JP2004079762A - 電波遮蔽材料 - Google Patents
電波遮蔽材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004079762A JP2004079762A JP2002237740A JP2002237740A JP2004079762A JP 2004079762 A JP2004079762 A JP 2004079762A JP 2002237740 A JP2002237740 A JP 2002237740A JP 2002237740 A JP2002237740 A JP 2002237740A JP 2004079762 A JP2004079762 A JP 2004079762A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- radio wave
- fiber
- fibers
- conductive fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Abstract
【構成】導電性繊維を電気的に接続させずに一方向に並べて間隔を開けて配列した導電性繊維層と、さらに、別の導電性繊維を電気的に接続させずに一方向に並べて間隔を開けて配列した導電性繊維層をマトリックス材料の内部または表面に互いに距離をおいて電気的に接続させずに積層し、配列した導電性繊維の間隔は遮蔽を目的とする電波の周波数の波長以下とし、積層した導電性繊維層の距離は用いた導電性繊維の直径以上とし、積層した導電性繊維層のそれぞれの繊維軸間の交差角度θを90度±30度とすることにより、電波の偏光層として機能する導電性繊維の3次元配置構造を形成したことを特徴とする電波遮蔽材料。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリックス材料の内部又は表面に導電性繊維の3次元配置構造を有する透明又は不透明な電波遮蔽材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の情報技術の進歩につれ、電波を利用したOA機器、無線通信機器等が発達している。電波を有効に利用するためには電波を良く通す材料や電波を吸収する材料とともに電波を遮蔽する材料が欠かせないものとなっている。
【0003】
電波を遮蔽する材料として、従来から金属板が多く用いられている。金属は安価であり加工も容易なために利用しやすい材料である。最近では、アモルファス金属をプラスチックスや紙などに複合化したものや金属粒子や金属繊維、又は電気伝導性を持つ炭素繊維をプラスチックスに複合化したものが電波遮蔽材料として用いられている。これらの材料系では、kHz〜GHzオーダーの実用的な電波の周波数領域で十分な電波遮蔽特性が得られている。
【0004】
しかし、これらの材料は、ほとんどが可視光領域での光透過性を有しておらず、可視光透過性が必要な建物用窓ガラス、自動車や電車などの乗り物用窓ガラス、PHP前面用フイルタなどとして用いることができない。
【0005】
ガラスの上に薄い透明導電性酸化物であるITO(Indium−Tin−Oxide)層を設けたものは、可視光領域で光透過性を有するとともに電磁波遮蔽性も有している。さらに、電子レンジやPDPの前面フイルタなどに用いられる金属メッシュも電磁波遮蔽効果がある。建築物用の窓や戸に用いられている金属のメッシュをガラスに複合化した網入り安全ガラスは透明であり、電磁波遮蔽特性がある。
【0006】
特許文献には、このような透明な電磁遮蔽材料の例として、直径数十μm程度の金属網や導電性繊維を透明プラスチックのフイルムや板に埋め込んだもの(実公平6−11598号公報、特公平8−1999号公報、特開2000−22383号公報)、透明導電性繊維を樹脂成形体の内部及び/又は表面に複数の透明導電性繊維を電気的に接触するように設けてなり、全光線透過率が60%以上である透明性電磁波遮蔽材料(特開平11−107160号公報)、導電性織布と透明な熱可塑性プラスチックとの積層物からなり、該導電性織布の表面が該熱可塑性プラスチックシート層より不連続に部分露出している電磁遮蔽積層シート(特開2001−102790号公報)、遮蔽しようとする電波の周波数に対応した特定の長さを有する金属線素子が基板上に配設された電磁波遮蔽材において、前記金属線素子が開放端を持ち、開放端間の長さが遮蔽しようとする電波波長の約2分の1である電磁波反射材(特開2002−84093号公報)など種々の工夫が見られる。
【0007】
一方、透明性を必要としないコンクリート、モルタル、石膏ボードなどを電磁シールドする方法としては、コンクリートなどの内部に導電体線や短繊維状の反射材料を混入する方法(例えば、特開平5−267880号公報、特開平9−148779号公報、特開2001−322194号公報)やメッシュ状の電磁波シールド繊維を石膏ボードの表面や内部に設ける方法(例えば、特開平11−54982号公報、特開2001−182187号公報)などが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年は、建物をはじめとする構造物の高層化による電波障害が問題になっている。さらに、電子機器が発生する不要な電磁波が他の機器や人体に及ぼす影響が問題となっている。透明で電波遮蔽効果のある従来の材料は、大きな電波遮蔽効果を得ようとすると、電波との相互作用を大きくするためにマトリックス材料中の金属線などの導電性材料の部分の占める投影面積を大きくしなければならない。その結果、材料全体としての光透過性が著しく低下するという問題がある。
【0009】
