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JP2004078155A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2004078155A JP2003138911A JP2003138911A JP2004078155A JP 2004078155 A JP2004078155 A JP 2004078155A JP 2003138911 A JP2003138911 A JP 2003138911A JP 2003138911 A JP2003138911 A JP 2003138911A JP 2004078155 A JP2004078155 A JP 2004078155A
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菊地 俊幸
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】連続定着時の定着温度の低下を抑制可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】電力により発熱する加熱手段9を有し、記録媒体13上の未定着トナー像13aを記録媒体13に熱定着する定着装置4と、定着装置4に電力を供給する主電源2および補助電源3と、主電源2と定着装置4とを接続して主電源2から電力供給する通常モードと、主電源2および補助電源3と定着装置4とを接続して両電源2,3から電力供給する補助モードとを有した切替装置5と、切替装置5を制御する制御装置6とを具えた画像形成装置1において、制御装置6が、定着装置4の温度を検出する温度検知部10を有し、切替装置5を、温度検知部10の検知温度に基づき、主電源2からの供給電力量を制御した通常モードから、連続定着時には、温度検知部10の検知温度と無関係に、両電源2,3からの供給電力量を制御した補助モードに切替わるように制御する構成とした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置や、これらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などに用いられる画像形成装置に関し、特に記録媒体に画像を熱定着する定着装置を有したものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置では、記録媒体上に未定着トナー像を形成し、トナー像を記録媒体に定着した電子写真方式が多用されている。このトナー像は、加熱手段を用いた熱定着により固定されている。
【0003】
また、画像形成装置の電源装置から独立した補助電源を画像形成装置に設けた構成が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−66926号公報(第2〜4頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−282821号公報(第2〜3頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−174988号公報(第2〜4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各画像形成装置においては、連続定着時に、定着温度の低下を充分に抑制できないという問題があった。
【0006】
そこでこの発明は、前記のような従来のものが有する問題点を解決し、連続定着時の定着温度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電力により発熱する加熱手段を有し、記録媒体上の未定着トナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着装置と、この定着装置に電力を供給する主電源および補助電源と、主電源と定着装置とを接続して主電源から電力を供給する通常モードと、主電源および補助電源と定着装置とを接続して両電源から電力を供給する補助モードとを有した切替装置と、この切替装置を制御する制御装置とを具えた画像形成装置において、連続定着が行なわれるときに、前記制御装置が、前記切替装置を通常モードから補助モードに切替わるように制御する構成とされ、制御装置は、定着装置の温度を検出する温度検知部をさらに有し、前記通常モード中は、前記温度検知部の検知温度に基づき、主電源から加熱手段への供給電力量を制御し、前記補助モード中は、温度検知部の検知温度と無関係に、主電源および補助電源から加熱手段への供給電力量を制御していることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、補助電源が、二次電源とされるとともに、主電源によって充電される構成とされていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、補助電源の蓄電手段として、コンデンサが用いられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、画像形成装置の非定着動作時に、補助電源が充電されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面により説明する。