【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性光線硬化型インクジェット用インク組成物及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性光線硬化型インクジェット用インク組成物に関しては、低分子量のラジカル重合性化合物(例えば特許文献1参照)や、低分子量のカチオン重合性化合物(例えば特許文献2参照)を用いた組成物が開示されている。これら低分子量の重合性化合物はインクの低粘度化には寄与しているが、活性光線照射による硬化度は十分ではなく、また人体に対する安全性に問題がある材料でもある。
【0003】
一方、上記課題を改良すべく、高分子量の樹脂微粒子をインク中に含有させた活性光線硬化型インクジェット用インク組成物も提案されている(例えば特許文献3や特許文献4参照)。しかし、十分な効果を得るためには樹脂微粒子の添加量はある程度増大させる必要があり、おのずとインクは高粘度化してしまい、インクの射出性が大幅に低下してしまう問題を有する。また、樹脂粒子の融着によるインクの保存安定性にも問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特表2000−504778号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2002−188025号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2001−294604号公報
【0007】
【特許文献4】
特開2001−81114号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、硬化定着させるためのエネルギーが少なく、耐薬品性、機械的強度、密着性に優れる硬化画像を披記録媒体上に形成でき、インクの保存安定性、安全性も良好であるインクジェット用インク組成物および記録方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の構成は下記のとおりである。
【0010】
1.塩基性原子団を有するデンドリマー、塩基性原子団を有する包接化合物の少なくともひとつを含有する活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0011】
2.塩基性原子団が酸素または窒素を含むものである前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0012】
3.重合性基を有するデンドリマー、重合性基を有する包接化合物の少なくともひとつを含有する活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0013】
4.重合性基がラジカル重合性、カチオン重合性の少なくとも一方である前記3に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0014】
5.ラジカル重合性基がアクリロイル基、メタクリロイル基から選ばれる少なくともひとつの基である前記4記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0015】
6.カチオン重合性基がビニルエーテル、プロペニルエーテル、オキシラン環、チイラン環、オキセタン環、チエタン環基から選ばれる少なくともひとつの基である前記4記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0016】
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体に着弾した後、活性光線を照射して、被記録媒体上にインクを硬化定着させるインクジェット記録方法。
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、デンドリマーとしては、デンドリマー構造を有するポリマーおよび超分岐ポリマーが使用される。室温で固体であって、数平均分子量が1000から100000の範囲のものが望ましく、特に2000〜50000の範囲のものが好ましく使用される。室温で固体でない場合は、形成される画像の維持性が悪くなる。また、分子量が上記の範囲より低い場合には定着画像がもろくなり、また、分子量が上記の範囲より高い場合には、添加量を下げてもインクの粘度が高くなりすぎて射出特性の点で実用的ではなくなる。
【0018】
デンドリマー構造を有するポリマーの例としては、アミドアミン系デンドリマー(米国特許第4,507,466号、同4,558,120号、同4,568,737号、同4,587,329号、同4,631,337号、同4,694,064号明細書)、フェニルエーテル系デンドリマー(米国特許第5,041,516号明細書、Journal of American Chemistry 112巻(1990年、7638〜7647頁))等があげられる。アミドアミン系デンドリマーについては、末端アミノ基とカルボン酸メチルエステル基を持つデンドリマーが、Aldrich社より「StarburstTM(AMAM)」として市販されている。また、そのアミドアミン系デンドリマーの末端アミノ基を、種々のアクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体と反応させ、対応する末端をもったアミドアミン系デンドリマーを合成して、それらを使用することもできる。利用できるアクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体としては、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、パルミチル、ステアリル等のアクリル酸或いはメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アミド、イソプロピルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸アルキルアミド類があげられるが、これに限られるものではない。
【0019】
また、フェニルエーテル系デンドリマーについては、例えば、上記Journal of American Chemistryには種々のものが記載され、例えば、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコールを用い、3,5−ジフェノキシベンジルブロミドと反応させて第2世代のベンジルアルコールを合成し、そのOH基をCBr4およびトリフェニルホスフィンを用いてBrに変換した後、同様に3,5−ジヒドロキシベンジルアルコールと反応させて次世代のベンジルアルコールを合成し、以下、上記反応を繰り返して所望のデンドリマーを合成することが記載されている。フェニルエーテル系デンドリマーについても、末端ベンジルエーテル結合の代わりに、末端を種々の化学構造をもつもので置換することができる。例えば、上記Journal of American Chemistryに記載のデンドリマーの合成に際して、上記ベンジルブロミドの代わりに種々のアルキルハライドを用いれば、相当するアルキル基を有する末端構造を有するフェニルエーテル系デンドリマーが得られる。その他ポリアミン系デンドリマー(Macromol.Symp.77、21(1994))およびその末端基を変性した誘導体を使用することができる。
【0020】
超分岐ポリマーとしては、例えば、超分岐ポリエチレングリコール等が使用できる。超分岐ポリマーは、1分子内に分岐部分に相当する2つ以上の一種の反応点とつなぎ部分に相当する別種のただ1つの反応点とをもち合わせたモノマーを用い、標的ポリマーを1段階で合成することにより得られるものである(Macromolecules、29巻(1996)、3831−3838頁)。例えば、超分岐ポリマー用モノマーの一例として、3,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体があげられる。超分岐ポリマーの製造例をあげると、1−ブロモ−8−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−3,6−ジオキサオクタンと3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルとから得られた3,5−ビス((8′−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−3′,6′−ジオキサオクチル)オキシ)安息香酸メチルの加水分解物である3,5−ビス((8′−ヒドロキシ−3′,6′−ジオキサオクチル)オキシ)安息香酸メチルをジブチル錫ジアセテートと窒素雰囲気下で加熱して、超分岐ポリマーであるポリ[ビス(トリエチレングリコール)ベンゾエート]を合成することができる。3,5−ジヒドロキシ安息香酸を用いた場合、超分岐ポリマー末端基は水酸基となるため、この水酸基に対して、適当なアルキルハライドを用いることにより、種々の末端基を有する超分岐ポリマーを合成することができる。
【0021】
デンドリマー構造を有するポリマーまたは超分岐ポリマー等は、主鎖の化学構造とその末端基の化学構造によりその特性が支配されるが、特に末端基や化学構造中の置換基の相違によりその特性が大きく異なるものとなる。特に末端にアミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシル基等の塩基性原子団、また、前記デンドリマー構造中の、イミノ基や置換イミノ基或いはニトリロ基等の塩基性原子団、エーテル基等、またチオエーテル等の酸素、硫黄等を含有する塩基性原子団を有するものは、光反応後のゲル化効果が大きく有用である。塩基性原子団とは、プロトン受容性を有する原子団であり、本発明においてはプロトン受容性を有するかぎりいかなるものでもよいが、特に、前記のうち、窒素、酸素を含有する塩基性原子団が好ましく、特に、前記末端にアミノ基、置換アミノ基或いはヒドロキシル基等を有するもの、また分子中にイミノ基や置換イミノ基或いはニトリロ基、エーテル基等を塩基性原子団として有するものが好ましい。前記置換アミノ基として、好ましくは低級アルキル、低級ジアルキルアミノ基等の基があげられ、置換イミノ基の置換基として好ましいものとして低級アルキル基があげられる。
【0022】
一方、末端に重合性基を有するものも、その反応性ゆえに、光反応後のゲル化効果が、やはり大きく有用である。
【0023】
重合性基を有するデンドリマーは、上記デンドリマーの末端基を重合性基を有する化合物で化学修飾して得られる。
【0024】
例えば、アミノ系デンドリマーに活性水素含有(メタ)アクリレート系化合物をマイケル付加させてなる多官能化合物に、例えば、イソシアネート基含有ビニル化合物を付加させて合成する。また、アミノ系デンドリマーに例えば、(メタ)アクリル酸クロライド等を反応させることで末端に重合性基を有するデンドリマーが得られる。このような重合性基を与えるビニル化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物があげられ、その例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩等、後述する種々のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物があげられる。
【0025】
重合性基としては、カチオン重合性基を有する末端基もあげられ、エポキシ基、オキセタニル基等のカチオン重合により高分子化の起こる重合性基を有する、例えば、オキシラン、オキセタン類等の環状エーテル化合物類、また、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類等の化合物を前記アミノ系デンドリマーと反応させることで導入することができる。例えば、クロロメチルオキシランをアミノ系デンドリマーと反応させ、末端にエポキシタイプのカチオン重合性基を導入できる。そのほか、末端基としては、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、ビニルエーテル類及びN−ビニル化合物類等から選ばれるカチオン重合性基がある。
【0026】
本発明において、上記のデンドリマーは1種のみを単独で用いてもよいし、他の種類のデンドリマーと併用してもよい。
【0027】
本発明において、上記のデンドリマーは、インク成分の10質量%以下の範囲で使用するのが好ましく、さらに好ましくは5質量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
【0028】
包接化合物(包接化合物のホスト化合物のことをここにおいては便宜上こう呼ぶ)としては、例えば、環状D−グルカン類、シクロファン類、中性ポリリガンド、環状ポリアニオン、環状ポリカチオン、環状ペプチド、スフェランド(SPHERANDS)、キャビタンド(CAVITANDS)およびそれらの非環状類縁体が挙げられる。これらの中でも、環状D−グルカン類およびその非環状類縁体、シクロファン類、中性ポリリガンドが更に好ましい。