したがって、可視光領域で光透過率が十分であり、かつ電波を十分に遮蔽するという相反する要求を満足する材料は極めて少なく、透明で、かつ優れた電波遮蔽効果のある新規材料の開発が求められている。
また、光透過性が必要なく、電波遮蔽機能のみが必要な不透明なプラスチックスやガラス、もともと光透過性が必要でない石膏ボード、コンクリートなどの建築用構造壁などにおいても優れたも電波遮蔽効果のある材料が求められている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従来、導電性繊維は電波遮蔽材の一種として織物として用いたり、マトリックス材料の表面や内部に複合する形で用いられていたが、本発明者は、導電性繊維を特定の条件で組み合わせて空間的に配置することにより導電性繊維を従来の形で用いたものに比べて電波遮蔽効果を著しく高めることができ、かつ透光性を十分に保つことも可能であることを見出した。
【0011】
本発明は、偏光機能をあらゆる方向の電界成分を持つ電波に対して作用させることを可能にする導電性繊維の幾何学的配置を見い出したことに基づいて、このような幾何学的配置をマトリックス材料中に複合化して形成したものである。
この導電性繊維の3次元配置構造による電波の偏光機能を利用すると、平行状に並べて配列した隣り合う導電性繊維間の間隔を変化させることにより、この間隔に対して十分に短い波長は透過するが、それよりも長い波長を持つ電波は遮蔽する機能が生じる。また、導電性繊維の3次元的幾何学的配置の設計により遮蔽する電波のエネルギーを任意に変えることもできる。
【0012】
すなわち、本発明は、導電性繊維を電気的に接続させずに一方向に並べて間隔を開けて配列した導電性繊維層と、さらに、別の導電性繊維を電気的に接続させずに一方向に並べて間隔を開けて配列した導電性繊維層をマトリックス材料の内部又は表面に互いに距離をおいて電気的に接続させずに積層し、配列した導電性繊維の間隔は遮蔽を目的とする電波の周波数の波長以下とし、積層した導電性繊維層の距離は用いた導電性繊維の直径以上とし、積層した導電性繊維層のそれぞれの繊維軸間の交差角度θを90度±30度とすることにより、電波の偏光層として機能する導電性繊維の3次元配置構造を形成したことを特徴とする電波遮蔽材料である。
【0013】
また、本発明は、導電性繊維間の間隔Sを電波の波長λで割った規格化した値(S/λ)が0.2以下であることを特徴とする上記の電波遮蔽材料である。
また、本発明は、マトリックス材料として透明材料を用い、波長が500nm以上の可視光領域で導電性繊維を複合化していない該透明材料に比較して透過率が10%以内の低下であり、電波遮蔽効果が−8dB以上であることを特徴とする上記の電波遮蔽材料である。
【0014】
【作用】
電波は垂直偏波、水平偏波、又は円偏波として用いられている。電波に対する偏光板はどのような偏波に対しても、その中の一方向の直線偏波のみを通過させる機能を持つことは公知のことである。電波の中から特定の方向の直線偏波を取り出す素子や、直線偏波を円偏波(偏光)に変換する波長板がある。波長に比べて十分に長い金属棒を、波長に比べて短い間隔で配列した面に電波を当てると、棒に平行な電界成分を持つ平面波は反射され、棒に直交する電界成分を持つ平面波のみが通過することができる。このような金属棒のグリッド列は直線偏波素子として用いられている。この構造はヘルツが自由空間に放射された電波が光と同じ性質を示すために用いられたことで有名である。
【0015】
このように、電気伝導性を持つ針金などを一方向に空間に一層並べたものの偏光作用は知られていた。しかし、これらは空気中に針金や金属細線を一層並べたもので、針金のようにそれ自体が強度を持つものでは、それ自体は特殊な素子としての機能を果たすが、透明性を得るための直径が小さな繊維は強度が弱いのでそれ自体を単独で偏光材料として利用できないことは容易に想像がつく。例えば、金属線でも細いものを用いたときには空気中に並べていても少し力が加わっただけで金属線が変型したり間隔が乱れたり、又は、すぐに壊れてしまうためにその偏光機能を果たすことができなくなる。
【0016】
したがって、本発明のように繊維を一本ずつでは取り扱うことが難しく、まして
や、一層に並べた層を離して二枚以上揃えて空間で用いることはできないことは明らかである。また、金属線を用いた偏光素子では金属線の少なくとも一方は端部で電気的に接続されているが、本発明ではマトリックス中で全ての繊維は電気的に接触しているわけではない。
【0017】
本発明では、マトリックス材料中に繊維を配列することにより電波が材料中を通過する時の偏光作用による電磁波の減衰が最大になるようにする繊維の3次元的な幾何学的配置を規定している。すなわち、複数の繊維をマトリックス体材料中にそれぞれの繊維を電気的に絶縁しながら固定すると同時に使用時に繊維の配列が乱れないように繊維層の保護と繊維層間の間隔を最適にし、しかも、電磁波との相互作用により発生するエネルギーをマトリックス材料の熱伝導性で除去することを可能にしている。
【0018】
この導電性繊維の3次元配置構造による電波の偏光の機能を利用すると、隣り合う繊維の間隔を変化させることにより、繊維間の間隔に対して十分に短い波長は透過するが、それよりも長い波長を持つ電波は空間的に最適な配列を行った繊維により遮蔽される機能が生じる。また、繊維の幾何学的配置により遮蔽する電波のエネルギーを任意に変えることもできる。
【0019】
さらに、繊維の間隔が遮断を目的とする電波の波長よりも大きなことから細い繊維を用いれば、周波数が100GHzであっても実用上十分な透明性を発揮する。このような透明な光透過機能と電波遮蔽機能を合わせ持った材料は既存のものでは得られていない。
