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JP2004159462A - モータ装置 - Google Patents

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JP2004159462A
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Abstract

【課題】本発明は、モータ装置に関し、モータ電流の流通により発生する磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下の防止を簡素な構成で実現することを目的とする。
【解決手段】モータ34のステータ36が有する巻線44,46,48が施される各スロット42をモータ軸中心を挟んで互いに対向させる。また、モータ34の軸方向に隣接して配設されたレゾルバ52のステータ54が有する出力巻線64,66が施される各スロット60をモータ軸中心を挟んで互いに対向させる。モータ34のスロット42に施す同相の巻線44,46,48の巻線方向を、互いに対向するスロット42間で互いに同一方向に設定し、また、レゾルバ52のスロット60に施す同一の出力巻線64,66の巻線方向を、互いに対向するスロット60間で互いに反対方向に設定する。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ装置に係り、特に、モータの回転角度位置を検出するためのレゾルバを備えるモータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータの回転角度位置検出のためにその回転角度位置に応じた信号を出力するレゾルバを搭載するモータ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。レゾルバは、モータの回転角度位置に応じた信号を出力する出力巻線を有している。モータの有する巻線に電流が流通すると、その電流に応じた磁界が発生し、モータを回転させる力が発生する。しかしながら、この際、モータに発生した磁界に起因してレゾルバの出力巻線に誘導電圧が生じ、レゾルバ出力の精度が低下する事態が生じ得る。
【0003】
そこで、上記従来のモータ装置においては、モータとレゾルバとの間にモータで発生する電磁ノイズを低減する静電シールドが設けられている。このため、レゾルバ出力がモータで発生する磁界の影響を受けることがなく、その出力精度の低下を防止することが可能となっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−136055公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如く、レゾルバ出力の精度低下を防止するためにモータとレゾルバとの間に静電シールドを設けた構成では、その静電シールド分の部品点数が増加し、モータ装置全体が大型化すると共に、製造工数の増大が招来してしまう。この点、上記従来のモータ装置では、モータで発生する磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下を簡素な構成で防止することは困難である。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、モータ電流流通時に発生する磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下を防止することが可能なモータ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、モータ軸中心を挟んで対向する一対のモータ用スロットに同相の巻線が施されたモータと、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットに同一の出力巻線が施され、前記モータの回転角度位置に応じた信号を該出力巻線を介して出力するレゾルバと、を備えるモータ装置であって、
前記一対のモータ用スロットに施された前記巻線および前記一対のレゾルバ用スロットに施された前記出力巻線のうちの一方の巻線方向が該一対のスロット間で互いに同一方向であり、かつ、他方の巻線方向が該一対のスロット間で互いに反対方向であるモータ装置により達成される。
【0008】
本発明において、モータ軸中心を挟んで対向する一対のモータ用スロットに施された同相の巻線の巻線方向、及び、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットに施された同一の出力巻線の巻線方向は、一方がその一対のスロット間で互いに同一方向であり、かつ、他方がその一対のスロット間で互いに反対方向である。かかる構成においては、一のモータ用スロットの巻線の巻線方向とその近傍に位置するレゾルバ用スロットの出力巻線の巻線方向とが互いに同一方向である場合、それに対向するモータ用スロットの巻線の巻線方向とレゾルバ用スロットの出力巻線の巻線方向とは互いに反対方向となる。一方、一のモータ用スロットの巻線の巻線方向とその近傍に位置するレゾルバ用スロットの出力巻線の巻線方向とが反対方向である場合、それに対向するモータ用スロットの巻線の巻線方向とレゾルバ用スロットの出力巻線の巻線方向とは同一方向となる。また、一のモータ用スロットとその近傍に位置するレゾルバ用スロットとの相対位置関係と、それに対向するモータ用スロットとレゾルバ用スロットとの相対位置関係とは一致する。
【0009】
