JP2004171845A - ワーク搬送装置及びこれを備えるワーク処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークの冷却機能とバッファ機能とを持つコンパクトなワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】ワークの搬送経路に、冷媒で強制冷却される冷却プレート91を配置する。冷却プレート91の両側方に位置して上下方向にのびる側枠113を有し、側枠113にワークの側縁部下面に係合するワーク受け114を上下複数段に取り付けて成るマガジンラック101を昇降機構102で昇降自在とする。冷却プレート91に着座して冷却されたワークを、マガジンラック101の上昇により、ワーク受け114に支持させて冷却プレート91の上方空間にストックする。
【選択図】 図16
【解決手段】ワークの搬送経路に、冷媒で強制冷却される冷却プレート91を配置する。冷却プレート91の両側方に位置して上下方向にのびる側枠113を有し、側枠113にワークの側縁部下面に係合するワーク受け114を上下複数段に取り付けて成るマガジンラック101を昇降機構102で昇降自在とする。冷却プレート91に着座して冷却されたワークを、マガジンラック101の上昇により、ワーク受け114に支持させて冷却プレート91の上方空間にストックする。
【選択図】 図16
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前工程で加熱された板状のワークを次工程に搬送する、ワークの冷却機能とバッファ機能とを持つワーク搬送装置及びこれを備えるワーク処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットヘッドに代表される液滴吐出ヘッドを具備する描画装置を用い、カラーフィルタや有機EL装置を製造する試みが為されている。この場合、液滴吐出ヘッドにフィルタ材料や発光機能材料を含有する機能液を導入し、板状ワークたるカラーフィルタの基板や有機EL装置の基板に対し液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントや有機EL機能層と成る機能液滴を塗布し、その後機能液滴を乾燥固化させて、フィルタエレメントや有機EL機能層を形成する。
また、生産性を向上させるため、R(赤)・G(緑)・B(青)の3色に合わせて3台の描画装置を用い、基板をこれら描画装置に順送りして、R・G・Bの各色に対応する機能液滴を順に塗布することも考えられている。この場合、機能液滴を固化させる最終的な乾燥は後工程で行うとしても、各描画装置で基板に塗布された機能液滴が後段の描画装置への搬送途中で流動しないように、各描画装置に乾燥装置を併設して、基板に塗布された機能液滴を乾燥装置により流動性を失う程度に乾燥させてから基板を後段の描画装置に搬送することが必要になる。このように描画装置と乾燥装置とで処理ユニットを構成し、処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワーク(基板)を各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りする場合、ワークが前段の処理ユニットの乾燥装置での加熱により温度上昇したまま後段の処理ユニットの描画装置に投入されると、熱膨張によるワーク寸法の狂いで機能液滴の塗布位置精度を確保できなくなる。
そのため、ワーク搬送装置に、ワークを冷却する冷却手段を配置することが必要になる。また、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が液滴吐出ヘッドのクリーニング作業等でストップする場合に備えて、ワーク搬送装置に、ワークを一時的にストックするバッファ手段を設けることも必要になる。
尚、従来、冷却手段として冷媒で強制冷却される冷却プレートを用い、ワークを冷却プレートに着座させて冷却することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−127330号公報(段落0135,図14)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如くワーク搬送装置に冷却手段とバッファ手段とを配置する場合、冷却手段とバッファ手段とをワーク搬送方向に単純に並設すると、装置が大型化するため、冷却手段とバッファ手段とをスペース効率良く配置することが望まれる。
【0005】
本発明は、以上の要望に適合したワーク搬送装置及びこれを備えるワーク処理装置を提供することをその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、前工程で加熱された板状のワークを次工程に搬送するワーク搬送装置であって、ワークを冷却する冷却手段と、ワークを一時的にストックするバッファ手段とを備えるものにおいて、本発明では、前記冷却手段を、ワークを着座させる、冷媒によって強制冷却される冷却プレートで構成すると共に、前記バッファ手段を、前記冷却プレートに着座して冷却されたワークを前記冷却プレートの上方空間に持ち上げてストックするように構成している。
【0007】
上記の構成によれば、冷却プレートの上方空間がワークのストック空間として活用され、冷却手段とバッファ手段とが同一の場所にオーバーラップしてスペース効率良く配置されることになり、装置の小型化を図れる。
【0008】
そして、液滴吐出ヘッドを用いて板状のワークに液滴を塗布する描画装置と、ワークに塗布された液滴を乾燥する乾燥装置とを備える処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワークを各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りするようにしたワーク処理装置において、前記各ワーク搬送装置として上記本発明のワーク搬送装置を用いることにより、ワーク処理装置の全体のライン長さを短縮することができる。
【0009】
この場合、描画装置の液滴吐出ヘッドにフィルタ材料を含有する機能液を導入して、ワークたるカラーフィルタの基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントと成る機能液滴を塗布し、或いは、描画装置の液滴吐出ヘッドに発光機能材料を含有する機能液を導入して、ワークたる有機EL装置の基板上の多数の画素領域に有機EL層と成る機能液滴を塗布することにより、カラーフィルタや有機EL装置を効率良く製造することができる。
【0010】
更に、前段の処理ユニットの乾燥装置でワーク(基板)が加熱されても、ワーク搬送装置に配置した冷却手段たる冷却プレートによりワークが冷却されるため、後段の処理ユニットの描画装置における、ワークの熱膨張に起因する液滴の塗布位置精度の悪化が防止される。
【0011】
また、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が液滴吐出ヘッドのクリーニング作業等でストップしても、前段の処理ユニットの乾燥装置からワークを払い出して、ワーク搬送装置に配置したバッファ手段によりストックしておくことができる。ここで、カラーフィルタや有機EL装置の基板には、混色、色抜けを防止するために、画素領域に親液性、画素領域の周辺領域に撥液性を付与する前処理が施されているが、乾燥装置の加熱温度が低いと、画素領域の周辺領域に溶剤が残り、後段の処理ユニットの描画装置において混色、色抜けを発生させる要因になり、また、乾燥時間のバラツキにより、機能液滴が乾燥して収縮する過程において膜厚が不均一になる。
【0012】
然し、本発明では、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入がストップしている間も、上記の如く前段の処理ユニットの乾燥装置からワークを払い出すことができるため、乾燥装置におけるワークの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、乾燥装置からワークを払い出し、ワークの乾燥時間を一定に管理して、膜厚が不均一になることを防止できる。
【0013】
ところで、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が長時間ストップされた場合にも対処できるように、バッファ手段のストック容量(ストック可能なワークの枚数)を大きくすることが望まれる。この場合、ワークの搬送方向をx軸方向、x軸方向に直交する水平方向をy軸方向として、冷却プレートのy軸方向両側方に配置される上下方向に延びる側枠を有し、この側枠に、ワークの下面側縁部に係合してワークを支持するワーク受けを上下複数段に取り付けて成るマガジンラックと、このマガジンラックを昇降する昇降機構とでバッファ手段を構成すれば、簡単な構造でストック容量を大きくすることができ、有利である。
【0014】
このようなマガジンラックを用いる場合、マガジンラックの両側枠間のラック内空間において、冷却プレートより上方の所定の搬送高さ位置でx軸方向にワークを搬送する搬送部材を設け、マガジンラックの複数段のワーク受けの内の次にワークを支持させるべきワーク受けとその上段のワーク受けとの間の間隔内に前記搬送高さ位置に存するワークが収まるような高さにマガジンラックを保持した状態でラック内空間に搬送部材によってワークを搬入すれば、ワークを冷却プレートやワーク受けとの干渉を生ずることなくスムーズに搬送することができる。
【0015】
そして、前記搬送高さ位置を、マガジンラックの複数段のワーク受けの内の次にワークを支持させるべきワーク受けを冷却プレートの上面より若干下方に位置させた状態で、このワーク受けとその上段のワーク受けとの間の間隔内に前記搬送高さ位置に存するワークが収まるような高さに設定すると共に、搬送部材を前記搬送高さ位置から下降自在とすれば、ラック内空間にワークを搬入した後、搬送部材を下降させて、冷却プレートにワークを着座させ、ワークの冷却後にマガジンラックを上昇させて、次にワークを支持させるべきワーク受けにワークを支持させた状態で冷却プレートからワークを持ち上げることができる。
【0016】
また、搬送部材をラック内空間の外方に退避自在とし、ラック内空間にワークを搬入した後、次にワークを支持させるべきワーク受けが前記搬送高さ位置に存するワークを支持するようにマガジンラックを上昇させ、その後搬送部材をラック内空間の外方に退避させた状態でマガジンラックを下降させて、冷却プレートにワークを着座させ、ワークの冷却後にマガジンラックを再度上昇させて、次にワークを支持させるべきワーク受けにワークを支持させた状態で冷却プレートからワークを持ち上げるようにしても良い。
【0017】
ところで、冷却プレートでワークを効率良く冷却するには、冷却プレートの上面にワークを密着させることが必要になる。そのため、冷却プレートの上面に、ワークをエアー吸引で吸着する複数の吸着孔を設けることが望ましい。
【0018】
この場合、冷却プレートを、冷媒を流す冷媒通路を具備するプレート本体と、このプレート本体の上面に取り付けた上板とで構成し、前記吸着孔を上板に開設すると共に、プレート本体の上面に、吸着孔に連通するエアーの吸引通路となる溝を形成しておけば、冷媒通路と吸引通路とが平面視で交差するように配置されていても、両通路を互いに隔絶させた状態で容易に形成でき、有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、有機EL装置の製造ラインの一部を構成する発光機能層製造ライン(ワーク処理装置)である。この発光機能層製造ラインは、前工程で回路素子、バンクおよび画素電極が形成された基板(ガラス基板)を導入し、この基板に有機ELにおけるR・G・B色の発光層および正孔注入層(有機EL機能層)を、いわゆるインクジェット方式で作り込むものである。また、有機ELでは、酸素および水分を嫌うため、この発光機能層製造ラインにおける基板の処理は、全て不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気中で行われる。