【0020】
従来の電磁波反射材料では透明な電気伝導性繊維をマトリックス材料としての透明なプラスチックスと複合化することが行われているが、両者の屈折率差が1/1000以下でないと繊維を肉眼でも識別できる程度であり、また、繊維による電磁波の反射を得るためには繊維材料の大きな体積率が必要であり、この場合、光透過性は得られるが、マトリックス材料中を光が直進することによる透明性は犠牲になり、このような材料を通して物を見ると像がゆがんだりぼけてしまう。したがって、十分な電磁波遮蔽特性と光透過性を透明性を保持したままで両立することは難しい。
【0021】
本発明では、比誘電率が2以上の透光性を持つマトリックス材料中に電気伝導性繊維を揃えた層を持ち、繊維により光が遮られる部分、すなわち投影面積はマトリックス材料の面積の30%以下と小さく、同じ厚さのマトリックス材料単体に比べて、最大でも光透過率の低下は繊維複合化前の30%であり、光が透過する部分ではマトリックス材料の持つ透明性は犠牲にならないので光透過率と透明性を両立できる点に大きな利点がある。
【0022】
日常生活で用いられている網入りガラスは電気的には金属線を互いに接続しており、本発明の重要なポイントである繊維を電気的に接続せずにガラスなどの透明な材料中に入れたものとは異なる。網入りガラスでは金属線による電波の反射を利用して主な遮蔽効果が発揮され、偏光を利用するものとは異なる。
【0023】
図1は、本発明における、導電性繊維の3次元配置構造により電波の偏光層を形成する態様を原理的に説明するための平面図である。図1に示すように、複数の導電性繊維F1を電気的に接続させずに一方向に平行状に並べた導電性繊維層をマトリックスMの内部又は表面に形成する。さらに、別の複数の導電性繊維F2を電気的に接続させずに一方向に平行状に並べた導電性繊維層を導電性繊維F1からなる導電性繊維層と異なる平面内に互いに電気的に接続せずに一定距離だけ離して形成する。それぞれの導電性繊維層の繊維軸間は交差角度θで交差させる。
【0024】
図2は、図1に示すように、導電性繊維を3次元配置した偏光層構造について、交差角度θと周波数10GHzにおける電波遮蔽特性(シールド効果)の関係を示すグラフである。この測定値は、長さ200mm、直径10μmの炭素繊維をPMMA樹脂板中に表面からの距離を1mmとして、一定の間隔3mmで並べ、二つの導電性繊維層間の距離は5mmとし、大気中のホットプレス法を用いてPMMA樹脂板に積層して複合化した複合材料についてのものである。炭素繊維を並べた2つの導電性繊維層のそれぞれの繊維軸間の交差角度θは0〜180度の間で変化させた。交差角度θが0度の場合には2つの導電性繊維層の繊維軸方向は一致する。
【0025】
図2に示すように、繊維軸間の交差角度θを90度±30度とすることにより電波遮蔽効果が−8dB以上となり、電波遮蔽特性は交差角度θを90度に近付ける程大きくなる。さらに、この複合材料の光透過率は400nm〜1000nmの波長範囲で、波長が500nm以上では導電性繊維を複合化していない同じ厚さのPMMA樹脂板に比較して同じ波長で10%以内の低下であり、窓材料として光透過性は実用的には問題がないレベルである。
【0026】
2つの導電性繊維層の繊維軸間の交差角度θが90度であるこの複合材料を、電波遮蔽が完全に行われる一辺が60mmの金属の箱の一つの面に金属箱との間にギャップがないように接着し、その箱の中に周波数2GHzで出力が1mWの発信器を入れて測定したところ、電波遮蔽板の上部の電波遮蔽板から10cm離れたところで−15dBの電波の減衰が生じた。
【0027】
並べる導電性繊維の間隔は遮蔽を目的とする周波数の波長に等しいか、又は該波長よりも短いと偏光機能が働く。電波の波長は300kHzでは1km、300MHzでは1m、3GHzでは10cm、30GHzでは1cmになる。現在利用されているテレビやラジオの電磁波の周波数はFMやVHFで76〜222MHz、UHFで470〜770MHzであるが、携帯電話の周波数は1.6GHz、無線LAN,電子レンジは2.45GHz、衛星放送(BS,CS)は11.7〜12.09GHzか12.3〜12.7GHz、ITS(高度道路交通システム)5.8GHzか60〜70GHzであり、遮蔽を目的とする周波数帯域に応じて並べる繊維の間隔を選定する。
【0028】
電波の透過率は並べた繊維の間隔に依存し、並べた繊維の間隔が狭くなるにしたがって、電波透過率が小さくなる。すなわち、大きな電波遮蔽効果を得るためには、並べた繊維の間隔を小さくすればよい。任意の周波数で目的とする遮蔽効果を得るためには並べた繊維間の間隔を調整すればよい。一方、光透過率は並べた繊維間隔が狭くなるにしたがって小さくなるが、実用上十分な電波遮蔽効果を得るために必要な繊維間隔では、光透過率の低下はおよそ10%以内で済む。
【0029】
図3は、炭素繊維を用いた複合材料について、電波透過率(シールド効果)に及ぼす導電性繊維の間隔の影響を示している。図3の横軸(S/λ)は導電性繊維間の間隔Sを電波の波長λで割った規格化した値を示している。S/λが0.2以下、特に0.15以下でシールド効果が増大する。この複合材料は、長さ500mm、直径7μmの炭素繊維をエポキシ樹脂と複合化したものである。導電性繊維の間隔を2〜10mmの間で変化させて並べた。二つの導電性繊維層と導電性繊維層の距離は10mmとし、各導電性繊維層は材料の表面から1mmの深さのところに複合化されている。
【0030】
この複合材料を一辺が50cmの正方形とし、周波数範囲20〜40GHzで透過する電波の減衰を調べた。用いた電波透過率測定装置は、誘電体レンズを持つ焦点距離が150mmのホーン型アンテナであり、複合材料の表面に波長の約4倍の大きさとしたランダム偏光電波を照射し、同じ構成のアンテナを電波の照射面と反対側に置いたものである。
