JP2004001740A - 乗員監視装置、及びエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の着座姿勢を検出することができないので、例えば、乗員が座席の前の方に(すなわち、浅く)座っている場合等には、座席とエアバッグの距離が離れていても、乗員とエアバッグとの距離が近づき過ぎてしまい、エアバッグの展開時に乗員に対してかなりの衝撃が加わることになってしまうので、乗員が怪我をしてしまうことがあった。
【解決手段】また、距離センサは、この距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものである。また、座席位置センサとして、ヘッドレストの動作を検出するセンサを設けたものである。また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを設けたものである。また、座席の回転を検出するセンサを設けたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】また、距離センサは、この距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものである。また、座席位置センサとして、ヘッドレストの動作を検出するセンサを設けたものである。また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを設けたものである。また、座席の回転を検出するセンサを設けたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車等の車両に搭載され、乗員を監視する乗員監視装置、車両の衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の衝突時に乗員の前方にエアバッグをガスの圧力を利用して展開して乗員への衝撃を吸収するエアバッグ装置が広く一般に用いられている。このようなエアバッグ装置においては、実際の乗員とエアバッグとの距離に関係なく、一定の展開力によってエアバッグが展開されるため、乗員がエアバッグに近づき過ぎている場合には、乗員に強すぎる衝撃が加わることになってしまう。
【0003】
そこで、例えば特開平5−246300号公報に示されるように、乗員が座る座席の前後の変位量(スライド量)と背もたれの傾き量(リクライニング量)とから、乗員とエアバッグとの距離を類推し、この類推された乗員とエアバッグとの距離に基づいて、エアバッグの展開力を調節する乗員保護装置が知られている。その他、従来の技術としては、特開平2−60858号公報、特開平4−191146号公報、特開平4−191148号公報が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の乗員保護装置では、乗員の着座姿勢を検出することができないので、例えば、乗員が座席の前の方に(すなわち、浅く)座っている場合等には、座席とエアバッグの距離が離れていても、乗員とエアバッグとの距離が近づき過ぎてしまい、エアバッグの展開時に乗員に対してかなりの衝撃が加わることになってしまうので、乗員が怪我をしてしまうことがあった。
【0005】
また、乗員が着座しているかどうかを検出することができなかったので、乗員の着座していない座席においても、エアバッグを展開させていたので、エアバッグが不必要な場所においても展開することになっていた。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、乗員の着座姿勢を検出することができる乗員監視装置、エアバッグ装置を得ることを目的とする。
【0007】
また、乗員が着座しているかどうかを容易に検出することができる乗員監視装置、エアバッグ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る乗員監視装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無又は姿勢を検出する乗員検出手段とを設け、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものである。
【0009】
また、変位可能な座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報に基づいて距離センサの測定方向を変える距離センサ駆動手段と、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを設けたものである。
【0010】
また、距離センサは、この距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものである。
【0011】
また、座席位置センサとして、ヘッドレストの動作を検出するセンサを設けたものである。
【0012】
また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを設けたものである。
【0013】
また、座席の回転を検出するセンサを設けたものである。
【0014】
また、車体が傾いた際には処理を中断するものである。
【0015】
この発明に係るエアバッグ装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段と、エアバッグの展開を行う第1の点火回路及び第2の点火回路とを備え、乗員判定手段の判定に基づいて、第1の点火回路及び第2の点火回路とを選択し駆動するものであり、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものである。
【0016】
【作用】
この発明に係る乗員監視装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無又は姿勢を検出する乗員検出手段とを設け、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものであるので、水平方向より上方から入射される太陽光等の外乱光が距離センサに入射しない。
【0017】
また、変位可能な座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報に基づいて距離センサの測定方向を変える距離センサ駆動手段と、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを設けたものであるので、車両に対する座席の位置が変化しても、座席位置情報に基づいて駆動手段が距離センサの測定方向を変えて、座席域情報及び距離情報により乗員の有無を検出することができる。
【0018】
また、距離センサはこの距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものであるので、外乱光が距離センサに入射しない。
【0019】
また、座席位置センサとして、ヘッドレストの動作を検出するセンサを設けたものであるので、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0020】
また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを設けたものであるので、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0021】
また、座席の回転を検出するセンサを設けたものであるので、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0022】
また、車体が傾いた際には処理を中断するものであるので、誤動作を防止できる。
【0023】
この発明に係るエアバッグ装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段と、エアバッグの展開を行う第1の点火回路及び第2の点火回路とを備え、乗員判定手段の判定に基づいて、第1の点火回路及び第2の点火回路とを選択し駆動するものであり、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものであるので、水平方向より上方から入射される太陽光等の外乱光が距離センサに入射しない。
【0024】
【実施例】
実施例1.
この発明の実施例1について説明する。
図1は実施例1における車両のエアバック装置を示す模式図である。この図1において、10は車両、11は座席、12は乗員、13はハンドルであり、14は車両の衝突時に乗員12を衝突時の衝撃から保護するために、ガスの圧力等を利用して袋状の衝撃吸収体が展開されるエアバッグであり、通常時にはこのエアバッグ14はハンドル13に内蔵されている。15は乗員12までの距離を測定している距離センサ、16は座席11の前後方向のスライド量や背もたれのリクライニング角度、座席の上部に設けられているヘッドレストの傾き量等の座席情報を検出する座席位置センサである。
【0025】
図2は実施例1を示すブロック図である。この図2において、20は距離センサ15内に構成されている光学部であり、この光学部20は対象物に向け発光する発光素子20Aと対象物からの反射光を受光する受光素子20Bより構成されている。21は光学部20の発光素子20Aの出力と受光素子20Bの出力とを比較することにより距離を測定する測定回路である。
【0026】
23は車両10の加速度を検出する加速度センサ、24Aは加速度センサ23の出力に基づいて車両10が他の物体に衝突したことを検知(判定)する衝突判定手段である。24Cは、乗員判定手段24B(後述)において距離センサ15の出力と比較を行うための比較基準値となる基準距離データを記憶した距離メモリ、24Bは距離センサ15を制御し、また、距離センサ15の出力と座席位置センサ16の出力と距離メモリ24Cから出力される基準距離データにより乗員12の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段、24Dは衝突判定手段24Aの出力と乗員判定手段24Bの出力とに基づいて点火回路25A、25B(後述)に信号を出力し、エアバック14の展開制御を行う出力選択手段である。また、この出力選択手段24Dの出力により制御されるスイッチング用の点火回路25A、25Bとこれらと直列に接続された抵抗線からなるスクイブと呼ばれるエアバックの起動手段14Aと14Bとが直流電源26に接続されている。
【0027】
なお、衝突判定手段24Aと乗員判定手段24Bと距離メモリ24Cと出力選択手段24Dは、マイクロコンピュータ(以下マイコンと略す)24内で処理されるものである。
【0028】
ここで、距離センサ15について図3を用いて詳しく説明する。図3は距離センサ15を示す模式図である。光学部20は発光素子20Aと受光素子20Bとレンズと20Cとハウジング20Dとにより構成されている。30は車両内においては乗員12または座席11などである距離センサ15の測距対象となるターゲットである。
【0029】
この距離センサ15の動作について説明する。発光素子20Aはレンズ20Cを通してターゲット30に向け発光する。この発光素子20Aから発光された投射光(図中一点鎖線で示す)はターゲット30上で反射され、反射光(図中破線で示す)となる。受光素子20Bはターゲット30からの反射光をレンズ20Cを通して受光し、測距回路21は発光素子20A及び受光素子20Bの動作の制御、確認を行い、光が往復に要した時間、もしくは光の波長のずれ、または、受光素子上での反射光の入射位置から、ターゲット30までの距離を示す距離信号を出力する。
ここで、このような距離センサにおいては、発光素子から発光された投射光の反射光以外の外乱光が受光素子に入射された場合に距離の測定をまちがえてしまう場合があった。
【0030】