【0020】
同図に示すように、この発光機能層製造ライン1では、図示の左側が搬入側、右側が搬出側となっていて、基板(ワーク)Aは、ライン内の各処理装置を経由して搬入側から搬出側に一方向に送られる。発光機能層製造ライン1の主な処理装置は、搬入側に位置しB色の発光層を形成するB色描画装置2aと、中間に位置しR色の発光層を形成するR色描画装置2bと、搬出側に位置しG色の発光層を形成するG色描画装置2cとで構成されている。なお、図示では、正孔注入層を形成する描画装置は、省略されている。
【0021】
また、B色描画装置2aに対応し、B色移載装置3aを挟んでB色乾燥装置4aを設けて、これら装置2a,3a,4aによりB色の処理ユニット1aを構成し、またR色描画装置2bに対応し、R色移載装置3bを挟んでR色乾燥装置4bを設けて、これら装置2b,3b,4bによりR色の処理ユニット1bを構成し、更にG色描画装置2cに対応し、G色移載装置3cを挟んでG色乾燥装置4cを設けて、これら装置2c,3c,4cによりG色の処理ユニット1cを構成している。一方、B色処理ユニット1aとR色処理ユニット1bとの間には、B色処理ユニット1aで処理した基板AをR色処理ユニット1bに搬送する第1搬送装置5aが配設され、同様にR色処理ユニット1bとG色処理ユニット1cとの間には、R色処理ユニット1bで処理した基板AをG色処理ユニット1cに搬送する第2搬送装置5bが配設されている。
【0022】
また、搬入側には、ストックした処理前の基板Aを送り出す搬入側マガジンローダ6と、搬入側マガジンローダ6から基板Aを受け取り、これをB色移載装置3aに臨ませる搬入側移載装置7とが、配設されている。同様に、搬出側には、処理後の基板Aをストックする搬出側マガジンローダ8と、基板AをG色移載装置3cから受け取ってこれを、搬出側マガジンローダ8に送り込む搬出側移載装置9とが、配設されている。
【0023】
ところで、本実施形態では、描画装置2に対し縦向きに導入される基板Aと横向きに導入される基板Aとがある(図6参照)。そこで、搬入側移載装置7には、基板を水平姿勢のまま90°回転させてB色移載装置3aに臨ませる回転機構が組み込まれている(図示省略)。同様に、搬出側移載装置9にも、搬出側マガジンローダ8に送り込む前に、基板Aを水平姿勢のまま90°回転させる回転機構が組み込まれている(図示省略)。
【0024】
一方、基板Aの処理を不活性ガスの雰囲気中で行うため、R・G・B各色の描画装置2a,2b,2cは、それぞれクリーンルーム形式のメインチャンバ11,11,11に収容されている。同様に、基板Aの搬送を不活性ガスの雰囲気中で行うため、各移載装置3a,3b,3c,7,9や第1・第2搬送装置5a,5b等には、それぞれカバーケース形式のサブチャンバ12が設けられている。なお、各乾燥装置4a,4b,4cは、各移載装置3a,3b,3cに対向する前面部分をサブチャンバ12に挿入して内部が不活性ガスの雰囲気中に置かれるようにしている。そして、これら複数のメインチャンバ11と複数のサブチャンバ12とは、境界部分にシャッタ(図示省略)を有してトンネル状に連結されている。
【0025】
図2および図3に示すように、各色の描画装置2は、発光機能液をインクジェット方式で吐出するものであり、機台21上に設置したX軸テーブル22と、X軸テーブル22に直交するY軸テーブル23と、Y軸テーブル23に吊設したメインキャリッジ24とを、備えている。メインキャリッジ24の下部には、サブキャリッジ25を介して複数の液滴吐出ヘッド26が下向きに配設されている(図3参照)。また、基板Aは、X軸テーブル22上にセットされている。
【0026】
図3に示すように、この描画装置2は、液滴吐出ヘッド26の駆動(発光機能液の選択的吐出)に同期して基板Aが移動する構成であり、液滴吐出ヘッド26のいわゆる主走査は、X軸テーブル22のX軸方向への往復の両動作により行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、Y軸テーブル23により、液滴吐出ヘッド26のY軸方向への往動動作により行われる。すなわち、発光機能液を導入した液滴吐出ヘッド26を、基板Aに対しX軸およびY軸方向に相対的に走査し、発光機能材料を含有する機能液を選択的に吐出して基板A上の多数の画素領域に、発光機能層をそれぞれ形成するようになっている。
【0027】
この場合、発光機能層のうち正孔注入層を形成する機能液としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
【0028】
一方、発光層を形成する機能液としては、ポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープすることにより用いることができる。
【0029】
そして、図4に示すように、発光層を形成するR・G・B各色の画素領域の配置は、ストライブ配置、モザイク配置およびデルタ配置が用いられる。また、基板Aには、各画素領域が発光機能液に対する親液性を持ち、各画素領域の周辺領域が撥液性を持つように前処理が施されている。
【0030】
なお、上記の構成のワーク処理装置は、カラーフィルタの製造にも適用可能である。カラーフィルタの製造では、R・G・B各色のフィルタ材料を含有する機能液として、例えばポリウレタン樹脂オリゴマ−に無機顔料を分散させた後、低沸点溶剤としてシクロヘキサノンおよび酢酸ブチルを、高沸点溶剤としてブチルカルビトールアセテートを加え、さらに非イオン系界面活性剤0.01重量%を分散剤として添加し、粘度6〜8センチポアズとしたものを用いる。
【0031】
図5に示すように、R・G・Bの各移載装置3は、旋回および屈伸自在な一対のロボットアーム31,31を有する移載ロボットで構成されており、各ロボットアーム31の先端に設けた薄板フォーク状のロボットハンド32により、基板Aを載置するようにして支持し、移載作業を行う。また、一対のロボットアーム31,31を支持するスタンド部33には、昇降装置(図示省略)が内蔵されており、基板Aの受け取り(上昇)および受け渡し(下降)等のために、一対のロボットアーム31,31を適宜、昇降できるようになっている。
【0032】
例えば、中間のR色移載装置3bでは、一方のロボットアーム31を駆動させ、第1搬送装置5aから受け取った基板Aを、水平姿勢を維持したまま旋回させ、これを水平面内で90°回転させてR色描画装置2bのX軸テーブル22上に送り込む。また、R色描画装置2bで処理を完了した基板Aは、他方のロボットアーム31を駆動させ、X軸テーブル22から基板Aを受け取って、これを大きく旋回するようにして水平面内で180°回転させ、R色乾燥装置4bに送り込む。但し、基板Aが横向きの基板Aである場合には、一旦第2搬送装置5bの後記する90°回転装置42に移載した後、ここで90°回転させ、これを再度受け取ってR色乾燥装置4bに送り込む。そして、R色乾燥装置4bで処理を完了した基板Aは、他方のロボットアーム31を駆動させ、R色乾燥装置4bから基板Aを受け取って、これを旋回するようにして水平面内で90°回転させて、第2搬送装置5bに送り込む(図6参照)。
【0033】
R・G・Bの各乾燥装置4は、図7乃至図9に示す如く、単一の乾燥炉51にホットプレート52を上下複数段(図示例では6段)に収納して成るもので、これら各ホットプレート52に基板Aを着座させて、複数枚の基板乾燥を同時に行い得られるようにしている。なお、これら各乾燥装置4は、各描画装置2により基板Aに塗布された機能液滴が基板Aの搬送中に流動して混色を生じたり、急激な溶剤の蒸発で膜厚が不均一になることがないように、機能液滴を流動性を失う程度に仮乾燥させる目的で設けられており、機能液滴を固化させて発光層を形成する最終的な乾燥は図示の製造ラインの後工程で行う。乾燥装置4における基板Aの加熱温度は、40±2℃〜200±2℃であることが、好ましい。
【0034】
乾燥炉51の前面には、前記複数段のホットプレート52に臨む出入口51aが開設されている。出入口51aは常時開放されており、移載装置3により出入口51aを通して各ホットプレート52に対する基板Aの送り込みと取り出しとを行う。
【0035】
また、乾燥炉51の背面には、チャンバーケース53が蝶番53aを介して開閉自在に取り付けられている。チャンバーケース53の奥行き方向中間には、複数段のホットプレート52の各段間の間隙に臨む複数の通気孔54aを形成した分流板54が設けられており、分流板54とチャンバーケース53の背面との間に、乾燥炉51の炉内空間に分流板54を介して連通する排気室55が画成されている。そして、チャンバーケース53の背面に、排気室55に連通する上下複数(図示例では3個)の排気口55aを設け、これら排気口55aを乾燥炉51上に設けた排気手段たる排気ブロワー56に複数の流入側接続口57aを有する合流チャンバー57を介して接続している。なお、排気口55aと合流チャンバー57と排気ブロワー56はそれぞれ排気パイプを介して接続されるが、図では排気パイプを省略している。
【0036】
この構成によれば、分流板54の各通気孔54aに排気室55を介して排気ブロワー56の吸引力が作用し、乾燥炉51の前面の出入口51aからサブチャンバ12内の不活性ガスが炉内に流入して、複数段のホットプレート52の各段間の間隙を通って通気孔54aに向かう不活性ガスによる換気流が生成される。そのため、乾燥中に蒸発した機能液滴中の溶剤等は換気流に乗って乾燥炉51内から速やかに排出され、乾燥が効率良く行われる。更に、上下複数の排気口55aを設けているため、上下何れの通気孔54aにも均等に吸引力が作用して、全てのホットプレート52間の間隙に均等に換気流が流れ、何れのホットプレート52においても効率良く乾燥が行われる。
【0037】
また、本実施形態では、ホットプレート52の各段間の間隙毎に比較的大きな通気孔54aを横1列で4個形成すると共に、分流板54に各列の通気孔54aの開口面積を調整するスライド式の調整板54bを付設し、換気量を調整できるようにしている。なお、分流板54に小口径の多数の通気孔を分散して形成しても良い。
【0038】
各ホットプレート52は、図10に示す如く、上面のワーク着座面52aに対し基板Aを位置決めする複数の位置決めピン52bと、プレート内のヒータに電力を供給する後縁のコネクタ52cとを備え、更に、側縁部には、ワーク着座面52aに対し下方への段差を存して側方に張り出す耳辺部52dが形成されている。そして、耳辺部52dに対し前後方向に摺動自在に係合する溝型のレール部材58を設けて、レール部材58を断熱材58aと固定部材58bとを介して乾燥炉51の側壁内面に上下複数段に固設し、各ホットプレート52を、耳辺部52dの後端に設けた止めねじ52eを外すことで、各レール部材58、即ち、乾燥炉51に対し抜き差し自在としている。ここで、チャンバーケース53は、上記の如く開閉自在に取り付けられており、チャンバーケース53を開くことで乾燥炉51の背面が開放される。そのため、基板Aの機種変更に際し、ホットプレート52を基板Aの大きさに合わせたものに乾燥炉51の背面側から容易に交換できる。
【0039】
また、乾燥炉51には、各ホットプレート52と移載装置3との間で基板Aを受け渡す際に、各ホットプレート52と基板Aとの間にロボットハンド32を挿入可能な間隙を確保するため、複数段のホットプレート52から基板Aを選択的に押し上げて支持可能な押し上げ機構59が組み込まれている。押し上げ機構59は、乾燥炉51の側壁外面に配置した、昇降動する上下方向に長手の昇降部材60と、乾燥炉51の側壁の内側に上下複数段に配置した、各ホットプレート52のワーク着座面52aから張り出す基板Aの側縁部の下面に係合可能な係合部材61と、これら係合部材61を、基板Aの前記側縁部の上下方向の投影面内に入る作動位置とこの投影面の外方の退避位置とに個別に進退されるように昇降部材60に連結する進退機構62とで構成されている。
【0040】