従って、モータの巻線に電流が流れることにより磁界が発生した際にその磁束変化に起因してレゾルバの出力巻線に生ずる誘導電圧は、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットの出力巻線間でその大きさが一致し、向きが異なるものとなる。この場合、一対のレゾルバ用スロットの出力巻線で生ずる誘導電圧は互いに打ち消しあうので、発生磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下は防止される。尚、この際、レゾルバ出力の精度低下の防止は、モータの巻線の巻線方向とレゾルバの出力巻線の巻線方向との設定のみの簡素な構成で実現される。
【0010】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載のモータ装置において、前記一対のモータ用スロットに施された前記巻線の巻線方向が互いに同一方向であり、かつ、前記一対のレゾルバ用スロットに施された前記出力巻線が互いに反対方向であることとしてもよい。
【0011】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載のモータ装置において、前記一対のモータ用スロットに施された前記巻線の巻線方向が互いに反対方向であり、かつ、前記一対のレゾルバ用スロットに施された前記出力巻線が互いに同一方向であることとしてもよい。
【0012】
尚、請求項4に記載する如く、請求項1乃至3の何れか一項記載のモータ装置において、前記レゾルバは、前記モータに対して軸方向に並んで配設されていることとすれば、モータ電流流通時に発生する磁界に起因したレゾルバ出力の著しい精度低下を確実に防止することができる。
【0013】
また、上記の目的は、請求項5に記載する如く、モータ軸中心を挟んで対向する一対のモータ用スロットに同相の巻線が施されたモータと、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットに同一の出力巻線が施され、前記モータの回転角度位置に応じた信号を該出力巻線を介して出力するレゾルバと、を備えるモータ装置であって、
前記一対のモータ用スロットの一方に施された前記巻線の巻線方向と該モータ用スロットに最も近接する前記レゾルバ用スロットに施された前記出力巻線の巻線方向とが互いに同一方向であり、かつ、該一対のモータ用スロットの他方に施された前記巻線の巻線方向と該モータ用スロットに最も近接する前記レゾルバ用スロットに施された前記出力巻線の巻線方向とが互いに反対方向であるモータ装置により達成される。
【0014】
本発明において、一のモータ用スロットの巻線の巻線方向とそのモータ用スロットに最も近接するレゾルバ用スロットの出力巻線の巻線方向とは互いに同一方向であり、かつ、そのモータ用スロットに対向するモータ用スロットの巻線の巻線方向とそのモータ用スロットに最も近接するレゾルバ用スロットの出力巻線の巻線方向とは互いに反対方向である。従って、モータの巻線に電流が流れることにより磁界が発生した際にその磁束変化に起因してレゾルバの出力巻線に生ずる誘導電圧は、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットの出力巻線間でその大きさが一致し、向きが異なるものとなる。この場合、一対のレゾルバ用スロットの出力巻線で生ずる誘導電圧は互いに打ち消しあうので、発生磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下は防止される。尚、この際、レゾルバ出力の精度低下の防止は、モータの巻線の巻線方向とレゾルバの出力巻線の巻線方向との設定のみの簡素な構成で実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるモータ装置20を備えるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、車両に搭載されるステアリング装置22のシステムである。ステアリング装置22は、運転者が車両を操舵させるために操作するステアリングホイール(図示せず)に接続するステアリングシャフト24と、ステアリングシャフト24に設けられたピニオン26と、ピニオン26に係合するラック28と、を備えている。ラック28の両端には、ボールジョイント、タイロッド、及びナックルアームを介して操舵用車輪(図示せず)が連結されている。
【0016】
上記の構成において、ステアリングホイールが操作されると、それに伴ってピニオン26が回転し、ラック28が回転しながら車幅方向に沿って長手方向に変位する。ラック28が車幅方向に沿って変位すると、タイロッド及びナックルアームが動作し、車輪が転舵される。すなわち、本実施例のステアリング装置は、ピニオン26の回転運動をラック28の長手方向の直進運動に変換することで、運転者によるステアリング操作により車輪を転舵させる。
【0017】
ステアリング装置22は、運転者によるステアリング操作の負担を軽減すべく、モータ装置20を用いて運転者が車輪を転舵させる際に必要なトルクをアシストするパワーステアリング装置である。ステアリング装置22は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)30を備えている。ECU30には、操舵トルクセンサ32が接続されている。操舵トルクセンサ32は、ステアリングシャフト12に設けられたトーションバーに配設されており、トーションバーのねじれ角に応じた信号を出力する。ECU30は、操舵トルクセンサ32の出力信号に基づいて、車両運転者がステアリングシャフト24を操舵する際の操舵トルクを検出する。
【0018】