次に、図2を用いて実施例1の動作について説明する。加速度センサ23の出力から衝突判定手段24Aにより、車両の衝突が検知されると、出力選択手段24Dを介して乗員判定手段24Bに車両が衝突したことを示す信号が送られ、乗員判定手段24Bは距離メモリ24C内に記憶された基準距離データの内から座席位置センサ16の出力に対応した基準距離データを選択し、読み込む。次に、乗員判定手段24Bは距離センサ15の出力から求められた距離センサ15から対象物(座席11または乗員12)までの相対距離と前記基準距離データとの比較を行い、この比較の結果、乗員12が着座していることが検出されると、出力選択手段24Dに起動信号を出力する。次に、この起動信号をもとに、出力選択手段24Dは点火回路25A、25Bを駆動してエアバック14を展開させる。
【0031】
ここで、基準距離データの算出について図4を用いて説明する。
図4は距離センサ15と座席11または乗員12との関係を示す説明図である。この図4において、距離センサ15と座席11までの水平距離(以下座席移動(スライド)距離と略す)をSseetとし、距離センサ15から乗員12までの距離(以下乗員距離と略す)をLman、座席11の表面までの距離(座席距離)をLseetとすると、距離メモリ24Cに記憶されている乗員有無を判定するためのしきい値(比較基準値)である基準距離データ(図中Lmemoの記号を用いて表している)は誤差及びバラツキによる誤動作を防ぐために誤差Piを座席位置Lseetより減算した値としている。この基準距離データLmemoと実際に距離センサ15で測定した値(L1とする)とを比較して、乗員12の有無を確認することができる。このように、算出された基準距離データは距離メモリ24cに記憶されていて、座席位置センサ16の出力に合わせて随時距離メモリ24cから読み出されるものである。
【0032】
さらに、動作について述べる。図5及び図6はこの実施例1を示すフローチャートである。また、図7は乗員監視の動作を示すフローチャートである。
図5において、処理F10でイグニッションがONされると、処理F11で図7に示される乗員監視サブルーチンに処理が移る。この乗員監視サブルーチンでの乗員の有無の判定について図7を用いて説明する。
【0033】
図7において、処理F30では座席位置センサ16により座席移動距離Sseetを測定し、処理F31で距離メモリ24Cから座席移動距離Sseetに対応した基準距離データLmemoを読み込み、処理F32で距離センサ15により測定距離L1を測定する。そして、処理F33で前記基準距離データLmemoから測定距離L1を減算した値が0より大きければ(L1<Lmemo)、Yの方向へ、すなわち処理F34に進み乗員12が座席上にいるものと判定する。また、処理F33において前記減算値が0以下のときは(L1>Lmemo)、Nの方向へ、すなわち処理F35に進み乗員12が座席上にいないものと判定する。
以上の処理により乗員の有無を判定する乗員監視サブルーチンが終了し、図5に示すメインルーチンへ処理が戻る。
ここで、この図7で示す乗員監視サブルーチンを乗員監視サブルーチン1として、後述するその他の乗員監視サブルーチンと区別する。
【0034】
次に、図5の処理F12において、乗員監視サブルーチンで乗員12が有りと判定された場合は、処理F13に進み衝突判定処理を行う。ここで、衝突判定処理とは加速度センサ23の出力信号をもとに、積分処理等を行いエアバック14の起動を必要とする衝突と起動を必要としない衝突を判定する処理である。この衝突判定処理は衝突判定手段24Aで行われる。
次に前記衝突判定処理F13において衝突が検知されると、処理F15に進み点火回路25A、25Bを駆動し、処理F16でエアバック14が展開される。また、処理F12で乗員12無しと判定された場合と処理F14で衝突が検知されなかった場合は処理F11に戻り、以上のような処理を繰り返す。
【0035】
図6は実施例1において、点火回路25A、25Bを選択して駆動する場合の動作を示したフローチャートである。このフローチャートにおいて処理F10から処理F14の動作は図5における処理F11から処理F14の動作と同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
図6の処理F25において距離センサ15で測定された測定距離L1が所定のしきい値Lthr以上であると、処理F26に進み、点火回路25A、25Bを駆動する。また、処理F25で乗員距離が所定のしきい値(Lthrとする)より小さければ、乗員12が所定位置より前に着座していると見なし、Nの方向すなわち処理F27に進み点火回路25Aのみを駆動する。この時、所定のしきい値Lthrとしては図4中のLmanを用いればよい。そして、処理F28でエアバック14が展開される。
【0036】
ここで、点火回路25Aのみ駆動した場合は、点火回路25A、25Bを両方駆動した場合に比べ、エアバック14の展開力(膨脹力)が弱められ、乗員12とエアバック14との距離が通常時に比べて接近している時でも最適な膨脹状態で、エアバック14に乗員12はぶつかり、乗員12に最適の緩衝力が与えられる。
【0037】
次に、座席11がスライドまたはリクライニングする場合に、座席の状態に応じて基準距離データLmemoを正確に算出する方法について説明する。
図8は座席11が前後にスライドしている場合の距離センサ15と座席11の位置を示した模式図である。この図において、16Aは座席移動距離を測定するシートスライドセンサであり、座席11が最も後ろに位置するときの座席移動距離をシートスライド初期値Ssoとし、座席11が最も前に位置するときの座席移動距離をシートスライド最大値Ssnとし、座席11が任意の位置にあるときの座席移動距離を座席任意値Ssxとする。そして、シートスライド初期値Ssoに対する座席距離をLso、シートスライド最大値Ssnに対する座席距離をLsn、座席任意値Ssxに対する座席距離をLsxとする。
【0038】
距離センサ15から送光される照射ビームは座席位置がどの位置にあっても座席11の背もたれ上にあるよう設定されているとともに、距離メモリ24Cに記憶しておく基準距離データは座席距離Lsoのみとする。なお、基準距離データは前述図4において基準距離データLmemo=Lseet−Piとした様に、誤差及びバラツキによる誤動作を防ぐため、実測値より小さめに設定しておくが、ここでは説明を単純化するため基準距離データを座席距離Lsoとして説明を行う。
【0039】
図9は座席11がリクライニング(座席11の背もたれの角度が変化すること)する場合の距離センサ15と座席11の位置を示した模式図である。16Bは座席11の背もたれのリクライニングの角度を測定するリクライニングセンサであり、座席11の背もたれをリクライニングさせたときの回転中心をCとし、この回転中心Cを通る垂線をh、任意位置での座席移動距離をSsx、前記座席移動距離Ssxの位置での回転中心Cから距離センサ15までの垂直距離をHとする。この時、垂線hからの座席11の傾きの角度(以下、リクライニング角度と略す)の内の最小値をリクライニング初期値θo、最大値をリクライニング最大角度θn、任意のリクライニング角度をθx(θo<θx<θn)とし、リクライニング角度θo、θx、θnに対する座席距離をそれぞれLθo、Lθx、Lθnとする。
【0040】
図10は座席距離Lsxを求めるために図8、9の各距離、角度を図形的に示した模式図である。この図のように座席距離Lsxは各距離の比を利用して次式により求まる。
Lsx=Lso×(Htanθx+Ssx)/(Htanθx+Sso)・・・(式1)
【0041】
ここで、図5または図6中の処理F11である座席距離により乗員判定を行う乗員監視サブルーチンを図11のフローチャートを用いて説明する。
図11は図7に示した乗員監視サブルーチン1とは座席11がスライドとリクライニングとを行う点で異なるものであり、ここでは乗員監視サブルーチン2とする。この図11において、処理F41で座席位置センサ16Aにより座席のスライド距離Ssxを測定し、処理F42で座席位置センサ16Bにより座席のリクライニング角度θxを測定し、さらに処理F43で距離メモリ24Cから基準距離データLsoを読み込む。そして、処理F44で前記各値を用いて(式1)より座席距離データLsxを計算する。処理F45で距離センサ15により測定距離L1を測定し、処理F46で座席距離データLsxより測定距離L1を引いた減算値を求め、この減算値が0より大きければYの方向すなわち処理F47に進み、乗員ありと判定する。また、処理F46で前記減算値が0以下の場合はNの方向すなわち処理F48に進み、乗員なしと判定する。
【0042】
このようにして、座席移動(スライド)距離とリクライニング角度とに基づいて、乗員判定のしきい値となる基準距離データを演算し、この基準距離データから距離センサと座席との距離を計算し、この距離を距離センサの実測値と比較することにより乗員の有無の正確な判定を行うことができる。
【0043】
実施例2.
実施例2は、実施例1における乗員監視装置において、距離センサ15の照射ビーム方向を所定の方向で固定し、距離メモリ24Cに座席の移動距離に対応した基準距離データを記憶することにより、これらの基準距離データをもとに乗員距離をより正確に測定する方法について説明する。
【0044】
図12は、距離センサ15と座席11の位置の関係を示す模式図である。
この図12において、座席移動距離Sso(シートスライド初期値)での座席11と距離センサ15の光軸との交点を点o、座席移動距離Ssn(シートスライド最大値)においての交点を点n、座席移動距離Ssx(座席位置任意位置)においての交点を点xとする。
ちなみに、説明を解り易くするために、この実施例において、点xは座席11の屈曲部に位置するものとしている。
【0045】
これら点n、点x、点oの座席移動距離Ssnの座席11上での位置は図12中に示す通りであり、座席11をシートスライド初期値Ssoからシートスライド最大値Ssnまで移動させたとき、座席11上での距離センサ15の座席表面上に照射ビームが当っている点の軌跡は点n→点x→点oの順に移動する。ここで、図13に示すテーブルのように、距離メモリ24Cには座席移動距離Sso、Ssx、Ssnに付けられたアドレスAso、Asx、Asnに対応する基準距離データがLso、Lsx、Lsnとして、予め算出し、記憶しておくものとする。ただし、基準距離データは測定誤差及びバラツキを考慮して、実測値より小さめに設定されている。また、記憶しておく座席移動距離の数は多ければ多い程精度がよくなるが、人体の厚みの誤差等があるので、ある程度の数(例えばこの実施例において示すように三つ)があればよい。
【0046】
次に、動作について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図14は実施例1における図5または図6中の座席距離により乗員判定を行う乗員監視サブルーチンとして用いることのできる乗員監視サブルーチン3を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、処理F50で座席位置センサ16Aにより座席移動距離Ssxを測定し、処理F51で距離メモリ24Cから座席移動距離Ssxに対応したアドレスAdxを決定(図13のテーブルの中から選択)する。処理F52で距離メモリ24CからアドレスAdxに対応する基準距離データLsxを読み込み、処理53で距離センサ15により測定距離L1を測定し、処理F54で座席距離データLsxから測定距離L1の減算値を求め、前記減算値が0より大きければYの方向すなわち処理F55に進み、乗員ありと判定する。また、処理F54で前記減算値が0以下の場合はNの方向すなわち処理F56に進み、乗員なしと判定する。
以上の処理で乗員監視サブルーチン3が終了する。
実施例1と同様であるところは同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
このように、実施例2においては、座席移動距離に対応した基準距離データを距離メモリ14にテーブルとして記憶しておくことにより、乗員判定を簡単な処理で行うことができる。
また、予め基準距離データが用意されているので、基準距離データが大きく違った値を示すことがないので、誤作動を起こし難くなる。
【0048】
実施例3.