【0029】
環状D−グルカン類およびその非環状類縁体としては、例えば、α−D−グルコピラノースがグリコキシド結合によって連なった化合物として挙げられる。
【0030】
該化合物としては、デンプン、アミロース、アミロペクトン等のD−グルコピラノース基により構成される糖質類、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、D−グルコピラノース基の重合度が9以上のシクロデキストリン等のシクロデキストリンおよび−SO3C6H4CH2C6H4SO3−、−NHCH2CH2NH−、−NHCH2CH2NHCH2CH2NH−等の2価の基からなる単位が含まれている前記環状D−グルカン類およびその非環状類縁体化合物、或いは、これらの2価の基により前記環状D−グルカン類およびその非環状類縁体が互いに結ばれた構造を有する化合物、また、−SC6H5基、−N3基、−NH2基、−NEt2基、−SC(=NH2 +)NH2基、−SH基、−SCH2CH2NH2基、イミダゾリル基等の置換基を導入した下記式で表されるD−グルカン類およびその非環状類縁体の修飾物等が挙げられる。
【0031】
【化1】
【0032】
ここで、XはC6H5、N3、NH2、N(C2H5)2、SC(=NH2 +)NH2、SH、または
【0033】
【化2】
【0034】
また、ここで
【0035】
【化3】
【0036】
はシクロデキストリンを表す。
また、下記の2つの一般式で表されるシクロデキストリン誘導体および分岐シクロデキストリン、シクロデキストリンポリマー等も挙げられる。
【0037】
【化4】
【0038】
上記一般式において、R1〜R3は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基または置換アルキル基を表す。特にR1〜R3が水素原子あるいはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基であるものが好ましく、1分子中の置換アルキル基の含有率が15%〜50%であるものが更に好ましい。n2は4〜10の正の整数を表す。
【0039】
【化5】
【0040】
上記一般式において、Rは、水素原子、−R12−CO2H、−R12−SO3H、−R12−NH2または−N(R13)2を表す。ここにおいて、R12は、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、R13は、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。
【0041】
なお、シクロデキストリンの製造例は「Jounal of the American Chemical Society」第71巻 第354頁 1949年、「Cheimish Berichte」第90巻 第2561頁 1949年、第90巻 第2561頁 1957年に記載されているが、勿論これらに限定されるものではない。
【0042】
本発明に用いられる分岐シクロデキストリンとは、公知のシクロデキストリンにグルコース、マルトース、セロビオーズ、ラクトース、ショ糖、ガラクトース、グルコサミン等の単糖類や2糖類等の水溶性物質を分岐付加ないし結合させたものであり、好ましくは、シクロデキストリンにマルトースを結合させたマルトシルシクロデキストリン(マルトースの結合分子数は1分子、2分子、3分子等いずれでもよい)やシクロデキストリンにグルコースを結合させたグルコシルシクロデキストリン(グルコースの結合分子数は1分子、2分子、3分子等いずれもでもよい)が挙げられる。
【0043】
これら分岐シクロデキストリンの具体的な合成方法は、例えば、澱粉化学、第33巻、第2号、119〜126頁(1986)、同127〜132頁(1986)、澱粉化学、第30巻、第2号、231〜239頁(1983)等に記載されており、これら公知の方法を参照して合成可能であり、例えば、マルトシルシクロデキストリンは、シクロデキストリンとマルトースを原料とし、イソアミラーゼやプルラナーゼ等の酵素を利用してシクロデキストリンにマルトースを結合させる方法で製造できる。グルコシルシクロデキストリンも同様の方法で製造できる。
【0044】
本発明において、好ましく用いられる分岐シクロデキストリンとしては、マルトースが1分子結合したα−シクロデキストリン、マルトースが1分子結合したβ−シクロデキストリン、マルトースが1分子結合したγ−シクロデキストリン、マルトースが2分子結合したα−シクロデキストリン、マルトースが2分子結合したβ−シクロデキストリン、マルトースが2分子結合したγ−シクロデキストリン、マルトースが3分子結合したα−シクロデキストリン、マルトースが3分子結合したβ−シクロデキストリン、マルトースが3分子結合したγ−シクロデキストリン、グルコースが1分子結合したα−シクロデキストリン、グルコースが1分子結合したβ−シクロデキストリン、グルコースが1分子結合したγ−シクロデキストリン、グルコースが2分子結合したα−シクロデキストリン、グルコースが2分子結合したβ−シクロデキストリン、グルコースが2分子結合したγ−シクロデキストリン、グルコースが3分子結合したα−シクロデキストリン、グルコースが3分子結合したβ−シクロデキストリン、グルコースが3分子結合したγ−シクロデキストリン等が挙げられる。
【0045】
次に、本発明に用いられるシクロデキストリンポリマーについて説明する。
本発明に用いられるシクロデキストリンポリマーとしては、下記一般式で表されるものが好ましい。n2は2〜50の整数である。
【0046】
【化6】
【0047】
本発明に用いられるシクロデキストリンポリマーは、シクロデキストリンを、例えば、エピクロルヒドリンにより架橋高分子化して製造できる。
【0048】
これらシクロデキストリンは、例えば、特開昭61−97025号公報やドイツ特許第3,544,842号明細書等に記載された一般的な方法で合成できる。該シクロデキストリンポリマーについても、前記の如く本発明に関わる包接化合物(ホスト化合物)として使用してもよい。
【0049】
また、包接化合物(ホスト化合物)として、シクロファン類をもちいることができ、シクロファン類とは、芳香環が種々の結合によりつながった構造を有する環状化合物であって、多くの化合物が知られており、シクロファン類としては、これら公知の化合物を挙げることができる。
【0050】
芳香環を結ぶ結合しては、例えば、単なる結合手、−(CR1R2)m−、−O(CR1R2)mO−、−NH(CR1R2)mNH−、−(CR1R2)pNR3(CR4R5)q−、−(CR1R2)pN+R3(R4)−(CR5R6)q−、−(CR1R2)pS+R3−(CR4R5)q−、−CO2−、−CONR−(ここで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、m、pおよびqは、同一でも異なっていてもよく、1〜4の整数を示す。)等の結合が挙げられる。該化合物としては、例えば、下記式で表されるパラシクロファン類、
【0051】
【化7】
【0052】
トリ−o−テイモタイド、シクロトリヴェラトリレンに代表される下記式で表されるオルトシクロファン類、
【0053】
【化8】
【0054】
メタシクロファン、カリックスアレン、レゾルシノール−アルデヒド環状オリゴマー等に代表される下記式で表されるメタシクロファン類、
【0055】
【化9】
【0056】
あるいは下記式で表されるパラ置換フェノール類非環状オリゴマーが挙げられる。
【0057】
【化10】
【0058】
ここにおいて、Xは−CH2−、−S−或いは単なる結合手であり、RはCH3またはt−C4H9であり、nは1〜10の整数である。
【0059】
その他に、中性ポリリガンドとして、クラウン化合物、クリプタンド、環状ポリアミンおよびそれらの非環状類縁体が挙げられる。
【0060】
これらの包接化合物(ホスト化合物)は、単体として添加してもよいが、包接化合物自身あるいは分子を取り込んだ包接化合物の溶剤への溶解性、その他の添加剤との相溶性を良好にするために、包接能を有する置換基をポリマーにペンダント置換基として懸垂させた別のポリマーを一緒に添加してもよい。
【0061】
該ポリマーは、例えば、特開平3−221501号公報、特開平3−221502号公報、特開平3−221503号公報、特開平3−221504号公報、特開平3−221505号公報に開示されているような方法を用いて容易に得ることができる。
【0062】
包接化合物についても、その末端基の化学構造によりその特性がかなり支配され、前記同様、特に末端にアミノ基、置換アミノ基、或いはヒドロキシル基等のプロトン受容性の基で代表される塩基性原子団を有するものは、また、分子中に前記同様にイミノ基、置換イミノ基等、さらにエーテル基等を有するものは光反応後のゲル化効果が大きく有用である。塩基性原子団としては、アミノ基、置換アミノ基、或いはヒドロキシル基等のほか、前記と同様プロトン受容性の、窒素原子または酸素原子を有する塩基性原子団が好ましい。
【0063】
また、重合性基を有する包接化合物は上記包接化合物の官能基を前記ラジカル重合性或いはカチオン重合性基を有する化合物でそれぞれ化学修飾してえられる。
【0064】
例えば、水酸基やアミノ基を有する包接化合物を(メタ)アクリレート系化合物や環状エーテル化合物でエステル化させて合成する。
【0065】
本発明において、上記の包接化合物についても1種のみを単独で用いてもよいし、他の種類の包接化合物と併用してもよい。
【0066】
本発明において、上記の包接化合物は、前記デンドリマーと同様、インク成分の10質量%以下の範囲で使用するのが好ましく、さらに好ましくは5質量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
【0067】
(光重合開始剤)
本発明においては、活性光線による硬化性を有効にするために光重合開始剤を用いることが好ましい。
【0068】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフェノン、p,p,−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド等を挙げることができる。これらの重合開始剤を1種で、又は複数種を組合せて用いることができる。
【0069】
本発明には、さらに増感剤を使用することもできる。増感剤としては、脂肪族アミン、芳香族基を有するアミン、若しくはピペリジン等の環状アミン系化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素系化合物、ナトリウムジエチルチオホスフェート若しくは芳香族スルフィン酸の可溶性塩等のイオウ化合物、N,N′−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、トリ−n−ブチルホスフィン若しくはナトリウムジエチルジチオホスフィード等のリン化合物、ミヒラーケトン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとジアミンとの縮合物等の窒素化合物等を挙げることができる。これらの増感剤を1種で、又は複数種を組合せて用いることができる。
【0070】
光カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。
【0071】
ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、特公昭54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
【0072】
本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −,PF6 −,AsF6 −,SbF6 −,CF3SO3 −塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物をもつものが酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
【0073】
【化11】
【0074】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
【0075】
【化12】
【0076】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
【0077】
【化13】
【0078】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0079】
【化14】
【0080】
