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JP2004193761A - パケット信号再送方式 - Google Patents

パケット信号再送方式 Download PDF

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Abstract

【課題】伝搬路状態に適応して送信信号の変調パラメータを変更して、受信局で受信できなかったパケットを送信局で再送を行うパケット通信システムにおいて、伝搬路状態に応じて、再送パケットを効率的に伝送するためのパケット信号再送方式を提供する。
【解決手段】基地局(送信局)に伝搬路状態比較部を備え、新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータと再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータとを比較し、その比較結果に応じて再送するパケットの変調パラメータを変更するように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパケット伝送を行う移動通信システムにおいて、無線伝搬路状態(以降、伝搬路状態と記載する。)に応じて、再送パケットを効率的に伝送するためのパケット信号再送方式に関する。
【0002】
近年、インターネットの普及により、移動通信システムを用いたインターネットでの音楽データ配信等のサービスを提供する要求が高まっている。データ通信においては、様々な品質や伝送レートを持つ信号を決められた容量のデータとして伝送するパケット伝送方式が適している。特に、基地局(送信局)から移動局(受信局)への下り回線においては、大容量データを効率的に伝送することが望まれている。
【0003】
【従来の技術】
パケット伝送では、ユーザのデータが発生した時のみパケット信号を送信し、またチャネルを複数のユーザと共有できる特徴を有しており、電力、周波数、時間等の無線リソースを効率的に使用することができる。更に、効率的な伝送を行うための手段として、適応変調、スケジューラ、再送等の技術がある。
【0004】
<適応変調について>
伝搬路状態は、刻一刻と変化するため、伝搬路状態に応じたパケット信号送信が必要となる。
【0005】
その一例として、送信電力を制御する方法がある。伝搬路状態が悪い場合、送信電力を増加させることで、受信局における受信品質をあるレベルまで高めるように保証する。しかし、送信電力が変化することで、他の受信局や隣接するセルに対する干渉特性が変化することが考えられる。
【0006】
また、別の考え方として、送信電力は一定として、変調方式,符号化率,拡散率などの変調パラメータを伝搬路状態に合わせて変える適応変調と呼ばれる方式がある。一般的に、送信されるデータは誤り訂正が行なわれた後、多値変調方式により変調される。変調方式の多値数が高いほど、また、誤り訂正における訂正可能なブロックサイズと情報ビットの比である符号化率が高いほど、一時に送信できるデータ量は大きくなり、そのため伝送誤りに対する耐性は弱くなる。即ち、伝搬路状態が良い場合、変調方式の多値数を増やし、符号化率を高くすることで、送信データ量を増加させ、伝送誤りの少ないデータ伝送を行うことができる。一方、伝搬路状態が悪い場合、変調方式の多値数を減らし、符号化率を低くすることで、送信データ量を減少させ、伝送誤りの少ないデータ伝送を行うことができる。
【0007】
また、CDMA(code division multiple access)などの送信情報波形を変調するスペクトラム拡散方式を用いるシステムでは、信号の拡散率(プロセスゲインとも言われる。)を変調パラメータとすることができる。このように、伝搬路状態に応じて変調パラメータを変更することで、伝搬路状態に適応し、且つ送信データ量を増やし、伝送誤り率をある一定範囲に抑えることが可能となる。
【0008】
<スケジューラについて>
移動通信システムでは、セル内の複数ユーザに対して信号伝送を行うにあたり、各ユーザに効率的に無線リソースを割当てることが重要となる。即ち、どのユーザ(1ユーザの場合、複数ユーザの場合ともにありうる)のパケットを、どの時間に、どのチャネルで、どのような電力で、どの位のパケット長で、送信するかを決定しなければならない。本作業を行う部分がスケジューラである。
【0009】
スケジューラは、様々な情報をもとに各ユーザに無線リソースの割当てを行う。様々な情報とは、各ユーザに対する伝搬路状態、伝送レート情報、トラフィックの優先度などがあるが、どの情報を使用するかはシステムによって異なる。また、無線リソースのうちどのリソースを、何を基準に割当てるかもシステムにより異なる。システム全体またはセル内での伝送量を最大にするためには、例えば、基地局(送信局)の近くにいるユーザなどの伝搬路状態が最も良いユーザを選択して、全無線リソースを割当てることになる。また、ユーザ間の公平性を保つためには、送信機会を均等に割当てることになる。前記の技術については下記の文献に示されている(例えば、非特許文献1参照)。
<再送について>
パケット受信が失敗した場合、その受信に失敗したパケットを再度送信する再送方式がある。受信局では、受信したパケットの情報が正確に復号されているかの判定を行い、送信側に受信成功/受信失敗(ACK/NACK)を通知する。送信局では、送信したパケットのデータ情報を信号バッファに格納しており、受信失敗の通知があった場合、そのパケットを再送する。受信成功の通知があった場合には、そのパケットのデータ情報を信号バッファから削除する。