実施例3は、実施例1における乗員監視装置において、距離センサ15を回転させる等により距離センサ15の光軸方向を乗員12の着座姿勢、体の大きさなどに影響されにくい最適な方向に向けて、距離精度を高めることにより乗員判定を正確に行うものである。
【0049】
図15は実施例3を示す機能ブロック図であり、図15において、27は距離センサ15の上下方向の角度を変えるモーター等のセンサ駆動手段であり、24Eはシートスライドセンサ16Aの出力に応じ、距離センサ15の角度を決定し、センサ駆動手段27に信号を出力するセンサ回転角制御手段である。
次に、動作について説明すると、座席11の移動距離に応じシートスライドセンサ16Aより信号が出力され、その信号をもとにセンサ回転角制御手段24Eは、乗員12上の一定位置に距離センサ15の照射ビームが向くようにセンサ駆動手段27を制御し、センサ駆動手段27は距離センサ15を駆動して、距離センサ15の光軸を最適な方向に向ける。本実施例ではセンサ駆動手段27にステッピングモータを用いている。
【0050】
図16は体格の大きな乗員12A(例えば大人)または体格の小さな乗員12B(例えば子供)が座席11に着座した場合において、距離センサ15の光軸の方向がどのように関係するのかを説明するための説明図である。27Aは距離センサ15の光軸の角度を変えるためのステッピングモータである。この図16において、体格の大きい乗員12Aが座席11に着座している場合は、距離センサ15の光軸は座席11上を向いていれば例えば光軸a、b、cのどの光軸の場合でも乗員12Aを検知することができる。次に、体格の小さい乗員12Bが座席11に着座している場合に、距離センサ15の光軸が光軸a、cの場合には、乗員12Bを検出することができないので、乗員検出を誤ってしまう。しかし、距離センサ15の光軸が座席11の屈曲部付近に光軸を定めた光軸bの場合には体格の小さな乗員12Bが着座しているものを検出可能である。
このように、乗員12の大きさが変化した場合には、距離センサ15の光軸の角度によって、検出不可能になることもある。
【0051】
よって、乗員12の大きさにかかわらず、常に検出可能にしておくためには、光軸bのように座席11の屈曲部付近に光軸を向けておくことが必要である。
図17は座席11がスライドした場合の距離センサ15の光軸方向の変化を示す説明図である。この図17に示すように、座席11がXからYにスライドした場合には、座席位置センサ16Aから出力される座席移動距離信号をもとに、距離センサ15の光軸は常に座席11の屈曲部付近を向くようにするためには、ステッピングモータ27Aを制御して、距離センサ15の光軸をUからVに変化させる必要がある。
【0052】
図18は座席移動距離から距離センサ15の光軸の角度(以下センサ回転角と略す)を制御する場合の各距離と角度関係とを図形的に示した説明図である。
この図18において、図8と同様であるものは同一記号を付して説明を省略する。この図18において、θsoはシートスライド初期値Ssoでの距離センサ15の光軸角度であり、θsxは座席移動距離任意位置Ssxでの距離センサ15のセンサ回転角を示している。
図18より座席移動距離任意値Ssxからセンサ回転角θsxは次式により求まる。
θsx=θo−tan−1(Ssx/H) ・・・・(式2)
【0053】
次に動作について、図19のフローチャートを用いて説明する。
図19において処理F60で座席位置センサ16Aにより座席移動距離Ssxを測定し、処理F61でセンサ回転角θsxを(式2)により計算する。そして処理F62で(式2)から求まったセンサ回転角θsxをパルス数に換算して、このパルス数によりステッピングモータを駆動して、処理が終了する。
以上のようにこの実施例3において、任意の座席移動距離において距離センサ15は座席上の一定位置を向くことになり、座席のスライド位置にかかわらず常に最良の状態で乗員距離測定を行える。
【0054】
この実施例3において、例えば図16における光軸a、b、cをそれぞれ持つ距離センサを設け、それぞれの距離センサによる測定値に基づいて、乗員の体格を検出することもでき、この検出された乗員の体格に基づいてより正確にエアバッグ等の装置を制御することも可能である。
【0055】
実施例4.
この実施例4においては、実施例1記載の乗員監視装置の距離センサ15を車両内のすべての座席に対応して設け、それぞれの座席において乗員配置及び乗員姿勢を監視して、この結果に基づいて各部機器の制御を行う方法について説明する。
【0056】
図20は実施例4においての座席と距離センサとを示す模式図である。この図20は特に座席定員5名の場合の距離センサ15の配置を示した図である。この図20において、座席11Aに乗員12A、座席11Bに乗員12B、座席11Cは三人掛けの座席であるので、乗員12C、12D、12Eが着座しており、距離センサ15Aは座席11Aを、距離センサ15Bは座席11Bを監視しており、さらに距離センサ15Cは座席11Cの左座席を、距離センサ15Dは座席11Cの中央座席を、距離センサ15Eは右端座席を監視している。
【0057】
この実施例4の動作を、図22のフローチャートを用いて説明する。
図22において処理F71でイグニッションをオンし、処理F72で実施例1における図7に示す乗員監視サブルーチン1の処理により乗員12Aを監視し、処理F73で、乗員12Bを同様に監視し、処理F74で乗員12Cを同様に監視し、処理F75で乗員12Dを同様に監視し、処理F76で乗員12Eを同様に監視する。処理F77で乗員12Aから12Eまでの有無及び着座姿勢に応じてエアーバックの点火回路25を制御する。
【0058】
そして、例えば各座席毎にエアバック14Aから14Eを装備している場合に、乗員のいる座席に対応した必要な部分のエアバックのみを展開する等の制御が可能である。
また、図20に示した距離センサ15Aから15Eを図21に距離センサ15として示すように1箇所に設け、座席11Aから11Cを監視しても良い。
また、一つの距離センサ15の回転角度を制御することによって、時差をつけてそれぞれの座席11Aから11Cを監視することにしてもよい。
【0059】
さらに、図21における距離センサ15として、特開平4−161810号公報に示されるような一対のイメージセンサを用いた距離センサとしてもよい。このときに、一対のイメージセンサにより、複数の座席上を監視することにしてもよい。
また、エアバッグ以外の乗員保護用装置、例えばシートベルト等に用いることも可能である。
【0060】
実施例5.
実施例5は上記各実施例記載の乗員監視装置をオーディオ制御に応用したものである。図23は実施例5を示すブロック図である。この図23において、220はカセット、CD等の機能を持ったオーディオであり、221A、221Bはオーディオ220の出力信号に基づいて車内に音を流すスピーカである。
乗員判定手段24Bは運転席または運転席以外の乗員の有無、着座姿勢を判定し、この乗員判定手段24Bの出力から出力選択手段24Dは車室内に設置された各スピーカ221A、221Bの音量及び音質を制御し、車両内の音場補正を行う。
【0061】
図25を用いて実施例5の動作のフローチャートについて説明する。
この図25において、処理F80から処理F85は実施例4における図22中の処理F71〜F76と同様のため説明を省略する。
この処理F81から処理F85の判定情報をもとに、処理86で乗員12A〜乗員12Eの有無及び着座姿勢に応じた音場の判別及びスピーカ221A、221Bへの設定を行い、処理F81に戻り同様の処理を繰り返す。
以上のような実施例5においては、乗員の車内での位置に合わせて、車内の音場を最適なものとする事ができる。
【0062】
この実施例5においては、スピーカの音量を調節していたが、スピーカの向きや位置を調節してもよい。
【0063】
実施例6.