ステアリング装置22は、また、ラック28に係合する三相交流ブラシレスモータ(以下、単にモータと称す)34からなるモータ装置20を備えている。モータ34は、ラック28を覆う車体側のハウジングに固定されたモータステータ36と、ラック28に係合しそのラック28を囲む筒状の部材であってハウジングにベアリングを介して回転可能に支持された非円形状のモータロータ38と、を有している。モータロータ38は、ラック28が長手方向へ変位する際に生ずる回転に伴って回転する。モータロータ38には、マグネットが取り付けられている。
【0019】
図2は、図1に示すモータ34を直線III−IIIで切断した際におけるモータステータ36の軸方向断面図を示す。モータステータ36は、コアとコイルとを備えている。モータステータ36のコアは、筒状のヨーク40と、ヨーク40の内周側からモータ軸中心(ラック28の軸中心)側へ向けて延びるモータ用スロット42と、により構成されている。モータ用スロット42は、ヨーク40の内周に例えば18個設けられている。各モータ用スロット42は、互いに同一形状を有しており、等角度間隔(具体的には、20°間隔)で設けられていると共に、モータ軸中心を挟んで対向するモータ用スロット42を有している。以下、モータ軸中心を挟んで対向するモータ用スロット42を対角スロット42´と称す。この点、本実施例においては、一のモータ用スロット42及びその対角スロット42´を一組とするモータ用スロット対が9組形成されている。
【0020】
図3は、本実施例のモータ34が有する巻線の結線図を示す。モータ34は上記の如く三相交流ブラシレスモータであるので、モータステータ36は、コイルとして、U相を構成する巻線44、V相を構成する巻線46、及びW相を構成する巻線48を備えている。各相の巻線44〜48はそれぞれ、例えば6個のモータ用スロット42(具体的には、3組のモータ用スロット対)に施されている。6個のモータ用スロット42に施された同相の巻線44〜48は、巻線方向が互いに同一方向である4個の巻線44〜48と、巻線方向がかかる4個の巻線44〜48の巻線方向と反対方向である2個の巻線44〜48と、により構成されている。また、一のモータ用スロット42及びその対角スロット42´を一組としたモータ用スロット対には、巻線方向が互いに同一方向である同相の巻線44〜48が同じ巻数だけ巻かれている。
【0021】
尚、図2及び図3には、同相の巻線44〜48のうち巻線方向が互いに同一方向である4個の巻線44〜48をU,V,Wで、また、巻線方向がそれら4個の巻線ものと異なる2個の巻線44〜48を−U(インバータU),−V,−Wで、それぞれ示していると共に、9組のモータ用スロット対の一方側のモータ用スロット42に施された巻線44〜48を*1(但し、*=U,V,W,−U,−V,−W)で、また、他方側のモータ用スロット42に施された巻線44〜48を*2で、それぞれ示している。
【0022】
各相の巻線44〜48にはそれぞれ、ECU30が接続されている。ECU30は、操舵トルクセンサ32による操舵トルクに基づいてラック28に付与すべきアシストトルクを演算し、そのアシストトルクをラック28に付与するのに必要なモータ34を駆動するための目標アシスト電流量を演算する。ECU30は、バッテリを電源としてモータ34の各相の巻線44〜48にそれぞれ電力を供給する駆動回路を有している。この駆動回路は、各相にそれぞれ対応して三対のパワースイッチング素子を有し、モータ34の各相に目標アシスト電流が流れるように各パワースイッチング素子をPWM駆動することによりモータ34の各相に電圧を印加する。
【0023】
ECU30には、モータ34の各相と駆動回路との間の各電流経路に対応して設けられた電流センサ(図示せず)が接続されている。各相の電流センサはそれぞれ、自己の電流経路を流れる電流に応じた信号を出力する。ECU30は、各電流センサの出力信号に基づいて各相にそれぞれ流れる電流を検出する。そして、ECU30は、モータ34の各相に電力を供給する駆動回路を用いて、モータ34の各相に流れる電流が目標アシスト電流に一致するようにモータ34をフィードバック制御する。
【0024】
ECU30には、また、モータ34に対して軸方向に隣接して並んで配設された回転角センサ50が接続されている。回転角センサ50は、モータ34の回転角度位置を検出するためのレゾルバ52を備えており、モータロータ38のモータステータ36に対する回転角度位置に応じた信号を出力する。回転角センサ50の出力信号は、ECU30に供給されている。ECU30は、回転角センサ50の出力信号に基づいてモータ34の回転角度位置を検出し、その回転角度位置に従った電流指令をモータ34に対して行う。
【0025】
上記の構成において、車両乗員によりステアリングホイールが操作された場合、ECU30は、その操舵トルクに応じたアシストトルクがラック16に付与されるようにモータ34を駆動する。この際、モータ24の駆動は、操舵トルクが大きいほど大きなアシストトルクが発生するように行われる。ECU30からモータ34に対して電流指令がなされると、各相の巻線44〜48に励磁電流が流通し、モータロータ38を回転させる電磁力が発生する。電磁力の発生によりモータロータ38が回転すると、ステアリング装置22のラック28が車幅方向に沿って長手方向に変位する。すなわち、ステアリング装置22において、モータ34は、その回転駆動によりラック28を車幅方向に沿って変位させるトルクを発生する。従って、本実施例のステアリング装置22によれば、モータ34を用いて車両乗員によるステアリング操作の負担を軽減することができる。
【0026】
図4は、図1に示す回転角センサ50のレゾルバ52を直線IV−IVで切断した際におけるレゾルバステータの軸方向断面図を示す。レゾルバ52は、ラック28を覆う車体側のハウジングに固定されたレゾルバステータ54と、ラック28に係合しそのラック28を囲む筒状の部材であってハウジングにベアリングを介して回転可能に支持された非円形状のレゾルバロータ56と、を有している。レゾルバロータ56は、ラックの回転に伴って回転する。