炭素繊維に限らず、電気伝導性を持たないAl2O3繊維表面にCu又はNiを無電解メッキで0.5μmコーティングした繊維を用いても電波の透過率が導電性繊維の間隔に依存する点は同様であった。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図4の斜視図に示すように、導電性繊維を並べた層が一つのマトリックス材料中に2層並んでいるものが本発明の電波遮蔽材料の基本単位となる。
図4に示すように、隣りあう導電性繊維F1の中心間距離Sを開けて複数の導電性繊維を一方向に並べてマトリックスとなる材料Mの中に1つの層となるように配列する。さらに、別の複数の導電性繊維F2を導電性繊維F1を並べた層と電気的に接続せずに空間的に距離をおいて離れた層になるように、かつ導電性繊維F1の繊維軸方向と導電性繊維F2の繊維軸方向が交差角度θとなるように並べてマトリックス材料Mの中に配列する。この交差角度θは、上述のとおり、電波の偏光作用が最大になるようにするためには、90±30度の範囲、より好ましくは、90±15度の範囲とする。
【0032】
図5の斜視図に示すものは、図4に示すものの変形例であり、導電性繊維F1を並べた層と導電性繊維F2を並べた層の中間に透明導電性フイルム、導電性プラスチックフイルム、金網などの補助導電体層Pを挟んで設けて電磁遮蔽性能を高めた例を示す。例えば、直径が10〜500μmの金属繊維を網状にしたものをガラス板やプラスチックス板と複合化して網入りの板とするとともに、板の両表面側に板の表面に露出させずに導電性繊維層をそれぞれ設けるとよい。
【0033】
本発明の電波遮蔽材料において、二つの層と層との間隔は用いた導電性繊維の直径以上であることが好ましい。本発明の電波遮蔽材料において、繊維の間隔は透過する電波の強度に影響する。例えば、間隔が広ければ透過する電波の強度は大きくなる。一方、偏光層での電波の反射を考えると、繊維間隔が小さくなれば反射は増える。電波が反射する率が大きくなりすぎると偏光作用の効果が十分に働かなくなる。導電性繊維の間隔が繊維の直径よりも小さくなると電波が繊維を並べた層を透過する割り合いが極めて小さくなり、逆に、反射する割り合いが大きくなる。これが、偏光層の導電性繊維の間隔が波長の周波数以下である理由である。一方、積層した導電性繊維層の距離が用いた導電性繊維の直径以下の場合には、それぞれの層が一体となって電波を反射する効果が増えてしまい、偏光機能を利用できなくなる。すなわち、一枚の偏光層としてしか機能しなくなる。したがって、本発明の電波遮蔽材料において、二つの層と層との間隔は用いた導電性繊維の直径以上であることが好ましい。
【0034】
マトリックス材料中の導電性繊維層は2層以上であれば何層でもよい。層数が多くなれば偏光作用がより強く働くようになる。ただし、層数が4層以上になると層数を増したことによる電波遮蔽効果は層数に対して比例して大きくならず、層数を増した効果は少なくなる傾向にある。導電性繊維層を3層以上用いるときには3層目以上の層の繊維軸と1層目の繊維軸の交差角度は任意に選ぶことができる。この場合、隣接する層の交差角度の構成を0度/90度に統一すると最も大きな電磁遮蔽効果が得られる。
【0035】
導電性繊維層の占める投影面積はマトリック材料の総表面積の少なくとも30%以下であることが好ましい。導電性繊維層の層数を増せば電波遮蔽効果は大きくなる。しかし、導電性繊維層の層数を増やした場合、導電性繊維の層が重なるようにすれば光透過率は低下しないが、各層中の導電性繊維の重なりがランダムになると光透過率は低下する。したがって、電波遮蔽特性と光透過特性を同時に考えて導電性繊維層の層数を決定する必要がある。
【0036】
図6の(1)は、7層からなる導電性繊維層の間隔を全て同じにして配列したものを示している。しかし、図6の(2)に示すように、導電性繊維層と導電性繊維層との間隔がすべて同じである必要はない。また、全ての繊維軸方向が完全に平行になっている必要はない。同じ平面内にある導電性繊維が、図6の(3)に示すように、周期的に異なる間隔を持っていてもよいし、また、図6の(4)に示すように、導電性繊維層は完全な平面でなく波状などの面でもよい。さらに、マトリックス材料の表面に最も近い導電性繊維層からマトリックス材料の表面までの距離はマトリックス材料の両面側で同じでも、異なってもよい。
【0037】
マトリックス材料の両面に用いる導電性繊維層は必ずしもマトリックス材料中に複合化されている必要はなく、図7の(1)に示すように、導電性繊維F1及び導電性繊維F2をマトリックス材料Mの表面に接着剤や粘着性のあるシールDを用いて貼り付けても効果を発揮する。この場合、貼りつけられた導電性繊維層のそれぞれの繊維の軸は必ずしも同一の平面上にある必要はなく、繊維間隔の1/2以内のズレならば導電性繊維が同じ平面にある場合と同じく一つの偏光層としての偏光効果を発揮する。
【0038】
さらに、図7の(2)に示すように、薄いプラスチックスフィルムEに導電性繊維F1及び導電性繊維F2を平行状に並べたものをガラスやプラスチックスのマトリックス材料Mの両面に貼りつけてもよい。また、図8の(1)に示すように、隣接する導電性繊維層の距離は一定でなく傾斜していてもよい。さらに、図8の(2)に示すように、繊維の軸が完全に同一平面上に並んでいないで、波状の面となっていてもよい。
【0039】