光カチオン重合開始剤については、その他に津田譲著「超LSLレジストの分子設計」共立出版、1990、pp.55〜78に記載の光酸発生剤化合物を使用することができる。本発明において、重合開始剤のインク組成物中に占める割合は、0.01〜20%が好ましく、更に好ましくは0.1〜10%である。
本発明においては、その他の重合性化合物を用いることが好ましい。
【0081】
本発明に用いることのできるインク組成物中のその他の重合性化合物について説明する。
【0082】
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137等の公報に公開されている。
【0083】
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、又目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
【0084】
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
【0085】
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
【0086】
ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
【0087】
カチオン重合光硬化樹脂としては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類及びエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、又その二種以上を混合して使用することもできる。
【0088】
カチオン重合系光硬化樹脂中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(2)ビニルナフタレン誘導体
例えば、2−ビニルナフタレン、α−メチル−2−ビニルナフタレン、β−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メトキシ−2−ビニルナフタレン等
(3)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等
(4)N−ビニル化合物類
例えばN−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等
上記カチオン重合系光硬化樹脂のカチオン重合性組成物中の含有量は1〜97質量%が好ましく、より好ましくは30〜95質量%である。
【0089】
本発明の組成物には、さらに性能改良のため、本来の特性をかえない範囲で、着色剤、シランカツプリング剤、重合禁止剤、レベリング剤等の材料を添加することもできる。
【0090】
着色剤としては、例えばフタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ジケトピロロピロール系等の各種の有彩色有機顔料、カーボンブラック、チタンホワイト、シリカ、マイカ、酸化亜鉛等の無機顔料等が挙げられる。
【0091】
シランカツプリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。重合禁止剤としては、メトキノン、メチル・ハイドロキノン、ベンゾキノン等が挙げられる。又、レベリング剤としては、モダフロー(モンサント社製;登録商標)、FC−430(3M社製)等が挙げられる。
【0092】
これらの各種添加剤の使用量としては、それぞれ、組成物の0を越えて20質量%の範囲が好ましい。
【0093】
本発明の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。
【0094】
このように混合されたインクの物理的特性として、50℃における粘度が5〜30mPa・sである活性光線硬化性インクジェットインク組成物が好ましく用いられる。
【0095】
本発明のインクジェット記録方法は、上記のように調整した活性光線硬化性インクジェット用インク組成物を用いて非記録媒体に印字を行うもので、良好な画質、良好な印字を得ることができる。
【0096】
インクジェット記録法はインクの微小液滴をノズルから噴射させて、それを紙などの被記録媒体(印字媒体)面に付着させ印字または画像の記録を行うものである。いろいろなインクジェット記録法が提案されており、コンティニアス法と呼ばれる方法は例えば米国特許第3,298,030号および同第3,596,275号等に開示されている。またドロップオンデマンド法では、ピエゾ素子の変形をインク噴射の駆動力に応用したものが、例えば米国特許第3,946,398号に開示されている。また熱エネルギーを利用してインク滴を噴射するインクジェット記録法は例えぱ米国特許第4,251,824号に開示されている。
【0097】
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を被記録媒体に付着させた後に、光照射を行う。照射された光によってインク組成物は重合反応を開始してインク組成物が被記録媒体(印字媒体)に固着する。
【0098】
本発明の光照射に用いられる光源としては、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を発生する光源が有効である。例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。
【0099】
本発明の好ましい態様によれば、紫外線照射を行う場合、インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜500mW/cm2である光源が用いられる。かかる光源で十分な硬化反応を行うことができるため、比較的安価で、小型の紫外線照射装置を用いることができ、コスト的にも有利である。
【0100】
本発明に用いられる被記録媒体はアルミニウム、鉄、銅の如き金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック、ガラスの如きセラミックス、木材、紙、印刷紙、繊維などである。
【0101】
本発明の好ましい被記録媒体としては、インクが吸収されない非吸収性記録媒体である。
【0102】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
【0103】
合成例1
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた500ミリリットル四つ口丸底フラスコにエチレンジアミン;20g、4−ヒドロキシブチルアクリレート;192g、酢酸エチル;70g、メタノール;20gを配合し、75℃に設定した湯浴にて3時間還流させた。そこで、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら溶媒を留去した、さらにコンデンサー上部から真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で5.33×10−3MPa以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタノールを完全に留去したところ、粘稠な液状物を得た(収率99%)。そこで、湯浴温度を60℃に下げ、酢酸エチル;400g、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート;195gを添加し、更に10分後、2−エチルヘキサン酸錫;1gを添加した。3時間加熱撹拌を続けた。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエバポレータで脱溶剤することにより目的とするデンドリマーを得た。
【0104】
合成例2
N,N,N′,N′−tetrakis(3−aminopropyl)−1,4−butanediamineに、アセトン/水中でアクリル酸クロライドを反応させ、末端にアクリレート基を有するデンドリマー構造を有する化合物を得た。
【0105】
合成例3
脱水ピリジン中にβ−シクロデキストリンを溶解し、室温でクロロメチルオキシランを滴下した。滴下終了後100−110℃で24時間攪拌する。反応終了後、未反応物を濾別後、繰り返し水・メタノールで洗浄し80−90℃で減圧下乾燥させて目的の化合物を得た。
【0106】
合成例4
500mlのフラスコにトルエン360mlを仕込み、還流下、m−キシリレンジオール;138mg(1.0mmol)およびイミダゾール;136mg(2.0mmol)をテトラヒドロフラン30mlに溶解した溶液と、m−キシリレンジイソシアネート;188mg(1.0mmol)をテトラヒドロフラン30mlに溶解した溶液とを、攪拌しながら9時間かけて前記トルエン中に滴下した。滴下終了後、さらに2時間還流を続け反応を継続した。次に、トルエンを減圧留去し、残留物を酢酸エチル/ヘキサン(容量比1/1)溶液を展開溶媒としてシリカゲルクロマトにて分離精製し、目的の白色固体259mgを得た。収率77%、融点209〜213℃。この白色固体をIRスペクトル、NMRスペクトル、質量スペクトル(FAB法)および元素分析により分析したところ、下記式で示されるシクロファン化合物であることが確認された。
【0107】
【化15】
【0108】
実施例1、2
下記の組成物を混合攪拌した後、得られた液体をフィルターでろ過しインク組成物を得た。25℃でのインクの粘度はそれぞれ32、40mPa・sであった。
【0109】
着色材
CI pigment Blue 15:3 5質量部
(平均分散粒径:100nm)
重合性化合物
合成例1または2で得られた化合物 3質量部
フェノキシエチルアクリレート(POA、共栄社化学製) 95質量部
光重合開始剤
イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバスペシャリティーケミカルズ社製) 2.5質量部
ルシリンTPO(モノアシルフォスフィンオキシド、BASF社製) 2.5質量部
得られたインクをインクジェットプリンタPSASER860(PHASERPRINTING JAPAN社製)を部分的に改造して、インクジェットヘッドから非記録媒体であるPET(ポリエチレンテレフタレート)上に射出して画像形成した。インク射出直後に365nmの強度が10mW/cm2の紫外線ランプを用いて照射し、媒体上にインクの定着画像を作成した。また、作製したインクを55℃の環境下に一週間放置した後、25℃での粘度変化を測定した。
【0110】
また、PET上に形成された定着画像の化学的、物理的強度を評価した。結果は表1にまとめて示す。
【0111】
実施例3
下記の組成物を混合攪拌した後、得られた液体をフィルターでろ過しインク組成物を得た。25℃でのインクの粘度は35mPa・sであった。
【0112】
着色材
CI pigment Blue 15:3 5質量部
(平均分散粒径:100nm)
重合性化合物
合成例3で得られた化合物 3質量部
脂環式エポキシ化合物(CEL2021P、ダイセル化学製)10質量部
オキセタン(OXT221、東亞合成製) 90質量部
光重合開始剤
ヨードニウム塩(IBPF、三和ケミカル製) 2.5質量部
チオキサントン(DETX、日本化薬製) 1.0質量部
得られたインクを実施例1,2と同様に評価し、表1の結果を得た。
【0113】
実施例4
実施例3において、合成例3で得られた化合物に代えて、
−〔CH2N(CH2CH2CONHCH2CH2NH2)2〕2(Starburst(PAMAM)Dendrimer;Aldrich社製)をもちいた以外は実施例3と同様にインク作製、また評価を行って表1に示す結果を得た。なお実施例4のインクの25℃での粘度は30mPa・sであった。
【0114】
実施例5
実施例3において、合成例3で得られた化合物に代えて合成例4で得られた化合物を用いた以外は実施例3と同様に行い、表1に示す結果を得た。なお、実施例5のインクの25℃での粘度は35mPa・sであった。
【0115】
比較例1、2
実施例1〜5において、本発明の化合物を使用せず、本発明の化合物の分をその他の重合性化合物で補った組成を用いて、前記実施例と同様に行い、表1の結果をえた。実施例1、2に相当する比較例は1、実施例3、4、5に相当する比較例は2である。インク粘度はそれぞれ27、30mPa・sであった。
【0116】
【表1】
【0117】
尚、評価は以下のような項目について行った。
〈硬化性〉
非記録媒体に着弾させた一定量(20μl)のインクに紫外線照射を行い、組成物の未硬化被膜が硬化してタックフリーとなる最低の紫外線照射エネルギー(mJ/cm2)より求めた。数値が小さいほど硬化性に優れる。
【0118】
〈保存安定性〉
55℃で一週間保存した場合のインクの粘度を25℃で測定(振動式粘度計VISCOMATE VM−1G−MH、YAMAICHI.CO.LTD製)。
【0119】
〈耐薬品性〉
非記録媒体上に定着固化させたインクを40℃の温水に1時間浸漬した後、画像の定着度合の変化を調べた。
【0120】
○ 変化無し
△ 一部欠落
× 全部欠落
〈密着性〉