【0027】
レゾルバステータ54は、コアとコイルとを備えている。レゾルバステータ54のコアは、筒状のヨーク58と、ヨーク58の内周側からモータ軸中心側へ向けて延びるレゾルバ用スロット60と、により構成されている。レゾルバ用スロット60は、ヨーク58の内周側に例えば16個又は12個設けられている。尚、レゾルバ用スロット60のスロット数が16個である場合を図4(A)に、また、そのスロット数が12個である場合を図4(B)に、それぞれ示している。
【0028】
各レゾルバ用スロット60は、互いに同一形状を有しており、等角度間隔(具体的には、22.5°間隔または30°間隔)で設けられていると共に、モータ軸中心を挟んで対向するレゾルバ用スロット60を有している。以下、モータ軸中心を挟んで対向するレゾルバ用スロット60を対角スロット60´と称す。この点、本実施例においては、一のレゾルバ用スロット60及びその対角スロット60´を一組(#,#´)とするレゾルバ用スロット対が8組(#*,#*´;*=1〜8)または6組(#*,#*´;*=1〜6)形成されている。
【0029】
図5は、本実施例の回転角センサ50が備えるレゾルバ52の原理構成図を示す。また、図6は、本実施例のレゾルバ52が有する巻線の巻線方向を表した図を示す。レゾルバ52のレゾルバステータ54は、コイルとして、一定周波数の励磁信号が印加される励磁巻線62、並びに、励磁巻線62へ印加された励磁信号とレゾルバロータ56の回転角度位置とに応じた信号を発生する2つの出力巻線64,66を備えている。
【0030】
レゾルバ52は、ラック28が一回転する過程においてk周期の信号、すなわち、360°/kごとに同一レベルの信号を出力するように構成されている。出力巻線64,66はそれぞれ、励磁巻線62への励磁信号が極大,極小となるタイミングにおいて誘導電圧がレゾルバロータ56の回転角度位置に応じて正弦波状または余弦波状に変化するように構成されており、互いに90°だけ位相のずれた電流,電圧を出力する。以下、2つの出力巻線64,66のうち一方をsin巻線64と、他方をcos巻線66と、それぞれ称す。
【0031】
sin巻線64及びcos巻線66は共に、回転角センサ50の出力として、ECU30に接続されている。ECU30は、レゾルバ52のsin巻線64及びcos巻線66の双方から供給される各コイル信号をそれぞれ“0”からオフセットされた出力電圧に変換し、両出力電圧の関係に基づいて0°と360°/kとの範囲におけるレゾルバロータ56、すなわち、モータ34の回転角度位置を検出する。
【0032】
図6は、本実施例のレゾルバ52が有するsin巻線64及びcos巻線66の巻線方向を表した図を示す。励磁巻線62、sin巻線64、及びcos巻線66はそれぞれ、レゾルバステータ54の有するレゾルバ用スロット60のすべて(図4(A)に示すレゾルバステータ54では16個,図4(B)に示すレゾルバステータ54では12個)又はその一部に施されている。尚、以下では、各巻線62,64,66がすべてのレゾルバ用スロット60に施されている場合について説明する。励磁巻線62、sin巻線64、及びcos巻線66は、図6に示す如く、レゾルバ用スロット60に対して径方向に並んで配置されている。
【0033】
図4(A)及び(B)に示す如く、全sin巻線64は、巻線方向が互いに同一方向である半数のsin巻線64と、巻線方向がかかる半数のsin巻線64の巻線方向と反対方向である半数のsin巻線64と、により構成されている。同様に、全cos巻線66は、巻線方向が互いに同一方向である半数のcos巻線66と、巻線方向がかかる半数のcos巻線66の巻線方向と反対方向である半数のcos巻線66と、により構成されている。
【0034】
また、一のレゾルバ用スロット60及びその対角スロット60´を一組としたレゾルバ用スロット対には、図6に示す如く、巻線方向が互いに反対方向であるsin巻線64が同じ巻数だけ巻かれていると共に、巻線方向が互いに反対方向であるcos巻線66が同じ巻数だけ巻かれている。尚、図4(A)及び(B)には、sin巻線64又はcos巻線66のうち巻線方向が互いに所定方向である半数の出力巻線64,66をNで、また、巻線方向が上記所定方向とは異なる半数の出力巻線64,66をSで、それぞれ示している。
【0035】
ところで、モータ34の回転角度位置を検出するための回転角センサ50は、モータ34に対して軸方向に隣接して並んで配設されている。このため、モータ34の各相の巻線44〜48にラック28にアシストトルクを付与するための電流が流通された際に生ずる磁界が、レゾルバ52のステータ54に作用することがある。かかる磁界がレゾルバステータ54に作用すると、レゾルバステータ54の出力巻線64,66にその磁束変化に起因した誘導電圧が生じ、励磁巻線62へ印加された励磁信号とレゾルバロータ56の回転角度位置とに応じたコイル信号が出力巻線64,66から出力されない不都合が生じ得る。
【0036】
そこで、本実施例においては、かかる不都合を解決し、モータ34で生ずる磁界がレゾルバ52に作用する場合にもレゾルバ52の出力巻線64,66から適正な信号を出力させることで、ECU30にモータ34の回転角度位置を精度よく検出させる点に特徴を有している。以下、図7を参照して、本実施例の特徴部について説明する。尚、sin巻線64の出力とcos巻線66の出力とは互いに90°だけ位相がずれていることを除いて異なるところがないため、以下では、主にsin巻線64の出力について説明する。
【0037】