導電性繊維とマトリックスの複合化は、導電性繊維を等間隔に並べたものを用意して、粘性の小さなガラスと複合化したり、合わせガラス用中間膜と複合化したり、ガラスや高分子材料の板を用意して、板の上に導電性繊維を等間隔で並べ、それを同じガラスや高分子材料ではさみ、ガラスや高分子材料の軟化点又はそれ以下の温度で圧力を加えてプレス成形してもよい。高分子材料を用いる場合には、導電性繊維を等間隔で並べて3次元的に配列したものをフッ素樹脂などの型に入れて、その中に高分子材料を流し込み、成形してもよい。このように、多くの成型方法により材料を作成することが可能である。
【0040】
図9は、電気伝導性繊維の配列に用いる繊維織物の一例を示す側面図(a)及び平面図(b)であり、導電性繊維F1と高分子繊維などの非導電性繊維F3を一定の間隔で周期的に三次元織物にしたものである。導電性繊維を一定の間隔で周期的に繊維軸が一つの平面にないような織物構造にしても導電性繊維又は繊維束同士がお互いに接触していないものを用いても同様な効果が得られる。このように、導電性繊維を三次元織物にした場合には電子機器のケースなどにも容易に成形することができる。
【0041】
導電性繊維には金属、炭化物、窒化物、酸化物、金属間化合物や炭素又は誘電体のものなどが用いられる。好ましくは、金属や炭素のように電気抵抗が小さなものが良い。複合化前の繊維の電気伝導率は100Ωm以下のものが好ましい。
【0042】
電気伝導性のない透明又は不透明の繊維を用いる場合には、表面に金属や炭素などの電気伝導性のある物質をコーティングして用いることができる。また、透明導電性酸化物膜をコーティングしてもよい。金属をコーティングして電気伝導性を付与する場合、金属コーティングの厚さは、3μm以下が好ましい。また、半導体の性質を持つSiCを主成分とする繊維などでも同様の効果を発揮する。この場合、繊維の熱処理により、繊維表面に炭素に富む層を設けたものでもよい。
【0043】
また、導電性繊維はガラス繊維など可視光領域で光を通すものの表面に導電性金属酸化物のコーティングを行い、光透過率が60%以上であり、比抵抗が10−1Wcm以下のものでもよい。2層の導電性繊維層のそれぞれに異なる導電性繊維を用いてもよい。
【0044】
繊維の直径は3mm以下であればよい。ただし、光透過性を犠牲にしないためには、繊維の直径は光透過性と透明性を共に保つために0.3mm以下であることが好ましい。現存する導電性をもつ繊維の最小直径は約3μmであり、このような繊維を用いてもよい。さらに、繊維を束にしたものを用いてもよい。
【0045】
炭素繊維、ステンレス鋼繊維を用いた場合には、ガラスなどと繊維との間で反応を生じるような高温での複合化を要する場合には繊維表面に反応防止のためのセラミックスコーティングや濡れ性をよくするための金属コーティングなどを施してもよい。このようにすると、高温で粘性の低いガラスと連続的に複合化することができたり、導電性繊維を並べたものの上に粘性の低いガラスを押しつけたりして容易に複合化することができる。このような複合化プロセスはガラスに限ったわけではなくポリマー材料を用いたときにも適用できる。
【0046】
マトリックス材料としては、病院の窓用材料、電車や自動車などの乗り物に用いられる窓用材料など、可視光領域で十分な光透過性を持つ用途に対しては可視光領域で30%以上の光透過率を持つ無機又は高分子材料のものが用いられる。また、透光性セラミックスでもよい。好ましくは、70%以上の可視光透過率を持ち、高分子系材料やガラス材料などの窓用材料に用いられている、力学的機能を持つものが好ましい。
【0047】
さらに、透明な材料以外にも光透過性が必要なく、電波遮蔽機能のみが必要な場合には光透過性を持たないプラスチックスやガラスでもよい。電子機器のケースに用いられているプラスチックスなどに応用することもできる。
【0048】
赤外光に対して10%以上の光透過率を有するものやガラスやプラスチックス中に金属、プラスチックス、セラミックスを含有していても良い。また、これらのもの以外にも、ガラスやプラスチックスの性質を変えたいときに、これらの材料中に直流に対する電気抵抗率が103Ωm以上の粒子、繊維、ウイスカーなどを複合化したものをマトリックス材料として用いても、ガラスやプラスチックスは導電性繊維と電気的に接続しないので、偏光による電波遮蔽機能は働く。
【0049】
プラスチック中にセラミックス粒子を含有しているものを用いても電気伝導率が10−6Ω−1n−1以下であれば偏光作用が働く。さらに、光を反射するミラーや表面で光を乱反射するように加工されているものなどのガラスやプラスチックス基板上に金属やセラミックスの反射膜がコーティングされているものでもよい。さらに、モルタル、石膏やコンクリートなどの建築用構造壁などの不透明材料をマトリックス材料としてもよい。
【0050】
【実施例】
実施例1
直径10μmの炭素繊維をマトリックス材料となるPMMA樹脂板中に一定の間隔5mmで一方向に平行状に等間隔に並べた二つの繊維層をPMMA樹脂板の両表面から1mm以内の距離にそれぞれ設けた複合材料をホットプレス法で作製した。この複合材料で、炭素繊維を並べた二つの繊維層と繊維層との距離はおよそ5mmで、両繊維層の繊維軸間の交差角度は90度である。繊維を複合化した材料の総厚さは7mmである。用いたPMMA樹脂はいろいろな窓用材料として用いられている透明材料である。
【0051】
この繊維複合材料の、電波遮蔽特性を調べるために上述のホーン型アンテナを用いる電波透過率測定装置と同じものを用い、20〜30GHzの周波数範囲での電波遮蔽特性を求めた。図10は、電波遮蔽特性の結果を示すグラフである。この図10から分かるように、得られた繊維複合材料はこの周波数範囲で−18dB以上の電波遮蔽効果を有していた。また、炭素繊維材料の投影面積は0.4%であり、可視光領域での光透過性は同じ厚さの炭素繊維を複合化していないPMMA樹脂板に比べて5%以内の低下に収まっており、この材料は、電波シールド特性を持ち、かつ、光透過性を持っていることが明らかとなった。