実施例6は上記各実施例記載の乗員監視装置をエアコン制御に応用した例を示すものである。図25は実施例6を示すブロック図である。
この図25において、231は車室内の温度を測定する温度センサ、24Fは温度センサ231の出力から車室内の温度を適温か否かを判定する適温判定手段、232はエアコン、エアコン232内にコンプレッサ232Bとファン232C、そしてコンプレッサ232Bとファン232Cを制御する空調回路232Aが内蔵されている。図25中で図2で説明したものと同様であるものは符号を付けて説明は省略する。
この図25の出力選択手段24Dは、適温判定手段24Fの出力と乗員判定手段24Bの出力から、空気吹き出し方向、風量、温度等を調節して、各乗員に応じ快適な環境となるように空調回路232Aを制御し、コンプレッサ232B、ファン232Cが調整される。
【0064】
次に、図26を用いて動作について説明する。ここで、図26において処理F90から処理F95は図22中の処理F71〜F76までと同様のため説明を省略する。
処理96では処理F91から処理F95の判定情報をもとに、乗員12Aから乗員12Eの有無及び着座姿勢に応じた空調(温度、風量等)の設定を行い、処理F91に戻り同様の処理を繰り返す。
以上のような実施例6においては、車内における乗員の位置に基づいて、車内の空調を最適なものとする事ができる。
【0065】
実施例7.
実施例7においては、実施例1記載の乗員監視装置の距離センサ15のセンサ回転角を水平より下向けに設定することにより、太陽光やヘッドライト光等の外乱光の影響を無くし正確な距離測定を行う方法について説明する。
図27は乗員監視装置を搭載した車両が水平な道路を走行している状態での距離センサ15の最適なセンサ回転角の設定方法を説明するための外乱光と距離センサとの関係を示した説明図である。10Aは距離センサ15を設置した車両、10Bは車両10Aの後方を走行するバスまたはバンタイプの車高の高い車両である。この車両10Bが車両10Aの距離センサ15にライトを照らし外乱する状態を示している。また、車両10Aの後方には朝日または夕日があり、この地平線近くから来る太陽光が距離センサ15に外乱となる状態も示している。
【0066】
このような外乱光は、水平方向から入射して来るので、外乱光の入射を防ぐために図27において示すように、距離センサ15は水平より角度θe下向けに設定されており、日中、距離センサ15に太陽光による外乱光が直接入ることなく、また、夜には車両10Bのヘッドライト光が車両10Aに直接入ることがない。
【0067】
図28は距離センサ15のセンサ角度θeを外乱光が少なくなる角度に設定する方法を説明した説明図である。この図28において、270は車両10Aのフロントノーズと呼ばれるエンジンのある前部を指し、271はバックノーズと呼ばれるトランクルームがある後部を指しており、距離センサ15は前記フロントノーズ270を結ぶ角度θfront、またはバックノーズ271を結ぶ角度θbackより下向けにすることにより、フロントノーズ270またはバックノーズ271より上側から距離センサ15に入ってくる外乱光を阻止することができる。
すなわち、図28中に示す、角度θx、θyの範囲内に距離センサ15が向いていれば、外乱光が直接、距離センサ15に入射することを防ぐことができる。
【0068】
図29は外乱光の影響を具体的に説明するための波形図である。この図29において、(a)は発光素子21により発光される発光パターン、(b)は外乱が無い場合の受光素子20Bの出力、(c)は外乱がある場合の受光素子20Bの出力を示している。
(a)に示す発光パターンにより発光素子20Aより発光が行われると、太陽光などの外乱が無い場合は、受光素子20Bの出力は(b)のようになり、正常に距離の測定を行うことができるが、外乱がある場合は(c)に示すように出力レベルは外乱分ΔVだけ大きくなり、また、S/N比も悪化し、測距回路21は実際の距離とは異なる出力をしてしまい、装置の誤作動等の原因となってしまう。
【0069】
この実施例7においては、車両の前後方向からの外乱光について述べたが、車両の左右からの外乱光においては、距離センサと窓ガラスの下部と結ぶ線より下を向いていればよいことは言うまでもない。
【0070】
上記各実施例において、座席位置センサとして、背もたれの上部に設けられたヘッドレストの動作を検出するセンサを設けてもよい。
【0071】
上記各実施例において、座席位置センサとして、座席を上下させるシートリフトの動作を検出するセンサを設けてもよい。
【0072】
上記各実施例において、座席位置センサとして、座席回転する場合、この座席の回転を検出するセンサを設けてもよい。
【0073】
上記各実施例において、車体が傾いた際には外乱光が距離センサに入射しやすくなるので、処理を中断するなどして誤作動を防止してもよい。
【0074】
上記各実施例において、距離センサとして、例えば、赤外線センサ等のその他のセンサを用いることも可能である。
【0075】
上記各実施例において、距離センサはその検出方向を変えていたが、例えば、赤外線センサを用いる際に座席との距離を一定にするために前後方向に動かすことなどしてもよい。
【0076】
上記各実施例において、シートスイッチ等のその他の乗員監視装置と組み合わせて、より確実に乗員監視を行うことも可能である。
【0077】
上記各実施例において、車両が衝突した際に、乗員が急激に前方に移動することを距離センサにより検出して、エアバッグを展開させることも可能である。
【0078】
上記各実施例において、距離センサとして、ほぼ同方向に向けられた一対のイメージセンサを設け、この一対のイメージセンサの像のズレから乗員までの距離を検出してもよい。
【0079】
【発明の効果】
この発明に係る乗員監視装置は、太陽光等の外乱光が距離センサに入射しないので、外乱光による誤差がなくなり、正確な動作を得ることができる。
【0080】
また、車両に対する座席の位置が変化しても、距離センサの測定方向を変えて、座席上の乗員の有無を正確に検出することができる。
【0081】
また、距離センサは、この距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものであるので、外乱光が距離センサに入射しないので、外乱光による誤差がなくなり、正確な動作を得ることができる。
【0082】
また、ヘッドレストの動作を検出して、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0083】
また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出して、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0084】
また、座席の回転を検出して、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0085】
また、車体が傾いた際には処理を中断することにより、誤動作を防止できる。
【0086】
この発明に係るエアバッグ装置は、太陽光等の外乱光が距離センサに入射しないので、外乱光による誤差がなくなり、正確な動作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す模式図である。
【図2】この発明の実施例1を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施例1における距離センサを示す模式図である。
【図4】この発明の実施例1における距離センサと座席との関係を示す模式図である。
【図5】この発明の実施例1を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施例1を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施例1における乗員監視を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施例1における距離センサとスライドする座席との関係を示す模式図である。
【図9】この発明の実施例1における距離センサとリクライニングする座席との関係を示す模式図である。
【図10】この発明の実施例1における距離センサと座席との位置関係を示す模式図である。
【図11】この発明の実施例1における乗員監視を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施例2における距離センサとスライド及びリクライニングする座席との関係を示す模式図である。
【図13】この発明の実施例2における基準距離データを示す説明図である。
【図14】この発明の実施例2における乗員監視を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施例3を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施例3における距離センサと座席と乗員との関係を示す模式図である。
【図17】この発明の実施例3における回転する距離センサと座席との関係を示す模式図である。
【図18】この発明の実施例3における回転する距離センサと座席との位置関係を示す模式図である。
【図19】この発明の実施例3を示すフローチャートである。
【図20】この発明の実施例4における距離センサと座席と乗員との関係を示す模式図である。
【図21】この発明の実施例4における距離センサと座席との関係を示す模式図である。
【図22】この発明の実施例4を示すフローチャートである。
【図23】この発明の実施例5を示すブロック図である。
【図24】この発明の実施例5を示すフローチャートである。
【図25】この発明の実施例6を示すブロック図である。
【図26】この発明の実施例6を示すフローチャートである。
【図27】この発明の実施例7を示す模式図である。
【図28】この発明の実施例7を示す模式図である。
【図29】この発明の実施例7における外乱光の影響を示す説明図である。
【符号の説明】
11…座席、14…エアバッグ、15…距離センサ、16…座席位置センサ、24…マイクロコンピュータ、27A…ステッピングモータ、220…オーディオ、232…エアコン
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車等の車両に搭載され、乗員を監視する乗員監視装置、車両の衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の衝突時に乗員の前方にエアバッグをガスの圧力を利用して展開して乗員への衝撃を吸収するエアバッグ装置が広く一般に用いられている。このようなエアバッグ装置においては、実際の乗員とエアバッグとの距離に関係なく、一定の展開力によってエアバッグが展開されるため、乗員がエアバッグに近づき過ぎている場合には、乗員に強すぎる衝撃が加わることになってしまう。
【0003】
