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JP2004016399A - 洗濯機 - Google Patents

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JP2004016399A
JP2004016399A JP2002173949A JP2002173949A JP2004016399A JP 2004016399 A JP2004016399 A JP 2004016399A JP 2002173949 A JP2002173949 A JP 2002173949A JP 2002173949 A JP2002173949 A JP 2002173949A JP 2004016399 A JP2004016399 A JP 2004016399A
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Daigo Hirahara
平原  大悟
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】現工程から次工程への移行を早くして、運転時間の短縮を図る。
【解決手段】洗い工程のタンブリング運転が終了すると、排水を行う。その後、ドラムを回転する。このとき、ドラムの水位あるいは排水開始からの時間を検知して、これが次工程への移行条件に達したか判断する。所定水位まで低下した、あるいは所定時間が経過したという移行条件に達したことを検知したとき、ドラムを回転させたまま、すすぎ工程の中間脱水工程に移行して、ドラムの回転数を上げ、脱水を行う。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗い、すすぎ、脱水の各工程、さらには乾燥工程といった一連の洗濯工程を自動的に実行する洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドラム式洗濯機は、入力された洗濯条件に基づいて給水、排水、ドラム回転の運転制御を行い、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、さらには乾燥工程を自動的に連続して実行する。なお、すすぎ工程では、すすぎの前に中間脱水工程が実行される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のドラム式洗濯機では、洗い工程からすすぎ工程に移行するとき、およびすすぎ工程から脱水工程に移行するときのように、中間脱水を含む脱水を実行する際、各工程の終了前に排水が行われる。そして、排水が完全に終了すると、脱水工程が実行される。すなわち、排水の完了を次工程への移行条件としている。
【0004】
具体的には、排水を行って、水槽内の水位が所定水位まで下がったことを水位検知手段により検出し、この時点から十分に長い所定の時間が経過した後、再度水位検知手段により水位を検出する。所定水位にて水槽内の水位が一定であることを確定するまで、ドラムの停止状態は継続される。その後、ドラムを回転させて、脱水運転を開始する。
【0005】
このように、現工程から次工程に移行するとき、ドラムの回転を停止させて排水を行ってから、ドラムの回転を開始して、次工程をスタートさせている。したがって、現工程での脱水開始から次工程の脱水におけるドラムの高速回転まで時間がかかり、全体の運転時間が長くなり、その分消費電力が多くなる。そこで、本発明は、上記に鑑み、現工程から次工程への移行を早くできるようにして、運転時間を短縮した洗濯機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、一連の洗濯工程を実行する制御手段によって、洗濯物を収容するドラムを回転させながら現工程から次工程に移行させる制御を行うものである。そして、次工程移行前の排水中にドラムを回転させる。このように移行する次工程としては、洗い工程後の中間脱水工程、すすぎ工程後の脱水工程、中間脱水後のすすぎ工程、脱水工程後の乾燥工程があげられる。
【0007】
すなわち、現工程の最終動作である排水と次工程の初期動作であるドラム回転を同時に実行することになり、次工程の立ち上がりが早くなる。したがって、次工程に移行するときに、従来のようにドラムの回転を停止させる必要がなくなり、その分早く移行でき、運転時間を短縮できる。
【0008】
そして、制御手段は、現工程を実行中、工程の進行に伴って変化する各種状態を検知して、その状態が次工程に移行するときの移行条件に達したとき、次工程を実行する。この移行条件としては、ドラムの水位とされ、所定水位まで低下したとき、次工程を実行する。あるいは、移行条件が排水開始からの経過時間とされ、所定時間経過したとき、次工程を実行する。あるいは、移行条件がドラムの回転数とされ、所定回転数に達したとき、次工程を実行する。このように、移行条件を設定しておくことにより、不要な動作をなくすことができ、効率のよい運転を行える。