【0052】
実施例2
直径が100μmのステンレス鋼繊維を用いてステンレス鋼繊維間の間隔が5mm、二つの繊維層の距離が10mm、交差角度θを90度とした以外は実施例1と同じとして複合材料を作製した。作製した複合材料の大きさは30cm角である。この総厚さ12mmの繊維複合材料を用いて電波遮蔽特性を測定した。電波遮蔽特性の測定は周波数範囲が20〜40GHzとした。測定した全ての周波数範囲では、全ての周波数で、−18dB以上の電波遮蔽効果が得られた。また、ステンレス鋼繊維材料の投影面積は4%であり、可視光領域での光透過率は繊維複合材料のマトリックスに用いた同じ厚さのPMMA樹脂板よりも10%低下したのみであった。
【0053】
実施例3
さらに、実施例2の繊維複合材料と同じ繊維配列構造を持つものを二枚重ねた構造になった繊維複合材料を作製した。総厚さは24mmである。この繊維複合材料の電波遮蔽特性を測定した結果、−24dB以上の減衰が認められた。この場合、可視光領域での光透過性は厚くしたにもかかわらず、実施例2よりも3%低下しただけであった。繊維層を増すことにより、電波遮蔽特性は加算的に増加する傾向が確かめられた。
【0054】
実施例4
隣り合う繊維の間隔を周期的に変化させるように直径100μmのステンレス鋼繊維を、片方の面に粘着性を持つ厚さ0.2mmのプラスチックフィルムの粘着性を持つ方の面に複合化した。繊維の間隔は基本間隔を3mmとし、隣り合う繊維間の間隔を間隔が10mmになるまで、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmと1mm間隔で増した。繊維間隔が10mmに達した時点で、逆に9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mmのように隣り合う繊維間の間隔を減少させた。この周期を繰り返した繊維を設けたプラスチックフィルムを図7の(2)に示す構造のようにし、厚さ5mmで30cm角のマトリックス材料となるソーダー石灰ガラス板の両面に貼りつけた。両面でのそれぞれの繊維層のなす交差角度θは90度とした。
【0055】
この繊維複合材料を用いて、実施例2と同様な方法で電波透過率を測定したところ周波数が10GHz〜40GHzにおいて−16dB以下の電波遮蔽効果が確認された。また、ステンレス鋼繊維材料の投影面積は最大で6.6%であり、用いたプラスチックフィルムをガラス板に貼り付けた後でも繊維複合材料の平均光透過率は21%以内の低下であった。
【0056】
実施例5
さらに、ガラス板の表面に電気伝導性を持つ透明ITO膜を蒸着したものを実施例4のガラス板の代わりに用い、ITO膜と繊維を貼り付けたプラスチックフィルムが電気的に接続しないようにしたものを用いて実施例2と同様な方法で電波遮蔽特性を測定したところ、−18dBの減衰が見られた。このように、透明な基板にはITO膜などの透明電気伝導性膜を付与したものを用いても、繊維層と電気伝導性膜が電気的に接続されていなければよく、例えば、電気伝導層を透明基板の中央部や端部などの場所に施せばよい。
【0057】
実施例6
直径0.5mmのステンレス鋼繊維を一つのます目が10mmとなるように板厚方向の中央部に複合化されている厚さ10mmの網入りガラス板の両面に、直径が7μmの炭素繊維を5mm間隔で並べた繊維層を実施例4と同様な粘着層を持つプラスチックフィルムを用いて設けた。両面に設けた繊維軸のなす交差角度θは80〜90度の範囲にあるようにした。
【0058】
この材料を50cm角にし、全ての面が金属よりなり、金属が導電性のある金属で接地されている金属製箱の一面に取り付けた。箱の内部に周波数が2GHzで出力が1mWの電波発信機を置き、箱の外部でこの材料からなる電波遮蔽材料から10cm離れた位置で電界を測定したところ−14dBであり、電波が弱くなっていることを確認した。この電波遮蔽特性は実用的に十分であり、また、この材料は可視光領域で光透過率が70%以上あり、電波を遮蔽することができるとともに光を透過することができる窓ガラスとして用いることができることが確認された。
【0059】
【発明の効果】
近時、社会問題になってきた電波障害に対する対応策の一つとして、極めて実用性の高い透明又は不透明の電波遮蔽材料を提供し得る。特に、本発明によって、窓用材料としての機能を持つ材料を光透過性に対する低下を最小限にし、光は透過するが電波は透過しないという複合材料を得ることができ、特に、病院や公共の乗り物で電波を外部から遮蔽したり、構造体内部からの電波を外部へ広がることを防止することができる。また、熱反射ガラス、半透明ミラーや赤外線透過プラスチックスなどへの応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における、導電性繊維の3次元配置構造により電波の偏光層を形成する態様を原理的に説明するための平面図である。
【図2】図2は、導電性繊維を3次元配置した偏光層構造について、交差角度θと周波数10GHzにおける電波遮蔽特性の関係の一例を示すグラフである。
【図3】図3は、導電性繊維層の隣接する導電性繊維の間隔(S)(電波の周波数(λ)で規格化)と電波透過率(シールド効果)との関係を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の電波遮蔽材料の基本構成を概念的に示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す基本構成の一変形例であり、導電性繊維層の積層構造の中間に透明導電性プラスチックフイルムなどを挟んだものである。
