JP2004187684A - L−グルタミンの製造法及びl−グルタミン生産菌 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 L−グルタミン生産能を有し、細胞内のグルタミナーゼ活性が低下し、好ましくはさらに細胞内のグルタミンシンテターゼ活性が増強するように改変されたコリネ型細菌を培地に培養し、該培地中にL−グルタミンを生成蓄積せしめ、これを採取することにより、L−グルタミンを製造する。
【選択図】 図1
Description
(1)L−グルタミン生産能を有し、かつ、細胞内のグルタミナーゼ活性が低下するように改変されたコリネ型細菌。
(2)染色体上のグルタミナーゼ遺伝子が破壊されたことにより、グルタミナーゼ活性が低下した(1)のコリネ型細菌。
(3)グルタミナーゼ活性が、0.1U/mg菌体タンパク質以下である(1)又は(2)の細菌。
(4)菌体タンパク質当たりのグルタミナーゼ活性がグルタミンシンテターゼ活性と同じか又はそれ以下である(1)〜(3)のいずれかの細菌。
(5)さらに細胞内のグルタミンシンテターゼ活性が増強するように改変された(1)〜(4)のいずれかの細菌。
(6)グルタミンシンテターゼ活性の増強が、グルタミンシンテターゼ遺伝子の発現量の増強によるものである(5)の細菌。
(7)グルタミンシンテターゼ遺伝子の発現量の増強が、グルタミンシンテターゼをコードする遺伝子のコピー数を高めること、又は前記細菌細胞内のグルタミンシンテターゼをコードする遺伝子の発現が増強されるように同遺伝子の発現調節配列を改変することによるものである(6)の細菌。
(8)(1)〜(7)のいずれかの細菌を培地に培養し、該培地中にL−グルタミンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするL−グルタミンの製造法。
(9)コリネ型細菌のグルタミンシンテターゼ遺伝子であって、−35領域の配列がTTGCCAであり、−10領域の配列がTATAATであるグルタミンシンテターゼ遺伝子。
本発明において、「コリネ型細菌」とは、従来ブレビバクテリウム属に分類されていたが、現在コリネバクテリウム属に分類された細菌も含み(Int. J. Syst. Bacteriol., 41, 255(1981))、またコリネバクテリウム属と非常に近縁なブレビバクテリウム属細菌を含む。このようなコリネ型細菌の例として以下のものが挙げられる。
コリネバクテリウム・アセトグルタミカム
コリネバクテリウム・アルカノリティカム
コリネバクテリウム・カルナエ
コリネバクテリウム・グルタミカム
コリネバクテリウム・リリウム
コリネバクテリウム・メラセコーラ
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス
コリネバクテリウム・ハーキュリス
ブレビバクテリウム・ディバリカタム
ブレビバクテリウム・フラバム
ブレビバクテリウム・インマリオフィラム
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム
ブレビバクテリウム・ロゼウム
ブレビバクテリウム・サッカロリティカム
ブレビバクテリウム・チオゲニタリス
コリネバクテリウム・アンモニアゲネス
ブレビバクテリウム・アルバム
ブレビバクテリウム・セリヌム
ミクロバクテリウム・アンモニアフィラス
コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム ATCC13870
コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806
コリネバクテリウム・アルカノリティカム ATCC21511
コリネバクテリウム・カルナエ ATCC15991
コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13020, ATCC13032, ATCC13060
コリネバクテリウム・リリウム ATCC15990
コリネバクテリウム・メラセコーラ ATCC17965
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス AJ12340(FERM BP-1539)
コリネバクテリウム・ハーキュリス ATCC13868
ブレビバクテリウム・ディバリカタム ATCC14020
ブレビバクテリウム・フラバム ATCC13826, ATCC14067, AJ12418(FERM BP-2205)
ブレビバクテリウム・インマリオフィラム ATCC14068