【0010】
インターネットなどでのデータ通信を行う場合には、ある程度の遅延は許容した上で正確性が求められる。このようなトラフィックの場合には、再送における最大再送回数を多く設定することで、パケット廃棄のない通信を行うことができる。一方、電話などリアルタイムでのトラフィックを想定している場合は、ある程度のパケット廃棄は許容できるとして、最大再送回数を少なく設定する。
【0011】
更に、再送信号の受信品質を改善させるために、受信側でデータを合成する方式がある。受信側では、受信に失敗し再送要求を出したパケットのデータをバッファに格納し、再送されたパケットを受信した際に、バッファ内のデータと再送データの差分に基づいて、バッファ内のデータと再送データを合成する。このデータ合成により、受信品質が改善され、再送回数が増えるほど改善の度合いが高くなり、パケット受信の成功率が高まる。
【0012】
また、ACK/NACK信号により、信頼度を送信側に通知することで伝送特性を改善しているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
移動通信のパケット伝送システムにおいて、前記の適応変調、スケジューラ、再送の技術を用いることで無線リソースを効率的に使用し、各ユーザまたはトラフィックの性質に適応し、かつシステム提供側の目的にあったパケット伝送を実現することができる。
【0014】
図11に従来の構成の一例を示す。ここでは、基地局1から移動局2への下り回線での伝送を想定し、移動局2では、基地局1からの信号を、アンテナ11bを介して無線部12bで受信し、信号復調部13bにて復調された信号について、SIR測定部21において、常時下り回線における伝搬路状態を監視し、SIRを基地局1に、信号多重部23にて送信データと多重し、信号変調部19bにて変調し、無線部12bからアンテナ11bを介して送信している。また、パケット判定部22において、受信したパケットの情報が正確に復号されているかを判定し、パケット受信が成功した場合はACK、失敗した場合はNACKを基地局1に、信号多重部23にて送信データと多重し、信号変調部19bにて変調し、無線部12bからアンテナ11bを介して送信している。
【0015】
基地局1においては、移動局2からの信号を、アンテナ11aを介して無線部12aで受信し、信号復調部13aにて復調する。復調された信号は、信号分離部14において受信データとSIRとACK/NACKに分離される。スケジューラ部17では、SIRなどの情報を基に次のパケットで送信するユーザを選択し、選択結果を送信データ制御部18に通知する。送信データ制御部18では、スケジューラ部17から通知されたユーザ情報や、信号分離部14から通知されたACK/NACKに応じて、送信データ制御部18が備える信号バッファ内の送信データを信号変調部19に送る。なお、移動局2に送信するデータは一度各移動局毎に該信号バッファに格納される。適応変調制御部16bでは、該SIRを基に各ユーザに適した変調パラメータを算出し、信号変調部19に通知する。信号変調部19では、通知された変調パラメータを用いて信号の変調を行う。
【0016】
【非特許文献1】
大藤、他「下りリンク高速パケットアクセスにおける各ユーザのスループットに着目したスケジューリング法の特性比較」電子情報通信学会 信学技報 RCS2001−291
【0017】
【特許文献1】
特開2002−9741公報「自動再送要求を行う通信方法及び基地局装置」
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
以上記載した様に、伝搬路状態に応じて変調パラメータを変更してパケット信号を送信する適応変調方式において、受信に失敗したパケットを再送する場合、新規送信時と同一の変調パラメータによって信号変調されたパケット信号を送信する。しかし、伝搬路状態は常に変動しており、移動局(受信局)の移動、シャドーイング、フェージングを考慮すると、伝搬路状態(SIR)は数十デシベルも変動することがある。また、セル内に多数のユーザが存在する場合、スケジューラは再送パケットを直ちに送信するとは限らず、また、再送が複数回に及ぶ場合がある。このような場合には、新規送信時に設定した変調パラメータと再送時の伝搬路状態に適応した変調パラメータが合致しない事がある。新規送信時に比べて再送時の伝搬路状態が悪い場合、新規送信時と同じ変調パラメータでパケットを送信してもパケット受信が成功する確率は非常に小さい。逆に、新規送信時に比べて再送時の伝搬路状態が良い場合、新規送信時と同じ変調パラメータでパケットを送信するとパケット受信が成功する確率は非常に大きくなるが、無線リソースを過剰に使用することになる。
【0019】
本発明は、パケット伝送を行う移動通信システムにおいて、伝搬路状態に応じて、再送パケットを効率的に伝送するためのパケット信号再送方式を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