【0009】
制御手段は、次工程に移行する前にドラムの回転数を変化させるとよい。すなわち、次工程が中間脱水工程あるいは脱水工程である場合、ドラムを高速回転させるが、次工程に移行する前からドラムの回転数を徐々に上げていけば、すぐに脱水時の規定の回転数に達する。したがって、次工程の立ち上がりがより早くなり、運転時間をさらに短縮できる。
【0010】
制御手段は、洗濯物の容量に応じて移行条件を変更するとよい。洗濯物の容量によって各工程での運転条件は異なってくる。これに伴って現工程での最終動作も異なるので、容量に基づいて移行条件の設定を変更する。したがって、洗濯物の容量に応じた適切なタイミングで次工程に移行することができ、効率的な運転ができ、より一層運転時間の短縮を図れる。
【0011】
また、脱水工程中にアンバランス状態になったとき、バランス修正工程を実行するが、このときドラムの回転数が所定回転数以下になると、バランス修正のための給水を開始するとよい。アンバランス状態になったとき、脱水運転を停止してもドラムは慣性で回転するので、ドラムが停止するまで時間がかかる。そこで、この回転中に次工程であるバランス修正工程のための給水を開始すれば、すばやくアンバランス状態を解除できる。したがって、脱水運転を早く再開することができ、運転時間を短縮できる。
【0012】
次工程が中間脱水工程後のすすぎ工程あるいは脱水工程後の乾燥工程である場合、制御手段は、ドラムの回転数が所定回転数以下になったとき、次工程を実行する。これによって、脱水工程の終了時にドラムの回転停止を待たずに次工程に移行でき、運転時間の短縮を図れる。
【0013】
また、すすぎ工程において、中間脱水後に仕上げ剤を投入する工程があるが、この場合でも、脱水運転を停止してドラムの回転数が所定回転数以下になったとき、仕上げ剤の投入を実行するとよい。これによって、すすぎ工程を開始するときには、仕上げ剤が洗濯物に十分になじんでおり、すすぎ工程の時間を短くすることができ、運転時間の短縮となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のドラム式洗濯機を図1、2の示す。ドラム式洗濯機は、洗濯機能だけでなく乾燥機能も備えたものであり、外箱1内に水槽2が配され、この水槽2内に水平軸3a周りに回転可能にドラム3が支持されている。
【0015】
水槽2は、運転中の振動を吸収するために外箱1にばね(図示せず)によって吊り下げられており、洗濯水やすすぎ水を貯え、かつ排出できるようになっている。ドラム3は、その周壁全体に洗濯時の給水、脱水時の排水、および乾燥時の温風を通過させるための多数の小孔4を有している。水槽2の外側には、乾燥用ヒータ5および乾燥時に温風を循環させるための送風機6を内装した循環ダクト7が配設されている。
【0016】
8はドラム3内に洗濯水およびすすぎ水を噴射するための供給口、9は水槽2内の洗濯水やすすぎ水を機外に排出するための排水用ポンプ、10は水槽2内の洗濯水およびすすぎ水を回収し、図示しない管を介して再び供給口8に戻す循環手段としての循環用ポンプ、11は水槽2と排水用ポンプ9の間の配管経路に設けられた糸屑フィルタで、外箱1の前面下部から着脱できるようになっている。12は水槽2内に水を給水するための給水弁、13はドラム3を回転させるためのドラム駆動モータ、14は水槽2内の水位を検知するための水位センサである。
【0017】
外箱1の前面には洗濯物を出し入れするためのドア15が設けられ、このドア15と水槽2の間には密閉用のパッキン16が介装されている。17は操作部であり、その裏側にはマイクロコンピュータからなる制御装置が取り付けられている。
【0018】
図3に、操作部17の入力キーのレイアウトを示す。18は液晶ディスプレイ等からなる表示装置、19は水温を設定するための水温キー、20は洗濯時間を設定するための予約キー、21は洗濯内容を選択するための洗濯キー、22は乾燥工程を設定するための乾燥キー、23は洗濯コースを選択するためのコースキー、24は洗濯機の動作をスタート、一時停止させるためのスタートキー、25は電源スイッチである。
【0019】
本洗濯機では、通常の洗濯を行う標準コースと、洗濯物の汚れがひどい場合に丁寧に洗濯する、例えば洗濯時間を長くする念入りコースと、洗濯物の汚れが軽い場合に簡単に洗濯するスピードコースと、毛布を洗濯する毛布コースとの4つの洗濯コースを有し、コースキー23を操作することにより所望のコースを選択することができる。
【0020】