図7は、本実施例のレゾルバ52が有する出力巻線64,66に生ずる誘導電圧が相殺される状況を説明するための図を示す。本実施例において、モータ34のモータステータ36は、筒状のヨーク40の内周に20°ごとに設けられた同一形状のモータ用スロット42を有し、モータ軸中心を挟んで互いに対向するモータ用スロット対を9組有している。各モータ用スロット対には、その対角スロット42同士間で巻線方向が互いに同一方向でありかつ巻数が同じ同相の巻線44〜48が巻かれている。従って、モータ34の巻線44〜48に電流が流れることにより発生する磁界は、一のモータ用スロット42側とその対角スロット42´側との間で同相電流の流通によりその大きさ及び向きが共に一致するものとなる。
【0038】
一方、レゾルバ52のレゾルバステータ54は、筒状のヨーク58の内周に22.5°又は30°ごとに設けられた同一形状のレゾルバ用スロット60を有し、モータ軸中心を挟んで互いに対向するレゾルバ用スロット対を8組又は6組有している。各レゾルバ用スロット対には、その対角スロット60同士間で巻線方向が互いに反対方向であるsin巻線64が巻かれていると共に、その対角スロット60同士間で巻線方向が互いに反対方向であるcos巻線66が巻かれている。
【0039】
かかる構成においては、モータ用スロット42に施された巻線44〜48の巻線方向とレゾルバ用スロット60に施されたsin巻線64の巻線方向とが互いに同一方向(例えば右巻き方向)である場合、そのモータ用スロット42に対する対角スロット42´に施された巻線44〜48の巻線方向(右巻き方向)と、その対角スロット42´に対して上記のモータ用スロット42とレゾルバ用スロット60との相対位置関係と同一の相対位置関係にあるレゾルバ用スロット60、すなわち、その対角スロット60´に施されたsin巻線64の巻線方向(左巻き方向)とが互いに反対方向となる。
【0040】
逆に、モータ用スロット42の巻線44〜48の巻線方向とレゾルバ用スロット60のsin巻線64の巻線方向とが互いに反対方向である場合、その対角スロット42´の巻線44〜48の巻線方向と、その対角スロット42´に対して上記のモータ用スロット42とレゾルバ用スロット60との相対位置関係と同一の相対位置関係にあるレゾルバ用スロット60、すなわち、その対角スロット60´のsin巻線64の巻線方向とが互いに同一方向となる。
【0041】
特に、モータ用スロット42に施された巻線44〜48の巻線方向とそのモータ用スロット42に最も近接するレゾルバ用スロット60に施されたsin巻線64の巻線方向とが互いに同一方向である場合、そのモータ用スロット42に対する対角スロット42´に施された巻線44〜48の巻線方向と、その対角スロット42´に最も近接するレゾルバ用スロット60、すなわち、上記のモータ用スロット42に最も近接するレゾルバ用スロット60に対する対角スロット60´に施されたsin巻線66の巻線方向とが互いに反対方向となる。逆に、モータ用スロット42の巻線44〜48の巻線方向とそのモータ用スロット42に最も近接するレゾルバ用スロット60のsin巻線64の巻線方向とが互いに反対方向である場合、その対角スロット42´の巻線44〜48の巻線方向とその対角スロット60´のsin巻線64の巻線方向とが互いに同一方向となる。
【0042】
このように、本実施例において、モータ34の巻線44〜48に電流が流れることにより発生する磁界は、一のモータ用スロット42側とその対角スロット42´側との間でその大きさ及び向きが共に一致するものとなる一方、レゾルバ用スロット対においてsin巻線64の巻線方向が互いに反対方向である。このため、モータ34における磁束変化に起因してレゾルバ52のsin巻線64に生ずる誘導電圧は、図7に示す如く、一のレゾルバ用スロット60側とその対角スロット60´側との間でその向きが異なるものとなる。また、同様に、モータ34における磁束変化に起因してレゾルバ52のcos巻線66に生ずる誘導電圧も、一のレゾルバ用スロット60側とその対角スロット60´側との間でその向きが異なるものとなる。
【0043】
また、各レゾルバ用スロット対には、その対角スロット60同士間で巻数が同じsin巻線64が巻かれていると共に、その対角スロット60同士間で巻数が同じcos巻線66が巻かれている。上記の如く、モータ34の巻線44〜48に電流が流れることにより発生する磁界の大きさ及び向きは共に、一のモータ用スロット42側とその対角スロット42´側との間で一致する。このため、モータ34の磁束変化に起因してレゾルバ52のsin巻線64に生ずる誘導電圧の大きさは、図7に示す如く、一のレゾルバ用スロット60側とその対角スロット60´側との間で一致し、また、cos巻線66に生ずる誘導電圧の大きさは、一のレゾルバ用スロット60側とその対角スロット60´側との間で一致する(V=V´=−N・dΦ/dt;但し、V,V´は誘導電圧であり、Nはsin巻線64,cos巻線66の巻数であり、また、Φは磁束である。)。
【0044】
従って、モータ34の磁束変化に起因してレゾルバ52の出力巻線64,66に生ずる誘導電圧は、モータ軸中心を挟んで互いに対抗するレゾルバ用スロット対でその大きさが一致しかつその向きが異なるものとなるので、一のレゾルバ用スロット60の出力巻線64,66で生ずる誘導電圧とその対角スロット60´の出力巻線64,66で生ずる誘導電圧とは互いに打ち消しあう。この場合には、モータ34で生ずる磁界がレゾルバ52に作用しても、レゾルバ52の出力巻線64,66からそのモータ磁界の影響を受けない適正なコイル信号が出力されるので、モータ34で生ずる磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下は防止される。
【0045】
