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JP2004176931A - 炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置 - Google Patents

炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがない炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷凍機系統Aと、前記冷凍機系統で熱交換された2次冷媒が製氷用熱交換器6に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統Bと、前記氷蓄熱系統で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統Cと、前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統Dと、前記負荷側冷却系統の圧力が設定値以上になることを抑制する第1圧力上昇抑制部Fとを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置に関し、特に、冷却用に大量の冷水又はブラインを必要とし、夜間電力による氷蓄熱を利用する薬品工場、食品工場、化学工場などの冷凍装置として利用が可能な炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)冷媒を直接製氷コイルで蒸発させる直膨式冷凍装置により、又は冷凍機によりブラインを冷却し、そのブラインを製氷コイルにブラインポンプで搬送する間接式冷凍装置により、夜間に氷蓄熱し、昼間に蓄熱された氷により得られる冷水を直接ポンプにより搬送する冷凍装置が実用化されている。
【0003】
(2)夜間の氷蓄熱を昼間に冷却能力の一部に利用し、冷凍機を昼間にも運転して冷水を作り、冷却に利用する冷凍装置が実用化されている。
【0004】
(3)製氷方法は、上述のアイスオンコイル式の他に過冷却水による方法もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−30599号公報
【特許文献2】
特開2001−19944号公報
【特許文献3】
特開2002−48422号公報
【特許文献4】
特開2002−97011号公報
【特許文献5】
特開平11−14172号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)直膨式氷蓄熱冷凍装置は、冷媒充填量を多く必要とする。特に地球温暖化に与える影響の大きいHFC冷媒を利用する場合や、毒性・可燃性のあるアンモニア冷媒を利用する場合には充填量を少なくすることが望まれる。
【0007】
(2)ブラインによる間接式氷蓄熱の場合は、ブラインの熱伝導率が悪く、冷凍機の蒸発温度を低くしなければならず、消費電力を多く必要とする。また、ブラインの顕熱による冷却であるから搬送量を多く必要とし、搬送のためのポンプの消費電力を多く必要とする。この氷蓄熱運転中の冷凍機及びポンプの消費電力を少なくすることが望まれる。
【0008】
(3)蓄熱された氷により得られる冷水をそのまま搬送する場合、顕熱のみによる冷却であるから搬送量が多く搬送動力を多く必要とする。また、大きい配管径も必要で配管距離が長い場合は配管コストもかさむ。冷水搬送動力の低減と冷水配管コストを低減することが望まれる。
【0009】
(4)例えば昼間又は夜間などに、装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがないことが望まれている。
【0010】
本発明の目的は、装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがない炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供することである。
本発明の他の目的は、装置の一部の圧力が過度に高まることがなく、冷媒充填量が少なくて済む炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがなく、冷凍機の消費電力を抑えることができる炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがなく、ポンプの消費電力を抑えることができる炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがなく、冷水搬送動力を抑えることができる炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、装置の一部の運転が停止される場合に、装置の一部の圧力が過度に高まることがなく、配管コストを抑えることができる炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0014】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置は、冷凍機系統(A)と、前記冷凍機系統(A)で熱交換された2次冷媒が製氷用熱交換器(6)に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統(B)と、前記氷蓄熱系統(B)で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)と、前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統(D)と、前記負荷側冷却系統(D)の圧力が設定値以上になることを抑制する第1圧力上昇抑制部(F)とを備えている。
