JP2004089397A - レーザ治療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ強度を均一に照射できる装置を提供すること。
【解決手段】治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置において、前記治療レーザ光源からのレーザ光をスポット状に形成して患部に導光照射するための導光光学系と、該導光光学系に配置され前記スポットの形状を六角形にするスポット形状変換手段と、該導光光学系に配置され前記スポットのスポット位置を走査するための走査手段と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置において、前記治療レーザ光源からのレーザ光をスポット状に形成して患部に導光照射するための導光光学系と、該導光光学系に配置され前記スポットの形状を六角形にするスポット形状変換手段と、該導光光学系に配置され前記スポットのスポット位置を走査するための走査手段と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、皮膚にレーザ光を照射して、脱毛、皺取り、痣取り等を行うレーザ治療装置が知られている。例えば、レーザ脱毛治療は毛根周辺にレーザ光を照射することにより、その熱エネルギが毛根部に放熱されて毛根が焼灼されることにより脱毛が行われるものであるが、レーザ光の照射を1パルスずつ行なうような脱毛の治療方法は時間が掛かってしまい効率が悪い。そのため、一度に照射する領域を予め設定しておき、2枚の駆動ミラー等を使用することによってその照射領域にレーザ光のビームスポット(スポット位置)を並べるように走査(スキャニング)していき、設定した照射範囲全体をもれなく照射して効率よく脱毛が行われるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の円形スポットの走査では、円形を正接させると円と円の間に隙間ができ、その部分が未照射部分となり治療効果がでない部分ができてしまう。また、この未照射部分をなくそうとして、円形スポットを円の周辺部で重ねて照射すると、隣り合う重なったところが二重照射となって過照射されてしまい、皮膚への熱ダメージ(サーマルダメージ)が起こり易いという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来装置の欠点に鑑み、レーザ強度を均一に照射できる装置を提供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置において、前記治療レーザ光源からのレーザ光をスポット状に形成して患部に導光照射するための導光光学系と、該導光光学系に配置され前記スポットの形状を六角形にするスポット形状変換手段と、該導光光学系に配置され前記スポットのスポット位置を走査するための走査手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)のレーザ治療装置において、前記スポット形状変換手段は断面形状が六角形のカライドスコープであることを特徴とする。
(3) (1)のレーザ治療装置において、前記走査手段は六角形のスポットの隣り合う六角形の一辺が重なり合うようにスポット位置を走査することを特徴とする。
(4) (1)のレーザ治療装置において、前記スポット形状変換手段は、六角形の対向する全ての辺が平行で、かつ対向する辺の長さが等しい六角形のスポットに変換することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置の外観略図であり、図2は光学系及び制御系の概略構成を示す図である。
レーザ装置本体1の正面には大型のLCDパネル2が設けられており、LCDパネル2には各種設定条件が表示されるとともに、LCDパネル2上に表示される操作キーに触れることで各種の設定が可能なタッチパネルとなっている。レーザ装置本体1の上部からはレーザ光を照射するハンドピース20まで通信ケーブル3とレーザ光を導光するためのファイバケーブル4が伸延している。
【0007】
5はハンドピース20側に供給する冷却水を冷却して循環させるためのチラーである。チラー5から伸びている2本の冷却チューブ7は、前述の通信ケーブル3とファイバケーブル4と束ねられ、集中ケーブル8に一本にまとめられている。9はレーザ照射のトリガとなるフットスイッチである。
【0008】
図2において、10はパルスの治療用レーザ光を出射するレーザ光源部であり、レーザ光源部10は多数の半導体レーザを有する。各半導体レーザを出射したレーザ光はそれぞれに対応して配置されたレンズ12aにより各ファイバ13aの端面にそれぞれ集光されて入射する。各ファイバ13aは出射端面側で束ねられており、各半導体レーザから出射されたレーザ光はファイバ出射側でまとめられ、高出力のレーザ光として治療に利用される。本実施形態では治療用レーザ光に800〜820nmの波長の近赤外光を利用している。