図1〜5は、実施の形態を示し、図1は、画像形成装置に用いられた定着装置に関連した構成を主に示すブロック図であり、この画像形成装置は、記録媒体に転写された未定着トナー像を定着装置によって加熱、加圧して記録媒体に固定するようにしている。
【0012】
すなわち、この画像形成装置1は、装置外部の商用電源から電力が供給されて装置内の各部に所定の電力を供給する主電源2と、この主電源2とは独立して単独で電力の供給が可能な補助電源3と、未定着トナー像を記録媒体に固定する定着装置4と、これらの主電源2と補助電源3と定着装置4との間に介在され、これら同士2,3,4間の電気的な接続状態を切替える切替装置5と、この切替装置5による接続の切換え動作を所定に制御する制御装置6とを有している。
【0013】
主電源2は、画像形成装置1の設置場所に備えられている商用コンセントに電源コード2aを介してプラグ接続され、商用電源から一般的な交流電流が供給されている。この主電源2は、この交流電流を直流電流に変換して整流する機能や、定着装置4の加熱または補助電源3の充電特性に応じた電圧に調整して出力するなどの機能を備えている。
【0014】
補助電源3は、二次電源とされ、主電源2や装置外部の電源と関係なく別個に電力の供給ができるようにしている。補助電源3は、その蓄電手段として急速な充放電が可能なコンデンサが選択され、このコンデンサとしては、電気二重層コンデンサが用いられている。この電気二重層コンデンサには、2000F(ファラド)程度の静電容量が確保されている。したがって、この補助電源3が主電源2とともに定着装置4に電気的に接続された場合には、数十秒程度の時間は充分に補助電源3から定着装置4に電力供給を行なうことができる。この電気二重層コンデンサは、活性炭を用いた分極性電極と有機溶媒の電界液とが接触する界面に生成される電気的な二重層を利用したもので、急速な充放電が可能で、充放電の繰り返しに対しても安定であるとされている。この補助電源3には、コンデンサにその耐電圧以上となる充電電流が流れることを防止する保護回路が付設され、この保護回路により過充電を防止してコンデンサの保護が図られている。
【0015】
定着装置4は、図2に示すように、ローラ定着の構成が用いられている。すなわち定着装置4は、定着ローラ7と、定着ローラ7に圧接された加圧ローラ8と、定着ローラ7に内蔵された加熱ヒータ9とを主体に構成されている。この加熱ヒータ9は、定着ローラ7を所定の定着温度に加熱する加熱手段とされ、切替装置5を介して主電源2、およびこれに加えて補助電源3から電力が供給されるようなっている。この加熱ヒータ9は、供給された電力に応じて発熱量が増減できる機能を有し、主電源2および補助電源3の両方から電力が供給された場合にも、この増加された電力によってその発熱を増強できる充分な能力が確保されている。
【0016】
定着ローラ7の外周近傍には、温度検知部である温度検知素子10が設置され、温度検知素子10によって、未定着トナー像13aが形成された記録媒体である転写紙13に定着ローラ7が接触する直前の定着ローラ7の外表面部分の温度つまり定着温度を検出するようにしている。なお、この温度検知素子10の信号出力線は、A/D変換器(アナログ/デジタル変換器)11を介してCPU12に接続されている。転写紙13は、図示されない搬送機構によって定着ローラ7と加圧ローラ8とが接触された圧接部分に向けて送り込まれるようになっている。
【0017】
再び図1に示すように、切替装置5は、定着装置4と主電源2とを接続する電路の途中にスイッチ14が設けられ、および、この電路に合流し定着装置4と補助電源3とを接続する電路の途中にスイッチ15が設けられ、主電源2と補助電源3とを接続する電路の途中にスイッチ16が設けられた構成とされている。したがって、これらのスイッチ14,スイッチ15,スイッチ16のオン・オフ動作を適宜、組み合わせることにより、各電路の接続・遮断が所定に行なわれて、切替装置5が、主電源2から定着装置4に電力が供給された通常モードや、これに加えて補助電源3から定着装置4に電力が供給された補助モード、主電源2から補助電源3に電力が供給された充電モードなどに切替えることができる。このような切替装置5のスイッチ動作は、CPU12を主体とした制御装置6により制御されている。
【0018】