第一の発明は、伝搬路状態に適応して送信信号の変調パラメータを変更して、受信局で受信できなかったパケットを送信局で再送を行うパケット通信システムにおいて、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータと該受信できなかったパケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータとを比較する伝搬路状態比較部と、SIR(signal to interference ratio 信号電力対干渉電力比)情報、伝搬路状態比較情報を基に変調パラメータを決定する適応変調/送信電力制御部と、SIR情報、信号バッファ情報、伝送レート情報、トラフィックの優先度情報を基にユーザの割当てを決定するスケジューラ部と、新規送信データ、再送データを格納する信号バッファを有し、次スロットで送信するデータを出力する送信データ制御部と、を備えることを特徴とするパケット信号再送方式である。
【0021】
第一の発明によれば、再送パケットを送信する場合、新規パケットとして送信した時の変調パラメータを変更して、該再送パケット送信時に適応した変調パラメータで送信することが可能となる。
【0022】
第二の発明は、第一の発明のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信局は再送パケットの送信を延期し、新規パケットの送信もしくは別の再送パケットを送信することを特徴とするパケット信号再送方式である。
【0023】
第二の発明によれば、再送パケットを送信する時の変調パラメータが新規パケットを送信した時の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より悪い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送しても受信成功する確率が低い場合に、現伝搬路状態に適応したパケット送信を行うことで受信成功の確率を高くするが可能となる。
【0024】
第三の発明は、第一の発明のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信局は再送パケットの変調パラメータを変更し、複数回に分けて送信することを特徴とするパケット信号再送方式である。
【0025】
第三の発明によれば、再送パケットを送信する時の変調パラメータが新規パケットを送信した時の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より悪い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送しても受信成功する確率が低い場合に、現伝搬路状態に適応した変調パラメータを使用して再送データを複数回に分けて送信することで受信成功の確率を高くするが可能となる。
【0026】
第四の発明は、第一の発明のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより良い場合、送信局は、再送パケットと併せて、該再送パケットと同じ受信局に対する信号バッファ内の次のパケットを送信することを特徴とするパケット信号再送方式である。
【0027】
第四の発明によれば、再送パケットを送信する時の変調パラメータが新規パケットを送信した時の変調パラメータより良いと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より良い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送すると受信成功する確率が高い場合に、再送パケット信号と併せて他の信号を送信することで、無線リソースを有効に使用することが可能となる。
【0028】
第五の発明は、第一の発明のパケット信号再送方式において、再送パケットを送信する時の伝搬路状態が新規パケットを送信した時の伝搬路状態と異なる場合、該伝搬路状態の差分に応じて再送パケットを送信する電力を、基準となるSIRになるように調整することを特徴とするパケット信号再送方式である。
【0029】
第五の発明によれば、無線リソースの一つである電力リソースの抑制が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以降、図面を併用して、本発明の技術を詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の基本構成図であり、基地局(送信局とする。)1と移動局(受信局とする。)2を示している。
【0032】
ここでは、基地局1から移動局2への下り回線での伝送を想定し、移動局2では、基地局1からの信号を、アンテナ11bを介して無線部12bで受信し、信号復調部13bにて復調された信号について、SIR測定部21において、常時下り回線における伝搬路状態を監視し、SIRとして基地局1に、信号多重部23にて送信データと多重し、信号変調部19bにて変調し、無線部12bからアンテナ11bを介して送信している。また、パケット判定部22において、受信したパケットを判定しパケット受信が成功した場合はACK、失敗した場合はNACKを基地局1に、信号多重部23にて送信データと多重し、信号変調部19bにて変調し、無線部12bからアンテナ11bを介して送信している。
【0033】
基地局1では、移動局2からの信号を、アンテナ11aを介して無線部12aで受信し、信号復調部13aにて復調された信号は、信号分離部14において受信データとSIRとACK/NACKに分離される。スケジューラ部17では、SIRなどの情報を基に次のパケットで送信するユーザを選択し、選択結果を送信データ制御部18に通知する。