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム ATCC13869
ブレビバクテリウム・ロゼウム ATCC13825
ブレビバクテリウム・サッカロリティカム ATCC14066
ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ATCC19240
コリネバクテリウム・アンモニアゲネス ATCC6871、ATCC6872
ブレビバクテリウム・アルバム ATCC15111
ブレビバクテリウム・セリヌム ATCC15112
ミクロバクテリウム・アンモニアフィラス ATCC15354
ブレビバクテリウム・フラバムAJ11573(FERM P-5492) 特開昭56-151495公報参照ブレビバクテリウム・フラバムAJ12210(FERM P-8123) 特開昭61-202694公報参照ブレビバクテリウム・フラバムAJ12212(FERM P-8123) 特開昭61-202694公報参照ブレビバクテリウム・フラバムAJ12418(FERM-BP2205) 特開平2-186994公報参照ブレビバクテリウム・フラバムDH18(FERM P-11116) 特開平3-232497公報参照
コリネバクテリウム・メラセコラDH344(FERM P-11117) 特開平3-232497公報参照コリネバクテリウム・グルタミカムAJ11574(FERM P-5493) 特開昭56-151495公報参照
「グルタミナーゼ活性(以下、「GLS活性」ともいう)」とは、L−グルタミンを基質として、L−グルタミン酸を生成する酵素活性のことをいう。GLS活性は、例えば以下の方法で測定することができる。
and K.Miura, Biochem.B iophys. Acta, 72, 619 (1963)、生物工学実験書、日本生物工学会編、97〜98頁、培風館、1992年参照)等により調製することができる。
の部分(ベクター部分、温度感受性複製起点及び薬剤耐性マーカー)を挟んだ状態で染色体に挿入されている。したがって、この状態では正常なglsが優性であるので、形質転換株は正常なglsを発現する。
GS活性は、例えば下記のようにして測定することができる。
MnCl2 1mM, ホスホエノールピルビン酸1mM, NADH 0.3mM, ラクテートデヒドロゲナーゼ10U, ピルビン酸キナーゼ25U, ATP 1mM、MSG(グルタミン酸ナトリウム) 10mMを含む溶液に加え、30℃における340nMの吸光度変化を測定することによってGSの反応を定量できる。ブランクの測定には、上記反応液よりMSGを除いたものを用いる。粗酵素液のタンパク質濃度は、牛血清アルブミンを標準試料として、Protein Assay(Bio-Rad)を用いて定量する。本発明においては、上記反応系にて1分間に1マイクロモルのNADを生成する酵素量を1Uと定義する。以下、タンパク質1mg当たりのGS活性を、「U/mg」として表記する。
の洗いの条件である60℃、1×SSC,0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件が挙げられる。
pAM330 特開昭58-67699号公報参照
pHM1519 特開昭58-77895号公報参照
pSFK6 特開2000-262288号公報参照
pAJ655 エシェリヒア・コリAJ11882(FERM BP-136)
コリネハ゛クテリウム・ク゛ルタミクムSR8201(ATCC39135)
pAJ1844 エシェリヒア・コリAJ11883(FERM BP-137)
コリネハ゛クテリウム・ク゛ルタミクムSR8202(ATCC39136)
pAJ611 エシェリヒア・コリAJ11884(FERM BP-138)
pAJ3148 コリネハ゛クテリウム・ク゛ルタミクムSR8203(ATCC39137)
pAJ440 ハ゛チルス・ス゛フ゛チリスAJ11901(FERM BP-140)
pHC4 エシェリヒア・コリAJ12617(FERM BP-3532)
-35領域の配列をTTGCCAに置換することにより、GS活性が増強される。ただし、本発明におけるGS遺伝子の-35領域とは、前述の報文に記されている-35領域よりも3bp下流側すなわち転写開始点側に位置している領域(配列番号3の塩基番号727〜732)のことであり、-10領域とは前述の報文に記されている部位と同一の領域(配列番号3の塩基番号751〜756)のことをいう。上記のようなGS遺伝子の-35領域及び-10領域の改変は、例えば部位特異的変異法により行うことができる。
