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JP2004185991A - リチウム二次電池用負極材料及びこれを用いたリチウム二次電池並びにこの負極材料の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材料及びこれを用いたリチウム二次電池並びにこの負極材料の製造方法 Download PDF

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JP2004185991A JP2002351637A JP2002351637A JP2004185991A JP 2004185991 A JP2004185991 A JP 2004185991A JP 2002351637 A JP2002351637 A JP 2002351637A JP 2002351637 A JP2002351637 A JP 2002351637A JP 2004185991 A JP2004185991 A JP 2004185991A
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Yusuke Watarai
祐介 渡会
Kanji Hisayoshi
完治 久芳
Nariyoshi Ri
成圭 李
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Abstract

【課題】リチウムイオンの吸蔵及び放出時におけるFe−Si系化合物粒子の体積変化を抑制し、かつリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなってもFe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持する。
【解決手段】負極材料は、α−FeSi12a及びβ−FeSi12bの混相多結晶体からなるか或いはβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子12を主成分とするFe−Si系化合物粒子11により構成される。またFe−Si系化合物粒子11は、多結晶粒子12の表面の一部又は全部をSi又はSiOにより被覆するSi系膜12c、或いは前記多結晶粒子の結晶粒内に固溶されたSi原子のいずれか一方又は双方を有する。更にFe−Si系化合物粒子11はFeSi2+x(0.01≦x≦4.0)で表された化合物である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負極材料と、この負極材料を用いたリチウム二次電池と、この負極材料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、シリコン、或いはシリコンベースの合金又は化合物がリチウム二次電池の負極材料として注目され、多くの特許出願がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1には、シリコンを主成分とする負極材料がリチウムイオンなどの軽金属イオンをドープ及び脱ドープ可能な性質を有するように構成された負極材料が開示されている。この負極材料では、シリコンがシリコン単体(単結晶)であるか、或いはSiOやSiC等のシリコン化合物である。また負極材料に導電性を付与するために、p型又はn型の不純物がドープされる。なお、上記負極材料を用いて負極を製造するには、先ずシリコン単体の単結晶又はシリコン化合物の単結晶を粉砕した粒子をアルゴンガス雰囲気中で加熱して乾燥することによりシリコン粒子を作製する。次にこのシリコン粒子と結着剤と溶媒と導電材とを混合してスラリーを調製する。更にこのスラリーを集電体に塗布し乾燥することにより、負極が製造される。またこの負極と、正極と、非水電解液とを用いて非水電解液二次電池が製造される。
【0003】
このように製造された負極では、炭素質材料を主成分とする負極に比べて密度が高く、結着剤により互いに結着されたシリコン粒子の層間や微細な空間にリチウムイオンを多量にドープ及び脱ドープできる。従って、上記負極材料を用いた非水電解液二次電池は、充放電容量が上記炭素質材料を主成分とする負極より数倍から10倍高くなり、単位体積当りのエネルギ密度を増大できるようになっている。
【0004】
また、特許文献2には、金属質物、黒鉛質物及び有機物である炭素質物前駆体を混合し、不活性ガス雰囲気下で焼成する非水系リチウム二次電池用負極材の製造法が開示されている。この製造法では、金属質物が固相A及びBからなり、固相Aからなる核粒子の周囲の一部又は全面が固相Bにより被覆される。また固相Aは構成元素としてシリコンを含む。更に固相Bは、周期律表の2族元素、遷移金属元素、12族元素、13族元素、並びに炭素とシリコンを除く14族元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素と、シリコンとの固溶体又は金属間化合物である。
【0005】
このように構成された非水系リチウム二次電池用負極材の製造法では、体積容量の大きな金属質物と導電性粒子である黒鉛質物を炭素質物前駆体で一体に接触処理するので、電池の容量を増大し、電池のサイクル寿命を延すことができる。
また金属質物及び黒鉛質物の表面に炭素質物が存在することにより、初回充電時に生じる不可逆容量を抑制できるようになっている。
【0006】
一方、化学式:ABxで表される化合物からなり、構成相がAB単相であるリチウムイオン二次電池用負極材料が開示されている(例えば、特許文献3参照)。 この負極材料では、上記化学式ABx中のAがMn、Co、Mo、Cr、Nb、V、Cu、Fe、Ni、W、Ti、Zr、Ta及びRe (希土類元素) からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、BがSiを必須元素とし、かつSi、C、Ge、Sn、Pb、Al及びPからなる群より選ばれた1種以上の元素であり、更にxは1.7≦x≦2.3の範囲に設定される。
【0007】
