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JP2004172612A - 微小径バンプを有する半導体素子、インクジェット方式によるバンプ形成およびそれに用いるインク組成物 - Google Patents

微小径バンプを有する半導体素子、インクジェット方式によるバンプ形成およびそれに用いるインク組成物 Download PDF

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JP2004172612A JP2003377596A JP2003377596A JP2004172612A JP 2004172612 A JP2004172612 A JP 2004172612A JP 2003377596 A JP2003377596 A JP 2003377596A JP 2003377596 A JP2003377596 A JP 2003377596A JP 2004172612 A JP2004172612 A JP 2004172612A
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solder
flux
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JP2003377596A
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Hitoshi Arita
均 有田
Akio Kojima
明夫 小島
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、はんだバンプに期待される機能を充分に満足して、従来形成が不可能であった小さな径のはんだバンプが形成された半導体素子を提供することである。
また、本発明の課題は、ボイドとかクラックが少ないはんだバンプが形成された半導体素子を提供することである。
また、本発明の課題は、中間金属層あるいはパッドとの剥離を発生しないはんだバンプが形成された半導体素子を提供することである。
さらに作業時間を大幅に短縮できるはんだバンプの形成方法と、それに用いるはんだバンプ形成用インク組成物を提供することである。
【解決手段】 外部電極パッド上に中間金属層とバンプが順次設けられた半導体素子であって、該バンプの径が30μm以下であることを特徴とする半導体素子。
【選択図】 図8

Description

本発明は、インクジェット方式によるバンプ形成方法、バンプ形成用インク組成物及び半導体素子に関し、例えばバンプ形成対象物に形成された複数のバンプ形成位置上に突起電極(いわゆる、バンプ)をインクジェット方式により形成する際のバンプ形成方法、当該バンプを形成する際に用いるバンプ形成用インク組成物及びバンプ形成方法によってバンプが形成されてなる半導体素子に適用して好適なものである。
バンプ形成方法においては、バンプ形成対象物として、例えばIC(Integrated Circuit)チップに応じた回路(以下、これをIC回路と呼ぶ)が複数形成されたウエハでは、以下の手順により各IC回路に形成された複数の外部電極(パッド)上にそれぞれバンプを形成するようになされている。
すなわち、まずウエハの一面に形成された各IC回路のアルミニウム等でなる各パッドの周端部をパッシベーション膜で覆い電気的に保護する。次いで、ウエハの一面にポジ型又はネガ型のフォトレジスト膜を積層形成し、当該フォトレジスト膜を各パッドに応じて露光した後、現像して各パッドを露出させる。続いて、ウエハをスパッタ装置に装填し、スパッタ法によって当該ウエハの一面にパッドとバンプとの密着性を向上し得るBLM(Ball Limiting Metal)膜層を積層形成する。
なお、このBLM膜層は、クロム(Cr)等でなる接着層と銅(Cu)等でなるバリアメタル層(又はバリアー層)とが順次積層形成されてなり、中間金属層又はCr/Cu/Auとも呼ばれている。
この後、ウエハの一面に形成されたフォトレジスト膜を剥離すると共に、当該フォトレジスト膜上に積層形成されたBLM膜層を除去する。これにより、ウエハの各パッド上にはそれぞれBLM膜層が積層形成される。
次いで、ウエハの一面に再びフォトレジスト膜を積層形成し、当該フォトレジスト膜を各BLM膜層に応じて露光した後、現像して各BLM膜層を露出させる。この後、メッキ法、蒸着法又は印刷法(印刷法の場合には、フォトレジスト膜に代えて各BLM膜層にそれぞれ応じた開口部を有するメタルマスクを用いる)の手法によってウエハの一面にバンプ材料を積層形成する。この後、ウエハの一面に積層形成されたフォトレジスト膜を剥離すると共に、当該フォトレジスト膜上に積層形成されたバンプ材料を除去する。これにより、各BLM膜層上にはそれぞれバンプ材料が積層形成される。
なお、このバンプ材料は、鉛及び錫が順次積層形成されてなり、当該バンプ材料の重量全体を100%とした場合、鉛の重量が90〜98%の任意の割合となるように予め選定されていると共に、錫の重量が鉛の重量に応じて10〜2%の任意の割合となるように予め選定されている。
続いて、ウエハの一面に所定の塗布手段によってフラックスを塗布する。この後、加熱溶融炉内の窒素雰囲気中においてウエハを所定の温度で加熱し、バンプ材料の鉛及び錫を溶融させることにより、これら鉛と錫とを合成させてはんだを形成する。このときはんだは、溶融された状態における表面張力とフラックスの作用とによって球状にまとまる。かくしてウエハに形成された各IC回路の各パッド上にそれぞれBLM膜層を介して球形状のはんだでなるバンプを形成し得る。
ところで、このようなバンプ形成方法においては、まず、ウエハの各パッド上にそれぞれBLM膜層を積層形成する場合(以下、これをBLM膜層形成工程と呼ぶ)には、上述したようにフォトレジスト膜の形成工程及び当該フォトレジスト膜の剥離工程が必要である。また、スパッタ装置に1回で装填し得るウエハは3〜5枚程度である。このため、BLM膜層形成工程では、当該工程が煩雑になり多大な作業時間が必要となる問題があった。
また、フォトレジスト膜の剥離工程においては、フォトレジスト膜と共に、ウエハの一面に積層形成されたBLM膜層の重量全体に対する99%以上のBLM膜層が除去されている。したがって、ウエハの一面に積層形成されたBLM膜層に用いられている複数種類の金属材料のほとんどを無駄にしており、コストが増大する問題があった。
さらに、BLM膜層に用いられているクロムは、人体に有害な金属材料である。また、ウエハの一面からフォトレジスト膜を剥離する場合、人体に有害な強アルカリ溶液及び有機溶剤が用いられている。このため、BLM膜層形成工程では、作業者が安全に作業し得る作業環境、及び何らかの設備が必要になると共に、強アルカリ溶液及び有機溶剤の廃液を安全に処理し得る廃液処理設備が必要となり、設備が煩雑になる問題があった。
さらに、フォトレジスト膜の剥離工程において、当該フォトレジスト膜が完全に剥離されずにパッシベーション膜上に僅かに残る場合がある。このように、パッシベーション膜上フォトレジスト膜が残った状態において、この後各BLM膜層上にそれぞれバンプ材料を形成し、これら各バンプ材料を加熱溶融すると、当該残ったフォトレジストがパッシベーション膜上に焦げつく問題があった。
一方、このバンプ形成方法においては、各BLM膜層上にそれぞれバンプ材料を積層形成する場合(以下、これをバンプ材料形成工程と呼ぶ)には、上述したBLM膜層形成工程の場合と同様に、フォトレジスト膜(又は、メタルマスク)の形成工程及び当該フォトレジスト膜(又はメタルマスク)の剥離工程が必要である。したがって、バンプ材料形成工程では工程が煩雑になる問題があった。
また、バンプ材料形成工程のフォトレジスト膜(又は、メタルマスク)の剥離工程においては、上述したBLM膜層形成工程の場合と同様に、フォトレジスト膜と共に、ウエハの一面に積層形成されたバンプ材料の重量全体に対する99%以上のバンプ材料が除去される。このため、ウエハの一面に積層形成されたバンプ材料(すなわち、鉛及び錫)のそのほとんどを無駄にしており、コストが増大する問題があった。
さらに、バンプ材料形成工程のフォトレジスト膜の剥離工程において、当該フォトレジスト膜が完全に剥離されずにパッシベーション膜上に僅かに残る場合がある。このように、パッシベーション膜上にフォトレジスト膜が残った状態でバンプ材料を加熱溶融すると、当該残ったフォトレジストがパッシベーション膜上に焦げつく問題があった。
ところで、バンプ材料形成工程においてメッキ法を適用した場合には、ウエハのメッキ処理において人体に有害な酸溶液、アルカリ溶液及び有機溶剤等が用いられている。したがって、この場合にも作業者が安全に作業し得る作業環境及び何らかの設備が必要になると共に、酸溶液、アルカリ溶液及び有機溶剤等の廃液を安全に処理する廃液処理設備が必要となり、バンプ材料形成工程の設備が煩雑になる問題があった。
また、このバンプ材料形成工程においては、ウエハをメッキ処理する場合、当該ウエハの一面に予め形成されたフォトレジスト膜による凹凸が形成されている。ところが、このメッキ処理ではメッキ電流の分布がウエハの一面の形状に左右され、当該メッキ電流が不均一になる場合がある。したがって、このメッキ処理においては、ウエハの一面にバンプ材料の鉛と錫とをそれぞれ所定の厚さとなるように形成することが困難となり、このバンプ材料の鉛と錫との配合量にばらつきが生じることになる。
このため、このようにしてBLM膜層上に形成されたバンプ材料にフラックスを塗布して加熱溶融すると、溶融した鉛と錫が不均一に合成され、形成されたバンプの内部に気泡欠陥(以下、これをボイドと呼ぶ)やクラックが生じる問題があった。また、大きさの異なるバンプが形成されたり、歪な形状でなるバンプ(以下、これを異形バンプと呼ぶ)が形成されると共に、パッシベーション膜上に飛散したバンプ(以下、これを飛散バンプと呼ぶ)が形成され、隣り合うバンプ同志が接触する等してブリッジが発生する問題があった。
一方、バンプ材料形成工程において蒸着法を適用した場合には、蒸着装置に1回で装填し得るウエハは3〜5枚程度である。このため、複数のウエハに対してBLM膜層上にバンプ材料を積層形成するには、多大な時間が必要になる問題があった。また、この蒸着装置においては、蒸着源(鉛及び錫)に対してウエハの一面が傾斜して装填される等のように当該蒸着装置の構造上の種々の問題に起因して、ウエハの一面にバンプ材料の鉛と錫とをそれぞれ所定の厚さとなるように形成することが困難となる場合がある。
このため、上述したメッキ処理の場合と同様に、バンプ材料の鉛と錫との配合量にばらつきが生じ、このようにしてBLM膜層上に形成されたバンプ材料を加熱溶融してバンプを形成すると、溶融した鉛と錫が不均一に合成され、当該バンプの内部にボイドやクラックが生じる問題があった。また、大きさの異なるバンプが形成されたり、異形バンプが形成されると共に、パッシベーション膜上に飛散バンプが形成され、隣り合うバンプ同志が接触する等してブリッジが発生する問題があった。
さらに、バンプ材料形成工程において印刷法を適用した場合には、各BLM膜層にそれぞれ応じた開口部を有するメタルマスクを介してスキージによってこれら各BLM膜層上にそれぞれクリームはんだを印刷する。ところが、この印刷法においては、スキージとメタルマスクとの間隔が不均一になること等により、当該メタルマスクの開口部を介して各BLM膜層上にそれぞれ印刷されるクリームはんだの量(印刷精度)がばらつく問題があった。このため、この印刷法においてはクリームはんだの印刷精度に対する信頼性が低下する問題があった。また、クリームはんだのばらつきにより、大きさの異なるバンプが形成されたり、異形バンプが形成され、隣り合うバンプ同志が接触する等してブリッジが発生する問題があった。
ところで、このバンプ形成方法においては、ウエハの各パッド上にそれぞれバンプを形成した後、種々の有機溶剤を用いてウエハの一面に残存するフラックスを洗浄するようになされている。このため、この洗浄工程においても、作業者が安全に作業し得る作業環境及び何らかの設備が必要になると共に、これら種々の有機溶剤の廃液を安全に処理し得る廃液処理設備が必要となり、当該洗浄工程の設備が煩雑になる問題があった。
以上のように従来のバンプ形成方法においては、複数の工程からなり、どれか一つの工程において不良が発生すると、それ以前の工程が全て無駄になる。したがって、このバンプ形成方法においては、後工程になるほど不良が発生した場合の損害が大きくなる問題があった。
以上説明したような問題を解決するために、バンプ形成対象物表面の複数のバンプ形成位置にそれぞれバンプを形成するバンプ形成方法において、基材の一面に上記バンプ形成対象物の各上記バンプ形成位置にそれぞれ対応させてバンプを配置する第1の工程と、各上記バンプ上及び又は上記バンプ形成対象物の各上記バンプ形成位置上に導電性接着剤を供給する第2の工程と、各上記バンプとそれぞれ対応する上記バンプ形成位置とを上記導電性接着剤を介して当接させるように上記基材と上記バンプ形成対象物とを突き合わせ、各上記バンプとそれぞれ対応する上記バンプ形成位置とを位置決めする第3の工程と、上記導電性接着剤を固化させることにより、各上記バンプをそれぞれ対応する上記バンプ形成位置に固着させる第4の工程と、上記バンプ形成対象物の各上記バンプ形成位置にそれぞれ固着された上記バンプから、上記基材を引き離す第5の工程とを具えることを特徴とするバンプ形成方法が提案され、バンプの形成工程を短縮できることが確認されている(例えば、特許文献1参照)。
また、はんだバンプ作成に用いるフラックス材料として、少なくともロジン、活性剤、溶剤を含有し、天然ロジンと、水添ロジンと、前記天然ロジン及び前記水添ロジンの総重量に対して1%乃至99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と、前記天然ロジンと、前記水添ロジンと、前記溶質と、前記活性剤とを溶解させる溶剤とを具えるものを用いることが提案され、このフラックス材料を用いて作製されたはんだバンプは、表面が滑らかな光沢を有し、理想に近い球状形状を有し、内部にボイドやクラックのないもので、また作製過程ではんだ合金の飛散が生じないなどの効果があることが確認されている(例えば、特許文献2参照)。
また、作製されたはんだバンプが、表面光沢性、表面性および形状が良好であり、また作製過程ではんだ合金の飛散が生じないなどの効果をもたらすような、はんだバンプ作成用フラックス材料として、少なくともロジン、活性剤および溶剤を含有し、該活性剤として100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分を含むものを用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、このように改良されたフラックスを用いた場合にも生じる問題として、通常バンプ形成方法においては、ウエハの各パッド上にそれぞれバンプを形成した後、種々の有機溶剤を用いてウエハの一面に残存するフラックスを洗浄するようになされている。このため、この洗浄工程においても、作業者が安全に作業し得る作業環境及び何らかの設備が必要になると共に、これら種々の有機溶剤の廃液を安全に処理し得る廃棄処理設備が必要となり、当該洗浄工程の設備が煩雑になる問題がある。
また、従来方式によって作製されるバンプの径は50μm前後の大きさのものになり、より小さな径のバンプを特に製造レベルで量産することは困難であった。これは従来方式が複雑な工程を多数回繰り返すため、形成されるバンプに不揃いが生じやすく、径が小さくなればなるほど不揃いになる傾向があり、均一の径のバンプを形成し難くなる。さらに従来方式によって作製されたバンプにはボイド・クラックや異形バンプが発生し易く、バンプが小さくなるほどその傾向は大きくなるという問題がある。
すなわち、従来方式においては、小さなバンプになるほど工程管理が厳しく、最終的に得られたバンプをみると原材料の大半が捨てられて無駄になり、さらに熱処理が必要とするため環境面とエネルギー面から問題がある。
しかしながら、インターネット社会において、今後さらなるICの高集積化と高密度実装化が進むことが考えられ、そのためにより径の小さなバンプ、特に30μm以下の径のはんだバンプの出現が近年期待されているが、その提案がないままに今日に至っているのが実状である。
さらに、従来のバンプには、ボイドとかクラックが観察され、また中間金属層あるいはパッドとの剥離が発生することがあり、問題とされている。
更に、通常はんだバンプは次の5種類の試験が行なわれている。
(1)金属顕微鏡によるはんだバンプの外観観察
(2)SEMによるバンプの断面観察
(3)機械的強度試験(シエアー試験/引っ張り強度試験)
(4)洗浄性試験
(5)ICチップを配線基盤上に実装した場合の信頼性試験
これらの試験において従来方式で作製されたバンプには次のような問題が数多く存在する。
Figure 2004172612
特開平9−205095号公報(請求項1、第4頁左欄第44行目〜右欄第7行目) 特開平9−10988号公報(請求項1、第3頁右欄第13行目〜第6頁右欄第18行目) 特開平8−155675号公報(請求項1、第4頁右欄第33行目〜第5頁第19行目)
本発明の課題は、はんだバンプに期待される機能を充分に満足して、従来形成が不可能であった小さな径のはんだバンプが形成された半導体素子を提供することである。
また、本発明の課題は、ボイドとかクラックが少ないはんだバンプが形成された半導体素子を提供することである。
また、本発明の課題は、中間金属層あるいはパッドとの剥離を発生しないはんだバンプが形成された半導体素子を提供することである。
さらに作業時間を大幅に短縮できるはんだバンプの形成方法と、それに用いるはんだバンプ形成用インク組成物を提供することである。
本発明者等は、上述の課題を解決するために本発明者等が鋭意検討した結果、半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、これらの2つの層を加熱溶融することによってバンプを形成する際に、はんだ合金材料層とフラックス材料層をインクジェット方式によって形成すると、吐出量等を容易に制御できるため、所望のはんだバンプを作製するのに有効であることを確認した。
また、中間金属層の代わりに、導電性接着層をインクジェット方式によって形成することが有効であることも確認した。
さらに、これらのインクジェット方式に用いるインク組成物を製造する際に、超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程を用いると、10nm以下の粒径の揃った超微粒子を安定して含有するインク組成物が作製可能となって、所望のはんだバンプを作製するのに、特に有効であることを確認した。