【0009】
また、エイミング(照準)光源11から出射するエイミング光は、集光レンズ12bにより集光され、ファイバ13bに入射する。ファイバ13bの出射側端面はファイバ13aの出射側端面と共に束ねられており、エイミング光はファイバ13bを出射後、治療用レーザ光と同様の光路を進行する。本実施形態ではエイミング光束には620〜650nmの波長の赤色可視光を利用している。
【0010】
束ねられた各ファイバ13a,13bの出射端面から出射するレーザ光(治療用レーザ光及びエイミング光)は、集光レンズ群14により集光され、ファイバケーブル4に入射する。ファイバケーブル4はハンドピース20に接続されており、レーザ光はハンドピース20に導光される。なお、各ファイバ13a,13bの出射端面と集光レンズ群14との間の光路には、必要に応じてレーザ光を遮断するためのシャッタ17が挿入される。シャッタ17は駆動部18により駆動される。
【0011】
図3は、ハンドピース20の構成を説明する拡大図である。ハンドピース20の光学系は、ファイバケーブル4から出射したレーザ光を集光する集光レンズ33、カライドスコープ32、コリメータレンズ22、ミラー21、第一ミラー23,第二ミラー24、集光レンズ25からなる。
【0012】
カライドスコープ32は、スポット形状を変換するためのものであり、6枚の帯状反射鏡(断面形状が六角形)により構成されている。カライドスコープ32の出射端面と患部への照射面(後述する第1ウィンドウ42の下面)とは共役な位置にあるため、カライドスコープ32の六角形状がレーザのスポット形状となる。また、入射ビームはカライドスコープ32の管内で多重反射を繰り返しているため、ビームのモードが均一化される。
【0013】
第一ミラー23,第二ミラー24には、それぞれを回転させる第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aが設けられている。第一ミラー23,第二ミラー24を駆動して回動させることで、XY方向の各々にレーザ光の照射位置を移動(揺動)させ、広範囲に渡って治療用レーザ光を走査することができる。
【0014】
スキャナヘッド20aの下方にはスキャナ支基26が固定されており、スキャナ支基26には、熱伝導性の良いアルミ製のウィンドウ取付板27が側面側(図3紙面垂直方向)からネジ止めされている。28は電子熱交換器であるペルチェ素子である。ペルチェ素子28は、アルミ製の冷却板29とウィンドウ取付板27にはさまれる格好で取付けられており、ウィンドウ取付板27側が吸熱側(冷却側)となり、冷却板29側が放熱側となるように電流が流される。冷却板29の内部には冷却水が循環する流路が形成されており、チラー5で冷却された冷却水は冷却チューブ7を通って冷却板29内を循環し、冷却板29を介してペルチェ素子28で放熱された熱を吸熱する。
【0015】
31はウィンドウ取付板27の下端に取付けられた温度センサであり、温度センサ31はウィンドウ取付板27の温度を検知し、この温度検知に基づき制御部15によってペルチェ素子28の温度がコントロールされる。
【0016】
ウィンドウ取付板27には、ウィンドウユニット40が取り付けられている。レーザ照射時は各ウインドウの接触面を皮膚面に当接させて使用する。ウィンドウユニット40は、皮膚に接触する熱伝導率の良い透明サファイアガラスの第1ウィンドウ42、第1ウィンドウ42より熱伝導率が劣る透明ガラスの第2ウィンドウ44の2重構造になっており、側面形状が略L字状のウィンドウフレーム41によって保持されている。この構造により、第一ウィンドウ42の熱がウィンドウフレーム41、ウィンドウ取付板27、ペルチェ素子28へと伝わり、吸熱される。第一ウィンドウ42の温度を下げることにより、患者の皮膚を冷却することができる。スキャナヘッド20aから出射したレーザ光は集光レンズ25の焦点距離で集光するため、第一ウィンドウ42の下面がこの集光位置になる様にフレーム41の上下方向の長さが設計されている。ウィンドウユニット40は2つのネジ32によってウィンドウ取付板27と脱着可能に取付けられている。
【0017】
図2に示す制御部15には、LCDパネル2、チラー5、チラー5からの冷却水が正常に循環しているかどうかを確認するフロースイッチ6、メモリ16、フットスイッチ9が接続されている。また、ハンドピース20側の温度センサ31、ペルチェ素子28、第一ガルバノメータ23a、第二ガルバノメータ24aは通信ケーブル3を介して制御部15に接続されている。
【0018】
以上のような構成を有するレーザ治療装置において、レーザ照射時の動作を以下に説明する。