このように構成されたリチウムイオン二次電池用負極材料として、FeSiを例にとると、通常の製造方法では、目的とするα−FeSiの単相が得られず、α−FeSi及びβ−FeSiの混相状態となる。そこでα−FeSiの単相を得るには次の方法で製造される。先ずFe及びSiの合金を実質的に完全溶融状態にする。次にこの溶融物をその化合物の平衡状態図における液相線温度から液相線温度+500℃の間の温度で保持し、100℃/秒以上の冷却速度で凝固をさせて固相線以下の温度にまで冷却した後に、再び加熱して固相線−10℃以下の温度で保持する熱処理を施す。これにより均一でしかも構成相がα−FeSiの単相からなる負極材料が得られる。この負極材料を用いた二次電池では、充放電の繰返し数が多くなっても充放電容量が低下せず、サイクル寿命を向上できるようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−83817号公報
【特許文献2】
特開2001−210329号公報
【特許文献3】
特開平10−312804号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に示された非水電解液二次電池では、結着剤により互いに結着されたシリコン粒子が単結晶であるため、リチウムイオンの吸蔵及び放出時におけるシリコン粒子の体積変化が大きく、二次電池のサイクル特性が低下し、サイクル寿命が短くなる不具合があった。
また、上記特許文献1に示された非水電解液二次電池及び上記特許文献2に示された非水系リチウム二次電池では、初回の充放電効率が低く、充放電の繰返し数が多くなるに従って充放電容量が低下する問題点があった。
【0010】
また、上記特許文献1に示された非水電解液二次電池及び上記特許文献2に示された非水系リチウム二次電池では、導電性の低いシリコンを使用しているため、高電流密度での充放電を行うことができない問題点もあった。
更に、上記特許文献3に示されたリチウムイオン二次電池用負極材料では、化学式ABxのAをFeとしかつBをSiとし、所定の熱処理を行って、構成相をα−FeSiの単相とした場合、リチウムイオンの吸蔵及び放出時における構成相の体積変化が小さいため、二次電池のサイクル寿命は向上するけれども、α−FeSiの単相によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が小さいため、二次電池の充放電容量が小さい問題点があった。
【0011】
本発明の目的は、リチウムイオンの吸蔵及び放出時における体積変化を抑制でき、かつリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなってもリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できる、リチウム二次電池用負極材料及びこの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、充放電容量を大きく維持した状態で、サイクル特性及びサイクル寿命を向上できるとともに、初回の充放電効率を向上でき、更に高電流密度での充放電を行うことができる、リチウム二次電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、α−FeSi12a及びβ−FeSi12bの混相多結晶体からなるか或いはβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子12を主成分とするFe−Si系化合物粒子11により構成され、このFe−Si系化合物粒子11が、多結晶粒子12の表面の一部又は全部をSi又はSiOにより被覆するSi系膜12c、或いは多結晶粒子の結晶粒内に固溶されたSi原子のいずれか一方又は双方を有することを特徴とするリチウム二次電池用負極材料である。
【0013】
この請求項1に記載されたリチウム二次電池用負極材料では、Fe−Si系化合物粒子11によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、α−FeSi12a及びβ−FeSi12bの体積変化が小さいため、Fe−Si系化合物粒子11の体積変化が抑制されるので、Fe−Si系化合物粒子11内に亀裂が発生することはなく、Fe−Si系化合物粒子11が割れて細かくなるのを防止できる。またα−FeSi12aはリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が小さいけれども、β−FeSi12bはリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が比較的大きく、またSi系膜12c及びSi原子を固溶した多結晶粒子12はリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きい。この結果、Fe−Si系化合物粒子11によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子11によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更にFe−Si系化合物粒子が式(1)で表された化合物であることを特徴とする。
FeSi2+x ……(1)
ここで、式(1)において、0.01≦x≦4.0である。
この請求項2に記載されたリチウム二次電池用負極材料では、請求項1に記載されたFe−Si系化合物粒子が得られる。即ち、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体或いはβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子と、Si系膜又は固溶Si原子のいずれか一方又は双方とを有するFe−Si系化合物粒子が得られる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更にFe−Si系化合物粒子が式(2)で表された化合物であることを特徴とする。
Fe1−ySi2+x ……(2)
ここで、式(2)において、0.01≦x≦4.0であり、0.01≦y≦0.05であり、Mは、Co,Cr,Mn及びAlからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。