制御装置6は、定着ローラ7の温度を検出する温度検知素子10と、この温度検知素子10からの温度信号と、画像形成動作を開始させるスイッチ操作に関連して生成された定着開始信号とが入力されるA/D変換器11と、A/D変換器11からのデジタル信号が入力されるCPU12とを有し、CPU12からの指令に基づき、切替装置5の各スイッチ14,15,16が所定にオン・オフ動作するように構成されている。したがって、温度検知素子10によって検出されたその時点での定着ローラ温度Tを示す温度信号と、定着開始信号とがA/D変換器11に入力されて、これらの信号値がデジタル値に変換されてCPU12に取り込まれる。次に、これらのデジタル値に基づき、CPU12がその予め用意されたプログラムに準じた処理を行って、切替装置5よる電力供給の切替え動作が所定に制御される。
【0019】
次に本実施形態の定着装置1の動作を説明する。すなわち、画像形成装置1の電源が投入された初回時などのように、定着ローラ7の温度が待機温度THよりも低いことが温度検知素子10により検出され、定着ローラ7の加熱が必要とCPU12が判定した場合には、CPU12により切替装置5のスイッチ14がオン動作され、主電源2が定着装置4に接続される一方、スイッチ15およびスイッチ16がオフ動作され、補助電源3が電気回路系から切り離される。したがって、主電源2から出力される電力は全て定着装置4に供給されて、定着ローラ7が定着動作を可能とする待機温度THにまで迅速に加熱される。
【0020】
定着装置4の定着ローラ7が待機温度TH以上に加熱されたことが温度検知素子10によって検出されると、この検出に基づいて、CPU12により切替装置5のスイッチ14がオフ動作され、主電源2と定着装置4との接続が解除される。次に、補助電源3が有した機能によってコンデンサの充電状態がチェックされ、コンデンサが低い充電状態の場合には、コンデンサの充電が行なわれる。すなわち、スイッチ16がオン動作され、主電源2が補助電源3に接続されて、主電源2から補助電源3に電力が供給され、補助電源3のコンデンサに充電が行なわれる。コンデンサがフル充電されると、スイッチ16がオフ動作され、定着装置1による定着動作の準備が完了した状態となる。コンデンサがフル充電状態の場合には、そのままスイッチ3のオフ動作が維持されて、即座に定着動作の準備が完了した状態となる。
【0021】
なお、通常モードでは、温度検知素子10によって検出された定着ローラ7の検知温度に基づき、主電源2から加熱手段であるヒータ9への供給電力量を制御している。すなわち、例えば定着動作が行なわれていない待機中には、定着ローラ7の検知温度に基づき、制御装置6がスイッチ14だけを所定にオン・オフ動作させて、ヒータ9への供給電力量を所定に制御し、定着ローラ7の温度を待機温度TH付近に維持するようにしている。つまり、待機温度THよりも所定に高い温度が検出された場合には、制御装置6がスイッチ14をオフ動作させて、ヒータ9の加熱を停止し、待機温度THよりも所定に低い温度が検出された場合には、スイッチ14をオン動作させて、ヒータ9による加熱を開始する制御が行なわれ、待機温度THを中心に所定の変動幅内に、定着ローラ7の温度を収めるようにしている。
【0022】
そして、本実施形態においては、実際に連続定着動作が行なわれて、定着ローラ7の温度が大幅に低下してから、つまり定着ローラ7加熱用の電力が不足している事態が明確になった時点からではなく、定着ローラ7の温度が大幅に低下すると予測できた場合には、主電源2からの電力の供給が開始される時点から、補助電源3からの電力の追加供給が行なわれている。すなわち、画像成形装置1の画像形成動作に関連して生成された連続定着を現わした定着開始信号が定着装置4に入力されると、連続定着が開始され、制御装置6によって、切替装置5が通常モードから補助モードに切替えられる。この補助モードでは、切替装置5のスイッチ14がオン動作されるとともに、スイッチ15がオン動作される。したがって、主電源2に定着装置4が接続されて主電源2から定着装置4に電力が供給されるとともに、補助電源3が定着装置4に接続されて補助電源3からも定着装置4に電力が供給される。このため、主電源2と補助電源3との両方から定着装置4に電力が供給されることにより、定着装置4に主電源2の単独による通常の電力供給よりも多くの電力が供給されて、加熱ヒータ9による発熱が増強される。この結果、連続定着による定着装置4の定着ローラ7の温度低下を減少させて抑制することができる。
【0023】