尚、本実施例の構成においては、レゾルバ出力の精度低下を防止するうえで、例えばモータ34とレゾルバ52との間にモータで発生する電磁ノイズを低減する静電シールド等の部材を設けることは不要であり、その精度低下の防止はモータ34の巻線44〜48の巻線方向とレゾルバ52の出力巻線64,66の巻線方向とを適当に設定するのみで実現される。従って、本実施例によれば、モータ34で生ずる磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下の防止を、装置の大型化を招くことなく簡素な構成で実現することができる。
【0046】
このため、本実施例のモータ装置20によれば、モータ34で発生する磁界の影響を受けることなくモータ34の回転角度位置を精度よく検出することができ、これにより、モータ34のフィードバック制御を適切に行うことが可能となっている。
【0047】
次に、上記図1と共に、図8乃至図10を参照して、本発明の第2実施例について説明する。尚、以下では、上記第1実施例における構成部分と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
上記した第1実施例では、各モータ用スロット対に巻かれた同相の巻線44〜48の巻線方向がその対角スロット42同士間で互いに同一方向であり、かつ、各レゾルバ用スロット対に巻かれたsin巻線64の巻線方向およびcos巻線66の巻線方向が共にその対角スロット60同士間で互いに反対方向であることとしている。
【0049】
これに対して、本実施例においては、各モータ用スロット対に巻かれた同相の巻線の巻線方向がその対角スロット同士間で互いに反対方向であり、かつ、各レゾルバ用スロット対に巻かれたsin巻線64の巻線方向およびcos巻線66の巻線方向が共にその対角スロット同士間で互いに同一方向であることとしている。
【0050】
図8は、本実施例のモータ34をモータ軸に垂直に切断した際のモータステータ36の軸方向断面図を示す。本実施例において、モータステータ36のコアは、筒状のヨーク40と、ヨーク40の内周側からモータ軸中心側へ向けて延びるモータ用スロット100と、により構成されている。モータ用スロット100は、ヨーク40の内周に例えば12個設けられている。各モータ用スロット100は、互いに同一形状を有しており、等角度間隔(具体的には、30°間隔)で設けられていると共に、モータ軸中心を挟んで対向する対角スロット100´を有している。この点、本実施例においては、一のモータ用スロット100とその対角スロット100´とを一組とするモータ用スロット対が6組形成されている。
【0051】
図9は、本実施例のモータ34が有する巻線の結線図を示す。本実施例において、モータステータ36は、コイルとして、U相を構成する巻線104、V相を構成する巻線102、及びW相を構成する巻線106を備えている。各相の巻線102〜106はそれぞれ、例えば4個のモータ用スロット100(具体的には、2組のモータ用スロット対)に施されている。4個のモータ用スロット100に施された同相の巻線102〜106は、巻線方向が互いに同一である2個の巻線102〜106と、巻線方向がかかる2個の巻線102〜106の巻線方向と反対方向である2個の巻線102〜106と、により構成されている。また、一のモータ用スロット100及びその対角スロット100´を一組としたモータ用スロット対には、巻線方向が互いに反対方向である同相の巻線102〜106が同じ巻数だけ巻かれている。
【0052】
尚、図8及び図9には、同相の巻線102〜106のうち巻線方向が互いに同一方向である2個の巻線102〜106をU,V,Wで、また、巻線方向がそれら2個の巻線ものと異なる2個の巻線102〜106を−U,−V,−Wで、それぞれ示していると共に、6組のモータ用スロット対の一方側のモータ用スロット100に施された巻線102〜106を*1で、また、他方側のモータ用スロット100に施された巻線102〜106を*2で、それぞれ示している。
【0053】
各相の巻線102〜106にはそれぞれ、ECU30が接続されている。ECU30の駆動回路は、バッテリを電源としてモータ34の各相の巻線102〜106にそれぞれ電力を供給する。
【0054】
図10は、本実施例のモータ34をモータ軸に垂直に切断した際のレゾルバステータの軸方向断面図を示す。本実施例において、回転角センサ50のレゾルバ52は、ラック28を覆う車体側のハウジングに固定されたレゾルバステータ110と、ラック28に係合しそのラック28を囲む筒状の部材であってハウジングにベアリングを介して回転可能に支持された非円形状のレゾルバロータ56と、を有している。
【0055】
レゾルバステータ110のコアは、筒状のヨーク112と、ヨーク112の内周側からモータ軸中心側へ向けて延びるレゾルバ用スロット114と、により構成されている。レゾルバ用スロット114は、ヨーク112の内周側に例えば12個又は10個設けられている。尚、レゾルバ用スロット114のスロット数が12個である場合を図10(A)に、また、そのスロット数が10個である場合を図10(B)に、それぞれ示している。
【0056】
各レゾルバ用スロット114は、互いに同一形状を有しており、等角度間隔(具体的には、30°間隔または36°間隔)で設けられていると共に、モータ軸中心を挟んで対向する対角スロット114´を有している。この点、本実施例においては、一のレゾルバ用スロット114とその対角スロット114´とを一組とするレゾルバ用スロット対が6組又は5組形成されている。
【0057】