なお、本実施形態では、図10に示す如く、ホットプレート52の各側部に前後3箇所の切り欠き部52fが形成されており、ワーク着座面52aからこれら切り欠き部52f上に張り出す基板Aの側縁部分に係合するように、係合部材61に前後3箇所の爪部61aを突設している。
【0041】
進退機構62は、昇降部材60に上下複数段に取り付けたガイド63a付きシリンダ63と、各シリンダ63のピストンロッド63bに連結されて横方向に進退する前後方向に長手の可動アーム64とで構成され、可動アーム64の両端に、各係合部材61の前後両端に固定される連結片61bを乾燥炉51の側壁に形成した透孔51bを通して連結している。かくて、複数のシリンダ63を選択的に作動させることにより対応する係合部材61が選択的に作動位置に進出する。
【0042】
昇降部材60の下端には、乾燥炉51の下方に配置した偏心カム65に当接するカムフォロア66が枢着されており、偏心カム65を乾燥炉51の下方に配置したシリンダ67によりクランク68と図外の歯車とを介して回転させることにより、昇降部材60が乾燥炉51の側壁外面に固定したレール69に沿って昇降される。なお、乾燥炉51の側壁には、押し上げ機構59を覆うようにしてカバー51cが取り付けられる。
【0043】
以上の構成によれば、何れかのホットプレート52に対して基板Aを脱着する際、対応する係合部材61のみを作動位置に進出させた状態で昇降部材60を上昇させることにより、該当するホットプレート52上の基板Aを係合部材61で選択的に押し上げることができる。そして、このものでは、各ホットプレート52の下側に押し上げ機構用の昇降スペースを確保する必要がなく、乾燥炉51の高さ寸法を大きくせずに済む。
【0044】
図11及び図12に明示するように、第1・第2の各搬送装置5a,5bとして用いるワーク搬送装置5は、キャビネット形式の共通機台41上に、基板Aを水平面内において90°回転させる上流側の90°回転装置42と、基板Aを水平面内において180°回転させる下流側の180°回転装置43とを配置すると共に、両回転装置42,43間に、基板Aを冷却する冷却手段44と、基板Aを処理待ちのためにストックしておくバッファ手段45とを配置して、構成されている。
【0045】
上述したように、90°回転装置42は、基板Aを各乾燥装置4に適切に送り込むため、R・G・Bの各移載装置3と協働して、横向きの基板を90°回転させて縦向きとする。また、移載装置3を介して乾燥装置4から受け取った基板Aを冷却手段44に送り込む。バッファ装置45は、冷却手段44で冷却された基板Aをストックし、次の描画装置2への基板の投入が液滴吐出ヘッド26のクリーニング等でストップされたときに、基板Aを搬送装置5上で待機させる。180°回転装置43は、各移載装置3の移載形態に基づく基板Aの姿勢変更を元に戻すべく、これを180°回転させ、R・G・Bの各描画装置2に対し、基板Aを全く同一の姿勢で送り込めるようにしている。
【0046】
ここで、図1および図6を参照して、実施形態の発光機能層製造ライン1における基板Aの搬送および処理手順について、簡単に説明する。
【0047】
搬入側移載装置7が、搬入側マガジンローダ6から受け取った基板AをB色移載装置3aに臨ませると、B色移載装置3aの一方のロボットアーム31がこれを受け取り、B色描画装置2aに送り込む。B色描画装置2aでは、受け取った基板AをX軸およびY軸方向に相対的に移動させ、これにB色の発光機能液滴を選択的に吐出する。吐出動作が終了してホーム位置に戻った基板Aに、B色移載装置3aの他方のロボットアーム31が臨んでこれを受け取り、B色乾燥装置4aに送り込む。
【0048】
基板乾燥が完了すると、他方のロボットアーム31がこれを受け取って、第1搬送装置5aの90°回転装置42に移載し、基板Aを90°回転装置42から冷却手段44に送る。そして、冷却手段44で冷却された基板Aをバッファ手段45に送り込む。次に、R色描画装置2bにおける基板Aの処理状況を待って、バッファ手段45から180°回転装置43に基板Aを送り、これを180°回転させて、R色移載装置3bに臨ませる。
【0049】
以降、上記と全く同様に、R色移載装置3bによる基板Aの移載と、R色描画装置2bおよびR色乾燥装置4bによる基板Aの処理が行われる。さらに、R色乾燥装置4bから第2搬送装置5bに移載された基板Aは、第2搬送装置5bからG色移載装置3cを介して、G色描画装置2cおよびG色乾燥装置4cに適宜送り込まれ処理される。このようにして、R・G・Bの発光機能層が形成されて基板Aは、最後にG色乾燥装置4cからG色移載装置3cを介して搬出側移載装置9に移載され、これから搬出側マガジンローダ8に送り込まれる。
【0050】
90°回転装置42と180°回転装置43とは同様の構成になっており、それぞれ基板Aを水平面内で回転させる回転部71,81と、基板Aの搬出や搬入を行う搬送部72,82とを備えている。回転部71,81には、基板Aをセンタリングするセンタリング機構を組み込んだワークテーブル73,83が回転及び昇降自在に設けられている。移載装置3から90°回転装置42に基板Aを移載する場合には、ワークテーブル73を搬送部72の上側に上昇させた状態で基板Aをワークテーブル73に載置する。
【0051】
そして、基板Aを90°回転させる場合には、センタリング機構により基板Aを回転中心にセンタリングしてからワークテーブル73を回転させる。一方、基板Aを90°回転装置42から搬出する場合には、ワークテーブル73を下降させて、基板Aを搬送部72設けた複数の送りローラ74に受け渡し、続いて送りローラ74の回転送りにより、基板Aを冷却手段44に向けて送り出す。
【0052】
バッファ手段45から180°回転装置43に基板Aを送り出す場合は、ワークテーブル83を下降させた状態で搬送部82の複数の送りローラ84によりワークテーブル83の直上部まで基板Aを搬入し、次に、ワークテーブル83を上昇させて、ワークテーブル83に基板Aを受け取らせる。そして、センタリング機構により基板Aを回転中心にセンタリングしてからワークテーブル83を180°回転させ、この状態で基板Aを移載装置3に受け取らせる。
【0053】
冷却手段44は、前段の処理ユニットの乾燥装置4で加熱された基板Aを描画装置2の設定管理温度(例えば、20°C)に冷却し、後段の処理ユニットの描画装置2において、基板Aの熱膨張に起因する位置決め精度や液滴の塗布位置精度の悪化を生ずることを防止するために設けられている。本実施形態の冷却手段44は、冷媒で強制冷却される冷却プレート91で構成されており、冷却プレート91を共通機台41の中間部に共通機台41内に立設する支柱(図示せず)で浮き支持させ、90°回転装置42から送られてきた基板Aを冷却プレート91に着座させて冷却するようにしている。
【0054】
冷却プレート91の詳細は図13乃至図15に示す通りであり、厚肉のプレート本体92と、プレート本体92の上面に固着した薄肉の上板93と、プレート本体92の下面に固着した台座94とで構成されている。プレート本体92には、冷媒を流す冷媒通路95が平行に複数形成されており、これら冷媒通路95を流入側と流出側のヘッダパイプ96a、96bを介して冷媒循環回路96に接続している。
【0055】
冷媒としては冷却水を用いることもできるが、本実施形態では、エアーを冷媒とし、冷媒循環回路96に循環ファン96cとクーラ96dとを開設している。また、プレート本体92の両端部には、各冷媒通路95をヘッダパイプ96a、96bに接続するワンタッチジョイント95aが取り付けられている。なお、本実施形態では、プレート本体92に冷媒通路95を穴明け加工で形成しているが、冷媒通路となるパイプをプレート本体92に鋳込むことも可能である。
【0056】
上板93には、多数の吸着孔97が開設されている。そして、プレート本体92の上面に、これら吸着孔97に連通する網の目状の溝98を形成し、溝98に、台座94に取り付けたジョイント98aを介して図外の負圧源を接続している。かくして、溝98をエアーの吸引通路として、吸着孔97からのエアー吸引が行われ、上板93に基板Aが吸着されて、基板Aが効率良く冷却される。
【0057】
なお、冷却プレート91は、基板Aより若干幅狭に形成され、また、後記する搬送部材144に対する逃げ穴99が形成されている。
【0058】
バッファ手段45は、図16及び図17に示すように、基板Aを上下複数段に支持可能なマガジンラック101と、マガジンラック101を昇降する昇降機構102とで構成されている。マガジンラック101は、上枠111と、下枠112と、上枠111と下枠112とを連結する上下方向にのびる各3本の枠材113aから成る両側の側枠113,113とで中空の箱状に形成されており、各側枠113の枠材113aに、基板Aの側縁部下面に係合して基板Aを支持する爪状のワーク受け114を上下複数段に取り付けている。また、マガジンラック101は、基板Aの大きさに合わせた専用品になっており、マガジンラック101の交換時に持ち運びできるように、上枠111の両側部に取手115が取り付けられている。なお、冷却プレート91も、基板Aの大きさに合わせた専用品になっており、マガジンラック101と一緒に交換する。
【0059】
マガジンラック101は、基板Aの搬送方向をx軸方向、これに直交する水平方向をy軸方向として、冷却プレート91のy軸方向両側方に両側枠113,113が位置し、冷却プレート91の下方に下枠112が位置する状態で昇降機構102に支持されている。換言すれば、マガジンラック101の両側枠113,113間のラック内空間に収まるように冷却プレート91を配置している。そして、マガジンラック101の上昇により、冷却プレート91に着座している基板Aの冷却プレート91から張り出す側縁部下面にワーク受け114を係合させて、基板Aを冷却プレート91の上方に持ち上げ、この状態で基板Aをストックするようにしている。
【0060】
かくして、冷却プレート91の上方空間がバッファ手段45による基板Aのストックスペースとして有効活用されることになる。従って、冷却手段44とバッファ手段45とを同一の場所にオーバーラップさせてスペース効率良く配置できるようになり、ワーク搬送装置5の小型化を図れる。なお、マガジンラック101には、上方のワーク受け114から下方のワーク受け114に向けて基板Aを順にストックする。
【0061】
昇降機構102は、共通機台41内にy軸方向に離間して固定される一対の支持フレーム121,121と、各支持フレーム121に一対のガイドバー122,122を介して昇降自在に支持される昇降枠123とを備えており、昇降枠123上の受け座124にマガジンラック101の下枠112を着座させている。なお、支持フレーム121の外側面には、共通機台41内に固定するための取り付けブラッケト121aが固設されている。
【0062】
昇降枠123には、支持フレーム121に軸支されるボールねじ125に螺合するナット126が固定されており、ボールねじ125の回転で昇降枠123が昇降される。一方の支持フレーム121に軸支されるボールねじ125は、この支持フレーム121の下端に取り付けたギヤードモータ127に直結され、他方の支持フレーム121に軸支されるボールねじ125は、ベルト128を介してギヤードモータ127に連結されており、両支持フレーム121,121に支持されるy軸方向両側の昇降枠123,123がギヤードモータ127により同期して昇降されて、マガジンラック101が水平姿勢を保って昇降される。
【0063】
各昇降枠123には、それぞれシリンダ129aによりy軸方向に進退される一対の押え爪129,129と、それぞれシリンダ130aによりアーム130bを介してx軸方向に進退される一対の位置決めピン130,130とが設けられている。そして、両位置決めピン130,130によりマガジンラック101の下枠112をx軸方向両側から挟むことで、マガジンラック101をx軸方向に位置決めすると共に、両昇降枠123,123の押え爪129,129によりマガジンラック101の下枠112をy軸方向両側から挟みつつ下方に押しつけることで、マガジンラック101をy軸方向にも位置決めした状態で昇降枠123に固定し得るようにしている。
【0064】
