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JP2004077653A - 架橋硬化型樹脂組成物 - Google Patents

架橋硬化型樹脂組成物 Download PDF

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JP2004077653A
JP2004077653A JP2002235735A JP2002235735A JP2004077653A JP 2004077653 A JP2004077653 A JP 2004077653A JP 2002235735 A JP2002235735 A JP 2002235735A JP 2002235735 A JP2002235735 A JP 2002235735A JP 2004077653 A JP2004077653 A JP 2004077653A
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acrylate
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mass
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Yasuyuki Sanai
佐内 康之
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

【課題】支持フィルムと架橋硬化型樹脂層との密着力の高いドライフィルムレジストを形成する架橋硬化型樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】バインダー用熱可塑性樹脂(不飽和カルボン酸、モノ(メタ)アクリレートおよび脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートと、スチレンを含むこともある混合物からなる重合物)、多官能(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤からなる架橋硬化型樹脂組成物を使用することで、この問題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弱アルカリ水溶液により現像可能な活性エネルギー線重合性の架橋硬化型樹脂組成物であり、ドライフィルムレジストとして産業上有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリント配線板作製用フォトレジストとして、ドライフィルムレジストが広く使用されている。保護フィルムと支持フィルムとを有するアルカリ現像型ドライフィルムレジストの使用方法としては、まず、該ドライフィルムレジストより保護フィルムを剥離しながら架橋硬化型樹脂を銅張り積層板に熱にてラミネートし、ついでレジストフィルムの支持フィルム面にフォトツールを密着させ紫外線等で露出部分を硬化させる。ついで支持フィルムをはがした後、炭酸ナトリウムなどの弱アルカリ水溶液により未露出部を現像除去することにより、配線パターンを得ることができる。
【0003】
特に紫外線露光工程においては、小さなゴミや塵が支持フィルムとフォトツールとの間に入り込み、本来硬化されるべき部分が露光されずに現像工程で除去されることから、ここが断線するトラブルが起こりやすい。これまでは、このようなトラブルに対しては、露光量を若干高めにすることによりゴミや塵の影響を軽減させ、断線となることを防止してきた。
【0004】
しかし、適正な露光量より多めに露光することで断線のリスクは軽減されるものの、逆に配線が太くなり、配線が高密度となっていることから配線同士が接触してショートするといったトラブルが発生するようになってきた。そこで最近では、ラミネート工程と露光工程との間に、支持フィルム上に入り込んだゴミや塵を粘着ロールで除去する新しい工程を導入し、上記のトラブルを解決しようとしている。しかし、従来のドライフィルムレジストでは、支持フィルムと架橋硬化型樹脂層との密着力が低いため、粘着ロールでゴミや塵を除去する際に支持フィルムが架橋硬化型樹脂層から剥がれ、歪みや空気が入り込み酸素による重合阻害作用で、露光部分が硬化不良になるという問題が発生するようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決するために、支持フィルムと架橋硬化型樹脂層との密着力の高いドライフィルムレジストを形成する架橋硬化型樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の課題を解決するために種々の検討を行った結果、バインダー用熱可塑性樹脂(不飽和カルボン酸、モノ(メタ)アクリレートおよび脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートと、スチレンを含むこともある混合物からなる重合物)、多官能(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤からなる架橋硬化型樹脂組成物を使用することで、この問題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、本発明の架橋硬化型樹脂組成物をフィルム(支持フィルム)上に塗布したものに保護フィルムを付けたものをドライフィルムレジストと称する。また、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリロイル基またはメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表す。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、
(A)成分:A1[A1は、脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートおよび、スチレンを含んでいても良いモノ(メタ)アクリレートとの混合物]と不飽和カルボン酸とを構成単量体単位とする重合体、