この請求項3に記載されたリチウム二次電池用負極材料では、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体或いはβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子と、Si系膜又は固溶Si原子のいずれか一方又は双方とを有するとともに、α−FeSi及びβ−FeSiのいずれか一方又は双方の一部のFeがMに置換されたFe−Si系化合物粒子が得られる。このようにMからなる元素をFe−Si系化合物粒子に添加すると、負極材料の導電性が向上するので、二次電池の充放電時の電圧降下が小さくなり、高電流密度での充放電を行うことができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、更にFe−Si系化合物粒子の平均粒径が10nm〜10μmであることを特徴とする。
上記Fe−Si系化合物粒子の平均粒径は、マイクロトラック法又は顕微鏡観察により測定される。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る発明であって、更にFe−Si系化合物粒子の表面が厚さ1nm〜1μmの炭素質膜により被覆されたことを特徴とする。
この請求項5に記載されたリチウム二次電池用負極材料では、上記炭素質膜によりFe−Si系化合物粒子の導電性を高めることができる。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに記載のFe−Si系化合物粒子100重量%に結合材を0.5〜40重量%混合して作製されたリチウム二次電池用負極である。
この請求項6に記載されたリチウム二次電池用負極では、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、α−FeSi及びβ−FeSiの体積変化が小さいため、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制され、またβ−FeSi及びSi系膜等の存在によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できるので、負極のサイクル特性及びサイクル寿命を向上できる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の負極を用いた非水電解液リチウム二次電池である。
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の負極を用いリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項7に記載された非水電解液リチウム二次電池又は請求項8に記載されたリチウムイオンポリマー二次電池では、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、α−FeSi及びβ−FeSiの体積変化が小さいため、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制され、またβ−FeSi及びSi系膜等の存在によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できるので、二次電池のサイクル特性及びサイクル寿命を向上できる。
【0020】
請求項9に係る発明は、請求項2に記載の式(1)FeSi2+x(0.01≦x≦4.0)で表されかつα−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子を、非酸化雰囲気中で600〜900℃に20〜80時間保持する熱処理を行う工程を含むリチウム二次電池用負極材料の製造方法である。
この請求項9に記載されたリチウム二次電池用負極材料の製造方法では、Fe−Si系化合物粒子に上記熱処理を行うことにより、β−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子を得ることができる。
【0021】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに記載のFe−Si系化合物粒子100重量%に炭素質粒子を0.05〜1900重量%混合して混合体を作製する工程と、この混合体を成形して成形体を作製する工程と、この成形体を不活性ガス雰囲気中又は真空中で300〜1000℃の温度に2〜10時間保持して焼結体を作製する工程と、この焼結体を粉砕する工程とを含むリチウム二次電池用負極材料の製造方法である。
この請求項10に記載されたリチウム二次電池用負極材料の製造方法では、Fe−Si系化合物粒子に炭素質粒子を混合して焼結した後に粉砕することにより、Fe−Si系化合物粒子に炭素質粒子が一体化されるので、二次電池の充放電時の電圧降下を低減できるとともに、高電流密度での充放電を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[1]負極材料
▲1▼ 負極材料の構成
図1に示すように、非水電解液リチウム二次電池又はリチウムイオンポリマー二次電池の負極材料は、α−FeSi12a及びβ−FeSi12bの混相多結晶体からなる多結晶粒子12を主成分とするFe−Si系化合物粒子11により構成される。α−FeSi12aは正方晶系の結晶であり、β−FeSi12bは斜方晶系の結晶である。またこのFe−Si系化合物粒子11の表面の一部又は全部はSi又はSiOからなるSi系膜12cにより被覆される。SiからなるSi系膜12cはダイヤモンド構造であり、SiOからなるSi系膜12cはアモルファス構造又は少量の結晶部を含むアモルファス構造である。また上記Fe−Si系化合物粒子11はリチウムイオンを吸蔵又は放出する負極活物質である。
【0023】
なお、上記多結晶粒子は、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子ではなく、β−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子であってもよい。また多結晶粒子の結晶粒内にはSi原子を固溶してもよい。この場合、多結晶粒子の表面をSi系膜により被覆するとともに、多結晶粒子の結晶粒内にSi原子を固溶したり、或いは多結晶粒子の表面をSi系膜により被覆せずに、多結晶粒子の結晶粒内にSi原子を固溶してもよい。
【0024】
一方、 Fe−Si系化合物粒子11は式(1)で表された化合物であることが好ましい。
FeSi2+x ……(1)
ここで、式(1)において、0.01≦x≦4.0、好ましくは0.02≦x≦2.0の範囲にある。上記式(1)中のxを0.01≦x≦4.0の範囲に限定したのは、0.01未満ではFe−Si系化合物粒子の充放電容量が低く、4.0を越えると充放電する際にFe−Si系化合物粒子の膨張及び収縮が激しく、材料のサイクル寿命が短くなるからである。