【0015】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記冷凍機系統(A)で熱交換される前記2次冷媒は、炭酸ガス2次冷媒である。
【0016】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記負荷側冷却系統(D)は、前記冷水により冷却されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第1受液器(11)を含み、前記氷蓄熱系統(B)は、前記冷凍機系統(A)で前記熱交換されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第2受液器(7)を含み、前記第1圧力上昇抑制部(F)では、前記第1受液器(11)内のガスが前記第2受液器(7)に移送されることにより、前記負荷側冷却系統(D)の圧力が前記設定値以上になることが抑制される。
【0017】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記第2受液器(7)に移送される前記第1受液器(11)内のガスは、前記第1受液器(11)内の炭酸ガス液が自己蒸発したものである。
【0018】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置は、冷凍機系統(A)と、前記冷凍機系統(A)で熱交換された炭酸ガス2次冷媒が製氷用熱交換器(6)に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統(B)と、前記氷蓄熱系統(B)で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)と、前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統(D)と、前記氷蓄熱系統(B)の圧力が所定値以上になることを抑制する第2圧力上昇抑制部(F)とを備えている。
【0019】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記負荷側冷却系統(D)は、前記冷水により冷却されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第1受液器(11)を含み、前記氷蓄熱系統(B)は、前記冷凍機系統(A)で前記熱交換されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第2受液器(7)を含み、前記第2圧力上昇抑制部(F)は、補助圧縮機(17)と水冷凝縮器(18)とを含み、前記補助圧縮機(17)は、前記第2受液器(7)内のガスを圧縮し、前記水冷凝縮器(18)は、前記補助圧縮機(17)により圧縮された前記ガスを前記冷水により凝縮させ、前記凝縮してなる炭酸ガス液は、前記第1受液器(11)に移送される。
【0020】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置は、冷凍機系統(A)と、前記冷凍機系統(A)で熱交換された炭酸ガス2次冷媒が製氷用熱交換器(6)に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統(B)と、前記氷蓄熱系統(B)で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)と、前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統(D)と、前記負荷側冷却系統(D)の圧力が設定値以上になることを抑制すると共に前記氷蓄熱系統(B)の圧力が所定値以上になることを抑制する圧力上昇抑制部(F)とを備えている。
【0021】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記負荷側冷却系統(D)は、前記冷水により冷却されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第1受液器(11)を含み、前記氷蓄熱系統(B)は、前記冷凍機系統(A)で前記熱交換されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第2受液器(7)を含み、前記圧力上昇抑制部(F)は、補助圧縮機(17)と水冷凝縮器(18)とを含み、前記圧力上昇抑制部(F)では、前記第1受液器(11)内のガスが前記第2受液器(7)に移送されることにより、前記負荷側冷却系統(D)の圧力が前記設定値以上になることが抑制され、前記補助圧縮機(17)は、前記第2受液器(7)内のガスを圧縮し、前記水冷凝縮器(18)は、前記補助圧縮機(17)により圧縮された前記ガスを前記冷水により凝縮させ、前記凝縮してなる炭酸ガス液が、前記第1受液器(11)に移送されることにより、前記氷蓄熱系統(B)の圧力が前記所定値以上になることが抑制される。
【0022】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記冷凍機系統(A)及び前記氷蓄熱系統(B)は、昼間、運転が停止される。
【0023】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統(C)及び前記負荷側冷却系統(D)は、夜間、運転が停止される。
【0024】
(1)本発明は、製氷に炭酸ガス2次冷媒を利用することで冷凍機の冷媒充填量を減少させることができる。
【0025】
(2)本発明では、間接式氷蓄熱方式において、ブラインの代わりに熱伝導率の良い炭酸ガスを利用することで、製氷コイル内の2次冷媒温度を高くすることができる。また、炭酸ガス2次冷媒の蒸発潜熱により冷却するため、コイル内温度を製氷に最適な温度とすることができ、冷凍機の蒸発温度を高くすることができるので氷蓄熱運転中の冷凍機の消費電力を少なくすることができる。