各支持フレーム121のx軸方向一端部には、上下方向に長手のスリット131が固定されており、各昇降枠123にスリット131の切欠きを読み取る光学センサ132を取り付け、この光学センサ132からの信号でマガジンラック101の上下方向位置を認識できるようにしている。
【0065】
更に、各支持フレーム121の上端部には、シリンダ133によりy軸方向に進退される可動枠134が設けられている。可動枠134には、マガジンラック101の側枠113の枠組み空隙に臨む複数のガイドローラ135が取り付けられており、後記する搬送機構103でラック内空間における基板Aの搬送を行う際、可動枠134のy軸方向内方への移動でガイドローラ135を側枠113の枠組み空隙を通してラック内空間に進入させ、基板Aの側縁をガイドローラ135でガイドして、搬送時の基板Aの斜行を防止できるようにしている。なお、図16,17の左側の支持フレーム121に示されているように、シリンダ133は支持フレーム121上のカバー136で覆われる。
【0066】
また、図16,17では省略しているが、両支持フレーム121,121間のスペースには、ラック内空間における基板Aの搬送を行う、図18および図19に示す搬送機構103が設けられている。搬送部材103は、図外のシリンダで昇降される昇降台141に搭載したコンベアフレーム142を備えている。コンベアフレーム142のy軸方向両側には、x軸方向に離間させて一対の起立フレーム143,143が立設されており、これら各起立フレーム143の上端部内側面に、それぞれ搬送部材たる複数(図示例では3個)の送りローラ144が軸着されている。これら送りローラ144は、コンベアフレーム142の下部に搭載したモータ145によりベルト式の動力伝達機構146を介して回転される。なお、動力伝達機構146は起立フレーム143,143の外側のカバー147で覆われている。
【0067】
起立フレーム143および送りローラ144は、冷却プレート91に形成した逃げ穴99に臨んでおり、昇降台141の上昇で送りローラ144が逃げ穴99を通して冷却プレート91の上面上に突出し、冷却プレート91の上面より上方の所定の搬送高さ位置でラック内空間における基板Aの搬送を行う。なお、この搬送高さ位置は、90°回転装置42や180°回転装置43の搬送部72,82による搬送高さと同レベルに設定される。
【0068】
本実施形態では、上記搬送高さ位置を、図20(a)に示すように、マガジンラック101の複数段のワーク受け114の内の次に基板Aを支持させるべきワーク受け114aを冷却プレート91の上面より若干下方に位置させた状態で、このワーク受け114aとその上段のワーク受け114bとの間の間隔内に当該搬送高さ位置に存する基板Aが収まるような高さに設定している。
【0069】
そして、90°回転装置42の搬送部72から送り出される基板Aを送りローラ144によりラック内空間に搬入した後、図20(b)に示す如く、送りローラ144を冷却プレート91の上面より下方に下降させて、冷却プレート91の上面に基板Aを着座させ、基板Aを冷却する。次に、時間管理や基板Aの直接的な温度検出等で基板Aが所定温度に冷却されたと判定されたとき、マガジンラック101を上昇させる。これによれば、図20(c)に示す如く、ワーク受け114aに基板Aが支持され、この状態で冷却プレート91から基板Aが持ち上げられる。
【0070】
このようにしてマガジンラック101にストックされた基板Aを180°回転装置43に送り出す際は、送りローラ144を冷却プレート91の上方に突出させた状態でマガジンラック101を図20(a)に示す位置に下降させ、基板Aを送りローラ144に乗せて、送りローラ144から180°回転装置43の搬送部82に基板Aを搬出する。
【0071】
以上の如くバッファ手段45を設けることにより、後段の処理ユニットの描画装置2への基板Aの投入が液滴吐出ヘッド26のクリーニング作業等でストップしても、前段の処理ユニットの乾燥装置4からワークを払い出して、バッファ手段45にストックしておくことができる。ここで、乾燥装置4で基板Aの加熱温度が低いと、画素領域の周辺領域に溶剤が残り、後段の処理ユニットの描画装置2において混色、色抜けを発生させる要因になり、また、乾燥時間のバラツキにより機能液滴が乾燥して収縮する過程において膜厚が不均一になる。そこで、本実施形態では、後段の処理ユニットの描画装置2への基板Aの投入がストップしている間も、前段の処理ユニットの乾燥装置4における基板Aの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、乾燥装置4から基板Aを払い出して、バッファ手段45に基板Aをストックしている。
【0072】
具体的には、図外の制御手段に、乾燥装置4の複数段のホットプレート52のそれぞれに対応するタイマーを内蔵させ、図22に示されているように、何れかのホットプレート52に基板Aが投入されたときに(S1)、このホットプレート52に対応するタイマーの計時動作を開始し(S2)、基板投入時点から設定時間が経過してタイムアップしたとき(S3)、上記ホットプレート52からの基板Aの払い出しを移載装置3に指令する(S4)。このようにすることで、基板Aの乾燥時間を一定に管理して、膜厚が不均一になることを防止できる。
【0073】
ところで、上記実施形態では、冷却プレート91に送りローラ144に対する干渉防止のための逃げ穴99を形成しているため、基板Aの冷却効率が多少とも低下する。この場合、昇降枠123上に設ける可動枠134に、ガイドローラ135に代えて、図21に示すように送りローラ144′を軸着し、これによりラック内空間における基板Aの搬送を行うようにしても良い。
【0074】
この送りローラ144′は、可動枠134の動きでラック内空間の外方に退避自在となり、ラック内空間における基板Aの搬送高さ位置を、図21(a)に示すように、次に基板Aを支持させるべきワーク受け114aが冷却プレート91の上面より上方に位置する状態で、このワーク受け114aとその上段のワーク受け114bとの間の間隙に当該搬送高さ位置に存する基板Aが収まるような位置に設定しても、以下の作動で基板Aを冷却プレート91に着座させることができる。
【0075】
先ず、ラック内空間に上記搬送高さ位置で基板Aを搬入した後、図21(b)に示す如く、次にワークを支持させるべきワーク受け114aが上記搬送高さ位置に存する基板Aを支持するようにマガジンラック101を上昇させる。その後、送りローラ144′をラック内空間の外方に退避させた状態で、図21(c)に示す如く、マガジンラック101を下降させて、冷却プレート91に基板Aを着座させる。基板Aの冷却後は、マガジンラック101を再度上昇させて、上記実施形態のものと同様にワーク受け114aに基板Aを支持させた状態で冷却プレート91から基板Aを持ち上げる。
【0076】
このように、ラック空間内における基板Aの搬送を行う搬送部材としてラック内空間の外方に退避自在な送りローラ144′を用いれば、冷却プレート91に逃げ穴99を形成せずに済み、基板Aの冷却効率を向上できる。
【0077】
なお、昇降自在な送りローラ144を用いる上記実施形態のものでも、搬送高さ位置を図21のように設定し、基板搬入後に先ずマガジンラック101を上昇させて、ワーク受け114aに基板Aを支持させ、その後、送りローラ144を下降させると共にマガジンラック101を下降させて、基板Aを冷却プレート91に着座させることができる。然し、上記実施形態のように、基板搬入後の送りローラ144の下降だけで基板Aを冷却プレート91に着座させる方式の方が能率的には有利である。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、冷却手段とバッファ手段とが同一の場所にオーバーラップしてスペース効率良く配置されることになり、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る発光機能層製造ラインの全体構成を表した平面図である。
【図2】実施形態に係る描画装置の全体斜視図である。
【図3】実施形態に係る描画装置の動作を説明する動作説明図である。
【図4】実施形態に係る描画装置による発光機能液の吐出パターンを示す基板の拡大平面図である。
【図5】実施形態に係る移載装置(移載ロボット)の構造図である。
【図6】実施形態に係る発光機能層製造ラインにおける基板の搬送形態を示す模式図である。
【図7】実施形態に係る乾燥装置の全体斜視図である。
【図8】実施形態に係る乾燥装置の側面図である。
【図9】実施形態に係る乾燥装置の天上部を取り外した状態の斜視図である。
【図10】実施形態に係る乾燥装置で用いるホットプレートの斜視図である。
【図11】実施形態に係るワーク搬送装置の全体斜視図である。
【図12】実施形態に係るワーク搬送装置の全体正面図である。
【図13】実施形態に係る冷却プレートの平面図である。
【図14】実施形態に係る冷却プレートの側面図である。
【図15】実施形態に係る冷却プレートの部分拡大断面図である。
【図16】実施形態に係るバッファ手段の全体斜視図である。
【図17】図16のXVII―XVII線切断面図である。
【図18】実施形態に係るバッファ手段用搬送機構の全体斜視図である。
【図19】実施形態に係るバッファ手段用搬送機構のカバーを取り外した状態の側面図である。
【図20】実施形態における冷却プレートに対する基板の着座動作の説明図である。
【図21】他の実施形態における冷却プレートに対する基板の着座動作の説明図である。
【図22】実施形態における乾燥装置での乾燥時間の管理処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
A…基板(ワーク)、1a,1b,1c…処理ユニット、2,2a,2b,2c…描画装置、4,4a,4b,4c…乾燥装置、5,5a,5b…ワーク搬送装置、26…液滴吐出ヘッド、44…冷却手段、45…バッファ手段、91…冷却プレート、92…プレート本体、93…上板、95…冷媒通路、97…吸着穴、 98…溝、101…マガジンラック、102…昇降機構、113…マガジンラックの側枠、114…ワーク受け、144,144′…送りローラ(搬送部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、前工程で加熱された板状のワークを次工程に搬送する、ワークの冷却機能とバッファ機能とを持つワーク搬送装置及びこれを備えるワーク処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットヘッドに代表される液滴吐出ヘッドを具備する描画装置を用い、カラーフィルタや有機EL装置を製造する試みが為されている。この場合、液滴吐出ヘッドにフィルタ材料や発光機能材料を含有する機能液を導入し、板状ワークたるカラーフィルタの基板や有機EL装置の基板に対し液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントや有機EL機能層と成る機能液滴を塗布し、その後機能液滴を乾燥固化させて、フィルタエレメントや有機EL機能層を形成する。
また、生産性を向上させるため、R(赤)・G(緑)・B(青)の3色に合わせて3台の描画装置を用い、基板をこれら描画装置に順送りして、R・G・Bの各色に対応する機能液滴を順に塗布することも考えられている。この場合、機能液滴を固化させる最終的な乾燥は後工程で行うとしても、各描画装置で基板に塗布された機能液滴が後段の描画装置への搬送途中で流動しないように、各描画装置に乾燥装置を併設して、基板に塗布された機能液滴を乾燥装置により流動性を失う程度に乾燥させてから基板を後段の描画装置に搬送することが必要になる。このように描画装置と乾燥装置とで処理ユニットを構成し、処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワーク(基板)を各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りする場合、ワークが前段の処理ユニットの乾燥装置での加熱により温度上昇したまま後段の処理ユニットの描画装置に投入されると、熱膨張によるワーク寸法の狂いで機能液滴の塗布位置精度を確保できなくなる。