披記録媒体上の硬化皮膜に碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、その碁盤目を粘着テープにより剥離した際の基材上に密着残存した碁盤目の残存度で評価した。
【0121】
○ 変化無し
△ 一部欠落
× 全部欠落
〈機械的強度〉
披記録媒体上の硬化皮膜を一定荷重(50g/cm2)のブラシで往復10回擦って、皮膜の残存度で評価した。
【0122】
○ 変化無し
△ 一部欠落
× 全部欠落
表1により、硬化性が良好で機械的強度が高く、密着性、耐薬品製に優れ、しかも保存安定性のよい活性光線硬化型インクジェット用インク組成物が得られることがわかる。
【0123】
【発明の効果】
少ないエネルギーで硬化でき、耐薬品性、機械的強度、密着性に優れた画像を被記録媒体上に形成でき、保存安定性、安全性も良好なインクジェット用インク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法が得られた。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an actinic ray-curable inkjet ink composition and an inkjet recording method.
[0002]
[Prior art]
Regarding the actinic ray-curable inkjet ink composition, compositions using a low molecular weight radically polymerizable compound (for example, see Patent Document 1) and a low molecular weight cationically polymerizable compound (for example, see Patent Document 2) are disclosed. ing. These low molecular weight polymerizable compounds contribute to lowering the viscosity of the ink, but are insufficient in the degree of curing by irradiation with actinic rays, and are also materials having a problem in safety to the human body.
[0003]
On the other hand, in order to improve the above-mentioned problem, an actinic ray-curable inkjet ink composition containing high molecular weight resin fine particles in the ink has been proposed (for example, see Patent Documents 3 and 4). However, in order to obtain a sufficient effect, it is necessary to increase the addition amount of the resin fine particles to some extent, and naturally the ink becomes high in viscosity, and there is a problem that the ink ejection property is greatly reduced. There is also a problem in the storage stability of the ink due to the fusion of the resin particles.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2000-504778 A
[0005]
[Patent Document 2]
JP-A-2002-188025
[0006]
[Patent Document 3]
JP 2001-294604 A
[0007]
[Patent Document 4]
JP 2001-81114 A
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, an object of the present invention is to form a cured image on a recording medium with low energy for curing and fixing, excellent in chemical resistance, mechanical strength, and adhesion, and good in storage stability and safety of ink. And a recording method.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The configuration of the present invention that achieves the above object is as follows.
[0010]
1. An actinic ray-curable inkjet ink composition comprising at least one of a dendrimer having a basic atomic group and an inclusion compound having a basic atomic group.
[0011]
2. 2. The actinic ray-curable inkjet ink composition according to the above item 1, wherein the basic atomic group contains oxygen or nitrogen.
[0012]
3. An actinic ray-curable inkjet ink composition containing at least one of a dendrimer having a polymerizable group and an inclusion compound having a polymerizable group.
[0013]
4. 4. The actinic ray-curable inkjet ink composition according to the above item 3, wherein the polymerizable group is at least one of radical polymerizable and cationic polymerizable.
[0014]
5. 5. The actinic ray-curable inkjet ink composition according to the above item 4, wherein the radical polymerizable group is at least one group selected from an acryloyl group and a methacryloyl group.
[0015]
6. 5. The actinic ray-curable inkjet ink composition according to 4, wherein the cationically polymerizable group is at least one group selected from a vinyl ether, a propenyl ether, an oxirane ring, a thiirane ring, an oxetane ring, and a thietane ring group.
[0016]
7. 7. An ink jet recording method in which the actinic ray-curable inkjet ink composition according to any one of 1 to 6 above is landed on a recording medium, and is irradiated with actinic light to cure and fix the ink on the recording medium. .
[0017]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the present invention, as the dendrimer, a polymer having a dendrimer structure and a hyperbranched polymer are used. Those which are solid at room temperature and have a number average molecular weight in the range of 1,000 to 100,000 are desirable, and those in the range of 2,000 to 50,000 are particularly preferably used. If it is not solid at room temperature, the maintenance of the formed image will be poor. Further, when the molecular weight is lower than the above range, the fixed image becomes brittle, and when the molecular weight is higher than the above range, the viscosity of the ink becomes too high even if the addition amount is reduced, and in terms of the ejection characteristics, It becomes impractical.
[0018]
Examples of polymers having a dendrimer structure include amidoamine-based dendrimers (U.S. Pat. Nos. 4,507,466, 4,558,120, 4,568,737, 4,587,329, and 4). , 631,337 and 4,694,064), phenyl ether dendrimer (U.S. Pat. No. 5,041,516, Journal of American Chemistry 112, 1990, pp. 7638-7647). And the like. As for the amidoamine dendrimer, a dendrimer having a terminal amino group and a carboxylic acid methyl ester group is commercially available from Aldrich as "StarburstTM (AMAM)". Further, the terminal amino group of the amidoamine-based dendrimer can be reacted with various acrylic acid derivatives and methacrylic acid derivatives to synthesize the corresponding amidoamine-based dendrimer having a terminal, and these can also be used. Examples of usable acrylic acid derivatives and methacrylic acid derivatives include acrylic acid such as methyl, ethyl, n-butyl, t-butyl, cyclohexyl, palmityl, and stearyl, and alkyl esters of methacrylic acid, and acrylic acid such as acrylamide and isopropylamide. Alternatively, methacrylic acid alkylamides may be mentioned, but not limited thereto.