-10領域及び-35領域の配列を改変するGS遺伝子としては、コリネ型細菌のglnA遺伝子、例えば配列番号3の配列を有する遺伝子が挙げられる。尚、コードされるタンパク質は、L−グルタミン酸とアンモニウムイオンからL−グルタミンを生成する反応を触媒する活性を実質的に損なわないような1若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有するものであってもよい。
上記のようにして得られるコリネ型細菌を培地で培養し、該培地中にL−グルタミンを生成蓄積せしめ、該培地からL−グルタミンを採取することにより、L−グルタミンを効率よく製造することができ、かつ、L−グルタミン酸の副生を抑制することができる。
ことが好ましい。
培養は、発酵温度20〜45℃、pHを5〜9に制御し、通気培養を行う。培養中にpHが下がる場合には、炭酸カルシウムを加えるか、アンモニアガス等のアルカリで中和する。かくして10時間〜120時間程度培養することにより、培養液中に著量のL−グルタミンが蓄積される。
(1)コリネ型細菌のグルタミナーゼ活性の測定
コリネ型細菌では、L−グルタミンを分解してL−グルタミン酸を生成する酵素グルタミナーゼの存在は明確に知られていなかった。そこで本発明者らは、コリネ型細菌にグルタミナーゼ活性が存在するかを検証した。
L−グルタミンは、核酸、アミノ酸などの生合成において、NH3の供与体となることが知られており、例えばカルバモイルリン酸合成酵素のスモールサブユニットはグルタミナ
ーゼ活性を示すことが知られている。一方で、核酸・アミノ酸生合成とは無関係にグルタミナーゼ活性を示す遺伝子として、近年Rhizobium etliでグルタミナーゼをコードする遺伝子glsAがクローニングされている(Biochim. Biophys. Acta, 1444(3): 451-6, 1999)。そこで、本発明者らはglsAの相同遺伝子をコリネバクテリウム・グルタミカムの遺伝子群より検索した結果、GLSをコードすると考えられる遺伝子を見出した。この遺伝子の塩基配列に基づいて、ブレビバクテリウム・フラバムからこの遺伝子の相同遺伝子を増幅してクローニングし、そこで、コリネ型細菌中でこの遺伝子を増幅し、グルタミナーゼ活性の向上が認められるかを検証した。クローニングされた遺伝子の塩基配列を配列番号1に示す(以下、配列番号1の塩基配列を有する遺伝子を「gls」とする)。
DNA Polymerase(宝酒造)を用い、変性94℃ 30秒、会合55℃ 15秒、伸長72℃ 3分の条件で30サイクル行った。
上記(2)で取得したpHMGLS5をコリネ型細菌に導入し、gls増幅株を取得した。具体的には、ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株を電気パルス法(特開平2-207791号公報参照)によりpHMGLS5を用いて形質転換し、カナマイシン25μg/mlを含むCM2G培地(ポリペプトン10g/L, イーストエクストラクト10g/L, NaCl 5g/L, グルコース 1g/L pH7.0(KOH))に塗布し、31.5℃にて2晩培養し、出現したコロニーを単離して形質転換体とし、2247/pHMKGLS5と名付けた。また、併行してpHMK2の導入株も構築し、得られた形質転換体を2247/pHMK2とした。これらの菌株を(1)記載の方法で培養し、GLS活性を測定した。その結果、pHMGLS5導入株ではグルタミナーゼ活性が上昇していることが確認された(表2)。なお、形質転換株のプラスミド保持率は100%であった。
(1)gls破壊用プラスミドの構築
コリネ型細菌のグルタミナーゼをコードする遺伝子が、gls遺伝子の他にも存在しているか確認する為に、gls欠損株を構築した。具体的な方法を下記に記す。
上記(1)で得られたpNELΔGLSは、コリネ型細菌の細胞内で自律複製可能とする領域を含まないため、本プラスミドでコリネ型細菌を形質転換した場合、極めて低頻度であるが本プラスミドが相同組換えにより染色体に組み込まれた株が形質転換体として出現する。ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067を電気パルス法により高濃度のプラスミドpNE
LΔglsを用いて形質転換し、カナマイシン25μg/mlを含むCM2G培地(ポリペプトン10g/L,
イーストエクストラクト10g/L, NaCl 5g/L, グルコース 1g/L pH7.0(KOH))に塗布し、31.5℃にて2晩培養し、出現したコロニーを単離して形質転換体とした。この形質転換体は、X-Gal 40μg/mlを含むCM2Gプレート上で青色のコロニーを形成する。次に、これらの形質転換体をカナマイシンを含まないCM2G培地にて継代培養し適当に希釈した後、X-Gal 40μg/mlを含むCM2Gプレートに塗布した。出現した多数のコロニーの中から、白色のコロニーを選択し、かつカナマイシン(Km)感受性を示す株を選択した。