そのため、ワーク搬送装置に、ワークを冷却する冷却手段を配置することが必要になる。また、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が液滴吐出ヘッドのクリーニング作業等でストップする場合に備えて、ワーク搬送装置に、ワークを一時的にストックするバッファ手段を設けることも必要になる。
尚、従来、冷却手段として冷媒で強制冷却される冷却プレートを用い、ワークを冷却プレートに着座させて冷却することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−127330号公報(段落0135,図14)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如くワーク搬送装置に冷却手段とバッファ手段とを配置する場合、冷却手段とバッファ手段とをワーク搬送方向に単純に並設すると、装置が大型化するため、冷却手段とバッファ手段とをスペース効率良く配置することが望まれる。
【0005】
本発明は、以上の要望に適合したワーク搬送装置及びこれを備えるワーク処理装置を提供することをその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、前工程で加熱された板状のワークを次工程に搬送するワーク搬送装置であって、ワークを冷却する冷却手段と、ワークを一時的にストックするバッファ手段とを備えるものにおいて、本発明では、前記冷却手段を、ワークを着座させる、冷媒によって強制冷却される冷却プレートで構成すると共に、前記バッファ手段を、前記冷却プレートに着座して冷却されたワークを前記冷却プレートの上方空間に持ち上げてストックするように構成している。
【0007】
上記の構成によれば、冷却プレートの上方空間がワークのストック空間として活用され、冷却手段とバッファ手段とが同一の場所にオーバーラップしてスペース効率良く配置されることになり、装置の小型化を図れる。
【0008】
そして、液滴吐出ヘッドを用いて板状のワークに液滴を塗布する描画装置と、ワークに塗布された液滴を乾燥する乾燥装置とを備える処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワークを各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りするようにしたワーク処理装置において、前記各ワーク搬送装置として上記本発明のワーク搬送装置を用いることにより、ワーク処理装置の全体のライン長さを短縮することができる。
【0009】
この場合、描画装置の液滴吐出ヘッドにフィルタ材料を含有する機能液を導入して、ワークたるカラーフィルタの基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントと成る機能液滴を塗布し、或いは、描画装置の液滴吐出ヘッドに発光機能材料を含有する機能液を導入して、ワークたる有機EL装置の基板上の多数の画素領域に有機EL層と成る機能液滴を塗布することにより、カラーフィルタや有機EL装置を効率良く製造することができる。
【0010】
更に、前段の処理ユニットの乾燥装置でワーク(基板)が加熱されても、ワーク搬送装置に配置した冷却手段たる冷却プレートによりワークが冷却されるため、後段の処理ユニットの描画装置における、ワークの熱膨張に起因する液滴の塗布位置精度の悪化が防止される。
【0011】
また、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が液滴吐出ヘッドのクリーニング作業等でストップしても、前段の処理ユニットの乾燥装置からワークを払い出して、ワーク搬送装置に配置したバッファ手段によりストックしておくことができる。ここで、カラーフィルタや有機EL装置の基板には、混色、色抜けを防止するために、画素領域に親液性、画素領域の周辺領域に撥液性を付与する前処理が施されているが、乾燥装置の加熱温度が低いと、画素領域の周辺領域に溶剤が残り、後段の処理ユニットの描画装置において混色、色抜けを発生させる要因になり、また、乾燥時間のバラツキにより、機能液滴が乾燥して収縮する過程において膜厚が不均一になる。
【0012】
然し、本発明では、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入がストップしている間も、上記の如く前段の処理ユニットの乾燥装置からワークを払い出すことができるため、乾燥装置におけるワークの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、乾燥装置からワークを払い出し、ワークの乾燥時間を一定に管理して、膜厚が不均一になることを防止できる。
【0013】
ところで、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が長時間ストップされた場合にも対処できるように、バッファ手段のストック容量(ストック可能なワークの枚数)を大きくすることが望まれる。この場合、ワークの搬送方向をx軸方向、x軸方向に直交する水平方向をy軸方向として、冷却プレートのy軸方向両側方に配置される上下方向に延びる側枠を有し、この側枠に、ワークの下面側縁部に係合してワークを支持するワーク受けを上下複数段に取り付けて成るマガジンラックと、このマガジンラックを昇降する昇降機構とでバッファ手段を構成すれば、簡単な構造でストック容量を大きくすることができ、有利である。
【0014】
このようなマガジンラックを用いる場合、マガジンラックの両側枠間のラック内空間において、冷却プレートより上方の所定の搬送高さ位置でx軸方向にワークを搬送する搬送部材を設け、マガジンラックの複数段のワーク受けの内の次にワークを支持させるべきワーク受けとその上段のワーク受けとの間の間隔内に前記搬送高さ位置に存するワークが収まるような高さにマガジンラックを保持した状態でラック内空間に搬送部材によってワークを搬入すれば、ワークを冷却プレートやワーク受けとの干渉を生ずることなくスムーズに搬送することができる。
【0015】
そして、前記搬送高さ位置を、マガジンラックの複数段のワーク受けの内の次にワークを支持させるべきワーク受けを冷却プレートの上面より若干下方に位置させた状態で、このワーク受けとその上段のワーク受けとの間の間隔内に前記搬送高さ位置に存するワークが収まるような高さに設定すると共に、搬送部材を前記搬送高さ位置から下降自在とすれば、ラック内空間にワークを搬入した後、搬送部材を下降させて、冷却プレートにワークを着座させ、ワークの冷却後にマガジンラックを上昇させて、次にワークを支持させるべきワーク受けにワークを支持させた状態で冷却プレートからワークを持ち上げることができる。
【0016】
また、搬送部材をラック内空間の外方に退避自在とし、ラック内空間にワークを搬入した後、次にワークを支持させるべきワーク受けが前記搬送高さ位置に存するワークを支持するようにマガジンラックを上昇させ、その後搬送部材をラック内空間の外方に退避させた状態でマガジンラックを下降させて、冷却プレートにワークを着座させ、ワークの冷却後にマガジンラックを再度上昇させて、次にワークを支持させるべきワーク受けにワークを支持させた状態で冷却プレートからワークを持ち上げるようにしても良い。
【0017】
ところで、冷却プレートでワークを効率良く冷却するには、冷却プレートの上面にワークを密着させることが必要になる。そのため、冷却プレートの上面に、ワークをエアー吸引で吸着する複数の吸着孔を設けることが望ましい。
【0018】
この場合、冷却プレートを、冷媒を流す冷媒通路を具備するプレート本体と、このプレート本体の上面に取り付けた上板とで構成し、前記吸着孔を上板に開設すると共に、プレート本体の上面に、吸着孔に連通するエアーの吸引通路となる溝を形成しておけば、冷媒通路と吸引通路とが平面視で交差するように配置されていても、両通路を互いに隔絶させた状態で容易に形成でき、有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、有機EL装置の製造ラインの一部を構成する発光機能層製造ライン(ワーク処理装置)である。この発光機能層製造ラインは、前工程で回路素子、バンクおよび画素電極が形成された基板(ガラス基板)を導入し、この基板に有機ELにおけるR・G・B色の発光層および正孔注入層(有機EL機能層)を、いわゆるインクジェット方式で作り込むものである。また、有機ELでは、酸素および水分を嫌うため、この発光機能層製造ラインにおける基板の処理は、全て不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気中で行われる。
【0020】
同図に示すように、この発光機能層製造ライン1では、図示の左側が搬入側、右側が搬出側となっていて、基板(ワーク)Aは、ライン内の各処理装置を経由して搬入側から搬出側に一方向に送られる。発光機能層製造ライン1の主な処理装置は、搬入側に位置しB色の発光層を形成するB色描画装置2aと、中間に位置しR色の発光層を形成するR色描画装置2bと、搬出側に位置しG色の発光層を形成するG色描画装置2cとで構成されている。なお、図示では、正孔注入層を形成する描画装置は、省略されている。
【0021】
また、B色描画装置2aに対応し、B色移載装置3aを挟んでB色乾燥装置4aを設けて、これら装置2a,3a,4aによりB色の処理ユニット1aを構成し、またR色描画装置2bに対応し、R色移載装置3bを挟んでR色乾燥装置4bを設けて、これら装置2b,3b,4bによりR色の処理ユニット1bを構成し、更にG色描画装置2cに対応し、G色移載装置3cを挟んでG色乾燥装置4cを設けて、これら装置2c,3c,4cによりG色の処理ユニット1cを構成している。一方、B色処理ユニット1aとR色処理ユニット1bとの間には、B色処理ユニット1aで処理した基板AをR色処理ユニット1bに搬送する第1搬送装置5aが配設され、同様にR色処理ユニット1bとG色処理ユニット1cとの間には、R色処理ユニット1bで処理した基板AをG色処理ユニット1cに搬送する第2搬送装置5bが配設されている。
【0022】
また、搬入側には、ストックした処理前の基板Aを送り出す搬入側マガジンローダ6と、搬入側マガジンローダ6から基板Aを受け取り、これをB色移載装置3aに臨ませる搬入側移載装置7とが、配設されている。同様に、搬出側には、処理後の基板Aをストックする搬出側マガジンローダ8と、基板AをG色移載装置3cから受け取ってこれを、搬出側マガジンローダ8に送り込む搬出側移載装置9とが、配設されている。
【0023】
ところで、本実施形態では、描画装置2に対し縦向きに導入される基板Aと横向きに導入される基板Aとがある(図6参照)。そこで、搬入側移載装置7には、基板を水平姿勢のまま90°回転させてB色移載装置3aに臨ませる回転機構が組み込まれている(図示省略)。同様に、搬出側移載装置9にも、搬出側マガジンローダ8に送り込む前に、基板Aを水平姿勢のまま90°回転させる回転機構が組み込まれている(図示省略)。
【0024】
一方、基板Aの処理を不活性ガスの雰囲気中で行うため、R・G・B各色の描画装置2a,2b,2cは、それぞれクリーンルーム形式のメインチャンバ11,11,11に収容されている。同様に、基板Aの搬送を不活性ガスの雰囲気中で行うため、各移載装置3a,3b,3c,7,9や第1・第2搬送装置5a,5b等には、それぞれカバーケース形式のサブチャンバ12が設けられている。なお、各乾燥装置4a,4b,4cは、各移載装置3a,3b,3cに対向する前面部分をサブチャンバ12に挿入して内部が不活性ガスの雰囲気中に置かれるようにしている。そして、これら複数のメインチャンバ11と複数のサブチャンバ12とは、境界部分にシャッタ(図示省略)を有してトンネル状に連結されている。
【0025】