術者はLCDパネル2に表示されている設定用キーを操作することで、レーザの出力、パルス照射時間、走査パターン形状等の照射条件を設定する。走査パターン形状はメモリ16に予め記憶されたものから選択でき、円形パターン、正方形パターン、長方形パターン、ラインパターン等が用意されている。
【0019】
また、レーザ照射時には図示なきスイッチによって冷却機構を作動させる。ペルチェ素子28及びチラー5を駆動させることにより第一ウィンドウ42が冷却され、第一ウィンドウ42に接触している患部が冷やされる。
術者は装置本体1側の準備を整えた後、ハンドピース20を手で保持して第一ウィンドウ42を患部上に当接させる。スキャンヘッド20aからは光源11によるエイミング光が照射され、そのエイミング光は選択した走査パターン形状に従って第一ミラー23,第二ミラー24の駆動により繰返し走査される。術者はウィンドウ42,44を通して観察される患部とエイミング光の照射位置を確認しながら、目的とする患部に合うように第一ウィンドウ42の当接位置を調整する。
【0020】
術者はエイミング光の観察による照射部位の位置合わせやレーザ出力等の設定が完了したら、LCDパネル2上の図示なきスイッチを押して装置をREADY状態にする。制御部15はフットスイッチ9からのトリガ信号が入力されると、制御部15は、第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aを駆動制御してレーザ光源部10からのレーザ光を走査し、選択された走査領域の治療部位にレーザ光を照射する。
【0021】
ファイバケーブル4からスキャナヘッド20a内に入射したレーザ光は、集光レンズ33により集光され、カライドスコープ32に入射し、カライドスコープ32を出射したレーザ光はコリメータレンズ22により平行光束にされた後、ミラー21により光軸を曲げられ、第一ミラー23,第二ミラー24でXY方向に走査され、集光レンズ25によって患部で六角形のスポットが焦点を結ぶように集光される。図4に示す様に、制御部15は、隣り合う六角形の一辺が重なり合うようにスポット位置を走査する。
【0022】
円形スポットの円を正接させる様に走査させると、図5(a)に示す様に円と円の間に隙間Aができ、その部分が未照射部分となり治療効果がでない部分ができてしまう。また、この未照射部分をなくそうとして、円形スポットを円の周辺部で重ねて照射すると、図5(b)に示す様に隣り合う重なった部分Bが二重照射となって過照射されてしまい、皮膚への熱ダメージ(サーマルダメージ)が起こり易かった。本発明では、スポット形状を図5(c)に示す様に六角形としているので、未照射部分もなく、二重照射部分もない。このため均一なレーザ強度で照射を行うことができる。また、レーザ光がカライドスコープ32を通過することによって、管内で多重反射を繰り返すため、ビームのモードが均一化される。このため、ビームのモードがガウシアン分布のようにスポットの中心部で強度が強いものでも、カライドスコープ32を通過することによってビームのモードが矩形状になり、レーザ強度を均一にすることができる。
【0023】
また、六角形のスポットを円形に走査すると、図7(a)〜(h)に示す様に、円形パターンを段階的に数多く設定できる。図7(a)に対して、図7(b)は、12個の斜線部の六角形スポットH1を足すことによって、一回り大きな円形パターンを形成することができる。同様に、図7(b)に対して、図7(c)は、12個の斜線部の六角形スポットH2を足すことによって、一回り大きな円形パターンを形成することができる。以下同様に、図7(d)〜図7(h)は、それぞれ斜線部の六角形スポットH3〜をH7足すことによって、一回り大きな円形パターンを段階的に多数形成することができる。六角形スポットで円形に走査すると、四角形のスポットに比べて、より円形に近い形状で段階的に数多く円形パターンを設定できる。
【0024】
また、上記実施の形態では、スポット形状を図4に示す様な正六角形(全ての辺の長さがLa)としたが、これに限らずスポットの六角形の形状は、図6(a)に示す様に六角形の対向する全ての辺が平行で、対向する一辺をLbにした六角形(他の対向する二辺はLa)や、図6(b)に示す様に六角形の対向する全ての辺が平行で、対向する二辺をLc、Ldにした六角形(他の対向する一辺はLa)でもよい。ここでいう対向する辺とは、一つの辺とその辺に対してそこから3つ離れた辺の組のことをいう。つまり、スポットの六角形の形状は、図4、図6(a)、図6(b)に示す六角形の様に、六角形の対向する全ての辺が平行で、対向する辺の長さが等しい六角形であればよい。
【0025】