他方、このような補助モード中は、制御装置6が、温度検知素子10による検知温度とは無関係に、主電源2および補助電源3から加熱手段であるヒータ9への供給電力量を制御するようにしている。すなわち、補助モード中は、少なくとも定着ローラ7を一定の温度に制御するためのスイッチ14のオン・オフ制御が解除され、スイッチ14およびスイッチ15が常にオン状態つまり連続的な接続状態が確保される。このため、定着ローラ7の温度が低下してから、換言すれば待機温度THよりも所定に低い温度を検出してから、主電源2および補助電源3から加熱手段への電力を供給することがなくなる。したがって、補助モード中は、温度制御による制約を解除して両電源2,3から電力を供給していることから、ヒータ9が発熱性能を最大限に発揮でき、しかも定着ローラ7の温度低下が検知されてから電力供給を開始するようにしていないので、両電源2,3から電力を供給するタイミングを早めることができる。この結果、電力供給を開始してから、実際に定着ローラ7の温度が上昇するまでの時間遅れが、タイミングを早めた分だけ削減され、定着ローラ7の温度不足による定着不良が生じるおそれを低減できる。他方、補助モード中は、温度検知素子10による検知温度と無関係に、制御装置6が、主電源2および補助電源3から定着装置4の加熱ヒータ9への供給電力量を制御しているので、定着装置4の温度が一時的に過熱状態になるおそれがある。しかしながら、補助モード中、すなわち連続定着中は、次から次へ連続的に転写紙13が定着装置4に送られてくるので、一時的な過熱状態はすぐに解消される。
【0024】
したがって、この実施形態の補助電源3を主体とした構成を有しない図示しない画像形成装置において、連続定着時には、定着ローラ温度が低下し続け、図3のグラフに示されるように、定着ローラ温度がトナー像を適正に定着可能な温度範囲のうちの最も高い温度(待機温度TH)から最も低い温度(定着下限温度TL)以下に下がってしまう。すなわち、連続的に送給される複数の記録媒体によって定着ローラの熱が運び去られ続けるので、加熱手段であるヒータによる定着ローラの加熱が間に合わなくなっていた。このため、画像の定着不良を回避するために、一旦、装置の機械的な動作を停止させ、定着ローラの温度を定着可能温度に回復させてから、機械的な動作を再開していた。
【0025】
なお、図3の横軸には時間tが、縦軸には温度が採られており、連続定着の経過に伴い変化した定着ローラ温度Tが示されている。すなわち、THは定着ローラの待機温度、TLは定着下限温度、t1は連続定着が開始された時点、t2は連続定着により定着下限温度TLまで定着ローラ温度Tが低下した時点、tp0はt1時点からt2時点までの連続定着が可能な時間、tr0はt2時点の温度からt3時点の待機温度THにまで定着ローラ温度Tが回復に要する温度回復時間を、それぞれ示す。
【0026】
温度回復時間tr0を短縮または皆無にするためには、ヒータに供給する電力を増加して、発熱量を増大させ、連続定着による定着ローラ温度低下を抑制または阻止すればよい。しかしながら、この場合には、画像形成装置全体の最大消費電力が増大する。このため、増大した電力を供給できる電気設備が必要となるので、一般家庭に普及している商用電源が使用できなくなる不都合が生じる。
【0027】
これに対して、図4に、本実施形態の連続定着動作に伴う定着ローラ7の温度変化をグラフとして示す。すなわち、連続定着動作には、定着ローラ7に接触して次々に連続して移送される転写紙13によって、定着ローラ7から熱が連続的に運び去られ、定着動作が開始されたt1時点から、定着ローラ温度Tがt1時点の待機温度THから定着下限温度TLに向かって降下し続ける。この場合に、本実施形態によれば、補助電源3から電力が定着装置4に追加されて供給され、定着装置4の発熱が強化されているので、このような電力の追加供給のない構成に比べて、定着ローラ温度Tが低下する具合が緩和される。したがって、定着ローラ温度TがTHからTLに到達するまでの時間、つまりt1時点からt4時点までの時間tp1が大幅に延長される。このため、連続定着を実行する場合に、定着処理する速度を維持したまま、この連続定着が可能な時間tp1を増加できる。この結果、この時間tp1中に画像を定着できる枚数(定着保証枚数)を増加でき、画像形成装置1としての連続定着性能を向上できる。なお、最後の転写紙13の定着処理が終了した時点で、スイッチ15がオフ動作され、補助電源3のからの電力供給が停止される。そして、主電源2からの電力供給による定着ローラ7の温度を待機温度THに回復させる処理と、補助電源3を充電させる処理などの一連の準備処理が行なわれて、準備完了状態に復帰する。
【0028】
また、連続定着が可能な最大枚数が増加するので、画像形成装置1の機械的な動作が中断する機会を減少できる。このため、装置としての使用感を向上することができる。さらに、このように連続定着動作の中断と再開とが繰り返される頻度を減少できるので、使用者に装置が不調または異常動作したと誤認を与えるおそれを未然に回避することができる。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、主電源2から独立した充電式の補助電源3を設け、この補助電源3によって連続定着処理時の定着ローラ7の温度低下を抑制するために必要な追加電力を確保しているので、画像形成装置1の最大消費電圧が増加しないで済み、通常の商用電源を使用できる。すなわち、画像形成装置1内に、装置外の電源から独立した補助電源3を内部電源として確保し、この装置外の電源に対する電圧などの負荷を増大させることなく、補助電源3によって定着装置4への電力供給を増加して、定着装置4の発熱量を増大させている。このため、画像形成装置1を設置する個所が制約されずに済み、汎用性を充分に維持することができる。また、このように画像形成装置1による負荷の変動幅を増大させずに済むので、同一の商用電源を使用している他の機器に対する電気的な影響を軽減できる。