図2および図3に示すように、各色の描画装置2は、発光機能液をインクジェット方式で吐出するものであり、機台21上に設置したX軸テーブル22と、X軸テーブル22に直交するY軸テーブル23と、Y軸テーブル23に吊設したメインキャリッジ24とを、備えている。メインキャリッジ24の下部には、サブキャリッジ25を介して複数の液滴吐出ヘッド26が下向きに配設されている(図3参照)。また、基板Aは、X軸テーブル22上にセットされている。
【0026】
図3に示すように、この描画装置2は、液滴吐出ヘッド26の駆動(発光機能液の選択的吐出)に同期して基板Aが移動する構成であり、液滴吐出ヘッド26のいわゆる主走査は、X軸テーブル22のX軸方向への往復の両動作により行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、Y軸テーブル23により、液滴吐出ヘッド26のY軸方向への往動動作により行われる。すなわち、発光機能液を導入した液滴吐出ヘッド26を、基板Aに対しX軸およびY軸方向に相対的に走査し、発光機能材料を含有する機能液を選択的に吐出して基板A上の多数の画素領域に、発光機能層をそれぞれ形成するようになっている。
【0027】
この場合、発光機能層のうち正孔注入層を形成する機能液としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
【0028】
一方、発光層を形成する機能液としては、ポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープすることにより用いることができる。
【0029】
そして、図4に示すように、発光層を形成するR・G・B各色の画素領域の配置は、ストライブ配置、モザイク配置およびデルタ配置が用いられる。また、基板Aには、各画素領域が発光機能液に対する親液性を持ち、各画素領域の周辺領域が撥液性を持つように前処理が施されている。
【0030】
なお、上記の構成のワーク処理装置は、カラーフィルタの製造にも適用可能である。カラーフィルタの製造では、R・G・B各色のフィルタ材料を含有する機能液として、例えばポリウレタン樹脂オリゴマ−に無機顔料を分散させた後、低沸点溶剤としてシクロヘキサノンおよび酢酸ブチルを、高沸点溶剤としてブチルカルビトールアセテートを加え、さらに非イオン系界面活性剤0.01重量%を分散剤として添加し、粘度6〜8センチポアズとしたものを用いる。
【0031】
図5に示すように、R・G・Bの各移載装置3は、旋回および屈伸自在な一対のロボットアーム31,31を有する移載ロボットで構成されており、各ロボットアーム31の先端に設けた薄板フォーク状のロボットハンド32により、基板Aを載置するようにして支持し、移載作業を行う。また、一対のロボットアーム31,31を支持するスタンド部33には、昇降装置(図示省略)が内蔵されており、基板Aの受け取り(上昇)および受け渡し(下降)等のために、一対のロボットアーム31,31を適宜、昇降できるようになっている。
【0032】
例えば、中間のR色移載装置3bでは、一方のロボットアーム31を駆動させ、第1搬送装置5aから受け取った基板Aを、水平姿勢を維持したまま旋回させ、これを水平面内で90°回転させてR色描画装置2bのX軸テーブル22上に送り込む。また、R色描画装置2bで処理を完了した基板Aは、他方のロボットアーム31を駆動させ、X軸テーブル22から基板Aを受け取って、これを大きく旋回するようにして水平面内で180°回転させ、R色乾燥装置4bに送り込む。但し、基板Aが横向きの基板Aである場合には、一旦第2搬送装置5bの後記する90°回転装置42に移載した後、ここで90°回転させ、これを再度受け取ってR色乾燥装置4bに送り込む。そして、R色乾燥装置4bで処理を完了した基板Aは、他方のロボットアーム31を駆動させ、R色乾燥装置4bから基板Aを受け取って、これを旋回するようにして水平面内で90°回転させて、第2搬送装置5bに送り込む(図6参照)。
【0033】
R・G・Bの各乾燥装置4は、図7乃至図9に示す如く、単一の乾燥炉51にホットプレート52を上下複数段(図示例では6段)に収納して成るもので、これら各ホットプレート52に基板Aを着座させて、複数枚の基板乾燥を同時に行い得られるようにしている。なお、これら各乾燥装置4は、各描画装置2により基板Aに塗布された機能液滴が基板Aの搬送中に流動して混色を生じたり、急激な溶剤の蒸発で膜厚が不均一になることがないように、機能液滴を流動性を失う程度に仮乾燥させる目的で設けられており、機能液滴を固化させて発光層を形成する最終的な乾燥は図示の製造ラインの後工程で行う。乾燥装置4における基板Aの加熱温度は、40±2℃〜200±2℃であることが、好ましい。
【0034】
乾燥炉51の前面には、前記複数段のホットプレート52に臨む出入口51aが開設されている。出入口51aは常時開放されており、移載装置3により出入口51aを通して各ホットプレート52に対する基板Aの送り込みと取り出しとを行う。
【0035】
また、乾燥炉51の背面には、チャンバーケース53が蝶番53aを介して開閉自在に取り付けられている。チャンバーケース53の奥行き方向中間には、複数段のホットプレート52の各段間の間隙に臨む複数の通気孔54aを形成した分流板54が設けられており、分流板54とチャンバーケース53の背面との間に、乾燥炉51の炉内空間に分流板54を介して連通する排気室55が画成されている。そして、チャンバーケース53の背面に、排気室55に連通する上下複数(図示例では3個)の排気口55aを設け、これら排気口55aを乾燥炉51上に設けた排気手段たる排気ブロワー56に複数の流入側接続口57aを有する合流チャンバー57を介して接続している。なお、排気口55aと合流チャンバー57と排気ブロワー56はそれぞれ排気パイプを介して接続されるが、図では排気パイプを省略している。
【0036】
この構成によれば、分流板54の各通気孔54aに排気室55を介して排気ブロワー56の吸引力が作用し、乾燥炉51の前面の出入口51aからサブチャンバ12内の不活性ガスが炉内に流入して、複数段のホットプレート52の各段間の間隙を通って通気孔54aに向かう不活性ガスによる換気流が生成される。そのため、乾燥中に蒸発した機能液滴中の溶剤等は換気流に乗って乾燥炉51内から速やかに排出され、乾燥が効率良く行われる。更に、上下複数の排気口55aを設けているため、上下何れの通気孔54aにも均等に吸引力が作用して、全てのホットプレート52間の間隙に均等に換気流が流れ、何れのホットプレート52においても効率良く乾燥が行われる。
【0037】
また、本実施形態では、ホットプレート52の各段間の間隙毎に比較的大きな通気孔54aを横1列で4個形成すると共に、分流板54に各列の通気孔54aの開口面積を調整するスライド式の調整板54bを付設し、換気量を調整できるようにしている。なお、分流板54に小口径の多数の通気孔を分散して形成しても良い。
【0038】
各ホットプレート52は、図10に示す如く、上面のワーク着座面52aに対し基板Aを位置決めする複数の位置決めピン52bと、プレート内のヒータに電力を供給する後縁のコネクタ52cとを備え、更に、側縁部には、ワーク着座面52aに対し下方への段差を存して側方に張り出す耳辺部52dが形成されている。そして、耳辺部52dに対し前後方向に摺動自在に係合する溝型のレール部材58を設けて、レール部材58を断熱材58aと固定部材58bとを介して乾燥炉51の側壁内面に上下複数段に固設し、各ホットプレート52を、耳辺部52dの後端に設けた止めねじ52eを外すことで、各レール部材58、即ち、乾燥炉51に対し抜き差し自在としている。ここで、チャンバーケース53は、上記の如く開閉自在に取り付けられており、チャンバーケース53を開くことで乾燥炉51の背面が開放される。そのため、基板Aの機種変更に際し、ホットプレート52を基板Aの大きさに合わせたものに乾燥炉51の背面側から容易に交換できる。
【0039】
また、乾燥炉51には、各ホットプレート52と移載装置3との間で基板Aを受け渡す際に、各ホットプレート52と基板Aとの間にロボットハンド32を挿入可能な間隙を確保するため、複数段のホットプレート52から基板Aを選択的に押し上げて支持可能な押し上げ機構59が組み込まれている。押し上げ機構59は、乾燥炉51の側壁外面に配置した、昇降動する上下方向に長手の昇降部材60と、乾燥炉51の側壁の内側に上下複数段に配置した、各ホットプレート52のワーク着座面52aから張り出す基板Aの側縁部の下面に係合可能な係合部材61と、これら係合部材61を、基板Aの前記側縁部の上下方向の投影面内に入る作動位置とこの投影面の外方の退避位置とに個別に進退されるように昇降部材60に連結する進退機構62とで構成されている。
【0040】
なお、本実施形態では、図10に示す如く、ホットプレート52の各側部に前後3箇所の切り欠き部52fが形成されており、ワーク着座面52aからこれら切り欠き部52f上に張り出す基板Aの側縁部分に係合するように、係合部材61に前後3箇所の爪部61aを突設している。
【0041】
進退機構62は、昇降部材60に上下複数段に取り付けたガイド63a付きシリンダ63と、各シリンダ63のピストンロッド63bに連結されて横方向に進退する前後方向に長手の可動アーム64とで構成され、可動アーム64の両端に、各係合部材61の前後両端に固定される連結片61bを乾燥炉51の側壁に形成した透孔51bを通して連結している。かくて、複数のシリンダ63を選択的に作動させることにより対応する係合部材61が選択的に作動位置に進出する。
【0042】
昇降部材60の下端には、乾燥炉51の下方に配置した偏心カム65に当接するカムフォロア66が枢着されており、偏心カム65を乾燥炉51の下方に配置したシリンダ67によりクランク68と図外の歯車とを介して回転させることにより、昇降部材60が乾燥炉51の側壁外面に固定したレール69に沿って昇降される。なお、乾燥炉51の側壁には、押し上げ機構59を覆うようにしてカバー51cが取り付けられる。
【0043】
以上の構成によれば、何れかのホットプレート52に対して基板Aを脱着する際、対応する係合部材61のみを作動位置に進出させた状態で昇降部材60を上昇させることにより、該当するホットプレート52上の基板Aを係合部材61で選択的に押し上げることができる。そして、このものでは、各ホットプレート52の下側に押し上げ機構用の昇降スペースを確保する必要がなく、乾燥炉51の高さ寸法を大きくせずに済む。
【0044】
図11及び図12に明示するように、第1・第2の各搬送装置5a,5bとして用いるワーク搬送装置5は、キャビネット形式の共通機台41上に、基板Aを水平面内において90°回転させる上流側の90°回転装置42と、基板Aを水平面内において180°回転させる下流側の180°回転装置43とを配置すると共に、両回転装置42,43間に、基板Aを冷却する冷却手段44と、基板Aを処理待ちのためにストックしておくバッファ手段45とを配置して、構成されている。
【0045】
上述したように、90°回転装置42は、基板Aを各乾燥装置4に適切に送り込むため、R・G・Bの各移載装置3と協働して、横向きの基板を90°回転させて縦向きとする。また、移載装置3を介して乾燥装置4から受け取った基板Aを冷却手段44に送り込む。バッファ装置45は、冷却手段44で冷却された基板Aをストックし、次の描画装置2への基板の投入が液滴吐出ヘッド26のクリーニング等でストップされたときに、基板Aを搬送装置5上で待機させる。180°回転装置43は、各移載装置3の移載形態に基づく基板Aの姿勢変更を元に戻すべく、これを180°回転させ、R・G・Bの各描画装置2に対し、基板Aを全く同一の姿勢で送り込めるようにしている。
【0046】
ここで、図1および図6を参照して、実施形態の発光機能層製造ライン1における基板Aの搬送および処理手順について、簡単に説明する。
【0047】
搬入側移載装置7が、搬入側マガジンローダ6から受け取った基板AをB色移載装置3aに臨ませると、B色移載装置3aの一方のロボットアーム31がこれを受け取り、B色描画装置2aに送り込む。B色描画装置2aでは、受け取った基板AをX軸およびY軸方向に相対的に移動させ、これにB色の発光機能液滴を選択的に吐出する。吐出動作が終了してホーム位置に戻った基板Aに、B色移載装置3aの他方のロボットアーム31が臨んでこれを受け取り、B色乾燥装置4aに送り込む。