また、上記では、脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置を例にとって説明したが、脱毛治療に限らず、患者のシワ、アザ、シミ等の皮膚の形成治療に使用されるCO2 レーザ(炭酸ガスレーザ)を用い、レーザ光のスポットを走査するレーザ治療装置などにも、本発明を利用できる。
【0026】
また、CO2 レーザによるレーザ治療装置で、にきび痕の治療を行うには、図8のようなドーナツ形状にスポットを走査するとよい。四角形のスポットに比べて六角形のスポットであると、にきび痕の大きさに応じて、図8(a)〜(g)に示す様に、開口の大きさをより円形に近い形状で段階的に数多く設定できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レーザ強度を均一に照射でき、未照射、過照射部分のない治療効果の良いレーザ治療を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置の外観略図である。
【図2】光学系及び制御系の要部構成の概略図である。
【図3】ハンドピースの下方部の構成を説明する拡大図である。
【図4】走査する六角形のスポット形状を示す図である。
【図5】走査するスポット形状を示す図である。
【図6】走査する六角形のスポット形状を示す図である。
【図7】六角形のスポットで走査された円形パターンを示す図である。
【図8】六角形のスポットで走査されたドーナツ形状パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ装置本体
4 ファイバケーブル
10 レーザ光源部
15 制御部
20 ハンドピース
22 コリメータレンズ
23 第一ミラー
23a 第一ガルバノメータ
24 第二ミラー
24a 第二ガルバノメータ
25 集光レンズ
32 カライドスコープ
33 集光レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、皮膚にレーザ光を照射して、脱毛、皺取り、痣取り等を行うレーザ治療装置が知られている。例えば、レーザ脱毛治療は毛根周辺にレーザ光を照射することにより、その熱エネルギが毛根部に放熱されて毛根が焼灼されることにより脱毛が行われるものであるが、レーザ光の照射を1パルスずつ行なうような脱毛の治療方法は時間が掛かってしまい効率が悪い。そのため、一度に照射する領域を予め設定しておき、2枚の駆動ミラー等を使用することによってその照射領域にレーザ光のビームスポット(スポット位置)を並べるように走査(スキャニング)していき、設定した照射範囲全体をもれなく照射して効率よく脱毛が行われるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の円形スポットの走査では、円形を正接させると円と円の間に隙間ができ、その部分が未照射部分となり治療効果がでない部分ができてしまう。また、この未照射部分をなくそうとして、円形スポットを円の周辺部で重ねて照射すると、隣り合う重なったところが二重照射となって過照射されてしまい、皮膚への熱ダメージ(サーマルダメージ)が起こり易いという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来装置の欠点に鑑み、レーザ強度を均一に照射できる装置を提供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置において、前記治療レーザ光源からのレーザ光をスポット状に形成して患部に導光照射するための導光光学系と、該導光光学系に配置され前記スポットの形状を六角形にするスポット形状変換手段と、該導光光学系に配置され前記スポットのスポット位置を走査するための走査手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)のレーザ治療装置において、前記スポット形状変換手段は断面形状が六角形のカライドスコープであることを特徴とする。
(3) (1)のレーザ治療装置において、前記走査手段は六角形のスポットの隣り合う六角形の一辺が重なり合うようにスポット位置を走査することを特徴とする。
(4) (1)のレーザ治療装置において、前記スポット形状変換手段は、六角形の対向する全ての辺が平行で、かつ対向する辺の長さが等しい六角形のスポットに変換することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置の外観略図であり、図2は光学系及び制御系の概略構成を示す図である。
レーザ装置本体1の正面には大型のLCDパネル2が設けられており、LCDパネル2には各種設定条件が表示されるとともに、LCDパネル2上に表示される操作キーに触れることで各種の設定が可能なタッチパネルとなっている。レーザ装置本体1の上部からはレーザ光を照射するハンドピース20まで通信ケーブル3とレーザ光を導光するためのファイバケーブル4が伸延している。