【0034】
適応変調/送信電力制御部16aでは、該SIRと伝搬路状態比較部15での比較結果を基に各ユーザに適した変調パラメータを算出し、信号変調部19aに通知する。
【0035】
伝搬路状態比較部15では、適応変調/送信電力制御部16aからの現状の伝搬路状態または変調パラメータと、送信データ制御部18からの再送パケットを新規パケットとして送信した時の伝搬路状態または変調パラメータとを、比較し、比較結果を送信データ制御部18に通知し、かつ信号変調部19に通知する。
【0036】
送信データ制御部18では、スケジューラ部17から通知されるユーザ情報と、伝搬路状態比較部15から通知される比較結果と、ユーザ毎のACK/NACK情報に応じて、送信データ制御部18が備える信号バッファ内の送信データを信号変調部19aに送る。なお、移動局2に送信するデータは一度各移動局毎に該信号バッファに格納される。
【0037】
信号変調部19aでは、伝搬路状態比較部15から通知される比較結果と、適応変調/送信電力制御部16aから通知される変調パラメータとを用いて信号の変調を行う。
【0038】
信号変調部19aからの出力される信号は、乗算器20において、適応変調/送信電力制御部16aから通知される送信電力制御信号に応じた送信信号として、無線部12aからアンテナ11aを介して送信される。
【0039】
図1の構成における適応変調の動作について説明する。
【0040】
図2は適応変調の動作例であり、図2が示すグラフは受信局(移動局)から通知されるあるユーザのSIRである。図3は図1に示した適応変調/送信電力制御部の説明であり、各ユーザのSIRとMCS(modulation and coding scheme)しきい値(MCSについては下記に記載する。)を比較し、変調パラメータを表すMCS番号を決定し、該ユーザ番号と該MCS番号を伝搬路状態比較部15へ通知する。また、伝搬路状態比較部15での比較情報により、パケット再送時の変調パラメータを新規送信時の変調パラメータから変更する場合には、変更後のMCS番号を信号変調部19aへ通知する。図2に示すように、あるユーザに対する時刻T1でのSIRがMCSしきい値2以上であるため、次の送信スロットSL1における該ユーザのMCS番号はMCS3となる。
【0041】
MCSは変調パラメータを表す。例えば、変調方式、符号化率の組み合わせである。MCSしきい値は各変調パラメータと該変調パラメータが必要とするSIRから決定される。例えば、MCSしきい値1、2を設け、移動局で測定され基地局に通知されたSIRがMCSしきい値2以上であれば変調パラメータMCS3を設定し、該SIRがMCSしきい値1と2の間であれば変調パラメータMCS2を設定し、該SIRがMCSしきい値1以下であれば変調パラメータMCS1を設定する。MCSしきい値が高いほど必要とするSIRは高くなる。
【0042】
次に、本発明の実施におけるスケジューラの動作について説明する。
【0043】
図4は図1に示したスケジューラ部の動作例であり、ユーザA、ユーザBのSIRの変動を示している。スケジューラは様々な観点からユーザの割当てを決定する。図5のスケジューラ部の説明で示すように、SIR、信号バッファ情報、伝送レート情報、トラフィックの優先度情報により、ユーザの割当て結果としてのユーザ番号を決定する。図1の構成において、図4に示すようにSIRのみを用い、SIRが最も高い(伝搬路状態が最も良い)1ユーザのみに割当てを行う。時刻T1においてはユーザAのSIRが高いため次スロットSL1ではユーザAに対して送信を行う。同様に、時刻T4においてはユーザBのSIRが高いため次スロットSL4ではユーザBに対して送信を行う。
【0044】
また、図6は図1に示した送信データ制御部の構成であり、該送信データ制御部18は新規送信データ、再送データを信号バッファ181に蓄積し、次のスロットで送信するデータを信号変調部19に送る。信号バッファ181は、各ユーザ、新規/再送データ、トラフィック種類毎に分別することもでき、ユーザやトラフィック種類に応じて再送回数の規定値が異なり、規定値を超えた場合にデータを廃棄することも行なわれる。また、信号データに加えて新規送信時の変調パラメータ、再送回数などの制御情報も格納される。送信ユーザ決定部182では、スケジューラ部17より通知されるユーザ情報、伝搬路状態比較部15から通知される比較結果により、次のスロットで送信するユーザを決定し、信号バッファ181に通知する。また、各ユーザからのACK/NACK情報は再送情報制御部183に通知され、ACKが通知されれば、該当するユーザのデータを信号バッファ181より消去する。NACKが通知されれば、再度信号バッファ181内に蓄積される。
【0045】
次に、再送における適応変調の動作例を説明する。
【0046】