[0019]
In addition, various types of phenyl ether dendrimers are described in, for example, the above-mentioned Journal of American Chemistry.For example, using 3,5-dihydroxybenzyl alcohol, a reaction with 3,5-diphenoxybenzyl bromide is performed. Two-generation benzyl alcohol was synthesized, and its OH group was converted to CBr.4Then, after conversion to Br using triphenylphosphine, it is similarly reacted with 3,5-dihydroxybenzyl alcohol to synthesize a next-generation benzyl alcohol, and thereafter, the above reaction is repeated to synthesize a desired dendrimer. Has been described. The phenyl ether dendrimer can also be substituted with a terminal having various chemical structures instead of the terminal benzyl ether bond. For example, when various alkyl halides are used in place of the benzyl bromide in the synthesis of the dendrimer described in the Journal of American Chemistry, a phenyl ether dendrimer having a terminal structure having a corresponding alkyl group can be obtained. In addition, a polyamine dendrimer (Macromol. Symp. 77, 21 (1994)) and its terminal group-modified derivatives can be used.
[0020]
As the hyperbranched polymer, for example, hyperbranched polyethylene glycol or the like can be used. The hyperbranched polymer uses a monomer having two or more kinds of reaction points corresponding to a branching part and a single kind of another reaction point corresponding to a linking part in one molecule, and a target polymer is prepared in one step. It is obtained by synthesis (Macromolecules, Vol. 29 (1996), pp. 3831-3838). For example, an example of a monomer for a hyperbranched polymer includes a 3,5-dihydroxybenzoic acid derivative. As an example of producing a hyperbranched polymer, 3,5-bis obtained from 1-bromo-8- (t-butyldiphenylsiloxy) -3,6-dioxaoctane and methyl 3,5-dihydroxybenzoate can be mentioned. 3,5-bis ((8'-hydroxy-3 ', 6) which is a hydrolyzate of methyl ((8'-(t-butyldiphenylsiloxy) -3 ', 6'-dioxaoctyl) oxy) benzoate Methyl '-dioxaoctyl) oxy) benzoate and dibutyltin diacetate can be heated under a nitrogen atmosphere to synthesize hyper-branched polymer poly [bis (triethylene glycol) benzoate]. When 3,5-dihydroxybenzoic acid is used, the terminal group of the hyperbranched polymer becomes a hydroxyl group. By using an appropriate alkyl halide for this hydroxyl group, hyperbranched polymers having various terminal groups are synthesized. be able to.
[0021]
The properties of polymers having a dendrimer structure or hyperbranched polymers are governed by the chemical structure of the main chain and the chemical structure of the terminal groups, but the characteristics are particularly large due to differences in the substituents in the terminal groups and the chemical structure. Will be different. Particularly, at the terminal, a basic atomic group such as an amino group, a substituted amino group, or a hydroxyl group, or a basic atomic group such as an imino group, a substituted imino group, or a nitrile group, an ether group, or the like in the dendrimer structure, or a thioether. Those having a basic atomic group containing oxygen, sulfur, and the like have a large gelling effect after a photoreaction and are useful. The basic atomic group is an atomic group having a proton accepting property. In the present invention, any basic atomic group may be used as long as the basic atomic group has a proton accepting property. Preferably, those having an amino group, a substituted amino group or a hydroxyl group at the terminal, and those having an imino group, a substituted imino group, a nitrilo group, an ether group or the like as a basic atomic group in the molecule are particularly preferable. Preferred examples of the substituted amino group include lower alkyl and lower dialkylamino groups, and preferred examples of the substituent of the substituted imino group include a lower alkyl group.
[0022]
On the other hand, those having a polymerizable group at the terminal also have a gelling effect after photoreaction greatly useful because of their reactivity.
[0023]
The dendrimer having a polymerizable group is obtained by chemically modifying the terminal group of the dendrimer with a compound having a polymerizable group.
[0024]
For example, it is synthesized by adding, for example, an isocyanate group-containing vinyl compound to a polyfunctional compound obtained by adding an active hydrogen-containing (meth) acrylate-based compound to an amino-based dendrimer by Michael. In addition, a dendrimer having a polymerizable group at a terminal can be obtained by reacting an amino-based dendrimer with, for example, (meth) acrylic acid chloride. Examples of the vinyl compound providing such a polymerizable group include compounds having a radically polymerizable ethylenically unsaturated bond, and examples thereof include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, crotonic acid, and isocrotonic acid. And various radically polymerizable compounds having an ethylenically unsaturated bond described below, such as unsaturated carboxylic acids such as maleic acid and salts thereof.
[0025]
Examples of the polymerizable group include a terminal group having a cationic polymerizable group, an epoxy group, having a polymerizable group which is polymerized by cationic polymerization such as an oxetanyl group, for example, oxirane, cyclic ether compounds such as oxetanes Or an alicyclic polyepoxide, a polyglycidyl ester of a polybasic acid, or a polyglycidyl ether of a polyhydric alcohol, by reacting the compound with the amino dendrimer. For example, chloromethyloxirane can be reacted with an amino-based dendrimer to introduce an epoxy-type cationic polymerizable group at the terminal. In addition, examples of the terminal group include a cationic polymerizable group selected from styrene derivatives, vinyl naphthalene derivatives, vinyl ethers, N-vinyl compounds, and the like.
[0026]
In the present invention, one kind of the above-mentioned dendrimer may be used alone, or may be used in combination with another kind of dendrimer.
[0027]
In the present invention, the above-mentioned dendrimer is preferably used in a range of 10% by mass or less of the ink component, more preferably in a range of 5% by mass or less.
[0028]
Examples of the clathrate (the host compound of the clathrate is referred to herein for convenience) include, for example, cyclic D-glucans, cyclophans, neutral polyligand, cyclic polyanion, cyclic polycation, cyclic peptide, SPHERANDS, CABITANDS and their acyclic analogs. Among these, cyclic D-glucans and their non-cyclic analogs, cyclophanes, and neutral polyligands are more preferred.
[0029]
Examples of cyclic D-glucans and non-cyclic analogs thereof include compounds in which α-D-glucopyranose is linked by a glycooxide bond.
[0030]
Examples of the compound include carbohydrates constituted by D-glucopyranose groups such as starch, amylose and amylopecton, α-cyclodextrin, β-cyclodextrin, γ-cyclodextrin, and a polymerization degree of D-glucopyranose group of 9 Cyclodextrins such as the above cyclodextrins and -SO3C6H4CH2C6H4SO3-, -NHCH2CH2NH-, -NHCH2CH2NHCH2CH2The cyclic D-glucans and non-cyclic analog compounds thereof containing a unit comprising a divalent group such as NH-, or the cyclic D-glucans and non-cyclic analogs thereof by these divalent groups A compound having a structure in which the bodies are linked to each other;6H5Group, -N3Group, -NH2Group, -NEt2Group, -SC (= NH2 +) NH2Group, -SH group, -SCH2CH2NH2And D-glucans represented by the following formula into which a substituent such as a group or an imidazolyl group is introduced, and modified products of non-cyclic analogs thereof.
[0031]
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[0032]
Where X is C6H5, N3, NH2, N (C2H5)2, SC (= NH2 +) NH2, SH, or
[0033]
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[0034]
Also here
[0035]
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[0036]
Represents cyclodextrin.
Further, a cyclodextrin derivative represented by the following two general formulas, a branched cyclodextrin, a cyclodextrin polymer and the like can also be mentioned.
[0037]
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[0038]
In the above general formula, R1~ R3May be the same or different, and represent a hydrogen atom, an alkyl group or a substituted alkyl group. Especially R1~ R3Is preferably a hydrogen atom, a hydroxyethyl group, or a hydroxypropyl group, more preferably a substituted alkyl group content in one molecule of 15% to 50%. n2 represents a positive integer of 4 to 10.
[0039]
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[0040]
In the above general formula, R is a hydrogen atom, -R12-CO2H, -R12-SO3H, -R12-NH2Or -N (RThirteen)2Represents Where R12Represents a linear or branched alkylene group having 1 to 5 carbon atoms;ThirteenRepresents a linear or branched alkyl group having 1 to 5 carbon atoms.
[0041]
Examples of production of cyclodextrin are described in “Journal of the American Chemical Society”, Vol. 71, p. 354, 1949, and “Chemish Berichte”, vol. 90, p. 2561, p. 1949, vol. 90, p. 2561, p. 1957. However, of course, it is not limited to these.
[0042]
The branched cyclodextrin used in the present invention is a known cyclodextrin in which a water-soluble substance such as a monosaccharide or disaccharide such as glucose, maltose, cellobiose, lactose, sucrose, galactose and glucosamine is branched or added. Preferably, maltosyl cyclodextrin in which maltose is bonded to cyclodextrin (the number of bonded molecules of maltose may be one, two, or three), or glucosyl cyclodextrin in which glucose is bonded to cyclodextrin (The number of glucose binding molecules may be one, two, three, etc.).