【0007】
5はハンドピース20側に供給する冷却水を冷却して循環させるためのチラーである。チラー5から伸びている2本の冷却チューブ7は、前述の通信ケーブル3とファイバケーブル4と束ねられ、集中ケーブル8に一本にまとめられている。9はレーザ照射のトリガとなるフットスイッチである。
【0008】
図2において、10はパルスの治療用レーザ光を出射するレーザ光源部であり、レーザ光源部10は多数の半導体レーザを有する。各半導体レーザを出射したレーザ光はそれぞれに対応して配置されたレンズ12aにより各ファイバ13aの端面にそれぞれ集光されて入射する。各ファイバ13aは出射端面側で束ねられており、各半導体レーザから出射されたレーザ光はファイバ出射側でまとめられ、高出力のレーザ光として治療に利用される。本実施形態では治療用レーザ光に800〜820nmの波長の近赤外光を利用している。
【0009】
また、エイミング(照準)光源11から出射するエイミング光は、集光レンズ12bにより集光され、ファイバ13bに入射する。ファイバ13bの出射側端面はファイバ13aの出射側端面と共に束ねられており、エイミング光はファイバ13bを出射後、治療用レーザ光と同様の光路を進行する。本実施形態ではエイミング光束には620〜650nmの波長の赤色可視光を利用している。
【0010】
束ねられた各ファイバ13a,13bの出射端面から出射するレーザ光(治療用レーザ光及びエイミング光)は、集光レンズ群14により集光され、ファイバケーブル4に入射する。ファイバケーブル4はハンドピース20に接続されており、レーザ光はハンドピース20に導光される。なお、各ファイバ13a,13bの出射端面と集光レンズ群14との間の光路には、必要に応じてレーザ光を遮断するためのシャッタ17が挿入される。シャッタ17は駆動部18により駆動される。
【0011】
図3は、ハンドピース20の構成を説明する拡大図である。ハンドピース20の光学系は、ファイバケーブル4から出射したレーザ光を集光する集光レンズ33、カライドスコープ32、コリメータレンズ22、ミラー21、第一ミラー23,第二ミラー24、集光レンズ25からなる。
【0012】
カライドスコープ32は、スポット形状を変換するためのものであり、6枚の帯状反射鏡(断面形状が六角形)により構成されている。カライドスコープ32の出射端面と患部への照射面(後述する第1ウィンドウ42の下面)とは共役な位置にあるため、カライドスコープ32の六角形状がレーザのスポット形状となる。また、入射ビームはカライドスコープ32の管内で多重反射を繰り返しているため、ビームのモードが均一化される。
【0013】
第一ミラー23,第二ミラー24には、それぞれを回転させる第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aが設けられている。第一ミラー23,第二ミラー24を駆動して回動させることで、XY方向の各々にレーザ光の照射位置を移動(揺動)させ、広範囲に渡って治療用レーザ光を走査することができる。
【0014】
スキャナヘッド20aの下方にはスキャナ支基26が固定されており、スキャナ支基26には、熱伝導性の良いアルミ製のウィンドウ取付板27が側面側(図3紙面垂直方向)からネジ止めされている。28は電子熱交換器であるペルチェ素子である。ペルチェ素子28は、アルミ製の冷却板29とウィンドウ取付板27にはさまれる格好で取付けられており、ウィンドウ取付板27側が吸熱側(冷却側)となり、冷却板29側が放熱側となるように電流が流される。冷却板29の内部には冷却水が循環する流路が形成されており、チラー5で冷却された冷却水は冷却チューブ7を通って冷却板29内を循環し、冷却板29を介してペルチェ素子28で放熱された熱を吸熱する。
【0015】
31はウィンドウ取付板27の下端に取付けられた温度センサであり、温度センサ31はウィンドウ取付板27の温度を検知し、この温度検知に基づき制御部15によってペルチェ素子28の温度がコントロールされる。
【0016】
ウィンドウ取付板27には、ウィンドウユニット40が取り付けられている。レーザ照射時は各ウインドウの接触面を皮膚面に当接させて使用する。ウィンドウユニット40は、皮膚に接触する熱伝導率の良い透明サファイアガラスの第1ウィンドウ42、第1ウィンドウ42より熱伝導率が劣る透明ガラスの第2ウィンドウ44の2重構造になっており、側面形状が略L字状のウィンドウフレーム41によって保持されている。この構造により、第一ウィンドウ42の熱がウィンドウフレーム41、ウィンドウ取付板27、ペルチェ素子28へと伝わり、吸熱される。第一ウィンドウ42の温度を下げることにより、患者の皮膚を冷却することができる。スキャナヘッド20aから出射したレーザ光は集光レンズ25の焦点距離で集光するため、第一ウィンドウ42の下面がこの集光位置になる様にフレーム41の上下方向の長さが設計されている。ウィンドウユニット40は2つのネジ32によってウィンドウ取付板27と脱着可能に取付けられている。