【0030】
また、本実施形態によれば、その連続定着処理に要した時間が時間tp1未満の場合には、装置の機械的な停止時間を短縮することができる。すなわち、例えば従来構成の画像形成装置がその動作を中断させることなく連続して連続定着できる最大枚数と同一の条件下で本構成の画像形成装置1が動作した場合、つまり本構成の画像形成装置1が従来構成の画像形成装置による最大枚数と同一の枚数を処理するような場合には、従来構成では定着ローラの温度が図5のグラフ中に破線で示されるように変化するのに対して、本構成では補助電源3からの追加電力により定着装置4の加熱が補助されているので、図5中に実線で示されるように、定着ローラ7の温度が下限温度TLまで低下することが阻止される。このため、最終枚数の定着処理が終了した時点t2では、定着ローラ温度Tが下限温度TLよりも必ず高い温度となる。したがって、この終了時点t2の定着ローラ温度Tと待機温度THとの温度差が減少するので、定着ローラ温度Tが待機温度THにまで復帰する時点t6が早期化される。このため、本構成による復帰時間tr1を、従来の構成による復帰時間tr0に比べて短縮できる。したがって、待機温度THへの復帰時間tr1を短くできるので、これに応じて画像成形装置1が機械的に停止する時間を短縮できる。この結果、連続定着処理に要した時間が時間tp1未満の場合には、画像成形装置1がすみやかに次の定着処理を必要とする動作に移行でき、装置としての性能を向上できる。
【0031】
さらに、補助電源3に、活性炭と電解液の界面に発生する電気二重層を動作原理として利用した電気二重層コンデンサを用いているので、二次電池が電気化学的な反応を利用して電気エネルギーを蓄積していることに起因する制約を未然に回避することができる。
【0032】
一般的なニッケル−カドミウム電池は、急速充電を行っても数時間の時間が必要となっているのに対して、電気二重層コンデンサは、数分程度の急速な充電が可能である。このため、長い充電時間に妨げられて、定着装置4の温度低下を抑制させるために動作する機会を、補助電源3が失することがなくなる。この結果、毎回の連続定着動作に応じた補助電源3による加熱補助動作が可能となり、本実施形態による効果を充分に発揮させることができる。
【0033】
また、ニッケル−カドミウム電池は、充放電の繰り返し回数の限界が500回から1000回とされているのに対して、電気二重層コンデンサは、100000回以上の充放電回数が保証されている。このため、補助電源3の装置単体としての長寿命化が図れる。この結果、補助電源3を交換する手間や、交換部品としての消耗コストが削減され、取扱い性や経済性を向上できる。
【0034】
さらに、電気二重層コンデンサは、活性炭電極と電解液とが接触する表面積が大きく、しかも誘電体の距離が極めて短いことから、小形でもファラド単位の静電容量が得られるので、補助電源3の小型軽量化を図ることが可能となる。また、電気二重層コンデンサを構成する主要な基本材料は、その電極材料が活性炭で、電解液が有機溶媒であるので、環境保護の面でも好ましいものとなる。
【0035】
なお、画像を形成処理する際に装置が認識できる各種の条件から、連続定着によって定着ローラ7の温度が下限温度TLまで低下することが予測される場合にのみ、定着装置4に補助電源3からの追加電力を供給するように構成してもよい。すなわち、例えばこの実施形態の画像形成装置1が複写機に適用されたときには、初回の使用時であるか否かや、使用者が予約入力したコピー部数、コピー倍率による形成画像のサイズ、用紙サイズ、紙厚や紙質などの用紙の種類、単位時間当たりの処理枚数、用紙の両面または片面に画像を形成するなどの各種の条件に基づき、定着装置4の温度が下限温度TLまで低下するか否かを画像形成装置1が判別して、この判別結果に基づいて追加電力を投入するか否かを判断するように構成できる。また、この画像形成装置1がプリンタ装置、ファックス装置に適用されたときには、装置の外部から送信された画像を形成するためのデータ量に基づき、または受信データの内容から上記の条件を抽出して、追加電力を投入するか否かを最終的に判断するように構成できる。
【0036】