[0043]
Specific methods for synthesizing these branched cyclodextrins are described, for example, in Starch Chemistry, Vol. 33, No. 2, pp. 119-126 (1986), pp. 127-132 (1986), Starch Chemistry, Vol. No. 2, pages 231-239 (1983) and the like, and can be synthesized with reference to these known methods. For example, maltosyl cyclodextrin can be obtained by using cyclodextrin and maltose as raw materials, isoamylase and pullulanase. It can be produced by a method in which maltose is bound to cyclodextrin using such an enzyme. Glucosylcyclodextrin can be produced in a similar manner.
[0044]
In the present invention, the branched cyclodextrin preferably used includes α-cyclodextrin having one molecule of maltose bonded thereto, β-cyclodextrin having one molecule of maltose bonded, γ-cyclodextrin having one molecule of maltose bonded, and two molecules of maltose Bound α-cyclodextrin, β-cyclodextrin with two maltose molecules bound, γ-cyclodextrin with two maltose molecules bound, α-cyclodextrin with three maltose molecules bound, β-cyclodextrin with three maltose molecules bound Γ-cyclodextrin with three maltose bonds, α-cyclodextrin with one glucose bond, β-cyclodextrin with one glucose bond, γ-cyclodextrin with one glucose bond, glucose Is α-cyclodextrin having two molecules bonded thereto, β-cyclodextrin having two molecules bonded to glucose, γ-cyclodextrin having two molecules bonded to glucose, α-cyclodextrin having three molecules bonded to glucose, and β having three molecules bonded to glucose -Cyclodextrin, γ-cyclodextrin having three molecules of glucose bonded thereto, and the like.
[0045]
Next, the cyclodextrin polymer used in the present invention will be described.
As the cyclodextrin polymer used in the present invention, those represented by the following general formula are preferred. n2 is an integer of 2 to 50.
[0046]
Embedded image
[0047]
The cyclodextrin polymer used in the present invention can be produced by, for example, cross-linking and polymerizing cyclodextrin with epichlorohydrin.
[0048]
These cyclodextrins can be synthesized by a general method described in, for example, JP-A-61-97025 and German Patent No. 3,544,842. The cyclodextrin polymer may also be used as an inclusion compound (host compound) according to the present invention as described above.
[0049]
Cyclophanes can be used as the clathrate compound (host compound). Cyclophanes are cyclic compounds having a structure in which aromatic rings are connected by various bonds, and many compounds are known. These known compounds can be mentioned as cyclophanes.
[0050]
Examples of the bond connecting the aromatic rings include a mere bond,-(CR1R2)m-, -O (CR1R2)mO-, -NH (CR1R2)mNH-,-(CR1R2)pNR3(CR4R5)q-,-(CR1R2)pN+R3(R4)-(CR5R6)q-,-(CR1R2)pS+R3− (CR4R5)q-, -CO2-, -CONR- (where R1, R2, R3, R4, R5And R6May be the same or different and represent a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms, and m, p and q may be the same or different and represent an integer of 1 to 4. ) And the like. As the compound, for example, paracyclophanes represented by the following formula,
[0051]
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[0052]
Ortho-cyclophanes represented by the following formula represented by tri-o-timotetide, cycloriveratrilen;
[0053]
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[0054]
Metacyclophanes, calixarene, resorcinol-metacyclophanes represented by the following formula represented by aldehyde cyclic oligomers,
[0055]
Embedded image
[0056]
Alternatively, a para-substituted phenol acyclic oligomer represented by the following formula may be mentioned.
[0057]
Embedded image
[0058]
Here, X is -CH2-, -S- or a mere bond, and R is CH3Or t-C4H9And n is an integer of 1 to 10.
[0059]
In addition, neutral polyligands include crown compounds, cryptands, cyclic polyamines and their non-cyclic analogs.
[0060]
These clathrate compounds (host compounds) may be added as a simple substance, but the clathrate compound itself or the clathrate compound incorporating the molecule has good solubility in a solvent and good compatibility with other additives. In order to achieve this, another polymer in which a substituent capable of inclusion is suspended as a pendant substituent on the polymer may be added together.
[0061]
The polymer is disclosed in, for example, JP-A-3-221501, JP-A-3-221502, JP-A-3-221503, JP-A-3-221504, and JP-A-3-221505. It can be easily obtained by using such a method.
[0062]
The properties of the clathrate compound are considerably governed by the chemical structure of the terminal group, and, as described above, the basic atom represented by a proton-accepting group such as an amino group, a substituted amino group, or a hydroxyl group, as described above. Those having a group have an imino group, a substituted imino group or the like in the molecule as described above, and those having an ether group or the like have a large gelling effect after a photoreaction and are useful. The basic atomic group is preferably an amino group, a substituted amino group, a hydroxyl group, or the like, or a proton-accepting basic atomic group having a nitrogen atom or an oxygen atom as described above.
[0063]
The clathrate having a polymerizable group can be obtained by chemically modifying the functional group of the clathrate with the compound having a radically polymerizable or cationically polymerizable group.
[0064]
For example, it is synthesized by esterifying a clathrate compound having a hydroxyl group or an amino group with a (meth) acrylate compound or a cyclic ether compound.
[0065]
In the present invention, only one of the above-mentioned clathrates may be used alone or in combination with another kind of clathrate.
[0066]
In the present invention, the above-mentioned clathrate compound is preferably used in the range of 10% by mass or less of the ink component, more preferably in the range of 5% by mass or less, like the above-mentioned dendrimer.
[0067]
(Photopolymerization initiator)
In the present invention, it is preferable to use a photopolymerization initiator in order to make the curability by actinic light effective.
[0068]
Examples of the photoradical polymerization initiator include acetophenone, 2,2-diethoxyacetophenone, p-dimethylaminoacetophenone, benzophenone, 2-chlorobenzophenone, p, p'-dichlorobenzophenone, p, p, -bisdiethylaminobenzophenone, Michler's ketone, benzyl, benzoin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzoin isopropyl ether, benzoin-n-propyl ether, benzoin isobutyl ether, benzoin-n-butyl ether, benzyl methyl ketal, thioxanthone, 2-chlorothioxanthone, 2-hydroxy- 2-methyl-1-phenyl-1-one, 1- (4-isopropylphenyl) 2-hydroxy-2-methylpropan-1-one, methylben Yl formate, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, azobisisobutyronitrile, benzoyl peroxide, and di -tert- butyl peroxide and the like. These polymerization initiators can be used alone or in combination of two or more.
[0069]
In the present invention, a sensitizer may be further used. Examples of the sensitizer include aliphatic amines, amines having an aromatic group, or cyclic amine compounds such as piperidine, urea compounds such as o-tolylthiourea, and soluble salts of sodium diethylthiophosphate or aromatic sulfinic acid. Sulfur compounds, nitrile compounds such as N, N'-disubstituted-p-aminobenzonitrile, phosphorus compounds such as tri-n-butylphosphine or sodium diethyldithiophosphide, Michler's ketone, N-nitrosohydroxylamine derivatives, oxazolidine compounds, Examples include nitrogen compounds such as tetrahydro-1,3-oxazine compounds, formaldehyde or condensates of acetaldehyde and diamine. These sensitizers can be used alone or in combination of two or more.
[0070]
As the cationic photopolymerization initiator, diazonium salts, iodonium salts, sulfonium salts, iron arene complexes, and organic polyhalogen compounds can be preferably used.
[0071]
Examples of the diazonium salt, iodonium salt and sulfonium salt include JP-B-54-14277, JP-B-54-14278, JP-A-51-56885, U.S. Pat. Nos. 3,708,296 and 3,853,002. And the like.
[0072]
Examples of compounds suitable for the present invention are given below. First, B (C) of an aromatic onium compound such as diazonium, ammonium, iodonium, sulfonium, and phosphonium is used.6F5)4 −, PF6 −, AsF6 −, SbF6 −, CF3SO3 −Salts may be mentioned. Those having a borate compound as a counter anion are preferable because of high acid generating ability. Specific examples of the onium compound are shown below.
[0073]
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[0074]
Secondly, a sulfonate that generates sulfonic acid can be mentioned. Specific compounds are exemplified below.
[0075]
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[0076]
Third, halides that photogenerate hydrogen halides can also be used. Specific compounds are shown below.
[0077]
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[0078]
Fourth, an iron allene complex can be mentioned.