そこで、例えば特開平5−246300号公報に示されるように、乗員が座る座席の前後の変位量(スライド量)と背もたれの傾き量(リクライニング量)とから、乗員とエアバッグとの距離を類推し、この類推された乗員とエアバッグとの距離に基づいて、エアバッグの展開力を調節する乗員保護装置が知られている。その他、従来の技術としては、特開平2−60858号公報、特開平4−191146号公報、特開平4−191148号公報が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の乗員保護装置では、乗員の着座姿勢を検出することができないので、例えば、乗員が座席の前の方に(すなわち、浅く)座っている場合等には、座席とエアバッグの距離が離れていても、乗員とエアバッグとの距離が近づき過ぎてしまい、エアバッグの展開時に乗員に対してかなりの衝撃が加わることになってしまうので、乗員が怪我をしてしまうことがあった。
【0005】
また、乗員が着座しているかどうかを検出することができなかったので、乗員の着座していない座席においても、エアバッグを展開させていたので、エアバッグが不必要な場所においても展開することになっていた。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、乗員の着座姿勢を検出することができる乗員監視装置、エアバッグ装置を得ることを目的とする。
【0007】
また、乗員が着座しているかどうかを容易に検出することができる乗員監視装置、エアバッグ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る乗員監視装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無又は姿勢を検出する乗員検出手段とを設け、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものである。
【0009】
また、変位可能な座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報に基づいて距離センサの測定方向を変える距離センサ駆動手段と、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを設けたものである。
【0010】
また、距離センサは、この距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものである。
【0011】
また、座席位置センサとして、ヘッドレストの動作を検出するセンサを設けたものである。
【0012】
また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを設けたものである。
【0013】
また、座席の回転を検出するセンサを設けたものである。
【0014】
また、車体が傾いた際には処理を中断するものである。
【0015】
この発明に係るエアバッグ装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段と、エアバッグの展開を行う第1の点火回路及び第2の点火回路とを備え、乗員判定手段の判定に基づいて、第1の点火回路及び第2の点火回路とを選択し駆動するものであり、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものである。
【0016】
【作用】
この発明に係る乗員監視装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無又は姿勢を検出する乗員検出手段とを設け、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものであるので、水平方向より上方から入射される太陽光等の外乱光が距離センサに入射しない。
【0017】
また、変位可能な座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報に基づいて距離センサの測定方向を変える距離センサ駆動手段と、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを設けたものであるので、車両に対する座席の位置が変化しても、座席位置情報に基づいて駆動手段が距離センサの測定方向を変えて、座席域情報及び距離情報により乗員の有無を検出することができる。
【0018】
また、距離センサはこの距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものであるので、外乱光が距離センサに入射しない。
【0019】
また、座席位置センサとして、ヘッドレストの動作を検出するセンサを設けたものであるので、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0020】
また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを設けたものであるので、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0021】
また、座席の回転を検出するセンサを設けたものであるので、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0022】
また、車体が傾いた際には処理を中断するものであるので、誤動作を防止できる。
【0023】
この発明に係るエアバッグ装置は、座席の車両に対する位置を検出し座席位置情報を出力する座席位置センサと、車両に設けられ座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、座席位置情報及び距離情報に基づいて座席上の乗員の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段と、エアバッグの展開を行う第1の点火回路及び第2の点火回路とを備え、乗員判定手段の判定に基づいて、第1の点火回路及び第2の点火回路とを選択し駆動するものであり、距離センサは水平方向より下向きに向けられるものであるので、水平方向より上方から入射される太陽光等の外乱光が距離センサに入射しない。
【0024】
【実施例】
実施例1.
この発明の実施例1について説明する。
図1は実施例1における車両のエアバック装置を示す模式図である。この図1において、10は車両、11は座席、12は乗員、13はハンドルであり、14は車両の衝突時に乗員12を衝突時の衝撃から保護するために、ガスの圧力等を利用して袋状の衝撃吸収体が展開されるエアバッグであり、通常時にはこのエアバッグ14はハンドル13に内蔵されている。15は乗員12までの距離を測定している距離センサ、16は座席11の前後方向のスライド量や背もたれのリクライニング角度、座席の上部に設けられているヘッドレストの傾き量等の座席情報を検出する座席位置センサである。
【0025】
図2は実施例1を示すブロック図である。この図2において、20は距離センサ15内に構成されている光学部であり、この光学部20は対象物に向け発光する発光素子20Aと対象物からの反射光を受光する受光素子20Bより構成されている。21は光学部20の発光素子20Aの出力と受光素子20Bの出力とを比較することにより距離を測定する測定回路である。
【0026】
23は車両10の加速度を検出する加速度センサ、24Aは加速度センサ23の出力に基づいて車両10が他の物体に衝突したことを検知(判定)する衝突判定手段である。24Cは、乗員判定手段24B(後述)において距離センサ15の出力と比較を行うための比較基準値となる基準距離データを記憶した距離メモリ、24Bは距離センサ15を制御し、また、距離センサ15の出力と座席位置センサ16の出力と距離メモリ24Cから出力される基準距離データにより乗員12の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段、24Dは衝突判定手段24Aの出力と乗員判定手段24Bの出力とに基づいて点火回路25A、25B(後述)に信号を出力し、エアバック14の展開制御を行う出力選択手段である。また、この出力選択手段24Dの出力により制御されるスイッチング用の点火回路25A、25Bとこれらと直列に接続された抵抗線からなるスクイブと呼ばれるエアバックの起動手段14Aと14Bとが直流電源26に接続されている。
【0027】
なお、衝突判定手段24Aと乗員判定手段24Bと距離メモリ24Cと出力選択手段24Dは、マイクロコンピュータ(以下マイコンと略す)24内で処理されるものである。
【0028】
ここで、距離センサ15について図3を用いて詳しく説明する。図3は距離センサ15を示す模式図である。光学部20は発光素子20Aと受光素子20Bとレンズと20Cとハウジング20Dとにより構成されている。30は車両内においては乗員12または座席11などである距離センサ15の測距対象となるターゲットである。
【0029】
この距離センサ15の動作について説明する。発光素子20Aはレンズ20Cを通してターゲット30に向け発光する。この発光素子20Aから発光された投射光(図中一点鎖線で示す)はターゲット30上で反射され、反射光(図中破線で示す)となる。受光素子20Bはターゲット30からの反射光をレンズ20Cを通して受光し、測距回路21は発光素子20A及び受光素子20Bの動作の制御、確認を行い、光が往復に要した時間、もしくは光の波長のずれ、または、受光素子上での反射光の入射位置から、ターゲット30までの距離を示す距離信号を出力する。
ここで、このような距離センサにおいては、発光素子から発光された投射光の反射光以外の外乱光が受光素子に入射された場合に距離の測定をまちがえてしまう場合があった。
【0030】
次に、図2を用いて実施例1の動作について説明する。加速度センサ23の出力から衝突判定手段24Aにより、車両の衝突が検知されると、出力選択手段24Dを介して乗員判定手段24Bに車両が衝突したことを示す信号が送られ、乗員判定手段24Bは距離メモリ24C内に記憶された基準距離データの内から座席位置センサ16の出力に対応した基準距離データを選択し、読み込む。次に、乗員判定手段24Bは距離センサ15の出力から求められた距離センサ15から対象物(座席11または乗員12)までの相対距離と前記基準距離データとの比較を行い、この比較の結果、乗員12が着座していることが検出されると、出力選択手段24Dに起動信号を出力する。次に、この起動信号をもとに、出力選択手段24Dは点火回路25A、25Bを駆動してエアバック14を展開させる。
【0031】
ここで、基準距離データの算出について図4を用いて説明する。