図7に適応変調における再送の動作例を示している。グラフは送信スロットに応じて移動局から通知されたSIRを示している。また、該送信スロットに応じて移動局での受信状態を示しており、ACKが通知された場合は「○」、NACKが通知された場合は「×」で示している。そして、該送信スロットで送信したデータ番号を示している。あるユーザについて送信スロット5で送信したデータ(データ番号5)の受信に失敗したとする。この場合、グラフよりT4でのSIRより、変調パラメータはMCS3である。スケジューラは送信スロット9において、受信に失敗したデータ番号5のデータを再送したとする。しかし、この場合の変調パラメータは、グラフよりT8でのSIRよりMCS1となり、新規送信時(送信スロット5)より伝搬路状態は悪いため、新規送信時の変調パラメータMCS3のパケットを送信しても受信が成功する確率は低い。よって、現伝搬路状態に適応すべく変調パラメータMCS1でデータ番号5のデータを再送することにする。もしくは、他のユーザのパケット、同じユーザの新規パケット、同じユーザの他の再送パケットで変調パラメータがMCS1のものを選択する。
【0047】
次に、上記に記載した再送時に変調パラメータを変更して再送する場合の処理フローチャートを図8に示し、詳細に説明する。
S1.スケジューラ部17は第1候補ユーザを決定し、送信データ制御部18に前記ユーザ情報を通知する。
S2.送信データ制御部18は、通知されたユーザ情報を基に、再送用のデータがあるか、そのデータの優先度は高いかなどの情報を考慮して、次のスロットで新規データを送信するか、再送データを送信するかを判断する。
S3.ステップS2で再送データを送信すると判断した場合、送信データ制御部18は該ユーザ情報から信号バッファ181より知れる新規送信時の伝搬路状態情報を伝搬路状態比較部15に通知し、伝搬路状態比較部15は新規送信時の伝搬路状態情報を取得する。
S4.伝搬路状態比較部15は、適応変調/送信電力制御部16aより現伝搬路状態の変調パラメータとなるMCS番号を取得する。
S5.伝搬路状態比較部15は、ステップS3、S4で取得した新規送信時の変調パラメータと現伝搬路状態での変調パラメータを比較する。
S6.ステップS2で再送でなく、新規データを送信すると判断された場合、もしくは、ステップS5で現伝搬路状態の変調パラメータが新規送信時の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より悪い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送しても受信成功する確率が低い場合、信号変調部19aは、適応変調/送信電力制御部16aより現伝搬路状態の変調パラメータとなるMCS番号を取得して変調する。
S7.ステップS5で新規送信時の変調パラメータが現伝搬路状態の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より良い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送すると受信成功する確率が高い場合、信号変調部19aは、適応変調/送信電力制御部16aより新規送信時の伝搬路状態の変調パラメータとなるMCS番号を取得して変調する。
S8.信号変調部19aは変調された信号を無線部12へ出力し、送信される。
【0048】
また、再送時に現伝搬路状態により再送を延期する場合の処理フローチャートを図9に示し、詳細に説明する。
ステップS1〜ステップS5までは前記図8の説明と同じである。
S1.スケジューラ部17は第1候補ユーザを決定し、送信データ制御部18に前記ユーザ情報を通知する。
S2.送信データ制御部18は、通知されたユーザ情報を基に、再送用のデータがあるか、そのデータの優先度は高いかなどの情報を考慮して、次のスロットで新規データを送信するか、再送データを送信するかを判断する。
S3.ステップS2で再送であると判断した場合、送信データ制御部18は該ユーザ情報から信号バッファ181より知れる新規送信時の伝搬路状態情報を伝搬路状態比較部15に通知し、伝搬路状態比較部15は新規送信時の伝搬路状態情報を取得する。
S4.伝搬路状態比較部15は、適応変調/送信電力制御部16aより現伝搬路状態の変調パラメータとなるMCS番号を取得する。
S5.伝搬路状態比較部15は、ステップS3、S4で取得した新規送信時の変調パラメータと現伝搬路状態での変調パラメータを比較する。
S6.ステップS2で新規データを送信すると判断された場合、信号変調部19aは、適応変調/送信電力制御部16aより現伝搬路状態の変調パラメータとなるMCS番号を取得して変調する。
S7.ステップS5で新規送信時の変調パラメータが現伝搬路状態の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より良い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送すると受信成功する確率が高い場合、信号変調部19aは、適応変調/送信電力制御部16aより新規送信時の伝搬路状態の変調パラメータとなるMCS番号を取得して変調する。
S8.信号変調部19aは変調された信号を無線部12aへ出力し、送信される。
S11.ステップS5で現伝搬路状態の変調パラメータが新規送信時の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より悪い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送しても受信成功する確率が低い場合、スケジューラ部17は次の候補ユーザを決定し、送信データ制御部18に該候補ユーザの前記ユーザ情報を通知する。
<再送時の伝搬路状態(現伝搬路状態)が新規送信時よりも悪い場合>