[0079]
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[0080]
Regarding photocationic polymerization initiators, see "Molecular Design of Ultra-LSL Resist", written by Joe Tsuda, Kyoritsu Shuppan, 1990; The photoacid generator compounds described in 55 to 78 can be used. In the present invention, the ratio of the polymerization initiator in the ink composition is preferably from 0.01 to 20%, and more preferably from 0.1 to 10%.
In the present invention, it is preferable to use other polymerizable compounds.
[0081]
Other polymerizable compounds in the ink composition that can be used in the present invention will be described.
[0082]
As the polymerizable compound, a radical polymerizable compound, for example, JP-A-7-159983, JP-B-7-31399, JP-A-8-224982, JP-A-10-863, JP-A-9-134011 and the like Photo-curable materials using the photo-polymerizable composition described in (1) and cationically-curable photo-curable resins, and photo-curable photo-curable resins recently sensitized to longer wavelengths than visible light Resins are also disclosed in, for example, JP-A-6-43633 and JP-A-8-324137.
[0083]
The radically polymerizable compound is a compound having a radically polymerizable ethylenically unsaturated bond, and may be any compound as long as it has at least one radically polymerizable ethylenically unsaturated bond in the molecule. , Oligomers, polymers and the like having a chemical form. Only one radical polymerizable compound may be used, or two or more radical polymerizable compounds may be used in an optional ratio in order to improve desired properties.
[0084]
Examples of the compound having a radically polymerizable ethylenically unsaturated bond include unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, crotonic acid, isocrotonic acid and maleic acid, and salts, esters, urethanes and amides thereof. And anhydrides, acrylonitrile, styrene, and various other radically polymerizable compounds such as unsaturated polyesters, unsaturated polyethers, unsaturated polyamides, and unsaturated urethanes.
[0085]
Specifically, 2-ethylhexyl acrylate, 2-hydroxyethyl acrylate, butoxyethyl acrylate, carbitol acrylate, cyclohexyl acrylate, tetrahydrofurfuryl acrylate, benzyl acrylate, bis (4-acryloxypolyethoxyphenyl) propane, neopentyl glycol Diacrylate, 1,6-hexanediol diacrylate, ethylene glycol diacrylate, diethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate, polyethylene glycol diacrylate, polypropylene glycol diacrylate, pentaerythritol triacrylate, pentaerythritol Tetraacrylate, dipentaery Litol tetraacrylate, trimethylolpropane triacrylate, tetramethylol methanetetraacrylate, oligoester acrylate, N-methylol acrylamide, diacetone acrylamide, acrylic acid derivatives such as epoxy acrylate, methyl methacrylate, n-butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate , Lauryl methacrylate, allyl methacrylate, glycidyl methacrylate, benzyl methacrylate, dimethylaminomethyl methacrylate, 1,6-hexanediol dimethacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol dimethacrylate, polyethylene glycol dimethacrylate, polypropylene glycol dimethacrylate, trimethylol Methacryl derivatives such as tantrimethacrylate, trimethylolpropane trimethacrylate, and 2,2-bis (4-methacryloxypolyethoxyphenyl) propane, and derivatives of allyl compounds such as allyl glycidyl ether, diallyl phthalate, and triallyl trimellitate More specifically, Shinzo Yamashita, "Handbook of Crosslinking Agents," (1981 Taiseisha); Kiyomi Kato, "UV / EB Curing Handbook (Raw Materials)," (1985, Polymer Publications) Association); Radtec Research Association, "Applications and Markets of UV / EB Curing Technology", 79 pages, (1989, CMC); Eiichiro Takiyama, "Polyester Resin Handbook", (1988, Nikkan Kogyo Shimbun) Commercially available products described in or the like radical polymerizable or cross-linkable monomer known in the industry, Oligomers and polymers can be used.
[0086]
The addition amount of the radical polymerizable compound is preferably 1 to 97% by mass, more preferably 30 to 95% by mass.
[0087]
The cationic polymerization photocurable resin is an epoxy type ultraviolet curable prepolymer of a type (mainly an epoxy type) in which polymerization is caused by cationic polymerization, and the monomer is a prepolymer containing two or more epoxy groups in one molecule. Can be mentioned. Examples of such prepolymers include alicyclic polyepoxides, polyglycidyl esters of polybasic acids, polyglycidyl ethers of polyhydric alcohols, polyglycidyl ethers of polyoxyalkylene glycol, and polyglycidyl of aromatic polyol. Examples include ethers, hydrogenated compounds of polyglycidyl ethers of aromatic polyols, urethane polyepoxy compounds, epoxidized polybutadienes, and the like. One of these prepolymers can be used alone, or two or more of them can be used in combination.
[0088]
Other examples of the cationically polymerizable compound contained in the cationically polymerizable photocurable resin include the following (1) styrene derivatives, (2) vinylnaphthalene derivatives, (3) vinyl ethers, and (4) N-vinyl compounds. Can be mentioned.
(1) Styrene derivative
For example, styrene, p-methylstyrene, p-methoxystyrene, β-methylstyrene, p-methyl-β-methylstyrene, α-methylstyrene, p-methoxy-β-methylstyrene and the like
(2) Vinyl naphthalene derivative
For example, 2-vinylnaphthalene, α-methyl-2-vinylnaphthalene, β-methyl-2-vinylnaphthalene, 4-methyl-2-vinylnaphthalene, 4-methoxy-2-vinylnaphthalene and the like
(3) Vinyl ethers
For example, isobutyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, phenyl vinyl ether, p-methylphenyl vinyl ether, p-methoxyphenyl vinyl ether, α-methylphenyl vinyl ether, β-methyl isobutyl vinyl ether, β-chloroisobutyl vinyl ether, etc.
(4) N-vinyl compounds
For example, N-vinylcarbazole, N-vinylpyrrolidone, N-vinylindole, N-vinylpyrrole, N-vinylphenothiazine, N-vinylacetanilide, N-vinylethylacetamide, N-vinylsuccinimide, N-vinylphthalimide, N-vinyl Caprolactam, N-vinylimidazole, etc.
The content of the cationically polymerizable photocurable resin in the cationically polymerizable composition is preferably from 1 to 97% by mass, more preferably from 30 to 95% by mass.
[0089]
To improve the performance of the composition of the present invention, materials such as a coloring agent, a silane coupling agent, a polymerization inhibitor, and a leveling agent can be added to the extent that the original characteristics are not changed.
[0090]
Examples of the colorant include various chromatic organic pigments such as phthalocyanine, azo, quinacridone, dioxane, and diketopyrrolopyrrole, and inorganic pigments such as carbon black, titanium white, silica, mica, and zinc oxide. Is mentioned.
[0091]
Examples of the silane coupling agent include γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, and the like. Examples of the polymerization inhibitor include methoquinone, methyl hydroquinone, and benzoquinone. Examples of the leveling agent include Modaflow (manufactured by Monsanto; registered trademark) and FC-430 (manufactured by 3M).
[0092]
The amount of each of these various additives is preferably in the range of more than 0 to 20% by mass of the composition.
[0093]
In order to obtain the actinic ray-curable inkjet ink composition of the present invention, the respective components described above may be mixed, and the order and method of mixing are not particularly limited.
[0094]
As a physical property of the ink thus mixed, an actinic ray-curable inkjet ink composition having a viscosity at 50 ° C. of 5 to 30 mPa · s is preferably used.
[0095]
The inkjet recording method of the present invention performs printing on a non-recording medium using the actinic ray-curable inkjet ink composition adjusted as described above, and can provide good image quality and good printing.
[0096]
In the ink jet recording method, printing or recording of an image is performed by ejecting minute droplets of ink from a nozzle and attaching the droplet to a surface of a recording medium (printing medium) such as paper. Various ink jet recording methods have been proposed, and a method called a continuous method is disclosed in, for example, US Pat. Nos. 3,298,030 and 3,596,275. In the drop-on-demand method, a method in which deformation of a piezo element is applied to a driving force of ink ejection is disclosed in, for example, US Pat. No. 3,946,398. An ink jet recording method for ejecting ink droplets using thermal energy is disclosed in, for example, US Pat. No. 4,251,824.
[0097]
In the inkjet recording method according to the present invention, light irradiation is performed after the ink composition is attached to the recording medium. The irradiated light starts the polymerization reaction of the ink composition, and the ink composition adheres to the recording medium (print medium).
[0098]
As a light source used for the light irradiation of the present invention, a light source that emits ultraviolet light or visible light having a wavelength of 180 to 500 nm is effective. For example, low-pressure mercury lamp, high-pressure mercury lamp, ultra-high-pressure mercury lamp, metal halide lamp, chemical lamp, black light lamp, mercury-xenon lamp, excimer lamp, short arc lamp, helium / cadmium laser, argon laser, excimer laser, sunlight Is mentioned.