図4は距離センサ15と座席11または乗員12との関係を示す説明図である。この図4において、距離センサ15と座席11までの水平距離(以下座席移動(スライド)距離と略す)をSseetとし、距離センサ15から乗員12までの距離(以下乗員距離と略す)をLman、座席11の表面までの距離(座席距離)をLseetとすると、距離メモリ24Cに記憶されている乗員有無を判定するためのしきい値(比較基準値)である基準距離データ(図中Lmemoの記号を用いて表している)は誤差及びバラツキによる誤動作を防ぐために誤差Piを座席位置Lseetより減算した値としている。この基準距離データLmemoと実際に距離センサ15で測定した値(L1とする)とを比較して、乗員12の有無を確認することができる。このように、算出された基準距離データは距離メモリ24cに記憶されていて、座席位置センサ16の出力に合わせて随時距離メモリ24cから読み出されるものである。
【0032】
さらに、動作について述べる。図5及び図6はこの実施例1を示すフローチャートである。また、図7は乗員監視の動作を示すフローチャートである。
図5において、処理F10でイグニッションがONされると、処理F11で図7に示される乗員監視サブルーチンに処理が移る。この乗員監視サブルーチンでの乗員の有無の判定について図7を用いて説明する。
【0033】
図7において、処理F30では座席位置センサ16により座席移動距離Sseetを測定し、処理F31で距離メモリ24Cから座席移動距離Sseetに対応した基準距離データLmemoを読み込み、処理F32で距離センサ15により測定距離L1を測定する。そして、処理F33で前記基準距離データLmemoから測定距離L1を減算した値が0より大きければ(L1<Lmemo)、Yの方向へ、すなわち処理F34に進み乗員12が座席上にいるものと判定する。また、処理F33において前記減算値が0以下のときは(L1>Lmemo)、Nの方向へ、すなわち処理F35に進み乗員12が座席上にいないものと判定する。
以上の処理により乗員の有無を判定する乗員監視サブルーチンが終了し、図5に示すメインルーチンへ処理が戻る。
ここで、この図7で示す乗員監視サブルーチンを乗員監視サブルーチン1として、後述するその他の乗員監視サブルーチンと区別する。
【0034】
次に、図5の処理F12において、乗員監視サブルーチンで乗員12が有りと判定された場合は、処理F13に進み衝突判定処理を行う。ここで、衝突判定処理とは加速度センサ23の出力信号をもとに、積分処理等を行いエアバック14の起動を必要とする衝突と起動を必要としない衝突を判定する処理である。この衝突判定処理は衝突判定手段24Aで行われる。
次に前記衝突判定処理F13において衝突が検知されると、処理F15に進み点火回路25A、25Bを駆動し、処理F16でエアバック14が展開される。また、処理F12で乗員12無しと判定された場合と処理F14で衝突が検知されなかった場合は処理F11に戻り、以上のような処理を繰り返す。
【0035】
図6は実施例1において、点火回路25A、25Bを選択して駆動する場合の動作を示したフローチャートである。このフローチャートにおいて処理F10から処理F14の動作は図5における処理F11から処理F14の動作と同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
図6の処理F25において距離センサ15で測定された測定距離L1が所定のしきい値Lthr以上であると、処理F26に進み、点火回路25A、25Bを駆動する。また、処理F25で乗員距離が所定のしきい値(Lthrとする)より小さければ、乗員12が所定位置より前に着座していると見なし、Nの方向すなわち処理F27に進み点火回路25Aのみを駆動する。この時、所定のしきい値Lthrとしては図4中のLmanを用いればよい。そして、処理F28でエアバック14が展開される。
【0036】
ここで、点火回路25Aのみ駆動した場合は、点火回路25A、25Bを両方駆動した場合に比べ、エアバック14の展開力(膨脹力)が弱められ、乗員12とエアバック14との距離が通常時に比べて接近している時でも最適な膨脹状態で、エアバック14に乗員12はぶつかり、乗員12に最適の緩衝力が与えられる。
【0037】
次に、座席11がスライドまたはリクライニングする場合に、座席の状態に応じて基準距離データLmemoを正確に算出する方法について説明する。
図8は座席11が前後にスライドしている場合の距離センサ15と座席11の位置を示した模式図である。この図において、16Aは座席移動距離を測定するシートスライドセンサであり、座席11が最も後ろに位置するときの座席移動距離をシートスライド初期値Ssoとし、座席11が最も前に位置するときの座席移動距離をシートスライド最大値Ssnとし、座席11が任意の位置にあるときの座席移動距離を座席任意値Ssxとする。そして、シートスライド初期値Ssoに対する座席距離をLso、シートスライド最大値Ssnに対する座席距離をLsn、座席任意値Ssxに対する座席距離をLsxとする。
【0038】
距離センサ15から送光される照射ビームは座席位置がどの位置にあっても座席11の背もたれ上にあるよう設定されているとともに、距離メモリ24Cに記憶しておく基準距離データは座席距離Lsoのみとする。なお、基準距離データは前述図4において基準距離データLmemo=Lseet−Piとした様に、誤差及びバラツキによる誤動作を防ぐため、実測値より小さめに設定しておくが、ここでは説明を単純化するため基準距離データを座席距離Lsoとして説明を行う。
【0039】
図9は座席11がリクライニング(座席11の背もたれの角度が変化すること)する場合の距離センサ15と座席11の位置を示した模式図である。16Bは座席11の背もたれのリクライニングの角度を測定するリクライニングセンサであり、座席11の背もたれをリクライニングさせたときの回転中心をCとし、この回転中心Cを通る垂線をh、任意位置での座席移動距離をSsx、前記座席移動距離Ssxの位置での回転中心Cから距離センサ15までの垂直距離をHとする。この時、垂線hからの座席11の傾きの角度(以下、リクライニング角度と略す)の内の最小値をリクライニング初期値θo、最大値をリクライニング最大角度θn、任意のリクライニング角度をθx(θo<θx<θn)とし、リクライニング角度θo、θx、θnに対する座席距離をそれぞれLθo、Lθx、Lθnとする。
【0040】
図10は座席距離Lsxを求めるために図8、9の各距離、角度を図形的に示した模式図である。この図のように座席距離Lsxは各距離の比を利用して次式により求まる。
Lsx=Lso×(Htanθx+Ssx)/(Htanθx+Sso)・・・(式1)
【0041】
ここで、図5または図6中の処理F11である座席距離により乗員判定を行う乗員監視サブルーチンを図11のフローチャートを用いて説明する。
図11は図7に示した乗員監視サブルーチン1とは座席11がスライドとリクライニングとを行う点で異なるものであり、ここでは乗員監視サブルーチン2とする。この図11において、処理F41で座席位置センサ16Aにより座席のスライド距離Ssxを測定し、処理F42で座席位置センサ16Bにより座席のリクライニング角度θxを測定し、さらに処理F43で距離メモリ24Cから基準距離データLsoを読み込む。そして、処理F44で前記各値を用いて(式1)より座席距離データLsxを計算する。処理F45で距離センサ15により測定距離L1を測定し、処理F46で座席距離データLsxより測定距離L1を引いた減算値を求め、この減算値が0より大きければYの方向すなわち処理F47に進み、乗員ありと判定する。また、処理F46で前記減算値が0以下の場合はNの方向すなわち処理F48に進み、乗員なしと判定する。
【0042】
このようにして、座席移動(スライド)距離とリクライニング角度とに基づいて、乗員判定のしきい値となる基準距離データを演算し、この基準距離データから距離センサと座席との距離を計算し、この距離を距離センサの実測値と比較することにより乗員の有無の正確な判定を行うことができる。
【0043】
実施例2.
実施例2は、実施例1における乗員監視装置において、距離センサ15の照射ビーム方向を所定の方向で固定し、距離メモリ24Cに座席の移動距離に対応した基準距離データを記憶することにより、これらの基準距離データをもとに乗員距離をより正確に測定する方法について説明する。
【0044】
図12は、距離センサ15と座席11の位置の関係を示す模式図である。
この図12において、座席移動距離Sso(シートスライド初期値)での座席11と距離センサ15の光軸との交点を点o、座席移動距離Ssn(シートスライド最大値)においての交点を点n、座席移動距離Ssx(座席位置任意位置)においての交点を点xとする。
ちなみに、説明を解り易くするために、この実施例において、点xは座席11の屈曲部に位置するものとしている。
【0045】
これら点n、点x、点oの座席移動距離Ssnの座席11上での位置は図12中に示す通りであり、座席11をシートスライド初期値Ssoからシートスライド最大値Ssnまで移動させたとき、座席11上での距離センサ15の座席表面上に照射ビームが当っている点の軌跡は点n→点x→点oの順に移動する。ここで、図13に示すテーブルのように、距離メモリ24Cには座席移動距離Sso、Ssx、Ssnに付けられたアドレスAso、Asx、Asnに対応する基準距離データがLso、Lsx、Lsnとして、予め算出し、記憶しておくものとする。ただし、基準距離データは測定誤差及びバラツキを考慮して、実測値より小さめに設定されている。また、記憶しておく座席移動距離の数は多ければ多い程精度がよくなるが、人体の厚みの誤差等があるので、ある程度の数(例えばこの実施例において示すように三つ)があればよい。
【0046】
次に、動作について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図14は実施例1における図5または図6中の座席距離により乗員判定を行う乗員監視サブルーチンとして用いることのできる乗員監視サブルーチン3を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、処理F50で座席位置センサ16Aにより座席移動距離Ssxを測定し、処理F51で距離メモリ24Cから座席移動距離Ssxに対応したアドレスAdxを決定(図13のテーブルの中から選択)する。処理F52で距離メモリ24CからアドレスAdxに対応する基準距離データLsxを読み込み、処理53で距離センサ15により測定距離L1を測定し、処理F54で座席距離データLsxから測定距離L1の減算値を求め、前記減算値が0より大きければYの方向すなわち処理F55に進み、乗員ありと判定する。また、処理F54で前記減算値が0以下の場合はNの方向すなわち処理F56に進み、乗員なしと判定する。
以上の処理で乗員監視サブルーチン3が終了する。
実施例1と同様であるところは同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
このように、実施例2においては、座席移動距離に対応した基準距離データを距離メモリ14にテーブルとして記憶しておくことにより、乗員判定を簡単な処理で行うことができる。
また、予め基準距離データが用意されているので、基準距離データが大きく違った値を示すことがないので、誤作動を起こし難くなる。
【0048】
実施例3.