図4に、本洗濯機に搭載されている制御装置26と、それによって駆動制御される各種機能のブロック図を示す。27はマイクロコンピュータであり、そのROM28に記憶されているプログラムに従って各種の制御を行う。29は入力キー回路であり、30は水位、ドラム回転、洗濯物の乾燥状態、アンバランス等を検知するための状態検知回路であり、温度センサ、水位センサ14等のセンサからの出力信号をデジタル信号に変換して、マイクロコンピュータに入力する。31は洗濯終了時や異常があった場合に鳴るブザー、32は乾燥用ヒータ5、送風機6、排水用ポンプ9、循環用ポンプ10、給水弁12、ドラム駆動モータ13を駆動する負荷駆動回路、33はマイクロコンピュータ27を初期化するリセット回路である。
【0021】
制御装置26は、操作部17からの入力に基づいて洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程を連続して実行する。洗い工程では、ドラム3内に洗濯物を入れ、給水弁12を開き、洗剤を溶かした洗濯水を供給口8から流し込んで洗濯物に含ませ、給水弁12を閉じ、ドラム3を低速回転させる。ドラム3内の洗濯物は、ドラム3の回転による遠心力とバッフル(図示せず)とによりドラム3内の頂上付近まで持ち上げられた後、自重により落下する。これをタンブリングという。このタンブリングを繰り返すことにより洗濯物は落下時の衝撃力でたたき洗いされる。そして、このタンブリングを所定時間行った後、排水用ポンプ9を動作させることにより、水槽2内から排水する。
【0022】
すすぎ工程では、始めに排水用ポンプ9を動作させ、ドラム3を高速回転させ、脱水を行う。これを中間脱水という。この中間脱水後、排水用ポンプ9を停止させ、水槽2に給水弁12より給水し、洗い工程と同様にタンブリングを所定時間行った後、排水用ポンプ9を動作させ、水槽2内から排水する。
【0023】
脱水工程では、ドラム3を高速回転させ、洗濯物を遠心力でドラム3の内周壁面に押し付けることにより行う。このとき、洗濯物に含まれている水は、ドラム3の周壁の小孔4から水槽2に向かって飛ばされ、水槽2の内面に沿って下部に導かれ、排水用ポンプ9により機外に排出される。上記中間脱水工程でも同様の手順により脱水される。
【0024】
乾燥工程では、乾燥用ヒータ5により加熱され、高温となった空気を送風機6でドラム3内に吹き込みながらドラム3を低速回転させることにより行う。水槽2内に吹き込まれた温風は、ドラム3の回転により撹拌され、洗濯物を含む水槽2内部全体の温度を上昇させて、洗濯物に含まれている水分を蒸発させる。この高温多湿状態の空気は、循環用ダクト7に吸い込まれ、水槽2の出口と接続された部分から乾燥用ヒータ5までの経路を通過する間に、冷却水と直接接触して冷却される。これにより、空気中の水分が凝縮され、この水分を機外に排出することにより除湿が行われる。除湿後の空気は、再び乾燥用ヒータ5により加熱されて、ドラム3内に吹き込まれる。このサイクルを繰り返すことにより、洗濯物が乾燥される。
【0025】
制御装置26は、現工程の終了前の運転において、ドラム3を停止することなく、次工程に移行するように制御を行う。まず、洗い工程からすすぎ工程に移行する場合の動作を図5に示す。ここで、図中T1は時間に沿った工程の区分を示すもので、以下同じである。
【0026】
洗い工程におけるタンブリングが開始され(S1−1)、所定時間のタンブリング運転が終了する(S1−2)と、排水運転が開始される。ドラム駆動モータ13をオフ、排水ポンプ9をオンし、排水する(S1−3)。状態検知回路30からの入力信号に基づいて各種状態がドラム3の駆動条件に達したか検知する(S1−4)。ここでドラム3は遅くとも上記駆動条件の検知までには停止している。駆動条件に達したことを検知すると、停止しているドラム3が低速かつ逆方向に回転するようにドラム駆動モータ13をオンする(S1−5b)。この場合、駆動条件としては、水槽2内の水位が所定の水位まで低下すること、あるいは排水開始から所定の時間が経過することである。
【0027】
その後、ドラム駆動モータ13をオフしてから(S1−5c)、ドラム3が正方向に回転するようにドラム駆動モータ13をオンする(S1−5d)。このように、洗い工程の排水中にドラム3を正逆回転することにより、洗濯物の絡みがほぐされ、洗濯物の絡みによる傷みを軽減することができる。
【0028】
次に、状態検知回路30からの入力信号により、工程の進行に伴う各種状態がすすぎ工程の初期工程である中間脱水工程への移行条件に達したか検知する(S1−6)。達したことを検知した場合、ドラム3を一方向(正方向)に回転させたまま中間脱水工程に移行し、低速回転からドラム3の回転数を上げ(S1−7)、高速回転に移る(S1−8)。また、中間脱水工程への移行条件に達したことを検知しなかった場合には、ドラム駆動モータ13をオフして(S1−5a)、ドラム3の回転を停止させ、ドラム3の正転、逆転を繰り返す。なお、S1−4におけるドラム3の駆動条件の判定を省略してもよい。