また、氷蓄熱回路の炭酸ガス2次冷媒の大きい潜熱を利用できるため循環量を少なくできるので搬送のための消費電力を大幅に低減することができる。
【0026】
(3)本発明では、負荷側に顕熱を利用する多量の冷水を長配管で搬送する代わりに、大きい潜熱を利用できる少量の炭酸ガス2次冷媒を搬送するために、搬送動力を低減することができる。また、配管径を小径化できるので配管コストも低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置の一実施形態を説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置の系統図である。本実施形態の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置は、冷凍機系統Aと、氷蓄熱系統Bと、炭酸ガス2次冷媒冷却系統Cと、負荷側冷却系統Dと、負荷冷水系統Eと、補助冷凍機系統Fとを備えている。
【0029】
冷凍機系統Aは、炭酸ガス2次冷媒を冷却する系統である。冷凍機系統Aは、圧縮機1と、凝縮器2と、膨張弁3と、カスケード蒸発器4により構成される。カスケード蒸発器4は、氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒の凝縮器を兼ねている。
【0030】
氷蓄熱系統Bは、炭酸ガス2次冷媒で製氷する系統である。氷蓄熱系統Bは、蓄熱槽5と、蓄熱槽5内に配置される製氷用熱交換器6と、製氷用熱交換器6の出口から戻る液とガスの2相流炭酸ガスのガスを液化するカスケード蒸発器4と、その液化された炭酸ガス液を溜める受液器7と、その炭酸ガス液を製氷用熱交換器6へ搬送する炭酸ガスポンプ8を備えている。
【0031】
炭酸ガス2次冷媒冷却系統Cは、蓄熱された氷により得られる冷水で炭酸ガス2次冷媒を冷却する系統である。炭酸ガス2次冷媒冷却系統Cは、冷水ポンプ9と、水冷凝縮器10を備えている。
【0032】
負荷側冷却系統Dは、炭酸ガス2次冷媒により負荷冷水系統Eの負荷側冷水を冷却する系統である。負荷側冷却系統Dは、水冷凝縮器10と、水冷凝縮器10で液化した炭酸ガス液を溜める受液器11と、その炭酸ガス液を搬送する炭酸ガスポンプ12と、その搬送された炭酸ガス液により負荷冷水系統Eの負荷側冷水を冷却する熱交換器13を備えている。
【0033】
負荷冷水系統Eは、負荷を冷水で冷却する系統である。負荷冷水系統Eは、熱交換器13と、熱交換器13で得られた冷水を負荷側に搬送する冷水ポンプ14と、負荷側熱交換器15とを備えている。
【0034】
補助冷凍機系統Fは、昼間の作業時間帯以外の夜間などの時間帯に、負荷側冷却系統Dが停止している間に、負荷側冷却系統Dの圧力が上昇したときに電磁弁16aを開いて受液器11内のガスを低圧側の受液器7に移送させ、蒸発による自己冷却により設計圧力以上に圧力が上昇することを防ぐ回路を有している。
【0035】
また、補助冷凍機系統Fでは、作業時間帯である昼間などの時間帯に、冷凍機系統Aが停止している間に、氷蓄熱系統Bの圧力が設計圧力以上に上昇したときに電磁弁16bを開いて受液器7の上部から炭酸ガスを補助圧縮機17により吸入し、補助圧縮機17から吐出したガスを水冷凝縮器18にて冷水ポンプ19により搬送される冷水で冷却する。その凝縮した炭酸ガス液は、受液器11に入る。
【0036】
本実施形態では、間接式冷凍装置を採用し、製氷に炭酸ガス2次冷媒を利用することで、冷凍機系統Aの冷媒充填量を減少させることができる。
【0037】
氷蓄熱系統Bでは、間接式氷蓄熱方式において、ブラインの代わりに熱伝達率の良い炭酸ガスを利用することで、製氷コイル(製氷用熱交換器6)内の2次冷媒温度(製氷用熱交換器6に導入される炭酸ガス液の温度)を高くすることができる。また、製氷用熱交換器6での炭酸ガス2次冷媒の蒸発潜熱により蓄熱槽5内の冷水を冷却するため、製氷用熱交換器6のコイル内温度を製氷に最適な温度とすることができ、冷凍機系統Aのカスケード蒸発器4での蒸発温度を高くすることができる(図2の運転条件参照)ので氷蓄熱系統Bの運転中の冷凍機系統Aの消費電力を少なくすることができる。
【0038】
また、氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒の大きい潜熱を利用でき、製氷用熱交換器6への循環量を少なくできるので、搬送のための炭酸ガスポンプ8の消費電力を大幅に低減させることができる。
【0039】
さらに、本実施形態では、顕熱を利用する多量の冷水を負荷側まで長い配管内を搬送する代わりに、大きい潜熱を利用できる少量の炭酸ガス2次冷媒(負荷側冷却系統Dの炭酸ガス2次冷媒)を搬送するために、搬送動力を低減させることができる。また、負荷側冷却系統Dの配管の径を小径化できるので配管コストも低減させることができる。
【0040】
本実施形態の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置では、夜間の電力を用いた氷蓄熱のために氷蓄熱系統Bにおいて炭酸ガス2次冷媒が用いられ、その夜間の氷蓄熱を用いて昼間、負荷冷水系統Eにおいて負荷冷却が行われる。
【0041】
氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒は、夜間、冷凍機系統Aにより冷却されることで、蓄熱槽5において氷蓄熱が行われる。昼間は、冷凍機系統Aが停止され、蓄熱槽5において夜間蓄熱された氷により得られる冷水により、負荷側冷却系統Dの炭酸ガス2次冷媒が冷却される。その冷却された負荷側冷却系統Dの炭酸ガス2次冷媒により、負荷が直接的または間接的に冷却される。
【0042】
氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒は、夜間、冷凍機系統Aにより冷却され氷蓄熱のために利用される。負荷側冷却系統Dの炭酸ガス2次冷媒は、昼間、炭酸ガス2次冷媒冷却系統Cにより要求される温度に冷却され、負荷を直接又は間接に冷却するために利用される。
【0043】
昼間の作業時間以外の夜間などの時間帯は、負荷側冷却系統Dの炭酸ガス2次冷媒回路が停止している。その停止している間に、負荷側冷却系統Dの炭酸ガス2次冷媒の圧力が設定値以上に上昇することを防ぐ必要がある。そのために、負荷側冷却系統Dの受液器11のガスを低圧の氷蓄熱系統Bの受液器7へ連通させ、受液器11の炭酸ガス液を自己蒸発させて温度上昇を防ぎ、設計圧力以上に圧力が上昇しないようにする。
【0044】
一方、昼間の作業時間帯は、氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒回路が停止している。その停止している間に、氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒の圧力が所定値以上に上昇することを防ぐ必要がある。そのために、氷蓄熱系統Bの受液器7のガスを補助圧縮機17により吸込み圧縮した後、水冷凝縮器18においてポンプ19により送出される蓄熱された氷による冷水で凝縮させ、その後、高圧側の受液器11へ移送する補助冷却回路Fが設けられている。
【0045】
図2は、本実施形態による圧縮機およびポンプの消費電力を従来のブライン方式と比較したものである。運転条件は、図2に示す以下の通りである。冷凍機系統の冷媒は、本実施形態及び従来ブライン方式共に、HFC系冷媒であるR404Aを用いる。本実施形態のカスケード蒸発器4での凝縮/蒸発温度は、50/−7℃であり、従来ブライン方式では50/−15℃である。本実施形態の氷蓄熱系統Bの炭酸ガス2次冷媒の温度は、−7℃である。従来ブライン方式のブラインの温度は、−10℃→−5℃である。負荷は、本実施形態及び従来ブライン方式共に、100KWである。これらの運転条件の下では、図2に示すように、従来ブライン方式に比べて本実施形態は、圧縮機およびポンプの消費電力の合計で、23%低減することができた。
【0046】
図3は、本実施形態による負荷側冷却系統Dの配管工事費と保冷工事費の合計を対応する従来の装置(冷水循環方式)と比較したものである。条件は、図3に示す以下の通りである。配管長(片道)は、本実施形態及び従来冷水循環方式共に、50mである。配管材料は、本実施形態では圧力配管用炭素鋼々管であり、従来冷水循環方式ではステンレス鋼々管である。配管寸法は、本実施形態では25Aであり、従来冷水循環方式では60Suである。負荷は、本実施形態及び従来冷水循環方式共に、100KWである。流体の温度は、本実施形態では2℃であり、従来冷水循環方式では3℃である。これらの条件の下では、図3に示すように、従来冷水循環方式に比べて本実施形態は、配管工事費と保冷工事費の合計で、45%低減することができた。
【0047】
以上のように構成された本実施形態の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置は、従来の直膨式氷蓄熱装置に比べて冷媒充填量を大幅に減少することができ、また、ブライン式氷蓄熱装置に比べて図2に示すように消費電力を減少することができることで地球環境負荷の少ない冷凍装置を提供することができる。更に、図3に示す通り、負荷側冷却系統Dの配管寸法を細径化できるため、その配管工事費と断熱工事費を従来の装置に比べて低減することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置によれば、装置の一部の運転が停止された場合にも圧力が過度に高まることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置の一実施形態と従来のブライン方式の消費電力を比較した図である。
【図3】図3は、本発明の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置の一実施形態と従来の冷水循環方式の配管・保冷工事費を比較した図である。
【符号の説明】
A 冷凍機系統
B 氷蓄熱系統
C 炭酸ガス2次冷媒冷却系統
D 負荷側冷却系統
E 負荷冷水系統
F 補助冷凍機系統
1 圧縮機
2 凝縮器
3 膨張弁
4 カスケード蒸発器
5 蓄熱槽
6 製氷用熱交換器
7 受液器
8 炭酸ガスポンプ
9 冷水ポンプ
10 水冷凝縮器
11 受液器
12 炭酸ガスポンプ
13 熱交換器
14 冷水ポンプ
15 負荷側熱交換器
16a、16b 電磁弁
17 補助圧縮機
18 水冷凝縮器
19 ポンプ

Claims (10)

  1. 冷凍機系統と、
    前記冷凍機系統で熱交換された2次冷媒が製氷用熱交換器に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統と、
    前記氷蓄熱系統で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統と、
    前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統と、
    前記負荷側冷却系統の圧力が設定値以上になることを抑制する第1圧力上昇抑制部と
    を備えた炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  2. 請求項1記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、
    前記冷凍機系統で熱交換される前記2次冷媒は、炭酸ガス2次冷媒である