実施例3は、実施例1における乗員監視装置において、距離センサ15を回転させる等により距離センサ15の光軸方向を乗員12の着座姿勢、体の大きさなどに影響されにくい最適な方向に向けて、距離精度を高めることにより乗員判定を正確に行うものである。
【0049】
図15は実施例3を示す機能ブロック図であり、図15において、27は距離センサ15の上下方向の角度を変えるモーター等のセンサ駆動手段であり、24Eはシートスライドセンサ16Aの出力に応じ、距離センサ15の角度を決定し、センサ駆動手段27に信号を出力するセンサ回転角制御手段である。
次に、動作について説明すると、座席11の移動距離に応じシートスライドセンサ16Aより信号が出力され、その信号をもとにセンサ回転角制御手段24Eは、乗員12上の一定位置に距離センサ15の照射ビームが向くようにセンサ駆動手段27を制御し、センサ駆動手段27は距離センサ15を駆動して、距離センサ15の光軸を最適な方向に向ける。本実施例ではセンサ駆動手段27にステッピングモータを用いている。
【0050】
図16は体格の大きな乗員12A(例えば大人)または体格の小さな乗員12B(例えば子供)が座席11に着座した場合において、距離センサ15の光軸の方向がどのように関係するのかを説明するための説明図である。27Aは距離センサ15の光軸の角度を変えるためのステッピングモータである。この図16において、体格の大きい乗員12Aが座席11に着座している場合は、距離センサ15の光軸は座席11上を向いていれば例えば光軸a、b、cのどの光軸の場合でも乗員12Aを検知することができる。次に、体格の小さい乗員12Bが座席11に着座している場合に、距離センサ15の光軸が光軸a、cの場合には、乗員12Bを検出することができないので、乗員検出を誤ってしまう。しかし、距離センサ15の光軸が座席11の屈曲部付近に光軸を定めた光軸bの場合には体格の小さな乗員12Bが着座しているものを検出可能である。
このように、乗員12の大きさが変化した場合には、距離センサ15の光軸の角度によって、検出不可能になることもある。
【0051】
よって、乗員12の大きさにかかわらず、常に検出可能にしておくためには、光軸bのように座席11の屈曲部付近に光軸を向けておくことが必要である。
図17は座席11がスライドした場合の距離センサ15の光軸方向の変化を示す説明図である。この図17に示すように、座席11がXからYにスライドした場合には、座席位置センサ16Aから出力される座席移動距離信号をもとに、距離センサ15の光軸は常に座席11の屈曲部付近を向くようにするためには、ステッピングモータ27Aを制御して、距離センサ15の光軸をUからVに変化させる必要がある。
【0052】
図18は座席移動距離から距離センサ15の光軸の角度(以下センサ回転角と略す)を制御する場合の各距離と角度関係とを図形的に示した説明図である。
この図18において、図8と同様であるものは同一記号を付して説明を省略する。この図18において、θsoはシートスライド初期値Ssoでの距離センサ15の光軸角度であり、θsxは座席移動距離任意位置Ssxでの距離センサ15のセンサ回転角を示している。
図18より座席移動距離任意値Ssxからセンサ回転角θsxは次式により求まる。
θsx=θo−tan−1(Ssx/H) ・・・・(式2)
【0053】
次に動作について、図19のフローチャートを用いて説明する。
図19において処理F60で座席位置センサ16Aにより座席移動距離Ssxを測定し、処理F61でセンサ回転角θsxを(式2)により計算する。そして処理F62で(式2)から求まったセンサ回転角θsxをパルス数に換算して、このパルス数によりステッピングモータを駆動して、処理が終了する。
以上のようにこの実施例3において、任意の座席移動距離において距離センサ15は座席上の一定位置を向くことになり、座席のスライド位置にかかわらず常に最良の状態で乗員距離測定を行える。
【0054】
この実施例3において、例えば図16における光軸a、b、cをそれぞれ持つ距離センサを設け、それぞれの距離センサによる測定値に基づいて、乗員の体格を検出することもでき、この検出された乗員の体格に基づいてより正確にエアバッグ等の装置を制御することも可能である。
【0055】
実施例4.
この実施例4においては、実施例1記載の乗員監視装置の距離センサ15を車両内のすべての座席に対応して設け、それぞれの座席において乗員配置及び乗員姿勢を監視して、この結果に基づいて各部機器の制御を行う方法について説明する。
【0056】
図20は実施例4においての座席と距離センサとを示す模式図である。この図20は特に座席定員5名の場合の距離センサ15の配置を示した図である。この図20において、座席11Aに乗員12A、座席11Bに乗員12B、座席11Cは三人掛けの座席であるので、乗員12C、12D、12Eが着座しており、距離センサ15Aは座席11Aを、距離センサ15Bは座席11Bを監視しており、さらに距離センサ15Cは座席11Cの左座席を、距離センサ15Dは座席11Cの中央座席を、距離センサ15Eは右端座席を監視している。
【0057】
この実施例4の動作を、図22のフローチャートを用いて説明する。
図22において処理F71でイグニッションをオンし、処理F72で実施例1における図7に示す乗員監視サブルーチン1の処理により乗員12Aを監視し、処理F73で、乗員12Bを同様に監視し、処理F74で乗員12Cを同様に監視し、処理F75で乗員12Dを同様に監視し、処理F76で乗員12Eを同様に監視する。処理F77で乗員12Aから12Eまでの有無及び着座姿勢に応じてエアーバックの点火回路25を制御する。
【0058】
そして、例えば各座席毎にエアバック14Aから14Eを装備している場合に、乗員のいる座席に対応した必要な部分のエアバックのみを展開する等の制御が可能である。
また、図20に示した距離センサ15Aから15Eを図21に距離センサ15として示すように1箇所に設け、座席11Aから11Cを監視しても良い。
また、一つの距離センサ15の回転角度を制御することによって、時差をつけてそれぞれの座席11Aから11Cを監視することにしてもよい。
【0059】
さらに、図21における距離センサ15として、特開平4−161810号公報に示されるような一対のイメージセンサを用いた距離センサとしてもよい。このときに、一対のイメージセンサにより、複数の座席上を監視することにしてもよい。
また、エアバッグ以外の乗員保護用装置、例えばシートベルト等に用いることも可能である。
【0060】
実施例5.
実施例5は上記各実施例記載の乗員監視装置をオーディオ制御に応用したものである。図23は実施例5を示すブロック図である。この図23において、220はカセット、CD等の機能を持ったオーディオであり、221A、221Bはオーディオ220の出力信号に基づいて車内に音を流すスピーカである。
乗員判定手段24Bは運転席または運転席以外の乗員の有無、着座姿勢を判定し、この乗員判定手段24Bの出力から出力選択手段24Dは車室内に設置された各スピーカ221A、221Bの音量及び音質を制御し、車両内の音場補正を行う。
【0061】
図25を用いて実施例5の動作のフローチャートについて説明する。
この図25において、処理F80から処理F85は実施例4における図22中の処理F71〜F76と同様のため説明を省略する。
この処理F81から処理F85の判定情報をもとに、処理86で乗員12A〜乗員12Eの有無及び着座姿勢に応じた音場の判別及びスピーカ221A、221Bへの設定を行い、処理F81に戻り同様の処理を繰り返す。
以上のような実施例5においては、乗員の車内での位置に合わせて、車内の音場を最適なものとする事ができる。
【0062】
この実施例5においては、スピーカの音量を調節していたが、スピーカの向きや位置を調節してもよい。
【0063】
実施例6.
実施例6は上記各実施例記載の乗員監視装置をエアコン制御に応用した例を示すものである。図25は実施例6を示すブロック図である。
この図25において、231は車室内の温度を測定する温度センサ、24Fは温度センサ231の出力から車室内の温度を適温か否かを判定する適温判定手段、232はエアコン、エアコン232内にコンプレッサ232Bとファン232C、そしてコンプレッサ232Bとファン232Cを制御する空調回路232Aが内蔵されている。図25中で図2で説明したものと同様であるものは符号を付けて説明は省略する。
この図25の出力選択手段24Dは、適温判定手段24Fの出力と乗員判定手段24Bの出力から、空気吹き出し方向、風量、温度等を調節して、各乗員に応じ快適な環境となるように空調回路232Aを制御し、コンプレッサ232B、ファン232Cが調整される。
【0064】
次に、図26を用いて動作について説明する。ここで、図26において処理F90から処理F95は図22中の処理F71〜F76までと同様のため説明を省略する。
処理96では処理F91から処理F95の判定情報をもとに、乗員12Aから乗員12Eの有無及び着座姿勢に応じた空調(温度、風量等)の設定を行い、処理F91に戻り同様の処理を繰り返す。
以上のような実施例6においては、車内における乗員の位置に基づいて、車内の空調を最適なものとする事ができる。
【0065】
実施例7.