【0029】
上記の移行条件としては、水槽2内の水位が所定の水位まで低下すること、排水開始から所定の時間が経過すること、ドラム3の正逆転が所定の回数だけ実行されることのいずれかである。
【0030】
次に、すすぎ工程から脱水工程に移行する場合の動作を図6に示す。すすぎ工程におけるタンブリングが開始され(S2−1)、所定時間のタンブリング運転の終了(S2−2)後、ドラム駆動モータ13をオフ、排水ポンプ9をオンして、排水を開始する(S2−3)。状態検知回路30からの入力信号により、ドラム3の駆動条件に達したかを検知する(S2−4)。達したことを検知すると、ドラム3が低速かつ一方向、例えば正方向に回転するようにドラム駆動モータ13をオンする(S2−5)。排水時間を制御装置26のタイマにて計測し、所定時間に到達したか判断する(S2−6)。所定時間に到達すると、ドラム3を回転させたまま脱水工程に移行し、低速回転からドラム3の回転数を上げ(S2−7)、高速回転に移る(S2−8)。所定時間経過していない場合は、ドラム3の回転を継続する。なお、S2−4におけるドラム3の駆動条件の判定を省略してもよい。
【0031】
上記では、移行条件として、排水時間を採用したが、排水中におけるドラム3の回転時間であってもよい。また、図7に示すように、他の移行条件として、ドラム3の水位を採用してもよい。すなわち、すすぎ工程の排水を開始して(S3−3)、ドラム駆動モータ13をオンして(S3−5)、ドラム3を低速かつ正回転させる。水位センサ14により水槽2の水位を検出し、所定の水位まで低下したか判断する(S3−6)。所定水位まで低下したことが検知されると、ドラム3を回転させたまま脱水工程に移行する。その他は図6に示したものと同じである。
【0032】
そして、すすぎ工程における排水運転中、ドラム3を回転させながら次工程に移行する。このとき、次工程は脱水工程であるので、ドラム3は高速回転される。そこで、制御装置26では、この移行中にドラム3の回転数が上がるように、ドラム駆動モータ13の回転速度を変化させる制御を行う。
【0033】
図8に示すように、すすぎ工程におけるタンブリングが開始され(S4−1)、所定時間のタンブリング運転の終了(S4−2)後、ドラム駆動モータ13をオフ、排水ポンプ9をオンし、排水を開始する(S4−3)。その後、ドラム3の駆動条件に達したことを検知する(S4−4)と、ドラム3が低速かつ正方向に回転するようにドラム駆動モータ13をオンする(S4−5a)。そして、ドラム3の回転数の変更条件に達したかを検知する(S4−5b)。達したことを検知した場合、ドラム駆動モータ13の回転速度を上げ、ドラム3の回転数を少なくとも変更条件に達する前の回転数以上の高い回転数に変更して、回転を続ける(S4−5c)。ここでの、変更条件としては、水槽2内の水位が所定の水位まで低下すること、あるいは排水開始から所定の時間が経過することである。
【0034】
状態検知回路30からの入力信号により、各種状態が脱水工程への移行条件に達したかを検知する(S4−6)。達したことを検知した場合、ドラム3の回転を停止させることなく脱水工程に移行し、現在のドラム3の回転数からさらに回転数を上げ(S4−7)、高速回転に移る(S4−8)。上記の移行条件としては、水槽2内の水位が所定の水位まで低下すること、排水開始から所定の時間が経過すること、ドラム3が所定回転数に達することのいずれかである。なお、S4−4におけるドラム3の駆動条件の判定を省略してもよい。その他は図6に示したものと同じである。
【0035】
このように、次工程に合わせてドラム3の回転数を変化させることにより、中間脱水を含む脱水工程の場合では、ドラム3がすばやく所定の高速回転に達し、運転時間を短縮することができる。また、ドラム3の回転数の変更として、段階的にあるいは徐々に回転数を増加、減少させ、次工程における所定回転数に近づけるようにしてもよい。
【0036】
ところで、洗濯物の容量によって各工程の運転条件は変わる。これに伴って移行条件も変わってくる。制御装置26は、容量検知手段によって検出された洗濯物の容量に応じて移行条件を変更する。容量検知手段は、洗い工程前に洗濯物を入れたドラム3を回転させて、そのときのドラム駆動モータ13の回転から検知する公知の技術によるものである。あるいは、操作部17に容量を入力するキーを設けて、これから入力された容量値を読み取るものとしてもよい。
【0037】