【図6】図6は、本発明の電磁遮蔽材料の一実施形態を示す側面図である。
【図7】図7は、本発明の電磁遮蔽材料の別の実施形態を示す側面図である。
【図8】図8は、本発明の電磁遮蔽材料のさらに別の実施形態を示す側面図である。
【図9】図9は、 導電性繊維の配列に用いる繊維織物の一例を示す側面図(a)及び平面図(b)である。
【図10】図10は、実施例1の電波遮蔽特性の測定結果を示すグラフである。
Claims (3)
- 導電性繊維を電気的に接続させずに一方向に並べて間隔を開けて配列した導電性繊維層と、さらに、別の導電性繊維を電気的に接続させずに一方向に並べて間隔を開けて配列した導電性繊維層をマトリックス材料の内部又は表面に互いに距離をおいて電気的に接続させずに積層し、配列した導電性繊維の間隔は遮蔽を目的とする電波の周波数の波長以下とし、積層した導電性繊維層の距離は用いた導電性繊維の直径以上とし、積層した導電性繊維層のそれぞれの繊維軸間の交差角度θを90度±30度とすることにより、電波の偏光層として機能する導電性繊維の3次元配置構造を形成したことを特徴とする電波遮蔽材料。
- 導電性繊維間の間隔Sを電波の波長λで割った規格化した値(S/λ)が0.2以下であることを特徴とする請求項1記載の電波遮蔽材料。
- マトリックス材料として透明材料を用い、波長が500nm以上の可視光領域で導電性繊維を複合化していない該透明材料に比較して透過率が10%以内の低下であり、電波遮蔽効果が−8dB以上であることを特徴とする請求項1記載の電波遮蔽材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002237740A JP2004079762A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 電波遮蔽材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002237740A JP2004079762A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 電波遮蔽材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004079762A true JP2004079762A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32021352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002237740A Pending JP2004079762A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 電波遮蔽材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004079762A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008026861A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Lg Electronics Inc | プラズマディスプレイ装置およびフィルタ |
JP2011216560A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 電磁波シールド構造体 |
JP2014057069A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Visteon Global Technologies Inc | ワイヤレス充電器の電場遮蔽部 |
WO2014115312A1 (ja) * | 2013-01-25 | 2014-07-31 | Wakitani Kiyotaka | 電磁波の位相変換装置 |
WO2017130652A1 (ja) * | 2016-01-28 | 2017-08-03 | 国立大学法人名古屋工業大学 | 電波シールド材、モルタル、融雪装置、電波シールド体、および構造物 |
JP2019062017A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 日本電気株式会社 | 電波遮蔽部品及び電波遮蔽筐体 |
KR20220141084A (ko) * | 2021-04-12 | 2022-10-19 | 와이엠티 주식회사 | 고굴곡 특성을 가지는 고주파 emi 차폐 소재 및 그 제조방법 |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002237740A patent/JP2004079762A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008026861A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Lg Electronics Inc | プラズマディスプレイ装置およびフィルタ |
JP2011216560A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 電磁波シールド構造体 |
JP2014057069A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Visteon Global Technologies Inc | ワイヤレス充電器の電場遮蔽部 |