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  3. 請求項2記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記負荷側冷却系統は、前記冷水により冷却されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第1受液器を含み、
    前記氷蓄熱系統は、前記冷凍機系統で前記熱交換されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第2受液器を含み、
    前記第1圧力上昇抑制部では、前記第1受液器内のガスが前記第2受液器に移送されることにより、前記負荷側冷却系統の圧力が前記設定値以上になることが抑制される
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  4. 請求項3記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記第2受液器に移送される前記第1受液器内のガスは、前記第1受液器内の炭酸ガス液が自己蒸発したものである
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  5. 冷凍機系統と、
    前記冷凍機系統で熱交換された炭酸ガス2次冷媒が製氷用熱交換器に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統と、
    前記氷蓄熱系統で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統と、
    前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統と、
    前記氷蓄熱系統の圧力が所定値以上になることを抑制する第2圧力上昇抑制部と
    を備えた炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  6. 請求項5記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記負荷側冷却系統は、前記冷水により冷却されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第1受液器を含み、
    前記氷蓄熱系統は、前記冷凍機系統で前記熱交換されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第2受液器を含み、
    前記第2圧力上昇抑制部は、補助圧縮機と水冷凝縮器とを含み、
    前記補助圧縮機は、前記第2受液器内のガスを圧縮し、前記水冷凝縮器は、前記補助圧縮機により圧縮された前記ガスを前記冷水により凝縮させ、前記凝縮してなる炭酸ガス液は、前記第1受液器に移送される
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  7. 冷凍機系統と、
    前記冷凍機系統で熱交換された炭酸ガス2次冷媒が製氷用熱交換器に導入されて蓄熱が行われる氷蓄熱系統と、
    前記氷蓄熱系統で蓄熱された氷により得られた冷水により炭酸ガス2次冷媒を冷却する炭酸ガス2次冷媒冷却系統と、
    前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統の前記冷水により冷却された前記炭酸ガス2次冷媒により負荷側冷水を冷却する負荷側冷却系統と、
    前記負荷側冷却系統の圧力が設定値以上になることを抑制すると共に前記氷蓄熱系統の圧力が所定値以上になることを抑制する圧力上昇抑制部と
    を備えた炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  8. 請求項7記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、前記負荷側冷却系統は、前記冷水により冷却されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第1受液器を含み、
    前記氷蓄熱系統は、前記冷凍機系統で前記熱交換されて液化した前記炭酸ガス2次冷媒を溜める第2受液器を含み、
    前記圧力上昇抑制部は、補助圧縮機と水冷凝縮器とを含み、
    前記圧力上昇抑制部では、前記第1受液器内のガスが前記第2受液器に移送されることにより、前記負荷側冷却系統の圧力が前記設定値以上になることが抑制され、
    前記補助圧縮機は、前記第2受液器内のガスを圧縮し、前記水冷凝縮器は、前記補助圧縮機により圧縮された前記ガスを前記冷水により凝縮させ、前記凝縮してなる炭酸ガス液が、前記第1受液器に移送されることにより、前記氷蓄熱系統の圧力が前記所定値以上になることが抑制される
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  9. 請求項5、6、7及び8のいずれか1項に記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、
    前記冷凍機系統及び前記氷蓄熱系統は、昼間、運転が停止される
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
  10. 請求項1、2、3、4、7及び8のいずれか1項に記載の炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置において、
    前記炭酸ガス2次冷媒冷却系統及び前記負荷側冷却系統は、夜間、運転が停止される
    炭酸ガス2次冷媒氷蓄熱冷凍装置。
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