図9に示すように、洗い工程に先立って、ドラム3に投入された洗濯物の容量値を容量検知手段によって検知する(S5−0)。洗い工程おけるタンブリングが開始され(S5−1)、所定時間のタンブリング運転の終了(S5−2)後、ドラム駆動モータ13をオフ、排水ポンプ9をオンし、排水を開始する(S5−3)。状態検知回路30からの入力信号により、ドラム3の駆動条件に達したかを検知する(S5−4)。達したことを検知すると、ドラム3が低速かつ正方向に回転するようにドラム駆動モータ13をオンする(S5−5b)。その後、ドラム駆動モータ13をオフし(S5−5c)、ドラム3が逆方向に回転するようにドラム駆動モータ13をオンする(S5−5d)。このように、洗い工程の排水中にドラム3を正逆回転することにより、洗濯物の絡みがほぐされ、洗濯物の絡みによる傷みを軽減することができる。
【0038】
ここで、容量検知手段により検知しておいた容量に基づいて中間脱水工程への移行条件を設定する。例えば、移行条件が排水開始からの時間であれば、移行するときの所定時間は、容量が多ければ長くし、容量が少なければ短くする。移行条件が水槽の水位であれば、移行するときの所定水位は、容量が多ければ高くし、容量が少なければ低くする。移行条件がドラム3の回転数であれば、移行するときの所定回転数は、容量が多ければ小さくし、容量が少なければ大きくする。このように移行条件を確定して、状態検知回路30からの入力信号により、その移行条件に到達したことを検知した場合には(S5−6)、中間脱水工程にドラム3の回転が停止することなく移行し、低速回転からドラム3の回転数を上げ(S5−7)、高速回転に移る(S5−8)。また、中間脱水工程への移行条件に達したことを検知しなかった場合には、ドラム駆動モータ13をオフして(S5−5a)、ドラム3の回転を停止させ、ドラム3の正転、逆転を繰り返す。なお、S5−4におけるドラム3の駆動条件の判定を省略してもよい。
【0039】
また、中間脱水工程あるいは脱水工程において、ドラム3の回転中、アンバランス検知手段により洗濯物がアンバランス状態にあるか検知している。アンバランス状態を検知したとき、脱水運転を停止して水槽2内に給水し、洗濯物の片寄りを直すバランス修正工程が実行される。なお、アンバランス検知手段は、ドラム駆動モータ13の回転のばらつきを検出する等の公知の技術によるものである。
【0040】
制御装置26は、バランス修正工程を実行するとき、ドラム3の回転数が所定回転数以下になると、バランス修正のための給水を開始する制御を行う。すなわち、脱水運転中、アンバランス状態が検知されたとき、ドラム3の回転速度を下げていく。ドラム3の回転数が所定回転数まで低下すると、給水を開始して、ドラム3を回転させながら洗濯物のほぐし、片寄りをなくす。そして、ドラム3を回転させたまま排水を行い、再び脱水運転を行う。これによっても、ドラム3を停止させることなく、バランス修正工程の次工程である脱水工程に移行することができ、運転時間を短縮できる。
【0041】
また、すすぎ工程における中間脱水工程終了後のすすぎ運転、あるいは脱水工程終了後の乾燥工程を行うときにも、ドラム3を回転させながら、次工程に移行させてもよい。制御装置26は、ドラム3の回転数が所定回転数以下になったとき、次工程を実行する制御を行う。
【0042】
脱水運転を終了するとき、ドラム駆動モータ13をオフするが、しばらくドラム3は慣性で回転している。ドラム3の回転数が所定回転数まで低下したとき、次工程がすすぎ運転の場合には、給水を開始し、ドラム3が停止する前に再度ドラム駆動モータ13をオンし、ドラム3をタンブリング運転させる。このとき、排水ポンプ9はオフする。次工程が乾燥工程の場合には、ドラム3が停止する前に再度ドラム駆動モータ13をオンし、ドラム3を低速回転させたままドラム3内に温風を吹き込む。このとき、排水ポンプ9はオンしたままである。これによっても、ドラム3が停止するまで次工程の開始を待つ必要がなくなり、運転時間を短縮できる。
【0043】
さらにまた、すすぎ工程では、通常すすぎ運転を複数回行う。すなわち、中間脱水、すすぎ、中間脱水、最終すすぎといった順に運転が行われる。制御装置26は、最終すすぎ前の脱水時にドラム3の回転数が所定回転数以下になったとき、次工程である仕上げ剤を投入する制御を行う。仕上げ剤の投入は、給水経路中に設けられた洗剤ケースに仕上げ剤収容部があり、ここに水を流し込んで、供給口8から仕上げ剤が混じったすすぎ水をドラム3内に噴射することによって行われる。したがって、制御装置26は、給水弁12をオンし、給水経路が仕上げ剤収容部を通過するように切換える制御を行う。
【0044】