【0025】
なお、Fe−Si系化合物粒子は次の式(2)で表された化合物であってもよい。
Fe1−ySi2+x ……(2)
ここで、式(2)において、xは0.01≦x≦4.0、好ましくは0.02≦x≦2.0の範囲にあり、yは0.01≦y≦0.05、好ましくは0.01≦y≦0.04の範囲にあり、Mは、Co,Cr,Mn及びAlからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。上記式(2)中のyを0.01≦y≦0.05の範囲に限定したのは、0.01未満では十分な電子伝導度が得られず、0.05を越えると析出粒子により充放電が阻害されるからである。
【0026】
また上記Fe−Si系化合物粒子11の平均粒径は10nm〜10μm、好ましくは30nm〜8μmである。上記粒子11の平均粒径を10nm〜10μmの範囲に限定したのは、10nm未満では二次電池の負極を作製する際に上記Fe−Si系化合物粒子が極めて取扱い難くなり、10μmを越えると均一な負極合剤を調製し難く、また高電流密度での放電が困難となるからである。
【0027】
更に上記Fe−Si系化合物粒子11の表面は厚さ1nm〜1μm、好ましくは10nm〜700nmの炭素質膜により被覆されることが好ましい。炭素質膜はアセチレンブラックやケッチンブラック等により形成される。上記炭素質膜の厚さを1nm〜1μmの範囲に限定したのは、1nm未満では炭素質膜による被覆が十分でなく電気伝導度が十分に得られず、1μmを越えると炭素質膜の割合が多すぎて負極材料の充放電容量が制限されてしまうからである。
【0028】
▲2▼ 負極材料の製造方法
先ずSiの粒子又は塊とFeの粒子又は塊とを、Si/Feが原子比で(2.01/1.00)〜(6.00/1.00)、好ましくは(2.02/1.00)〜(4.00/1.00)の割合になるように混合して混合体を作製する。次にこの混合体をるつぼに投入し、不活性ガス雰囲気中で1400〜1550℃に0.5〜5時間保持した後に、室温まで徐冷してインゴットを作製する。更にこのインゴットを万能粉砕機を用いて粉砕した後に、湿式ボールミルや遊星ボールミル等を用いて粉砕し、平均粒径が10nm〜10μmであるFe−Si系化合物粒子を作製する。このFe−Si系化合物粒子は、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とし、多結晶粒子の表面の一部又は全部をSi又はSiOにより被覆するSi系膜と、多結晶粒子の結晶粒内に固溶されたSi原子とを有する。
【0029】
ここでSi/Feの原子比での混合割合を(2.01/1.00)〜(6.00/1.00)の範囲に限定したのは、2.01/1.00未満や6.00/1.00を越えた場合、上記式(1)FeSi2+x(0.01≦x≦4.0)で表されるFe−Si系化合物粒子を得ることができないからである。また上記不活性ガス雰囲気としては、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等が挙げられ、インゴットを不活性ガス雰囲気に保持したのはインゴットの酸化を防止するためである。
【0030】
なお、上記粉砕したFe−Si系化合物粒子には、Mからなる元素、即ちCo,Cr,Mn及びAlからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素を添加してもよい。これによりFe−Si系化合物粒子が式(2)のFe1−ySi2+xで表された化合物となる。Fe−Si系化合物粒子に上記Mを添加するには、上記Siの粒子又は塊とFeの粒子又は塊との混合体を作製したときに、この混合体に所定量だけ加えればよい。
【0031】
また、上記式(1)FeSi2+x(0.01≦x≦4.0)で表されかつα−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子を、非酸化雰囲気中で600〜900℃、好ましくは800〜900℃に、20〜80時間、好ましくは20〜50時間保持する熱処理を行うと、上記多結晶粒子はβ−FeSiの単相多結晶体になる。
【0032】
ここで、上記非酸化雰囲気としては、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気や、二酸化炭素雰囲気が挙げられ、Fe−Si系化合物粒子を非酸化雰囲気に保持したのはFe−Si系化合物粒子の酸化を防止するためである。また上記熱処理温度を600〜900℃の範囲に限定したのは、600℃未満ではβ−FeSiの生成反応が進行し難く、900℃を越えるとβ−FeSiがα−FeSiに変化してしまうからである。更に上記熱処理時間を20〜80時間の範囲に限定したのは、20時間未満ではβ−FeSiの生成量が少なく、80時間を越えると生産効率が低下するからである。
【0033】
また、上記Fe−Si系化合物粒子には次のようにして炭素質粒子を混合して一体化することが好ましい。先ず上記Fe−Si系化合物粒子100重量%に、平均粒径1nm〜1μmの炭素質粒子を0.05〜1900重量%、好ましくは0.1〜1000重量%混合して混合体を作製する。次いでこの混合体を成形してペレット状等の成形体を作製する。次にこの成形体を所定の形状に成形した後に、不活性ガス雰囲気中又は真空中で300〜1000℃、好ましくは400〜800℃の温度に、2〜10時間、好ましくは2〜5時間保持して焼結体を作製する。更にこの焼結体を湿式ボールミルや遊星ボールミル等により粉砕する。
【0034】
ここで、上記炭素質粒子の混合割合を0.05〜1900重量%の範囲に限定したのは、0.05重量%未満では焼成した焼結体に十分な導電性が得られず、1900重量%を越えると炭素の割合が高すぎて負極材料の単位重量当りの充放電容量が低くなるからである。上記不活性ガス雰囲気としては、アルゴンガス雰囲気、二酸化炭素ガス雰囲気等が挙げられる。また上記熱処理温度を300〜1000℃の範囲に限定したのは、300℃未満では炭素とFe−Si系化合物が反応せず、1000℃を越えるとFe−Si系化合物中のβ−FeSiがα−FeSiに変化してしまうからである。更に上記熱処理時間を2〜10時間の範囲に限定したのは、2時間未満では炭素とFe−Si系化合物が十分に反応せず、10時間を越えると生産コストの不要な増大を招くからである。
【0035】