上記(2)で得られた2247Δgls株に、実施例1(2)記載のプラスミドpGLS5を電気パルス法にて導入し、カナマイシン耐性を指標に形質転換体を取得した。得られた形質転換体を2247Δgls/pGLS5と名付けた。また、併行してpHMK2の導入も実施し、得られた形質転換体を2247Δgls/pHMK2とした。
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067、2247Δgls、およびそのpHMK2, pHMKGLS導入株を実施例1(1)記載の方法でGLS活性を測定した結果を表3に示す。2247ΔglsではL−グルタミンの分解活性がほとんど消失していることが確認できた。また、分解活性の消失は、pHMKGLS5の導入で相補された。したがって、コリネ型細菌のグルタミナーゼ活性を担っている主要な遺伝子はglsであると推定された。
(1)gls欠損株の培養評価
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株および2247Δgls株を用いてL−グルタミン生産のための培養を以下のように行った。CM2Gプレート培地にて培養して得たATCC14067株および2247Δgls株の菌体を、グルコース100g、(NH4)2SO4 60gまたは40g、KH2PO4 2.5g、MgSO4・7H2O 0.4g、FeSO4・7H2O 0.01g、VB1・HCl350μg、ビオチン 4μg、大豆加水分解物200mg、CaCO3 50gを純水1Lに含む培地(NaOHでpH6.8に調整されている)に接種し、31.5℃にて培地中の糖が消費されるまでしんとう培養した。
旭化成)にて分析した。このときの結果を表4(硫安60g/L)、表5(硫安40g/L)に示した。
(1)発現が増強されたGS遺伝子を持つプラスミドの構築
コリネ型細菌のGS遺伝子の塩基配列は既に明らかにされている(Genbank Accession No. Y13221)。この配列を参考に、発現が増強されたGS遺伝子(強化型GS遺伝子)を構築した。具体的な方法を以下に示す。まず、ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株の染色体DNAを鋳型とし、配列番号13、18のDNAをプライマーとしてN末端側の一次PCRを行い、配列番号15、17のDNAをプライマーとしてC末端側の一次PCRを行った。なお、配列番号13、14、15、16、17、18は、それぞれGenbank Accession No. Y13221の塩基番号487〜507, 523〜549, 1798〜1775, 1770〜1745, 1118〜1169, 1169〜1118に該当する。配列番号17と18は相補的である。PCR反応は、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造)を用い、変性94℃ 30秒、会合55℃ 15秒、伸長72℃ 1分の条件で30サイクル行った。
秒、伸長72℃ 2分の条件で30サイクル行った。
上記(1)で得られたpNELglnA14はコリネ型細菌の細胞内で自律複製可能とする領域を含まないため、本プラスミドでコリネ型細菌を形質転換した場合、極めて低頻度であるが本プラスミドが相同組換えにより染色体に組み込まれた株が形質転換体として出現する。ブレビバクテリウム・フラバム2247Δgls株を電気パルス法により高濃度のプラスミドpNELΔglnA14を用いて形質転換し、カナマイシン25μg/mlを含むCM2G培地(ポリペプトン10g/L, イーストエクストラクト10g/L, NaCl 5g/L, グルコース 1g/L pH7.0(KOH))に塗布し、31.5℃にて2晩培養し、出現したコロニーを単離して形質転換体とした。この形質転換体は、X-Gal 40μg/mlを含むCM2Gプレート上で青色のコロニーを形成する。次に、これらの形質転換体をカナマイシン(Km)を含まないCM2G培地にて継代培養し適当に希釈した後、X-Gal 40μg/mlを含むCM2Gプレートに塗布した。出現した多数のコロニーの中から、白色のコロニーを選択し、かつカナマイシン感受性を示す株を選択した。