すすぎ工程において、最終すすぎ前の脱水運転を終了するとき、ドラム3の回転数が下がっていく。所定回転数まで低下したとき、給水を開始して、仕上げ剤をドラム3内に投入する。このとき、排水ポンプ9はオフする。ドラム3は回転しているので、すすぎ水中の仕上げ剤が撹拌されて、すばやくかつ満遍なく洗濯物になじんでいく。これによっても、ドラム3が停止するまで次工程の開始を待つ必要がなく、しかもすすぎ運転を短くすることができ、運転時間を短縮できる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。本実施形態の洗濯機は乾燥機能を有しているが、洗濯機能だけを有する洗濯機に適用してもよい。また、洗濯機のドラムは水平軸周りに回転するように配置されているが、縦軸周りに回転するドラム式洗濯機であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、現工程においてドラムが回転中のとき、現工程の終了前にドラムを停止させることなく、次工程に移行することにより、次工程におけるドラム回転の立ち上げ時間を省略することができる。したがって、次工程の初期動作が前倒しして実行されることになり、運転時間の短縮を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のドラム式洗濯機の斜視図
【図2】同じく縦断面図
【図3】操作部のレイアウトを示す図
【図4】制御装置のブロック図
【図5】洗い工程から中間脱水工程への移行時のフローチャート
【図6】すすぎ工程から脱水工程への移行時のフローチャート
【図7】他の形態のすすぎ工程から脱水工程への移行時のフローチャート
【図8】ドラムの回転数を変化させながらすすぎ工程から脱水工程に移行するときのフローチャート
【図9】容量検知を行い、洗い工程から中間脱水工程に移行するときのフローチャート
【符号の説明】
2  水槽
3  ドラム
9  排水ポンプ
12  給水弁
13  ドラム駆動モータ
26  制御装置
30  状態検知回路

Claims (13)

  1. 洗濯物を収容する回転自在なドラムと、一連の洗濯工程を実行する制御手段とを備え、該制御手段は、前記ドラムを回転させながら次工程に移行させることを特徴とする洗濯機。
  2. 制御手段は、次工程移行前の排水中にドラムを回転させることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 次工程が、中間脱水工程あるいは脱水工程とされたことを特徴とする請求項1または2記載の洗濯機。
  4. 制御手段は、現工程を実行中、次工程に移行するときの移行条件に達したとき、次工程を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機。
  5. 移行条件がドラムの水位とされ、制御手段は、所定水位まで低下したとき、次工程を実行することを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
  6. 移行条件が排水開始からの経過時間とされ、制御手段は、排水開始から所定時間経過したとき、次工程を実行することを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
  7. 移行条件がドラムの回転数とされ、制御手段は、ドラムの回転数が所定回転数に達したとき、次工程を実行することを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
  8. 制御手段は、次工程に移行する前にドラムの回転数を変化させることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の洗濯機。
  9. 洗濯物の容量を検知する容量手段が設けられ、制御手段は、前記容量に応じて移行条件を変更することを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の洗濯機。
  10. 制御手段は、バランス修正工程を実行するとき、ドラムの回転数が所定回転数以下になると、バランス修正のための給水を開始することを特徴とする請求項4〜9記載の洗濯機。
  11. 次工程が、中間脱水後のすすぎ工程あるいは脱水工程後の乾燥工程とされたことを特徴とする請求項1または2記載の洗濯機。
  12. 制御手段は、ドラムの回転数が所定回転数以下になったとき、次工程を実行することを特徴とする請求項11記載の洗濯機。
  13. 制御手段は、すすぎ工程中の脱水時にドラムの回転数が所定回転数以下になったとき、仕上げ剤投入を実行することを特徴とする請求項11または12記載の洗濯機。
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Cited By (6)

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