【0017】
図2に示す制御部15には、LCDパネル2、チラー5、チラー5からの冷却水が正常に循環しているかどうかを確認するフロースイッチ6、メモリ16、フットスイッチ9が接続されている。また、ハンドピース20側の温度センサ31、ペルチェ素子28、第一ガルバノメータ23a、第二ガルバノメータ24aは通信ケーブル3を介して制御部15に接続されている。
【0018】
以上のような構成を有するレーザ治療装置において、レーザ照射時の動作を以下に説明する。
術者はLCDパネル2に表示されている設定用キーを操作することで、レーザの出力、パルス照射時間、走査パターン形状等の照射条件を設定する。走査パターン形状はメモリ16に予め記憶されたものから選択でき、円形パターン、正方形パターン、長方形パターン、ラインパターン等が用意されている。
【0019】
また、レーザ照射時には図示なきスイッチによって冷却機構を作動させる。ペルチェ素子28及びチラー5を駆動させることにより第一ウィンドウ42が冷却され、第一ウィンドウ42に接触している患部が冷やされる。
術者は装置本体1側の準備を整えた後、ハンドピース20を手で保持して第一ウィンドウ42を患部上に当接させる。スキャンヘッド20aからは光源11によるエイミング光が照射され、そのエイミング光は選択した走査パターン形状に従って第一ミラー23,第二ミラー24の駆動により繰返し走査される。術者はウィンドウ42,44を通して観察される患部とエイミング光の照射位置を確認しながら、目的とする患部に合うように第一ウィンドウ42の当接位置を調整する。
【0020】
術者はエイミング光の観察による照射部位の位置合わせやレーザ出力等の設定が完了したら、LCDパネル2上の図示なきスイッチを押して装置をREADY状態にする。制御部15はフットスイッチ9からのトリガ信号が入力されると、制御部15は、第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aを駆動制御してレーザ光源部10からのレーザ光を走査し、選択された走査領域の治療部位にレーザ光を照射する。
【0021】
ファイバケーブル4からスキャナヘッド20a内に入射したレーザ光は、集光レンズ33により集光され、カライドスコープ32に入射し、カライドスコープ32を出射したレーザ光はコリメータレンズ22により平行光束にされた後、ミラー21により光軸を曲げられ、第一ミラー23,第二ミラー24でXY方向に走査され、集光レンズ25によって患部で六角形のスポットが焦点を結ぶように集光される。図4に示す様に、制御部15は、隣り合う六角形の一辺が重なり合うようにスポット位置を走査する。
【0022】
円形スポットの円を正接させる様に走査させると、図5(a)に示す様に円と円の間に隙間Aができ、その部分が未照射部分となり治療効果がでない部分ができてしまう。また、この未照射部分をなくそうとして、円形スポットを円の周辺部で重ねて照射すると、図5(b)に示す様に隣り合う重なった部分Bが二重照射となって過照射されてしまい、皮膚への熱ダメージ(サーマルダメージ)が起こり易かった。本発明では、スポット形状を図5(c)に示す様に六角形としているので、未照射部分もなく、二重照射部分もない。このため均一なレーザ強度で照射を行うことができる。また、レーザ光がカライドスコープ32を通過することによって、管内で多重反射を繰り返すため、ビームのモードが均一化される。このため、ビームのモードがガウシアン分布のようにスポットの中心部で強度が強いものでも、カライドスコープ32を通過することによってビームのモードが矩形状になり、レーザ強度を均一にすることができる。
【0023】
また、六角形のスポットを円形に走査すると、図7(a)〜(h)に示す様に、円形パターンを段階的に数多く設定できる。図7(a)に対して、図7(b)は、12個の斜線部の六角形スポットH1を足すことによって、一回り大きな円形パターンを形成することができる。同様に、図7(b)に対して、図7(c)は、12個の斜線部の六角形スポットH2を足すことによって、一回り大きな円形パターンを形成することができる。以下同様に、図7(d)〜図7(h)は、それぞれ斜線部の六角形スポットH3〜をH7足すことによって、一回り大きな円形パターンを段階的に多数形成することができる。六角形スポットで円形に走査すると、四角形のスポットに比べて、より円形に近い形状で段階的に数多く円形パターンを設定できる。
【0024】