すなわち、上記課題は本発明の(1)「外部電極パッド上に中間金属層とバンプが順次設けられた半導体素子であって、該バンプの径が30μm以下であることを特徴とする半導体素子」、(2)「前記バンプの径が0.001〜10μmであることを特徴とする前記第(1)項に記載の半導体素子」、(3)「前記バンプ径が0.001〜1μmであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の半導体素子」、(4)「バンプが、中間金属層の上にインクジェット方式によって形成されたはんだ合金材料層とフラックス材料層とを、加熱溶融することによって形成されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の半導体素子」、(5)「中間金属層が、インクジェット方式により形成された導電性接着層であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の半導体素子」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(6)「半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、はんだ合金材料層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするバンプ形成方法」、(7)「はんだ合金材料を構成しインクジェット方式に用いられるインク組成物が、超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程を含む製造法で作成されたものであることを特徴とする前記第(6)項に記載のバンプ形成方法」、(8)「はんだ合金材料を構成するインク組成物が、少なくともはんだ材料、有機溶剤、湿潤剤を含有することを特徴とする前記第(6)項又は第(7)項に記載のバンプ形成方法」、(9)「半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、中間金属層が導電性接着層であって、該導電性接着層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするバンプ形成方法」、(10)「導電性材料を構成しインクジェット方式に用いられるインク組成物が、超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程を含む製造法で作成されたものであることを特徴とする前記第(9)項に記載のバンプ形成方法」、(11)「導電性材料を構成するインク組成物が、少なくとも導電性材料、有機溶剤、湿潤剤を含有することを特徴とする前記第(9)項又は第(10)項に記載のバンプ形成方法」、(12)「半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、フラックス材料層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするバンプ形成方法」、(13)「フラックス材料を構成しインクジェット方式に用いられるインク組成物が、少なくともロジン、活性剤、有機溶剤を含有することを特徴とする前記第(12)項に記載のバンプ形成方法」、(14)「フラックス材料を構成するインク組成物が、少なくともロジン、活性剤,有機溶剤、ポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を含有するバンプ形成用フラックスに、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれていることを特徴とする前記第(12)項又は第(13)項に記載のバンプ形成方法」、(15)「天然ロジンと、水添ロジンと、前記天然ロジン及び前記水添ロジンの総重量に対して1%乃至99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と、前記天然ロジンと、前記水添ロジンと、前記溶質と、前記活性剤とを溶解させる溶剤とを具えることを特徴とする前記第(13)項又は第(14)項に記載のバンプ形成方法」、(16)「前記溶質は、合成レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマの単体又は複数を配合してなることを特徴とする前記第(13)項乃至第(15)項の何れかに記載のバンプ形成方法」、(17)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が1〜20mPa・s、表面張力が20〜70mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜170゜であることを特徴とする前記第(6)項乃至第(16)項の何れかに記載のバンプ形成方法」、(18)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が5〜20mPa・s、表面張力が25〜50mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜70゜であることを特徴とする前記第(6)項乃至第(17)項の何れかに記載のバンプ形成方法」、(19)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の固形分濃度が0.01〜10.0wt%であることを特徴とする前記第(6)項乃至第(18)項の何れかに記載のバンプ形成方法」、(20)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の蒸気圧が0.001〜50mmHg(室温)の少なくとも一種の溶媒を含むことを特徴とする前記第(6)項乃至第(19)項の何れかに記載のバンプ形成方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(21)「前記第(6)項乃至第(20)項の何れかに記載の方法によって形成されることを特徴とするバンプ」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(22)「半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する際の、はんだ合金材料層をインクジェット方式によって形成するのに用いられ、かつ超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程が含まれる製造法で作成されたものであることを特徴とするはんだ合金材料を構成するインク組成物」、(23)「少なくともはんだ合金材料、有機溶剤および湿潤剤を含有することを特徴とする前記第(22)項に記載のはんだ合金材料を構成するインク組成物」、(24)「半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する際の、中間金属層である導電性接着層をインクジェット方式によって形成するのに用いられ、かつ超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程が含まれる製造工程で製造されたことを特徴とする導電性材料を構成するインク組成物」、(25)「少なくとも導電性材料、有機溶剤、湿潤剤を含有することを特徴とする前記第(24)項に記載の導電性材料を構成するインク組成物」、(26)「半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する際の、フラックス材料層をインクジェット方式によって形成するのに用いられ、少なくともロジン、活性剤、有機溶剤を含有することを特徴とするフラックス材料を構成するインク組成物」、(27)「少なくともロジン,活性剤,有機溶剤、ポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を含有するバンプ形成用フラックスに、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれていることを特徴とする前記第(26)項に記載のフラックス材料を構成するインク組成物」、(28)「天然ロジンと、水添ロジンと、前記天然ロジン及び前記水添ロジンの総重量に対して1%乃至99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と、前記天然ロジンと、前記水添ロジンと、前記溶質と、前記活性剤とを溶解させる溶剤とを具えることを特徴とする前記第(26)項又は第(27)項に記載のフラックス材料を構成するインク組成物」、(29)「前記溶質は、合成レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマの単体又は複数を配合してなることを特徴とする前記第(28)項に記載のフラックス材料を構成するインク組成物」、(30)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が1〜20mPa・s、表面張力が20〜70mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜170゜であることを特徴とする前記第(22)項乃至第(29)項の何れかに記載のインク組成物」、(31)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の固形分濃度が0.01〜10.0wt%であることを特徴とする前記第(22)項乃至第(30)項の何れかに記載のインク組成物」、(32)「前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の蒸気圧が0.001〜50mmHg(室温)の少なくとも一種の溶媒を含むことを特徴とする前記第(22)項乃至第(31)項の何れかに記載のインク組成物」によって解決される。
本発明によれば、半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、インクジェット方式によりはんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、加熱溶融することによってバンプを形成する方法により、従来のバンプ形成方法に比べて、低コストで簡易迅速にバンプを形成することができ、かくしてバンプの形成工程における作業時間を大幅に短縮し得るバンプ形成方法を実現することができる。
また、中間金属層の代わりに導電性接着層をインクジェット方式により形成することによりこれまでの中間金属層を作製する煩雑な工程と溶剤処理工程とが不要になった。さらに、超臨界流体もしくは亜臨界流体工程を用いた、吐出性、パターニング性および成膜性に優れたはんだ合金層形成用インク組成物およびフラックス層形成用インク組成物および導電性接着層形成用インク組成物を提供することができた。
また、該インク組成物を用いることで、従来のバンプ形成方法に比べて、インクジェット方式により低コストで簡便かつ容易にパターン形成でき、かくしてバンプの形成工程における作業時間を大幅に短縮し得るバンプ形成方法を実現することができた。
さらに、これまで作製が困難であったバンプ径が10μm以下あるいは5μm以下あるいは1μm以下の特性の優れたバンプを形成することができた。
また、本発明のインクジェット方式によるはんだバンプ形成用フラックスインク組成物においては、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれている。
そして、上記活性剤のうち、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮する成分として、例えば残さが残らない有機酸系活性剤が含まれ、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化してバンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮する成分として、例えば残さが残るハロゲン化合物系活性剤が含まれ、上記有機酸系活性剤がはんだバンプ形成用フラックス固形分中に0.01重量%〜10重量%の割合で含有され、上記ハロゲン化合物系活性剤がはんだバンプ形成用フラックスインク組成物の固形分中に0.01重量%〜10重量%の割合で含有されているため、はんだバンプを形成する際、100℃〜300℃の温度範囲のプレヒート時には有機酸系活性剤がはんだバンプの表面性や形状に対して効果を発揮し、350℃〜400℃の温度範囲のメインヒート時にはハロゲン化合物系活性剤がはんだバンプ形成に対して効果を発揮し、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成し、生産性が向上する。
また、本発明のインクジェット方式によるはんだバンプ形成用フラックスインク組成物においては、活性剤のうち、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮する成分として少なくとも界面活性剤が含まれ、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化してバンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮する成分として少なくとも界面活性剤が含まれていることから、100℃〜300℃及び350℃〜400℃の温度範囲のプレヒートからメインヒートにわたって、上記界面活性剤がはんだバンプの表面性や形状に対して効果を発揮し、はんだバンプ形成に対しても効果を発揮し、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成し、生産性が向上する。
また、天然ロジンと、水添ロジンと、これらの天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して1%ないし99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤とを溶剤に溶解させるようにしたことにより、ウエットバック処理のような高温度条件において使用し得るフラックスを実現することができ、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成し、生産性が向上する。
また、後述の実施例によるバンプ形成方法においては、フラックスの使用量がインクジェット方式により吐出されるだけの非常に少ないため、洗浄工程に用いられる有機溶剤等の廃液を処理する廃液処理設備が容易に構成することができ、バンプの形成工程をさらに簡易にすることができる。
すなわち、本発明の半導体素子は、従来のやり方では作製が不可能とされていた、はんだバンプの径が30μm以下であることを特徴とするものであり、またそのはんだバンプがボイドとかクラックが少なく、さらに中間金属層あるいはパッドとの剥離を発生しないものであることを特徴とするものである。
本発明のはんだバンプの形成方法によれば、はんだバンプの径が30μm以下のものが形成可能であるが、半導体素子のはんだバンプとして、0.001〜10μmが好ましく、さらに0.1〜1μmの径のものが有効であり、このような径のものを本発明のはんだバンプの形成方法によって形成することができる。
このような特徴を有する本発明のはんだバンプの形成方法は、限定的なものでないが、前述のように本発明者等は、インクジェット方式を採用することによって実現したものであり、はんだバンプの形成方法にインクジェット方式を採用することに関しては、本発明者等の調査によれば従来皆無である。
さらに、インクジェット方式に用いるインク組成物としては、粒径の揃った超微粒子が安定して含有していることが望ましく、前述したように、そのために超臨界流体もしくは亜臨界流体が特に好ましいことが確認され、そのように形成されたインク組成物を用いることによって、インクジェット方式による所望のはんだバンプの形成が、特に容易に実現可能となったものである。
以下に、本発明のはんだバンプについて、その形成方法を中心にして、順次説明する。
本発明のはんだバンプの形成方法には、下記(1)〜(3)のインク組成物を用いるのが、特に有効である。
(1)バンプ形成方法においてインクジェット方法により塗布される、導電性材料あるいははんだ材料あるいはフラックス材料を含有するインク組成物であって、粘度が1〜20mPa・s、表面張力が20〜70mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜170゜であることを特徴とするインク組成物。
当該(1)のインク組成物によれば、特にインクジェット法により塗布する場合に、ノズル孔の目詰まり、インク液滴の飛行曲がりを押さえるとともに吐出を円滑にし、吐出量および吐出タイミングの制御が可能となり、インクジェット方式による安定な吐出が可能となる。
特に、このような効果を得るには、前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が5〜20mPa・s、表面張力が25〜50mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜70゜であることが、バンプを形成するのに有効である。
(2)固形分濃度が0.01〜10.0wt%であることを特徴とする前記(1)記載のインク組成物。
当該(2)のインク組成物によれば、インクジェット法により塗布する場合に、吐出性を損なうことなく所望の膜厚を得ることが可能となる。
(3)蒸気圧が0.001〜50mmHg(室温)の少なくとも一種の溶媒を含むことを特徴とする前記(1)記載のインク組成物。
当該(3)のインク組成物によれば、インクジェットにより塗布する際に、インクの乾きを抑えることができ、ノズル孔での目詰まりをなくすことができる。
特に、インクジェット方式により塗布されるはんだバンプ形成用フラックスインク組成物として、インク中に活性剤として、プレヒート時にはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮する成分と、メインヒート時にバンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮する成分を含有させること、あるいはプレヒートからメインヒートにわたって上記効果を発揮する成分を含有させることにより、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成できることを見い出した。
また、天然ロジンと、水添ロジンと、これらの天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して1%乃至99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と、これらの天然ロジンと、水添ロジンと、溶質と、活性剤とを溶解させる溶剤とを設けるようにすることにより、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成できることを見い出した。
さらに、インク組成物として、ロジン、活性剤、有機溶剤、ポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を含有することにより、インクジェットインクとしての吐出安定性も問題がない特性を保つことができることを見い出した。
すなわち、本発明は、少なくともロジン,活性剤,溶剤よりなるインクジェット方式によるはんだバンプ形成用フラックスにおいて、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれていることを特徴とするものである。