(B)成分:(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物および
(C)成分:光重合開始剤
からなることを特徴とする架橋硬化型樹脂組成物である。
以下、それぞれの各成分について説明する。
【0008】
(A)成分
(A)成分は、不飽和カルボン酸を5〜50質量部および50〜95質量部のA1からなる重合体で、当該A1は、A1中に脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートを5〜65質量部含有する、スチレンを含んでいても良いモノ(メタ)アクリレートとの混合物である。この成分は、バインダーの機能を果たすものである(バインダー用熱可塑性樹脂)。
【0009】
(A)成分を構成する不飽和カルボン酸の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ソルビン酸、イタコン酸、フマル酸およびマレイン酸等が挙げられ、これらの酸無水物や、多塩基酸である場合はハーフエステル類も使用できる。これら不飽和カルボン酸は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、架橋硬化型樹脂組成物の弱アルカリ水溶液による現像時間および剥離工程における剥離液に対する当該硬化物の耐溶解性などの点から(メタ)アクリル酸が好ましく、特にメタクリル酸が好ましい。
【0010】
(A)成分における不飽和カルボン酸の割合は、5〜50質量部が好ましく、更に10〜40質量部が好ましい。5質量部未満では、弱アルカリ水溶液によって現像ができないか、又は現像時間が長くなりすぎて解像度が低下する場合があり、50質量部を越えた場合には、架橋硬化型樹脂組成物の支持フィルムに対する密着力が低下してしまう場合がある。
【0011】
(A)成分におけるA1の割合は、50〜95質量部が好ましく、更に60〜90質量部が好ましい。50質量部より少ないと架橋硬化型樹脂組成物の支持フィルムに対する密着力が低下してしまう場合がある。また95質量部より多いと現像時間が長くなりすぎて解像度が低下する場合がある。
【0012】
脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレート以外のA1に含まれるモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜20の分岐を有してもよいアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルであり、好ましくは、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルキルアルコールとのエステルである。
これらモノ(メタ)アクリレートは、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0013】
A1中、脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートが5〜65質量部含まれていることが好ましく、更に10〜60質量部含まれていることが好ましく、特に20〜60質量部含まれていることが好ましい。
この脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートは、支持フィルムへの密着力の向上と、塗膜硬度向上のために用いられる。この割合が、5質量部よりも少ないと、密着性の向上に効果が得られない場合があり、65質量部を超えると、現像時間や剥離時間が長くなるなどの問題が起こるおそれがある。
【0014】
A1中、脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレート以外のモノ(メタ)アクリレートは、5〜65質量部含まれていることが好ましく、更に10〜60質量部含まれていることが好ましく、特に20〜60質量部含まれていることが好ましい。
【0015】
A1中のスチレンは支持フィルムの対する密着性の向上に効果があるが、その一方で多すぎると現像時間や剥離時間が長くなるおそれがある。したがって、A1中にスチレンを含むときは、A1中30質量部以下が好ましく、20質量部以下が更に好ましい。
【0016】
脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、種々の(メタ)アクリレートが使用可能であるが、下記一般式(1)又は/及び(2)で表される化合物が好ましい。
【0017】
【化3】
Figure 2004077653
【0018】
〔一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基である。〕
【0019】
【化4】
Figure 2004077653
【0020】
〔一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基である。〕
【0021】
(A)成分は、不飽和カルボン酸とA1との合計100質量部に対しラジカル重合開始剤を好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部加えて重合させるものである。このときの反応温度は、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは60〜90℃であり、反応時間は、好ましくは2〜20時間、更に好ましくは4〜10時間である。
当該ラジカル重合開始剤としては、一般にラジカル重合開始剤として使用するアゾ化合物や過酸化物を使用することができ、好ましくはアゾ化合物である。
【0022】