更に、上記Fe−Si系化合物粒子は、次のメカニカル法を用いて炭素質膜により被覆することが好ましい。先ず上記Fe−Si系化合物粒子100重量%に、平均粒径1nm〜1μmの炭素質粒子を0.05〜1900重量%、好ましくは0.1〜1000重量%混合して混合体を作製する。次にこの混合体を不活性ガス雰囲気中でステンレス鋼製の容器及びボールを用いたボールミル等により5〜100時間混合する。これにより平均厚さが10〜700nmである炭素質膜により被覆されたFe−Si系化合物粒子が得られる。ここで上記混合体の混合時間を5〜100時間の範囲に限定したのは、5時間未満では炭素粒子とFe−Si系化合物粒子が均一に混合されず、100時間を越えると生産コストの不要な増大を招くという不具合があるからである。なお、Fe−Si系化合物粒子を炭素質膜により被覆する方法としては、CVD法やPVD法などの気相法があるけれども、これらの方法ではSiCが生成されるおそれがあるので、上記メカニカル法が好ましい。
【0036】
このように製造された負極材料では、図1に示すように、Fe−Si系化合物粒子11によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、Fe−Si系化合物粒子11の体積変化は抑制される。これは多結晶粒子12中のα−FeSi12a及びβ−FeSi12bの体積変化が小さいためである。このためFe−Si系化合物粒子11内に亀裂が発生することがないので、Fe−Si系化合物粒子11が割れて細かくなるのを防止できる。
【0037】
またα−FeSi12aはリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が小さいけれども、β−FeSi12bはリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が比較的大きく、Si系膜12c及びSi原子を固溶した多結晶粒子12はリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きい。この結果、Fe−Si系化合物粒子11によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子11によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できる。
【0038】
なお、上記Fe−Si系化合物粒子にMからなる元素を添加したり、Fe−Si系化合物粒子と炭素質粒子とを一体化したり、或いはFe−Si系化合物粒子を炭素質膜により被覆すれば、Fe−Si系化合物粒子の導電性、即ち負極材料の導電性を高めることができるので、二次電池の充放電時の電圧降下が小さくなり、高電流密度での充放電を行うことができる。
【0039】
[2]負極
▲1▼ 負極の構成
上記Fe−Si系化合物粒子により構成された負極材料に、ポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合することにより、負極が作製される。負極材料100重量%に、0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%の結合材が混合される。
結合材の混合割合を0.5〜40重量%の範囲に限定したのは、0.5重量%未満では結着力が不足し、40重量%を越えると二次電池の単位重量当りの充放電容量が低下するからである。
【0040】
▲2▼ 負極の製造方法
先ず上記[1]▲2▼により得られた負極材料100重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結合材0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%とを混合して混合体を作製した後に、この混合体とN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤とを混合して、負極スラリーを調製する。次にこの負極スラリーを負極集電体箔の上面に、スクリーン印刷法やドクタブレード法などにより塗布し乾燥することにより負極が作製される。なお、負極スラリーをガラス基板上に塗布し乾燥した後に、ガラス基板から剥離して負極フィルムを作製し、更にこの負極フィルムを負極集電体に重ねて所定の圧力でプレス成形することにより、負極を作製してもよい。
【0041】
このように製造された負極では、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、α−FeSi及びβ−FeSiの体積変化が小さいため、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制され、またβ−FeSi及びSi系膜等の存在によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。
この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できるので、負極のサイクル特性及びサイクル寿命を向上できる。
【0042】
[3]二次電池の製造方法
▲1▼ 非水電解液リチウム二次電池
先ず上記[2]▲2▼により作製された負極と、非水電解液[例えば、エチレンカーボネート(EC)とジエチレンカーボネート(DEC)からなる混合溶媒(混合重量比1:1)と過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解させたもの]を含む電解質層と、正極集電体上に結合材、正極材料及び導電助剤からなる正極スラリーをドクタブレード法にて塗布し乾燥することにより形成された正極とを用意する。次に上記負極、電解質層及び正極を積層する。これにより非水電解液リチウム二次電池が得られる。
【0043】
▲2▼ リチウムイオンポリマー二次電池
先ず上記[2]▲2▼により得られた負極と、ポリエチレンオキシドやポリフッ化ビニリデン等からなるポリマー電解質層と、正極集電体上に結合材、正極材料及び導電助剤からなる正極スラリーをドクタブレード法にて塗布し乾燥することにより形成された正極とを用意する。次に上記負極、電解質層及び正極を積層する。これによりリチウムイオンポリマー二次電池が得られる。
【0044】