また、レゾルバステータ110は、コイルとして、レゾルバステータ54と同様に、励磁巻線62および2つの出力巻線64、66を備えている。本実施例において、励磁巻線62、sin巻線64、及びcos巻線66はそれぞれ、レゾルバステータ110の有するレゾルバ用スロット114のすべて(図10(A)に示すレゾルバステータ110では12個,図10(B)に示すレゾルバステータ110では10個)又はその一部に施されている。尚、以下では、各巻線62,64,66がすべてのレゾルバ用スロット114に施されている場合について説明する。励磁巻線62、sin巻線64、及びcos巻線66は、レゾルバ用スロット114に対して径方向に並んで配置されている。
【0058】
図10(A)に示す構成では、全sin巻線64は、巻線方向が互いに同一方向である半数のsin巻線64と、巻線方向がかかる半数のsin巻線64の巻線方向と反対方向である半数のsin巻線64と、により構成されており、同様に、全cos巻線66は、巻線方向が互いに同一方向である半数のcos巻線66と、巻線方向がかかる半数のcos巻線66の巻線方向と反対方向である半数のcos巻線66と、により構成されている。また、図10(B)に示す構成では、全sin巻線64は、巻線方向が互いに同一方向である6個のsin巻線64と、巻線方向がかかる6個のsin巻線64の巻線方向と反対方向である4個のsin巻線64と、により構成されている。同様に、全cos巻線66は、巻線方向が互いに同一方向である6個のcos巻線66と、巻線方向がかかる6個のcos巻線66の巻線方向と反対方向である4個のcos巻線66と、により構成されている。
【0059】
また、一のレゾルバ用スロット114及びその対角スロット114´を一組としたレゾルバ用スロット対には、巻線方向が互いに同一方向であるsin巻線64が同じ巻数だけ巻かれていると共に、巻線方向が互いに同一方向であるcos巻線66が同じ巻数だけ巻かれている。
【0060】
本実施例において、モータ34のモータステータ36は、筒状のヨーク40の内周に30°ごとに設けられた同一形状のモータ用スロット100を有し、モータ軸中心を挟んで互いに対向するモータ用スロット対を6組有している。各モータ用スロット対には、その対角スロット同士間で巻線方向が互いに反対方向でありかつ巻数が同じ同相の巻線102〜106が巻かれている。従って、モータ34の巻線102〜106に電流が流れることにより発生する磁界は、一のモータ用スロット100側とその対角スロット100´側との間で同相電流の流通によりその大きさ及び向きが共に一致するものとなる。
【0061】
一方、レゾルバ52のレゾルバステータ110は、筒状のヨーク112の内周に30°又は36°ごとに設けられた同一形状のレゾルバ用スロット114を有し、モータ軸中心を挟んで互いに対向するレゾルバ用スロット対を6組又は5組有している。各レゾルバ用スロット対には、その対角スロット114同士間で巻線方向が互いに同一方向であるsin巻線64が巻かれていると共に、その対角スロット114同士間で巻線方向が互いに同一方向であるcos巻線66が巻かれている。
【0062】
かかる構成においても、上記第1実施例の構成と同様に、モータ用スロット100に施された巻線102〜106の巻線方向とレゾルバ用スロット114に施されたsin巻線64の巻線方向とが互いに同一方向であれば、そのモータ用スロット100に対する対角スロット100´に施された巻線44〜48の巻線方向と、その対角スロット100´に対して上記のモータ用スロット100とレゾルバ用スロット114との相対位置関係と同一の相対位置関係にあるレゾルバ用スロット114、すなわち、その対角スロット114´に施されたsin巻線64の巻線方向とが互いに反対方向となる。
【0063】
逆に、モータ用スロット100の巻線102〜106の巻線方向とレゾルバ用スロット114のsin巻線64の巻線方向とが互いに反対方向である場合、その対角スロット100´の巻線102〜106の巻線方向と、その対角スロット100´に対して上記のモータ用スロット100とレゾルバ用スロット114との相対位置関係と同一の相対位置関係にあるレゾルバ用スロット114、すなわち、その対角スロット114´のsin巻線64の巻線方向とが互いに同一方向となる。
【0064】
このように、本実施例において、レゾルバ用スロット対においてsin巻線64の巻線方向は互いに同一方向である一方、モータ34の巻線102〜106に電流が流れることにより発生する磁界は、一のモータ用スロット100側とその対角スロット100´側との間でその大きさが一致するがその向きが異なるものとなる。このため、モータ34における磁束変化に起因してレゾルバ52のsin巻線64に生ずる誘導電圧の向きは、一のレゾルバ用スロット114側とその対角スロット114´側との間で異なる。また、同様に、モータ34における磁束変化に起因してレゾルバ52のcos巻線66に生ずる誘導電圧の向きも、一のレゾルバ用スロット114側とその対角スロット114´側との間で異なる。
【0065】
また、各レゾルバ用スロット対には、その対角スロット114同士間で巻数が同じsin巻線64が巻かれていると共に、その対角スロット60同士間で巻数が同じcos巻線66が巻かれている。このため、モータ34の磁束変化に起因してレゾルバ52のsin巻線64に生ずる誘導電圧の大きさ、及び、cos巻線66に生ずる誘導電圧の大きさは共に、一のレゾルバ用スロット114側とその対角スロット114´側との間で一致する。
【0066】
従って、モータ34の磁束変化に起因してレゾルバ52の出力巻線64,66に生ずる誘導電圧は、レゾルバ用スロット対でその大きさが一致しかつその向きが異なるため、一のレゾルバ用スロット114におけるものとその対角スロット114´におけるものとで互いに打ち消しあう。このため、本実施例においても、上記第1実施例と同様に、モータ34で生ずる磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下を防止することができ、これにより、上記第1実施例の構成と同様の効果を得ることが可能となっている。