WO2014115312A1 (ja) * | 2013-01-25 | 2014-07-31 | Wakitani Kiyotaka | 電磁波の位相変換装置 |
CN104937776A (zh) * | 2013-01-25 | 2015-09-23 | 脇谷清隆 | 电磁波相位转换装置 |
WO2017130652A1 (ja) * | 2016-01-28 | 2017-08-03 | 国立大学法人名古屋工業大学 | 電波シールド材、モルタル、融雪装置、電波シールド体、および構造物 |
JP2019062017A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 日本電気株式会社 | 電波遮蔽部品及び電波遮蔽筐体 |
KR20220141084A (ko) * | 2021-04-12 | 2022-10-19 | 와이엠티 주식회사 | 고굴곡 특성을 가지는 고주파 emi 차폐 소재 및 그 제조방법 |
KR102496017B1 (ko) * | 2021-04-12 | 2023-02-06 | 와이엠티 주식회사 | 고굴곡 특성을 가지는 고주파 emi 차폐 소재 및 그 제조방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107946763B (zh) | 一种吸波透波一体化超材料天线罩及其应用 | |
JP3243789B2 (ja) | 電波吸収性パネル | |
CN102067743B (zh) | 电磁波吸收膜以及利用该吸收膜的电磁波吸收体 | |
US5503887A (en) | Conductive woven material and method | |
Zang et al. | Microwave absorption enhancement of rectangular activated carbon fibers screen composites | |
JP2002506596A (ja) | 透明シート、特にコーティングと放射窓とを備えた窓ガラス | |
JP2005057093A (ja) | 電波吸収体、および電波吸収体の製造方法 | |
CN103249290A (zh) | 一种单层复合单元宽带周期吸波结构 | |
CN113036444B (zh) | 一种偏振不敏感超材料双频太赫兹吸收器 | |
JP2004079762A (ja) | 電波遮蔽材料 | |
WO1998035542A1 (fr) | Nouveau reseau de conducteurs en boucle et materiau de blindage contre les ondes electromagnetiques a selectivite de frequence | |
Lin et al. | An ultra-wideband reflective phase gradient metasurface using pancharatnam-berry phase | |
CN109799551B (zh) | 一种全极化、超宽带的电磁波角度选择透明结构 | |
JPH09148782A (ja) | 透明電磁波吸収シールド材 | |
US7528905B2 (en) | Light polarizing film, a method of continuously fabricating same, and reflective optical devices using same | |
US5493126A (en) | LWIR-transmitting windows | |
DAloia et al. | Closed-form analytical design of optically transparent wideband absorbers for 5G technology | |
CN114447622A (zh) | 一种宽带超薄透明吸波体设计 | |
CN106413365B (zh) | 基于石墨烯与双层金属网栅层叠结构的强电磁屏蔽光窗 | |
CN106413357B (zh) | 基于石墨烯网栅与透明导电薄膜层叠结构的电磁屏蔽光窗 | |
JP2005104793A (ja) | 電波透過熱線反射合わせ構造体およびその製造方法 | |
JP6089625B2 (ja) | 電波吸収体用シート材およびこれを用いた電波吸収体 | |
CN106659099A (zh) | 具有双向吸波作用的石墨烯网栅/双层金属网栅透明电磁屏蔽器件 | |
CN111478057A (zh) | 电磁波吸收材料、制备方法、应用、涂层及块材 | |
CN217387546U (zh) | 基于金属细线的透明低损耗吸透一体化频率选择表面 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20031031 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20031210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060718 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20060915 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20061212 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |