A AMPSt knitted fabric 2 was obtained.
[0053]
Production Example 2 Introduction of pyridyl disulfide group into anti-CD34 antibody and anti-CD4 antibody The anti-CD34 antibody and anti-CD4 antibody were dissolved in 20 mM phosphate buffer (pH 7.5) containing 0.15 mM NaCl so as to be 1.1 mg / ml. 27 mM SPDP dissolved in dimethyl sulfoxide was added to the solution so that the SPDP was 10 mol with respect to 1 mol of the antibody, and the mixture was reacted at room temperature for 30 minutes. Thereafter, gel filtration was performed with a PD-10 column (Pharmacia), and only the high molecular weight fraction was fractionated to purify the SPDP-modified anti-CD34 antibody and the SPDP-conjugated anti-CD4 antibody. The SPDP conversion rate calculated by measuring the concentration of thiopyridine produced by reducing each SPDP antibody with mercaptoethanol by absorption at 343 nm was 2 mol SPDP / 1 mol antibody.
[0054]
Production Example 3 Example of production of ligand-immobilized column The AMPSt knitted fabric 2 introduced with the mercapto group prepared in Example 2 was prepared. In a phosphate buffer solution (pH 7.5) containing SPDP-modified anti-CD34 antibody and SPDP-modified anti-CD4 antibody obtained in step 18 at room temperature, the mercapto group of the base material and the SPDP of the antibody are reacted to react with the antibody. The ligand-immobilized material was prepared by immobilizing the AMPSt knitted fabric 2 via a disulfide bond. The amount of the immobilized antibody was quantified by measuring the concentration of pyridine-2-thione produced during the reaction of SPDP and the mercapto group by absorption at 343 nm. As a result, 25 μg of antibody was used per 1 g of Example 1. Was fixed.
[0055]
The obtained anti-CD34 antibody-immobilized knitted fabric and anti-CD4 antibody-immobilized knitted fabric were punched into a 1 cm circle, and 10 pieces of each were laminated on separate columns to produce a column in which two columns were joined.
[0056]
Production Example 4. Preparation of polyethylene glycol (PEG) -conjugated anti-CD34 antibody and PEGylated anti-CD4 antibody linked via disulfide bonds Anti-CD34 antibody dissolved in 20 mM phosphate buffer (pH 7.5) containing 0.15 mM NaCl at 5 mg / ml A dimethyl sulfoxide solution in which N-succinimidyl-3- (2-pyridyldithio) -propionate (Pierce, SPDP) was dissolved in 20 mM was added to the anti-CD4 antibody in a 10-fold molar amount with respect to 1 mol of each antibody, After reacting at room temperature for 30 minutes, it was purified to a high molecular weight fraction using a PD-10 column (Pharmacia). The amount of SPDP introduced was 4 mol per 1 mol of anti-CD34 antibody and anti-CD4 antibody. This was added to aminated methoxy PEG (shearwater, molecular weight 5000, one terminal amino group, one terminal methoxy group) dissolved in 5 mg / ml in 20 mM phosphate buffer (pH 7.5) containing 0.15 mM NaCl. A 5-fold molar amount of SPDP solution was added and reacted at room temperature for 30 minutes, and then dithiothreitol was added so as to have a concentration of 25 mM to obtain methoxy PEG having a mercapto group at one end. A PEGylated anti-CD34 antibody and a PEGylated anti-CD4 bound via a disulfide bond by adding a 5-fold molar amount of a mercapto group-containing methoxy PEG to 1 mol of SPDP-modified anti-CD34 antibody and SPDP-modified anti-CD4 antibody Antibody was obtained. The obtained PEGylated anti-CD34 antibody and PEGylated anti-CD4 antibody bound through disulfide bonds were sterilized by aseptic filtration sterilization.
[0057]
Production Example 5 Preparation of detachable antibody-immobilized hollow fiber membrane and column Toray polymethyl methacrylate (PMMA) artificial kidney “Filtizer” BG sterilized at 25 kGy is dismantled and the hollow fiber membrane is taken out. 36 were bundled, and both ends were fixed to the module case with an epoxy potting agent so as not to block the hollow portion of the hollow fiber membrane, to produce a mini module. The mini-module has a 1 cm × 1 cm square cross section and a length of about 10 cm.
[0058]
Production Example 4 as an antibody in the mini-module The PEGylated anti-CD34 antibody and the PEGylated anti-CD4 antibody obtained in 1 above were perfused with 1.5 ml of a phosphate buffer solution containing 0.5 mg / ml at room temperature for 1 hour to wash the anti-CD34 antibody and the anti-CD4 antibody with PMMA. An anti-CD34 antibody and an anti-CD4 antibody-immobilized hollow fiber column immobilized on the inner surface of the hollow fiber membrane via a disulfide bond were obtained.
[0059]
The obtained two types of hollow fiber columns were joined in the horizontal direction, and a ligand-immobilized column was prepared in which headers were attached up and down so that cells could be perfused.
[0060]
<Examples 1 and 2>
Human peripheral blood (containing heparin) is treated with “Lymphprep” (registered trademark) manufactured by AXIS SHIELD to separate mononuclear cell components, and 1.0 × 10 ^ 7 mononuclear cell components are phosphate buffer Suspended in 1.5 ml, the suspension was passed through the columns of Preparation Examples 3 and 5 at room temperature. The treated column was washed by perfusion with phosphate buffer for 1 hour, and then the columns were disassembled. Then, a header was attached to each column, and phosphate buffer containing 25 mM dithiothreitol was perfused for 1 hour to give cells. Was recovered. The ratio of CD34 positive cells and CD4 positive cells recovered from each disassembled column was 90% or more. The analysis of the above cells was performed with a flow cytometer.
[0061]
【The invention's effect】
The ligand-immobilized column of the present invention can easily collect two or more types of cells in a single perfusion operation by immobilizing two or more types of ligands in different areas.
[0062]
Further, by using specific cells collected in large quantities with the ligand-immobilized column of the present invention, as a treatment or vaccine for cancer, autoimmune disease, cerebral infarction, Parkinson's disease, Alzheimer's disease, diabetes, myocardial infarction, or revascularization Can be used.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is a diagram showing an outline of one embodiment of a ligand-immobilized column of the present invention when a hollow fiber membrane is used ((a) Overall view, (b) During separation, (c) Inside of module) ).
FIG. 2 is a diagram showing an outline of one embodiment of the ligand-immobilized column of the present invention when a knitted fabric is used ((a) general view, (b) during separation).
[Explanation of symbols]
1: Ligand immobilization columns 2a, 2b, 2c, 2d: each zone 3: bundle of hollow fiber membranes 4: ligand immobilization columns 5a, 5b, 5c: each zone 6: laminated knitted fabric