再送時の伝搬路状態、つまり、現時点での伝搬路状態が、再送するパケットを新規に送信した時、つまり、受信に失敗した時よりも悪い場合における、他の動作例を説明する。
【0049】
図8の変調パラメータを変更して再送する処理フローチャートのステップS5で、現伝搬路状態の変調パラメータが新規送信時の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より悪い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送しても受信成功する確率が低い場合、ステップS6で再送パケットの変調パラメータを現変調パラメータに変更する場合の動作例である。
【0050】
この場合に、データ量が1パケットを超えてしまう場合があり、その時には、送信データ制御部18は複数のパケットに分割して送信する。
【0051】
図7の例で説明すると、新規送信時(送信スロット5の場合)は変調パラメータMCS3で送信したが、再送時、送信スロット9にて、現伝搬路状態に合わせて変調パラメータMCS1に変更することになる。変調パラメータMCS3での伝送レートが変調パラメータMCS1での伝送レートの3倍とした場合、変調パラメータをMCS1にすることによって3倍の伝送容量(3倍のパケット量と等価)が生じることになるので、第2のパケット以降のパケットデータは再度前記の信号バッファ181に格納され、次回以降のスロット割当て時に再送される。
【0052】
前記の動作については、信号を複数チャネル使用して送信される、例えばCDMA(code division multiple access)を用いたシステムでは、マルチコードと呼ばれる手法で複数のコードを用いて複数の信号を同時に送信することが可能である。マルチコード伝送では、コードの選択によりコード間の直交性を保つことが可能であるが、遅延波により干渉が生じてしまう。マルチコード数(同時送信チャネル数)が多いほど、干渉は大きくなり、所要品質も高くなってくる。このため、再送時における伝搬路状態が悪い場合には、変調パラメータはそのままとして、マルチコード数を減らすことで、現伝搬路状態に近い所要品質で信号を送ることができる。その際、送信を行なわなかった他のマルチコード信号は再び信号バッファ181に格納され、次回以降のスロット割当て時に再送される。
<再送時の伝搬路状態(現伝搬路状態)が新規送信時よりも良い場合>
以上説明してきた例とは逆に、再送時の伝搬路状態(現伝搬路状態)が新規送信時の伝搬路状態よりも良い場合における動作例について説明する。
【0053】
図8の変調パラメータを変更して再送する処理フローチャートのステップS5で、新規送信時の変調パラメータが現伝搬路状態の変調パラメータより小さいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態が新規送信時の伝搬路状態より良い場合であり、新規送信時の変調パラメータで再送すると受信成功する確率が高い場合、ステップS7で再送パケットの変調パラメータを新規送信時の変調パラメータのままで再送する場合の動作例である。この場合は、無線リソースの過剰使用となる。
【0054】
図7の例で説明すると、新規送信が送信スロット9で行なわれたとすると、変調パラメータはMCS1であり、再送が送信スロット11で行なわれたとすると、その時点の伝搬路状態に応じた変調パラメータはMCS2である。変調パラメータMCS2の伝送レートが変調パラメータMCS1の伝送レート2倍であるとした場合、変調パラメータMCS1で変調された信号を再送することは、変調パラメータMCS1での1パケット分が未使用となり、伝送効率の低下となる。このため、送信データ制御部18は、同一ユーザの次の再送信号が変調パラメータMCS1であるならば、例えばマルチコード信号として、この信号と合わせて送ることで、効率的な伝送が可能となる。あるいは、変調パラメータMCS1である新規データを合わせて送ることも可能である。更に、他のユーザで変調パラメータMCS1のデータを合わせて送ることも可能である。
【0055】
また、同様に、再送時の伝搬路状態(現伝搬路状態)が新規送信時の伝搬路状態よりも良い場合、再送パケットの変調パラメータ(新規送信時の変調パラメータ)を現変調パラメータに変更すると、例えば、変調パラメータをMCS1からMCS2に変更すると、変調パラメータを高くすることになり、伝送レートも高くなる。伝送する信号の伝送量は新規送信時と変わらないため、伝送レートを高くすることで、使用する無線リソースを抑制することが可能となる。例えば、伝送レートを2倍とした場合、送信電力を1/2倍とする、またはパケット長を1/2倍とする、または周波数帯域を1/2倍とするなどの処置が可能となり、その結果、他のユーザや他のセルに対する干渉が抑圧される。
<再送時の伝搬路状態(現伝搬路状態)が新規送信時とほぼ等しい場合>
再送時の伝搬路状態(現伝搬路状態)が新規送信時の伝搬路状態とほぼ等しい場合における動作例について説明する。
【0056】
現伝搬路状態の変調パラメータが新規送信時の変調パラメータとほぼ等しいと判断された場合、つまり、現伝搬路状態と新規送信時の伝搬路状態がほぼ等しい場合においても、適応変調/送信電力制御部16aは、再送パケットの変調パラメータを低いレベルの変調パラメータに変更する。この際、パケットデータ量が1パケットを超えてしまう場合があり、複数のパケットに分割して送信する。リアルタイム伝送を行うトラフィックの場合(例えば、電話)、実時間性が重要となるため再送回数の規定値が小さく設定され、規定値を超えるデータは破棄されることになる。一方、データの破棄はサービス品質の劣化となるため、破棄率は低く抑える必要がある。このため、適応変調/送信電力制御部16aは、再送データの変調パラメータを低いレベルに変更することで、エラーが生じる可能性のより低い変調パラメータに変更して、パケット破棄率を低く抑えることが可能となる。