また、上記実施の形態では、スポット形状を図4に示す様な正六角形(全ての辺の長さがLa)としたが、これに限らずスポットの六角形の形状は、図6(a)に示す様に六角形の対向する全ての辺が平行で、対向する一辺をLbにした六角形(他の対向する二辺はLa)や、図6(b)に示す様に六角形の対向する全ての辺が平行で、対向する二辺をLc、Ldにした六角形(他の対向する一辺はLa)でもよい。ここでいう対向する辺とは、一つの辺とその辺に対してそこから3つ離れた辺の組のことをいう。つまり、スポットの六角形の形状は、図4、図6(a)、図6(b)に示す六角形の様に、六角形の対向する全ての辺が平行で、対向する辺の長さが等しい六角形であればよい。
【0025】
また、上記では、脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置を例にとって説明したが、脱毛治療に限らず、患者のシワ、アザ、シミ等の皮膚の形成治療に使用されるCO2 レーザ(炭酸ガスレーザ)を用い、レーザ光のスポットを走査するレーザ治療装置などにも、本発明を利用できる。
【0026】
また、CO2 レーザによるレーザ治療装置で、にきび痕の治療を行うには、図8のようなドーナツ形状にスポットを走査するとよい。四角形のスポットに比べて六角形のスポットであると、にきび痕の大きさに応じて、図8(a)〜(g)に示す様に、開口の大きさをより円形に近い形状で段階的に数多く設定できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レーザ強度を均一に照射でき、未照射、過照射部分のない治療効果の良いレーザ治療を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置の外観略図である。
【図2】光学系及び制御系の要部構成の概略図である。
【図3】ハンドピースの下方部の構成を説明する拡大図である。
【図4】走査する六角形のスポット形状を示す図である。
【図5】走査するスポット形状を示す図である。
【図6】走査する六角形のスポット形状を示す図である。
【図7】六角形のスポットで走査された円形パターンを示す図である。
【図8】六角形のスポットで走査されたドーナツ形状パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ装置本体
4 ファイバケーブル
10 レーザ光源部
15 制御部
20 ハンドピース
22 コリメータレンズ
23 第一ミラー
23a 第一ガルバノメータ
24 第二ミラー
24a 第二ガルバノメータ
25 集光レンズ
32 カライドスコープ
33 集光レンズ
Claims (4)
- 治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置において、前記治療レーザ光源からのレーザ光をスポット状に形成して患部に導光照射するための導光光学系と、該導光光学系に配置され前記スポットの形状を六角形にするスポット形状変換手段と、該導光光学系に配置され前記スポットのスポット位置を走査するための走査手段と、を備えることを特徴とするレーザ治療装置。
- 請求項1のレーザ治療装置において、前記スポット形状変換手段は断面形状が六角形のカライドスコープであることを特徴とするレーザ治療装置。
- 請求項1のレーザ治療装置において、前記走査手段は六角形のスポットの隣り合う六角形の一辺が重なり合うようにスポット位置を走査することを特徴とするレーザ治療装置。
- 請求項1のレーザ治療装置において、前記スポット形状変換手段は、六角形の対向する全ての辺が平行で、かつ対向する辺の長さが等しい六角形のスポットに変換することを特徴とするレーザ治療装置。
Priority Applications (1)
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JP2002253942A JP2004089397A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | レーザ治療装置 |
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Publications (1)
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002253942A patent/JP2004089397A/ja active Pending
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JP2015134228A (ja) * | 2006-06-26 | 2015-07-27 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 皮膚の処理のためのデバイス及び方法、並びに当該デバイスの使用 |
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