(A)成分の質量平均分子量としては、現像時間及び耐コールドフロー性の点から、一万〜四十万の範囲が好ましく、より好ましくは三万〜二十万の範囲である。質量平均分子量が一万未満の場合にはドライフィルムレジストとした際にコールドフロー現象を起こしやすくなり、逆に質量平均分子量が四十万を超えたものは未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が不足するため、その現像性が低下しやすくなり、現像時間が長くかかりすぎて生産性を低下させてしまうおそれがある。
【0023】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物の重合成分(重合開始剤である(C)成分を除いたもの)に対し(A)成分の含有割合は、40〜75質量部であることが好ましく、更に50〜70質量部が好ましい。(A)成分の割合がこの範囲を外れると、支持フィルムに対する密着性を発現しない場合がある。
【0024】
(B)成分
(B)成分は、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物である。
(B)成分の具体例として、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールZエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、並びにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら以外にも、5個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートも使用可能である。
又、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマーも使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル及びトリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート並びにビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら(B)成分は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0025】
(B)成分としては、2〜6個の(メタ)アクロイル基を有するものが好ましく、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のような5官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のような6官能(メタ)アクリレートが特に好ましく使用できる。
更に(B)成分としては、(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物または/および3個有する化合物が更に好ましく、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物または/およびペンタエリスリトールに(メタ)アクリロイル基を2個または3個有する化合物が特に好ましい。
【0026】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物の重合成分(重合開始剤である(C)成分を除いたもの)に対し(B)成分の含有割合としては、25〜60質量部であることが好ましく、25〜50質量部が特に好ましい。(B)成分の割合が25質量部未満では、支持フィルムに対する密着性が低下する場合があり、一方、60質量部を越える場合には、得られるドライフィルムレジストの架橋硬化型樹脂層のフィルム形成性が損なわれ、十分な膜強度が得られず、コールドフローが発生しやすくなるおそれがある。
【0027】
(C)成分
(C)成分は、本発明の架橋硬化型樹脂組成物に添加する光重合開始剤である。
(C)成分の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン;並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
(C)成分は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
(C)成分には、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0028】
(C)成分は、本発明の架橋硬化型樹脂組成物の重合成分(重合開始剤である(C)成分を除いたもの)に対し0.05〜12質量部を加えることが好ましく、更に0.5〜5質量部が特に好ましい。(C)成分が0.05質量部に満たないと、十分な硬化性が得られないことがあり、一方、12質量部を超えると経済性に問題がある場合がある。
【0029】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線を用いてフォトツールの回路図に従って硬化させることができる。この活性エネルギー線としては、紫外線、可視光、電子線などを用いることができるが、紫外線が好ましく使用することができる。
【0030】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物には、上記必須成分の他、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
例えば、銅張り積層板等の基材との密着性を向上させるための密着促進剤を挙げることができる。
【0031】
密着促進剤としては、従来公知のベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール等を使用することも可能であるが、少量の添加で金属面への密着性を向上させることができるテトラゾール又はその誘導体が好ましく、具体例としては、例えば、1−フェニルテトラゾール、5−フェニルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−アミノー1−メチルテトラゾール、5−アミノ−2−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール等が挙げられ、これらは一種又は二種以上を併用してもよい。
【0032】
密着促進剤を使用する場合には、本発明の架橋硬化型樹脂組成物100質量部に対して、0.005〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。0.005質量部未満では、基材との密着性の向上に効果が認められにくく、一方、5質量部を越えると本発明の架橋硬化型樹脂組成物への溶解に時間がかかってしまい、さらには得られる架橋硬化型樹脂組成物の感度も低下しやすい場合がある。
【0033】
これら以外にも、重合禁止剤、染料、可塑剤、充填剤及び難燃剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【0034】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物は、有機溶剤溶液として液状にて基材上に塗布して使用することもできるが、本発明の架橋硬化型樹脂組成物を支持フィルム上に塗布して架橋硬化型樹脂層としたドライフィルムレジストとして使用することが工業的に有利である。
【0035】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物を用いてドライフィルムレジストを形成させるには、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、ロールドクターコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、カーテンコーター等を用いて塗布することもできるが、架橋硬化型樹脂組成物に溶剤を添加して使用する場合には、溶剤を飛散させる必要がある。ドライフィルムレジストの支持体としては、通常一般に用いられているポリエステル等のプラスチックフィルムが主に用いられる。乾燥機としては可燃性有機溶剤を使用する場合には安全性の点から蒸気による空気加熱式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触させる方式、ノズルより支持体に吹き付ける方式等が用いられる。又、乾燥機の形状は、アーチ式、フラット式等目的に合わせて選択して用いられる。本発明の架橋硬化型樹脂組成物をフィルムなどに塗布した後、保護のために保護フィルムを貼ることもできる。
【0036】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物を塗布したドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を作製することができる。即ち、本発明の架橋硬化型樹脂組成物を塗布したドライフィルムレジストから保護フィルムを剥がして銅箔付き積層板に貼り付け、熱でラミネートする。次に、回路パターンを有するフォトツールを密着させる。その後、活性エネルギー線たとえば紫外線を照射し、当該組成物を硬化させる。フォトツールを当該フィルムから剥がし、次に支持フィルムを剥がして弱アルカリ水溶液(例えば1%炭酸ナトリウム水溶液)で未露光部分の組成物を溶かして(例えば、30秒〜3分間)銅箔を露出させる。そして、露出部分の銅箔をエッチング処理し(例えば、40〜60℃の塩化第二鉄水溶液で30秒〜3分間)、露出部分の銅箔を除去する。次に、銅箔上の硬化部分を剥膜処理(例えば、30〜60℃の3〜5%水酸化ナトリウム水溶液で30秒〜3分間)し銅を露出させ、プリント配線板とすることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において「部」とは質量部を意味する。
【0038】
<合成例1>〔(A)成分の製造〕
窒素導入管、攪拌装置、コンデンサー及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン(以下MEKという)300gを加え、窒素雰囲気下、80℃に保持し、ついで下記モノマー混合物500g、及びアゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)5gからなる混合液を、5時間かけてフラスコ中に滴下した。
その後、さらにAIBN1g及びMEK50gを加えて2時間熟成し、(A)成分を製造した。ここで合成したものの質量平均分子量は32,000であった。
○モノマー混合物:メタクリル酸25部、トリシクロデカンメチロールアクリレート〔前記式(1)においてRが水素原子の化合物〕36部、メチルメタクリレート35部、2−エチルヘキシルアクリレート4部。
【0039】
<合成例2>〔(A)成分の製造〕
合成例1と同様のフラスコに、MEK300gを加え、窒素雰囲気下、80℃に保持し、下記モノマー混合物500g、AIBN5g及びMEK50gからなる混合液を、3時間かけてフラスコ中に滴下した。
その後、さらにAIBN1g及びMEK50gを加えて2時間熟成し、(A)成分を製造した。ここで合成したものの質量平均分子量は41,000であった。
○モノマー混合物:メタクリル酸23部、トリシクロデカンメチロールアクリレート45部、メチルメタクリレート15部、n−ブチルアクリレート3質量部、スチレン14部。
【0040】
<合成例3>〔(A)成分の製造〕
合成例1と同様のフラスコに、MEK250gを加え、窒素雰囲気下、80℃に保持し、ついで下記モノマー混合物500g、MEK50g、及びAIBN5gからなる混合液を、5時間かけてフラスコ中に滴下した。その後、さらにAIBN1g及びMEK50gを加えて2時間熟成し、(A)成分を製造した。ここで合成したものの質量平均分子量は47,000であった。
○モノマー混合物:メタクリル酸19部、ノルボルナンメチロールアクリレート〔前記式(2)においてRが水素原子である化合物〕25部、エチルアクリレート10部、メチルメタクリレート43部、スチレン3部。
【0041】
<比較合成例1>〔比較(A)成分の製造〕
合成例1と同様のフラスコに、イソプロピルアルコール(以下IPAという)300gを加え、窒素雰囲気下、80℃に保持し、ついで下記モノマー混合物500g、及びAIBN10gからなる混合液を、5時間かけてフラスコ中に滴下した。その後、さらにAIBN1g及びIPA50gを加えて2時間熟成し、(A)成分と異なる熱可塑性重合体分を製造した。ここで合成したものの質量平均分子量は12,000であった。
○モノマー混合物:メタクリル酸2部、メチルメタクリレート55部、スチレン38部、2−エチルヘキシルアクリレート5部。
【0042】
<比較合成例2>〔比較(A)成分の製造〕
合成例1と同様のフラスコに、IPA300gを加え、窒素雰囲気下、80℃に保持し、ついでモノマー混合物500g及びAIBN10gからなる混合液を、5時間かけてフラスコ中に滴下した。
その後、さらにAIBN1g及びIPA50gを加えて2時間熟成し、(A)成分と異なる熱可塑性重合体を製造した。ここで合成したものの質量平均分子量は14,000であった。
○モノマー混合物:メタクリル酸19部、メチルメタクリレート15部、n−ブチルアクリレート35部、エチルアクリレート31部。
【0043】
<実施例1〜4、比較例1〜2>
合成例1〜3、及び比較合成例1及び2で得られた熱可塑性樹脂を用いて、表1に示す成分を攪拌・混合し、架橋硬化型樹脂組成物を製造した。
得られた組成物を、プロペラ型ミキサーで攪拌し、減圧脱泡した後、ブレードコーターにより厚さ20μm、幅500mmのポリエステルフィルム上に塗工幅340mmで塗布した。ついで、乾燥機中で、熱風を送りながら塗工液を乾燥させて樹脂フィルムを得た。
ついで、塗膜面に厚さ35μmのポリエチレン製保護フィルムをラミネートして、ポリエステルフィルム(支持フィルム)、架橋硬化型樹脂組成物及び保護フィルムが積層されたドライフィルムレジストを得た。
得られたドライフィルムレジストを用いて、耐コールドフロー試験、密着性試験および現像性評価を行い、これらの結果を表1に示した。
表1中の数値は、質量部を意味し、(A)成分については固形分換算の値である。
なお、表1における略号は以下の意味を示す。
M−305:ペンタエリスリトールトリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−305
M−225:ポリプロピレングリコールジアクリレート(PO付加モル数約7モル)、東亞合成(株)製アロニックスM−225
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
BDMK:ベンジルジメチルケタール
【0044】
○耐コールドフロー試験
得られたドライフィルムレジストを、5cm×5cmに切り取って試験片を作製したものを、試験片を垂直になるようにクリップ止めして室温で1ヶ月間放置し、端面からの樹脂のはみだしがないかを確認し、耐コールドフロー試験とした。目視ではみだしのないものを「○」、はみだしが認められたものを「×」とした。
【0045】
○密着性試験
2枚のポリエステルフィルムの間に架橋硬化型樹脂組成物をはさみこんもの(ドライフィルムレジスト)を用いて、ポリエステルフィルムを90度の角度で引き剥がし、このときの引き剥がし力を測定し、密着性の評価をおこなった。測定はJIS Z 0237に準拠しておこなった。
【0046】
○現像性評価
保護フィルムを剥離したドライフィルムレジストを、銅張り積層板に熱ラミネートし、80℃で20分間放置したのちに現像性試験評価サンプルとした。次に、液温30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧2.0kgf/mmでスプレーし、60秒後の塗膜の有無を目視で評価した。目視で塗膜のないものを「○」、残膜が認められるものを「×」とした。
【0047】
【表1】
Figure 2004077653
【0048】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物は、密着性が高いことから、本発明の架橋硬化型樹脂組成物を用いたドライフィルムレジストに対し粘着ロールのようなものでゴミや塵を除去しても、当該組成物から支持フィルムが剥がれるおそれがない。また、本発明の架橋硬化型樹脂組成物を保存しておいても、支持フィルムから流れ出すことがないことから、保存性にも優れている。
【0049】
【発明の効果】
本発明の架橋硬化型樹脂組成物は、保存中の支持フィルムからのはみだしがなく、現像性及び密着性に優れることから、プリント配線基板を製造するためのドライフィルムレジストにおいて有用なものである。

Claims (4)

  1. (A)成分:A1[A1は、脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートを5〜65質量部含有する、スチレンを含んでいても良いモノ(メタ)アクリレートとの混合物]を50〜95質量部と不飽和カルボン酸を5〜50質量部とからなる重合体
    (B)成分:(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物および
    (C)成分:光重合開始剤
    とからなることを特徴とする架橋硬化型樹脂組成物。
  2. 前記A1中の脂環式骨格を有するモノ(メタ)アクリレートが下記一般式(1)又は/及び(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の架橋硬化型樹脂組成物。
    Figure 2004077653
    〔一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基である。〕
    Figure 2004077653
    〔一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基である。〕
  3. 請求項1または請求項2にそれぞれ記載の架橋硬化型樹脂組成物を用いたドライフィルムレジスト。
  4. 請求項3記載のドライフィルムレジストに活性エネルギー線を照射してなるプリント配線板。
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