実施例7においては、実施例1記載の乗員監視装置の距離センサ15のセンサ回転角を水平より下向けに設定することにより、太陽光やヘッドライト光等の外乱光の影響を無くし正確な距離測定を行う方法について説明する。
図27は乗員監視装置を搭載した車両が水平な道路を走行している状態での距離センサ15の最適なセンサ回転角の設定方法を説明するための外乱光と距離センサとの関係を示した説明図である。10Aは距離センサ15を設置した車両、10Bは車両10Aの後方を走行するバスまたはバンタイプの車高の高い車両である。この車両10Bが車両10Aの距離センサ15にライトを照らし外乱する状態を示している。また、車両10Aの後方には朝日または夕日があり、この地平線近くから来る太陽光が距離センサ15に外乱となる状態も示している。
【0066】
このような外乱光は、水平方向から入射して来るので、外乱光の入射を防ぐために図27において示すように、距離センサ15は水平より角度θe下向けに設定されており、日中、距離センサ15に太陽光による外乱光が直接入ることなく、また、夜には車両10Bのヘッドライト光が車両10Aに直接入ることがない。
【0067】
図28は距離センサ15のセンサ角度θeを外乱光が少なくなる角度に設定する方法を説明した説明図である。この図28において、270は車両10Aのフロントノーズと呼ばれるエンジンのある前部を指し、271はバックノーズと呼ばれるトランクルームがある後部を指しており、距離センサ15は前記フロントノーズ270を結ぶ角度θfront、またはバックノーズ271を結ぶ角度θbackより下向けにすることにより、フロントノーズ270またはバックノーズ271より上側から距離センサ15に入ってくる外乱光を阻止することができる。
すなわち、図28中に示す、角度θx、θyの範囲内に距離センサ15が向いていれば、外乱光が直接、距離センサ15に入射することを防ぐことができる。
【0068】
図29は外乱光の影響を具体的に説明するための波形図である。この図29において、(a)は発光素子21により発光される発光パターン、(b)は外乱が無い場合の受光素子20Bの出力、(c)は外乱がある場合の受光素子20Bの出力を示している。
(a)に示す発光パターンにより発光素子20Aより発光が行われると、太陽光などの外乱が無い場合は、受光素子20Bの出力は(b)のようになり、正常に距離の測定を行うことができるが、外乱がある場合は(c)に示すように出力レベルは外乱分ΔVだけ大きくなり、また、S/N比も悪化し、測距回路21は実際の距離とは異なる出力をしてしまい、装置の誤作動等の原因となってしまう。
【0069】
この実施例7においては、車両の前後方向からの外乱光について述べたが、車両の左右からの外乱光においては、距離センサと窓ガラスの下部と結ぶ線より下を向いていればよいことは言うまでもない。
【0070】
上記各実施例において、座席位置センサとして、背もたれの上部に設けられたヘッドレストの動作を検出するセンサを設けてもよい。
【0071】
上記各実施例において、座席位置センサとして、座席を上下させるシートリフトの動作を検出するセンサを設けてもよい。
【0072】
上記各実施例において、座席位置センサとして、座席回転する場合、この座席の回転を検出するセンサを設けてもよい。
【0073】
上記各実施例において、車体が傾いた際には外乱光が距離センサに入射しやすくなるので、処理を中断するなどして誤作動を防止してもよい。
【0074】
上記各実施例において、距離センサとして、例えば、赤外線センサ等のその他のセンサを用いることも可能である。
【0075】
上記各実施例において、距離センサはその検出方向を変えていたが、例えば、赤外線センサを用いる際に座席との距離を一定にするために前後方向に動かすことなどしてもよい。
【0076】
上記各実施例において、シートスイッチ等のその他の乗員監視装置と組み合わせて、より確実に乗員監視を行うことも可能である。
【0077】
上記各実施例において、車両が衝突した際に、乗員が急激に前方に移動することを距離センサにより検出して、エアバッグを展開させることも可能である。
【0078】
上記各実施例において、距離センサとして、ほぼ同方向に向けられた一対のイメージセンサを設け、この一対のイメージセンサの像のズレから乗員までの距離を検出してもよい。
【0079】
【発明の効果】
この発明に係る乗員監視装置は、太陽光等の外乱光が距離センサに入射しないので、外乱光による誤差がなくなり、正確な動作を得ることができる。
【0080】
また、車両に対する座席の位置が変化しても、距離センサの測定方向を変えて、座席上の乗員の有無を正確に検出することができる。
【0081】
また、距離センサは、この距離センサと車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられているものであるので、外乱光が距離センサに入射しないので、外乱光による誤差がなくなり、正確な動作を得ることができる。
【0082】
また、ヘッドレストの動作を検出して、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0083】
また、座席を上下させるシートリフタの動作を検出して、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0084】
また、座席の回転を検出して、乗員の有無を確実に検出することができる。
【0085】
また、車体が傾いた際には処理を中断することにより、誤動作を防止できる。
【0086】
この発明に係るエアバッグ装置は、太陽光等の外乱光が距離センサに入射しないので、外乱光による誤差がなくなり、正確な動作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す模式図である。
【図2】この発明の実施例1を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施例1における距離センサを示す模式図である。
【図4】この発明の実施例1における距離センサと座席との関係を示す模式図である。
【図5】この発明の実施例1を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施例1を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施例1における乗員監視を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施例1における距離センサとスライドする座席との関係を示す模式図である。
【図9】この発明の実施例1における距離センサとリクライニングする座席との関係を示す模式図である。
【図10】この発明の実施例1における距離センサと座席との位置関係を示す模式図である。
【図11】この発明の実施例1における乗員監視を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施例2における距離センサとスライド及びリクライニングする座席との関係を示す模式図である。
【図13】この発明の実施例2における基準距離データを示す説明図である。
【図14】この発明の実施例2における乗員監視を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施例3を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施例3における距離センサと座席と乗員との関係を示す模式図である。
【図17】この発明の実施例3における回転する距離センサと座席との関係を示す模式図である。
【図18】この発明の実施例3における回転する距離センサと座席との位置関係を示す模式図である。
【図19】この発明の実施例3を示すフローチャートである。
【図20】この発明の実施例4における距離センサと座席と乗員との関係を示す模式図である。
【図21】この発明の実施例4における距離センサと座席との関係を示す模式図である。
【図22】この発明の実施例4を示すフローチャートである。
【図23】この発明の実施例5を示すブロック図である。
【図24】この発明の実施例5を示すフローチャートである。
【図25】この発明の実施例6を示すブロック図である。
【図26】この発明の実施例6を示すフローチャートである。
【図27】この発明の実施例7を示す模式図である。
【図28】この発明の実施例7を示す模式図である。
【図29】この発明の実施例7における外乱光の影響を示す説明図である。
【符号の説明】
11…座席、14…エアバッグ、15…距離センサ、16…座席位置センサ、24…マイクロコンピュータ、27A…ステッピングモータ、220…オーディオ、232…エアコン
Claims (8)
- 座席の車両に対する位置を検出し、座席位置情報を出力する座席位置センサと、
上記車両に設けられ、上記座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し、上記座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無又は姿勢を検出する乗員検出手段とを備え、
上記距離センサは水平方向より下向きに向けられることを特徴とする乗員監視装置。 - 変位可能な座席の車両に対する位置を検出し、座席位置情報を出力する座席位置センサと、
上記車両に設けられ、上記座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報に基づいて上記距離センサの測定方向を変える距離センサ駆動手段と、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを備えた乗員監視装置。 - 座席の車両に対する位置を検出し、座席位置情報を出力する座席位置センサと、
上記車両に設けられ、上記座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し、上記座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無又は姿勢を検出する乗員検出手段とを備え、
上記距離センサは、この距離センサと上記車両の先端部もしくは後端部を結ぶ線より下向きに向けられていることを特徴とした乗員監視装置。 - ヘッドレストの動作を検出するセンサを用いて座席位置情報を出力する座席位置センサと、
車両に設けられ、座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを備えた乗員監視装置。 - 座席を上下させるシートリフタの動作を検出するセンサを用いて座席位置情報を出力する座席位置センサと、
車両に設けられ、座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを備えた乗員監視装置。 - 座席の回転を検出するセンサを用いて座席位置情報を出力する座席位置センサと、
車両に設けられ、座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無を検出する乗員有無検出手段とを備えた乗員監視装置。 - 車体が傾いた際には処理を中断することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載の乗員監視装置。
- 座席の車両に対する位置を検出し、座席位置情報を出力する座席位置センサと、
上記車両に設けられ、上記座席に向けられた発光素子から光を出力すると共に受光素子により反射光を受光し、上記座席上の乗員までの距離情報を出力する距離センサと、
上記座席位置情報及び上記距離情報に基づいて上記座席上の乗員の有無または着座姿勢を判定する乗員判定手段と、
エアバッグの展開を行う第1の点火回路及び第2の点火回路とを備え、
上記乗員判定手段の判定に基づいて、上記第1の点火回路及び第2の点火回路とを選択し駆動すること、及び、上記距離センサは水平方向より下向きに向けられることを特徴とするエアバッグ装置。
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2003
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