したがって、これらの構成の場合には、補助電源3からの追加電力による加熱補助が必要な状況を判別して補助電源3を放電動作できる。換言すれば、定着ローラ7の温度が下限温度TLまで低下しないことが予測される場合には、補助電源3の放電動作を抑制できる。このため、補助電源3の放電動作が必要最小限となり、その動作頻度を削減できる。この結果、有限回数の充放電動作が可能な補助電源3の長寿命化を図れるとともに、装置全体が消費する累積電力を低減させた省電力化を図ることができる。
【0037】
また、連続定着の終了時に、補助電源3に電力が残存している場合には、この残存電力を用いて、定着ローラ7を連続定着前の待機温度THに復帰させることを促進させるように構成してもよい。すなわち、この構成では、連続定着の終了時点t2で、補助電源3の残存充電量をチェックしたり、連続定着の実行時間から残存量を推測したりして、定着装置4が残存電力の有無を判定し、残存電力が有ると判定された場合には、切替装置5による定着装置4と主電源2および補助電源3との接続をそのまま維持することによって行なう。
【0038】
したがって、この構成によれば、連続定着の終了時点t2からの定着ローラ温度Tを待機温度THに回復させるために必要な時間をより短縮できるので、画像形成装置1を以降の定着動作のための準備を、よりすみやかに完了させることができる。また、補助電源3の加熱補助用に放電を実行して残った電力を利用しているので、二次電源装置である補助電源3をフル充電させてフル放電させる機会が増大できる。このため、充放電回数が有限な補助電源3の特性能力を有効かつ充分に使い切ることが可能となる。この結果、充放電装置としての補助電源3の利用効率を高めることができる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、連続定着時には、補助電源からの追加電力によって定着装置の発熱能力を増強しているので、定着温度の低下が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の主要部を示す画像形成装置のブロック図である。
【図2】定着装置の概略構成を示す側面図である。
【図3】補助電源を有しない構成による定着ローラの温度変化を示すグラフである。
【図4】この実施の形態による定着ローラの温度変化を示すグラフである。
【図5】従来と同一条件の場合に、補助電源を有しない構成による定着ローラの温度変化と、この実施の形態による定着ローラの温度変化とを対比して示すグラフである。
【符号の説明】
1 画像形成装置         2 主電源
3 補助電源           4 定着装置
5 切替装置           6 制御装置
7 定着ローラ          8 加圧ローラ
9 加熱ヒータ(加熱手段)   10 温度検知素子(温度検知部)
12 CPU           13 転写紙(記録媒体)
13a 転写紙上の未定着トナー像 14 主電源用の切替えスイッチ
15 補助電源用の切替えスイッチ 16 補助電源充電用の切替えスイッチ
TH  待機温度           TL 定着下限温度
t1 連続定着の開始時点     t2 連続定着の終了時点
t4 本実施形態による連続定着の終了時点
tp1 本実施形態による延長された連続定着が可能な時間
tr1 本実施形態による短縮された待機温度への回復時間

Claims (4)

  1. 電力により発熱する加熱手段を有し、記録媒体上の未定着トナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着装置と、この定着装置に電力を供給する主電源および補助電源と、主電源と定着装置とを接続して主電源から電力を供給する通常モードと、主電源および補助電源と定着装置とを接続して両電源から電力を供給する補助モードとを有した切替装置と、この切替装置を制御する制御装置とを具えた画像形成装置において、
    連続定着が行なわれるときに、前記制御装置が、前記切替装置を通常モードから補助モードに切替わるように制御する構成とされ、
    制御装置は、定着装置の温度を検出する温度検知部をさらに有し、
    前記通常モード中は、前記温度検知部の検知温度に基づき、主電源から加熱手段への供給電力量を制御し、
    前記補助モード中は、温度検知部の検知温度と無関係に、主電源および補助電源から加熱手段への供給電力量を制御していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 補助電源が、二次電源とされるとともに、主電源によって充電される構成とされている請求項1記載の画像形成装置。
  3. 補助電源の蓄電手段として、コンデンサが用いられている請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 画像形成装置の非定着動作時に、補助電源が充電される請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
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