そして、上記100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分としては、例えば残さが残らない有機酸系活性剤が挙げられ、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分としては、例えば残さが残るハロゲン化合物系活性剤が挙げられ、これらを用いる場合には、上記有機酸系活性剤がはんだバンプ形成用フラックス固形分中に0.01重量%〜10重量%の割合で含有され、上記ハロゲン化合物系活性剤がはんだバンプ形成用フラックス固形分中に0.01重量%〜10重量%の割合で含有されていることが好ましい。
このとき、上記有機酸系活性剤は、100℃〜300℃の温度範囲のプレヒート時に、はんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮するものである。
また、上記ハロゲン化合物系活性剤は、350℃〜400℃の温度範囲のメインヒート時に、バンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮するものである。
なお、上記有機酸系活性剤及びハロゲン化合物系活性剤の含有量が上記範囲以外であると、それぞれが充分な効果を発揮することが難しい。
また、上記有機酸系活性剤の含有量ははんだバンプ形成用フラックス固形分中の0.1重量%〜5重量%であることがより好ましく、上記ハロゲン化合物系活性剤の含有量ははんだバンプ形成用フラックス固形分中の0.1重量%〜5重量%であることがより好ましい。
さらに、上記本発明のはんだバンプ形成用フラックスにおいては、有機酸系活性剤の含有量をM1とし、ハロゲン化合物系活性剤の含有量をM2としたとき、M1:M2が1:10〜10:1の範囲であることが好ましい。
そして、上記本発明のはんだバンプ形成用フラックスにおいては、有機酸系活性剤が分子量40〜400の直鎖式化合物である、あるいは分子量80〜700の環式化合物であることが好ましい。
さらに、上記本発明のはんだバンプ形成用フラックスにおいては、ハロゲン化合物系活性剤の分子量が40〜700であることが好ましい。
なお、本発明のはんだバンプ形成用フラックスにおける有機酸系活性剤の具体例としては、コハク酸、安息香酸、アジピン酸、アビチエン酸、グルタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アゼライン酸、ギ酸等が挙げられる。
一方、ハロゲン化合物系活性剤の具体例としては、エチルアミン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭素酸塩、メチルアミン臭素酸塩、プロペンジオール塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、3−アミノ−1−プロペン塩酸塩、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩、p−アミノフェノール塩酸塩等が挙げられる。
上述の目的を達成するための本発明のはんだバンプ形成用フラックスとしては、次のようなものも挙げられる。すなわち、活性剤のうち、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分として少なくとも界面活性剤が含まれ、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分として少なくとも界面活性剤が含まれていることを特徴とするものである。
このとき、上記界面活性剤は、100℃〜300℃及び350℃〜400℃の温度範囲のプレヒートからメインヒートにわたって、はんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮し、バンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮するものである。
このような界面活性剤の具体例としては、第4級アンモニウム(ライオン社製:アーカードC−50、エソカードC/12(商品名)等)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王社製:コータミン24P(商品名)等)、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド(花王社製:サニゾールC(商品名)等)が挙げられる。
さらに、これまで述べたはんだバンプ形成用フラックスにおいては、溶剤の沸点が150℃〜300℃であることが好ましく、220℃〜250℃であることがより好ましい。
上記のような沸点を有する溶剤の具体例としては、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
なお、これまで述べた本発明のはんだバンプ形成用フラックスにおいては、ロジンとしてプレヒート及びメインヒートにより殆ど分解して残さとなる天然ロジン、水添ロジンが使用可能である。さらに、必要に応じて樹脂や、熱安定化剤、酸化防止剤、分散剤、ヒマシ油等の増粘剤(チクソ剤)等を添加しても良い。
また、インク組成物は、水溶性有機溶剤がグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選ばれる少なくとも一つ以上の水溶性有機溶剤を含有することが好ましく、インクの乾きを抑えることができ、インク粘度を所望の値に調整することができる。
インク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、フッ素系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することが好ましく、インクの吐出性を損ねることなく、特に優れて濡れ性を向上させ表面張力を所望の値に調整することが可能となる。
インク組成物が、炭素数6以上のジオールとアルキルエーテルを含有することが好ましく、インクの吐出性を損ねることなく、特に優れて濡れ性を向上させ表面張力を所望の値に調整することが可能となる。
ノズルプレートの接液性の安定性を保つために、インク組成物のpHが6以上11以下に調整されることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の半導体素子は、バンプの径が30μm以下の径のバンプを有することを特徴とするものである。
このようなバンプの形成方法は、先述のように、特に限定的でないが、本発明者等はインクジェット方式を採用することによって実現したものである。
すなわち、本発明の30μm以下の径のはんだバンプは、特にICの高集積化と高密度実装化に有用なものである。
なお、本発明のインクジェット方式によれば、インクの吐出量等を制御すれば、30μm以下に限らず、所望の径のバンプを作製することが可能である。
本発明に用いるインクジェット方式によるバンプ形成方法とは、半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層もしくは導電性接着層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、はんだ合金材料層及び/又はフラックス材料層及び/又は導電性接着層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするものである。
かかるインクジェット方式によれば、一般的に、正確な位置に正確な吐出量のインク組成物を制御して飛ばすことができ、特に1plのような超微小のインク組成物を正確に飛ばすことができるため、微細なパターニングを簡便にかつ短時間で行なうことができる。また、必要な場所に必要量の材料を塗布すればいいので大面積の基板になっても材料を無駄にすることはない。
さらに、インクジェット方式に用いられるはんだ合金材料もしくは導電性材料を構成するインク組成物が、それを製造する工程の少なくとも一部に超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程を含めると、所望のバンプを得るのに特に効果的である。
以上のような特徴を有する本発明の形成方法によれば、従来形成が不可能であった小さな径のはんだバンプを形成することができ、すなわち、径が30μm以下、10μm以下さらには1μm以下のはんだバンプを形成することができる。
はんだ合金材料もしくは導電性材料を構成するインク組成物およびそれをインクジェット方式に用いられることは、無論、超臨界流体もしくは亜臨界流体を用いてはんだ合金材料もしくは導電性材料を構成するインク組成物を作製することについても、従来皆無である。
参考までに説明すると、超臨界流体もしくは亜臨界流体が利用された公知の技術としては、インクジェット方式によって画像を形成するために用いられる染料を含有するインクに関するもの、および顔料を含有する感光層が設けられた電子写真感光体に関するものがある(例えば特許文献4〜8参照。)。
特開2001−172532号公報 特開2001−262023号公報 特開2002−138229号公報 特開2001−92165号公報 特開2002−138216号公報
<1.超臨界流体もしくは亜臨界流体工程によるバンプ形成材料の分散方法>
初めに、超臨界流体もしくは亜臨界流体を用いたバンプ形成材料の製造方法について説明する。
超臨界流体もしくは亜臨界流体としては、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコール系、エーテル系、アセタール系、ケトン系、エステル系、脂肪酸系、芳香族系、窒素化合物系、硫黄化合物系の溶媒、水、二酸化炭素、窒素、アンモニアなどの種々の物質が使用できる。中でも、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒はバンプ形成材料が高い溶解性を示す物質であるため好ましい。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロピルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロヘキサノン、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
また、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、アリルアルコール、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
さらに、芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ベンジルアルコール、アニソール、アセトフェノン、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、アニリン、安息香酸メチル、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
中でも好ましいのは、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ベンゼン、トルエンである。これらの溶媒は単独もしくはいくつか組み合わせて用いることができる。
特に、芳香族系溶媒は熱的、化学的に安定であるものが多く、熱による分解やはんだ材料・導電性材料との反応が起こりにくい点でも超臨界液体、亜臨界流体として用いるのは好ましい。
ここで「超臨界流体」とは、一般に臨界温度以上でかつ臨界圧力以上の状態にある流体を言う。例えば、アセトンの場合、臨界温度235℃以上でかつ臨界圧力4.7MPa以上の条件で超臨界流体となる。
同様に、メチルエチルケトンは262℃、4.2MPa以上、イソプロピルメチルケトンは280℃、3.8MPa以上、イソブチルメチルケトンは298℃、3.3MPa以上、2−ペンタノンは288℃、3.7MPa以上、3−ペンタノンは288℃、3.7MPa以上、シクロヘキサノンは356℃、3.8MPa以上、メタノールは239℃、8.1MPa以上、エタノールは243℃、6.4MPa以上、1−プロパノールは264℃、5.2MPa以上、2−プロパノールは235℃、4.8MPa以上、1−ブタノールは290℃、4.4MPa以上、2−ブタノールは263℃、4.2MPa以上、イソブチルアルコールは274℃、4.3MPa以上、tert−ブチルアルコールは233℃、4.0MPa以上、1−ペンタノールは315℃、3.9MPa以上、アリルアルコールは272℃、5.7MPa以上、ベンゼンは289℃、4.9MPa以上、トルエンは319℃、4.1MPa以上、o−キシレンは357℃、3.7MPa以上、m−キシレンは344℃、3.5MPa以上、p−キシレンは343℃、3.5MPa以上、エチルベンゼンは344℃、3.6MPa以上、イソプロピルベンゼンは358℃、3.2MPa以上、1,3,5−トリメチルベンゼンは364℃、3.1MPa以上、クロロベンゼンは359℃、4.5MPa以上、o−ジクロロベンゼンは424℃、4.1MPa以上、m−ジクロロベンゼンは411℃、3.9MPa以上、フェノールは421℃、6.1MPa以上、o−クレゾールは422℃、5.0MPa以上、m−クレゾールは426℃、4.8MPa以上、p−クレゾールは426℃、4.7MPa以上、アニソールは368℃、4.2MPa以上、ニトロベンゼンは℃、MPa以上、ベンゾニトリルは426℃、4.2MPa以上、アニリン426は℃、5.3MPa以上、安息香酸メチルは438℃、4.0MPa以上の条件で超臨界流体となる。
また、「亜臨界流体」とは、一般に臨界温度よりも低い温度領域にある流体を言う。
超臨界流体、亜臨界流体の使用に当たっては、バンプ形成材料の超臨界流体、亜臨界流体中への溶解を効率的に行なうために、適当な溶媒(エントレーナ)を超臨界流体、亜臨界流体に混合して用いても良い。
エントレーナとしては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチル、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、、アセトアルデヒドジエチルアセタールなどのアセタール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸系溶媒、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの窒素化合物系溶媒、二硫化炭素、ジメチルスルホキシドなどの硫黄化合物系溶媒、更に水、硝酸、硫酸などが挙げられる。
超臨界流体、亜臨界流体の使用温度範囲は、基本的にバンプ形成材料が溶解する温度以上であれば特に限定範囲はないが、温度が低すぎるとバンプ形成材料の超臨界流体、亜臨界流体中への溶解性が乏しくなる場合があり、また温度が高すぎるとバンプ形成材料が分解する場合があるため、10〜600℃とするのが好ましく、20〜400℃とするのがより好ましい。
超臨界流体、亜臨界流体の使用圧力範囲は、基本的に用いる物質の臨界圧力以上であれば特に限定範囲はないが、圧力が低すぎるとバンプ形成材料の超臨界流体、亜臨界流体中への溶解性が乏しくなる場合があり、また圧力が高すぎると製造装置の耐久性、操作時の安全性等の面で問題が生じる場合があるため、1〜100MPaとするのが好ましい。
超臨界流体を使用する装置は、バンプ形成材料を超臨界流体もしくは亜臨界流体と接触させ、超臨界流体もしくは亜臨界流体中へ溶解させる機能を有する装置であればなんら限定されることはなく、例えば、超臨界流体もしくは亜臨界流体を閉鎖系で使用するバッチ方式、超臨界流体もしくは亜臨界流体を循環させて使用する流通方式などの使用が可能である。
超臨界流体もしくは亜臨界流体中に溶解したバンプ形成材料を析出させる方法は、結晶を析出させる手段であればなんら限定されることはなく、例えば、バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体の溶解度を低下させて結晶を析出させる方法、例えば、(I)バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体を他の適当な溶媒と混合して結晶を析出させる方法、(II)バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体を圧力は変えずに温度のみを徐々にあるいは急激に変化させて結晶を析出させる方法、(III)バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体を温度は変えずに圧力のみを徐々にあるいは急激に変化させて結晶を析出させる方法、(IV)バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体を温度、圧力共に変化させて結晶を析出させる方法、(V)バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体を他の適当な溶媒と混合し、さらに温度、圧力のどちらか一方もしくは両方を変化させて結晶を析出させる方法などが挙げられる。
中でも温度を変化させて結晶を析出させる方法においては、操作が容易で、かつ、結晶の析出条件を容易に制御できる点で好ましい。
その際の温度は、バンプ形成材料の熱に対する安定性等を考慮して設定されるが、温度を徐々にあるいは急激に下げて結晶を析出させるのが好ましく、更には、圧力は一定で温度のみを徐々にあるいは急激に下げて結晶を析出させるのが好ましい。
また、中でもときに溶媒と混合して結晶を析出させる方法においては、混合する溶媒種により析出するバンプ形成材料の結晶型や粒径に違いが見られ、容易に結晶型並びに粒径を制御できる点で好ましい。
ここで混合する溶媒としては、水及び従来から知られている種々の有機系の液体溶媒が挙げられる。混合に際して、液体溶媒の温度、圧力はバンプ形成材料の製造条件に合わせて適宣設定することができ、超臨界流体、亜臨界流体として混合することも可能である。
なお、液体溶媒には、二酸化炭素のように常温、常圧で気体である物質を液化して用いる場合や無機塩を上記液体溶媒中に溶解させて用いる場合も含まれる。超臨界流体もしくは亜臨界流体と混合する溶媒の量は、超臨界流体もしくは亜臨界流体に対し0.1〜100倍量とするのが好ましい。
混合する溶媒量が0.1倍量より少ないと混合した溶媒がバンプ形成材料の結晶変換、粒径制御に及ぼす効果がほとんど得られない。
また、混合する溶媒量が100倍量より多いと大量の溶媒を使用するために、溶媒の回収に時間がかかり、製造効率が低下する。
図16に超臨界流体、亜臨界流体を用いてバンプ形成材料の製造を行なう流通式製造装置の構成例を示す。
バンプ形成材料の結晶析出を溶媒との混合により行なう場合は、図16において、超臨界流体もしくは亜臨界流体として用いる溶媒が入ったタンク(101)から溶媒をポンプ(102)で送液し、目的とする温度、圧力で超臨界流体もしくは亜臨界流体とする。容器(103)にあらかじめ入れておいたバンプ形成材料が超臨界流体もしくは亜臨界流体に溶解し、フィルター(104)を通り抜けて出てきたところで溶媒と混合(105)し、結晶を析出させる。
得られたバンプ形成材料の結晶は、背圧弁(106)を経て採集(107)される。(108)は圧力計、(109)は予熱部、(110)は保温部である。また、バンプ形成材料の結晶析出を温度変化により行なう場合は、図16において、フィルター(104)と背圧弁(106)とを結ぶ工程間に温度制御部を設置し、バンプ形成材料が溶解した超臨界流体もしくは亜臨界流体を温度制御部において温度変化させて、結晶を析出させる。
<2.バンプ形成用インク組成物>
本発明では界面活性剤を使用することによりパッシベーション膜で囲まれたパッドへの濡れ性を改善することができる。
好ましい界面活性剤としては界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
より具体的にはアニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩(II)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸(III)が選られる。
Figure 2004172612
R:炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、m:3〜12
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、
アルカノールアミン
Figure 2004172612
:炭素数5〜7の分岐したアルキル基
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン
さらに本発明の界面活性剤の対イオンとしてリチウムイオン、及び下記一般式で示される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。
好ましい非イオン系の界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(IV)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(V)の活性剤が挙げられる。これらを併用することによりさらに相乗効果として浸透性の向上をもたらすことができる。
Figure 2004172612

Rは分岐しても良い6〜14の炭素鎖
k:5〜12
Figure 2004172612
(p、qは0〜40)
なお、このインク組成物のpHを6以上にすることによりインクの保存安定性が得られる。ただし、pHが9以上では保存時に(III)の活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため(III)を用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
本発明に用いることができる(II)、(III)、(IV)(V)の添加量は0.05〜10重量%の間でプリンターシステムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性を与えることが可能である。ここで0.05%以下では、浸透効果が低く、10重量%以上添加する場合は化合物自体が低温で析出しやすいことがあり信頼性が悪くなる。
次に、本発明に用いる界面活性剤(II)、(III)を具体的に遊離酸型で示す。
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
Figure 2004172612
本発明のインク組成物は有機溶剤を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の溶解安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶媒を使用することができる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、単独もしくは、複数混合して用いられる。
これらの中で特に好ましいものはジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、ペトリオール、1,3ブタンジオール、2,3ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン,N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1、3ジメチルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより本化合物の高い溶解性と噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
特に本発明においてロジンの分散安定性を得るのに好ましい溶剤としてN−ヒドロキシエチル2−ピロリドン等のピロリドン誘導体が挙げられる。
また、本発明の界面活性剤(II)〜(V)以外で表面張力を調整する目的で添加される浸透剤としてはジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、2−エチル−1,3ヘキサンジオール、2,2、4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2ジメチル1,3プロパンジオール等のジオール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられるが、特に好ましいのは多価アルコールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモノブチルエーテル、炭素数6以上のジオールとして2−エチル−1,3ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル1,3ペンタンジオールである。ジオール類は水不溶性色材の凝集が発生しにくいということで好適である。
添加量はその種類や所望の物性にもよるが、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%で範囲で添加される。下限未満では浸透性が不充分であり上限以上では粒子化特性に悪影響を及ぼす。
またこれらの添加によりインクジェットヘッド部材や記録器具への濡れ性も改善され、充填性が向上し気泡による記録不良が発生しにくくなる。
本発明のインク組成物には上記着色剤、溶媒の他に従来から知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、イソチアゾリン等が本発明に使用できる。
その他pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
その他目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、を添加することもできる。
<3.フラックスインク組成物>
本発明のインクジェット方式を用いて吐出・塗布されるはんだバンプ形成用フラックスにおいては、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれている。
そして、上記活性剤のうち、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮する成分として、例えば残さが残らない有機酸系活性剤が含まれ、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化してバンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮する成分として、例えば残さが残るハロゲン化合物系活性剤が含まれ、上記有機酸系活性剤がはんだバンプ形成用フラックス固形分中に0.01重量%〜10重量%の割合で含有され、上記ハロゲン化合物系活性剤がはんだバンプ形成用フラックス固形分中に0.01重量%〜10重量%の割合で含有されているため、はんだバンプを形成する際、100℃〜300℃の温度範囲のプレヒート時には有機酸系活性剤がはんだバンプの表面性や形状に対して効果を発揮し、350℃〜400℃の温度範囲のメインヒート時にはハロゲン化合物系活性剤がはんだバンプ形成に対して効果を発揮する。
また、本発明のバンプ形成用フラックスにおいては、活性剤のうち、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮する成分として少なくとも界面活性剤が含まれ、350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化してバンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮する成分として少なくとも界面活性剤が含まれていることから、100℃〜300℃及び350℃〜400℃の温度範囲のプレヒートからメインヒートにわたって、上記界面活性剤がはんだバンプの表面性や形状に対して効果を発揮し、はんだバンプ形成に対しても効果を発揮する。
さらに、これら本発明のはんだバンプ形成用フラックスにおいて、溶剤として沸点が150℃〜300℃であるものを用いれば、プレヒート時の溶剤の揮発が抑えられる。
また、天然ロジンと、水添ロジンと、これらの天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して1%ないし99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤とを溶剤に溶解させるようにしたことにより、ウエットバック処理のような高温度条件に対して耐熱性を向上し得る。
フラックスはロジンと、活性剤と、溶剤と、添加剤とを基本組成とし、更に、インクジェット適性を付与するためにポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を所定の割合で混合したものを用いている。
(1)ロジン
本実施例のロジンは、天然ロジン、水添ロジン及びレジンを混合したものを用いることを特徴とする。天然ロジンは、80〜90℃程度の融点を有するウォータホワイトロジン(以下、これをWW(Water White)ロジンと呼ぶ)と150℃程度の融点を有するWWロジンとを混合したもの又は松やにでなる。また水添ロジンは、天然ロジンに水素を添加してなる。
さらにレジンは、合成(重合)レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマのうち単体又は複数を配合してなる。因みにレジンは、天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して1〜99%程度の任意の割合で配合するものとする。このレジンによりフラックスの耐熱性が高められ、メインヒートにおける高温にもフラックスが耐えられるようになされている。
ここで合成(重合)レジンとしては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂又はABS樹脂のうち単体又は複数を配合したものを用いるようにする。
また合成ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム又はナイロンゴムのうち単体又は複数を配合したものを用いるようにする。
さらにエラストマとしては、例えばナイロン系エラストマ又はポリエステル系エラストマのうち単体又は複数を配合したものを用いるようにする。
(2)活性剤(バンプ形成特性に関する)
活性剤としては、ウエットバック処理のプリヒートで活性化する有機酸系化合物と、メインヒートで活性化するハロゲン化合物と、界面活性剤との3種類を用いるようにする。活性剤は、フラックスに含有されている固形分の重量に対して0.01〜10%程度、望ましくは0.1〜5%程度の割合でフラックスに配合する。またこの活性剤では、有機酸系化合物とハロゲン化合物とを1対10から10対1の任意の割合で配合するようにし、これによりプリヒートからメインヒートまでの広範囲の温度で活性化するようにする。因みに活性剤として、有機酸系化合物とハロゲン化合物とを配合する代わりに、プリヒートからメインヒートまで活性力を示し得る活性剤(図示せず)を単体で用いても良い。
実際上、有機酸系化合物としては、例えばコハク酸、安息香酸、アジピン酸、アビエチン酸、グルタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ギ酸又はアゼライン酸等を用いるようにする。またハロゲン化合物としては、例えばエチルアミン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭素酸塩、メチルアミン臭素酸塩、プロペンジオール塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、3−アミノ−1−プロペン塩酸塩、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、O−アニシジン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩又はP−アミノフエノール塩酸塩等を用いるようにする。さらにプリヒートからメインヒートまで活性力を示し得る活性材としては、例えば第4級アンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド又はアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等を用いるようにする。
(3)溶剤(フラックスの特性に関する)
溶剤は、150〜300℃程度、望ましくは220〜250℃程度の沸点を有するものを選定し、これに活性剤及びロジン等を溶解させる。実際上、溶剤としては、例えば2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール又はN−メチル−2−ピロリドン等を用いるようにする。
<4.インクジェット方式による吐出・塗布方法について>
本発明のインクジェット方式によるバンプ形成方法とは、バンプ形成対象物表面に形成されたパッド上に形成された中間金属層と、更にその上に形成されたはんだ合金材料層の上にフラックス材料を含有するインク組成物をインクジェット方式により塗布する工程と、加熱溶融しバンプを形成する方法である。
また、バンプ形成対象物表面に形成されたパッドに導電性材料を含有するインク組成物をインクジェット方式により塗布し導電性接着層を形成する工程と、導電性接着層あるいは中間金属層に、はんだ材料を含有するインク組成物をインクジェット方式により塗布しはんだ層を形成する工程と、更にその上にフラックス材料を含有するインク組成物をインクジェット方式により塗布する工程と、加熱溶融しバンプを形成する方法であっても当然問題がない。
かかるインクジェット方式によれば、微細なパターニングを簡便にかつ短時間で行なうことができる。また、必要な場所に必要量の材料を塗布すればいいので大面積の基板になっても材料を無駄にすることはない。
本発明のバンプ形成方法において使用されるインクジェット用ヘッドの構造例を図1および図2に示す。
当該インクジェット用ヘッド(10)は、例えばステンレス製のノズルプレート(11)と振動板(13)とを備え、両者は仕切部材(リザーバープレート)(15)を介して接合されている。ノズルプレート(11)と振動板(13)との間には、仕切部材(15)によって複数のインク室(19)と液溜り(21)とが形成されている。
インク室(19)および液溜り(21)の内部は本発明のインク組成物で満たされており、インク室(19)と液溜り(21)とは供給口(23)を介して連通している。さらに、ノズルプレート(11)には、インク室(19)からインク組成物をジェト状に噴射するためのノズル孔(25)が設けられている。
一方、インクジェット用ヘッド(10)には、液溜り(21)にインク組成物を供給するためのインク導入孔(27)が形成されている。また、振動板(13)のインク室(19)に対向する面と反対側の面上には、前記空間(19)の位置に対応させて圧電素子(29)が接合されている。
この圧電素子(29)は一対の電極(31)の間に位置し、通電すると圧電素子(29)が外側に突出するように撓曲する。これによってインク室(19)の容積が増大する。
したがって、インク室(19)内に増大した容積分に相当するインク組成物が液溜り(21)から供給口(23)を介して流入する。
次に、圧電素子(29)への通電を解除すると、該圧電素子(29)と振動板(13)はともに元の形状に戻る。これにより空間(19)も元の容積に戻るためインク室(19)内部のインク組成物の圧力が上昇し、ノズル孔(25)から基板に向けてインク組成物が噴出する。
なお、ノズル孔(25)の周辺部には、インク組成物の飛行曲がり・孔詰まりを防止するために撥インク層(26)が設けられている。すなわち、ノズル孔(25)の周辺部は、図2に示すように例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥インク層(26)が設けられている。
<5.インク組成物の物性について>
本発明のバンプ形成方法において、前記インクジェット用ヘッドから吐出させて用いる導電性材料、はんだ材料あるいはフラックス材料を含むインク組成物は以下のような特性を有するものである。
インク組成物の粘度は、好ましくは1〜20mPa・sであって、特に好ましくは2〜8mPa・sである。インク組成物の粘度が1mPa・s未満である場合、吐出量の制御が困難になるばかりでなく、固型分濃度が過少となり充分な膜を形成できないことがある。20mPa・sを越える場合、ノズル孔からインク組成物を円滑に吐出させることができない恐れがあり、ノズル孔を大きくする等の装置の仕様を変更する必要が生じることがある。更に粘度が大きい場合、インク組成物中の固型分が析出し易く、ノズル孔の目詰まり頻度が高くなる。
また、インク組成物の表面張力は、好ましくは20〜70mN/mであって、特に好ましくは25〜45mN/mである。この範囲の表面張力にすることにより、インク吐出の際の飛行曲がりを抑えることができる。
表面張力が20mN/m未満であると、インク組成物のノズル面上での濡れ性が増大するため、インク組成物を吐出する際、インク組成物がノズル孔の周囲に非対称に付着することがある。この場合、ノズル孔に付着した組成物と吐出しようとする付着物との相互間に引力が働くため、インク組成物は不均一な力により吐出されることになり目標位置に到達できない所謂飛行曲がりが生じ、もちろんその頻度も高くなる。
また、70mN/mを越えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないためインク組成物の吐出量、吐出タイミングの制御が困難になる。
従って、前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が5〜20mPa・s、表面張力が25〜50mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜70゜であることが、バンプを形成するのに特に好ましい。
インクジェット用ヘッドに設けられたインク組成物を吐出するノズル面を構成する材料に対する接触角は、好ましくは30°〜170°であり、特に好ましくは35°〜65°である。インク組成物がこの範囲の接触角を持つことによって、インク組成物の飛行曲がりを制御することができ、精密なパターンニングが可能となる。
この接触角が30°未満である場合、インク組成物のノズル面を構成する材料に対する濡れ性が増大するため、表面張力の場合と同様、飛行曲がりが生じる。また。170°を越えると、インク組成物とノズル孔の相互作用が極小となり、ノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないためインク組成物の吐出量、吐出タイミングの制御が困難になる。
ここで飛行曲がりとは、インク組成物を前記ノズルから吐出させたとき、ドットの着弾した位置が、目標位置に対して50μm以上のずれを生じることをいう。主にノズル孔の濡れ性が不均一である場合やインク組成物の固型成分の付着による目詰まり等によって発生する。
インク組成物の固型分濃度は、組成物全体に対して0.01〜10.0wt%が好ましく、0.1〜5.0wt%が更に好ましい。固型分濃度が低すぎると必要な膜厚を得るために吐出回数が多くなってしまい量産効率が悪くなってしまう。また高すぎても粘度が高くなってしまい吐出性に影響を与える。
上記固型分は室温での蒸気圧が0.005〜50mmHgの少なくとも一つ以上の溶媒に溶解または分散していることが望ましい。渇きにくい溶媒を用いることによりインク組成物がノズル孔で乾燥し、増粘、凝集、固型分の付着が起こることを防ぐことができる。しかし、蒸気圧が0.005mmHgを下回るような溶媒は、成膜過程で溶媒の除去が困難であるため適さない。
このような溶媒としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)およびその誘導体などの非プロトン性環状極性溶媒、またはカルビトールアセテート(CA)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのグリコールエーテル系酢酸が挙げられる。CA,BCA等の溶媒は成膜性を上げる点でも有効である。
一方、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、プロピルアルコール等の低級アルコールは表面張力、粘度の調製に有効であるが、揮発性が高いため、20wt%以下であることが望ましい。
以下、本発明を実施例に沿って更に詳細に説明する。本発明はこれらの説明によって限定されるものではない。
実施例1〜5は、はんだ合金材料インク組成物の作製方法を示す。
下記に示すような、数nmの粒径の安定分散した金属ナノ粒子ペーストをインク組成物として用いた。
本実施例において下記はんだ微粒子を使用した。
(1)平均粒径6nm(タルチン株式会社製)
(2)平均粒径5nm(千住金属工業株式会社製)
(3)平均粒径8nm(日本アルファメタルズ株式会社製)
(4)平均粒径5nm(ニホンハンダ株式会社製)
(実施例1)
はんだ合金材料インク組成物を構成する以下の各材料を所定割合で予め準備した。
はんだ微粒子:平均粒径6nmのはんだ微粒子(タルチン株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:前記(II−2)2wt%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール24wt%
先ず、温水ジャケットと内部に攪拌装置を備えたステンレス製の耐圧容器(内容量100ml)に前記のはんだ微粒子(タルチン株式会社製)を固形分換算で5g入れた後、二酸化炭素ガスを高圧で導入、耐圧容器を加熱し、容器内を50±1℃、200±5気圧の超臨界状態に5分間保ち、顔料を溶解させた。
次に、容器内に前記の界面活性剤の25%水溶液2gと35mlの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを導入し、ステンレス製の耐圧容器から二酸化炭素を放出して、はんだ微粒子を析出させ、分散液1を調製した。
得られた分散液42gに対し、インク組成物を構成する残りの材料全てを添加し、よく攪拌した後0.5ミクロンのフィルターでろ過し、はんだ合金材料インク組成物1を得た。
表2に、各分散液の分散状態、フィルターの状態及び各はんだ合金材料インク組成物1の性質を示す。
(実施例2)
はんだ合金材料インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例1と同様な操作によって、分散液2とはんだ合金材料インク組成物2を得た。
はんだ微粒子:平均粒径5nmのはんだ微粒子(千住金属工業株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−3)1wt%
活性剤:(III−1)1.2wt%
湿潤剤:グリセロール18wt%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール23.8wt%
表2に分散液2の分散状態、フィルターの状態及びはんだ合金材料インク組成物2の性質を示す。
(実施例3)
はんだ合金材料インク組成物を構成する以下の各材料を所定割合で予め準備した。
はんだ微粒子:平均粒径8nmのはんだ微粒子(日本アルファメタルズ株
式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−2)の界面活性剤1重量%
活性剤:(VI)の活性剤(R:C19、k:12)1重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール24wt%
先ず、温水ジャケットと内部に攪拌装置を備えたステンレス製の耐圧容器(内容量100ml)に前記のはんだ微粒子(日本アルファメタルズ株式会社製)を入れた後、常温常圧でトルエン92mlを導入し、その後、常圧のまま50℃で5分間保ち、はんだ微粒子を溶解した。
次に、前記1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを添加し、その後トルエンを揮発させ、はんだ微粒子を析出させ分散液3を調製した。
得られた分散液42gに対し、前記の界面活性剤の25%水溶液2gとインク組成物を構成する残りの材料全てを添加し、よく攪拌した後0.5ミクロンのフィルターでろ過し、はんだ合金材料インク組成物3を得た。
表2に分散液3の分散状態、フィルターの状態及びはんだ合金材料インク組成物3の性質を示す。
(実施例4)
はんだ合金材料インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例3と同様な操作によって、分散体4とはんだ合金材料インク組成物4を作製した。
はんだ微粒子:平均粒径5nmのはんだ微粒子(ニホンハンダ株式会社製)
5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−4)の活性剤1重量%
活性剤:(V)の活性剤(p、q=20)0.8重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール24.2wt%
表2に分散液4の分散状態、フィルターの状態及びはんだ合金材料インク組成物4の性質を示す。
(実施例5)
はんだ合金材料インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例1と同様な操作によって、分散体5とはんだ合金材料インク組成物5を作製した。
はんだ微粒子:平均粒径5nmのはんだ微粒子(ニホンハンダ株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(I−5)0.4重量%
活性剤:(IV)の活性剤(R:C1021、K:7)1重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール24.6wt%
表2に分散液5の分散状態、フィルターの状態及びはんだ合金材料インク組成物5の性質を示す。
(はんだ合金材料インク組成物の物性値評価)
これらのインク組成物について、粘度、表面張力、インクジェット用ヘッドのインク吐出ノズル面を構成する材料に対する接触角、吐出性、パターニング性および成膜性を評価した結果を表3に示す。インク組成物の物理的性質および吐出特性については以下の方法で評価した。
1)粘度:E型粘度計により20℃における値を測定した。
2)表面張力:プレート法により同じく20℃における値を測定した。
3)接触角:インクジェット用ヘッドのインク吐出ノズル面を構成する材料(Ni−テトラフルオロエチレン共析メッキ撥水層)上での静的接触角として測定した。
4)吐出特性:インクジェットプリンター用ヘッド(リコー製IPSIO Jet300)を用いた。飛行曲がりはヘッドと基板の距離を0.6mmにしたときの基板上でのインク液滴の着弾ばらつきを測定した。ノズル孔の目詰まり頻度として、インク組成物を連続吐出(周波数7200Hz)し、析出したインク組成物の固型分等によりノズル孔が目詰まりし、吐出不能になった状態に至るまでに要する時間を測定した。
5)パターニング性、成膜性:図8(A)に示すように、ウェーハ(40)の一面(40A)に複数形成されたアルミニウム等でなるパッド(41)の周端部をパッシベーション膜(42)で覆い、当該ウェーハ(40)の一面(40A)を電気的に保護する。次に、インクジェット装置(52)のインクジェットヘッド(53)からはんだ微粒子を含有するインク組成物(4pl)を、図8(A)に示したパッドに吐出し、室温、真空中で溶媒を除去した後、大気中100℃、10分熱処理して形成された膜の膜質(凝集、平坦性等)を顕微鏡で観察した。パッドは20μm径で開口したパッド径を有するものである。
Figure 2004172612
Figure 2004172612
実施例6〜13は、導電性接着層インク組成物の作製方法を示す。
下記に示す様な数nmの粒径の安定分散した金属ナノ粒子ペーストをインク組成物として用いた。
本実施例において下記導電性材料を使用した。
6)金微粒子:平均粒径6nm(タムラ化研株式会社製)
7)銀微粒子:平均粒径5nm(タムラ化研株式会社製)
8)銅微粒子:平均粒径8nm(タムラ化研株式会社製)
9)In微粒子:平均粒径5nm(日本アルファメタルズ株式会社製)
10)導電性カーボン微粒子:平均粒径5nm(花王株式会社製)
11)導電性樹脂:平均粒径7nm(ライオン株式会社製)
12)異方性導電樹脂:平均粒径8nm(ソニーケミカル株式会社製)
(実施例6)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する以下の各材料を所定割合で予め準備した。
導電性材料:平均粒径6nmの金微粒子(タムラ化研株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−2)2wt%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール24wt%
先ず、温水ジャケットと内部に攪拌装置を備えたステンレス製の耐圧容器(内容量5L)に前記金微粒子を固形分換算で5g入れた後、二酸化炭素ガスを高圧で導入し、耐圧容器を加熱し、容器内を50±1℃、200±5気圧の超臨界状態に5分間保って導電性材料を溶解させた。
次に、容器内に前記界面活性剤の25%水溶液2gと35mlの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを導入し、ステンレス製の耐圧容器から二酸化炭素を放出して、導電性材料を析出させ分散液6を調製した。
得られた分散液42gに対し、インク組成物を構成するその他の上記材料全てを添加し、よく攪拌した後0.5ミクロンのフィルターでろ過し、導電性接着層形成用インク組成物6を得た。
表4に分散液の分散状態、フィルターの状態及び導電性接着層形成用インク組成物の性質を示す。
(実施例7)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例6と同様な操作によって、分散液7と導電性接着層形成用インク組成物7を得た。
導電性材料:平均粒径5nmの銀微粒子(タムラ化研株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−3)1wt%
活性剤:(III−1)1.2wt%
湿潤剤:グリセロール18wt%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール23.8wt%
表4に分散液7の分散状態、フィルターの状態及びインク組成物7の性質を示す。
(実施例8)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例6と同様な操作によって、分散液8と導電性接着層形成用インク組成物8を得た。
導電性性材料:平均粒径8nmの銅微粒子(タムラ化研株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−2)1重量%
活性剤:(VI)(R:C19、k:12)1重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
合計:1,4−ブタンジオール24wt%
表4に分散液8の分散状態、フィルターの状態及びインク組成物8の性質を示す。
(実施例9)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例6と同様な操作によって、分散液9と導電性接着層形成用インク組成物9を得た。
導電性材料:平均粒径5nmのIn微粒子(日本アルファメタルズ株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−4)1重量%
活性剤:(V)(p、q=20)0.8重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
合計:1,4−ブタンジオール24.2wt%
表4に分散液9の分散状態、フィルターの状態及びインク組成物9の性質を示す。
(実施例10)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する以下の各材料を所定割合で予め準備した。
導電性材料:平均粒径の導電性カーボン微粒子(花王株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(I−5)0.4重量%
活性剤:(IV)(R:C1021、k:7)1重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール24.6wt%
先ず、温水ジャケットと内部に攪拌装置を備えたステンレス製の耐圧容器(内容量5L)に前記平均粒径5nmの導電性カーボン微粒子(花王株式会社製)を入れた後、常温常圧でトルエン200mlを導入し、その後、常圧のまま50℃で5分間保ち、導電性材料を溶解した。
次に、容器内に前記の界面活性剤の25%水溶液2gと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35gを添加し、その後トルエンを揮発させ、導電性材料を析出させ分散液10を調製した。
得られた分散液42gに対し、インク組成物を構成する残りの上記材料全てを添加し、よく攪拌した後、0.5ミクロンのフィルターでろ過し、導電性接着層形成用インク組成物10を得た。
表4に分散液10の分散状態、フィルターの状態及び導電性接着層形成用インク組成物10の性質を示す。
(実施例11)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例10と同様な操作によって、分散液11と導電性接着層形成用インク組成物11を得た。
導電性材料:平均粒径7nmの導電性樹脂(ライオン株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−1)0.3重量%
活性剤:(IV)(p+q=15)0.5重量%
活性剤:(IV)の活性剤(p+q=0)0.5重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
合計:1,4−ブタンジオール24.7wt%
表4に分散液11の分散状態、フィルターの状態及びインク組成物11の性質を示す。
(実施例12)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例10と同様な操作によって、分散体12と導電性接着層形成用インク組成物12を作製した。
導電性材料:平均粒径8nmの異方性導電樹脂(ソニーケミカル株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(II−4)0.6重量%
活性剤:(V)(p、q=20)0.4重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
合計:1,4−ブタンジオール25wt%
表4に分散液12の分散状態、フィルターの状態及び導電性接着層形成用インク組成物12の性質を示す。
(実施例13)
導電性接着層形成用インク組成物を構成する下記の各材料を所定割合で予め準備し、これらの材料を用いた以外は、実施例10と同様な操作によって、分散体13と導電性接着層形成用インク組成物13を作製した。
導電性材料:平均粒径5nmの異方性導電樹脂(ソニーケミカル株式会社製)5wt%
分散剤:スチレンアクリル樹脂5wt%
活性剤:(IV)(p+q=15)1重量%
活性剤:(IV)(R:C1021、k:7)1.5重量%
湿潤剤:グリセロール18%
溶剤:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン35wt%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン11wt%
溶剤:1,4−ブタンジオール23.5wt%
表4に分散液13の分散状態、フィルターの状態及び導電性接着層形成用インク組成物13の性質を示す。
Figure 2004172612
(導電性接着層インク組成物の物性値評価)
これらのインク組成物について、表5に粘度、表面張力、インクジェット用ヘッドのインク吐出ノズル面を構成する材料に対する接触角、吐出性、パターニング性および成膜性を評価した結果を示す。インク組成物の物理的性質および吐出特性については前記はんだ合金材料インク組成物の作製で示した方法で評価した。
表5に示すように、吐出性、パターニング性、成膜性とも充分、実用レベルに達するものであった。
Figure 2004172612
実施例14〜21は、フラックス材料インク組成物の作製方法を示す。
以下に示すような配合のインク組成物を作製した。
(実施例14)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 6重量部
水添ロジン 6重量部
◎樹脂
エポキシ樹脂 3重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:安息香酸 2重量部
有機酸系活性剤2:アゼエチン酸 1重量部
ハロゲン化合物系活性剤:3−アミノ−1−プロペン塩酸塩 2重量部
◎湿潤剤
グリセロール 10重量部
◎溶剤
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量部
◎溶剤
1,4−ブタンジオール 68重量部
(合計) 100重量部
(実施例15)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 6重量部
水添ロジン 6重量部
◎樹脂
イソプレンゴム 4重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:アジピン酸 2重量部
ハロゲン化合物系活性剤:n−ブチルアミン塩酸塩 1重量部
◎湿潤剤
エチレングリコール 45重量部
◎溶剤
2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール 36重量部
(合計) 100重量部
(実施例16)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 7重量部
水添ロジン 7重量部
◎樹脂
ポリエステルエラストマー(東洋紡社製) 4重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:グルタル酸 2重量部
有機酸系活性剤2:アゼライン酸 2重量部
界面活性剤:第4級アンモニウム 1重量部
(ライオン社製:アーカード C−50(商品名))
◎湿潤剤
トリエチレングリコール 44重量部
◎溶剤
N−メチル−2−ピロリドン 33重量部
(合計) 100重量部
(実施例17)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 8重量部
水添ロジン 7重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:アジピン酸 3重量部
有機酸系活性剤2:安息香酸 5重量部
◎湿潤剤
グリセロール 39重量部
◎溶剤
1,3−ブタンジオール 38重量部
(合計) 100重量部
(実施例18)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 10重量部
水添ロジン 8重量部
◎樹脂
アクリル樹脂 5重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:コハク酸 3重量部
有機酸系活性剤2:安息香酸 3重量部
界面活性剤:構造式(II)のもの 1重量部
◎湿潤剤
グリセロール 10重量部
◎溶剤
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 60重量部
(合計) 100重量部
(実施例19)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 8重量部
水添ロジン 8重量部
◎樹脂
ポリイミド樹脂 5重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:パルミチン酸 3重量部
有機酸系活性剤2:アビエチン酸 2重量部
界面活性剤:構造式(V)のもの 1重量部
◎湿潤剤
N−メチル−2−ピロリドン 53重量部
◎溶剤
エチレングリコールモノブチルエーテル 20重量部
(合計) 100重量部
(実施例20)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 6重量部
水添ロジン 8重量部
◎樹脂
塩化ビニル樹脂 5重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:ステアリン酸 3重量部
有機酸系活性剤2:安息香酸 3重量部
界面活性剤:構造式(III)のもの 2重量部
◎溶剤
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 5重量部
◎溶剤
1,3−ブタンジオール 68重量部
(合計) 100重量部
(実施例21)
◎ロジン
天然ロジン:WWロジン 8重量部
水添ロジン 8重量部
◎樹脂
アクリロニトリル樹脂 5重量部
◎活性剤
有機酸系活性剤1:ギ酸 3重量部
有機酸系活性剤2:アゼライン酸 3重量部
界面活性剤::構造式(IV)のもの 1重量部
◎湿潤剤
グリセロール 7.5重量部
◎溶剤
エチレングリコールモノエチルエーテル 64.5重量部
(合計) 100重量部
(インクジェット方式による本発明のバンプ作製方法)
次に、実施例1〜5のはんだ合金材料インク組成物、実施例6〜13の導電性接着層形成用インク組成物および実施例14〜21のフラックス材料組成物を用いた、はんだバンプの作製方法について説明する。
先ず、図3に示すように、LSIウエハ(91)上に形成したアルミパッド(92)の一部にかかるように、パッシベーション(93)を上記LSIウエハ(91)上に形成する。
続いて、図4に示すように、アルミパッド(92)及びパッシベーション(93)の上に中間金属層(94)を形成する。
次に、図5に示すように、該中間金属層(94)上のアルミパッド(92)に対応する位置に、錫、鉛等よりなるはんだ合金材料層(95)を形成し、その上にはんだバンプ形成用フラックス層(96)を形成する。
このように各層が形成されたLSIウエハ(91)を、所定条件で加熱して、はんだ合金材料とフラックスを溶融させると、図6に示すような略球形のはんだバンプ(97)が中間金属層(94)を介してアルミパッド(92)上に接続端子として形成される。
この加熱装置としては、例えば大和製作所社製のウエットバック装置NRY−101V6LU(機種名)が用いられる。
(1)温度プロファイル
実施例によるフラックスを用いたウエットバック処理の温度プロファイルは、図7に示すように、まず常温に保たれた区間T1からウエットバック処理を開始させ、次いで100℃程度まで保たれた区間T2、200℃程度まで保たれた区間T3及び300℃程度まで保たれた区間T4によって段階的にプリヒートする。
続いてこのウエットバック処理では、350〜400℃程度に保たれた区間T5のメインヒートを経た後、200℃程度まで保たれた区間T6、100℃程度まで保たれた区間T7及び常温に保たれた区間T8によって段階的に冷却され、ウエットバック処理を終了させるようになされている。
(2)ウエットバック処理の温度条件
ウエットバック処理に、ウエットバック装置(大和製作所製NRY−101V6LU)を用いる場合、該装置はウエハの通る通路の下段にホットプレートを設けウエハと接し直に加熱し、上部から赤外ヒーターで非接触式に加熱する方式でり、その2つの加熱手段の一方又は双方を用いて行なわれる。
その装置中の各区間を、表6に示すように、ホットプレート又は赤外(IR)ヒータを用いて2種類の温度に設定した。
先ず、ホットプレートを用いた場合のウエットバック装置においては、プリヒートとして第1区間を100℃程度、第2区間を200℃程度及び第3区間を300℃程度に設定し、メインヒートとして第4区間を360℃程度に設定すると共に、形成されたはんだバンプの冷却のために第5区間を200℃程度及び第6区間を100℃程度に設定するようにした。
一方、赤外ヒータを用いた場合のウエットバック装置においては、第2区間からウエットバッグ処理を開始するようになされており、プリヒートとして第2区間を250℃程度及び第3区間を350℃程度に設定し、メインヒートとして第4区間を400℃程度に設定すると共に、はんだバンプの冷却のために第5区間を300℃程度に設定するようにした。
また、ウエットバック装置は、各区間を窒素濃度50ppm程度の雰囲気にし、当該各区間をウエットバック処理対象の半導体チップを60秒程度の間隔で移動させてウエットバック処理をするようにした。表6は実施例によるウェットバック処理の温度条件を示す。
Figure 2004172612
<第1〜第8のバンプの作成>
20μm径で開口したパッド径を有するパッド上に形成された中間金属層(BLM:Ball Limiting Metal)上に、実施例1〜5のはんだ合金材料インク組成物(4pl)を吐出し、室温、真空中で溶媒を除去した後、大気中100℃、10分熱処理してはんだ層を形成した。
その後、形成されたはんだ層上に実施例13〜20のフラックスインク組成物(4pl)を吐出し、表6に示す加熱溶融条件により加熱溶融を行ない、バンプ径20μmのはんだバンプを形成した。
表7に、このように中間金属層上にはんだバンプを形成した8つの例(第1〜8のバンプ)を示す。
Figure 2004172612
<第9〜第16のバンプの作成>
次に、図5における中間金属層(94)を、前述の導電性接着層形成用インク組成物を用いて形成した後、バンプを作製した。
20μm径で開口したパッド径を有するパッド上に、実施例6〜11の導電性接着層形成用インク組成物(4pl)を吐出し、室温、真空中で溶媒を除去した後、大気中100℃、10分熱処理して導電性接着層を形成した。
その後、前記と同様にはんだ合金材料インク組成物を用いてはんだ層を形成した後、フラックスインク組成物を吐出し、前記と同様にして加熱溶融を行なって、バンプ径20μmのはんだバンプを形成した。
このようにして形成したバンプを、第1〜16のバンプと称する(#1〜#16)。作製したバンプを上から見た略図を図10に示す。
表8に、このように導電性接着層上にはんだバンプを形成した8つの例(第9〜16のバンプ)を示す。
Figure 2004172612
<第17〜第20のバンプの作成(バンプ径;0.5μm〜5μm)>
先ず、実施例6で作製した導電性接着層形成用インク組成物を、インクジェットプリント装置(52)のヘッド(53)(リコー製IPSIO Jet300)の駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、5μm、3μm、1μm、0.5μmの開口径を有するパッド上に、それぞれ1pl、0.6pl、0.2pl、0.1pl吐出・積層し、パターニング塗布を行なった。
塗布後、真空中(1torr)、室温、20分という条件で溶媒を除去し、その後、窒素雰囲気中、150℃(ホットプレート上)、2時間の熱処理により導電性接着層を形成した。
次に、実施例1で作製したはんだ層形成用インク組成物を、パッド開口径に対応する上記導電性接着層に、それぞれ1pl、0.6pl、0.2pl、0.1plと吐出・積層した。
塗布後、真空中(1torr)、室温、20分という条件で溶媒を除去し、その後、窒素雰囲気中、150℃(ホットプレート上)30分間の熱処理によりはんだ合金材料層を形成した。
さらに、実施例14で作製したフラックスインク組成物を、5μm、3μm、1μm・0.5μm径のパッド上に形成された上記はんだ合金材料層の上に、それぞれ1pl、0.6pl、0.2pl、0.1plと吐出・積層した後、表6に示す加熱溶融条件によって加熱溶融を行なって、はんだバンプを形成した。
こうして形成された4種類のはんだバンプの径は、それぞれ5μm、3μm、1μm、0.5μmであった。
この4種類のはんだバンプを、第17〜第20のバンプ(#17〜#20)と称する。
このようにインクジェット方式によれば、微細なパターニングを簡便にかつ短時間で行なうことができ、しかも従来方式では困難とされていた極小径のはんだバンプを形成することができる。
また、はんだ合金材料インク組成物の固型分濃度および吐出量を変えることによって、膜厚を変えることが可能である。
第17〜第20のバンプ作製例とは異なって、第1〜第8のバンプ作製例のように、はんだ層とフラックス層の形成にはインクジェット方式を用いるが、中間金属層については従来の形成方式を採用することもできる。
このようなやり方によって、インクジェット方式にあまり適さない組成物と、インクジェット方式に適するインク組成物とを組み合わせることによって、バンプを形成することができるため、半導体設計の自由度がひろがることも利点の1つである。
インクジェット方式以外の従来方式としては、印刷法、転写法、ディッピング法、スピンコート法、キャスト法、キャピラリー法、ロールコート法およびバーコート法等が挙げられる。
(従来方式によるはんだバンプの作製)
次に、従来方式によってはんだバンプを形成するやり方について説明する。
従来方式による従来用バンプは、図8の(A)〜(E)に示す以下の手順によって、ウエハ(40)の一面(40A)のパッド(41)上に形成される。
すなわち、まず図8の(A)に示すように、ウエハ(40)の一面(40A)に複数形成されたアルミニウム等でなるパッド(41)の周端部をパッシベーション膜(42)で覆い、当該ウエハ(40)の一面(40A)を電気的に保護する。
次いで、図8の(B)に示すように、ウエハの一面(40A)の各パッド(41)にそれぞれ応じた開口部を有するメタルマスク(図示せず)をこれら各パッド(41)を露出させるようにウエハ(40)の一面(40A)に載置する(又は、各パッド(41)をそれぞれ露出させるようにフォトレジスト膜を形成する)。
続いて、ウエハ(40)をスパッタ装置に装填し、スパッタ法によって前記パッド(41)上に、クロム等でなる接着層(44)と銅等でなるバリアメタル層(45)とを順次積層形成する。こうして形成される接着層(44)とバリアメタル層(45)からなるBLM膜層(46)は、後で形成されるバンプとの密着性を向上させる機能を有するものである。
この後、ウエハ(40)の一面(40A)に載置された前述のメタルマスク(又は、フォトレジスト膜を剥離する)と、当該メタルマスク(又は、フォトレジスト膜)上に積層形成されたBLM膜層(46)を共に除去する。
こうして、ウエハ(40)の一面(40A)の各パッド(41)上には、BLM膜層(16)が積層形成される。
次いで、図8(C)に示すように、ウエハ(40)の一面(40A)にフォトレジスト膜(47)を積層形成し、当該フォトレジスト膜(47)を各BLM膜層(46)に応じて露光した後、現像して各BLM膜層(46)を露出させる。 この後、図8(D)に示すように、メッキ法及び蒸着法の手法によってそれぞれウエハ(40)の一面(40A)に鉛及び錫でなるバンプ材料(48)を積層形成する。
次に、ウエハ(40)の一面(40A)に積層形成されたフォトレジスト膜(47)を剥離すると共に、当該フォトレジスト膜(47)上に積層形成されたバンプ材料(48)を除去する。こうして、各BLM膜層(46)上にはそれぞれバンプ材料(48)が積層形成される。
なお、該従来例においては、各BLM膜層(46)上にメッキ法によってバンプ材料(48)が積層形成されたウエハ(40)として、例えば田中貴金属販売株式会社製のものを、また、各BLM膜層(46)上に蒸着法によってバンプ材料(48)が積層形成されたウエハ(40)として、例えば日本IBM株式会社製のものを用いて、実験を行なった。
続いて、図8(E)に示すように、メッキ法及び蒸着法の手法によって各BLM膜層(46)上にそれぞれバンプ材料(48)が形成されたウエハ(40)の一面(40A)に、フラックス(図示せず)として例えば千住金属工業株式会社製のデルタラツクス530(製品名)を塗布する。なお、このフラックスは、6インチウエハ1枚に対して5.0〜6.0g程度となるように塗布されている。
次いで、窒素(N)ソルダ加熱溶融装置(図示せず)として、例えば株式会社大和製作所製のN Solder Reflow System NRY−101V6LV(製品名)を用いて、当該Nソルダ加熱溶融装置内部の25〜30ppm程度の酸素(O)濃度を有する窒素雰囲気中において、ウエハ(40)の各BLM膜層(46)上にそれぞれ形成されたバンプ材料(48)を加熱溶融する。
このようにして、バンプ材料(48)は溶融して鉛と錫とが合成され、球形状でなる従来用バンプ(48A)が形成される。
これらの作製過程を図14(A)〜(D)に簡単に示す。
なお、表6及び図7の温度プロファイルに示すように、このNソルダ加熱溶融装置では、内部に第1ゾーンから第6ゾーンまでの設定温度の異なる6つのゾーンを有し、これら各ゾーンはそれぞれホットプレート又は赤外(IR)ヒータによって所定の温度に設定されている。
また、このNソルダ加熱溶融装置では、ウエハ(40)を各第1〜第6ゾーン内でそれぞれ所定時間停止させ、当該ウエハ(40)をそれぞれの設定温度によって加熱する。
ここで、まずこのNソルダ加熱溶融装置においてホットプレートを用いて温度設定した場合、第1ゾーンを100℃程度に設定して第2のゾーンを150℃程度に設定し、続く第3ゾーンを250℃程度に設定してウエハ(40)のパッド(41)上に形成されたバンプ材料(48)を段階的に加熱する。
また第4ゾーンを350℃程度に設定して当該第4ゾーンにおいてウエハ(40)のBLM膜層(46)上のバンプ材料(48)を加熱溶融する。
さらに、第5ゾーンを200℃程度に設定すると共に、第6ゾーンを100℃程度に設定して、ウエハ(40)のBLM膜層(46)上において加熱溶融されたバンプ材料(48)を段階的に冷却し、当該ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれBLM膜層(46)を介して従来用バンプ(48A)を形成する。
一方、このNソルダ加熱溶融装置において赤外ヒータを用いて温度設定した場合、第1ゾーンを150℃程度に設定して第2のゾーンを250℃程度に設定し、続く第3ゾーンを350℃程度に設定してウエハ(40)のBLM膜層(46)上に形成されたバンプ材料(48)を段階的に加熱する。
また第4ゾーンを400℃程度に設定して当該第4ゾーンにおいてウエハ(40)のBLM膜層(46)上のバンプ材料(48)を加熱溶融する。
さらに、第5ゾーンを350℃程度に設定すると共に、第6ゾーンを250℃程度に設定してウエハ(40)のBLM膜層(46)上において加熱溶融されたバンプ材料(48)を段階的に冷却し、当該ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれBLM膜層(46)を介して従来用バンプ(48A)を形成する。
なお、このNソルダ加熱溶融装置における各第1〜第6ゾーン毎のウエハ(40)の停止時間は、第1ゾーンでは30秒程度とし、第2ゾーンでは40秒程度とし、続く第3ゾーンでは50秒程度とする。また第4ゾーン及び第5ゾーンでは40秒程度とし、続く第6ゾーンでは60秒程度とする。
また、従来用バンプ(48A)を形成する方法として、メッキ法及び蒸着法に加え、はんだディップ法の手法も用いた。
このはんだディップ法の場合には、パッド(41)上にBLM膜層(46)が積層形成されたウエハ(40)の一面(40A)のパッシベーション膜(42)上にソルダレジスト膜(47)を積層形成する。
この後、ウエハ(40)の一面(40A)にフラックスとして、例えば千住金属工業株式会社製のデルタラツクス530(製品名)を塗布する。
次に、バンプ材料(48)の鉛及び錫の重量全体を100%とした場合、鉛の重量を90〜98%の任意の割合となるように予め選定すると共に、錫の重量を鉛の重量に応じて10〜2%の任意の割合となるように予め選定し、これら鉛及び錫(バンプ材料(48))を380℃程度の温度で溶融させてディップ槽中に入れる。
次いで、ディップ槽中の溶融された鉛及び錫にウエハ(40)を浸漬し、当該ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれ積層形成されたBLM膜層(46)上に溶融した鉛及び錫を形成する。
このようにして、各BLM膜層(46)上にはそれぞれ溶融した鉛及び錫の表面張力とフラックスの作用とによって球状にまとまり、従来用バンプ(48A)が形成される。
このようにして、メッキ法、蒸着法及びはんだディップ法の手法によってそれぞれ従来用バンプ(48A)が形成されたウエハ(40)を、まず50℃程度の温度にしたグリコール系洗浄剤として、例えば旭化成工業株式会社製のエリーズ M9000(製品名)中に浸漬して20分間程度揺すって洗浄した。
次いで、ウエハ(40)を室温と同じ程度の温度にした洗浄剤として、例えば関東化学株式会社製の2−プロパノール(イソプロパノール)に浸漬して10分間程度揺すって洗浄した。このようにして、ウエハ(40)のパッシベーション膜(42)上に残存するフラックスを洗浄した。
かくしてウエハ(40)の各パッド(41)上に従来用バンプ(48A)を完成した。
メッキ法、蒸着法及びはんだディップ法の手法によって形成されたはんだバンプを、第1従来用バンプ、第2従来用バンプおよび第3従来用バンプとそれぞれ称することとする。
(実施例と従来例のはんだバンプの特性)
インクジェット方式によって形成された本発明のはんだバンプ(第1〜第16のバンプ)と、従来方式によって形成されたはんだバンプ(第1従来用バンプ、第2従来用バンプ、第3の従来用バンプ)とを、バンプの外観、バンプの断面の観察、機械的強度試験、洗浄性試験および実際にウエハ(40)から切断分離してなるICチップを配線基板上に実装した場合の信頼性試験によって比較した。
まず、はんだバンプの外観については、金属顕微鏡として、株式会社ニコン製のOPTIPHOT XUW−M(製品名)を用いて、40倍に拡大したバンプの外観を目視観察した。
また、はんだバンプの断面については、電子顕微鏡(以下、これをSEMと呼ぶ)として、日本電子株式会社製のSCANNING MICROSCOPE JSM−5300LU(製品名)を用いて、1000〜3000倍に拡大したバンプの外観及びバンプの断面を観察した。
その結果を表9に示す。
はんだバンプの機械的強度試験については、強度試験機として、株式会社レスカ製のPULL TESTER TYPE PTR−01(製品名)を用いて、Y distance 0.2mm、Speed 0.1−1.0mm/s、0.1、Locationμ、5の条件において、バンプに対するシエアー試験及び引っ張り強度試験を行なった。
まず、シエアー試験においては、ウエハ(40)の厚み方向に対して直交する方向からバンプの所定位置に力を加え、当該バンプが千切れるときの強度を測定した。
また、引っ張り強度試験においては、ウエハ(40)の一面(40A)から離れる方向にバンプを引っ張り、当該バンプがパッド(41)(第1〜第16のバンプの場合)又はBLM膜層(46)(従来用バンプ(48A)の場合)から剥がれるときの強度を測定した。
その結果を表9に示す。
洗浄性試験については、バンプ形成時にフラックスが用いられる従来方式によって形成された従来用バンプ(48A)にのみ行なった。
すなわち、洗浄性試験では、フラックスを洗浄した後、ウエハ(40)のパッシベーション膜(42)上に残存するフラックス等(以下、これを残渣物と呼ぶ)の有無を観察した。
残渣物の観察には金属顕微鏡として、例えば株式会社ニコン製のOPTIPHOT XUW−M(製品名)を用い40倍に拡大して観察し、SEMとして日本電子株式会社製のSCANNING MICROSCOPE JSM−5300LU(製品名)を用いて1000〜3000倍に拡大して観察した。
信頼性試験については、冷熱衝撃プログラム試験、イオンマイグレーション試験及び高温保持試験の3種類の試験を行なった。
先ず、冷熱衝撃プログラム試験については、冷熱衝撃試験装置として、タバイエスペック株式会社製のESPEC THERMAL SHOCK CHAMBER TSB−2、又はTSV−40st(製品名)を用いて、当該装置内部の雰囲気温度を−30〜150℃の範囲でサイクル的に変化させ、この装置内部においてバンプとパッド(41)との接合部分のクラック発生の有無を確認した。
なお、この冷熱衝撃試験装置は、内部を1時間程度ほぼ−30℃の温度に保ち、この後、30分程度の時間をかけてほぼ150℃の温度まで昇温させ、この150℃程度の温度をほぼ1時間程度保ち、さらにこの後、30分程度の時間をかけて−30℃程度の温度まで降温させるように、3時間をかけて1サイクルの温度変化を順次繰り返すようにして、用いるものである。
また、イオンマイグレーション試験では、イオンマイグレーション試験機として、楠本化成株式会社製のイオンマイグレーション計測システムSIR10(製品名)を用いて、予め所定の温度及び湿度に設定された高温高湿下においてICチップの各パッド(41)上に形成されたバンプのうち、隣り合うバンプに電界をかけ、陰極側に析出する金属イオンによって生じるこれら隣り合うバンプの短絡の有無を確認した。
さらに、高温保持試験では、高温保持試験機として、株式会社アドバンテスト製の恒温恒湿槽(製品名)を用いて、120℃及び210℃の各温度に保持された雰囲気中におけるバンプとBLM膜層(46)との相互拡散によるBLM膜層(46)の劣化の状態を測定した。
以上説明した各種試験によって得られた結果について説明する。
表9に、インクジェット方式によって形成された本発明の第1〜第3のはんだバンプと、従来方式によって形成された第1〜第3従来用バンプについて行なった試験結果を示すが、本発明の第4〜第16のはんだバンプについても第1〜第3のはんだバンプと同じ結果が得られた。
表9に示されるように、まず、金属顕微鏡による観察において、従来用バンプでは表面が黒化しており、異形バンプ及び飛散バンプが多数発生し、これら異形バンプ及び飛散バンプ等によって隣り合う従来用バンプ(48A)同士が接触する等してブリッジも発生する。
従来用バンプについて、図9(A)及びその図9(A)を拡大した図9(B)及び図9(C)に基づいて具体的に説明すると、ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれ形成された従来用バンプ(48A)の周辺部には、それぞれ複数の飛散バンプ(60)が発生し、さらに当該飛散バンプ(60)と接触してなる異形バンプ(61)が観察される。
これに対して本発明の第1〜第16のバンプでは、表面に光沢を有すると共に理想的な球形状でなり、表面性及び形状が良好な状態が観察される。
Figure 2004172612
一方、SEMによる観察では、第1〜第3の各従来用バンプの断面を観察すると、従来用バンプ(48A)内部のボイド及びクラックが多数確認されると共に、これらボイド及びクラックによる異形バンプが多数確認される。
また、ウエハ(40)のパッド(41)上のBLM膜層(46)と従来用バンプ(48A)とが粗相互拡散して、当該BLM膜層(46)の劣化が確認される。
すなわち、図11(A)〜(C)に示すように、ウエハ(40)のパッド(41)上のBLM膜層(46)上に形成されたバンプ材料(48)(図11(A))を加熱溶融すると、本来従来用バンプ(48A)は球形状となる(図11(B))。
ところがバンプ材料(48)の鉛及び錫の配合量にばらつきが生じていると、これら鉛と錫との合成が不均一となり、ボイド(65)及びクラック(66)が生じると共に飛散バンプ(60)が発生する。
これに対して本発明の第1〜第16のバンプでは、内部にボイド(65)及びクラック(66)は発生せず、ウエハ(40)のパッド(41)上に良好に固着されている。
次に強度試験結果について述べる。
まずシェアー試験では、第1〜第3の従来用バンプは5kg程度の力で千切れする。これに対して本発明の第1〜第16のバンプにおいては、5kg程度の力で千切れは起きないで、10kg程度の力で初めて千切れする。
一方、引っ張り試験では、第1〜第3の従来用バンプは500kg程度の力でBLM膜層(46)から剥がれるが、これに対して本発明の第1〜第16のバンプは1600kg程度の力で初めてパッド(41)から剥がれる。
なお、シエアー試験においては、予めバンプが千切れるときの力が8kg以上の場合には規格内とし、これより小さい力(8kg未満)の場合には規格外と定められている。
また引っ張り試験においては、予めバンプがBLM膜層(46)又はパッド(41)から剥がれるときの力が1200kg以上の場合には規格内とし、これより小さい力(1200kg未満)の場合には規格外と定められている。
したがって、第1〜第3の従来用バンプはシェアー試験及び引っ張り試験において共に規格外となり、本発明の第1〜第16のバンプはシェアー試験及び引っ張り試験において共に規格内となる。
なお、本発明の第17〜第20のバンプについて行なった引っ張り試験とシエアー試験を、20μm径に於いての規格をシエアー8kg、引っ張り1200kgと仮に設定して行ない、その結果は、表10に示すとおりである。
Figure 2004172612

また、第17〜第20のバンプのシエアー強度と引っ張り強度以外の試験結果については、第1〜第16のバンプの結果と同様に良好であった。
洗浄性試験において、第1〜第3の従来用バンプの周囲には、加熱溶融によって黒く焦げたようなフラックスの残渣物(以下、これを黒色残渣物と呼ぶ)が観察されると共に、バンプ材料(48)の鉛及び錫とフラックスに含まれる有機酸系化合物との化学反応によって生成されるものと考えられる有機鉛及び有機錫とでなる白色残渣物が観察される。
すなわち、図12、図13及び図15に示すように、第1〜第3の従来用バンプの周囲には多数の黒色残渣物(80)が発生していると共に(図12)、ウエハ(40)のパッシベーション膜(42)上には多数の白色残渣物(81)が発生しており(図13)、これら黒色残渣物(80)及び白色残渣物(81)はウエハ(40)の洗浄では除去しきれずに残存する。
また、信頼性試験の1つである冷熱衝撃プログラム試験では、第1〜第3の従来用バンプの場合、試験開始から500サイクルにおいてこれら第1〜第3の従来用バンプとBLM膜層(46)との接合部分にクラックが発生する。
これに対して本発明の第1〜第16のバンプの場合、試験開始から予め定められた規格の1000サイクルを経過しても、バンプと中間金属層あるいは導電性接着層との接合部分にはクラックは発生せず、バンプと中間金属層あるいは導電性接着層とが固着している。
信頼性試験の1つであるイオンマイグレーション試験では、第1〜第3の従来用バンプの場合、試験開始から500時間程度経過した後、隣り合うバンプ同士が短絡する。
これに対して本発明の第1〜第16のバンプの場合、試験開始から予め定められた規格の1000時間を経過しても隣り合うバンプ同士は短絡せず、ウエハ(40)の各パッド(41)上に形成された当初の状態を維持している。
さらに、信頼性試験の1つである高温保持試験においては、第1〜第3の従来用バンプの場合、まず120℃程度の温度では試験開始から500時間程度経過した後、これら第1〜第3の従来用バンプとBLM膜層(46)とが相互拡散して当該BLM膜層(46)が劣化する。
このため、BLM膜層(46)はこれら第1〜第3の従来用バンプとウエハ(40)の各パッド(41)とを固着させる所定の強度を維持し難くなる。一方、210℃程度の温度では試験開始から100時間程度経過した後、上述と同様にこれら第1〜第3の従来用バンプとBLM膜層(46)とが相互拡散する。
したがって、この場合もBLM膜層(46)は第1〜第3の従来用バンプとウエハ(40)の各パッド(41)とを固着させる所定の強度を維持し難くなる。
これに対して本発明の第1〜第16のバンプの場合には、120℃及び210℃の各温度において試験開始から予め定められた規格の1000時間を経過してもこれら第1〜第16のバンプとBLM膜層とが相互拡散せず、バンプはウエハ(40)の各パッド(41)上に固着されている。
本発明によるバンプ形成方法と従来方式によるバンプ形成方法とを従来した結果を表11に示し、後に具体的に説明する。
Figure 2004172612
まずバンプの形成工程における廃液処理については、従来方式によるバンプ形成方法ではバンプ材料形成工程に対し廃液処理が必要であると共に、バンプ材料を加熱溶融した後、フラックスの洗浄工程においても大量の廃液が生じて、廃液処理が重要となる。
これに対して、本発明のバンプ形成方法では、フラックスの使用量がインクジェット方式で吐出される量だけの非常に少ないため、洗浄工程に用いられる有機溶剤等の廃液を処理する廃液処理設備が容易に構成すること、あるいは不要にすることができ、バンプの形成工程を簡易にすることができる。
また、バンプの形成工程については、従来方式ではBLM膜層形成工程及びバンプ材料形成工程が必要であると共に、BLM膜層形成工程及びバンプ材料形成工程にはそれぞれフォトレジスト膜(47)の形成工程及びフォトレジスト膜(47)の剥離工程が必要である。したがって、バンプの形成工程は煩雑であると共に多大な作業時間を必要とする。
これに対して、本発明のバンプ形成方法では、従来方式のような上述した各工程を必要とせず、バンプの形成工程が簡易である
さらに、ウエハの各パッド上に形成されたバンプの均一性を従来すると、従来方式ではBLM膜層(46)上に形成されたバンプ材料(48)の鉛及び錫の配合量にばらつきが生じる場合がある。
このため、ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれ形成された従来用バンプ(48A)は高さ及び形状にばらつきが生じる。
これに対して、本発明ではインクジェット方式によって、均一に制御可能な吐出量のインクが塗布されるために、形成されるバンプの形状と大きさは精確なものとなり、ウエハの各パッド上にそれぞれ形成されたバンプは、ほぼ均一な高さ及び形状となる。
さらに、ウエハ(40)の各パッド(41)上に形成されたバンプの歩留りを従来すると、従来方式では、従来用バンプ(48A)の高さ及び形状にばらつきが生じていると共に、当該従来用バンプ(48A)内部にボイド及びクラックが発生する。このため、従来的歩留りが良い場合でも90%程度の歩留りとなる。
これに対して、本発明のバンプ形成方法では、インクジェット方式により均一な吐出量のインクが塗布され、正確な大きさのバンプが形成することにより、ほぼ100%の歩留りとすることができる。
また、バンプの形成における経済性を比較すると、従来方式においては、BLM膜層形成工程及びバンプ材料形成工程におけるフォトレジスト膜(47)の剥離工程において、それぞれウエハ(40)の一面(40A)に積層形成されたBLM膜層(46)及びバンプ材料(48)の重量全体に対して99%以上のBLM膜層(46)及びバンプ材料(48)が除去され、1%に満たないBLM膜層(46)及びバンプ材料(48)しか用いらず、コストが高くなる。
これに対して、本発明のバンプ形成方法では、インクジェット方式により少量の吐出量のインクが塗布され、塗布された材料の全てがバンプ形成に使用されるので、従来方式によるバンプ形成方法に比べて経済性が格段的に向上する。
さらに、ウエハ(40)のパッド(41)とバンプとの密着性を従来すると、従来方式においては、温度及び湿度等の環境によってBLM膜層(45)(Cr及びCu)と従来用バンプ(48A)(Pb及びSn)とが相互拡散して、従来的短い時間において当該BLM膜層(45)が劣化し、場合によってはBLM膜層(45)から従来用バンプ(48A)が剥がれることがある。
これに対して、本発明のバンプ形成方法では、導電性接着層とバンプ(Pb及びSn)とは相互拡散せず、導電性接着層自体の劣化のみなので、従来方式によるバンプ形成方法に比べて格段的に長い時間、パッド(41)とバンプとが導電性接着層を介して密着性良く固着される。
したがって、本発明のバンプ形成方法においては、従来のバンプ形成方法のようなBLM膜層形成工程及びバンプ材料形成工程を必要とせず、バンプの形成工程を簡易にすることができる。
さらに、本発明によるバンプ形成方法においては、インクジェット方式により均一な吐出量のインクが塗布され、正確な大きさのバンプが形成されるので、従来のバンプ形成方法において生じていたバンプの高さのばらつき、バンプ内部のボイド(65)及びクラック(66)や、大きさの異なるバンプ、異形バンプ(61)及び飛散バンプ(60)の発生に起因して発生するブリッジを防止することができる。
すなわち、バンプの表面性、形状及び組成等の物性がほぼ均一なバンプをパッド(41)上に形成することができ、各パッド(41)上にそれぞれ形成されたバンプの歩留りを向上させることができる。
これに加え、この実施例によるバンプ形成方法では、従来のバンプ形成方法のようなフォトレジスト膜(47)の剥離工程を必要とせず、これによりウエハ(40)の各パッド(41)上にバンプを形成する場合のコストを低減させることができ、かくしてバンプ形成における経済性を格段的に向上させることができる。
さらに、本発明のバンプ形成工程においては、ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれ導電性接着層を形成して、その上にバンプを形成するようにしたことによって、これら各パッド(41)に対する各バンプの密着強度を各段的に向上させることができる。
さらにまた、導電性接着層とバンプとは相互拡散せず、上述した各パッド(41)に対する各バンプの密着度を従来的長時間にわたって維持することができる。
さらに、本発明のバンプ形成方法においては、従来のバンプ形成方法に比べて、上述した冷熱衝撃プログラム試験、ヒートサーマルショック試験、イオンマイグレーション試験及び高温保持試験等の信頼性試験の従来結果から判るように、ウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれ形成された各バンプの信頼性を格段的に向上させることができる。
また、このような本発明のバンプ形成方法によって、各パッド(41)上にそれぞれバンプが形成されてなる半導体装置においては、これら各パッド(41)とそれぞれ対応するバンプとを導電性接着層によって固着させることによって、その結果これら各パッド(41)とそれぞれ対応するバンプとを容易に固着させることができる。
また、各パッド(41)に対する各バンプの密着強度を従来的長時間にわたって維持することができる。
さらに、以上のように、各パッド(41)とそれぞれ対応するバンプとを導電性接着層によって固着させるようにしたことにより、各パッド(41)とそれぞれ対応するバンプとを容易に固着させることができ、かくしてバンプの形成工程における作業時間を大幅に短縮し得る半導体装置を実現することができる。
なお、上述の実施例においては、バンプ形成対象物としてICチップに応じたIC回路が複数形成されたウエハ(40)を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、LSI(Large Scale IC)チップに応じた回路が複数形成されたウエハ、ボールグリッドアレイ(BGA、Ball Grid Array)及びチップサイズパッケージ(CSP、Chip Size Package)等のこの他種々のバンプ形成対象物を用いるようにしても良い。
また、上述の実施例においては、インクジェット方式により導電性接着層を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、メタルマスク印刷法又はスクリーン印刷法等の手法によって予めウエハ(40)の各パッド(41)上にそれぞれ導電性接着層(46)を形成し、これら導電性接着層上にそれぞれバンプをインクジェット方式により形成するようにしても良い。
(本発明によるフラックスインク組成物の効果)
以上の組成のフラックスインク組成物14〜21によれば、インクジェット方式によるはんだバンプ形成において、ロジン、活性剤、溶剤、ポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を含有するインク処方により、インクジェット適性に問題がなく吐出でき、ウエハ上にパターニング可能であることが確認できた。