このように製造された非水電解液リチウム二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池では、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、α−FeSi及びβ−FeSiの体積変化が小さいため、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制され、またβ−FeSi及びSi系膜等の存在によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できるので、二次電池のサイクル特性及びサイクル寿命を向上できるとともに、初回の充放電効率を向上でき、更に高電流密度での充放電を行うことができる。
【0045】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
▲1▼ Fe−Si系化合物粒子の製造
先ずSi粉末及びFe粉末を、Si/Feの原子比が72/28となるように混合して混合体を作製した。この混合体を石英るつぼに投入し、アルゴンガス雰囲気中で1500℃に1時間保持した後に、室温まで徐冷してインゴットを作製した。次にこのインゴットを万能粉砕機を用いて粉砕した後に、湿式ボールミル等を用いて粉砕し、平均粒径1μmのFe−Si系化合物粒子からなる負極材料を作製した。なお、上記Fe−Si系化合物粒子は、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子と、多結晶粒子の表面の一部をSiにより被覆するSi系膜と、多結晶粒子の結晶粒内に固溶されたSi原子とを有した。
【0046】
▲2▼ 負極の製造
先ず上記負極材料70重量%と、アセチレンブラック(導電助剤)15重量%と、ポリフッ化ビニリデン(結合材)15重量%とを混合した後に、この混合体とNMP(溶剤)と混合して負極スラリーを調製した。次いで上記負極スラリーをガラス基板上に塗布して乾燥した後に剥離することにより厚さ0.09cmの負極フィルムを作製した。この負極フィルムを縦×横がそれぞれ1.2cm×1.2cmの正方形に切断して、2枚の正方形の負極フィルムを得た。次にこれらの負極フィルムを縦×横×厚さがそれぞれ1cm×1cm×0.1cmの銅メッシュの負極集電体の両面に配置して積層体を作製した。更にこの積層体に110〜130℃に加熱されたプレス機で0.5〜3MPaの圧力をかけて圧着した。
これにより負極を得た。この負極を実施例1とした。
【0047】
<実施例2>
Si粉末及びFe粉末を、Si/Feの原子比が75/25となるように混合して混合体を作製したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例2とした。
<実施例3>
Si粉末及びFe粉末を、Si/Feの原子比が80/20となるように混合して混合体を作製したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例3とした。
【0048】
<実施例4>
Si粉末、Fe粉末及びCo粉末を、Si/Fe/Coの原子比が72/27.72/0.28となるように混合して混合体を作製したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例4とした。
<実施例5>
Si粉末、Fe粉末及びMn粉末を、Si/Fe/Mnの原子比が72/27.72/0.28となるように混合して混合体を作製したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例5とした。
【0049】
<実施例6>
実施例1と同様に作製された平均粒径1μmのFe−Si系化合物粒子を、アルゴンガス雰囲気中で800℃に50時間保持する熱処理を行って、多結晶粒子をβ−FeSiの単相多結晶体としたFe−Si系化合物粒子、即ち負極材料を得た。この負極材料を用いて実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例6とした。
【0050】
<実施例7>
実施例1と同様に作製された平均粒径1μmのFe−Si系化合物粒子100重量%に、平均粒径100nmの炭素質粒子を233重量%混合して混合体を作製し、この混合体を直径及び高さがそれぞれ5mm及び10mmであるペレット状に成形した。次にこのペレット状の混合体をアルゴンガス雰囲気中で800℃の温度に4時間保持して焼結体を作製した。更にこの焼結体を乳鉢で粉砕した後に、平均粒径10μmのFe−Si系化合物粒子を分級した。この分級されたFe−Si系化合物粒子、即ち負極材料を用いて実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例7とした。なお、上記負極材料を粉末X線回折装置(XRD)により観察したところ、異物であるSiCのピークは観察されなかった。
【0051】
<実施例8>
実施例1と同様に作製された平均粒径1μmのFe−Si系化合物粒子100重量%に、平均粒径100nmの炭素質粒子を100重量%混合して混合体を作製した後に、実施例7と同様にして負極を作製した。この負極を実施例8とした。なお、上記負極材料を粉末X線回折装置(XRD)により観察したところ、異物であるSiCのピークは観察されなかった。
<実施例9>
実施例1と同様に作製された平均粒径1μmのFe−Si系化合物粒子100重量%に、平均粒径100nmの炭素質粒子を43重量%混合して混合体を作製した後に、実施例7と同様にして負極を作製した。この負極を実施例9とした。なお、上記負極材料を粉末X線回折装置(XRD)により観察したところ、異物であるSiCのピークは観察されなかった。
【0052】
<実施例10>
実施例1と同様に作製された平均粒径1μmのFe−Si系化合物粒子100重量%に、平均粒径100nmの炭素質粒子を70重量%混合して混合体を作製し、この混合体をステンレス鋼製のボールとともにステンレス鋼製の容器に投入し、容器内をアルゴンガス雰囲気にする。この状態で容器を20時間回転させて、Fe−Si系化合物粒子をSi系膜により被覆した。このFe−Si系化合物粒子、即ち負極材料を用いて実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を実施例10とした。なお、上記Si系膜の平均厚さは0.2μmであった。このSi系膜の平均厚さは、Fe−Si系化合物粒子を割り、その断面を高分解能の走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより測定した。
【0053】
<比較例1>
Si粉末及びFe粉末を、Si/Feの原子比が66.3/33.3となるように混合して混合体を作製したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を比較例1とした。
<比較例2>
Si粉末及びFe粉末を、Si/Feの原子比が90/10となるように混合して混合体を作製したこと以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を比較例2とした。
<比較例3>
負極材料として、平均粒径が5μmである単結晶シリコン粒子を用いたことを除いて、実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を比較例3とした。
【0054】
<比較試験及び評価>
図2に示すように、実施例1〜10及び比較例1〜3の負極21を充放電サイクル試験装置31に取付けた。この装置31は、容器32に電解液33(リチウム塩を有機溶媒に溶かしたもの)が貯留され、上記負極21が正極22(縦×横×厚さがそれぞれ2cm×2cm×0.2cmの金属リチウム板:対極)及び参照極23(縦×横×厚さがそれぞれ1cm×1cm×0.2cmの金属リチウム板)とともに電解液33に浸され、更に負極21,正極22及び参照極23がポテンシオスタット34(ポテンショメータ)にそれぞれ電気的に接続された構成となっている。この装置を用いて充放電サイクル試験を行い、各負極の初回放電容量(mA・時/g)と、初回充放電効率(%)と、放電容量維持率(%)をそれぞれ測定し、その結果を、Fe−Si系化合物粒子の組成と、式(1)FeSi2+x中のx又は式(2)Fe1−ySi2+x中のx及びyと、Fe−Si系化合物粒子100重量%に対する炭素質粒子の混合割合と、Fe−Si系化合物粒子粒子の相(α+βはα−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体であり、βはβ−FeSiの単相多結晶体である。)ともに、表1に示す。
【0055】
なお、充放電試験は、充電及び放電時の電流密度を0.5mA/cmとし、充電時に初期電圧から0.1VまでCVCC法で負極にリチウムを吸蔵させ、放電時に2VまでCC法で負極からリチウムを放出させることにより行った。初回放電容量は最初の放電時の容量であり、初回充放電効率は[(初回放電容量/初回充電容量)×100%]より算出した。また放電容量維持率(%)は次の式(3)より算出した。
放電容量維持率=(20サイクル目の放電容量/初回放電容量)×100…(3)
【0056】
【表1】
Figure 2004185991
【0057】
表1から明らかなように、初回放電容量は、Si含有量の少ない比較例1では420mA・時/gと小さく、Si含有量の多い比較例2及び3では2100mA・時/g及び1300mA・時/gと大きかったのに対し、Si含有量が上記の中間の量である実施例1〜3では650〜940mA・時/gと上記中間の値を示したけれども、初回充放電効率は、比較例1〜3では62〜75%と低かったのに対し、実施例1〜3では83〜87%と高くなった。また放電容量維持率は、比較例1〜3では15〜58%と低かったのに対し、実施例1〜3では85〜92%と高くなった。これによりSi含有量が多すぎると、初回放電容量は大きいけれども、サイクル特性が低下することが判った。これは、Si成分の過多により、Si本来の問題点である初回充放電効率及びサイクル特性の低下が表面化したものと考えられる。
【0058】
また、CoやMn等を添加していない実施例1では、初回放電容量が650mA・時/gであり、初回充放電効率が87%であったのに対し、Co又はMnを添加した実施例4及び5では、初回放電容量が690mA・時/g及び680mA・時/gと若干高くなり、初回充放電効率も89%及び88%と若干高くなった。なお、Co又はMnを添加した実施例4及び5では、負極の導電性が向上し、充放電時の電圧降下が小さくなり、高電流密度での充放電も可能になった。
【0059】
また、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子により構成されたFe−Si系化合物粒子を含む実施例1では、初回放電容量が650mA・時/gであり、初回充放電効率が87%であり、放電容量維持率が92%であったのに対し、β−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子により構成されたFe−Si系化合物粒子を含む実施例6では、初回放電容量が680mA・時/gと高くなり、初回充放電効率が91%と高くなり、放電容量維持率が94%と高くなった。これは、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子よりβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子の方が、リチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きいためであると考えられる。
【0060】
また、炭素質粒子をFe−Si系化合物粒子に一体化していない実施例1では、初回放電容量が650mA・時/gであり、初回充放電効率が87%であり、放電容量維持率が92%であったのに対し、Fe−Si系化合物粒子に炭素質粒子を一体化した実施例7〜8では、初回放電容量が390〜540mA・時/gと低かったけれども、初回充放電効率が89〜95%と高くなり、放電容量維持率が93〜98%と高くなった。なお、上記Fe−Si系化合物粒子に炭素質粒子を一体化した実施例7〜8では、負極の導電性が向上し、充放電時の電圧降下が小さくなり、高電流密度での充放電も可能になった。
【0061】
更に、Fe−Si系化合物粒子を炭素質膜により被覆していない実施例1では、初回放電容量が650mA・時/gであり、初回充放電効率が87%であり、放電容量維持率が92%であったのに対し、Fe−Si系化合物粒子を炭素質膜により被覆した実施例10では、初回放電容量が53mA・時/gと低かったけれども、初回充放電効率が93%と高くなり、放電容量維持率が95%と高くなった。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、α−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなるか或いはβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子により負極材料を構成し、Fe−Si系化合物粒子が、多結晶粒子の表面の一部又は全部をSi又はSiOにより被覆するSi系膜、或いは多結晶粒子の結晶粒内に固溶されたSi原子のいずれか一方又は双方を有するので、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制されるとともに、β−FeSi及びSi系膜等によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できる。