【0057】
次に再送時に送信電力を制御する場合の動作例について説明する。
【0058】
送信電力制御は、一般的に移動局(受信側)での受信品質を一定に保つために使用される。伝搬路状態が悪い場合には、送信電力を上げることで受信品質を改善し、伝搬路状態が良い場合には、送信電力を下げることで電力リソースを抑制する。ここでの動作例は、新規送信時と再送時の伝搬路状態の差分に応じた電力制御を行う。図10に送信電力制御の動作例を示す。図10において、新規送信を送信スロット3で、変調パラメータMCS2で行なったとする。再送を送信スロット5で行うとする。この時点での変調パラメータはMCS3であり、このままパケットを再送すると変調パラメータMCS2であるため無線リソースの過剰使用となる。送信電力を下げることで、過剰なリソース使用が抑制され、また隣接するセルに対しても干渉の抑制となる。そのために、各MCSに対して基準となるSIRを設定する。変調パラメータMCS2とMCS3では、各基準のSIRの差分だけリソースが過剰に使用されているので、適応変調/送信電力制御部16aは、この差分だけ送信電力を下げる。再送を送信スロット9とした場合、変調パラメータはMCS1であり、変調パラメータMCS2のパケットを再送すると受信成功の確率は低い。ここでは、基準SIRの差分だけ送信電力を上げることで変調パラメータMCS2に対応するSIRまで品質を改善することができる。また、新規送信時のSIRと再送時のSIRの差分に応じて送信電力を制御することも可能である。
【0059】
(付記1) 伝搬路状態に適応して送信信号の変調パラメータを変更して、受信局で受信できなかったパケットを送信局で再送を行うパケット通信システムにおいて、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータと該受信できなかったパケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータとを比較する伝搬路状態比較部と、SIR(signal to interference ratio 信号電力対干渉電力比)情報、伝搬路状態比較情報を基に変調パラメータを決定する適応変調/送信電力制御部と、SIR情報、信号バッファ情報、伝送レート情報、トラフィックの優先度情報を基にユーザの割当てを決定するスケジューラ部と、新規送信データ、再送データを格納する信号バッファを有し、次スロットで送信するデータを出力する送信データ制御部と、を備えることを特徴とするパケット信号再送方式。
【0060】
(付記2) 付記1のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信局は再送パケットの送信を延期し、新規パケットの送信もしくは別の再送パケットを送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0061】
(付記3) 付記1のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信局は再送パケットの変調パラメータを変更し、複数回に分けて送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0062】
(付記4) 付記1のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより良い場合、送信局は、再送パケットと併せて、該再送パケットと同じ受信局に対する信号バッファ内の次のパケットを送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0063】
(付記5) 付記1のパケット信号再送方式において、再送パケットを送信する時の伝搬路状態が新規パケットを送信した時の伝搬路状態と異なる場合、該伝搬路状態の差分に応じて再送パケットを送信する電力を、基準となるSIRになるように調整することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0064】
(付記6) 付記1のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信する再送パケットの受信局に対する信号が複数のチャネルを使用して送信されている場合において、同時送信チャネル数を減らし、複数回に分けて送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0065】
(付記7) 付記1のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより良い場合、送信する再送パケットの受信局に対する信号の変調パラメータを変更し、送信時に使用する無線リソースを抑制することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0066】