また、本発明の方法によれば、従来の方法では不可能と考えられていたような微小径のバンプを作成することができ、30μm以下のものは無論、10μm以下、さらには1μm以下の径を有するバンプ作製が可能であることが確認できた。
はんだバンプの特性においても、鉛及び錫が均一に溶融されて表面が滑らかで光沢を有するはんだバンプ第1〜第20を形成でき、欠け等による異形はんだバンプ及び飛散したはんだバンプがなくなることが確認できた。
かくして各フラックスインク組成物14〜21を用いることによって、はんだバンプ1〜11の形状が理想に近い球状形状となることが確認できた。
また各フラックスインク組成物14〜21では、鉛及び錫が均一に溶融されて内部にボイド及びクラックのないはんだバンプ1〜11が形成できるため、当該はんだバンプ1〜11と中間金属層との間に反応がなく、密着性を向上させ得ることが確認できた。これによりはんだバンプ第1〜第20のシエアー強度及び引っ張り強度を向上し得ることが確認できた。
フラックスインク組成物に含有させる活性剤として、(1)100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上および表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮し、残渣を生じない有機酸系活性剤と、(2)350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化してバンプ内部のボイドを除去し、はんだ合金の飛散を防止し、はんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮し、残渣を生じるハロゲン化合物系活性剤とを組み合わせて用い、はんだバンプ形成用フラックスインク組成物の固形分中に(1)を0.01重量%〜10重量%の割合で、また(2)を0.01重量%〜10重量%の割合でそれぞれ含有されると、#1〜#20のように、はんだバンプを形成する
際、100℃〜300℃の温度範囲のプレヒート時に、有機酸系活性剤がはんだバンプの表面性や形状に対して効果を発揮し、350℃〜400℃の温度範囲のメインヒート時にはハロゲン化合物系活性剤がはんだバンプ形成に対して効果を発揮し、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成することが確認された。
さらに、このことから、はんだバンプと中間金属層間の接着強度が充分となり、シェアー強度も充分となり、実装後の引っ張り強度も充分となり、特性が大きく向上していることも確認された。
さらに、フラックスインク組成物に含有させる活性剤として、(3)100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上および表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮し、残さが残らない有機酸系活性剤と、(4)100℃〜300℃及び350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化してはんだ合金材料表面の酸化膜の除去、はんだ付け性の向上、表面光沢の付与等の表面性を改良する効果を発揮し、バンプ内部のボイドを除去する、はんだ合金の飛散を防止する、あるいははんだ合金材料同士を均一に溶融させる効果を発揮する界面活性剤を組み合わせて用いると、#1〜#20のように、100℃〜300℃及び350℃〜400℃の温度範囲のプレヒートからメインヒートにわたって、上記有機酸系活性剤と界面活性剤がはんだバンプの表面性や形状に対して効果を発揮し、はんだバンプ形成に対しても効果を発揮し、はんだバンプを形成する際に期待される機能を充分に満足してはんだバンプを良好に形成することが確認された。
このことから、実施例3においても、はんだバンプと中間金属層間の接着強度が充分となり、シェアー強度も充分となり、実装後の引っ張り強度も充分となり、特性が大きく向上していることも確認された。
さらにまた、実施例14〜21のはんだバンプ形成用フラックスインク組成物を用いれば、上述のことから生産性が大きく向上することが確認された。
さらに各フラックスインク組成物1〜9は、レジンを配合することによりウエットバック処理のメインヒートに対するロジンの耐熱性を大幅に向上させることができるため、ロジンの焦げつきをなくすることができ、天然ロジンによってはんだバンプ表面に形成される被膜の形成性を向上し得ることが確認できた。
さらに各フラックスインク組成物1〜9は、ロジンの焦げつきをなくすることができることにより、形成されたはんだバンプ1〜11の洗浄性を向上させることができ、フラックス残土をなくすることができた。
これにより各フラックスインク組成物1〜9を用いて形成されたはんだバンプ1〜11は、当該はんだバンプ1〜11が形成された半導体チップを配線基板上に実装した後の品質信頼性を向上し得ることが確認できた。
さらに各フラックスインク組成物1〜9は、活性剤として有機酸系化合物及びハロゲン化合物又は有機酸系化合物及びプリヒートとメインヒートの両段階で活性化する活性剤を用いるようにしたことにより、プリヒートからメインヒートまでの広範囲にわたって活性剤を活性化させることができるため、当該活性剤の分散性を向上させることができ、活性化効率を向上し得ることが確認できた。
さらに各フラックスインク組成物1〜9は、溶剤を150〜300℃程度、望ましくは220〜250℃程度の沸点を有するようにしたことにより、ウエットバック処理の際に溶剤の乾燥性を向上し得ることが確認できた。
以上のように天然ロジンと水添ロジンとの重量全体に対し1%〜99%程度の任意の割合でレジンを混合したロジンと、有機酸系化合物とハロゲン化合物とを混合した活性剤と、150〜300℃程度、望ましくは220〜250℃程度の沸点を有する溶剤とを配合してフラックスを生成したことにより、ウエットバック処理のような高温度条件においても使用できるフラックスインク組成物を実現することができた。
なお、上述の実施例においては、天然ロジンと水添ロジンとの総重量に対して1%ないし99%の任意の割合で配合される溶質としてレジンを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、天然ロジン及び水添ロジンに対して耐熱性をもたせることができかつ溶剤に溶かし得る溶質であれば、この他種々の溶質を用いるようにしても良い。
また、上述の実施例においては、ウエットバック処理によってはんだバンプを球状形状に形成するためにフラックスインクを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他の高温度条件においてはんだを用いる種々の工程等に適用するようにしても良い。
本発明のバンプ形成方法に用いられるインクジェット用プリンターヘッドの構造の一例を示す平面斜視図である。 本発明のバンプ形成方法に用いられるインクジェット用プリンターヘッドのノズル部分の構造の一例を示す断面図である。 はんだバンプの形成方法を工程順に示すものであり、LSIウエハ上にパッシベーションを形成する工程を示す要部拡大断面図である。 はんだバンプの形成方法を工程順に示すものであり、中間金属層を形成する工程を示す要部拡大断面図である。 はんだバンプの形成方法を工程順に示すものであり、はんだ合金材料層とはんだバンプ形成用フラックス層を形成する工程を示す要部拡大断面図である。 はんだバンプの形成方法を工程順に示すものであり、はんだバンプの形成された状態を示す要部拡大断面図である。 実施例によるウエットバック処理の温度プロファイルを示す略線図である。 従来用バンプの形成手順を示す略線的断面図である。 ウエハのパッド上に形成された従来用のバンプの様子を示す略線的断面図である。 実施例によるフラックスを用いて形成されたバンプの形状を示す略線図である。 従来用バンプにおける異形バンプ及び飛散バンプの様子を示す略線図である。 従来用バンプの形成によって発生したフラックス残さ物の説明に供する略線図である。 従来用バンプの形成によってパッシベーション膜上に発生した白色残さ物の説明に供する略線図である。 はんだバンプ形成手段を示す図である。 従来のフラックスを用いて形成されたはんだバンプの形状を示す図である。 超臨界流体装置の略図である。
符号の説明
1 半導体チップ
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 ポリイミド膜
5 中間金属層
6 鉛層
7 錫層
8 フラックス
9 はんだバンプ
10 インクジェット用ヘッド
11 ノズルプレート
12 はんだバンプ
13 振動板
14 はんだバンプ
15 仕切部材
16 はんだバンプ
18 はんだバンプ
19 インク室
21 液溜り
23 供給口
25 ノズル孔
26 撥インク層
27 インク導入孔
29 圧電素子
31 電極
33 ノズル面
40 ウエハ
40A ウエハの一面
41 パッド
42 パッシベーション膜
44 接着層
45 バリアメタル層
46 中間金属層
47 フォトレジスト膜
48 バンプ材料
48A 従来用バンプ
50 隔壁
51 基板
52 インクジェット装置
53 インクジェットヘッド
54 インク組成物
60 飛散バンプ
61 異形バンプ
65 ボイド
66 クラック
80 黒色残差
81 白色残差
91 LSIウエハ
92 アルミパッド
93 パッシベーション
94 中間金属層
95 はんだ合金材料層
96 はんだバンプ形成用フラックス層
97 はんだバンプ
101 タンク
102 ポンプ
103 容器
104 フィルター
105 溶媒との混合
106 背圧弁
107 採集
108 圧力計
109 予熱部
110 保温部


Claims (32)

  1. 外部電極パッド上に中間金属層とバンプが順次設けられた半導体素子であって、該バンプの径が30μm以下であることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記バンプの径が0.001〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記バンプ径が0.001〜1μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子。
  4. バンプが、中間金属層の上にインクジェット方式によって形成されたはんだ合金材料層とフラックス材料層とを、加熱溶融することによって形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体素子。
  5. 中間金属層が、インクジェット方式により形成された導電性接着層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の半導体素子。
  6. 半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、はんだ合金材料層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするバンプ形成方法。
  7. はんだ合金材料を構成しインクジェット方式に用いられるインク組成物が、超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程を含む製造法で作成されたものであることを特徴とする請求項6に記載のバンプ形成方法。
  8. はんだ合金材料を構成するインク組成物が、少なくともはんだ材料、有機溶剤、湿潤剤を含有することを特徴とする請求項6又は7に記載のバンプ形成方法。
  9. 半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、中間金属層が導電性接着層であって、該導電性接着層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするバンプ形成方法。
  10. 導電性材料を構成しインクジェット方式に用いられるインク組成物が、超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程を含む製造法で作成されたものであることを特徴とする請求項9に記載のバンプ形成方法。
  11. 導電性材料を構成するインク組成物が、少なくとも導電性材料、有機溶剤、湿潤剤を含有することを特徴とする請求項9又は10に記載のバンプ形成方法。
  12. 半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する方法であって、フラックス材料層をインクジェット方式によって形成することを特徴とするバンプ形成方法。
  13. フラックス材料を構成しインクジェット方式に用いられるインク組成物が、少なくともロジン、活性剤、有機溶剤を含有することを特徴とする請求項12に記載のバンプ形成方法。
  14. フラックス材料を構成するインク組成物が、少なくともロジン、活性剤,有機溶剤、ポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を含有するバンプ形成用フラックスに、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれていることを特徴とする請求項12又は13に記載のバンプ形成方法。
  15. 天然ロジンと、水添ロジンと、前記天然ロジン及び前記水添ロジンの総重量に対して1%乃至99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と、前記天然ロジンと、前記水添ロジンと、前記溶質と、前記活性剤とを溶解させる溶剤とを具えることを特徴とする請求項13又は14に記載のバンプ形成方法。
  16. 前記溶質は、合成レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマの単体又は複数を配合してなることを特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載のバンプ形成方法。
  17. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が1〜20mPa・s、表面張力が20〜70mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜170゜であることを特徴とする請求項6乃至16の何れかに記載のバンプ形成方法。
  18. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が5〜20mPa・s、表面張力が25〜50mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜70゜であることを特徴とする請求項6乃至17の何れかに記載のバンプ形成方法。
  19. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の固形分濃度が0.01〜10.0wt%であることを特徴とする請求項6乃至18の何れかに記載のバンプ形成方法。
  20. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の蒸気圧が0.001〜50mmHg(室温)の少なくとも一種の溶媒を含むことを特徴とする請求項6乃至19の何れかに記載のバンプ形成方法。
  21. 請求項6乃至20の何れかに記載の方法によって形成されることを特徴とするバンプ。
  22. 半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する際の、はんだ合金材料層をインクジェット方式によって形成するのに用いられ、かつ超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程が含まれる製造法で作成されたものであることを特徴とするはんだ合金材料を構成するインク組成物。
  23. 少なくともはんだ合金材料、有機溶剤および湿潤剤を含有することを特徴とする請求項22に記載のはんだ合金材料を構成するインク組成物。
  24. 半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する際の、中間金属層である導電性接着層をインクジェット方式によって形成するのに用いられ、かつ超臨界流体もしくは亜臨界流体中で行なわれる工程が含まれる製造工程で製造されたことを特徴とする導電性材料を構成するインク組成物。
  25. 少なくとも導電性材料、有機溶剤、湿潤剤を含有することを特徴とする請求項24に記載の導電性材料を構成するインク組成物。
  26. 半導体素子の外部電極パッド上に形成された中間金属層の上に、はんだ合金材料層とフラックス材料層とを順次形成後、該はんだ合金材料層と該フラックス材料層とを加熱溶融することによってバンプを形成する際の、フラックス材料層をインクジェット方式によって形成するのに用いられ、少なくともロジン、活性剤、有機溶剤を含有することを特徴とするフラックス材料を構成するインク組成物。
  27. 少なくともロジン,活性剤,有機溶剤、ポリオール、グリコールエーテル、界面活性剤、湿潤剤を含有するバンプ形成用フラックスに、活性剤として、100℃〜300℃の温度範囲で分解昇華する成分と350℃〜400℃の温度範囲で分解活性化する成分が含まれていることを特徴とする請求項26に記載のフラックス材料を構成するインク組成物。
  28. 天然ロジンと、水添ロジンと、前記天然ロジン及び前記水添ロジンの総重量に対して1%乃至99%の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と、前記天然ロジンと、前記水添ロジンと、前記溶質と、前記活性剤とを溶解させる溶剤とを具えることを特徴とする請求項26又は27に記載のフラックス材料を構成するインク組成物。
  29. 前記溶質は、合成レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマの単体又は複数を配合してなることを特徴とする請求項28に記載のフラックス材料を構成するインク組成物。
  30. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の粘度が1〜20mPa・s、表面張力が20〜70mN/m、インクジェットヘッドのノズル面を構成する材料に対する接触角が30〜170゜であることを特徴とする請求項22乃至29の何れかに記載のインク組成物。
  31. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の固形分濃度が0.01〜10.0wt%であることを特徴とする請求項22乃至30の何れかに記載のインク組成物。
  32. 前記はんだ材料を構成するインク組成物、前記フラックス材料を構成するインク組成物、前記導電性材料を構成するインク組成物のうち少なくとも一つのインク組成物の蒸気圧が0.001〜50mmHg(室温)の少なくとも一種の溶媒を含むことを特徴とする請求項22乃至31の何れかに記載のインク組成物。


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