【0063】
またFe−Si系化合物粒子が式(1)FeSi2+xで表された化合物であれば、上記多結晶粒子と、Si系膜又は固溶Si原子とを有するFe−Si系化合物粒子が得られる。
またFe−Si系化合物粒子が式(2)Fe1−ySi2+xで表された化合物であれば、α−FeSi又はβ−FeSi中の一部のFeがMに置換されるので、Fe−Si系化合物粒子の導電性、即ち負極材料の導電性を向上できる。またFe−Si系化合物粒子の表面を厚さ1nm〜1μmの炭素質膜により被覆すれば、Fe−Si系化合物粒子の導電性、即ち負極材料の導電性を高めることができる。この結果、二次電池の充放電時の電圧降下が小さくなり、高電流密度での充放電を行うことができる。
【0064】
また上記Fe−Si系化合物粒子に結合材を混合して負極を作製すれば、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制されるとともに、β−FeSi及びSi系膜等の存在によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できるので、負極のサイクル特性及びサイクル寿命を向上できる。
【0065】
また上記負極を用いた非水電解液リチウム二次電池又はリチウムイオンポリマー二次電池では、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出時における、Fe−Si系化合物粒子の体積変化が抑制されるとともに、β−FeSi及びSi系膜等の存在によりリチウムイオンの吸蔵量及び放出量が大きくなる。この結果、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵及び放出の繰返し数が多くなっても、Fe−Si系化合物粒子によるリチウムイオンの吸蔵量及び放出量を大きい状態に維持できるので、二次電池のサイクル特性及びサイクル寿命を向上できる。
【0066】
また式(1)FeSi2+xで表されかつα−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子を、非酸化雰囲気中で所定の熱処理を行えば、β−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子を得ることができる。
更にFe−Si系化合物粒子に炭素質粒子を混合して混合体を作製し、この混合体を成形した後に所定の雰囲気中で加熱して焼結体を作製し、この焼結体を粉砕すれば、Fe−Si系化合物粒子に炭素質粒子が一体化されるので、二次電池の充放電時の電圧降下を低減できるとともに、高電流密度での充放電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のリチウム二次電池用負極材料を構成するFe−Si系化合物粒子の断面図。
【図2】実施例及び比較例のリチウム二次電池用負極の充放電サイクル試験に用いられる装置。
【符号の説明】
11 Fe−Si系化合物粒子
12 多結晶粒子
12a α−FeSi
12b β−FeSi
12c Si系膜

Claims (10)

  1. α−FeSi(12a)及びβ−FeSi(12b)の混相多結晶体からなるか或いはβ−FeSiの単相多結晶体からなる多結晶粒子(12)を主成分とするFe−Si系化合物粒子(11)により構成され、
    前記Fe−Si系化合物粒子(11)が、前記多結晶粒子(12)の表面の一部又は全部をSi又はSiOにより被覆するSi系膜(12c)、或いは前記多結晶粒子の結晶粒内に固溶されたSi原子のいずれか一方又は双方を有する
    ことを特徴とするリチウム二次電池用負極材料。
  2. Fe−Si系化合物粒子が式(1)で表された化合物である請求項1記載のリチウム二次電池用負極材料。
    FeSi2+x ……(1)
    ここで、式(1)において、0.01≦x≦4.0である。
  3. Fe−Si系化合物粒子が式(2)で表された化合物である請求項1記載のリチウム二次電池用負極材料。
    Fe1−ySi2+x ……(2)
    ここで、式(2)において、
    0.01≦x≦4.0であり、
    0.01≦y≦0.05であり、
    Mは、Co,Cr,Mn及びAlからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。
  4. Fe−Si系化合物粒子の平均粒径が10nm〜10μmである請求項1ないし3いずれか記載のリチウム二次電池用負極材料。
  5. Fe−Si系化合物粒子の表面が厚さ1nm〜1μmの炭素質粒子からなる炭素質膜により被覆された請求項1ないし4いずれか記載のリチウム二次電池用負極材料。
  6. 請求項1ないし5いずれかに記載のFe−Si系化合物粒子100重量%に結合材を0.5〜40重量%混合して作製されたリチウム二次電池用負極。
  7. 請求項6に記載の負極を用いた非水電解液リチウム二次電池。
  8. 請求項6に記載の負極を用いリチウムイオンポリマー二次電池。
  9. 請求項2に記載の式(1)FeSi2+x(0.01≦x≦4.0)で表されかつα−FeSi及びβ−FeSiの混相多結晶体からなる多結晶粒子を主成分とするFe−Si系化合物粒子を、非酸化雰囲気中で600〜900℃に20〜80時間保持する熱処理を行う工程を含むリチウム二次電池用負極材料の製造方法。
  10. 請求項1ないし4いずれかに記載のFe−Si系化合物粒子100重量%に炭素質粒子を0.05〜1900重量%混合して混合体を作製する工程と、
    前記混合体を成形して成形体を作製する工程と、
    前記成形体を不活性ガス雰囲気中又は真空中で300〜1000℃の温度に2〜10時間保持して焼結体を作製する工程と、
    前記焼結体を粉砕する工程と
    を含むリチウム二次電池用負極材料の製造方法。
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