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株を、グルコース30g、KH2PO4 1.5g、MgSO4・7H2O 0.4g、FeSO4・7H2O 0.01g、VB1・HCl100μg、ビオチン 3μg、大豆加水分解物350mg、尿素 3.0g、GD-113 0.02mlを純水1Lに含む培地(KOHでpH7.0に調整されている)に接種し、31.5℃にてしんとう培養した。GS活性は、Journal of Fermentation and Bioengineering, Vol.70, No.3, 182-184, 1990に記載の方法を参考とし、イミダゾール-HCl(pH7.0)100mM, KCl 90mM, NH4Cl 0.1mM, MnCl2 1mM, ホスホエノールピルビン酸1mM, NADH 0.3mM, ラクテートデヒドロゲナーゼ10U, ピルビン酸キナーゼ25U, ATP 1mM, MSG 10mMを含む溶液に、粗酵素液を加え、30℃における340nmの吸光度変化を測定することによって測定した。ブランクの測定には、上記反応液よりMSGを除いたものを用いた。粗酵素液のタンパク質濃度は、牛血清アルブミンを標準試料として、Protein Assay(Bio-Rad)を用いて定量した。GS活性増強株では、約3倍にGS活性が向上していることが証明された。
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067株、2247Δgls株および2247Δgls glnA14株を用いてL−グルタミン生産のための培養を以下のように行った。CM2Gプレート培地にて培養して得たATCC14067株および2247Δgls株の菌体を、グルコース100g、(NH4)2SO4 60g、KH2PO4 2.5g、MgSO4・7H2O 0.4g、FeSO4・7H2O 0.01g、VB1・HCl 350μg、ビオチン 4μg、大豆加水分解物200mg、CaCO3 50gを純水1Lに含む培地(NaOHでpH6.8に調整されている)に接種し、31.5℃にて培地中の糖が消費されるまでしんとう培養した。
(1)公知のL−グルタミン生産菌及び2247Δgls glnA14株のグルタミナーゼ活性の測定
公知のL−グルタミン生産菌としては、ビタミンP活性物質に対する耐性株として得られたAJ11576, AJ11577(特開昭56-164792)、α-ケトマロン酸耐性株として得られたAJ11573, AJ11574(特開昭56-151495)、グルタミン酸を含有するペプチドに対する耐性株として得られたAJ12418, AJ12419(特開平2-186994)などがある。そこで、これらL−グルタミン生産菌及び実施例4で得られた2247Δgls glnA14株のGLS活性を、実施例1記載の方法で測定した。その結果を表8に示す。これら公知のL−グルタミン生産株では、いず
れも有意なGLS活性を保持していた。
Claims (9)
- L−グルタミン生産能を有し、かつ、細胞内のグルタミナーゼ活性が低下するように改変されたコリネ型細菌。
- 染色体上のグルタミナーゼ遺伝子が破壊されたことにより、グルタミナーゼ活性が低下した請求項1に記載のコリネ型細菌。
- グルタミナーゼ活性が、0.1U/mg菌体タンパク質以下である請求項1又は2に記載の細菌。
- 菌体タンパク質当たりのグルタミナーゼ活性がグルタミンシンテターゼ活性と同じか又はそれ以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の細菌。
- さらに細胞内のグルタミンシンテターゼ活性が増強するように改変された請求項1〜4のいずれか一項に記載の細菌。
- グルタミンシンテターゼ活性の増強が、グルタミンシンテターゼ遺伝子の発現量の増強によるものである請求項5に記載の細菌。
- グルタミンシンテターゼ遺伝子の発現量の増強が、グルタミンシンテターゼをコードする遺伝子のコピー数を高めること、又は前記細菌細胞内のグルタミンシンテターゼをコードする遺伝子の発現が増強されるように同遺伝子の発現調節配列を改変することによるものである請求項6に記載の細菌。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の細菌を培地に培養し、該培地中にL−グルタミンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするL−グルタミンの製造法。
- コリネ型細菌のグルタミンシンテターゼ遺伝子であって、−35領域の配列がTTGCCAであり、−10領域の配列がTATAATであるグルタミンシンテターゼ遺伝子。
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