【0067】
ところで、上記第1の実施例においては、モータ用スロット42を18個設け、レゾルバ用スロット60を16個又は12個設けることとし、また、第2の実施例においては、モータ用スロット100を12個設け、レゾルバ用スロット114を12個又は10個設けることとしているが、モータ用スロットの個数とレゾルバ用スロットの個数とを共に偶数にすれば互いに同数にすることとしても異なる数にすることとしてもよい。
【0068】
また、上記第1及び第2の実施例においては、モータ34を三相モータとしているが、三相以外の複数相や単相のモータとしてもよい。
【0069】
また、上記第1及び第2の実施例においては、モータ装置20が車両のステアリング装置に搭載されているが、回転角センサとしてレゾルバを備えるものであれば、他のシステムに搭載したモータ装置に適用することとしてもよい。
【0070】
更に、上記第1及び第2の実施例においては、各レゾルバ用スロット対に巻かれるsin巻線64の巻数を互いに同一とし、また、cos巻線66の巻数を互いに同一とするものとしているが、必ずしも同一とする必要はなく、多少だけ異ならせることとしてもよい。この場合には、モータ34の磁束変化に起因してレゾルバ52の出力巻線64,66に生ずる誘導電圧の大きさがレゾルバ用スロット対で互いに一致しないものとなるが、その向きは依然として反対方向であるので、出力巻線64,66からのコイル信号が受けるモータ磁界の影響を軽減することが可能となり、レゾルバ出力の精度低下を抑制することが可能となる。
【0071】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1乃至5記載の発明によれば、モータ電流の流通により発生する磁界に起因したレゾルバ出力の精度低下の防止を簡素な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるモータ装置を備えるシステムの構成図である。
【図2】図1に示すモータを直線III−IIIで切断した際におけるモータステータの軸方向断面図である。
【図3】本実施例のモータが有する巻線の結線図である。
【図4】図1に示すレゾルバを直線IV−IVで切断した際におけるレゾルバステータの軸方向断面図である。
【図5】本実施例のモータ装置が備えるレゾルバの原理構成図である。
【図6】本実施例のレゾルバが有する巻線の巻線方向を表した図である。
【図7】本実施例のレゾルバが有する出力巻線に生ずる誘導電圧が相殺される状況を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施例であるモータ装置が有するモータステータの軸方向断面図である。
【図9】本実施例のモータが有する巻線の結線図である。
【図10】本実施例のモータ装置が有するレゾルバステータの軸方向断面図である。
【符号の説明】
20 モータ装置
30 電子制御ユニット(ECU)
34 モータ
36 モータステータ
42,100 モータ用スロット
44〜48,102〜106 巻線
50 回転角センサ
52 レゾルバ
54,110 レゾルバステータ
60,114 レゾルバ用スロット
64 sin巻線(出力巻線)
66 cos巻線(出力巻線)

Claims (5)

  1. モータ軸中心を挟んで対向する一対のモータ用スロットに同相の巻線が施されたモータと、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットに同一の出力巻線が施され、前記モータの回転角度位置に応じた信号を該出力巻線を介して出力するレゾルバと、を備えるモータ装置であって、
    前記一対のモータ用スロットに施された前記巻線および前記一対のレゾルバ用スロットに施された前記出力巻線のうちの一方の巻線方向が該一対のスロット間で互いに同一方向であり、かつ、他方の巻線方向が該一対のスロット間で互いに反対方向であることを特徴とするモータ装置。
  2. 前記一対のモータ用スロットに施された前記巻線の巻線方向が互いに同一方向であり、かつ、前記一対のレゾルバ用スロットに施された前記出力巻線が互いに反対方向であることを特徴とする請求項1記載のモータ装置。
  3. 前記一対のモータ用スロットに施された前記巻線の巻線方向が互いに反対方向であり、かつ、前記一対のレゾルバ用スロットに施された前記出力巻線が互いに同一方向であることを特徴とする請求項1記載のモータ装置。
  4. 前記レゾルバは、前記モータに対して軸方向に並んで配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のモータ装置。
  5. モータ軸中心を挟んで対向する一対のモータ用スロットに同相の巻線が施されたモータと、モータ軸中心を挟んで対向する一対のレゾルバ用スロットに同一の出力巻線が施され、前記モータの回転角度位置に応じた信号を該出力巻線を介して出力するレゾルバと、を備えるモータ装置であって、
    前記一対のモータ用スロットの一方に施された前記巻線の巻線方向と該モータ用スロットに最も近接する前記レゾルバ用スロットに施された前記出力巻線の巻線方向とが互いに同一方向であり、かつ、該一対のモータ用スロットの他方に施された前記巻線の巻線方向と該モータ用スロットに最も近接する前記レゾルバ用スロットに施された前記出力巻線の巻線方向とが互いに反対方向であることを特徴とするモータ装置。
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