[0099]
According to a preferred embodiment of the present invention, when performing ultraviolet irradiation, the peak illuminance at the absorption wavelength of the ink is 1 to 500 mW / cm.2Is used. Since a sufficient curing reaction can be performed with such a light source, a relatively inexpensive and small ultraviolet irradiation device can be used, which is advantageous in cost.
[0100]
Recording media used in the present invention include metals such as aluminum, iron and copper, plastics such as vinyl chloride, acrylic, polycarbonate, polyethylene terephthalate, acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer, polyethylene and polypropylene, ceramics such as glass, and wood. , Paper, printing paper, fiber and the like.
[0101]
A preferred recording medium of the present invention is a non-absorbable recording medium that does not absorb ink.
[0102]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
[0103]
Synthesis Example 1
Ethylenediamine; 20 g, 4-hydroxybutyl acrylate; 192 g, ethyl acetate; 70 g, methanol; 20 g were blended in a 500 ml four-necked round bottom flask equipped with a stirrer, a nitrogen inlet tube, a temperature sensor, and a condenser. The mixture was refluxed for 3 hours in a hot water bath set in the above. Therefore, a diversion tube was set between the reactor and the condenser, the solvent was distilled off while continuing to heat and stir at normal pressure in a water bath at 80 ° C., and a vacuum line was connected from the top of the condenser to 70 ° C. 5.33 × 10 in a hot water bath-3When the pressure was reduced to not more than MPa, ethyl acetate and methanol were completely distilled off to obtain a viscous liquid (yield 99%). Therefore, the temperature of the hot water bath was lowered to 60 ° C., 400 g of ethyl acetate and 195 g of methacryloyloxyethyl isocyanate were added, and 10 minutes later, 1 g of tin 2-ethylhexanoate was added. Heating and stirring were continued for 3 hours. Further, the target dendrimer was obtained by removing the solvent from the ethyl acetate used as a reaction solvent by an evaporator.
[0104]
Synthesis Example 2
N, N, N ', N'-tetrakis (3-aminopropyl) -1,4-butanediamine was reacted with acrylic acid chloride in acetone / water to obtain a compound having a dendrimer structure having an acrylate group at the terminal.
[0105]
Synthesis Example 3
Β-cyclodextrin was dissolved in dehydrated pyridine, and chloromethyloxirane was added dropwise at room temperature. After completion of the dropwise addition, the mixture is stirred at 100 to 110 ° C for 24 hours. After completion of the reaction, unreacted substances were separated by filtration, washed repeatedly with water / methanol, and dried at 80 to 90 ° C. under reduced pressure to obtain a target compound.
[0106]
Synthesis Example 4
A 500 ml flask was charged with 360 ml of toluene, and refluxed, a solution of m-xylylene diol; 138 mg (1.0 mmol) and imidazole; 136 mg (2.0 mmol) dissolved in 30 ml of tetrahydrofuran, and m-xylylene diisocyanate: 188 mg ( 1.0 mmol) in 30 ml of tetrahydrofuran was added dropwise to the toluene over 9 hours with stirring. After the completion of the dropwise addition, reflux was continued for another 2 hours to continue the reaction. Next, toluene was distilled off under reduced pressure, and the residue was separated and purified by silica gel chromatography using an ethyl acetate / hexane (volume ratio: 1/1) solution as a developing solvent to obtain 259 mg of the desired white solid. Yield 77%, mp 209-213 ° C. When this white solid was analyzed by IR spectrum, NMR spectrum, mass spectrum (FAB method) and elemental analysis, it was confirmed to be a cyclophane compound represented by the following formula.
[0107]
Embedded image
[0108]
Examples 1 and 2
After mixing and stirring the following compositions, the obtained liquid was filtered with a filter to obtain an ink composition. The viscosity of the ink at 25 ° C. was 32 and 40 mPa · s, respectively.
[0109]
Coloring material
CI pigment blue 15: 3 5 mass parts
(Average dispersion particle size: 100 nm)
Polymerizable compound
Compound obtained in Synthesis Example 1 or 2 ま た は 3 parts by mass
Phenoxyethyl acrylate (POA, manufactured by Kyoeisha Chemical) 95 parts by mass
Photopolymerization initiator
Irgacure 184 (1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 2.5 parts by mass
Lucirin TPO (monoacylphosphine oxide, manufactured by BASF) 社 2.5 parts by mass
The obtained ink was partially modified from an ink jet printer PSERSER860 (manufactured by PHASEPRINTING JAPAN) and ejected from an ink jet head onto PET (polyethylene terephthalate) as a non-recording medium to form an image. Immediately after ink ejection, the intensity of 365 nm is 10 mW / cm.2Irradiated using an ultraviolet lamp of No. 1 to form a fixed image of the ink on the medium. Further, after the produced ink was allowed to stand for one week in an environment of 55 ° C., a change in viscosity at 25 ° C. was measured.
[0110]
Further, the chemical and physical strength of the fixed image formed on the PET was evaluated. The results are summarized in Table 1.
[0111]
Example 3
After mixing and stirring the following compositions, the obtained liquid was filtered with a filter to obtain an ink composition. The viscosity of the ink at 25 ° C. was 35 mPa · s.
[0112]
Coloring material
CI pigment blue 15: 3 5 mass parts
(Average dispersion particle size: 100 nm)
Polymerizable compound
Compound obtained in Synthesis Example 3 例 3 parts by mass
10 parts by mass of alicyclic epoxy compound (CEL2021P, manufactured by Daicel Chemical)
Oxetane (OXT221, manufactured by Toagosei) 90 parts by mass
Photopolymerization initiator
Iodonium salt (IBPF, manufactured by Sanwa Chemical) 2.5 parts by mass
Thioxanthone (DETX, manufactured by Nippon Kayaku) 1.0 parts by mass
The obtained ink was evaluated in the same manner as in Examples 1 and 2, and the results shown in Table 1 were obtained.
[0113]
Example 4
In Example 3, instead of the compound obtained in Synthesis Example 3,
− [CH2N (CH2CH2CONHCH2CH2NH2)2]2An ink was prepared and evaluated in the same manner as in Example 3 except that (Starburst (PAMAM) Dendrimer; manufactured by Aldrich) was used, and the results shown in Table 1 were obtained. The viscosity at 25 ° C. of the ink of Example 4 was 30 mPa · s.
[0114]
Example 5
Example 3 was carried out in the same manner as in Example 3 except that the compound obtained in Synthesis Example 4 was used instead of the compound obtained in Synthesis Example 3, and the results shown in Table 1 were obtained. In addition, the viscosity at 25 ° C. of the ink of Example 5 was 35 mPa · s.
[0115]
Comparative Examples 1 and 2
In Examples 1 to 5, the compound of the present invention was not used, and the composition of the present invention was supplemented with another polymerizable compound. . The comparative example corresponding to Examples 1 and 2 is 1, and the comparative example corresponding to Examples 3, 4, and 5 is 2. The ink viscosities were 27 and 30 mPa · s, respectively.
[0116]
[Table 1]
[0117]
In addition, evaluation was performed about the following items.
<Curability>
A certain amount (20 μl) of the ink landed on the non-recording medium is irradiated with ultraviolet light, and the lowest ultraviolet irradiation energy (mJ / cm) at which the uncured film of the composition cures and becomes tack-free.2). The smaller the value, the better the curability.
[0118]
<Storage stability>
The viscosity of the ink when stored at 55 ° C. for one week was measured at 25 ° C. (vibration viscometer VISCOMATE @ VM-1G-MH, manufactured by YAMAICHI.CO. LTD.).
[0119]
<chemical resistance>
After the ink fixed and fixed on the non-recording medium was immersed in warm water at 40 ° C. for 1 hour, a change in the degree of fixing of the image was examined.
[0120]
○ No change
△ Some missing
× All missing
<Adhesion>
A cut was made in the cured film on the recording medium in a checkerboard shape using a cutter, and the checkerboard was peeled off with an adhesive tape, and the remaining checkerboard adhered to the substrate and evaluated.
[0121]
○ No change
△ Some missing
× All missing
<Mechanical strength>
A fixed load (50 g / cm2) Was rubbed back and forth 10 times with a brush, and the remaining degree of the film was evaluated.
[0122]
○ No change
△ Some missing
× All missing
Table 1 shows that an actinic ray-curable inkjet ink composition having good curability, high mechanical strength, excellent adhesion and chemical resistance, and excellent storage stability can be obtained.
[0123]
【The invention's effect】
Uses an inkjet ink composition that can be cured with low energy, can form an image having excellent chemical resistance, mechanical strength, and adhesion on a recording medium, has excellent storage stability and safety, and the ink composition. The obtained ink jet recording method was obtained.