(付記8) 付記1のパケット信号再送方式において、前記伝搬路状態比較部の結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータとほぼ同一の場合においても、送信する再送パケットの受信局に対する信号の再送回数が制限されているような時に、送信局は再送パケット信号の変調パラメータを変更し、複数回に分けて送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
【0067】
【発明の効果】
基地局(送信局)に伝搬路状態比較部を備え、新規パケットを送信した時の伝搬路状態と再送パケットを送信する時の伝搬路状態とを比較し、その比較結果に応じて再送するパケットの変調パラメータを変更することで、再送するパケットの受信失敗を防ぎ、過剰な無線リソースの使用を抑制し、効率的な無線リソースの使用を可能とするパケット信号再送方式を実現することができる。
【0068】
第一の発明によれば、再送パケットを送信する時に、その時点で適応した変調パラメータを用いて送信する構成とすることが可能となる。
【0069】
第二の発明によれば、再送パケットの変調パラメータを変更することで、受信成功の確率を高くすることが可能となる。
【0070】
第三の発明によれば、再送パケットの変調パラメータを変更し、再送パケットを複数回に分けて送信することで、受信成功の確率を高くすることが可能となる。
【0071】
第四の発明によれば、再送パケットと併せて他のパケットを送信することで、無線リソースを有効に使用することが可能となる。
【0072】
第五の発明によれば、電力リソースの抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成
【図2】適応変調の動作例
【図3】適応変調/送信電力制御部の説明
【図4】スケジューラ部の動作例
【図5】スケジューラ部の説明
【図6】送信データ制御部の説明
【図7】適応変調における再送の動作例
【図8】変調パラメータを変更して再送する処理フローチャート
【図9】再送延期の処理フローチャート
【図10】送信電力制御の動作例
【図11】従来の構成
【符号の説明】
1 基地局(送信局)
2 移動局(受信局)
11a、11b アンテナ
12a、12b 無線部
13a、13b 信号復調部
14 信号分離部
15 伝搬路状態比較部
16a 適応変調/送信電力制御部
16b 適応変調制御部
17 スケジューラ部
18 送信データ制御部
181 信号バッファ
182 送信ユーザ決定部
183 再送情報制御部
19a、19b 信号変調部
20 乗算器
21 SIR測定部
22 パケット判定部
23 信号多重部

Claims (5)

  1. 伝搬路状態に適応して送信信号の変調パラメータを変更して、受信局で受信できなかったパケットを送信局で再送を行うパケット通信システムにおいて、
    再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータと該受信できなかったパケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータとを比較する伝搬路状態比較部と、
    SIR(signal to interference ratio 信号電力対干渉電力比)情報、伝搬路状態比較情報を基に変調パラメータを決定する適応変調/送信電力制御部と、
    SIR情報、信号バッファ情報、伝送レート情報、トラフィックの優先度情報を基にユーザの割当てを決定するスケジューラ部と、
    新規送信データ、再送データを格納する信号バッファを有し、次スロットで送信するデータを出力する送信データ制御部と、
    を備えることを特徴とするパケット信号再送方式。
  2. 請求項1に記載のパケット信号再送方式において、
    前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信局は再送パケットの送信を延期し、新規パケットの送信もしくは別の再送パケットを送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
  3. 請求項1に記載のパケット信号再送方式において、
    前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより悪い場合、送信局は再送パケットの変調パラメータを変更し、複数回に分けて送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
  4. 請求項1に記載のパケット信号再送方式において、
    前記伝搬路状態比較部の比較結果が、再送パケットを送信する時の伝搬路状態または変調パラメータが新規パケットを送信した時の伝搬路状態または変調パラメータより良い場合、送信局は、再送パケットと併せて、該再送パケットと同じ受信局に対する信号バッファ内の次のパケットを送信することを特徴とするパケット信号再送方式。
  5. 請求項1に記載のパケット信号再送方式において、
    再送パケットを送信する時の伝搬路状態が新規パケットを送信した時の伝搬路状態と異なる場合、該伝搬路状態の差分に応じて再送パケットを送信する電力を、基準となるSIRになるように調整することを特徴とするパケット信号再送方式。
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