【0048】
基板乾燥が完了すると、他方のロボットアーム31がこれを受け取って、第1搬送装置5aの90°回転装置42に移載し、基板Aを90°回転装置42から冷却手段44に送る。そして、冷却手段44で冷却された基板Aをバッファ手段45に送り込む。次に、R色描画装置2bにおける基板Aの処理状況を待って、バッファ手段45から180°回転装置43に基板Aを送り、これを180°回転させて、R色移載装置3bに臨ませる。
【0049】
以降、上記と全く同様に、R色移載装置3bによる基板Aの移載と、R色描画装置2bおよびR色乾燥装置4bによる基板Aの処理が行われる。さらに、R色乾燥装置4bから第2搬送装置5bに移載された基板Aは、第2搬送装置5bからG色移載装置3cを介して、G色描画装置2cおよびG色乾燥装置4cに適宜送り込まれ処理される。このようにして、R・G・Bの発光機能層が形成されて基板Aは、最後にG色乾燥装置4cからG色移載装置3cを介して搬出側移載装置9に移載され、これから搬出側マガジンローダ8に送り込まれる。
【0050】
90°回転装置42と180°回転装置43とは同様の構成になっており、それぞれ基板Aを水平面内で回転させる回転部71,81と、基板Aの搬出や搬入を行う搬送部72,82とを備えている。回転部71,81には、基板Aをセンタリングするセンタリング機構を組み込んだワークテーブル73,83が回転及び昇降自在に設けられている。移載装置3から90°回転装置42に基板Aを移載する場合には、ワークテーブル73を搬送部72の上側に上昇させた状態で基板Aをワークテーブル73に載置する。
【0051】
そして、基板Aを90°回転させる場合には、センタリング機構により基板Aを回転中心にセンタリングしてからワークテーブル73を回転させる。一方、基板Aを90°回転装置42から搬出する場合には、ワークテーブル73を下降させて、基板Aを搬送部72設けた複数の送りローラ74に受け渡し、続いて送りローラ74の回転送りにより、基板Aを冷却手段44に向けて送り出す。
【0052】
バッファ手段45から180°回転装置43に基板Aを送り出す場合は、ワークテーブル83を下降させた状態で搬送部82の複数の送りローラ84によりワークテーブル83の直上部まで基板Aを搬入し、次に、ワークテーブル83を上昇させて、ワークテーブル83に基板Aを受け取らせる。そして、センタリング機構により基板Aを回転中心にセンタリングしてからワークテーブル83を180°回転させ、この状態で基板Aを移載装置3に受け取らせる。
【0053】
冷却手段44は、前段の処理ユニットの乾燥装置4で加熱された基板Aを描画装置2の設定管理温度(例えば、20°C)に冷却し、後段の処理ユニットの描画装置2において、基板Aの熱膨張に起因する位置決め精度や液滴の塗布位置精度の悪化を生ずることを防止するために設けられている。本実施形態の冷却手段44は、冷媒で強制冷却される冷却プレート91で構成されており、冷却プレート91を共通機台41の中間部に共通機台41内に立設する支柱(図示せず)で浮き支持させ、90°回転装置42から送られてきた基板Aを冷却プレート91に着座させて冷却するようにしている。
【0054】
冷却プレート91の詳細は図13乃至図15に示す通りであり、厚肉のプレート本体92と、プレート本体92の上面に固着した薄肉の上板93と、プレート本体92の下面に固着した台座94とで構成されている。プレート本体92には、冷媒を流す冷媒通路95が平行に複数形成されており、これら冷媒通路95を流入側と流出側のヘッダパイプ96a、96bを介して冷媒循環回路96に接続している。
【0055】
冷媒としては冷却水を用いることもできるが、本実施形態では、エアーを冷媒とし、冷媒循環回路96に循環ファン96cとクーラ96dとを開設している。また、プレート本体92の両端部には、各冷媒通路95をヘッダパイプ96a、96bに接続するワンタッチジョイント95aが取り付けられている。なお、本実施形態では、プレート本体92に冷媒通路95を穴明け加工で形成しているが、冷媒通路となるパイプをプレート本体92に鋳込むことも可能である。
【0056】
上板93には、多数の吸着孔97が開設されている。そして、プレート本体92の上面に、これら吸着孔97に連通する網の目状の溝98を形成し、溝98に、台座94に取り付けたジョイント98aを介して図外の負圧源を接続している。かくして、溝98をエアーの吸引通路として、吸着孔97からのエアー吸引が行われ、上板93に基板Aが吸着されて、基板Aが効率良く冷却される。
【0057】
なお、冷却プレート91は、基板Aより若干幅狭に形成され、また、後記する搬送部材144に対する逃げ穴99が形成されている。
【0058】
バッファ手段45は、図16及び図17に示すように、基板Aを上下複数段に支持可能なマガジンラック101と、マガジンラック101を昇降する昇降機構102とで構成されている。マガジンラック101は、上枠111と、下枠112と、上枠111と下枠112とを連結する上下方向にのびる各3本の枠材113aから成る両側の側枠113,113とで中空の箱状に形成されており、各側枠113の枠材113aに、基板Aの側縁部下面に係合して基板Aを支持する爪状のワーク受け114を上下複数段に取り付けている。また、マガジンラック101は、基板Aの大きさに合わせた専用品になっており、マガジンラック101の交換時に持ち運びできるように、上枠111の両側部に取手115が取り付けられている。なお、冷却プレート91も、基板Aの大きさに合わせた専用品になっており、マガジンラック101と一緒に交換する。
【0059】
マガジンラック101は、基板Aの搬送方向をx軸方向、これに直交する水平方向をy軸方向として、冷却プレート91のy軸方向両側方に両側枠113,113が位置し、冷却プレート91の下方に下枠112が位置する状態で昇降機構102に支持されている。換言すれば、マガジンラック101の両側枠113,113間のラック内空間に収まるように冷却プレート91を配置している。そして、マガジンラック101の上昇により、冷却プレート91に着座している基板Aの冷却プレート91から張り出す側縁部下面にワーク受け114を係合させて、基板Aを冷却プレート91の上方に持ち上げ、この状態で基板Aをストックするようにしている。
【0060】
かくして、冷却プレート91の上方空間がバッファ手段45による基板Aのストックスペースとして有効活用されることになる。従って、冷却手段44とバッファ手段45とを同一の場所にオーバーラップさせてスペース効率良く配置できるようになり、ワーク搬送装置5の小型化を図れる。なお、マガジンラック101には、上方のワーク受け114から下方のワーク受け114に向けて基板Aを順にストックする。
【0061】
昇降機構102は、共通機台41内にy軸方向に離間して固定される一対の支持フレーム121,121と、各支持フレーム121に一対のガイドバー122,122を介して昇降自在に支持される昇降枠123とを備えており、昇降枠123上の受け座124にマガジンラック101の下枠112を着座させている。なお、支持フレーム121の外側面には、共通機台41内に固定するための取り付けブラッケト121aが固設されている。
【0062】
昇降枠123には、支持フレーム121に軸支されるボールねじ125に螺合するナット126が固定されており、ボールねじ125の回転で昇降枠123が昇降される。一方の支持フレーム121に軸支されるボールねじ125は、この支持フレーム121の下端に取り付けたギヤードモータ127に直結され、他方の支持フレーム121に軸支されるボールねじ125は、ベルト128を介してギヤードモータ127に連結されており、両支持フレーム121,121に支持されるy軸方向両側の昇降枠123,123がギヤードモータ127により同期して昇降されて、マガジンラック101が水平姿勢を保って昇降される。
【0063】
各昇降枠123には、それぞれシリンダ129aによりy軸方向に進退される一対の押え爪129,129と、それぞれシリンダ130aによりアーム130bを介してx軸方向に進退される一対の位置決めピン130,130とが設けられている。そして、両位置決めピン130,130によりマガジンラック101の下枠112をx軸方向両側から挟むことで、マガジンラック101をx軸方向に位置決めすると共に、両昇降枠123,123の押え爪129,129によりマガジンラック101の下枠112をy軸方向両側から挟みつつ下方に押しつけることで、マガジンラック101をy軸方向にも位置決めした状態で昇降枠123に固定し得るようにしている。
【0064】
各支持フレーム121のx軸方向一端部には、上下方向に長手のスリット131が固定されており、各昇降枠123にスリット131の切欠きを読み取る光学センサ132を取り付け、この光学センサ132からの信号でマガジンラック101の上下方向位置を認識できるようにしている。
【0065】
更に、各支持フレーム121の上端部には、シリンダ133によりy軸方向に進退される可動枠134が設けられている。可動枠134には、マガジンラック101の側枠113の枠組み空隙に臨む複数のガイドローラ135が取り付けられており、後記する搬送機構103でラック内空間における基板Aの搬送を行う際、可動枠134のy軸方向内方への移動でガイドローラ135を側枠113の枠組み空隙を通してラック内空間に進入させ、基板Aの側縁をガイドローラ135でガイドして、搬送時の基板Aの斜行を防止できるようにしている。なお、図16,17の左側の支持フレーム121に示されているように、シリンダ133は支持フレーム121上のカバー136で覆われる。
【0066】
また、図16,17では省略しているが、両支持フレーム121,121間のスペースには、ラック内空間における基板Aの搬送を行う、図18および図19に示す搬送機構103が設けられている。搬送部材103は、図外のシリンダで昇降される昇降台141に搭載したコンベアフレーム142を備えている。コンベアフレーム142のy軸方向両側には、x軸方向に離間させて一対の起立フレーム143,143が立設されており、これら各起立フレーム143の上端部内側面に、それぞれ搬送部材たる複数(図示例では3個)の送りローラ144が軸着されている。これら送りローラ144は、コンベアフレーム142の下部に搭載したモータ145によりベルト式の動力伝達機構146を介して回転される。なお、動力伝達機構146は起立フレーム143,143の外側のカバー147で覆われている。
【0067】
起立フレーム143および送りローラ144は、冷却プレート91に形成した逃げ穴99に臨んでおり、昇降台141の上昇で送りローラ144が逃げ穴99を通して冷却プレート91の上面上に突出し、冷却プレート91の上面より上方の所定の搬送高さ位置でラック内空間における基板Aの搬送を行う。なお、この搬送高さ位置は、90°回転装置42や180°回転装置43の搬送部72,82による搬送高さと同レベルに設定される。
【0068】
本実施形態では、上記搬送高さ位置を、図20(a)に示すように、マガジンラック101の複数段のワーク受け114の内の次に基板Aを支持させるべきワーク受け114aを冷却プレート91の上面より若干下方に位置させた状態で、このワーク受け114aとその上段のワーク受け114bとの間の間隔内に当該搬送高さ位置に存する基板Aが収まるような高さに設定している。
【0069】
そして、90°回転装置42の搬送部72から送り出される基板Aを送りローラ144によりラック内空間に搬入した後、図20(b)に示す如く、送りローラ144を冷却プレート91の上面より下方に下降させて、冷却プレート91の上面に基板Aを着座させ、基板Aを冷却する。次に、時間管理や基板Aの直接的な温度検出等で基板Aが所定温度に冷却されたと判定されたとき、マガジンラック101を上昇させる。これによれば、図20(c)に示す如く、ワーク受け114aに基板Aが支持され、この状態で冷却プレート91から基板Aが持ち上げられる。
【0070】
このようにしてマガジンラック101にストックされた基板Aを180°回転装置43に送り出す際は、送りローラ144を冷却プレート91の上方に突出させた状態でマガジンラック101を図20(a)に示す位置に下降させ、基板Aを送りローラ144に乗せて、送りローラ144から180°回転装置43の搬送部82に基板Aを搬出する。
【0071】
以上の如くバッファ手段45を設けることにより、後段の処理ユニットの描画装置2への基板Aの投入が液滴吐出ヘッド26のクリーニング作業等でストップしても、前段の処理ユニットの乾燥装置4からワークを払い出して、バッファ手段45にストックしておくことができる。ここで、乾燥装置4で基板Aの加熱温度が低いと、画素領域の周辺領域に溶剤が残り、後段の処理ユニットの描画装置2において混色、色抜けを発生させる要因になり、また、乾燥時間のバラツキにより機能液滴が乾燥して収縮する過程において膜厚が不均一になる。そこで、本実施形態では、後段の処理ユニットの描画装置2への基板Aの投入がストップしている間も、前段の処理ユニットの乾燥装置4における基板Aの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、乾燥装置4から基板Aを払い出して、バッファ手段45に基板Aをストックしている。
【0072】
具体的には、図外の制御手段に、乾燥装置4の複数段のホットプレート52のそれぞれに対応するタイマーを内蔵させ、図22に示されているように、何れかのホットプレート52に基板Aが投入されたときに(S1)、このホットプレート52に対応するタイマーの計時動作を開始し(S2)、基板投入時点から設定時間が経過してタイムアップしたとき(S3)、上記ホットプレート52からの基板Aの払い出しを移載装置3に指令する(S4)。このようにすることで、基板Aの乾燥時間を一定に管理して、膜厚が不均一になることを防止できる。
【0073】
ところで、上記実施形態では、冷却プレート91に送りローラ144に対する干渉防止のための逃げ穴99を形成しているため、基板Aの冷却効率が多少とも低下する。この場合、昇降枠123上に設ける可動枠134に、ガイドローラ135に代えて、図21に示すように送りローラ144′を軸着し、これによりラック内空間における基板Aの搬送を行うようにしても良い。
【0074】
この送りローラ144′は、可動枠134の動きでラック内空間の外方に退避自在となり、ラック内空間における基板Aの搬送高さ位置を、図21(a)に示すように、次に基板Aを支持させるべきワーク受け114aが冷却プレート91の上面より上方に位置する状態で、このワーク受け114aとその上段のワーク受け114bとの間の間隙に当該搬送高さ位置に存する基板Aが収まるような位置に設定しても、以下の作動で基板Aを冷却プレート91に着座させることができる。
【0075】
先ず、ラック内空間に上記搬送高さ位置で基板Aを搬入した後、図21(b)に示す如く、次にワークを支持させるべきワーク受け114aが上記搬送高さ位置に存する基板Aを支持するようにマガジンラック101を上昇させる。その後、送りローラ144′をラック内空間の外方に退避させた状態で、図21(c)に示す如く、マガジンラック101を下降させて、冷却プレート91に基板Aを着座させる。基板Aの冷却後は、マガジンラック101を再度上昇させて、上記実施形態のものと同様にワーク受け114aに基板Aを支持させた状態で冷却プレート91から基板Aを持ち上げる。
【0076】
このように、ラック空間内における基板Aの搬送を行う搬送部材としてラック内空間の外方に退避自在な送りローラ144′を用いれば、冷却プレート91に逃げ穴99を形成せずに済み、基板Aの冷却効率を向上できる。
【0077】
なお、昇降自在な送りローラ144を用いる上記実施形態のものでも、搬送高さ位置を図21のように設定し、基板搬入後に先ずマガジンラック101を上昇させて、ワーク受け114aに基板Aを支持させ、その後、送りローラ144を下降させると共にマガジンラック101を下降させて、基板Aを冷却プレート91に着座させることができる。然し、上記実施形態のように、基板搬入後の送りローラ144の下降だけで基板Aを冷却プレート91に着座させる方式の方が能率的には有利である。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、冷却手段とバッファ手段とが同一の場所にオーバーラップしてスペース効率良く配置されることになり、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る発光機能層製造ラインの全体構成を表した平面図である。
【図2】実施形態に係る描画装置の全体斜視図である。
【図3】実施形態に係る描画装置の動作を説明する動作説明図である。
【図4】実施形態に係る描画装置による発光機能液の吐出パターンを示す基板の拡大平面図である。
【図5】実施形態に係る移載装置(移載ロボット)の構造図である。
【図6】実施形態に係る発光機能層製造ラインにおける基板の搬送形態を示す模式図である。
【図7】実施形態に係る乾燥装置の全体斜視図である。
【図8】実施形態に係る乾燥装置の側面図である。
【図9】実施形態に係る乾燥装置の天上部を取り外した状態の斜視図である。
【図10】実施形態に係る乾燥装置で用いるホットプレートの斜視図である。
【図11】実施形態に係るワーク搬送装置の全体斜視図である。
【図12】実施形態に係るワーク搬送装置の全体正面図である。
【図13】実施形態に係る冷却プレートの平面図である。
【図14】実施形態に係る冷却プレートの側面図である。
【図15】実施形態に係る冷却プレートの部分拡大断面図である。
【図16】実施形態に係るバッファ手段の全体斜視図である。
【図17】図16のXVII―XVII線切断面図である。
【図18】実施形態に係るバッファ手段用搬送機構の全体斜視図である。
【図19】実施形態に係るバッファ手段用搬送機構のカバーを取り外した状態の側面図である。
【図20】実施形態における冷却プレートに対する基板の着座動作の説明図である。
【図21】他の実施形態における冷却プレートに対する基板の着座動作の説明図である。
【図22】実施形態における乾燥装置での乾燥時間の管理処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
A…基板(ワーク)、1a,1b,1c…処理ユニット、2,2a,2b,2c…描画装置、4,4a,4b,4c…乾燥装置、5,5a,5b…ワーク搬送装置、26…液滴吐出ヘッド、44…冷却手段、45…バッファ手段、91…冷却プレート、92…プレート本体、93…上板、95…冷媒通路、97…吸着穴、 98…溝、101…マガジンラック、102…昇降機構、113…マガジンラックの側枠、114…ワーク受け、144,144′…送りローラ(搬送部材)
Claims (11)
- 前工程で加熱された板状のワークを次工程に搬送するワーク搬送装置であって、ワークを冷却する冷却手段と、ワークを一時的にストックするバッファ手段とを備えるものにおいて、
前記冷却手段は、ワークを着座させる、冷媒によって強制冷却される冷却プレートで構成され、
前記バッファ手段は、前記冷却プレートに着座して冷却されたワークを前記冷却プレートの上方空間に持ち上げてストックするように構成されていることを特徴とするワーク搬送装置。 - 前記バッファ手段は、ワークの搬送方向をx軸方向、x軸方向に直交する水平方向をy軸方向として、前記冷却プレートのy軸方向両側方に配置される上下方向に延びる側枠を有し、この側枠に、ワークの下面側縁部に係合してワークを支持するワーク受けを上下複数段に取り付けて成るマガジンラックと、
このマガジンラックを昇降させる昇降機構とで構成されることを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。 - 前記マガジンラックの両側枠間のラック内空間において、前記冷却プレートより上方の所定の搬送高さ位置でx軸方向にワークを搬送する搬送部材を備え、
前記複数段のワーク受けの内の次にワークを支持させるべきワーク受けとその上段のワーク受けとの間の間隔内に前記搬送高さ位置に存するワークが収まるような高さに前記マガジンラックを保持した状態で前記ラック内空間に前記搬送部材によってワークを搬入することを特徴とする請求項2に記載のワーク搬送装置。 - 前記搬送高さ位置は、前記複数段のワーク受けの内の次にワークを支持させるべきワーク受けを前記冷却プレートの上面より若干下方に位置させた状態で、このワーク受けとその上段のワーク受けとの間の間隔内に前記搬送高さ位置に存するワークが収まるような高さに設定され、
前記搬送部材を前記搬送高さ位置から下降自在として、前記ラック内空間にワークを搬入した後、前記搬送部材を下降させて、前記冷却プレートにワークを着座させ、ワークの冷却後に前記マガジンラックを上昇させて、次にワークを支持させるべき前記ワーク受けにワークを支持させた状態で前記冷却プレートからワークを持ち上げることを特徴とする請求項3に記載のワーク搬送装置。 - 前記搬送部材を前記ラック内空間の外方に退避自在とし、
前記ラック内空間にワークを搬入した後、次にワークを支持させるべきワーク受けが前記搬送高さ位置に存するワークを支持するように前記マガジンラックを上昇させ、その後前記搬送部材を前記ラック内空間の外方に退避させた状態で前記マガジンラックを下降させて、前記冷却プレートにワークを着座させ、ワークの冷却後に前記マガジンラックを再度上昇させて、次にワークを支持させるべき前記ワーク受けにワークを支持させた状態で前記冷却プレートからワークを持ち上げることを特徴とする請求項3に記載のワーク搬送装置。 - 前記冷却プレートは、上面に、ワークをエアー吸引で吸着する複数の吸着孔を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のワーク搬送装置。
- 前記冷却プレートは、冷媒を流す冷媒通路を具備するプレート本体と、このプレート本体の上面に取り付けた上板とで構成され、
前記吸着孔を前記上板に開設すると共に、前記プレート本体の上面に、前記吸着孔に連通するエアーの吸引通路となる溝を形成したことを特徴とする請求項6に記載のワーク搬送装置。 - 液滴吐出ヘッドを用いて板状のワークに液滴を塗布する描画装置と、ワークに塗布された液滴を乾燥する乾燥装置とを備える処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワークを各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りするようにしたワーク処理装置において、
前記各ワーク搬送装置として請求項1ないし7のいずれかに記載のワーク搬送装置を用いることを特徴とするワーク処理装置。 - 前記ワークはカラーフィルタの基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドにフィルタ材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントと成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項8に記載のワーク処理装置。
- 前記ワークは有機EL装置の基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドに発光機能材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域に有機EL機能層と成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項8に記載のワーク処理装置。
- 前記乾燥装置におけるワークの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、前記乾燥装置からワークを払い出すことを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載のワーク処理装置。
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